JP2020045166A - 包装箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構造でありながら改竄操作が行われた場合に確実にその痕跡を残すことが可能な改竄防止機能を備えた包装箱を提供する。【解決手段】包装箱は、直方体状の筒体を構成する4つの側面板(第1側面板、正面板、第2側面板、及び背面板)と、2つの端面板(第1下側端面板15及び第2下側端面板)とを備える。第1上側端面板121及び第1下側端面板により筒体の端面を塞いだ状態において、第1上側端面板は第1下側端面板の上に重ねて接着剤により接着される。第1上側端面板の表面及び裏面には、第1上側端面板に層間剥離を生じさせるハーフカット線71a,72aを形成する。第1上側端面板の表面に、接着剤を溶融させるための熱が印加されると変性する性質を有する物質を設ける。【選択図】図1
Description
この発明は、包装箱の改竄防止機能に関する。
特許文献1には、「包装した商品の抜き取り等の改竄を防止し、開封されてもその痕跡が残る機能を備えた包装箱を提供する」、「周壁から延びる内フラップと外フラップとを重ね、これらを接着剤を塗布した接着部で貼り合わせて封緘する包装箱において、周壁に、内フラップへの切込により突起を設け、この突起が接着部に近接して内フラップと外フラップの隙間を覆うようにし、接着部の付近では、内フラップと外フラップとの間にカッターナイフの刃が入らず、突起を切り取ったり、潰したりしなければ開封できないようにする」と記載されている。
特許文献2には、「開封の痕跡が明瞭に残り不正開封を見逃すことがない不正開封防止機構を備えた包装容器を提供する」、「正面板、左右の側面板、背面板、下面板および上面板を備えた包装容器において、不正開封防止機構として開封時に切断板が破断される第2予定破断線および/あるいは切断板と連接している正面板、上面板、左右の側面板に連続したズレ検出用画像を有する不正開封防止機構を備えた包装容器」と記載されている。
特許文献3には、「外部から識別困難な内部に着色層を備えた特殊紙器用板紙を用いて包装箱を組み立てて、包装箱の製作メーカー或は使用メーカーの出所を明らかにすると共に、一旦開封したのちは包装箱を再生できないようにする」、「バルブの繊維を抄紙した薄紙の複数枚を重ねて、中央附近に位置する薄紙の1枚または複数枚を染料で適宜に着色すると共に、着色した層と何れか一方または両方の無着色の層とを比較的剥離し易い状態でスキ合せて造られ、そのままかまたは薄紙の表面の一方または両方を適宜の材料でコーテングされた特殊紙器用板紙を型抜、罫入れしたのち組み立てられた、特殊紙器用板紙を用いた包装箱である。」と記載されている。
従来より、包装箱(包装容器)に改竄防止機能を設ける方法としては、改竄防止シールを貼付する方法、包装箱の開封構造に不可逆な構造を設ける方法等、様々なものが存在する。ここで包装箱に設けられる改竄防止機能には、例えば、悪意者が包装箱に何らかの改竄操作を行った際にその痕跡が確実に残ること、改竄防止機能が包装箱の強度や利便性に影響を与えないこと、改竄防止機能を設けたことによる製造工程や製造コストへの影響を抑えること等が求められる。
本発明はこのような背景に鑑みてなされたもので、簡素な構造でありながら、改竄操作が行われた場合に確実に痕跡を残すことが可能な包装箱を実現することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明の一つは、筒体を構成する4つの側面板、前記筒体の一方の端面を塞ぐように前記側面板の一つに延設される第1下側端面板、前記一方の端面を塞ぐように、前記第1下側端面板が延設される前記側面板と対向する前記側面板に延設される第1上側端面板、前記筒体の他方の端面を塞ぐように前記側面板の一つに延設される第2下側端面板、を含み、前記第1上側端面板及び前記第1下側端面板により前記筒体の前記一方の端面を塞いだ状態において、前記第1上側端面板は前記第1下側端面板の上に重ねて接着剤により接着され、前記第1上側端面板の表面及び裏面に、前記第1上側端面板に層間剥離を生じさせるハーフカット線が形成されている。
このように本発明の包装箱にあっては、第1上側端面板に層間剥離を生じさせるハーフカット線が形成されているので、例えば、悪意者が第1上側端面板と第1下側端面板との間にカッター等を挿入して接着剤を切離しようとすると第1上側端面板に層間剥離が生じ、改竄操作が行われた痕跡を確実に残すことができる。またハーフカット線は包装箱の強度に与える影響が少ないので、こうした仕組みを設けた場合でも、製造時や輸送時に包装箱やブランクに要求される強度を確保することができる。また包装箱自体に改竄防止の仕組みを設けているため、改竄防止シール等の別途の構成が不要であり、製造工程や製造コストに与える影響を抑えることができる。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記第1上側端面板の表面に、前記接着剤を溶融させるための熱が印加されると変性する性質を有する物質が設けられている。
包装箱に対する改竄操作として、例えば、悪意者がドライヤー等の加熱装置を用いて第1上側端面板に熱を加えて接着剤を溶融する操作を行うことも想定されるが、このように第1上側端面板の表面に接着剤を溶融させるための熱が印加されると変性する性質を有する物質を設けることで、そのような改竄操作が行われた場合でも、確実に改竄操作が行われた痕跡を残すことができる。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記物質は、前記接着剤を溶融させるための熱が印加されると変色する性質を有する成分を含むことを特徴とする。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記物質は、前記接着剤を溶融させるための熱が印加されると変形する性質を有する成分を含むことを特徴とする。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記第1上側端面板に、前記層間剥離を誘発する切込線が形成されていることを特徴とする。
このように第1上側端面板に切込線を形成することで、第1上側端面板に層間剥離が誘発されやすくなり、改竄操作が行われた場合にその痕跡を確実に残すことができる。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記ハーフカット線の少なくとも一部は、前記第1上側端面板の前記接着剤が塗布される領域にかかるように形成されていることを特徴とする。
このようにハーフカット線の少なくとも一部を第1上側端面板の接着剤が設けられる領域にかかるように形成することで、接着剤を切離しようとする改竄操作が行われた場合に確実に第1上側端面板に層間剥離を生じさせることができ、改竄操作が行われた場合にその痕跡を確実に残すことができる。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記第1上側端面板の表面及び裏面に形成された前記ハーフカット線は、前記第1上側端面板の表面に形成された前記ハーフカット線と、前記第1上側端面板の裏面に形成された前記ハーフカット線との間の領域に層間剥離を生じさせるように形成されていることを特徴とする。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記第1上側端面板の表面に、平行に延出する複数のハーフカット線が形成され、前記第1上側端面板の裏面に、表面の前記複数のハーフカット線と平行に延出し、前記複数のハーフカット線と対になって前記層間剥離を生じさせる、複数のハーフカット線が形成されていることを特徴とする。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記第1上側端面板の表面に、異なる方向に延出する複数のハーフカット線が形成され、前記第1上側端面板の裏面に、異なる方向に延出する複数のハーフカット線が形成されていることを特徴とする。
このように異なる方向に延出する複数のハーフカット線を形成することで、改竄操作が行われた際に層間剥離をより確実に生じさせることができる。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記他方の端面を塞ぐように、前記第2下側端面板が延設される前記側面板と対向する前記側面板に延設される第2上側端面板を更に含み、前記第2上側端面板及び前記第2下側端面板により前記筒体の前記他方の端面を塞いだ状態において、前記第2上側端面板は前記第2下側端面板の上に重ねて第2接着剤により接着され、前記第2上側端面板の表面及び裏面に、前記第2上側端面板に層間剥離を生じさせるハーフカット線が形成されていることを特徴とする。
このように包装箱の他方の端面についても一方の端面と同様の構造を設けることで、改竄を確実に防ぐことができる。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記第1上側端面板の表面に、前記第1上側端面板の端辺に沿って複数の第1の菱形状のハーフカット線が形成され、前記第1上側端面板の裏面に、前記複数の前記第1の菱形状のハーフカット線の夫々に対応して、第1上側端面板の端辺に沿って複数の第2の菱形状のハーフカット線が形成され、前記第1の菱形状のハーフカット線と当該第1の菱形状のハーフカット線に対応する第2の菱形状のハーフカット線との間に前記層間剥離を生じさせる領域が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、悪意者が、例えば、第1下側端面板と第1上側端面板との間にカッターの刃等を差し込み、第1下側端面板と第1上側端面板との間の接着剤を切離しようとした場合、第1上側端面板にカッターを動かすことによって生じる力や刃の厚みによって生じる力が加わり、第1の菱形状のハーフカット線と当該第1の菱形状のハーフカット線に対応する第2の菱形状のハーフカット線との間に層間剥離が生じ、包装箱に改竄操作がされたことの痕跡が残る。とくに第1上側端面板には上側に開こうとする力が作用し、また第1上側端面板の下面は接着剤で固定されているので、第1の菱形状のハーフカット線による菱形部分は上記層間剥離によって第1上側端面板から離脱しやすく、カッターの刃等が差し込まれる等の改竄操作に対して敏感に反応して層間剥離が誘発され、改竄操作が行われた痕跡を包装箱に確実に残すことができる。尚、菱形状のハーフカット線は美観性(デザイン性)にも優れる。
