JP2020044554A - 蛇行制御システム、蛇行制御方法、およびプログラム - Google Patents

蛇行制御システム、蛇行制御方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 オブザーバの推定値が整定するまでの時間を短縮し、板圧延材の蛇行制御を高応答にする。【解決手段】 レベリング量演算器200は、蛇行計20により測定された板圧延材5の蛇行量の測定値を擬似微分した値を、圧延機位置における板圧延材5の蛇行量の時間微分値の計算値として導出する擬似微分部202と、擬似微分部202により導出された圧延機位置における板圧延材の蛇行量5の時間微分値の計算値を用いて、圧延機2のレベリング操作量を導出するレベリング操作量導出部204と、を有する。【選択図】 図2

Description

本発明は、蛇行制御システム、蛇行制御方法、およびプログラムに関し、特に、板圧延材を圧延する際に生じる板圧延材の蛇行を制御するために用いて好適なものである。
板圧延材の圧延工程中に、板圧延材が圧延機の目標とする幅方向中心位置からはずれ、圧延ロールの端部方向へ移動する現象が発生する場合がある(以下、この現象を蛇行と称する)。蛇行が発生すると、板圧延材の平坦度が悪化してしまい、更に蛇行量が大きくなれば、板圧延材がサイドガイドに接触し、座屈状態となって圧延される絞り込みトラブルが発生する。このため、圧延ロールに疵が生じ、圧延ロールのメンテナンス作業または交換作業が必要となり生産性が低下する。また、圧延ロールに生じた疵はロール表面を研磨することによって除去できるが、研磨によって圧延ロールの寿命が短くなり生産コストが上昇する。したがって、板圧延材の蛇行を制御する技術は、絞り込みトラブルを防止するために必要不可欠であり、生産性向上および生産コスト抑制の観点から重要な技術である。板圧延材の蛇行を制御する技術として特許文献1に開示されている技術がある。
特許文献1では、圧延機の入側に設置した蛇行計により板圧延材の蛇行量を測定し、蛇行計による蛇行量の測定値から、圧延機位置(圧延機が板圧延材を圧延する位置。より具体的には、上下のワークロールの回転軸を通る仮想的な平面と板圧延材とが交わる位置)における板圧延材の蛇行量を推定し、推定した蛇行量に基づいて、圧延機のレベリング量(ワークサイドとドライブサイドの圧下位置の差)を操作する。具体的に、特許文献1では、圧延機位置における板圧延材の蛇行量およびレベリング量を変数とする評価関数が最小になるようなレベリング量を導出し、導出したレベリング量になるように圧延機のレベリング量を操作する。このようにして導出されるレベリング量であるレベリング操作量は、蛇行計による蛇行量の測定値と、圧延機位置における板圧延材の蛇行量の時間微分値と、圧延機の入側において板圧延材(の板面内)に生じる回転角速度に対する外乱との線形和で表される。
特許第4016761号公報
特許文献1では、圧延機位置における板圧延材の蛇行量の時間微分値と圧延機の入側において板圧延材に生じる回転角速度に対する外乱を、オブザーバ(推定器)を用いて、蛇行計による蛇行量の測定値とレベリング量とから推定する。
したがって、特許文献1に開示されている技術では、オブザーバの推定値が整定するまで時間を要し、板圧延材の蛇行制御の応答を速めることが容易ではない。したがって、例えば、板圧延材に急激な蛇行が生じた場合には、蛇行制御が間に合わなくなる虞がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、オブザーバの推定値が整定するまでの時間を短縮し、板圧延材の蛇行制御を高応答にすることを目的とする。
本発明の蛇行制御システムは、圧延機と、前記圧延機の上流側の位置に設置され、通板中の板圧延材の蛇行量を測定する蛇行計と、を有し、圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量を制御する蛇行制御システムであって、前記蛇行計により測定された前記板圧延材の蛇行量の測定値を擬似微分した値を、前記圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量の時間微分値の計算値として導出する擬似微分手段と、前記擬似微分手段により導出された前記圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量の時間微分値の計算値を用いて、前記圧延機のレベリング操作量を導出する導出手段と、を有する、ことを特徴とする。
本発明の蛇行制御方法は、圧延機と、前記圧延機の上流側の位置に設置され、通板中の板圧延材の蛇行量を測定する蛇行計と、を用いて、圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量を制御する蛇行制御方法であって、前記蛇行計により測定された前記板圧延材の蛇行量の測定値を擬似微分した値を、前記圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量の時間微分値の計算値として導出する擬似微分工程と、前記擬似微分工程により導出された前記圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量の時間微分値の計算値を用いて、前記圧延機のレベリング操作量を導出する導出工程と、を有する、ことを特徴とする。
本発明のプログラムは、前記蛇行制御システムの各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明によれば、オブザーバの推定値が整定するまでの時間を短縮し、板圧延材の蛇行制御を高応答にすることができる。
レベリング操作量の計算方法の一例を説明する図である。 蛇行制御システムの構成の第1の例を示す図である。 レベリング操作量演算器の動作の一例を説明する図である。 蛇行制御システムにおける処理の一例を説明するフローチャートである。 蛇行制御システムの構成の第2の例を示す図である。 蛇行制御システムの構成の第3の例を示す図である。 比較例1の結果を示す図である。 発明例1の結果を示す図である。 比較例2の結果を示す図である。 発明例2の結果を示す図である。
本発明の実施形態を説明する前に、特許文献1に開示されている内容を基にした技術の概要について説明する。以下の説明では、特許文献1に開示されている内容を基にした技術を、前提技術と称する。
図1は、レベリング操作量の計算方法の一例を説明する図である。図1(a)は、前提技術におけるレベリング操作量の計算方法の一例を説明する図であり、図1(b)は、本実施形態に係る技術におけるレベリング操作量の計算方法の一例を説明する図である。
図1(a)および図1(b)において、レベリング操作量Srは、ys・fy+e・fe+d・fdで表される。ここで、ysは、蛇行計による蛇行量の測定値であり、fyは、蛇行計による蛇行量の測定値ysに対するフィードバックゲインである。eは、圧延機位置における板圧延材の蛇行量の時間微分値であり、feは、圧延機位置における板圧延材の蛇行量の時間微分値eに対するフィードバックゲインである。dは、圧延機の入側において板圧延材(の板面内)に生じる回転角速度に対する外乱であり、fdは、圧延機の入側において板圧延材(の板面内)に生じる回転角速度に対する外乱dに対するフィードフォワードゲインfdである。また、「・」は積を表し、「+」は和を表す。以下では、「ys・fy+e・fe」をフィードバック制御量と称し、「d・fd」をフィードフォワード制御量と称する。
図1(a)に示すように、前提技術では、圧延機位置における板圧延材の蛇行量の時間微分値eと、圧延機の入側において板圧延材(の板面内)に生じる回転角速度に対する外乱dは、測定できないので、2次元オブザーバを用いて、これらを、蛇行計による蛇行量の測定値ysとレベリング量(の実績値)Sとから推定する。
具体的に前提技術では、以下のようにしてレベリング操作量Srを計算する。
まず、通板方向(X軸方向)において相互に隣り合う2つの圧延機のうち下流側にある圧延機の圧延機位置を位置xの座標原点(x=0)にとり、板圧延材の圧延方向(下流方向)を正方向と定義する(これらのことは前提技術以外の説明においても同じであるとする)。当該2つの圧延機の間を速度vで走行する板圧延材の、当該下流側にある圧延機の入側において板圧延材(の板面内)に生じる、時刻tでの回転角速度をω(t)とする。以下の説明では、通板方向(X軸方向)において相互に隣り合う2つの圧延機のうち、相対的に下流側にある圧延機を、必要に応じて下流側圧延機と称し、相対的に上流側にある圧延機を、必要に応じて上流側圧延機と称する。
下流側圧延機から距離xだけ離れた位置における板圧延材の時刻tでの蛇行量y(x,t)は、以下の(1)式で表される。尚、ここでは、説明を簡単にするため、時刻t=0の位置xにおける板圧延材の蛇行量は0であるものとする。
Figure 2020044554
ここで、蛇行量y(x,t)は、位置xにおける板圧延材の板幅方向の中心の位置から、圧延機の幅方向中心の位置を通るX軸方向に引いた仮想的な直線までの(最短)距離である。(1)式より、下流側圧延機の圧延機位置から距離Lだけ上流の位置(x=−L)に設置された蛇行計による蛇行量の測定値ysと、下流側圧延機の圧延機位置(x=0)における板圧延材の蛇行量ycはそれぞれ、以下の(2)式、(3)式で表される。以下の説明では、蛇行計による蛇行量の測定値を、必要に応じて蛇行量測定値と称する。また、下流側圧延機の圧延機位置(x=0)における板圧延材の蛇行量を、必要に応じて圧延機位置蛇行量と称する。
Figure 2020044554
また、下流側圧延機の入側において板圧延材(の板面内)に生じる、時刻tでの回転角速度ω(t)は、以下の(4)式で表される。
Figure 2020044554
ただし、S(t)は、下流側圧延機の時刻tでのレベリング量(の実績値)である。d(t)は、下流側圧延機の入側において板圧延材(の板面内)に生じる回転角速度に対する時刻tでの外乱である。pは、下流側圧延機のレベリング量Sから、下流側圧延機の入側において板圧延材(の板面内)に生じる回転角速度ωへのゲインである。qは、圧延機位置蛇行量ycから下流側圧延機の入側において板圧延材(の板面内)に生じる回転角速度ωへのゲインである。以下の説明では、下流側圧延機の入側において板圧延材(の板面内)に生じる回転角速度を、必要に応じて板材入側回転角速度と称する。また、下流側圧延機の入側において板圧延材(の板面内)に生じる回転角速度に対する外乱を、必要に応じて板材入側回転角速度ωに対する外乱と称する。
時刻tでの圧延機位置蛇行量yc(t)の時間微分値をe(t)とすると、(3)式より、時刻tでの圧延機位置蛇行量yc(t)の時間微分値e(t)は、以下の(5)式で表される。
Figure 2020044554
時刻tでの板材入側回転角速度ωに対する外乱d(t)を一定と仮定すると、(2)式〜(5)式より、蛇行現象(蛇行量)の制御周期Tで離散化した離散時間方程式は、以下の(6)式〜(8)式で表される。
Figure 2020044554
ここで、[k]は、時刻t=kTにおける値であることを示す記号である(例えば、x[k]は、時刻t=kTにおけるxの値を示す)。(6)式より、時刻t=(k+j)Tでの圧延機位置蛇行量yc[k+j]は、蛇行量測定値ysを用いて以下の(9)式で表される。以下の説明では、kを、必要に応じて、制御タイミング特定変数と称する。
