JP2016224938A - 異常診断システム、及び異常診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一タイミングで動く複数の同種の駆動部を持つ装置において、装置の異常を検知し、異常部品を特定する技術を提供するものである。【解決手段】本開示による異常診断システムは、一例として、監視対象装置の複数の駆動部が出力する信号を検知するセンサからの信号を入力信号として取得する信号取得処理と、駆動部の部品クラスごとに、入力信号を分離する信号分離処理と、分離された信号ごとに、部品クラスごとの信号モデルとの比較を行い、部品クラスごとに異常の有無を検知する異常検知処理と、を実行する。ここで、部品クラスの数は、駆動部の数よりも少なくなっている。【選択図】図4

Description

本開示は、装置内の駆動部品の異常を診断する異常診断システム、及び異常診断方法に関する。
従来から、機械装置の駆動部品が異常か否かを判定する異常診断が行われている。例えば、特許文献1は、振動センサを用いて機械の振動を検出し、検出した振動信号を用いて機械の異常を診断する一手法について開示している。より具体的には、特許文献1では、機械装置の振動を検出する振動センサからの信号(デジタルに変換後の信号)をフーリエ変換処理し、その結果に基づいて異常診断を行なうようにしている。
特開2007−170816号公報 特開2003−271168号公報
しかしながら、特許文献1には駆動部が複数あり各駆動部の振動が混ざって検出された場合、どのように混ざった信号を各駆動部の振動信号に分離して異常部品を特定するかについては示されていない。
この点、特許文献2には、複数の信号源から到来した信号の混合信号から、各信号源の原信号に分離する手法が記載されている。より具体的には、複数の混合信号をそれぞれN個(N:整数)の帯域にサブバンド分析し、サブバンド分析された各帯域の信号を各帯域に音源分離し、音源分離した信号をサブバンド合成して原信号に対応する出力信号を求めるようにしている。当該手法を装置の部品の異常診断に適用しようとした場合、信号源は装置が持つ駆動部に相当することとなる。
しかしながら、特許文献2に開示の技術を用いたとしても、同一タイミングで動く同種の駆動部が分析対象装置に含まれる場合、混合信号から各駆動部の原信号を精度良く分離することは信号分離手法の原理的に困難であり、異常検知、異常部品の特定に適用することは難しい。
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、同一タイミングで動く複数の同種の駆動部を持つ装置において、装置の異常を検知し、異常部品を特定する技術を提供するものである。
上記課題を解決するために、本開示による異常診断システムは、一例として、監視対象装置の複数の駆動部が出力する信号を検知するセンサからの信号を入力信号として取得する信号取得処理と、駆動部の部品クラスごとに、入力信号を分離する信号分離処理と、分離された信号ごとに、部品クラスごとの信号モデルとの比較を行い、部品クラスごとに異常の有無を検知する異常検知処理と、を実行する。ここで、部品クラスの数は、駆動部の数よりも少なくなっている。
本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、本開示の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。
本開示によれば、同一タイミングで動く複数の駆動部品(駆動部)を持つ装置において、装置の異常を的確に検知し、異常部品を特定することが可能である。
本開示の第1の実施形態による異常診断システム100のハードウェア概略構成例を示す図である。 第1の実施形態の変形例1による異常診断システム100のハードウェア概略構成例を示す図である。 第1の実施形態の変形例2による異常診断システム100のハードウェア概略構成例を示す図である。 第1の実施形態による異常診断システム100の機能構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態の変形例1による異常診断システム100の機能構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態の変形例2による異常診断システム100の機能構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態における異常診断処理を説明するためのフローチャートである。 3つの駆動部品の振動が混ざった信号を、分離信号数を2、3、及び4に設定してそれぞれ信号分離を行う例を示す図である。 4個の同種の駆動部品と1個の駆動部品が駆動している時の収録振動信号を、分離信号数を駆動部品数である5に設定して信号分離を行う例を示す図である。 信号分離手法がそれぞれの信号を区別できる例と区別できない例を示す図である。 図9の例について、駆動部品ごとの動作タイミング情報を用いて駆動部品をクラスに分割した例と作成された部品クラス情報の例を示す図である。 図9の例について、分離信号数を作成したクラスの数である2に設定して信号分離を行う例を示す図である。 図9および図12の例において部品B−4が異常であった場合の特定方法を示す図である。 本開示の第2の実施形態による異常診断システム100の基本機能構成例を示すブロック図である。 第2の実施形態の変形例1の異常診断システム100における、部品の動作命令情報を監視対象装置110側の中央演算装置111から入力した場合の機能ブロック図である。 第2の実施形態の変形例2の異常診断システム100における、部品の動作情報を監視対象装置110側の制御基板112から入力した場合の機能ブロック図である。 第2の実施形態による異常診断システム100において実行される異常診断処理を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態の基本構成におけるセンサセット切替部1401の処理の具体例を示す図である。
本開示の第1の実施形態は、複数の駆動部を持つ監視(診断)対象装置において、駆動部品の異常をマイクロホンや振動センサを用いて検知するための技術について提案する。マイクロホンや振動センサを用いた部品の異常診断において、監視対象装置が複数の駆動部(駆動部品)を持つ場合、複数駆動部の音や振動が空気中あるいは筐体中を伝わって混ざってセンサに収録され、それによって異常診断性能が低下したり、異常が検知されても、どの部品が異常なのかを特定できなかったりすることがある。複数の駆動部を持つ装置としては、例えば分析装置がある。特に、同一タイミングで動作する同種の駆動部が監視対象装置に含まれる場合には異常診断が困難である。本実施形態では、部品クラスという概念を導入して異常診断処理を行うことにより、同一タイミングで動作する同種の駆動部が監視対象装置に含まれる場合でも対応できるようにする。
また、本開示の第2の実施形態は、部品の数に対して比較的小規模な演算装置であっても高精度に信号分離を行い、異常検知することを可能にするための技術について提案する。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った具体的な実施形態と実装例を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。
本実施形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
更に、本開示の実施形態は、後述されるように、汎用コンピュータ上で稼動するソフトウェアで実装しても良いし専用ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装しても良い。