本発明の他の一つは、包装箱であって、筒体を構成する4つの側面板、前記筒体の一方の端面を塞ぐように前記側面板の一つに延設される第1端面板、前記筒体の他方の端面を塞ぐように前記側面板の一つに延設される第2端面板、前記第1端面板に延設される差込部、を含み、前記第1端面板により前記筒体の前記一方の端面を塞いだ状態において、前記差込部は前記側面板の一つと接着剤により接着され、前記差込部と前記接着剤により接着される前記側面板の表面及び裏面に、前記側面板に層間剥離を生じさせるハーフカット線が形成されていることを特徴とする。
このように、改竄操作が行われた際に層間剥離を生じさせる構造は、包装箱の端面板以外の部分に設けることもできる。本発明では上記構造を側面板に設けており、側面板の表面及び裏面にハーフカット線を形成している。このため、悪意者が、例えば、側面板と差込部との間にカッター等を差し込み、両者を接合している接着剤を切断して包装箱の端面を開けようとすると、カッター等を動かすことによって生じる力や刃の厚みによって生じる力により層間剥離が生じて包装箱に改竄操作がされたことの痕跡を確実に残すことができる。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記差込部と前記接着剤により接着される前記側面板の表面に、前記側面板の端辺を底辺とする第1の三角形状のハーフカット線が形成され、前記側面板の裏面に、前記側面板の端辺を底辺とし、前記側面板を透過的に見た場合に前記第1の三角形状のハーフカット線が収容されるように第2の三角形状のハーフカット線が形成され、前記第1の三角形状のハーフカット線と前記第2の三角形状のハーフカット線との間に前記層間剥離を生じさせる領域が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、悪意者が、例えば、側面板と差込部との間にカッター等を差し込み、両者を接合している接着剤を切断して包装箱の端面を開けようとすると、カッター等を動かすことによって生じる力や刃の厚みによって生じる力により、第1の三角形状のハーフカット線と第2の三角形状のハーフカット線との間に層間剥離が生じ、包装箱に改竄操作がされたことの痕跡を包装箱に確実に残すことができる。尚、三角形状のハーフカット線は美観性(デザイン性)にも優れる。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記差込部と前記接着剤により接着される前記側面板の表面に、前記側面板の端辺を下底とする第1の台形状のハーフカット線が形成され、前記側面板の裏面に、前記側面板の端辺を下底とし、前記側面板を透過的に見た場合に前記第1の台形状のハーフカット線が収容されるように第2の台形状のハーフカット線が形成され、前記第1の台形状のハーフカット線と前記第2の台形状のハーフカット線との間に前記層間剥離を生じさせる領域が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、悪意者が、例えば、側面板と差込部との間にカッター等を差し込み、両者を接合している接着剤を切断して包装箱の端面を開けようとすると、カッター等を動かすことによって生じる力やカッターの刃等の厚みによって生じる力により、第1の台形状のハーフカット線と第2の台形状のハーフカット線との間に層間剥離が生じ、包装箱に改竄操作がされたことの痕跡を包装箱に確実に残すことができる。尚、台形状のハーフカット線は美観性(デザイン性)にも優れる。
本発明の他の一つは、包装箱であって、内容物が収納される空間を構成する一つ以上の第1面板、前記空間を封止すべく前記第1面板に接着剤により接着される一つ以上の第2面板、を含み、前記第1面板に層間剥離を生じさせるべく前記第1面板の表面及び裏面に形成される一つ以上のハーフカット線、及び、前記第2面板に層間剥離を生じさせるべく前記第2面板の表面及び裏面に形成される一つ以上のハーフカット線、のうちの少なくともいずれかが形成されていることを特徴とする。
このように改竄操作が行われた際に層間剥離を生じさせるための構造(ハーフカット線)は、内容物が収納される空間を構成する第1面板や上記空間を封止すべく第1面板に接着される第2面板の少なくともいずれかの適切な位置に設けることができる。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、着色層を有するブランクシートを折り曲げて立ち上げることにより構成され、前記ハーフカット線は、前記層間剥離が生じた際に前記着色層が露出するように形成されていることを特徴とする。
このように包装箱を、着色層を有するブランクシートを用いて構成することで、悪意者がカッター等を用いて改竄操作を行った際に層間剥離によって着色層が露出し、包装箱をユーザや販売者等が改竄操作が行われたことが明確に認識可能な状態とすることができる。尚、ハーフカット線は、例えば、着色層に達する深さで形成する。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、着色層を有するブランクシートを折曲線に沿って折り曲げて立ち上げることにより構成され、前記折曲線は、前記折り曲げによって前記着色層が露出するように破断する破断線として機能することを特徴とする。
本発明によれば、折曲線(破断線)は、当該折曲線(破断線)の切れ目(例えば、ミシン目の切れ目)や包装箱の製函時に当該折曲線が折り曲げられることにより生じる亀裂(例えば、ミシン目のつなぎの部分の表面に形成される亀裂)から着色層を露出させることができる。そのため、包装箱や内容物が正しい製造ルートで流通したものであることを証明することができ、包装箱や内容物の偽造を防ぐことができる。
本発明の他の一つは、包装箱であって、筒体を構成する4つの側面板、前記筒体の一方の端面を塞ぐように前記側面板の一つに延設される第1端面板、前記筒体の他方の端面を塞ぐように前記側面板の一つに延設される第2端面板、前記第1端面板に延設される差込部、を含み、前記第1端面板により前記筒体の前記一方の端面を塞いだ状態において、前記差込部は一の前記側面板と接着剤により接着され、前記一の側面板の表面及び裏面に、前記差込部を前記一の側面板から離脱させるように前記側面板に層間剥離を生じさせるハーフカット線が形成されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、一の側面板の表面及び裏面に、差込部を一の側面板から離脱させるように側面板に層間剥離を生じさせるハーフカット線が形成されているので、ハーフカット線に起因して生じる上記層間剥離により包装箱の筒体の一端を開口させることができる。これによれば、押込部等を別途設けることなく包装箱の開封機構を実現することができ、包装箱の製造に際して押込部等を形成するための工程を省略することができる。また押込部等がないことで外観をシンプルにすることができ、包装箱の美観性を向上させることができる。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記層間剥離は、前記一の側面板の、当該側面板の表面の前記ハーフカット線と当該側面板の裏面の前記ハーフカット線との間の領域に生じることを特徴とする。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記側面板の表面の前記ハーフカット線は、前記側面板の裏面の前記ハーフカット線の内側に形成されていることを特徴とする。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、前記側面板の表面の前記ハーフカット線は、前記側面板の裏面の前記ハーフカット線の外側に形成されていることを特徴とする。
本発明の他の一つは、上記包装箱であって、着色層を有するブランクシートを折り曲げて立ち上げることにより構成され、前記ハーフカット線は、前記層間剥離が生じた際に前記着色層が露出するように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、包装箱が開封されたり改竄されたりすれば着色層が露出するので、開封や改竄が行われたことを明確にユーザに示すことができる。
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、簡素な構造でありながら、改竄操作が行われた場合に確実に痕跡を残すことが可能な包装箱を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態につき図面とともに説明する。尚、以下の説明において、同一の又は類似する構成について同一の符号を付して重複した説明を省略することがある。
=第1実施形態=
図1は、本発明の一実施形態として説明する包装箱10の開封前の状態(封緘(封函)状態)を示す斜視図である。また図2は、包装箱10の開封後の状態(開封状態)を示す斜視図である。これらの図に示すように、包装箱10の全体は略直方体状を呈する。
図1は、本発明の一実施形態として説明する包装箱10の開封前の状態(封緘(封函)状態)を示す斜視図である。また図2は、包装箱10の開封後の状態(開封状態)を示す斜視図である。これらの図に示すように、包装箱10の全体は略直方体状を呈する。
図3は、図1(又は図2)に示した包装箱10の形成片(以下、「ブランク5」とも称する。)を包装箱10の表面側から眺めた図であり、図4は、ブランク5を、包装箱10の裏面側から眺めた図である。ブランク5は、例えば、厚紙や板紙等のブランクシートを打ち抜くことにより形成される。
図3及び図4において、破線は山折線を、一点鎖線は谷折線を、点線は破断線を、実線は切込線を、夫々示す。破断線は、例えば、ハーフカット線(ブランク5の厚みの一部を残して切り込んだ切込線)、ミシン目、断続的に形成されたつなぎ部分を有する切込線等である。破断線は山折線や谷折線として機能することもある。
図3に示すように、ブランク5は、夫々の長尺辺が互いに平行になるように連接された4つの側面板(第1側面板11、正面板12、第2側面板13、及び背面板14)、上記4つの側面板の連接方向の一端に延設された接続片17(グルーフラップ)、背面板14の、上記連接方向に対して直角方向の短尺辺の一方に延設された第1下側端面板15(天面板の構成要素)、背面板14の上記連接方向に対して直角方向の短尺辺の他方に延設された第2下側端面板16(底面板の構成要素)、正面板12の第1下側端面板15が存在する側に延設された第1上側端面板121(天面板の構成要素)、及び正面板12の第2下側端面板16が存在する側に延設された第2上側端面板122(底面板の構成要素)、を有する。
