JP2020044500A - フィルタ膜及び該フィルタ膜を用いた濾過方法 - Google Patents

フィルタ膜及び該フィルタ膜を用いた濾過方法 Download PDF

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広和 東
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達洋 河合
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Abstract

【課題】血球やゲル状のような脆く、変形し易い成分を濾過対象とした場合であっても、濡れ性が良好で変形や破れが発生しにくく、高い分離能力と高い濾過速度とを併せ持つフィルタ膜を提供する。【解決手段】処理媒体中の特定の材料を、他の材料から選択的に分離するフィルタ膜であって、前記フィルタ膜は、前記処理媒体が供給される側である第1表面11aを有する第1層11と、前記第1表面と反対側の第2表面12aを有し、前記第1層よりも厚さの厚い第2層12とから構成され、前記第1層には、互いに平行な多数の溝部11bが一定間隔で形成されており、前記第2層には、少なくとも隣り合う2本の溝部の間隔よりも大きく、平面視閉じた曲線からなり、互いに孤立した複数の凹部12bが形成され、前記溝部と前記凹部とが互いに重なり合う部分には、前記溝部と前記凹部とを連通する貫通孔13が形成されていることを特徴とするフィルタ膜。【選択図】図1

Description

本発明は、フィルタ膜及び該フィルタ膜を用いた濾過方法に関する。
近年、経済の急激な発展に伴い、人々の経済活動により発生する空気汚染は、徐々に悪化しており、特に、自動車や工場等から発生する排気ガスにより大気が汚染され、人々の健康に悪影響を与えている。このため、汚染した大気から汚染物質を取り除くためのフィルタが種々研究されている。
また、健康に影響を与える空気に含まれているウィルス、細菌等が人体に侵入するのを防止するためのフィルタについても、種々研究が進んでいる。一方、逆に生体中の細胞の構成成分のなかから特定の成分のみを選択的に濾過し、特定の成分のみを得るフィルタについても研究が進んでいる。
このような細胞の特定成分の分離が可能なフィルタとして、特許文献1には、平面視一筆書き構造を有するメンブレンフィルタが開示されており、特許文献2には、補強部を備えたメンブレンフィルタが開示されている。
上記したフィルタでは、高い開口率を実現するために、補強層を設けないか、又は、補強部と突起構造を組み合わせることにより、分離性能と膜強度とを両立させようとしている。
特開2018−89592号公報 特開2018−89593号公報
しかしながら、上記した特許文献1及び特許文献2のようなメンブレンフィルタでは、充分に高い開口率のフィルタを実現しようとすると、フィルタ膜の強度が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、充分な強度を有し、血球やゲル状のような脆く、変形し易い成分を濾過対象とした場合であっても、濡れ性が良好で変形や破れが発生しにくく、高い分離能力と高い濾過速度とを併せ持つフィルタ膜及び該フィルタ膜を用いた濾過方法を提供することを目的とする。
上記目的を解決するための本発明のフィルタ膜は、処理媒体中の特定の材料を、他の材料から選択的に分離するフィルタ膜であって、
上記フィルタ膜は、上記処理媒体が供給される側である第1表面を有する第1層と、上記第1表面と反対側の第2表面を有し、上記第1層よりも厚さの厚い第2層とから構成され、
上記第1層には、互いに平行な多数の溝部が一定間隔で形成されており、
上記第2層には、少なくとも隣り合う2本の溝部の間隔よりも大きく、平面視閉じた曲線からなり、互いに孤立した複数の凹部が形成され、
上記溝部と上記凹部とが互いに重なり合う部分には、上記溝部と上記凹部とを連通する貫通孔が形成されていることを特徴とする。
本発明のフィルタ膜では、第1層に互いに平行な多数の溝部を一定間隔で形成することにより、濡れ性が改善され、貫通孔は上記溝部に起因して細長い形状であるので、血球やゲル状の脆く、変形し易い物質を濾過対象とした場合であっても、破れや変形が発生しにくく、目的とする濾過対象物を傷つけずに濾過することが可能となる。従って、例えば、赤血球の溶血を抑制しながら、血球分離を行うことができる。
また、処理媒体が供給される側に平行な多数の溝部が一定間隔で形成されており、上記溝部の間には同じ高さの凸部が形成されているので、濾過速度を面内で一定にし易くなると推測され、安定的な濾過速度を維持することができる。
また、貫通孔は、細長い形状であるので、開口率を高くすることが可能で、高い分離能力と高い濾過速度とを実現することができる。
また、第1表面には、平行な多数の溝部が形成されているので、濾過の際、溝を伝って濾過液が流れることが可能で、貫通孔が部分的に閉鎖しても、濾過液は溝を伝って他の貫通孔に流れていって濾過が行われ、濾過を効率的に行うことができる。
また、貫通孔が細長い形状であるので、貫通孔は部分的に閉鎖しても、完全に閉鎖されにくく、濾過能力を維持することができる。
また、厚さの厚い第2層部分(リブ部)がフィルタ膜の全体に渡って連続的に存在するので、柔軟性を有しながら機械的強度も高く、自己支持性を有し、他の支持体等に支持されていなくてもフィルム膜単独で形状を維持でき、かつ、フィルム膜が塊状に不可逆な凝集を起こさない。さらに、上記特性に起因して、温度変化やフィルタ使用時の圧力に起因するフィルタ膜の破損を防止することができる。
なお、本発明のフィルタ膜は、空気や特性成分のガス及び液体中に存在する粉塵やウィルス、細菌等を取り除き、清浄な空気、ガス、液体等を得るためのフィルタ膜として使用することができるとともに、逆に、空気や特性成分のガス及び液体中に存在する特定サイズの粒子、ウィルス、細菌、細胞等のみを選択的に濾過、分離して得るためのフィルタ膜としても使用することができ、特には、体液から細胞や赤血球等の固形分を分離するフィルタ膜として好適に使用することができる。
本発明のフィルタ膜では、上記溝部の底部の幅は、0.1〜2.0μmであり、上記2つの溝部を隔てる凸部の第1表面部分の幅は、0.5〜5.0μmであることが望ましい。上記溝部の底部の幅は、0.1〜0.5μmであり、上記2つの溝部を隔てる凸部の第1表面部分の幅は、2.0〜5.0μmであることがより望ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記溝部の底部の幅が0.1〜2.0μmであり、上記2つの溝部を隔てる凸部の第1表面部分の幅が0.5〜5.0μmであると、溝部の幅が適切な範囲にあるので、溝部の表面に到達した濾過対象物に破れ等がより発生しにくく、良好に濾過を行うことができる。
