JP2020042941A - 電池用電極の製造方法、及び電池用電極 - Google Patents

電池用電極の製造方法、及び電池用電極 Download PDF

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Abstract

【課題】より簡素な手法によって内部抵抗を確実に低下させる電池用電極を作製する。【解決手段】炭素を主成分とする電池用電極の製造方法であって、分散剤となる有機溶媒にカーボンナノチューブと薬剤を添加して有機溶媒中にカーボンナノチューブを分散させる分散工程S11と、カーボンナノチューブを分散させた有機溶媒を炭素系繊維集合体に添加する添加工程S12と、カーボンナノチューブを分散させた有機溶媒を添加した炭素系繊維集合体を外気が遮断され得る炉内で1800度以下の温度で焼成する焼成工程S13と、を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、レドックスフロー電池等で使用される電池用電極の製造方法、及び電池用電極に関する。
近年では、容量が大きく、幅広い分野で利用可能であり、耐用年数が長く、関連素子の設計に関する制限が少ない等の特徴を有する電気化学的エネルギー貯蔵装置となるレドックスフロー電池の開発が進められている。レドックスフロー電池は、正極電解液と負極電解液が分離しており、それぞれ循環している高性能蓄電池であり、一般的に電極が炭素繊維不織布を改質させて製造されている。しかしながら、炭素繊維不織布は、水平方向の導電性が優れるが、垂直方向の導電性が劣り、且つ比表面積が小さいので、酸化還元性能が低く、放電出力が低下する。このため、電極の垂直方向の導電性の向上と比表面積の増加を実現させることが課題となっている。
垂直方向の導電性を向上させて、レドックスフロー電池の内部抵抗を下げ、放電出力を高める従来技術として、例えば、特許文献1には、窒素含有炭素電極の製造方法及びレドックスフロー電池について開示されている。当該特許文献1では、炭素材料、高分子材料、及び改質剤を混合させて予備成形体を形成し、予備成形体に対して成形プロセスを行うことによって成形体を得てから、高温焼結を行うことで高分子材料の一部を分解除去し、高分子材料のもう一部が炭素材料と共に複数の孔隙を含有する骨格構造を形成し、改質剤中の窒素を骨格構造に付着させて窒素含有官能基を形成することによって、窒素含有炭素電極を形成している。
特開2017−139222号公報
しかしながら、導電性炭素繊維等の炭素を主成分とする電池用電極を製造する際には、より簡素な手法によって、確実に内部抵抗を下げて、放電出力を高められる電極が製造されることが好ましい。特に、レドックスフロー電池等で使用される炭素を主成分とする電池用電極に関しては、高い放電出力を維持するためには、内部抵抗をより確実に低下させることが望まれる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、より簡素な手法によって内部抵抗を確実に低下させる電池用電極を作製することの可能な、新規かつ改良された電池用電極の製造方法、及び電池用電極を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、炭素を主成分とする電池用電極の製造方法であって、分散剤となる有機溶媒にカーボンナノチューブと薬剤を添加して前記有機溶媒中に前記カーボンナノチューブを分散させる分散工程と、前記カーボンナノチューブを分散させた前記有機溶媒を炭素系繊維集合体に添加する添加工程と、前記カーボンナノチューブを分散させた前記有機溶媒を添加した前記炭素系繊維集合体を外気が遮断され得る炉内で1800度以下の温度で焼成する焼成工程と、を有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、分散剤で分散されたカーボンナノチューブを炭素系繊維集合体の表面側に焼結させて電極を作製するので、ナノレベルで電極の表面積が拡大されることによって、内部抵抗を確実に低下させることができる。
本発明の一態様では、前記焼成工程では、前記炉内を800℃以上1500℃未満の温度に加熱することとしてもよい。
このようにすれば、炭素系繊維集合体を構成する各炭素系繊維が細くなり、かつ、表面が粗な状態となるので、表面に分散されたカーボンナノチューブが付着され易くなるので、ナノレベルで表面積が拡大されて内部抵抗が低下した電池用電極を確実に作製できるようになる。
また、本発明の一態様では、前記分散工程では、前記分散剤となる前記有機溶媒として、エタノールとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)の少なくとも何れか一方を添加することとしてもよい。
このようにすれば、特にカーボンナノチューブの分散効率が良好となるので、効率的にナノレベルで表面積が拡大されて内部抵抗が低下した電池用電極を確実に作製できるようになる。
また、本発明の一態様では、前記分散工程では、前記薬剤としてアルミニウム塩化合物を添加することとしてもよい。
このようにすれば、より効率的に炭素系繊維集合体を構成する各炭素系繊維の表面を粗な状態にすることができる。
また、本発明の一態様では、前記添加工程では、前記炭素系繊維集合体としてポリアクリロニトリル系繊維に対して、前記カーボンナノチューブを添加することとしてもよい。
このようにすれば、より効率的にナノレベルで表面積が拡大されて内部抵抗が低下した電池用電極を確実に作製できるようになる。
