JP2020044629A - バレル研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬脆材料で構成される被加工物を研磨する際に、被加工物に割れや欠け、打痕、変形、傷等といったダメージが生じることを低減できるバレル研磨方法が望まれている。【解決手段】このバレル研磨方法は、(1)密封可能なバレル槽に被加工物及び研磨メディアを含むマスを投入する工程、(2)回転軸を軸心にバレル槽を回転させて、マスを流動化させると共に、前記被加工物に対して研磨メディアを擦過させて当該被加工物を研磨する工程。そして、(2)の工程では、バレル槽が回転を始めてから回転速度が定常速度となるまで加速されている間、被加工物同士の衝突を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、硬脆材料、金属、合成樹脂および複合材料で構成される部品(被加工物)を研磨する際に被加工物表面に発生するダメージを軽減できるバレル研磨方法に関する。
被加工物のバリ取り、面粗度調整、丸み付け、光沢仕上げ、等のバレル研磨を行うバレル研磨機として、マスを装入した複数のバレル槽を地面に対して平行な軸を軸心として回転させる回転バレル研磨機や遠心バレル研磨機が知られている。回転バレル研磨機は、バレル槽を自転させるタイプであり、例えば特許文献1に開示されている。遠心バレル研磨機は、バレル槽を遊星運動(自転及び公転)させるタイプであり、例えば特許文献2に開示されている。
ここで、マスとは、バレル槽に装入する被加工物および研磨メディアの総称である。
特開昭55−131464号公報 特開昭57−173459号公報 特開平03−033023号公報
回転バレル研磨機や遠心バレル研磨機により、硬脆材料(硬いが衝撃に弱く割れやすい材料)で構成された被加工物を研磨する際に、その角部や縁部に割れ(クラック)や欠け(チッピング)といったダメージが生じる。
硬脆材料は、積層セラミックスコンデンサ(MLCC)、インダクタ又は水晶発振子等の各種電子部品の材料として広く用いられている。電子部品は、高性能化かつ小型化が要求されているので、被加工物が研磨加工時に割れ又は欠けが生じない研磨装置および研磨方法が求められている。
例えば、特許文献3にはガラス光学レンズ等の光学素子をバレル研磨方法にて円滑加工することが開示されている。しかし、ダメージが生じないバレル研磨方法については開示されていない。
本技術分野では、硬脆材料で構成される被加工物を研磨する際に、被加工物に割れや欠け、打痕、変形、傷等といったダメージが生じることを低減できるバレル研磨方法が望まれている。
本発明の一側面は、被加工物および研磨メディアを含むマスが投入されるバレル槽自体の回転により前記被加工物を研磨するバレル研磨機によるバレル研磨方法である。
このバレル研磨方法は、次の(1)(2)の工程を含む。
(1)密封可能なバレル槽に被加工物及び研磨メディアを含むマスを投入する工程
(2)回転軸を軸心にバレル槽を回転させて、マスを流動化させると共に、前記被加工物に対して研磨メディアを擦過させて当該被加工物を研磨する工程。
そして、(2)の工程では、バレル槽が回転を始めてから回転速度が定常速度となるまで加速されている間、被加工物同士の衝突を制御する。
本発明の一実施形態では、上述の(2)の工程では、前記研磨メディアの集合体として形成される層中に、前記被加工物が混在した状態でバレル槽に投入してもよい。
本発明の一実施形態では、マスは更に砥粒を含み、この砥粒は被加工物を研磨すると共に、バレル槽が回転を始めてから回転速度が最高速度となるまで加速されている間、被加工物同士の衝突を制御してもよい。
本発明の一実施形態では、上述の(2)の工程では、被加工物を研磨メディアの集合体として形成される2つの層の間にセットしてもよい。
本発明の一実施形態では、上述の(2)の工程では、研磨メディアで形成される2つの層間に位置する前記砥粒で形成される層中に被加工物をセットしてもよい。
本発明の一実施形態では、被加工物を硬脆材料としてもよい。
本発明の一側面及び一実施形態により、被加工物にダメージが生じることを低減し、被加工物を良好に研磨することができる。
