JP2004074207A - 圧延材の製造方法及び蛇行制御装置 - Google Patents

圧延材の製造方法及び蛇行制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧延材の蛇行量を推定し、推定した蛇行量に基づいて圧延スタンドのレベリング量を操作することにより、蛇行制御精度を向上することができる圧延材の製造方法及び蛇行制御装置の提供を目的とする。
【解決手段】圧延スタンドFと圧延スタンドFとの間に備えた蛇行量検出装置60により圧延材90の蛇行量を検出し、検出した蛇行量に基づいて、圧延スタンドFの圧下位置における蛇行量を推定し、推定した蛇行量に基づいてレベリング量演算装置40が、圧延スタンドF、F、及びFのレベリング量を算出し、算出したレベリング量をレベリング装置15、16、及び17へ出力することによって圧延材90の蛇行を制御する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧延材を圧延する際に生じる圧延材の蛇行を制御し、更に詳しくは、蛇行量を低減し、絞り込み現象を防止するための圧延材の製造方法及び蛇行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧延材の圧延工程中に、圧延材が圧延装置の目標とする幅方向中心位置からはずれ、圧延ロールの端部方向へ移動する現象(以下、蛇行という)が発生する場合がある。蛇行が発生すれば、圧延材の製品品質(平坦度)が低下してしまい、更に蛇行量が大きくなれば、圧延材がサイドガイドに接触し、屈曲状態となって圧延される絞り込み現象が発生するため、圧延ロールに傷が生じ、圧延ロールのメンテナンス作業又は交換作業が必要となり生産性が低下する。また、圧延ロールに生じた傷はロール表面を研磨することによって除去できるが、研磨によって圧延ロールの寿命が短くなり生産コストが上昇する。従って、圧延材の蛇行を制御する技術は、前述したトラブルを防止するために必要不可欠であり、生産性向上及び生産コスト抑制の観点から重要な技術である。
【0003】
そこで、特開平8−39123号公報に開示されているように、圧延スタンドの入側における圧延材の蛇行量を蛇行量検出装置により検出し、検出した蛇行量に基づいて圧延スタンドの圧下位置における幅方向差であるレベリング量を操作し、圧延材の蛇行を防止する技術が実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圧延材がサイドガイドに接触するのを防止するためにはサイドガイド位置での圧延材の蛇行量を制御する必要があるが、前述した特開平8−39123号公報に開示されている技術では、蛇行を防止するためのレベリング量を決定する評価位置を、圧延スタンドの上流に設置した蛇行量検出装置の設置位置としているため、圧延材が蛇行量検出装置より下流に進行すると圧延材の直進運動及び回転運動等によって蛇行量が変化し、結果として誤差を含んだレベリング量が操作され、絞り込み現象等のトラブルが発生するという問題があった。また、蛇行量検出装置から大きく離隔した下流側の圧延スタンドほど、蛇行量検出装置により検出された蛇行量と実際の蛇行量との間の誤差が大きくなるため、蛇行制御の精度が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、蛇行量検出装置により検出された蛇行量に基づいて蛇行量検出装置より下流側の圧延スタンドのレベリング量を直接操作するのではなく、まず、蛇行量検出装置より下流位置における圧延材の蛇行量を推定し、次に、推定した蛇行量に基づいて蛇行量検出装置より下流の圧延スタンドのレベリング量を操作することにより、精度良く蛇行を制御して、絞り込み現象等のトラブル発生を防止することができる圧延材の製造方法及び蛇行制御装置の提供を主たる目的とする。
【0006】
また本発明は、推定した蛇行量及びレベリング量を変数とした評価関数が最小となるように、圧延スタンドのレベリング量を操作することにより、制御精度を向上することができる圧延材の製造方法等の提供を目的とする。
【0007】
更に本発明は、蛇行量検出装置より下流側の圧延スタンドの内、最上流の圧延スタンド(以下、蛇行量検出装置直後の圧延スタンドという)より下流側の圧延スタンドの入出側における圧延材のウエッジ率が変化しないように、前記下流側の圧延スタンドのレベリング量を操作することにより、下流側のすべての圧延スタンドにおける圧延材の蛇行量を制御することができる圧延材の製造方法等の提供を目的とする。
【0008】
また更に本発明は、蛇行量を推定する所定位置における張力の有無によって圧延材の蛇行量が異なるため、前記張力の有無によって異なる推定式を用いて蛇行量を推定し、推定した蛇行量に基づいて、蛇行量を推定した位置を含む下流側の圧延スタンドのレベリング量を操作することにより、圧延材の蛇行量を制御することができる圧延材の製造方法等の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る圧延材の製造方法は、複数の圧延スタンドを備えた圧延装置を用いて圧延材を圧延するに際し、一の圧延スタンドの上流側に備えた蛇行量を検出する蛇行量検出装置により圧延材の蛇行量を検出し、検出した蛇行量に基づいて圧延スタンドのレベリング量を操作することにより、圧延材の蛇行を制御する圧延材の製造方法において、検出した蛇行量に基づいて、前記蛇行量検出装置より下流側の所定位置における圧延材の蛇行量を推定し、推定した蛇行量に基づいて、下流側の圧延スタンドのレベリング量を操作することを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る圧延材の製造方法においては、検出した蛇行量に基づいて、前記蛇行量検出装置より下流側の圧延スタンドの内、最