JP2020045648A - 水路の補修方法およびそれに用いられるライニング板ユニット - Google Patents

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【課題】U型水路の内面をライニング板で被覆して補修する水路の補修方法において、補修現場での作業工程を少なくするとともに、水路の寸法誤差にも容易に対応できるようにする。【解決手段】補修現場での補修作業の前に、側面用ライニング板3bとハンチ用ライニング板3cとを一体化してライニング板ユニットU2を製作しておき、補修作業の際には、底面用ライニング板3aとライニング板ユニットU2とを一部重なる状態で水路内面1にアンカー止めするようにした。これにより、各ライニング板を1枚ずつアンカー止めする従来の補修方法に比べて、ライニング板のアンカー止め工程を減らせるし、寸法誤差が大きい水路に対しても、ライニング板ユニットU2と底面用ライニング板3aの重ね合わせ位置の調整等によってその寸法誤差を吸収することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート等で形成されたU型水路の内面の補修方法と、それに用いられる複数のライニング板を一体化したライニング板ユニットに関する。
近年、老朽化したコンクリート製水路の内面を補修する要望が多くなっている。そのコンクリート製水路の一つであるU型水路の補修方法として、例えば、本出願人が「QP2工法」と称するものがある。
上記QP2工法は、図9および図10に示すように、内面1が底面部1aと、側面部1bと、底面部1aの幅方向端から斜め上方に延びて側面部1bの下端に至るハンチ部1cとからなるU型水路(例えば、特許文献1参照)Wに対し、その内面1を繊維強化プラスチックモルタル複合材(FRPM板)等からなる底面用ライニング板3a、側面用ライニング板3bおよびハンチ用ライニング板3cと、各ライニング板3a、3b、3cの裏込材である緩衝材4とで被覆して補修するものである。
その具体的な作業手順は、まず、水路Wの内面1(以下、「水路内面1」とも称する。)を高圧ジェット洗浄機により洗浄し、洗浄した内面1に墨出しを行う。このとき、水路内面1のうち、浸透水がある部位には止水作業を行い、不陸が大きい部位はモルタル等の充填や切削除去等によって平坦となるように補修する。
その後、水路Wの内面1に緩衝材4をコンクリート釘や粘着テープ等で仮固定するとともに、各ライニング板3a、3b、3cのアンカー孔位置に合わせて水路内面1に穿孔した後、底面用ライニング板3a、ハンチ用ライニング板3c、側面用ライニング板3bの順で、各ライニング板3a、3b、3cを金属拡張式アンカー5により水路内面1に固定(アンカー止め)する。最後に、各ライニング板3a、3b、3cの継ぎ目部、側面用ライニング板3bの上端部と水路内面1の側面部1bとの間等に目地材(シーリング材)6を充填して止水する。
この補修方法(QP2工法)を適用したコンクリート製U型水路では、コンクリートで形成された内面1が平滑なFRPM板等のライニング板3a、3b、3cで被覆されることにより、水理特性が向上して流水が円滑となり、水路の単位断面積あたりの流量が増加する。そのため、水路内面1をライニング板3a、3b、3cで被覆することによって水路の断面積が減少しても、補修前とほぼ同等の流量が確保できる。
特開2005−54474号公報(図2、図8〜図10)
ところで、水路の補修を行う際には、その水路が供用中で断水時間を制限される場合が多いため、現場での施工の簡略化が望まれている。特に、上記のコンクリート製U型水路を対象としたQP2工法では、ライニング板どうしの隙間の調整等、補修現場での作業工程が多く、施工の簡略化の要望が強い。
これに対し、本出願人は、図11に示すように、水路Wの補修現場での補修作業に先立って、工場等で底面用ライニング板3aを幅方向で2つのライニング板片3a、3aに分割し、そのライニング板片3a、3aをそれぞれ側面用ライニング板3bおよびハンチ用ライニング板3cと一体化したユニットUを製作しておき、補修現場では、各ユニットUを水路内面1にアンカー止めするとともに、そのライニング板片3a、3aどうしの間に目地材6を充填する補修方法を考案した。なお、ユニットU製作時に、その底面用ライニング板3aおよび側面用ライニング板3bの水路内面1と対向する面(以下、「外側面」と称する。)に緩衝材4を取り付けておくことにより、補修現場での緩衝材の水路内面への取付作業をなくすことができる。