本発明のフィルタ膜では、上記第2層に形成された凹部の平面視した形状は、円形、楕円形、又は、レーストラック形状であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記第2層に形成された凹部の平面視した形状が、円形、楕円形、又は、レーストラック形状であると、濾過された液がスムーズに排出される。
本発明のフィルタ膜では、平面視した上記溝部の形状は、所定幅の細長い長方形であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜において、平面視した上記溝部の形状が、所定幅の細長い長方形であると、貫通孔を細長い形状とすることができ、上記した種々の効果を発生させることができる。
本発明のフィルタ膜では、上記凹部と連通する貫通孔が形成されていない部分における溝部の深さは、上記凹部と連通する貫通孔が形成されている部分の溝部の深さよりも深いことが望ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記凹部と連通する貫通孔が形成されていない部分における溝部の深さが、上記凹部と連通する貫通孔が形成されている部分の溝部の深さよりも深いと、フィルタ膜の伸縮性が向上し、フィルタ膜が破れにくくなる。
本発明のフィルタ膜では、上記第2層に形成された凹部には、互いに隣り合う3本以上の溝部と連通する貫通孔が形成されていることが望ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記第2層に形成された凹部に、互いに隣り合う3本以上の溝部と連通する貫通孔が形成されていると、小さな領域に複数の貫通孔が形成されていることとなるので、濾過を良好に行うことが可能となり、また、開口率をより高くすることが可能で、高い分離能力と高い濾過速度とを実現することができる。
本発明のフィルタ膜では、上記フィルタ膜は、全体的に同一材料からなり、一体的に形成されていることが望ましい。
本発明のフィルタ膜が全体的に同一材料からなり、一体的に形成されていると、従来行われていた、二つの層を接着してフィルタを形成した場合のような層分離を起こすことはなく、より機械的特性に優れるとともに、細孔の面積や細孔径にばらつきが発生しにくい。そのため、検査や実験等の用途で使用した際に、再現性のよいデータを得ることができる。
本発明のフィルタ膜では、上記溝部は、上記第1表面から上記溝部の底部に近づくに従ってその幅が次第に小さくなるように設定され、上記凹部は、第2表面から上記凹部の底部に近づくに従って、第2表面に平行な断面積が次第に小さくなるように設定されていることが望ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記溝部が、上記第1表面から上記溝部の底部に近づくに従ってその幅が次第に小さくなるように設定され、上記凹部が、第2表面から上記凹部の底部に近づくに従って、第2表面に平行な断面積が次第に小さくなるように設定されていると、貫通孔が濾過対象外物質で塞がりにくく、効率よく濾過工程を進めることができ、再現性のよいデータを得ることができる。
本発明のフィルタ膜の上記溝部を含む上記第1表面に垂直な断面の形状において、上記溝部の壁面と、上記第1表面とのなす角度は、43〜80°であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜の上記溝部を含む上記第1表面に垂直な断面の形状において、上記溝部の壁面と、上記第1表面とのなす角度が43〜80°であると、上記溝部の上記第1表面に平行な断面の面積は、上記第1表面に近づくに従ってより大きくなるように形成されているので、フィルタ膜が濾過対象外物質で塞がりにくく、濾過を長時間に渡って連続的に行うことができ、効率よく濾過工程を終了することができる。
本発明のフィルタ膜の上記凹部を含む上記第2表面に垂直な断面の形状において、上記凹部の壁面と、上記第2表面とのなす角度は、43〜80°であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜の上記凹部を含む上記第2表面に垂直な断面の形状において、上記凹部の壁面と、上記第2表面とのなす角度が43〜80°であると、上記凹部の上記第2表面に平行な断面の面積は、上記第2表面に近づくに従ってより大きくなるように形成されているので、濾過対象に含まれる液体が排出され易く、効率よく濾過工程を進めることができる。
本発明のフィルタ膜では、上記凹部の底部の最も長さの長い部分の幅は、0.1〜10.0μmであることが望ましく、3.0〜5.0μmであることがより望ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記凹部の底部の最も長さの長い部分の幅が0.1〜10.0μmであると、貫通孔の数を適切な範囲とすることができ、高い分離能力と高い濾過速度とを実現することができる。
本発明のフィルタ膜では、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記凹部の上記第2表面に相当する部分の合計面積(a)の割合は、10.0〜50.0%であることが望ましく、15.0〜30.0%であることがより望ましい。
本発明のフィルタ膜において、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記凹部の上記第2表面に相当する部分の合計面積(a)の割合が10.0〜50.0%であると、単位面積当たりの上記凹部の面積が充分に大きくなり、貫通孔の濾過を行う部分の面積を大きくすることができるので、効率よく濾過を行うことができる。
本発明のフィルタ膜では、第1層及び第2層の合計の厚さは、15μm以下であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記第1層及び上記第2層の合計の厚さが15μm以下と薄いと、濾過対象物が通過しやすくなり、効率的に迅速に濾過を行うことができる。
本発明の濾過方法は、上記フィルタ膜を用いた濾過方法であって、濾過の対象となる特定の材料を含む処理媒体が、最初に上記フィルタ膜の第1表面と接触するように、処理媒体をフィルタ膜に供給することを特徴とする。
本発明の濾過方法によれば、濾過の対象となる特定の材料を含む処理媒体が、最初に上記フィルタ膜の第1表面と接触するように、処理媒体をフィルタ膜に供給するので、処理媒体中の濾過対象物は、まず、平行に形成された第1層の溝部の溝部に近づくが、上記第1表面は、濡れ性が改善されているので、比較的スムーズに溝部に収容され、続いて、細長い形状の貫通孔を通過して濾過されることとなり、その結果、血球やゲル状の脆く、変形し易い物質を濾過対象とした場合であっても、破れや変形が発生しにくく、目的とする上記特定成分を傷つけずに濾過することが可能となる。従って、例えば、赤血球の溶血を抑制しながら、血球分離を行うことができる。
