JP2020041958A - 音響特性計測装置、音響特性計測方法、およびプログラム - Google Patents

音響特性計測装置、音響特性計測方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】測定対象物の周囲で雑音が発生する環境においても、雑音成分を含まない測定対象音を抽出できる音響特性計測装置を提供する。【解決手段】測定対象物が設置される移動可能なステージを少なくとも二つの向きに向けて移動させる制御信号をステージに送信する計測制御部と、測定対象物から発生する測定対象音を集音するマイクロホンから出力される集音信号を受信する集音信号受信部と、集音信号を周波数スペクトルに変換するフーリエ変換処理部と、ステージが異なる向きに移動する際に受信される集音信号に基づいて生成された二つの周波数スペクトルを比較して雑音成分を除去することによって、測定対象音に対応する測定対象信号を生成する雑音成分除去部と、測定対象信号を送信する信号送信部とを備える音響特性計測装置とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、測定対象物から発生する測定対象音の音響特性を計測する音響特性計測装置、音響特性計測方法、およびプログラムに関する。
生産現場において、製品から発生する音によってその製品の良否を判定する技術がある。測定対象物となる製品の周囲では、ベルトコンベアや、AGV(Automated Guided Vehicle)、電動ドライバ、設備ファンなどの駆動、作業者の会話などに起因して多数の雑音が発生する。それらの雑音が発生するタイミングや位置は一様ではないため、測定対象物の周囲で発生する騒音を除外して、測定対象物からの測定対象音を正確に測定することが求められる。
特許文献1には、測定対象物から発生する測定対象音を騒音下で測定する信号測定処理装置について開示されている。特許文献1の装置は、測定対象音を含まない騒音と、騒音が混入した測定対象音とを別々に収拾し、騒音が混入した測定対象音から騒音を除去することによって測定対象音を抽出する。
特許文献2には、環境雑音が存在する場合であっても、被検査体のノイズ異常を検出できる音声検査装置について開示されている。特許文献2の装置は、音声を収集するマイクロホンに対して相対的に移動する被検査体のスピーカから繰り返し再生される基準音と、基準音と基準音との間に設けられた無音区間に録音された検査音とをマイクロホンによって収集して録音する。そして、特許文献2の装置は、基準音および検査音の変動を算出し、基準音の変動と検査音の変動とを比較して被試験体が不良ノイズを出力しているか判定する。
特開2002−022530号公報 特開2015−192364号公報
特許文献1の手法では、騒音が混入した測定対象音から騒音を除去するために、測定対象音を収拾する手段の近傍に騒音を収拾する手段を設置する必要がある。特許文献1の手法では、騒音を収拾する手段によって収拾される騒音に測定対象音が混入してしまうため、騒音が混入した測定対象音から測定対象音の一部も除去されてしまい、測定対象音を正確に測定できないという問題点があった。
特許文献2の手法によれば、基準音の変動と検査音の変動とを比較することによって、被検査体のノイズ異常を検出することができる。しかしながら、特許文献2の手法では、被試験体が不良ノイズを出力しているか否かを判定することはできるが、不良ノイズや環境雑音を含まない基準音を抽出することができないという問題点があった。
本発明の目的は、上述した課題を解決するために、測定対象物の周囲で雑音が発生する環境においても、雑音成分を含まない測定対象音を抽出できる音響特性計測装置を提供することにある。
本発明の一態様の音響特性計測装置は、測定対象物が設置される移動可能なステージを少なくとも二つの向きに向けて移動させる制御信号をステージに送信する計測制御部と、測定対象物から発生する測定対象音を集音するマイクロホンから出力される集音信号を受信する集音信号受信部と、集音信号を周波数スペクトルに変換するフーリエ変換処理部と、ステージが異なる向きに移動する際に受信される集音信号に基づいて生成された二つの周波数スペクトルを比較して雑音成分を除去することによって、測定対象音に対応する測定対象信号を生成する雑音成分除去部と、測定対象信号を送信する信号送信部とを備える。
本発明の一態様の音響特性計測方法においては、情報処理装置が、測定対象物が設置される移動可能なステージを少なくとも二つの向きに向けて移動させる制御信号をステージに送信し、測定対象物から発生する測定対象音を集音するマイクロホンから出力される集音信号を受信し、集音信号を周波数スペクトルに変換し、ステージが異なる向きに移動する際に受信される集音信号に基づいて生成された二つの周波数スペクトルを比較して雑音成分を除去することによって、測定対象音に対応する測定対象信号を生成する。
本発明の一態様のプログラムは、測定対象物が設置される移動可能なステージを少なくとも二つの向きに向けて移動させる制御信号をステージに送信する処理と、測定対象物から発生する測定対象音を集音するマイクロホンから出力される集音信号を受信する処理と、集音信号を周波数スペクトルに変換する処理と、ステージが異なる向きに移動する際に受信される集音信号に基づいて生成された二つの周波数スペクトルを比較して雑音成分を除去することによって、測定対象音に対応する測定対象信号を生成する処理とをコンピュータに実行させる。
