以下、図面を参照して実施形態にかかる保持機構及びハンドリングロボットシステムについて説明する。同じ符号が付されているものは同様のものを示す。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係や部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
(第1実施形態)
第1の実施形態について図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態にかかる保持機構1を用いたハンドリングロボットシステムの一例を示す概略図である。
図1に示すように、ハンドリングロボットシステム100は、移載装置110と、制御装置120と、認識装置130と、搬送装置140と、を備える。
ハンドリングロボットシステム100は、載置領域150に載置された複数の物品Gを認識装置130の第1画像センサ131〜第3画像センサ133及び後述する保持機構1の認識部により認識する。そして、その認識結果を用いて制御装置120は、移載装置110を駆動することにより物品Gを保持し、物品Gを搬送装置140の自動コンベア141に移載する。また、搬送装置140の自動コンベア141上に位置する物品Gを移載装置110により保持し、載置領域150に物品Gを載置する。物品Gとは、棚等に入れられた製品、パッケージされた製品、製品そのものを含む。
まず、移載装置110について説明する。
図1に示すように移載装置110は、マニピュレータ111と、マニピュレータ111を固定する基台部112と、マニピュレータ111の先端に配置され物品Gを保持する保持機構1と、を備える。
マニピュレータ111は、少なくとも2つのリンクと、リンクの端部をそれぞれ繋ぐ複数の関節部と、を備える。関節部は、例えば、モータ、エンコーダ及び減速機等で構成される。マニピュレータ111は、モータの駆動により各リンクをそれぞれ回転又は直動可能である。これにより、先端に配置された保持機構1を移動する。関節部は、1軸方向の回転に限定されず多軸方向の回転を含む。マニピュレータ111は、いわゆる垂直多関節型のロボットである。また、マニピュレータ111は、3軸(XYZ軸)方向の直動機構とリンクを回転させる回転軸と関節部を組合せた構成でも良い。
基台部112は、マニピュレータ111の端部を固定する。基台部112は、床面や地面に設置される。基台部112は、例えば移動可能な台車等であり、移載装置110が床面上を移動可能であっても良い。
保持機構1は、物品Gを保持可能な保持部を有する。保持部は、支持機構に設置され、支持機構が動作することにより物品Gを移動することも可能である。物品Gの位置に応じて支持機構の駆動部を動作し、保持部を物品Gの位置まで移動させて物品Gを保持する。
次に、図2を参照して本実施形態にかかる保持機構の構成について詳しく説明する。
図2は、本実施形態にかかる保持機構1の一例を示す側面図である。図2(a)は、保持機構1が伸展した状態を示す。図2(b)は、保持機構1が屈曲した状態を示す。
保持機構1が「伸展した状態」とは、第1支持部10と第2支持部12が直線状に接続された状態を示す。この時、保持機構1の内部流路を流れる流体の流体損失が最も少なくなる。また、保持機構1が「屈曲した状態」とは、第1支持部10の延長上に第2支持部12が位置しておらず、保持機構1が一直線上ではない状態を示す。この時、保持機構1の内部流路を流れる流体の流体損失がより大きくなる。保持機構1が伸展した状態を初期状態と称することがある。
ここで、説明の便宜上、+X方向、−X方向、+Y方向、−Y方向、+Z方向、および−Z方向について定義する。+X方向、−X方向、+Y方向、および−Y方向は、例えば、略水平面に沿う方向である。−X方向は、+X方向の反対方向である。実施形態において、+X方向、−X方向は「保持機構が伸展した状態での一直線の方向」である。+Y方向は、+X方向と交差する方向(例えば略直交する方向)である。−Y方向は+Y方向の反対方向である。+Z方向は、+X方向および+Y方向と交差する方向(例えば略直交する方向)であり、例えば略鉛直下向き方向である。−Z方向は+Z方向の反対方向であり、例えば略鉛直上向き方向である。
図2に示すように保持機構1は、第1支持部10と、第2支持部12と、保持部15と、第1駆動部14と、第1連結部17と、を備える。
第1支持部10は一方と他方を有する。第1支持部10の一方は、第1駆動部14を設置する箇所であり、X軸方向(第1方向とも称する)に沿って配置される。第1支持部10は、保持機構1の他の構成を支持するため、剛性の高い部材であることが好ましい。第1支持部10の一方は、マニピュレータ111の先端に接続される。
第2支持部12は、第1支持部10の他方と回動可能に接続されている。第1支持部10と第2支持部12が接続している部分は、第1支持部10の斜断面と第2支持部12の斜断面が重ね合った状態のようになっている。第2支持部12は、第1支持部10の一方から他方に向かう第1方向と交差する第2方向にある回動軸周りで回動することが可能である。第2支持部12は、第1駆動部14の駆動により、第2方向の回動軸周りを回動する。第2方向の回動軸は、第1方向(X軸方向)に対して傾斜した方向である。例えば、図1(a)に一点鎖線で示すように、第1方向の回動軸をA、第2方向の回動軸をBとすると、第1方向の回動軸Aに対する第2方向の回動軸Bに対する傾斜角度θ(度)は0度より大きく90度より小さい。典型的には45度である。第2支持部12は、保持機構1の他の構成を支持するため、剛性の高い部材であることが好ましい。
保持部15は、第2の支持部12と接続される。保持部15は、例えば、吸着パッドである。保持部15は、物品Gを保持する箇所である。保持部15は、例えば、チューブを介して真空ポンプに繋がり、真空ポンプにより吸着パッドと物品Gとの間を減圧することにより物品Gを保持する。保持部15は、支持機構1の動作により物品Gに接近及び接触可能である。吸着パッドは、1つであることに限定されず2つ以上であっても良い。保持する物品Gのサイズや形態によって適宜変更できる。また、保持部15が物品Gの保持に成功したか否かの判定は、例えばチューブを介して接続されている圧力センサあるいは流量センサの計測値に基づいて行っても良いし、画像データ等から計測される吸着パッドの変形量に基づいて行っても良い。画像データに基づいて行う場合は、後述する認識部の認識結果を用いても良い。また、吸着パッドに接触センサや近接センサを設置して、センサ出力の変化により判定しても良い。これらのセンサにより計測された情報は、後述する制御装置120に送信される。
第1駆動部14は、第1支持部の一方に設置される。第1駆動部14は、第1支持部10の一方から他方に向かう第1方向の回動軸で、第1支持部10周りを回動する。第1駆動部14は、第1連結部17を介して第2支持部12に接続されている。第1連結部17の一端は第2支持部12に接続され、その接続部分は固定されている。また、第1連結部17の他端は第1駆動部14に接続され、その接続部分は固定されている。そのため、第1駆動部14が回動すると、第2支持部12は、第1駆動部14に連動して第1駆動部14と同じ方向に回動する。第2支持部12の回動角度は、第1駆動部14の回動量に基づいて決定される。第2方向の回動軸周りに回動角度を計測するセンサ等を設けても良い。荷重計測値を測定するために、第1支持部10と第2支持部12が接続している部分の近傍に、歪みゲージ等を利用した荷重センサを設けても良い。第2支持部12の回動量と荷重計測値から物品Gの質量を算出し、保持部15で物品Gを運搬する際の加速度を設定するようにしてもよい。