また、貫通孔は、細長い形状であるので、開口率を高くすることが可能で、本発明の濾過方法により、高い分離能力と高い濾過速度とを実現することができる。
また、第1表面には、平行な多数の溝部が形成されているので、濾過の際、溝を伝って濾過液が流れることが可能で、貫通孔が部分的に閉鎖しても、濾過液は溝を伝って他の貫通孔に流れていって濾過が行われ、濾過を効率的に行うことができる。
また、貫通孔が細長い形状であるので、貫通孔は部分的に閉鎖しても、完全に閉鎖されにくく、濾過能力を維持することができる。
さらに、厚さの厚い第2層部分(リブ部)がフィルタ膜の全体に渡って連続的に存在するので、柔軟性を有しながら機械的強度も高く、自己支持性を有し、他の支持体等に支持されていなくてもフィルム膜単独で形状を維持でき、かつ、フィルム膜が塊状に不可逆な凝集を起こさない。さらに、上記特性に起因して、温度変化やフィルタ使用時の圧力に起因するフィルタ膜の破損を防止することができる。
図1(a)は、本発明のフィルタ膜の一例を模式的に示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すフィルタ膜のA−A線断面図であり、図1(c)は、図1(a)に示すフィルタ膜の底面図である。 図2は、図1(b)に示すA−A線断面図を拡大した拡大断面図である。 図3(a)〜(c)は、本発明のフィルタ膜の製造方法の一例における第1層マスターモールド作製工程を模式的に示した断面図である。 図4(a)〜(c)は、本発明のフィルタ膜の製造方法の他の一例における第1層マスターモールド作製工程を模式的に示した断面図である。 図5(a)〜(d)は、本発明のフィルタ膜の製造方法の一例における転写モールド作製工程を模式的に示した断面図である。 図6(a)〜(c)は、本発明の第2層ミラーイメージモールド作製工程及び感光性樹脂層形成工程を模式的に示す断面図である。 図7(a)〜(d)は、溝部形成工程、及び、第1層ミラーイメージモールド及び第2層ミラーイメージモールド剥離工程、及び、残膜除去工程を模式的に示す断面図である。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明のフィルタ膜について詳述する。
本発明のフィルタ膜は、処理媒体中の特定の材料を、他の材料から選択的に分離するフィルタ膜であって、上記フィルタ膜は、上記処理媒体が供給される側である第1表面を有する第1層と、上記第1表面と反対側の第2表面を有し、第1層よりも厚さの厚い第2層とから構成され、上記第1層には、互いに平行な多数の溝部が一定間隔で形成されており、上記第2層には、少なくとも隣り合う2本の溝部の間隔よりも大きく、平面視閉じた曲線からなり、互いに孤立した複数の凹部が形成され、上記溝部と上記凹部とが互いに重なり合う部分には、上記溝部と上記凹部とを連通する貫通孔が形成されていることを特徴とする。
本発明のフィルタ膜は、空気や特定成分のガス及び液体中に存在する粉塵やウィルス、細菌等を取り除き、清浄な空気、ガス、液体等を得るためのフィルタ膜として使用することができるとともに、逆に、空気や特定成分のガス及び液体中に存在する特定サイズの粒子、ウィルス、細菌、血球等の細胞のみを選択的に濾過、分離して得るためのフィルタ膜としても使用することができる。
上記した本発明のフィルタ膜の形状、構造等の一例について、さらに詳述する。
図1(a)は、本発明のフィルタ膜の一例を模式的に示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すフィルタ膜のA−A線で断面図であり、図1(c)は、図1(a)に示すフィルタ膜の底面図である。
図1(a)〜(c)に示す本発明のフィルタ膜10は、処理媒体が供給される側である第1表面11aを有する第1層11と、第1表面11aと反対側の第2表面12aを有する第2層12とから構成されており、第1層11には、互いに平行な多数の溝部11bが一定間隔で形成されている。第2層12は、第1層11よりも厚く、第2層12には、隣り合う2本の溝部11bの間隔よりも大きく、平面視円形で、互いに孤立した複数の凹部12bが形成され、溝部11bと凹部12bとが互いに重なり合う部分には、溝部11bと凹部12bとを連通する貫通孔13が形成されている。
本発明のフィルタ膜10は、図1(a)〜(c)に示すように、溝部11bと凹部12bとを連通する複数の貫通孔13が形成されており、この貫通孔13を利用して処理媒体中の特定の物質を、他の物質から選択的に分離するフィルタ膜として使用することができる。
本発明のフィルタ膜では、第1層に互いに平行な多数の溝部を一定間隔で形成することにより、濡れ性が改善され、貫通孔は上記溝部に起因して細長い形状であるので、血球やゲル状の脆く、変形し易い物質を濾過対象とした場合であっても、破れや変形が発生しにくく、目的とする濾過対象物を傷つけずに濾過することが可能となる。従って、例えば、赤血球の溶血を抑制しながら、血球分離を行うことができる。
また、本発明のフィルタ膜では、第2層は、第1層よりも厚く、凹部が孤立して存在し、第2層自体は連続しているので、自立性を有する。すなわち、厚さの厚い連続した第2層を含む部分がフィルタ膜の全体に渡って存在するので、柔軟性を有しながら機械的強度も高く、自己支持性を有し、他の支持体等に支持されていなくてもフィルタ膜単独で形状を維持でき、かつ、フィルタ膜が塊状に不可逆な凝集を起こさない。さらに、上記特性に起因して、温度変化やフィルタ使用時の圧力に起因するフィルタ膜の破損を防止することができる。
また、処理媒体が供給される側に平行な多数の溝部が一定間隔で形成されており、上記溝部の間には同じ高さの凸部が形成されているので、濾過速度を面内で一定にし易くなると推測され、安定的な濾過速度を維持することができる。
また、上記貫通孔は、細長い形状であるので、開口率を高くすることが可能で、高い分離能力と高い濾過速度とを実現することができる。
また、上記貫通孔が細長い形状であるので、該貫通孔が部分的に閉鎖しても、完全に閉鎖されにくく、濾過能力を維持することができる。
また、第1表面には、平行な多数の溝部が形成されているので、濾過の際、溝を伝って濾過液が流れることが可能で、貫通孔が部分的に閉鎖しても、濾過液は溝を伝って他の貫通孔に流れていって濾過が行われ、濾過を効率的に行うことができる。
本発明のフィルタ膜は、概念的には、第1層と第2層の二つの層に分けて考えることができるが、フィルタ膜自体は、全体的に同一材料からなり、一体的に形成されていることが望ましい。