上述した補修方法では、補修現場において、ライニング板3a、3b、3cどうしの隙間の調整が不要なため、前述のQP2工法に比べると、作業工程が少なく効率よく補修作業を行うことができる。
しかしながら、寸法誤差が大きくなりやすい現場打ち水路(現場でのコンクリート打ちによってフリュームを形成した水路)等において、図12に示すように、水路幅が設計値よりも狭い場合に、各ユニットUのライニング板片3a、3aどうしが干渉して一方のユニットUの取り付けができなくなったり、図13に示すように、水路幅が設計値よりも広い場合に、各ユニットUのライニング板片3a、3aどうしの隙間が目地材6で吸収できなくなったりするおそれがある。また、図14に示すように、水路内面1の側面部1bが上方に向かって幅方向外側へ傾斜している(倒れ込んでいる)場合には、その側面部1bとユニットUの側面用ライニング板3bとの間に大きな隙間が生じ、目地材6で吸収できなくなるおそれが大きくなる。
そこで、本発明は、U型水路の内面をライニング板で被覆して補修する水路の補修方法において、補修現場での作業工程を少なくするとともに、水路の寸法誤差にも容易に対応できるようにすることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、内面が底面部と、側面部と、底面部の幅方向端から斜め上方に延びて側面部の下端に至るハンチ部とからなる水路に対して、その内面の底面部、側面部およびハンチ部をそれぞれ底面用ライニング板、側面用ライニング板およびハンチ用ライニング板で被覆して補修する水路の補修方法において、前記水路の補修現場での補修作業に先立って、前記側面用ライニング板とハンチ用ライニング板とを一体化したライニング板ユニットを製作しておき、前記補修作業の際には、前記底面用ライニング板と前記ライニング板ユニットを、前記水路の内面の底面部とハンチ部の境界付近で互いに重なる状態で水路の内面に沿うように配置して、前記底面用ライニング板および前記ライニング板ユニットをそれぞれ水路の内面にアンカー止めするようにしたのである。
このようにすれば、補修現場において、各ライニング板を1枚ずつ水路内面にアンカー止めする方法よりも作業工程を少なくできるし、現場打ち水路等で寸法誤差が大きい場合でも、ライニング板ユニットと底面用ライニング板の重ね合わせ位置の調整等により、その水路の寸法誤差を吸収することができる。
前記補修作業におけるアンカー止めの際には、前記底面用ライニング板とライニング板ユニットの重なり合う部位も水路の内面にアンカー止めすることが望ましい。このとき、前記底面用ライニング板とライニング板ユニットの重なり合う部位のうち、少なくとも前記水路の内面と対向する側に配される部位のアンカー孔は、前記底面用ライニング板およびライニング板ユニットを水路内に配置した後に開けるようにすれば、底面用ライニング板とライニング板ユニットの重ね合わせ位置を調整する際に、予め開けておいたアンカー孔が使えなくなってその加工手間が無駄になるのを避けることができる。
また、前記水路の内面の側面部が上方に向かって幅方向外側へ傾斜している場合、前記底面用ライニング板と前記ライニング板ユニットを水路の内面に沿うように配置した後、前記底面用ライニング板とライニング板ユニットの重なり合った部位に生じる楔状の隙間に目地材を充填するとよい。
また、前記水路の補修現場での補修作業に先立って、前記底面用ライニング板および前記側面用ライニング板の前記水路の内面と対向する面に緩衝材を取り付けておけば、補修現場において水路内面に緩衝材を取り付ける工程もなくすことができる。
そして、本発明のライニング板ユニットは、上記構成の水路の補修方法に使用されるものであって、前記側面用ライニング板とハンチ用ライニング板とが一体化されたものである。