第1駆動部14は、第2支持部12を回動する駆動力が得られるものであれば何でも良い。例えば、空圧駆動モータや空圧シリンダ等でも良く、また減速機構を組み合わせた構成でも良い。
第1駆動部14は、回動機構であることを説明したが、X軸回りの同軸上に配置された空圧モータと、エンコーダ(図示しない)と、を備え、X軸周りに回転可能な機構であっても良い。エンコーダは、空圧モータの回転角(モータの回転変位量)、回転数、モータの速度、モータの負荷等を計測する。エンコーダは、空圧モータの駆動状態を計測するために配置される。空圧モータの駆動状態が判ればエンコーダに限定されず、例えば、変位センサ、超音波センサ、可変抵抗、静電容量センサ、パルスコーダ、ファイバセンサ、レーザ変位センサ等を用いても良い。また、距離に応じた電圧又は電流を出力する他のセンサが用いられても良い。これらのセンサにより計測された情報は、制御装置120に送信される。また、空圧モータには減速機を備えても良い。減速機は、モータの回転速度を減速し、第2支持部12の回動速度を定める。減速比は、空圧モータの回転数等により適宜調整される。回動速度を空圧モータ側で調整する場合、減速機は、必須の構成ではない。
図3に第1駆動部14に用いる空圧駆動モータを示す。
図3(a)は空圧駆動モータの斜視図、図3(b)は空圧駆動モータの内部の図である。
図3(a)から、例えば、空圧駆動モータは流入口72aから空気が流れ込み、空気は空圧駆動モータの内部を通り、流入口72bから流れ出ていく。この際に、基部70に接続された回動部71は軸75周りを反時計回りに回動する。反対に、流入口72bから空気が流れ込み、流入口72aから空気が流れ出ていく場合は、回動部71は軸75周りを時計回りに回動する。
図3(b)は空圧駆動モータの回動部71を取り外し、内部が見えるようになったものである。空圧駆動モータの内部には、回動部71と接続される可動部74が設けられている。流入口72a、72bのいずれかから空気が流れ込むと、可動部74は空気に押され、軸75周りを回動する。可動部74が軸75周りを回動することで、回動部71も回動することができる。可動部74はストッパ73に当接することで回動動作を停止する。
また、空圧駆動モータの内部で、可動部74は空気の流れを完全に遮断しても良い。この場合、流入口72aから空気が流れ込むに従い、基部70、回動部71、流入口72a、ストッパ73、および可動部74で形成される空圧駆動モータ内部の閉空間の圧力は上昇する。空圧駆動モータ内部が一定の圧力以上になると、可動部74が軸75周りを回動することで、回動部71も回動することができる。このとき、基部70、回動部71、流入口72b、ストッパ73、および可動部74で形成される空圧駆動モータ内部の閉空間の空気は流入口72bから流れ出ていく。この構成では、回動部71に作用する負荷に応じて回動動作が異なる。負荷が小さい場合では回動部71は低トルクで高速に回動し、負荷が大きい場合では回動部71は高トルクで低速に回動する。これにより自動的に負荷に応じて最適な回動動作を実現できる。
第1連結部17の一端は第2支持部12に接続され、第1連結部17の他端は第1駆動部14に接続される。第1連結部17は、第1駆動部14から第2支持部12に回動力を伝達する。第1連結部17は、例えば、弾性体である。第1連結部17は、第2支持部12と第1駆動部14の回動に合わせて配置されるため、伸縮や屈曲が可能であるものがよい。
図2(a)に示すように、第1駆動部14が回動していない初期位置で、第1支持部10と第2支持部12はX軸方向に沿って設けられている。一方、図2(b)に示すように、第1駆動部14が回動すると、第2支持部12はX軸方向と交差する方向に沿って設けられる。例えば、図2(b)では、第1支持部10はX軸方向に沿い、第2支持部12はZ軸方向に沿っているため、第1支持部10と第2支持部12の間の角度は90度である。第2支持部12の位置は第1駆動部14の回動量により、任意の位置に決められる。
第1支持部10と第2支持部12の内部は空洞で、空洞は保持部15に接続される。第1支持部10と第2支持部12の内部の空洞には、保持部15に接続されるチューブが設けられている。また、第1支持部10と第2支持部12の内部の空洞にチューブを設けなくても良い。空洞は空気などの流体が流れる流路となる。この場合、第1支持部10と第2支持部12の内部は気密性を確保することが望ましい。
図4は、本実施形態にかかる保持機構1と圧力源30の接続を示す一例である。
圧力源30は、加圧装置30A、減圧装置30B、方向切り替え弁30Cを備える。圧力源30は、圧力センサ32を介して、第1支持部10および第1駆動部14に接続される。
加圧装置30Aは、保持部15の内部に流体を供給することにより、保持部15の内部圧力を増加させる。流体は、例えば、空気である。これにより、保持部15が物品Gを保持していた場合に、物品Gを離すことができる。また、加圧装置30Aは、第1駆動部14の内部に流体を供給することにより、第1駆動部14を回動させる。これにより、第1駆動部14の回動に合わせて、第2支持部12が回動する。加圧装置30Aには、コンプレッサを用いても良い。コンプレッサ以外には、例えば工場内の空気供給部(空気配管など)から空気を取り込むことにより加圧装置30Aとしても良い。
減圧装置30Bは、保持部15の内部の流体を吸引することにより、保持部15の内部圧力を低下させる。これにより、保持部15は物品Gを吸着して保持できる。また、減圧装置30Bは、第1駆動部14の内部の流体を吸引することにより、第1駆動部14を回動させる。これにより、第1駆動部14の回動に合わせて、第2支持部12が回動する。減圧装置30Bは、ポンプを用いても良い。ポンプ以外に、例えば加圧装置30Aと真空発生器を組み合わせて負圧を発生させることにより減圧装置30Bとしても良い。ここで流体とは、空気だけでなく、例えば空気以外のガス等、水や油等の液体も含む。
方向切り替え弁30Cは、圧力センサ32を介して、チューブで第1支持部10および第1駆動部14の流入口72a、72bと接続される。また方向切り替え弁30Cは、加圧装置30Aと減圧装置30Bに接続される。方向切り替え弁30Cは、第1支持部10および第1駆動部14のチューブが加圧装置30A、減圧装置30Bのどちらか一方に接続されるかを切り替える。または、方向切り替え弁30Cは、第1支持部10および第1駆動部14のチューブが加圧装置30Aと接続、または減圧装置30Bと接続、または加圧装置30Aと減圧装置30Bのいずれにも接続しない、の3状態を切り替えるようにしても良い。
保持機構1は、圧力源30を含む構成として説明したが、これに限定されない。圧力源30は、任意の位置に設けられても良い。
