JP2020042493A - 紙幣処理装置および貨幣処理システム - Google Patents

紙幣処理装置および貨幣処理システム Download PDF

Info

Publication number
JP2020042493A
JP2020042493A JP2018168840A JP2018168840A JP2020042493A JP 2020042493 A JP2020042493 A JP 2020042493A JP 2018168840 A JP2018168840 A JP 2018168840A JP 2018168840 A JP2018168840 A JP 2018168840A JP 2020042493 A JP2020042493 A JP 2020042493A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
bills
bill
amount
payout
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018168840A
Other languages
English (en)
Inventor
成光 比企
Narimitsu Hiki
成光 比企
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Glory Ltd
Original Assignee
Glory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Glory Ltd filed Critical Glory Ltd
Priority to JP2018168840A priority Critical patent/JP2020042493A/ja
Publication of JP2020042493A publication Critical patent/JP2020042493A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】出金処理に要する時間を短縮する。【解決手段】払出部(102)は、予め設定された保留金額に相当する紙幣を保留するように構成されている。制御部(109)は、紙幣が払い出される出金処理において、払出部(102)に保留されている紙幣が払出部(102)から払い出されるように紙幣処理装置(10)の動作を制御する第1出金動作と、収納部(103)から繰り出された紙幣が払出部(102)に搬送されて紙幣と払出部(102)に保留されている紙幣とが払出部(102)から払い出されるように紙幣処理装置(10)の動作を制御する第2出金動作とを選択的に行う。【選択図】図2

Description

ここに開示する技術は、貨幣処理技術に関する。
従来、紙幣を処理する紙幣処理装置が知られている。特許文献1には、第1金庫と第2金庫と一枚保留部とを備えた紙幣処理装置が開示されている。第1金庫は、最低額面の紙幣金種である第1金種の紙幣を収納する。第2金庫は、第1金種以外の他金種の紙幣を収納する。一枚保留部は、第1金種とは異なる第2金種の紙幣を一枚のみ保留可能となっている。そして、この紙幣処理装置では、出金される金額が第2金種の額面以上である場合に、一枚保留部に保留された第2金種の紙幣が出金用の紙幣として用いられ、不足分は、第1金庫から繰り出された第1金種の紙幣が用いられる。
特開2007−328660号公報
特許文献1に開示された紙幣処理装置では、払い出されるべき紙幣が一枚保留部(または第1金庫や第2金庫)から繰り出されて出金集積部に搬送された後に出金集積部から払い出されることになる。そのため、紙幣を払い出す処理(出金処理)に要する時間を短縮することが困難である。
そこで、ここに開示する技術は、紙幣処理装置において出金処理に要する時間を短縮することを目的とする。
ここに開示する技術は、紙幣を処理する紙幣処理装置に関し、この紙幣処理装置は、収納している紙幣を繰り出す収納部と、前記紙幣の払い出しを行う払出部と、前記紙幣を搬送する搬送部と、前記紙幣処理装置の動作を制御する制御部とを備えている。前記払出部は、予め設定された保留金額に相当する紙幣を保留するように構成されている。前記制御部は、前記紙幣が払い出される出金処理において、前記払出部に保留されている紙幣が該払出部から払い出されるように前記紙幣処理装置の動作を制御する第1出金動作と、前記収納部から繰り出された紙幣が前記払出部に搬送されて該紙幣と該払出部に保留されている紙幣とが該払出部から払い出されるように前記紙幣処理装置の動作を制御する第2出金動作とを選択的に行う。
前記の構成では、第1出金動作を行うことにより、払い出されるべき紙幣が出金処理において収納部から払出部に搬送された後に払出部から払い出される場合よりも、出金処理に要する時間を短縮することができる。また、第2出金動作を行うことにより、払い出されるべき紙幣の全部が出金処理において収納部から払出部に搬送された後に払出部から払い出される場合よりも、出金処理に要する時間を短縮することができる。
なお、前記払出部は、それぞれが前記紙幣を集積可能に構成された複数の集積部と、前記複数の集積部のうちいずれか1つの集積部に集積された紙幣を該集積部から払い出す払出機構とを有していてもよい。前記複数の集積部には、それぞれ異なる保留金額が予め設定されていてもよい。前記複数の集積部の各々は、該集積部に対して設定された保留金額に相当する紙幣を保留するように構成されていてもよい。前記第1出金動作では、前記複数の集積部のうちいずれか1つの集積部に保留されている紙幣が該集積部から払い出されるようになっていてもよい。前記第2出金動作では、前記収納部から繰り出された紙幣が前記複数の集積部のうちいずれか1つの集積部に搬送されて該紙幣と該集積部に保留されている紙幣とが該集積部から払い出されるようになっていてもよい。
前記の構成では、複数の集積部にそれぞれ異なる保留金額に相当する紙幣が保留されているので、複数の集積部に同一の保留金額に相当する紙幣が保留されている場合よりも、出金処理において払い出されるべき金額を第1出金動作によって払い出すことができる確率を高くすることができる。これにより、第2出金動作よりも紙幣の払い出しに要する時間が短い第1出金動作が行われる確率を高くすることができるので、第1出金動作による時間短縮を容易に行うことができる。また、第2出金動作において集積部に搬送される紙幣の金額(搬送金額)と集積部に保留されている紙幣の金額(保留金額)との組合せの数を多くすることができる。これにより、第2出金動作において収納部から集積部に搬送される紙幣の枚数(すなわち紙幣の搬送回数)が少なくなるように複数の集積部の中から第2出金動作の対象となる集積部を選択することができるので、第2出金動作による時間短縮を効果的に行うことができる。
また、前記複数の集積部のうちいずれか1つの集積部における保留金額は、前記紙幣処理装置において取り扱われる前記紙幣の最小額に設定されていてもよい。前記第2出金動作では、前記収納部から前記最小額の紙幣が繰り出されて前記複数の集積部のうちいずれか1つの集積部に搬送されるようになっていてもよい。
前記の構成では、複数の集積部のうちいずれか1つの集積部に最小額の紙幣が保留される。また、第2出金動作において最小額の紙幣が集積部(紙幣の払い出しを行う集積部)に搬送される。これにより、紙幣処理装置において取り扱われる紙幣の最小額を単位として、出金処理において紙幣処理装置から払い出される金額を調節することができる。
また、前記払出機構は、前記複数の集積部の各々に設けられた可動機構と、搬送機構とを有していてもよい。前記複数の集積部の各々に設けられた可動機構は、該集積部に保留されている紙幣を保持する保持動作と、保持している該紙幣を前記搬送機構に引き渡す第1引渡動作と、該集積部に搬送されてきた紙幣と保持している該紙幣とを前記搬送機構に引き渡す第2引渡動作とを行うように構成されていてもよい。前記搬送機構は、前記複数の集積部の各々に設けられた可動機構のうちいずれか1つの可動機構により引き渡された紙幣を搬送して払い出すように構成されていてもよい。前記第1出金動作では、前記複数の集積部の各々に設けられた可動機構のうちいずれか1つの可動機構が前記第1引渡動作を行うようになっていてもよい。前記第2出金動作では、前記複数の集積部の各々に設けられた可動機構のうちいずれか1つの可動機構が前記第2引渡動作を行うようになっていてもよい。
前記の構成では、払出部に複数の可動機構と搬送機構とを設けることにより、複数の集積部のうちいずれか1つの集積部に集積された紙幣を払い出すことができる。
また、前記払出部は、筐体を有していてもよい。前記複数の集積部は、第1集積部と第2集積部とを含んでいてもよい。前記可動機構は、前記第1集積部に設けられる第1可動機構と、前記第2集積部に設けられる第2可動機構とを含んでいてもよい。前記搬送機構は、前記筐体の内部空間を前記第1集積部を構成する第1空間と前記第2集積部を構成する第2空間とに区画するように該筐体の内部に設けられ、回転駆動により前記紙幣を搬送して払い出すように構成された搬送ベルトを有していてもよい。前記第1可動機構は、前記第1集積部に集積されている紙幣を前記搬送ベルトに押し付けることで該紙幣を該搬送ベルトに引き渡すように構成されていてもよい。前記第2可動機構は、前記第2集積部に集積されている紙幣を前記搬送ベルトに押し付けることで該紙幣を該搬送ベルトに引き渡すように構成されていてもよい。
前記の構成では、第1集積部と第2集積部との間に搬送ベルトが設けられているので、第1可動機構と第2可動機構が搬送ベルトを共用することができる。これにより、第1可動機構により利用される搬送ベルトと第2可動機構により利用される搬送ベルトとが別々に設けられている場合よりも、払出部の部品点数を削減することができる。
また、前記制御部は、前記保留金額に相当する紙幣が前記払出部に保留されていない場合に、該保留金額に相当する紙幣が該払出部に搬送されて保留されるように前記紙幣処理装置の動作を制御するように構成されていてもよい。
前記の構成では、保留金額に相当する紙幣を払出部に保留させることができる。これにより、次の出金処理の準備をすることができる。
また、前記紙幣処理装置は、前記紙幣処理装置における紙幣の在高に関する紙幣在高情報を記憶する記憶部を備えていてもよい。前記紙幣在高情報には、前記収納部に収納されている紙幣の在高に関する情報と、前記払出部に保留されている紙幣の在高に関する情報とが含まれていてもよい。
前記の構成では、紙幣在高情報に払出部に保留されている紙幣の在高に関する情報が含まれているので、払出部に保留されている紙幣の在高を紙幣処理装置における紙幣の在高の一部として管理することができる。
また、前記制御部は、全回収処理および残置回収処理のうち少なくとも一方が行われるように前記紙幣処理装置の動作を制御するように構成されていてもよい。前記全回収処理では、前記収納部に収納されている全ての紙幣と前記払出部に保留されている全ての紙幣とが回収される。前記残置回収処理では、前記収納部に収納されている紙幣の少なくとも一部が回収されるが、前記払出部に保留されている紙幣は回収されない。
前記の構成では、全回収処理を行うことにより、収納部に収納されている紙幣と払出部に保留されている紙幣の両方を回収することができる。また、残置回収処理を行うことにより、払出部に紙幣を保留させた状態で、収納部に収納されている紙幣を回収することができる。
また、前記紙幣処理装置は、貨幣処理システムに設けられていてもよい。この貨幣処理システムは、前記紙幣処理装置と、硬貨を処理する硬貨処理装置と、前記紙幣処理装置および前記硬貨処理装置を管理する管理装置とを備えていてもよい。前記管理装置は、顧客から預けられた金額である預かり金額から顧客により支払われるべき金額である支払金額を差し引いて得られる釣銭金額を示す釣銭金額情報を送信するように構成されていてもよい。前記制御部は、前記釣銭金額情報に示された釣銭金額に応じて前記第1出金動作および前記第2出金動作を選択的に行うように構成されていてもよい。
