JP2020042209A - 中間転写体、中間転写体の製造方法および画像形成装置 - Google Patents

中間転写体、中間転写体の製造方法および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スジ状の画像欠陥の発生を抑制でき、かつ、端部に貼付した補強テープがはがれにくい中間転写体を提供すること。また、当該中間転写体の製造方法および当該中間転写体を有する画像形成装置を提供すること。【解決手段】本発明の中間転写体は、少なくとも基材層と表面層とを有する。表面層は、硬化性化合物、無機フィラー、および反応性基を有するフッ素系界面活性剤を含む塗布液を硬化させてなる硬化物であり、表面層の純水接触角は、75°以上90°以下である。また、本発明の中間転写体の製造方法は、基材層を回転させながら、表面層形成用の塗布液を、基材層の外周面にノズルを用いて塗布して表面層を形成する工程を有する。また、本発明の画像形成装置は、本発明に係る中間転写体を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、中間転写体、当該中間転写体の製造方法および当該中間転写体を有する画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、通常、感光体で形成されたトナー画像は、中間転写体に一次転写され、次いで、普通紙などの記録媒体に二次転写される。上記トナー画像の一次転写および二次転写は、通常、中間転写体の表面の電荷の制御によるトナーの付着および離脱によって行われる。中間転写体としては、無端状のベルトであって、樹脂製の基材層と、当該基材層上に配置されて中間転写体の耐久性を高める樹脂製の表面層とを有するものが知られている。また、一般に、表面層には、表面電荷の制御のため、かつ、耐久性、耐摩耗性を向上させるためにフィラーが多く含まれている。
基材層上に表面層を形成する方法としては、表面形成用の塗布液をスプレー塗布またはスパイラル塗布する方法が一般的である。しかしながら、上記したように表面層にはフィラーが多く含まれているため、表面層形成用の塗布液にもフィラーが多く含まれることになる。フィラーが多く含まれる塗布液を用いると、上記方法では、液滴やビードのつなぎ目による塗布スジが生じやすい。そこで、シリコーンオイルなどのレベリング剤を塗布液に添加して塗布面の平滑化を図る方法が知られている。しかしながら、シリコーンオイルなどのレベリング剤では、塗布面を十分に平滑化できないことから、フッ素系化合物の使用が検討されている。
たとえば、特許文献1には、非イオン性界面活性剤およびフッ素化界面活性剤を含む中間転写ベルトを製造するためのフィルム形成組成物が開示されている。当該フィルム形成組成物は、フィルム形成用塗布液にフッ素化界面活性剤を含むことにより、塗布液の表面張力を低下させることができるため、低表面エネルギーおよび均一性の向上したフィルムを得ることができると記載されている。
また、特許文献2には、フッ素原子を含有する多分岐高分子化合物とポリイミドとを含む表面層を有する管状部材が開示されている。当該管状部材に含まれるフッ素原子を含有する多分岐高分子化合物は、ポリイミド中で球状高分子として存在することから、分散させても凝集しにくいため、表面層の離型性の向上に寄与すると記載されている。
特開2012−159838号公報 特開2013−61383号公報
特許文献1および特許文献2では、表面層の表面改質のためにフッ素系化合物を使用しているが、いずれも表面層形成時に生じる塗布スジ由来の画像欠陥の発生を十分に抑制できていない。特に、スパイラル塗布により表面層を形成するときは、前に塗布したビードの塗布液に含まれる溶媒が蒸発するため、隣接するビードが塗布されたとき、固形分濃度が異なる2つの塗布液が接触することになる。このとき、先に塗布したビードの塗布液は、隣接して塗布したビードの塗布液により濃度が急激に低下し、無機フィラーなどの固形分が凝集してしまうソルベントショックが生じやすい。ソルベントショックが生じると、塗布液のレベリングが阻害され、塗布スジが形成されやすい。このようにして塗布スジが形成された中間転写体を用いて画像を形成すると、スジ状の画像欠陥が発生しやすい。また、特許文献1および特許文献2の表面層は、純水接触角が大きく、中間転写体の端部に補強テープを貼付するとはがれやすいため、長期間の使用に耐えない。
本発明の目的は、かかる点に鑑みてなされたものであり、スジ状の画像欠陥の発生を抑制でき、かつ、端部に貼付した補強テープがはがれにくい中間転写体を提供することである。また、本発明の目的は、当該中間転写体の製造方法および当該中間転写体を有する画像形成装置を提供することである。
本発明の中間転写体は、電子写真方式の画像形成装置に用いる中間転写体であって、少なくとも基材層と、表面層と、を有し、前記表面層は、硬化性化合物、無機フィラー、および反応性基を有するフッ素系界面活性剤を含む塗布液を硬化させてなる硬化物であり、
前記表面層の純水接触角は、75°以上90°以下である。
本発明の中間転写体の製造方法は、前記基材層を回転させながら、表面層形成用の塗布液を、前記基材層の外周面にノズルを用いて塗布して前記表面層を形成する工程を有する、中間転写体の製造方法であって、前記表面層形成用の塗布液は、硬化性化合物と、無機フィラーと、反応性基を有するフッ素系界面活性剤とを含む。
本発明の画像形成装置は、本発明に係る中間転写体を有する。
本発明によれば、平滑な表面層を有する中間転写体を提供することができる。また、当該中間転写体の製造方法および当該中間転写体を有する画像形成装置を提供することができる。
図1は、実施の形態に係る中間転写ベルトの製造装置の一部を示した概略図である。 図2は、実施の形態に係る中間転写ベルトの製造装置の一部を示した概略図である。 図3Aは、図1および図2の製造装置が有するノズルの概略側面図である。図3Bは、使用するノズルの下面図である。 図4は、実施の形態に係る中間転写体を有する画像形成装置の構成を模式的に示す図である。 図5Aは、テープ接着力の評価で使用する中間転写体上にテープを貼付した状態を示す断面図である。図5Bは、実施の形態に係る中間転写体のテープ接着力の評価方法を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る中間転写体、当該中間転写体の製造方法および当該中間転写体を有する画像形成装置について順番に説明する。
[中間転写体]
中間転写体は、基材層および表面層を含んで構成される無端状のベルトである。また、当該中間転写体は、複数の帯電部材の接触または近接配置により、少なくとも2通り以上の電位を有し、複数の帯電部材の電圧制御により、トナー画像を外部から受容して、外部から受容したトナー画像を次の記録材に受け渡すことができる。なお、基材層と表面層の間には、弾性層を含んでいてもよい。
中間転写体は、無端ベルト状の形状である。ここで、「無端ベルト状の形状」とは、例えば、概念的(幾何学的)には一枚の長尺のシート状物の両端部を繋ぎ合わせて形成されるようなループ状の形状を意味する。中間転写体の実際の形状としては、シームレスのベルト状又は円筒状の形状とすることが好ましい。
(基材層)
基材層は、所期の導電性と可撓性を有する無端状のベルトである。基材層は、例えば、可撓性を有する樹脂によって構成されている。基材層を形成する樹脂の例には、芳香族ポリイミド(PI)、芳香族ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、芳香族ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリカーボネート(PC)、芳香族ポリエーテルケトン(PEK)などのベンゼン環を含む構造単位を有する樹脂、ポリフッ化ビニリデン、またはこれらの混合物や共重合物が含まれる。これらの中でも、難燃性、強度および耐久性をより高める観点から、基材層には、ベンゼン環を含む構造単位を有する樹脂を用いることが好ましく、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)からなる群から選択される樹脂を用いることがより好ましい。生産コストをより低くする観点から、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を用いて基材層を形成することがさらに好ましい。
なお、上記基材層は、結晶性樹脂から形成されていてもよい。ここで、結晶性樹脂とは、分子鎖が規則正しく配列した「結晶」が存在し、ガラス転移温度と融点を有する樹脂である。上記結晶性樹脂は、例えば、示差走査熱量計(DSC)およびX線回折装置によって基材層中において確認することが可能である。上記結晶性樹脂の例には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が含まれる。
上記ポリフェニレンサルファイド(PPS)におけるフェニレンは、p−フェニレンを含むことが好ましく、無置換のp−フェニレンであることがより好ましい。また、上記ポリフェニレンサルファイドにおける置換または無置換のp−フェニレンの含有量は、上記フェニレン全体の50%以上であることが好ましい。
また、基材層は、上記樹脂以外の成分を含んでいてもよい。たとえば、基材層は無機フィラーを含有していてもよい。無機フィラーは、例えば、基材層の硬さ、伝熱性および導電性の少なくともいずれかの向上に寄与する成分である。無機フィラーの例には、カーボンブラック、ケッチェンブラック、ナノカーボンおよび黒鉛が含まれる。無機フィラーは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
基材層は、従来公知の一般的な方法により製造できる。たとえば、基材層は材料となる耐熱性樹脂を押出機により溶融し、環状ダイを使用したインフレーション法により筒状に成形した後、輪切りにすることで環状(無端状のベルト)に製造できる。
また、基材層は表面処理されてもよい。基材層の表面処理方法は、特に限定されないが、UV照射、コロナ処理、オゾン処理、ブラスト処理、テクスチャー処理、カップリング剤塗布による表面処理をしてもよい。
また、基材層の厚さは、30〜140μmであることが好ましく、50〜130μmであることがより好ましい。基材層の厚さは、例えば、中間転写体を積層方向に切断したときの断面から得られる測定値またはその平均値として決定されうる。
(表面層)
表面層は、基材層の外周面上に配置される層である。表面層は、硬化性化合物、表面電荷の制御や表面硬さの調節のための無機フィラーおよび界面活性剤などを含む混合物(塗布液)の硬化物である。ここで、「硬化性化合物」とは、活性光線(主に紫外線)照射により重合および架橋する樹脂材料のことをいう。
表面層を構成する硬化物の例には、例えば、アクリル樹脂、ウレタンアクリル樹脂、エポキシ樹脂などが含まれる。