Figure 2020044554
ここで、評価関数Jを以下の(10)式とおくと、評価関数Jの値を最小にする時刻t=kTでのレベリング操作量Sr[k]は、以下の(11)式〜(12)式で与えられる。
Figure 2020044554
(11)式の右辺第1項は、蛇行量測定値ysのフィードバック制御量であり、同第2項は、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eのフィードバック制御量であり、同第3項は、板材入側回転角速度ωに対する外乱dのフィードフォワード制御量である。フィードバック制御とフィードフォワード制御は独立した別機能であるので、(11)式の右辺第3項のフィードフォワード制御のみを実施してもよいし、同第1項、第2項のフィードバック制御と同第3項のフィードフォワード制御との両方を実施してもよい。その他、同第1項、第2項のフィードバック制御のみを実施することも可能である。
ここで、特許文献1に示すように前提技術では、(11)式の圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eと、板材入側回転角速度ωに対する外乱dは測定できないので、これらを、オブザーバを用いて推定することとし、蛇行量測定値ysと下流側圧延機のレベリング量Sから、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eと、板材入側回転角速度ωに対する外乱dとを推定する2次元オブザーバを以下のように構成する。
まず、(2)式〜(5)式より、蛇行現象の連続時間状態方程式は、(13)式〜(15)式で表される。
Figure 2020044554
この連続時間状態方程式に対して公知のGopinath法を適用すると、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eと、板材入側回転角速度ωに対する外乱dとを推定する2次元オブザーバは、xo(t)を状態変数として、以下の(16)式の連続時間状態方程式で与えられる。
Figure 2020044554
ただし、(16)式内の行列は、極配置行列VとUを以下の(17)式とおいたときに、以下の(18)式で表される。尚、αは、オブザーバの設計パラメータである。
Figure 2020044554
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態を説明する。
前述したように前提技術では、(11)式の右辺第1,第2項のフィードバック制御と、右辺第3項のフィードフォワード制御との両方を実施する場合には、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eと、板材入側回転角速度ωに対する外乱dとの推定値が必要であり、それらを推定する2次元オブザーバを用いる必要がある。このように、フィードバック制御とフィードフォワード制御との両方を実施する場合、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eと、板材入側回転角速度ωに対する外乱dとを推定する2次元オブザーバを用いる必要がある。
一般に、推定しようとする変数の次元が高くなるほど変数間の干渉が生じやすくなるので、オブザーバの応答を速めることは困難である。したがって、前提技術では、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eと、板材入側回転角速度ωに対する外乱dの推定値が整定するまでに時間を要する。以上のことから、前提技術では、蛇行制御の応答を速めることが容易ではなく、例えば、板圧延材に急激な蛇行が生じた場合には、蛇行制御が間に合わなくなる虞がある。
特許文献1に記載の蛇行量の一要素は、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eで表される。圧延機位置において板圧延材の蛇行量を測定すること(圧延機位置蛇行量ycを測定すること)は困難であるので、当然ながら、圧延機位置蛇行量ycを測定し、測定した圧延機位置蛇行量ycから圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eを計算することはできない。このような直接測定できない量は、一般にオブザーバ(推定器)を用いて推定される。これに対し、本発明者らは、前述した課題の下、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eを、オブザーバを用いて推定しなくても、蛇行量測定値ysを計算することができることを見出した。まず、このことについて以下に説明する。
(2)式、(3)式、(5)式より、蛇行量測定値ysと圧延機位置蛇行量ycには、以下の(19)式の関係が成立する。
Figure 2020044554
ここで、eは、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値であるので、ラブラス演算子をsとすると、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eはsycで表される。したがって、蛇行量測定値ysから圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eへの伝達関数は、以下の(20)式となる。
Figure 2020044554
(20)式に示す伝達関数は、微分要素と一次遅れ要素(ローパスフィルタ)との積で表される。即ち、(20)式は、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eが、蛇行量測定値ysの擬似微分で計算することができることを表す。制御周期Tで離散化した擬似微分の近似計算値は、(20)式を微分方程式の形に書き換えて後退差分近似をとることにより、以下の(21)式で計算される。(21)式を用いることにより、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eを、デジタル制御器を用いて精度良く計算することができる。
Figure 2020044554
以上のように、(21)式で計算される圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eはオブザーバを用いずに計算することができるので、(11)式の右辺第1,第2項のフィードバック制御と、右辺第3項のフィードフォワード制御との両方を実施する場合には、(21)式で計算される圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eと、蛇行量測定値ysと、下流側圧延機のレベリング量Sとから、板材入側回転角速度ωに対する外乱dのみを推定する1次元オブザーバ((3入力)1出力のオブザーバ)を構成することができる(図1(b)を参照)。この1次元オブザーバは、外乱オブザーバとして機能し、従来の2次元オブザーバよりも次元が小さいので、推定値が整定する時間を短縮することができる。したがって、(11)式の右辺第1,第2項のフィードバック制御と、右辺第3項のフィードフォワード制御との両方を実施する場合、(11)式の右辺第3項の効果が早く現れて蛇行制御の応答が速くなる。また、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eはオブザーバを用いずに(21)式で計算するので、右辺第2項の効果も早く現れる。
図1(b)に示すオブザーバは以下のようにして構成することができる。まず、(13)式より、蛇行現象の連続時間状態方程式は、以下の(22)式〜(23)式で表される。
Figure 2020044554
この連続時間状態方程式に対して公知のGopinath法を適用すると、板材入側回転角速度ωに対する外乱dを推定する1次元オブザーバは、xo−(t)を状態変数として、以下の(24)式の連続時間状態方程式で与えられる。尚、xo−(t)は、(24)式等において、xo(t)のxoの上に−が付されているものに対応する。
Figure 2020044554
ただし、(24)式内の行列は、極配置行列V−、U−を以下の(25)式とおいたときに、以下の(26)式で表される。尚、α−は、オブザーバの設計パラメータである。V−、U−、α−は、(25)式、(26)式等において、それぞれ、V、U、α上に−が付されているものに対応する。
Figure 2020044554
(24)式で表されるオブザーバは、板材入側回転角速度ωに対する外乱dのみを推定する1次元オブザーバである。このため、2次元オブザーバに比べて、板材入側回転角速度ωに対する外乱dの推定値が整定するまでの時間を短くすることができ、蛇行制御の応答を速めることができる。尚、(24)式で表されるオブザーバの計算をデジタル制御器で行うには、(24)式の連続時間状態方程式を制御周期Tで離散化した以下の(27)式〜(28)式の離散時間状態方程式で計算すればよい。
Figure 2020044554
本実施形態の蛇行制御システムでは、(27)式〜(28)式で表される1次元オブザーバを用いる。以下、本実施形態の蛇行制御システムについて説明する。
図2は、本実施形態の蛇行制御システムの構成の一例を示す図である。
蛇行制御システムは、N(Nは2以上の整数)台の圧延機を有する。N台の圧延機の適用例としては、熱間圧延工程におけるタンデム仕上圧延機が挙げられる。熱間圧延工程におけるタンデム仕上圧延機は、例えば、7台の圧延機を有する。図2では、表記の都合上、N台の圧延機のうち、板圧延材5の通板方向(図1のX軸方向)において相互に隣り合う位置に配置される2台の圧延機(上流側圧延機1、下流側圧延機2)のみを示す。板圧延材5は、上流側圧延機1、下流側圧延機2によって、図1のX軸の正の方向に圧延される。本実施形態では、上流側圧延機1と下流側圧延機2との間における板圧延材5の蛇行を制御する場合を例に挙げて説明する。
尚、例えば、蛇行制御システムが7台の圧延機を有する場合、第1圧延機および第2圧延機と、第2圧延機および第3圧延機と、第3圧延機および第4圧延機と、第4圧延機および第5圧延機と、第5圧延機および第6圧延機と、第6圧延機および第7圧延機とのそれぞれが、上流側圧延機1および下流側圧延機2になり得る。ただし、板圧延材5の通板方向において相互に隣り合う位置に配置される2台の圧延機の全てについて、本実施形態の手法を適用する必要はなく、板圧延材5の通板方向において相互に隣り合う位置に配置される2台の圧延機の組のうち少なくとも一組について、本実施形態の手法を適用していればよい。
図2において、蛇行制御システムは、上流側圧延機1と、下流側圧延機2と、蛇行計20と、セットアップ計算機100と、レベリング操作量演算器200とを有する。
上流側圧延機1には、荷重計3aが設けられる。荷重計3aは、上流側圧延機1(の圧延ロール)にかかる荷重を測定する。荷重計3aにより測定された荷重Pは、レベリング操作量演算器200に出力される。
下流側圧延機2には、荷重計3b、レベリング装置4が設けられる。