上流の圧延スタンドの圧下位置における圧延材の蛇行量を推定し、推定した蛇行量に基づいて、前記圧延スタンドのレベリング量を操作することを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る圧延材の製造方法においては、前記推定した蛇行量及びレベリング量を変数とした評価関数が最小となるようにレベリング量を操作することを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る圧延材の製造方法においては、前記レベリング量を操作した圧延スタンドより下流側の圧延スタンドの入側と出側とにおける圧延材のウエッジ率が変化しないように、前記下流側の圧延スタンドのレベリング量を操作することを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る圧延材の製造方法においては、前記蛇行量検出装置より下流側の所定位置における張力の有無によって異なる推定式を用いて、前記蛇行量検出装置より下流側の圧延スタンドの圧下位置における圧延材の蛇行量を推定することを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る蛇行制御装置は、複数の圧延スタンドを備えた圧延装置と、一の圧延スタンドの上流側に圧延材の蛇行量を検出する蛇行量検出装置と、圧延スタンドのレベリング量を制御する手段とを備え、圧延材の蛇行を制御する構成とした蛇行制御装置において、前記蛇行量検出装置により検出した蛇行量に基づいて、前記蛇行量検出装置より下流側の所定位置における圧延材の蛇行量を推定する手段と、推定した蛇行量に基づいて、前記圧下位置を含む下流側の圧延スタンドのレベリング量を算出する手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項1及び請求項6の発明にあっては、圧延装置を構成する一の圧延スタンドの上流側に設けた蛇行量検出装置によって検出された圧延材の蛇行量から、前記蛇行量検出装置より下流側の蛇行量の検出が不可能な圧延スタンドの圧下位置での圧延材の蛇行量を推定し、推定した蛇行量に基づいて、蛇行量を推定した位置に設置された圧延スタンドのレベリング量を操作することにより、前記圧延スタンドにおける圧延材の蛇行量を制御し、蛇行制御の精度を向上することができる。
【0016】
請求項2の発明にあっては、一の圧延スタンドの上流側に設けた蛇行量検出装置によって検出された圧延材の蛇行量から、前記蛇行量検出装置直後の圧延スタンドの圧下位置での圧延材の蛇行量を推定し、推定した蛇行量に基づいて、蛇行量を推定した位置に設置された圧延スタンドが備えるレベリング装置のレベリング量を操作することにより、前記圧延スタンドにおける圧延材の蛇行量を制御し、蛇行制御の精度を向上することができる。
【0017】
請求項3の発明にあっては、推定した蛇行量及びレベリング量を変数とした評価関数が最小となるように、レベリング装置のレベリング量を操作することにより、操作するレベリング量に制限を設けることができ、大きなレベリング操作を防止することができる。
【0018】
請求項4の発明にあっては、蛇行量検出装置直後の圧延スタンドより下流側の圧延スタンドの入出側における圧延材のウエッジ率が変化しないように、前記下流側の圧延スタンドが備えるレベリング装置のレベリング量を操作することにより、下流側のすべての圧延スタンドにおける圧延材の蛇行量を制御し、圧延材のウエッジ率の変化を抑制することができる。
【0019】
請求項5の発明にあっては、蛇行量検出装置直後の圧延スタンドの入側における張力の有無によって圧延材の推定蛇行量が異なるため、前記張力の有無によって異なる推定式を用いて蛇行量を推定し、推定した蛇行量に基づいて、蛇行量を推定した位置を含む下流側の圧延スタンドが備えるレベリング装置のレベリング量を操作することにより、圧延材の蛇行量を制御し、蛇行制御の精度を向上することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面及び数式に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る圧延材の蛇行を制御する方法を説明するための図である。図中90は圧延材であり、図の左側から右側へ移動しながら、パスラインの上下に一対のワークロールF1a,F2a,…,FNaと、ワークロールF1a,F2a,…,FNaを支持するバックアップロールF1b,F2b,…,FNbとを備えた圧延スタンドF1 ,F2 ,…,FN から構成されるタンデム型の圧延装置により所定の板厚に圧延される。圧延スタンドFi−1 と圧延スタンドFi との間には、蛇行量検出装置60が圧延スタンドFi の圧下位置からパスライン上流側(以下、上流側という)に距離L離隔して設置されており、その位置での圧延材90の蛇行量を検出する。
【0021】
圧延スタンドFの圧下位置を位置xの座標原点(x=0)、圧延材90の進行方向(パスライン下流方向)を正方向と定義し、圧延速度vで進行する圧延材90の時刻tにおける回転角速度をω(t)、及び時刻t=0の位置x(−L≦x≦0)における蛇行量をf0 (x)とすると、圧延スタンドFから離隔した位置xにおける圧延材90の蛇行量y(x,t)は、直進運動に起因する蛇行量と、回転運動に起因する蛇行量とを加算した合成式(式1)を用いて算出することができる。ここで、蛇行量y(x,t)は、圧延装置の目標とする幅方向中心位置からの圧延材90のずれ量であり、圧延材90の進行方向に向かって左側に蛇行した場合を正方向とする。また、定常圧延状態をt=0とすれば、時刻t=0の位置xにおける蛇行量f(x)は、一般に位置xに関して線形であるとみなせるので、式2のように近似できる。
【0022】
【数1】
Figure 2004074207
