JP2020041001A - 骨髄増殖性疾患および骨髄増殖性腫瘍を処置するためのテロメラーゼ阻害剤の使用 - Google Patents

骨髄増殖性疾患および骨髄増殖性腫瘍を処置するためのテロメラーゼ阻害剤の使用 Download PDF

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Abstract

【課題】一般に処方されるこの疾患へのフロントライン治療に対して耐性があるまたはその結果として有害事象を経験した個体において、疾病の悪性表現型の原因である腫瘍前駆細胞を標的とする骨髄増殖性疾患または腫瘍、および骨髄異形成症候群に対する新規の処置を提供する。【解決手段】本発明は、上記疾病に特有の腫瘍前駆細胞を標的とすることによる、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、骨髄線維症(MF)、および急性骨髄性白血病(AML)などの骨髄増殖性腫瘍に伴う症状を処置および軽減するためにテロメラーゼ阻害剤化合物を使用する方法を提供する。【選択図】図1A

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年12月7日に出願された米国仮特許出願第61/734,941号、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/799,069号、2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/841,711号、および2013年11月5日に出願された米国仮特許出願第61/900,347号に対する優先権を主張し、それらの開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、本態性血小板血症(ET)などの骨髄増殖性疾患または骨髄増殖性腫瘍に伴う症状を処置するまたは予防するためのテロメラーゼ阻害剤化合物の使用方法に関する。
血液系悪性腫瘍は、骨髄などの血液形成組織の細胞内、または免疫系の細胞内で始まる癌の形態である。血液の癌の例としては、急性白血病および慢性白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫および骨髄異形成症候群が挙げられる。
骨髄増殖性腫瘍またはMPNは、赤血球、血小板および顆粒球の前駆細胞などの、骨髄の腫瘍性造血骨髄前駆細胞から生じる血液腫瘍である。腫瘍前駆細胞の増殖は、疾患に依存して、白血球、赤血球および/または血小板の任意の組み合わせの過剰産生をもたらす。これらの過剰に産生された細胞は、異常でもあり得、さらなる臨床合併症をもたらし得る。種々のタイプの慢性骨髄増殖性疾患がある。MPN疾病スペクトラムに含まれるものとしては、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、および慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄線維症(MF)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病および急性骨髄性白血病(AML)が挙げられる。骨髄異形成症候群(MDS)は、血液および骨髄の癌を含む症状の集合体である。骨髄異形成症候群(MDS)は、不応性貧血、芽球増加型不応性貧血、複数血球系異形成を伴う不応性血球減少症、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症、および慢性骨髄単球性白血病(CMML)などの疾病を含む。
本態性血小板血症
循環血液血小板は、少量の巨核球由来のmRNAおよび完全に機能的なタンパク質の生合成能力を保持するが、無核である。(Gnatenkoら、Blood101,2285−2293(2003))。本態性血小板血症(ET)は、巨核球の腫瘍性増殖の増加、循環血小板の数の上昇、および考慮すべき血栓性および出血性イベント、しばしば神経症状によって特徴づけられる骨髄増殖性疾患のサブタイプである(Nimer,Blood93,415−416(1999))。ETは、男女に等しい頻度で見られるが、30歳での付加的な女性の発生率のピークにより、この年齢以降の女性の明らかに高い疾病有病率が説明され得る。ETの分子基盤は確立されたままであるが、歴史的に「クローナルな」疾患であると考えられてきた。(El−Kassarら、Blood89,128(1997);「Evidence that ET is a clonal disorder with origin in a multipotent stem cell」PJ Fialkow,Blood1981 58:916−919)。ET血小板のサブセットに明白な血小板容積の誇張の他には、細胞は、それらの正常な対応物から形態学的に区別がつかないままである。ETについて現在利用可能な機能的または診断的試験はなく、他の起こり得る血液疾患の排除によって診断されるままである。年間100,000件中2〜3件の発病率推定は、他のタイプの白血病と矛盾しないが、有病率は、ETに伴う低死亡率のために、少なくとも10倍高い。
ETについての現在の治療は、主に血栓性/出血性出来事の予防に焦点を当て、血液血小板レベルの非特異的減少を必然的に含む。しかしながら、これらの存在する治療法に、病態の原因となる悪性腫瘍を駆り立てる腫瘍前駆細胞に特異的に焦点を当てているものはない。例えば、細胞毒性化学療法を用いたETの処置は、腫瘍細胞を減量させるが、残留前駆細胞を残していく。これは結果として、前駆細胞から新規の腫瘍細胞が生じ、病態の継続がもたらされる。加えて、ETを有する多くの個体が、ヒドロキシウレアなどのフロントライン処置への耐性を生じるか、または有害な副作用のためにこれらの薬物をまとめて使用中止する。
真性多血症
真性多血症(PV)の患者は、赤血球産生の増加を示す。処置は、赤血球の余剰数を減少させることを対象とする。PVは、血球減少および骨髄低形成および線維症を伴う原発性骨髄線維症に類似するその後期において段階を発展させ得る。in−vitroで増殖の増加および造血性前駆体の生存を引き起こす、染色体9上のヤヌスキナーゼ2遺伝子(JAK2)の遺伝子変異がPVを有する患者の大半で同定されている。PVを有する患者は、心血管および血栓性事象および急性骨髄性白血病または原発性骨髄線維症への形質転換のリスクが増大する。PVの処置は、ヘマトクリット値を男性で45%未満、女性で40%未満に維持するために間欠的な慢性の瀉血を含む。他の可能な処置としては、ヒドロキシウレア、インターフェロン−α、および低用量アスピリンを含む(includee)。
骨髄線維症
骨髄線維症またはMF、または原発性骨髄線維症は、ETと同一の疾病スペクトラムの骨髄増殖性腫瘍である。MFを有する患者はしばしば、その骨髄にJAK2 V617F変異がある。時折、ETはMFへと進展する。JAK2阻害は、ヤヌスキナーゼ阻害剤である、ルキソリチニブ(Jakafi(登録商標))が承認されている国ではMFに対する標準治療であると現在考えられている。Jakafi(登録商標)などの、JAK2阻害剤が、疾病の原因である白血病性クローンの増殖を選択的に阻害するという証拠はなく、ゆえにそれらは「疾患修飾」ではない可能性がある。
急性骨髄性白血病
急性骨髄性白血病(AML)は骨髄系の血球(myeloid line of blood cell)の癌である。AMLは、成人に影響する最も一般的な急性白血病である。AMLを有する患者は、骨髄に蓄積し正常な血球の産生を妨害する異常白血球の急速な増殖を有する。正常な骨髄と白血球細胞を置き換えると赤血球、血小板、および正常な白血球を減少させる。AMLの症状は、疲労、息切れ、青あざや出血が起こりやすくなる、感染のリスクの増加を含む。急性白血病のように、AMLは急速に進行し、処置せずにいると一般的には数週間または数か月で死に至る。AMLに対する標準治療は、寛解を誘導することを目指した化学療法を用いる処置であり、患者は造血幹細胞移植を受けることになり得る。
骨髄異形成症候群
骨髄異形成症候群(MDS)は、血液および骨髄の癌を含む症状の集合体である。骨髄異形成症候群(MDS)は、不応性貧血、芽球増加型不応性貧血、複数血球系異形成を伴う不応性血球減少症、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症、および慢性骨髄単球性白血病などの疾病を含む。未熟な血液幹細胞(芽球)は、健常な赤血球、白血球または血小板にならない。芽球は、骨髄内または血液へと移動した直後に死亡する。これが、健常な白血球、赤血球および/または血小板を骨髄内で形成するための余地を減らす。
骨髄異形成症候群(MDS)は、骨髄クラスの血球(myeloid class of blood cell)の無効造血を必然的に含む血液学的医学的症状の集合体である。MDSを有する患者は、しばしば重症貧血症を発症し、頻回の輸血を必要とする。低または機能疾患性の血小板および好中球を要因として、それぞれ、出血および感染のリスクも起こる。疾病が悪化し、患者は進行性の骨髄機能不全によって引き起こされる血球減少症(低血球数)を発症する場合もある。疾病が急性骨髄性白血病(AML)へと形質転換する場合もある。骨髄芽球の全体割合が特定のカットオフ(WHOについては20%およびFABについては30%)を超えて上昇すれば、急性骨髄性白血病(AML)への形質転換が起きたと言われる。
それゆえ、特に一般に処方されるこの疾患へのフロントライン治療に対して耐性があるまたはその結果として有害事象を経験した個体において、疾病の悪性表現型の原因である腫瘍前駆細胞を標的とする、ET、PV、MF、CMLおよびAMLなどの骨髄増殖性疾患または腫瘍、および骨髄異形成症候群に対する新規の処置が必要とされる。
この明細書全体を通して、種々の特許、特許出願および他のタイプの刊行物(例えば、雑誌記事)が参照される。本明細書に引用するすべての特許、特許出願、および刊行物の開示は全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
El−Kassarら、Blood89,128(1997);「Evidence that ET is a clonal disorder with origin in a multipotent stem cell」PJ Fialkow,Blood1981 58:916−919
本明細書に提供される発明は、特に、これらの疾病に特有の腫瘍前駆細胞を標的とすることによる、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、骨髄線維症(MF)、および急性骨髄性白血病(AML)などの骨髄増殖性腫瘍に伴う症状を処置および軽減するためにテロメラーゼ阻害剤化合物を使用するための方法を開示する。本明細書に提供される発明は、特に、これらの疾病に特有の異常に高い数の細胞の産生の原因である腫瘍前駆細胞を標的とすることによる、例えば、不応性貧血、芽球増加型不応性貧血、複数血球系異形成を伴う不応性血球減少症、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症、および慢性骨髄単球性白血病などの骨髄異形成症候群(MDS)に伴う症状を処置および軽減するためにテロメラーゼ阻害剤化合物を使用するための方法も開示する。
従って、一態様では、それを必要とする個体における、骨髄増殖性腫瘍に伴う少なくとも一つの症状を軽減するための方法を本明細書に提供し、該方法は、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与が骨髄増殖性腫瘍に伴う少なくとも一つの症状を軽減することを特徴とする。いくつかの実施形態では、症状は、頭痛、眩暈または立ちくらみ、胸部痛、脱力感、失神、視力の変化、四肢の痺れまたは刺痛、発赤、四肢のずきずきした痛みまたは灼熱痛(紅痛症)、脾腫、鼻出血、紫斑、口または歯茎からの出血、血便、または脳卒中を含む。いくつかの実施形態では骨髄増殖性腫瘍は、例えば、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、骨髄線維症(MF)、および急性骨髄性白血病(AML)である。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはテロメラーゼのRNA成分に相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは10〜20塩基対の長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列TAGGGTTAGACAAを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つのN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、複数のN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する脂質部分をさらに含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分は、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する。いくつかの実施形態では、リンカーは、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分はパルミトイル(C16)部分である。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はimetelstatである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は薬学的に許容され得る賦形剤と共に投与される。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、経口、静脈内、皮下、筋肉内、局所、腹腔内、鼻腔内、吸入、または眼内投与用に製剤化される。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、治療有効量のテロメラーゼ阻害剤の投与は、一つ以上の腫瘍前駆細胞とテロメラーゼ阻害剤を接触させることを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.3mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、9.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、6.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.4mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン依存性巨核球増殖を阻害しない。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、個体は、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子にV617F機能獲得型変異がある。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、個体のJAK2 V617F遺伝子変異(allelic burden)の割合を低減させる。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン非依存性巨核球増殖を阻害する。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、CFU−megaを阻害する。いくつかの実施形態では、CFU−Megaの阻害は、JAK2遺伝子変異における減少とは独立している。いくつかの実施形態では、個体は、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法に耐性である、または不耐性である。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