荷重計3bは、下流側圧延機2(の圧延ロール)にかかる荷重Pを測定する。荷重計3bにより測定される荷重Pは、レベリング装置4が、下流側圧延機2の圧延機位置における板圧延材5の蛇行量の制御の終了を判定するために用いられる。尚、この判定は、レベリング操作量演算器200で行われるようにしてもよい。
レベリング装置4は、下流側圧延機2のレベリング量が、レベリング操作量演算器200から出力されたレベリング操作量Srに一致するように、下流側圧延機2のレベリング量を調整することにより、下流側圧延機2の圧延機位置における板圧延材5の蛇行量を制御する。レベリング装置4で調整された下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)Sは、レベリング操作量演算器200に出力される。
尚、上流圧延機1および下流側圧延機2は、同じ構成を有する。上流側圧延機1にも下流側圧延機2と同様にレベリング装置が設けられる。上流側圧延機1を下流側圧延機として用いる場合(上流側圧延機1の圧延機位置における板圧延材5の蛇行を制御する場合)には、上流圧延機1のレベリング装置が使用される。
また、下流側圧延機2を上流側圧延機として用いる場合(下流側圧延機2より1つ下流側に配置される圧延機の圧延機位置における板圧延材5の蛇行を制御する場合)、荷重計3bは、上流側圧延機1に設けられている荷重計3aと同じ機能を発揮する。また、上流側圧延機1を下流側圧延機として用いる場合、荷重計3aは、下流側圧延機2に設けられている荷重計3bと同じ機能を発揮する。
また、上流圧延機1および下流側圧延機2は、ハウジング等、公知の圧延機が有する構成を有する。また、上流圧延機1および下流側圧延機2の圧延ロールは、図2に示すようなワークロールおよびバックアップロールからなるものに限定されず、例えば、ワークロールとバックアップロールとの間に中間ロールを備えたものを圧延ロールとして用いてもよい。
蛇行計20は、上流側圧延機1と下流側圧延機2との間の位置であって、下流側圧延機2の圧延機位置から距離Lだけ、板圧延材5の通板方向(X軸方向)に沿って上流側に離れた位置の上方(Z軸の正の方向)に配置される。蛇行計20は、当該位置の板圧延材5の蛇行量を測定する。このようにして蛇行計20により測定された蛇行量は、蛇行量測定値ysとして、レベリング操作量演算器200に出力される。尚、圧延ラインには、蛇行計20の他に、ルーパや搬送ロール等、その他の公知の設備が備わっている。
以下、本実施形態の蛇行制御システムの一例について説明する。また、本実施形態では、セットアップ計算機100と、レベリング操作量演算器200とが、それぞれ独立した装置である場合を例示する。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、セットアップ計算機100と、レベリング操作量演算器200を同一のハードウェアで実現してもよい。
以下、セットアップ計算機100およびレベリング操作量演算器200の機能的な構成の一例について説明する。
<セットアップ計算機100>
セットアップ計算機100は、レベリング操作量演算器200におけるレベリング操作量Srの計算に必要なパラメータを計算してレベリング操作量演算器200に出力する。尚、セットアップ計算機100のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、および各種のインターフェースを備える情報処理装置、または専用のハードウェアを用いることにより実現される。
[第1のゲイン導出部101]
第1のゲイン導出部101は、板圧延材5の圧延が開始される前に、(4)式に示したゲインp、qを導出する。前述したようにゲインpは、下流側圧延機2のレベリング量Sから、板材入側回転角速度ωへのゲインである。ゲインqは、圧延機位置蛇行量yc(下流側圧延機2の圧延機位置(x=0)における板圧延材5の蛇行量)から板材入側回転角速度ωへのゲインである。第1のゲイン導出部101は、公知の分割モデルを用いてゲインp、qを計算してもよいし、圧延条件で層別されてゲインp、qが登録されているテーブルから、該当する圧延条件に相当するゲインp、qを検索してもよい。
[ロール速度導出部102]
ロール速度導出部102は、上流側圧延機1において板圧延材5の圧延が終了する時点(板圧延材5の後端が上流側圧延機1を抜ける時点)における下流側圧延機2のワークロールの回転速度(ロール速度)vRを計算する。ロール速度導出部102は、上流側圧延機1において板圧延材5の圧延が終了する時点における下流側圧延機2のワークロールの回転速度(ロール速度)vRと、下流側圧延機2の後進率bとに基づいて、上流側圧延機1と下流側圧延機2との間を走行する板圧延材5の速度vを、以下の(29)式により計算する。
Figure 2020044554
尚、上流側圧延機1において板圧延材5の圧延が終了する時点における下流側圧延機2のワークロールの回転速度(ロール速度)vRは、圧延ラインに対して設定されている通板速度から、公知の方法で、板圧延材5の圧延が開始される前に計算される(実測されるものではない)。また、下流側圧延機2の後進率bは、公知の圧延理論を用いて計算することができる。以下の説明では、上流側圧延機1と下流側圧延機2との間を走行する板圧延材5の速度vを、必要に応じて、板材速度vと称する。
[第2のゲイン導出部103]
第2のゲイン導出部103は、蛇行量測定値ysに対するフィードバックゲインfyと、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eに対するフィードバックゲインfeと、板材入側回転角速度ωに対する外乱dに対するフィードフォワードゲインfdとを、(8)式、(12)式により計算する。以下の説明では、蛇行量測定値ysに対するフィードバックゲイン、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eに対するフィードバックゲインを、必要に応じてフィードバックゲインと略称し、板材入側回転角速度ωに対する外乱dに対するフィードフォワードゲインを、必要に応じて、フィードフォワードゲインと略称する。
[係数導出部104]
係数導出部104は、(27)式における係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oを、(26)式、(28)式により計算する。尚、A−od、K−od、B−od、C−o、D−oは、それぞれ、(27)式等において、Aod、Kod、Bod、Co、DoのA、K、B、C、Dの上に−が付されているものに対応する。
[出力部105]
出力部105は、ロール速度導出部102により計算された板材速度vと、第2のゲイン導出部103により計算されたフィードバックゲインfy、feおよびフィードフォワードゲインfdと、係数導出部104により計算された係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oを、レベリング操作量演算器200に出力する。セットアップ計算機100とレベリング操作量演算器200との通信の形態は、有線通信であっても無線通信であってもよい。
<レベリング操作量演算器200>
レベリング操作量演算器200は、レベリング装置4から出力される下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)Sと、蛇行計20から出力される蛇行量測定値ysとに基づいて、下流側圧延機2のレベリング操作量Srを計算してレベリング装置4に出力する。尚、レベリング操作量演算器200のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、および各種のインターフェースを備える情報処理装置、または専用のハードウェアを用いることにより実現される。
[入力部201]
入力部201は、セットアップ計算機100(出力部105)から出力された係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oを入力し、外乱推定部203((27)式)に対して設定する。また、入力部201は、セットアップ計算機100(出力部105)から出力されたフィードバックゲインfy、feおよびフィードフォワードゲインfdを入力し、レベリング操作量導出部204((11)式)に対して設定する。また、入力部201は、セットアップ計算機100(出力部105)から出力された板材速度vを入力し、擬似微分部202((21)式)に対して設定する。
以上の設定(準備)が終了すると、板圧延材5の圧延が開始される。入力部201は、板圧延材5の圧延が開始された後、荷重計3aで測定された上流側圧延機1(の圧延ロール)にかかる荷重Pを入力する。
レベリング操作量演算器200は、荷重計3aで測定された上流側圧延機1(の圧延ロール)にかかる荷重Pに基づいて、上流側圧延機1において板圧延材5の圧延が終了した(板圧延材5の後端が上流側圧延機1を抜けた)か否かを判定する。本実施形態では、レベリング操作量演算器200は、荷重計3aで測定される上流側圧延機1(の圧延ロール)にかかる荷重Pが0または0と見なせる値になったときに、上流側圧延機1において板圧延材5の圧延が終了した(板圧延材5の後端が上流側圧延機1を抜けた)と判定する。
そして、レベリング操作量演算器200は、上流側圧延機1において板圧延材5の圧延が終了したと判定すると、当該判定した時刻tを制御開始時刻として、制御タイミング特定変数kを0から1に変更し、k=1におけるレベリング操作量Sr[k]を計算するための処理を開始する。その後、レベリング操作量演算器200は、制御周期Tが経過するたびに、制御タイミング特定変数kに1が加算され、加算後の制御タイミング特定変数kにおけるレベリング操作量Sr[k]が計算される。
[擬似微分部202]
擬似微分部202は、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻t(=kT)での圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]を、(21)式により計算する。
[外乱推定部203(1次元オブザーバ)]
外乱推定部203は、擬似微分部202により計算された圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]と、蛇行量測定値ys[k]と、下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)S[k]とに基づいて、(27)式により、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻t(=kT)での板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]を計算(推定)する。
[レベリング操作量導出部204]
レベリング操作量導出部204は、擬似微分部202により導出された圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]と、蛇行量測定値ys[k]と、外乱推定部203により計算された板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]とに基づいて、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻t(=kT)での下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を、(11)式により計算する。