上記フィルタ膜が全体的に同一材料からなり、一体的に形成されていると、二つの層を接着した場合のような層分離を起こすおそれはなく、より機械的特性に優れるとともに、二つの層を積み重ねた際に発生する不都合、すなわち細孔の面積や細孔径にばらつきが発生しにくい。そのため、検査や実験等の用途で使用した際に、再現性のよいデータを得ることができる。
本発明のフィルタ膜を構成する樹脂材料としては、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、シリカハイブリッドコンポジット等が挙げられる。上記樹脂は、高い柔軟性を有するので、機械的特性に優れ、フィルタ膜の自立性を確保し易い。また、濾過の際には、濾過の対象となる特定の材料が、フィルタ膜の溝部、貫通孔などの加工部を毛細管現象により浸透していくこととなるため、フィルタ膜を構成する樹脂材料は、親水性であることが望ましい。なお、本発明のフィルタ膜の製造方法については、後で詳しく説明することにする。
本発明のフィルタ膜を構成する樹脂材料として、ネガ型のシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。これらの樹脂を使用すると、紫外線等の光を照射することにより、照射した部分は硬化し、マスク等により紫外線が照射されなかった部分は、溶剤に対する溶解性を有し、現像液により溶解させて、除去することができる。
本発明のフィルタ膜を構成する樹脂材料として、ポジ型の感光性樹脂を使用してもよい。ネガ型の樹脂を使用するか、ポジ型の感光性樹脂を使用するかは、形成するフィルタ膜の精度等に応じて決定すればよい。
シリコーン系樹脂は、4官能型のテトラアルコキシシランを主成分に、トリアルコキシシラン等を組み合わせたもので、最終的には、樹脂中にSiOの3次元的な構造が形成される。また、シリコーン系樹脂は、触媒を用いることにより、又は、加熱により硬化させることができる。このように、樹脂フィルムとしてシリコーン系樹脂を用いた場合、SiOの3次元的な構造を有するので、硬く、耐摩耗性に優れている。
アクリル系樹脂は、多官能モノマー/単官能モノマー/ポリマー系からなり、多官能モノマーの種類、量によって架橋度を制御したものである。多官能モノマーとしては、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等が挙げられる。このように、樹脂フィルムとしてアクリル系樹脂を用いた場合、紫外線により短時間で硬化させることができるという特徴を有している。
シリカハイブリッドコンポジットとは、シリカゾル等の無機微粒子又は上記したシリコーン系樹脂を用いたSiOの3次元的な構造体とハードコート層の形成に用いられるアクリル系樹脂やその他の樹脂を組み合わせたものであり、ラジカル重合性のアクリロイル基(AC)、メタクリロイル基(MAC)、又は、カチオン重合性のオキセタニル基(OX)を有する樹脂を組み合わせることにより、紫外線等の光により硬化させることができる。
本発明のフィルタ膜では、上記溝部の底部の幅は、0.1〜2.0μmであり、上記2つの溝部を隔てる凸部の第1表面部分の幅は、0.5〜5.0μmであることが望ましい。上記溝部の底部の幅は、0.1〜0.5μmであり、上記2つの溝部を隔てる凸部の第2表面部分の幅は、2.0〜5.0μmであることがより望ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記溝部の底部の幅が0.1〜2.0μmであり、上記2つの溝部を隔てる凸部の第1表面部分の幅が0.5〜5.0μmであると、溝部の幅が適切な範囲にあるので、溝部の表面に到達した濾過対象物に破れ等がより発生しにくく、良好に濾過を行うことができる。
本発明のフィルタ膜において、上記溝部の底部の幅が0.1μm未満であると、貫通孔の幅が狭すぎることとなり、濾過自体は可能であるが、濾過に必要な時間が増大し、実用上の適さない。一方、溝部の底部の幅が2.0μmを超えると、溝部の底部の幅が広すぎるため、濾過により細胞等を選択的に分離することが難しくなる。
本発明のフィルタ膜において、2つの溝部を隔てる凸部の第1表面部分の幅が0.5μm未満であると、溝同士が近すぎることとなり、凸部の幅が狭くなり、フィルタ膜の強度が低下してしまう。一方、2つの溝部を隔てる凸部の第1表面部分の幅が5.0μmを超えると、溝部同士が遠すぎるため、単位面積当たりの貫通孔の密度が低下し、濾過の効率が悪化する。
本発明のフィルタ膜では、平面視した上記溝部の形状は、所定幅の細長い長方形であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜において、平面視した上記溝部の形状が、所定幅の細長い長方形であると、貫通孔を細長い形状とすることができ、上記した種々の効果を発生させることができる。
本発明のフィルタ膜では、上記溝部は、連続した形状で形成されており、平面視した上記溝部の形状は、一筆書き形状を有することが望ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記溝部が、連続した形状で形成されており、平面視した上記溝部の形状が、一筆書き形状を有すると、隣り合う溝の間に形成された凸部が種々の方向を向くこととなるので、より機械的特性に優れたフィルタ膜となる。
本発明のフィルタ膜では、上記溝部は、上記第1表面から上記溝部の底部に近づくに従ってその幅が次第に小さくなるように設定され、上記凹部は、第2表面から上記凹部の底部に近づくに従って、第2表面に平行な断面積が次第に小さくなるように設定されていることが望ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記溝部が、上記第1表面から上記溝部の底部に近づくに従ってその幅が次第に小さくなるように設定され、上記凹部が、第2表面から上記凹部の底部に近づくに従って、第2表面に平行な断面積が次第に小さくなるように設定されていると、貫通孔が濾過対象外物質で塞がりにくく、効率よく濾過工程を進めることができ、再現性のよいデータを得ることができる。
図2は、図1(b)に示すA−A線断面図を拡大した拡大断面図である。
図2に示すように、本発明のフィルタ膜10の溝部11bを含む第1表面11aに垂直な断面の形状において、溝部11bの壁面11cと、第1表面11aとのなす角度αは、43〜80°であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜10の溝部11bを含む第1表面11aに垂直な断面の形状において、溝部11bの壁面11cと、第1表面11aとのなす角度αが43〜80°であると、溝部11bの第1表面11aに平行な断面の面積は、第1表面11aに近づくに従ってより大きくなるように形成されているので、フィルタ膜が濾過対象外物質で塞がりにくく、濾過を長時間に渡って連続的に行うことができ、効率よく濾過工程を終了することができる。
