JP2020043097A - 気密パッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】気密信頼性と封着強度が高い気密パッケージを提供する。【解決手段】本発明の気密パッケージは、セラミック基体とガラス蓋とが、封着材料層により気密一体化された気密パッケージにおいて、セラミック基体が、黒色顔料を0.1〜10質量%含み、セラミック基体の波長808nm、0.5mm換算の光吸収率と、封着材料層の波長808nm、0.005mm換算の光吸収率との差が30%以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、気密パッケージに関し、特にLEDやセンサーチップ等の内部素子を収容可能な気密パッケージに関する。
気密パッケージは、一般的に、光透過性を有するガラス蓋と、基部と基部上に設けられた枠部とを有するセラミック基体と、それらで囲まれた内部空間に収容される内部素子と、を備えている。
気密パッケージの内部に実装されるセンサー等の内部素子やその周辺部材は、周囲環境から浸入する水分により劣化する虞がある。
従来まで、セラミック基体とガラス蓋とを一体化するために、低温硬化性または紫外線硬化性を有する有機樹脂系接着剤が使用されていた。しかし、有機樹脂系接着剤は、水分や気体を完全に遮蔽することが困難であるため、内部素子を経時的に劣化させる虞がある。
一方、ガラス粉末を含む複合粉末を封着材料に用いると、内部素子が周囲環境の水分で劣化し難くなる。
しかし、ガラス粉末は、有機樹脂系接着剤よりも軟化温度が高いため、封着時に内部素子を熱劣化させる虞がある。
このような事情から、レーザー封着が注目されている。レーザー封着では、一般的に、近赤外域の波長を有するレーザー光を封着材料層に照射することによって、封着材料層を軟化変形させ、セラミック基体とガラス蓋を気密一体化する。そして、レーザー封着では、封着すべき部分のみを局所的に加熱することが可能であり、内部素子を熱劣化させることなく、セラミック基体とガラス蓋とを気密一体化することができる。
特開2013−239609号公報 特開2014−236202号公報
ところで、セラミック基体とガラス蓋とをレーザー封着する場合、セラミック基体の熱伝導度が高く、レーザー封着時にセラミック基体の温度が上昇し難いため、セラミック基体と封着材料層が反応し難く、レーザー封着強度を確保し難いという問題がある。
一方、レーザー光の出力を高くする、或いはレーザー光の走査速度を遅くすると、封着材料層とセラミック基体との反応性を高めることができるが、その場合、ガラス蓋において局所的に加熱された領域と局所的に加熱されていない領域で大きな温度差が生じるため、ガラス蓋がサーマルショックで破損し易くなり、気密パッケージ内の気密信頼性を確保できないという問題が生じる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、気密信頼性と封着強度が高い気密パッケージを提供することである。
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、セラミック基体と封着材料層のレーザー吸収特性の差を低減することにより上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の気密パッケージは、セラミック基体とガラス蓋とが、封着材料層により気密一体化された気密パッケージにおいて、セラミック基体が、レーザー吸収材を0.1〜10質量%含み、セラミック基体の波長808nm、0.5mm換算の光吸収率と、封着材料層の波長808nm、0.005mm換算の光吸収率との差が30%以下であることを特徴とする。ここで、「0.5mm換算の光吸収率」とは、測定光路長を0.5mmとした時の光吸収率を指し、例えば、セラミック基体の厚みが1.0mmである場合でも、測定光路長を0.5mmに換算して、光吸収率を求めるものとする。また、「0.005mm換算の光吸収率」とは、測定光路長を0.005mmとした時の光吸収率を指し、例えば、封着材料層の厚みが0.01mmである場合でも、測定光路長を0.005mmに換算して、光吸収率を求めるものとする。
なお、光吸収率は所定の波長領域における全光線透過率と全光線反射率を求め、式1に基づいて算出する。
[式1]
光吸収率(%)={100−(全光線透過率+全光線反射率)}(%)
また、本発明の気密パッケージでは、セラミック基体の波長808nm、0.5mm換算の全光線反射率が60%以下であることが好ましい。ここで、「0.5mm換算の全光線反射率」とは、測定光路長を0.5mmとした時の全光線反射率を指し、例えば、セラミック基体の厚みが1.0mmである場合でも、測定光路長を0.5mmに換算して、全光線反射率を求めるものとする。
また、本発明の気密パッケージでは、セラミック基体に含まれるレーザー吸収材が、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物、Cu系酸化物及びこれらのスピネル型複合酸化物から選ばれる少なくとも1つから構成されることが好ましい。