表面層の厚さは、特に限定されないが、0.5〜10μmが好ましく、1.0〜8.0μmがより好ましい。表面層の厚さが0.5μm以上の場合には、活性光線による硬化を行う際に、表面酸素による硬化阻害を抑制できるので、深さ方向の全域において表面層の良好な膜質を得られるだけでなく、膜厚不足から予想される強度不足も抑制することができる。また、厚さが10μm以下の場合には、硬化時に用いる活性光線が、表面層の表面近くの開始剤や無機フィラーで吸収されることや散乱することを抑制できるので、十分な量の活性光線を表面層−基材層界面近くの表面層の深部にまで到達させることができる。これにより、光硬化反応が十分に進行するので、表面層の耐久性を向上させることができる。
本発明の表面層は、その純水接触角が75°以上90°以下であり、75°以上85°以下であることが好ましい。純水接触角が上記範囲内にあることにより、中間転写体の端部を補強するための補強テープとの密着性を向上させることができる。
上記表面層は、硬化性化合物、重合開始剤などの添加剤、無機フィラー、界面活性剤、溶剤などを含む塗布液を基材層上に塗布して硬化させることにより形成される。
上記塗布液に含まれる無機フィラーの例には、二酸化ケイ素(シリカ)、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、銅、亜鉛、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、窒化チタン、窒化ケイ素、アルミドープ酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化スズ、リンドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウム、酸化アンチモン−酸化スズ複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化スズ複合酸化物(ITO)などが含まれる。
上記無機フィラーの中では、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン、酸化スズが好ましく、導電性を有する酸化スズがより好ましい。表面層の硬さ、導電性の観点から、本発明で使用する無機フィラーは、酸化スズであることが好ましい。
また、上記無機フィラー(金属酸化物微粒子)の表面は、式(1)で表される構造を有する反応性基で修飾されるように表面処理されていることが好ましい。式(1)で表される構造を有する反応性基で修飾されるように表面処理された無機フィラーは、硬化性化合物(特には(メタ)アクリレート系モノマー)との相溶性が良好であるため、無機フィラーの凝集による塗布スジの発生を抑制しやすい。
Figure 2020042209
(式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。nは、3〜6の整数を表す。)
上記無機フィラー(金属酸化物微粒子)の表面処理は、上記反応性基を有する樹脂などの被覆成分を金属酸化物の表面に物理的に担持する処理であってもよいし、上記反応性基を有する化合物を金属酸化物の表面と化学的に結合させる処理であってもよい。ここで、上記反応性基を有する化合物を金属酸化物の表面と化学的に結合させる処理方法の例には、シランカップリング剤によるカップリング処理が含まれる。上記シランカップリング剤は、(メタ)アクリロイルオキシ基などのラジカル重合性官能基を有することが、表面層における金属酸化物の分散性と表面層の機械的強度とを向上させる観点から好ましい。上記反応性基を有するシランカップリング剤の例には、以下の化合物S−1〜S−31が含まれる。なお、無機フィラーの表面処理の条件については、別途詳細に説明する。
S−1:CH=CHSi(CH)(OCH
S−2:CH=CHSi(OCH
S−3:CH=CHSiCl
S−4:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S−5:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−6:CH=CHCOO(CHSi(OC)(OCH
S−7:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−8:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−9:CH=CHCOO(CHSiCl
S−10:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−11:CH=CHCOO(CHSiCl
S−12:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−13:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−14:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−15:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−16:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−17:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−18:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−19:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−20:CH=CHSi(C)(OCH
S−21:CH=C(CH)Si(OCH
S−22:CH=C(CH)Si(OC
S−23:CH=CHSi(OCH
S−24:CH=C(CH)Si(CH)(OCH
S−25:CH=CHSi(CH)Cl
S−26:CH=CHCOOSi(OCH
S−27:CH=CHCOOSi(OC
S−28:CH=C(CH)COOSi(OCH
S−29:CH=C(CH)COOSi(OC
S−30:CH=C(CH)COO(CHSi(OC
S−31:CH=CHCOO(CHSi(CH(OCH
上記塗布液には、硬化性化合物および前記無機フィラーの合計100体積部に対して、10体積部以上30体積部以下となる量の表面処理された無機フィラーが含まれることが好ましい。無機フィラーを10体積部以上30体積部以下にすることにより、表面層の硬度を調整しやすくなる。
上記塗布液は、活性光線(主に紫外線)照射により重合および架橋する硬化性化合物を含む。活性光線照射により重合する硬化性化合物の例には、光硬化性モノマー、例えば、ラジカル重合性モノマーが含まれる。
上記ラジカル重合性モノマーの例には、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマーおよびN−ビニルピロリドン系モノマー等の各種モノマーが含まれる。
上記ラジカル重合性モノマーとしては、活性光線の照射エネルギーの省略化、または製造作業時間の短縮の観点から、(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性モノマーが好ましい。さらに、上記ラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリレート系モノマーであることが好ましく、上記基材層と密着性を有し、上記基材層を保護するのに十分な機械的強度と、上記基材層の変形に追従できる可撓性とを有する表面層を形成するには、多官能(メタ)アクリレート系モノマーであることがより好ましい。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の総称であり、これらの一方または両方を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレート一方または両方を意味する。
また、多官能アクリレート系モノマーは、(メタ)アクリロイル基を3個以上有するモノマーであることが好ましく、4個以上有するモノマーであることがより好ましい。また、上記多官能モノマーのアクリロイル基当量は、150g/eq以上250g/eq以下であることが好ましい。上記範囲のアクリロイル基当量を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を3個以上有するような分子量のモノマーを含む塗布液の硬化物である表面層は、上記基材層の変形に追従しやすくなるからである。
上記多官能(メタ)アクリレート系モノマーの例には、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPEA)、プロピレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPPA)、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPCA)、エチレンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレンオキシド変性グリセリントリアクリレート、プロピレンオキシド変性グリセリントリアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート(DCP−A)、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアオクリレートなどが含まれる。特に、3官能以上のペンタエリスリトールトリアクリレートなどは、活性光線を照射されたときに速やかに反応して硬化することから、硬化時間を大幅に短縮するために有効であり、耐溶剤性や耐擦傷性といった機械的な強度を高めることができるからである。
上記多官能モノマーは、脂環式モノマー、エチレンオキシド変性またはプロピレンオキシド変性のアクリレートなどであってもよい。脂環式モノマーや、エチレンオキシド変性モノマー、プロピレンオキシド変性モノマーなどは、硬化収縮性が少ないからである。
また、上記硬化性化合物は、式(2)で表される長鎖アルキル基を有する単官能モノマーを含むことが好ましい。式(2)で表される長鎖アルキル基を有する単官能モノマーは、無機フィラー(特には表面処理された無機フィラー)の周囲に、長鎖アルキル基が外に配向した状態で被覆した、ミセル構造を形成する。そのため、式(2)で表される長鎖アルキル基を有する単官能モノマーは、無機フィラーの凝集による塗布スジの発生を抑制することができる。
Figure 2020042209
(式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。mは、14〜20の整数を表す。)