従って、一態様では、それを必要とする個体における、本態性血小板血症に伴う少なくとも一つの症状を軽減するための方法を本明細書に提供し、該方法は、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与が本態性血小板血症に伴う少なくとも一つの症状を軽減することを特徴とする。いくつかの実施形態では、症状は、頭痛、眩暈または立ちくらみ、胸部痛、脱力感、失神、視力の変化、四肢の痺れまたは刺痛、発赤、四肢のずきずきした痛みまたは灼熱痛(紅痛症)、脾腫、鼻出血、紫斑、口または歯茎からの出血、血便、または脳卒中を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはテロメラーゼのRNA成分に相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは10〜20塩基対の長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは配列TAGGGTTAGACAAを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つのN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは複数のN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する脂質部分をさらに含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分は、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する。いくつかの実施形態では、リンカーは、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分はパルミトイル(C16)部分である。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はimetelstatである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は薬学的に許容され得る賦形剤と共に投与される。明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、経口、静脈内、皮下、筋肉内、局所、腹腔内、鼻腔内、吸入、または眼内投与用に製剤化される。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、治療有効量のテロメラーゼ阻害剤の投与は、一つ以上の腫瘍前駆細胞とテロメラーゼ阻害剤を接触させることを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.3mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、9.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、6.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.4mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン依存性巨核球増殖を阻害しない。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、個体は、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子にV617F機能獲得型変異がある。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、個体のJAK2 V617F遺伝子変異の割合を低減させる。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン非依存性巨核球増殖を阻害する。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、CFU−megaを阻害する。いくつかの実施形態では、CFU−Megaの阻害は、JAK2遺伝子変異における減少とは独立している。いくつかの実施形態では、個体は、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法に耐性である、または不耐性である。いくつかの実施形態では、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法は、ヒドロキシウレア、アナグレリド、またはインターフェロンα−2Bである。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
別の態様では、骨髄増殖性腫瘍または骨髄異形成症候群を有すると診断されたまたは疑われる個体における、腫瘍前駆細胞の増殖を減少させるための方法を本明細書に提供し、該方法は、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与が個体の腫瘍前駆細胞の増殖を減少させることを特徴とする。いくつかの実施形態では骨髄増殖性腫瘍は、例えば、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、骨髄線維症(MF)、および急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、ETについて、腫瘍前駆細胞の増殖の減少は、結果として個体の血液中で約600×10/μL未満の血小板数をもたらす。いくつかの実施形態では、腫瘍前駆細胞の増殖の減少は、結果として個体の血液中で400×10/μL未満の血小板数をもたらす。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、個体は血栓塞栓症を経験しない。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、腫瘍細胞の増殖の減少は、結果として、テロメラーゼ阻害剤の投与開始後2か月以内またはそれ以下で、個体の血液中で約400×10/μL未満の血小板数をもたらす。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、腫瘍細胞の増殖の減少は、結果として、テロメラーゼ阻害剤の投与開始後1か月以内またはそれ以下で、個体の血液中で約400×10/μL未満の血小板数をもたらす。いくつかの実施形態では、個体は、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法に耐性である、または不耐性である。いくつかの実施形態では、例えばMFに対して、腫瘍前駆細胞の増殖の減少は、結果として、個体の血液中で約100×10/Lを超える血小板数をもたらす。いくつかの実施形態では、例えばMFに対して、腫瘍前駆細胞の増殖の減少は、結果として、少なくとも90g/L、または100g/Lまたは110g/Lまたは120g/Lの改変されたヘモグロビン値になる。いくつかの実施形態では、例えばMFに対して、腫瘍前駆細胞の増殖の減少は、結果として、少なくとも1.0×10/Lまたは少なくとも2.0×10/Lの改変された絶対好中球数になる。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはテロメラーゼのRNA成分に相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは10〜20塩基対の長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは配列TAGGGTTAGACAAを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つのN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは複数のN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する脂質部分をさらに含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分は、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する。いくつかの実施形態では、リンカーは、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分はパルミトイル(C16)部分である。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はimetelstatである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は薬学的に許容され得る賦形剤と共に投与される。明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、経口、静脈内、皮下、筋肉内、局所、腹腔内、鼻腔内、吸入、または眼内投与用に製剤化される。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、治療有効量のテロメラーゼ阻害剤の投与は、一つ以上の腫瘍前駆細胞とテロメラーゼ阻害剤を接触させることを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.3mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、9.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、6.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.4mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン依存性巨核球増殖を阻害しない。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、個体は、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子にV617F機能獲得型変異がある。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、個体のJAK2 V617F遺伝子変異の割合を低減させる。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン非依存性巨核球増殖を阻害する。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、CFU−megaを阻害する。いくつかの実施形態では、CFU−Megaの阻害は、JAK2遺伝子変異における減少とは独立している。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
別の態様では、本態性血小板血症を有すると診断されたまたは疑われる個体における、腫瘍前駆細胞の増殖を減少させるための方法を本明細書に提供し、該方法は、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与が個体の腫瘍前駆細胞の増殖を減少させることを特徴とする。いくつかの実施形態では、腫瘍前駆細胞の増殖の減少は、結果として、個体の血液中で約600×10/μL未満の血小板数をもたらす。いくつかの実施形態では、腫瘍前駆細胞の増殖の減少は、結果として、個体の血液中で約400×10/μL未満の血小板数をもたらす。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、個体は血栓塞栓症を経験しない。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、腫瘍細胞の増殖の減少は、結果として、テロメラーゼ阻害剤の投与開始後2か月以内またはそれ以下で、個体の血液中で約400×10/μL未満の血小板数をもたらす。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、腫瘍細胞の増殖の減少は、結果として、テロメラーゼ阻害剤の投与開始後1か月以内またはそれ以下で、個体の血液中で約400×10/μL未満の血小板数をもたらす。いくつかの実施形態では、個体は、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法に耐性である、または不耐性である。いくつかの実施形態では、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法は、ヒドロキシウレア、アナグレリド、またはインターフェロンα−2Bである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはテロメラーゼのRNA成分に相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは10〜20塩基対の長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは配列TAGGGTTAGACAAを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つのN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは複数のN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する脂質部分をさらに含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分は、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する。いくつかの実施形態では、リンカーは、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分はパルミトイル(C16)部分である。