JP2018089592A - フィルタ膜及びフィルタ膜の製造方法 - Google Patents

フィルタ膜及びフィルタ膜の製造方法 Download PDF

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雅敏 國枝
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Abstract

【課題】 検査や実験等の用途で使用した際に、開口が他の物質で塞がりにくく、効率よく濾過工程を進めることができ、再現性のよいデータを得ることができるフィルタ膜を提供する。【解決手段】 複数の開口が形成され、前記開口を利用して処理媒体中の特定の材料を、他の材料から選択的に分離するフィルタ膜であって、前記フィルタ膜は、前記処理媒体が供給される側である第一の面と、第一の面と反対側の第二の面とを有し、前記開口を含み、前記第二の面に垂直な断面の形状は、少なくとも前記第二の面から第一の面に向かって形成された開口部と、前記開口部が前記第一の面に到達する前に開口部の大きさが拡張された拡張部とを含み、前記拡張部を除いた第一の面は、連続していることを特徴とするフィルタ膜。【選択図】 図5

Description

本発明は、フィルタ膜及びフィルタ膜の製造方法に関する。
近年、経済の急激な発展に伴い、人々の経済活動により発生する空気汚染は、徐々に悪化しており、特に、自動車や工場等から発生する排気ガスにより大気が汚染され、人々の健康に悪影響を与えている。このため、汚染した大気から汚染物質を取り除くためのフィルタが種々研究されている(特許文献1参照)。
また、健康に影響を与える空気に含まれているウィルス、細菌等が人体に侵入するのを防止するためのフィルタについても、種々研究が進んでいる。
一方、逆に生体中の細胞の構成成分のなかから特定の成分のみを選択的に濾過し、特定の成分のみを得るフィルタについても研究が進んでおり、特許文献2には、フィルム単独で形状を維持できるように、厚さ方向に貫通する、精密形成された複数のミクロンスケールの細孔を含むポリマーフィルタ層と、精密形成された多孔質支持構造を含むポリマー支持層とからなるフィルタ膜が開示されている。上記のような比較的厚い構造とすることにより、フィルム単独で形状を維持でき、かつ、塊状に不可逆な凝集を起こさないフィルタ膜を作製することができる。
特開2011−78481号公報 特開2008−86996号公報
特許文献2に開示されたようなフィルタ膜では、ポリマーフィルタ層とポリマー支持層とを別々に作製し、両者を積層、接着してフィルタ膜を作製する必要がある。しかし、ポリマーフィルタ層とポリマー支持層との間の剥離を防止するとともに、作製したフィルタ膜の破損を防止し、かつ、接着強度を確保するためには、接着工程が煩雑になってしまうという問題点がある。
また、接着の際、ポリマー支持層がポリマーフィルタ層の細孔を一部塞いでしまい、細孔の面積や細孔径にばらつきが発生し易い。このため、検査や実験等の用途で使用した際には、再現性の乏しいデータとなってしまうという問題点がある。
さらに、フォトリソグラフィー法やエッチング法により比較的厚い構造のフィルタ膜を作製しようとすると、露光時の歪みやエッチングの量のばらつき等により細孔の形状が不均一になってしまう。このため、上記と同様、検査や実験等の用途で使用した際には、再現性の乏しいデータとなってしまうという問題点がある。
さらには、平面上に単に細孔が形成されているのみでは、フィルタとして使用した際、細孔より大きい形状の物質が細孔を塞いでしまい、短時間で濾過が困難になり易いという問題がある。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、検査や実験等の用途で使用した際に、開口が他の物質で塞がりにくく、効率よく濾過工程を進めることができ、再現性のよいデータを得ることができるフィルタ膜及び設計した開口部の形状等の構成が設計通りのフィルタ膜を得ることができる該フィルタ膜の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を解決するための本発明のフィルタ膜は、複数の開口が形成され、上記開口を利用して処理媒体中の特定の材料を、他の材料から選択的に分離するフィルタ膜であって、上記フィルタ膜は、上記処理媒体が供給される側である第一の面と、第一の面と反対側の第二の面とを有し、
上記開口を含み、上記第二の面に垂直な断面の形状は、少なくとも上記第二の面から第一の面に向かって形成された開口部と、上記開口部が上記第一の面に到達する前に開口部の大きさが拡張された拡張部とを含み、上記拡張部を除いた第一の面は、連続していることを特徴とする。
本発明のフィルタ膜では、上記処理媒体が供給される側である第一の面と、第一の面と反対側の第二の面とを有し、上記開口を含み、上記第二の面に垂直な断面の形状は、少なくとも上記第二の面から第一の面に向かって形成された開口部と、上記開口部が上記第一の面に到達する前に開口部の大きさが拡張された拡張部とを含んでいるので、上記拡張部の存在により、検査や実験等の用途で使用した際に、開口が濾過対象外物質で塞がりにくく、効率よく濾過工程を進めることができ、再現性のよいデータを得ることができる。
また、本発明のフィルタ膜では、上記拡張部を除いた第一の面は、連続しているので、厚さの厚い連続した第一の面を含む部分がフィルタ膜の全体に渡って存在し、その結果、機械的特性に優れ、自己支持性を有し、他の支持体等に支持されていなくてもフィルム膜単独で形状を維持でき、かつ、フィルム膜が塊状に不可逆な凝集を起こさない。さらに、上記特性に起因して、温度変化やフィルタ使用時の圧力に起因するフィルタ膜の破損を防止することができる。
なお、本発明のフィルタ膜は、空気や特性成分のガス及び液体中に存在する粉塵やウィルス、細菌等を取り除き、清浄な空気、ガス、液体等を得るためのフィルタ膜として使用することができるとともに、逆に、空気や特性成分のガス及び液体中に存在する特定サイズの粒子、ウィルス、細菌、細胞等のみを選択的に濾過、分離して得るためのフィルタ膜としても使用することができる。
なお、本発明のフィルタ膜の「自己支持性を有し、他の支持体等に支持されていなくてもフィルム膜単独で形状を維持でき、かつ、フィルム膜が塊状に不可逆な凝集を起こさない」という特性を、自立性を有するということとする。
本発明のフィルタ膜において、上記フィルタ膜は、全体的に同一材料からなり、一体的に形成されていることが望ましい。
本発明のフィルタ膜が全体的に同一材料からなり、一体的に形成されていると、二つの層を接着した場合のような層分離を起こすことはなく、より機械的特性に優れるとともに、細孔の面積や細孔径にばらつきが発生しにくい。そのため、検査や実験等の用途で使用した際に、再現性のよいデータを得ることができる。
本発明のフィルタ膜において、上記フィルタ膜を平面視した際、上記第一の面は、一筆書き形状を有することが望ましい。
本発明のフィルタ膜で、上記フィルタ膜を平面視した際、上記第一の面が一筆書き形状を有すると、厚さの厚い部分である第一の面を有する部分の伸展方向が種々の方向を向くように形成されているので、自立性により優れ、フィルム膜単独で充分に形状を維持することができる。従って、検査や実験等を行う際、フィルタ膜の取り扱い性に優れる。
本発明のフィルタ膜においては、上記フィルタ膜を平面視した際、上記拡張部は、所定の形状が複数回繰り返す、繰り返し構造を有することが望ましい。