上記炭素数が14〜20である長鎖アルキル基の例には、パルミチル基、セチル基、ステアリル基、イソミリスチル基、イソセチル基、テトラデカノイル基、ペンタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、ヘプタデカノイル基、ステアロイル基、イソテトラデカノイル基、イソペンタデカノイル基、イソヘキサデカノイル基、イソパルミチル基、イソヘプタデカノイル基などが含まれる。
上記塗布液は、硬化性化合物および前記無機フィラーの合計100体積部に対して、5体積部以上20体積部以下の上記長鎖アルキル基を有する単官能モノマーを含むことが好ましい。上記長鎖アルキル基を有する単官能モノマーを5体積部以上20体積部以下の範囲で含むことにより、無機フィラーが良好に分散され、塗布液中における無機フィラーの沈降が起きにくくなり、凝集を抑制することができる。
また、上記ラジカル重合性組成物の重合硬化物を作製する際には、重合開始剤を用いる。ここで、重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマーなどのアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;ベンゾフェノン、O−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリドなどのベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリドなどのチオキサントン類;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)などのオキシムエステル類;(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド類が含まれる。
上記重合開始剤のなかでは、オキシムエステル化合物が好ましい。これらの開始剤の例には、イルガキュアOXE01、イルガキュアOXE02(BASF社製、「イルガキュア」は同社の登録商標)、TR−PBG−304(常州強力電子新材料社製)、TR−PBG−305(常州強力電子新材料社製)などが含まれる。また、別のラジカル重合開始剤であるアシルフォスフィンオキサイド類(たとえば、イルガキュアTPO(BASF社製))を用いてもよいし、光アニオン重合、光カチオン重合に対応した開始剤を用いてもよい。本発明の一実施形態に係る中間転写体は、黒または黒に近い濃色であるので、硬化反応の品質を確保する観点より、量子収率や反応性の優れた、オキシムエステル系の開始剤(イルガキュアOXE01、OXE02など)がより好ましい。これらの重合開始剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
重合開始剤の配合量は、ラジカル重合性組成物の総量に対して、0.3〜25質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、2〜15質量%がさらに好ましい。ここで、重合開始剤の配合量が0.3重量%以上の場合には、十分な量の光ラジカルを生成するので、重合反応が円滑に進行し、所望する特性を有する表面層を得ることができる。また、配合量が25質量%以下の場合には、重合開始剤およびフィラーに由来する吸光度が大きくなりすぎないので、活性光線が、基材層界面の近くまで到達できる。これにより、基材層界面の近くの表面層深部の開始剤からも光ラジカルを十分に発生させることができる。また、基材層界面の近くの硬化反応率の低下や、表面層−基材層界面の接着強度低下による剥離、および表面層−基材層界面に残留する未反応モノマーのブリードアウト現象も抑制することができる。
ラジカル重合においては、各種の有機のアミン化合物を併用できる。ラジカル重合では、酸素阻害が課題になるが、これらの材料を混合することにより、酸素阻害を低減できるので、反応条件の緩和などが可能となる。
上記ラジカル重合以外にも、アニオン重合およびカチオン重合を用いることもできる。アニオン重合およびカチオン重合の場合には、対応するアニオン発生剤、カチオン発生剤を用いることができる。アニオン重合で用いることができる光アニオン発生剤の例には、カルバメート類、アシルオキシム類、アンモニウム塩などが含まれる。また、カチオン重合で用いることができる光カチオン発生剤の例には、有機スルホニウム塩系、ヨードニウム塩系、ホスホニウム塩系などが含まれる。
上記塗布液には、表面張力を調整してスジ状の画像欠陥の発生を抑制するための界面活性剤が含まれる。上記界面活性剤の例には、イオン性界面活性剤(アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤)、非イオン性界面活性剤(ノニオン界面活性剤)、フッ素系界面活性剤(イオン性、非イオン性型がある)、シリコーン系界面活性剤などが含まれる。
上記界面活性剤の中では、化学的に安定であり、分散作用に優れているという観点からは、非イオン性界面活性剤(ノニオン界面活性剤)が好ましく、スジ状の画像欠陥の発生をより抑制する観点からは、フッ素系界面活性剤が好ましい。本発明の表面層は、上記両方の特性を有する非イオン性のフッ素系界面活性剤を含むことが好ましい。
上記塗布液に含まれる界面活性剤は、反応性基を有するフッ素系界面活性剤である。反応性基を有するフッ素系界面活性剤は、表面層形成用の塗布液中に含まれる無機フィラーの分散状態を良好にできる。これにより、無機フィラーの凝集が抑制されることから、ソルベントショックによるレベリング不良を抑制できるので塗布スジの発生が抑制される。
また、反応性基を有するフッ素系界面活性剤は、反応性基を有さないフッ素系界面活性剤と比較して、硬化性化合物との相溶性が良好である。これにより、フッ素系界面活性剤が極端に表面配向することを抑制できるので、ブリードアウトを抑制して、端部テープの密着性の低下を抑制することができる。したがって、中間転写体の端部に貼付されている補強テープとの密着性も良好となることから、長期間の使用にも耐えうる中間転写体を提供することができる。なお、反応性基を有さないフッ素系界面活性剤は、極端に表面配向しやすいため、ブリードアウトが発生しやすく、かつ、添加量の調節によって表面層の表面エネルギーを調整することが困難である。
上記反応性基は、無機フィラーの分散状態を良好にして塗布スジの発生を抑制できる限りにおいて限定されないが、硬化性モノマーが有する反応性基と同一の官能基であることが好ましい。たとえば、硬化性モノマーが(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物であるときは、上記反応性基を有するフッ素系界面活性剤は、(メタ)アクリロイル基を有するフッ素系界面活性剤であることが好ましい。
ここで、上記塗布液は、硬化性化合物および無機フィラーの合計100体積部に対して、0.01体積部以上0.20体積部以下の反応性基を有するフッ素系界面活性剤を含むことが好ましく、0.01体積部以上0.10体積部以下の反応性基を有するフッ素系界面活性剤を含むことがより好ましい。反応性基を0.01体積部以上0.20体積部以下の範囲で含むことにより、表面層の純水接触角を上述した範囲に調整して、中間転写体と補強テープとの密着性をより高めることができる。
溶剤は、上記硬化性化合物を含む上記塗布液に含まれる材料に対する相溶性を有し、フィラーの分散性を阻害しない化合物から適宜選択することができる。上記溶剤の例には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、s−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロリド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジンおよびジエチルアミンが含まれる。上記溶剤は、1種類であってもよいし、2種類以上を併用してもよい。上記塗布液における上記溶剤の含有量は、例えば、上記塗布液の塗布性に基づいて決めることが可能であり、例えば、上記塗布液中の固形分の濃度が5〜90質量%となる量である。
上記混合物(塗布液)は、スパイラル塗布方法によって基材層の表面に塗布され、その後、硬化される。
上記混合物(塗布液)の硬化方法は、活性光線(主に紫外線)の照射であることが好ましい。上記活性光線としては、光硬化性モノマー、すなわち、硬化性化合物をラジカル重合させる電磁波であり、例えば、紫外線、電子線およびγ線が挙げられる。その中においては、紫外線または450nm以下の可視光であることが好ましく、取り扱いが簡単で高エネルギーを容易に得られるという観点から紫外線であることが好ましい。
上記活性光線の光源の種類には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン、UV―LEDを含むUV−LED照射装置が含まれる。この中で、UV―LEDを含むUV−LED照射装置が好ましい。表面層の硬化条件については、別途実施例にて説明する。
(弾性層)
本発明の一実施形態に係る中間転写体は、目的に応じて、基層と表面層の間に弾性層を有していてもよい。
弾性層の材料は、耐熱性ゴムが好ましい。耐熱性ゴムの例には、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、液状フッ素エラストマーが含まれる。耐熱性ゴムは、耐熱性の観点から、シロキサン結合を主鎖とする弾性ゴムが好ましく、シリコーンゴムが好ましい。耐熱性ゴムは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
弾性層の厚さは、例えば、記録媒体に対する追従性および伝熱性を十分に発現させる観点から、50〜500μmが好ましい。弾性層の厚さが50μm未満の場合、紙の凹凸に対する追従性が不十分となることがある。一方、弾性層の厚さが500μm超の場合、トナー画像の定着に必要な熱量を蓄積するための時間が必要となるため、伝熱性が悪くなることがある。
弾性層は、本実施の形態の効果が得られる範囲において、弾性樹脂材料以外の成分をさらに含んでいてもよい。たとえば、弾性材料は、弾性層の伝熱性を高めるための伝熱性のフィラーをさらに含んでいてもよい。伝熱性のフィラーの例には、シリカ、金属シリカ、アルミナ、亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、カーボンおよび黒鉛が含まれる。伝熱性のフィラーの形態は、特に限定はされないが、例えば、球状粉末、不定形粉末、扁平粉末または繊維が好ましい。
弾性材料における弾性樹脂材料の含有量は、伝熱性と弾性とを両立させる観点から、例えば、60〜100体積%が好ましく、75〜100体積%がより好ましく、80〜100体積%がさらに好ましい。
次に中間転写体の製造方法について説明する。
[中間転写体の製造方法]