なお、以下ではプログラムとしての各処理部(信号分離部、異常検知部、部品クラス作成部、結果出力部)を主語(動作主体)として本開示の実施形態における各処理について説明を行うが、プログラムはプロセッサ(中央演算装置)によって実行されることで定められた処理をメモリ及び通信ポート(通信制御装置)を用いながら行うため、プロセッサを主語とした説明としてもよい。また、プログラムを主語として開示された処理は管理サーバ等の計算機、情報処理装置が行う処理としてもよい。さらに、プログラムの一部または全ては専用ハードウェアで実現してもよく、また、モジュール化されていても良い。各種プログラムはプログラム配布サーバや記憶メディアによって各計算機にインストールされてもよい。
A.第1の実施形態
<異常診断システムのハードウェア構成>
(1)基本構成例
図1は、本開示の実施形態による異常診断システムのハードウェア構成例(基本構成例)を示す図である。
異常診断システム100は、監視対象装置(診断対象装置とも言う)110の駆動部品113の駆動信号を検知する少なくとも1つのセンサ101と、検知したアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部102と、少なくとも異常検知処理を実行する中央演算装置(CPU:プロセッサ)103と、メモリ104と、後述の部品クラスデータベース及び各種プログラムを格納する記憶媒体105と、を備えている。なお、当該基本構成による異常診断システム100を動作させる際には、監視対象装置110が有する駆動部品の個数、種類、及び動作タイミングは予め判っているものとする。後述する変形例1及び2では、監視対象装置110における駆動部品の動作タイミングは不明だが、駆動部品の個数及び種類のみ予め判っているものとする。
異常診断システム100は、監視(診断)対象となる装置110に設置されている駆動部品113の異常を検知するシステムである。監視対象装置110は、監視対象装置110側の中央演算装置111から駆動部品113を制御する指令を制御基板112に送る。制御基板112は、中央演算装置111から入力された制御指令に従って電気信号を駆動部品113に送り、駆動部品113を駆動させている。
センサ101は、駆動部品113の信号を観測し、AD変換部102がセンサ101によって観測されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。中央演算装置103は、変換されたデジタル信号をメモリ104に格納する。
中央演算装置103は、記憶媒体105に格納された部品クラスデータベース208(図4参照)を読み込み、当該監視対象装置110の部品クラス数とクラス情報を得る。本実施形態では、異なる種類の駆動部品、及び同一種類の駆動部品であっても動作タイミングが異なる駆動部品は、別のクラスに分類される(種類及び動作タイミングが同一の駆動部品は同一クラスに分類される)。つまり、部品クラスとは、異なる種類の駆動部であるか否か、或いは同種の駆動部であって動作タイミングが異なるか否か、によって分類された駆動部品のグループを示す情報である。そして、部品クラスの情報は、監視対象装置110の部品クラスの数と、各部品クラスに含まれる駆動部品の情報と、を含む情報である。例えば、1つのギアと4つのポンプを駆動部品として有する監視対象装置に関し、4つのポンプが同一タイミングで動作する場合には、クラス数として「2」、クラス情報として「クラス1がギア」「クラス2が4つのポンプ」が得られることになる。
中央演算装置103は、部品クラス数を基にメモリ104に格納された観測信号(デジタル信号)をクラス数に分離する。中央演算装置103は記憶媒体105に格納された正常モデルデータベース207(図4参照)を読み込んで、クラス情報に基づいて部品クラスごとに異常検知し、異常部品の特定を行う。
(2)変形例1のハードウェア構成例
図1の例では、中央演算装置103は記憶媒体105に格納された部品クラスデータベース208を読み込むことで部品クラス数およびクラス情報を得ている。しかし、各駆動部品の動作タイミングが未知の場合には、監視対象装置110から得られる駆動部品113ごとの動作タイミング情報(中央演算装置111から出される動作命令情報)を用いることにより、部品クラス数およびクラス情報を得ることができる。部品の動作タイミングと、部品クラスの関係については図10などを用いて後述する。
図2は、本開示の実施形態の変形例1による異常診断システムのハードウェア構成例を示す図である。当該変形例1では、中央演算装置103が監視対象装置110に搭載された中央演算装置111から得られる部品動作命令を用いて部品クラス数およびクラス情報を得るように動作する。
(3)変形例2のハードウェア構成例
図3は、本開示の実施形態の変形例2による異常診断システムのハードウェア構成例を示す図である。当該変形例2でも各駆動部品の動作タイミングが未知となっている。
そこで、当該変形例2では、中央演算装置103が監視対象装置110に搭載された制御基板112から得られる電気信号(制御基板112から出される動作命令信号)を用いて部品クラス数およびクラス情報を得るように動作する。
(4)基本構成、変形例1及び2における共通事項
異常診断に関する一連の処理は、記憶媒体105に格納された異常診断プログラムに基づいて、中央演算装置103により実行される。
また、中央演算装置103が行った異常検知結果は、例えば診断対象装置110に備え付けたモニタや、ネットワーク経由で接続された別のPCを経由したモニタなどのユーザインタフェース上に出力することができる。また、異常検知結果を監視対象装置110側の中央演算装置111に送り、異常検知結果に従って監視対象装置110を停止することもできる。
なお、当該システムで用いるセンサ101の種類としては、例えば振動センサやマイクロホンがある。センサ101は、診断対象となる駆動部品113の信号が伝わる場所に設置する。例えば、マイクロホンの場合は音が空気中を伝わって届く範囲内、振動センサの場合は振動が筐体中を伝わって届く範囲内に設置する。同一タイミングで動く同種の駆動部が複数含まれるとき、その同種、同一タイミング駆動の複数の部品の中から異常部品を特定する場合、同一部品クラス内での信号分離が必要となり、センサは2個以上必要である。駆動部品の設置位置とセンサの設置位置との関係から異常信号を多く含む信号を収録するセンサを特定できるからである。そうでない場合は、センサは1個でも良い。ただし、センサ数が多くなるほど分離性能および異常検知の信頼性は向上する。
AD変換部102は、センサ101から得られる信号がデジタル信号である場合は、導入しなくてもよい。
また、図1乃至3において、AD変換部102と中央演算装置103は直接接続されているが、例えばネットワークを介して接続されるようにしても良い。この場合、異常診断処理は遠隔的に実行されることになる。
<異常診断システムの機能構成>
(1)基本機能構成
図4は、本開示の第1の実施形態による異常診断システム100の基本機能構成例を示すブロック図である。
当該異常診断システム100は、機能構成として、少なくとも1つのセンサ201と、センサで検知されたセンサ信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するAD変換部202と、センサ信号(デジタル信号)をクラスごとに分離・分類する信号分離部204と、正常モデルデータベース207と、部品クラスデータベース208と、異常検知部205と、結果出力部206と、を備えている。AD変換部202、信号分離部204、異常検知部205、及び結果出力部206は、中央演算装置(プロセッサ)103によって動作するプログラムで構成されていても良い。部品クラスデータベース208には、監視(診断)対象装置110ごとに、構成する駆動部品の種類及び個数の情報と、各駆動部品の動作タイミングの情報と、部品クラス数と、各部品クラスを構成する駆動部品の情報と、を格納することが可能である。
センサ201が観測したアナログ信号は、AD変換部202によってデジタル信号に変換される。
変換されたデジタル信号は、信号分離部204によって部品クラスごとの信号に分離される。このとき、信号分離部204は、部品クラスデータベース208から、監視対象装置110の部品クラスの数を読み込み、デジタル信号を部品クラスの数に分離する。