本発明のフィルタ膜で、上記フィルタ膜を平面視した際、上記拡張部は、所定の形状が複数回繰り返す、繰り返し構造を有すると、繰り返し構造を有する方向に垂直な方向に対して機械的特性に優れ、上記特性を利用して繰り返し構造を有する方向に垂直な方向に伸ばしながら、フィルタ装置等に設置することにより、破損等を発生させず、フィルタとして好適に使用することができる。
本発明のフィルタ膜において、上記開口を含み、上記第二の面に垂直な断面の形状において、上記拡張部の上記第一の面から続く壁面と、上記第一の面とのなす角度は、43〜80°であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜で、上記開口を含み、上記第二の面に垂直な断面の形状において、上記拡張部の上記第一の面から続く壁面と、上記第一の面とのなす角度が43〜80°であると、第一の面から続く拡張部の第一の面に平行な断面の断面積は、第一の面に近づくに従って広くなっている。従って、上記第一の面に形成された開口よりも大きな濾過対象外物質が第一の面に近づいても、上記開口と濾過対象外物質との間に空隙が形成され易く、開口が塞がりにくく、濾過を長時間に渡って連続的に行うことができ、効率よく濾過工程を終了することができる。
また、第二の面と開口部を構成する壁面とのなす角度も、43〜80°であることが望ましい。開口部の入口が出口より少し大きいため、所定の径以下の濾過対象物が詰まることなく、通過しやすい。
本発明のフィルタ膜において、上記開口部の径(r)は、0.1〜10.0μmであることが望ましい。
本発明のフィルタ膜で、上記開口部の径(r)が0.1〜10.0μmであると、非常に微細な粉塵、ウィルス等を含むガス等から粉塵、ウィルス等を除去することができる。また、細胞を構成するような液中の微細な成分も、濾過により選択的に分離することができる。
本明細書において、開口部の径とは、第二の面における開口部の径を意味する。
本発明のフィルタ膜において、上記開口部同士の間隔(d)と開口部の径(r)との関係は、0.2r≦d≦1.2rであることが望ましい。
本発明のフィルタ膜で、上記開口部同士の間隔(d)と開口部の径(r)との関係は、0.2r≦d≦1.2rであると、開口部の単位面積当たりの数が充分に多く、かつ、機械的強度も保つことができ、耐久性に優れたフィルタ膜となり、このフィルタ膜を用いて効率よく濾過を行うことができる。
本明細書において、開口部同士の間隔とは、第二の面における開口部同士の間隔を意味する。
本発明のフィルタ膜において、上記開口部のみが形成されている部分の厚さ(t)は、1〜4μmであり、上記拡張部のみが形成されている部分の厚さ(t)は、3〜16μmであることが好ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記開口部のみが形成されている部分の厚さ(t)が1〜4μmであり、上記拡張部のみが形成されている部分の厚さ(t)が3〜16μmであると、機械的強度を有し、耐久性に優れたフィルタ膜を用いて効率よく濾過を行うことができる。
本発明のフィルタ膜において、上記開口部のアスペクト比(t/r)は、8以下であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜で、上記開口部のアスペクト比(t/r)は、8以下であると、開口部が細すぎず、かつ、長くないので、濾過対象外物質が詰まりにくい。
本発明のフィルタ膜において、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記開口部が形成された面積(a)の割合((a/A)×100)は、4〜30%であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜で、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記開口部が形成された面積(a)の割合が4〜30%であると、開口部の単位面積当たりの開口部の面積が充分に大きく、かつ、機械的強度も保つことができ、耐久性に優れたフィルタ膜を用いて効率よく濾過を行うことができる。
本明細書において、開口部が形成された面積とは、第二の面における開口部の面積を意味する。
本発明のフィルタ膜において、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記拡張部が形成された面積(a)の割合((a/A)×100)は、20〜80%であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜で、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記拡張部が形成された面積(a)の割合が20〜80%であると、拡張部の面積が充分に大きいので、当該フィルタ膜に詰まり等が発生しにくく、効率よく濾過作業を行うことができる。
本明細書において、拡張部の面積とは、第一の面における開口部の面積を意味する。
本発明のフィルタ膜の製造方法は、上記フィルタ膜の製造方法であって、平板状の基体部と、上記基体部上に形成され、上記フィルタ膜と同様の構成のフィルタ膜部とからなるマスターモールドを作製するマスターモールド作製工程と、上記工程により作製された上記マスターモールドに、透明な熱可塑性樹脂フィルムを熱ラミネートし、上記マスターモールドの凹凸形状を転写した後剥離し、ミラーイメージモールドを作製する転写モールド作製工程と、基体部上に形成された感光性樹脂からなる感光性樹脂層に、上記ミラーイメージモールドを押し付けた後上記感光性樹脂層を硬化させ、上記基体部上に上記フィルタ膜と同様の構成のフィルタ膜を作製するフィルタ膜作製工程とを含むことを特徴とする。
本発明のフィルタ膜の製造方法は、上記マスターモールド作製工程で作製したマスターモールドを利用し、上記転写モールド作製工程を介して作製した同じミラーイメージモールドを使用して、最終的なフィルタ膜を製造することができるので、開口部の形状等の構成が設計通りのフィルタ膜を再現性よく製造することができる。
本発明のフィルタ膜の製造方法において、別の上記転写モールド作製工程により作製したミラーイメージモールドを使用し、フィルタ膜作製工程のみを行って本発明のフィルタ膜と同様の構成のフィルタ膜を作製することが望ましい。
本発明のフィルタ膜の製造方法で、一回ミラーイメージモールドを作製すると、該ミラーイメージモールドを使用することにより、フィルタ膜作製工程のみを行うことにより、可能な限り何回も本発明のフィルタ膜を作製することができる。
また、ミラーイメージモールドが消耗した場合には、マスターモールドを使用することにより、再度、ミラーイメージモールドを作製することができるので、一度、マスターモールドを作製すれば、長期間に渡って開口部の形状等の構成が設計通りのフィルタ膜を再現性よく製造することができる。
本発明のフィルタ膜の製造方法は、上記マスターモールド作製工程において、フォトリソグラフィー及び/又はエッチングの手法を用いて、上記基体部と上記フィルタ膜部とが一体的に形成されたシリコン製又はガラス製のマスターモールドを作製することが望ましい。
本発明のフィルタ膜の製造方法において、マスターモールド作製工程でシリコン製又はガラス製のマスターモールドを作製すると、シリコン製又はガラス製のマスターモールドは、機械的強度を有するので、長期間に渡り、マスターモールドとして使用することができる。
本発明のフィルタ膜の製造方法は、上記マスターモールド作製工程において、上記基体部上にフォトリソグラフィー及び/又はエッチングの手法を用いて樹脂製のマスターモールドを作製することが望ましい。