本発明によれば、測定対象物の周囲で雑音が発生する環境においても、雑音成分を含まない測定対象音を抽出できる音響特性計測装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る音響特性計測システムの構成の一例を示す概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る音響特性計測装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る音響特性システムによる音波測定について説明するための概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る音響特性システムによる音波測定について説明するための概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る音響特性システムによる音波測定について説明するための概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る音響特性システムによって生成される周波数スペクトルを比較するための概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る音響特性計測装置が雑音成分を除去する際に生成される差スペクトルの一例を示す概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る音響特性計測装置が雑音成分を除去する際に抽出される中間スペクトルの一例を示す概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る音響特性計測装置が雑音成分を除去することによって生成される測定対象スペクトルの一例を示す概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る音響特性計測装置に含まれる雑音成分除去部の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る音響特性計測装置の動作の概要について説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る音響特性計測装置による雑音除去処理について説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る音響特性計測システムの構成の一例を示す概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る音響特性計測装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。また、図面中の矢印の向きは、一例を示すものであり、ブロック間の信号の向き等を限定するものではない。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る音響特性計測装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の音響特性計測システムは、生産現場などにおいて、測定対象物である製品から発生する測定対象音によって、その製品の良否判定する用途などに用いられる。
(構成)
図1は、本実施形態の音響特性計測システム1の構成の一例を示す概念図である。音響特性計測システム1は、測定対象物100から発生する測定対象音を測定する。音響特性計測システム1は、音響特性計測装置10、マイクロホン110、および移動ステージ120を備える。図1のように、音響特性計測システム1の設置環境には雑音源があるものとする。なお、図1に図示した雑音源は一例であって、音響特性計測システム1の設置環境に存在する雑音源を一つに限定するものではない。
移動ステージ120は、測定対象物100の位置を雑音源に対して移動させるためのステージである。測定対象物100は、移動ステージ120に配置される。移動ステージ120は、音響特性計測装置10からの制御信号に応じて移動する。移動ステージ120は、マイクロホン110に近づく向き(第1の向きとも呼ぶ)と、マイクロホン110から遠ざかる向き(第2の向きとも呼ぶ)とを含む少なくとも二つの向きに向けて移動するように構成される。以下においては、マイクロホン110に近づく向きと、マイクロホン110から遠ざかる向きとを同じ直線上の反対の向きに設定する例について説明する。しかし、マイクロホン110に近づく向きと、マイクロホン110から遠ざかる向きとは、マイクロホン110に到来する測定対象音の周波数がドップラー効果によって変化しさえすれば、必ずしも同一直線上に設定しなくてもよい。
例えば、移動ステージ120は、土台部分と、土台部分に対する相対位置を移動可能に設置された台とを組み合わせた構成の装置によって実現される。例えば、台は、水平面に対して平行方向に移動するように構成する。また、移動ステージ120は、移動ステージ120を移動可能に支持する軌道上に設置してもよい。ただし、移動ステージ120の形態は、雑音源に対するマイクロホン110の位置関係を変更できさえすれば、特に限定を加えない。
例えば、測定対象物100は、移動ステージ120の上面に載置される。なお、測定対象物100は、移動ステージ120の上面ではなく、移動ステージ120の任意の面上に配置されてもよい。また、測定対象物100は、移動ステージ120の内部に収容させてもよい。
測定対象物100は、移動ステージ120の移動に伴って、マイクロホン110との位置関係が変更される。測定対象物100は、移動ステージ120の移動に伴って、測定対象音を発しながらマイクロホン110に近づけられたり、遠ざけられたりする。
マイクロホン110は、測定対象物100から発生する測定対象音を集音できる位置に配置される。本実施形態において、マイクロホン110は、雑音源との位置関係が固定された状態で設置されるものとする。マイクロホン110は、音響特性計測装置10に併設させてもよいし、音響特性計測装置10に含まれない構成としてもよい。マイクロホン110は、雑音源からの雑音が混在した状態で、測定対象物100からの測定対象音を集音する集音装置である。マイクロホン110は、集音した音波を電気信号(以下、集音信号と呼ぶ)に変換して音響特性計測装置10に送信する。
マイクロホン110は、雑音源からの雑音と、測定対象物100からの測定対象音とが混在した音波を集音する。以下においては、移動ステージ120の移動に伴って、測定対象物100からの測定対象音のレベルや周波数は変化するが、雑音源からの雑音のレベルや周波数は一定であると仮定する。