本発明の水路の補修方法は、上述したように、予め側面用ライニング板とハンチ用ライニング板とを一体化してライニング板ユニットを製作しておき、そのライニング板ユニットと底面用ライニング板とを一部重なる状態で水路内面にアンカー止めするものであるから、各ライニング板を1枚ずつアンカー止めする従来の補修方法に比べて、補修現場での作業工程を少なくして作業時間を短縮することができるし、寸法誤差が大きい水路に対しても、その寸法誤差を吸収して確実に補修を行うことができる。
また、上記の水路の補修方法に使用されるライニング板ユニットは、工場等で製作して単独で販売することもできる。
第1実施形態の水路の補修方法の概略説明図 図1のライニング板ユニットの分解斜視図 図1のライニング板ユニットのアンカー止め作業の説明図 図1の補修方法が完了した水路の状態を示す説明図 図1の補修方法において水路幅が広い場合の対応方法を示す説明図 図1の補修方法において水路内面の側面部が倒れ込んでいる場合の対応方法を示す説明図 ライニング板ユニットの変形例を示す分解斜視図 第2実施形態の補修方法が完了した水路の状態を示す説明図 従来の水路の補修方法の概略説明図 図9の補修方法が完了した水路の状態を示す説明図 従来の別の水路の補修方法の概略説明図 図11の補修方法で水路幅が狭い場合を示す説明図 図11の補修方法で水路幅が広い場合を示す説明図 図11の補修方法で水路内面の側面部が倒れ込んでいる場合を示す説明図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図6は第1実施形態を示す。この実施形態の補修方法が適用される水路Wは、図1に示すように、従来の補修方法で説明したものと同じく、その内面1が底面部1aと、側面部1bと、底面部1aの幅方向端から斜め上方に延びて側面部1bの下端に至るハンチ部1cとからなるコンクリート製のU型水路であり、地盤Gを開削した溝の内側に構築されている。そして、その内面1の底面部1a、側面部1bおよびハンチ部1cが、それぞれ底面用ライニング板3a、側面用ライニング板3bおよびハンチ用ライニング板3cで被覆されて補修されるようになっている。その底面用ライニング板3aおよび側面用ライニング板3bには、裏込材である緩衝材4が取り付けられている。
前記底面用ライニング板3aおよび側面用ライニング板3bは、繊維強化プラスチックモルタル複合材(FRPM板)が用いられている。FRPM板は、未硬化の樹脂セメント板等の両面または片面に未硬化の繊維強化プラスチック材(FRP板)を取り付けて一体成形したものである。一方、前記ハンチ用ライニング板3cは、引き抜き成形で製作したFRP板を用い、その引き抜き金型の形状を変更することによって水路断面形状に応じた種々の形状に成形できるようにしている。なお、底面用ライニング板3aおよび側面用ライニング板3bにも、FRP板を単独で使用することもできる。
前記緩衝材4は、平板状に形成された発泡成形体である。予め所定の形状に成形した発泡成形体を用いることにより、緩衝材4自体が低温での施工中に凍結する問題を回避することができる。その材料としては、例えば、発泡エチレン・プロピレンゴムや発泡ポリブタジエンゴム等の発泡ゴムや、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ウレタン等の発泡プラスチック系のものが用いられる。また、これらと同等の弾性特性を有する材料であれば広く用いることができる。
この実施形態の補修方法では、水路Wの補修現場での補修作業に先立って、補修現場以外の工場等で、前記側面用ライニング板3bとハンチ用ライニング板3cとを一体化したライニング板ユニットU2を製作しておく。
ライニング板ユニットU2は、図2に示すように、矩形板状の側面用ライニング板3bの下側縁部にハンチ用ライニング板3cを接続したもので、側面用ライニング板3bの水路内面1と対向する面(外側面)には緩衝材4が取り付けられている。なお、側面用ライニング板3bとハンチ用ライニング板3cは、その間に目地剤を挟む状態で接続するようにしてもよい。また、図示は省略するが、底面用ライニング板3aの外側面にも緩衝材4が取り付けられている。その緩衝材4は、後述するように補修現場で底面用ライニング板3aおよびライニング板ユニットU2をアンカー止めする際に水路内面1に圧着されるので、底面用ライニング板3aや側面用ライニング板3bとの接着性は問題とならない。