前記の構成では、顧客から預けられた金額である預かり金額から支払金額を差し引いて得られる釣銭金額に基づいて紙幣処理装置における出金処理(第1出金動作または第2出金動作)が行われるので、紙幣処理装置および硬貨処理装置に実際に受け入れられた貨幣の合計金額から支払金額を差し引いて得られる釣銭金額に基づいて紙幣処理装置における出金処理が行われる場合よりも、紙幣処理装置における出金処理を素早く開始することができる。
また、前記紙幣処理装置は、貨幣処理システムに設けられていてもよい。この貨幣処理システムは、前記紙幣処理装置と、硬貨を処理する硬貨処理装置と、前記紙幣処理装置を管理する管理装置とを備えていてもよい。前記管理装置は、顧客により支払われるべき金額である支払金額を示す支払金額情報を送信するように構成されていてもよい。前記制御部は、前記紙幣処理装置に受け入れられた紙幣の金額と前記硬貨処理装置に受け入れられた硬貨の金額との合計金額から前記支払金額情報に示された前記支払金額を差し引いて得られる釣銭金額に応じて前記第1出金動作および前記第2出金動作を選択的に行うように構成されていてもよい。
前記の構成では、紙幣処理装置に受け入れられた紙幣の金額と硬貨処理装置に受け入れられた硬貨の金額との合計金額(すなわち実際に受け入れられた金額)から支払金額を差し引いて得られる釣銭金額に基づいて紙幣処理装置における出金処理(第1出金動作または第2出金動作)が行われるので、釣銭が誤って払い出されることを防止することができる。
また、ここに開示する技術は、貨幣処理システムに関する。この貨幣処理システムは、紙幣処理装置と、前記紙幣処理装置の動作を制御する制御部とを備えている。前記紙幣処理装置は、収納している紙幣を繰り出す収納部と、前記紙幣の払い出しを行う払出部と、前記紙幣を搬送する搬送部とを有している。前記払出部は、予め設定された保留金額に相当する紙幣を保留するように構成されている。前記制御部は、前記紙幣が払い出される出金処理において、前記払出部に保留されている紙幣が該払出部から払い出されるように前記紙幣処理装置の動作を制御する第1出金動作と、前記収納部から繰り出された紙幣が前記払出部に搬送されて該紙幣と該払出部に保留されている紙幣とが該払出部から払い出されるように前記紙幣処理装置の動作を制御する第2出金動作とを選択的に行う。
前記の構成では、第1出金動作を行うことにより、払い出されるべき紙幣が出金処理において収納部から払出部に搬送された後に払出部から払い出される場合よりも、出金処理に要する時間を短縮することができる。また、第2出金動作を行うことにより、払い出されるべき紙幣の全部が出金処理において収納部から払出部に搬送された後に払出部から払い出される場合よりも、出金処理に要する時間を短縮することができる。
ここに開示する技術によれば、出金処理に要する時間を短縮することができる。
実施形態1による貨幣処理システムの構成を例示する斜視図である。 実施形態1による貨幣処理システムの構成を例示する概略図である。 払出部の構成を例示する概略断面図である。 払出部の構成を例示する概略断面図である。 第1払出動作について説明するための概略断面図である。 第2払出動作について説明するための概略断面図である。 第3払出動作について説明するための概略断面図である。 第4払出動作について説明するための概略断面図である。 第1補充動作について説明するための概略断面図である。 第2補充動作について説明するための概略断面図である。 実施形態2の紙幣処理装置の構成を例示する概略図である。
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1と図2は、実施形態1による貨幣処理システム1の外観と構成をそれぞれ例示している。貨幣処理システム1は、紙幣処理装置10と、硬貨処理装置11と、管理装置12とを備えている。
この例では、紙幣処理装置10は、紙幣釣銭機を構成し、硬貨処理装置11は、硬貨釣銭機を構成し、管理装置12は、POS端末を構成している。そして、この貨幣処理システム1では、商品代金などが管理装置12に入力され、顧客から預けられた金額(預かり金額)から顧客により支払われるべき金額(支払金額)を差し引いて得られる釣銭金額に相当する紙幣および硬貨が紙幣処理装置10および硬貨処理装置11からそれぞれ払い出される。例えば、貨幣処理システム1は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどのような店舗のレジカウンタなどに設けられている。
〔紙幣処理装置〕
紙幣処理装置10は、紙幣を処理する。紙幣処理装置10は、入金処理や出金処理や回収処理などの各種処理を行う。入金処理は、紙幣処理装置10に紙幣が受け入れられる処理のことであり、出金処理は、紙幣処理装置10から紙幣が払い出される処理のことであり、回収処理は、紙幣処理装置10から紙幣が回収される処理のことである。
図2に示すように、紙幣処理装置10は、筐体100と、受入部101と、払出部102と、複数(この例では3つ)の収納部103と、リジェクト部104と、回収部105と、搬送部106と、識別部107と、記憶部108と、制御部109とを備えている。
なお、以下の説明において用いる方向(上下左右前後)は、水平面に設置された紙幣処理装置10を正面から見た場合の方向を示している。
〈筐体〉
筐体100は、直方体型の箱状に形成されている。筐体100には、紙幣処理装置10の構成要素(この例では受入部101と払出部102と収納部103とリジェクト部104と回収部105と搬送部106と識別部107と記憶部108と制御部109)が収納されている。
この例では、筐体100の前面部には、受入部101と払出部102とリジェクト部104と回収部105が配置され、右から左へ向けて受入部101と払出部102とリジェクト部104と回収部105が順に並んでいる。筐体100の後面部には、3つの収納部103が配置され、3つの収納部103が左右方向に並んでいる。筐体100の前後方向における中央部には、搬送部106が配置されている。
〈受入部〉
受入部101は、紙幣の受け入れと繰り出しを行う。この例では、受入部101には、筐体100の前方に開口する受入口101aが設けられている。操作者は、受入部101の受入口101aに紙幣を投入する。受入部101は、受入口101aに投入された紙幣を受け入れる。また、受入部101には、受入部101に受け入れられた紙幣を搬送部106に繰り出す繰出機構101bが設けられている。
〈払出部〉
払出部102は、紙幣の払い出しを行う。この例では、払出部102には、筐体100の前方に開口する払出口102aが設けられている。払出部102は、払出口102aを介して紙幣を払い出す。操作者は、払出部102の払出口102aから払い出された紙幣を受け取る。
なお、払出部102には、払出部102に保留されるべき紙幣の金額である保留金額が予め設定されている。そして、払出部102は、予め設定された保留金額に相当する紙幣(1枚の紙幣または複数枚の紙幣)を保留するように構成されている。払出部102の構成については、後で詳しく説明する。
〈収納部〉
複数の収納部103は、それぞれが収納している紙幣を繰り出す。この例では、複数の収納部103は、それぞれが紙幣の収納と繰り出しを行う。複数の収納部103の各々には、その収納部103に収納されている紙幣を搬送部106に繰り出す繰出機構103aが設けられている。また、この例では、複数の収納部103は、紙幣を金種別に収納するように構成されている。具体的には、この紙幣処理装置10では、3種類の紙幣(千円紙幣と五千円紙幣と一万円紙幣)が取り扱われ、3つの収納部103のうち1つの収納部103は、千円紙幣を収納し、もう1つの収納部103は、五千円紙幣を収納し、残りの1つの収納部103は、一万円紙幣を収納する。
〈リジェクト部〉
リジェクト部104は、出金処理においてリジェクト対象となる紙幣を集積する。
〈回収部〉
回収部105は、回収処理において回収されるべき紙幣を集積する。また、回収部105は、筐体100に対して着脱可能となっている。
〈搬送部〉
搬送部106は、紙幣処理装置10内において紙幣を搬送する。この例では、搬送部106は、環状搬送路106aと、複数の接続搬送路106bとを有している。環状搬送路106aは、円形の環状に形成されている。複数(この例では7つ)の接続搬送路106bは、環状搬送路106aと紙幣処理装置10の各部(この例では受入部101と払出部102と3つの収納部103とリジェクト部104と回収部105)とをそれぞれ接続している。また、この例では、搬送部106は、紙幣の長手方向が搬送方向に沿うように紙幣を搬送する。すなわち、搬送部106は、長手搬送を行うように構成されている。
なお、環状搬送路106aおよび複数の接続搬送路106bは、紙幣を搬送するための機構(例えば搬送ベルトや搬送ローラ)や、紙幣の搬送を案内するための部材などによって構成されている。また、搬送部106は、環状搬送路106aおよび複数の接続搬送路106bの他に、これらの搬送路に設けられて紙幣の搬送方向の切り換えを行う分岐機構(例えば分岐爪)や、これらの搬送路に設けられた搬送機構や分岐機構を駆動させる駆動機構(例えばモータやギア)などを有している。
〈識別部〉
識別部107は、紙幣を識別する。この例では、識別部107は、搬送部106の環状搬送路106aに設けられ、環状搬送路106aにおいて搬送される紙幣に対して識別処理を行う。識別処理では、紙幣の金種や真偽や正損や新旧や方向(表裏と向き)や搬送状態などが識別される。例えば、識別部107は、ラインセンサや磁気センサや画像センサなどの各種センサや、プロセッサや、プロセッサを動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリなどによって構成されている。識別部107による紙幣の識別結果は、制御部109に送信される。
〈各種センサ〉
また、紙幣処理装置10の各部には、紙幣の通過を検知する通過センサなどの各種センサ(図示を省略)が設けられている。これらの各種センサの検出信号は、制御部109に送信される。
〈記憶部〉
記憶部108は、情報を記憶する。例えば、記憶部108は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの汎用ストレージデバイスによって構成されている。記憶部108には、紙幣処理装置10における紙幣の在高に関する情報である紙幣在高情報や、紙幣処理装置10の動作を制御するための制御情報(例えば各種設定に関する情報)などが記憶されている。なお、紙幣在高情報には、収納部103に収納されている紙幣の在高に関する情報と、払出部102に保留されている紙幣の在高に関する情報とが含まれている。
〈制御部〉
制御部109は、紙幣処理装置10の各部(この例では受入部101と払出部102と収納部103とリジェクト部104と回収部105と搬送部106と識別部107)と電気的に接続されて紙幣処理装置10の各部との間において信号や情報を伝送可能となっている。また、制御部109は、貨幣処理システム1の各部(この例では硬貨処理装置11と管理装置12)や外部機器(図示省略)と通信可能となっている。そして、制御部109は、紙幣処理装置10の各部(各部に設けられた各種センサを含む)や貨幣処理システム1の各部や外部機器から送られてきた信号や情報などに基づいて、紙幣処理装置10において各種処理が行われるように、紙幣処理装置10の各部を制御して紙幣処理装置10の動作を制御する。例えば、制御部109は、プロセッサや、プロセッサを動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリなどによって構成されている。なお、制御部109の動作については、後で詳しく説明する。
〔硬貨処理装置〕