異常検知部205は、部品クラスごとに分離された信号を用いて、部品クラスごとに正常か異常かの判別を行う。このとき、異常検知部205は、部品クラスデータベース208から監視対象装置110の部品クラス情報を読み込む。そして、異常検知部205は、当該部品クラス情報を基に、正常モデルデータベース207から部品クラスごとの正常モデル情報を読み込む。さらに、異常検知部205は、部品クラスごとに分離された信号、あるいは信号のピーク値や平均値といった、信号から算出された1種類以上の数値と、正常モデル情報を用いて部品クラスごとに異常か正常かを判別する。
結果出力部206は、異常検知部205が判定した異常検知結果を出力する。出力先は、例えば診断対象装置110に備え付けたモニタ(表示装置)やネットワーク経由で接続された別のPCを経由したモニタなどのユーザインタフェース上、あるいは、監視対象装置110側の中央演算装置111などである。なお、異常検知結果だけでなく、正常であると判定された場合にも検知結果を出力するようにしても良い。つまり、検知結果は、予め決められた装置に出力されることになる。また、出力先はユーザの指示によって適宜変更できるようにしても良い。
(2)変形例1の機能構成
図4の基本機能構成例では、信号分離部204と異常検知部205は、それぞれクラス数とクラス情報を部品クラスデータベース208から読み込んでいる。しかし、前述のように、クラス数およびクラス情報については、監視対象装置110から得られる駆動部品113ごとの動作タイミング情報を用いることで得ることもできる。この場合、部品クラスデータベース208は必要なくなり、代わりに動作タイミング情報を入力として、部品クラスを作成する部品クラス作成部203が必要になる。
図5は、本実施形態の変形例1による異常診断システム100の機能構成例を示すブロック図である。当該変形例1は、駆動部品の動作情報を監視対象装置110側の中央演算装置111から入力するように構成されている。
ここでは、監視対象装置110は、監視対象装置側の中央演算装置111が駆動部品ごとの動作命令情報を部品クラス作成部203へ出力する。部品クラス作成部203は動作命令情報を基に部品クラスを作成し、クラス数およびクラス情報をそれぞれ信号分離部204、及び異常検知部205へ出力する。
(3)変形例2の機能構成
図6は、本実施形態の変形例2による異常診断システム100の機能構成例を示すブロック図である。当該変形例2は、駆動部品の動作情報を監視対象装置110側の制御基板112から入力した場合の機能ブロック図である。
ここでは、監視対象装置110は、制御基板112が各部品113へ供給している電気信号を分岐させてAD変換部202へ送る。AD変換部202は当該電気信号をデジタル信号に変換し、部品クラス作成部203へ出力する。部品クラス作成部203は、電気信号のデジタル値を基に部品クラスを作成し、クラス数およびクラス情報をそれぞれ信号分離部204、異常検知部205へ出力する。
駆動部品113の動作するタイミングがあらかじめ決まっている場合であれば、部品クラス作成部203は必要なく、部品クラスデータベース208を装置設計時に構築しておけばよい。一方、駆動部品113の動作するタイミングが一定でない場合、例えば周囲環境によって部品113の動作するタイミングに遅延が生じるような装置が監視対象である場合、部品クラスデータベース208を用いるより、部品クラス作成部203を導入した方が、計算量は増えるが精度良く部品クラスを作成することができる。
<異常診断処理の内容>
図7は、本実施形態の異常診断システム100における異常診断処理を説明するためのフローチャートである。ここでは、変形例(図5や図6)で示したように、部品クラス作成部203を導入した場合の処理例について説明する。変形例の処理の方が基本構成例よりも複雑だからである。
(i)ステップ301
監視(診断)対象装置110稼働中において、各センサ201は部品の信号(音や振動)を受信する。そして、AD変換部202は、受信したセンサ信号のそれぞれをデジタル信号に変換する。
(ii)ステップ302
部品クラス作成部203は、駆動部品ごとの動作命令を入力として部品クラスを作成する。監視対象装置110の駆動部品の個数、及び種類は既知であるので、部品クラス作成部203は、例えば、まず種類の異なる駆動部品を異なるクラスに分類し、次に同一種類の駆動部品であっても動作タイミング(動作命令のタイミング)が異なるものを異なるクラスとして分類する。このようにして駆動部品のクラス数、及び各クラスがどのような駆動部品で構成されるかを示すクラス情報を作成することができる。
なお、ステップ302の処理は、部品クラスデータベース208を使用する場合(基本構成例(図4))は省略することができる。
(iii)ステップ303
信号分離部204は、ステップ302によって作成された部品クラス数を基に、デジタル変換された信号を部品クラスごとの信号に分離する。なお、部品クラスデータベース208を使用する場合(基本構成例(図4))は、部品クラス数の情報は、部品クラスデータベース208から得ることになる。
より詳細には、信号分離部204は、信号分離手法により複数部品の信号が混ざった信号を分離する。公知の信号分離手法として、独立成分分析や非負値行列因子分解などを適用すればよい。ここで、一般に信号分離手法を適用するためには、入力された混合信号をいくつの信号に分離するのかを決定する、分離信号の数をパラメータとして入力する必要がある。本実施形態では、この分離信号の数を分離信号数と呼ぶことにする。複数の駆動部品の信号が混ざった信号から異常部品の特定を行うためには、分離信号数を適切な値に設定する必要がある。
(iv)ステップ304
異常検知部205は、部品クラス作成部203から得られる部品クラス情報を基に正常モデルデータベース207から部品クラスごとの正常モデル情報を得て、分離後信号と正常モデル情報を照合して部品クラスごとに正常か異常かの判別を行う。なお、部品クラスデータベース208を使用する場合(基本構成例(図4))は、異常検知部205は部品クラスデータベース208から部品クラス情報を得ることになる。
(v)ステップ305
異常検知部205は、異常の部品クラスが存在するか、さらに異常の部品クラスが存在していた場合は異常クラスに含まれる駆動部品数が2以上かどうかを判定する。異常クラスが存在、かつ異常クラスに含まれる部品数が2以上の場合には、処理はステップ306に移行する。異常クラスがない場合、或いは異常クラスに含まれる部品数が1つの場合には、処理はステップ308に移行する。
(vi)ステップ306
信号分離部204は、分離信号数を2に設定して異常部品クラスの分離後信号をさらに分離する。
(vii)ステップ307
異常検知部205は、再度分離された信号を用いて2つのクラスそれぞれどちらが異常かを特定する。具体的には、異常検知部205が、2つのクラスごとに、分離された信号、あるいは信号のピーク値や平均値といった、信号から算出された1種類以上の数値と、正常モデルデータベース207に格納されている正常モデル情報を用いて部品クラスごとに異常か正常かを判別する。
(viii)ステップ308
結果出力部206は、異常と特定されたクラスに該当する部品を異常として出力する。異常クラスがない場合、全部品正常として結果出力を行う。一方、異常クラスがあっても、そのクラスに含まれる駆動部品が1個の場合は、その駆動部品が異常であるとして結果出力を行う。
<「部品クラス」という概念を導入する技術的効果>
(1)公知の信号分離手法が混合信号を適切に分離できない理由について
図8は、3つの駆動部品の振動が混ざった信号を、分離信号数を2、3、及び4に設定してそれぞれ信号分離を行った例を示す図である。
分離信号数を3に設定して分離した場合、部品A、部品B、部品Cの原信号にそれぞれ類似した3つの信号が出力されている。この場合、分離された信号ごとに異常検知を実施することで、それぞれの部品に異常があったときにその部品を特定することができる。