【0023】
圧延スタンドFの圧下位置に対し距離L離隔し、上流側に設置された蛇行量検出装置60の設置位置(x=−L)における圧延材90の蛇行量の変化量(以下、検出蛇行量という)ys 、及び圧延スタンドFi の圧下位置に対し距離L’(L’<L)離隔し、上流側の位置(x=−L’)における圧延材90の蛇行量の変化量(以下、推定蛇行量という)yc は、式1及び式2から導出される式3及び式4を用いて夫々算出することができる。
【0024】
【数2】
Figure 2004074207
【0025】
式3及び式4においてg=0とみなせる場合には、検出蛇行量ys (t)及び推定蛇行量yc (t)をラプラス変換することによって、(L/v・s+1)・yc (s)=(L’/v・s+1)・ys (s)の関係が成立し、蛇行量検出装置60の設置位置における蛇行量がパスライン下流側(以下、下流側という)の位置に変化して表れることになる。従って、蛇行量検出装置60により検出された検出蛇行量ys に基づいて、蛇行量検出装置60より下流側における圧延材90の蛇行量yc を推定し、推定した推定蛇行量yc に基づいて、圧延スタンドFj のレベリング量Sj を決定することにより、実際に圧延材90の蛇行を制御すべき位置(x=−L’)における蛇行量に基づいた制御が可能となり、蛇行制御の精度を向上することができる。
【0026】
なお、蛇行量の推定位置及びレベリング量の評価位置としては、絞り込み現象が発生するサイドガイドの設置位置とすることが考えられるが、通常、サイドガイドは蛇行量検出装置60直後の圧延スタンドFi の入側に近接して設置されており、加えて蛇行量検出装置60直後の圧延スタンドFi により下流側の圧延スタンドFj (j=i+1,i+2,…,N)の圧下位置における蛇行量が影響を受けるため、圧延スタンドFi の圧下位置における蛇行量を推定することが望ましい。
【0027】
以下、蛇行量検出装置60直後の圧延スタンドFi の圧下位置における推定蛇行量yc を推定し、その圧延スタンドFi のレベリング量Si を決定し操作する場合について説明する。蛇行量検出装置60直後の圧延スタンドFi のレベリング量Si を操作することにより、圧延材90の回転角速度ωが、ω(t)=p・Si (t)+q・yc (t)+d(t)のように変化する。従って、推定蛇行量yc は、式4に示すように、この回転角速度ωを2重積分することにより算出されるので、レベリング量Si の操作により推定蛇行量yc に影響を与えるまでには時間(遅延時間)を要する。ここで、pはレベリングによる回転角速度ωへの第1影響係数、及びqは蛇行による回転角速度ωへの第2影響係数であり、dはその他の外乱因子である。
【0028】
従って、この遅延時間を考慮してレベリング量Si をより適切に決定するために、推定蛇行量yc からなる制御効果を表す項と、不必要に大きなレベリング操作を防止するためのレベリング量Si からなるペナルティー項とを含んだ評価関数を予め設定し、評価関数が小さくなるように蛇行量検出装置60直後の圧延スタンドFi のレベリング量Si を決定する。
【0029】
また、レベリングを操作する圧延スタンドFi が最下流の圧延スタンドFN 以外の場合には、レベリングを操作した圧延スタンドFi より下流において圧延材90が回転し、圧延材90のウエッジ量(圧延材90の幅方向両端部の板厚差)が変化する。これを抑制するには、レベリングを操作した圧延スタンドFより下流側の圧延スタンドFi+1 ,Fi+2 ,…,FN の夫々の入側と出側とにおける圧延材90のウエッジ率(ウエッジ量/平均板厚)が変化しないように、レベリングを操作した圧延スタンドFi より下流側の圧延スタンドFi+1 ,Fi+2 ,…,FN のレベリングも操作し、幅方向両端部における圧延材90の速度差が発生しないようにする。
【0030】
更に、圧延材90の尾端が蛇行量検出装置60より上流側の圧延スタンドの内、最下流の圧延スタンドFi−1 を通過して(抜けて)、レベリングを操作する圧延スタンドFi の入側張力が無張力になっているような場合には、前述した第1影響係数p及び第2影響係数qは、回転に対する拘束力がなくなるため張力がかかっている場合より大きい。従って、圧延スタンドFi の入側張力の有無によって、推定蛇行量yc の推定式を使い分けることで推定蛇行量yc の推定精度がさらに向上する。例えば、圧延スタンドFi−1 にかかる荷重量を検出し、検出した荷重量に基づいて圧延スタンドFi の入側張力の有無を判定すればよい。
【0031】
以下、蛇行量の推定位置及びレベリング量の評価位置を、圧延スタンドFi の圧下位置(式4においてL’=0)とした場合を例に説明する。
まず、圧延スタンドFi の圧下位置における圧延材90の蛇行量を推定する方法について説明する。前述したように、蛇行及びレベリング以外の左右剛性差及び圧延スタンドFi の入側におけるウエッジ量等の圧延材90の回転角速度ωに対する外乱因子をdとすると、圧延材90の回転角速度ωは式5で表すことができる。
【0032】
【数3】
Figure 2004074207
【0033】
ここで、式6に示すように蛇行量の一要素をx1 と定義し、時間周期Tで離散(差分)化(dF(t)/dt=(F(t+T)−F(t))/T=(F[k+1]−F[k])/T)すると、式4、式5、及び式6より、式7及び式8の離散時間系線形システムの状態方程式を得る。
【0034】
【数4】
Figure 2004074207
【0035】
式7及び式8より、第k+j離散時刻(j≧1)時の圧延スタンドFi の圧下位置における圧延材90の推定蛇行量〈yc [k+j]〉は、第k離散時刻時の状態量X[k]と、第k離散時刻以降かつ第k+j−1離散時刻以前のレベリング量(Si [k+l](0≦l≦j−1))とからなる式9の畳み込み演算を用いて推定できる。通常、推定量は、ハット記号”^”を用いるが、本明細書では記号”〈〉”を用いる。