また、本発明の他の態様は、炭素を主成分とする電池用電極であって、炭素系繊維集合体と、前記炭素系繊維集合体の表面に分散されて焼結により付着されるカーボンナノチューブと、を備え、前記電池用電極の表面のX線回折法における(002)回折ピークの半値幅が3.8度未満であることを特徴とする。
本発明の他の態様によれば、確実にナノレベルで表面積が拡大されるので、電極の内部抵抗を低下させられるようになる。
本発明の他の態様では、前記電池用電極の前記表面のラマン分光法における1360cm−1のDピーク値と1580cm−1のGピーク値の積分面積比(I/I)が1より大きいこととしてもよい。
このようにすれば、確実にナノレベルで表面積が拡大されるので、電極の内部抵抗を低下させられるようになる。
以上説明したように本発明によれば、分散剤で分散されたカーボンナノチューブを炭素系繊維集合体の表面側に焼結させて電池用電極を作製するので、ナノレベルで電池用電極の表面積が確実に拡大される。このため、電池用電極の内部抵抗が低下することによって、電池の高い放電出力を維持できるようになる。
本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法の概略を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法の一実施例で作製された電池用電極の表面状態を示す説明図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
まず、本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法の概略について、図面を使用しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法の概略を示すフロー図である。
本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法は、主にレドックスフロー電池やリチウムイオン電池等の二次電池に備わる電池用電極のうち、ポリアクリロニトリル系繊維等の炭素系繊維を主成分とする炭素系繊維電極の作製に適用される。
本発明者らは、前述した本発明の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、所定の分散剤でカーボンナノチューブを分散させてから炭素系繊維集合体に添加して、当該カーボンナノチューブを炭素系繊維集合体の表面側に所定の温度条件で焼結させて電極を作製することによって、ナノレベルで電極の表面積が拡大されて、内部抵抗を確実に低下させられることを見出した。そして、これらの知見に基づいて、更に研究を行った結果、本発明を完成するに至った。
本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法は、図1に示すように、分散工程S11と、添加工程S12と、焼成工程S13とを有する。そして、本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法は、工程S11乃至工程S13を経ることによって、より簡素な手法で効率的に内部抵抗の低い電池用電極を作製できるようになっている。
分散工程S11では、分散剤となる有機溶媒にカーボンナノチューブと薬剤を添加して有機溶媒中にカーボンナノチューブを分散させる。本実施形態では、カーボンナノチューブとして、例えば、フェルト等への保持が容易な繊維径が約7nm、長さが約5μmの多層カーボンナノチューブが使用される。本実施形態における分散工程S11では、カーボンナノチューブの分散効率を高めるために、分散剤となる有機溶媒として、エタノールとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(Sodium Dodecyl Benzene Sulfonate:SDBS)の少なくとも何れか一方を添加する。なお、本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法で使用される分散剤の実施例の詳細については、後述する。
また、本実施形態では、より効率的に炭素系繊維集合体を構成する各炭素系繊維の表面をザラザラの粗な状態にするために、分散工程S11に添加する薬剤としてアルミニウム塩化合物を添加する。このように、本実施形態では、分散工程S11でアルミニウム塩化合物を添加することによって、各炭素系繊維の炭素の中にアルミニウム塩化合物中のアルミニウムが入り込んで、その表面を粗い面となるように作用する。このため、当該炭素系繊維の表面がザラザラになるので、その後の添加工程S12で炭素系繊維集合体の表面に分散させたカーボンナノチューブを付着させ易くなる。
添加工程S12では、カーボンナノチューブを分散させた有機溶媒を炭素系繊維集合体に添加する。本実施形態では、炭素系繊維集合体としてポリアクリロニトリル系繊維の集合体が使用され、分散工程S11で分散剤となる有機溶媒中に分散されたカーボンナノチューブを添加することによって、炭素系繊維集合体の表面にカーボンナノチューブが分散されて付着されるようになる。このため、その後の焼成工程S13で焼成することによって、より効率的にナノレベルで表面積が拡大されて内部抵抗が低下した電池用電極を確実に作製できるようになる。
焼成工程S13では、カーボンナノチューブを分散させた有機溶媒を添加した炭素系繊維集合体を外気が遮断され得る電気炉の炉内で1800度以下の温度で焼成する。本実施形態では、特に、焼成工程S13で外気が遮断され得る炉内を800℃以上1500℃未満の温度に加熱することが好ましい。本実施形態では、このような高温条件下で焼成を行うので、焼成対象となるカーボンナノチューブと炭素系繊維集合体を焼成工程S13で燃焼させないために、超低酸素環境下の外気が遮断され得る電気炉等の炉内で焼成を行う必要がある。