また、図2に示すように、凹部12bと連通する貫通孔13が形成されていない部分における溝部11bの深さD2は、凹部12bとを連通する貫通孔13が形成されている部分の溝部11bの深さD1よりも深いことが望ましい。
凹部12bと連通する貫通孔13が形成されていない部分における溝部11bの深さD2が、凹部12bとを連通する貫通孔13が形成されている部分の溝部11bの深さD1よりも深いと、フィルタ膜の伸縮性が向上し、フィルタ膜が破れにくくなる。
本発明のフィルタ膜では、上記第2層に形成された凹部の平面視した形状は、円形、楕円形、又は、レーストラック形状であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記第2層に形成された凹部の平面視した形状が、円形、楕円形、又は、レーストラック形状であると、濾過された液がスムーズに排出される。凹部の平面視した形状は、円形であることがより望ましい。容易に凹部を形成することができるからである。
本発明のフィルタ膜では、上記凹部の底部の最も長さの長い部分の幅は、0.1〜10.0μmであることが望ましく、3.0〜5.0μmであることがより望ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記凹部の底部の最も長さの長い部分の幅が0.1〜10.0μmであると、貫通孔の数を適切な範囲とすることができ、高い分離能力と高い濾過速度とを実現することができる。
本発明のフィルタ膜において、上記凹部の底部の最も長さの長い部分の幅が0.1μm未満であると、貫通孔の数を適切な範囲とすることが困難となり、開口率を高く設定することが難しくなる。一方、上記凹部の底部の最も長さの長い部分の幅が10.0μmを超えると、厚さの薄い部分の面積の割合が高くなり、フィルタ膜の機械的強度が不十分となる。
図2に示すように、本発明のフィルタ膜10の凹部12bを含む第2表面12aに垂直な断面の形状において、凹部12bの壁面12cと、第2表面12aとのなす角度βは、43〜80°であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜10の凹部12bを含む第2表面12aに垂直な断面の形状において、凹部12bの壁面12cと、第2表面12aとのなす角度βが43〜80°であると、凹部12bの第2表面12aに平行な断面の面積は、第2表面12aに近づくに従ってより大きくなるように形成されているので、濾過対象に含まれる液体が排出され易く、効率よく濾過工程を進めることができる。
本発明のフィルタ膜では、上記第2層に形成された凹部は、互いに隣り合う3本以上の溝部と連通する貫通孔が形成されていることが望ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記第2層に形成された凹部に、互いに隣り合う3本以上の溝部と連通する貫通孔が形成されていると、小さな領域に複数の貫通孔が形成されていることとなるので、濾過を良好に行うことが可能となり、また、開口率をより高くすることが可能で、高い分離能力と高い濾過速度とを実現することができる。
本発明のフィルタ膜では、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記凹部の上記第2表面に相当する部分の合計面積(a)の割合は、10.0〜50.0%であることが望ましく、15.0〜30.0%であることがより望ましい。
本発明のフィルタ膜において、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記凹部の上記第2表面に相当する部分の合計面積(a)の割合が10.0〜50.0%であると、単位面積当たりの上記凹部の面積が充分に大きくなり、貫通孔の濾過を行う部分の面積を大きくすることができるので、効率よく濾過を行うことができる。
本発明のフィルタ膜において、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記凹部の上記第2表面に相当する部分の合計面積(a)の割合が10.0%未満であると、単位面積当たりの上記凹部の面積が小さすぎ、貫通孔の濾過を行う部分の面積を大きくとることができず、効率よく濾過を行うことが難しくなる。一方、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記凹部の上記第2表面に相当する部分の合計面積(a)の割合が50.0%を超えると、単位面積当たりの上記凹部の面積の割合が高くなりすぎ、機械的な強度が低下してしまう。
次に、本発明のフィルタ膜を用いた濾過方法について説明する。
本発明の濾過方法は、上記フィルタ膜を用いた濾過方法であって、濾過の対象となる特定成分を含む処理媒体が、最初に上記フィルタ膜の第2表面と接触するように、処理媒体をフィルタ膜に供給することを特徴とする。
本発明で用いるフィルタ膜については、充分に説明したので、ここでは、その説明を省略するが、上記したように、濾過の際には、濾過の対象となる特定の材料が、フィルタ膜の溝部、貫通孔などの加工部を毛細管現象により浸透していくこととなるため、フィルタ膜を構成する樹脂材料は、親水性であることが望ましい。
本発明の濾過方法によれば、濾過の対象となる特定の材料を含む処理媒体が、最初に上記フィルタ膜の第1表面と接触するように、処理媒体をフィルタ膜に供給するので、処理媒体中の濾過対象物は、まず、平行に形成された第1層の溝部の溝部に近づくが、上記第1表面は、濡れ性が改善されているので、比較的スムーズに溝部に収容され、続いて、細長い形状の貫通孔を通過して濾過されることとなり、その結果、血球やゲル状の脆く、変形し易い物質を濾過対象とした場合であっても、破れや変形が発生しにくく、目的とする上記特定成分を傷つけずに濾過することが可能となる。従って、例えば、赤血球の溶血を抑制しながら、血球分離を行うことができる。
また、貫通孔は、細長い形状であるので、開口率を高くすることが可能で、本発明の濾過方法により、高い分離能力と高い濾過速度とを実現することができる。
また、第1表面には、平行な多数の溝部が形成されているので、濾過の際、溝を伝って濾過液が流れることが可能で、貫通孔が部分的に閉鎖しても、濾過液は溝を伝って他の貫通孔に流れていって濾過が行われ、濾過を効率的に行うことができる。
また、貫通孔が細長い形状であるので、貫通孔は部分的に閉鎖しても、完全に閉鎖されにくく、濾過能力を維持することができる。
さらに、厚さの厚い第2層部分(リブ部)がフィルタ膜の全体に渡って連続的に存在するので、柔軟性を有しながら機械的強度も高く、自己支持性を有し、他の支持体等に支持されていなくてもフィルム膜単独で形状を維持でき、かつ、フィルム膜が塊状に不可逆な凝集を起こさない。さらに、上記特性に起因して、温度変化やフィルタ使用時の圧力に起因するフィルタ膜の破損を防止することができる。