チューブは、中空の弾性体で形成され、内部に空気などの流体を流通可能である。保持機構1の初期状態でチューブは、X軸方向と略平行に配置されている。保持機構1の移動に応じてチューブが移動し、保持部15の方向が変更される。また、第2支持部12の回動により、チューブは第1支持部10と第2支持部12に沿って屈曲する。チューブは、軸方向に固く、屈曲方向に柔軟性を有する材質であることが好ましい。また、第1支持部10と第2支持部12は、金属製の筒体で構成され外殻は高剛性であるため、屈曲した状態でチューブが座屈するのを防止する。
上述したように、チューブは、圧力源30と繋がり、保持部15と物品Gの間を減圧する。例えば、チューブの一部にノズルを設けて、ノズルを介して圧力源30と接続しても良い。なお、真空ポンプ以外に、負圧発生装置として加圧部と真空発生器を組み合わせて負圧を生成する構成としても良い。また、保持部15と圧力源30との配管途中に切替えバルブを設置して、吸引開始および停止を任意に制御しても良い。切り換えバルブは、電磁弁や電動モータで駆動するタイプのバルブでも良く、空気圧により駆動するタイプのバルブであっても良い。さらに切り換えバルブには、コンプレッサなどの加圧発生装置を配管しても良い。保持部15と切り換えバルブを配管し、切り換えバルブに負圧発生装置及び加圧発生装置を配管した構成では、切り換えバルブを制御することで任意のタイミングで保持部15の負圧状態と正圧状態を切り換えることができる。これにより、保持部15の吸着と解放をスムーズに行うことができる。保持部15を複数有する場合は、保持部15それぞれにOn、Offを切替える制御弁が設置されても良い。
保持機構1に認識部(図示しない)を配置しても良い。認識部は、保持部15の近傍に設置され、例えば、棚内の物品Gの配置等を認識する。認識部は、距離画像センサまたは赤外線ドットパターン投影方式カメラなどの三次元位置計測可能なカメラを利用することができる。赤外線ドットパターン投影方式カメラは、赤外線のドットパターンを対象物体に投影し、この状態で対象物体の赤外線画像を撮影する。赤外線画像を解析することで対象物体の3次元情報を得ることが可能である。赤外線ドットパターン投影方式カメラは、カラー画像又はモノクロ画像を撮影することができてもよい。或いは、認識部は、赤外線ドットパターン投影方式カメラの他に、カラー画像又はモノクロ画像を取得するカメラなどの光学センサをさらに含んでいてもよい。また、認識部は、複数のカメラを有していても良い。認識部により認識した認識結果は、制御装置120に送信され、制御装置120で物品Gの形状、距離、物品情報等が導出される。認識結果は、距離情報を含んだ画像データで良い。画像データは、例えば、jpg、gif、pngやbmp等の一般的に用いられている画像データで良い。なお、認識部は吸着パット内部に配置しても良いし、吸着パット内部に限らず、第1支持部10や第2支持部12の側面に配置しても良く、それ以外の場所に配置してもよい。また、認識部は1箇所に限らず複数の箇所に配置しても良い。
次に、制御装置120について説明する。
図5は、制御装置120の構成と各種センサ及び保持機構との関係を示すブロック図である。図5の破線部の枠内が制御装置120の構成を示す。
制御装置120は、入力部80と、コマンド生成部81と、目標指令値を生成する目標値生成部83と、駆動制御部84と、ドライバ86と、信号処理部87と、判定部85と、を備える。
入力部80は、保持機構の動作指令情報が入力される箇所である。入力部80への入力は、例えば、タッチパネルやモニタ等で直接入力しても良いし、無線や有線で離れた場所から入力しても良い。無線で通信する場合は、入力部80は通信部として機能する。通信部は、外部コンピュータやサーバからの動作指令情報を受信する。無線通信装置が好ましいが、それ以外にも、通信装置を通信ネットワークとして構成しても良い。通信ネットワークとしては、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。入力部80は、動作指令情報をコマンド生成部81に送信する。または、入力部80にはマイクが設置され、作業者(ユーザ)の音声により動作指令情報を入力することもできる。入力部80は、ハンドリングロボットシステムが自動で物品Gを認識して駆動する場合は、必ずしも必要な構成では無い。
コマンド生成部81は、動作指令情報、保持機構1に設置された認識部での認識結果、及び後述する認識装置130での物品Gの認識結果に基づいて各動作プロセスで必要となる動作手順を動作コマンドとして生成する。コマンド生成部81は、実行される動作コマンドに応じた各動作モード情報を生成する。動作コマンドは、保持機構の一連の動作に関するコマンドであり、例えばプログラムとしての情報である。動作モード情報は、個別の動作に関する情報である。例えば、保持機構1を「方向変更する」や「吸引する」といった動作である。コマンド生成部81は、動作モード情報等を記憶した記憶部を有する。記憶部には、保持する対象となる物品の形状、重量や柔軟性等の属性データも予め記憶されている。記憶部として、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。コマンド生成部81は、動作コマンドを目標値生成部83へ出力する。また、コマンド生成部81は、動作コマンドの各動作モードと記憶部に記憶されている実際の動作情報を紐付けて判定部85に出力する。
目標値生成部83は、コマンド生成部81からマニピュレータ111及び保持機構1に対する動作コマンドが入力される。目標値生成部83は、マニピュレータ111及び保持機構1の目標指令値を生成する。目標指令値は、駆動制御部84に出力される。
駆動制御部84は、目標値生成部83からマニピュレータ111及び保持機構1の目標指令値が入力され、目標指令値に応じてマニピュレータ111及び保持機構1を駆動するための駆動指令情報を生成する。駆動指令情報は、ドライバ86へ出力される。
ドライバ86は、駆動制御部84からマニピュレータ111及び保持機構1の駆動指令情報が入力され、駆動出力を生成する。マニピュレータ111及び保持機構1は、ドライバ86から駆動出力を受信し、アクチュエータ等を動作させて駆動量を調整する。アクチュエータは、例えば、モータと送りねじを組み合せたものや空圧モータなどを用いることができる。
信号処理部87は、マニピュレータ111及び保持機構1の駆動による各種センサ(第1駆動部14、保持部15に取り付けられたセンサ等)の信号を受信し、そのセンサ信号に対して信号増幅処理やアナログデジタル変換処理等を行う。
判定部85は、信号処理部87で変換されたセンサ信号が入力される。判定部85は、センサ信号に応じて保持機構1の駆動量の調整、載置環境の傾斜の有無、物品の姿勢、物品の保持状態等を判定する。判定部85は、コマンド生成部81から動作コマンドに対応するマニピュレータ111及び保持機構1の動作情報を受信する。判定部85は、この動作情報とセンサ信号による情報を比較する。判定部85は、この比較結果に基づいてマニピュレータ111及び保持機構1の駆動の停止や物品状態に応じたマニピュレータ111の姿勢補正等の動作コマンドを生成する。判定部85は、コマンド生成部81に対して動作コマンドを修正する戻り値コマンドを出力する。戻り値コマンドによりコマンド生成部81は、動作コマンドを補正し入力部で入力された動作指令情報に適した処理動作を実行できる。これにより保持機構1の動作の信頼性及び確実性が向上される。
