JP2020045523A - イオンビーム処理手段を備えた金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本発明の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置の一具体例として、真空中においてロールツーロール方式で長尺の耐熱性樹脂フィルムを搬送しながら熱負荷の掛かる成膜処理により金属膜の成膜を行う真空成膜装置について図1を参照しながら詳細に説明する。この図1の示す真空成膜装置はスパッタリングウェブコータとも称され、長尺の樹脂フィルムAに対して熱負荷の掛かる成膜処理であるスパッタリング成膜により金属膜を連続的に成膜する装置である。なお、図1において、長尺の樹脂フィルムを所定の経路に沿って搬送させる役割を担う各種ロールのうち、モータで駆動するロールにはモータを意味するMが、張力測定ロールにはテンションピックアップを意味するTPが、フリーロールにはフリーを意味するFが円内に付されている。
上記したように、本発明の一具体例の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置は、真空成膜手段であるマグネトロンスパッタカソード46〜49の位置よりも上流側にイオンビーム照射手段35が設けられている。このイオンビーム照射手段35は、図2に示すように、矢印方向に搬送される樹脂フィルムAの搬送経路に対向する位置に設けられた2基の棒状のイオンビーム照射装置1a、1bから構成されており、これら2基のイオンビーム照射装置1a、1bは、該樹脂フィルムの搬送経路の幅方向中央部と該中央部よりも搬送方向下流側の幅方向両端部とを結ぶ2条の直線状領域R1、R2に向けてそれぞれイオンビームを照射するように全体として略V字状に配置されている。
前述したように、本発明の一具体例の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置は、上記のイオンビーム照射手段35でイオンビーム処理された直後の樹脂フィルムAをその幅方向に伸ばす拡幅機構36が設けられている。この拡幅機構36は、図2に示すように2対のピンチロール3a、b及び4a、bからなり、それぞれ樹脂フィルムAの両端部を表裏面から挟み込むように配置されている。これら2対のピンチロール3a、b及び4a、bは、各ピンチロール対において、それらの両端部のうちの樹脂フィルムAの幅方向内側に位置する端部が幅方向外側に位置する端部よりも搬送方向の下流側となるようにそれらの回転軸が該幅方向に対して傾斜している。これにより樹脂フィルムAに対してその幅方向の拡幅効果が生じる。
図1に示すような真空成膜装置(スパッタリングウェブコータ)を用いて金属膜付長尺耐熱性樹脂フィルムを作製した。基材となる長尺の樹脂フィルムAには、幅600mm、長さ1000m、厚さ25μmの宇部興産株式会社製の耐熱性ポリイミドフィルム「ユーピレックス(登録商標)」を使用した。この樹脂フィルムAの両面に、各々、下地金属層としてのNi−Cr膜と、その上のCu薄膜層とからなる積層構造の金属膜を成膜するため、マグネトロンスパッタカソード46のターゲットにはNi−Crターゲットを用い、マグネトロンスパッタカソード47、48、49のターゲットにはCuターゲットを用いた。
図3に示すように、イオンビーム照射手段35に樹脂フィルムAの幅方向に延在する照射有効幅650mmのアノードレイヤーソース型のイオンビーム照射装置2を用い、アルゴンガスを130sccm導入しながら、印加する電力を0.65kW、1.3kW、1.95kW、及び2.6kWに段階的に変化させた以外は上記実施例と同様にして、樹脂フィルムAの両面の各々にNi−Cr層25nm、Cu層100nmを成膜した。
実施例と比較例とのイオンビーム処理直後のトラフシワの発生状況の結果を、イオンビーム照射装置への印加電力と共に下記表1に示す。なお、下記表1には、該イオンビーム照射装置に印加したイオンビーム電力に加えて、該イオンビーム照射装置の有効幅1m当たりに換算したイオンビーム電力も記載した。この有効幅1m当たりのイオンビーム電力から分かるように、実施例の各段階での有効幅1m当たりの印加電力はそれぞれ比較例のものと同等であり、よって該イオンビーム照射装置の長さ方向のイオンビームのエネルギー密度は同じとなるため、樹脂フィルムAの幅方向の単位長さ当たりの照射時間が比較例に比べて実施例が若干長くなった。
3a、3b、4a、4b ピンチロール
10 巻出室
20 乾燥室
30 イオンビーム処理室
40 成膜室
50 巻取室
11 巻出ロール
12、14、22、24、25、31、32、51、53、56 フリーロール
13、23、42、44、52 張力測定ロール
21、41、45 駆動ロール
26a、26b、26c、26d、26e ヒータ
43 キャンロール