本発明の中間転写ベルトの製造方法は、基材を回転させながら、当該基材の外周面に、20℃における粘度が0.5〜10mPa・sの範囲内の塗布液を、複数のノズルを用いて塗布して表面層を形成する工程(以下、「表面層形成工程」ともいう。)を有する。
(表面層形成工程)
表面層形成工程は、本発明に係る基材および表面層用塗布液を準備する工程(準備工程)と、表面層形成用の塗布液を塗布する工程(塗布工程)とを有し、さらに、表面層形成用の塗布液による塗膜に活性光線を照射する工程(活性光線照射工程)または塗膜を熱硬化させる工程(熱硬化工程)を有することが好ましい。
(準備工程)
基材及び表面層形成用の塗布液は、上述したものを用いることができる。表面層形成用の塗布液は、粘度が20℃において、0.5〜10mPa・sの範囲内であることが好ましい。また、上記粘度は20℃において、0.5〜5.0mPa・sの範囲内であることがより好ましい。粘度を上記範囲とすることで、均一な膜を形成できるからである。上記粘度に調整するための手段としては、上述した樹脂、金属酸化物粒子および溶媒等を適宜選択することにより行うことができる。
(塗布工程)
塗布工程は、基材層を回転させながら、表面層形成用の塗布液を、基材層の外周面にノズルを用いて塗布して表面層を形成する工程を有する。塗布工程で用いられるノズルの本数は、複数あれば特に限定されない。塗布工程で用いられるノズルの本数は、2〜5本の範囲内であることが好ましい。均一な膜を形成できるからである。これらのノズルは、基材の進行方向の一方の端部側の上方で、かつ、基材の幅方向(後述するローラーや、回転体の回転軸方向)に沿ってそれぞれ配置されている。そして、基材の幅方向に沿って平行に往復移動する。上記ノズルの走行速度は、8.0〜10.0mm/secの範囲内であることが好ましい。継ぎ目が無い均一な膜を形成することができるからである。
基材を回転させる手段としては、後述する複数のローラーや、円筒状の回転体等が挙げられる。複数のローラーや、円筒状の回転体には、回転駆動装置が連結されている。複数のローラーを用いる場合には、無端ベルトである基材の両端に配置され、基材にテンションをかけて把持するとともに、ローラーの回転に従って、基材を回転させることができる。また、円筒状の回転体を用いる場合には、回転体の外周面に無端ベルトである基材を配置して、回転体の回転動作に従って基材を回転させることができる。
表面層の厚さは、機械的強度及び転写性の向上の観点から、2.0〜8.0μmの範囲内となるように形成することが好ましい。
(活性光線照射工程)
前記表面層用塗布液に、光硬化性樹脂が含有されている場合には、基材上の塗膜に活性光線を照射する。光重合性モノマーを光重合させて、表面層を形成するために、上記塗膜へ活性光線を照射する。このとき、基材を回転させながら、上記塗膜に活性光線を照射することにより、基材の温度上昇を抑制し、基材の結晶性の変化を抑制しつつ、光重合性モノマーを光重合させることができる。活性光線の照射エネルギーや照射回数、照射時間などは、光源の出力や光重合性モノマーの種類などに応じて適宜設定されうる。
上記活性光線の照射光量は、上記塗膜の硬化ムラ、硬度、硬化時間および硬化速度などの観点から、500mJ/cm以上であることが好ましく、1000〜5000mJ/cmの範囲内であることがより好ましく、1000〜2000mJ/cmの範囲内であることがさらに好ましい。照射光量は、例えば、UIT250(ウシオ電機株式会社製)で測定することができる。基材に供給される熱を低減させる観点から、上記塗膜には、UV−LED光源装置からの紫外線を照射することが好ましい。
活性光線の照射時間は、0.5秒間から5分間であることが好ましく、上記塗膜の硬化効率や作業効率などの観点から、3秒間から2分間であることがより好ましい。
上記塗膜に活性光線を照射するときの雰囲気中の酸素濃度は、上記塗膜の硬化ムラや硬化時間(硬化効率)などの観点から、5%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。上記酸素濃度は、例えば、パージ装置による雰囲気への窒素ガスの導入によって調整することができる。上記酸素濃度は、例えば、雰囲気ガス管理用酸素濃度計「OX100」(横河電機株式会社製)によって測定することができる。
(熱硬化工程)
表面層形成用の用塗布液に、熱硬化性樹脂が含有されている場合には、基材上の塗膜を乾燥装置によって熱硬化させる。
[中間転写体の製造装置]
(製造装置の構成)
図1および2は、実施の形態に係る中間転写体の製造装置の一部を示した概略図である。実施の形態に係る中間転写体の製造装置(以下、単に「製造装置」ともいう。)は、少なくとも基材と表面層とを有する中間転写体を製造する装置である。また、図1および2に示すように、製造装置は、複数のローラー1、2、回転駆動装置3および複数のノズル4、5を有し、活性光線照射装置6または乾燥装置(図示しない)を有する。また、必要に応じて、パージ装置(図示しない)を有する。図3Aは、図1および図2の製造装置が有するノズルの概略側面図である。図3Bは、図1および図2の製造装置が有するノズルの下面図である。
図1に示されるように、複数のローラー1、2は、無端ベルトである基材8の両端にそれぞれ配置され、基材8を把持するとともに回転可能に支持している。複数のローラー1、2のうち少なくとも一つは、回転駆動装置3に連結されている。また、実施の形態では、ローラー1、2の数は二つであり、一方のローラー1が回転駆動装置3に連結されて回転し、駆動ローラー1とされ、駆動ローラー1の回転動作に従って基材8が回転移動する。他方のローラー2は、基材8の回転移動に従って回転動作する従動ローラー2とされる。
ローラー1、2の外径は、60〜120mmの範囲内であることが好ましい。このような範囲内であれば、中間転写体の製造時に、基材8の、ローラー上の部分の屈曲率が高くなることがなく、クリープも発生しにくいからである。各ローラーの外径は、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。実施の形態では、二つのローラー1、2の外径は、それぞれ同じである。また、ローラー1、2の回転速度は、750〜1500mm/secの範囲内であることが好ましい。
また、基材8の長さ(進行方向Xにおける長さ)は、250〜500mmの範囲内、基材8の幅(幅方向Yにおける長さ)は、300〜500mmの範囲内であることが、ベルト回転時の振れ精度および蛇行の点で好ましい。
回転駆動装置3は、ローラー1、2の少なくとも一つに動力を伝達して、ローラー1、2の少なくとも一つを回転駆動させる。これにより、実施の形態に係る製造装置は、ローラー1、2に軸支される基材8を無端軌道上で移動させることができる。回転駆動装置3は、モーター6、ギアおよび動力伝達ベルト7などの部品から構成されている。実施の形態では、モーター6やギアなどの部品が動力伝達ベルト7を介して一つの駆動ローラー1に連結されている。回転駆動装置3に連結していない従動ローラー2は、回転駆動装置3に連結している駆動ローラー1の回転に従動して回転する。
図2に示す活性光線照射装置9は、表面層用塗布液に光硬化性樹脂が含有されている場合に、塗膜に含まれる光硬化性樹脂を光重合させるための活性光線を出射する。活性光線照射装置9は、ローラー1、2に軸支されている基材8上の塗膜に活性光線を照射する位置(基材8の上方)に配置されている。
活性光線照射装置9は、基材8の幅方向全域にわたって活性光線を照射する。活性光線は、上記塗膜を光硬化させる電磁波であり、例えば、紫外線、電子線又はγ線である。上記活性光線は、紫外線または電子線であることが好ましく、取扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという観点から紫外線であることがより好ましい。
活性光線の光源の種類の例には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン、UV−LEDが含まれる。基材8へ供給される熱を抑制して、中間転写体における屈曲性の低下及びクリープの発生を抑制する観点から、活性光線照射装置9は、光源としてUV−LEDを含むUV−LED照射装置であることが好ましい。
表面層用塗布液に熱硬化性樹脂が含有されている場合に、塗膜に含まれる熱硬化性樹脂を硬化させるために、乾燥装置で塗膜を加熱する。この場合、乾燥装置における加熱温度は、基材8がポリイミド樹脂およびポリアミド樹脂では、200〜450℃の範囲内であることが好ましく、ポリフェニレンサルファイド樹脂では、30〜60℃の範囲内であることが好ましい。
パージ装置は、基材8上の雰囲気に窒素ガスや希ガスなどの不活性ガスを供給して、酸素濃度を調整する。パージ装置は窒素ガスを供給し、活性光線照射装置9に隣接するように配置されていることが好ましい。
図3Aおよび3Bに示すように、ノズル4、5の内径mは、0.2〜0.4mmの範囲内であることが好ましく、ノズル4、5の外径Mは、1.0〜1.2mmの範囲内であることが、液落ちと液の吸い上がりの点で好ましい。ここで、ノズル4、5の内径mは、ノズル4、5から吐出された塗布液の濡れ広がり幅になり、この濡れ広がり幅に応じてノズルの中心間距離Wが決定される。ノズルの中心間距離Wは、近すぎると、一方のノズル4から吐出された塗布液と、ノズル4に隣接する他方のノズル5から吐出された塗布液とが、重なり合ってしまう。また、ノズルの中心間距離Wが離れすぎると、塗布液同士がつながらなくなるため、継ぎ目が形成されてしまう。そのため、ノズル4、5の内径mおよびノズルの中心間距離Wとの比の値(m/W)の関係を以下の範囲とすることが好ましい。
本発明では、ノズル内径mと、互いに隣接するノズルの中心間距離Wとの比の値(m/W)を、0.05〜0.10の範囲内とすることが好ましい。このように、ノズル内径mと、ノズル中心間距離Wとの比の値(m/W)を上記範囲とすることで、ノズル4、5から吐出された塗布液が基材に着弾し、回転しながら濡れ広がり、次にノズルから吐出されて基材に着弾した塗布液とつながるまでの時間を、基材の回転速度を変えずに短くすることができるので、継ぎ目のない、均一な薄膜形成が可能となる。
また、ノズル一本当たりの流量は、3〜10mL/minの範囲内であることが好ましく、3.0〜5.0mL/minの範囲内であることがより好ましい。
複数のノズル4、5は、表面層形成用の塗布液を基材8の外周面に塗布する。実施の形態では、装置は2本のノズル4、5を有する。2本のノズル4、5は、基材8の進行方向Xの一方の端部側の上方で、かつ、基材8の幅方向Y(ローラー1、2の回転軸方向)に沿ってそれぞれ配置されている。具体的には、2本のノズル4、5は、図示しないレール等により支持されており、図示しない駆動部により駆動されて、基材8の幅方向Yに沿って平行に往復移動する。すなわち、基材8の回転による進行方向Xに対して直交する方向Yに、ノズル4、5が走行するようになっている。なお、ノズル4、5の走行速度、ノズル1本当たりの流量、ノズル4、5の内径mおよび外径M、ノズル内径m/ノズル中心間距離Wは、上述したのでここではその説明を省略する。