また、本発明の気密パッケージでは、セラミック基体が、ガラスセラミック、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムの何れか、或いはこれらの複合材料であることが好ましい。
また、本発明の気密パッケージでは、セラミック基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、該枠部の頂部とガラス蓋との間に封着材料層を有することが好ましい。
また、本発明の気密パッケージでは、封着材料層が、ガラス組成中に遷移金属酸化物を含むビスマス系ガラスと耐火性フィラーとを含み、且つ実質的にレーザー吸収材を含んでいないことが好ましい。
また、本発明の気密パッケージでは、セラミック基体の枠部内に、内部素子が収容されていることが好ましい。
以下、図面を参照しながら、本発明の形態を説明する。図1は、本発明の気密パッケージの断面概略図である。気密パッケージ1は、ガラス蓋10とセラミック基体11を備えている。セラミック基体11は基部12を有し、更に基部12の外周縁部上に枠部13を有している。また、セラミック基体11の枠部13内に内部素子14が収容されている。なお、セラミック基体11内には、内部素子14と外部を電気的に接続する電気配線(図示されていない)が形成されている。
ガラス蓋10の表面には、額縁状の封着材料層15が形成されている。封着材料層15の幅は、セラミック基体11の枠部13の頂部16の幅よりも小さくなっている。
ガラス蓋10とセラミック基体11は、ガラス蓋10の封着材料層15と、セラミック基体11の枠部13の頂部16の幅方向の中心線とが一致するように積層配置されている。その後、レーザー照射装置17から出射したレーザー光Lが、ガラス蓋10側から封着材料層15に沿って照射される。これにより、封着材料層15が軟化流動した後、ガラス蓋10とセラミック基体11が気密封着されて、気密パッケージ1の気密構造が形成される。
本発明の気密パッケージの形態を説明するための断面概略図である。
本発明の気密パッケージは、セラミック基体を有しており、セラミック基体は、基部と基部上に設けられた枠部とを有することが好ましい。このようにすれば、枠部内にセンサーチップやLED等の内部素子を収容し易くなる。セラミック基体の枠部は、セラミック基体の外周縁部に沿って、額縁状に形成されていることが好ましい。このようにすれば、デバイスとして機能する有効面積を拡大することができる。更にセンサーチップやLED等の内部素子をセラミック基体の枠部内に収容し易くなり、且つ配線接合等も行い易くなる。
セラミック基体は、レーザー吸収材を0.1〜10質量%の割合で含んでおり、好ましくは0.2〜5質量%の割合で含む。このようにすれば、レーザー封着時に、セラミック基体が封着材料層を透過したレーザー光を吸収することができる。その結果、封着材料層とセラミック基体の界面の温度が上昇して、セラミック基体と封着材料層の反応性が向上すると共に、セラミック基体側への熱流動が低下するため、レーザー封着を効率良く行うことができる。
レーザー吸収材は、レーザー吸収特性の観点から、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物、Cu系酸化物及びこれらのスピネル型複合酸化物から選ばれる少なくとも1つから構成される
セラミック基体は、ガラスセラミック、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムの何れか、或いはこれらの複合材料(例えば、窒化アルミニウムとガラスセラミックを一体化したもの)であることが好ましい。ガラスセラミックは、サーマルビアを容易に形成し得るため、内部素子の動作時に、気密パッケージが過度に発熱する事態を適正に防止することができる。窒化アルミニウムと酸化アルミニウムは、放熱性が良好であるため、内部素子の動作時に、気密パッケージが過度に発熱する事態を適正に防止することができる。
セラミック基体の波長808nm、0.5mm換算の光吸収率は、好ましくは55〜95%、60〜90%、特に65〜80%である。セラミック基体の波長808nm、0.5mm換算の光吸収率が低過ぎると、レーザー封着時に封着材料層を透過したレーザー光を吸収し難くなる。一方、セラミック基体の波長808nm、0.5mm換算の光吸収率が高過ぎると、レーザー吸収材の含有量が過剰になることに起因して、セラミック基体の放熱性が低下し易くなり、またセラミック基体の製造コストが高騰し易くなる。
セラミック基体の波長808nm、0.5mm換算の光吸収率と、封着材料層の波長808nm、0.005mm換算の光吸収率との差は30%以下であり、好ましくは25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、特に5%以下である。セラミック基体の波長808nm、0.5mm換算の光吸収率と、封着材料層の波長808nm、0.005mm換算の光吸収率との差が大き過ぎると、レーザー封着の際にレーザー光が封着材料層に吸収され過ぎて、セラミック基体の温度が上昇し難くなる。結果として、セラミック基体と封着材料層が十分に反応せず、レーザー封着強度を確保し難くなる。或いは、レーザー封着の際に封着材料層がレーザー光をあまり吸収せず、封着材料層が軟化流動し難くなる。結果として、レーザー封着強度を確保し難くなる。
