JP2020045678A - 携帯式ブロワ - Google Patents

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哲弥 河本
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章太 西原
智大 宮西
Tomohiro Miyanishi
智大 宮西
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Abstract

【課題】ファンケースを軽量化するに際して、ファンケースの吹き出し口に対してパイプ基部が接続されている噴出パイプの脱落を抑止する。【解決手段】携帯式ブロワは、携帯式の本体におけるファンケースの吹き出し口に噴出パイプのパイプ基部を接続した携帯式ブロワであって、ファンケースは、低比重の繊維強化樹脂で形成され、パイプ基部は屈曲形状をなし、吹き出し口のパイプ接続部に摺動自在に接続され、パイプ接続部には、パイプ基部の摺接箇所に、耐摩耗性材料で形成された摺接受け部材が取り付けられている。【選択図】図5

Description

本発明は、空気流を噴出させる噴出パイプを備える携帯式ブロワに関するものである。
携帯式ブロワは、装備したエンジンや電動モータなどの原動機により送風機を駆動し、送風機から吐出される空気流によって、落ち葉や塵など集める清掃作業や刈り取った牧草などを集める集草作業などを行う作業機である。携帯式ブロワの基本構成は、背負い式や手持ち式などで携帯自在な本体に前述した原動機と送風機が装備されており、送風機のファンケースに空気流を噴出させる噴出パイプが接続されている。
従来の携帯式ブロワは、下向きに開口したファンケースの吹き出し口に、操作レバーを備える噴出パイプの屈曲した基部を接続しており、作業者が操作レバーを把持して噴出パイプの噴出口の向きを変えながら空気流を噴出させて前述した作業を行っている。
特開2017−8685号公報
前述した従来の携帯式ブロワは、作業中に噴出パイプの噴出口の向きを変える操作を繰り返すため、ファンケースの吹き出し口に対して噴出パイプの屈曲した基部が摺動自在に接続される構造になっている。このような携帯式ブロワは、噴出する空気流の風圧と風量を高めようとすると、原動機の出力を大きくしたり、噴出パイプの径を太くしたりすることになり、その結果本体が大型化してしまう。本体の大型化に伴って重量も増加するため、作業者への肉体的な負担が大きくなり、作業効率の低下につながっている。そのため、作業負担の軽減を図るために本体をより軽量化することが求められている。
この要求を満たすためには、本体の重量を軽減する手段としてファンケースを低比重の繊維強化樹脂にすることが考えられている。しかしながら、ファンケースを低比重の繊維強化樹脂にすると、ファンケースの吹き出し口と噴出パイプの基部(以下、パイプ基部)の接続箇所が、吹き出し口に対するパイプ基部の摺動で摩耗し易くなり、接続箇所の嵌合部などが削れて、ファンケースに対して噴出パイプががたついて作業性が低下したり、場合によっては脱落したりする不具合が生じ易くなる新たな問題が確認された。
本発明は、このような問題に対処するために提案されたものである。すなわち、作業負担の軽減を図るために、ファンケースを軽量化するに際して、ファンケースの吹き出し口に対してパイプ基部が接続されている噴出パイプのがたつきや脱落を抑止すること、などが本発明の課題である。
このような課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
携帯式の本体におけるファンケースの吹き出し口に噴出パイプのパイプ基部を接続した携帯式ブロワであって、前記ファンケースは、低比重の繊維強化樹脂で形成され、前記パイプ基部は屈曲形状をなし、前記吹き出し口のパイプ接続部に摺動自在に接続され、前記パイプ接続部には、前記パイプ基部の摺接箇所に、耐摩耗性材料で形成された摺接受け部材が取り付けられていることを特徴とする携帯式ブロワ。