第1側面板11、正面板12、第2側面板13、背面板14、及び接続片17は、夫々の長尺辺を境界としてこの順に連接されており、これらを折り曲げて組み立てることにより、包装箱10の内容物が収納される空間を形成する角筒状の筒体が形成される。上記筒体の形成に際し、接続片17は、その裏面側又は表面側に接着剤(ホットメルト等)が塗布され、第1側面板11の表面側又は裏面側に接着される。
正面板12及び背面板14は同形状(略長方形状)であり、これらは前述した筒体の一対の側面を構成する。また第1側面板11と第2側面板13は同形状(略長方形状)であり、これらは前述した筒体の一対の側面を構成する。
第1下側端面板15、第2下側端面板16、第1上側端面板121、及び第2上側端面板122は、夫々、4つの側面板で構成される包装箱10の、前述した筒体の対面する2つの端面を塞ぐように機能する。尚、本例では、正面板12又は背面板14の面積が、第1側面板11又は第2側面板13の面積よりも広くなっているが、これらの面積比は必ずしも同図に示す態様に限られない。また各側面板の長尺辺と短尺辺との関係(いずれの辺を長尺辺又は短尺辺とするか)についても同図に示す態様に限られない。
同図に示すように、第1側面板11と正面板12との境界には山折線31が、正面板12と第2側面板13との境界には山折線32が、夫々形成されている。また第2側面板13と背面板14との境界には山折線41が、背面板14と接続片17との境界には山折線42が、夫々形成されている。山折線31、山折線32、山折線41、及び山折線42は、いずれも互いに平行である。
第1側面板11の、前述した筒体が形成された状態で第1下側端面板15が存在する側には、山折線61を介してフラップ111が、また第1側面板11の、前述した筒体が形成された状態で第2下側端面板16が存在する側には、山折線62を介してフラップ112が、夫々延設されている。
第2側面板13の、前述した筒体が形成された状態で第1下側端面板15が存在する側には、山折線63を介してフラップ131が、また第2側面板13の、前述した筒体が形成された状態で第2下側端面板16が存在する側には、山折線64を介してフラップ132が、夫々延設されている。
第1上側端面板121は、山折線39を介して正面板12に延設されている。また第2上側端面板122は、山折線66を介して正面板12に延設されている。第1下側端面板15は、山折線35を介して背面板14に延設されている。第2下側端面板16は、山折線38を介して背面板14に延設されている。
正面板12の、第1上側端面板121が延設されている側の縁部の中央付近には、略矩形状の押込部125が形成されている。押込部125の周縁には、破断線391(ミシン目、断続的に形成されたつなぎ部分を有する切込線等)が形成されている。
包装箱10が封緘(封函)状態にあるとき、第1下側端面板15と第1上側端面板121とは、第1下側端面板15の表面の所定領域(同図では山折線35寄りの山折線35に沿った矩形状領域)に塗布された接着剤Gaにより接着され、第1下側端面板15の表面に第1上側端面板121が重なった状態となる。
同様に、包装箱10が封緘(封函)状態にあるとき、第2下側端面板16と第2上側端面板122とは、第2下側端面板16の表面の所定領域(同図では山折線38寄りの山折線38に沿った矩形状領域)に塗布された接着剤Gbにより接着され、第2下側端面板16の表面に第2上側端面板122が重なった状態となる。
接着剤Ga,Gbとしては、例えば、ホットメルトが用いられる。尚、接着剤Ga,Gbを塗布する領域の位置や面積は必ずしも限定されない。
図3に示すように、第1上側端面板121の表面の中央付近には、山折線39に対して垂直な方向に延出する2つのハーフカット線71a,71bが形成されている。同図に示すように、2つのハーフカット線71a,71bは互いに平行に延出し、夫々の端部は第1上側端面板121の端辺に達している。尚、本例では、2つのハーフカット線71a,71bの間隔は、押込部125の山折線39に沿った辺の幅程度としているが、2つのハーフカット線71a,71bの間隔は必ずしも限定されず、上記間隔は、改竄操作に対する痕跡の残りやすさ(後述する層間剥離の生じやすさ)や包装箱10の強度確保等の観点から適切に設定される。
また同図に示すように、第1上側端面板121の表面には、2つのハーフカット線71a,71bの夫々から山折線39に平行に延出する、複数のハーフカット線72a及び複数のハーフカット線72bが形成されている。尚、複数のハーフカット線72aの間隔(ピッチ)及び複数のハーフカット線72bの本数や間隔(ピッチ)は必ずしも限定されず、改竄操作に対する痕跡の残りやすさ(後述する層間剥離の生じやすさ)や包装箱10に要求される強度確保等の観点から適切に設定される。
同図に示すように、第1上側端面板121の表面の中央付近には、山折線39に平行に、その中央部に一つ以上のつなぎ部分を有する切込線73が形成されている。切込線73は、第1上側端面板121の後述する層間剥離を誘発するように作用する。切込線73の端部はハーフカット線71a,71bに達している。尚、切込線73の態様は必ずしも限定されず、改竄操作に対する痕跡の残りやすさ(後述する層間剥離の生じやすさ)や包装箱10に要求される強度確保等の観点から適切に設定される。
図4に示すように、第1上側端面板121の裏面の中央付近には、表面の山折線39に対して垂直な方向に延出する2つのハーフカット線81a,81bが形成されている。同図に示すように、2つのハーフカット線81a,81bは、互いに平行に延出し、夫々の端部は第1上側端面板121の端辺に達している。尚、本例では、2つのハーフカット線81a,81bの間隔は、押込部125の山折線39に沿った辺の幅程度としているが、2つのハーフカット線81a,81bの間隔は必ずしも限定されず、改竄操作に対する痕跡の残りやすさ(後述する層間剥離の生じやすさ)や包装箱10に要求される強度確保等の観点から適切に設定される。
同図に示すように、第1上側端面板121の裏面には、2つのハーフカット線81a,81bの夫々から山折線39に平行に延出する、複数のハーフカット線82a及び複数のハーフカット線82bが形成されている。尚、複数のハーフカット線82aの間隔(ピッチ)及び複数のハーフカット線82bの本数や間隔(ピッチ)は必ずしも限定されず、改竄操作に対する痕跡の残りやすさ(後述する層間剥離の生じやすさ)や包装箱10に要求される強度確保等の観点から適切に設定される。
図3及び図4に示すように、第1上側端面板121の裏面に設けられている2つのハーフカット線81a,81bは、いずれも第1上側端面板121の表面に設けられているハーフカット線71a,71bに対して、山折線39に沿った方向に平行に若干ずれた位置(例えば、2mm程度)に形成されている。これにより第1上側端面板121の表面のハーフカット線71aと、これに隣接する、第1上側端面板121の裏面のハーフカット線81aと、で挟まれる領域、並びに、第1上側端面板121の表面のハーフカット線71bと、これに隣接する、第1上側端面板121の裏面のハーフカット線81bと、で挟まれる領域に、層間剥離が生じやすくなる。
また第1上側端面板121の裏面に設けられている複数のハーフカット線82a及び複数のハーフカット線82bは、いずれも第1上側端面板121の表面に設けられている複数のハーフカット線72a及び複数のハーフカット線72bとは、若干ずれた位置(例えば、2mm程度)に形成されている。これにより第1上側端面板121の表面のハーフカット線72aと、これに隣接する、第1上側端面板121の裏面のハーフカット線82aと、で挟まれる領域、並びに、第1上側端面板121の表面のハーフカット線72bと、これに隣接する、第1上側端面板121の裏面のハーフカット線82bと、で挟まれる領域に、層間剥離が生じやすくなる。
以上では、第1上側端面板121を例として説明したが、第2上側端面板122についても、第1上側端面板121と同様の構成(第2上側端面板122の表面における、2つのハーフカット線75a,75b、複数のハーフカット線76a、及び複数のハーフカット線76b、切込線77、第2上側端面板122の裏面における、2つのハーフカット線85a,85b、複数のハーフカット線86a、及び複数のハーフカット線86b)が設けられており、これらについても第1上側端面板121と同様の作用効果(改竄操作によって第2上側端面板122の層間剥離を生じさせる作用効果)を奏する。
尚、包装箱10の一般的な製造工程において、第1上側端面板121や第2上側端面板122に以上のような構成(ハーフカット線や切込線)を設けることは、一般的な包装箱の製造装置を用いて容易に実現することが可能であり、製造工程に与える影響が少ないという利点がある。
[製造から廃棄までの流れ]
続いて、図5に示すフローチャートとともに、包装箱10の製造から廃棄(組み立て→箱詰め→封緘(封函)→開封→廃棄)までの流れについて説明する。尚、以下において用いるブランク5には、既に前述したハーフカット線(ハーフカット線71a,71b、ハーフカット線72a,72b、ハーフカット線75a,75b、ハーフカット線76a,76b、ハーフカット線81a,81b、ハーフカット線82a,82b,ハーフカット線85a,85b、ハーフカット線86a,86b)や切込線(切込線73、切込線77)が形成済であるものとする。
続いて、図5に示すフローチャートとともに、包装箱10の製造から廃棄(組み立て→箱詰め→封緘(封函)→開封→廃棄)までの流れについて説明する。尚、以下において用いるブランク5には、既に前述したハーフカット線(ハーフカット線71a,71b、ハーフカット線72a,72b、ハーフカット線75a,75b、ハーフカット線76a,76b、ハーフカット線81a,81b、ハーフカット線82a,82b,ハーフカット線85a,85b、ハーフカット線86a,86b)や切込線(切込線73、切込線77)が形成済であるものとする。