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はimetelstatである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は薬学的に許容され得る賦形剤と共に投与される。明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、経口、静脈内、皮下、筋肉内、局所、腹腔内、鼻腔内、吸入、または眼内投与用に製剤化される。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、治療有効量のテロメラーゼ阻害剤の投与は、一つ以上の腫瘍前駆細胞とテロメラーゼ阻害剤を接触させることを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.3mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、9.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、6.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.4mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン依存性巨核球増殖を阻害しない。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、個体は、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子にV617F機能獲得型変異がある。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、個体のJAK2 V617F遺伝子変異の割合を低減させる。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン非依存性巨核球増殖を阻害する。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、CFU−megaを阻害する。いくつかの実施形態では、CFU−Megaの阻害は、JAK2遺伝子変異における減少とは独立している。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
別の態様では、本態性血小板血症を有すると診断されたまたは疑われる個体の血液中、血小板数を約400×10/μL未満に維持するための方法を本明細書に提供し、該方法は、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与が個体の血小板数を約400×10/μL未満に維持することを特徴とする。いくつかの態様では、テロメラーゼ阻害剤は、2週間に1回以下で投与される。他の態様では、テロメラーゼ阻害剤は、個体の血液中、血小板数を約150×10/μLから約400×10/μL間に維持するために投与される。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはテロメラーゼのRNA成分に相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは10〜20塩基対の長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは配列TAGGGTTAGACAAを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つのN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは複数のN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する脂質部分をさらに含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分は、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する。いくつかの実施形態では、リンカーは、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分はパルミトイル(C16)部分である。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はimetelstatである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は薬学的に許容され得る賦形剤と共に投与される。明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、経口、静脈内、皮下、筋肉内、局所、腹腔内、鼻腔内、吸入、または眼内投与用に製剤化される。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、治療有効量のテロメラーゼ阻害剤の投与は、一つ以上の腫瘍前駆細胞とテロメラーゼ阻害剤を接触させることを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.3mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、9.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、6.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.4mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン依存性巨核球増殖を阻害しない。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、個体は、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子にV617F機能獲得型変異がある。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、個体のJAK2 V617F遺伝子変異の割合を低減させる。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン非依存性巨核球増殖を阻害する。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、CFU−megaを阻害する。いくつかの実施形態では、CFU−Megaの阻害は、JAK2遺伝子変異における減少とは独立している。いくつかの実施形態では、個体は、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法に耐性である、または不耐性である。いくつかの実施形態では、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法は、ヒドロキシウレア、アナグレリド、またはインターフェロンα−2Bである。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
従って、一態様では、それを必要とする個体における、真性多血症(PV)に伴う少なくとも一つの症状を軽減するための方法を本明細書に提供し、該方法は、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与が真性多血症に伴う少なくとも一つの症状を軽減することを特徴とする。いくつかの実施形態では、症状は、頭痛、眩暈または立ちくらみ、胸部痛、脱力感、失神、視力の変化、四肢の痺れまたは刺痛、息切れ、脱力感または疲労感、脾腫、鼻出血、紫斑、口または歯茎からの出血、または血便を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはテロメラーゼのRNA成分に相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは10〜20塩基対の長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは配列TAGGGTTAGACAAを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つのN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは複数のN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する脂質部分をさらに含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分は、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する。いくつかの実施形態では、リンカーは、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分はパルミトイル(C16)部分である。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はimetelstatである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は薬学的に許容され得る賦形剤と共に投与される。明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、経口、静脈内、皮下、筋肉内、局所、腹腔内、鼻腔内、吸入、または眼内投与用に製剤化される。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、治療有効量のテロメラーゼ阻害剤の投与は、一つ以上の腫瘍前駆細胞とテロメラーゼ阻害剤を接触させることを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.3mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、9.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、6.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.4mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、赤芽球の増殖を阻害する。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は赤芽球コロニー形成単位を阻害する。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、個体は、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子にV617F機能獲得型変異がある。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、個体のJAK2 V617F遺伝子変異の割合を低減させる。いくつかの実施形態では、個体は、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法に耐性である、または不耐性である。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
従って、一態様では、それを必要とする個体における、骨髄線維症に伴う少なくとも一つの症状を軽減するための方法を本明細書に提供し、該方法は、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与が骨髄線維症に伴う少なくとも一つの症状を軽減することを特徴とする。いくつかの実施形態では、症状は脾腫および脾臓痛、早期満腹感、貧血症、骨痛、疲労、発熱、盗汗、体重減少、脱力感、失神、鼻出血、紫斑、口または歯茎からの出血、血便、または脳卒中を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはテロメラーゼのRNA成分に相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは10〜20塩基対の長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは配列TAGGGTTAGACAAを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つのN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは複数のN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する脂質部分をさらに含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分は、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する。いくつかの実施形態では、リンカーは、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分はパルミトイル(C16)部分である。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はimetelstatである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は薬学的に許容され得る賦形剤と共に投与される。明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、経口、静脈内、皮下、筋肉内、局所、腹腔内、鼻腔内、吸入、または眼内投与用に製剤化される。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、治療有効量のテロメラーゼ阻害剤の投与は、一つ以上の腫瘍前駆細胞とテロメラーゼ阻害剤を接触させることを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.3mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、9.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、6.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.4mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン依存性巨核球増殖を阻害しない。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、個体は、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子にV617F機能獲得型変異がある。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、個体のJAK2 V617F遺伝子変異の割合を低減させる。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン非依存性巨核球増殖を阻害する。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、CFU−megaを阻害する。いくつかの実施形態では、CFU−Megaの阻害は、JAK2遺伝子変異における減少とは独立している。いくつかの実施形態では、個体は、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法に耐性である、または不耐性である。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