図3は、本実施形態のレベリング操作量演算器200の動作の一例を説明する図である。図3を参照しながら、本実施形態のレベリング操作量演算器200では、蛇行量測定値ysおよび圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eをフィードバックすることと、板材入側回転角速度ωに対する外乱dをフィードフォワードすることとの双方が行われることを説明する。尚、説明および表記の都合上、図3においては、図2に示したレベリング操作量演算器200内の機能ブロックの一部を省略している。
前述したように本実施形態では、(11)式により、下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を計算する。したがって、図3に示すように、レベリング操作量導出部204は、乗算器204a〜204cと加算器204dとを用いることにより、(11)式の計算を実行することができる。
乗算器204aは、蛇行量測定値ys[k]にフィードバックゲインfyを乗算する。乗算器204bは、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]にフィードバックゲインfeを乗算する。乗算器204cは、板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]にフィードフォワードゲインfdを乗算する。加算器204dは、蛇行量測定値ys[k]とフィードバックゲインfyとの積と、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]とフィードバックゲインfeとの積と、板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]とフィードフォワードゲインfdとの積とを加算する。このようにして加算器204dで得られる加算値が、下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]になる。
ここで、蛇行量測定値ys[k]とフィードバックゲインfyとの積がレベリング装置4で調整されるレベリング量に反映される。したがって、蛇行量測定値ys[k]はフィードバックされる(図3ではレベリング装置4は圧延現象に含まれるものとしている)。
また、蛇行量測定値ys[k]を擬似微分したものである圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]とフィードバックゲインfeとの積がレベリング装置4で調整されるレベリング量に反映される。したがって、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]もフィードバックされる。
このように、蛇行量測定値ys[k]とフィードバックゲインfyとの積は、蛇行量測定値ys[k]のフィードバック制御量SrFB1である。また、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]とフィードバックゲインfeとの積は、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eフィードバック制御量SrFB2である。これらのフィードバック制御量SrFB1、SrFB2の和が全体のフィードバック制御量SrFBとなる。
一方、板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]とフィードフォワードゲインfdとの積は、板材入側回転角速度ωに対する外乱dのフィードフォワード制御量SrFFである。
以上のフィードバック制御量SrFBとフィードフォワード制御量SrFFとの和が、下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]としてレベリング装置4に出力される。
[出力部205]
出力部205は、レベリング操作量導出部204により計算された下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]をレベリング装置4に出力する。前述したようにレベリング装置4は、下流側圧延機2のレベリング量が、出力部205により出力された下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]に一致するように、下流側圧延機2のレベリング量を調整する。
擬似微分部202、外乱推定部203、レベリング操作量導出部204、出力部205、およびレベリング装置4は、蛇行量測定値ysが得られなくなるまで、以上の処理を制御周期Tが経過するたびに実行する。蛇行量測定値ysが得られなくなると、レベリング操作量演算器200は、出力部205により最後に出力された下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を保持し、その値を出力部205に出力する。
その後、レベリング装置4は、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻(=kT)において、下流側圧延機2において板圧延材5の圧延が終了した(板圧延材5の後端が下流側圧延機2を抜けた)か否かを判定する。本実施形態では、レベリング装置4は、荷重計3bで測定される下流側圧延機2(の圧延ロール)にかかる荷重Pが0または0と見なせる値になったときに、下流側圧延機2において板圧延材5の圧延が終了した(板圧延材5の後端が下流側圧延機2を抜けた)と判定する。
レベリング装置4は、下流側圧延機2において板圧延材5の圧延が終了していない場合、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻(=kT)において、前述したようにして保持した下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]に一致するように、下流側圧延機2のレベリング量を調整することを、下流側圧延機2における板圧延材5の圧延が終了するまで、制御周期Tが経過するたびに繰り返し行う。
以上のように本実施形態では、蛇行量測定値ysのフィードバック制御量と、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eのフィードバック制御量とを導出すると共に、板材入側回転角速度ωに対する外乱dのフィードフォワード制御量SrFFを導出する(蛇行量測定値ysおよび圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eをフィードバックすると共に板材入側回転角速度ωに対する外乱dをフィードフォワードする)。
尚、外乱推定部203では、下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)S[k]を入力するが、板材入側回転角速度ωに対する外乱を推定して、実際に生じる板材入側回転角速度ωに対する外乱を補償する(事前に打ち消す)構成となる。このため、外乱推定部203を用いた、下流側圧延機2の圧延機位置における板圧延材5の蛇行量の制御は、フィードフォワード制御となる。
<動作フローチャート>
次に、図4のフローチャートを参照しながら、本実施形態の蛇行制御システムにおける処理の一例を説明する。
まず、ステップS401において、第1のゲイン導出部101は、(4)式に示したゲインp、qを導出する。
次に、ステップS402において、ロール速度導出部102は、上流側圧延機1と下流側圧延機2との間を走行する板圧延材5の速度vを、(29)式により計算する。
次に、ステップS403において、第2のゲイン導出部103は、フィードバックゲインfy、feと、フィードフォワードゲインfdを、(8)式、(12)式により計算する。
次に、ステップS404において、係数導出部104は、(27)式における係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oを、(26)式、(28)式により計算する。
次に、ステップS405において、出力部105は、ステップS403で計算されたフィードバックゲインfy、feおよびフィードフォワードゲインfdと、ステップS404で計算された係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oと、ステップS402で計算された板材速度vを、レベリング操作量演算器200に出力する。そして、入力部201は、係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oを入力し、外乱推定部203((27)式)に対して設定する。また、入力部201は、フィードフォワードゲインfdを入力し、レベリング操作量導出部204((11)式((30)式))に対して設定する。また、入力部201は、板材速度vを入力し、擬似微分部202((21)式)に対して設定する。ステップS405の処理が終了した後に、板圧延材5の圧延が開始される。
次に、ステップS406において、レベリング操作量演算器200は、制御タイミング特定変数kを0に設定する。
次に、ステップS407において、レベリング操作量演算器200は、上流側圧延機1において板圧延材5の圧延が終了するまで待機する。上流側圧延機1において板圧延材5の圧延が終了すると(ステップS407でYESと判定されると)、処理はステップS408に進む。処理がステップS408に進むと、レベリング操作量演算器200は、制御タイミング特定変数kに1を加算して、制御タイミング特定変数kを更新する。制御タイミング特定変数kが0から1に変更されると、制御タイミング特定変数k(=1)に対応する時刻tを現在時刻とする。
尚、制御タイミング特定変数kに1が加算されて制御タイミング特定変数kが更新されると、前回の制御タイミング特定変数kに制御周期Tを加算した時刻を、更新後の制御タイミング特定変数kに対応する時刻t(=kT)とし、当該時刻において、以下のステップS409〜S416の処理が実行される。
ステップS409において、擬似微分部202は、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻t(=kT)において、蛇行量測定値ys[k]が得られたか否かを判定する。この判定の結果、蛇行量測定値ys[k]が得られなかった場合(ステップS409でNO)の場合、処理は、後述するステップS413に進む。
一方、蛇行量測定値ys[k]が得られた場合(ステップS409でYESの場合)、処理は、ステップS410に進む。処理がステップS410に進むと、擬似微分部202は、蛇行量測定値ys[k]を取得して、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻t(=kT)での圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]を、(21)式により計算する。