このような特徴を備える携帯式ブロワは、ファンケースを低比重の繊維強化樹脂で形成することで、本体を軽量化することができ、本体を背負い等で携帯しながら作業を行う携帯式ブロワの作業負担を軽減することができる。更に、パイプ接続部におけるパイプ基部の摺接箇所に、耐摩耗材料で形成された摺接受け部材を取り付けることで、噴出パイプのパイプ基部を摺動させる作業を繰り返した際にも、パイプ接続部が摩耗して噴出パイプががたついたり脱落したりする不都合を未然に防止することができる。
本発明の実施形態に係る携帯式ブロワの全体構成を示した説明図である。 携帯ブロワにおけるパイプ接続部の内部構造を示した斜視図である(摺接受け部材を取り付ける前の状態)。 携帯ブロワにおけるパイプ接続部の内部構造を示した斜視図である(摺接受け部材を取り付けた後の状態)。 パイプ接続部にパイプ基部が接続された状態を示す説明図である。 パイプ接続部にパイプ基部が接続された状態を示す説明図(パイプ基部断面図)である。 摺接受け部材の他の構成例を示した説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
図1に示すように、携帯式ブロワ1は、背負い式の機体枠(背負い架台)2に搭載される本体に送風機3と原動機4が装備されている。送風機3は、吹き出し口5Aを有するファンケース5を備えている。原動機4は、エンジンとエンジンに燃料を供給するための燃料タンク、或いは、モータとモータの駆動電源となるバッテリーなどを備えている。
携帯式ブロワ1は、ファンケース5の吹き出し口5Aに、噴出パイプ6のパイプ基部7が接続されている。パイプ基部7は、図示の矢印で示すように、噴出パイプ6の先端を様々な方向に向けるために、吹き出し口5Aのパイプ接続部10に摺動自在に接続されている。
ファンケース5は、一対の分割体を貼り合わせることで、内部に空気が流れる空間が形成されており、ファンケース5のパイプ接続部10も同様に、2分割される一対の分割体で形成されて、その一対の分割体がパイプ基部7を挟み込んで、パイプ接続部10にパイプ基部7の一端部が接続されている。屈曲形状に形成されるパイプ基部7の他端部には、噴出パイプ6のパイプ本体或いはフレキシブルパイプ部が接続される。
ここで、ファンケース5及びファンケース5のパイプ接続部10は、本体の軽量化を図るために、低比重の繊維強化樹脂で形成されている。より具体的には、ファンケース5とそのパイプ接続部10を形成する材料は、比重1.1以下のカーボン繊維強化ポリプロピレン、例えば、PP−CF20などを用いることができる。
図2及び図3には、パイプ接続部10の内部構造を示しており、パイプ接続部10の一対の分割体を分解した状態で、一方の分割体の内部構造を示している。パイプ接続部10には、パイプ基部7の摺接箇所に、耐摩耗性材料で形成された摺接受け部材20が別部材として取り付けられている。
図2は、摺接受け部材20をパイプ接続部10の内側に取り付ける前の状態を示しており、図3は、摺接受け部材20をパイプ接続部10の内側に取り付けた後の状態を示している。
パイプ接続部10の内部には、摺接受け部材20が取り付けられる保持部10Aが形成されている。また、パイプ接続部10の内側には、突出部10Bが設けられている。突出部10Bは、パイプ接続部10に接続されるパイプ基部7の周方向に沿って部分的に形成されており、その突出部10Bに、パイプ接続部10における分割体の接合部(ねじ穴)10Cが設けられている。そして、突出部10Bを除く部分が保持部10Aになっていて、摺接受け部材20は、突出部10Bを除くパイプ接続部10の内側に取り付けられている。
図2及び図3に示した例では、摺接受け部材20は、パイプ接続部10の分割体に対応した一対の分割部材になっている。摺接受け部材20は、パイプ接続部10の突出部10Bの端部に係合する係合部20Aを備えている。また、パイプ接続部10の保持部10Aには、回り止め突起10Dが設けられており、摺接受け部材20には、この回り止め突起10Dに嵌合する嵌合部が設けられている。摺接受け部材20は、このような回り止め突起10Dに嵌合すると共に、突出部10Bの端部に係合する係合部20Aを備えることで、パイプ基部7の摺接に対して、固定した状態で保持部10Aに保持されている。
また、摺接受け部材20は、パイプ基部7を抜け止め状態で保持する嵌合部20Bを備えている。嵌合部20Bには、図4及び図5に示すように、パイプ基部7が取り付けられる際に、パイプ基部7の周方向に沿って外側に突出した嵌合凸部7Aが嵌合する。