包装箱10の組み立てに際しては、まずカートニングマシン(製函機)等を用い、ブランク5の4つの側面板(第1側面板11、正面板12、第2側面板13、及び背面板14)と接続片17の折り曲げ(山折線31,32,41,42に沿った折り曲げ)等が行われる(S511)。
続いて、接続片17の表面(又は裏面)に接着剤を塗布し、接続片17の表面(又は裏面)を第1側面板11の裏面(又は表面)に接着する(S512)。尚、例えば、包装箱10の製造業者は、輸送(運送)効率のよいこの状態のときに包装箱10を内容物の製造業者に引き渡す。
続いて、カートニングマシン(製函機)等を用いてブランク5を立体的に立ち上げ、第2下側端面板16の表面と第2上側端面板122の裏面を接着剤Gb(ホットメルト等)により接着して上記筒体の底面側の端面を閉じることにより、前述した各筒状の筒体を形成する(S513)。
続いて、箱詰機等を用いて筒体に包装箱10の内容物を充填し(S514)、第1下側端面板15と第1上側端面板121とを接着剤Gaにより接着し、包装箱10を封緘(封函)する(S515)。
その後、包装箱10は流通経路等を経てユーザの手にわたる。ユーザは、まず包装箱10の押込部125を親指等で押し込むことにより破断線391を破断させ、続いて、第1下側端面板15(及び第1上側端面板121)を押し上げる。これにより包装箱10は図2に示す開封状態となる(S516)。ユーザはこの状態で包装箱10から内容物を取り出す。その後、包装箱10は解体等されて廃棄される(S517)。
[改竄防止機能]
続いて、包装箱10の改竄防止機能について説明する。尚、以下では、第1上側端面板121側に改竄操作が行われる場合を例として説明するが、第2上側端面板122側について改竄操作が行われた場合においても同様である。
続いて、包装箱10の改竄防止機能について説明する。尚、以下では、第1上側端面板121側に改竄操作が行われる場合を例として説明するが、第2上側端面板122側について改竄操作が行われた場合においても同様である。
図6は、悪意者がカッターNを用いて包装箱10の端面(第1下側端面板15及び第1上側端面板121)を開けようとする改竄操作を行っている様子を示す図である。この例では、悪意者は、包装箱10に痕跡を残さぬよう、第1下側端面板15と第1上側端面板121との間にカッターNの刃を差し込み、第1下側端面板15と第1上側端面板121との間の接着剤Gaの層を慎重に切離しようとしている。
しかし悪意者がこうした改竄操作を行った場合、第1上側端面板121には、接着剤Gaの層を切離しようとしてカッターNを動かすことによって生じる力や、刃の厚みによって生じる力が加わり、ハーフカット線(ハーフカット線71a,71b、ハーフカット線72a,72b、ハーフカット線75a,75b、ハーフカット線76a,76b、ハーフカット線81a,81b、ハーフカット線82a,82b,ハーフカット線85a,85b、ハーフカット線86a,86b)や切込線(切込線73、切込線77)の作用により第1上側端面板121に層間剥離が生じ、包装箱10に改竄操作がされたことの痕跡が残る。
尚、このように本実施形態では、改竄操作によって層間剥離を生じさせる構造として、第1上側端面板121にハーフカット線(ハーフカット線71a,71b、ハーフカット線72a,72b、ハーフカット線81a,81b、ハーフカット線82a,82b)を設けているが、切込線と異なり、ハーフカット線は紙面(ブランク5)の反対側に接着剤を透過させないため、包装箱10の製造工程や輸送、箱詰め等の工程において接着剤Gaが漏れてしまうようなことがないという利点を有する。また上記の例では切込線73や切込線77を設けているが、これらの部分に接着剤Gaの領域が重ならないようにすることで接着剤Gaや接着剤Gbの漏れを確実に防ぐことができる。またブランク5や包装箱10には、製造や輸送、箱詰め等の工程において外力による屈曲等に対する強度を持たせる必要があるが、ハーフカット線は包装箱10の強度に与える影響が少なく、ブランク5や包装箱10に必要な強度を確保することができる。
ハーフカット線の少なくとも一部は、第1上側端面板121の接着剤Gaが塗布される領域の面にかかるように形成することが好ましい。そのようにすることで、接着剤Gaを切離しようとする改竄操作が行われた場合により確実に第1上側端面板121に層間剥離を生じさせることができる。
以上では、改竄操作の例として、悪意者がカッターNを用いて第1下側端面板15と第1上側端面板121との間の接着剤Gaの層を切離しようとした場合について説明した。別の改竄操作として、例えば、図7に示すように、悪意者がドライヤー等の加熱装置Hを用いて第1上側端面板121に熱を加え、接着剤Ga,Gbを溶融させる操作を行うといったことも想定される。
こうした改竄操作に対しては、例えば、接着剤Gaや接着剤Gbが塗布される部分の近傍の、第1上側端面板121や第2上側端面板122の表面に、熱を加えると変性する物質を設けることが考えられる。具体的には、例えば、第1上側端面板121や第2上側端面板122の表面に熱を加えると変色する性質を有する成分を含んだ物質(塗料や顔料)を塗布するようにする。また例えば、接着剤Gaや接着剤Gbが塗布される部分の近傍の、第1上側端面板121や第2上側端面板122の表面に、熱を加えると収縮する物質(樹脂フィルム等)を設けてもよい(接着、貼り付け等)。
但し、包装箱10の製造工程には、接着剤Ga,Gbを加熱する工程が含まれているため、上記物質としては、製造工程で印加される熱によっては変性しない性質を有するものを選択する。以上の対策を講じることで、想定される改竄操作に対して確実に対応する(改竄操作の痕跡を残す)ことができる。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、簡素な構造でありながら、改竄操作が行われた場合に確実に痕跡を残すことが可能な包装箱を実現することができる。
以上の例では、層間剥離が生じやすくなるようにハーフカット線を縦横方向に形成しているが、ハーフカット線や切込線の態様は以上に説明したものに限られず、包装箱10の形態や大きさ、ブランク5の素材の性質等に応じて様々な態様で設定することが可能である。
図8及び図9は、層間剥離を生じさせるべく第1上側端面板121及び第2上側端面板122に設けられるハーフカット線の他の設定例である。図8は、包装箱10のブランク5を包装箱10の表面側から眺めた図であり、図9は、ブランク5を包装箱10の裏面側から眺めた図である。尚、同図に示すブランク5の第1上側端面板121及び第2上側端面板122以外の構成については図3及び図4と同様であるので説明を省略する。
図8に示すように、第1上側端面板121の表面の端辺の近傍には、当該端辺に沿って整列する同形同大の複数(本例では4つ)の菱形状のハーフカット線91a〜91dが設けられている。また第2上側端面板122の表面の端辺の近傍には、当該端辺に沿って整列する同形同大の複数(本例では4つ)の菱形状のハーフカット線91e〜91hが設けられている。いずれのハーフカット線91a〜91hについても、菱形の一方の対角線は山折線39に平行であり、菱形の他方の対角線は山折線39に垂直である。尚、本例では、整列する菱形状のハーフカット線の数を4つとしているが、菱形状のハーフカット線の数は必ずしも同図に示すものに限定されない。
図9に示すように、第1上側端面板121の裏面の端辺の近傍には、当該端辺に沿って整列する同形同大の複数(本例では4つ)の菱形状のハーフカット線92a〜92dが設けられている。また第2上側端面板122の裏面の端辺の近傍には、当該端辺に沿って整列する同形同大の複数(本例では4つ)の菱形状のハーフカット線92e〜92hが設けられている。いずれのハーフカット線92a〜92hについても、菱形の一方の対角線は山折線66に平行であり、菱形の他方の対角線は山折線66(裏面から見た場合は谷折線)に垂直である。
図8及び図9に示すように、ブランク5の裏面に設けられる菱形状のハーフカット線92a〜92hの夫々は、ブランク5の表面に設けられる菱形状のハーフカット線91a〜91hの夫々と一対一に対応している。即ち、ハーフカット線91aとハーフカット線92a、ハーフカット線91bとハーフカット線92b、ハーフカット線91cとハーフカット線92c、ハーフカット線91dとハーフカット線92d、ハーフカット線91eとハーフカット線92e、ハーフカット線91fとハーフカット線92f、ハーフカット線91gとハーフカット線92g、ハーフカット線91hとハーフカット線92hが、夫々対応している。
ブランク5の表裏を透過的に眺めた場合、対応する各組合せにおける表面及び裏面のハーフカット線の菱形の中心(夫々の対角線の交点)は一致している。またブランク5の表面の菱形状のハーフカット線91a〜91hと、夫々に対応するブランク5の裏面の菱形状のハーフカット線92a〜92hの夫々とはサイズが異なり、表面の菱形は裏面の菱形よりも小さくなっている。そのため、ブランク5の表裏を透過的に眺めた場合、表面のハーフカット線は裏面の菱形状のハーフカット線の内側に収容される。そしてこれにより対応する各組合せにおける表面のハーフカット線と裏面のハーフカット線との間に、層間剥離が生じやすい領域(以下、層間剥離領域と称する。)が形成されている。
先の例と同様、本例の場合も、例えば、悪意者が第1下側端面板15と第1上側端面板121との間にカッターを差し込み、カッターを操作して接着剤Gaを切断して包装箱10の端面を開けようとすると、第1上側端面板121に、カッターを動かすことによって生じる力や、刃の厚みによって生じる力が加わり、その結果、層間剥離領域が層間剥離して包装箱10に改竄操作がされたことの痕跡が残る。とくに第1上側端面板121には山折線39を支点として上側に開こうとする力が作用し、また第1上側端面板121の下面は接着剤Gaで固定されているので、表面の菱形状のハーフカット線による菱形部分は上記層間剥離によって第1上側端面板121から離脱しやすく、カッターの刃が差し込まれる等の改竄操作に対して敏感に反応して層間剥離が誘発され、改竄操作が行われた痕跡を包装箱10に確実に残すことができる。こうした事情は、第2下側端面板16と第2上側端面板122との間にカッターが差し込まれた場合も同様である。