(装置の動作手順)
まず、無端ベルトである基材8をローラー1、2に設置する。具体的には、二つのローラー1、2間に基材8を架け渡し、これらローラー1、2によって基材8を支持する。次いで、回転駆動装置3を駆動させることにより、駆動ローラー1が回転し、駆動ローラー1と従動ローラー2との間に架け渡された基材8は、駆動ローラー1および従動ローラー2との間を周回移動する。このように基材8を、駆動ローラー1を回転駆動させて、基材8を無端軌道上で移動させる。
次いで、回転移動する基材8に対して、ノズル4、5を用いて表面層用塗布液を塗布する。具体的には、回転移動する基材8に対して、2本のノズル4、5を基材8上の幅方向Yにおける一方の側端部側から他方の側端部側に向けて移動させながら、各ノズル4、5から表面層用塗布液を吐出させる。このように回転移動する基材8の外周面に、ノズル4、5が走行しながら塗布液が吐出されることにより、1本のノズルから吐出される塗布液により1本のスパイラル状の塗膜が形成される。実施の形態では、2本のノズル4、5によって塗布液を吐出するので、2本の塗布液による2本のスパイラル状の塗膜が形成され、これら2本の塗膜は乾燥する前に濡れ広がって、互いにつながるため、結果として継ぎ目の無い塗膜を得ることができる。
上記のように、ノズル4、5により基材8の外周面全面に塗膜を形成した後、当該塗膜が光硬化性樹脂を含有する場合には、活性光線を照射する。塗膜が、熱硬化性樹脂を含有する場合には、乾燥装置に基材8を搬入し、熱硬化させる。
活性光線の照射について、具体的には、基材8を回転移動させながら、塗膜に活性光線を照射することにより、基材8の温度上昇を抑制し、基材の結晶性の変化を抑制しつつ、光重合性モノマーを光重合させることができる。活性光線の照射エネルギーや照射回数、照射時間などは、光源の出力や光重合性モノマーの種類などに応じて適宜設定されうる。
上記活性光線の照射光量は、上記塗膜の硬化ムラ、硬度、硬化時間、硬化速度などの観点から、500mJ/cm以上であることが好ましく、1000〜5000mJ/cmの範囲内であることがより好ましく、1000〜2000mJ/cmの範囲内であることがさらに好ましい。照射光量は、例えば、UIT250(ウシオ電機株式会社製)で測定することが可能である。上述のとおり、基材に供給される熱を低減させる観点から、上記塗膜には、UV−LED光源装置からの紫外線を照射することが好ましい。
活性光線の照射時間は、0.5秒間から5分間であることが好ましく、上記塗膜の硬化効率や作業効率などの観点から、3秒間から2分間であることがより好ましい。
上記塗膜に活性光線を照射するときの雰囲気中の酸素濃度は、上記塗膜の硬化ムラや硬化時間(硬化効率)などの観点から、5%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。当該酸素濃度は、例えば、パージ装置による雰囲気への窒素ガスの導入によって調整することができる。上記酸素濃度は、例えば、雰囲気ガス管理用酸素濃度計「OX100」(横河電機株式会社製)によって測定することができる。
熱硬化については、具体的には、基材8を乾燥装置に搬入して、塗膜を加熱することにより基材に含有される熱硬化性樹脂を硬化させる。
[画像形成装置]
本発明の一実施形態に係る画像形成装置は、感光体に形成されたトナー画像を記録媒体に転写するための中間転写体を有する。ここで、記録媒体の例には、薄紙および厚紙を含む普通紙と、アート紙およびコート紙を含む印刷用紙と、和紙と、はがき用紙と、OHP用のプラスチックフィルムと、布と、を含む。
図4は、上記画像形成装置の構成の一例を模式的に示す図である。図4に示す画像形成装置100は、画像読取部110、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50および定着装置60を有する。
画像形成部40は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナーによる画像を形成する画像形成ユニット41Y、41M、41Cおよび41Kを有する。これらは、収容されるトナー以外はいずれも同じ構成を有するので、以後、色を表す記号を省略することがある。画像形成部40は、さらに、中間転写ユニット42および二次転写ユニット43を有する。これらは、転写装置に相当する。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、像担持体413、帯電装置414、およびドラムクリーニング装置415を有する。帯電装置414は、例えば、コロナ帯電器である。帯電装置414は、帯電ローラーや帯電ブラシ、帯電ブレードなどの接触帯電部材を像担持体413に接触させて帯電させる接触帯電装置であってもよい。露光装置411は、例えば、光源としての半導体レーザーと、形成すべき画像に応じたレーザーを像担持体413に向けて照射する光偏向装置(ポリゴンモータ)とを含む。現像装置412は、二成分現像方式の現像装置であり、二成分現像剤を収容している。
中間転写ユニット42は、中間転写体421、中間転写体421を像担持体413に圧接させる一次転写ローラー422、バックアップローラー423Aを含む複数の支持ローラー423、およびベルトクリーニング装置426を有する。
中間転写体421は、基材層および前述の構成を有する表面層によって構成されている。ベルトクリーニング装置426は、中間転写体421に当接する、弾性を有するクリーニングブレード426aを有する。中間転写体421は、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つの駆動ローラーが回転することにより、中間転写体421は矢印A方向に一定速度で走行する。
二次転写ユニット43は、無端状の二次転写ベルト432、および二次転写ローラー431Aを含む複数の支持ローラー431を有する。二次転写ベルト432は、二次転写ローラー431Aおよび支持ローラー431によってループ状に張架される。
定着装置60は、例えば、定着ローラー62と、定着ローラー62の外周面を覆い、用紙S上のトナー画像を構成するトナーを加熱、融解するための無端状の発熱ベルト10と、用紙Sを定着ローラー62および発熱ベルト10に向けて押圧する加圧ローラー63と、を有する。用紙Sは、記録媒体に相当する。
画像読取部110は、給紙装置111およびスキャナー112を有する。用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、および搬送経路部53を有する。給紙部51を構成する三つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズなどに基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aなどの複数の搬送ローラー対を有する。
画像形成装置100による画像の形成を説明する。
スキャナー112は、コンタクトガラス上の原稿Dを光学的に走査して読み取る。原稿Dからの反射光がCCDセンサ112aにより読み取られ、入力画像データとなる。入力画像データは、画像処理部30において所定の画像処理が施され、露光装置411に送られる。
像担持体413は一定の周速度で回転する。帯電装置414は、像担持体413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411では、ポリゴンモータのポリゴンミラーが高速で回転し、各色成分の入力画像データに対応するレーザーが、像担持体413の軸方向に沿って展開し、当該軸方向に沿って像担持体413の外周面に照射される。こうして像担持体413の表面には、静電潜像が形成される。
現像装置412では、上記現像容器内の二成分現像剤の撹拌、搬送によってトナー粒子が帯電し、二成分現像剤は現像ローラーに搬送され、当該現像ローラーの表面で磁性ブラシを形成する。帯電したトナー粒子は、上記磁性ブラシから像担持体413における静電潜像の部分に静電的に付着する。こうして、像担持体413の表面の静電潜像が可視化され、像担持体413の表面に、静電潜像に応じたトナー画像が形成される。なお、「トナー画像」とは、トナーが画像状に集合した状態を言う。
像担持体413の表面のトナー画像は、像担持体413が回転すると、像担持体413と中間転写体421が当接する一次転写領域に移動する。中間転写体421には図示しない電源により負極性の電圧が印加され、所定の表面電位に帯電する。また、この印加電圧によって発生した電界でトナーが移動することで、像担持体413の表面のトナー像が中間転写体421の表面に一次転写される。一次転写後、像担持体413に残存する液体現像剤はベルトクリーニング装置426により除去され、帯電装置414によって像担持体413の表面は再び所定の表面電位に一様に帯電する。
一次転写ローラー422によって中間転写体421が像担持体413に圧接することにより、像担持体413と中間転写体421とによって、一次転写ニップが像担持体ごとに形成される。当該一次転写ニップにおいて、各色のトナー画像が中間転写体421に順次重なって転写される。
一方、二次転写ローラー431Aは、中間転写体421および二次転写ベルト432を介して、バックアップローラー423Aに圧接される。それにより、中間転写体421と二次転写ベルト432とによって、二次転写ニップが形成される。当該二次転写ニップを用紙Sが通過する。用紙Sは、用紙搬送部50によって二次転写ニップへ搬送される。用紙Sの傾きの補正および搬送のタイミングの調整は、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により行われる。
上記二次転写ニップに用紙Sが搬送されると、二次転写ローラー431Aへ転写バイアスが印加される。この転写バイアスの印加によって、中間転写体421に担持されているトナー画像が用紙Sに転写される。トナー画像が転写された用紙Sは、二次転写ベルト432によって、定着装置60に向けて搬送される。
中間転写体421の表面に形成されたフルカラーのトナー像は、中間転写体421が矢印方向に回転することで、中間転写体421と用紙Sが当接する二次転写領域に移動する。二次転写領域では、用紙Sの裏面にある二次転写ローラー431Aによって中間転写体421と用紙Sとの間に線圧が加えられながら、二次転写ローラー431Aには図示しない電源によって負極性の電圧が印加される。また、このとき中間転写体421の表面も所定の表面電位に帯電させられる。この電圧印加により、用紙Sの中間転写体421と向き合う表面も負極性の電位となり、用紙Sの表面電位と中間転写体421の表面電位との間の電位差により、トナー像は用紙Sの表面に引き付けられ、この状態で用紙Sが矢印方向に搬送されて二次転写領域を出ると用紙S上へのトナー像の二次転写が完了する。トナー像が転写された用紙Sは定着ローラー62により定着処理がなされ、画像出力が完成する。トナー像が定着された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