本発明のフィルタ膜の製造方法の上記マスターモールド作製工程において、フォトリソグラフィー等の手法を用いることにより、比較的容易に樹脂製のマスターモールドを作製することができ、この樹脂製のマスターモールドであっても、機械的に優れた特性を有する樹脂を使用することにより、問題なく、長期間に渡り、マスターモールドとして使用することができる。
図1(a)は、本発明のフィルタ膜の一例を模式的に示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すフィルタ膜のA−A線断面図である。 図2は、本発明のフィルタ膜において、開口を含み、第二の面に垂直な断面の形状を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明のフィルタ膜の別の一例を模式的に示す平面図である。 図4は、本発明のフィルタ膜のさらに別の一例を模式的に示す平面図である。 図5は、本発明のフィルタ膜のさらに別の一例を模式的に示す平面図である。 図6(a)〜(h)は、本発明のフィルタ膜の製造方法における各工程を模式的に示す断面図である。 図7(a)〜(f)は、本発明のフィルタ膜の製造方法の一例における2段階のマスターモールド作製工程を模式的に示した断面図である。 図8(a)〜(c)は、本発明のフィルタ膜の製造方法の一例における1段階のマスターモールド作製工程を模式的に示した断面図である。 図9(a)〜(f)は、本発明の別のフィルタ膜の製造方法の一例におけるマスターモールド作製工程を模式的に示した断面図である。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明のフィルタ膜について詳述する。
本発明のフィルタ膜は、複数の開口が形成され、上記開口を利用して処理媒体中の特定の材料を、他の材料から選択的に分離するフィルタ膜であって、上記フィルタ膜は、上記処理媒体が供給される側である第一の面と、第一の面と反対側の第二の面とを有し、上記開口を含み、上記第二の面に垂直な断面の形状は、少なくとも上記第二の面から第一の面に向かって形成された開口部と、上記開口部が上記第一の面に到達する前に開口部の大きさが拡張された拡張部とを含み、上記拡張部を除いた第一の面は、連続していることを特徴とする。なお、上記開口は、開口部と拡張部とを含む上位概念の言葉である。
本発明のフィルタ膜は、空気や特性成分のガス及び液体中に存在する粉塵やウィルス、細菌等を取り除き、清浄な空気、ガス、液体等を得るためのフィルタ膜として使用することができるとともに、逆に、空気や特性成分のガス及び液体中に存在する特定サイズの粒子、ウィルス、細菌、細胞等のみを選択的に濾過、分離して得るためのフィルタ膜としても使用することができる。
上記した本発明のフィルタ膜の形状、構造等の一例について、さらに詳述する。
図1(a)は、本発明のフィルタ膜の一例を模式的に示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すフィルタ膜のA−A線断面図である。
図1(a)及び(b)に示す本発明のフィルタ膜10は、処理媒体が供給される側である第一の面11と、第一の面と反対側の第二の面12とを有し、開口16を含み、第二の面12に垂直な断面の形状は、少なくとも第二の面12から第一の面11に向かって形成された開口部13と、開口部13が第一の面11に到達する前に開口部13の大きさが拡張された拡張部14とを含み、拡張部14を除いた第一の面11は、連続している。なお、図1(a)及び(b)に示すように、開口16は、開口部13と拡張部14とを含む上位概念の言葉である。
本発明のフィルタ膜10は、図1(a)及び(b)に示すように、開口部13と拡張部14とからなる複数の開口16が形成され、開口16を利用して処理媒体中の特定の物質を、他の物質から選択的に分離するフィルタ膜として使用することができる。
本発明のフィルタ膜の開口は、概念的には、開口部が形成された層と拡張部が形成された層の二つの層に分けて考えることができるが、フィルタ膜自体は、全体的に同一材料からなり、一体的に形成されていることが望ましい。
上記フィルタ膜が全体的に同一材料からなり、一体的に形成されていると、二つの層を接着した場合のような層分離を起こすおそれはなく、より機械的特性に優れるとともに、二つの層を積み重ねた際に発生する不都合、すなわち細孔の面積や細孔径にばらつきが発生しにくい。そのため、検査や実験等の用途で使用した際に、再現性のよいデータを得ることができる。
また、本発明のフィルタ膜では、上記拡張部を除いた第一の面は、連続しているので、自立性を有する。すなわち、厚さの厚い連続した第一の面を含む部分がフィルタ膜の全体に渡って存在するので、機械的特性に優れ、自己支持性を有し、他の支持体等に支持されていなくてもフィルム膜単独で形状を維持でき、かつ、フィルム膜が塊状に不可逆な凝集を起こさない。さらに、上記特性に起因して、温度変化やフィルタ使用時の圧力に起因するフィルタ膜の破損を防止することができる。
本発明のフィルタ膜を構成する樹脂材料としては、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、シリカハイブリッドコンポジット等が挙げられる。上記樹脂は、高い柔軟性を有するので、機械的特性に優れ、フィルタ膜の自立性を確保し易い。なお、本発明のフィルタ膜の製造方法については、後で詳しく説明することにする。
本発明のフィルタ膜を構成する樹脂材料として、ネガ型のシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。これらの樹脂を使用すると、紫外線等の光を照射することにより、照射した部分は溶剤に対する溶解性が増加し、現像液を用いて光を照射した部分を溶解し、除去することができる。
シリコーン系樹脂は、4官能型のテトラアルコキシシランを主成分に、トリアルコキシシラン等を組み合わせたもので、最終的には、樹脂中にSiOの3次元的な構造が形成される。また、シリコーン系樹脂は、触媒を用いることにより、又は、加熱により硬化させることができる。このように、樹脂フィルムとしてシリコーン系樹脂を用いた場合、SiOの3次元的な構造を有するので、硬く、耐摩耗性に優れている。
アクリル系樹脂は、多官能モノマー/単官能モノマー/ポリマー系からなり、多官能モノマーの種類、量によって架橋度を制御したものである。多官能モノマーとしては、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等が挙げられる。このように、樹脂フィルムとしてアクリル系樹脂を用いた場合、紫外線により短時間で硬化させることができという特徴を有している。
シリカハイブリッドコンポジットとは、シリカゾル等の無機微粒子又は上記したシリコーン系樹脂を用いたSiOの3次元的な構造体とハードコート層の形成に用いられるアクリル系樹脂やその他の樹脂を組み合わせたものであり、ラジカル重合性のアクリロイル基(AC)とメタクリロイル基(MAC)、またはカチオン重合性のオキセタニル基(OX)と、ラジカル重合性のアクリロイル基(AC)、メタクリロイル基(MAC)、又は、カチオン重合性のオキセタニル基(OX)を有する樹脂を組み合わせることにより、紫外線等の光により硬化させることができる。
本発明のフィルタ膜において、開口部の径(r)は、0.1〜10.0μmであることが望ましい。
本明細書において、開口部の径とは、第二の面における開口部の径を意味する。