音響特性計測装置10は、マイクロホン110と移動ステージ120とに接続される。移動ステージ120の移動に伴って、移動ステージ120と音響特性計測装置10との距離が変化する場合がある。そのため、移動ステージ120と音響特性計測装置10とは、変形可能なケーブルで有線接続させたり、無線接続させたりすることが好ましい。なお、マイクロホン110と音響特性計測装置10との接続形態については特に限定を加えない。
音響特性計測装置10は、マイクロホン110が送信した集音信号を受信する。音響特性計測装置10は、受信した集音信号をフーリエ変換することによって周波数スペクトルを生成する。音響特性計測装置10は、生成した周波数スペクトルから雑音成分を除去し、測定対象音に対応するスペクトル(以下、測定対象スペクトルと呼ぶ)を生成する。周波数スペクトルから雑音成分を除去する方法の詳細については後述する。音響特性計測装置10は、移動ステージ120の移動する向きを変更する際に、移動ステージ120の移動する向きを変更する制御をするための制御信号を移動ステージ120に送信する。また、音響特性計測装置10は、測定を停止させる際に、移動ステージ120を停止させるための制御信号を移動ステージ120に送信する。
音響特性計測装置10は、生成した測定対象信号を外部に出力する。例えば、音響特性計測装置10から出力される計測信号は、上位システムや別のシステム、表示装置などに送信される。
〔音響特性計測装置〕
次に、音響特性計測装置10の詳細構成について図面を参照しながら説明する。図2は、音響特性計測装置10の詳細構成の一例を示すブロック図である。図2のように、音響特性計測装置10は、計測制御部11、集音信号受信部13、フーリエ変換処理部14、雑音成分除去部15、および信号送信部16を備える。
計測制御部11は、移動ステージ120の移動を制御する制御信号SCを生成する。計測制御部11は、生成した制御信号SCを移動ステージ120に送信する。測定開始時において、計測制御部11は、移動ステージ120を第1の向きに移動させるための制御信号SCを送信する。計測制御部11は、移動ステージ120の移動する向きを第1の向きから第2の向きに変更させる際に、移動ステージ120の移動する向きを変更させるための制御信号SCを送信する。計測制御部11は、測定を停止する際に、移動ステージ120の移動を停止させる制御信号SCを送信する。例えば、計測制御部11は、移動ステージ120の移動する向きを変更させる際や、移動ステージ120を停止させる際に、所定のタイミングで制御信号SCを送信する。計測制御部11が移動ステージ120の移動する方向を変更させる際や、移動ステージ120を停止させる際に制御信号SCを送信するタイミングは任意に設定できる。
集音信号受信部13は、マイクロホン110から集音信号STを受信する。集音信号受信部13は、マイクロホン110から受信した集音信号STをフーリエ変換処理部14に出力する。
より具体的には、集音信号受信部13は、移動ステージ120がマイクロホン110に近づくときに集音される音波の集音信号ST(以下、第1集音信号ST1)をマイクロホン110から受信する。また、フーリエ変換処理部14は、移動ステージ120がマイクロホン110から遠ざかるときに集音される音波の集音信号ST(以下、第2集音信号ST2)をマイクロホン110から受信する。例えば、測定対象物100とマイクロホン110との距離が同一になるタイミングで取得される集音信号STを第1集音信号ST1および第2集音信号ST2として取得すれば、第1集音信号ST1と第2集音信号ST2の信号レベルが同じになる。また、移動ステージ120が一定速度で移動中に一定区間で取得される集音信号STの信号レベルの平均値を用いれば、第1集音信号ST1と第2集音信号ST2とを取得する際の測定対象物100とマイクロホン110との距離を同一としなくてもよい。
フーリエ変換処理部14は、集音信号受信部13から集音信号STを取得する。フーリエ変換処理部14は、取得した集音信号STをフーリエ変換することによって周波数スペクトルSfを生成する。例えば、フーリエ変換処理部14は、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)によって集音信号STから周波数スペクトルSfを生成する。フーリエ変換処理部14は、生成した周波数スペクトルSfを雑音成分除去部15に出力する。
より具体的には、フーリエ変換処理部14は、移動ステージ120がマイクロホン110に近づくときに集音される音波の第1集音信号ST1をフーリエ変換することによって第1周波数スペクトルSf1を生成する。また、フーリエ変換処理部14は、移動ステージ120がマイクロホン110から遠ざかるときに集音される音波の第2集音信号ST2をフーリエ変換することによって第2周波数スペクトルSf2を生成する。フーリエ変換処理部14は、生成した第1周波数スペクトルSf1および第2周波数スペクトルSf2を雑音成分除去部15に出力する。
雑音成分除去部15は、フーリエ変換処理部14から周波数スペクトルSfを取得する。雑音成分除去部15は、周波数スペクトルSfから雑音の周波数成分PNを除去して測定対象スペクトルSmを生成する。移動ステージ120の移動に伴って、測定対象物100からの測定対象音TMに起因する周波数成分は変動するのに対し、雑音源からの雑音TNに起因する周波数成分は変動しない。雑音成分除去部15は、変動していない雑音TNに起因する周波数成分を周波数スペクトルSfから除去することによって、測定対象物100からの測定対象音に対応するスペクトル(測定対象スペクトルSmとも呼ぶ)を生成する。雑音成分除去部15は、生成した測定対象スペクトルSmを測定対象信号SMとして信号送信部16に出力する。
より具体的には、雑音成分除去部15は、第1周波数スペクトルSf1および第2周波数スペクトルSf2をフーリエ変換処理部14から取得する。雑音成分除去部15は、第1周波数スペクトルSf1と第2周波数スペクトルSf2とを比較し、周波数が変動していない成分を除去することによって測定対象スペクトルSmを生成する。なお、雑音成分除去部15による雑音除去の詳細な方法については後述する。