【0036】
【数5】
Figure 2004074207
【0037】
状態量X[k]のうち、ys [k]以外は実際に検出することはできないが、x1 [k]及びd[k]は後述するオブザーバを用いて推定することができる。また、g[k]は、パスライン上を適長離隔して設置された2台の蛇行量検出装置を用いて同時刻の蛇行量を検出し、検出した蛇行量の差から式2を用いて近似的に求めることができる。なお、定常圧延状態から制御を開始する場合においては、パスラインの任意の位置での同時刻における蛇行量の差異が少ない(f(x)=f0 (0))とみなせるのでg[k]を無視(g[k]=0)してもよい(式2参照)。
【0038】
次に、状態量Xの要素であるys 及びgから状態量Xの他の要素であるx1 及びdを推定するオブザーバについて説明する。式4、式5、及び式6より、式10及び式11の連続時間系線形システムの状態方程式を得る。
【0039】
【数6】
Figure 2004074207
【0040】
この状態方程式に対して、それ自体公知のGopinath法にて、ys 及びgからx1 及びdを推定する最小次元オブザーバが式12のように求められる。式12中Si は圧延スタンドFi のレベリング量の現在値であり、詳細は後述するが、状態量Xとレベリング量の現在値Si とから評価関数が最小になるように、レベリング量S*  i を算出して、レベリング量をS*  i に変更して圧延する。
【0041】
【数7】
Figure 2004074207
【0042】
圧延スタンドFi ,Fi+1 ,…,FN のレベリング量を算出する方法について説明する。
まず、蛇行量検出装置60直後の圧延スタンドFi のレベリング量S*  i の算出方法について説明する。制御指標を示す評価関数Jを圧延スタンドFi の圧下位置における推定蛇行量yc からなる制御効果を表す項(第1項)、及びレベリング量Si からなるペナルティー項(第2項)の2乗和と定義(式13)する。ここで、rは第2項が評価関数Jに与える影響力の第1項に対する比率を決定するパラメータ、nは第k離散時刻のレベリング量を決定する際に、第k+n離散時刻までの推定蛇行量yを評価することを意味するパラメータ(評価区間パラメータ)である。例えば、パラメータrを大きくするとレベリング量の評価関数Jへの影響力が増加するため、不必要に大きなレベリング操作を防止することができる。
【0043】
【数8】
Figure 2004074207
【0044】
この評価関数Jを最小とする第k離散時刻でのレベリング量S*  i は、評価関数Jのレベリング量Si [k]に対する偏微分量が0となる必要があるため、式14で与えられる。
【0045】
【数9】
Figure 2004074207
【0046】
次に、圧延スタンドFi より下流側の圧延スタンドFi+1 ,Fi+2 ,…,FN のレベリング量S*  i+1 ,S*  i+2 ,…,S*  N の算出方法について説明する。圧延スタンドFi において、式14によりレベリング量をS*  i に変更した場合、圧延スタンドFi のレベリング量による圧延スタンドFi の出側のウエッジ率への影響係数をai 、及び圧延スタンドFi+1 の入側から出側へのウエッジ率への遺伝係数(伝達係数)をλi+1 とすると、圧延スタンドFi+1 のウエッジ率はλii+1 ・ai ・S*  i に変化する。従って、圧延スタンドFi+1 の入側と出側とにおけるウエッジ率の変化がないようにするには式15を満足するように、圧延スタンドFi+1 のレベリング量S*  i+1 を決定すればよい。圧延スタンドFi+2 ,Fi+3 ,…,FN についても同様に考えると、圧延スタンドFi+1 ,Fi+2 ,…,FN のレベリング量S*  i+1 ,S*  i+2 ,…,S*  N を式16に示すように設定することにより、圧延スタンドFi+1 ,Fi+2 ,…,FN の入側と出側とにおけるウエッジ率を一定に保持することができる。ここで、算出したレベリング量S*  i+1 ,S*  i+2 ,…,S*  N は、圧延スタンドFi の圧下位置における圧延材90の蛇行量を制御するための圧延スタンドFi+1 ,Fi+2 ,…,FN のレベリング量であるため、実際にレベリング量を操作するのは、詳細は後述するが、レベリング量を算出した圧延材90の部位(以下、レベリング変更点という)が圧延スタンドFi+1 ,Fi+2 ,…,FN に夫々到達した時である。
【0047】
【数10】
Figure 2004074207
【0048】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面及び数式に基づいて詳述する。
図2は本発明に係る圧延ラインを示す模式図である。図中90は圧延材であり、図の左側から右側へ移動しながら、パスラインの上下に一対のワークロールF1a,F2a,…,F7aと、ワークロールF1a,F2a,…,F7aを支持するバックアップロールF1b,F2b,…,F7bとを備えた圧延スタンドF1 ,F2 ,…,F7 から構成されるタンデム型の圧延装置により所定の板厚に圧延される。
【0049】
図中10は、本発明の蛇行制御装置であり、セットアップ計算装置20、荷重量検出装置25、蛇行量検出装置60、オブザーバ30、レベリング量演算装置40、トラッキング装置50、並びにレベリング装置15、16、及び17を備えている。
【0050】
セットアップ計算装置20は、蛇行量を推定するためのオブザーバパラメータをオブザーバ30へ出力し、また、レベリング量を算出するためのレベリング量演算パラメータ(以下、レベリングパラメータという)をレベリング量演算装置40へ出力する。なお、オブザーバパラメータ及びレベリングパラメータの詳細については後述する。
【0051】