一方、分離信号数を2に設定して分離した場合、部品Aの原信号に類似した信号と、部品Bと部品Cの原信号の混合信号に類似した信号が出力されている。この場合、部品Aに異常があった場合、それを特定することができるが、部品Bと部品Cのどちらかの部品に異常があった場合、それを検知することはできても、部品Bと部品Cのどちらが異常かを特定することは困難である。分離信号数を4に設定して分離した場合、部品Aと部品Bの原信号に類似した信号が出力されるが、部品Cの原信号はさらに二つの信号に分離されて出力される。この場合、得られた2つの部品Cの分離信号は、どちらも正常時の部品Cの原信号と類似しないため、部品Cの正常モデルとも合致しなくなり、異常として誤検知される原因となる。よって、この例では、分離信号数を3に設定することが異常検知にとって最も適切であると言える。
多くの信号分離の適用例において、適切な分離信号数は、実際に信号を発している信号源の数である。例えば、複数の話者の音声が混ざった信号を分離するシステムの場合、最適な分離信号数は話者の数である。
しかしながら、装置の異常検知の場合、信号源数、すなわち信号を発する駆動部の数を分離信号数に設定しても、異常検知にとって効果的でないことがある。
図9を用いて、駆動部の数を分離信号数に設定することが異常検知にとって効果的でないかについて、より具体的に説明する。図9は、4個の同種の駆動部品と1個の駆動部品が駆動している時の収録振動信号を、分離信号数を駆動部品数である5に設定して信号分離を行った例を示す図である。部品B−1、B−2、B−3、及びB−4は同じ種類の部品である。部品Cは部品B−1、B−2、B−3、及びB−4とは異なる種類の部品である。これらの駆動部品の信号が混ざった信号を、分離信号数を信号源数、すなわち駆動部品数5に設定して分離を行うと、部品B−1、B−2、B−3、及びB−4の混合信号を2個に分離した信号と、部品Cの原信号がさらに2個に分離された信号、ほぼゼロの信号が出力されている。この場合、いずれの分離信号からも異常部品の特定に利用することができない。よって、従来のように信号源の数を分離信号数に設定することは、異常検知にとっては適切ではないと言える。
このような現象が起こるのは、公知の信号分離手法が同じタイミングで駆動する同じ種類の部品の信号同士を区別できないことに起因する。このことを、図10を用いて説明する。
図10は、公知の信号分離手法がそれぞれの信号を区別できる例と区別できない例を示す図である。原理的に、公知の信号分離手法がそれぞれの信号を別の信号として区別できる条件は、次の2つの条件のどちらかを満たすときである。1つ目の条件は、信号の形が異なることである。図10の例1はそれぞれの信号が異なる形状をしているので、区別可能である。2つ目の条件は、信号の生じるタイミングが異なる時間帯があることである。図10の例2は、信号の形は同じだが、信号の生じるタイミングが異なる時間帯があるため、それぞれの信号は区別可能である。例2において、タイミングが異なる時間帯がAD変換のサンプリング周期以上あれば、それ以外の時間帯、すなわち信号が同時に生じて混ざっている時間帯も分離可能である。
装置の異常検知において、1つ目の条件は、異なる種類の部品の信号は区別可能であることを意味し、2つ目の条件は、異なるタイミングで部品が駆動していることを意味する。図10の例3は、上記2つの条件どちらも満たさない場合、すなわち同じ種類の部品が同一のタイミングで駆動している場合である。この場合、公知の信号分離手法はそれぞれの信号を区別できず、同一の信号としてみなしてしまう。そして、原理的に公知の信号分離手法は、混合した信号を区別できる信号にしか分離できない。そのため、図9の例では、同一のタイミングで駆動する同種の部品B−1、B−2、B−3、及びB−4の信号が同一の信号とみなされ分離できず、結果的に駆動部品の原信号と類似しない信号が出力されている。
そこで、本開示の実施形態では、区別できない部品、すなわち同一タイミングで駆動する同種の部品を同一のクラスとしてまとめ、駆動部品数ではなくクラス数を分離信号数に設定して信号分離を行うこととしている。
(2)部品クラスを導入することの効果について
図11は、図9の例について、駆動部品ごとの動作タイミング情報を用いて駆動部品をクラスに分割した例と作成された部品クラス情報の例を示す図である。
図11の例において、駆動部品の動作タイミング情報を用いて、種類が同じかつ動作タイミングも同じ部品B−1、B−2、B−3、及びB−4は1つのクラスとしてまとめられている。図11右の表は、作成されたクラス情報で、クラスのインデクスと、そのクラスに含まれる部品名あるいはインデクス、そしてクラスの数により構成される。
各駆動部品の動作タイミングが予め決まっている場合は、動作タイミング情報を製品仕様から得て、予め部品クラス情報を作成し、それを部品クラスデータベース208に格納しておけばよい。そうでない場合、動作タイミング情報は、例えば監視対象装置110側の中央演算装置111あるいは制御基板112からの信号を用いて得ることが可能である(図5及び6参照)。
図12は、図9の例について、作成したクラスの数である2に分離信号数を設定して信号分離を行った例を示す図である。この場合、分離結果として、部品B−1、B−2、B−3、及びB−4の信号が混ざった信号と、部品Cの原信号にそれぞれ類似した信号が出力される。この時点で、部品Cの分離信号を用いて異常検知することで、部品Cに異常があった場合、それを特定することが可能となる。これは、図9において駆動部品数5を分離信号数に設定して結果異常検知に有効でない分離結果を得るよりも、クラス数2に設定して分離した方が異常検知にとって有効な分離結果が得られることを意味している。
次に、図9および図12の例で、仮に部品B−1、B−2、B−3、B−4のいずれかが異常であった場合の特定方法を説明する。
図13は、図9および図12の例において部品B−4が異常であった場合の特定方法を示す図である。
仮に、部品B−1、B−2、B−3、及びB−4の中に異常な部品が含まれていて、かつその異常が音や振動などの信号に現れるのであれば、同じ種類の部品同士であっても、異常部品の信号は他の正常部品の信号と異なる形状をする。これは、前述の信号分離手法が信号を区別できる条件の1つ目を満たすため、正常部品と異常部品を区別し、分離することができる。
<具体的異常診断処理の内容:図13の場合>
図13の場合の異常診断処理について図7のフローチャートに従って説明する。なお、ここでは異常診断システム100が基本構成を採る場合で説明することとする。従って、ステップ302の処理は実行されない。
図13において、センサ101で信号を観測し、AD変換を行う(ステップ301)時点では、まだ部品に異常があるかどうかは未知である。従って、部品の動作情報から部品クラスを作成、あるいは部品クラスデータベース208から読み込んで得たクラス数2を分離信号数に設定して信号分離を行う(ステップ303)。分離結果として、部品Cの信号と、部品B−1、B−2、B−3、及びB−4の混合信号が得られる。
分離された信号それぞれについて異常検知を行い(つまり、部品クラスごとに異常検知を行う)、部品B−1、B−2、B−3、及びB−4のクラスに異常があることが検知される(ステップ304)。ここで、異常クラスに含まれる部品数が2以上であるので(ステップ305)、クラスに含まれる部品の中からどの部品が異常かを特定するため、分離信号数を2に設定する。
そして、部品B−1、B−2、B−3、及びB−4の混合信号を再度信号分離する(ステップ306)。分離結果として、正常である部品の混合信号と、異常である部品の信号にそれぞれ類似した信号が得られる。さらに、分離された2つの信号についてそれぞれ異常検知を行うことで、どちらの信号が異常かを判定する(ステップ307)。
ここで、異常と判定された信号が、部品B−1、B−2、B−3、及びB−4のどの部品の信号かを知る必要がある。このためには、センサを2つ以上設置し、各センサで収録された信号の振幅差や位相差を用いて特定を行う。これは、部品の位置によって各センサに信号が収録される時間や強さが異なる点に着目した手法で、公知の手法としては白色化相互相関法などがあり、それらを使えばよい。