セラミック基体の波長808nm、0.5mm換算の全光線反射率は、好ましくは60%以下、55%以下、特に50%以下である。セラミック基体の波長808nm、0.5mm換算の全光線反射率が高過ぎると、レーザー封着時に封着材料層を透過したレーザー光を吸収し難くなる。
セラミック基体の基部の厚みは0.1〜5.0mm、特に0.2〜1.5mmが好ましい。これにより、気密パッケージの薄型化を図ることができる。
セラミック基体の枠部の厚みは0.2〜5.0mm、特に0.5〜2.0mmが好ましい。これにより、気密パッケージを薄型化し易くなる。更にセンサーチップやLED等の内部素子を収容し易くなり、且つ配線接合等も行い易くすることができる。
セラミック基体の枠部の幅は0.3〜5.0mm、特に0.5〜4.0mmが好ましい。これにより、内部素子を収納し易くなると共に、気密パッケージを小型化し易くなる。
本発明の気密パッケージは、ガラス蓋を有している。ガラス蓋として、種々のガラスが使用可能である。例えば、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスが使用可能である。
ガラス蓋の板厚は0.01〜2.0mm、0.1〜1.2mm、特に0.3〜1.0mmが好ましい。これにより、気密パッケージの薄型化を図ることができる。
ガラス蓋の内部素子側の表面に機能膜を形成してもよく、ガラス蓋の外側の表面に機能膜を形成してもよい。特に機能膜として反射防止膜が好ましい。これにより、ガラス蓋の表面で反射する光を低減することができる。
ガラス蓋は、第一のガラス板と第二のガラス板が接着剤を介して積層一体化されたガラス板積層体でもよい。第一のガラス板と第二のガラス板は、種々のガラスが使用可能である。例えば、無アルカリガラス、アルカリホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスが使用可能である。なお、ガラス板積層体は、二枚のガラス板で構成されることが好ましいが、必要に応じて、別の板状体を更に積層させてもよい。
第一のガラス板と第二のガラス板は、同一のガラスを用いてもよい。つまり同一のガラス組成を有していてもよい。このようにすれば、両者の屈折率、熱膨張係数等の各種特性が一致するため、ガラス蓋の反りや貼り合わせ面での反射等を抑制することができる。
また、第一のガラス板と第二のガラス板は、異種のガラスを用いてもよい。つまり異種のガラス組成を有していてもよい。このようにすれば、第二のガラス板の熱膨張係数がセラミック基体の熱膨張係数に制約されなくなるため、セラミック基体と第一のガラス板の熱膨張係数を厳密に整合させつつ、安価なガラス板を第二のガラス板に使用することができる。結果として、気密パッケージの気密信頼性と製造コストを両立し易くなる。
本発明の気密パッケージは、封着材料層を有している。封着材料層は、封着材料とビークルを混練して作製される封着材料ペーストを塗布、乾燥、脱バインダー、及び焼結することにより作製される。封着材料は、一般的に、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含む複合粉末であり、必要に応じて、着色顔料等のレーザー吸収材が添加される場合がある。そして、封着材料は、レーザー封着の際に、軟化流動して、セラミック基体とガラス蓋を気密一体化する材料である。ビークルは、一般的に、有機樹脂と溶媒の混合物、つまり有機樹脂が溶解した粘稠液を指し、ビークル中に封着材料を分散させることで封着材料ペーストが得られる。なお、ビークル中に、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等が添加される場合もある。
封着材料として、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含む複合粉末を用いることが好ましい。複合粉末として、60〜100体積%のガラス粉末と0〜40体積%の耐火性フィラー粉末を含有する複合粉末を用いることが好ましく、65〜95体積%のビスマス系ガラス粉末と5〜35体積%の耐火性フィラー粉末を含有する複合粉末を用いることが更に好ましい。耐火性フィラー粉末は、セラミック基体とガラス蓋の熱膨張係数を整合し易くするために添加される。その結果、レーザー封着後に封着領域に不当な応力が残留し、破損する事態を防止することができる。一方、耐火性フィラー粉末の含有量が多過ぎると、ガラス粉末の含有量が相対的に少なくなるため、封着材料層の表面平滑性が低下して、セラミック基体の枠部の頂部と封着材料層の密着性が低下して、レーザー封着強度が低下し易くなる。
封着材料の軟化点は、好ましくは530℃以下、510℃以下、特に480℃以下である。封着材料の軟化点が高過ぎると、封着材料層の表面平滑性を高め難くなる。更にレーザー封着時に過度に温度を高める必要があり、ガラス蓋が破損し易くなる。封着材料の軟化点の下限は特に設定されないが、ガラス粉末の熱的安定性を考慮すると、封着材料の軟化点は350℃以上が好ましい。ここで、「軟化点」は、マクロ型DTA装置で測定した際の第四変曲点に相当する。