荷重量検出装置25は、圧延スタンドF4 に接続されており、圧延スタンドF4 にかかる荷重量を検出し、検出した荷重量をオブザーバ30及びレベリング量演算装置40へ出力する。この荷重量に基づいて、オブザーバ30及びレベリング量演算装置40は、圧延材90の尾端が圧延スタンドF4 を通過した(抜けた)か否か、即ち圧延スタンドF4 による圧延材90への拘束力が存在するか否かを判定する。
【0052】
蛇行量検出装置60は、圧延スタンドF5 の圧下位置から上流側に距離L離隔して設置されており、圧延材90の蛇行量を検出し、検出した蛇行量(検出蛇行量)をオブザーバ30及びレベリング量演算装置40へ出力する。
【0053】
オブザーバ30は、荷重量検出装置25から取得した荷重量と、蛇行量検出装置60から取得した検出蛇行量ys と、セットアップ計算装置20から取得したオブザーバパラメータとを用いてレベリング量を算出するに必要な推定量(後述する推定量〈x1 〉及び〈d〉)を算出し、算出した推定量をレベリング量演算装置40へ出力する。
【0054】
レベリング量演算装置40は、荷重量検出装置25から取得した荷重量と、蛇行量検出装置60から取得した検出蛇行量ys と、オブザーバ30から取得した推定量とを用いて圧延スタンドF5 、F6 、及びF7 のレベリング量を算出し、算出したレベリング量をレベリング装置15及びトラッキング装置50へ出力する。
【0055】
トラッキング装置50は、レベリング量演算装置40から取得したレベリング量を出力するタイミングを制御してレベリング装置16及び17へ出力する。
【0056】
レベリング装置15、16、及び17は、圧延スタンドF5 、F6 、及びF7 に夫々接続されており、パスラインに対して左右一対に設置した図示しない複数の油圧シリンダー等を用いて、その油圧シリンダーを独立して昇降操作することにより、バックアップロールF5b、F6b、及びF7bの平行度を補正し、その補正操作に伴ってワークロールF5a、F6a、及びF7aの平行度を間接的に補正し、圧延スタンドF5 、F6 、及びF7 のレベリング量を制御する。
【0057】
以下、圧延スタンドF5 の圧下位置を、蛇行量の推定位置及びレベリング量の評価位置とした場合について、蛇行制御装置10が、検出された圧延材90の蛇行量からレベリング装置15、16、及び17に与えるレベリング量を決定する処理手順について説明する。図3、図4、及び図5は、本発明の蛇行制御装置10がレベリング装置15、16、及び17に与えるレベリング量を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【0058】
まず、セットアップ計算装置20は、図示しない記憶装置等に予め記憶されているオブザーバパラメータであるレベリング量の回転角速度ωへの第1影響係数p、蛇行量の回転角速度ωへの第2影響係数q、オブザーバの極配置係数α(極配置行列の要素α)、圧延スタンドF4 −圧延スタンドF5 間の圧延速度v、及び蛇行量検出装置60−圧延スタンドF5 間の距離Lを読み出し(S1)て、読み出したオブザーバパラメータをオブザーバ30へ出力する。ここで、第1影響係数p、第2影響係数q、及び極配置係数αについては、圧延スタンドF4 と圧延スタンドF5 との間に、張力が印加されている場合のパラメータ(第1オブザーバパラメータ)と、張力が印加されていない場合のパラメータ(第2オブザーバパラメータ)とが、予めセットアップ計算装置20が備える図示しない記憶装置等に記憶されており、夫々に適合する場合に対して出力してもよいが、本実施例では、第1及び第2オブザーバパラメータを一括して出力するものとして説明する。また、圧延速度vに対しても圧延中に変化又は制御することもあるが、簡略化のため圧延中は変化せず、各圧延スタンドにおいて同一として説明する。
【0059】
また、セットアップ計算装置20は、S1にて読み出した第1影響係数p、第2影響係数q、極配置係数α、圧延速度v、及び距離Lを用いて、式17によりレベリング装置15のレベリングパラメータであるCx 、Cs 、及びCd 、並びに式18によりレベリング装置16及びレベリング装置17のレベリングパラメータであるK6 及びK7 を算出(S2)し、算出したレベリングパラメータCx 、Cs 、Cd 、K6 、及びK7 をレベリング量演算装置40へ出力する。ここで、レベリングパラメータについても、オブザーバパラメータが2種類(2セット)用意されているため、圧延スタンドF4 と圧延スタンドF5 との間に張力が印加されている場合のパラメータ(第1レベリングパラメータ)と、張力が印加されていない場合のパラメータ(第2レベリングパラメータ)とを算出することになる。なお、レベリングパラメータも、オブザーバパラメータと同様に第1及び第2レベリングパラメータを一括して出力するものとして説明する。
【0060】
【数11】
Figure 2004074207
【0061】
そして、セットアップ計算装置20は、本発明の蛇行制御処理を実施する制御周期Tを受け付け(S3)、制御周期T経過毎に制御信号を蛇行制御装置10が備える各装置へ出力し、各装置は、取得した制御信号に同期して後述する処理手順を実行する。以下、制御時間(制御信号を出力する時間)として変数iを用い、第i制御時間における処理手順を説明する。即ち、変数iを用いて、まずi=0である最初の制御時間(第0制御時間)時(S4)における処理(S6〜S32)を行い、処理が終了すれば、変数iを1インクリメント(S5)し、次の制御時間(第1制御時間)時における処理(S6〜S32)を行う。これらの処理を繰り返すことにより、制御周期T毎の蛇行制御処理を実現することができる。
【0062】
次に、圧延スタンドF4 に接続された荷重量検出装置25は、圧延スタンドF4 にかかる荷重量を検出(S6)し、検出した荷重量をオブザーバ30及びレベリング量演算装置40へ出力する。