別の態様では、骨髄増殖性腫瘍または骨髄異形成症候群を有すると診断されたまたは疑われる個体における、骨髄繊維化を減少させるための方法を本明細書に提供し、該方法は、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与が個体の骨髄繊維化を減少させることを特徴とする。別の態様では、個体の血液中で約100×10/Lを超える血小板数を維持するための、MFを有する患者における方法を本明細書に提供し、該方法は臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与が血小板数を増加させることを特徴とする。別の態様では、ヘモグロビン値を少なくとも90g/L、または100g/Lまたは110g/Lまたは120g/Lに維持するための、MFを有する患者における方法を本明細書に提供し、該方法は臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与がヘモグロビン値を増加させることを特徴とする。別の態様では、絶対好中球数を少なくとも1.0×10/Lまたは少なくとも2.0×10/Lに維持するための、MFを有する患者における方法を本明細書に提供しを本明細書に提供し、該方法は臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与が好中球数を増加させることを特徴とする。いくつかの態様では、テロメラーゼ阻害剤は、2週間に1回以下で投与される。他の態様では、テロメラーゼ阻害剤は、個体の血液中、血小板数を約150×10/μLから約400×10/μL間に維持するために投与される。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはテロメラーゼのRNA成分に相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは10〜20塩基対の長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは配列TAGGGTTAGACAAを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つのN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは複数のN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する脂質部分をさらに含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分は、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する。いくつかの実施形態では、リンカーは、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分はパルミトイル(C16)部分である。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はimetelstatである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は薬学的に許容され得る賦形剤と共に投与される。明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、経口、静脈内、皮下、筋肉内、局所、腹腔内、鼻腔内、吸入、または眼内投与用に製剤化される。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、治療有効量のテロメラーゼ阻害剤の投与は、一つ以上の腫瘍前駆細胞とテロメラーゼ阻害剤を接触させることを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.3mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、9.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、6.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.4mg/kgである。
従って、一態様では、それを必要とする個体における、急性骨髄性白血病に伴う少なくとも一つの症状を軽減するための方法を本明細書に提供し、該方法は、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与が急性骨髄性白血病に伴う少なくとも一つの症状を軽減することを特徴とする。いくつかの実施形態では、症状は、脾腫および脾臓痛、貧血症、骨痛、疲労、発熱、盗汗、体重減少、脱力感、失神、鼻出血、紫斑、口または歯茎からの出血、血便、または脳卒中を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはテロメラーゼのRNA成分に相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは10〜20塩基対の長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは配列TAGGGTTAGACAAを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つのN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは複数のN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する脂質部分をさらに含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分は、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する。いくつかの実施形態では、リンカーは、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分はパルミトイル(C16)部分である。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はimetelstatである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は薬学的に許容され得る賦形剤と共に投与される。明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、経口、静脈内、皮下、筋肉内、局所、腹腔内、鼻腔内、吸入、または眼内投与用に製剤化される。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、治療有効量のテロメラーゼ阻害剤の投与は、一つ以上の腫瘍前駆細胞とテロメラーゼ阻害剤を接触させることを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.3mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、9.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、6.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.4mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン依存性巨核球増殖を阻害しない。本明細書のいくつかの実施形態では、個体は、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子にV617F機能獲得型変異がある。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、個体のJAK2 V617F遺伝子変異の割合を低減させる。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン非依存性巨核球増殖を阻害する。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、CFU−megaを阻害する。いくつかの実施形態では、CFU−Megaの阻害は、JAK2遺伝子変異における減少とは独立している。いくつかの実施形態では、個体は、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法に耐性である、または不耐性である。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
従って、一態様では、それを必要とする個体における、不応性貧血、芽球増加型不応性貧血、複数血球系異形成を伴う不応性血球減少症、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症、および慢性骨髄単球性白血病などの、骨髄異形成症候群に伴う少なくとも一つの症状を軽減するための方法を本明細書に提供し、該方法は、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与が骨髄異形成症候群に伴う少なくとも一つの症状を軽減することを特徴とする。いくつかの実施形態では、症状は息切れ、疲労、脱力感、失神、鼻出血、紫斑、口または歯茎からの出血、血便、点状出血、または脳卒中を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはテロメラーゼのRNA成分に相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは10〜20塩基対の長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは配列TAGGGTTAGACAAを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つのN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは複数のN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する脂質部分をさらに含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分は、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合する。いくつかの実施形態では、リンカーは、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、脂質部分はパルミトイル(C16)部分である。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はimetelstatである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は薬学的に許容され得る賦形剤と共に投与される。明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、経口、静脈内、皮下、筋肉内、局所、腹腔内、鼻腔内、吸入、または眼内投与用に製剤化される。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、治療有効量のテロメラーゼ阻害剤の投与は、一つ以上の腫瘍前駆細胞とテロメラーゼ阻害剤を接触させることを含む。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.3mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、9.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、6.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.4mg/kgである。本明細書の任意の実施形態のいくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン非依存性巨核球増殖を阻害する。いくつかの実施形態では、個体は、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法に耐性である、または不耐性である。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
本発明は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
それを必要とする個体における、骨髄増殖性腫瘍または骨髄異形成症候群に伴う少なくとも一つの症状を軽減するための方法であって、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を前記個体に投与することを含み、前記テロメラーゼ阻害剤の投与が骨髄増殖性腫瘍または骨髄異形成症候群に伴う少なくとも一つの症状を軽減することを特徴とする、前記方法。
(項目2)
前記骨髄増殖性腫瘍が、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄線維症(MF)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病および急性骨髄性白血病(AML)からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記症状が、頭痛、眩暈または立ちくらみ、胸部痛、脱力感、失神、視力の変化、四肢の痺れまたは刺痛、発赤、四肢のずきずきした痛みまたは灼熱痛(紅痛症)、脾腫、鼻出血、紫斑、口または歯茎からの出血、口または歯茎からの出血、血便、または脳卒中を含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記骨髄増殖性腫瘍(MPN)が、本態性血小板血症(ET)または真性多血症(PV)である、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記骨髄増殖性腫瘍(MPN)が、骨髄線維症(MF)である、項目2に記載の方法。
(項目6)
前記骨髄増殖性腫瘍(MPN)が、急性骨髄性白血病(AML)である、項目2に記載の方法。
(項目7)