尚、層間剥離は、カッター等を用いた意図的な改竄操作に対しては敏感に反応して生じるが、包装箱10の製造時や輸送時、使用時等において層間剥離が自然に生じることはない。また先の例と同様、ハーフカット線は紙面(ブランク5)の反対側に接着剤を透過させないため、包装箱10の製造工程や輸送、箱詰め等の工程において接着剤Gaや接着剤Gbがブランク5の表面側に漏れてしまうようなことがない。またハーフカット線は包装箱10の強度に与える影響が少なく、ブランク5や包装箱10に必要な強度を確保することができるという利点がある。また菱形状のハーフカット線は美観性(デザイン性)にも優れる。
また先の例と同様、本例においても、接着剤Gaや接着剤Gbが塗布される部分の近傍の、第1上側端面板121や第2上側端面板122の表面に、熱を加えると変色する性質を有する成分を含んだ物質(塗料や顔料)を塗布するようにしてもよい。また例えば、接着剤Gaや接着剤Gbが塗布される部分の近傍の、第1上側端面板121や第2上側端面板122の表面に、熱を加えると収縮する物質(樹脂フィルム等)を設けてもよい(接着、貼り付け等)。
また改竄操作に対して層間剥離領域が敏感に反応して剥離するようにする観点からすれば、ブランク5の表面に設けられる菱形状のハーフカット線91a〜91h及びブランク5の裏面に設けられる菱形状のハーフカット線92a〜92hは、接着剤Ga又は接着剤Gbが塗布される領域となるべく重なるように設けることが好ましい。
=第2実施形態=
図10は、本発明の第2実施形態として説明する包装箱50の開封前の状態(封緘(封函)状態)を示す斜視図である。また図11は、包装箱50の開封後の状態(開封状態)を示す斜視図である。これらの図に示すように、包装箱50の全体は略直方体状を呈する。
図10は、本発明の第2実施形態として説明する包装箱50の開封前の状態(封緘(封函)状態)を示す斜視図である。また図11は、包装箱50の開封後の状態(開封状態)を示す斜視図である。これらの図に示すように、包装箱50の全体は略直方体状を呈する。
図12は、図10又は図11に示した包装箱50のブランク55を包装箱10の表面側から眺めた図であり、図13は、ブランク55を、包装箱50の裏面側から眺めた図である。尚、図12及び図13に表記している各線種の機能(折曲線、破断線等)は第1実施形態と必ずしも共通ではない。
図12に示すように、ブランク5は、夫々の長尺辺が互いに平行になるように連接された4つの側面板(第1側面板611、背面板612、第2側面板613、及び正面板614)、上記4つの側面板の連接方向の一端に延設された接続片617(グルーフラップ)、正面板614の、上記連接方向に対して直角方向の短尺辺の一方に延設された第1端面板615(天面板)、及び正面板614の上記連接方向に対して直角方向の短尺辺の他方に延設された第2端面板616(底面板)を有する。
第1側面板611、背面板612、第2側面板613、正面板614、及び接続片617は、夫々の長尺辺を境界としてこの順に連接されており、これらを折り曲げて組み立てることにより、包装箱50の内容物が収納される空間を形成する角筒状の筒体が形成される。上記筒体の形成に際し、接続片617は、その表面側又は裏面側に接着剤(ホットメルト等)が塗布されて第1側面板611の裏面側又は表面側に接着される。
背面板612と正面板614は同形状(略長方形状)であり、これらは前述した筒体の対向する一対の側面を構成する。また第1側面板611と第2側面板613は同形状(略長方形状)であり、これらは前述した筒体の対向する一対の側面を構成する。
第1端面板615及び第2端面板616は夫々、4つの側面板で構成される包装箱50の、前述した筒体の対向する2つの端面を塞ぐように機能する。尚、本例では、背面板612又は正面板614の面積が、第1側面板611又は第2側面板613の面積よりも広くなっているが、これらの面積比は必ずしも同図に示す態様に限られない。また各側面板の長尺辺と短尺辺との関係(いずれの辺を長尺辺又は短尺辺とするか)についても同図に示す態様に限られない。
図12に示すように、第1側面板611と背面板612との境界には山折線631が、背面板612と第2側面板613との境界には山折線632が、夫々形成されている。また第2側面板613と正面板614との境界には山折線641が、正面板614と接続片617との境界には山折線642が、夫々形成されている。山折線631、山折線632、山折線641、及び山折線642は、いずれも互いに平行である。
同図に示すように、第1側面板611の、前述した筒体が形成された状態で第1端面板615が存在する側には、山折線661を介してフラップ6111が、また第1側面板611の、前述した筒体が形成された状態で第2端面板616が存在する側には、山折線662を介してフラップ6112が、夫々延設されている。また第2側面板613の、前述した筒体が形成された状態で第1端面板615が存在する側には、山折線663を介してフラップ6131が、また第2側面板613の、前述した筒体が形成された状態で第2端面板616が存在する側には、山折線664を介してフラップ6132が、夫々延設されている。尚、フラップの態様(枚数、形状等)は一例に過ぎない。
第1端面板615は、山折線665を介して背面板612に連設されている。また第1端面板615の背面板612が存在する側とは逆側の端辺には、山折線667を介して差込部6151(舌片)が連設されている。尚、山折線667の両端部付近は切込線になっているが、これは差込部6151を筒体に差し込んで筒体の端面を第1端面板615により閉じる際の差込部6151の操作性を向上させるためである。差込部6151の表面の網掛領域R1,R2の全部又は一部には夫々、接着剤G1,G2(ホットメルト等)が塗布される。接着剤G1,G2は、例えば、全面塗布(ベタ塗り)でもよいし、スポット的に塗布してもよい。
正面板614の、筒体の第1端面板615が設けられる側の端辺の中央付近には、略矩形状(略台形状)の押込部6145aが形成されている。押込部6145aの周縁は、包装箱50の開封に際してユーザが外側から押込部6145aを押し込むことにより破断する破断線61451aになっている。
図12に示すように、押込部6145aの表面の中央付近には、正面板614の端辺(押込部6145aの端辺)の一部を底辺とする三角形状のハーフカット線95aが設けられている。また図13に示すように、押込部6145aの裏面の中央付近には、正面板614の端辺(押込部6145aの端辺)の一部を底辺とする三角形状のハーフカット線96aが設けられている。
ここで押込部6145aの表面のハーフカット線95aによる三角形(以下、第1の三角形とも称する。)は、押込部6145aの裏面のハーフカット線96aによる三角形よりもサイズが小さく、ブランク55の表裏を透過的に眺めた場合、押込部6145aの裏面のハーフカット線96aの内側になるように形成されている。そしてこれにより、表面のハーフカット線95aによる三角形の2つの斜辺と裏面のハーフカット線96aによる三角形の2つの斜辺との間には、層間剥離が生じやすい領域(以下、第1層間剥離領域と称する。)が形成される。
正面板614の、筒体の第2端面板616が設けられる側の端辺の中央付近には、略矩形状(略台形状)の押込部6145bが形成されている。押込部6145bの周縁は、包装箱50の開封に際してユーザが外側から押込部6145bを押し込むことにより破断する破断線61451bになっている。
図12に示すように、押込部6145bの表面の中央付近には、正面板614の端辺(押込部6145bの端辺)の一部を底辺とする三角形状のハーフカット線95bが設けられている。また図13に示すように、押込部6145bの裏面の中央付近には、正面板614の端辺(押込部6145bの端辺)の一部を底辺とする三角形状のハーフカット線96bが設けられている。
ここで押込部6145bの表面のハーフカット線95bによる三角形(以下、第2の三角形とも称する。)は、押込部6145bの裏面のハーフカット線96bによる三角形よりもサイズが小さく、ブランク55の表裏を透過的に眺めた場合、押込部6145bの裏面のハーフカット線96bの内側になるように形成されている。そしてこれにより、表面のハーフカット線95bによる三角形の2つの斜辺と裏面のハーフカット線96bによる三角形の2つの斜辺との間には、層間剥離が生じやすい領域(以下、第2層間剥離領域と称する。)が形成される。
尚、本例では、第1の三角形と第2の三角形が同大となるように設定しているが、必ずしも同大でなくてもよい。また第1の三角形や第2の三角形において、夫々の形状や大きさは以上に示したものに必ずしも限定されない。
[包装箱の組み立てと封緘]
以上に示した包装箱50の組み立て及び封緘は次のようにして行われる。まず第1側面板611、背面板612、第2側面板613、正面板614、及び接続片617を折り曲げて接続片617と第1側面板611とを接着し、前述した角筒状の筒体を形成する。
以上に示した包装箱50の組み立て及び封緘は次のようにして行われる。まず第1側面板611、背面板612、第2側面板613、正面板614、及び接続片617を折り曲げて接続片617と第1側面板611とを接着し、前述した角筒状の筒体を形成する。
続いて、筒体の底面側の構成である、フラップ6112、フラップ6132、第2端面板616、及び差込部6161を夫々、山折線662、山折線664、山折線666、及び山折線668に沿って折り曲げる。そして差込部6161の表面の網掛領域R2に接着剤G2(ホットメルト等)を塗布し、差込部6161を筒体の端面に沿って差し込み、差込部6161の表面を正面板614の裏面に接着して筒体の一方の端面(底面)を閉じる。
続いて、以上により底面が閉じられた筒体に内容物を充填し、筒体の天面側の構成である、フラップ6111、フラップ6131、第1端面板615、及び差込部6151を、夫々、山折線661、山折線663、山折線665、及び山折線667に沿って折り曲げる。そして差込部6151の網掛領域R1に接着剤G1(ホットメルト等)を塗布して差込部6151を筒体の端面に沿って差し込み、差込部6151の表面を正面板614の裏面に接着して筒体の他方の端面(天面)を閉じる。
以上の手順を経ることで包装箱50の組み立て及び封緘は完了する。これにより包装箱50は図10に示した状態となる。
[包装箱の開封]
包装箱50の開封は次のようにして行われる。まず例えば図10に示す封緘(封函)状態の包装箱50に対して押込部6145a(又は6415b)を親指等で押し込んで破断線61451a(又は破断線61451b)を破断させ、それにより形成される孔に指を掛けて差込部6151(又は差込部6161)とともに第1端面板615又は第2端面板616を引き上げる。これにより包装箱50は、例えば、図11に示した開封状態となる。尚、このように包装箱50の開封に際しては必ず破断線61451a(又は破断線61451b)を破断させる必要があり、破断線61451a(又は破断線61451b)が破断しているか否かを確認することで包装箱50が開封されたか否かを容易に判別することができる。