従って、図1(b)においては、第二の面12で測定される径(r)が開口部13の径となる。
開口部の径(r)は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、フィルタ膜の第二の面を撮影することにより得られた写真からその値を測定することができる。
第二の面から見た開口部の形状は、特に限定されるものではなく、円形でもよく、楕円形であってもよく、レーストラック形状であってもよく、その他の曲線から構成される形状であってもよい。第二の面から見た開口部の形状は、四角形等の多角形であってもよいが、濾過をスムーズに行うためには、円、楕円等の曲線から構成される形状が好ましい。
また、本発明のフィルタ膜において、第二の面から平面視した開口部の形状が円でない場合には、最も幅の狭い部分を開口部の径(r)とする。
本発明のフィルタ膜で、上記開口部の径(r)が0.1〜10.0μmであると、非常に微細な粉塵、ウィルス等を含むガス等から粉塵、ウィルス等を除去することができる。また、細胞を構成するような液中の微細な成分も、濾過により選択的に分離することができる。
本発明のフィルタ膜において、上記開口部の径(r)が0.1μm未満であると、開口部の径が小さすぎるため、正確な開口部を形成しようとすると、開口部形成の費用が高くなりすぎる。一方、開口部の径(r)が10.0μmを超えると、開口部の径が大きくなりすぎ、濾過が容易になるので、本発明のような開口部と拡張部とを有するフィルタ膜を作製しても、本発明のフィルタ膜の特徴を充分に発揮することができない。
本発明のフィルタ膜において、上記開口部同士の間隔(d)と開口部の径(r)との関係は、0.2r≦d≦1.2rであることが望ましい。
本発明のフィルタ膜で、上記開口部同士の間隔(d)と開口部の径(r)との関係は、0.2r≦d≦1.2rであると、開口部の単位面積当たりの数が充分に多く、かつ、機械的強度も保つことができ、耐久性に優れたフィルタ膜を用いて効率よく濾過を行うことができる。
本明細書において、開口部同士の間隔とは、第二の面における開口部同士の間隔を意味する。
従って、図1(b)においては、第二の面12で測定される開口部13同士の間隔dが開口部同士の間隔となる。
開口部同士の間隔dは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、フィルタ膜の第二の面を撮影することにより得られた写真からその値を測定することができる。
開口部同士の間隔(d)が開口部の径(r)に対して0.2r未満であると、間隔(d)が短すぎるため、フィルタ膜の強度が低下し、破壊され易くなる。一方、開口部同士の間隔(d)が開口部の径(r)に対して1.2rを超えると、開口部同士の間隔が広すぎるため、開口部の単位面積当たりの数が少なくなり、濾過の効率が低下してしまう。
本発明のフィルタ膜において、上記開口部のみが形成されている部分の厚さ(t)は、1〜4μmであり、上記拡張部のみが形成されている部分の厚さ(t)は、3〜16μmであることが好ましい。
本発明のフィルタ膜において、上記開口部のみが形成されている部分の厚さ(t)が1〜4μmであり、上記拡張部のみが形成されている部分の厚さ(t)が3〜16μmであると、機械的強度を有し、耐久性に優れたフィルタ膜を用いて効率よく濾過を行うことができる。
図1(b)に示すように、拡張部14の底面14aが第二の面12に対して平行に形成されている場合は、底面14aと第二の面12との距離が開口部のみが形成されている部分の厚さ(t)となり、底面14aと第一の面11との距離が拡張部のみが形成されている部分の厚さ(t)となる。
図2は、本発明のフィルタ膜において、開口を含み、上記第二の面に垂直な断面の形状を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、本発明のフィルタ膜20において、拡張部24の底面24aが第二の面22と平行でない場合には、第二の面22に対して垂直な断面において、底面24aを延長した線と拡張部24の第一の面21に続く壁面24bを延長した線とが交わった点pにおける第二の面22との最短距離を、開口部のみが形成されている部分の厚さ(t)とし、第一の面21と第二の面22との間の厚さ(T)から開口部のみが形成されている部分の厚さ(t)を引いた値(T−t)を、拡張部のみが形成されている部分の厚さ(t)とする。
開口部のみが形成されている部分の厚さ(t)が1μm未満であると、開口部の厚さ(t)が薄すぎ、濾過の際、開口部に亀裂等が形成されるおそれが発生する。一方、開口部のみが形成されている部分の厚さ(t)が4μmを超えると、開口部の厚さ(t)が厚すぎ、濾過対象物質が開口部を抜けにくくなるため、濾過がスムーズに進行しない場合がある。
拡張部のみが形成されている部分の厚さ(t)が3μm未満であると、拡張部の容積が小さくなってしまうため、濾過の際、濾過対象外物質が詰まり易くなる。一方、拡張部のみが形成されている部分の厚さ(t)が16μmを超えると、拡張部の容積が大きくなりすぎ、フィルタ膜の製造が難しくなるため、フィルタ膜が高価になってしまう。
本発明のフィルタ膜において、上記開口部のアスペクト比(t/r)は、8以下であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜で、上記開口部のアスペクト比(t/r)は、8以下であると、開口部が細すぎず、かつ、長くないので、濾過対象外物質が詰まりにくい。
開口部のみが形成されている部分の厚さ(t)は、上述したように規定されており、開口部の径(r)も、上述のように規定されているので、本明細書において、開口部のアスペクト比(t/r)は、明確に規定されている。
上記開口部のアスペクト比(t/r)が8を超えると、開口部の径(r)に比べて開口部のみが形成されている部分の厚さ(t)が厚くなりすぎるため、濾過対象物質が開口部を抜けにくくなり、濾過を効率的に行うことが難しくなる。
本発明のフィルタ膜において、上記開口を含み、上記第二の面に垂直な断面の形状において、上記拡張部の上記第一の面から続く壁面と、上記第一の面とのなす角度は、43〜80°であることが望ましい。
図1及び図2において、第一の面21から続く拡張部24の壁面24bと第一の面21とのなす角度は、αで表示される。図2において、拡張部24と第一の面21との境界部分が曲線により構成されている場合は、第一の面21から続く拡張部24の壁面24bと第一の面21とのなす角度は、拡張部24の直線部分を第一の面21に延長した際、この直線と第一の面21とのなす角度とする。
本発明のフィルタ膜で、拡張部の第一の面から続く壁面と第一の面とのなす角度(α)が43〜80°であると、第一の面から続く拡張部の第一の面に平行な断面の断面積は、第一の面に近づくに従って広くなっている。従って、第一の面に形成された開口部よりも大きな濾過対象外物質が第一の面に近づいても、上記開口部と濾過対象外物質との間に空隙が形成され易く、開口部が塞がりにくく、濾過を長時間に渡って連続的に行うことができ、効率よく濾過工程を行うことができる。
本発明のフィルタ膜において、拡張部の第一の面から続く壁面と第一の面とのなす角度(α)が43°未満であると、拡張部が第一の面に近づくに従って急激に拡張しているため、濾過対象外物質が第一の面に近づいた際、開口部が塞がり易くなる。
一方、拡張部の第一の面から続く壁面と第一の面とのなす角度(α)が80°を超えると、第一の面から垂直に近い角度で拡張部の第一の面から続く壁面が形成されているので、濾過対象外物質が拡張部に嵌り易くなり、やはり開口部に詰まりが発生し易い。