また、本実施形態では、このような温度条件で加熱することにより、炭素系繊維集合体を構成する各炭素系繊維が細くなり、かつ、表面が粗な状態となるので、表面に分散され、活物質イオンの電極への被捕捉率、すなわち、物質移動性が良好なカーボンナノチューブが付着され易くなる。このため、ナノレベルで表面積が拡大されて内部抵抗が低下した電池用電極を確実に作製できるようになる。なお、本実施形態では、電気炉の設備コスト等を踏まえて、焼成工程S13の焼成温度を1800度以下としている。
このように、本実施形態では、電池用電極として分散剤で分散されたカーボンナノチューブを炭素系繊維集合体の表面側に焼結させて炭素系繊維電極を作製することによって、ナノレベルで電極の表面積が拡大されるので、内部抵抗を確実に低下させられる。すなわち、本実施形態に係る電池用電極の製造方法で作製された炭素を主成分とする電池用電極は、炭素系繊維集合体と、炭素系繊維集合体の表面に分散されて焼結により付着されるカーボンナノチューブと、を備えるものとなる。
本実施形態に係る電池用電極の製造方法で作製された電池用電極は、電池用電極の表面のX線回折法における(002)回折ピークの半値幅が3.8度未満であり、表面のラマン分光法における1360cm−1のDピーク値と1580cm−1のGピーク値の積分面積比(I/I)が1より大きいものとなっている。このことから、本実施形態に係る電池用電極は、より微細化されたナノレベルで表面積が拡大されているので、電極の内部抵抗を低下させられるものとなっている。
レドックスフロー電池やリチウムイオン電池等の二次電池に備わる電池用電極として、マンガン等の金属を主成分とする電極は、腐食し易いことから、炭素系の電池用電極が開発されるようになっている。しかしながら、炭素系の電池用電極は、金属系の電池用電極と比べて腐食し難い材質であるものの、内部抵抗が高くなる傾向にある。
このため、本実施形態に係る電池用電極の製造方法を適用することによって、炭素を主成分としても内部抵抗が低い電池用電極を簡素な手法で効率的に作製できるようにしている。特に、ポリアクリロニトリル系繊維等の炭素系繊維を主成分とする炭素系繊維電極の内部抵抗を下げるために、分散させた物質移動性に優れるカーボンナノチューブを添加してから高熱で焼成することによって、炭素系繊維電極を構成する各炭素系繊維の表面積をナノレベルで拡大させている。このため、電池用電極の内部抵抗を低下させることによって、電池の高い放電出力を維持できるようになるので、極めて大きな工業的価値を有する。
次に、本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法について、実施例により詳しく説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
まず、本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法の分散工程で使用する分散剤の好適材料について、実験した。具体的には、下記の表1に記載のように、エタノールを主成分とするグループ1の分散剤と、SDBS水溶液を主成分とするグループ2の分散剤と、エタノールとSDBS水溶液の混合液を主成分とするグループ3の分散剤に対して、カーボンナノチューブ0.006gを添加して濃度を100mg/Lとしたときの分散状態をそれぞれ観察した。
Figure 2020042941
それぞれのカーボンナノチューブの分散状態を観察した結果、グループ3の20%エタノール2.4gとSDBS水溶液の混合液、グループ2の4%SDBS水溶液、グループ1の80%エタノール及び40%エタノールの分散効率が良かった。特に、グループ1の80%エタノールの分散効果が良好であった。このことから、本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法の分散工程で使用する分散剤として、エタノールとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)の少なくとも何れか一方を添加することが好ましいことが分かった。
次に、本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法の焼成工程における熱処理について、焼成温度と焼成後のカーボンナノチューブのSEM像の観察を行った。本実施例における熱処理の試験温度(℃)、加熱時間(分)、保温時間(分)、冷却時間(分)は、下記の条件で行った。
Figure 2020042941
また、本実施例では、80%エタノールを分散剤としてカーボンナノチューブを分散させてから、上記の加熱条件で焼成した結果、何れの温度条件でも、図2に示すように、炭素系繊維集合体を構成する各炭素系繊維の表面にカーボンナノチューブが分散された状態で付着していることが分かった。このことから、焼成工程における加熱温度は、800℃から1500℃の何れでもカーボンナノチューブが分散されて付着することが分かった。
次に、本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法で作製された電池用電極の性能評価実験として、充放電実験を行った。本実施例では、本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法で作製された電池用電極に対して、0.6A、1.0Aの電流を流した際における内部抵抗、クーロン効率、電圧効率、エネルギー効率を各焼成温度条件(未処理、800℃、1000℃、1500℃)の場合について、それぞれ計測した。