ハンチ用ライニング板3cは、両側縁部が中央部に対して約45°の角度で延びるように形成されており、その上側縁部が側面用ライニング板3bの下側縁部の内側面(外側面と反対側の面)にボルト止めされる。そのボルト7を通すボルト孔8のうち、側面用ライニング板3bのボルト孔8は板幅方向(上下方向)に長い長孔とされ、側面用ライニング板3bへのハンチ用ライニング板3cの接続位置を上下方向に調整できるようになっている。なお、この図2の例と逆に、ハンチ用ライニング板3cのボルト孔8の方を長孔としてもよい。両ライニング板3b、3cの接続位置の上下方向調整が不要の場合は、各ボルト孔をビス孔に変えて、皿ビス等で両ライニング板3b、3cを接続することもできる。
また、側面用ライニング板3bおよびハンチ用ライニング板3cには、それぞれ適宜の位置にアンカー止め用のアンカー孔9が予め開けられており、図示省略した底面用ライニング板3aにも、同様に適宜の位置にアンカー孔が予め開けられている。ただし、底面用ライニング板3aの両側部のアンカー孔は、後述するように補修現場で開けるようにしている。
補修現場での補修作業は、まず、従来と同様に、水路Wの内面1を高圧ジェット洗浄機により洗浄し、その洗浄した水路内面1に墨出しを行う。このとき、水路内面1のうち、浸透水がある部位には止水作業を行い、不陸が大きい部位は平坦となるように補修する。
次に、底面用ライニング板3aおよびライニング板ユニットU2のアンカー止めを以下の手順で行う。最初に、底面用ライニング板3aを裏込材である緩衝材4とともに水路内面1の底面部1a上に配置し、底面用ライニング板3aに予め開けられたアンカー孔9の位置から水路内面1の底面部1aに穿孔した後、底面用ライニング板3aと緩衝材4を金属拡張式アンカー5で水路内面1の底面部1aに固定する。
続いて、ライニング板ユニットU2を、その側面用ライニング板3bが水路内面1の側面部1bに当接する状態で、ハンチ用ライニング板3cの下側縁部が底面用ライニング板3aの側部に重なるまで下降させ、図3に示すように、ロータリーハンマードリル等を用いて、ハンチ用ライニング板3cの下側縁部のアンカー孔9の位置から底面用ライニング板3aおよび水路内面1の底面部1aにアンカー孔9およびアンカー穴10を開ける。そして、互いに重なり合っているハンチ用ライニング板3cの下側縁部と底面用ライニング板3aの側部を、底面用ライニング板3aの外側面の緩衝材4とともに水路内面1の底面部1aにアンカー5で固定する。その後、側面用ライニング板3bおよびハンチ用ライニング板3cを、それぞれ水路内面1の側面部1bおよびハンチ部1cにアンカー5で固定する。なお、アンカー止めの順序は適宜変更することができる。
上記のライニング板ユニットU2の水路内面1へのアンカー止めを水路Wの幅方向両側で行った後、各側面用ライニング板3bの上端部と水路内面1の側面部1bとの間に目地材6を充填する。また、図示は省略するが、必要に応じて、各ハンチ用ライニング板3cの下側縁部と底面用ライニング板3aとの間にも目地材6を充填する。これにより、図4に示すように、水路Wの長さ方向の1箇所の補修作業が完了する。
以上の補修作業を水路Wの長さ方向に順々に行って、水路Wの所要長さの内面1をライニングする。そして、水路Wの長さ方向に並ぶ底面用ライニング板3aどうしの間およびライニング板ユニットU2どうしの間には、目地材6の充填を行う。
この水路の補修方法では、上述したように、補修現場での補修作業の前に、工場等で側面用ライニング板3bとハンチ用ライニング板3cとを一体化してライニング板ユニットU2を製作し、緩衝材4を底面用ライニング板3aおよび側面用ライニング板3bに取り付けておき、補修現場では底面用ライニング板3aとライニング板ユニットU2をそれぞれ緩衝材4とともに水路内面1にアンカー止めするので、水路内面に緩衝材を取り付けて各ライニング板を1枚ずつアンカー止めする従来の補修方法に比べて、補修現場での緩衝材の取付作業がなく、ライニング板のアンカー止め工程および目地材の充填箇所が少ない分、作業効率を向上させることができる。このため、供用されている水路の補修であっても、その断水時間を短くすることができる。
しかも、ライニング板ユニットU2と底面用ライニング板3aは、一部が互いに重なる状態でアンカー止めするようにしたので、その重ね合わせ位置の調整等により、現場打ち水路等で寸法誤差が大きい場合でも、その水路の寸法誤差を吸収して確実に補修を行うことができる。