前記骨髄異形成症候群が、不応性貧血、芽球増加型不応性貧血、複数血球系異形成を伴う不応性血球減少症、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症、および慢性骨髄単球性白血病(CMML)からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記骨髄異形成症候群(MDS)が、慢性骨髄単球性白血病(CMML)である、項目7に記載の方法。
(項目9)
骨髄増殖性腫瘍または骨髄異形成症候群を有すると診断されるまた疑われる個体の腫瘍前駆細胞の増殖を減少させるための方法であって、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を前記個体に投与することを含み、前記テロメラーゼ阻害剤の投与が前記個体の腫瘍前駆細胞の増殖を減少させることを特徴とする、前記方法。
(項目10)
前記骨髄増殖性腫瘍が、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄線維症(MF)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病および急性骨髄性白血病(AML)からなる群より選択される、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記骨髄増殖性腫瘍(MPN)が、本態性血小板血症(ET)または真性多血症(PV)である、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記骨髄増殖性腫瘍(MPN)が、骨髄線維症(MF)である、項目10に記載の方法。
(項目13)
前記骨髄増殖性腫瘍(MPN)が、急性骨髄性白血病(AML)である、項目10に記載の方法。
(項目14)
前記骨髄異形成症候群が、不応性貧血、芽球増加型不応性貧血、複数血球系異形成を伴う不応性血球減少症、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症、および慢性骨髄単球性白血病(CMML)からなる群より選択される、項目9に記載の方法。
(項目15)
腫瘍前駆細胞の増殖の減少が、前記個体の前記血液中、約600×10/μL未満の血小板数をもたらす、項目11に記載の方法。
(項目16)
前記個体が、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法に耐性である、または不耐性である、項目9に記載の方法。
(項目17)
本態性血小板血症を有すると診断されたまたは疑われる個体の前記血液中で、血小板数を約400×10/μL未満間に維持するための方法であって、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を前記個体に投与することを含み、前記テロメラーゼ阻害剤の投与が前記個体の血小板数を約400×10/μL未満に維持することを特徴とする、前記方法。
(項目18)
前記テロメラーゼ阻害剤が、2週間に1回以下で投与される、項目17に記載の方法。
(項目19)
骨髄増殖性腫瘍または骨髄異形成症候群を有すると診断されるまたは疑われる個体の骨髄繊維化を減少させる方法であって、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を前記個体に投与することを含み、前記テロメラーゼ阻害剤の投与が前記個体の骨髄繊維化を減少させることを特徴とする、前記方法。
(項目20)
前記テロメラーゼ阻害剤が、オリゴヌクレオチドを含む、項目9に記載の方法。
(項目21)
前記オリゴヌクレオチドが、テロメラーゼのRNA成分に相補的である、項目13に記載の方法。
(項目22)
前記オリゴヌクレオチドが、10−20塩基対の長さである、項目14に記載の方法。
(項目23)
前記オリゴヌクレオチドが、配列TAGGGTTAGACAAを含む、項目15に記載の方法。
(項目24)
前記オリゴヌクレオチドが、少なくとも一つのN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む、項目20に記載の方法。
(項目25)
前記オリゴヌクレオチドが、複数のN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記オリゴヌクレオチドが、前記オリゴヌクレオチドの前記5’および/または3’末端に結合する脂質部分をさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目27)
前記脂質部分が、前記オリゴヌクレオチドの前記5’および/または3’末端にリンカーを介して結合する、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記リンカーが、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーである、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記脂質部分が、パルミトイル(C16)部分である、項目27に記載の方法。
(項目30)
前記テロメラーゼ阻害剤がimetelstatである、項目9に記載のいずれかひとつに記載の方法。
(項目31)
前記テロメラーゼ阻害剤が薬学的に許容され得る賦形剤と投与される、項目9に記載の方法。
(項目32)
前記テロメラーゼ阻害剤が、経口、静脈内、皮下、筋肉内、局所、腹腔内、鼻腔内、吸入、または眼内投与用に製剤化される、項目9に記載の方法。
(項目33)
前記治療有効量の前記テロメラーゼ阻害剤の投与が、一つ以上の腫瘍前駆細胞と前記テロメラーゼ阻害剤を接触させることを含む、項目9に記載の方法。
(項目34)
前記有効量のテロメラーゼ阻害剤が、7.5mg/kgから9.3mg/kgである、項目30に記載の方法。
(項目35)
前記有効量のテロメラーゼ阻害剤が、9.5mg/kgから11.7mg/kgである、項目30に記載の方法。
(項目36)
前記テロメラーゼ阻害剤の投与がサイトカイン依存性巨核球増殖を阻害しない、項目9に記載の方法。
(項目37)
前記個体が、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子にV617F機能獲得型変異を有する、項目9に記載の方法。
(項目38)
前記テロメラーゼ阻害剤の投与が、前記個体のJAK2 V617F遺伝子変異の割合を低減させる、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記テロメラーゼ阻害剤の投与が、サイトカイン非依存性巨核球増殖を阻害する、項目9に記載の方法。
(項目40)
前記テロメラーゼ阻害剤の投与が、CFU−megaを阻害する、項目9に記載の方法。
(項目41)
CFU−Megaの阻害が、JAK2遺伝子変異における減少とは独立している、項目40に記載の方法。
巨核球増殖および分化に与えるImetelstatの効果を表す。 巨核球増殖および分化に与えるImetelstatの効果を表す。 巨核球コロニー形成単位(CFU−Mega)の用量反応曲線を表す。 細胞減少を必要とし既存療法が不成功であったかまたはそれに不耐性である、または標準治療を拒絶した本態性血小板血症を有する患者における、Imetelstat(GRN163L)の活性を評価する第II相試験から研究主要評価項目(血液学的奏効)についての結果を表す(第II相Imetelstat ET研究)。CRは、完全寛解であり、PRは部分寛解である。血小板数≦400×10/μLが最初に発生するまでの時間は、菱形で表され、完全寛解までの時間は円で示される。 研究の副次的評価項目(JAK2 V617F遺伝子変異)についての第II相Imetelstat ET研究の結果を示す。PRは部分寛解である。図4Aは、ベースラインの時点から月単位の時間関数として、JAK2 V617F%遺伝子変異割合を示す。図4Bは、ベースラインの時点からの時間の関数として、遺伝子変異(%)の中央値を示す。 研究の副次的評価項目(JAK2 V617F遺伝子変異)についての第II相Imetelstat ET研究の結果を示す。PRは部分寛解である。図4Aは、ベースラインの時点から月単位の時間関数として、JAK2 V617F%遺伝子変異割合を示す。図4Bは、ベースラインの時点からの時間の関数として、遺伝子変異(%)の中央値を示す。 探索的評価項目(CFU−Mega)についての第II相Imetelstat ET研究結果を示す。 5日目、7日目、9日目の、健常ドナーから得たCD34陽性細胞およびAML患者からのCD34陽性細胞の、Imetelstatを用いたin−vitroでの処理後の培養物中での細胞増殖の割合を示す。 原発性骨髄線維症の患者からの、巨核球増殖および分化に与えるimetelstatの効果を示す。
本発明は、特に、腫瘍前駆細胞の増殖を減少させるおよび個体の症状を軽減するための方法を提供する。本明細書に提供する発明は、特に、これらの疾病に特有の腫瘍前駆細胞を標的とすることによる、本態性血小板血症(ET)、真性多血症、骨髄線維症、および急性骨髄性白血病などの骨髄増殖性腫瘍(MPN)に伴う症状を処置および軽減するためのテロメラーゼ阻害剤化合物を使用するための方法を開示する。本明細書に提供する発明は、特に、これらの疾病に特有の異常に高い数の細胞の産生の原因である腫瘍前駆細胞を標的とすることによる、例えば、不応性貧血、芽球増加型不応性貧血、複数血球系異形成を伴う不応性血球減少症、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症、および慢性骨髄単球性白血病などの骨髄異形成症候群(MDS)に伴う症状を処置および軽減するためにテロメラーゼ阻害剤化合物を使用するための方法も提供する。本発明者は、テロメラーゼ阻害剤(imetelstatなど)が、MPNおよびMDSを有する個体の循環血液血小板レベルを効果的に減少させることができるという驚くべき発見をなした。加えて、血小板レベルのこの減少は、ヤヌスキナーゼ2遺伝子(JAK2)の一般的なET関連変異(おおよそ50%のET症例で見られる)とは独立して見られ、ETに対する一般的なフロントライン治療であるヒドロキシウレアを用いた処置に以前は耐性であった個体において有効である。また、ETを有すると診断されたまたは疑われる個体の血液中で比較的正常な範囲に血小板数を維持するためにテロメラーゼ阻害剤(例えば、imetelstat)を使用するための方法も本明細書に提供する。理論に束縛されることなく、MPNおよびMDSに対する他の一般的な処置とは異なり、本発明の方法で使用されるテロメラーゼ阻害剤化合物は、具体的にはこの状態の原因である悪性腫瘍を駆り立てる腫瘍前駆細胞を特異的に阻害するとみられる。
I.一般技術
別段の指示がない限り、本発明の実行は、当業者に周知である、核酸化学、分子生物学、微生物学、細胞生物学、生化学、および免疫学における従来の技術を採用する。かかる技術は、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第二版(Sambrookら、1989)およびMolecular Cloning:A Laboratory Manual,第三版(SambrookおよびRussel,2001)、(本明細書では「Sambrook」としてまとめて言及する);Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubelら編,1987,2001年までの増刊を含む);PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullisら、編,1994)などの文献に十分に説明されている。核酸は、例えば、Carruthers(1982)Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.47:411−418;Adams(1983)J.Am.Chem.Soc.105:661;Belousov(1997)Nucleic Acids Res.5 25:3440−3444;Frenkel(1995)Free Radic.Biol.Med.19:373−380;Blommers(1994)Biochemistry33:7886−7896;Narang(1979)Meth.Enzymol.68:90;Brown(1979)Meth.Enzymol.68:109;Beaucage(1981)Tetra.Lett.22:1859;KombergおよびBaker,DNA Replication,第二版.(フリーマン,サンフランシスコ,1992);Scheit,Nucleotide Analogs(John Wiley,ニューヨーク,1980);UhlmannおよびPeyman,Chemical Reviews,90:543−584,1990に記載の、周知の化学合成技術によってin−vitroで合成されることができる。
II.定義
用語「ヌクレオシド」は、下記に表す一般構造を有する部分を意味し、Bは核酸塩基を表し、2’炭素は下記に説明するように置換され得る。オリゴマーまたはポリマーに組み込まれたとき、3’炭素は酸素または窒素原子にさらに結合する。
この構造は、2’−デオキシおよび2’−ヒドロキシル(すなわちデオキシリボースおよびリボース)形態、および類似体を含む。あまり一般的ではないが、5’−NH基を5’−酸素に置き換えることができる。「類似体」は、ヌクレオシドに関して、修飾核酸塩基部分(下記の「核酸塩基」の定義を参照)および/または2’−フルオロ糖などの修飾糖部分、およびさらなる類似体を有する合成ヌクレオシドを含む。かかる類似体は、一般的に、結合特性に、例えば安定性、特異性またはその他、に影響するように指定される。用語ヌクレオシドは、例えばKomberg and Baker,DNA Replication,第二版(フリーマン,サンフランシスコ,1992)に記載されるように2’−デオキシおよび2’−ヒドロキシル形態を含む天然ヌクレオシドおよび類似体を含む。「類似体」は、ヌクレオシドに関して、例えば、Scheit,Nucleotide Analogs(JohnWiley,ニューヨーク,1980)によって広く説明されるように、修飾核酸塩基部分(下の「核酸塩基」の定義を参照)および/または修飾糖部分を有する合成ヌクレオシドを含む。かかる類似体は、Uhlmann and Peyman,Chemical Reviews90:543−584,1990)によって開示されるように、結合特性、たとえば、安定性、特性またはその他を亢進するように指定された合成ヌクレオシドを含む。かかるヌクレオシドを含有するオリゴヌクレオチド、および合成ヌクレアーゼ耐性ヌクレオシド間結合を一般的に含有するものは、それ自体が「類似体」と言及されてよい。