本発明の一実施形態で用いたバレル研磨機を示す模式図である。図1(A)は正面図、図1(B)は図1(A)におけるA−A断面図、である。 図2(A)(B)(C)は本発明の一実施形態のバレル研磨方法における被加工物のセット方法を説明するための模式図であり、図2(D)は従来のバレル研磨方法における被加工物のセット方法を説明するための模式図である。 バレル研磨におけるマスの動きを示す模式図である。 本発明の一実施形態のバレル研磨方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態のバレル研磨方法の評価における測定箇所を示す模式図である。 本発明のバレル研磨方法の別の形態を説明する模式図である。 本発明のバレル研磨方法の別の形態を説明する模式図である。
本発明の一実施形態を、図を参照して説明する。ここでは、バレル研磨機として遠心バレル研磨機を例に説明する。なお、以下の説明における「上下左右方向」は、特に断りのない限り図中の方向を指す。
始めに、本発明の一実施形態におけるバレル研磨機を説明する。図1に示すように、このバレル研磨機10は、マスが装入される4つのバレル槽11と、バレル槽11がそれぞれ着脱自在に固定される4つのバレル槽ケース12と、バレル槽ケース12を回転可能に固定する一対のタレット13(公転円盤)と、タレット13の平面中心に固定されている公転軸14と、公転軸14を軸心としてタレット13を回転させる駆動機構15と、タレット13の回転に従動してバレル槽ケース12を回転させる従動機構16と、公転軸を固定するベース17と、バレル研磨機10の作動を制御する制御機構18と、これらを収容する筐体19と、を備える。なお、図1では、便宜上2つのバレル槽11及び2つのバレル槽ケース12のみを図示している。
バレル槽11は、内部に横断面(図1(B)におけるが多角形(一実施形態では八角形)の筒状の空間が形成されている。上面が開口したバレル槽本体11aと、この開口部を封止して内部の空間を密封できるバレル槽蓋11bと、バレル槽蓋1をバレル槽本体に固定する為の蓋固定機構(図示せず)と、で構成される。
バレル槽ケース12は、バレル槽11を着脱自在に固定する。バレル槽11が収納される枠体12aと、枠体12aの両端に固定される自転軸12bと、枠体12a内に収納されたバレル槽11を係止すると共に、バレル槽蓋11bをバレル槽本体11aに密着させるための係止機構12cと、を備える。
自転軸12bは、後述のようにバレル槽ケース12をタレット13に軸支させる。
バレル槽固定機構12cは、枠体12aに立設されるように固定され、上部に支持部材12eが遊嵌される穴が加工されたガイド部材12dと、中央にネジ穴が貫通して設けられた板状の支持部材12eと、該ネジ穴に螺嵌されたネジ部材12fと、該ネジ部材12fの上端に設けられた、該ネジ部材12fを回転させるための押圧ハンドル12gと、該ネジ部材12fの下端に設けられた、バレル槽蓋11bをバレル槽本体11aに向けて押圧するための押圧部材12hと、を含む。
バレル槽11を枠体12a内に装入後、押圧部材12hがバレル槽蓋11bの中心の垂直方向(バレル槽蓋11bの天面に対して垂直方向)に位置するように支持部材31dを遊嵌する。そして、押圧ハンドル31fを回転させることで、押圧部材31gがバレル槽蓋11bに向かって前進させる。これにより、バレル槽蓋11bがバレル槽本体11aに押圧されて内部の空間が完全に密封されると同時に、バレル槽11がバレル槽ケース12に固定される。
タレット13は円盤形状を有しており、タレット13の平面中心には公転軸14が挿通できる穴が形成されており、各穴には公転軸14を回転可能に嵌合できる第一軸受13aが設けられている。タレット13は、ベース17に固定される公転軸14に第一軸受13aを介して回転可能に支持されている。また、タレット13には、第一軸受13aを中心に、その周方向に沿って複数の第二軸受13bが等間隔で設けられている。これらの第二軸受13bは、複数のバレル槽ケース12の自転軸12bに個別に嵌合し、各バレル槽ケース12を回転可能に軸支している。この構成により、4つのバレル槽ケース12が両タレット13の間に等間隔で、かつタレット13に対して相対回転可能に配置されている。
公転軸14は、ベース17によって地面に対して所定の角度で傾けられるように軸支されている。また、同様にタレットに設けられている第二軸受13bに軸支される自転軸12bも、地面に対して所定の角度となるように軸支されている。即ち、バレル槽12は、ベース17によって角度θで傾くように配置されている。
駆動機構15は、駆動モータ15a、モータプーリ15b、公転プーリ15c、及び駆動ベルト15dを含んでいる。モータプーリ15bは、駆動モータ15aの回転軸に固定されている。公転プーリ15cは、一対のタレット13のうち一方のタレット13(図1では左側)の外周に設けられている。駆動ベルト15dは、モータプーリ15bと公転プーリ15cとの間に架け渡されている。
