JP2020042949A - マニホールド、及びセルスタック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】天板の変形を抑制することのできるマニホールド及びセルスタック装置を提供する。【解決手段】マニホールド2は、第1及び第2マニホールド本体2a、2bを備える。第1マニホールド本体2aは第1ガス流路43と連通するガス供給室20aを有し、第2マニホールド本体2bは第2ガス流路44と連通するガス回収室20bを有する。第1マニホールド本体2aは、第1天板21a、第1底板22a、及び第1側板23aを有する。第1天板21aは、第1ガス流路43とガス供給室20aとを連通させるための第1貫通孔211aを含む。第2マニホールド本体2bは、第2天板21b、第2底板22b、及び第2側板23bを有する。第2天板21bは、第2ガス流路44とガス回収室20bとを連通させるための第2貫通孔211bを含む。第1底板22aと第2底板22bとは、互いに別部材で構成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、マニホールド、及びセルスタック装置に関するものである。
セルスタック装置は、電気化学セル及びマニホールドを備えている。特許文献1に開示されたセルスタック装置では、マニホールドは、電気化学セルの一例である燃料電池セルの基端部を支持している。マニホールドは、ガス供給室とガス回収室とを有している。詳細には、マニホールドは、内部空間を有するマニホールド本体と、仕切板とを有している。仕切板は、マニホールド本体の底板から天板に向かって延び、マニホールド本体の内部空間をガス供給室とガス回収室とに仕切っている。
特許第6030260号公報
セルスタック装置は運転時において高温となるため、仕切板が熱膨張することがある。仕切板は、マニホールドの天板と当接しているため、仕切板が熱膨張することによって、天板を押圧して変形させてしまうおそれがある。天板が変形すると、天板に支持された電気化学セルの基端部や電気化学セルを天板に接合する接合材などにクラックが生じるといったような問題が生じる。このため、天板の変形は抑制することが好ましい。そこで、本発明の課題は、天板の変形を抑制することのできるマニホールド及びセルスタック装置を提供することにある。
本発明の第1側面に係るマニホールドは、電気化学セルにガスを供給するためのマニホールドである。電気化学セルは、第1及び第2ガス流路を有する。第1及び第2ガス流路は、電気化学セルの基端部から先端部に延び、且つ電気化学セルの先端部で互いに連通する。マニホールドは、第1マニホールド本体と、第2マニホールド本体と、を備える。第1マニホールド本体は、第1ガス流路と連通するガス供給室を有する。第2マニホールド本体は、第2ガス流路と連通するガス回収室を有する。第1マニホールド本体は、第1天板と、第1底板と、第1側板とを有する。第1天板は、第1ガス流路とガス供給室とを連通させるための第1貫通孔を含む。第2マニホールド本体は、第2天板と、第2底板と、第2側板とを有する。第2天板は、第2ガス流路とガス回収室とを連通させるための第2貫通孔を含む。第1底板と第2底板とは、互いに別部材で構成されている。
この構成によれば、マニホールドの底板は第1底板と第2底板とに分かれているため、従来のように一枚で構成されている底板に比べて変形しやすい。このため、熱膨張によって第1及び第2側板が熱膨張したとき、この第1及び第2側板が第1及び第2天板を押圧する力が第1及び第2底板の変形によって緩和される。この結果、第1及び第2天板の変形を抑制することができる。
好ましくは、第1天板と第2天板とは、1つの部材で構成されている。
好ましくは、第1貫通孔と第2貫通孔とは、一体的に構成される。
好ましくは、第1天板と第2天板とは、別部材で構成されている。
本発明の第2側面に係るセルスタック装置は、電気化学セルと、上述したいずれかのマニホールドとを備えている。マニホールドは、電気化学セルの基端部を支持する。電気化学セルは、少なくとも1つの第1ガス流路と、少なくとも1つの第2ガス流路と、を有する。第1ガス流路は、ガス供給室と連通する。第1ガス流路は、電気化学セルの基端部から先端部に延びる。第2ガス流路は、ガス回収室と連通する。第2ガス流路は、電気化学セルの基端部から先端部に延びる。第1ガス流路と第2ガス流路とは、電気化学セルの先端部において互いに連通する。
本発明によれば、天板の変形を抑制することのできるマニホールド及びセルスタック装置を提供することができる。
セルスタック装置の斜視図。 マニホールドの断面図。 マニホールドの断面図。 マニホールドの平面図。 セルスタック装置の断面図。 燃料電池セルの斜視図。 燃料電池セルの断面図。 変形例に係るマニホールドの断面図。 変形例に係るセルスタック装置の断面図。