なお、二次転写後に中間転写体421の表面に残存する転写残トナーは、クリーニングブレード426aによって除去される。中間転写体421の表面層は、クリーニングブレード426aとの摩擦によって摩耗する。しかしながら、前述したように、中間転写体421は、その面方向において均一に硬化してなる表面層を有することから、クリーニングブレード426aとの摩擦によって均一に摩耗し、偏摩耗が防止される。よって、中間転写体421による所期の転写性能が長期に亘って発現され、偏摩耗による転写不良およびそれに伴う画像不良の発生が長期にわたって抑制される。
本発明を、以下の試験を用いてさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の試験に限定されない。
[基材層の作製]
下記の成分を下記の量で単軸押出機に投入し、溶融混練させて樹脂混合物を作製した。
樹脂 100 体積部
導電性フィラー 16 体積部
分散剤 1 体積部
滑剤 0.2 体積部
樹脂は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)であり、トレリナ E2180(東レ株式会社製)である。導電性フィラーは、カーボンブラックであり、ファーネス#3030B(三菱ケミカル株式会社製)であり、基材層に電気抵抗値を付与するものである。分散剤は、モディパーA4400(日油株式会社製)であり、エンジニアリングプラスチックスの耐衝撃性を付与し、顔料の分散剤として機能するものである。滑剤は、モンタン酸カルシウムであり、セリダスト5551(クラリアント社製)である。溶融混練には、単軸混練押出機「IPM−65」(株式会社シーティーイー製)を用いた。
上記樹脂混合物を130℃で8時間乾燥し、直径150mm、リップ幅1mmの6条スパイラル型環状ダイス付き40mm径の押出機により溶融した。次いで、単軸押出機の先端にスリット状でシームレスベルト形状の吐出口を有する環状ダイスを取り付け、混練された上記樹脂混合物を、シームレスベルト形状に押し出した。押し出されたシームレスベルト形状の樹脂混合物を吐出先に設けた円筒状の冷却筒に外挿させて冷却して固化することにより、厚さが120μmであり、周長が750mmであり、幅が359mmである基材層を作製した。
[表面層の作製]
(金属酸化物微粒子1)
金属酸化物微粒子1は、酸化スズ微粒子であり、Nanotek SnO(数平均1次粒子径:34nm、CIKナノテック株式会社製)100体積部に対し、表面処理剤である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503;信越化学工業株式会社)1体積部と、溶剤(トルエン:イソプロピルアルコール=1:1(体積比)の混合溶剤)200体積部とを混合した。次いで、当該混合物を湿式メディア分散型装置で1時間分散し、その後溶剤を除去した。最後に、当該混合物を150℃で30分間乾燥させることにより、表面処理された金属酸化物微粒子1を得た。
(金属酸化物微粒子2)
KBM−503をKBM−1003(ビニルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製)に変更した以外は、金属酸化物微粒子1と同様にして、表面処理された金属酸化物微粒子2を得た。
(金属酸化物微粒子3)
KBM−503をKBM−5803(メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製)に変更した以外は、金属酸化物微粒子1と同様にして、表面処理された金属酸化物微粒子3を得た。
(金属酸化物微粒子4)
KBM−503をメチルハイドロジェンポリシロキサン(MHPS)(製品名:KF−9901、信越化学工業株式会社製)に変更した以外は、金属酸化物微粒子1と同様にして、表面処理された金属酸化物微粒子4を得た。
(金属酸化物微粒子5)
表面処理を施していない窒化ケイ素を金属酸化物微粒子5とした。
金属酸化物微粒子1〜5の構成を表1に示す。
Figure 2020042209
(塗布液1の作製)
多官能モノマーA(EO変性(12)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:アクリロイル基当量(184.5g/eq))(KAYARAD DPEA−12:日本化薬株式会社製、「KAYARAD」は同社の登録商標)85体積部と、表面処理された金属酸化物微粒子1(15体積部)と、反応性フッ素系界面活性剤(メガファックRS−75:DIC株式会社製、「メガファック」は同社の登録商標)0.05体積部を、固形分濃度が10体積%となるようにMIBK(メチルイソブチルケトン)中に溶解し、分散させて希釈液を調製した。次いで、当該希釈液100質量部に対して、光重合開始剤(イルガキュアOXE02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム));BASF社製)1質量部と、添加剤(KAYACURE EPA(4−(ジメチルアミノ)安息香酸,エチルエステル):日本化薬社製、「KAYACURE」は同社の登録商標)0.3質量部を混合した。次いで、超音波式のホモジナイザー「US−150AT」(株式会社日本精機製作所製)により金属酸化物微粒子1などを分散させることにより表面層形成用の塗布液1を調製した。
(塗布液2の作製)
多官能モノマーA(EO変性(12)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:アクリロイル基当量(184.5g/eq))(KAYARAD DPEA−12:日本化薬株式会社製)70体積部と、アルキル基炭素数が18である単官能モノマー(ステアリルアクリレート(SA)、日油株式会社製)10体積部と、表面処理された金属酸化物微粒子1(20体積部)と、メガファックRS−75(0.05体積部)を、固形分濃度が10体積%となるようにMIBK中に溶解し、分散させて希釈液を調製した。次いで、当該希釈液100質量部に対して、イルガキュアOXE02(1質量部)と、KAYACURE EPA(0.3質量部)を混合した。次いで、超音波式のホモジナイザーにより金属酸化物微粒子1などを分散させることにより表面層形成用の塗布液2を調製した。
(塗布液3の作製)
多官能モノマーAの配合量を70体積部から60体積部に、単官能モノマーの配合量を10体積部から20体積部に変更した以外は、塗布液2と同様の方法で、表面層形成用の塗布液3を調製した。
(塗布液4の作製)
反応性フッ素系界面活性剤をメガファックRS−75からメガファックRS−76−Eに変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液4を調製した。
(塗布液5の作製)
反応性フッ素系界面活性剤をメガファックRS−75からメガファックRS−78に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液5を調製した。
(塗布液6の作製)
反応性フッ素系界面活性剤をメガファックRS−75からメガファックRS−78に変更し、その添加量を0.05体積部から0.20体積部に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液6を調製した。
(塗布液7の作製)
反応性フッ素系界面活性剤をメガファックRS−75からメガファックRS−90に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液7を調製した。
(塗布液8の作製)
反応性フッ素系界面活性剤をメガファックRS−75からフルオロリンクAD1700(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製、「フルオロリンク」は同社の登録商標)に変更し、その添加量を0.05体積部から0.10体積部に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液8を調製した。
(塗布液9の作製)
金属酸化物微粒子1を金属酸化物微粒子2に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液9を調製した。
(塗布液10の作製)
金属酸化物微粒子1を金属酸化物微粒子3に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液10を調製した。
(塗布液11の作製)
金属酸化物微粒子1を金属酸化物微粒子4に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液11を調製した。
(塗布液12の作製)
アルキル基炭素数の数が18である単官能モノマーを、アルキル基炭素数の数が12である単官能モノマーに変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液12を調製した。
(塗布液13の作製)
多官能モノマーAの配合量を70体積部から76体積部に、単官能モノマーの配合量を10体積部から4体積部に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液13を調製した。
(塗布液14の作製)
金属酸化物微粒子1を金属酸化物微粒子5に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液14を調製した。
(塗布液15の作製)
多官能モノマーAを多官能モノマーB(A−DPH−6PA(PO変性(6)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート):アクリロイル基当量(154.5g/eq):新中村化学工業株式会社製)に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液15を調製した。
(塗布液16の作製)
多官能モノマーAを多官能モノマーC(PO変性(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート:アクリロイル基当量(146.2g/eq))(ATM−4P:新中村化学工業株式会社製)に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液16を調製した。
(塗布液17の作製)
多官能モノマーAを多官能モノマーD(PO変性(3)トリメチロールプロパントリアクリレート:アクリロイル基当量(156.9g/eq))(A−TMPT−30:新中村化学工業株式会社製)に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液17を調製した。