従動機構16は、駆動プーリ16a、従動プーリ16b、及び従動ベルト16cを含んでいる。駆動プーリ16aは、公転軸14に固定されている。従動プーリ16bは、自転軸12bに固定されている。従動ベルト16cは、駆動プーリ16aと前記従動プーリ16bとの間に架け渡されている。
制御手段18は、バレル研磨機10の作動条件を入力する入力手段18aと、入力された作動条件を記憶し、またバレル研磨機を作動する信号を出力する記憶手段18bと、を備える。
駆動モータ15aを作動させると公転軸14を中心にタレット13が回転する。このタレット13の回転に伴い、バレル槽ケース12に固定されたバレル槽11が公転軸14を軸心として旋回(公転)する。また、従動機構16によって、バレル槽11は自転軸12bを軸心としてタレット13の回転方向と逆方向に回転(自転)する。
この時、記憶手段17bからの信号によって、バレル槽の回転をバレル研摩に最適な回転速度まで所定の時間で加速するよう、駆動モータ15aの作動が制御される。
以上の様に、バレル槽11は自身の回転による自転およびタレット13の回転による公転、即ち遊星運動をすることができる。これらの回転は、地面に対して水平である回転軸を軸心として行われる。
次に、バレル研磨方法について、図2〜図6を更に参照して説明する。ここでは、20mm×20mm×t1.0mmの石英板を、角部のR面取り加工を目的としてバレル研磨した場合を例に説明する。
<S01:マスの投入工程>
まず、バレル槽蓋11aを取り外し、バレル槽本体11b内に被加工物20、研磨メディア30、水、研磨助剤(コンパウンド)を投入する。この投入方法については後述する。
研磨メディア30は、砥粒同士をビトリファイド結合剤にて結合したタイプ(セラミックスメディア)、砥粒同士を樹脂にて結合したタイプ(樹脂メディア)、金属で構成されるタイプ(金属メディア)、植物系種子等の粉砕物であるタイプ(植物系メディア)等から適宜選択することができる。
コンパウンドは目的に応じて、コンパウンドの種類および量を適宜選択することができる。目的は、例えば(1)〜(10)のいずれかを挙げることができる。
(1)研磨力の向上
(2)研磨メディアの洗浄および研磨力の持続(研磨メディアの目詰まりを防止)
(3)被加工物の洗浄
(4)被加工物の光沢度の向上
(5)被加工物のスケールの除去。
(6)被加工物の油脂の除去
(7)被加工物に防錆効果を付与、または被加工物の変色の防止
(8)被加工物表面に打撃痕の形成を防止
(9)水を軟化
(10)被加工物が硬脆材料の場合、チッピングの抑制
マスを投入後、バレル槽本体11aに対してバレル槽蓋11bを載置し、バレル槽ケース12にセットする。その後、バレル槽固定機構12cによりバレル槽11を密封すると共に、バレル槽ケース12に固定する。
一連の作業をすべてのバレル槽11に対して行い、全てのバレル槽11をバレル槽ケース12に固定した後、扉19aを閉じてマスが投入されたバレル槽11を筐体19内に収容する。
<S02:研磨工程>
制御機構17の入力手段17aを介して、記憶手段17bに予め稼働条件(稼働時間、タレット13の回転速度、等)を入力する。そして、入力手段の起動釦を「ON」にすると、記憶手段17bからの出力された信号により、駆動モータ15aが稼働して、バレル槽が遊星運動をする。
バレル槽11の回転は、記憶手段17bからの信号に基づき加速していき、やがて定常速度となる。定常速度となったバレル槽11の内部では、マスが図3(A)に示すような流動状態となる。その結果、被加工物20に対して研磨メディア30が擦過するので、研磨が進行する。
バレル槽にマスを投入する際、通常は所定量の被加工物20、研磨メディア30、水、コンパウンド、をそれぞれ纏めて投入する(図2(D))。その状態でバレル研磨機10を作動させた場合、バレル槽11の回転初期の段階(バレル槽11が回転を始めてから回転速度が定常速度となるまでの加速されている間)で被加工物20同士が衝突し、被加工物20の角部や縁部に割れ(クラック)や欠け(チッピング)といったダメージが生じる。その為、その段階で被加工物20同士の衝突を制御するのが好ましい。