硬貨処理装置11は、硬貨を処理する。この例では、硬貨処理装置11は、硬貨入金処理や硬貨出金処理などの各種処理を行う。硬貨入金処理は、硬貨処理装置11に硬貨が受け入れられる処理のことであり、硬貨出金処理は、硬貨処理装置11から硬貨が払い出される処理のことである。例えば、硬貨処理装置11は、硬貨の受け入れを行う硬貨受入部や、硬貨の払い出しを行う硬貨払出部や、硬貨の収納と繰り出しを行う硬貨収納部や、硬貨を搬送する硬貨搬送部や、これらを制御する制御部などを備えている。
〔管理装置〕
管理装置12は、紙幣処理装置10および硬貨処理装置11を管理する。管理装置12は、操作部121と、表示部122と、記憶部123と、制御部124とを備えている。
操作部121は、操作者による操作が与えられ、その操作者による操作に応じて情報を入力する。操作者は、操作部121を操作して管理装置12に各種処理を行わせることができる。すなわち、管理装置12は、操作者による操作に応答して動作する。表示部122は、情報を表示する。
記憶部123は、情報を記憶する。例えば、記憶部123は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの汎用ストレージデバイスによって構成されている。記憶部123には、貨幣処理システム1における貨幣の処理状況に関する情報や、貨幣処理システム1における貨幣の在高に関する情報や、表示部122に表示される操作画面などの画像情報(画像データ)や、管理装置12の動作を制御するための制御情報(例えば各種設定に関する情報)などが記憶されている。
制御部124は、管理装置12の各部(この例では操作部121と表示部122と記憶部123)と電気的に接続されて管理装置12の各部との間において信号や情報を伝送可能となっている。また、制御部124は、貨幣処理システム1の各部(この例では紙幣処理装置10と硬貨処理装置11や外部機器(図示を省略)と通信可能となっている。そして、制御部124は、操作部121に与えられた操作や、管理装置12の各部や貨幣処理システム1の各部や外部機器から送られてきた信号や情報などに基づいて、管理装置12において各種処理が行われるように、管理装置12の各部を制御して管理装置12の動作を制御する。例えば、制御部124は、プロセッサや、プロセッサを動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリなどによって構成されている。
〔払出部の構成〕
図3と図4は、払出部102の構成を例示している。この例では、払出部102は、筐体20と、払出機構30と、切換機構40とを有している。なお、図4は、図3のIV−IV線における断面図に相当する。
〈筐体(集積部)〉
筐体20は、直方体型の箱状に形成されている。筐体20の前面部には、払出口102aが設けられている。筐体20の背面部には、接続口102bが設けられている。接続口102bには、搬送部106の接続搬送路106bが接続される。
また、筐体20には、複数の集積部200が設けられている。複数の集積部200は、それぞれが紙幣を集積可能に構成されている。複数の集積部200には、それぞれ異なる保留金額が予め設定されている。複数の集積部200の各々は、その集積部200に対して設定された保留金額に相当する紙幣を保留するように構成されている。この例では、複数の集積部200のうちいずれか1つの集積部200における保留金額は、紙幣処理装置10において取り扱われる紙幣の最小額(具体的には千円)に設定されている。
なお、この例では、複数の集積部200は、第1集積部201と第2集積部202とを含んでいる。第1集積部201は、後述する第1空間により構成され、第2集積部202は、後述する第2空間により構成されている。そして、第1集積部201における保留金額は、紙幣処理装置10において取り扱われる紙幣の最小額である「千円」であり、第1集積部201に保留される紙幣は、1枚の千円紙幣B1である。第2集積部202における保留金額は、「千円」とは異なる「五千円」であり、第2集積部202に保留される紙幣は、1枚の五千円紙幣B5である。
〈払出機構〉
払出機構30は、複数の集積部200のうちいずれか1つの集積部200に集積された紙幣をその集積部200から払い出す。この例では、払出機構30は、複数の集積部200にそれぞれ設けられた複数の可動機構300と、搬送機構400とを有している。すなわち、複数の集積部200の各々に1つの可動機構300が設けられている。
なお、この例では、集積部200において、紙幣の面が上下方向に沿う姿勢で、紙幣が前後方向に搬送される。また、以下では、集積部200における紙幣の搬送方向に沿う方向(この例では前後方向)を「第1方向」と記載し、集積部200における紙幣の搬送方向と直交する搬送幅方向に沿う方向(この例では上下方向)を「第2方向」と記載し、集積部200における紙幣の搬送方向および搬送幅方向と直交する搬送高さ方向に沿う方向(この例では左右方向)を「第3方向」と記載する。
《可動機構》
複数の可動機構300の各々は、保持動作と第1引渡動作と第2引渡動作とを行うように構成されている。保持動作では、可動機構300は、複数の集積部200のうちその可動機構300が設けられた集積部200に保留されている紙幣を保持する。第1引渡動作では、可動機構300は、その可動機構300が保持している紙幣を搬送機構400に引き渡す。第2引渡動作では、可動機構300は、その可動機構300が設けられた集積部200に搬送されてきた紙幣とその可動機構300が保持している紙幣とを搬送機構400に引き渡す。この例では、複数の集積部200の各々に設けられた可動機構300は、その集積部200に集積されている紙幣を後述する搬送ベルト401に押し付けることで紙幣を搬送ベルト401に引き渡すように構成されている。なお、可動機構300の構成については、後で詳しく説明する。
また、この例では、複数の可動機構300は、第1可動機構301と第2可動機構302とを含んでいる。第1可動機構301は、第1集積部201に設けられ、第2可動機構302は、第2集積部202に設けられている。そして、第1可動機構301は、第1集積部201に集積されている紙幣を搬送ベルト401に押し付けることで紙幣を搬送ベルト401に引き渡す。第2可動機構302は、第2集積部202に集積されている紙幣を搬送ベルト401に押し付けることで紙幣を搬送ベルト401に引き渡す。
《搬送機構》
搬送機構400は、複数の可動機構300のうちいずれか1つの可動機構300により引き渡された紙幣を搬送して払い出すように構成されている。この例では、搬送機構400は、1つまたは複数(この例では2つ)の搬送ベルト401を有している。
搬送ベルト401は、筐体20の内部空間を第1空間と第2空間とに区画するように筐体20の内部に設けられている。この第1空間は、第1集積部201を構成し、この第2空間は、第2集積部202を構成している。また、搬送ベルト401は、回転駆動により紙幣を搬送して払い出すように構成されている。
具体的には、この例では、2つの搬送ベルト401は、それぞれが第1方向(この例では前後方向)に延伸するように形成されて第2方向(この例では上下方向)に所定の間隔をおいて配置されている。なお、2つの搬送ベルト401は、筐体20の接続口102bから払出口102aまで延伸している。そして、搬送ベルト401が第1回転方向(図3では時計回り方向)に回転駆動することにより、第1可動機構301により搬送ベルト401に押し付けられた紙幣が払出口102aへ向けて搬送される。一方、搬送ベルト401が第1回転方向の逆方向である第2回転方向(図3では反時計回り方向)に回転駆動することにより、第2可動機構302により搬送ベルト401に押し付けられた紙幣が払出口102aへ向けて搬送される。
《可動機構の構成》
図3に示すように、可動機構300は、可動部材311と、ガイド部材312と、搬送ローラ313と、札叩き車314とを有している。
《可動部材》
可動部材311は、紙幣を搬送ベルト401に押し付けるために設けられている。この例では、可動部材311は、第1方向(この例では前後方向)に延伸する矩形の板状に形成され、その板面が搬送ベルト401の搬送面と対向するように配置されている。また、可動部材311は、第3方向(この例では左右方向)に移動可能となっている。具体的には、可動部材311は、紙幣を搬送ベルト401に押し付ける場合に、予め定められた保持位置(図3に示す位置)から搬送ベルト401に近づく方向に移動する。なお、この例では、可動部材311は、リンク部材311aによりソレノイドなどの駆動機構(図示を省略)と連結されており、駆動機構と連動するようになっている。
《ガイド部材》
ガイド部材312は、集積部200に搬送されてきた紙幣を可動部材311へ向けて案内するように構成されている。また、ガイド部材312は、紙幣を可動部材311との間に挟み込んで保持するように構成されている。この例では、ガイド部材312は、第1方向(この例では前後方向)に延伸する矩形の板状に形成され、その板面が可動部材311の板面と対向するように可動部材311の搬送ベルト401に近い側に配置されている。また、筐体20には、揺動軸312aが設けられている。揺動軸312aは、第2方向(この例では上下方向)に延伸し、搬送ベルト401の内側に配置されている。そして、ガイド部材312は、揺動軸312aを中心として揺動可能となっている。具体的には、ガイド部材312は、集積部200に搬送されてきた紙幣を保持位置に配置された可動部材311へ向けて案内する案内位置(図3に示す位置)と、紙幣との接触を回避する回避位置(例えば図5の図中上側に示す位置)とに揺動する。また、ガイド部材312は、付勢手段(図示を省略)により案内位置へ向けて付勢されている。なお、この例では、図4に示すように、3つのガイド部材312が第2方向(この例では上下方向)に間隔をおいて配置されており、平面視(第3方向から見た場合)において3つのガイド部材312の間に2つの搬送ベルト401がそれぞれ配置されている。また、この例では、ガイド部材312は、リンク機構(図示を省略)によりソレノイドなどの駆動機構(図示を省略)と連結されており、駆動機構および可動部材311と連動するようになっている。
《搬送ローラ》
搬送ローラ313は、搬送ベルト401との間に紙幣を挟み込んで搬送ベルト401とともに回転することにより紙幣を搬送する。具体的には、第1集積部201の搬送ローラ313と搬送ベルト401との間に紙幣が挟み込まれた状態で、搬送ベルト401が第1回転方向(図3では時計回りの方向)に回転することにより、第1集積部201において接続口102b側から払出口102a側へ向けて紙幣が搬送される。また、第2集積部202の搬送ローラ313と搬送ベルト401との間に紙幣が挟み込まれた状態で、搬送ベルト401が第2回転方向(図3では反時計回りの方向)に回転することにより、第2集積部202において接続口102b側から払出口102a側へ向けて紙幣が搬送される。
《札叩き車》
札叩き車314は、搬送ローラ313とともに回転する。そして、札叩き車314は、集積部200において接続口102b側から払出口102a側へ向けて紙幣が搬送される場合に、紙幣の搬送方向における後縁部を可動部材311側に叩き付けるように構成されている。
《可動機構の動作》
可動機構300は、集積部200に保留されている紙幣を保持位置(図3に示す位置)に配置された可動部材311と案内位置(図3に示す位置)に配置されたガイド部材312との間に挟み込むことにより、集積部200に保留されている紙幣を保持する。
また、可動機構300は、可動部材311を保持位置から搬送ベルト401に近づく方向に移動させて可動部材311と搬送ベルト401との間に集積されている紙幣(集積部200に集積されている紙幣)に押し当てることにより、集積部200に集積されている紙幣を搬送ベルト401に押し付ける。なお、このとき、ガイド部材312は、回避位置(図5の図中上側に示す位置)に退避させた状態にある。
〈切換機構〉