ガラス粉末は、レーザー封着強度を高める観点から、ビスマス系ガラスが好ましい。ビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、Bi 28〜60%、B 15〜37%、ZnO 0〜30%、CuO+MnO(CuOとMnOの合量) 1〜40%を含有することが好ましい。各成分の含有範囲を上記のように限定した理由を以下に説明する。なお、ガラス組成範囲の説明において、%表示はモル%を指す。
Biは、軟化点を低下させるための主要成分である。Biの含有量は、好ましくは28〜60%、33〜55%、特に35〜45%である。Biの含有量が少な過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、軟化流動性が低下し易くなる。一方、Biの含有量が多過ぎると、レーザー封着の際にガラスが失透し易くなり、この失透に起因して、軟化流動性が低下し易くなる。
は、ガラス形成成分として必須の成分である。Bの含有量は、好ましくは15〜37%、19〜33%、特に22〜30%である。Bの含有量が少な過ぎると、ガラスネットワークが形成され難くなるため、レーザー封着の際にガラスが失透し易くなる。一方、Bの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性が高くなり、軟化流動性が低下し易くなる。
ZnOは、耐失透性を高める成分である。ZnOの含有量は、好ましくは0〜30%、3〜25%、5〜22%、特に5〜20%である。ZnOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが崩れて、かえって耐失透性が低下し易くなる。
CuOとMnOは、レーザー吸収能を大幅に高める成分である。CuOとMnOの合量は、好ましくは1〜40%、3〜35%、10〜30%、特に15〜30%である。CuOとMnOの合量が少な過ぎると、レーザー吸収能が低下し易くなる。一方、CuOとMnOの合量が多過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化流動し難くなる。またガラスが熱的に不安定になり、レーザー封着時にガラスが失透し易くなる。なお、CuOの含有量は、好ましくは1〜30%、特に10〜25%である。MnOの含有量は、好ましくは0〜25%、1〜25%、特に3〜15%である。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
SiOは、耐水性を高める成分である。SiOの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜3%、0〜2%、特に0〜1%である。SiOの含有量が多過ぎると、軟化点が不当に上昇する虞がある。またレーザー封着の際にガラスが失透し易くなる。
Alは、耐水性を高める成分である。Alの含有量は0〜10%、0.1〜5%、特に0.5〜3%が好ましい。Alの含有量が多過ぎると、軟化点が不当に上昇する虞がある。
LiO、NaO及びKOは、耐失透性を低下させる成分である。よって、LiO、NaO及びKOの含有量は、それぞれ0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満が好ましい。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、耐失透性を高める成分であるが、軟化点を上昇させる成分である。よって、MgO、CaO、SrO及びBaOの含有量は、それぞれ0〜20%、0〜10%、特に0〜5%が好ましい。
Feは、耐失透性とレーザー吸収能を高める成分である。Feの含有量は、好ましくは0〜10%、0.1〜5%、特に0.4〜2%である。Feの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが崩れて、かえって耐失透性が低下し易くなる。
Sbは、耐失透性を高める成分である。Sbの含有量は、好ましくは0〜5%、特に0〜2%である。Sbの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが崩れて、かえって耐失透性が低下し易くなる。
また、封着材料としてビスマス系ガラスだけでなく、銀リン酸系ガラスまたはテルル系ガラスの何れかを使用することもできる。銀リン酸系ガラスとテルル系ガラスは、ビスマス系ガラスと比較して、低温で軟化流動し易く、レーザー封着後に生じる熱歪みを低減し得るため、熱的信頼性及び機械的信頼性を高めることができるという特徴を有する。更に、銀リン酸系ガラスとテルル系ガラスは、ビスマス系ガラスと同様に、耐火性フィラー粉末を混合すると、封着材料層の機械的強度を高めることができ、且つ封着材料層の熱膨張係数を低下させることができる。
銀リン酸系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、AgO 10〜50%、P 10〜35%、ZnO 3〜25%、遷移金属酸化物 0〜30%を含有することが好ましい。なお、銀リン酸系ガラスのガラス組成範囲の説明において、%表示はモル%を指す。