被加工物20同士の衝突を制御する方法について鋭意研究を行った結果、マスの投入方法により制御できることを見出した。一実施形態では、図2(A)研磨メディア30の集合体として形成される層中に、被加工物20が混在した状態になるようにセットしてもよい。一実施形態では図2(A)(B)(C)のいずれかのように被加工物20をセットしてもよい。
図3はマスの動きを示す模式図である。図3(A)のようにセットされたマスは、回転初期の段階では、壁に沿って移動するが(図3(B))、ある程度の高さまで移動すると、自重により壁に沿うように落下する(図3(C))。やがて、定常速度まで速度が上昇すると、図3(D)のようにマスは流動状態になる。
図2(A)は研磨メディア30で形成される層と層の間に被加工物20を挟み込むようにセットした状態を示す。回転初期の段階でマスが移動する際、被加工物20は研磨メディア30の層の重量によって自由に動くのが阻害されるので、被加工物20同士が衝突するのを防ぐことができる。
図2(B)は研磨メディア30同士の間に被加工物20を混在された状態でセットした状態を示す。回転初期の段階ではマスは流動化していないので、マスに対して相対的な動きしかできないので、被加工物20同士が衝突するのを防ぐことができる。
図2(C)はマスとして更に砥粒40を含み、研磨メディア30で形成される層、砥粒40で形成される層、被加工物20、砥粒40で形成される層、研磨メディア30の順でセットした状態を示す。砥粒40で形成される層により、図2(A)よりも更に被加工物20の動きが制限されると共に、定常状態では研磨能力の向上に寄与するので、被加工物20同士の衝突を防ぐとともに、研磨能力の向上の効果を得ることができる。研磨能力の向上は、被加工物20が衝撃力をうける環境下におかれる時間を短縮することができるので、結果として被加工物20へのダメージの抑制に寄与する。
砥粒40は、材質及び粒子径を被加工物の物性に応じて適宜選択する。研磨力が強すぎると被加工物を必要以上に研磨して寸法精度に影響がでる。また、弱すぎると研磨能力の向上に寄与しない。砥粒40の材質は、例えばアルミナ質や炭化珪素質など公知の物質より適宜選択してもよい。また、砥粒40の粒子径は、JIS R6001:1998に規定されるF60〜F220または#240〜#1000の中から選択することができる。
以上のように、マスを図2(A)(B)(C)のようにセットした一実施形態は、バレル槽11が回転を始めてから回転速度が定常状態となるまで加速されている間、被加工物20の動きを制御することで、被加工物20同士の衝突を制御することができる。
図2(A)(C)では、研磨メディア30で形成される層を2層としたが、必要に応じて変更することができる。
<S3:被加工物を回収>
バレル研磨機の稼働が所定時間経過したら、記憶手段17aからの信号により駆動モータ15aが停止する。その後、被加工物20及び研磨メディア10をバレル槽11から取り出す。その後、被加工物20と研磨メディア30と水(図3の場合は更に砥粒40)とを分別し、超音波洗浄等で被加工物20の洗浄を行う。この際、まず被加工物20と研磨メディア30との分離を行った後で被加工物20と水の分離を行うと、水中で被加工物20と研磨メディア30との分離を行うことになるので、分離の過程で被加工物20にダメージが生じるのを抑制することができる。
以上のS1〜S3の工程を経て、バレル研磨が完了する。
一実施形態のバレル研磨方法による効果を確認した。50枚の被加工物を、図2に示す4通りの方法にてセットし、バレル研磨を行った。バレル研磨後、各条件においてそれぞれ5枚の被加工物に対して表面形状測定器にて図5に示す6か所の角部の形状(R面の寸法)を測定した。
さらに、すべての被加工物に対して、チッピングの有無をマイクロスコープにて確認した。
表1に示すように、一実施形態のバレル研磨方法である、図2(A)(B)(C)は、従来のバレル研磨方法である図2(D)に比べてチッピングの発生が大きく減少しており、一実施形態のバレル研磨方法によって被加工物表面に発生するダメージを軽減できることがわかる。
一実施形態では、マスの投入方法によって、バレル槽11が回転を始めてから回転速度が定常状態となるまで加速されている間の被加工物20の動きを制御した。しかし、この制御は別の方法でも行うことができる。以下、変更例として説明する。
<変更例1>