包装箱50の開封は次のようにして行われる。まず例えば図10に示す封緘(封函)状態の包装箱50に対して押込部6145a(又は6415b)を親指等で押し込んで破断線61451a(又は破断線61451b)を破断させ、それにより形成される孔に指を掛けて差込部6151(又は差込部6161)とともに第1端面板615又は第2端面板616を引き上げる。これにより包装箱50は、例えば、図11に示した開封状態となる。尚、このように包装箱50の開封に際しては必ず破断線61451a(又は破断線61451b)を破断させる必要があり、破断線61451a(又は破断線61451b)が破断しているか否かを確認することで包装箱50が開封されたか否かを容易に判別することができる。
[包装箱の製造から廃棄まで]
続いて、図14に示すフローチャートとともに、包装箱50の製造から廃棄(ブランク形成、組み立て→箱詰め→封緘(封函)→開封→再封→解体→廃棄)までの流れについて説明する。
続いて、図14に示すフローチャートとともに、包装箱50の製造から廃棄(ブランク形成、組み立て→箱詰め→封緘(封函)→開封→再封→解体→廃棄)までの流れについて説明する。
包装箱50の組み立てに際しては、まずブランクシートからブランク55を形成する(S1411)。ブランクシートからのブランク55の形成は、例えば、カッタマシンや罫線入れ装置等の機械を用いて行うことができるが、手動で行ってもよい。尚、ブランクシートからブランク55を形成する際の詳細な手順については後述する。
続いて、カートニングマシン(製函機)等を用い、ブランク55の4つの側面板(第1側面板611、背面板612、第2側面板613、及び正面板614)及び接続片617を折り曲げる(S1412)。
続いて、接続片617の表面に接着剤(ホットメルト等)を塗布し、接続片617の表面を第1側面板611の裏面に接着する(S1413)。尚、例えば、包装箱50の製造業者は、輸送(運送)効率のよいこの状態でブランク55を内容物の製造業者に引き渡す。
続いて、カートニングマシン(製函機)等を用いてブランク55を立体的に立ち上げて前述した筒体を形成し、接着剤を用いて差込部6161の表面を正面板614の裏面に接着することにより筒体の底面を閉じる(S1414)。
続いて、箱詰機等を用いて筒体に包装箱50の内容物を箱詰めし(S1415)、差込部6151の表面を正面板614の裏面に接着して筒体の天面を閉じて包装箱50を封緘(封函)する(S1416)。
その後、包装箱50は出荷され、所定の流通経路等を経て消費者等のユーザの手にわたる。ユーザは包装箱50の封緘を解いて包装箱50を開封し内容物を取り出す(S1417)。尚、必要に応じて包装箱50は残りの内容物の保管等のために再封されて継続使用される(S1418)。その後、最終的に使用済みとなった包装箱50は解体されて廃棄される(S1419,S1420)。
[改竄防止機能]
続いて、包装箱50の改竄防止機能について説明する。尚、以下では、第1端面板615側に改竄操作が行われる場合を例として説明するが、第2端面板616側について改竄操作が行われた場合も同様である。
続いて、包装箱50の改竄防止機能について説明する。尚、以下では、第1端面板615側に改竄操作が行われる場合を例として説明するが、第2端面板616側について改竄操作が行われた場合も同様である。
例えば、悪意者が正面板614と差込部6151との間にカッターを差し込み、両者を接合している接着剤G1を切断して包装箱50の端面を開けようとすると、悪意者が正面板614に、カッターを動かすことによって生じる力や、刃の厚みによって生じる力が加わり、その結果、第1層間剥離領域が層間剥離して包装箱50に改竄操作がされたことの痕跡が残る。尚、この事情は、正面板614と差込部6161との間にカッターを差し込んだ場合も同様であり、その場合は改竄操作が行われることにより第2層間剥離領域が層間剥離して包装箱50に改竄操作がされたことの痕跡が残る。
ここで層間剥離は、カッター等を用いた意図的な改竄操作に対しては敏感に反応して生じる一方、包装箱50の製造時や輸送時、使用時等において層間剥離が自然に生じることはない。またハーフカット線は紙面(ブランク55)の反対側に接着剤を透過させないため、包装箱50の製造工程や輸送、箱詰め等の工程において接着剤G1や接着剤G2がブランク5の表面側に漏れてしまうようなことがない。またハーフカット線は包装箱50の強度に与える影響が少なく、ブランク55や包装箱50に必要な強度を確保することができるという利点がある。また三角形状のハーフカット線は美観性(デザイン性)にも優れる。
尚、第1実施形態の場合と同様、本例の場合も、接着剤G1や接着剤G2が塗布される部分の近傍の、正面板614、第1端面板615、及び第2端面板616のうちの少なくともいずれかの表面に、熱を加えると変色する性質を有する成分を含んだ物質(塗料や顔料)を塗布するようにしてもよい。また例えば、接着剤G1や接着剤G2が塗布される部分の近傍の、正面板614、第1端面板615、及び第2端面板616のうちの少なくともいずれかの表面に、熱を加えると収縮する物質(樹脂フィルム等)を設けてもよい(接着、貼り付け等)。
また改竄操作に対して第1層間剥離領域又は第2層間剥離領域が敏感に反応して剥離を生じさせるようにする観点からすれば、ブランク55の表面に設けられる三角形状のハーフカット線95a,95b及びブランク55の裏面に設けられる三角形状のハーフカット線96a,96bは、接着剤G1又は接着剤G2が塗布される領域となるべく重なるように設けることが好ましい。
[他の形態]
図15及び図16は、層間剥離を生じさせるべく正面板614に設けられるハーフカット線の他の設定例である。図15は、包装箱50のブランク55を包装箱10の表面側から眺めた図であり、図16は、ブランク55を包装箱50の裏面側から眺めた図である。尚、同図に示すブランク5の正面板614以外の構成については、図12及び図13と同様であるので説明を省略する。
図15及び図16は、層間剥離を生じさせるべく正面板614に設けられるハーフカット線の他の設定例である。図15は、包装箱50のブランク55を包装箱10の表面側から眺めた図であり、図16は、ブランク55を包装箱50の裏面側から眺めた図である。尚、同図に示すブランク5の正面板614以外の構成については、図12及び図13と同様であるので説明を省略する。
正面板614の、筒体の第1端面板615が設けられる側の端辺の中央付近には、略矩形状(略台形状)の押込部6145が形成されている。押込部6145の周縁は、包装箱50の開封に際してユーザが外側から押込部6145を押し込むことにより破断する破断線61451になっている。尚、破断線61451の一部に脱落防止用のつなぎを設けてもよい。
図15に示すように、押込部6145の表面の中央付近には、正面板614の端辺(押込部6145の端辺)の一部を下底とする台形の斜辺に沿ってハーフカット線95aが設けられている。
また図16に示すように、押込部6145の裏面の中央付近には、正面板614の端辺(押込部6145の端辺)の一部を下底とする台形(以下、第1の台形とも称する。)の斜辺に沿ってハーフカット線96aが設けられている。尚、本例では、第1の台形の上底が押込部6145の範囲内になるように設定している。
ここで押込部6145aの表面のハーフカット線95aを斜辺とする台形は、押込部6145aの裏面のハーフカット線96aを斜辺とする台形よりもサイズが小さく、ブランク55の表裏を透過的に眺めた場合、押込部6145aの裏面のハーフカット線96aの内側になるように形成されている。そしてこれにより、表面のハーフカット線95aによる台形の斜辺と裏面のハーフカット線96aによる台形の斜辺との間には、層間剥離が生じやすい領域(第1層間剥離領域)が形成される。
図15に示すように、正面板614の表面の、筒体の第2端面板616が設けられる側の端辺の中央付近には、正面板614の端辺の一部を下底とする台形の斜辺に沿ってハーフカット線95bが設けられている。
また図16に示すように、正面板614の裏面の、筒体の第2端面板616が設けられる側の端辺の中央付近には、正面板614の端辺の一部を下底とする台形(以下、第2の台形とも称する。)の斜辺に沿ってハーフカット線96bが設けられている。
尚、本例では、第1の台形と第2の台形が同大となるように設定しているが、必ずしも同大でなくてもよい。また第1の台形や第2の台形において、夫々の形状(平行な二辺のいずれを上底としいずれを下底とするか等)や大きさは以上に示したものに必ずしも限定されない。
ここで正面板614の表面のハーフカット線95bによる台形は、正面板614の裏面のハーフカット線96bによる台形よりもサイズが小さく、ブランク55の表裏を透過的に眺めた場合、正面板614の裏面のハーフカット線96bの内側になるように形成されている。そしてこれにより、表面のハーフカット線95bによる台形の2つの斜辺と裏面のハーフカット線96bによる台形の2つの斜辺との間には、層間剥離が生じやすい領域(第2層間剥離領域)が形成される。
本例の場合、例えば、悪意者が正面板614と差込部6151との間にカッター等を差し込み、両者を接合している接着剤G1を切断して包装箱50の端面を開けようとすると、悪意者が正面板614に、カッター等を動かすことによって生じる力や、カッターの刃等の厚みによって生じる力が加わり、その結果、第1層間剥離領域が層間剥離して包装箱50に改竄操作がされたことの痕跡が残る。尚、この事情は、正面板614と差込部6161との間にカッターを差し込んだ場合も同様であり、その場合は改竄操作が行われることにより第2層間剥離領域が層間剥離して包装箱50に改竄操作がされたことの痕跡が残る。
以上詳細に説明したように、第2実施形態の包装箱の構成によれば、簡素な構造でありながら、改竄操作が行われた場合に確実に痕跡を残すことが可能な包装箱を実現することができる。
=他の実施形態=
ところで、改竄が行われたことをユーザや販売者等がより明確に認識することができるように、例えば、ブランク5を形成するブランクシートとして、一部の層が着色された着色紙を用いてもよい。