信号送信部16は、雑音成分除去部15から測定対象信号SMを取得する。信号送信部16は、取得した測定対象信号SMを送信する。例えば、信号送信部16は、測定対象信号SMを用いる上位システムや別のシステム、表示装置などに測定対象信号SMを送信する。
以上が音響特性計測装置10の構成についての説明である。なお、図2の音響特性計測装置10の構成は一例であって、本実施形態の音響特性計測装置10の構成を限定するものではない。
〔雑音除去方法〕
次に、音響特性計測装置10による雑音除去方法について図面を参照しながら説明する。図3〜図5は、マイクロホン110によって集音される音波から生成される集音信号STに基づいて生成される周波数スペクトルSfについて説明するための概念図である。移動ステージ120は、レール125の上に移動可能に設置されているものとする。図3〜図5の音響特性計測装置10を示す枠内には、周波数スペクトルSfの一例を図示している。図3〜図5に図示した周波数スペクトルSfは、横軸が周波数fであり、縦軸が音声レベルLである。なお、図3〜図5に示す周波数スペクトルSfは概念的なものであり、実際に取得されるスペクトルを正確に示すものではない。
以下において、移動ステージ120の移動速度をv、音速をVとする。ただし、移動ステージ120からマイクロホン110に向かう向きを正とする。また、測定対象物から発生する測定対象音TMに対応する周波数成分の周波数(計測周波数とも呼ぶ)をf0とする。
移動ステージ120の移動に伴って、測定対象物100がマイクロホン110に移動速度vで近づくときの測定対象音TMの検出周波数(第1検出周波数とも呼ぶ)をf1とする。また、移動ステージ120の移動に伴って、測定対象物100がマイクロホン110から移動速度vで遠ざかるときの測定対象音TMの検出周波数(第2検出周波数とも呼ぶ)をf2とする。第1検出周波数f1および第2検出周波数f2は、ドップラー効果によって計測周波数f0から変動する。
マイクロホン110が集音する集音信号STには、測定対象音TMと雑音TNとに起因する信号が含まれている。そのため、集音信号STをフーリエ変換した周波数スペクトルSfにも測定対象音TMと雑音TNとに起因する周波数成分が含まれる。
図3は、移動ステージ120が停止しているときに、マイクロホン110によって集音される測定対象音TMおよび雑音TNから生成される集音信号ST0に基づいて生成される周波数スペクトルSf0について説明するための図である。
マイクロホン110は、停止している状態の移動ステージ120に設置された測定対象物100からの測定対象音TMを集音するとともに、雑音源からの雑音TNを集音する。マイクロホン110は、集音した測定対象音TMと雑音TNとを用いて周波数スペクトルSf0を生成する。マイクロホン110は、生成した周波数スペクトルSf0を音響特性計測装置10に送信する。
音響特性計測装置10は、マイクロホン110から集音信号ST0を受信する。音響特性計測装置10は、受信した集音信号ST0をフーリエ変換することによって周波数スペクトルSf0を生成する。図3には、音響特性計測装置10が生成する周波数スペクトルSf0の一例を図示している。周波数スペクトルSf0には、測定対象音TMに起因する周波数成分PM0と、雑音TNに起因する周波数成分PNとが含まれる。
図4は、移動ステージ120がマイクロホン110に近づくときに、マイクロホン110によって集音される測定対象音TMおよび雑音TNから生成される第1集音信号ST1に基づいて生成される第1周波数スペクトルSf1について説明するための図である。
マイクロホン110は、マイクロホン110に移動速度vで近づいてくる移動ステージ120に設置された測定対象物100からの測定対象音TMを集音するとともに、雑音源からの雑音TNを集音する。マイクロホン110は、集音した測定対象音TMと雑音TNとを用いて第1集音信号ST1を生成する。マイクロホン110は、生成した第1集音信号ST1を音響特性計測装置10に送信する。
音響特性計測装置10は、マイクロホン110から第1集音信号ST1を受信する。音響特性計測装置10は、受信した第1集音信号ST1をフーリエ変換することによって第1周波数スペクトルSf1を生成する。図4には、音響特性計測装置10が生成する第1周波数スペクトルSf1の一例を図示している。第1周波数スペクトルSf1には、測定対象音TMに起因する第1周波数成分PM1と、雑音TNに起因する周波数成分PNとが含まれる。
移動ステージ120がマイクロホン110に近づくときに集音される測定対象音TMおよび雑音TNから生成される第1集音信号ST1に基づいて生成される第1周波数スペクトルSf1の第1検出周波数f1は、以下の式1によって算出される。第1検出周波数f1は、ドップラー効果によって計測周波数f0よりも大きくなる。
1=V/(V−|v|)×f0・・・(1)
図5は、移動ステージ120がマイクロホン110から遠ざかるときに、マイクロホン110によって集音される測定対象音TMおよび雑音TNから生成される第2集音信号ST2に基づいて生成される第2周波数スペクトルSf2について説明するための図である。
マイクロホン110は、マイクロホン110から移動速度vで遠ざかる移動ステージ120に設置された測定対象物100からの測定対象音TMを集音するとともに、雑音源からの雑音TNを集音する。マイクロホン110は、集音した測定対象音TMと雑音TNとを含む音波から第2集音信号ST2を生成する。マイクロホン110は、生成した第2集音信号ST2を音響特性計測装置10に送信する。
音響特性計測装置10は、マイクロホン110から第2集音信号ST2を受信する。音響特性計測装置10は、受信した第2集音信号ST2をフーリエ変換することによって第2周波数スペクトルSf2を生成する。図5には、音響特性計測装置10が生成する第2周波数スペクトルSf2の一例を図示している。第2周波数スペクトルSf2には、測定対象音TMに起因する第2周波数成分PM2と、雑音TNに起因する周波数成分PNとが含まれる。