以下、本発明に係るマニホールド及びセルスタック装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、電気化学セルの一例として燃料電池セル、より具体的には固体酸化物形燃料電池セル(SOFC)を用いて説明する。図1はセルスタック装置を示す斜視図、図2はマニホールドの断面図である。なお、図1及び図2において、いくつかの燃料電池セルの記載を省略している。
[セルスタック装置]
図1に示すように、セルスタック装置100は、マニホールド2と、複数の燃料電池セル10とを備えている。
[マニホールド]
マニホールド2は、燃料電池セル10にガスを供給するように構成されている。また、マニホールド2は、燃料電池セル10から排出されたガスを回収するように構成されている。
図2及び図3に示すように、マニホールド2は、第1マニホールド本体2aと、第2マニホールド本体2bとを有している。第1マニホールド本体2aは、ガス供給室20aを有している。第2マニホールド本体2bは、ガス回収室20bを有している。
ガス供給室20a及びガス回収室20bは、燃料電池セル10の配列方向(z軸方向)に延びている。マニホールド2は、燃料電池セル10の配列方向において、第1端部201と第2端部202とを有している。なお、図2の中心線Cは、配列方向におけるマニホールド2の中心Cを示している。
詳細には、第1マニホールド本体2aは、第1天板21a、第1底板22a、及び第1側板23aを有している。第1天板21a、第1底板22a、及び第1側板23aによって、ガス供給室20aを画定している。第1マニホールド本体2aは、直方体状である。
例えば、第1底板22aと第1側板23aとは1つの部材で構成されている。第1天板21aは、第1側板23aの上端部と接合している。なお、第1天板21aと第1側板23aとが1つの部材で構成されており、第1底板22aが第1側板23aの下端部と接合していてもよい。
第1側板23aは、第1外側側板部231a及び第1内側側板部232aを有する。第1外側側板部231a及び第1内側側板部232aは、燃料電池セル10の配列方向(z軸方向)に延びている。第1外側側板部231aは、第2マニホールド本体2bの反対側に配置されている。第1内側側板部232aは、第2マニホールド本体2b側に配置されている。
また、第1側板23aは、一対の第1連結側板部233aを有している。各第1連結側板部233aは、燃料電池セル10の幅方向(y軸方向)に延びている。各第1連結側板部233aは、第1外側側板部231aの端部と第1内側側板部232aの端部とを連結している。
第1外側側板部231a、第1内側側板部232a、及び一対の第1連結側板部233aは、1つの部材によって構成されていてもよい。また、第1内側側板部232aのみ別部材で構成し、第1外側側板部231a及び一対の第1連結側板部233aを一つの部材で構成してもよい。
図4に示すように、第1天板21aは、複数の第1貫通孔211aを有している。各第1貫通孔211aは、マニホールド2の長さ方向(z軸方向)に間隔をあけて並んでいる。各第1貫通孔211aの配列方向(z軸方向)は、燃料電池セル10の配列方向と同義である。
各第1貫通孔211aは、マニホールド2の幅方向(y軸方向)に延びている。各第1貫通孔211aは、ガス供給室20aと連通している。なお、各第1貫通孔211aは、後述する各第2貫通孔211bと一体的に形成されている。
図2及び図3に示すように、第2マニホールド本体2bは、第2天板21b、第2底板22b、及び第2側板23bを有している。第2天板21b、第2底板22b、及び第2側板23bによって、ガス回収室20bを画定している。第2マニホールド本体2bは、直方体状である。
例えば、第2底板22bと第2側板23bとは1つの部材で構成されている。第2天板21bは、第2側板23bの上端部と接合している。なお、第2天板21bと第2側板23bとが1つの部材で構成されており、第2底板22bが第2側板23bの下端部と接合していてもよい。
第2側板23bは、第2外側側板部231b及び第2内側側板部232bを有する。第2外側側板部231b及び第2内側側板部232bは、燃料電池セル10の配列方向(z軸方向)に延びている。第2外側側板部231bは、第1マニホールド本体2aと反対側に配置されている。第2内側側板部232bは、第1マニホールド本体2a側に配置されている。第2内側側板部232bは、第1内側側板部232aと対向している。好ましくは、第1内側側板部232aと第2内側側板部232bとは、間隔をあけて配置されている。