また、異常検知は、分離された信号、あるいはその信号を用いて何らかの計算処理によって算出された1個ないし複数個の数値と、正常モデルデータベース207に格納された正常モデルを用いて行う。正常モデルデータベース207に格納する情報は、用いる異常検知手段によって異なる。例えば従来の正規分布を使った異常検知であれば、正常モデルデータベース207に格納する情報は、正常な部品の信号あるいは前記の数値の平均値と分散値である。他に用いられる異常検知手段としては、混合正規分布や1−classサポートベクターマシンなどがある。異常検知の結果は、例えば診断対象装置110に備え付けたモニタや、ネットワーク経由で接続された別のPCを経由したモニタなどのユーザインタフェース上、あるいは、監視対象装置110側の中央演算装置111などに出力する。
B.第2の実施形態
<異常診断システムのハードウェア構成>
(1)基本のハードウェア構成
第2の実施形態による異常診断システムは、第1の実施形態による異常診断システム100と同様のハードウェア構成を備えている。
ただし、第1の実施形態の基本構成では、記憶媒体105は、例えば、正常モデルデータベース207と、部品クラスデータベース208と、を格納しているが、第2の実施形態の基本構成では、記憶媒体105は、正常モデルデータベース207と、信号分離に用いるセンサを特定するための情報を示すセンサセットテーブル(単に、センサセット情報とも言う)1402と、動作シーケンスにおいて駆動する部品を特定するための情報を示す部品動作シーケンス1403と、を格納している。
中央演算装置103は、記憶媒体105に格納されたセンサセットテーブル1402と、部品動作シーケンス1403を読み込み、現在駆動している部品と、駆動部品に対応したセンサセットを得る。中央演算装置103はメモリ104に格納されたセンサ信号の中からセンサセットで指定されるセンサ信号を読み込んで信号分離を行う。中央演算装置103は記憶媒体105に格納された正常モデルデータベース207を読み込んで、部品ごとに異常検知する。これら一連の処理は、中央演算装置103が、記憶媒体105に格納された、異常診断プログラムに基づいて実行することができる。
なお、基本構成では、中央演算装置103は記憶媒体105に格納された部品動作シーケンス1403を読み込むことで現在駆動している部品の情報を得ている。これは、部品が事前に定められた有限のシーケンスに沿って動く場合において有効な手段である。一方、部品の動作タイミングを事前に定められていない場合や、動作シーケンスが大量にある場合においては、部品駆動情報を監視対象装置110から直接得る方法が有効である。当該方法について、第2の実施形態による変形例1及び変形例2として説明する。
(2)変形例1のハードウェア構成
第2の実施形態の変形例1による異常診断システムは、第1の実施形態の変形例1による異常診断システム100と同様のハードウェア構成を備えている。また、第1の実施形態の変形例1と同様に、中央演算装置103は、例えば、監視対象装置110に搭載された中央演算装置111から得られる部品動作命令を用いて、現在駆動している部品情報を得ている。
ただし、第1の実施形態の変形例1では、記憶媒体105は、例えば、正常モデルデータベース207を格納しているが、第2の実施形態の変形例1では、記憶媒体105は、正常モデルデータベース207と、信号分離に用いるセンサを特定するための情報を示すセンサセットテーブル(単に、センサセット情報とも言う)1402と、を格納している。
(3)変形例2のハードウェア構成
第2の実施形態の変形例2による異常診断システムは、第1の実施形態の変形例2による異常診断システム100と同様のハードウェア構成を備えている。また、第1の実施形態の変形例2と同様に、中央演算装置103は、監視対象装置110に搭載された制御基板112から得られる電気信号を用いて部品の駆動情報を得ている。
ただし、第1の実施形態の変形例2では、記憶媒体105は、例えば、正常モデルデータベース207を格納しているが、第2の実施形態の変形例2では、記憶媒体105は、正常モデルデータベース207と、信号分離に用いるセンサを特定するための情報を示すセンサセットテーブル(単に、センサセット情報とも言う)1402と、を格納している。
(4)基本構成、変形例1及び2における共通事項
異常診断に関する一連の処理は、記憶媒体105に格納された異常診断プログラムに基づいて、中央演算装置103により実行される。
また、中央演算装置103が行った異常検知結果は、例えば診断対象装置110に備え付けたモニタや、ネットワーク経由で接続された別のPCを経由したモニタなどのユーザインタフェース上に出力することができる。また、異常検知結果を監視対象装置110側の中央演算装置111に送り、異常検知結果に従って監視対象装置110を停止することもできる。
なお、当該システムで用いるセンサ101の種類としては、例えば振動センサやマイクロホンがある。センサ101は、診断対象となる駆動部品113の信号が伝わる場所に設置する。例えば、マイクロホンの場合は音が空気中を伝わって届く範囲内、振動センサの場合は振動が筐体中を伝わって届く範囲内に設置する。同一タイミングで動く同種の駆動部が複数含まれるとき、その同種、同一タイミング駆動の複数の部品の中から異常部品を特定する場合、同一部品クラス内での信号分離が必要となり、センサは2個以上必要である。駆動部品の設置位置とセンサの設置位置との関係から異常信号を多く含む信号を収録するセンサを特定できるからである。そうでない場合は、センサは1個でも良い。ただし、センサ数が多くなるほど分離性能および異常検知の信頼性は向上する。
AD変換部102は、センサ101から得られる信号がデジタル信号である場合は、導入しなくてもよい。
また、図1乃至3において、AD変換部102と中央演算装置103は直接接続されているが、例えばネットワークを介して接続されるようにしても良い。この場合、異常診断処理は遠隔的に実行されることになる。
<異常診断システムの機能構成>
(1)基本機能構成例
図14は、本開示の第2の実施形態による異常診断システム100の基本機能構成例を示すブロック図である。
当該異常診断システム100は、基本機能構成として、少なくとも1つのセンサ201と、センサで検知されたセンサ信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するAD変換部202と、センサセットテーブル1402と、部品動作シーケンス1403と、センサセットテーブル1402及び部品動作シーケンス1403を参照し、信号分離処理に必要なセンサ信号のみを信号分離部204に送信するセンサセット切替部1401と、センサ信号(デジタル信号)を駆動部品ごとに分離する信号分離部204と、正常モデルデータベース207と、異常検知部205と、結果出力部206と、を備えている。AD変換部202、センサセット切替部1401、信号分離部204、異常検知部205、及び結果出力部206は、中央演算装置(プロセッサ)103によって動作するプログラムで構成されていても良い。センサセットテーブル1402及び部品動作シーケンス1403については後述する(図18参照)。
センサ201が観測したアナログ信号は、AD変換部202によってデジタル信号に変換される。
センサセット切替部1401は、変換されたデジタル信号の中から、信号分離処理に必要なセンサ信号のみを信号分離部204に送信する。このとき、センサセット切替部1401は、部品動作シーケンス1403から現在駆動している部品情報を取得し、センサセットテーブル1402から駆動している部品に対応したセンサセット情報を取得する。
信号分離部204は、センサセット切替部1401から入力された信号を部品ごとの信号に分離し、異常検知部205に送信する。