移動ステージ120がマイクロホン110から遠ざかるときに集音される測定対象音TMおよび雑音TNから生成される第2集音信号ST2に基づいて生成される第2周波数スペクトルSf2の第2検出周波数f2は、以下の式2によって算出される。第2検出周波数f2は、ドップラー効果によって計測周波数f0よりも小さくなる。
2=V/(V+|v|)×f0・・・(2)
図6は、図3〜図5の場面で生成される周波数スペクトルSfを比較するための図である。測定対象物100が移動していても、マイクロホン110と雑音源との位置関係は変動しないので、雑音源から発生する雑音TNの周波数は変動しない。そのため、測定対象物100がマイクロホン110に近づくときの第1周波数スペクトルSf1と、測定対象物がマイクから遠ざかるときの第2周波数スペクトルSf2とを比較し、周波数が変動していない成分を雑音TNとみなして除去すればよい。
図7は、第1周波数スペクトルSf1から第2周波数スペクトルSf2を減算することによって得られるスペクトル(以下、差スペクトルSdとよぶ)である。差スペクトルSdは、第1周波数スペクトルSf1に含まれる第1周波数成分PM1と、第2周波数スペクトルSf2に含まれる第2周波数成分PM2に−1を乗算した周波数成分PM2’とを含む。差スペクトルSdからは、雑音TNに起因する周波数成分PNが除去されている。
図8は、第1周波数スペクトルSf1から第2周波数スペクトルSf2を減算することによって得られた差スペクトルSdに含まれるマイナス成分を除去したスペクトル(以下、中間スペクトルStと呼ぶ)である。図8の中間スペクトルStに含まれる周波数成分は、第1周波数スペクトルSf1に含まれる第1周波数成分PM1に相当する。
図9は、中間スペクトルに含まれる第1周波数成分PM1を測定対象音TMの周波数帯にシフトさせた測定対象スペクトルSmを生成する。第1周波数成分PM1は、移動ステージ120が移動速度vでマイクロホン110に近づいている状況で検出される測定対象音TMに起因する周波数成分である。そのため、第1周波数成分PM1のピーク位置を第1検出周波数f1から計測周波数f0にシフトすれば、測定対象音TMに起因する周波数成分を得ることができる。すなわち、以下の式3を用いて、第1周波数成分PM1を周波数成分PM0に変換することによって測定対象スペクトルSmを得ることができる。
0=(V−|v|)/V×f1・・・(3)
以上が、本実施形態の音響特性計測装置10による雑音除去方法に関する説明である。なお、上記の雑音除去方法は一例であって、音響特性計測装置10による雑音除去方法を限定するものではない。
〔雑音成分除去部〕
次に、雑音成分除去部15の回路構成について図面を参照しながら説明する。図10は、雑音成分除去部15の回路構成を示すブロック図である。図10のように、雑音成分除去部15は、減算回路151、負成分除去回路152、および乗算回路153を有する。
減算回路151には、フーリエ変換処理部14から第1周波数スペクトルSf1と第2周波数スペクトルSf2とが入力される。減算回路151は、第1周波数スペクトルSf1から第2周波数スペクトルSf2を減算することによって差スペクトルSdを生成する。減算回路151は、生成した差スペクトルSdを負成分除去回路152に出力する。
負成分除去回路152には、減算回路151から差スペクトルSdが入力される。負成分除去回路152は、差スペクトルSdに含まれる負成分を0に変換することによって中間スペクトルStを生成する。負成分除去回路152は、生成した中間スペクトルStを乗算回路153に出力する。
乗算回路153には、負成分除去回路152から中間スペクトルStが入力される。乗算回路153は、移動ステージ120が移動する移動速度vの絶対値を音速Vから減算した値(V−|v|)を音速Vで除算した値を、中間スペクトルStに乗算することによって測定対象スペクトルSmを生成する。乗算回路153は、生成した測定対象スペクトルSmを測定対象信号SMとして信号送信部16に出力する。
以上が、雑音成分除去部15の回路構成についての説明である。差スペクトルSdに含まれる負成分を0に変換した中間スペクトルStを用いれば、第1集音信号ST1と第2集音信号ST2の信号レベルが異なっていても、雑音TNに起因する周波数成分PNを除去できる。なお、図10に示す雑音成分除去部15の回路構成は一例であって、雑音成分除去部15の回路構成を限定するものではない。
以上が、本実施形態の音響特性計測システム1の構成についての説明である。なお、図1〜図10を用いて説明した音響特性計測システム1の構成は一例であって、本実施形態の音響特性計測システム1の構成を限定するものではない。
(動作)
次に、本実施形態の音響特性計測システム1が備える音響特性計測装置10の動作について図面を参照しながら説明する。図11は、音響特性計測装置10の動作の概要について説明するためのフローチャートである。以下の図11のフローチャートに沿った説明においては、音響特性計測装置10を動作の主体として説明する。
図11において、まず、音響特性計測装置10は、移動ステージ120を第1の向きに移動させるための制御信号を移動ステージ120に送信する(ステップS11)。
次に、音響特性計測装置10は、移動ステージ120が移動する状況でマイクロホン110が集音した測定対象音から生成される集音信号をマイクロホン110から受信する(ステップS12)。第1段階において、音響特性計測装置10は、移動ステージ120がマイクロホン110に近づいている状況でマイクロホン110が集音した測定対象音から生成される第1集音信号をマイクロホン110から受信する。第2段階において、音響特性計測装置10は、移動ステージ120がマイクロホン110から遠ざかる状況でマイクロホン110が集音した測定対象音から生成される集音信号をマイクロホン110から受信する。