すなわち、例えば、図5に示すように、水路Wの幅寸法が設計値よりも広い場合は、ライニング板ユニットU2と底面用ライニング板3aの重ね合わせ位置を設計時よりも幅方向外側へずらした状態で、ライニング板ユニットU2を水路内面1にアンカー止めすればよい。また、図示は省略するが、水路Wの幅寸法が設計値よりも狭い場合は、ライニング板ユニットU2と底面用ライニング板3aの重ね合わせ位置を図5の例と逆に幅方向内側へずらして、ライニング板ユニットU2のアンカー止めを行えばよい。
なお、底面用ライニング板3aの両側部のアンカー孔9は、底面用ライニング板3aおよびライニング板ユニットU2を水路W内に配置した後に開けるようにしているので、上記のようにライニング板ユニットU2と底面用ライニング板3aの重ね合わせ位置を調整する際に、予め開けておいたアンカー孔が使えなくなってその加工手間が無駄になるということがない。
そして、図6に示すように、水路内面1の側面部1bが倒れ込んでいる場合でも、ライニング板ユニットU2をその側面用ライニング板3bが水路内面1の側面部1bに沿う状態でアンカー止めすることにより対応できる。このとき、ハンチ用ライニング板3cと底面用ライニング板3aとの間にわずかな楔状の隙間が生じるが、この隙間は目地材6の充填によって確実に塞ぐことができる。
また、図4乃至図6に示したように、ハンチ用ライニング板3cは水路内面1のハンチ部1cとの間に隙間をおいた状態で配置されるので、ハンチ部1cの傾斜角度が設計値から外れていても、そのハンチ部1cの施工誤差を吸収してライニング板ユニットU2をアンカー止めすることができる。なお、ハンチ用ライニング板3cと水路内面1のハンチ部1cとの間の間隙は、現地の測量結果や施工実績における経験則から考えられる誤差を吸収できるように適宜に設定する。ただし、その両者の間隙は、流路断面積の減少を抑えるため、両者が干渉しない限りにおいて小さいことが好ましい。
なお、この第1実施形態では、補修現場での補修作業において、水路W内に底面用ライニング板3aを配置した後、ライニング板ユニットU2をそのハンチ用ライニング板3cの下側縁部が底面用ライニング板3aの側部の内側面に重なるようにしたが、その底面用ライニング板とライニング板ユニットの配置の順を逆にして、ハンチ用ライニング板の下側縁部の内側面に底面用ライニング板の側部が重なるようにすることもできる。その場合は、予め底面用ライニング板の両側部にアンカー孔を開けておき、ハンチ用ライニング板の下側縁部のアンカー孔は補修現場で開けるようにするとよい。
図7はライニング板ユニットU2の変形例を示す。この変形例は、ハンチ用ライニング板3cの上側縁部を、側面用ライニング板3bの下側縁部の外側面に接する状態でボルト止めするようにしたものである。この場合、ハンチ用ライニング板3cの上側縁部が緩衝材4と干渉するが、その干渉は緩衝材4の収縮によって吸収される。なお、その干渉が生じる部分の緩衝材4を予め切除することもできる。緩衝材4が硬めのものであれば、その切除をしておくことが好ましい。
また、この変形例のライニング板ユニットU2は、図2の例と異なり、ハンチ用ライニング板3cの中央部にアンカー孔9が開けられていない(中央部をアンカー止めしない)仕様となっている。これは、補修作業完了後のハンチ用ライニング板3cは、その外側面から水圧がかかっても、下側縁部がアンカー止めされており、上側縁部が側面用ライニング板3bに押し付けられるため、側面用ライニング板3bから外れるおそれが少ないからである。
図8は第2実施形態の補修方法が完了した水路Wを示す。この実施形態は、第1実施形態をベースとして、その底面用ライニング板3aを幅方向で2つのライニング板片3a、3aに分割し、補修現場での補修作業の際に、両ライニング板片3a、3aを幅方向で突き合わせる状態でそれぞれ水路内面1の底面部1aにアンカー止めし、両ライニング板片3a、3aの隙間に目地材6を充填したものであり、水路内面1の底面部1aの幅が広い場合等に対応しやすい。なお、底面用ライニング板は3つ以上のライニング板片に分割することもできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上述した各実施形態では、ハンチ用ライニング板3cは、水路内面1のハンチ部1cとの間に隙間があるため外側面に緩衝材4を取り付けていないが、その間隙が小さい場合等には緩衝材を取り付けてもよい。