次に、ステップS411において、外乱推定部203は、ステップS410で計算された圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]と、ステップS409で取得された蛇行量測定値ys[k]と、レベリング装置4から出力される下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)S[k]とに基づいて、(27)式により、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻t(=kT)での板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]を計算(推定)する。
次に、ステップS412において、レベリング操作量導出部204は、ステップS409で取得された蛇行量測定値ys[k]と、ステップS410で計算された圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]と、ステップS411で計算された板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]とに基づいて、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻t(=kT)での下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を、(11)式により計算する。
次に、ステップS414において、出力部205は、レベリング操作量導出部204により計算された下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]をレベリング装置4に出力する。
前述したようにステップS409において、蛇行量測定値ys[k]が得られなかった場合(ステップS409でNOの場合)、処理は、ステップS413に進む。処理がステップS413に進むと、レベリング操作量演算器200は、レベリング操作量Sr[k]を、ステップS414で最後に出力された値に保持し、ステップS414に進む。ステップS414の処理は上述の通りである。
次に、ステップS415において、レベリング装置4は、下流側圧延機2において板圧延材5の圧延が終了したか否かを判定する。この判定の結果、下流側圧延機2において板圧延材5の圧延が終了した場合(ステップS415でYESの場合)、図4のフローチャートによる処理が終了する。
一方、下流側圧延機2において板圧延材5の圧延が終了していない場合(ステップS415でNOの場合)、処理は、ステップS416に進む。処理がステップS416に進むと、レベリング装置4は、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻(=kT)において、ステップS414で出力された下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]に一致するように、下流側圧延機2のレベリング量を調整する。そして、処理は、ステップS408に戻り、制御タイミング特定変数kが更新され、更新後の制御タイミング特定変数kに対応する時刻(=kT)において、ステップS409〜S416の処理が実行される。
<まとめ>
以上のように本実施形態では、レベリング操作量演算器200は、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]を導出し、導出した圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]と、蛇行量測定値ys[k]と、下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)S[k]とを、1次元オブザーバに与え、当該1次元オブザーバにより、板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]を推定する。したがって、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]を、オブザーバを用いて推定することなく、(21)式で計算することにより、下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を導出することができる。このとき、オブザーバで推定するのは、板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]のみとなる。よって、板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]の推定値が整定するのに要する時間を短縮することができる。これにより、(11)式の右辺第3項の板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]のフィードフォワード制御量SrFFの効果が早く現れる。また、レベリング操作量演算器200は、板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]のフィードフォワード制御量SrFFと、蛇行量測定値ys[k]および圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]のフィードバック制御量SrFBとの加算値を下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]として導出することにより、(11)式の右辺第3項のフィードフォワード制御の効果に、右辺第1,第2項のフィードバック制御の効果も加算される。このうち、右辺第2項に用いる圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eはオブザーバを用いずに(21)式で計算されるので、右辺第2項のフィードバック制御の効果も早く現れる。以上のように本実施形態では、蛇行制御の応答を速めることができる。
尚、本実施形態では、上流側圧延機1において板圧延材5の圧延が終了した時刻を制御開始時刻とする場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、上流側圧延機1より1つ上流側に配置される圧延機において板圧延材5の圧延が終了した時刻を制御開始時刻としてもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。第1の実施形態では、蛇行量測定値ysおよび圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eをフィードバックすることと、板材入側回転角速度ωに対する外乱dをフィードフォワードすることとの双方を行う場合について説明した。ここで、(11)式の右辺第3項のフィードフォワード制御のみを実施する場合には、実際に必要な推定値は板材入側回転角速度ωに対する外乱dのみであるが、前提技術では、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eと、板材入側回転角速度ωに対する外乱dとを推定する2次元オブザーバを用いる必要がある。このように、前提技術では、フィードフォワード制御のみを実施する場合にも、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eと、板材入側回転角速度ωに対する外乱dとを推定する2次元オブザーバを用いる必要がある。
そこで、本実施形態では、(11)式の右辺第3項のフィードフォワード制御のみを実施する場合において、(21)式で計算される圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eと、蛇行量測定値ysと、下流側圧延機のレベリング量Sとから、板材入側回転角速度ωに対する外乱dのみを推定する1次元オブザーバ((3入力)1出力のオブザーバ)を構成する例を説明する(図1(b)を参照)。この1次元オブザーバは、外乱オブザーバとして機能し、従来の2次元オブザーバよりも次元が小さいので、推定値が整定する時間を短縮することができる。即ち、(11)式の右辺第3項のフィードフォワード制御のみを実施する場合、(11)式の右辺第3項の効果が早く現れて蛇行制御の応答が速くなる。以上のように本実施形態は、蛇行量測定値ysおよび圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eをフィードバックせずに、板材入側回転角速度ωに対する外乱dをフィードフォワードする場合について説明する。このように、本実施形態は、第1の実施形態において、蛇行量測定値ysおよび圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eをフィードバックするための構成および処理を省略したものとなる。したがって、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図2〜図4に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図5は、本実施形態の蛇行制御システムの構成の一例を示す図である。本実施形態の蛇行制御システムは、図2に示した第1の実施形態の蛇行制御システムと、セットアップ計算機100およびレベリング操作量演算器200が有する機能の一部が異なる。以下に、本実施形態のセットアップ計算機100およびレベリング操作量演算器200が有する機能のうち、第1の実施形態の蛇行制御システムが有する機能と異なる部分について説明する。
<セットアップ計算機100>
[第2のゲイン導出部503]
第1の実施形態の第2のゲイン導出部103では、フィードバックゲインfy、feと、フィードフォワードゲインfdとを、(8)式、(12)式により計算する。これに対し、本実施形態の第2のゲイン導出部503は、フィードバックゲインfy、feを0として、板材入側回転角速度ωに対する外乱dに対するフィードフォワードゲインfdを、(8)式、(12)式により計算する。
[出力部505]
第1の実施形態の出力部105では、板材速度vと、フィードバックゲインfy、feおよびフィードフォワードゲインfdと、係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oを、レベリング操作量演算器200に出力する。これに対し、本実施形態の出力部505は、板材速度vと、フィードフォワードゲインfdと、係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oを、レベリング操作量演算器200に出力する。
<レベリング操作量演算器200>
[入力部501]
第1の実施形態の入力部201は、板材速度vと、係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oと、フィードバックゲインfy、feとフィードフォワードゲインfdを入力する。これに対し、本実施形態の入力部501は、板材速度vと、係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oと、フィードフォワードゲインfdを入力する。