コマンド生成部81、目標値生成部83、駆動制御部84、信号処理部87、判定部85は、例えばCPU(中央演算処理装置:Central Processing Unit)やメモリや補助記憶部などを備え、プログラム等を実行する。なお、全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。
次に、認識装置130について説明する。
図1に示すように、認識装置130は、載置領域150に載置された複数の物品Gを認識する。
認識装置130は、第1画像センサ131〜第3画像センサ133と、画像センサそれぞれと繋がる計算機134と、を備える。
第1画像センサ131〜第3画像センサ133は、例えば、載置領域150に載置された複数の物品Gに対して斜め前方、上方、斜め後方に位置する。第1画像センサ131〜第3画像センサ133は、移動可能であっても良い。第1画像センサ131〜第3画像センサ133は、距離画像センサ又は赤外線ドットパターン投影方式カメラなどの三次元位置計測可能なカメラを利用することができる。赤外線ドットパターン投影方式カメラは、赤外線のドットパターンを対象物品に投影し、その状態で載置領域150に載置された物品Gの赤外線画像を撮影する。赤外線画像を解析することで物品Gの3次元情報を得ることが可能である。赤外線ドットパターン投影方式カメラは、カラー画像又はモノクロ画像を撮影することができても良い。また、赤外線ドットパターン投影方式カメラの他に、カラー画像又はモノクロ画像を取得するカメラなどの光学センサを含んでいても良い。画像は、例えば、jpg、gif、pngやbmp等の一般的に用いられている画像データでも良い。画像センサは、3つについて説明したが、それに限定されず少なくとも1つ以上であれば良い。また、3つ以上の複数であっても良い。
計算機134は、第1画像センサ131〜第3画像センサ133から出力されるデータに基づいて物品Gの位置情報を導出する。物品Gの3次元位置情報は、制御装置120へ出力される。制御装置120は、物品Gの位置情報に基づいて移載装置110を制御する。計算機134は、例えばCPUやメモリや補助記憶部などを備え、プログラム等を実行する。なお、全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。また、計算機134は、制御装置120に含まれていても良い。
次に、搬送装置140について説明する。
図1に示すように、搬送装置140は、移載装置110に保持された物品Gを載置して搬送する箇所である。
搬送装置140は、例えば複数のローラを所定の方向に並べ、ベルトを巻いたベルトコンベア(自動コンベア)141と、搬送制御装置142と、を備える。ベルトコンベア141は、複数のローラを所定の方向に回転することによりベルトを駆動し、物品Gを搬送する。搬送制御装置142は、ベルトコンベアの駆動を制御する。例えば、搬送速度や搬送方向を制御する。搬送装置140は、制御装置120と繋がる。
搬送装置140は、ベルトコンベアに限定されず、ローラコンベアやその他のソータ等を含む。搬送制御装置142は、例えばCPUやメモリや補助記憶部を備えたコンピュータである。搬送装置140の動作は、予め設定されたプログラムにより搬送制御装置142が自動で制御するが、作業者が手動で搬送制御装置142を操作することにより制御しても良い。搬送制御装置142は、制御装置120に含まれても良い。
載置領域150は、物品Gが積載あるいは載置される箇所である。載置領域150は、棚、カゴ台車、スチール台車、ボックスパレット、パレット等で良い。載置領域は、移動可能であっても良い。
次に、本実施形態にかかるハンドリングロボットシステムの動作の一例について説明する。
図6は、ハンドリングロボットシステムの動作の一例を示すフロー図である。
まず、搬送装置140の搬送制御装置142は、ベルトコンベア141の物品Gの受け入れ準備が整うと物品位置要求信号を認識装置130の計算機134に送信する(ステップ501)。計算機134は、搬送制御装置142からの物品位置要求信号を受信すると、第1画像センサ131〜第3画像センサ133を用いて物品Gの位置認識を開始する(ステップ502)。計算機134は、第1画像センサ131〜第3画像センサ133の認識結果に基づいて物品Gの位置情報を計測する(ステップ503)。物品Gが何も検出されない場合(ステップ503、Noの場合)、計算機134は、エラー信号を搬送制御装置142へ送信する(ステップ504)。物品Gが検出された場合(ステップ503、Yesの場合)、計算機134は、物品の位置情報を制御装置120へ送信する(ステップ505)。
制御装置120は、計算機134から位置情報を受信すると、位置情報に基づいて移載装置110で移載可能な物品Gの取り出し手順を導出する(ステップ506)。制御装置120は、移載装置110の保持機構1を動作させて、物品Gを載置領域150からベルトコンベア141上に移載する(ステップ507)。移載がすべて完了すると、制御装置120は、移載完了信号を認識装置130へ送信する(ステップ508)。認識装置130は、載置領域150上に物品Gが残っているか確認するため、物品Gの位置計測を再び行う(ステップ509)。物品Gが残っている場合は(ステップ509、Yesの場合)、計算機134は、位置情報を制御装置120へ送信し、上記物品Gの移載が行われる(ステップ505へ戻る)。物品Gが残っていない場合(ステップ509、Noの場合)は、移載完了信号を搬送制御装置142へ送信する。搬送制御装置142は、移載完了信号を受信すると、ベルトコンベア141を停止して処理が完了する(ステップ510)。また、搬送制御装置142は、移載完了信号を受信すると、作業者に知らせる警報等を発しても良い。警報を聞いた作業者は、物品Gが無くなった載置領域(例えば、棚等)を物品Gが載置されている載置領域(例えば、棚等)に置き換えても良い。本実施形態のハンドリングロボットシステムでは、棚の載置領域150に載置された複数の物品Gのうち、保持機構1で保持し易い手前の物品Gから順番に移載が行われるのが良い。なお、物品Gが無くなった棚等を物品Gの載置された別の棚等に置き換える作業は、棚等を搬送する自動コンベア等を用いて自動化しても良い。なお、載置領域150が段ボール箱等の場合は、載置された複数の物品Gのうち、保持機構1で保持し易い最上段の物品Gから順番に移載が行われるのが良い。
次に、ハンドリングロボットシステムが保持機構1で物品を保持する際の保持手順について説明する。
図7は、棚内部に載置された物品を保持する保持手順の一例を示す概略図である。棚内部を横方向から見た断面図である。
図7(a)に示すように、大きな物品G2の奥に物品G1が置かれている。物品G1が保持対象物品である場合、制御装置120は、認識装置130や保持機構1の認識部(図示しない)を用いて物品G1、G2の位置情報を取得して、物品G1を保持可能か否か判定する。制御装置120が物品G1を保持可能と判定した場合、移載装置110を制御して物品G1を保持する動作に移る。保持対象物品G1が認識装置130から認識できない位置にある場合、制御装置120は、事前に物品G2の上面から保持機構1を棚内部に進入させ、認識部9により棚内部の状態を認識させても良い。