また、各実施形態においては、予め緩衝材4を取り付けた底面用ライニング板3aおよびライニング板ユニットU2を水路内面1にアンカー止めしたが、補修現場で水路内面に緩衝材を取り付けた後、底面用ライニング板およびライニング板ユニットのアンカー止めを行うようにすることもできる。
また、緩衝材は、各実施形態のような発泡成形体に代えて、低温においても凍結しにくいモルタル等の流動体のものを用いることもできる。その場合は、補修現場で底面用ライニング板およびライニング板ユニットを水路内面にアンカー止めする際に水路内面との間に隙間を設け、その隙間に流動体の緩衝材を流し込んで固化させる。この工法を採用すれば、水路内面の継ぎ目に大きな隙間や段差が生じていても、その隙間等に流動体の緩衝材が浸入して埋めるので、水路内面と各ライニング板との間が確実に充填される。
そして、本発明は、実施形態のような地盤を開削した溝に埋設された既設水路のほか、置樋型等の種々の態様のコンクリート製U型既設水路に適用することができる。
1 内面
1a 底面部
1b 側面部
1c ハンチ部
3a 底面用ライニング板
3a、3a ライニング板片
3b 側面用ライニング板
3c ハンチ用ライニング板
4 緩衝材(裏込材)
5 アンカー
6 目地材(シーリング材)
7 ボルト
8 ボルト孔
9 アンカー孔
10 アンカー穴
G 地盤
U2 ライニング板ユニット
W 水路

Claims (6)

  1. 内面が底面部と、側面部と、底面部の幅方向端から斜め上方に延びて側面部の下端に至るハンチ部とからなる水路に対して、その内面の底面部、側面部およびハンチ部をそれぞれ底面用ライニング板、側面用ライニング板およびハンチ用ライニング板で被覆して補修する水路の補修方法において、
    前記水路の補修現場での補修作業に先立って、前記側面用ライニング板とハンチ用ライニング板とを一体化したライニング板ユニットを製作しておき、
    前記補修作業の際には、前記底面用ライニング板と前記ライニング板ユニットを、前記水路の内面の底面部とハンチ部の境界付近で互いに重なる状態で水路の内面に沿うように配置して、前記底面用ライニング板および前記ライニング板ユニットをそれぞれ水路の内面にアンカー止めすることを特徴とする水路の補修方法。
  2. 前記底面用ライニング板とライニング板ユニットの重なり合う部位を水路の内面にアンカー止めすることを特徴とする請求項1に記載の水路の補修方法。
  3. 前記底面用ライニング板とライニング板ユニットの重なり合う部位のうち、少なくとも前記水路の内面と対向する側に配される部位のアンカー孔は、前記底面用ライニング板およびライニング板ユニットを水路内に配置した後に開けるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の水路の補修方法。
  4. 前記水路の内面の側面部が上方に向かって幅方向外側へ傾斜している場合、前記底面用ライニング板と前記ライニング板ユニットを水路の内面に沿うように配置した後、前記底面用ライニング板とライニング板ユニットの重なり合った部位に生じる楔状の隙間に目地材を充填することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水路の補修方法。
  5. 前記水路の補修現場での補修作業に先立って、前記底面用ライニング板および前記側面用ライニング板の前記水路の内面と対向する面に緩衝材を取り付けておくことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の水路の補修方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の水路の補修方法に使用されるライニング板ユニットであって、前記側面用ライニング板とハンチ用ライニング板とが一体化されたライニング板ユニット。
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