切換機構40は、搬送部106から払出部102に搬送されてきた紙幣を複数の集積部200のうちいずれか1つの集積部200に案内する。この例では、切換機構40は、分岐爪41を有している。
分岐爪41は、搬送部106から払出部102に搬送されてきた紙幣を第1集積部201に案内する第1状態(図6に示した状態)と、搬送部106から払出部102に搬送されてきた紙幣を第2集積部202に案内する第2状態(図8に示した状態)とに切り換え可能となっている。
〈有無検知センサ〉
また、複数の集積部200の各々には、その集積部200における紙幣の有無を検知する有無検知センサが設けられている。この例では、第1集積部201には、第1集積部201における紙幣の有無を検知する第1有無検知センサ51が設けられ、第2集積部202には、第2集積部202における紙幣の有無を検知する第2有無検知センサ52が設けられている。これらの有無検知センサの検知信号は、制御部109に送信される。
〔制御部の動作〕
次に、制御部109の動作について説明する。制御部109の動作には、入金動作と、出金動作と、補充動作と、連続出金動作と、回収動作とが含まれている。
〈入金動作〉
制御部109は、入金処理において入金動作を行う。入金動作では、制御部109は、受入部101から繰り出された紙幣が識別部107において識別されて識別部107による識別結果に応じて収納部103に搬送されるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。
具体的には、入金動作では、受入部101に受け入れられた紙幣が受入部101から搬送部106に繰り出され、識別部107に搬送されて識別される。識別部107において正常であると識別された紙幣は、搬送部106により収納部103(識別部107において識別された紙幣の金種と同一の金種が割り当てられた収納部103)に搬送されて収納される。一方、識別部107においてリジェクト対象であると識別された紙幣(入金リジェクト紙幣)は、搬送部106により受入部101に搬送される。
〈出金動作〉
制御部109は、出金処理において第1出金動作と第2出金動作とを選択的に行う。
《第1出金動作》
第1出金動作では、制御部109は、払出部102に保留されている紙幣だけが払出部102から払い出されるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。
この例では、第1出金動作において、複数の集積部200の各々に設けられた可動機構300のうちいずれか1つの可動機構300が第1引渡動作(可動機構300が保持している紙幣を搬送機構400に引き渡す動作)を行う。これにより、第1出金動作では、複数の集積部200のうちいずれか1つの集積部200(第1引渡動作を行う可動機構300が設けられた集積部200)に保留されている紙幣がその集積部200から払い出される。
具体的には、第1出金動作では、複数の集積部200(第1集積部201および第2集積部202)の中から出金処理において紙幣処理装置10から払い出されるべき金額と同額の保留金額が設定されている集積部200が選択され、その集積部200に設けられた可動機構300が第1引渡動作を行う。これにより、その集積部200に集積されている紙幣(すなわち集積部200に保留されている紙幣)が搬送機構400に引き渡され、搬送機構400に引き渡された紙幣が払い出される。
《第2出金動作》
第2出金動作では、制御部109は、収納部103から繰り出された紙幣が払出部102に搬送されて、その紙幣(すなわち払出部102に搬送されてきた紙幣)と元から払出部102に保留されていた紙幣とが合わされて払出部102から払い出されるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。
この例では、第2出金動作において、複数の集積部200の各々に設けられた可動機構300のうちいずれか1つの可動機構300が第2引渡動作(可動機構300が設けられた集積部200に搬送されてきた紙幣と可動機構300が保持している紙幣とを搬送機構400に引き渡す動作)を行う。これにより、収納部103から繰り出された紙幣が複数の集積部200のうちいずれか1つの集積部200(第2引渡動作を行う可動機構300が設けられた集積部200)に搬送されて、その紙幣(すなわち集積部200に搬送されてきた紙幣)とその集積部200に保留されている紙幣とがその集積部200から払い出される。なお、集積部200に搬送されてきた紙幣と集積部200に保留されている紙幣とが一括して払い出される。
具体的には、第2出金動作では、複数の集積部200(第1集積部201および第2集積部202)の中から出金処理の対象となる1つの集積部200が選択され、出金処理において紙幣処理装置10から払い出されるべき金額から出金処理の対象として選択された集積部200に設定されている保留金額が差し引かれて不足金額が算出される。そして、複数の収納部103の中から不足金額に相当する紙幣を繰り出すべき収納部103が選択され、その収納部103に収納されている紙幣が搬送部106に繰り出され、識別部107に搬送されて識別される。識別部107において正常であると識別された紙幣は、搬送部106により払出部102に搬送される。一方、識別部107においてリジェクト対象であると識別された紙幣(出金リジェクト紙幣)は、搬送部106によりリジェクト部104に搬送される。
払出部102に搬送されてきた紙幣は、切換機構40によりいずれかの集積部200(出金処理の対象として選択された集積部200)に案内されて集積される。そして、収納部103から集積部200への紙幣(不足金額に相当する紙幣)の搬送が完了すると、その集積部200に設けられた可動機構300が第2引渡動作を行う。これにより、その集積部200に集積されている紙幣(すなわち集積部200に搬送されてきた紙幣と集積部200に保留されている紙幣)が搬送機構400に引き渡され、搬送機構400に引き渡された紙幣が払い出される。
〈出金動作の具体例〉
この例では、第1集積部201における保留金額は、「千円」であり、第1集積部201に保留される紙幣は、1枚の千円紙幣B1である。第2集積部202における保留金額は、「五千円」であり、第2集積部202に保留される紙幣は、1枚の五千円紙幣B5である。また、第2出金動作では、紙幣処理装置10において取り扱われる最小額の紙幣である「千円紙幣B1」が収納部103から繰り出されて複数の集積部200(第1集積部201と第2集積部202)のうちいずれか1つの集積部200に搬送される。
そして、この例では、制御部109は、出金処理において払い出されるべき金額に応じて、第1払出動作と第2払出動作と第3払出動作と第4払出動作を選択的に行う。なお、第1払出動作および第3払出動作は、第1出金動作の一例であり、第2払出動作および第4払出動作は、第2出金動作の一例である。
《第1払出動作(第1出金動作)〉
第1払出動作は、出金処理において払い出されるべき金額が「千円」である場合に行われる。第1払出動作では、第1集積部201に保留されている1枚の千円紙幣B1が払い出される。
図5に示すように、第1払出動作では、搬送ベルト401が第1回転方向に回転する。第1集積部201では、可動部材311が保持位置(図3に示す位置)から搬送ベルト401に近づく方向に移動し、ガイド部材312が可動部材311の移動に連動して案内位置(図3に示す位置)から回避位置(図5の図中上側に示す位置)に揺動する。これにより、可動部材311とガイド部材312との間に挟み込まれている1枚の千円紙幣B1は、搬送ベルト401に近づく方向に移動し、可動部材311により搬送ベルト401に押し付けられる。そして、搬送ベルト401に押し付けられた1枚の千円紙幣B1は、第1回転方向に回転する搬送ベルト401により払出口102aへ向けて搬送されて払出口102aから払い出される。
《第2払出動作(第2出金動作)〉
第2払出動作は、出金処理において払い出されるべき金額が「二千円」から「四千円」までの金額である場合に行われる。第2払出動作では、出金処理において払い出されるべき金額から「千円」を差し引いて得られる不足金額に相当する枚数(1〜3枚)の千円紙幣B1が収納部103から第1集積部201に搬送され、第1集積部201に搬送されてきた千円紙幣B1と第1集積部201に保留されている千円紙幣B1とが払い出される。なお、図6には、出金処理において払い出されるべき金額が「四千円」である場合に行われる第2払出動作が例示されている。
図6の上部に示すように、第2払出動作では、搬送ベルト401が第1回転方向に回転する。第1集積部201では、搬送ベルト401の回転に連動して搬送ローラ313と札叩き車314が回転している。また、第1集積部201では、可動部材311は、保持位置に配置されており、ガイド部材312は、案内位置に配置されている。そして、分岐爪41が第1状態(図6に示す状態)に切り換えられる。これにより、払出部102に搬送されてきた千円紙幣B1は、分岐爪41により第1集積部201に案内される。
第1集積部201に案内された千円紙幣B1は、搬送ベルト401と搬送ローラ313との間に挟み込まれて払出口102a側へ向けて搬送されてガイド部材312により可動部材311側に案内される。そして、千円紙幣B1の搬送方向における前縁部が可動部材311とガイド部材312との間に挟み込まれる。また、千円紙幣B1の搬送方向における後縁部は、札叩き車314により可動部材311側に叩き付けられる。なお、図6の例では、第1集積部201への千円紙幣B1の搬送が3回行われ、第1集積部201に保留されていた1枚の千円紙幣B1に加えて3枚の千円紙幣B1が可動部材311とガイド部材312との間に集積される。
次に、図6の下部に示すように、第1集積部201では、可動部材311が保持位置から搬送ベルト401に近づく方向に移動し、ガイド部材312が可動部材311の移動に連動して案内位置から回避位置に揺動する。これにより、可動部材311とガイド部材312との間に挟み込まれている4枚の千円紙幣B1の束は、搬送ベルト401に近づく方向に移動し、可動部材311により搬送ベルト401に押し付けられる。そして、搬送ベルト401に押し付けられた4枚の千円紙幣B1の束は、第1回転方向に回転する搬送ベルト401により払出口102aへ向けて搬送されて払出口102aから払い出される。
《第3払出動作(第1出金動作)》
第3払出動作は、出金処理において払い出されるべき金額が「五千円」である場合に行われる。第3払出動作では、第2集積部202に保留されている1枚の五千円紙幣B5が払い出される。
図7に示すように、第3払出動作では、搬送ベルト401が第2回転方向に回転する。第2集積部202では、可動部材311が保持位置(図3に示す位置)から搬送ベルト401に近づく方向に移動し、ガイド部材312が可動部材311の移動に連動して案内位置(図3に示す位置)から回避位置(図7の図中下側に示す位置)に揺動する。これにより、可動部材311とガイド部材312との間に挟み込まれている1枚の五千円紙幣B5は、搬送ベルト401に近づく方向に移動し、可動部材311により搬送ベルト401に押し付けられる。そして、搬送ベルト401に押し付けられた1枚の五千円紙幣B5は、第2回転方向に回転する搬送ベルト401により払出口102aへ向けて搬送されて払出口102aから払い出される。
《第4払出動作(第2出金動作)》
第4払出動作は、出金処理において払い出されるべき金額が「六千円」から「九千円」までの金額である場合に行われる。第4払出動作では、出金処理において払い出されるべき金額から「千円」を差し引いて得られる不足金額に相当する枚数(1〜4枚)の千円紙幣B1が収納部103から第2集積部202に搬送され、第2集積部202に搬送されてきた千円紙幣B1と第2集積部202に保留されている五千円紙幣B5とが払い出される。なお、図8には、出金処理において払い出されるべき金額が「八千円」である場合に行われる第4払出動作が例示されている。