また、第2側板23bは、一対の第2連結側板部233bを有している。各第2連結側板部233bは、燃料電池セル10の幅方向(y軸方向)に延びている。各第2連結側板部233bは、第2外側側板部231bの端部と第2内側側板部232bの端部とを連結している。
第2外側側板部231b、第2内側側板部232b、及び一対の第2連結側板部233bは、1つの部材によって構成されていてもよい。また、第2内側側板部232bのみ別部材で構成し、第2外側側板部231b及び一対の第2連結側板部233bを一つの部材で構成してもよい。
第2底板22bは、第1底板22aと別部材によって構成されている。好ましくは、第1底板22aと第2底板22bとは互いに間隔をあけて配置されている。
第2天板21bは、第1天板21aと一体的に構成されている。例えば、第1天板21aと第2天板21bとは、一枚の板状部材によって構成されていてもよい。この場合、一枚の板状部材のうち、ガス供給室20aと対向する部分が第1天板21aであり、ガス回収室20bと対向する部分が第2天板21bである。
図4に示すように、第2天板21bは、複数の第2貫通孔211bを有している。各第2貫通孔211bは、マニホールド2の長さ方向(z軸方向)に間隔をあけて並んでいる。各第2貫通孔211bの配列方向(z軸方向)は、燃料電池セル10の配列方向と同義である。
各第2貫通孔211bは、マニホールド2の幅方向(y軸方向)に延びている。各第2貫通孔211bは、ガス回収室20bと連通している。なお、各第2貫通孔211bは、上述したように、各第1貫通孔211aと一体的に形成されている。
図5に示すように、第1及び第2天板21a、21bは、各燃料電池セル10の基端部101を支持している。詳細には、接合材103が第1及び第2天板21a、21bと燃料電池セル10の基端部101とを接合する。接合材103は、燃料電池セル10の基端部101の周囲に沿って環状に形成されている。なお、第1及び第2天板21a、21bは、燃料電池セル10を本実施形態のように直接的に支持してもよいし、燃料電池セル10との間に別の部材を介して燃料電池セル10を間接的に支持していてもよい。
[ガス供給管]
図2に示すように、ガス供給管12は、ガス供給室20aにガスを供給するように構成されている。ガス供給管12は、ガス供給室20aと連通している。詳細には、ガス供給管12は、燃料電池セル10の配列方向(z軸方向)において、マニホールド2の中心Cよりも第1端部201側において、ガス供給室20aと連通している。
ガス供給管12は、第1マニホールド本体2aに取り付けられている。詳細には、ガス供給管12は、例えば、第1連結側板部233aに取り付けられている。なお、ガス供給管12は、第1連結側板部233aから、燃料電池セル10の配列方向に沿ってガスを供給している。すなわち、ガス供給管12によるガス供給方向は、燃料電池セル10の配列方向に沿っている。
[ガス回収管]
ガス回収管13は、ガス回収室20bからガスを回収するように構成されている。ガス回収管13は、ガス回収室20bと連通している。ガス回収管13は、燃料電池セル10の配列方向において、マニホールド2の中心Cよりも第2端部202側においてガス回収室20bと連通している。
ガス回収管13は、第2マニホールド本体2bに取り付けられている。詳細には、ガス回収管13は、例えば、第2連結側板部233bに取り付けられている。なお、ガス回収管13が取り付けられる第2連結側板部233bは、ガス供給管12が取り付けられる第1連結側板部233aと反対側に配置されている。
ガス回収管13は、第2連結側板部233bから、燃料電池セル10の配列方向に沿ってガスを回収している。すなわち、ガス回収管13によるガス回収方向は、燃料電池セル10の配列方向に沿っている。
ガス供給管12は、ガス回収管13のガス回収方向に沿ってガスを供給している。すなわち、ガス供給管12によるガス供給方向は、ガス回収管13によるガス回収方向と実質的に同じである。
[燃料電池セル]
図5に示すように、燃料電池セル10は、マニホールド2から上方に延びている。詳細には、燃料電池セル10は、基端部101がマニホールド2に取り付けられている。本実施形態では、燃料電池セル10の基端部101は下端部を意味し、燃料電池セル10の先端部102は上端部を意味する。
図1に示すように、各燃料電池セル10は、主面同士が対向するように並べられている。また、各燃料電池セル10は、マニホールド2の長さ方向(z軸方向)に沿って間隔をあけて並べられている。すなわち、燃料電池セル10の配列方向は、マニホールド2の長さ方向に沿っている。なお、各燃料電池セル10は、マニホールド2の長さ方向に沿って等間隔に配置されていなくてもよい。