ところで、改竄が行われたことをユーザや販売者等がより明確に認識することができるように、例えば、ブランク5を形成するブランクシートとして、一部の層が着色された着色紙を用いてもよい。
図17はブランクシートとして用いる着色紙の層構造の一例である。同図に示すように、例示する着色紙は、表面から裏面に向かって、表塗料層、表下塗料層、表層、表下層、中層、裏下層、裏層、及び裏塗料層の各層が順に積層された構造を有する。この構造において、例えば、中層、もしくはその上下の表下層や裏下層を着色層とする。尚、このような層構造を有する着色紙の製造方法として、例えば、特許文献3(特開昭61−273340号公報)に開示されているものがある。
図18は、着色紙をブランクシートとして用いて構成した図1乃至図4に示す構造からなる包装箱10の斜視図であり、当該包装箱10に対して改竄操作が行われた後の状態を示す図である。悪意者がカッター等を用いて包装箱10の端面(第1下側端面板15及び第1上側端面板121)を開けようとする改竄操作を行うと、ハーフカット線(ハーフカット線71a,71b、ハーフカット線72a,72b等)や切込線(切込線73等)の作用により第1上側端面板121に層間剥離が生じる。そしてその結果、同図に示すように着色層Cが露出し(同図では第1下側端面板15の表面側に着色層Cが露出している)、包装箱10はユーザや販売者等が改竄操作が行われたことを容易に認識可能な状態になる。
図19は、着色紙をブランクシートとして用いて構成した図8乃至図9に示す構造からなる包装箱10の斜視図であり、当該包装箱10に対して改竄操作が行われた後の状態を示す図である。悪意者がカッター等を用いて包装箱10の端面(第1下側端面板15、第1上側端面板121)を開けようとする改竄操作を行うと、表面の菱形状のハーフカット線と裏面の菱形状のハーフカット線との間の層間剥離領域が層間剥離する。そして同図に示すように、層間剥離により離脱した菱形部分(接着剤の作用により取り残された部分)の周囲に着色層Cが露出し(同図では第1下側端面板15の表面側に着色層Cが露出している)、包装箱10はユーザや販売者等が改竄操作が行われたことを容易に認識可能な状態となる。
図20は、着色紙をブランクシートとして用いて構成した、第2実施形態の図10乃至図13に示す構造からなる包装箱50に対して改竄操作が行われた後の状態を示す図である。同図に示すように、悪意者が正面板614と差込部6151との間にカッター等を差し込み、両者を接合している接着剤G1を切断して包装箱50の端面を開けようとすると、第1層間剥離領域が層間剥離し、層間剥離により離脱した三角形状の部分(接着剤の作用により取り残された部分)の周囲に層間剥離によって着色層Cが露出し、包装箱50はユーザや販売者等が改竄操作が行われたことを容易に認識可能な状態となる。
図21は、着色紙をブランクシートとして用いて構成した、第2実施形態の図15乃至図16に示す構造からなる包装箱50に対して改竄操作が行われた後の状態を示す図である。同図に示すように、悪意者が正面板614と差込部6151との間にカッター等を差し込み、両者を接合している接着剤G1を切断して包装箱50の端面を開けようとすると、第1層間剥離領域が層間剥離し、層間剥離により離脱した台形状の部分(接着剤の作用により取り残された部分)の周囲に層間剥離によって着色層Cが露出し、包装箱50は改竄操作が行われたことが明確に認識可能な状態となる。
尚、層間剥離によって着色層が確実に露出するように、ハーフカット線は、図18乃至図21に示したいずれの包装箱についても、例えば、少なくとも着色層に達する深さで形成することが好ましい。また着色層の色は、改竄が行われたことをユーザや販売者等が容易に認識することができるように、例えば、包装箱の表面の色と対照的な色とすることが好ましい。
ところで、図18乃至図21に示した各包装箱において、例えば、包装箱の稜線となる折り目の部分をミシン目とし、包装箱を製函した際に上記ミシン目の部分に着色層が露出するようにしてもよい。そのようにすることで、包装箱やその内容物が正しい製造ルートで流通したものであることを証明することが可能になり、包装箱やその内容物の偽造を防ぐことができる。
図22に、一例として、図18(図1乃至図4)に示す構造からなる包装箱10の稜線(山折線31及び山折線32)を夫々ミシン目31m,32mとした場合における、当該包装箱10の斜視図を示す。同図に示すように、包装箱10を製函した状態において、ミシン目31m,32mの切り込み部分(つなぎ以外の部分)から着色層Cが露出する。また包装箱の製函時において、例えば、ミシン目の部分を折り目としてブランク5を折り曲げるようにする(例えば折り目を軸として180゜以上、折り曲げる)ことで、ミシン目31m,32mのつなぎの部分の表面にも亀裂を生じさせることができ、より確実に着色層Cを露出させることができる。
図21に示した包装箱50は、押込部6145を親指等で押し込むことにより破断線61451を破断させ、それにより形成される孔に指を掛けて差込部6151とともに第1端面板615を引き上げることにより開封する構造になっているが、例えば、ハーフカット線95aとハーフカット線96aとによって生じる層間剥離により正面板614から切離される第1の台形D1、もしくは、ハーフカット線95bとハーフカット線96bとによって生じる層間剥離により正面板614から切離される第2の台形D2を、押込部6145のように機能させるようにしてもよい。その場合、第1の台形D1や第2の台形D2の大きさや形状(面積)については、例えば、これらを押込部6145として機能させるのに適切となるように設定すればよい。このような構成とすることで、包装箱50の製造に際して押込部6145を形成するための工程を省略することができるとともに、外観をシンプルなものとして包装箱50の美観性を向上させることができる。
図23にそのような構成とした包装箱10の斜視図を示す。尚、この場合においてもブランクシートとして着色紙を用いることで、包装箱50が開封されたり改竄されたりすれば着色層Cが露出し、開封や改竄が行われたことを明確にユーザに示すことができる。
尚、同図では第1の台形D1や第2の台形D2を正面板614に設けているが、第1の台形D1や第2の台形D2を背面板612に設けるようにしてもよい。
図24にそのような構成とした包装箱50の斜視図を示す。尚、この場合においてもブランクシートとして着色紙を用いることで、包装箱50が開封されたり改竄された場合には着色層Cが露出するので、開封や改竄の有無を明確にユーザに示すことができる。
図23では、正面板614を透過的に見たときに正面板614の表面側のハーフカット線95aが正面板614の裏面側のハーフカット線96aの内側になるように形成しているが、これとは逆に、正面板614の表面側のハーフカット線95aが正面板614の裏面側のハーフカット線96aの外側になるように形成するようにしてもよい。ハーフカット線95bとハーフカット線96bの関係についても同様である。
図25にそのような構成とした包装箱50の斜視図を示す。尚、この場合においてもブランクシートとして着色紙を用いることで、包装箱50が開封されたり改竄されたりした場合には着色層Cが露出し、開封や改竄が行われたことを明確にユーザに示すことができる。またこの場合は着色層Cが正面板614の表面側に直に露出するので、開封や改竄の有無をさらに明確にユーザに示すことができ、包装箱50に対して操作が行われたことをユーザが気付き易くすることができる。
図26は、図25に示した包装箱50と同様の構造を、第1の台形D1や第2の台形D2を背面板612に設けた場合である。この場合も図25に示した包装箱50の場合と同様の効果を得ることができる。
図27及び図28は、夫々図8及び図9に示したブランクに形成されている菱形状のハーフカット線と、図24に示す第1の台形D1や第2の台形D2の双方を設けたブランクの例である。尚、これらの図において、封緘時に塗布する接着剤については省略している。
図29は、図27及び図28に示すブランクに基づく包装箱50の斜視図である。尚、本例では表面側のハーフカット線が裏面側のハーフカット線の外側になるように形成しているが、図23に示した包装箱50と同様に、これとは逆の構成としてもよい。
このように、包装箱10の端面(第1下側端面板15、第1上側端面板121)を開けようとする改竄操作の痕跡を残す構成(菱形状のハーフカット線)と、第1の台形D1や第2の台形D2を押込部6145として機能させる構成とを一つの包装箱50に同時に設けるようにしてもよい。
以上の各実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。例えば、以上の実施形態では、包装箱10の内容物が収納される空間を形成する筒体がいずれも角筒状であったが、筒体は他の形態であってもよく、例えば、円筒状等の曲面の板によって構成されるものであってもよい。
5 ブランク、10 包装箱、11 第1側面板、12 正面板、121 第1上側端面板、122 第2上側端面板、125 押込部、13 第2側面板、14 背面板、15 第1下側端面板、16 第2下側端面板、Ga,Gb 接着剤、71a,71b ハーフカット線、72a,72b ハーフカット線、73 切込線、75a,75b ハーフカット線、76a,76b ハーフカット線、77 切込線、81a,81b ハーフカット線、82a,82b ハーフカット線、85a,85b ハーフカット線、86a,86b ハーフカット線、95a,95b ハーフカット線、96a,96b ハーフカット線
Claims (36)
- 筒体を構成する4つの側面板、
前記筒体の一方の端面を塞ぐように前記側面板の一つに延設される第1下側端面板、
前記一方の端面を塞ぐように、前記第1下側端面板が延設される前記側面板と対向する前記側面板に延設される第1上側端面板、
前記筒体の他方の端面を塞ぐように前記側面板の一つに延設される第2下側端面板、
を含み、
前記第1上側端面板及び前記第1下側端面板により前記筒体の前記一方の端面を塞いだ状態において、前記第1上側端面板は前記第1下側端面板の上に重ねて接着剤により接着され、
前記第1上側端面板の表面及び裏面に、前記第1上側端面板に層間剥離を生じさせるハーフカット線が形成されている、
包装箱。 - 請求項1に記載の包装箱であって、
前記第1上側端面板の表面に、前記接着剤を溶融させるための熱が印加されると変性する性質を有する物質が設けられている、