46、47、48、49 マグネトロンスパッタリングカソード
54 巻取ロール
55 合紙巻出ロール
35、135、235 イオンビーム照射手段
36a、36b、37a、37b ピンチロール
A 樹脂フィルム
B 合紙フィルム
R1、R2、R3 直線状領域
Claims (10)
- 真空中においてロールツーロール方式で搬送される長尺の樹脂フィルムに金属膜を成膜する真空成膜手段を備えた金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置であって、該真空成膜手段よりも上流側において、樹脂フィルムの搬送経路の幅方向中央部と該中央部よりも搬送方向下流側の幅方向両端部とを結ぶ2条の直線状領域に向けてイオンビームを照射するイオンビーム照射手段が設けられていることを特徴とする金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置。
- 前記2条の直線状領域の各々の延在方向が、前記搬送経路の搬送方向に対して30〜60°傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置。
- 前記イオンビーム照射手段が2基の棒状のイオンビーム照射装置によって構成され、これら2基のイオンビーム照射装置によって同時に照射する前記搬送経路の幅方向中央部の位置が、該搬送方向に互いにずれていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置。
- 前記イオンビーム処理された直後の前記樹脂フィルムをその幅方向に伸ばす拡幅機構が具備されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置。
- 前記拡幅機構が、前記樹脂フィルムの幅方向両端部の各々を表裏面から挟み込む2対のピンチロールからなり、各対のピンチロールは、それらの両端部のうちの前記樹脂フィルムの幅方向内側に位置する端部が幅方向外側に位置する端部よりも前記搬送方向の下流側となるようにそれらの回転軸が該幅方向に対して傾斜していることを特徴とする、請求項4に記載の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置。
- 前記樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、アラミド、トリアセテート、及び液晶ポリマーうちのいずれか1種の単体品あるいは貼り合わせ品であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置。
- 真空中においてロールツーロール方式で搬送される長尺の樹脂フィルムに金属膜を成膜する金属膜付樹脂フィルム基板の製造方法であって、該成膜前の樹脂フィルムにおいて、その幅方向中央部と該中央部よりも搬送方向下流側の幅方向両端部とを結ぶ2条の直線状領域を同時にイオンビーム処理することを特徴とする金属膜付樹脂フィルム基板の製造方法。
- 前記イオンビーム処理された直後の前記樹脂フィルムをその幅方向に拡幅させることを特徴とする、請求項7に記載の金属膜付樹脂フィルム基板の製造方法。
- 前記2条の直線状領域の各々の延在方向を、前記樹脂フィルムの搬送方向に対して30〜60°傾斜させることを特徴とする、請求項1に記載の金属膜付樹脂フィルム基板の製造方法。
- 前記樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、アラミド、トリアセテート、及び液晶ポリマーのうちのいずれか1種の単体品あるいは貼り合わせ品であることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の金属膜付樹脂フィルム基板の製造方法。
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JP2006164683A (ja) * | 2004-12-06 | 2006-06-22 | Sharp Corp | インライン型プラズマ処理装置 |
JP2007261773A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Toray Ind Inc | フィルムの加工装置および加工方法 |
JP2014231628A (ja) * | 2013-05-29 | 2014-12-11 | 住友金属鉱山株式会社 | 長尺樹脂フィルムの表面処理装置及び表面処理方法、並びに該表面処理装置を備えたロールツーロール成膜装置 |
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2018
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