被加工物20同士の衝突の制御は、バレル槽11の回転の加速度を制御してもよい。図6に示すように、定常速度Nまで一定速度で加速してもよいし(パターンA)、多段階で加速してもよい(パターンC)。または、時間−回転速度を示すグラフがなだらかな軌跡を描くように連続的に加速を変更してもよい(パターンC、パターンC)。加速度を制御することで、被加工物20同士が衝突しないように被加工物20に負荷される遠心力を制御することができる。この遠心力によってマスに対する被加工物20の動きを制御できるので、被加工物20同士の衝突を制御することができる。
別の方法として、バレル槽11の傾斜角度θを任意に変更できる構成のバレル研磨機を用い、研摩の進行に合わせて傾斜角度θを変更しながらバレル研磨を行ってもよい。この方式の一実施形態は図7に示すように、ベース17にシリンダ17aを取り付け、シリンダを伸縮させると、研磨ユニット(バレル槽11、バレル槽ケース12、タレット13、公転軸14、駆動機構15、従動機構16、ベース17)を、軸受17bを中心に回動する。シリンダ17aの長さによりバレル槽11の傾斜角度が任意に調整される。シリンダ17aは、エアシリンダ、油圧シリンダ、電動シリンダ等公知のものを適宜選択できる。
例えば、バレル研磨機10の起動時はバレル槽11の傾斜角度θを90°にして、バレル槽11の回転初期の段階における被加工物20の移動を抑制し、定常速度となった後、バレル槽11の傾斜角度θが所定の角度となるようにシリンダ17aの長さを短くしていくことで研磨能力を確保することができる。即ち、バレル槽11の傾斜角度を制御することで、被加工物20の動きを制御し、それによって被加工物20同士の衝突を制御することができる。
一実施形態のバレル研磨方法により、生産性と品質面の双方の要求を満たすバレル研磨方法が提供される。特に、被加工物が硬脆材料の場合はチッピング等のダメージは顕著であるので、硬脆材料の加工に対して一実施形態のバレル研磨方法を好適に適用することができる。
一実施形態では、バレル槽を傾けたタイプの遠心バレル研磨機を用いたバレル研磨について説明したが、バレル研磨機はこのタイプに限定されない。バレル槽を傾けないタイプ(θ=0°、90°)の遠心バレル研磨機、バレル槽の底部に設けられた回転盤の回転によりマスを流動化させるタイプのバレル研磨機、バレル槽に振動力を加えることでマスを流動化させるタイプのバレル研磨機、バレル槽を自転させるタイプのバレル研磨機、においても一実施形態のバレル研磨方法は好適に用いることができる。
10 バレル研磨機
11 バレル槽
12 バレル槽ケース
13 タレット
14 公転軸
15 駆動機構
16 従動機構
20 被加工物
21 ベース
22 脚部
30 研磨メディア

Claims (6)

  1. 被加工物および研磨メディアを含むマスが投入されるバレル槽自体の回転により前記被加工物を研磨するバレル研磨機によるバレル研磨方法であって、
    密封可能なバレル槽に被加工物及び研磨メディアを含むマスを投入する工程と、
    回転軸を軸心に前記バレル槽を回転させて、マスを流動化させると共に、前記被加工物に対して研磨メディアを擦過させて当該被加工物を研磨する工程と、
    を含み、
    前記被加工物を研磨する工程では、前記バレル槽が回転を始めてから回転速度が定常速度となるまで加速されている間、被加工物同士の衝突を制御することを特徴とするバレル研磨方法。
  2. 前記マスを投入する工程では、前記研磨メディアの集合体として形成される層中に、前記被加工物が混在した状態でバレル槽に投入されることを特徴とする請求項1に記載のバレル研磨方法。
  3. 前記マスは更に砥粒を含み、
    前記砥粒は前記被加工物を研磨すると共に、前記バレル槽が回転を始めてから回転速度が最高速度となるまで加速されている間、被加工物同士の衝突を制御する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のバレル研磨方法。
  4. 前記マスを投入する工程では、前記被加工物を前記研磨メディアの集合体として形成される2つの層の間にセットすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のバレル研磨方法。
  5. 前記マスを投入する工程では、前記研磨メディアで形成される2つの層間に位置する前記砥粒で形成される層中に前記被加工物がセットされることを特徴とする請求項3に記載のバレル研磨方法。
  6. 前記被加工物は硬脆材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載のバレル研磨方法。

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