「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」は、約2から約200個の近接サブユニットを有するリボースおよび/またはデオキシリボースヌクレオシドサブユニットポリマーまたはオリゴマーを意味する。ヌクレオシドサブユニットは、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、P3’→N5’ホスホロアミデート、N3’→P5’ホスホロアミデート、N3→P5’チオホスホロアミデート、およびホスホロチオエート結合を含むがこれらに限定されない種々のサブユニット間結合によって連結されることができる。当該用語は、当業者に既知の、糖(例えば、2’置換)、塩基(前出の「ヌクレオシド」の定義を参照)、および3’および5’末端への修飾を有するポリマーまたはオリゴマーも含む。オリゴヌクレオチド部分が複数のサブユニット間結合を含む実施形態では、各結合は同一の化学を使用して形成されてよく、または結合化学物質の混合物が使用されてもよい。オリゴヌクレオチドが「ATGUCCTG」などの、文字の配列によって表されるとき、ヌクレオチドは左から右に5’→3’の順であることが理解されるだろう。この方法でのオリゴヌクレオチドの塩基配列の表現は、オリゴヌクレオチドに任意の特定のタイプのヌクレオシド間サブユニットの使用を意味するものではない。
「核酸塩基」は(i)天然DNAおよびRNA核酸塩基(ウラシル、チミン、アデニン、グアニンおよびシトシン)、(ii)修飾核酸塩基または核酸塩基類似体(例えば、5−メチルシトシン、5−ブロモウラシル、またはイノシン)および(iii)核酸塩基類似体を含む。核酸塩基類似体は、その分子構造が一般的なDNAまたはRNA塩基のそれを模倣した化合物である。
用語「脂質」は、有機溶媒に可溶であるが、水では、溶けるとしても難溶性の物質を包含するように本明細書に広く使用される。用語、脂質は、炭化水素、オイル、脂肪(脂肪酸およびグリセリドなど)、ステロール、ステロイドおよびこれらの化合物の誘導体形態を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、脂質は、脂肪酸およびその誘導体、炭化水素およびその誘導体、およびコレステロールなどのステロールである。脂肪酸は通常、偶数の炭素原子(通常12〜24個の炭素)を直鎖中に含有し、飽和または不飽和であってよく、種々の置換基を含有することができるまたは含有するように修飾されることができる。簡素化のために、用語「脂肪酸」は、脂肪またはエステルなどの、脂肪酸誘導体も包含する。いくつかの実施形態では、用語「脂質」は、脂質および親水性部分の両方を含有する両親媒性化合物も含む。
「テロメラーゼ阻害剤」は、哺乳類細胞のテロメラーゼ逆転写酵素の活性を減少させるまたは阻害することができる化合物である。かかる阻害剤は、本明細書に記載のような、低分子化合物、または本明細書に記載のような、オリゴヌクレオチドを含むhTR鋳型阻害剤であってよい。一態様では、テロメラーゼ阻害剤は、ImetelstatまたはImetelstatナトリウムである。別の態様では、テロメラーゼ阻害剤はGRN163Lである。
「hTR鋳型阻害剤」は、ヒトテロメラーゼのRNA成分の鋳型領域を遮断し、それにより酵素の活性を阻害する化合物である。阻害剤は、典型的には、この領域にハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列5’−CUAACCCUAAC−3’を有する、この領域のさらに特定の部分にハイブリダイズするのに有効な配列を含む。
化合物の存在下での細胞の増殖が化合物の非存在下で観察されるそれ未満である場合、化合物は「細胞の増殖を阻害する」と言われる。つまり、細胞の増殖は、化合物の存在下で減速されるかまたは停止される。癌細胞増殖の阻害は、例えば、細胞の数または細胞の拡大率の減少、腫瘍体積または腫瘍増殖率における減少、または処置を受けている被験体の生存率における増加によって証明されてよい。
「ヌクレアーゼ耐性結合」を有するオリゴヌクレオチドは、体内で共通の細胞外および細胞内ヌクレアーゼによる、ハイブリダイズしていないまたはハイブリダイズした形態で、そのバックボーンが実質的にヌクレアーゼ切断に耐性であるサブユニット結合を有するものを意味する。すなわち、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドが露出されている体内の正常なヌクレアーゼ条件下でほとんどもしくは全くヌクレアーゼ切断を示さない。下記に記載のN3’→P5’ホスホロアミデート(NP)またはN3’→P5’チオホスホロアミデート(NPS)結合は、ヌクレアーゼ耐性である。
「個体」は、任意の一般的な実験室モデル生物などの哺乳類であり得る。哺乳類は、ヒトおよび非ヒト霊長目、家畜、競技用動物、ペット、マウス、ラット、および他のげっ歯類を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
「有効量」または「治療有効量」または「臨床有効量」は、テロメラーゼ阻害剤などの、単回投与または一連の投与の一部のいずれかとして哺乳類の被検体に投与される、所望の治療効果を生成するのに有効な、治療化合物の量を意味する。
本明細書で使用するとき、「腫瘍細胞」は、相対的に自律的な増殖を呈する細胞を意味し、それゆえそれらは細胞増殖の制御の深刻な喪失を特徴とする異常増殖表現型を呈する。腫瘍細胞は、活発に複製するまたは一時的に非複製休止状態(GまたはG)であってよい細胞を含み、同様に、腫瘍細胞は、十分に分化した表現型、低分化表現型、または両方のタイプの細胞の混合物を有する細胞を含んでよい。ゆえに、すべての腫瘍細胞が所与の時点で必ずしも細胞を複製しているわけではない。「腫瘍細胞」は、良性腫瘍の細胞および悪性腫瘍の細胞を包含する。
本明細書で使用するとき、「腫瘍前駆細胞」は、腫瘍性になる能力を有する細胞構成の細胞を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「腫瘍」または「腫瘍症」または「腫瘍性」は、異常な新規細胞の増殖を意味する。過形成とは異なり、腫瘍性増殖は、根源の刺激がなくても持続する。
本明細書で使用するとき、単数形は、別段の指示がない限り、複数の言及も含む。
本明細書に記載の本発明の態様および実施形態は、態様および実施形態「を含む」、「からなる」、および「から本質的になる」を含むと理解される。
本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最大数値限定は、あらゆる低い数値限定を、かかる低い数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含むことが意図される。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、あらゆるそれより大きい数値限定を、かかるより大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含むだろう。本明細書を通じて記載されるあらゆる数値範囲は、かかるより広い数値範囲内にあるあらゆるより狭い数値範囲を、かかるより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように、含むだろう。
III.テロメラーゼ阻害剤化合物
テロメラーゼは、染色体端部にテロメア反復配列(ヒトでは配列5’−TTAGGG−3’を有する)の付加を触媒するリボ核タンパク質である。例えば、Blackburn,1992,Ann.Rev.Biochem.61:113−129を参照。酵素は、大半の癌細胞で発現するが、成熟した体細胞では発現しない。テロメアDNAの喪失は、細胞老化の誘発において役割を果たし得る。Harley,1991,Mutation Research256:271−282を参照。皮膚、結合組織、脂肪、乳房、肺、胃、膵臓、卵巣、子宮頚、子宮、腎臓、膀胱、結腸、前立腺、中枢神経系(CNS)、網膜および血液学的腫瘍(骨髄腫、白血病およびリンパ腫など)の癌からの細胞を含む、種々の癌細胞がテロメラーゼ陽性と示されてきた。テロメラーゼを標的とすることは、分裂細胞を無差別に標的とする化学療法レジメンに付随し得る多くの有害な副作用を回避し、悪性細胞と正常細胞間を高度に識別する処置の提供において有効であり得る。
今日までに同定されているテロメラーゼの阻害剤は、オリゴヌクレオチド(例えば、ヌクレアーゼ耐性結合を有するオリゴヌクレオチド)ならびに低分子化合物を含む。テロメラーゼ阻害剤化合物に関するさらなる情報は米国特許第7,998,938号に見出すことができ、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
A.低分子化合物
テロメラーゼの低分子阻害剤は、例えば、BRACO19((9−(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルアミノ)−3,6−ビス(3−ピロロジノ(pyrrolodino)プロピオンアミド)アクリジン(Mol.Pharmacol.61(5):1154−62,2002を参照);DODC(ジエチルオキサジカルボシアニン)、およびテロメスタチンを含む。これらの化合物は、テロメラーゼのRNA成分において不活性G4構造の形成を促進する、G4安定剤として作用し得る。テロメラーゼの他の低分子阻害剤は、BIBR1532(2−[(E)−3−ナフテン−2−イルブタ−2−エノイルアミノ]安息香酸)(Ward&Autexier,Mol.Pharmacol.68:779−786,2005、またJ.Biol.Chem.277(18):15566−72,2002も参照);AZTおよび他のヌクレオシド類似体、例えばddGおよびara−G(例えば、米国特許第5,695,932号および6,368,789号を参照)、およびGaetaらによって米国特許第5,767,278号,5,770,613号,5,863,936号,5,656,638号および5,760,062号(それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)に記載される、特定のチオピリジン、ベンゾ[b]チオフェン、およびピリド[b]チオフェン誘導体を含む。別の例は、米国特許第5,760,062号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載される、3−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシ−2’−[(2,5−ジクロロフェニルアミノ)チア]ヒドラジンを含む。
B.オリゴヌクレオチドをベースとするテロメラーゼ阻害剤:配列および組成
ヒトテロメラーゼのタンパク質およびRNA成分の両方をコードする遺伝子は、クローニングおよび配列決定されている(それぞれ、米国特許第6,261,836号および5,583,016号を参照されたく、その両方が参照により本明細書に組み込まれる)。オリゴヌクレオチドは、テロメラーゼタンパク質成分(そのヒト形態は、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、またはhTERTとして知られる)をコードするmRNAまたはテロメラーゼホロ酵素(そのヒト形態はヒトテロメラーゼRNA、またはhTRとして知られる)のRNA成分に対して標的とされることができる。
ヒトテロメラーゼ(hTR)のRNA成分のヌクレオチド配列は、5’→3’の方向の、下記に記載の配列(配列番号:1)で示される。配列は、リボヌクレオチドについての標準的な略語を用いて示される。当該配列は、ウリジン(U)はチミジン(T)によって置き換えられて、リボヌクレオチドはデオキシリボヌクレオチドによって置き換えられる、cDNAの配列も表すと当業者は認識するだろう。RNA成分の鋳型配列は、1、2、3テロメア反復単位で構成されるテロメア配列に相補的である、ヌクレオチド46〜56(5’−CUAACCCUAAC−3’)によって定められる領域内に配置される。鋳型領域は、テロメラーゼが染色体端部に付加しテロメラーゼ酵素の活性に必須であるテロメア反復の配列を特定するために機能する(例えば、Chenら、Cell100:503−514,2000;Kimら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA98(14):7982−7987,2001を参照)。mRNAの破壊を阻害するまたは引き起こすためのアンチセンス、リボザイムまたは低分子干渉RNA(siRNA)薬剤の指定は周知であり(例えば、Lebedeva,I,らAnnual Review of Pharmacology and Toxicology,第41巻:403−419,2001年4月;Macejak,D,ら、Journal of Virology,第73巻(9):7745−7751,1999年9月、およびZeng,Y.ら、PNAS第100巻(17)9779−9784頁,2003年8月19日を参照)、かかる薬剤はhTERT mRNAを標的とするように指定されてよく、それによって癌細胞などの標的細胞のhTERTタンパク質の産生を阻害する(例えば、米国特許第6,444,650号および6,331,399号を参照)。
hTR(つまり、酵素のRNA成分)を標的とするオリゴヌクレオチドは、テロメラーゼ機能のために必要な相互作用である、hTRとhTERTタンパク質の相互作用を遮断するまたあるいは妨害することによって、テロメラーゼ酵素活性の阻害剤として作用する(例えば、Villeponteauら、米国特許第6,548,298号を参照)。
hTRの好ましい標的領域は鋳型領域であり、配列番号:1(GGGUUGCGGAGGGUGGGCCUGGGAGGGGUGGUGGCCAUUUUUUGUCUAACCCUAACUGAGAAGGGCGUAGGCGCCGUGCUUUUGCUCCCCGCGCGCUGUUUUUCUCGCUGACUUUCAGCGGGCGGAAAAGCCUCGGCCUGCCGCCUUCCACCGUUCAUUCUAGAGCAAACAAAAAAUGUCAGCUGCUGGCCCGUUCGCCUCCCGGGGACCUGCGGCGGGUCGCCUGCCCAGCCCCCGAACCCCGCCUGGAGCCGCGGUCGGCCCGGGGCUUCUCCGGAGGCACCCACUGCCACCGCGAAGAGUUGGGCUCUGUCAGCCGCGGGUCUCUCGGGGGCGAGGGCGAGGUUCACCGUUUCAGGCCGCAGGAAGAGGAACGGAGCGAGUCCCGCCGCGGCGCGAUUCCCUGAGCUGUGGGACGUGCACCCAGGACUCGGCUCACACAUGCAGUUCGCUUUCCUGUUGGUGGGGGGAACGCCGAUCGUGCGCAUCCGUCACCCCUCGCCGGCAGUGGGGGCUUGUGAACCCCCAAACCUGACUGACUGGGCCAGUGUGCU)のヌクレオチド30〜67にわたる。この領域を標的とするオリゴヌクレオチドは、本明細書で「hTR鋳型阻害剤」と呼ばれる(例えば、Herbertら、Oncogene21(4):638−42(2002)を参照)。好ましくは、かかるオリゴヌクレオチドは、配列5’−CUAACCCUAAC−3’(配列番号:23)を有する11ヌクレオチド領域にいくつかの部分に相補的または近相補的な配列を含む。
別の好ましい標的領域は、hTRのヌクレオチド137−179にわたる領域である(Pruzanら、Nucl.Acids Research,30:559−568,2002を参照)。この領域内で、141−153にわたる配列が好ましい標的である。PCT公開WO98/28442には、テロメラーゼを阻害するための少なくとも7ヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチドの使用が記載されており、オリゴヌクレオチドは、hTRのヌクレオチド137−196、290−319、および350−380を含む、鋳型領域の外にあるhTR配列の接触可能部分に相補的であるように指定される。好ましいhTR標的配列は、下記に述べられ、配列番号2〜22によって同定される。