制御装置120は、認識部等の認識結果に基づいてマニピュレータ111を駆動することにより保持機構1を物品G2の上面から棚内部に進入させる。この時、保持機構1は、伸展した状態である。認識部等の認識結果に基づいて物品G2の位置及び姿勢情報が正確に導出されている場合、制御装置120は、保持機構1が物品G2の上面に接触する前に進入動作を停止させる。認識結果に基づいて物品G2の位置情報が正確に導出されていない場合、制御装置120は、例えば、保持機構1の表面に配置された接触センサが物品G2の上面に接触することにより接触を検出しても良い。また、認識装置130等で保持機構1と物品G2との接触をモニタリングしても良い。このように、制御装置120は、保持機構1が物品G2と接触するのを回避させながら保持機構1を棚内部に進入させる。
次に、図7(b)に示すように、制御装置120は、保持機構1の第2支持部12を回転させ、物品G1の位置する方向に保持部15を向ける。この時、制御装置120は、認識部等による物品G1の位置及び姿勢情報に基づいて第1駆動部14の回転角度を定めても良い。
次に、図7(c)に示すように、ロボットアームで保持機構1を下降させる。認識結果に基づいて物品G1の位置及び姿勢情報が正確に導出されている場合、制御装置120は、保持部15が物品G1の保持面に接触すると同時に下降動作を停止させる。認識結果に基づいて物品G1の位置及び姿勢情報が正確に導出されていない場合、保持部15が物品G1に接触して、接触センサ等により接触を検知しても良い。また、吸着パッドの圧力センサや流量センサの計測値等を用いて物品との接触状態のセンシングの代替をしても良い。これにより保持部15が物品G1に当接したことを検出し、即座に下降動作を停止することができる。また、図7(b)及び(c)の動作を繰り返しても良い。この時、保持機構1の第2支持部12を回動させて保持部15を物品G1に接触させる。保持部15に設けられた接触センサ又は近接センサで接触を検知し、接触センサの出力値を予め定められた閾値と比較する。出力値が閾値以下の場合は、ロボットアームで保持機構1を上昇させ、第2支持部12の角度を変更し再度下降して、保持部15を物品G1と接触させる。接触センサの出力値が閾値以上になるまで一連の動作を繰り返し、物品G1を保持する最適な位置及び姿勢を探索しても良い。
次に、図7(d)に示すように、制御装置120は、保持部15が物品G1を保持した状態で上昇させる。この時、制御装置120は、物品G1の位置及び姿勢に基づきロボットアームの上昇量を決定しても良い。また、マニピュレータのアクチュエータが電動である場合は、慣性力で作用する過負荷電流を検出して、上昇動作を停止してもよい。また、認識部等の認識結果に基づいて上昇量を定めても良い。
次に、図7(e)に示すように、制御装置120は、保持機構1が物品G1を保持した状態で、物品G1を棚の外に引き抜くように動作させる。保持機構1の第2支持部12は、進入時の位置(第1支持部10に対して水平な方向)まで回動され、物品G2に物品G1が接触しないように、姿勢が変更される。この時、事前に認識された物品G2の位置姿勢情報に基づいて物品G1が接触しない第2支持部12の角度を定めても良い。
図7(f)に示すように、制御装置120は、保持機構1を水平方向に動作させるようにマニピュレータ111を駆動し棚内部から物品G1及び保持機構1を引き抜く。
図7では、物品G2の上方に物品G1を引き抜く空間がある場合の動作手順であるが、物品G2の側面に物品Gを引き抜く空間がある場合は物品G2の側面から物品Gを引き抜いても良い。
図8は、本実施形態に係るハンドリングロボットシステムの物品の移載処理の一例を示すフロー図である。
まず、制御装置120は、認識装置130及び認識部9の認識結果に基づいて保持対象物品を選択する(S701)。
制御装置120は、保持対象物品の形状を導出する(S702)。
保持対象物品の形状を導出することができない場合(S702、Noの場合)、他の物品が選択される。
保持対象物品の形状が導出された場合(S702、Yesの場合)、制御装置120は、保持対象物品の表面から吸着可能な候補面を導出する(S703)。
制御装置120は、吸着可能な候補面のうち上面が吸着可能であるか否かを判定する(S704)。保持対象物品の上面が吸着可能である場合(S704、Yesの場合)、制御装置120は、保持対象物品を保持するために第2支持部12を回転させ、保持部15を保持対象物品の上面に向ける。そして、制御装置120は、ロボットアームを駆動して保持機構1を下降させる(S705)。
保持対象物品の上面が吸着不可能である場合(S704、Noの場合)、制御装置120は、第2支持部12及び保持部15の位置姿勢を変更する。例えば、保持部15等は、保持対象物品の傾斜部を保持できる姿勢に切り替えられる(S706)。
制御装置120は、ロボットアームを駆動して保持機構1を下降させる(S707)。
制御装置120は、保持対象物品が認識結果に基づいた形状を有するか否かを判定する(S708)。
保持対象物品が想定した形状である場合(S708、Yesの場合)、制御装置120は、保持対象物品を吸着保持することが可能か否かを判定する(S709)。この判定は、保持部15に設けられた圧力センサ、流量センサ、接触センサ、近接センサ等を利用する。保持対象物品が想定した形状でない場合(S708、Noの場合)、他の保持対象物品を選択する。
制御装置120は、保持対象物品を保持可能であると判定した(S709、Yesの場合)、保持対象物品の移載動作を行う(S710)。制御装置120は、保持対象物品を保持できないと判定した場合(S709、Noの場合)、他の保持対象物品を選択する。
移載動作では、ロボットアームの上昇下降動作や第2支持部12の回動動作も含む。制御装置120は、保持対象物品を移載可能か否か判定する(S711)。
制御装置120は、保持対象物品を移載不可能であると判定した場合(S711、Noの場合)、他の保持対象物品を選択する。
制御装置120は、保持対象物品を移載可能であると判定した場合(S711、Yesの場合)、保持対象物品を搬送装置140に移載する(S712)。
その後、移載処理は終了する。制御装置120は、保持対象物品の数だけ上記フローを繰り返しても良い。
本実施形態にかかる保持機構1は、第2支持部12を有することにより、マニピュレータ111の駆動範囲外に位置する物品についても、第1駆動部14で第2支持部12を回動することにより保持が可能である。また、保持機構1は、第1駆動部14の駆動により、保持部15の向きを第2方向の回転軸周りに沿って自在に変更することができる。
また、チューブを用いることにより、保持機構1が屈曲しても保持部15への流路を確実に確保できる。
また、棚内部に位置する物品Gが他の物品の裏側に位置する場合でも、保持機構1が細長形状であり、かつ第1駆動部14の駆動により保持部15の位置を自在に変更できるため効率的に物品を保持できる。