【0063】
圧延スタンドF5 の入側に設置された蛇行量検出装置60は、圧延材90の蛇行量ys を検出(S7)し、検出した蛇行量ys をオブザーバ30及びレベリング量演算装置40へ出力する。なお、圧延材90の尾端が蛇行量検出装置60を通過してから圧延スタンドF5 に到達するまでは蛇行量ys を検出することができないが、尾端が通過する直前の蛇行量を記憶しておき、S6にて検出した荷重量が”0”で、かつ蛇行量ys が検出不能である時に、記憶された蛇行量を圧延材90の蛇行量ys として用いればよい。このようにすることで、レベリング量の突変、即ちレベリング量の不連続(1次微分不能)を防止することができ、蛇行量ys の大きな変化を抑制できる。
【0064】
オブザーバ30は、圧延スタンドF4 と圧延スタンドF5 との間に張力が印加されているか否かを判定する、即ち荷重量検出装置25より取得した荷重量が”0”であるか否かを判定(S8)し、張力が印加されていると判定、即ち荷重量が”0”でないと判定(S8:NO)した場合には、オブザーバパラメータとして、第1オブザーバパラメータであるp1 、q1 、及びα1 、並びにv及びLを選択(S9)し、張力が印加されていないと判定、即ち荷重量が”0”であると判定(S8:YES)した場合には、オブザーバパラメータとして、第2オブザーバパラメータであるp2 、q2 、及びα2 、並びにv及びLを選択(S10)し、選択したオブザーバパラメータと、蛇行量検出装置60から取得した蛇行量ys と、レベリング装置15から取得したレベリング量の現在値S5meas とを用いて、式19により推定量〈x1 〉及び〈d〉を算出(S11)し、算出した推定量〈x1 〉及び〈d〉をレベリング量演算装置40へ出力する。
【0065】
【数12】
Figure 2004074207
【0066】
レベリング量演算装置40は、圧延スタンドF4 と圧延スタンドF5 との間に張力が印加されているか否かを判定する、即ち荷重量検出装置25より取得した荷重量が”0”であるか否かを判定(S12)し、張力が印加されていると判定、即ち荷重量が”0”でないと判定(S12:NO)した場合には、レベリングパラメータとして、第1レベリングパラメータであるCx 、Cs 、及びCd 、並びにK6 及びK7 を選択(S13)し、張力が印加されていないと判定、即ち荷重量が”0”であると判定(S12:YES)した場合には、レベリングパラメータとして、第2レベリングパラメータであるCx 、Cs 、及びCd 、並びにK6 及びK7 を選択(S14)する。レベリング量演算装置40は、選択したレベリングパラメータと、蛇行量検出装置60から取得した蛇行量ys と、オブザーバ30から取得した推定量〈x1 〉及び〈d〉とを用いて、式21及び式22によりレベリング量(レベリング量の変更指令値)S5 、S6 、及びS7 を算出(S15)し、算出したレベリング量のうちレベリング量S5 をレベリング装置15へ、レベリング量S6 及びS7 をトラッキング装置50へ出力するとともに、変数iを1インクリメント(S5)し、S6へ戻り次の制御時間における処理を実行する。なお、第1及び第2レベリングパラメータを同一記号で表現したが、もちろん異なる値であることは言うまでもない。
【0067】
【数13】
Figure 2004074207
【0068】
トラッキング装置50は、レベリング量演算装置40より取得したレベリング量S6 を保持し、圧延スタンドF5 のレベリング変更点を追跡し、追跡したレベリング変更点が圧延スタンドF6 の圧下位置へ到達した時に、保持しているレベリング量S6 をレベリング装置16へ出力し、同様に、レベリング量演算装置40より取得したレベリング量S7 を保持し、追跡したレベリング変更点が圧延スタンドF7 の圧下位置へ到達した時に、保持しているレベリング量S7 をレベリング装置17へ出力する(トラッキング処理)。
【0069】
例えば、圧延材90が圧延スタンドF5 と圧延スタンドF6 との間を通過するに要する時間を、圧延スタンドF5 −圧延スタンドF6 間距離L5−6 と圧延速度vとから算出し、レベリング量S6 をレベリング装置16へ出力するタイミングを決定することができる。即ち、トラッキング装置50は、レベリング量を取得した時間(第i制御時間)を変数jとして保持(S19)し、保持した時間(j)に圧延材90が圧延スタンドF5 と圧延スタンドF6 との間を通過するに要する時間(INT(L5−6 /(v・T)))を加算した時間、即ちレベリング量S6 をレベリング装置16へ出力する時間(レベリング実行時間)を算出(S20)し、算出したレベリング実行時間(j+INT(L5−6 /(v・T)))とレベリング量S6 とを関連付けて、図示しないトラッキング装置50が備える記憶装置に記憶(S21)する。また、記憶しているレベリング実行時間(j+INT(L5−6 /(v・T)))と制御時間(i)とを比較するため、レベリング実行時間(j+INT(L5−6 /(v・T)))の内、j=0(S22)として、レベリング実行時間(j+INT(L5−6 /(v・T)))が制御時間(i)に対して同一か、大きいか、或は小さいかを判定(S23)する。S23にて同一と判定(S23:同一)した場合には、同一と判定したレベリング実行時間と関連付けて記憶しているレベリング量S6 (j+INT(L5−6 /(v・T))時)をレベリング装置16へ出力(S24)する。一方、S23にて小さいと判定(S23:小さい)した場合には、更に記憶している他のレベリング時間を比較するため、jを1インクリメント(S25)し、S23へ戻り比較処理を再実行する。また一方、S23にて大きいと判定(S23:大きい)した場合には、記憶しているレベリング時間には制御時間(i)と同一であるものが存在しないためレベリング量S6 のトラッキング処理を終了する。ここで、INT(数値a)は数値aの整数部を出力する関数であり、本実施例では小数部を切捨てるとしたが、小数部の切上げ又は四捨五入等により、圧延材90が圧延スタンドF5 と圧延スタンドF6 との間を通過するに要する時間を算出してもよい。