図8の上部に示すように、第4払出動作では、搬送ベルト401が第2回転方向に回転する。第2集積部202では、搬送ベルト401の回転に連動して搬送ローラ313と札叩き車314が回転している。また、第2集積部202では、可動部材311は、保持位置に配置されており、ガイド部材312は、案内位置に配置されている。そして、分岐爪41が第2状態(図8に示す状態)に切り換えられる。これにより、払出部102に搬送されてきた千円紙幣B1は、分岐爪41により第2集積部202に案内される。
第2集積部202に案内された千円紙幣B1は、搬送ベルト401と搬送ローラ313との間に挟み込まれて払出口102a側へ向けて搬送されてガイド部材312により可動部材311側に案内される。そして、千円紙幣B1の搬送方向における前縁部が可動部材311とガイド部材312との間に挟み込まれる。また、千円紙幣B1の搬送方向における後縁部は、札叩き車314により可動部材311側に叩き付けられる。なお、図8の例では、第2集積部202への千円紙幣B1の搬送が3回行われ、第2集積部202に保留されていた1枚の五千円紙幣B5に加えて3枚の千円紙幣B1が可動部材311とガイド部材312との間に集積される。
次に、図8の下部に示すように、第2集積部202では、可動部材311が保持位置から搬送ベルト401に近づく方向に移動し、ガイド部材312が可動部材311の移動に連動して案内位置から回避位置に揺動する。これにより、可動部材311とガイド部材312との間に挟み込まれている1枚の五千円紙幣B5と3枚の千円紙幣B1の束は、搬送ベルト401に近づく方向に移動し、可動部材311により搬送ベルト401に押し付けられる。そして、搬送ベルト401に押し付けられた1枚の五千円紙幣B5と3枚の千円紙幣B1の束は、第1回転方向に回転する搬送ベルト401により払出口102aへ向けて搬送されて払出口102aから払い出される。
〈補充動作〉
また、制御部109は、保留金額に相当する紙幣が払出部102に保留されていない場合に補充動作を行う。補充動作では、制御部109は、保留金額に相当する紙幣が払出部102に搬送されて保留されるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。例えば、補充動作は、出金処理が完了した後に行われる。
この例では、制御部109は、複数の集積部200のうち保留金額に相当する紙幣が保留されていない集積部200が存在する場合に補充動作を行う。補充動作では、制御部109は、保留金額に相当する紙幣が保留されていない集積部200にその保留金額に相当する紙幣が搬送されて保留されるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。
具体的には、補充動作では、複数の収納部103の中から保留金額に相当する紙幣を繰り出すべき収納部103が選択され、その収納部103に収納されている紙幣が搬送部106に繰り出され、識別部107に搬送されて識別される。識別部107において正常であると識別された紙幣は、搬送部106により払出部102に搬送される。
払出部102に搬送されてきた紙幣は、切換機構40により集積部200(保留金額に相当する紙幣が保留されていない集積部200)に案内されて集積される。そして、収納部103から集積部200への紙幣(保留金額に相当する紙幣)の搬送が完了すると、その集積部200に集積されている紙幣が可動機構300により保持される。
〈補充動作の具体例〉
この例では、制御部109は、第1有無検知センサ51の検知結果(第1集積部201における紙幣の有無)に応じて第1補充動作を行い、第2有無検知センサ52の検知結果(第2集積部202における紙幣の有無)に応じて第2補充動作を行う。なお、第1集積部201における保留金額は、「千円」であり、第1集積部201に保留される紙幣は、1枚の千円紙幣B1である。第2集積部202における保留金額は、「五千円」であり、第2集積部202に保留される紙幣は、1枚の五千円紙幣B5である。
《第1補充動作》
第1補充動作は、第1集積部201に紙幣がない場合(第1集積部201に千円紙幣B1が保留されていない場合)に行われる。第1補充動作では、1枚の千円紙幣B1が収納部103から第1集積部201に搬送され、第1集積部201に搬送されてきた千円紙幣B1が第1集積部201に保留される。
図9に示すように、第1補充動作では、搬送ベルト401が第1回転方向に回転する。第1集積部201では、搬送ベルト401の回転に連動して搬送ローラ313と札叩き車314が回転している。また、第1集積部201では、可動部材311は、保持位置に配置されており、ガイド部材312は、案内位置に配置されている。そして、分岐爪41が第1状態(図9に示す状態)に切り換えられる。これにより、払出部102に搬送されてきた千円紙幣B1は、分岐爪41により第1集積部201に案内される。
第1集積部201に案内された千円紙幣B1は、搬送ベルト401と搬送ローラ313との間に挟み込まれて払出口102a側へ向けて搬送されてガイド部材312により可動部材311側に案内される。そして、千円紙幣B1の搬送方向における前縁部が可動部材311とガイド部材312との間に挟み込まれる。また、千円紙幣B1の搬送方向における後縁部は、札叩き車314により可動部材311側に叩き付けられる。このようにして千円紙幣B1(第1集積部201に保留される紙幣)が可動部材311とガイド部材312との間に保持される。
《第2補充動作》
第2補充動作は、第2集積部202に紙幣がない場合(第2集積部202に五千円紙幣B5が保留されていない場合)に行われる。第2補充動作では、1枚の五千円紙幣B5が収納部103から第2集積部202に搬送され、第2集積部202に搬送されてきた五千円紙幣B5が第2集積部202に保留される。
図10に示すように、第2補充動作では、搬送ベルト401が第2回転方向に回転する。第2集積部202では、搬送ベルト401の回転に連動して搬送ローラ313と札叩き車314が回転している。また、第2集積部202では、可動部材311は、保持位置に配置されており、ガイド部材312は、案内位置に配置されている。そして、分岐爪41が第2状態(図10に示す状態)に切り換えられる。これにより、払出部102に搬送されてきた五千円紙幣B5は、分岐爪41により第2集積部202に案内される。
第2集積部202に案内された五千円紙幣B5は、搬送ベルト401と搬送ローラ313との間に挟み込まれて払出口102a側へ向けて搬送されてガイド部材312により可動部材311側に案内される。そして、五千円紙幣B5の搬送方向における前縁部が可動部材311とガイド部材312との間に挟み込まれる。また、五千円紙幣B5の搬送方向における後縁部は、札叩き車314により可動部材311側に叩き付けられる。このようにして五千円紙幣B5(第2集積部202に保留される紙幣)が可動部材311とガイド部材312との間に保持される。
〈補充動作の変形例〉
なお、制御部109は、出金処理の後に行われる入金処理において補充動作を行うように構成されていてもよい。この補充動作では、制御部109は、受入部101から繰り出された紙幣が識別部107において識別され、識別部107による識別結果に応じて払出部102(保留金額に相当する紙幣が保留されていない払出部102)に搬送されて保留されるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。
具体的には、この補充動作では、受入部101に受け入れられた紙幣が受入部101から搬送部106に繰り出され、識別部107に搬送されて識別される。識別部107において正常であると識別された紙幣が集積部200(保留金額に相当する紙幣が保留されていない集積部200)に保留されるべき紙幣に該当する場合、その紙幣は、搬送部106により払出部102に搬送される。一方、識別部107において正常であると識別された紙幣が集積部200に保留されるべき紙幣に該当しない場合、その紙幣は、搬送部106により収納部103(識別部107において識別された紙幣の金種と同一の金種が割り当てられた収納部103)に搬送される。また、識別部107においてリジェクト対象であると識別された紙幣(入金リジェクト紙幣)は、搬送部106により受入部101に搬送される。
払出部102に搬送されてきた紙幣は、切換機構40により集積部200(保留金額に相当する紙幣が保留されていない集積部200)に案内されて集積される。そして、収納部103から集積部200への紙幣(保留金額に相当する紙幣)の搬送が完了すると、その集積部200に集積されている紙幣が可動機構300により保持される。
集積部200における紙幣の保留が完了すると、補充動作が終了して入金動作が開始される。これにより、受入部101から繰り出された紙幣は、識別部107において識別されて識別部107による識別結果に応じて収納部103に搬送される。
〈連続出金動作〉
制御部109は、保留金額に相当する紙幣が払出部102に保留されていない状態で出金処理が行われる場合(例えば第1回目の出金処理の完了後に補充動作が行われずに第2回目の出金処理が開始された場合)に連続出金動作を行う。連続出金動作では、制御部109は、払出部102に対して設定された保留金額に相当する紙幣と出金処理において払い出されるべき金額から保留金額を差し引いて得られる金額である不足金額に相当する紙幣とが収納部103から払出部102に搬送されるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。
例えば、保留金額が「千円」に設定されている第1集積部201に千円紙幣B1が保留されていない状態で「三千円」を払い出すための出金処理が行われる場合、第1集積部201に設定された保留金額に相当する1枚の千円紙幣B1と、「三千円」から「千円」を差し引いて得られる「二千円」に相当する2枚の千円紙幣B1とが第1集積部201に搬送されて払い出される。
〈回収動作〉
制御部109は、回収処理において回収動作を行う。この例では、制御部109は、全回収処理および残置回収処理のうち少なくとも一方が行われるように紙幣処理装置10の動作を制御する。全回収処理では、収納部103に収納されている全ての紙幣と払出部102に保留されている全ての紙幣とが回収される。残置回収処理(例えば釣銭準備用の紙幣を紙幣処理装置10内に残してそれ以外の紙幣を回収する処理)では、収納部103に収納されている紙幣の少なくとも一部が回収されるが、払出部102に保留されている紙幣は回収されない。なお、この例では、払出部102は、払出部102に保留されている紙幣を搬送部106に繰り出すことが可能となっている。例えば、第1集積部201に保留されている紙幣が第1可動機構301により搬送ベルト401に押し付けられて搬送ベルト401が第2回転方向(図3における反時計回り方向)に回転駆動することで、第1集積部201に保留されている紙幣が搬送部106に繰り出される。
《第1回収動作》
制御部109は、全回収処理において第1回収動作を行う。第1回収動作では、制御部109は、払出部102および収納部103から繰り出された紙幣が回収部105に搬送されるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。
具体的には、第1回収動作では、払出部102の第1集積部201(または第2集積部202)に保留されている紙幣が払出部102から搬送部106に繰り出され、搬送部106により回収部105に搬送されて集積される。次に、払出部102の第2集積部202(または第1集積部201)に保留されている紙幣が払出部102から搬送部106に繰り出され、搬送部106により回収部105に搬送されて集積される。また、それぞれの収納部103に収納されている全ての紙幣が収納部103から搬送部106に繰り出され、搬送部106により回収部105に搬送されて集積される。払出部102の第1集積部201および第2集積部202に保留されている紙幣と収納部103に収納されている紙幣とが回収部105に搬送されて集積されると、筐体100から回収部105が取り外される。このようにして、払出部102の第1集積部201および第2集積部202に保留されている紙幣と収納部103に収納されている紙幣とが回収される。