また、保持機構1は、認識部を有することにより、物品Gが他の物品の裏側に位置する場合でも、正確に物品の位置情報を認識できる。
また、第1支持部10と第2支持部12の間の回動軸が傾斜しているため、物品Gを保持した際の自重を構造で支持することででき、アクチュエータへの負荷を低減できる。
また、本実施形態にかかるハンドリングロボットシステムは、認識装置130と保持機構1の認識部により様々な角度から物品Gの載置状態を認識することができる。
本実施形態にかかるハンドリングロボットシステムは、移載装置110と、制御装置120と、認識装置130を有し、物品Gが載置された棚等まで自立移動して物品Gのピッキングや検品を行うピッキング装置や検品装置を含む。また、本実施形態にかかるハンドリングロボットシステムは、物品Gを入れた荷台を備え、荷台から棚等へ物品Gを品出しする品出し装置や荷入れ装置を含む。
本実施形態に係る保持機構1は、第1支持部10と第2支持部12の内部に、保持部15につながる流路を有し、また、第1支持部10に第1駆動部14が設けられている。よって、流路と駆動部が一体で構成されているため、小型で、狭い空間に載置された物品をピッキング可能な保持機構を実現できる。また、第2支持部12は第1方向と交差した第2方向の回動軸で回動するため、物品Gを保持した際の自重を構造で支持することでき、アクチュエータへの負荷を低減できる。よって、本実施形態に係る保持機構1を備えた移載装置、ハンドリングロボットシステムを提供することができる。
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態の変形例について図9〜12を参照して説明する。
図9は、第1の実施形態の変形例にかかる保持機構1aの一例を示す図である。
図9(a)に示すように、保持機構1aは、第1連結部17aにリンク機構が用いられる。それ以外の構成については、第1の実施形態にかかる保持機構1と同様である。
リンク機構は回動軸41と伸縮軸43を備える。第1駆動部14の回動にともないリンク機構は回動および伸縮する。これにより、第1駆動部14の回動力を第2支持部12に伝達する。図9(a)は保持機構1aが伸展した状態であり、図9(b)は保持機構1aが屈曲した状態である。
リンク機構は剛体であるため、本実施形態にかかる保持機構1はリンク機構を有することにより、第1駆動部14から第2支持部12に伝達する回動力の安定性を向上させることができる。
次に、別の第1の実施形態の変形例について、図10を参照して説明する。
図10は、第1の実施形態の変形例にかかる保持機構1bの一例を示す図である。
図10(a)に示すように、保持機構1bの第1連結部17bは、複数の連結部材79で構成されている。それ以外の構成については、第1の実施形態にかかる保持機構1と同様である。
第1連結部17bは、複数の連結部材79を備えるチェーン構造である。連結部材79は回動軸を備える。第1駆動部14の回動にともない、連結部材は回動により屈曲伸展する。これにより、第1駆動部14の回動力を第2支持部12に伝達する。図10(a)は保持機構1bが伸展した状態であり、図10(b)は保持機構1bが屈曲した状態である。保持機構1bが伸展した状態では、第1連結部17bの各連結部材79が折り重なった状態である。保持機構1bが屈曲した状態では、第1連結部17bの各連結部材79は略直線状に配置された状態である。
第1連結部17bは剛体であるため、本実施形態にかかる保持機構1bは、第1駆動部14から第2支持部12に伝達する回動力の安定性を向上させることができる。また各連結部材79は同一の回転軸を備えるため構造を単純化でき、さらに量産による低コスト化を期待できる。
次に、別の第1の実施形態の変形例について、図11を参照して説明する。
図11は、第1の実施形態の変形例にかかる保持機構1cの一例を示す図である。
保持機構1cは、第1連結部17cが電動モータ(図示せず)で回転する傘歯車45と平歯車47を備える。それ以外の構成については、第1の実施形態にかかる保持機構1と同様である。
電動モータで回転する傘歯車45は平歯車47に回転力を伝達し、平歯車47が回転することで、第2支持部12は回動する。
電動モータには、駆動量を計測可能は変位センサを有しても良い。変位センサは、例えば、エンコーダ、超音符センサ、可変抵抗、静電容量センサ、パルスコーダ―、ファイバセンサ、レーザ変位センサ等が用いられる。また、距離に応じた電圧または電流を出力する他のセンサが用いられても良い。これにより、回転量の制御が可能で確実な回動動作を実現する。本実施形態にかかる保持機構1は、電動モータを有することにより、第2支持部12の回転量の正確性を向上させることができる。
次に、別の第1の実施形態の変形例について、図12を参照して説明する。
保持機構1dにおいて、第1連結部17dは第1連結部材76と第2連結部材77を備える。それ以外の構成については、第1の実施形態にかかる保持機構1と同様である。
第1連結部材76は第2支持部12に接続される。第1連結部材76は、例えば、柱状の部材である。第2連結部材77の一方は第1駆動部14に接続されている。第2連結部材77の他方は2つに分岐しており、第1部分90と第2部分91を有する。第1連結部材77の他方の第1部分90と第2部分91が第1連結部材76を挟むようにして固定される。第1駆動部14が回動すると、第2連結部材77は第1駆動部の回動力を第1連結部材76に伝える。これにより、第2支持部12は回動する。
第1連結部17dは2つの第1および第2連結部材76、77を用いた簡素な構成であるため、部品点数を低減し低コスト化が可能である。また、第1連結部17dは剛体であるため、第1駆動部14から第2支持部12に伝達する回動力の安定性を向上させることができる。
以上、本実施形態の保持機構1a〜1dによれば、第1の実施形態同様、流路と駆動部が一体で構成されているため、小型で、狭い空間に載置された物品をピッキング可能な保持機構を実現できる。また、第2支持部12は第1方向と交差した第2方向の回動軸で回動するため、物品Gを保持した際の自重を構造で支持することでき、アクチュエータへの負荷を低減できる。よって、本実施形態に係る保持機構1a〜1cを備えた移載装置、ハンドリングロボットシステムを提供することができる。
なお、本実施形態で説明した第1連結部17a〜17dは、後述する第2の実施形態および第2の実施形態の変形例における第1連結部に用いてもよい。
(第2の実施形態)
図13は、本実施形態にかかる保持機構の一例を示す側面図である。図13(a)は、保持機構1eが伸展した状態を示す。図13(b)は、保持機構1eが屈曲した状態を示す。
図13に示すように保持機構1eは、第1支持部10と、第2支持部12と、第3支持部50と、保持部15と、第1駆動部14と、第2駆動部51と、第1連結部17と、第2連結部53と、を備える。
第1支持部10は一方と他方を有する。第1支持部10の一方は第2支持部12と接続される。第1支持部10の他方は第3支持部50と接続される。第1支持部10は、保持機構1eの他の構成を支持するため、剛性の高い部材であることが好ましい。