図5は、パイプ接続部10に接続された状態のパイプ基部7の断面図を示している。パイプ基部7の基端部には、内面を基端に向けて拡径するテーパ部7Bが設けられ、パイプ接続部10の内側には、テーパ部7Bを収容する収容凹部10Eが設けられている。また、パイプ基端部7の嵌合凸部7Aには、摺接受け部20との気密性を確保するためにOリング21が配置されている。
テーパ部7Bは、図5の矢印で示すように、ファンケース5内からパイプ基部7内に吹き出される空気流が、パイプ基部7の外周と摺接受け部材20との摺接部分に入り込まないように案内する機能を有している。このようなテーパ部7Bをパイプ基部7の基端部に設けて、パイプ接続部10の内側にこのテーパ部7Bを収容する収容凹部10Eを設けることで、パイプ基部7の外周と摺接受け部材20との摺接部分に入り込むダストを抑制することができる。これによって、更に、パイプ基部7の摺接によるパイプ接続部10の摩耗を低減することができる。
摺接受け部材20は、耐摩耗性材料で形成される。耐摩耗性材料の一例としては、ガラス繊維強化ポリアミドなどを採用することができる。摺接受け部材20の形態としては、前述したような一対の分割部材で構成することができるが、図6に示すように、Cリング型の一体物で構成することもできる。また、摺接受け部材20とパイプ基部7と同材料で形成しても良い。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る携帯式ブロワ1は、ファンケース5を低比重の繊維強化樹脂で形成することで、本体を軽量化することができ、本体を携帯しながら作業を行う携帯式ブロワ1の作業負担を軽減することができる。更に、パイプ接続部10におけるパイプ基部7の摺接箇所に、耐摩耗材料で形成された摺接受け部材20を取り付けることで、噴出パイプ6のパイプ基部7を摺動させる作業を繰り返した際にも、パイプ接続部10が摩耗して噴出パイプ6が脱落してしまう不都合を未然に防止することができる。
また、携帯式ブロワ1は、パイプ接続部10が、パイプ基部7を挟み込む一対の分割体で構成され、パイプ接続部10の内側に突出する突出部10Bがパイプ基部7の周方向に沿って部分的に形成され、突出部10Bに、パイプ接続部10における分割体の接合部10Cが設けられ、摺接受け部材20は、突出部10Bを除くパイプ接続部10の内側に取り付けられている。
これによると、接続部10Cを備えるパイプ接続部10の位置をファンケース5の外側にシフトさせること無く、パイプ接続部10の内側に摺接受け部材20を取り付けることができる。パイプ接続部10の内側に部分的に突出する突出部10Bを設けること無く、パイプ接続部10の内側全体に摺接受け部材20を設けたとすると、必然的に摺接受け部材20の外側に接続部10Cを備えるパイプ接続部10をシフトさせることが必要になる。そうした場合には、接続されるパイプ基部7の位置がファンケース5の外側にシフトすることになるので、本体の重心から離れた(すなわち、作業者の身体から離れた)位置で噴出パイプ6を左右に振ることになり、作業負担が大きくなる不具合が生じる。携帯式ブロワ1では、このようは不具合が生じないので、良好な作業性を得ることができる。
また、携帯式ブロワ1は、摺接受け部材20を前述したようにパイプ接続部10の分割体に対応した一対の分割部材にするか、或いは、図6に示すようにCリング型にすることで、簡単に分割状態のパイプ接続部10に取り付けることができる。
また、摺接受け部材20には、パイプ基部7の周方向に沿って外側に突出した嵌合凸部7Aに嵌合する嵌合部20Bが形成されているので、パイプ基部7の摺動に対して、耐摩耗性の材料で嵌合部20Bの摩耗が抑止され、嵌合部20Bに嵌合凸部7Aが嵌合した状態を維持して、パイプ接続部10からパイプ基部7が脱落するのを抑止することができる。
また、携帯式ブロワ1は、摺接受け部材20が、突出部10Bの端部に係合する係合部20Aを備えており、パイプ接続部10の保持部10Aには、摺接受け部材20の回り止めを行う回り止め突起10Dが設けられている。これにより、パイプ接続部10に対するパイプ基部7の摺動に対して、摺接受け部材20が移動して、摺接受け部材20の移動によって保持部10Aが摩耗する不具合を抑止することができる。