また、第二の面と開口部を構成する壁面とのなす角度も、43〜80°であることが望ましい。開口部の入口が出口より少し大きいため、所定の径以下の濾過対象物が詰まることなく、通過しやすい。
本発明のフィルタ膜において、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記開口部が形成された面積(a)の割合は、4〜30%であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜で、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記開口部が形成された面積(a)の割合が4〜30%であると、開口部全体の単位面積当たりの開口部の面積が充分に大きく、かつ、機械的強度も保つことができ、耐久性に優れたフィルタ膜を用いて効率よく濾過を行うことができる。
本発明のフィルタ膜において、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記開口部が形成された面積(a)の割合が4%未満であると、開口部の面積が小さすぎるので、濾過を効率よく行うことが難しくなる。一方、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記開口部が形成された面積(a)の割合が30%を超えると、開口部の面積が大きすぎるため、フィルタ膜を支持する部分の面積が小さくなり、フィルタ膜の機械的強度が小さくなり、破損し易くなる。
本発明のフィルタ膜において、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記拡張部が形成された面積(a)の割合は、20〜80%であることが望ましい。
本発明のフィルタ膜で、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記拡張部が形成された面積(a)の割合が20〜80%であると、拡張部の面積が充分に大きいので、当該フィルタ膜に詰まり等が発生しにくく、効率よく濾過作業を行うことができる。
本発明のフィルタ膜において、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記拡張部が形成された面積(a)の割合が20%未満であると、拡張部の容積が小さすぎることとなり、上記拡張部の存在により、検査や実験等の用途で使用した際に、開口部が濾過対象外物質で塞がりにくくなるという本発明の効果を得られにくくなる。
一方、平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する上記拡張部が形成された面積(a)の割合が80%を超えると、拡張部の容積が大きくなりすぎ、厚さの厚い連続した第一の面を含む部分の容積が小さくなりすぎ、フィルタ膜の自立性が大きく低下してしまう。
次に、本発明のフィルタ膜の具体的な形状について説明する。
本発明のフィルタ膜においては、上記フィルタ膜を平面視した際、上記拡張部は、所定の形状が複数回繰り返す、繰り返し構造を有することが望ましい。
本発明のフィルタ膜では、中心点を含むように左右上下に4分割された領域のそれぞれの領域において、一列に並んだ複数の楕円形の開口部とそれらを取り巻くように形成された拡張部からなる長細い長方形の開口のパターンが長辺の垂直方向に3回繰り返されており、4つの領域にそれぞれ形成された開口のパターンは、中心点を中心に回転対象となっていてもよい。
上記構成のフィルタ膜では、開口の間に存在する第一の面が形成されている部分(厚さの厚い部分)の伸展方向が各領域でそれぞれ異なるため、機械的に弱い方向がなく、自立性により優れ、フィルム膜単独で充分に形状を維持することができる。従って、検査や実験等を行う際、フィルタ膜の取り扱い性に優れる。
本発明のフィルタ膜では、中心点を中心に回転対象となるように、同じ開口のパターンが、フィルタ膜の4分割された領域にそれぞれ形成されていてもよい。すなわち、これらの領域内では、一列に並んだ複数の楕円形の開口部とそれらを取り巻くように形成された拡張部からなる長方形の開口のパターンが形成されているが、開口に含まれる開口部の数が異なり、その結果、開口の長さも異なり、開口の方向も90°ずれた複数のグループに分けられる。
このような構成のフィルタ膜においても、開口の間に存在する第一の面を有する部分(厚さの厚い部分)の伸展方向が4領域でそれぞれ異なるため、機械的に弱い方向がなく、自立性により優れ、フィルム膜単独で充分に形状を維持することができる。
上記フィルタ膜について、さらに図面を用いて具体的に説明する。
図3は、本発明のフィルタ膜の別の一例を模式的に示す平面図であり、図4は、本発明のフィルタ膜のさらに別の一例を模式的に示す平面図である。
図3に示した本発明のフィルタ膜30では、中心点Qを含むように左右上下に4分割された領域A、B、C、Dのそれぞれの領域において、一列に並んだ複数の楕円形の開口部33とそれらを取り巻くように形成された拡張部34からなる長細い長方形の開口36のパターンが長辺の垂直方向に3回繰り返されており、領域A、B、C、Dにそれぞれ形成された開口36のパターンは、中心点Qを中心に回転対象となっている。
このような構成のフィルタ膜30では、開口36の間に存在する第一の面31が形成されている部分(厚さの厚い部分)の伸展方向が領域A、B、C、Dでそれぞれ異なるため、機械的に弱い方向がなく、自立性により優れ、フィルム膜単独で充分に形状を維持することができる。従って、検査や実験等を行う際、フィルタ膜の取り扱い性に優れる。
図4に示した本発明のフィルタ膜40では、図3と同様に中心点Qを中心に回転対象となるように、同じ開口46のパターンが、フィルタ膜40の領域E、F、G、Hにそれぞれ形成されている。これらの領域内では、一列に並んだ複数の楕円形の開口部43とそれらを取り巻くように形成された拡張部44からなる長方形の開口46のパターンが形成されているが、開口46に含まれる開口部43の数が異なり、その結果、開口46の長さも異なり、開口46の方向も90°ずれた複数のグループに分けられる。
このような構成のフィルタ膜40においても、開口46の間に存在する第一の面41を有する部分(厚さの厚い部分)の伸展方向が領域E、F、G、Hでそれぞれ異なるため、機械的に弱い方向がなく、自立性により優れ、フィルム膜単独で充分に形状を維持することができる。
本発明において、上記繰り返し構造は、上記したパターンに限られるものではなく、第一の面が形成されている部分(厚さの厚い部分)の伸展方向が、フィルタ膜の全体において、一定方向でもよいが、図3及び図4に示されているように、第一の面が形成されている部分(厚さの厚い部分)の伸展方向が、一つのフィルタ膜において種々の方向を向いているものがより望ましい。
本発明のフィルタ膜は、上記フィルタ膜を平面視した際、上記第一の面は、一筆書き形状を有する形状であってよい。
すなわち、上記フィルタ膜では、フィルタ膜を平面視した際、第一の面は、渦巻きパターンからなる一筆書き形状を有しており、多数の開口部とそれらを取り巻くように形成された拡張部からなる開口のパターンも渦巻きパターンを形成していてもよい。
このフィルタ膜では、厚さの厚い部分である第一の面を有する厚さの厚い部分が渦巻きパターンを有し、種々の方向を向くように形成されているので、機械的に弱い方向がなく、自立性により優れ、フィルム膜単独で充分に形状を維持することができる。従って、検査や実験等を行う際、フィルタ膜の取り扱い性に優れる。
図5は、本発明のフィルタ膜のさらに別の一例を模式的に示す平面図である。