なお、払出部102が保留されている紙幣を搬送部106に繰り出すことができない場合、制御部109は、第1回収動作において、払出部102に保留されている紙幣が払出部102から払い出され、且つ、収納部103から繰り出された紙幣が回収部105に搬送されるように、紙幣処理装置10の動作を制御してもよい。このように、払出部102に保留されている紙幣を払出部102から払い出すことで、払出部102に保留されている紙幣を回収することができる。なお、払出部102から払い出された紙幣を係員が受入部101に投入し、その投入された紙幣が回収部105に搬送されて集積されるように制御部109が紙幣処理装置10を制御するようになっていてもよい。
《第2回収動作》
制御部109は、残置回収処理において第2回収動作を行う。第2回収動作では、制御部109は、それぞれの収納部103から繰り出された紙幣が回収部105に搬送されるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。
具体的には、第2回収動作では、制御部109は、それぞれの収納部103に収納されている紙幣のうち回収対象となる紙幣が収納部103から搬送部106に繰り出され、搬送部106により回収部105に搬送されて集積される。回収対象となる紙幣が回収部105に搬送されて集積されると、筐体100から回収部105が取り外される。このようにして、収納部103に収納されている紙幣が回収される。
なお、制御部109は、例えば、店舗の締め作業時において、払出部102に保留されている紙幣が払出部102から繰り出されて収納部103に搬送されるように紙幣処理装置10の動作を制御し、店舗の翌営業日の立ち上げ作業時において、収納部103から繰り出された紙幣が払出部102に搬送されて保留されるように紙幣処理装置10の動作を制御してもよい。このようにすることで、閉店時間中における紙幣処理装置10のセキュリティ性(安全性)を向上させることができる。
〔貨幣処理システムの動作〕
次に、貨幣処理システム1の動作について説明する。以下では、商品代金の入力から釣銭の払い出しまでの動作を説明する。
まず、管理装置12は、顧客から預けられた金額(預かり金額)から顧客により支払われるべき金額(支払金額)を差し引いて得られる金額(釣銭金額)を示す釣銭金額情報を送信する。具体的には、管理装置12に接続された商品コード読取機(図示を省略)は、顧客が購入しようとする商品に付された商品コードを読み取る。これにより、顧客が購入しようとする商品の代金が取得される。そして、管理装置12では、制御部124は、顧客が購入しようとする商品の代金の合計に基づいて支払金額を算出する。また、預かり金額を入力するための操作が操作部121に与えられ、制御部124は、操作部121に与えられた操作に基づいて預かり金額を取得する。そして、制御部124は、預かり金額から支払金額を差し引いて釣銭金額を算出し、釣銭金額を示す釣銭金額情報を送信する。
次に、紙幣処理装置10は、管理装置12から送信された釣銭金額情報に基づいて出金処理を行う。紙幣処理装置10では、制御部109は、釣銭金額情報に示された釣銭金額に応じて第1出金動作および第2出金動作を選択的に行う。これにより、釣銭となる紙幣が紙幣処理装置10から払い出される。具体的には、釣銭金額情報に示された釣銭金額から千円未満を切り捨てた金額に相当する紙幣が紙幣処理装置10から払い出される。例えば、釣銭金額から千円未満を切り捨てた金額が「千円」である場合には、第1出金動作が行われ、第1集積部201に保留されている千円紙幣が繰り出される。
また、硬貨処理装置11は、管理装置12から送信された釣銭金額情報に基づいて硬貨出金処理を行う。これにより、釣銭となる硬貨が硬貨処理装置11から払い出される。具体的には、釣銭金額情報に示された釣銭金額のうち千円未満の金額に相当する硬貨が硬貨処理装置11から払い出される。
〔実施形態1による効果〕
以上のように、実施形態1の紙幣処理装置10では、第1出金動作(この例では第1払出動作および第3払出動作)を行うことにより、払い出されるべき紙幣が出金処理において収納部103から払出部102に搬送された後に払出部102から払い出される場合よりも、出金処理に要する時間を短縮することができる。また、第2出金動作(この例では第2払出動作および第4払出動作)を行うことにより、払い出されるべき紙幣の全部が出金処理において収納部103から払出部102に搬送された後に払出部102から払い出される場合よりも、出金処理に要する時間を短縮することができる。
また、実施形態1の紙幣処理装置10では、複数の集積部200にそれぞれ異なる保留金額に相当する紙幣が保留されているので、複数の集積部200に同一の保留金額に相当する紙幣が保留されている場合よりも、出金処理において払い出されるべき金額を第1出金動作によって払い出すことができる確率を高くすることができる。これにより、第2出金動作よりも紙幣の払い出しに要する時間が短い第1出金動作が行われる確率を高くすることができるので、第1出金動作による時間短縮を容易に行うことができる。また、第2出金動作において集積部200に搬送される紙幣の金額(搬送金額)と集積部200に保留されている紙幣の金額(保留金額)との組合せの数を多くすることができる。これにより、第2出金動作において収納部103から集積部200に搬送される紙幣の枚数(すなわち紙幣の搬送回数)が少なくなるように複数の集積部200の中から第2出金動作の対象となる集積部200を選択することができるので、第2出金動作による時間短縮を効果的に行うことができる。
また、実施形態1の紙幣処理装置10では、複数の集積部200のうちいずれか1つの集積部200に最小額の紙幣が保留される。また、第2出金動作において最小額の紙幣が集積部200(紙幣の払い出しを行う集積部200)に搬送される。これにより、紙幣処理装置10において取り扱われる紙幣の最小額を単位として、出金処理において紙幣処理装置10から払い出される金額を調節することができる。
また、実施形態1の紙幣処理装置10では、払出部102に複数の可動機構300と搬送機構400とを設けることにより、複数の集積部200のうちいずれか1つの集積部200に集積された紙幣を払い出すことができる。
また、実施形態1の紙幣処理装置10では、第1集積部201と第2集積部202との間に搬送ベルト401が設けられているので、第1可動機構301と第2可動機構302が搬送ベルト401を共用することができる。これにより、第1可動機構301により利用される搬送ベルトと第2可動機構302により利用される搬送ベルトとが別々に設けられている場合よりも、払出部102の部品点数を削減することができる。
また、実施形態1の紙幣処理装置10では、保留金額に相当する紙幣が払出部102に保留されていない場合に補充動作を行うことにより、保留金額に相当する紙幣を払出部102に保留させることができる。これにより、次の出金処理の準備をすることができる。
また、実施形態1の紙幣処理装置10では、記憶部108に記憶されている紙幣在高情報に、払出部102に保留されている紙幣の在高に関する情報が含まれている。これにより、払出部102に保留されている紙幣の在高を紙幣処理装置10における紙幣の在高の一部として管理することができる。
また、実施形態1の紙幣処理装置10では、回収処理を行うことにより、紙幣処理装置10から紙幣を回収することができる。具体的には、全回収処理を行うことにより、収納部103に収納されている紙幣と払出部102に保留されている紙幣の両方を回収することができる。また、残置回収処理を行うことにより、払出部102に紙幣を保留させた状態で、収納部103に収納されている紙幣を回収することができる。
また、実施形態1の貨幣処理システム1では、預かり金額(顧客から預けられた金額)から支払金額を差し引いて得られる釣銭金額に基づいて紙幣処理装置10における出金処理(第1出金動作または第2出金動作)が行われるので、紙幣処理装置10および硬貨処理装置11に実際に受け入れられた貨幣の合計金額から支払金額を差し引いて得られる釣銭金額に基づいて紙幣処理装置10における出金処理が行われる場合よりも、紙幣処理装置10における出金処理を素早く開始することができる。
(実施形態1の変形例)
なお、実施形態1による貨幣処理システム1の動作(商品代金の入力から釣銭の払い出しまでの動作)は、次のようになっていてもよい。以下、実施形態1の変形例による貨幣処理システム1の動作について説明する。
まず、管理装置12は、顧客により支払われるべき貨幣の金額(支払金額)を示す支払金額情報を送信する。具体的には、管理装置12に接続された商品コード読取機(図示を省略)は、顧客が購入しようとする商品に付された商品コードを読み取る。これにより、顧客が購入しようとする商品の代金が取得される。そして、管理装置12では、制御部124は、顧客が購入しようとする商品の代金の合計に基づいて支払金額を算出し、支払金額を示す支払金額情報を送信する。
次に、顧客から預けられた紙幣が紙幣処理装置10に与えられ、紙幣処理装置10において入金処理が行われる。これにより、顧客から預けられた紙幣が紙幣処理装置10に受け入れられる。また、顧客から預けられた硬貨が硬貨処理装置11に与えられ、硬貨処理装置11において硬貨入金処理が行われる。これにより、顧客から預けられた硬貨が硬貨処理装置11に受け入れられる。
次に、紙幣処理装置10では、制御部109は、紙幣処理装置10に受け入れられた紙幣の金額と硬貨処理装置11に受け入れられた硬貨の金額との合計金額から支払金額情報に示された支払金額を差し引いて釣銭金額を算出する。そして、紙幣処理装置10は、その釣銭金額に基づいて出金処理を行う。紙幣処理装置10では、制御部109は、その釣銭金額に応じて第1出金動作および第2出金動作を選択的に行う。これにより、釣銭となる紙幣が紙幣処理装置10から払い出される。
また、硬貨処理装置11は、紙幣処理装置10の制御部109により算出された釣銭金額に基づいて硬貨出金処理を行う。これにより、釣銭となる硬貨が硬貨処理装置11から払い出される。
〔実施形態1の変形例による効果〕
以上のように、紙幣処理装置10に受け入れられた紙幣の金額と硬貨処理装置11に受け入れられた硬貨の金額との合計金額(すなわち実際に受け入れられた金額)から支払金額を差し引いて得られる釣銭金額に基づいて紙幣処理装置10における出金処理(第1出金動作または第2出金動作)が行われるので、釣銭が誤って払い出されることを防止することができる。
(実施形態2)
実施形態2による貨幣処理システム1は、紙幣処理装置10の構成が実施形態1による貨幣処理システム1と異なっている。実施形態2による貨幣処理システム1のその他の構成は、実施形態1による貨幣処理システム1の構成と同様となっている。
〔紙幣処理装置〕
図11は、実施形態2の紙幣処理装置10の構成を例示している。実施形態2の紙幣処理装置10は、図2に示した搬送部106と識別部107とに代えて、搬送部500と第1識別部501と第2識別部502とを備えている。また、実施形態2の紙幣処理装置10は、受入部101と払出部102と収納部103とリジェクト部104と回収部105の配置が実施形態1の紙幣処理装置10と異なっている。実施形態2の紙幣処理装置10のその他の構成は、実施形態1の紙幣処理装置10の構成と同様となっている。
〈配置〉
受入部101と払出部102とリジェクト部104と回収部105は、筐体の前面部に設けられ、右から左へ向けてリジェクト部104と受入部101と回収部105と払出部102が順に並んでいる。複数の収納部103は、筐体100の後面部に設けられ、前後方向に並んでいる。すなわち、複数の収納部103の配列方向(以下「第1配列方向」と記載)は、受入部101と払出部102とリジェクト部104と回収部105の配列方向(以下「第2配列方向」と記載)と直交する方向となっている。また、複数の収納部103は、それぞれの紙幣の出入口が第2配列方向に沿う方向(この例では左方)を向いている。