hTR配列を標的とする治療的オリゴヌクレオチドの領域は、好ましくは正確に対応するhTR配列に相補的である。ある特定の例においてミスマッチは許容されてよいが、得られたオリゴヌクレオチド複合体の特異性および活性を低減してしまうことが予想される。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの塩基配列は、それゆえhTR標的に正確に相補的な少なくとも5ヌクレオチドの配列を含むように選択され、hTR標的に正確に相補的な、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも15ヌクレオチドなど、より増加した長さの相補的配列が採用された場合、亢進されたテロメラーゼ阻害が得られ得る。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドの配列は、hTR標的配列に正確に相補的な、少なくとも5から20、少なくとも8から20、少なくとも10から20または少なくとも10から15ヌクレオチドの配列を含む。
最適なテロメラーゼ阻害活性は、オリゴヌクレオチドの全長がhTR標的配列に相補的であるように選択された場合に得られ得る。しかしながら、オリゴヌクレオチドの全長が標的配列に完全に相補的である必要はなく、オリゴヌクレオチド配列は、標的配列に相補的でない領域を含んでよい。かかる領域は、例えば、精製を促進する配列などの他の特性を化合物に与えるために付加されてよい。あるいは、オリゴヌクレオチドはhTR標的配列に相補的な配列の多数の反復を含んでよい。
オリゴヌクレオチドが標的配列に相補的でない領域を含む場合、かかる領域は一般的には、5’または3’末端の一つまたは両方に位置する。ヒトテロメラーゼRNA(hTR)を標的とする例示的な配列は以下を含む。
オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合は、任意の利用可能なオリゴヌクレオチド化学物質、例えば、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、P3’→N5’ホスホロアミデート、N3’→P5’ホスホロアミデート、N3’→P5’チオホスホロアミデート、およびホスホロチオエートを含んでよい。一般的に、必須ではないが、オリゴヌクレオチド内の全てのヌクレオシド間結合が同一タイプであるだろうが、オリゴヌクレオチド成分は異なる結合の混合物を使用して合成されてよい。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つのN3’→P5’ホスホロアミデート(NP)またはN3’→P5’チオホスホロアミデート(NPS)結合を有し、その結合は構造;3’−(−NH−−P(=O)(−−XR)−−O−)−5’(式中XはOまたはSであり、Rは水素、アルキル、およびアリールからなる群より選択される)、およびXRがOHまたはSHであるとき、その薬学的に許容され得る塩によって表されてよい。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは全てのNPを含むかまたは、いくつかの実施形態では、すべてのNPS結合を含む。
一実施形態では、hTR鋳型阻害剤オリゴヌクレオチドについての配列は、前述の配列番号:1のヌクレオチド42−54に相補的な配列である。この配列(TAGGGTTAGACAA;配列番号:12)およびN3’→P5’チオホスホロアミデート(NPS)結合を有するオリゴヌクレオチドは、本明細書でGRN163として指定される。例えば、Asaiら、Cancer Research63:3931−3939(2003)およびGryaznovら、Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids22(5−8):577−81(2003)を参照。
単独で投与されるオリゴヌクレオチドGRN163は、扁平上皮癌腫、乳房上皮、腎臓癌腫、腎臓腺癌、膵臓、脳、結腸、前立腺、白血病、リンパ腫、骨髄腫、表皮、子宮頸部、卵巣および肝臓癌細胞を含む、細胞培養物においてin−vitroで阻害活性を示している。
オリゴヌクレオチドGRN163は、小細胞および非小細胞両方の卵巣癌および肺癌を含む、種々の動物腫瘍モデルにおいて治療的に有効であるとも試験され示された(例えば、米国特許第7,998,938号を参照されたく、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。)
C.脂質−オリゴヌクレオチド複合体
いくつかの態様では、本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドをベースとするテロメラーゼ阻害剤は、少なくとも一つの共有結合する脂質基を含む(米国公開第2005/0113325号を参照されたく、それは参照により本明細書に組み込まれる)。この改変は、改変されていない形態に比べ、少量の複合されたオリゴヌクレオチドを使用して同等の生物学的効果が得られ得るように、より優れた細胞取り込み特性を提供する。ヒトの治療現場に適用した場合、これは毒性リスクの減少に翻訳され得、節約になる。
脂質基Lは、一般的には、炭化水素および脂肪酸の誘導体を含む、脂肪族炭化水素または脂肪酸であり、例としては、ミリスチン(テトラデカン)酸、パルミチン(ヘキサデカン)酸、およびステアリン(オクタデカン)酸などの14〜20個の炭素を有する飽和直鎖化合物、およびその対応する脂肪族炭化水素形態、テトラデカン、ヘキサデカンおよびオクタデカンが挙げられる。採用されてよい他の好適な脂質基の例としては、コレステロールなどのステロール、および置換脂肪酸および炭化水素、特にこれらの基のポリフッ素化形態が挙げられる。脂質基Lの範囲には、アミン、アミド、エステルおよびカルバメート誘導体などの誘導体を含む。誘導体のタイプは、しばしば以下に例示するように、オリゴヌクレオチドへの結合の様式によって決定される
(式中、Rは(CH14CH(パルミトイル)である)。この化合物は本明細書ではGRN163L(imetelstat)として指定する。
一例示的構造では、脂質部分はパルミトイルアミド(パルミチン酸に由来する)であり、アミノグリセロールリンカーを通じて、NPS結合オリゴヌクレオチドの5’チオリン酸基に複合する。GRN163について示された配列を有し、この方法(下記に示す)で複合されたNPSオリゴヌクレオチドは、本明細書でGRN163L(Imetelstat)と指定される。第二の例示的な構造では、パルミトイルアミドとしての脂質は、NPSオリゴヌクレオチドの末端3’アミノ基を通じて複合される。
D.医薬組成物
本発明のいくつかの態様では、医薬品として採用されるとき、本明細書に開示のテロメラーゼ阻害剤化合物は、薬学的に許容され得る賦形剤または担体と共に製剤化されることができ、医薬組成物へと製剤化される。
医薬品として採用されるとき、テロメラーゼ阻害剤化合物は医薬組成物の形態で投与され得る。これらの化合物は、経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、および鼻腔内を含む種々の経路によって投与されることができる。これらの化合物は、注射および経口組成物のどちらでも有効である。かかる組成物は、薬学分野に周知の方法で調製され、少なくとも一つの活性化合物を含む。経口組成物として採用されるとき、本明細書に開示のテロメラーゼ阻害剤化合物は、薬学的に許容され得る保護剤によって胃での酸消化から保護される。
本発明は、一つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤または担体に伴うテロメラーゼ阻害剤化合物を、有効成分として、含有する医薬組成物も含む。本発明の組成物を作成するとき、有効成分は通常賦形剤または担体と混合されるか、賦形剤または担体によって希釈されるか、またはかかる賦形剤または担体内に封入されてカプセル、サシェ、紙または他の容器の形態をとり得る。賦形剤または担体が希釈剤として機能するとき、それは有効成分のためのビヒクル、担体、または媒体として作用する、個体、半固体、または液体材料であることができる。ゆえに、組成物は、例えば、10重量%までの活性化合物、軟および硬ゼラチンカプセル、坐剤、滅菌注射溶液、および滅菌包装粉末を含有する錠剤、丸剤、散剤、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、乳濁液、溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液体媒体内で)、軟膏の形態をとり得る。
製剤の調製において、他の成分と組み合わせる前に、適切な粒子サイズを提供するために活性な凍結乾燥化合物を粉砕する必要があり得る。活性化合物が実質的に不溶性である場合、大抵は200メッシュ未満の粒子サイズに粉砕される。活性化合物が実質的に水溶性である場合、粒子サイズは通常、製剤内で実質的に均一な分布を提供するために、例えば約40メッシュに、粉砕することによって調整される。
活性化合物の対応する塩、例えば薬学的に許容され得る塩を調整、精製、および/または扱うのに好都合または望ましくあり得る。薬学的に許容され得る塩の例は、Bergeら、1977,「Pharmaceutically Acceptable Salts」J.Pharm.Sci.,第66巻,1−19頁に記載されている。例えば、化合物が陰イオン性である、または陰イオン性であり得る官能基を有する(例えば−COOHが−COOであり得る)場合、塩は、好適な陽イオンを伴って形成されてよい。好適な無機カチオンの例としては、Naが含まれるが、これに限定されない。好適な有機カチオンの例としては、アンモニウムイオン(すなわち、NH )および置換アンモニウムイオン(例えばNH、NH 、NHR 、NR )を含むが、これに限定されない。
好適な賦形剤または担体のいくつかの例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセルロースを含む。製剤はさらに、タルク、マグネシウムステアリン酸塩、および鉱物油などの潤滑剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁剤;安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピルなどの保存剤;甘味剤;および香味剤を含み得る。本発明の組成物は、当該分野で公知の手順を採用することにより、患者への投与後に有効成分の迅速な、持続または遅延放出を提供するように製剤化され得る。
組成物は、各用量が、約5mgから約100mgまたはそれ以上、例えば任意の約1mgから約5mg、1mgから約10mg、約1mgから約20mg、約1mgから約30mg、約1mgから約40mg、約1mgから約50mg、約1mgから約60mg、約1mgから約70mg、約1mgから約80mg、または約1mgから約90mgを包括する、これらの値間の任意の範囲を含む、有効成分を含有する、単位剤形に製剤化され得る。用語「単位剤形」は、個人についての単位用量として好適な物理的に別個の単位を意味し、各単位は好適な医薬賦形剤または担体とともに所望の治療効果を生成するように算出された所定の量の活性物質を含有する。
テロメラーゼ阻害剤化合物は、広い用量範囲にわたって有効であり、通常は治療有効量で投与される。しかしながら、実際に投与されるテロメラーゼ阻害剤化合物の量は、処置されるべき状態、選択された投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、および反応、患者の症状の重症度等を含む関連状況と照らし合わせて、医師によって決定されるだろうことが理解されるだろう。
錠剤などの固体組成物を調製については、本発明の化合物の均一な混合物を含有する固体製剤化前(preformulation)組成物を形成するために主要有効成分テロメラーゼ阻害剤化合物を医薬賦形剤または担体と混合する。これらの製剤化前組成物を均一と言及する場合、組成物が容易に、例えば錠剤、ピルおよびカプセルなどの等しく有効な単位剤形に細分することができるように有効成分が組成物全体に均一に分散されていることを意味する。
本発明の錠剤または丸剤は、持効性作用の利点を与える剤形を提供するためおよびテロメラーゼ阻害剤化合物を胃での酸加水分解から保護するためにコーティングされ得るか、あるいは配合され得る。例えば、錠剤または丸剤は、内部投与成分および外部投与成分を、後者が前者を覆う包みの形で、含むことができる。2つの成分は、胃での崩壊に抵抗し、内部成分が十二指腸に無傷で通過するまたは放出を遅延することができるように機能する腸溶性層によって分離されることができる。種々の材料を、かかる腸溶性層またはコーティングのために使用することができ、かかる材料は、多数のポリマー酸、およびポリマー酸とセラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースなどの材料の混合物を含む。
本発明の新規組成物が経口または注射による投与用に組み込まれ得る液体形態には、水溶液、好適な風味のシロップ、水性または油性懸濁液、および風味をつけた乳剤が、コーン油、綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、またはピーナッツ油などの食用油、ならびにエリキシル剤および類似の医薬ビヒクルとともに含まれる。
吸入またはガス注入用の組成物は、薬学的に許容され得る、水性または有機溶媒、またはそれらの混合物中の溶液および懸濁液、および粉末を含む。液体または固体組成物は、前述のような好適な薬学的に許容され得る賦形剤を含有し得る。組成物は、局所または全身作用のために口または鼻呼吸の経路により投与され得る。薬学的に許容され得る溶媒中の組成物は、不活性ガスを使用して噴霧され得る。噴霧された溶液は、噴霧デバイスから直接吸入され得るか、または噴霧デバイスをフェイスマスク・テント、または間欠的陽圧呼吸器に取り付けることができる。溶液、懸濁液、または粉末組成物も、適切な方法で製剤を送達するデバイスから、経口または経鼻投与されることができる。
IV.本発明の方法
本明細書に提供されるテロメラーゼ阻害剤化合物(医薬組成物のような)は病態を調節するのに有用である。いくつかの実施形態では、細胞増殖性疾患は、テロメラーゼまたは細胞増殖(本態性血小板血症(ET)における血小板の異常産生に伴う腫瘍前駆細胞)または両方の発現または活性の増加に関連する。
いくつかの態様では、それを必要とする個体における、MPNに伴う少なくとも一つの症状を軽減するための方法を本明細書に提供する。いくつかの態様では、それを必要とする個体における、MDSに伴う少なくとも一つの症状を軽減するための方法を本明細書に提供する。また、MPNまたはMDSを有する患者の腫瘍前駆細胞の増殖減少させるための方法、ならびにMPNまたはMDSを有すると診断されたまたは疑われる個体の血小板濃度および/または赤血球濃度および/または白血球濃度を正常レベルに維持するための方法も本明細書に提供する。