次に、本発明のフィルタ膜の製造方法について説明する。
本発明のフィルタ膜を製造する方法は特に限定されるものではないが、例えば、以下のような工程を行うことにより本発明のフィルタ膜を形成することができる。
(1)まず、第1層マスターモールド作製工程として、第1層に溝部を形成するために、本発明のフィルタ膜の第1層と同様の構成の第1層マスターモールドを作製する。
(2)次に、転写モールド作製工程として、上記工程により作製された上記第1層マスターモールドに、透明な熱可塑性樹脂フィルムを熱ラミネートし、上記マスターモールドの凹凸形状を転写した後剥離し、透明な第1層ミラーイメージモールドを作製する。
(3)次に、第2層ミラーイメージモールド作製工程として、Si等からなる支持板上に第2層の凹凸を転写した形状の第2層ミラーイメージモールドを作製する。
(4)次に、感光性樹脂層形成工程として、ネガ型の感光性樹脂を溶剤等に溶解させた塗布液を調製し、第2層ミラーイメージモールド上に塗布液を塗布して乾燥させ、最も厚い部分が第1層及び第2層の厚さとなり、凹部を有するフィルタ膜用感光性樹脂層を形成する。
(5)次に、溝部形成工程として、支持板上に形成されたフィルタ膜用感光性樹脂層に、上記第1層ミラーイメージモールドを押し付けた後、紫外線を照射し、フィルタ膜用感光性樹脂層を硬化させ、上記支持板上のフィルタ膜用硬化感光性樹脂層に第1層と同じ形状の溝部を形成する。
(6)次に、第1層ミラーイメージモールド及び第2層ミラーイメージモールド剥離工程として、溝部が形成されたフィルタ膜用硬化感光性樹脂層から第1層ミラーイメージモールドを剥離し、さらに、第2層ミラーイメージモールドを剥離することにより、第1層に溝部が形成され、第2層に凹部が形成されたフィルタ膜用硬化感光性樹脂層とする。
(7)最後に、残膜除去工程として、異方性プラズマ等を硬化したフィルタ膜用硬化感光性樹脂に照射することにより、非常に薄い膜が残存している溝部と凹部の重なりあった部分を除去し、貫通孔を形成するとともに、凹部と連通する貫通孔が形成されていない部分における溝部の深さを、凹部と連通する貫通孔が形成されている部分の溝部の深さよりも深くする。
上記した(1)及び(2)の工程と、上記した(3)及び(4)の工程は、お互いに関連しない工程であるので、どちらが先であってもよい。また、(1)及び(2)の工程と(3)及び(4)の工程は、併行して行われてもよい。
上記した本発明のフィルタ膜の製造方法は、上記した行程を経ることにより最終的なフィルタ膜を製造することができるので、開口部の形状等の構成が設計通りのフィルタ膜を再現性よく製造することができる。
以下、各工程について、詳細に説明する。
(1)第1層マスターモールド作製工程
本発明のフィルタ膜を製造する際には、マスターモールド作製工程として、第1層に溝部を形成するために、本発明のフィルタ膜の第1層と同様の構成の第1層マスターモールドを作製する。
マスターモールド作製方法は、特に限定されるものではないが、上記基体部上にフォトリソグラフィー及び/又はエッチングの手法を用いて樹脂製のマスターモールドを作製する方法を採用することができる。
図3(a)〜(c)は、本発明のフィルタ膜の製造方法の一例における第1層マスターモールド作製工程を模式的に示した断面図である。図3(a)〜(c)に示した製造方法では、マスターモールドとしてシリコン製又はガラス製のものを作製する。
第1層マスターモールド作製工程では、まず、フォトリソグラフィーの手法を用い、シリコン製又はガラス製の基材21の表面に、平面視した際、溝部の形状の基材表面21aが露出するようにエッチングレジスト層25を形成する(図3(a)参照)。
ガラスの材料は特に限定されるものではなく、例えば、ソーダガラス等の汎用ガラス、石英ガラス、テンパックス等の耐熱ガラスを使用することができる。
次に、基材表面21aを所定の時間、エッチングガスと接触させ、基材21に溝部23を形成する(図3(b)参照)。次に、エッチンングレジスト層25を剥離し(図3(c)参照)、基材21に溝部23が形成された第1層マスターモールド20の作製行程を終了する。
上記第1層マスターモールド作製工程では、シリコン又はガラスを使用したが、樹脂製のマスターモールドを作製してもよい。
この場合、マスターモールドを構成する樹脂は、特に限定されるものではないが、本発明のフィルタ膜を構成する樹脂材料と同じものを使用することができる。上記樹脂材料としては、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリカハイブリッドコンポジット等が挙げられる。上記樹脂は、高い柔軟性を有するので、機械的特性に優れ、ミラーイメージモールドを多数回作製しても、摩耗しにくい。
これらのシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリカハイブリッドコンポジットについては、本発明のフィルタ膜を構成する樹脂材料の説明で詳しく説明したので、ここではその説明を省略する。下記の処理では、上記した樹脂でネガ型の感光性樹脂を使用するが、必要により、ポジ型の感光性樹脂を使用してもよい。
図4(a)〜(c)は、本発明のフィルタ膜の製造方法の他の一例における第1層マスターモールド作製工程を模式的に示した断面図である。
この場合、上記樹脂を溶剤等に溶解させた塗布液を調製した後、基体部36上に該塗布液を塗布し、乾燥させ、塗布層31′を形成する(図4(a))参照)。この塗布層を乾燥硬化させ硬化樹脂層31とした後、溝部以外の部分に相当する表面部分31aが露光するようにパターン形成されたガラス板をマスク35として設置し、紫外線を照射する(図4(b)参照)。露光の光源としては、ランプ等が使用される。
基体部の材料は特に限定されるものではなく、例えば、ビスマレイミドトリアジン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、シリコン等の金属、アルミナ、ガラス等のセラミック等が挙げられる。
次に、硬化樹脂層31を所定の時間、現像液と接触させ、表面部分31aを含む部分以外の溝部となる部分を溶解除去し、溝部33を形成し(図4(c)参照)、硬化樹脂層31に溝部33が形成された第1層マスターモールド30の作製行程を終了する。
(2)転写モールド作製工程
図5(a)〜(d)は、本発明のフィルタ膜の製造方法の一例における転写モールド作製工程を模式的に示した断面図である。