(塗布液18の作製)
多官能モノマーAを多官能モノマーE(DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート):アクリロイル基当量(94.5g/eq):日本化薬株式会社製)に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液18を調製した。
(塗布液19の作製)
多官能モノマーAを多官能モノマーF(PETA(ペンタエリスリトールテトラアクリレート):アクリロイル基当量(86.1g/eq):東亜合成株式会社製)に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液19を調製した。
(塗布液20の作製)
多官能モノマーAを多官能モノマーG(SR9003(PO変性(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート):アクリロイル基当量(164.2g/eq):サートマー社製)に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液20を調製した。
(塗布液21の作製)
反応性フッ素系界面活性剤をメガファックRS−75から反応性基を有さないメガファックF−562に変更し、その添加量を0.05体積部から0.10体積部に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液21を調製した。
(塗布液22の作製)
反応性フッ素系界面活性剤をメガファックRS−75からメガファックF−562に変更し、その添加量を0.05体積部から0.01体積部に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液22を調製した。
(塗布液23の作製)
多官能モノマーAを多官能モノマーBに、反応性フッ素系界面活性剤の種類をメガファックRS−75からフッ素を含有しないシリコーンオイル(製品名:KF−96−10cs、信越化学工業株式会社製)に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液23を調製した。
(塗布液24の作製)
多官能モノマーAを多官能モノマーBに、メガファックRS−75の添加量を0.05体積部から0.005体積部に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液24を調製した。
(塗布液25の作製)
多官能モノマーAを多官能モノマーBに、メガファックRS−75からメガファックRS−90に変更し、その添加量を0.05体積部から5.00体積部に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液25を調製した。
(塗布液26の作製)
多官能モノマーAを多官能モノマーBに、メガファックRS−75からDISPERBYK−118(BYK社製、「DISPERBYK」は同社の登録商標)に変更し、その添加量を0.05体積部から0.20体積部に変更した以外は、塗布液2と同様にして、表面層形成用の塗布液26を調製した。
上記塗布液1〜26の配合を表2および表3に示す。
Figure 2020042209
Figure 2020042209
[中間転写体の作製]
(中間転写体1)
基材層を2軸ローラーにて把持し、回転させながら基材層の外周面上に、表面層形成用の塗布液1を2本のノズルを用いて、下記の塗布条件で、乾燥膜厚が4μmとなるように塗布して塗膜を形成した。次いで、塗膜を自然乾燥させた後、60℃の加熱乾燥炉で10分間乾燥させた。最後に、形成した塗膜に活性光線(活性エネルギー線)として紫外線を、下記の照射条件で照射することにより、塗膜を硬化して基材層の外周面上に表面層を形成し、中間転写体1を得た。なお、紫外線の照射は、光源を固定し、基材層の外周面上に塗膜が形成された前駆体を周速度10mm/secで回転させながら行なった。また、得られた中間転写体1について、下記の条件で中間転写体1の外周面(表面層)の接触角測定を行ったところ、純水接触角は79°であった。
(塗布条件)
ノズル走行速度:5.0mm/sec
表面層塗布時の基材層の回転速度:1000mm/sec
ノズル内径(m):0.2mm
ノズル外径(m):1mm
ノズル本数:2本
ノズル内径(m)/ノズル中心間距離(L):0.07
ノズル流量:5.0ml/min(1本あたりの流量)
塗布粘度(20℃):1mPa・s
(紫外線の照射条件)
波長 :365nm
光源の種類 :LED「SPVシリーズ(365nmタイプ)」
(レボックス社製)
照射口から塗膜の表面までの距離:40mm
雰囲気 :窒素(酸素濃度 500ppm以下)
照射照度 :100mW/cm
照射時間(基材の回転時間) :150秒間
(接触角の測定条件)
接触角は、ポータブル接触角計「PCA−11」(協和界面科学株式会社製)を用いてJIS R 3257(1999)に準拠して測定した。
(中間転写体2)
塗布液1を塗布液2に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体2を得た。得られた中間転写体2の表面層の純水接触角は82°であった。
(中間転写体3)
塗布液1を塗布液3に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体3を得た。得られた中間転写体3の表面層の純水接触角は84°であった。
(中間転写体4)
塗布液1を塗布液4に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体4を得た。得られた中間転写体4の表面層の純水接触角は83°であった。
(中間転写体5)
塗布液1を塗布液5に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体5を得た。得られた中間転写体5の表面層の純水接触角は78°であった。
(中間転写体6)
塗布液1を塗布液6に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体6を得た。得られた中間転写体6の表面層の純水接触角は88°であった。
(中間転写体7)
塗布液1を塗布液7に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体7を得た。得られた中間転写体7の表面層の純水接触角は86°であった。
(中間転写体8)
塗布液1を塗布液8に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体8を得た。得られた中間転写体8の表面層の純水接触角は82°であった。
(中間転写体9)
塗布液1を塗布液9に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体9を得た。得られた中間転写体9の表面層の純水接触角は80°であった。
(中間転写体10)
塗布液1を塗布液10に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体10を得た。得られた中間転写体10の表面層の純水接触角は80°であった。
(中間転写体11)
塗布液1を塗布液11に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体11を得た。得られた中間転写体11の表面層の純水接触角は85°であった。
(中間転写体12)
塗布液1を塗布液12に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体12を得た。得られた中間転写体12の表面層の純水接触角は80°であった。
(中間転写体13)
塗布液1を塗布液13に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体13を得た。得られた中間転写体13の表面層の純水接触角は78°であった。
(中間転写体14)
塗布液1を塗布液14に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体14を得た。得られた中間転写体14の表面層の純水接触角は80°であった。
(中間転写体15)
塗布液1を塗布液15に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体15を得た。得られた中間転写体15の表面層の純水接触角は85°であった。
(中間転写体16)
塗布液1を塗布液16に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体16を得た。得られた中間転写体16の表面層の純水接触角は84°であった。
(中間転写体17)
塗布液1を塗布液17に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体17を得た。得られた中間転写体17の表面層の純水接触角は86°であった。
(中間転写体18)
塗布液1を塗布液18に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体18を得た。得られた中間転写体18の表面層の純水接触角は77°であった。
(中間転写体19)
塗布液1を塗布液19に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体19を得た。得られた中間転写体19の表面層の純水接触角は77°であった。
(中間転写体20)
塗布液1を塗布液20に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体20を得た。得られた中間転写体20の表面層の純水接触角は84°であった。
(中間転写体21)
塗布液1を塗布液21に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体21を得た。得られた中間転写体21の表面層の純水接触角は115°であった。
(中間転写体22)
塗布液1を塗布液22に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体22を得た。得られた中間転写体22の表面層の純水接触角は71°であった。
(中間転写体23)
塗布液1を塗布液23に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体23を得た。得られた中間転写体23の表面層の純水接触角は68°であった。
(中間転写体24)
塗布液1を塗布液24に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体24を得た。得られた中間転写体24の表面層の純水接触角は65°であった。
(中間転写体25)