具体的に入力部501は、セットアップ計算機100(出力部505)から出力された係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oを入力し、外乱推定部203((27)式)に対して設定する。また、入力部501は、セットアップ計算機100(出力部505)から出力されたフィードフォワードゲインfdを入力し、レベリング操作量導出部504((11)式)に対して設定する。尚、本実施形態では、フィードバックゲインfy、feを0とするので、(11)式の右辺第1項(fys[k])および右辺第2項(fee[k])は0になる。また、入力部501は、セットアップ計算機100(出力部505)から出力された板材速度vを入力し、擬似微分部202((21)式)に対して設定する。
[レベリング操作量導出部504]
第1の実施形態のレベリング操作量導出部204は、フィードバックゲインfy、feを0とせずに、擬似微分部202により導出された圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]と、蛇行量測定値ys[k]と、外乱推定部203により導出された板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]とに基づいて、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻t(=kT)での下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を、(11)式により計算する。これに対し、本実施形態のレベリング操作量導出部504は、(11)式において、フィードバックゲインfy、feを0とした以下の(30)式により、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻t(=kT)での下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を計算する。
Figure 2020044554
以上のように本実施形態では、蛇行量測定値ysのフィードバック制御量と、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eのフィードバック制御量とを計算せず(蛇行量測定値ysおよび圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eをフィードバックせず)に、板材入側回転角速度ωに対する外乱dのフィードフォワード制御量SrFFのみを計算する(板材入側回転角速度ωに対する外乱dをフィードフォワードする)。
<動作フローチャート>
本実施形態の蛇行制御システムにおける処理は、図4のフローチャートにより実現することができる。
ただし、ステップS403において、第2のゲイン導出部503は、フィードバックゲインfy、feを0とし、フィードフォワードゲインfdを、(8)式、(12)式により計算する。
また、ステップS405において、出力部505は、ステップS402で計算された板材速度vと、ステップS403で計算されたフィードフォワードゲインfdと、ステップS404で計算された係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oを、レベリング操作量演算器200に出力する。
また、ステップS412において、レベリング操作量導出部504は、ステップS411で計算された板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]に基づいて、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻t(=kT)での下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を、(30)式により計算する。
<まとめ>
以上のように本実施形態では、レベリング操作量演算器200は、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]を導出し、導出した圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]と、蛇行量測定値ys[k]と、下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)S[k]とを、1次元オブザーバに与え、当該1次元オブザーバにより、板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]を推定し、板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]のフィードフォワード制御量SrFFを下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]として導出することにより、(11)式の右辺第3項のフィードフォワード制御の効果が早く現れ、蛇行制御の応答を速めることができる。
本実施形態においても、第1の実施形態で説明した種々の変形例を採用することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態を説明する。第1の実施形態では、蛇行量測定値ysおよび圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eをフィードバックすることと、板材入側回転角速度ωに対する外乱dをフィードフォワードすることとの双方を行う場合について説明した。ここで、(11)式の右辺第1,第2項のフィードバック制御のみを実施する場合には、実際に必要な推定値は圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eのみであるが、前提技術では、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eと、板材入側回転角速度ωに対する外乱dとを推定する2次元オブザーバとする必要がある。このように、前提技術では、フィードバック制御のみを実施する場合にも、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eと、板材入側回転角速度ωに対する外乱dとを推定する2次元オブザーバを用いる必要がある。
そこで、本実施形態では、(11)式の右辺第1,第2項のフィードバック制御のみを実施する場合において、オブザーバを不要とし、オブザーバの推定値の代わりに(21)式の計算値を用いることにより、右辺第2項の効果が早く現れ、蛇行制御の応答が速くなるようにする。このように、本実施形態では、板材入側回転角速度ωに対する外乱dをフィードフォワードせずに、蛇行量測定値ysおよび圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eをフィードバックする場合について説明する。このように、本実施形態は、第1の実施形態において、板材入側回転角速度ωに対する外乱dをフィードフォワードするための構成および処理を省略したものとなる。したがって、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図2〜図4に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図6は、本実施形態の蛇行制御システムの構成の一例を示す図である。本実施形態の蛇行制御システムは、図2に示した第1の実施形態の蛇行制御システムと、セットアップ計算機100およびレベリング操作量演算器200が有する機能の一部が異なる。以下に、本実施形態のセットアップ計算機100およびレベリング操作量演算器200が有する機能のうち、第1の実施形態の蛇行制御システムが有する機能と異なる部分について説明する。
<セットアップ計算機100>
[第2のゲイン導出部603]
第1の実施形態の第2のゲイン導出部103では、フィードバックゲインfy、feと、フィードフォワードゲインfdとを、(8)式、(12)式により計算する。これに対し、本実施形態の第2のゲイン導出部603は、フィードフォワードゲインfdを0として、蛇行量測定値ysに対するフィードバックゲインfyと、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eに対するフィードバックゲインfeを(8)式、(12)式により計算する。
[出力部605]
第1の実施形態の出力部105では、板材速度vと、フィードバックゲインfy、feおよびフィードフォワードゲインfdと、係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oを、レベリング操作量演算器200に出力する。これに対し、本実施形態の出力部605は、板材速度vと、フィードバックゲインfy、feを、レベリング操作量演算器200に出力する。尚、本実施形態では、オブザーバを用いないので、係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oを導出する係数導出部104は不要になる。
<レベリング操作量演算器200>
[入力部601]
第1の実施形態の入力部201は、板材速度vと、係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oと、フィードバックゲインfy、feとフィードフォワードゲインfdを入力する。これに対し、本実施形態の入力部601は、板材速度vと、フィードバックゲインfy、feを入力する。
具体的に入力部601は、セットアップ計算機100(出力部505)から出力されたフィードバックゲインfy、feを入力し、レベリング操作量導出部604((11)式)に対して設定する。尚、本実施形態では、フィードフォワードゲインfdを0とするので、(11)式の右辺第3項(fdd[k])は0になる。また、入力部601は、セットアップ計算機100(出力部605)から出力された板材速度vを入力し、擬似微分部202((21)式)に対して設定する。
[レベリング操作量導出部604]
第1の実施形態のレベリング操作量導出部204は、フィードフォワードゲインfdを0とせずに、擬似微分部202により導出された圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]と、蛇行量測定値ys[k]と、外乱推定部203により導出された板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]とに基づいて、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻t(=kT)での下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を、(11)式により計算する。これに対し、本実施形態のレベリング操作量導出部604は、(11)式において、フィードフォワードゲインfdを0とした以下の(31)式により、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻t(=kT)での下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を計算する。尚、前述したように本実施形態では、外乱推定部203を用いない。