〈搬送部〉
搬送部500は、筐体100の前後方向における中央部に配置され、環状搬送路500aと、複数の接続搬送路500bと、基幹搬送路500cと、複数の分岐搬送路500dとを有している。
環状搬送路500aは、左右方向に延びる楕円形状に形成されている。複数(この例では4つ)の接続搬送路500bは、環状搬送路500aと紙幣処理装置10の各部(この例では受入部101と払出部102とリジェクト部104と回収部105)とをそれぞれ接続している。基幹搬送路500cは、環状搬送路500aに接続されている。複数(この例では3つ)の分岐搬送路500dは、基幹搬送路500cから延びて複数(この例では3つ)の収納部103にそれぞれ接続されている。
また、環状搬送路500aにおける接続点Pから紙幣の搬送方向(図11では反時計回り方向)に進んで接続点Qに至る経路の長さは、紙幣の搬送方向における長さ(この例では紙幣の長手方向における長さ)以上の長さに設定されている。なお、接続点Pは、環状搬送路500aと受入部101に接続された接続搬送路500bとの接続点である。接続点Qは、環状搬送路500aと基幹搬送路500cとの接続点である。
〈第1識別部〉
第1識別部501は、紙幣を識別する。この例では、第1識別部501は、環状搬送路500aの接続点Pに設けられ、環状搬送路106aにおいて搬送される紙幣に対して識別処理を行う。なお、第1識別部501の構成は、図2に示した識別部107の構成と同様となっている。第1識別部501による紙幣の識別結果は、制御部109に送信される。
〈第2識別部〉
第2識別部502は、紙幣を識別する。この例では、第2識別部502は、基幹搬送路500cに設けられて接続点Qと第1番目の分岐搬送路500dとの間に配置され、基幹搬送路500cにおいて搬送される紙幣に対して識別処理を行う。なお、第2識別部502の構成は、図2に示した識別部107の構成と同様となっている。第2識別部502による紙幣の識別結果は、制御部109に送信される。
〔制御部の動作〕
実施形態2の制御部109の動作は、実施形態1の制御部109の動作と同様となっている。なお、実施形態2では、入金動作と補充動作の変形例とにおいて第1識別部501による紙幣の識別が行われ、その他の動作(出金動作と補充動作と連続出金動作と回収動作)において第2識別部502による紙幣の識別が行われる。
〈入金動作〉
実施形態2における入金動作では、制御部109は、受入部101から繰り出された紙幣が第1識別部501において識別されて第1識別部501による識別結果に応じて収納部103に搬送されるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。
具体的には、実施形態2における入金動作では、受入部101に受け入れられた紙幣が受入部101から搬送部500に繰り出され、第1識別部501に搬送される。紙幣の搬送方向における前縁部が第1識別部501に到達すると、第1識別部501による紙幣の識別が開始され、紙幣の搬送方向における後縁部が第1識別部501を通過すると、第1識別部501による紙幣の識別が完了する。第1識別部501において正常であると識別された紙幣は、環状搬送路500aの接続点Qから基幹搬送路500cと分岐搬送路500dとを通過して収納部103(第1識別部501において識別された紙幣の金種と同一の金種が割り当てられた収納部103)に搬送されて収納される。一方、第1識別部501においてリジェクト対象であると識別された紙幣(入金リジェクト紙幣)は、搬送部500により受入部101に搬送される。
〔実施形態2による効果〕
実施形態2による貨幣処理システム1および紙幣処理装置10では、実施形態1による貨幣処理システム1および紙幣処理装置10と同様の効果を得ることができる。例えば、第1出金動作および第2出金動作を選択的に行うことにより、出金処理に要する時間を短縮することができる。
また、実施形態2の紙幣処理装置10では、環状搬送路500aの接続点Pに第1識別部501を配置し、環状搬送路500aの接続点Qから延びる基幹搬送路500cと複数の収納部103とを複数の分岐搬送路500dでそれぞれ接続し、環状搬送路500aにおける接続点Pから紙幣の搬送方向に進んで接続点Qに至る経路の長さを紙幣の搬送方向における長さ以上の長さに設定することにより、入金処理において第1識別部501による識別が完了した紙幣を、環状搬送路500aに周回させることなく、環状搬送路500aの接続点Qから複数の収納部103のいずれか1つへ向けて搬送することができる。これにより、入金処理に要する時間を短縮することができる。
なお、実施形態2の紙幣処理装置10では、環状搬送路500aの接続点Pから接続点Qまでの経路の長さを紙幣の搬送方向における長さと同一の長さに設定することが好ましい。このように設定することにより、入金処理において、第1識別部501による識別が完了した紙幣は、その搬送方向における前縁部が接続点Qに位置している状態となる。すなわち、紙幣の搬送方向における後縁部が第1識別部501を通過して第1識別部501による紙幣の識別が完了するときに、紙幣の搬送方向における前縁部が接続点Qに位置している。なお、接続点Qは、紙幣が振り分けられる点である。したがって、第1識別部501による識別が完了してから紙幣が振り分けられるまでの距離を最短にすることができるので、入金処理に要する時間を短縮することができる。
また、実施形態2の紙幣処理装置10では、環状搬送路500aを楕円形状に形成することにより、環状搬送路500aが真円状に形成されている場合よりも、環状搬送路500aのターン部の曲率を小さくすることができる。これにより、環状搬送路500aの前後方向のサイズを小さくすることができるので、紙幣処理装置10(具体的には筐体100)の前後方向のサイズを小さくすることができる。
また、実施形態2の紙幣処理装置10では、第1配列方向(複数の収納部103の配列方向)が第2配列方向(受入部101と払出部102とリジェクト部104と回収部105の配列方向)と直交する方向となり、且つ、複数の収納部103の各々の紙幣の出入口が第2配列方向に沿う方向を向くように、複数の収納部103を配置することにより、複数の収納部103の配列方向に沿う方向(この例では前後方向)に、環状搬送路500aから基幹搬送路500cを延ばすことができる。これにより、基幹搬送路500cを延ばすために、複数の収納部103と環状搬送路500aとの前後方向における間隔を大きくしなくてもよいので、紙幣処理装置10(具体的には筐体100)の前後方向のサイズを小さくすることができる。
なお、実施形態2の紙幣処理装置10の入金処理において、入金リジェクト紙幣(第1識別部501によりリジェクト対象であると識別された紙幣)が払出部102に払い出されるようになっていてもよい。この場合、払出部102に集積部200とは異なる別の集積部(紙幣が保留されていない集積部、入金リジェクト紙幣の払い出しを行う集積部)が設けられていることが好ましい。
(その他の実施形態)
なお、以上の説明では、第2出金動作において、紙幣処理装置10において取り扱われる最小額の紙幣が収納部103から繰り出されて複数の集積部200のうちいずれか1つの集積部200に搬送される場合を例に挙げたが、第2出金動作において収納部103から繰り出されて集積部200に搬送される紙幣は、最小額の紙幣ではない他の額の紙幣であってもよい。例えば、第1集積部201が1枚の千円紙幣を保留しており、且つ、出金処理において払い出されるべき金額が「七千円」である場合に、1枚の千円紙幣と1枚の五千円紙幣とが第1集積部201に搬送されるようになっていてもよい。このようにすることで、収納部103に収納されている最小額の紙幣が不足している場合(例えば収納部103に千円紙幣が1枚しか収納されていない場合)であっても、出金処理において払い出されるべき金額に相当する紙幣を払い出すことができる。
また、以上の説明では、保留金額に相当する紙幣が1枚の紙幣(その額が保留金額と同額となる1枚の紙幣)である場合を例に挙げたが、保留金額に相当する紙幣は、それぞれの額の合計が保留金額と同額となる複数枚の紙幣であってもよい。例えば、紙幣処理装置10において五千円紙幣が不足している場合や、紙幣処理装置10において五千円紙幣が取り扱われない場合(例えば千円紙幣のみが取り扱われる場合)に、保留金額が「五千円」に設定されている第2集積部202に、5枚の千円紙幣が保留されるようになっていてもよい。
また、制御部109は、紙幣処理装置10において五千円紙幣が不足している場合に、五千円紙幣が不足していることを管理装置12や外部機器(図示を省略)に通知するように構成されていてもよい。そして、管理装置12や外部機器は、紙幣処理装置10に対する五千円紙幣の補充を促すための通知を行うように構成されていてもよい。
また、以上の説明では、紙幣処理装置10の入金処理において入金リジェクト紙幣(識別部107によりリジェクト対象であると識別された紙幣)が受入部101に搬送される場合を例に挙げたが、入金リジェクト紙幣は、紙幣処理装置10に設けられた返却部(図示を省略)に搬送されるようになっていてもよい。
また、以上の説明では、払出部102において複数の集積部200(第1集積部201と第2集積部202)が左右方向に並設されている場合を例に挙げたが、これに限らず、複数の集積部200は、払出部102においてその他の方向(例えば上下方向)に並設されていてもよい。
また、以上の説明では、第1集積部201と第2集積部202との間に設けられた搬送ベルト401(搬送機構400)が第1可動機構301と第2可動機構302とに共用される場合を例に挙げたが、第1可動機構301により利用される搬送ベルト(搬送機構)と第2可動機構302により利用される搬送ベルト(搬送機構)とが別々に設けられていてもよい。
また、以上の説明では、払出部102が2つの集積部200(第1集積部201と第2集積部202)を有している場合を例に挙げたが、払出部102は、3つ以上の集積部200を有するものであってよいし、1つの集積部200を有するものであってもよい。また、紙幣処理装置10が3つの収納部103を備えている場合を例に挙げたが、紙幣処理装置10は、2つ以下の収納部103を備えるものであってもよいし、4つ以上の収納部103を備えるものであってもよい。
また、硬貨処理装置11は、紙幣処理装置10から釣銭として払い出すべき紙幣が不足している場合に、釣銭として払い出すべき硬貨に加えて、その不足している紙幣に相当する硬貨を払い出すように構成されていてもよい。例えば、紙幣処理装置10から釣銭として払い出すべき1枚の千円紙幣を払い出すことができない場合に、釣銭として払い出すべき硬貨に加えて10枚の百円硬貨が硬貨処理装置11から払い出されてもよい。また、管理装置12は、操作者(係員や顧客など)による承認操作が操作部121に与えられた場合に、硬貨処理装置11に代替出金動作(釣銭として払い出すべき硬貨に加えて不足している紙幣に相当する硬貨を払い出す動作)をさせるように構成されていてもよい。
また、以上の説明において、複数の収納部103は、それぞれが外部からアクセス可能に構成されていてもよい。そして、複数の収納部103のいずれかに係員がアクセスして紙幣を装填するようになっていてもよい。すなわち、紙幣処理装置10において、係員による装填処理が行われるようになっていてもよい。なお、紙幣処理装置10において、入金処理の代わりに、係員による装填処理が行われるようになっていてもよい。例えば、紙幣処理装置10は、出金専用機であってもよい。
また、以上の説明では、紙幣処理装置10が店舗のレジカウンタなどに設けられている場合を例に挙げたが、これに限らず、紙幣処理装置10は、例えば、自動販売機などに設けられていてもよい。