【0070】
同様に、圧延スタンドF5 −圧延スタンドF7 間距離L5−7 と圧延速度vとから圧延材90が圧延スタンドF5 と圧延スタンドF7 との間を通過するに要する時間(INT(L5−7 /(v・T)))を算出し、レベリング量S7 をレベリング装置17へ出力するタイミングを決定することができる。処理手順(S26〜S32)については前述と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0071】
なお、前述したトラッキング処理手順(S19〜S32)を行うのではなく、図6に示すような2つの遅延器51及び52を備え、レベリング量S6 に対して遅延時間(L5−6 /(v・T))分遅延可能な遅延器51の出力をレベリング装置16の入力へ、レベリング量Sに対して遅延時間(L5−7 /(v・T))分遅延可能な遅延器52の出力をレベリング装置17の入力へ夫々接続する構成としたトラッキング装置55を用いてもよい。このような構成としたトラッキング装置55を用いれば、前述した処理手順(S19〜S32)は不要となり処理手順数を削減することができる。
【0072】
レベリング装置15、16、及び17は、取得したレベリング量に基づいて図示しない複数の油圧シリンダー等の昇降量を設定し、夫々の圧延スタンドF5 、F6 、及びF7 のバックアップロールF5b、F6b、及びF7bの平行度を補正し、その補正操作に伴ってワークロールF5a、F6a、及びF7aの平行度を間接的に補正し、圧延材90の平行度を調整(制御)する。
【0073】
本発明と従来技術との蛇行制御効果を図7に示す圧延ラインを用いて比較した結果について説明する。図中90は、蛇行制御効果を確認する対象である低炭素鋼(板幅1200mm)である圧延材であり、圧延スタンドF1 ,F2 ,…,F7 を用いて板厚28mmから板厚1.6mmへ熱間圧延される。圧延スタンドF5 の出側に設置した蛇行量検出装置70と、圧延スタンドF7 の出側に設置した蛇行量検出装置80とを用いて圧延材90の蛇行量を検出し、圧延スタンドF5 、F6 、及びF7 のレベリング量による蛇行制御効果を確認した。ここで、蛇行量検出装置70は、圧延スタンドF5 と圧延スタンドF6 との間における圧延材90の回転の影響を受けないように、圧延スタンドF5 の出側直近に設置した。その他の構成は図2と同様であるので、対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0074】
圧延材90の蛇行量は、定常圧延中は小さく、圧延材90の尾端が圧延スタンドF1 ,F2 ,…,F7 を通過する(抜ける)際に大きくなるため、圧延材90の尾端が圧延スタンドF1 を通過する直前より蛇行制御を開始するようにした。また、圧延材90の尾端が蛇行量検出装置60を通過してから圧延スタンドF5 に到達するまでは蛇行量を検出することができないが、尾端が通過する直前の蛇行量を記憶し、記憶された蛇行量を用いることによりレベリング量の値が急変するのを防止した。
【0075】
蛇行量の推定及びレベリング量の評価周期である制御周期TをT=0.02sとし、評価している時間n・Tが、圧延スタンドF4 と圧延スタンドF5 との間を圧延材90が移動に要する時間と等しくなるように評価区間パラメータnを設定した。また、オブザーバの極配置係数αは、オブザーバの極、即ち式20に示す行列〈A〉の固有値が重根となるように設定した。
【0076】
図8は、本発明方法及び従来方法を実施した場合におけるレベリング量及び蛇行量検出結果の経時変化を示すグラフである。図中、実線は本発明方法を実施した場合の結果を示し、破線は従来方法を実施した場合の結果を示している。本発明方法を実施することにより、蛇行量を従来方法より小さく抑えることができることを確認した。この効果は、従来方法では、回転角速度ωにおいて、圧延スタンドF5 の圧下位置における圧延材90の蛇行量yc が蛇行量検出装置60にて検出された蛇行量ys と等しく、加えて外乱因子dが寄与しないと仮定しており、圧延材90の回転角速度ωが0となるように、圧延スタンドF5 のレベリング量をS5 =−q・ys /pに設定しているが、本発明方法では、回転角速度ωにおいて、圧延スタンドF5 の圧下位置における圧延材90の蛇行量yc を推定し、加えて外乱因子dの寄与も考慮して、圧延スタンドF5 のレベリング量を操作していることによる。即ち、従来方法では、式5における圧延スタンドの回転角速度ωに対する蛇行量yc の誤差及び外乱因子dの影響を十分に反映できていないためであり、本発明の意義は、この蛇行量yc の誤差を縮小し、かつ外乱因子dの影響を考慮したところにある。
【0077】
また、本発明方法と従来方法との蛇行量差は、圧延材90の尾端が圧延スタンドF4 を通過して、圧延スタンドF4 −圧延スタンドF5 間張力による回転に対する拘束力がなくなってから特に顕著に表れている(同図(a),(b))。これは、本発明方法では、圧延スタンドF5 の圧下位置における蛇行量を予め推定して、圧延スタンドF5 のレベリング量を操作しているためであり、蛇行量が従来方法より小さく、かつ蛇行量が収束(圧延材90が圧延スタンドF4 を通過した時に、蛇行量が一旦大きくなるが、その後、蛇行量が小さくなる方向に変化する。)していることが確認できる。
【0078】