図5及び図6に示すように、燃料電池セル10は、支持基板4と、複数の発電素子部5と、連通部材3と、を有している。各発電素子部5は、支持基板4の第1主面45及び第2主面46に支持されている。なお、第1主面45に形成される発電素子部5の数と第2主面46に形成される発電素子部5の数とは、互いに同じであってもよいし異なっていてもよい。また、各発電素子部5の大きさは、互いに異なっていてもよい。
[支持基板]
支持基板4は、マニホールド2から上下方向に延びている。詳細には、支持基板4は、マニホールド2から上方に延びている。支持基板4は、扁平状であり、基端部41と先端部42とを有している。基端部41及び先端部42は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)における両端部である。本実施形態では、支持基板4の基端部41は下端部を意味し、支持基板4の先端部42は上端部を意味する。
支持基板4の基端部41は、マニホールド2に取り付けられる。例えば、支持基板4の基端部41は、接合材103などによってマニホールド2の第1及び第2天板21a、21bに取り付けられる。詳細には、支持基板4の基端部41は、第1及び第2天板21a、21bに形成された第1及び第2貫通孔211a、211bに挿入されている。なお、支持基板4の基端部41は、第1及び第2貫通孔211a、211bに挿入されていなくてもよい。
支持基板4は、複数の第1ガス流路43と、複数の第2ガス流路44とを有している。第1ガス流路43は、支持基板4内を上下方向に延びている。すなわち、第1ガス流路43は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に延びている。第1ガス流路43は、支持基板4を貫通している。各第1ガス流路43は、支持基板4の幅方向(y軸方向)において互いに間隔をあけて配置されている。なお、各第1ガス流路43は、等間隔に配置されていることが好ましい。支持基板4は、長さ方向(x軸方向)よりも幅方向(y軸方向)の寸法の方が長くてもよい。
図5に示すように、隣り合う第1ガス流路43のピッチp1は、例えば、1〜5mm程度である。この隣り合う第1ガス流路43のピッチp1は、第1ガス流路43の中心間の距離である。例えば、第1ガス流路43のピッチp1は、基端部41、中央部、及び先端部42のそれぞれにおいて測定したピッチの平均値とすることができる。
第1ガス流路43は、燃料電池セル10の基端部101から先端部102に向かって延びている。燃料電池セル10をマニホールド2に取り付けた状態において、第1ガス流路43は、基端部101側において、第1マニホールド本体2aのガス供給室20aと連通している。
第2ガス流路44は、支持基板4内を上下方向に延びている。すなわち、第2ガス流路44は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に延びている。第2ガス流路44は、第1ガス流路43と実質的に平行に延びている。
第2ガス流路44は、支持基板4を貫通している。各第2ガス流路44は、支持基板4の幅方向(y軸方向)において互いに間隔をあけて配置されている。なお、各第2ガス流路44は、等間隔に配置されていることが好ましい。
隣り合う第2ガス流路44のピッチp2は、例えば、1〜5mm程度である。この隣り合う第2ガス流路44のピッチp2は、第2ガス流路44の中心間の距離である。例えば、第2ガス流路44のピッチp2は、基端部41、中央部、及び先端部42のそれぞれにおいて測定したピッチの平均値とすることができる。なお、各第2ガス流路44間のピッチp2は、各第1ガス流路43間のピッチp1と実質的に等しいことが好ましい。
第2ガス流路44は、燃料電池セル10の基端部101から先端部102に向かって延びている。燃料電池セル10をマニホールド2に取り付けた状態において、第2ガス流路44は、基端部101側において、第2マニホールド本体2bのガス回収室20bと連通している。
隣り合う第1ガス流路43と第2ガス流路44とのピッチp0は、例えば、1〜10mm程度である。この隣り合う第1ガス流路43と第2ガス流路44とのピッチp0は、第1ガス流路43の中心と第2ガス流路44の中心との距離である。例えば、ピッチp0は、支持基板4の基端面411において測定することができる。
隣り合う第1ガス流路43と第2ガス流路44とのピッチp0は、隣り合う第1ガス流路43のピッチp1よりも大きい。また、隣り合う第1ガス流路43と第2ガス流路44とのピッチp0は、隣り合う第2ガス流路44のピッチp2よりも大きい。