図5に示すフィルタ膜50では、フィルタ膜50を平面視した際、第一の面51は、渦巻きパターンからなる一筆書き形状を有しており、多数の開口部53とそれらを取り巻くように形成された拡張部54からなる開口56のパターンも渦巻きパターンを形成している。
すなわち、このフィルタ膜50では、厚さの厚い部分である第一の面51を有する厚さの厚い部分が渦巻きパターンを有し、種々の方向を向くように形成されているので、機械的に弱い方向がなく、自立性により優れ、フィルム膜50単独で充分に形状を維持することができる。従って、検査や実験等を行う際、フィルタ膜の取り扱い性に優れる。
本発明のフィルタ膜において、一筆書き形状は図5に示した形状に限定されるものではなく、第一の面が連続しており、一筆書き形状であれば、所定のパターンが複数回繰り返すパターンを有していてもよい。
それらのなかでは、渦巻きパターンのように、第一の面の伸展方向が種々の方向を向くように形成されているパターンが望ましい。自立性に優れたフィルタ膜となるからである。
次に、本発明のフィルタ膜の製造方法について説明する。
本発明のフィルタ膜の製造方法は、上記した本発明のフィルタ膜の製造方法であって、平板状の基体部と、上記基体部上に形成され、上記した本発明のフィルタ膜と同様の構成のフィルタ膜部とからなるマスターモールドを作製するマスターモールド作製工程と、上記工程により作製された上記マスターモールドに、透明な熱可塑性樹脂フィルムを熱ラミネートし、上記マスターモールドの凹凸形状を転写した後剥離し、ミラーイメージモールドを作製する転写モールド作製工程と、基体部上に形成された感光性樹脂からなる感光性樹脂層に、上記ミラーイメージモールドを押し付けた後上記感光性樹脂層を硬化させ、上記基体部上に上記した本発明のフィルタ膜と同様の構成のフィルタ膜を作製するフィルタ膜作製工程とを含むことを特徴とする。
上記した本発明のフィルタ膜の製造方法は、上記マスターモールド作製工程で作製したマスターモールドを利用し、上記転写モールド作製工程を介して作製した同じミラーイメージモールドを使用して、最終的なフィルタ膜を製造することができるので、開口部の形状等の構成が設計通りのフィルタ膜を再現性よく製造することができる。
図6(a)〜(h)は、本発明のフィルタ膜の製造方法の一例における各工程を模式的に示す断面図である。
(1)マスターモールド作製工程
本発明のフィルタ膜の製造方法では、マスターモールド作製工程として、平板状の基体部と、上記基体部上に形成され、上記した本発明のフィルタ膜と同様の構成のフィルタ膜部とからなるマスターモールドを作製する。
マスターモールド作製方法は、特に限定されるものではないが、上記基体部上にフォトリソグラフィー及び/又はエッチングの手法を用いて樹脂製のマスターモールドを作製する方法を採用することができる。
図7(a)〜(f)は、本発明のフィルタ膜の製造方法の一例における2段階のマスターモールド作製工程を模式的に示した断面図である。なお、図7及び図8に示した製造方法では、マスターモールドとして樹脂製のものを作製する。
マスターモールドを構成する樹脂は、特に限定されるものではないが、本発明のフィルタ膜を構成する樹脂材料と同じものを使用することができる。上記樹脂材料としては、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリカハイブリッドコンポジット等が挙げられる。上記樹脂は、高い柔軟性を有するので、機械的特性に優れ、ミラーイメージモールドを多数回作製しても、摩耗しにくい。
これらのシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリカハイブリッドコンポジットについては、本発明のフィルタ膜を構成する樹脂材料の説明で詳しく説明したので、ここではその説明を省略する。下記の処理では、上記した樹脂でネガ型の感光性樹脂を使用する。
このマスターモールド作製工程では、まず、基体部61上に上記樹脂を溶剤等に溶解させた塗布液を調製した後、該塗布液を塗布し、乾燥させ、開口部形成用の塗布層62a´を形成する(図7(a)参照)。塗布層62a´の形成後、塗布層62a´を硬化させて硬化樹脂層62aとし、続いて、平面視した際、開口部の形状の硬化樹脂層表面63aが露光するようにパターン形成されたガラス板66aをマスクとして設置し、露光する(図7(b)参照)。露光の光源としては、ランプ等が使用される。
基体部の材料は特に限定されるものではなく、例えば、ビスマレイミドトリアジン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、シリコン等の金属、アルミナ、ガラス等のセラミック等が挙げられる。
次に、硬化樹脂層62aを所定の時間、現像液と接触させ、硬化樹脂層表面63aを含む部分を溶解除去し、凹部(開口部)63を形成する(図7(c)参照)。
次に、再度、上記塗布液を塗布し、乾燥させ、拡張部形成用の塗布層62b´を形成する(図7(d)参照)。次に、塗布層62b´を硬化させて硬化樹脂層62bとし、拡張部の形状の硬化樹脂層表面64aが露光するようにパターン形成されたガラス板66bをマスクとして設置し、露光する(図7(e)参照)。
次に、硬化樹脂層62bを所定の時間、現像液と接触させ、硬化樹脂層表面64aを含む部分を溶解除去して凹部(拡張部)64及び開口部63を形成する。これにより、開口部63と拡張部64とを有するマスターモールド62の作製を終了する(図7(f)及び図6(a)参照)。なお、硬化樹脂層62aは、2回目の露光で溶解しないように処理されている。また、基体部61は、上記現像液と接触してもエッチングされない材料である必要がある。
上記工程では、2回塗布層を形成し、2回現像処理することにより、開口部と拡張部とを形成しているが、1回の塗布層形成と1回の現像処理により、開口部と拡張部とを形成してもよい。
図8(a)〜(c)は、本発明のフィルタ膜の製造方法の一例における1段階のマスターモールド作製工程を模式的に示した断面図である。
このマスターモールド作製工程では、まず、基体部61上に上記樹脂を溶剤等に溶解させた塗布液を調製した後、該塗布液を塗布し、乾燥させ、開口部及び拡張部形成用の厚い塗布層62c´を形成する(図8(a)参照)。塗布層62c´の形成後、塗布層62c´を硬化させて硬化樹脂層62cとし、拡張部の形状の硬化樹脂層表面64bが露光するようにパターン形成されたガラス板66cをマスクとして設置し、露光するが、その際、ガラス板66cのパターンとして、拡張部となる部分と開口部となる部分で、濃淡を付けたパターンを形成しており、露光することにより、開口部及び拡張部となる部分を一括して露光することができる(図8(b)参照)。
この後、硬化樹脂層62cを所定の時間、現像液と接触させ、硬化樹脂層62cの露光した硬化樹脂層表面64bを含む部分を溶解除去し、拡張部64及び開口部63を形成する。これにより、開口部63と拡張部64とを有するマスターモールド62cの作製を終了する(図8(c)及び図6(a)参照)。
上記したマスターモールド作製工程では、パターン成形されたガラス板をマスクとして用い、露光、現像によりマスターモールドを作製しているが、レーザー光源等の集光された光源を用いて、マスクを用いることなく、開口部となる部分等の特定の領域を照射、露光し、現像処理してマスターモールドを作製してもよい。開口部と拡張部等、深さの異なる凹部を形成する場合には、レーザー光等を、照射する場所に応じてその出力を調整することにより、露光の深さを調整することができ、これにより一度に開口部と拡張部とを形成することが可能になる。