Figure 2020044554
以上のように本実施形態では、材入側回転角速度ωに対する外乱dのフィードフォワード制御量を計算せず(材入側回転角速度ωに対する外乱dをフィードフォワードせず)に、蛇行量測定値ysのフィードバック制御量と、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eのフィードバック制御量のみをフィードバック制御量SrFBとして計算する(蛇行量測定値ysおよび圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eをフィードバックする)。
<動作フローチャート>
本実施形態の蛇行制御システムにおける処理は、図4のフローチャートにより実現することができる。
ただし、ステップS403において、第2のゲイン導出部603は、フィードフォワードゲインfdを0とし、フィードバックゲインfy、feを、(8)式、(12)式により計算する。また、ステップS404の処理(係数A−od、K−od、B−od、C−o、D−oの計算)は行われない。
また、ステップS405において、出力部605は、ステップS402で計算された板材速度vと、ステップS403で計算されたフィードバックゲインfy、feを、レベリング操作量演算器200に出力する。
また、ステップS411の処理(板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]の計算)は行われない。そして、ステップS412において、レベリング操作量導出部604は、ステップS409で取得された蛇行量測定値ys[k]と、ステップS410で計算された圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]とに基づいて、制御タイミング特定変数kの現在値に対応する時刻t(=kT)での下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を、(31)式により計算する。
<まとめ>
以上のように本実施形態では、レベリング操作量演算器200は、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]を導出し、導出した圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]のフィードバック制御量fee[k]と、蛇行量測定値ys[k]のフィードバック制御量fys[k]との加算値(フィードバック制御量SrFB)を下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]として導出することにより、オブザーバを用いて圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]を求める前提技術を適用した場合よりも、(11)式の右辺第2項のフィードバック制御の効果が早く現れ、蛇行制御の応答を速めることができる。
本実施形態においても、第1の実施形態で説明した種々の変形例を採用することができる。
以上のように第1〜第3の実施形態の何れの形態においても、レベリング量演算器200は、蛇行計20により測定された板圧延材5の蛇行量の測定値を擬似微分することにより、圧延機位置における板圧延材5の蛇行量の時間微分値の計算値(圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k])を導出する擬似微分部202と、擬似微分部202により導出された圧延機位置における板圧延材の蛇行量5の時間微分値の計算値(圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k])を用いて、圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を導出するレベリング操作量導出部204、504、604と、を有する構成になる。
(計算例)
次に、本実施形態の蛇行制御システムをコンピュータシミュレーションした結果を説明する。
ここでは、7台の圧延機からなるタンデム圧延機で、板厚25mm、板幅1000mmの板圧延材を、板厚1.6mmに圧延するシミュレーションを行う場合を例に挙げて説明する。第5圧延機を上流側圧延機1とし、第6圧延機を下流側圧延機2として、下流側圧延機2の圧延機位置における板圧延材5の蛇行を制御するシミュレーションを実施した。上流側圧延機1と下流側圧延機2との、板圧延材5の通板方向(X軸方向)の間の距離は5.5mである。蛇行計20による板圧延材5の測定位置から、下流側圧延機2の圧延機位置までの通板方向(X軸方向)の距離Lは2.75mである。板材速度(下流側圧延機2と蛇行計20との間を走行する板圧延材5の速度)vは9.49m/sである。制御周期Tは0.01sである。また、板材入側回転角速度ωに対する外乱dを5×10-6rad/sとした。
<第1の計算例>
まず、第2の実施形態に対する計算例について説明する。
ここでは、下流側圧延機2のレベリング操作量Srを計算する際に、(11)式の右辺第3項である板材入側回転角速度ωに対する外乱dのフィードフォワード制御のみを適用する場合(fy=fe=0)のシミュレーションを行った。
比較例1におけるシミュレーションの内容は以下の通りである。
比較例1では、特許文献1に記載された方法で、蛇行量測定値ys[k]と、下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)S[k]とから、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]と、板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]とを、(16)式を制御周期Tで離散化して表した2次元オブザーバで推定する。そして、2次元オブザーバで推定した板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]の推定値を(30)式に代入して、下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を計算する。そして、下流側圧延機2のレベリング操作量が下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]になるようにレベリング装置4を動作させるシミュレーションを実施する。比較例1では、これらを制御周期Tが経過するたびに繰り返し行う。
発明例1におけるシミュレーションの内容は以下の通りである。
発明例1では、第2の実施形態と同様に、蛇行量測定値ys[k]から(21)式を用いて、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]を計算する。そして、このようにして計算した圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]の計算値と、蛇行量測定値ys[k]と、下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)S[k]とから、板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]を、(27)式の1次元オブザーバで推定する。そして、1次元オブザーバで推定した板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]の推定値を(30)式に代入して、下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を計算する。そして、下流側圧延機2のレベリング操作量が下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]になるようにレベリング装置4を動作させるシミュレーションを実施する。比較例1では、これらを制御周期Tが経過するたびに繰り返し行う。
以上の点以外は、発明例1と比較例1とで同じ条件でシミュレーションを行った、
比較例1の結果を図7に示し、発明例1の結果を図8に示す。
図7(a)、図8(a)は、板圧延材5の蛇行量と、上流側圧延機1の圧延終了時からの経過時間との関係を示す。図7(a)、図8(a)の実線は、圧延機位置蛇行量ycを示し、破線は、蛇行量測定値ysを示す。
図7(b)、図8(b)は、下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)Sと、上流側圧延機1の圧延終了時からの経過時間との関係を示す。
図7(c)、図8(c)は、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eと、上流側圧延機1の圧延終了時からの経過時間との関係を示す。図7(c)、図8(c)の破線は真値を示し、図7(c)の実線は(オブザーバによる)推定値を示し、図8(c)の実線は計算値(擬似微分値)を示す。
図7(d)、図8(d)は、板材入側回転角速度ωに対する外乱dと、上流側圧延機1の圧延終了時からの経過時間との関係を示す。図7(d)、図8(d)の破線は真値を示し、実線は推定値を示す。
比較例1では、図7(c)、図7(d)においてそれぞれ実線で示す圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e、板材入側回転角速度ωに対する外乱dの推定値の応答が遅く、図7(b)に示す下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)Sも緩慢にしか変化しない。このため、図7(a)において実線で示す圧延機位置蛇行量ycの最大値は25mmであり、下流側圧延機2の圧延機位置における板圧延材5の蛇行量の抑制効果が制限される。
これに対して、発明例1では、図8(c)において実線で示す圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e(計算値)は、破線で示す真値とほぼ一致しており、図8(d)において実線で示す板材入側回転角速度ωに対する外乱d(推定値)の応答が速く、図8(b)に示す下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)Sも俊敏に変化する。このため、図8(a)において実線で示す圧延機位置蛇行量ycの最大値は17mmに低減され、下流側圧延機2の圧延機位置における板圧延材5の蛇行量の抑制効果が大きくなる。
<第2の計算例>
次に、第1の実施形態に対する計算例について説明する。
ここでは、下流側圧延機2のレベリング操作量Srを導出する際に、(11)式の右辺第3項である板材入側回転角速度ωに対する外乱dのフィードフォワードに加えて、右辺第1項である蛇行量測定値ysのフィードバック制御と、右辺第2項である圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eのフィードバック制御も併用した場合のシミュレーションを行った。
比較例2におけるシミュレーションの内容は以下の通りである。