第1ガス流路43と第2ガス流路44とは、燃料電池セル10の先端部102側において互いに連通している。詳細には、第1ガス流路43と、第2ガス流路44とが、連通部材3の連通流路30を介して連通している。
第1ガス流路43及び第2ガス流路44は、第1ガス流路43内におけるガスの圧力損失が第2ガス流路44内におけるガスの圧力損失よりも小さくなるように構成されている。なお、本実施形態のように第1ガス流路43及び第2ガス流路44のそれぞれが複数本ある場合、各第1ガス流路43内におけるガスの圧力損失の合計が、各第2ガス流路44内におけるガスの圧力損失の合計よりも小さくなるように、第1ガス流路43及び第2ガス流路44が構成される。
例えば、各第1ガス流路43の流路断面積は、各第2ガス流路44の流路断面積よりも大きくすることができる。なお、第1ガス流路43の数と第2ガス流路44との数とが異なる場合は、各第1ガス流路43の流路断面積の合計値が、各第2ガス流路44の流路断面積の合計値よりも大きくすることができる。
特に限定されるものではないが、各第2ガス流路44の流路断面積の合計値は、各第1ガス流路43の流路断面積の合計値の20〜95%程度とすることができる。なお、第1ガス流路43の流路断面積は、例えば、0.5〜20mm程度とすることができる。また、第2ガス流路44の流路断面積は、例えば、0.1〜15mm程度とすることができる。
なお、第1ガス流路43の流路断面積は、第1ガス流路43が延びる方向(x軸方向)と直交する面(yz平面)で切断した切断面における第1ガス流路43の流路断面積を言う。また、第1ガス流路43の流路断面積は、基端部41側の任意の箇所における流路断面積と、中央部の任意の箇所における流路断面積と、先端部42側の任意の箇所における流路断面積との平均値とすることができる。
また、第2ガス流路44の流路断面積は、第2ガス流路44が延びる方向(x軸方向)と直交する面(yz平面)で切断した切断面における第2ガス流路44の流路断面積を言う。また、第2ガス流路44の流路断面積は、基端部41側の任意の箇所における流路断面積と、中央部の任意の箇所における流路断面積と、先端部42側の任意の箇所における流路断面積との平均値とすることができる。
図6に示すように、支持基板4は、第1主面45と、第2主面46とを有している。第1主面45と第2主面46とは、互いに反対を向いている。第1主面45及び第2主面46は、各発電素子部5を支持している。第1主面45及び第2主面46は、支持基板4の厚さ方向(z軸方向)を向いている。また、支持基板4の各側面47は、支持基板4の幅方向(y軸方向)を向いている。各側面47は、湾曲していてもよい。図1に示すように、各支持基板4は、第1主面45と第2主面46とが対向するように配置されている。
図6に示すように、支持基板4は、発電素子部5を支持している。支持基板4は、電子伝導性を有さない多孔質の材料によって構成される。支持基板4は、例えば、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)から構成される。または、支持基板4は、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とY(イットリア)とから構成されてもよいし、MgO(酸化マグネシウム)とMgAl(マグネシアアルミナスピネル)とから構成されてもよい。支持基板4の気孔率は、例えば、20〜60%程度である。この気孔率は、例えば、アルキメデス法、又は微構造観察により測定される。
支持基板4は、緻密層48によって覆われている。緻密層48は、第1ガス流路43及び第2ガス流路44から支持基板4内に拡散されたガスが外部に排出されることを抑制するように構成されている。本実施形態では、緻密層48は、支持基板4の第1主面45、第2主面46、及び各側面47を覆っている。なお、本実施形態では、緻密層48は、後述する電解質7と、インターコネクタ91とによって構成されている。緻密層48は、支持基板4よりも緻密である。例えば、緻密層48の気孔率は、0〜7%程度である。
[発電素子部]
複数の発電素子部5が、支持基板4の第1主面45及び第2主面46に支持されている。各発電素子部5は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に配列されている。詳細には、各発電素子部5は、支持基板4上において、基端部41から先端部42に向かって互いに間隔をあけて配置されている。すなわち、各発電素子部5は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に沿って、間隔をあけて配置されている。なお、各発電素子部5は、後述する電気的接続部9によって、互いに直列に接続されている。