(2)転写モールド作製工程
本発明の転写モールド作製工程では、上記マスターモールド作製工程により作製されたマスターモールド62に、透明な熱可塑性樹脂フィルム68´を用い(図6(b)参照)、熱可塑性樹脂フィルム68´を熱ラミネートしてマスターモールドの凹凸形状を転写し(図6(c)参照)、その後剥離することにより、ミラーイメージモールド68を作製する(図6(d)参照)。
透明な熱可塑性樹脂フィルムの材料としては、シクロオレフィンポリマー、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリカーボネート(PC)系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。
上記工程では、透明な熱可塑性樹脂フィルム68´を熱ラミネートすることによりマスターモールドを作製していたが、マスターモールド62上に、液状の樹脂を塗布し、加熱等により硬化させた後、剥離することにより、ミラーイメージモールド68を作製してもよい。この方法によれば、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を使用してミラーイメージモールド68を作製することができる。
熱ラミネートの温度は、80〜200℃が好ましく、熱ラミネートの時間は、0.5〜5分が好ましい。
(3)フィルタ膜作製工程
本発明のフィルタ膜作製工程では、別の基体部71上に形成された感光性樹脂からなる感光性樹脂層72´に、透明なミラーイメージモールド68を押し付けた後(図6(e)参照)、紫外線等を透明なミラーイメージモールド68を介して照射し、感光性樹脂層72´を硬化させ(図6(f)参照)、基体部71上にフィルタ膜と同様の構成のフィルタ膜72を作製し(図6(g)参照)、基体部71を剥離することにより、開口部73及び拡張部74が形成された本発明のフィルタ膜72の作製を終了する(図6(h)参照)。
感光性樹脂層72´は、溶剤に溶かした感光性樹脂を基体部71に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。感光性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリカハイブリッドコンポジット等が挙げられる。
別の基体部71の材料は、特に限定されるものではなく、例えば、ビスマレイミドトリアジン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、シリコン等の金属、アルミナ、ガラス等のセラミック等が挙げられる。
上記フィルタ膜作製工程では、感光性樹脂を使用しているが、熱硬化性のシリコーン系樹脂等を使用し、ミラーイメージモールド68を押し付けた後、加熱等を行うことにより、樹脂を硬化させてもよい。
本発明のフィルタ膜の製造方法においては、上記マスターモールド作製工程において、フォトリソグラフィー及び/又はエッチングの手法を用いて、上記基体部と上記フィルタ膜部とが一体的に形成されたシリコン製又はガラス製のマスターモールドを作製してもよい。
図9(a)〜(f)は、本発明の別のフィルタ膜の製造方法の一例におけるマスターモールド作製工程を模式的に示した断面図である。図9(a)〜(f)に示した製造方法では、マスターモールドとしてシリコン製又はガラス製のものを作製する。
マスターモールド作製工程では、まず、フォトリソグラフィーの手法を用い、シリコン製又はガラス製の基材81の表面に、平面視した際、開口部の形状の基材表面81aが露出するようにエッチングレジスト層86を形成する(図9(a)参照)。
ガラスの材料は特に限定されるものではなく、例えば、ソーダガラス等の汎用ガラス、石英ガラス、テンパックス等の耐熱ガラスを使用することができる。
次に、基材表面81aを所定の時間、エッチングガスと接触させ、基材81に凹部(開口部)83を形成し(図9(b)参照)、エッチンングレジスト層86を剥離する(図9(c)参照)。
次に、フォトリソグラフィーの手法を用い、凹部(開口部)83を有する基材81上に、拡張部の形状の基材表面81aが露出するように別のエッチングレジスト層87を形成する(図9(d)参照)。
次に、エッチングレジスト層87が形成された基材表面81aを、所定時間エッチングガスと接触させることにより、基材81に所定深さの拡張部84及び開口部83を形成し(図9(e))、エッチングレジスト層87を剥離することにより開口部83及び拡張部84を有するシリコン製又はガラス製のマスターモールド82を作製する(図9(f))。
作製されたマスターモールドでは、基体部とフィルタ膜部とが一体的に形成されている。
得られたマスターモールド82を用いた本発明のフィルタ膜の製造方法は、上述の図6(a)〜(h)を用いて説明したフィルタ膜の製造方法と同様であるので、ここではその説明を省略する。
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)マスターモールド作製工程
ビスマレイミドトリアジン樹脂からなる基体部61の表面に、感光性のアクリル樹脂をジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解させて調製した該塗布液を塗布し、乾燥させ、塗布層62a´を形成した(図7(a)参照)。塗布層62a´の形成後、塗布層62a´を硬化させて硬化樹脂層62aとし、平面視した際、開口部の形状の硬化樹脂層表面63aが露光するようにパターン形成されたガラス板66aをマスクとして設置し、露光した(図7(b)参照)。
次に、硬化樹脂層62aを所定の時間、現像液と接触させ、硬化樹脂層表面63aを含む部分を溶解除去し、凹部(開口部)63を形成した(図7(c)参照)。
次に、再度、上記塗布液を塗布し、乾燥させ、拡張部形成用の塗布層62b´を形成した(図7(d)参照)。次に、塗布層62b´を硬化させて硬化樹脂層62bとし、拡張部の形状の硬化樹脂層表面64aが露光するようにパターン形成されたガラス板66bをマスクとして設置し、露光した(図7(e)参照)。
次に、硬化樹脂層62bを所定の時間、現像液と接触させ、硬化樹脂層表面64aを含む部分を溶解除去して凹部(拡張部)64及び開口部63を形成した。これにより、開口部63と拡張部64とを有するマスターモールド62の作製を終了した(図7(f)及び図6(a)参照)。なお、硬化樹脂層62aは、2回目の露光で溶解しないように処理されている。また、基体部61は、上記現像液と接触してもエッチングされない材料である必要がある。
(2)転写モールド作製工程
本発明の転写モールド作製工程では、上記マスターモールド作製工程により作製されたマスターモールド62に、シクロオレフィンポリマーからなる透明な熱可塑性樹脂フィルム68´を用い(図6(b)参照)、熱可塑性樹脂フィルム68´を熱ラミネートしてマスターモールドの凹凸形状を転写し(図6(c)参照)、その後剥離することにより、ミラーイメージモールド68を作製した(図6(d)参照)。
(3)フィルタ膜作製工程
本発明のフィルタ膜作製工程では、別の基体部71上に形成された感光性のポリイミド樹脂からなる感光性樹脂層72´に、透明なミラーイメージモールド68を押し付けた後(図6(e)参照)、紫外線等を透明なミラーイメージモールド68を介して照射し、感光性樹脂層72´を硬化させ(図6(f)参照)、基体部71上にフィルタ膜と同様の構成のフィルタ膜72を作製し(図6(g)参照)、基体部71を剥離することにより、開口部73及び拡張部74が形成された本発明のフィルタ膜72の作製を終了した(図6(h)参照)。