本実施例における電流密度150mA/cmの電流0.6Aによる充放電を行った実験結果を下記の表3に示し、電流密度250mA/cmの電流1.0Aによる充放電を行った実験結果を下記の表4にそれぞれ示す。
Figure 2020042941
Figure 2020042941
表3及び表4に示される実験結果から、焼成工程を経ずに加熱せずに未処理の場合と比べて、焼成温度が800℃、1000℃と上がるに連れて、内部抵抗が下がり、電圧効率及びエネルギー効率が上がることが分かった。すなわち、本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法の焼成工程で所定の温度に加熱することによって、電極の内部抵抗が下がり、その他電池性能のうち、電圧効率及びエネルギー効率が上がることが分かった。
しかしながら、焼成温度が1500℃に達すると、内部抵抗が上がり、電圧効率及びエネルギー効率が下がることが分かった。このことから、作製される電池電極の内部抵抗を低下させて電池性能を向上させるためには、焼成工程における加熱温度が800℃以上1500℃未満とすることが好ましいことが分かった。また、焼成工程における加熱温度が1000℃前後だと、特に良好となることが分かった。
次に、本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法で作製された電池用電極の性能評価実験として、ラマン分光法における評価実験を行った。本実施例では、1360cm−1におけるDピークの積分面積と1580cm−1におけるGピークの積分面積の比I/Iを計算した結果を下記の表5に示す。
Figure 2020042941
表5に示される実験結果から、焼成温度が1500℃に達すると、内部抵抗が上がり、1360cm−1におけるDピークの積分面積と1580cm−1におけるGピークの積分面積の比I/Iが1未満となった。このことから、作製される電池電極の内部抵抗を低下させて電池性能を向上させるためには、焼成工程における加熱温度を1500℃未満とすることが好ましいことが分かった。
次に、本発明の一実施形態に係る電池用電極の製造方法で作製された電池用電極の性能評価実験として、X線解析(XRD)による分析実験を行った。本実施例では、結晶化度の指標となる002回折ピークの半値幅を計算した結果を下記の表6に示す。
Figure 2020042941
表6に示される実験結果から、焼成工程を経ずに加熱せずに未処理の場合と比べて、焼成温度が800℃、1000℃と上がるに連れて、半値幅が下がることが分かった。ただし、焼成温度が1500℃になると、半値幅が1000℃の場合と比べて幾分上がるものの、未処理の場合よりも低い値となっていることが分かった。このことから、作製される電池電極の内部抵抗を低下させて電池性能を向上させるためには、焼成工程における加熱温度が800℃以上1500℃未満の範囲とすることが好ましいことが分かった。
なお、上記のように本発明の一実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、電池用電極の製造方法及び電池用電極の構成、動作も本発明の一実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
S11 分散工程、S12 添加工程、S13 焼成工程

Claims (7)

  1. 炭素を主成分とする電池用電極の製造方法であって、
    分散剤となる有機溶媒にカーボンナノチューブと薬剤を添加して前記有機溶媒中に前記カーボンナノチューブを分散させる分散工程と、
    前記カーボンナノチューブを分散させた前記有機溶媒を炭素系繊維集合体に添加する添加工程と、
    前記カーボンナノチューブを分散させた前記有機溶媒を添加した前記炭素系繊維集合体を外気が遮断され得る炉内で1800度以下の温度で焼成する焼成工程と、を有することを特徴とする電池用電極の製造方法。
  2. 前記焼成工程では、前記炉内を800℃以上1500℃未満の温度に加熱することを特徴とする請求項1に記載の電池用電極の製造方法。
  3. 前記分散工程では、前記分散剤となる前記有機溶媒として、エタノールとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)の少なくとも何れか一方を添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の電池用電極の製造方法。
  4. 前記分散工程では、前記薬剤としてアルミニウム塩化合物を添加することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電池用電極の製造方法。
  5. 前記添加工程では、前記炭素系繊維集合体としてポリアクリロニトリル系繊維に対して、前記カーボンナノチューブを添加することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電池用電極の製造方法。
  6. 炭素を主成分とする電池用電極であって、
    炭素系繊維集合体と、
    前記炭素系繊維集合体の表面に分散されて焼結により付着されるカーボンナノチューブと、を備え、
    前記電池用電極の表面のX線回折法における(002)回折ピークの半値幅が3.8度未満であることを特徴とする電池用電極。
  7. 前記電池用電極の前記表面のラマン分光法における1360cm−1のDピーク値と1580cm−1のGピーク値の積分面積比(I/I)が1より大きいことを特徴とする請求項6に記載の電池用電極。
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