比較例2では、特許文献1に記載された方法で、蛇行量測定値ys[k]と、下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)S[k]とから、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]と、板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]とを、(16)式を制御周期Tで離散化して表した2次元オブザーバで推定する。そして、蛇行量測定値ys[k]を(11)式の右辺第1項に、2次元オブザーバで推定した圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]の推定値を右辺第2項に、2次元オブザーバで推定した板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]の推定値を右辺第3項にそれぞれ代入して、下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を計算する。そして、下流側圧延機2のレベリング操作量が下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]になるようにレベリング装置4を動作させるシミュレーションを実施する。比較例2では、これらを制御周期Tが経過するたびに繰り返し行う。
発明例2におけるシミュレーションの内容は以下の通りである。
発明例2では、第1の実施形態と同様に、蛇行量測定値ys[k]から(21)式を用いて、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]を計算する。そして、このようにして計算した圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]の計算値と、蛇行量測定値ys[k]と、下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)S[k]とから、板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]を、(27)式の1次元オブザーバで推定する。そして、蛇行量測定値ys[k]を(11)式の右辺第1項に、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e[k]の計算値を右辺第2項に、1次元オブザーバで推定した板材入側回転角速度ωに対する外乱d[k]の推定値を右辺第3項にそれぞれ代入して、下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]を計算する。そして、下流側圧延機2のレベリング操作量が下流側圧延機2のレベリング操作量Sr[k]になるようにレベリング装置4を動作させるシミュレーションを実施する。発明例2では、これらを制御周期Tが経過するたびに繰り返し行う。
以上の点以外は、発明例2と比較例2とで同じ条件でシミュレーションを行った、
比較例2の結果を図9に示し、発明例2の結果を図10に示す。図9(a)、図10(a)の縦軸、横軸、実線、破線で示されるものは、図7(a)、図8(a)と同じであり、図9(b)、図10(b)の縦軸、横軸、実線で示されるものは、図7(b)、図8(b)と同じであり、図9(c)、図10(c)の縦軸、横軸、実線、破線で示されるものは、図7(c)、図8(c)と同じであり、図9(d)、図10(d)の縦軸、横軸、実線で示されるものは、図7(d)、図8(d)と同じである。
比較例2では、図9(c)、図9(d)においてそれぞれ実線で示す圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e、板材入側回転角速度ωに対する外乱dの推定値の応答が遅く、図9(b)に示す下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)Sも緩慢にしか変化しない。このため、図9(a)において実線で示す圧延機位置蛇行量ycの最大値は14mmであり、下流側圧延機2の圧延機位置における板圧延材5の蛇行量の抑制効果が制限される。
これに対して、発明例2では、図10(c)において実線で示す圧延機位置蛇行量ycの時間微分値e(計算値)は、破線で示す真値とほぼ一致しており、図10(d)において実線で示す板材入側回転角速度ωに対する外乱d(推定値)の応答が速く、図10(b)に示す下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)Sも俊敏に変化する。このため、図10(a)において実線で示す圧延機位置蛇行量ycの最大値は10mmに低減され、下流側圧延機2の圧延機位置における板圧延材5の蛇行量の抑制効果が大きくなる。
以上のように、蛇行量測定値ysから(21)式を用いて圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eを計算し、蛇行量測定値ysと、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eの計算値と、下流側圧延機2のレベリング量(の実績値)Sとから、板材入側回転角速度ωに対する外乱dを、(27)式で表される1次元オブザーバで推定することで、板材入側回転角速度ωに対する外乱dの推定値が整定するまでの時間が短縮し、この結果、蛇行制御の応答性が速くなり、蛇行量が低減される。また、板材入側回転角速度ωに対する外乱dのフィードフォワードに加えて、蛇行量測定値ysのフィードバック制御と、圧延機位置蛇行量ycの時間微分値eのフィードバック制御も併用することで、圧延機位置蛇行量ycをより一層小さくことができる。
(その他の実施形態)
尚、以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1:上流側圧延機、2:下流側圧延機、3a、3b:荷重計、4:レベリング装置、5:板圧延材、100:セットアップ計算機、200:レベリング装置、101:第1のゲイン導出部、102:ロール速度導出部、103・503・603:第2のゲイン導出部、104:係数導出部、105・505・605:出力部、201・501・601:入力部、202:擬似微分部、203:外乱推定部、204・504・604:レベリング操作量導出部、205:出力部

Claims (6)

  1. 圧延機と、
    前記圧延機の上流側の位置に設置され、通板中の板圧延材の蛇行量を測定する蛇行計と、
    を有し、圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量を制御する蛇行制御システムであって、
    前記蛇行計により測定された前記板圧延材の蛇行量の測定値を擬似微分した値を、前記圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量の時間微分値の計算値として導出する擬似微分手段と、
    前記擬似微分手段により導出された前記圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量の時間微分値の計算値を用いて、前記圧延機のレベリング操作量を導出する導出手段と、を有する、ことを特徴とする蛇行制御システム。
  2. 前記擬似微分手段は、以下の(A)式により、前記圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量の時間微分値の計算値e[k]を導出する、ことを特徴とする請求項1に記載の蛇行制御システム。
    Figure 2020044554
    ただし、Lは、前記圧延機と、前記蛇行計との間の前記板圧延材の通板方向における距離であり、vは、前記圧延機と前記蛇行計との間を走行する前記板圧延材の速度であり、[k]は、時刻t=kTにおける値であることを示す記号であり、Tは、前記蛇行量の制御周期である。
  3. 1次元オブザーバを用いて、前記擬似微分手段により導出された前記圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量の時間微分値の計算値と、前記蛇行計により測定された前記板圧延材の蛇行量の測定値と、前記圧延機のレベリング量の実績値とから、前記圧延機の入側において前記板圧延材に生じる回転角速度に対する外乱の推定値を導出する推定手段を更に有し、
    前記導出手段は、前記推定手段により推定された前記外乱の推定値をフィードフォワードすることにより、当該外乱の推定値に基づいて前記圧延機のレベリング操作量を導出する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の蛇行制御システム。
  4. 1次元オブザーバを用いて、前記擬似微分手段により導出された前記圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量の時間微分値の計算値と、前記蛇行計により測定された前記板圧延材の蛇行量の測定値と、前記圧延機のレベリング量の実績値とから、前記圧延機の入側において前記板圧延材に生じる回転角速度に対する外乱の推定値を導出する推定手段を更に有し、
    前記導出手段は、前記推定手段により推定された前記外乱の推定値をフィードフォワードすると共に、前記蛇行計により測定された前記板圧延材の蛇行量の測定値と、前記擬似微分手段により導出された前記圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量の時間微分値の計算値とをフィードバックすることにより、当該外乱の推定値と、当該板圧延材の蛇行量の測定値と、当該圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量の時間微分値の計算値とに基づいて前記圧延機のレベリング操作量を導出する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の蛇行制御システム。
  5. 圧延機と、
    前記圧延機の上流側の位置に設置され、通板中の板圧延材の蛇行量を測定する蛇行計と、
    を用いて、圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量を制御する蛇行制御方法であって、
    前記蛇行計により測定された前記板圧延材の蛇行量の測定値を擬似微分した値を、前記圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量の時間微分値の計算値として導出する擬似微分工程と、
    前記擬似微分工程により導出された前記圧延機位置における前記板圧延材の蛇行量の時間微分値の計算値を用いて、前記圧延機のレベリング操作量を導出する導出工程と、を有する、ことを特徴とする蛇行制御方法。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載の蛇行制御システムの各手段としてコンピュータを機能させる、ことを特徴とするプログラム。
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