第2支持部12の一端は、第1支持部10の一方と接続されている。第1支持部10と第2支持部12が接続している部分は、第1支持部10の斜断面と第2支持部12の斜断面が重ね合ったようになっている。第2支持部12は、第1支持部10の一方から他方に向かう第1方向と交差する第2方向の回動軸周りで回動することが可能である。第2支持部12は、第1駆動部14の駆動により、回動軸周りを回動する。第2方向の回動軸は、第1方向(X軸方向)に対して傾斜した方向である。例えば、図13(a)に一点鎖線で示すように、第1方向の回動軸をA、第2方向の回動軸をBとすると、第1方向の回動軸Aに対する第2方向の回動軸Bに対する傾斜角度θ(度)は0度より大きく90度より小さい。典型的には45度である。第2支持部12は、保持機構1eの他の構成を支持するため、剛性の高い部材であることが好ましい。
第3支持部50の一端は、第1支持部10の他方と接続されている。第1支持部10と第3支持部50の間には回動軸が設けられている。第1支持部10と第3支持部50が接続している部分は、第1支持部10の断面と第3支持部50の断面が重ね合ったようになっている。第1支持部10は、第1支持部10の一方から他方に向かう第1方向の回動軸周りで回動することが可能である。第1支持部10は、第2駆動部51の駆動により、回動軸周りを回動する。第3支持部50は、保持機構1eの他の構成を支持するため、剛性の高い部材であることが好ましい。
保持部15は、第2の支持部12の一端と接続される。保持部15は、例えば、吸着パッドである。保持部15は、物品Gを保持する。保持部15は、例えば、チューブを介して真空ポンプに繋がり、真空ポンプにより吸着パッドと物品Gの間を減圧することにより物品Gを保持する。保持部15は、支持機構1の動作により物品Gに接近及び接触可能である。吸着パッドは、1つであることに限定されず2つ以上であっても良く、保持する物品Gのサイズや形態によって適宜変更できる。また、保持部15が物品Gの保持に成功したか否かの判定は、例えばチューブを介して接続されている圧力センサあるいは流量センサの計測値に基づいて行っても良いし、画像データ等から計測される吸着パッドの変形量に基づいて行っても良い。画像データに基づいて行う場合は、後述する認識部の認識結果を用いても良い。また、吸着パッドに接触センサや近接センサを設置して、センサ出力の変化により判定しても良い。これらのセンサにより計測された情報は、後述する制御装置120に送信される。
第1駆動部14は、第3支持部50に設けられる。第1駆動部14は、例えば、図3で説明した空圧駆動モータである。第1駆動部14は、第1方向(X軸方向)の回動軸で、第3支持部50の周りを回動する。第1駆動部14は、第1連結部17を介して第2支持部12に接続されている。第1連結部17の一端は第2支持部12に接続され、その接続部分は固定されている。また、第1連結部17の他端は第1駆動部14に接続され、その接続部分は固定されている。そのため、第1駆動部14が回動すると、第2支持部12は、第1駆動部14に連動して第1駆動部14と同じ方向に回動する。第2支持部12の回動角度は、第1駆動部14の回動量に基づいて決定される。第2支持部12の回動軸周りに回動角度を計測するセンサ等を設けても良い。荷重計測値を測定するために、第1支持部10と第2支持部12が接続している部分の近傍に、歪みゲージ等を利用した荷重センサを設けても良い。第2支持部12の回動量と荷重計測値から物品Gの質量を算出し、保持部15で物品Gを運搬する際の加速度を設定するようにしてもよい。
第2駆動部51は、第3支持部50に設けられる。第2駆動部51は、例えば、図3で説明した空圧駆動モータである。第2駆動部51は、第1方向(X軸方向)の回動軸で、第3支持部50の周りを回動する。第2駆動部51は、第2連結部53を介して第1支持部10に接続されている。第2連結部53の一端は第1支持部10に接続され、その接続部分は固定されている。また、第2連結部53の他端は第2駆動部51に接続され、その接続部分は固定されている。そのため、第2駆動部51が回動すると、第1支持部10は、第2駆動部51に連動して第2駆動部51と同じ方向に回動する。第1支持部10が回動する。第1支持部10の回動角度は、第2駆動部51の回動量に基づいて決定される。第1支持部10の回動軸周りに回動角度を計測するセンサ等を設けても良い。
第1駆動部14および第2駆動部51は、第1支持部10、第2支持部12を回動する駆動力が得られるものであれば何でも良い。例えば、空圧駆動モータや空圧シリンダ等でも良く、また減速機構を組み合わせた構成でも良い。
第1駆動部14および第2駆動部51は、例えば、空圧モータと、エンコーダ(図示しない)と、を組み合わせたX軸周りに回転可能な機構であっても良い。エンコーダは、空圧モータの回転角(モータの回転変位量)、回転数、モータの速度、モータの負荷等を計測する。エンコーダは、空圧モータの駆動状態を計測するために配置される。空圧モータの駆動状態が判ればエンコーダに限定されず、例えば、変位センサ、超音波センサ、可変抵抗、静電容量センサ、パルスコーダ、ファイバセンサ、レーザ変位センサ等を用いても良い。また、距離に応じた電圧又は電流を出力する他のセンサが用いられても良い。これらのセンサにより計測された情報は、制御装置120に送信される。また、空圧モータには減速機を備えても良い。減速機は、モータの回転速度を減速し、第1接続部の回転速度を定める。減速比は、空圧モータの回転数等により適宜調整される。回転速度を空圧モータ側で調整する場合、減速機は、必須の構成ではない。
また、第1駆動部14および第2駆動部51の回動動作において、第3支持部50の表面に螺旋状の溝を設け、第1駆動部14および第2駆動部51が第3支持部50周りを回動しながらX軸方向に移動するようにしても良い。第1駆動部14または第2駆動部51が第3支持部50の表面に螺旋状の溝に沿って回動することで、第1支持部10または第2支持部12を回動することができる。第3支持部50は、例えば、リニアアクチュエータや空圧シリンダなどの直動機構の一端を第1駆動部14や第2駆動部51に接続し、もう一端を基台部に接続する。直動機構が伸長することにより、第1駆動部14や第2駆動部51は第3支持部50に沿って回動しながら移動する。である。また、第3の支持部50に、第1駆動部14および第2駆動部51が第3支持部50の端部に到達したことを検知するセンサが設けられていても良い。センサは、例えば、スイッチ式センサやオートスイッチ等である。これらのセンサにより計測された情報は、後述する制御装置120に送信される。
第1連結部17の一端は第2支持部12に接続され、第1連結部17の他端は第1駆動部14に接続される。第1連結部17は、第1駆動部14から第2支持部12に回動力を伝達する。第1連結部17は、例えば、剛体の材料である。第1連結部17は、第2支持部12と第1駆動部14の回動に合わせて配置されるため、屈曲伸展可能である。
第2連結部53の一端は第1支持部10に接続され、第2連結部53の他端は第2駆動部51に接続される。第2連結部53は、第2駆動部51から第1支持部10に回動力を伝達する。第2連結部53は、例えば、剛体の材料である。第2連結部53は、第1支持部10と第2駆動部51の回動に合わせて配置されるため、屈曲伸展可能である。