AgOは、ガラスを低融点化させると共に、水に溶け難いため、耐水性を高める成分である。AgOの含有量は10〜50%、特に20〜40%が好ましい。AgOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘性が高くなって、流動性が低下し易くなると共に、耐水性が低下し易くなる。一方、AgOの含有量が多過ぎると、ガラス化が困難になる。
は、ガラスを低融点化させる成分である。その含有量は10〜35%、特に15〜25%が好ましい。Pの含有量が少な過ぎると、ガラス化が困難になる。一方、Pの含有量が多過ぎると、耐候性、耐水性が低下し易くなる。
ZnOは、耐失透性を高める成分であり、その含有量は3〜25%、5〜22%、特に9〜20%が好ましい。ZnOの含有量が上記範囲外になると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。
遷移金属酸化物は、レーザー吸収特性を有する成分であり、その含有量は0〜30%、1〜30%、特に3〜15%が好ましい。遷移金属酸化物の含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。
CuOを添加すれば、レーザー吸収特性を高めることができる。CuOの含有量は0〜30%、1〜30%、特に3〜15%が好ましい。CuOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に耐失透性が低下し易くなる。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
TeOは、ガラス形成成分であり、ガラスを低融点化させる成分である。TeOの含有量は0〜40%、特に10〜30%が好ましい。
Nbは、耐水性を高める成分である。Nbの含有量は0〜25%、特に1〜12%が好ましい。Nbの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性が高くなって、流動性が低下し易くなる。
LiO、NaO及びKOは、耐失透性を低下させる成分である。よって、LiO、NaO及びKOの含有量は、それぞれ0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満である。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、耐失透性を高める成分であるが、軟化点を上昇させる成分である。よって、MgO、CaO、SrO及びBaOの含有量は、それぞれ0〜20%、0〜10%、特に0〜5%である。
テルル系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、TeO 20〜80%、Nb 0〜25%、遷移金属酸化物 0〜40%を含有することが好ましい。なお、テルル系ガラスのガラス組成範囲の説明において、%表示はモル%を指す。
TeOは、ガラス形成成分であり、ガラスを低融点化させる成分である。TeOの含有量は20〜80%、特に40〜75%が好ましい。
Nbは、耐水性を高める成分である。Nbの含有量は0〜25%、1〜20%、特に5〜15%が好ましい。Nbの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性が高くなって、流動性が低下し易くなる。
遷移金属酸化物は、レーザー吸収特性を有する成分であり、その含有量は0〜40%、5〜30%、特に15〜25%が好ましい。遷移金属酸化物の含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。
遷移金属酸化物の中では、CuOは、レーザー吸収特性を高める効果が高く、熱的安定性を高める効果も高い。CuOの含有量は0〜40%、5〜30%、特に15〜25%が好ましい。CuOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に耐失透性が低下し易くなる。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
LiO、NaO及びKOは、耐失透性を低下させる成分である。よって、LiO、NaO及びKOの含有量は、それぞれ0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満である。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、耐失透性を高める成分であるが、軟化点を上昇させる成分である。よって、MgO、CaO、SrO及びBaOの含有量は、それぞれ0〜20%、0〜10%、特に0〜5%である。
ガラス粉末の平均粒径D50は、好ましくは15μm未満、0.5〜10μm、特に1〜5μmである。ガラス粉末の平均粒径D50が小さい程、ガラス粉末の軟化点が低下する。ここで、「平均粒径D50」は、レーザー回折法により体積基準で測定した値を指す。
耐火性フィラー粉末として、コーディエライト、ジルコン、酸化錫、酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム系セラミック、ウイレマイト、β−ユークリプタイト、β−石英固溶体から選ばれる一種又は二種以上が好ましく、特にβ−ユークリプタイト又はコーディエライトが好ましい。これらの耐火性フィラー粉末は、熱膨張係数が低いことに加えて、機械的強度が高く、しかもビスマス系ガラス、銀リン酸系ガラス、テルル系ガラス等との適合性が良好である。