発電素子部5は、支持基板4の幅方向(y軸方向)に延びている。発電素子部5は、支持基板4の幅方向において第1部分51と第2部分52とに区画される。なお、第1部分51と第2部分52との厳密な境界はない。例えば、燃料電池セル10をマニホールド2に取り付けた状態において、支持基板4の長さ方向視(x軸方向視)において、ガス供給室20aとガス回収室20bとの境界と重複する部分を、第1部分51と第2部分52との境界部とすることができる。
支持基板4の厚さ方向視(z軸方向視)において、第1ガス流路43は、発電素子部5の第1部分51と重複している。また、支持基板4の厚さ方向視(z軸方向視)において、第2ガス流路44は、発電素子部5の第2部分52と重複している。なお、複数の第1ガス流路43のうち、一部の第1ガス流路43が第1部分51と重複していなくてもよい。同様に、複数の第2ガス流路44のうち、一部の第2ガス流路44が第2部分52と重複していなくてもよい。
図7は、第1ガス流路43に沿って切断した燃料電池セル10の断面図である。なお、第2ガス流路44に沿って切断した燃料電池セル10の断面図は、第2ガス流路44の流路断面積が異なる以外は、図7と同じである。
発電素子部5は、燃料極6、電解質7、及び空気極8を有している。また、発電素子部5は、反応防止膜11をさらに有している。燃料極6は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。燃料極6は、燃料極集電部61と燃料極活性部62とを有する。
燃料極集電部61は、凹部49内に配置されている。凹部49は、支持基板4に形成されている。詳細には、燃料極集電部61は、凹部49内に充填されており、凹部49と同様の外形を有する。各燃料極集電部61は、第1凹部611及び第2凹部612を有している。燃料極活性部62は、第1凹部611内に配置されている。詳細には、燃料極活性部62は、第1凹部611内に充填されている。
燃料極集電部61は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、燃料極集電部61は、NiO(酸化ニッケル)とY(イットリア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とCSZ(カルシア安定化ジルコニア)とから構成されてもよい。燃料極集電部61の厚さ、及び凹部49の深さは、50〜500μm程度である。
燃料極活性部62は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、燃料極活性部62は、NiO(酸化ニッケル)とGDC(ガドリニウムドープセリア)とから構成されてもよい。燃料極活性部62の厚さは、5〜30μmである。
電解質7は、燃料極6上を覆うように配置されている。詳細には、電解質7は、一のインターコネクタ91から他のインターコネクタ91まで長さ方向に延びている。すなわち、支持基板4の長さ方向(x軸方向)において、電解質7とインターコネクタ91とが交互に配置されている。また、電解質7は、支持基板4の第1主面45、第2主面46、及び各側面47を覆っている。
電解質7は、支持基板4よりも緻密である。例えば、電解質7の気孔率は、0〜7%程度である。電解質7は、イオン伝導性を有し且つ電子伝導性を有さない緻密な材料から構成される焼成体である。電解質7は、例えば、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、LSGM(ランタンガレート)から構成されてもよい。電解質7の厚さは、例えば、3〜50μm程度である。
反応防止膜11は、緻密な材料から構成される焼成体である。反応防止膜11は、平面視において、燃料極活性部62と略同一の形状である。反応防止膜11は、電解質7を介して、燃料極活性部62と対応する位置に配置されている。反応防止膜11は、電解質7内のYSZと空気極8内のSrとが反応して電解質7と空気極8との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するために設けられている。反応防止膜11は、例えば、GDC=(Ce,Gd)O(ガドリニウムドープセリア)から構成され得る。反応防止膜11の厚さは、例えば、3〜50μm程度である。