異常検知部205は、部品ごとに分離された信号を用いて、部品ごとに正常か異常かの判別を行う。このとき、異常検知部205は、正常モデルデータベース207から部品クラスごとの正常モデル情報を取得する。また、異常検知部205は、部品ごとに分離された信号、あるいは信号のピーク値や平均値といった、信号から算出された1種類以上の数値と、正常モデル情報を用いて部品ごとに異常か正常かを判別する。
結果出力部206は、異常検知部205が判定した異常検知結果を出力する。出力先は、例えば診断対象装置110に備え付けたモニタや、ネットワーク経由で接続された別のPCを経由したモニタなどのユーザインタフェース上、あるいは、監視対象装置110側の中央演算装置111などである。なお、出力先はユーザの指示によって適宜変更できるようにしても良い。
(2)変形例1の機能構成例
図14の基本機能構成例では、センサセット切替部1401が、現在駆動している部品を知るために部品動作シーケンス1403より部品が動作するタイミング情報を取得しているが、前述の通り、駆動部品の情報は監視対象装置110から直接得ることもできる。この場合、部品動作シーケンス1403は必要なく、以下説明する変形例1及び2では、代わりに監視対象装置から送信される部品動作命令情報を入力として、現在駆動している部品を検知するための駆動部品検知部1501が必要になる。
図15は、変形例1の異常診断システム100における、部品の動作命令情報を監視対象装置110側の中央演算装置111から入力した場合の機能ブロック図である。ここでは、監視対象装置110側の中央演算装置111が部品ごとの動作命令情報を駆動部品検知部1501に送信する。そして、駆動部品検知部1501は、部品動作命令情報を基に現在駆動している部品情報をセンサセット切替部1401に出力する。そして、センサセット切替部1401は、センサセットテーブル1402から現在駆動している部品の信号を分離するために用いるセンサの情報を取得し、AD変換部202から提供されるデジタル信号の中から当該センサからの信号を特定し、取得する。
信号分離部204以降の処理については、基本機能構成例と同様であるので、説明は省略する。
(3)変形例2の機能構成例
図16は、変形例2の異常診断システム100における、部品の動作情報を監視対象装置110側の制御基板112から入力した場合の機能ブロック図である。ここでは、監視対象装置側の制御基板112が各部品113へ供給している電気信号を分岐させてAD変換部202へ送る。AD変換部202は、電気信号をデジタル信号に変換し、駆動部品検知部1501へ出力する。そして、駆動部品検知部1501は、電気信号のデジタル値を基に現在駆動している部品情報をセンサセット切替部1401に出力する。そして、センサセット切替部1401は、センサセットテーブル1402から現在駆動している部品の信号を分離するために用いるセンサの情報を取得し、AD変換部202から提供されるデジタル信号の中から当該センサからの信号を特定し、取得する。
信号分離部204以降の処理については、基本機能構成例と同様であるので、説明は省略する。
(4)その他
駆動部品113の動作するタイミングがあらかじめ決まっている場合であれば、駆動部品検知部1501を設ける必要はない。この場合、部品動作シーケンス1403を装置設計時に構築しておくことにより、監視対象装置と本異常検知装置を接続する必要が無くなる。一方、駆動部品113の動作するタイミングが一定でない場合、例えば周囲環境によって部品113の動作するタイミングに変化するような装置が監視対象である場合には、部品動作シーケンス1403を用いるよりも駆動部品検知部1501を導入した方が、配線や計算量は増えるが、精度よく異常を検知することが可能となる。
<異常診断処理の内容>
図17は、本開示の第2の実施形態による異常診断システム100において実行される異常診断処理を説明するためのフローチャートである。ここでは、図15(変形例1)や図16(変形例2)のように駆動部品検知部1501を導入した場合の例の異常診断処理内容について説明する。
(i)ステップ401
診断対象装置110稼働中において、センサ201が部品の信号を受信し、AD変換部202がセンサ信号をデジタル信号に変換する。
(ii)ステップ402
駆動部品検知部1501は、中央演算装置111或いは制御基板112から入力される部品ごとの動作命令(制御基板112から提供される場合にはAD変換部202を経由する)に基づいて現在駆動している部品を検知する。なお、基本機能構成において、部品動作シーケンス1403を使用する場合、センサセット切替部1401は、監視対象装置110を稼働させてから経過した時間と、部品動作シーケンス1403で定義された、時刻ごとの駆動する部品とを照らし合わせることで、駆動部品を知ることになる。
(iii)ステップ403
センサセット切替部1401は、現在駆動している部品に対応するセンサセットを、センサセットテーブル1402から取得する。
(iv)ステップ404
センサセット切替部1401は、AD変換部202から送信されたセンサ信号の中から、センサセットで指定されたセンサ信号のみを信号分離部204へ送信する。
(v)ステップ405
信号分離部204は、センサセット切替部1401から送信されたセンサ信号を入力として、部品ごとの信号に分離する。
(vi)ステップ406
異常検知部205は、正常モデルデータベース207から部品ごとの正常モデル情報を得て、分離後信号と正常モデル情報を比較し、部品ごとに正常か異常かの判別を行う。
(vii)ステップ407
結果出力部206は、異常検知部205による判定結果(異常検知結果)を出力する。
<センサセット切替処理の具体例>
図18は、第2の実施形態の基本構成におけるセンサセット切替部1401の処理の具体例を示す図である。また、図18は、センサセットテーブル1402及び部品動作シーケンス1403のそれぞれの具体例についても示している。図18では、一例として、A、B、C、D、及びEの部品が駆動する装置に対して、センサ1、2、3、及び4を用いて異常診断を実施する。
AD変換部202は、常に4個のアナログ信号をデジタル信号に変換し、出力する。信号分離部204は、入力された複数センサ信号を用いて、部品ごとの信号に分離する。信号分離手法として、例えば、公知の独立成分分析などが用いられる。分離された信号は、後段の異常検知部205へ送信され、異常検知が実施される。一般に、信号分離手法は、処理に用いるセンサ信号の数が多いほど、多くの部品の信号を高品質に分離可能になる。しかし、センサ信号の数が多いほど処理量も増えるため、演算装置もより大規模なものが求められる。ここで、演算装置の規模によって、処理に用いることが可能なセンサ信号の数が2個に限定されているとすると、常に同じ2個のセンサのみを用いて信号分離を行うことになり、4個のセンサを用いたときと比較して信号分離性能は低下する。例えば、常にセンサ1及び2のみを用いて信号分離を行った場合、センサ1及び2から離れている部品Eの信号を高品質に分離することは困難となる。そこで、本実施形態では、多くの装置において、駆動する部品は時間ごとに異なる点に着目し、時間ごとに、その時駆動している部品に応じて、駆動部品の分離に最適なセンサのセットを切り替えることで、センサ信号数減少による信号分離の性能低下を抑える。
図18では、センサセット切替部1401は、現在どの部品が駆動しているかを知るために、時刻と駆動部品の対で定義される部品動作シーケンス1403から、時刻ごとの駆動部品の情報を取得する。そして、センサセット切替部1401は、現在の時刻と照らし合わせることで、現在駆動している部品を検知する。この駆動部品検知の処理は、図17のステップ402のように、監視対象装置から出力される部品ごとの動作命令を使って、駆動部品検知部1501により検知することも可能である。
センサセット切替部1401は、現在駆動している部品情報を取得した後、駆動部品とセンサセットの対で定義されるセンサセットテーブル1402を用いて、現在駆動している部品の分離に最適なセンサセットの情報を取得する。また、センサセット切替部1401は、AD変換部202より出力された4つのセンサ信号の中から、取得したセンサセットで指定された2つのセンサ信号のみを信号分離部204へ出力する。