本発明の転写モールド作製工程では、図3(a)〜(c)に示す第1層マスターモールド作製工程により作製された溝部23を有する第1層マスターモールド20(図5(a)参照)に、透明な熱可塑性樹脂フィルム41´を用い(図5(b)参照)、熱可塑性樹脂フィルム41´を熱ラミネートして第1層マスターモールド20の凹凸形状を転写し(図5(c)参照)、冷却した後剥離することにより、透明な第1層ミラーイメージモールド40を作製する(図5(d)参照)。
透明な熱可塑性樹脂フィルムの材料としては、シクロオレフィンポリマー、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリカーボネート(PC)系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。
上記工程では、透明な熱可塑性樹脂フィルム41´を熱ラミネートすることにより第1層ミラーイメージモールド40を作製していたが、第1層マスターモールド20上に、液状の樹脂を塗布し、加熱等により硬化させた後、剥離することにより、ミラーイメージモールドを作製してもよい。この方法によれば、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を使用して第1層ミラーイメージモールドを作製することができる。
熱ラミネートの温度は、80〜200℃が好ましく、熱ラミネートの時間は、0.5〜5分が好ましい。
(3)第2層ミラーイメージモールド作製工程
図6(a)〜(c)は、本発明の第2層ミラーイメージモールド作製工程及び感光性樹脂層形成工程を模式的に示す断面図である。
第2層ミラーイメージモールド作製工程では、図4(a)〜(c)に示した方法と同様に、シリコン等からなる支持板56上に形成した硬化樹脂層51の表面にマスク55を載置、転写により凹部を形成する部分に紫外線を照射し、この後上記した凹部を形成する以外の部分のエッチングを行うことにより(図6(a)参照)、第2層の凹凸を転写した形状の樹脂製の第2層ミラーイメージモールド50を支持板56上に作製する(図6(b)参照)。
図6(a)〜(b)に示した方法では、樹脂を使用したが、図3(a)〜(c)に示した方法と同様に、シリコンを用いて選択的エッチング等を行うことにより、第2層ミラーイメージモールドを作製してもよい。
(4)感光性樹脂層形成工程
感光性樹脂層形成工程では、ネガ型の感光性樹脂を溶剤等に溶解させた塗布液を調製し、第2層ミラーイメージモールド50上に塗布液を塗布して乾燥させ、最も厚い部分が第1層及び第2層の厚さとなり、凹部を有するフィルタ膜用感光性樹脂層61′を形成する(図6(c)参照)。
(5)溝部形成工程
図7(a)〜(d)は、溝部形成工程、及び、第1層ミラーイメージモールド及び第2層ミラーイメージモールド剥離工程、及び、残膜除去工程を模式的に示す断面図である。
溝部形成工程では、支持板56上に形成されたフィルタ膜用感光性樹脂層に、転写モールド作製工程で作製された第1層ミラーイメージモールド40を押し付けた後、紫外線を照射することによりフィルタ膜用感光性樹脂層を硬化させ、支持板56上に第1層と同じ形状の溝部63を有するフィルタ膜用硬化感光性樹脂層61とする(図7(a)参照)。
(6)第1層ミラーイメージモールド及び第2層ミラーイメージモールド剥離工程
第1層ミラーイメージモールド及び第2層ミラーイメージモールド剥離工程では、第1層ミラーイメージモールド40を剥離することにより溝部63を有するフィルタ膜用硬化感光性樹脂層61を作製し(図7(b)参照)、さらに、第2層ミラーイメージモールド50を剥離することにより、第2層に溝部63が形成され、第1層に凹部61bが形成されたフィルタ膜用硬化感光性樹脂層61とする(図7(c)参照)。
(7)残膜除去工程
残膜除去工程として、異方性プラズマ等を硬化したフィルタ膜用感光性樹脂に照射することにより、非常に薄い膜が残存している、溝部と凹部の重なりあった部分を除去し、貫通孔66を形成するとともに、凹部61bと連通する貫通孔66が形成されていない部分における溝部63の深さを、凹部61bと連通する貫通孔66が形成されている部分の溝部63の深さよりも深くし(図7(d)参照)、本発明のフィルタ膜60を完成する。
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)第1層マスターモールド作製工程
まず、シリコン製の基材21の表面に、フォトリソグラフィーの手法を用い、平面視した際、溝部の形状の基材表面21aが露出するようにエッチングレジスト層25を形成した(図3(a)参照)。
次に、基材表面21aを所定の時間、エッチングガスと接触させ、基材21に溝部23を形成し(図3(b)参照)、続いてエッチンングレジスト層25を剥離し(図3(c)参照)、基材21に溝部23が形成された第1層マスターモールド20を作製した。
(2)転写モールド作製工程
転写モールド作製工程では、上記第1層マスターモールド作製工程により作製された第1層マスターモールド20(図5(a))参照)に、シクロオレフィンポリマーからなる透明な熱可塑性樹脂フィルム41´を用い(図5(b)参照)、熱可塑性樹脂フィルム41´を熱ラミネートして第1層マスターモールドの凹凸形状を転写し(図5(c)参照)、その後剥離することにより、第1層ミラーイメージモールド40を作製した(図5(d)参照)。
(3)第2層ミラーイメージモールド作製工程
第2層ミラーイメージモールド作製工程では、シリコン等からなる支持板56上に、ネガ型の感光性ポリイミド樹脂を溶剤に溶解させた塗布液を塗布し、硬化することにより形成した硬化樹脂層51の表面にガラス板のマスク55を載置し、転写により凹部を形成する部分に紫外線を照射した(図6(a)参照)。その後、現像液を接触させ、上記した凹部を形成する部分以外の部分のエッチングを行うことにより、本発明のフィルタ膜の第2層の凹凸を転写した形状の樹脂製の第2層ミラーイメージモールド50を支持板56上に作製した(図6(b)参照)。
(4)感光性樹脂層形成工程
感光性樹脂層形成工程では、ネガ型の感光性ポリイミド樹脂を溶剤に溶解させた塗布液を調製し、第2層ミラーイメージモールド50上に塗布液を塗布して乾燥させ、最も厚い部分が第1層及び第2層の厚さとなり、凹部を有するフィルタ膜用感光性樹脂層61′を形成した(図6(c)参照)。
(5)溝部形成工程
溝部形成工程では、支持板56上に形成されたフィルタ膜用感光性樹脂層61′に、転写モールド作製工程で作製された第1層ミラーイメージモールド40を押し付けた後、紫外線を照射することによりフィルタ膜用感光性樹脂層61′を硬化させ、支持板56上に第1層と同じ形状の溝部63を有するフィルタ膜用硬化感光性樹脂層61とした(図7(a)参照)。
(6)第1層ミラーイメージモールド及び第2層ミラーイメージモールド剥離工程