第1支持部10、第2支持部12、および第3支持部50の内部は空洞で、空洞は保持部15に接続される。第1支持部10、第2支持部12、および第3支持部50の内部の空洞には、保持部15に接続されるチューブが設けられている。また、第1支持部10、第2支持部12、および第3支持部50の内部の空洞にチューブを設けなくても良い。空洞は空気などの流体が流れる流路となる。この場合、第1支持部10、第2支持部12、および第3支持部50の内部は気密性を確保することが望ましい。
図13(a)に示すように、第1駆動部14および第2駆動部12が回動していない初期位置で、第1支持部10、第2支持部12、第3支持部50はX軸方向に沿って設けられている。一方、図13(b)に示すように、第1駆動部14が回動すると、第2支持部12はX軸方向と交差する方向に沿って設けられる。例えば、図13(b)では、第1支持部10はX軸方向に沿い、第2支持部12は−Z軸方向を向いている。第1支持部10と第2支持部12の間の角度は90度である。また、図13(b)では、第2支持部12は−Z軸方向を向いているが、第2駆動部50を回動して第1支持部10を回動することで、第2支持部12を+Z軸方向に向けることができる。以上のように、第1駆動部14および第2駆動部51の両方を回動し、第1支持部10および第2支持部12を回動することで、保持部15を±Z方向に変更可能である。
第1駆動部14と第2駆動部51とを各々逆方向に回転させることで、保持部15をX-Z平面にそって上下に搖動させることができる。このため、保持部15のY軸方向に空間的な余裕がない環境下でもスムーズに保持部15の搖動動作を実現できる。また、図13(a)の伸展した状態から図13(b)の屈曲した状態へ姿勢変更する際に、第1駆動部14のみを単独で回動させる場合と比較して、第1駆動部14と第2駆動部51とを各々逆方向に回転させることで、少ない回転量で図13(b)の屈曲した状態へ姿勢変更可能である。このため、より短い時間で姿勢変更動作を実現でき、ピッキング作業の時間短縮につながり、ハンドリングロボットシステム全体のパフォーマンスを向上可能である。なお、上述した実施形態にかかる保持部15は、吸着パッドに関わらず、例えば、空圧駆動のグリッパ式の保持部でも良いし、ジャミング式保持部でも良い。ジャミング式保持部とは、袋状の内部に粒子などの内容物を充填させ真空引きすることで内容物流動性を制限し、物品形状に倣って固化させる保持装置の総称である。その他、電動駆動機構の保持部でも良いし、粘着剤等を塗布して物品を粘着保持する構成の保持部でも良い。物品を保持できる構成であれば、吸着パッドに限定されない。
以上、本実施形態の保持機構1eによれば、第1の実施形態同様、流路と駆動部が一体で構成されているため、小型で、狭い空間に載置された物品をピッキング可能な保持機構を実現できる。また、第2支持部12は第1方向と交差した第2方向の回動軸で回動するため、物品Gを保持した際の自重を構造で支持することでき、アクチュエータへの負荷を低減できる。よって、本実施形態に係る保持機構1eを備えた移載装置、ハンドリングロボットシステムを提供することができる。
(第2の実施形態の変形例)
図14に、第1駆動部14が太陽歯車60、遊星歯車61、および内歯車63を組み合わせた構成である例を示す。
図14(a)に、太陽歯車60、遊星歯車61、および内歯車63を組み合わせた構成を示す。図14(b)に保持機構1fを示し、太陽歯車60、遊星歯車61、および内歯車63を第1駆動部14に用いた場合の位置を示す。
太陽歯車60は図14(b)の破線で示される。太陽歯車60と第3支持部50は中心軸が一致するように接続されている。遊星歯車61は図14(b)の点線で示される。遊星歯車61は太陽歯車60のとかみ合っており、中心軸はマニピュレータ111に接続される基部(図示しない)に固定される。太陽歯車60の回動力は遊星歯車61に伝えられる。内歯車63は図14(b)の実線で示される。内歯車63は、太陽歯車60と遊星歯車61の外側にあり、遊星歯車61とかみ合っている。内歯車63は第1連結部17に接続されている。電動モータ等で太陽歯車60が回転することで、遊星歯車61および内歯車63が回転する。太陽歯車60の回動力は、遊星歯車61を介して、内歯車63に伝えられる。内歯車63は太陽歯車60とは逆方向に回転する。
次に、別の第2の実施形態の変形例について、図15を参照して説明する。
図15(a)(b)は、第2の実施形態の変形例にかかる保持機構1g、1hの一例を示す図である。
図15(a)において、保持機構1gは、第1駆動部14と第2駆動部51に空圧駆動モータを用い、第2支持部12を回動するために、第1連結部17の代わりに、第3連結部17eと第4連結部17fを備える。また、第3支持部50に可動部78を備える。それ以外の構成については、第2の実施形態にかかる保持機構1eと同様である。
第3連結部17eの一端は第1駆動部14に接続しており、第3連結部17eの他端は第3支持部50に設けられる可動部78に接続している。第3連結部17eは剛体であるため、第1駆動部14の回動力を可動部78に伝えることができる。第3連結部17eは第1駆動部14の回動力を可動部78に伝えることができれば、どのような形状のものであってもよい。
第4連結部17fは、図12で説明した第1連結部材17dと同様の構成で、連結部材76と連結部材77を含む。第4連結部17fの連結部材76は可動部78と接続しており、連結部材77は第2支持部12と接続している。そのため、第4連結部17fは、可動部78の回動力を、第2支持部12に伝えることができる。したがって、第3連結部17eと第4連結部17fを介して、第1駆動部14は第2支持部12に回動力を伝えることができる。
図15(b)において、保持機構1hは、第2連結部53を第1支持部10および第3支持部50の内部に備えている。それ以外は保持機構1gと同様の構成を備える。
保持機構1hは、保持機構1gと異なり、第1支持部10および第3支持部50の内部にある空洞に第2連結部53を備えている。つまり、保持機構1hの内部で第2駆動部51と第1支持部10が接続されている。よって、第2駆動部51は第1支持部10に直接的に駆動力を伝えることができる。
第2駆動部51と第1支持部10が、保持機構1hの内部で接続されていることで、第1駆動部14と第2駆動部51が駆動時に第1連結部材17dと第2連結部53が接触することがない。このため、第1支持部10と第2支持部12は360度回動することが可能である。
以上、本実施形態の保持機構1f〜hによれば、第1の実施形態同様、流路と駆動部が一体で構成されているため、小型で、狭い空間に載置された物品をピッキング可能な保持機構を実現できる。また、第2支持部12は第1方向と交差した第2方向の回動軸で回動するため、物品Gを保持した際の自重を構造で支持することでき、アクチュエータへの負荷を低減できる。よって、本実施形態に係る保持機構1f〜hを備えた移載装置、ハンドリングロボットシステムを提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、説明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。