そして、携帯式ブロワ1は、摺接受け部材20が仮に摩耗した場合、摺接受け部材20を交換するだけで良いので、メンテナンス時は最小限の部品交換で済むことになり、パイプ基部7を繰り返し摺動させて使用する場合に、ファンケース全体を交換するような自体を回避することができる。
摺接受け部材20は、ファンケースに別部材として取り付けられているが、パイプ基部7との摺接箇所に限定して配備されているので、ファンケース全体の重量増加を最小限に抑えることができる。図2に示した形態では、摺接受け部材20は2つ使っているが、2つの摺接受け部材20は、同一形状であるから、実質的な設計は1つで済み、生産時のコスト増が最小限で済むメリットがある。
携帯式ブロワ1は、パイプ基部7の基端部に、内面を基端に向けて拡径するテーパ部7Bが設けられ、パイプ接続部10の内側には、テーパ部7Bを収容する収容凹部10Eが設けられている。これによって、ファンケース5から吹き出される空気流を円滑にパイプ基端部7に流入させることができ、パイプ基部7の外周と摺接受け部材20との摺接部分に入り込むダストを抑制することで、パイプ基部7の摺接によるパイプ接続部10の摩耗を更に低減させることができる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
1:携帯式ブロワ,2:機体枠(背負い架台),3:送風機,4:原動機,
5:ファンケース,5A:吹き出し口,6:噴出パイプ,
7:パイプ基部,7A:嵌合凸部,7B:テーパ部,
10:パイプ接続部,10A:保持部,10B:突出部,
10C:結合部(結合孔),10D:回り止め突起,10E:収容凹部,
20:摺接受け部材,20A:係合部,20B:嵌合部,
21:Oリング

Claims (8)

  1. 携帯式の本体におけるファンケースの吹き出し口に噴出パイプのパイプ基部を接続した携帯式ブロワであって、
    前記ファンケースは、低比重の繊維強化樹脂で形成され、
    前記パイプ基部は屈曲形状をなし、前記吹き出し口のパイプ接続部に摺動自在に接続され、
    前記パイプ接続部には、前記パイプ基部の摺接箇所に、耐摩耗性材料で形成された摺接受け部材が取り付けられていることを特徴とする携帯式ブロワ。
  2. 前記パイプ接続部は、前記パイプ基部を挟み込む一対の分割体で構成され、
    前記パイプ接続部の内側に突出する突出部が前記パイプ基部の周方向に沿って部分的に形成され、当該突出部に、前記パイプ接続部における前記分割体の接合部が設けられ、
    前記摺接受け部材は、前記突出部を除く前記パイプ接続部の内側に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の携帯式ブロワ。
  3. 前記摺接受け部材は、前記分割体に対応した一対の分割部材であることを特徴とする請求項2記載の携帯式ブロワ。
  4. 前記摺接受け部材には、前記パイプ基部の周方向に沿って外側に突出した嵌合凸部が嵌合する嵌合部が形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の携帯式ブロワ。
  5. 前記摺接受け部材は、前記突出部の端部に係合する係合部を備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載の携帯式ブロワ。
  6. 前記パイプ基部の基端部には、内面を基端に向けて拡径するテーパ部が設けられ、
    前記パイプ接続部の内側には、前記テーパ部を収容する収容凹部が設けられていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項記載の携帯式ブロワ。
  7. 前記摺接受け部材は、前記パイプ基部と同材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の携帯式ブロワ。
  8. 前記ファンケースの材料は、カーボン繊維強化ポリプロピレンであり、
    前記摺接受け部材の材料は、ガラス繊維強化ポリエアミドであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の携帯式ブロワ。
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