このように、センサセット切替部1401が時間ごとに分離に最適なセンサセットを切り替えることにより、センサ信号数減少による信号分離性能の低下を抑えることができるようになる。
そして、信号分離部204によって部品ごとに分離された信号は、異常検知部205に送信され、異常検知部205によって異常検知処理が実施される。異常検知処理は、分離された信号、あるいはその信号を用いて何らかの計算処理によって算出された1個ないし複数個の数値と、正常モデルデータベース207に格納された正常モデルを用いて行われる。正常モデルデータベース207に格納される情報は、用いる異常検知手段によって異なる。例えば、従来の正規分布を使った異常検知であれば、正常モデルデータベース207に格納する情報は、正常な部品の信号あるいは前記の数値の平均値と分散値となる。他に用いられる異常検知手段としては、混合正規分布や1−classサポートベクターマシンなどがある。異常検知の結果は、例えば診断対象装置110に備え付けたモニタやネットワーク経由で接続された別のPCを経由したモニタなどのユーザインタフェース上、あるいは、監視対象装置110側の中央演算装置111などに出力される。
C.まとめ
(1)第1の実施形態では、異常診断システム100は、監視対象装置110の複数の駆動部品(駆動部と呼ぶことも可能である)が出力する信号をセンサで検知し、そのセンサからの信号(入力信号)を駆動部品の部品クラスごとに、入力信号を分離する。そして、異常診断システム100は、分離された信号ごとに、部品クラスごとの信号モデルとの比較を行い、部品クラスごとに異常の有無を検知する。ここで、部品クラスの数は、駆動部品の数よりも少ない。また、部品クラスは、異なる種類の駆動部であるか否か、或いは同種の駆動部であって動作タイミングが異なるか否か、によって分類された駆動部品のグループを示す情報である。そして、部品クラスの情報は、監視対象装置に含まれる駆動部品の部品クラスの数と、各部品クラスに含まれる駆動部品の情報と、を含む。このように「部品クラス」という概念を導入して駆動部品の異常診断を実行することにより、同一タイミングで動く複数の駆動部品を含む監視対象装置における異常部品を特定することが可能となる。
本実施形態では、部品クラスの情報は、監視対象装置について予め用意されている部品クラスデータベース208に格納されている。このように予め部品クラスの情報を用意しているので、駆動部品を容易に分類して異常診断処理を実行することができ、正確な異常診断結果を得ることができる。一方、変形例では、駆動部品ごとの動作タイミング情報に基づいて、部品クラスの情報を作成する処理を実行するようにしている。具体的に、変形例1では、異常診断システム100は、監視対象装置110の中央演算装置(プロセッサ)111から出力される駆動部品ごとの動作命令を受信し、それに基づいて部品クラスの情報を作成する。また、変形例2では、異常診断システム100は、監視対象装置110の制御基板112から各駆動部品に供給される電気信号を受信し、それに基づいて部品クラスの情報を作成する。このようにすることにより部品クラスデータベースを予め設けなくても駆動部品を分類して異常診断処理を実行することができ、正確な異常診断結果を得ることができるようになる。なお、変形例1及び2の場合であっても、異常診断システム100は、監視対象装置110の駆動部品の数及び種類を認識しているものとする。
また、異常診断システム100は、異常が検知された部品クラスに複数の駆動部品が含まれる場合(同一動作タイミングの複数の駆動部品の一部に異常がある場合)、当該部品クラスに対応する分離された信号をさらに(再度)分離する。分離数は、例えば「2」とすることができる。そして、異常診断システム100は、再度分離された信号と異常が検知された部品クラスの信号モデル(正常な信号)とを比較することにより駆動部の異常を検知する。このようにすることにより、異常を示す部品クラスの駆動部品(複数個)から少なくとも1つの異常部品を特定すればよいため処理が単純になり、正確に異常診断を実行することができるようになる。
(2)第2の実施形態では、異常診断システム100は、監視対象装置110の複数の駆動部品(駆動部と呼ぶことも可能である)が出力する信号をセンサで検知し、そのセンサからの信号(入力信号)から、駆動シーケンスにおける時間ごとに駆動する駆動部の情報に基づいて、センサ信号のセットを切り替える。そして、異常診断システム100は、駆動部ごとに入力信号を分離し、当該分離された信号と駆動部の信号モデルとを比較することにより、駆動部の異常の有無を検知する。このように駆動シーケンスの時間ごとに駆動する駆動部を特定し、入力信号(センサ信号)を分離して駆動部ごとに異常診断を実行するので、より正確に異常診断を行うことが可能となる。特に、部品(駆動部)の数に対して比較的小規模な異常診断システムであっても高精度に信号分離を行い、異常検知することが可能となる。
具体的に、第2の実施形態(基本構成、変形例1及び2において共通)においては、駆動部ごとに用いられるセンサセット(センサの組み合わせ)を定義するセンサセットテーブル1402が記憶媒体105に用意されている。そして、異常診断システム100は、センサセットテーブル1402を参照して、現在駆動している駆動部からの信号を検知して得られたセンサ信号を特定するようにしている。当該センサセットテーブル1402は、各駆動部からの信号を検知するために適切なセンサセットを定義しているので、高精度に信号を分離することができ、異常検知結果としても正確な結果を提供することができるようになる。
第2の実施形態の基本構成においては、駆動シーケンスにおける各駆動部の動作タイミングを定義する駆動部シーケンス情報(部品動作シーケンス1403)が記憶媒体105に用意されている。そして、異常診断システム100は、部品動作シーケンス1403を参照して、駆動シーケンスにおける駆動部の動作タイミングを示す情報(部品動作ミング情報:図18参照)を取得する。予め各駆動部の動作タイミングが分かっている場合には基本構成のように予め部品動作シーケンス1403を用意しておくとシステムにおける処理が単純となる。一方、第2の実施形態の変形例1及び2では、異常診断システム100は、監視対象装置110の中央演算装置111或いは制御基板112から出力される駆動部動作命令に基づいて、駆動シーケンスにおける動作中の駆動部を検知するようにしている。変形例1及び2のような構成は、予め各駆動部の動作タイミングが不明な場合に有効である。
(3)本開示の実施形態の機能は、ソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或は装置に提供し、そのシステム或は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本開示を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
また、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータ上のメモリに書きこまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータのCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。
さらに、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することにより、それをシステム又は装置のハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD−RW、CD−R等の記憶媒体に格納し、使用時にそのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしても良い。