空気極8は、反応防止膜11上に配置されている。空気極8は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。空気極8は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSF=(La,Sr)FeO(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O(ランタンニッケルフェライト)、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)等から構成されてもよい。また、空気極8は、LSCFから構成される第1層(内側層)とLSCから構成される第2層(外側層)との2層によって構成されてもよい。空気極8の厚さは、例えば、10〜100μmである。
[電気的接続部]
電気的接続部9は、隣り合う発電素子部5を電気的に接続するように構成されている。電気的接続部9は、インターコネクタ91及び空気極集電膜92を有する。インターコネクタ91は、第2凹部612内に配置されている。詳細には、インターコネクタ91は、第2凹部612内に埋設(充填)されている。インターコネクタ91は、電子伝導性を有する緻密な材料から構成される焼成体である。インターコネクタ91は、支持基板4よりも緻密である。例えば、インターコネクタ91の気孔率は、0〜7%程度である。インターコネクタ91は、例えば、LaCrO(ランタンクロマイト)から構成され得る。或いは、(Sr,La)TiO(ストロンチウムチタネート)から構成されてもよい。インターコネクタ91の厚さは、例えば、10〜100μmである。
空気極集電膜92は、隣り合う発電素子部5のインターコネクタ91と空気極8との間を延びるように配置される。例えば、図7の左側に配置された発電素子部5の空気極8と、図7の右側に配置された発電素子部5のインターコネクタ91とを電気的に接続するように、空気極集電膜92が配置されている。空気極集電膜92は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。
空気極集電膜92は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)から構成されてもよい。或いは、Ag(銀)、Ag−Pd(銀パラジウム合金)から構成されてもよい。空気極集電膜92の厚さは、例えば、50〜500μm程度である。
[連通部材]
図5に示すように、連通部材3は、支持基板4の先端部42に取り付けられている。そして、連通部材3は、第1ガス流路43と第2ガス流路44とを連通させる連通流路30を有している。詳細には、連通流路30は、各第1ガス流路43と各第2ガス流路44とを連通する。連通流路30は、各第1ガス流路43から各第2ガス流路44まで延びる空間によって構成されている。連通部材3は、支持基板4に接合されていることが好ましい。また、連通部材3は、支持基板4と一体的に形成されていることが好ましい。連通流路30の数は、第1ガス流路43の数よりも少ない。本実施形態では、一本の連通流路30のみによって、複数の第1ガス流路43と複数の第2ガス流路44とが連通されている。
連通部材3は、例えば、多孔質である。また、連通部材3は、その外側面を構成する緻密層31を有している。緻密層31は、連通部材3の本体よりも緻密に形成されている。例えば、緻密層31の気孔率は、0〜7%程度である。この緻密層31は、連通部材3と同じ材料や、上述した電解質7に使用される材料、結晶化ガラス等によって形成することができる。
[発電方法]
上述したように構成されたセルスタック装置100では、第1マニホールド本体2aのガス供給室20aに水素ガスなどの燃料ガスを供給するとともに、燃料電池セル10を空気などの酸素を含むガスに曝す。すると、空気極8において下記(1)式に示す化学反応が起こり、燃料極6において下記(2)式に示す化学反応が起こり、電流が流れる。
(1/2)・O+2e→O2− …(1)
+O2−→HO+2e …(2)
詳細には、ガス供給管12からガス供給室20aに供給された燃料ガスは、各燃料電池セル10の第1ガス流路43内を流れ、各発電素子部5の燃料極6において、上記(2)式に示す化学反応が起こる。各燃料極6において未反応であった燃料ガスは、第1ガス流路43を出て連通部材3の連通流路30を介して第2ガス流路44へ供給される。そして、第2ガス流路44へ供給された燃料ガスは、再度、燃料極6において上記(2)式に示す化学反応が起こる。第2ガス流路44を流れる過程において燃料極6において未反応であった燃料ガスは、第2マニホールド本体2bのガス回収室20bへ回収される。そして、ガス回収管13は、ガス回収室20bからガスを回収する。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
変形例1