更に、本発明方法では、圧延スタンドF5 のレベリング操作によって圧延スタンドF6 及びF7 の夫々の入側と出側とにおけるウエッジ率が変化しないように、圧延スタンドF6 及びF7 のレベリング量を操作することにより、蛇行量検出装置60直後の圧延スタンドF5 より下流側の圧延スタンドF7 における蛇行量も小さく制御できている(同図(c))。特に、前述同様、圧延材90の尾端が圧延スタンドF6 を通過した場合も、蛇行量が従来より小さくなっている。換言すれば、蛇行量検出装置60から大きく離隔した下流側の圧延スタンドにおいても、蛇行制御の精度が向上されている。
【0079】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る圧延材の製造方法及び蛇行制御装置によれば、蛇行量検出装置により検出された蛇行量からレベリング量を制御すべき位置における蛇行量を推定し、推定した蛇行量に基づいてレベリング量を操作することにより、圧延材の蛇行制御精度を向上し、絞り込み現象によるロール損傷等のトラブルの発生を防止し、生産性を向上させることができる。
【0080】
また本発明によれば、推定した蛇行量及びレベリング量を変数とした評価関数が最小となるように、圧延スタンドのレベリング量を操作することにより、制御精度を向上することができる。
【0081】
更に本発明によれば、蛇行量検出装置直後の圧延スタンドより下流側の圧延スタンドの入出側における圧延材のウエッジ率が変化しないように、前記下流側の圧延スタンドのレベリング量を操作することにより、下流側のすべての圧延スタンドにおける圧延材の蛇行量を制御することができる。
【0082】
また更に本発明によれば、蛇行量検出装置直後の圧延スタンドの入側における張力の有無によって異なる推定式を用いて蛇行量を推定し、推定した蛇行量に基づいて、蛇行量を推定した位置を含む下流側の圧延スタンドのレベリング量を操作することにより、精度良く圧延材の蛇行量を制御し、圧延材の蛇行量を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧延材の蛇行を制御する方法を説明するための図である。
【図2】本発明に係る圧延ラインを示す模式図である。
【図3】本発明の蛇行制御装置がレベリング装置に与えるレベリング量を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の蛇行制御装置がレベリング装置に与えるレベリング量を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の蛇行制御装置がレベリング装置に与えるレベリング量を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の蛇行制御装置が備えるトラッキング装置の他の構成例を示す模式図である。
【図7】本発明の蛇行制御効果を確認するために用いた圧延ラインを示す模式図である。
【図8】本発明方法及び従来方法を実施した場合におけるレベリング量及び蛇行量検出結果の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 蛇行制御装置
15 レベリング装置
16 レベリング装置
17 レベリング装置
20 セットアップ計算装置
25 荷重量検出装置
30 オブザーバ
40 レベリング量演算装置
50 トラッキング装置
55 トラッキング装置
60 蛇行量検出装置
90 圧延材

Claims (6)

  1. 複数の圧延スタンドを備えた圧延装置を用いて圧延材を圧延するに際し、一の圧延スタンドの上流側に備えた蛇行量を検出する蛇行量検出装置により圧延材の蛇行量を検出し、検出した蛇行量に基づいて圧延スタンドのレベリング量を操作することにより、圧延材の蛇行を制御する圧延材の製造方法において、
    検出した蛇行量に基づいて、前記蛇行量検出装置より下流側の所定位置における圧延材の蛇行量を推定し、推定した蛇行量に基づいて、下流側の圧延スタンドのレベリング量を操作すること
    を特徴とする圧延材の製造方法。
  2. 検出した蛇行量に基づいて、前記蛇行量検出装置より下流側の圧延スタンドの内、最上流の圧延スタンドの圧下位置における圧延材の蛇行量を推定し、推定した蛇行量に基づいて、前記圧延スタンドのレベリング量を操作すること
    を特徴とする請求項1に記載の圧延材の製造方法。
  3. 前記推定した蛇行量及びレベリング量を変数とした評価関数が最小となるようにレベリング量を操作すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧延材の製造方法。
  4. 前記レベリング量を操作した圧延スタンドより下流側の圧延スタンドの入側と出側とにおける圧延材のウエッジ率が変化しないように、前記下流側の圧延スタンドのレベリング量を操作すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧延材の製造方法。
  5. 前記蛇行量検出装置より下流側の所定位置における張力の有無によって異なる推定式を用いて、前記蛇行量検出装置より下流側の圧延スタンドの圧下位置における圧延材の蛇行量を推定すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の圧延材の製造方法。
  6. 複数の圧延スタンドを備えた圧延装置と、一の圧延スタンドの上流側に圧延材の蛇行量を検出する蛇行量検出装置と、圧延スタンドのレベリング量を制御する手段とを備え、圧延材の蛇行を制御する構成とした蛇行制御装置において、
    前記蛇行量検出装置により検出した蛇行量に基づいて、前記蛇行量検出装置より下流側の所定位置における圧延材の蛇行量を推定する手段と、推定した蛇行量に基づいて、前記圧下位置を含む下流側の圧延スタンドのレベリング量を算出する手段とを備えること
    を特徴とする蛇行制御装置。
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