耐火性フィラー粉末の平均粒径D50は、好ましくは2μm未満、特に0.1μm以上、且つ1.5μm未満である。耐火性フィラー粉末の平均粒径D50が大き過ぎると、封着材料層の表面平滑性が低下し易くなると共に、封着材料層の平均厚みが大きくなり易く、結果として、レーザー封着精度が低下し易くなる。
耐火性フィラー粉末の99%粒径D99は、好ましくは5μm未満、4μm以下、特に0.3μm以上、且つ3μm以下である。耐火性フィラー粉末の99%粒径D99が大き過ぎると、封着材料層の表面平滑性が低下し易くなると共に、封着材料層の平均厚みが大きくなり易く、結果として、レーザー封着精度が低下し易くなる。ここで、「99%粒径D99」は、レーザー回折法により体積基準で測定した値を指す。
封着材料は、レーザー吸収特性を高めるために、更にレーザー吸収材を含んでもよいが、レーザー吸収材は、ガラスの失透を助長する作用を有する。更にレーザー吸収材を導入すると、封着材料のレーザー吸収特性が高くなり過ぎて、セラミック基体と封着材料層のレーザー吸収特性の差が大きくなり易い。よって、封着材料層中のレーザー吸収材の含有量は、好ましくは10体積%以下、5体積%以下、1体積%以下、0.5体積%以下、特に実質的に含有しないことが好ましい。なお、レーザー吸収材として、Cu系酸化物、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物及びこれらのスピネル型複合酸化物等が使用可能である。
封着材料の熱膨張係数は、好ましくは55×10−7〜110×10−7/℃、60×10−7〜100×10−7/℃、特に65×10−7〜90×10−7/℃である。このようにすれば、封着材料の熱膨張係数がガラス蓋やセラミック基体の熱膨張係数に整合して、封着領域に残留する応力が小さくなる。なお、「熱膨張係数」は、30〜200℃の温度範囲において、TMA(押棒式熱膨張係数測定)装置で測定した値である。
封着材料ペーストは、通常、三本ローラー等により、封着材料とビークルを混練、分散することにより作製される。ビークルは、上記の通り、有機樹脂と溶剤を含む。有機樹脂は、ペーストの粘性を調整する目的で添加される。
ビークルに添加する有機樹脂として、アクリル酸エステル(アクリル有機樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。ビークルに用いる溶剤として、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、テルペン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。
ガラス蓋への封着材料ペーストの塗布は、周知の方法で行うことができる。例えば、スクリーン印刷、ディスペンサー塗布等で行うことができる。塗布膜の乾燥は、自然乾燥でもよいが、乾燥効率の観点から、電気炉、乾燥炉で行うことが好ましい。
乾燥膜に対して、電気炉等の全体加熱により脱バインダー処理を行い、且つガラス粉末の軟化点以上の温度で加熱して軟化流動させると、表面平滑性が高い封着材料層を得ることができる。
乾燥膜に対して、レーザー光の照射によって焼結処理を行うこともできる。この時、乾燥膜にレーザー光を照射して、封着材料層を形成した後に、(100℃以上、且つガラス蓋の歪点以下)の温度でガラス蓋を熱処理することが好ましい。このようにすれば、ガラス蓋のサーマルショックが抑制されるため、ガラス蓋の割れを防止し易くなる。
封着材料層の波長808nm、0.005mm換算の光吸収率は、好ましくは50%以上、65%以上、70〜95%、特に75〜85%である。封着材料層の波長808nm、0.005mm換算の光吸収率が低過ぎると、封着材料層がレーザー光を吸収し難くなり、レーザー封着時に封着材料層が軟化流動し難くなる。一方、封着材料層の波長808nm、0.005mm換算の光吸収率が高過ぎると、レーザー封着時にセラミック基体を局所加熱し難くなるため、セラミック基体と封着材料層の反応が十分に進行せず、レーザー封着強度が低下し易くなる。
封着材料層の平均厚さは、好ましくは10.0μm未満、特に1.0μm以上、且つ7.0μm未満である。封着材料層の平均厚みが小さい程、封着材料層、セラミック基体及びガラス蓋の熱膨張係数が不整合であっても、レーザー封着後に封着領域に残留する応力を低減することができる。またレーザー封着の精度を高めることもできる。なお、上記のように封着材料層の平均厚みを規制する方法としては、封着材料ペーストを薄く塗布する方法、封着材料層の表面を研磨処理する方法が挙げられる。
封着材料層の平均幅は、好ましくは3500μm未満、1200μm未満、特に150μm以上、且つ800μm未満である。封着材料層の平均幅を狭くすると、レーザー封着後に封着領域に残留する応力を低減することができる。更にセラミック基体の枠部の幅を狭小化することができ、気密パッケージのデバイスとして機能する有効面積を拡大することができる。