次に、音響特性計測装置10は、受信した集音信号をフーリエ変換し、周波数スペクトルを生成する(ステップS13)。第1段階において、音響特性計測装置10は、第1集音信号をフーリエ変換して第1周波数スペクトルを生成する。第2段階において、音響特性計測装置10は、第2集音信号をフーリエ変換して第2周波数スペクトルを生成する。
ここで、移動ステージ120の移動する向きを変更する場合(ステップS14でYes)、音響特性計測装置10は、移動ステージ120の移動する向きを第2の向きに変更するための制御信号を移動ステージ120に送信する(ステップS15)。例えば、音響特性計測装置10は、移動ステージ120の移動する向きをマイクロホン110に近づける方向から遠ざかる方向に切り替える際に、移動ステージ120を移動する向きを変更させるための制御信号を移動ステージ120に送信する。
一方、移動ステージ120の移動する向きを変更しない場合(ステップS14でNo)、音響特性計測装置10は、移動ステージ120を停止させるための制御信号を移動ステージ120に送信する(ステップS16)。
次に、音響特性計測装置10は、二つの周波数スペクトルを比較して雑音成分を除去し、測定対象スペクトルを生成する(ステップS17)。
そして、音響特性計測装置10は、生成した測定対象スペクトルを測定対象信号として送信する(ステップS18)。
以上が、図11にフローチャートに沿った音響特性計測装置10の動作の概要についての説明である。なお、図11のフローチャートに沿った処理は、音響特性計測装置10の動作の概要の一例であって、音響特性計測装置10の動作を限定するものではない。
〔雑音除去処理〕
次に、音響特性計測装置10の雑音成分除去部15の動作の一例について図面を参照しながら説明する。図12は、音響特性計測装置10の雑音成分除去部15の動作の一例について説明するためのフローチャートである。図12のフローチャートの処理は、図11のフローチャートのステップS17の処理の詳細を示す。
図12において、まず、雑音成分除去部15は、第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとをフーリエ変換処理部14から取得する(ステップS171)。
次に、雑音成分除去部15は、第1周波数スペクトルから第2周波数スペクトルを減算して差スペクトルを生成する(ステップS172)。
次に、雑音成分除去部15は、差スペクトルに含まれる負成分を0に変換して中間スペクトルを生成する(ステップS173)。
次に、雑音成分除去部15は、中間スペクトルを測定対象スペクトルに変換する(ステップS174)。
そして、雑音成分除去部15は、測定対象スペクトルを測定対象信号として出力する(ステップS175)。
以上が、図12のフローチャートに沿った雑音成分除去部15の動作の一例についての説明である。なお、図12のフローチャートに沿った処理は一例であって、雑音成分除去部15の動作を限定するものではない。
以上のように、本実施形態の音響特性計測システムは、計測制御部、集音信号受信部、フーリエ変換処理部、雑音成分除去部、および信号送信部を有する音響特性計測装置を備える。計測制御部は、測定対象物が設置される移動可能なステージを少なくとも二つの向きに向けて移動させる制御信号をステージに送信する。集音信号受信部は、測定対象物から発生する測定対象音を集音するマイクロホンから出力される集音信号を受信する。フーリエ変換処理部は、集音信号を周波数スペクトルに変換する。雑音成分除去部は、ステージが異なる向きに移動する際に受信される集音信号に基づいて生成された二つの周波数スペクトルを比較して雑音成分を除去することによって、測定対象音に対応する測定対象信号を生成する。信号送信部は、測定対象信号を送信する。
計測制御部は、マイクロホンに近づける第1の向きと、マイクロホンから遠ざかる第2の向きとを含む二つの向きにステージを移動させる制御信号をステージに送信する。雑音成分除去部は、ステージが第1の向きに移動している際に受信される集音信号から生成される第1周波数スペクトルと、ステージが第2の向きに移動している際に受信される集音信号から生成される第2周波数スペクトルとを受信。雑音成分除去部は、第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとを比較して雑音成分を除去することによって測定対象スペクトルを生成する。信号送信部は、測定対象スペクトルに基づいた信号を測定対象信号として送信する。
雑音成分除去部は、減算回路、負成分除去回路、および乗算回路を有する。減算回路は、第1周波数スペクトルから第2周波数スペクトルを減算することによって差スペクトルを生成する。負成分除去回路は、差スペクトルに含まれる負成分を0に変換することによって中間スペクトルを生成する。乗算回路は、第1周波数成分を測定対象音の周波数帯にシフトさせて測定対象スペクトルを生成する。
雑音成分除去部は、ステージの移動する向きの変更に伴ってマイクロホンに集音される測定対象音の周波数がドップラー効果によって変化した分だけ、中間スペクトルに含まれる周波数成分を測定対象音の周波数帯にシフトさせる。より具体的には、雑音成分除去部は、移動ステージが第1の向きに向けて移動する速度の絶対値を音速から減算した値を音速で除算した値を中間スペクトルに含まれる周波数成分に乗算して測定対象スペクトルを生成する。
また、本実施形態の音響特性計測装置は、測定対象物が発生する測定対象音を集音する位置に配置され、測定対象音を集音して集音信号を生成するマイクロホンを備えていてもよい。さらに、本実施形態の音響特性計測装置は、制御信号に応じて、測定対象物が設置された状態で少なくとも二つの向きに移動するステージを備える。例えば、ステージは、ステージを移動可能に支持する軌道上に設置される。例えば、ステージは、ステージを移動可能に支持する車輪を有する。