最後に、ここで述べたプロセス及び技術は本質的に如何なる特定の装置に関連することはなく、コンポーネントの如何なる相応しい組み合わせによってでも実装できることを理解する必要がある。更に、汎用目的の多様なタイプのデバイスがここで記述した教授に従って使用可能である。ここで述べた方法のステップを実行するのに、専用の装置を構築するのが有益であることが判るかもしれない。また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。本開示は、具体例に関連して記述したが、これらは、すべての観点に於いて限定の為ではなく説明の為である。本分野にスキルのある者には、本開示を実施するのに相応しいハードウェア、ソフトウェア、及びファームウエアの多数の組み合わせがあることが解るであろう。例えば、記述したソフトウェアは、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
さらに、上述の実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていても良い。
100 異常診断システム
101 センサ
102 AD変換部
103 中央演算装置(異常診断システム側)
104 メモリ
105 記憶媒体
110 監視(診断)対象装置
111 中央演算装置(監視対象装置側)
112 制御基板
113 駆動部品
201 センサ
202 AD変換部
203 部品クラス作成部
204 信号分離部
205 異常検知部
206 結果出力部
207 正常モデルデータベース
208 部品クラスデータベース
1401 センサセット切替部
1402 センサセットテーブル
1403 部品動作シーケンス
1501 駆動部品検知部

Claims (19)

  1. 対象装置の複数の駆動部の異常を診断する異常診断システムであって、
    異常診断処理を実行するためのプログラムを格納する格納デバイスと、
    前記格納デバイスから前記プログラムを読み込み、前記異常診断処理を実行するプロセッサと、を備え、
    前記プロセッサは、
    前記複数の駆動部が出力する信号を検知するセンサからの信号を入力信号として取得する信号取得処理と、
    前記駆動部の部品クラスごとに、前記入力信号を分離する信号分離処理と、
    前記分離された信号ごとに、前記部品クラスごとの信号モデルとの比較を行い、前記部品クラスごとに異常の有無を検知する異常検知処理と、
    を実行し、前記部品クラスの数は、前記駆動部の数よりも少ない、異常診断システム。
  2. 請求項1において、
    前記部品クラスは、異なる種類の駆動部であるか否か、或いは同種の駆動部であって動作タイミングが異なるか否か、によって分類された前記駆動部のグループを示す情報である、異常診断システム。
  3. 請求項1において、
    前記駆動部の前記部品クラスの情報は、前記対象装置に含まれる前記駆動部の前記部品クラスの数と、各部品クラスに含まれる駆動部の情報と、を含む、異常診断システム。
  4. 請求項3において、
    前記部品クラスの情報は、前記対象装置について予め用意されている、異常診断システム。
  5. 請求項3において、
    前記プロセッサは、前記駆動部ごとの動作タイミング情報に基づいて、前記部品クラスの情報を作成する部品クラス作成処理をさらに実行する、異常診断システム。
  6. 請求項5において、
    前記部品クラス作成処理では、前記プロセッサは、前記対象装置のプロセッサから出力される駆動部ごとの動作命令を受信し、それに基づいて前記部品クラスの情報を作成する、異常診断システム。
  7. 請求項5において、
    前記部品クラス作成処理では、前記プロセッサは、前記対象装置の制御基板から各駆動部に供給される電気信号を受信し、それに基づいて前記部品クラスの情報を作成する、異常診断システム。
  8. 請求項1において、
    前記プロセッサは、前記異常が検知された前記部品クラスに複数の駆動部が含まれる場合、当該部品クラスに対応する前記分離された信号を再度分離する信号再分離処理を実行する、異常診断システム。
  9. 請求項8において、
    前記信号再分離処理では、前記プロセッサは、前記分離された信号をさらに2つの信号に分離する、異常診断システム。
  10. 請求項8において、
    前記プロセッサは、前記再度分離された信号と前記異常が検知された前記部品クラスの信号モデルとを比較することにより前記駆動部の異常を検知する処理を実行する、異常診断システム。
  11. 対象装置の複数の駆動部の異常を診断する異常診断方法であって、
    異常診断処理を実行するためのプログラムを格納する格納デバイスから前記プログラムを読み込み、前記異常診断処理を実行するプロセッサが、前記複数の駆動部が出力する信号を検知するセンサからの信号を入力信号として取得するステップと、
    前記プロセッサが、前記駆動部の部品クラスごとに、前記入力信号を分離するステップと、
    前記プロセッサが、前記分離された信号ごとに、前記部品クラスごとの信号モデルとの比較を行い、前記部品クラスごとに異常の有無を検知するステップと、を含み、
    前記部品クラスの数は、前記駆動部の数よりも少ない、異常診断方法。
  12. 請求項11において、
    前記部品クラスは、異なる種類の駆動部であるか否か、或いは同種の駆動部であって動作タイミングが異なるか否か、によって分類された前記駆動部のグループを示す情報である、異常診断方法。
  13. 請求項11において、
    前記駆動部の前記部品クラスの情報は、前記対象装置に含まれる前記駆動部の前記部品クラスの数と、各部品クラスに含まれる駆動部の情報と、を含む、異常診断方法。
  14. 請求項13において、
    前記部品クラスの情報は、前記対象装置について予め用意されている、異常診断方法。
  15. 請求項13において、
    前記プロセッサは、前記駆動部ごとの動作タイミング情報に基づいて、前記部品クラスの情報を作成する部品クラス作成ステップをさらに含む、異常診断方法。
  16. 対象装置の複数の駆動部の異常を診断する異常診断システムであって、
    異常診断処理を実行するためのプログラムを格納する格納デバイスと、
    前記格納デバイスから前記プログラムを読み込み、前記異常診断処理を実行するプロセッサと、を備え、
    前記プロセッサは、
    前記複数の駆動部が出力する信号を検知する複数のセンサからのセンサ信号を入力信号として取得する信号取得処理と、
    駆動シーケンスにおける時間ごとに駆動する駆動部の情報に基づいて、前記入力信号からセンサ信号のセットを切り替えるセンサセット切替処理と、
    前記駆動部ごとに前記入力信号を分離する信号分離処理と、
    前記信号分離処理において分離された信号と前記駆動部の信号モデルとを比較し、前記駆動部の異常の有無を検知する異常検知処理と、
    を実行する、異常診断システム。
  17. 請求項16において、
    前記格納デバイスは、さらに、駆動部ごとに用いられるセンサセットを定義するセンサセット情報を格納し、
    前記プロセッサは、前記センサセット切替処理において、前記センサセット情報を用いて前記センサ信号のセットを切り替える、異常診断システム。
  18. 請求項17において、
    前記格納デバイスは、さらに、駆動シーケンスにおける各駆動部の動作タイミングを定義する駆動部シーケンス情報を格納し、
    前記プロセッサは、前記センサセット切替処理において、前記駆動部シーケンス情報を参照して、前記駆動シーケンスにおける駆動部の動作タイミングを示す情報を取得する、異常診断システム。
  19. 請求項17において、
    前記プロセッサは、さらに、前記対象装置から出力される駆動部動作命令に基づいて、前記駆動シーケンスにおける動作中の駆動部を検知する駆動部検知処理を実行する、異常診断システム。
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