気密パッケージの製造方法は、基部と基部上に設けられた枠部とを有するセラミック基体を用意する工程と、ガラス蓋を用意する工程と、セラミック基体の枠部の頂部とガラス蓋とが封着材料層と接するように、セラミック基体とガラス蓋を積層配置する工程と、ガラス蓋側からレーザー光を照射し、封着材料層を軟化変形させることにより、セラミック基体とガラス蓋を気密一体化して、気密パッケージを得る工程と、を備えることが好ましい。
セラミック基体とガラス蓋を積層配置する工程を設ける工程では、ガラス蓋をセラミック基体の下方に配置してもよいが、レーザー封着の効率の観点から、ガラス蓋をセラミック基体の上方に配置することが好ましい。
セラミック基体とガラス蓋を積層配置する際に、封着材料層がセラミック基体の枠部の頂部において幅方向の中心線上に位置するように、封着材料層とセラミック基体の枠部の頂部を接触配置することが好ましい。このようにすれば、レーザー封着の精度を高めることができる。
ガラス蓋側から照射するレーザーとして、種々のレーザーを使用することができる。特に、半導体レーザー、YAGレーザー、COレーザー、エキシマレーザー、赤外レーザーは、取扱いが容易な点で好ましい。
レーザー封着時におけるレーザー光のビーム形状は、特に限定されない。ビーム形状としては、円形、楕円形、矩形が一般的であるが、その他の形状でもよい。また、レーザー封着時におけるレーザー光のビーム径は0.3〜3.5mmが好ましい。
レーザー封着を行う雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気でもよく、窒素雰囲気等の不活性雰囲気でもよい。
レーザー封着を行う前に、(100℃以上、且つ内部素子の耐熱温度以下の温度)でセラミック基体を予備加熱することが好ましい。これにより、レーザー封着時にセラミック基体側への熱伝導を阻害し得るため、レーザー封着を効率良く行うことができる。
ガラス蓋を押圧した状態でレーザー封着を行うことが好ましい。これにより、レーザー封着時に封着材料層の軟化変形を促進することができる。
セラミック基体とガラス蓋を積層配置する前に、更にセラミック基体の枠部内に内部素子を収容する工程を備えることが好ましい。これにより、内部素子の熱劣化を抑制することができる。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
(実施例1)
先ず、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、3質量%レーザー吸収材を含むガラスセラミック基体(縦15mm×横15mm、基部厚み0.5mm、枠部厚み1.0mm、熱膨張係数60×10−7/℃、波長808nm、0.5mm換算の光吸収率73%)を準備した。なお、「ガラスセラミック」は、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含むグリーンシートの積層シートを焼結させたものである。
次に、アルカリホウケイ酸ガラスからなるガラス蓋(縦15mm×横15mm×厚み0.3mm、日本電気硝子社製BDA)を用意した。
また、ビスマス系ガラス粉末を68体積%、耐火性フィラー粉末を32体積%の割合で混合して、封着材料を作製した。ここで、ビスマス系ガラス粉末の平均粒径D50を1.0μm、99%粒径D99を2.8μmとし、耐火性フィラー粉末の平均粒径D50を1.0μm、99%粒径D99を2.8μmとした。なお、ビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、Bi 39%、B 24.5%、ZnO 14.5%、Al 1.0%、CuO 20.5%、Fe 0.5%を含有している。また耐火性フィラー粉末はβ−ユークリプタイトである。
得られた封着材料の熱膨張係数を測定したところ、その熱膨張係数は、66×10−7/℃であった。なお、熱膨張係数は、押棒式TMA装置で測定したものであり、その測定温度範囲は30〜200℃である。
次に、ガラス蓋の外周縁部に沿って、ガラス蓋上に上記封着材料を塗布、乾燥、脱バインダー、焼結を行い、封着材料層を形成した。詳述すると、まず粘度が90±20Pa・s(25℃、Shear rate:4)の範囲内になるように、上記の封着材料、ビークル及び溶剤を混練した後、更に三本ロールミルで粉末が均一分散するまで混錬して、ペースト化し、封着材料ペーストを得た。ビークルには、グリコールエーテル系溶剤にエチルセルロース有機樹脂を溶解させたものを使用した。次に、ガラス蓋の外周縁部上にスクリーン印刷機により封着材料ペーストを額縁状に印刷した。更に、大気雰囲気下にて、120℃で10分間乾燥して乾燥膜を得た後、電気炉で加熱処理することにより、乾燥膜を脱バインダー、焼結させて、平均幅約300μm、平均厚み約5μmを有する封着材料層を形成した。この封着材料層の波長808nm、0.005mm換算の光吸収率は75%であった。
最後に、封着材料層を焼結させたガラス蓋と、レーザー吸収材を分散させたガラスセラミック基体を積層させて、ガラス蓋側からレーザー光を照射し、封着材料層を軟化流動させ、ガラス蓋とガラスセラミック基体を気密一体化させることで気密パッケージを得た。なお、レーザー出力は10W、走査速度は15mm/秒、ビーム直径はφ500μmである。
(実施例2)