本実施形態においては、測定対象物をマイクロホンに対して近づける方向および遠ざける方向に移動させることで、ドップラー効果によってマイクロホンに集音される測定対象音の周波数が変動する現象を利用する。マイクロホンに集音される測定対象音の周波数は、測定対象物がマイクロホンに近づくときは高くなり、遠ざかるときは周波数が低くなる。一方、雑音源とマイクとの位置関係は変わらないため、雑音の周波数は変動しない。本実施形態では、マイクロホンからの出力信号をフーリエ変換し、周波数の変動していない部分を雑音として除去することによって測定対象音を抽出する。
以上のように、本実施形態によれば、測定対象物の周囲に多数の雑音源が存在する生産工程においても、雑音源からの雑音が除去された測定対象音を容易に取り出すことができ、製品の良否判定を高精度化することができる。
(変形例)
ここで、本発明の第1の実施形態の変形例の音響特性計測システムについて図面を参照しながら説明する。本変形例の音響特性計測システムは、軌道上に移動可能に支持されるステージではなく、軌道上ではなくても移動可能な車輪によって支持されたステージを有する点で、第1の実施形態の音響特性計測システム1(図1)の構成とは異なる。
図13は、本変形例の音響特性計測システム1−2の構成の一例を示す概念図である。音響特性計測システム1−2は、測定対象物100から発生する測定対象音を測定する。音響特性計測システム1−2は、音響特性計測装置10、マイクロホン110、および移動ステージ120−2を備える。移動ステージ120−2は、自走するための車輪123を有する。音響特性計測システム1−2は、車輪123を有する移動ステージ120−2を備える点以外は、第1の実施形態の音響特性計測システム1(図1)の構成と同じである。本変形例の音響特性計測システム1−2の動作については、第1の実施形態の音響特性計測システム1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
以上のように、本変形例の音響特性計測システムが備える移動ステージは、移動ステージを移動可能に支持する車輪を有する。なお、本変形例の移動ステージは、車輪を介して移動ステージを移動可能に支持する軌道上に設置されてもよい。本変形例によれば、軌道を設置しなくても移動ステージを移動させることができるので、システム構成を簡略化できるとともに、設置場所の自由度が向上する。
(ハードウェア)
ここで、本発明の各実施形態に係る音響特性計測装置の処理を実行するハードウェア構成について、図14の情報処理装置90を一例として挙げて説明する。なお、図14の情報処理装置90は、各実施形態の音響特性計測装置の処理を実行するための構成例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
図14のように、情報処理装置90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95および通信インターフェース96を備える。図14においては、インターフェースをI/F(Interface)と略して表記する。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96は、バス99を介して互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラムを主記憶装置92に展開し、展開されたプログラムを実行する。本実施形態においては、情報処理装置90にインストールされたソフトウェアプログラムを用いる構成とすればよい。プロセッサ91は、本実施形態に係る音響特性計測装置による処理を実行する。
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリとすればよい。また、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリを主記憶装置92として構成・追加してもよい。
補助記憶装置93は、種々のデータを記憶する。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって構成される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
入出力インターフェース95は、情報処理装置90と周辺機器とを接続するためのインターフェースである。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続するためのインターフェースである。入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、外部機器と接続するインターフェースとして共通化してもよい。
情報処理装置90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器を接続するように構成してもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。なお、タッチパネルを入力機器として用いる場合は、表示機器の表示画面が入力機器のインターフェースを兼ねる構成とすればよい。プロセッサ91と入力機器との間のデータ通信は、入出力インターフェース95に仲介させればよい。
また、情報処理装置90には、情報を表示するための表示機器を備え付けてもよい。表示機器を備え付ける場合、情報処理装置90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられていることが好ましい。表示機器は、入出力インターフェース95を介して情報処理装置90に接続すればよい。
また、情報処理装置90には、必要に応じて、ディスクドライブを備え付けてもよい。ディスクドライブは、バス99に接続される。ディスクドライブは、プロセッサ91と図示しない記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体からのデータ・プログラムの読み出し、情報処理装置90の処理結果の記録媒体への書き込みなどを仲介する。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体で実現できる。また、記録媒体は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体や、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、その他の記録媒体によって実現してもよい。