上記実施形態では、第1天板21aと第2天板21bとが1つの部材で構成されているが、これに限定されない。例えば、図8に示すように、第1天板21aと第2天板21bとは、別々の部材で構成されていてもよい。この場合、第1天板21aと第2天板21bとは、一体的に構成されていることが好ましい。例えば、第1天板21aと第2天板21bとが接合材104によって接合されていてもよい。
変形例2
上記実施形態では、第1ガス流路43と第2ガス流路44とは、連通部材3が有する連通流路30によって連通されていたが、この構成に限定されない。例えば、図9に示すように、支持基板4が、内部に連通流路30を有していてもよい。この場合、セルスタック装置100は、連通部材3を備えていなくてもよい。この支持基板4内に形成された連通流路30によって、第1ガス流路43と第2ガス流路44とが連通されている。
変形例3
上記実施形態では、支持基板4は、複数の第1ガス流路43を有しているが、1つの第1ガス流路43のみを有していてもよい。同様に、支持基板4は、複数の第2ガス流路44を有しているが、1つの第2ガス流路44のみを有していてもよい。
変形例4
上記実施形態では、マニホールド2の第1及び第2天板21a、21bが上方を向き、第1及び第2底板22a、22bが下方を向くように配置されているが、マニホールド2の配置はこれに限定されない。例えば、マニホールド2の第1及び第2天板21a、21bが下方を向き、第1及び第2底板22a、22bが上方を向くように配置されていてもよい。この場合、燃料電池セル10は、第1及び第2天板231から下方に延びる。
変形例5
上記実施形態の燃料電池セル10は、各発電素子部5が支持基板4の長さ方向(x軸方向)に配列されている、いわゆる横縞型の燃料電池セルであるが、燃料電池セル10の構成はこれに限定されない。例えば、燃料電池セル10は、支持基板4の第1主面45に1つの発電素子部5が支持された、いわゆる縦縞型の燃料電池セルであってもよい。この場合、支持基板4の第2主面46に一つの発電素子部5が支持されていてもよいし、支持されていなくてもよい。
変形例6
上記実施形態では、電気化学セルを固体酸化物形燃料電池セル(SOFC)として用いているが、これに限定されない。例えば、電気化学セルを固体酸化物形電解セル(SOEC)として用いることもできる。
2 マニホールド
2a 第1マニホールド本体
20a ガス供給室
21a 第1天板
211a 第1貫通孔
22a 第1底板
23a 第1側板
2b 第2マニホールド本体
20b ガス回収室
21b 第2天板
211b 第2貫通孔
22b 第2底板
23b 第2側板
10 燃料電池セル
43 第1ガス流路
44 第2ガス流路
第1ガス流路43及び第2ガス流路44は、第1ガス流路43内におけるガスの圧力損失が第2ガス流路44内におけるガスの圧力損失よりも小さくなるように構成されている。

Claims (5)

  1. 基端部から先端部に延び且つ前記先端部で互いに連通する第1及び第2ガス流路を有する電気化学セルにガスを供給するためのマニホールドであって、
    前記第1ガス流路と連通するガス供給室を有する第1マニホールド本体と、
    前記第2ガス流路と連通するガス回収室を有する第2マニホールド本体と、
    を備え、
    前記第1マニホールド本体は、前記第1ガス流路と前記ガス供給室とを連通させるための第1貫通孔を含む第1天板と、第1底板と、第1側板とを有し、
    前記第2マニホールド本体は、前記第2ガス流路と前記ガス回収室とを連通させるための第2貫通孔を含む第2天板と、第2底板と、第2側板とを有し、
    前記第1底板と前記第2底板とは、互いに別部材で構成されている、
    マニホールド。
  2. 前記第1天板と前記第2天板とは、1つの部材で構成されている、
    請求項1に記載のマニホールド。
  3. 前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とは、一体的に構成される、
    請求項2に記載のマニホールド。
  4. 前記第1天板と前記第2天板とは、別部材で構成されている、
    請求項1に記載のマニホールド。
  5. 電気化学セルと、
    前記電気化学セルの基端部を支持する請求項1から4のいずれかに記載のマニホールドと、
    を備え、
    前記電気化学セルは、
    前記ガス供給室と連通し、前記電気化学セルの基端部から先端部に延びる少なくとも1つの第1ガス流路と、
    前記ガス回収室と連通し、前記電気化学セルの基端部から先端部に延びて前記電気化学セルの先端部において前記第1ガス流路と連通する、少なくとも1つの第2ガス流路と、
    を有する、
    セルスタック装置。
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