基部と基部上に設けられた枠部とを有し、3質量%レーザー吸収材を含むアルミナセラミック基体(縦15mm×横15mm、基部厚み0.5mm、枠部厚み1.0mm、熱膨張係数70×10−7/℃、波長808nm、0.5mm換算の光吸収率は75%)を用いた点、レーザー出力を16Wに設定した点以外は、実施例1と同様にして気密パッケージを得た。
(比較例1)
基部と基部上に設けられた枠部とを有し、レーザー吸収材を含まないガラスセラミック基体(縦15mm×横15mm、基部厚み0.5mm、枠部厚み1.0mm、熱膨張係数58×10−7/℃、波長808nm、0.5mm換算の光吸収率は15%)を用いた点、レーザー出力を14Wに設定した点以外は、実施例1と同様にして気密パッケージを得た。
(比較例2)
基部と基部上に設けられた枠部とを有し、レーザー吸収材を0.05%含むアルミナセラミック基体(縦15mm×横15mm、基部厚み0.5mm、枠部厚み1.0mm、熱膨張係数69×10−7/℃、波長808nm、0.5mm換算の光吸収率は34%)を用いた点、レーザー出力を19Wに設定した点以外は、実施例1と同様にして気密パッケージを得た。
(評価)
実施例1、2及び比較例1、2で得られた気密パッケージについて、クラックの有無を観察すると共に、温度サイクル試験、高温高湿高圧試験を行った。その結果を表1に示す。
クラックの有無は、得られた気密パッケージについて、光学顕微鏡で封着材料層の近傍を観察して、評価したものである。
温度サイクル試験は、得られた気密パッケージについて、125℃⇔−55℃、1000サイクルの条件で温度サイクルを繰り返した後、封着材料層の近傍を観察して、評価したものであり、変質、クラック、剥離等が認められなかったものを「○」、認められたものを「×」として評価した。
高温高湿高圧試験:PCT(Pressure Cooker Test)は、得られた気密パッケージについて、121℃、湿度100%、2atm、24時間の条件で、高温高湿高圧環境下で保持した後、封着材料層の近傍を観察して、評価したものであり、変質、クラック、剥離等が認められなかったものを「○」、認められたものを「×」として評価した。
表1から分かるように、実施例1及び2で得られた気密パッケージは、クラックの有無、温度サイクル試験、高温高湿高圧試験の評価が良好であった。一方、比較例1及び2で得られた気密パッケージは、クラックの有無、温度サイクル試験、高温高湿高圧試験の評価が不良であった。
本発明の気密パッケージは、センサーチップ、LED等の内部素子が実装された気密パッケージに好適であるが、それ以外にも圧電振動素子や有機樹脂中に量子ドットを分散させた波長変換素子等を収容する気密パッケージ等にも好適に適用可能である。
1 気密パッケージ
10 ガラス蓋
11 セラミック基体
12 基部
13 枠部
14 内部素子
15 封着材料層
16 枠部の頂部
17 レーザー照射装置
L レーザー光

Claims (7)

  1. セラミック基体とガラス蓋とが、封着材料層により気密一体化された気密パッケージにおいて、
    セラミック基体が、レーザー吸収材を0.1〜10質量%含み、
    セラミック基体の波長808nm、0.5mm換算の光吸収率と、封着材料層の波長808nm、0.005mm換算の光吸収率との差が30%以下であることを特徴とする気密パッケージ。
  2. セラミック基体の波長808nm、0.5mm換算の全光線反射率が60%以下であることを特徴とする請求項1に記載の気密パッケージ。
  3. セラミック基体に含まれるレーザー吸収材が、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物、Cu系酸化物及びこれらのスピネル型複合酸化物から選ばれる少なくとも1つから構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の気密パッケージ。
  4. セラミック基体が、ガラスセラミック、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムの何れか、或いはこれらの複合材料であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の気密パッケージ。
  5. セラミック基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、該枠部の頂部とガラス蓋との間に封着材料層を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の気密パッケージ。
  6. 封着材料層が、ガラス組成中に遷移金属酸化物を含むビスマス系ガラスと耐火性フィラーとを含み、且つ実質的にレーザー吸収材を含んでいないことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の気密パッケージ。
  7. セラミック基体の枠部内に、内部素子が収容されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の気密パッケージ。
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