以上が、本発明の各実施形態に係る音響特性計測装置を可能とするためのハードウェア構成の一例である。なお、図14のハードウェア構成は、各実施形態に係る音響特性計測装置の演算処理を実行するためのハードウェア構成の一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。また、各実施形態に係る音響特性計測装置に関する処理をコンピュータに実行させるプログラムも本発明の範囲に含まれる。さらに、各実施形態に係るプログラムを記録したプログラム記録媒体も本発明の範囲に含まれる。
各実施形態の音響特性計測装置の構成要素は、任意に組み合わせることができる。また、各実施形態の音響特性計測装置の構成要素は、ソフトウェアによって実現してもよいし、回路によって実現してもよい。
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1 音響特性計測システム
10 音響特性計測装置
11 計測制御部
13 集音信号受信部
14 フーリエ変換処理部
15 雑音成分除去部
16 信号送信部
110 マイクロホン
120 移動ステージ
151 減算回路
152 負成分除去回路
153 乗算回路

Claims (10)

  1. 測定対象物が設置される移動可能なステージを少なくとも二つの向きに向けて移動させる制御信号を前記ステージに送信する計測制御手段と、
    前記測定対象物から発生する測定対象音を集音するマイクロホンから出力される集音信号を受信する集音信号受信手段と、
    前記集音信号を周波数スペクトルに変換するフーリエ変換処理手段と、
    前記ステージが異なる向きに移動する際に受信される前記集音信号に基づいて生成された二つの前記周波数スペクトルを比較して雑音成分を除去することによって、前記測定対象音に対応する測定対象信号を生成する雑音成分除去手段と、
    前記測定対象信号を送信する信号送信手段とを備える音響特性計測装置。
  2. 前記計測制御手段は、
    前記マイクロホンに近づける第1の向きと、前記マイクロホンから遠ざかる第2の向きとを含む二つの向きに前記ステージを移動させる前記制御信号を前記ステージに送信し、
    前記雑音成分除去手段は、
    前記ステージが前記第1の向きに移動している際に受信される前記集音信号から生成される第1周波数スペクトルと、前記ステージが前記第2の向きに移動している際に受信される前記集音信号から生成される第2周波数スペクトルとを比較して測定対象スペクトルを生成し、
    前記信号送信手段は、
    前記測定対象スペクトルに相当する信号を前記測定対象信号として送信する請求項1に記載の音響特性計測装置。
  3. 前記雑音成分除去手段は、
    前記第1周波数スペクトルから前記第2周波数スペクトルを減算することによって差スペクトルを生成し、
    前記差スペクトルに含まれる負成分を0に変換することによって中間スペクトルを生成し、
    前記中間スペクトルに含まれる周波数成分を前記測定対象音の周波数帯にシフトさせて前記測定対象スペクトルを生成する請求項2に記載の音響特性計測装置。
  4. 前記雑音成分除去手段は、
    前記ステージの移動する向きの変更に伴って前記マイクロホンに集音される前記測定対象音の周波数がドップラー効果によって変動した分だけ、前記中間スペクトルに含まれる周波数成分を前記測定対象音の周波数帯にシフトさせる請求項3に記載の音響特性計測装置。
  5. 前記雑音成分除去手段は、
    前記ステージが前記第1の向きに向けて移動する速度の絶対値を音速から減算した値を前記音速で除算した値を前記中間スペクトルに含まれる周波数成分に乗算して前記測定対象スペクトルを生成する請求項4に記載の音響特性計測装置。
  6. 前記測定対象物が発生する前記測定対象音を集音する位置に配置され、前記測定対象音を集音して前記集音信号を生成する前記マイクロホンと、
    前記制御信号に応じて、前記測定対象物が設置された状態で少なくとも二つの向きに移動する前記ステージを備える請求項1乃至5のいずれか一項に記載の音響特性計測装置。
  7. 前記ステージは、
    前記ステージを移動可能に支持する軌道上に設置される請求項6に記載の音響特性計測装置。
  8. 前記ステージは、
    前記ステージを移動可能に支持する車輪を有する請求項6または7に記載の音響特性計測装置。
  9. 情報処理装置が、
    測定対象物が設置される移動可能なステージを少なくとも二つの向きに向けて移動させる制御信号を前記ステージに送信し、
    前記測定対象物から発生する測定対象音を集音するマイクロホンから出力される集音信号を受信し、
    前記集音信号を周波数スペクトルに変換し、
    前記ステージが異なる向きに移動する際に受信される前記集音信号に基づいて生成された二つの前記周波数スペクトルを比較して雑音成分を除去することによって、前記測定対象音に対応する測定対象信号を生成する音響特性計測方法。
  10. 測定対象物が設置される移動可能なステージを少なくとも二つの向きに向けて移動させる制御信号を前記ステージに送信する処理と、
    前記測定対象物から発生する測定対象音を集音するマイクロホンから出力される集音信号を受信する処理と、
    前記集音信号を周波数スペクトルに変換する処理と、
    前記ステージが異なる向きに移動する際に受信される前記集音信号に基づいて生成された二つの前記周波数スペクトルを比較して雑音成分を除去することによって、前記測定対象音に対応する測定対象信号を生成する処理とをコンピュータに実行させるプログラム。
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