包装箱。 - 請求項2に記載の包装箱であって、
前記物質は、前記接着剤を溶融させるための熱が印加されると変色する性質を有する成分を含む、
包装箱。 - 請求項2に記載の包装箱であって、
前記物質は、前記接着剤を溶融させるための熱が印加されると変形する性質を有する成分を含む、
包装箱。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の包装箱であって、
前記第1上側端面板に、前記層間剥離を誘発する切込線が形成されている、
包装箱。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の包装箱であって、
前記ハーフカット線の少なくとも一部は、前記第1上側端面板の前記接着剤が塗布される領域にかかるように形成されている、
包装箱。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の包装箱であって、
前記第1上側端面板の表面及び裏面に形成された前記ハーフカット線は、前記第1上側端面板の表面に形成された前記ハーフカット線と、前記第1上側端面板の裏面に形成された前記ハーフカット線との間の領域に前記層間剥離を生じさせるように形成されている、
包装箱。 - 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の包装箱であって、
前記第1上側端面板の表面に、平行に延出する複数のハーフカット線が形成され、
前記第1上側端面板の裏面に、表面の前記複数のハーフカット線と平行に延出し、前記複数のハーフカット線と対になって前記層間剥離を生じさせる、複数のハーフカット線が形成されている、
包装箱。 - 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の包装箱であって、
前記第1上側端面板の表面に、異なる方向に延出する複数のハーフカット線が形成され、
前記第1上側端面板の裏面に、異なる方向に延出する複数のハーフカット線が形成されている、
包装箱。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の包装箱であって、
前記他方の端面を塞ぐように、前記第2下側端面板が延設される前記側面板と対向する前記側面板に延設される第2上側端面板を更に含み、
前記第2上側端面板及び前記第2下側端面板により前記筒体の前記他方の端面を塞いだ状態において、前記第2上側端面板は前記第2下側端面板の上に重ねて第2接着剤により接着され、
前記第2上側端面板の表面及び裏面に、前記第2上側端面板に層間剥離を生じさせるハーフカット線が形成されている、
包装箱。 - 請求項1に記載の包装箱であって、
前記第1上側端面板の表面に、前記第1上側端面板の端辺に沿って複数の第1の菱形状のハーフカット線が形成され、
前記第1上側端面板の裏面に、前記複数の前記第1の菱形状のハーフカット線の夫々に対応して、第1上側端面板の端辺に沿って複数の第2の菱形状のハーフカット線が形成され、
前記第1の菱形状のハーフカット線と当該第1の菱形状のハーフカット線に対応する第2の菱形状のハーフカット線との間に前記層間剥離を生じさせる領域が形成されている、
包装箱。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の包装箱であって、
着色層を有するブランクシートを折り曲げて立ち上げることにより構成され、前記ハーフカット線は、前記層間剥離が生じた際に前記着色層が露出するように形成されている、
包装箱。 - 請求項12に記載の包装箱であって、
前記ブランクシートは、表層、中層、及び裏層を順に積層した層構造を有し、
前記着色層は前記中層に形成されている、
包装箱。 - 請求項12に記載の包装箱であって、
前記ハーフカット線は、前記着色層に達する深さで形成されている、
包装箱。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の包装箱であって、
着色層を有するブランクシートを折曲線に沿って折り曲げて立ち上げることにより構成され、前記折曲線は、前記折り曲げによって前記着色層が露出するように破断する部分を有する、
包装箱。 - 請求項15に記載の包装箱であって、
前記折曲線はミシン目であり、前記折り曲げによって前記着色層が露出するように破断する前記部分は、前記ミシン目のつなぎの部分である、
包装箱。 - 筒体を構成する4つの側面板、
前記筒体の一方の端面を塞ぐように前記側面板の一つに延設される第1端面板、
前記筒体の他方の端面を塞ぐように前記側面板の一つに延設される第2端面板、
前記第1端面板に延設される差込部、
を含み、
前記第1端面板により前記筒体の前記一方の端面を塞いだ状態において、前記差込部は前記側面板の一つと接着剤により接着され、
前記差込部と前記接着剤により接着される前記側面板の表面及び裏面に、前記側面板に層間剥離を生じさせるハーフカット線が形成されている、
包装箱。 - 請求項17に記載の包装箱であって、
前記差込部と前記接着剤により接着される前記側面板の表面に、前記側面板の端辺を底辺とする第1の三角形状のハーフカット線が形成され、
前記側面板の裏面に、前記側面板の端辺を底辺とし、前記側面板を透過的に見た場合に前記第1の三角形状のハーフカット線が収容されるように第2の三角形状のハーフカット線が形成され、
前記第1の三角形状のハーフカット線と前記第2の三角形状のハーフカット線との間に前記層間剥離を生じさせる領域が形成されている、
包装箱。 - 請求項17に記載の包装箱であって、
前記差込部と前記接着剤により接着される前記側面板の表面に、前記側面板の端辺を下底とする第1の台形状のハーフカット線が形成され、
前記側面板の裏面に、前記側面板の端辺を下底とし、前記側面板を透過的に見た場合に前記第1の台形状のハーフカット線が収容されるように第2の台形状のハーフカット線が形成され、
前記第1の台形状のハーフカット線と前記第2の台形状のハーフカット線との間に前記層間剥離を生じさせる領域が形成されている、
包装箱。 - 請求項17乃至19のいずれか一項に記載の包装箱であって、
着色層を有するブランクシートを折り曲げて立ち上げることにより構成され、前記ハーフカット線は、前記層間剥離が生じた際に前記着色層が露出するように形成されている、
包装箱。 - 請求項20に記載の包装箱であって、
前記ブランクシートは、表層、中層、及び裏層を順に積層した層構造を有し、
前記着色層は、前記ブランクシートの中層に形成されている、
包装箱。 - 請求項20に記載の包装箱であって、
前記ハーフカット線は、前記着色層に達する深さで形成されている、
包装箱。 - 請求項17乃至22のいずれか一項に記載の包装箱であって、
着色層を有するブランクシートを折曲線に沿って折り曲げて立ち上げることにより構成され、前記折曲線は、前記折り曲げによって前記着色層が露出するように破断する部分を有する、
包装箱。 - 請求項23に記載の包装箱であって、
前記折曲線はミシン目であり、前記折り曲げによって前記着色層が露出するように破断する前記部分は、前記ミシン目のつなぎの部分である、
包装箱。 - 内容物が収納される空間を構成する一つ以上の第1面板、
前記空間を封止すべく前記第1面板に接着剤により接着される一つ以上の第2面板、
を含み、
前記第1面板に層間剥離を生じさせるべく前記第1面板の表面及び裏面に形成される一つ以上のハーフカット線、及び、前記第2面板に層間剥離を生じさせるべく前記第2面板の表面及び裏面に形成される一つ以上のハーフカット線、のうちの少なくともいずれかが形成されている、
包装箱。 - 請求項25に記載の包装箱であって、
着色層を有するブランクシートを折り曲げて立ち上げることにより構成され、前記ハーフカット線は、前記層間剥離が生じた際に前記着色層が露出するように形成されている、
包装箱。 - 請求項26に記載の包装箱であって、
前記ブランクシートは、表層、中層、及び裏層を順に積層した層構造を有し、
前記着色層は、前記ブランクシートの中層に形成されている、
包装箱。 - 請求項25乃至27のいずれか一項に記載の包装箱であって、
着色層を有するブランクシートを折曲線に沿って折り曲げて立ち上げることにより構成され、前記折曲線は、前記折り曲げによって前記着色層が露出するように破断する部分を有する、
包装箱。 - 請求項28に記載の包装箱であって、
前記折曲線はミシン目であり、前記折り曲げによって前記着色層が露出するように破断する前記部分は、前記ミシン目のつなぎの部分である、
包装箱。 - 筒体を構成する4つの側面板、
前記筒体の一方の端面を塞ぐように前記側面板の一つに延設される第1端面板、
前記筒体の他方の端面を塞ぐように前記側面板の一つに延設される第2端面板、
前記第1端面板に延設される差込部、
を含み、
前記第1端面板により前記筒体の前記一方の端面を塞いだ状態において、前記差込部は一の前記側面板と接着剤により接着され、
前記一の側面板の表面及び裏面に、前記差込部を前記一の側面板から離脱させるように前記側面板に層間剥離を生じさせるハーフカット線が形成されている、
包装箱。 - 請求項30に記載の包装箱であって、
前記層間剥離は、前記一の側面板の、当該側面板の表面の前記ハーフカット線と当該側面板の裏面の前記ハーフカット線との間の領域に生じる、
包装箱。 - 請求項31に記載の包装箱であって、
前記側面板の表面の前記ハーフカット線は、前記側面板の裏面の前記ハーフカット線の内側に形成されている、
包装箱。 - 請求項31に記載の包装箱であって、
前記側面板の表面の前記ハーフカット線は、前記側面板の裏面の前記ハーフカット線の外側に形成されている、
包装箱。 - 請求項30乃至33のいずれか一項に記載の包装箱であって、
着色層を有するブランクシートを折り曲げて立ち上げることにより構成され、前記ハーフカット線は、前記層間剥離が生じた際に前記着色層が露出するように形成されている、
包装箱。 - 請求項34に記載の包装箱であって、
前記ブランクシートは、表層、中層、及び裏層を順に積層した層構造を有し、
前記着色層は、前記ブランクシートの中層に形成されている、
包装箱。 - 請求項34に記載の包装箱であって、
前記ハーフカット線は、前記着色層に達する深さで形成されている、
包装箱。
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