塗布液1を塗布液25に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体25を得た。得られた中間転写体25の表面層の純水接触角は108°であった。
(中間転写体26)
塗布液1を塗布液26に変更した以外は、中間転写体1と同様にして、中間転写体26を得た。得られた中間転写体26の表面層の純水接触角は65°であった。
上記中間転写体1〜26について、画像欠陥(スジ)の評価およびテープ接着力評価を行った。
[画像欠陥(スジ)の評価方法]
以下の測定方法においては、断りがない限り、装置はBizhub C554(コニカミノルタ株式会社製)、画像評価で用いる紙は、A3のPODグロスコート紙(100g/m)(王子製紙株式会社製)である。ドラムユニット、現像ユニットは一連の評価の直前に新品を装着して、そのまま使用した。中間転写の構成における転写ローラー、クリーニングブレードは、正規品の新品をそのまま使用した。
(画像欠陥(スジ)の評価)
20℃、50%RH環境下にて、Bizhub C554と、中間転写体1〜26を収納して、12時間以上調湿を行った。次いで、Bizhub C554に、中間転写体1〜26を据え付け、初期化と画像安定化を実施した後、画像安定化が行われないように切り替えを行った。無操作のまま1時間放置した後、シアン(C)の印字率が25%(ハーフトーン画像)の画像を、A3で連続5枚印刷した。
これらについて、「Bizhub C554で用いる従来の中間転写体(以下、「現行品」という)で同じ画像を採取した場合の画像」と比べた際の判定を◎〜×で行った。
(判定基準)
◎ :スジ状の画像欠陥が確認できない。
〇 :スジ状の画像欠陥がわずかに見える。
△ :スジ状の画像欠陥が見えるが問題ないレベルである。
× :スジ状の画像欠陥がはっきり見える。
上記中間転写体1〜26について、画像欠陥(スジ)の評価およびテープの接着強度の評価の結果を表4に示す。ここで、接触角と画像欠陥(スジ)発生およびテープの接着強度の関係も合わせて評価するために表4には中間転写体1〜26の表面層の純水接触角も示している。
Figure 2020042209
上記中間転写体1〜26を用いてテープの接着強度の評価を行った。
[テープの接着強度の評価方法]
図5Aに示されるように、中間転写体500(上記中間転写体1〜26)の外周面上の一部分にPEN(ポリエチレンナフタレート)テープ(製品名636F#50、株式会社寺岡製作所製)を貼付した後、そのまま24時間以上放置した。次いで、テープを貼付した部分から横幅L1(70mm)、高さL2(10mm)となるように中間転写体を評価用サンプル500として切り出した。その後、図5Bに示されるように、サンプル500を構成する中間転写体510とテープ520とを一部剥離させ、テープ520の端部521を把持部530で把持し、中間転写体510の端部511を把持部540で把持した後、把持部530を引っ張り速度100mm/minで矢印方向P(把持部540から垂直方向)に向かって引っ張り、テープの接着強度を測定した。中間転写体500(上記中間転写体1〜26)について、テープの接着強度の判定を◎〜×で行った。ここで、本評価では、変位が10〜20mmの範囲内であるときの最大値を接着強度の測定値とした。
(判定基準)
◎ :3.0N以上 (使用可能)
〇 :2.0N以上3.0未満(使用可能)
△ :0.8N以上2.0未満(使用可能)
× :0.8N未満 (使用不可)
表4に示されるように、表2の反応性基を有するフッ素系界面活性剤を含む塗布液1〜20から構成される表面層を有する中間転写体1〜20は、画像欠陥(スジ)評価およびテープ接着力評価において良好な結果が得られた。特に、中間転写体2〜5、8、15においては、塗布スジおよびテープの接着性のどちらも優れた結果であった。
上記結果により、表面層形成用の塗布液に反応性基を有するフッ素系界面活性剤を添加することにより、塗布液中の金属酸化物微粒子の分散状態が改善され、金属酸化物微粒子の凝集を抑制できたことがわかった。また、(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーと(メタ)アクリロイル基を有するフッ素系界面活性剤とを合わせて、長鎖アルキル基を有する単官能(メタ)アクリルモノマーを使用したことにより、分散性だけでなく潤滑性も向上させることができることもわかった。これにより、容易に表面が平滑な中間転写体を得ることができる。
また、上記表面層の純水接触角を75°〜90°以下となるように、反応性基を有するフッ素系界面活性剤の添加量を調整することにより、表面層とテープとの密着性を向上させることができた。これは、上記界面活性剤が上記多官能モノマーおよび単官能モノマーと相溶することにより、極端にフッ素系界面活性剤のフッ素部分が表面に配向することが抑制された結果、表面にフッ素系界面活性剤がブリードアウトするのを抑制できたからであると考えられる。
本発明によれば、画像形成における高画質を目的とする画像形成装置の中間転写体として有用である。
1、2 ローラー
3 回転駆動装置
4、5 ノズル
6 モーター
7 ギア、動力伝達ベルト
8 基材
9 活性光線照射装置
10 発熱ベルト
30 画像処理部
40 画像形成部
41Y、41M、41C、41K 画像形成ユニット
42 中間転写ユニット
43 二次転写ユニット
50 用紙搬送部
51 給紙部
51a、51b、51c 給紙トレイユニット
52 排紙部
52a 排紙ローラー
53 搬送経路部
53a レジストローラー対
60 定着装置
62 定着ローラー
63 加圧ローラー
100 画像形成装置
110 画像読取部
111 給紙装置
112 スキャナー
112a CCDセンサ
411 露光装置
412 現像装置
413 像担持体
414 帯電装置
415 ドラムクリーニング装置
421 中間転写体
422 一次転写ローラー
423 支持ローラー
423A バックアップローラー
426 ベルトクリーニング装置
426a クリーニングブレード
431 支持ローラー
431A 二次転写ローラー
432 二次転写ベルト
D 原稿
S 用紙
500 評価用サンプル
510 中間転写体
511、521 端部
520 テープ
530、540 把持部
m ノズル内径
M ノズルの外径
L1 横幅
L2 高さ
P 矢印方向
W ノズルの中心間距離
X 基材の進行方向
Y 基材の幅方向

Claims (14)

  1. 電子写真方式の画像形成装置に用いる中間転写体であって、
    少なくとも基材層と、表面層と、
    を有し、
    前記表面層は、硬化性化合物、無機フィラー、および反応性基を有するフッ素系界面活性剤を含む塗布液を硬化させてなる硬化物であり、
    前記表面層の純水接触角は、75°以上90°以下である、中間転写体。
  2. 前記硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物を含み、
    前記反応性基を有するフッ素系界面活性剤は、(メタ)アクリロイル基を有する界面活性剤である、請求項1に記載の中間転写体。
  3. 前記表面層の純水接触角は、75°以上85°以下である、請求項1または請求項2に記載の中間転写体。
  4. 前記塗布液における、前記反応性基を有するフッ素系界面活性剤の添加量は、前記硬化性化合物および前記フッ素系界面活性剤の合計量に対して、0.01体積部以上0.20体積部以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の中間転写体。
  5. 前記塗布液における、前記反応性基を有するフッ素系界面活性剤の添加量は、前記硬化性化合物および前記フッ素系界面活性剤の合計量に対して、0.01体積部以上0.10体積部以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の中間転写体。
  6. 前記無機フィラーは、金属酸化物微粒子である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の中間転写体。
  7. 前記金属酸化物微粒子は、その表面が反応性有機基で表面修飾された金属酸化物微粒子である、請求項6に記載の中間転写体。
  8. 前記金属酸化物微粒子は、その表面が下記一般式(1)で表される構造を有する反応性基で表面修飾された金属酸化物微粒子である、請求項6または請求項7に記載の中間転写体。
    Figure 2020042209
    (式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、nは、3〜6の整数を表す。)
  9. 前記硬化性化合物は、3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーを含み、
    前記多官能モノマーの(メタ)アクリロイル基当量は、150g/eq以上250g/eq以下である、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の中間転写体。
  10. 前記硬化性化合物は、下記一般式(2)で表される単官能モノマーを含む、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の中間転写体。
    Figure 2020042209
    (式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、mは、14〜20の整数を表す。)
  11. 前記塗布液における、前記一般式(2)で表される単官能モノマーの添加量は、前記硬化性化合物および前記無機フィラーの合計100体積部に対して、5体積部以上20体積部以下である、請求項10に記載の中間転写体。
  12. 前記塗布液における、前記無機フィラーの添加量は、前記硬化性化合物および前記無機フィラーの合計100体積部に対して、10体積部以上30体積部以下である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の中間転写体。
  13. 基材層を回転させながら、表面層形成用の塗布液を、前記基材層の外周面にノズルを用いて塗布して前記表面層を形成する工程を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の中間転写体の製造方法であって、
    前記表面層形成用の塗布液は、前記硬化性化合物と、前記無機フィラーと、前記反応性基を有するフッ素系界面活性剤とを含む、
    中間転写体の製造方法。
  14. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の中間転写体を有する、画像形成装置。
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