また、以上の実施形態および変形例を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、この発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、ここに開示する技術は、紙幣処理装置および貨幣処理システムとして有用である。
1 貨幣処理システム
10 紙幣処理装置
11 硬貨処理装置
12 管理装置
100 筐体
101 受入部
102 払出部
103 収納部
104 リジェクト部
105 回収部
106 搬送部
107 識別部
108 記憶部
109 制御部
121 操作部
122 表示部
123 記憶部
124 制御部
20 筐体
30 払出機構
300 可動機構
301 第1可動機構
302 第2可動機構
400 搬送機構
401 搬送ベルト
40 切換機構
41 分岐爪
500 搬送部
501 第1識別部
502 第2識別部

Claims (11)

  1. 紙幣を処理する紙幣処理装置であって、
    収納している紙幣を繰り出す収納部と、
    前記紙幣の払い出しを行う払出部と、
    前記紙幣を搬送する搬送部と、
    前記紙幣処理装置の動作を制御する制御部とを備え、
    前記払出部は、予め設定された保留金額に相当する紙幣を保留するように構成され、
    前記制御部は、前記紙幣が払い出される出金処理において、前記払出部に保留されている紙幣が該払出部から払い出されるように前記紙幣処理装置の動作を制御する第1出金動作と、前記収納部から繰り出された紙幣が前記払出部に搬送されて該紙幣と該払出部に保留されている紙幣とが該払出部から払い出されるように前記紙幣処理装置の動作を制御する第2出金動作とを選択的に行う
    ことを特徴とする紙幣処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記払出部は、
    それぞれが前記紙幣を集積可能に構成された複数の集積部と、
    前記複数の集積部のうちいずれか1つの集積部に集積された紙幣を該集積部から払い出す払出機構とを有し、
    前記複数の集積部には、それぞれ異なる保留金額が予め設定されており、
    前記複数の集積部の各々は、該集積部に対して設定された保留金額に相当する紙幣を保留するように構成され、
    前記第1出金動作では、前記複数の集積部のうちいずれか1つの集積部に保留されている紙幣が該集積部から払い出され、
    前記第2出金動作では、前記収納部から繰り出された紙幣が前記複数の集積部のうちいずれか1つの集積部に搬送されて該紙幣と該集積部に保留されている紙幣とが該集積部から払い出される
    ことを特徴とする紙幣処理装置。
  3. 請求項2において、
    前記複数の集積部のうちいずれか1つの集積部における保留金額は、前記紙幣処理装置において取り扱われる前記紙幣の最小額に設定され、
    前記第2出金動作では、前記収納部から前記最小額の紙幣が繰り出されて前記複数の集積部のうちいずれか1つの集積部に搬送される
    ことを特徴とする紙幣処理装置。
  4. 請求項2または3において、
    前記払出機構は、前記複数の集積部の各々に設けられた可動機構と、搬送機構とを有し、
    前記複数の集積部の各々に設けられた可動機構は、該集積部に保留されている紙幣を保持する保持動作と、保持している該紙幣を前記搬送機構に引き渡す第1引渡動作と、該集積部に搬送されてきた紙幣と保持している該紙幣とを前記搬送機構に引き渡す第2引渡動作とを行うように構成され、
    前記搬送機構は、前記複数の集積部の各々に設けられた可動機構のうちいずれか1つの可動機構により引き渡された紙幣を搬送して払い出すように構成され、
    前記第1出金動作では、前記複数の集積部の各々に設けられた可動機構のうちいずれか1つの可動機構が前記第1引渡動作を行い、
    前記第2出金動作では、前記複数の集積部の各々に設けられた可動機構のうちいずれか1つの可動機構が前記第2引渡動作を行う
    ことを特徴とする紙幣処理装置。
  5. 請求項4において、
    前記払出部は、筐体を有し、
    前記複数の集積部は、第1集積部と第2集積部とを含み、
    前記可動機構は、前記第1集積部に設けられる第1可動機構と、前記第2集積部に設けられる第2可動機構とを含み、
    前記搬送機構は、前記筐体の内部空間を前記第1集積部を構成する第1空間と前記第2集積部を構成する第2空間とに区画するように該筐体の内部に設けられ、回転駆動により前記紙幣を搬送して払い出すように構成された搬送ベルトを有し、
    前記第1可動機構は、前記第1集積部に集積されている紙幣を前記搬送ベルトに押し付けることで該紙幣を該搬送ベルトに引き渡すように構成され、
    前記第2可動機構は、前記第2集積部に集積されている紙幣を前記搬送ベルトに押し付けることで該紙幣を該搬送ベルトに引き渡すように構成されている
    ことを特徴とする紙幣処理装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つにおいて、
    前記制御部は、前記保留金額に相当する紙幣が前記払出部に保留されていない場合に、該保留金額に相当する紙幣が該払出部に搬送されて保留されるように前記紙幣処理装置の動作を制御する
    ことを特徴とする紙幣処理装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つにおいて、
    前記紙幣処理装置における紙幣の在高に関する紙幣在高情報を記憶する記憶部を備え、
    前記紙幣在高情報には、前記収納部に収納されている紙幣の在高に関する情報と、前記払出部に保留されている紙幣の在高に関する情報とが含まれている
    ことを特徴とする紙幣処理装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つにおいて、
    前記制御部は、全回収処理および残置回収処理のうち少なくとも一方が行われるように前記紙幣処理装置の動作を制御し、
    前記全回収処理では、前記収納部に収納されている全ての紙幣と前記払出部に保留されている全ての紙幣とが回収され、
    前記残置回収処理では、前記収納部に収納されている紙幣の少なくとも一部が回収されるが、前記払出部に保留されている紙幣は回収されない
    ことを特徴とする紙幣処理装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の紙幣処理装置と、
    硬貨を処理する硬貨処理装置と、
    前記紙幣処理装置および前記硬貨処理装置を管理する管理装置とを備え、
    前記管理装置は、顧客から預けられた金額である預かり金額から顧客により支払われるべき金額である支払金額を差し引いて得られる釣銭金額を示す釣銭金額情報を送信し、
    前記制御部は、前記釣銭金額情報に示された釣銭金額に応じて前記第1出金動作および前記第2出金動作を選択的に行う
    ことを特徴とする貨幣処理システム。
  10. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の紙幣処理装置と、
    硬貨を処理する硬貨処理装置と、
    前記紙幣処理装置を管理する管理装置とを備え、
    前記管理装置は、顧客により支払われるべき金額である支払金額を示す支払金額情報を送信し、
    前記制御部は、前記紙幣処理装置に受け入れられた紙幣の金額と前記硬貨処理装置に受け入れられた硬貨の金額との合計金額から前記支払金額情報に示された前記支払金額を差し引いて得られる釣銭金額に応じて前記第1出金動作および前記第2出金動作を選択的に行う
    ことを特徴とする貨幣処理システム。
  11. 紙幣処理装置と、
    前記紙幣処理装置の動作を制御する制御部とを備え、
    前記紙幣処理装置は、
    収納している紙幣を繰り出す収納部と、
    前記紙幣の払い出しを行う払出部と、
    前記紙幣を搬送する搬送部とを有し、
    前記払出部は、予め設定された保留金額に相当する紙幣を保留するように構成され、
    前記制御部は、前記紙幣が払い出される出金処理において、前記払出部に保留されている紙幣が該払出部から払い出されるように前記紙幣処理装置の動作を制御する第1出金動作と、前記収納部から繰り出された紙幣が前記払出部に搬送されて該紙幣と該払出部に保留されている紙幣とが該払出部から払い出されるように前記紙幣処理装置の動作を制御する第2出金動作とを選択的に行う
    ことを特徴とする貨幣処理システム。
JP2018168840A 2018-09-10 2018-09-10 紙幣処理装置および貨幣処理システム Pending JP2020042493A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018168840A JP2020042493A (ja) 2018-09-10 2018-09-10 紙幣処理装置および貨幣処理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018168840A JP2020042493A (ja) 2018-09-10 2018-09-10 紙幣処理装置および貨幣処理システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020042493A true JP2020042493A (ja) 2020-03-19

Family

ID=69798378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018168840A Pending JP2020042493A (ja) 2018-09-10 2018-09-10 紙幣処理装置および貨幣処理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020042493A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6252056B2 (ja) 紙幣入出金装置及び紙幣取引装置
WO2010049968A1 (ja) 貨幣処理装置
JP2007034523A (ja) 自動釣銭機
JP6710353B2 (ja) 紙幣取扱装置
JP4341578B2 (ja) 硬貨処理装置
JP3365540B2 (ja) 紙幣入出金機
JP3983992B2 (ja) 紙幣入出金処理システム
JP2007034522A (ja) 自動釣銭機および自動補充回収機
JPH11175801A (ja) 紙葉類取扱装置
JP3015161B2 (ja) 循環式紙幣入出金装置
JP5296191B2 (ja) 貨幣処理機および貨幣処理方法
JP6178684B2 (ja) 硬貨処理機、硬貨処理システム及び硬貨処理方法
JP7137343B2 (ja) 硬貨処理装置および硬貨処理システム
JP2020042493A (ja) 紙幣処理装置および貨幣処理システム
JP2007156962A (ja) 紙幣入出金機
JPH064767A (ja) 紙幣装填回収処理機
JP6724387B2 (ja) 現金処理装置
JP2015111342A (ja) 硬貨処理装置
JP4178726B2 (ja) 紙幣処理装置
JP7301619B2 (ja) 紙葉類処理装置および紙葉類処理システム
JP6712334B2 (ja) 硬貨処理機および硬貨処理方法
JP4198210B2 (ja) 貨幣入出金処理システム
WO2020184592A1 (ja) 紙葉類処理装置および紙葉類処理方法
JP4857719B2 (ja) 紙幣入出金機
JP6469179B2 (ja) 硬貨処理機、硬貨処理システム及び硬貨処理方法