形成されたフィルタ膜72において、開口部73の第二の面における径は、0.5μmであった。
(実施例2)
(1)マスターモールド作製工程
基体部61上に上記樹脂を溶剤等に溶解させた塗布液を調製した後、該塗布液を塗布し、乾燥させ、開口部及び拡張部形成用の厚い塗布層62c´を形成した(図8(a)参照)。
塗布層62c´の形成後、塗布層62c´を硬化させて硬化樹脂層62cとし、拡張部形状の硬化樹脂層表面64bが露光するようにパターン形成されたガラス板66cをマスクとして設置し、露光するが、その際、ガラス板66cのパターンとして、拡張部となる部分と開口部となる部分で、濃淡を付けたパターンを形成しており、露光することにより、開口部及び拡張部となる部分を一括して露光することができる(図8(b)参照)。
この後、硬化樹脂層62cを所定の時間、現像液と接触させ、硬化樹脂層表面64bを含む部分を溶解除去し、拡張部64及び開口部63を形成した。これにより、開口部63と拡張部64とを有するマスターモールド62cの作製を終了した(図8(c)及び図6(a)参照)。
この後、実施例1と同様に(2)転写モールド作製工程及び(3)フィルタ膜作製工程を行い、本発明のフィルタ膜を作製した。
形成されたフィルタ膜において、開口部の第二の面における径は、0.5μmであった。
(実施例3)
(1)マスターモールド作製工程
まず、シリコン製の基材81の表面に、フォトリソグラフィーの手法を用い、平面視した際、開口の形状の基材表面81aが露出するようにエッチングレジスト層86を形成した(図9(a)参照)。
次に、基材表面81aを所定の時間、エッチングガスと接触させ、基材81に凹部(開口部)83を形成し(図9(b)参照)、エッチンングレジスト層86を剥離した(図9(c)参照)。
次に、フォトリソグラフィーの手法を用い、凹部(開口部)83を有する基材81上に、拡張部の形状の基材表面81aが露出するように別のエッチングレジスト層87を形成した(図9(d)参照)。
次に、エッチングレジスト層87が形成された基材表面81aを、所定時間エッチングガスと接触させることにより、基材81に所定深さの拡張部84及び開口部83を形成し(図9(e))、エッチングレジスト層87を剥離することにより開口部83及び拡張部84を有するシリコン製又はガラス製のマスターモールド82を作製した(図9(f))。
この後、実施例1と同様に(2)転写モールド作製工程及び(3)フィルタ膜作製工程を行い、本発明のフィルタ膜を作製した。
形成されたフィルタ膜において、開口部の第二の面における径は、0.5μmであった。
10、20、30、40、50、72 フィルタ膜
11、21、31、41、51 第一の面
12、22 第二の面
13、33、43、53、63、73、83 開口部
14、24、34、44、54、74 拡張部
14a、24a 底面
24b 壁面
16、36、46、56 開口
61、71 基体部
62、82 マスターモールド
62a´、62b´、62c´ 塗布層
62a、62b 硬化樹脂層
62c マスターモールド(硬化樹脂層)
63a、64a、64b 硬化樹脂層表面
64、84 凹部(拡張部)
66a、66b、66c ガラス板
68´ 熱可塑性樹脂フィルム
68 ミラーイメージモールド
72´ 感光性樹脂層
81 基材
81a 基材表面
86、87 エッチングレジスト層

Claims (15)

  1. 複数の開口が形成され、前記開口を利用して処理媒体中の特定の材料を、他の材料から選択的に分離するフィルタ膜であって、
    前記フィルタ膜は、前記処理媒体が供給される側である第一の面と、第一の面と反対側の第二の面とを有し、
    前記開口を含み、前記第二の面に垂直な断面の形状は、
    少なくとも前記第二の面から第一の面に向かって形成された開口部と、前記開口部が前記第一の面に到達する前に開口部の大きさが拡張された拡張部とを含み、
    前記拡張部を除いた第一の面は、連続していることを特徴とするフィルタ膜。
  2. 前記フィルタ膜は、全体的に同一材料からなり、一体的に形成されている請求項1に記載のフィルタ膜。
  3. 前記フィルタ膜を平面視した際、前記第一の面は、一筆書き形状を有する請求項1又は2に記載のフィルタ膜。
  4. 前記フィルタ膜を平面視した際、前記拡張部は、所定の形状が複数回繰り返す、繰り返し構造を有する請求項1〜3のいずれか1に記載のフィルタ膜。
  5. 前記開口を含み、前記第二の面に垂直な断面の形状において、
    前記拡張部の前記第一の面から続く壁面と、前記第一の面とのなす角度は、43〜80°である請求項1〜4のいずれか1に記載のフィルタ膜。
  6. 前記開口部の径(r)は、0.1〜10.0μmである請求項1〜5のいずれか1に記載のフィルタ膜。
  7. 前記開口部同士の間隔(d)と開口部の径(r)との関係は、0.2r≦d≦1.2rである請求項6に記載のフィルタ膜。
  8. 前記開口部のみが形成されている部分の厚さ(t)は、1〜4μmであり、前記拡張部のみが形成されている部分の厚さ(t)は、3〜16μmである請求項1〜7のいずれか1に記載のフィルタ膜。
  9. 前記開口部のアスペクト比(t/r)は、8以下である請求項6〜8のいずれか1に記載のフィルタ膜。
  10. 平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する前記開口部が形成された面積(a)の割合は、4〜30%である請求項1〜9のいずれか1に記載のフィルタ膜。
  11. 平面視した際のフィルタ膜の総面積(A)に対する前記拡張部が形成された面積(a)の割合は、20〜80%である請求項1〜10のいずれか1に記載のフィルタ膜。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のフィルタ膜の製造方法であって、
    平板状の基体部と、前記基体部上に形成され、請求項1に記載のフィルタ膜と同様の構成のフィルタ膜部とからなるマスターモールドを作製するマスターモールド作製工程と、
    前記工程により作製された前記マスターモールドに、透明な熱可塑性樹脂フィルムを熱ラミネートし、前記マスターモールドの凹凸形状を転写した後剥離し、ミラーイメージモールドを作製する転写モールド作製工程と、
    基体部上に形成された感光性樹脂からなる感光性樹脂層に、前記ミラーイメージモールドを押し付けた後前記感光性樹脂層を硬化させ、前記基体部上に請求項1に記載のフィルタ膜と同様の構成のフィルタ膜を作製するフィルタ膜作製工程とを含むことを特徴とするフィルタ膜の製造方法。
  13. 別の前記転写モールド作製工程により作製したミラーイメージモールドを使用し、フィルタ膜作製工程のみを行って請求項1に記載のフィルタ膜と同様の構成のフィルタ膜を作製する請求項12に記載のフィルタ膜の製造方法。
  14. 前記マスターモールド作製工程において、フォトリソグラフィー及び/又はエッチングの手法を用いて、前記基体部と前記フィルタ膜部とが一体的に形成されたシリコン製又はガラス製のマスターモールドを作製する請求項12又は13に記載のフィルタ膜の製造方法。
  15. 前記マスターモールド作製工程において、前記基体部上にフォトリソグラフィー及び/又はエッチングの手法を用いて樹脂製のマスターモールドを作製する請求項12又は13に記載のフィルタ膜の製造方法。
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