第1層ミラーイメージモールド及び第2層ミラーイメージモールド剥離工程では、第1層ミラーイメージモールド40を剥離して溝部63を有するフィルタ膜用硬化感光性樹脂層61とし(図7(b)参照)、さらに、第2層ミラーイメージモールド50を剥離することにより、第1層に溝部63が形成され、第2層に凹部61bが形成されたフィルタ膜用硬化感光性樹脂層61とした(図7(c)参照)。
(7)残膜除去工程
最後に、残膜除去工程として、異方性プラズマを硬化したフィルタ膜用感光性樹脂に照射することにより、非常に薄い膜が残存している、溝部と凹部の重なりあった部分を除去し、貫通孔66を形成するとともに、凹部61bと連通する貫通孔66が形成されていない部分における溝部63の深さを、凹部61bと連通する貫通孔66が形成されている部分の溝部63の深さよりも深くし(図7(d)参照)、第1層に溝部63が形成され、第2層に凹部61bを有し、貫通孔66を備えたフィルタ膜60を完成した。
形成されたフィルタ膜において、貫通孔の幅dは、0.2μmであった。
(実施例2)
(1)第1層マスターモールド作製工程
ネガ型の感光性ポリイミド樹脂を溶剤に溶解させて塗布液を調製した後、ビスマレイミドトリアジン樹脂からなる基体部36上に該塗布液を塗布し、乾燥させ、塗布層31′を形成した(図4(a))参照)。この塗布層を乾燥硬化させ硬化樹脂層31とした後、溝部以外の部分に相当する表面部分31aが露光するようにパターン形成されたガラス板をマスク35として設置し、紫外線を照射した(図4(b)参照)。
次に、硬化樹脂層31を所定の時間、現像液と接触させ、表面部分31aを含む部分以外の溝部となる部分を溶解除去し、溝部33を形成し(図4(c)参照)、硬化樹脂層31に溝部33が形成された第1層マスターモールド30を作製した。
この後、実施例1と同様に、(2)転写モールド作製工程、(3)第2層ミラーイメージモールド作製工程、(4)感光性樹脂層形成工程、(5)溝部形成工程、(6)第1層ミラーイメージモールド及び第2層ミラーイメージモールド剥離工程、及び、(7)残膜除去工程を行い、第1層に溝部63が形成され、第2層に凹部61bを有し、貫通孔66を備えたフィルタ膜60を本発明のフィルタ膜を完成した。このフィルタ膜60においても、凹部61bと連通する貫通孔66が形成されていない部分における溝部63の深さは、凹部61bと連通する貫通孔66が形成されている部分の溝部63の深さよりも深かった。
形成されたフィルタ膜において、貫通孔の幅dは、0.2μmであった。
10、60 フィルタ膜
11 第1層
11a 第1表面
11b 溝部
11c 壁面
12 第2層
12a 第2表面
12b、61b 凹部
12c 壁面
13 貫通孔
20、30 第1層マスターモールド
21 基材
21a 基材表面
23、33、63 溝部
25 エッチングレジスト層
31、51 硬化樹脂層
31′ 塗布層
31a 表面部分
35 マスク
36 基体部
40 第1層ミラーイメージモールド
41′ 熱可塑性樹脂フィルム
50 第2層ミラーイメージモールド
55 マスク
56 支持板
61 フィルタ膜用硬化感光性樹脂層
61′ フィルタ膜用感光性樹脂層
66 貫通孔

Claims (14)

  1. 処理媒体中の特定の材料を、他の材料から選択的に分離するフィルタ膜であって、
    前記フィルタ膜は、前記処理媒体が供給される側である第1表面を有する第1層と、前記第1表面と反対側の第2表面を有し、前記第1層よりも厚さの厚い第2層とから構成され、
    前記第1層には、互いに平行な多数の溝部が一定間隔で形成されており、
    前記第2層には、少なくとも隣り合う2本の溝部の間隔よりも大きく、平面視閉じた曲線からなり、互いに孤立した複数の凹部が形成され、
    前記溝部と前記凹部とが互いに重なり合う部分には、前記溝部と前記凹部とを連通する貫通孔が形成されていることを特徴とするフィルタ膜。
  2. 前記溝部の底部の幅は、0.1〜2.0μmであり、前記2つの溝部を隔てる凸部の第1表面部分の幅は、0.5〜5.0μmである請求項1に記載のフィルタ膜。
  3. 前記第2層に形成された凹部の平面視した形状は、円形、楕円形、又は、レーストラック形状である請求項1又は2に記載のフィルタ膜。
  4. 平面視した前記溝部の形状は、所定幅の細長い長方形である請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルタ膜。
  5. 前記凹部と連通する貫通孔が形成されていない部分における溝部の深さは、前記凹部と連通する貫通孔が形成されている部分の溝部の深さよりも深い請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルタ膜。
  6. 前記第2層に形成された凹部には、互いに隣り合う3本以上の溝部と連通する貫通孔が形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルタ膜。
  7. 前記フィルタ膜は、全体的に同一材料からなり、一体的に形成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルタ膜。
  8. 前記溝部は、前記第1表面から前記溝部の底部に近づくに従ってその幅が次第に小さくなるように設定され、前記凹部は、第2表面から前記凹部の底部に近づくに従って、第2表面に平行な断面積が次第に小さくなるように設定されている請求項1〜7のいずれか1項に記載のフィルタ膜。
  9. 前記溝部を含む前記第1表面に垂直な断面の形状において、
    前記溝部の壁面と、前記第1表面とのなす角度は、43〜80°である請求項1〜8のいずれか1項に記載のフィルタ膜。
  10. 前記凹部を含む前記第2表面に垂直な断面の形状において、
    前記凹部の壁面と、前記第2表面とのなす角度は、43〜80°である請求項1〜9のいずれか1項に記載のフィルタ膜。
  11. 前記凹部の底部の最も長さの長い部分の幅は、0.1〜10.0μmである請求項1〜10のいずれか1項に記載のフィルタ膜。
  12. 前記第1層及び前記第2層の合計の厚さは、15μm以下である請求項1〜11のいずれか1項に記載のフィルタ膜。
  13. 平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する前記凹部の前記第2表面に相当する部分の合計面積(a)の割合は、10.0〜50.0%である請求項1〜12のいずれか1項に記載のフィルタ膜。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のフィルタ膜を用いた濾過方法であって、
    濾過の対象となる特定の材料を含む処理媒体が、最初に前記フィルタ膜の第1表面と接触するように、処理媒体をフィルタ膜に供給することを特徴とする濾過方法。
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