骨髄増殖性腫瘍、またはMPNは、赤血球、血小板および顆粒球の前駆細胞などの、骨髄の悪性造血骨髄前駆細胞から生じる血液の癌である。悪性前駆細胞の増殖は、疾病に依存して、白血球、赤血球および/または血小板のいずれかの組み合わせの過剰産生をもたらす。これらの過剰産生された細胞は、異常でもあり得、さらなる臨床合併症をもたらし得る。種々のタイプの慢性骨髄増殖性疾患がある。MPN疾病スペクトラムに含まれるものとしては、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、および慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄線維症(MF)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病および急性骨髄性白血病(acute myelomgenous leukemia)(AML)が挙げられる。
骨髄異形成症候群(MDS)は、血液および骨髄の癌を含む症状の集合体である。骨髄異形成症候群(MDS)は、不応性貧血、芽球増加型不応性貧血、複数血球系異形成を伴う不応性血球減少症、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症、および慢性骨髄単球性白血病などの疾病を含む。未熟な血液幹細胞(芽球)が健全は赤血球、白血球または血小板にならない。芽球は骨髄内または血液に移動した直後に死亡する。これが、健常な白血球、赤血球および/または血小板を骨髄内で形成するための余地を減らす。
A.本態性血小板血症
巨核球は、正常な血液凝固に必要な血小板の産生を担う骨髄細胞である。巨核球は通常10,000のうち1の骨髄細胞を占めているが、特定の疾病の過程で10倍近くに数を増加させ得る。
巨核球は、骨髄の造血幹細胞前駆細胞に由来する。細胞がひとたび分化を完了し、成熟巨核球になると、血小板を産生するプロセスを開始する。多くのサイトカインが巨核球が血小板を産生するように刺激する役割を果たすと疑われるが、巨核球を誘導して、小さな原血小板プロセスを形成させるのは、サイトカインのトロンボポエチンである。血小板は巨核球の細胞質内でこれらの細胞内膜内に保持される。各々のこれらの原血小板プロセスは、崩壊の際に2000〜5000個の新規血小板を生じることができる。全体として、これらの新しく精製された血小板の2/3は循環内に残り、1/3は脾臓によって隔離される。
本態性血小板血症(ET)は、血液血小板の増加または異常産生に伴う慢性疾患である。ETにおける血小板の形成は、サイトカイン非依存の方法で起こり、巨核球は血小板を未制御に産生する。血小板は血液凝固に関与するため、異常産生は、不適切な血栓の形成または出血をもたらし得、胃腸出血、心臓発作や脳卒中のリスクの増加をもたらす。
多くの場合、ETに罹患する患者の多くは無症状である。一般的には、定期健診の一部として血小板数が高いことが明らかになった後で診断される。ETの症状が存在するとき、それには、疲労が含まれ得、または小規模または大規模な血管障害または出血に関与し得る。小規模な血管障害(しばしば、本来の血管運動と考えられる)は、頭痛、視力障害または頭痛症状のない片頭痛(silent Migraine)、眩暈または立ちくらみ、指または爪先の冷たさや青さ、または燃焼、発赤、および手足の痛みなどを引き起こし得る(www.mpnresearchfoundation.org/Essential−Thrombocythemia)。血栓性合併症は、脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、心臓発作、深部静脈血栓症または肺塞栓(肺に血餅)を引き起こし、かなり深刻であり得る。出血は、紫斑ができやすくなる、鼻出血、重い生理、胃腸出血または血尿として顕在化し得る(www.mpnresearchfoundation.org/Essential−Thrombocythemia)。ETに罹患する人々の小数は、後に急性白血病または骨髄線維症を発症し得、それは両方とも命を脅かし得る。急性骨髄性白血病は、急速に進行する血液および骨髄の癌の一種である。骨髄線維症は、骨髄瘢痕化、重度の貧血、肝臓および脾臓の肥大をもたらす進行性の骨髄疾患である。
世界保健機関によると、ETの診断には、A1からA4の基準(A1)持続的に450×10/Lを超える血小板数;(A2)骨髄が、大きく成熟した巨核球数の増加を示し、顆粒球形成または赤血球生成の左方移動の有意な増加がないことを示す;(A3)多血症、原発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、または他の骨髄性腫瘍についてのWHO基準を満たさない;および(A4)血小板増加症についての後天性の変異またはクローナルマーカーを有するまたは反応性の原因を有さない(Swedlowら、(2008)WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues,Lyon,IARC Press)を満たすことが求められる。ETを診断するとき、臨床医の中には、2008年のWHO基準に類似するがいくつかの重要な点で異なる、英国血液学標準化委員会の基準(2010年発行)を使用するものもいる(Beer,ら、(2010)Blood117(5):1472−1482)。
ETを診断するために行われ得る試験には、(1)鉄欠乏症および炎症の指標のための試験を含む、高血小板数の他の原因を除外するための血液検査(他の模倣の血液疾病も同様に除外される);(2)JAK2遺伝子変異(症例のおおよそ50%に発生する)またはMPL(症例のおおよそ5%までに発生する)についての試験;(3)血小板前駆体の増加を含む、ETの古典的な兆候を探すための骨髄生検が含まれる。ETの診断に関するさらなる情報は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2006/0166221号において見出すことができる。
ETは、心疾患危険因子の修飾、抗血小板療法、および細胞減少療法の使用を通じて通常処置される(Beerら、Blood117(5):1472−1482;以降(Beerら、2010))。心疾患危険因子に関しては、患者は、高血圧、糖尿病、喫煙、高コレステロール血症および肥満の存在についてスクリーニングされ、およびこれらの症状についての適切なガイドラインに従って指示される場合に処置される(Beerら、2010)。抗血小板療法には、禁忌でない限りアスピリン、およびクロピドグレルなどの抗血小板薬が含まれるが、これらに限定されない。ET患者は、血栓性リスクに基づいて階層化されてよく、高リスク患者は60歳を超える年齢で、以前に血栓性事象があるかまたは1500×10/Lを超える血小板数を有する。これらの高リスク患者は、細胞減少療法から利益を得やすいだろう(Beerら、2010)。
ET患者がヒドロキシカルバミド(ヒドロキシウレア)で処置された時に、白血病性形質転換のリスクが増加する可能性があるにもかかわらず、それは依然として処置を必要とするほとんどの患者のためのフロントライン治療である(Beerら、2010)。他の処置としては、インターフェロン、アナグレリド、ピポブロマン、ブスルファン、および放射性リンを用いた照射を含むが、これらに限定されない。
ETについての現在の薬物療法は、治癒的ではなく、生存に有利な効果を示唆する証拠はほとんどない。これらの現在の戦略はどれも、疾病、疾病の進展、あるいは生活の質に影響を与える患者が苦しんでいる症状の原因となる悪性のクローン細胞のいずれかに取り組んでいないまたは直接標的としていない。現在の治療法の目標は、血栓出血性合併症を防止することである。ETの病因の解明における大きな進歩が、2005年の、ET患者の50〜60%に存在する、JAK2体細胞変異(V617F)の記述でなされた(Jamesら、(2005)Nature434:1144−1148;Kralovicsら、(2005)N Engl J Med352:1779−90;Baxterら、(2005)Lancet365:1054−61;Levineら、(2005)Cancer Cell 7:387−97)。JAK2/V617F変異の存在および遺伝子変異量に加え、ベースラインの白血球増加が、ETの新しい疾病関連危険因子として最近認識されている(Ziakas PD.(2008)Haematologica93:1412−1414;Carobbioら、(2007)Blood109:2310−2313)。証拠は、白血球増加が、予後因子としての重要性を有し、血管事象の原因となると考えられ得ることも示唆する(Barbuiら、(2009)Blood114:759−63)。
B.真性多血症
真性多血症(PV)に罹患する患者は、赤血球産生の増加をマークしている。処置は、赤血球の過剰な数を減少させることに向けられる。PVは、血球減少および骨髄低形成および線維症を伴う原発性骨髄線維症に類似するその経過の後期で段階を発展させ得る。in−vitroでの造血前駆細胞の増殖および生存の増大を引き起こす染色体9上のヤヌスキナーゼ2遺伝子(JAK2)遺伝子変異は、PVに罹患するほとんどの患者で同定されている。PVに罹患する患者は、心血管および血栓性の事象および急性骨髄性白血病または原発性骨髄線維症への形質転換のリスクが増大する。PVに対する処置には、ヘマトクリット値を男性では45%未満、女性では40%未満に維持するための間欠的な慢性の瀉血が含まれる。他の可能な処置には、ヒドロキシウレア、インターフェロン−α、および低用量アスピリンが含まれる(includee)。
C.骨髄線維症
骨髄線維症またはMFは、ETと同一の疾病スペクトラムにおける骨髄増殖性腫瘍である。MFに罹患する患者は、多くの場合その骨髄にJAK2 V617F変異を有する。時折、ETはMFへと発展する。JAK2阻害は、ヤヌスキナーゼ阻害剤である、ルキソリチニブ(Jakafi(登録商標))が承認されている国においては、MFに対する標準治療と現在考えられる。Jakafi(登録商標)などの、JAK2阻害剤が、疾病の原因である白血病性クローンの増殖を選択的に阻害するという証拠はなく、ゆえにそれらは「疾患修飾」ではない可能性がある。
D.急性骨髄性白血病
急性骨髄性白血病(AML)は骨髄系の血球の癌である。AMLは、成人に影響する最も一般的な急性白血病である。AMLを有する患者は、骨髄に蓄積し正常な血球の産生を妨害する異常白血球の急速な成長を有する。正常な骨髄と白血球細胞を置き換えると赤血球、血小板、および正常な白血球を減少させる。AMLの症状は、疲労、息切れ、青あざや出血が起こりやすくなる、感染のリスクの増加を含む。急性白血病のように、AMLは急速に進行し、処置せずにいると一般的には数週間または数か月で死に至る。AMLに対する標準治療は、寛解を誘導することを目指した化学療法を用いる処置であり、患者は造血幹細胞移植を受けることになり得る。
E.骨髄異形成症候群
骨髄異形成症候群(MDS)は、血液(gblood)および骨髄の癌を含む症状の集合体である。未熟な血液幹細胞(芽球)は、健常な赤血球、白血球または血小板にならない。芽球は、骨髄内または血液へと移動した直後に死亡する。これが、健常な白血球、赤血球および/または血小板を骨髄内で形成するための余地を減らす。
骨髄異形成症候群(MDS)は、骨髄クラスの血球の無効造血を必然的に含む血液学的医学的状態の集合体である。MDSを有する患者は、しばしば重症貧血症を発症し、頻回の輸血を必要とする。疾病が悪化し、患者は進行性の骨髄機能不全によって引き起こされる血球減少症(低血球数)を発症する場合もある。疾病が急性骨髄性白血病(AML)へと形質転換する場合もある。骨髄芽球の全体割合が特定のカットオフ(WHOについては20%およびFABについては30%)を超えて上昇すれば、急性骨髄性白血病(AML)への形質転換が起きたと言われる。
F.テロメラーゼ阻害剤を使用したMPNまたはMDSの処置方法
テロメラーゼ阻害剤(本明細書に開示される任意のテロメラーゼ阻害剤など)の投与を介して、MPNまたはMDSを有すると診断されたまたは考えられる個体における、腫瘍前駆細胞の増殖を減少させるおよび関連する症状を軽減するための方法を本明細書に提供する。
本方法は、アジュバント・セッティングにおいて実施されることができる。「アジュバント・セッティング」は、個体が増殖性疾患の病歴を有しており、外科手術(外科的切除など)、放射線療法、および化学療法を含むがこれらに限定されない治療法に通常(必ずではない)反応するという、臨床背景を意味する。しかしながら、彼らの増殖性疾患の病歴のために、これらの個体は疾病の発生のリスクがあると考えられる。「アジュバント・セッティング」における処置または投与は、後続様式の処置を意味する。リスクの程度(つまりアジュバント・セッティングにおける個体が「高リスク」または「低リスク」と考えられる時)は、いくつかの因子、大体通常は最初に処置されるときの疾病の程度に依存する。
本明細書に提供の方法は、「ネオアジュバント・セッティング」においても実施されることができる。つまり、本方法は主要な/決定的な治療の前に行われることができる。いくつかの実施形態では、個体は以前に処置されている。いくつかの実施形態では、個体は以前に処置されていない。いくつかの実施形態では、処置は第一選択療法である。
1.骨髄増殖性腫瘍および骨髄異形成症候群の症状を軽減するための方法
いくつかの態様では、本発明は、上記に詳細に記載されるように骨髄増殖性腫瘍に伴う症状または状態(能力障害、機能障害)を阻害するための方法に関する。それ自体で、状態の全ての影響が完全に防止または逆転されることは求められていないが、現在開示された方法の効果は、患者にとって有意な治療的利益まで届こうとしている。治療的利益は、それ自体が必ずしも骨髄増殖性腫瘍から生じる特定の状態に対する完全な防止または治療であるわけではないが、むしろ、細胞増殖性疾患がもたらす症状を減少させるまたは防止する、かかる症状の発生を(定量的または定性的に)減少させるまたは防止する、かかる症状の重症度またはその生理学的影響を減少させる、および/または骨髄増殖性腫瘍症状を経験した後の個体の回復を亢進することを含む結果を包含し得る。
いくつかの態様では、本発明は、上記に詳細に記載されるように骨髄異形成症候群(MDS)に伴う症状または状態(能力障害、機能障害)を阻害するための方法に関する。それ自体、状態の全ての影響が完全に防止または逆転されることは求められていないが、現在開示された方法の効果は、患者にとって有意な治療的利益まで届こうとしている。治療的利益は、それ自体が必ずしも骨髄異形成症候群から生じる特定の状態に対する完全な防止または治療であるわけではないが、むしろ、細胞増殖性疾患がもたらす症状を減少させるまたは防止する、かかる症状の発生を(定量的または定性的に)減少させるまたは防止する、かかる症状の重症度またはその生理学的影響を減少させる、および/または骨髄異形成症候群症状を経験した後の個体の回復を亢進することを含む結果を包含し得る。
本明細書で使用するとき、疾患、疾病、または状態(MPNまたはMDSなど)「に伴う少なくとも一つの症状を軽減する」という語句は、かかる用語が適用される疾患または状態を逆転させる、進行を阻害するまたは防止する、またはかかる用語が適用される疾患または状態の一つ以上の症状を逆転させる、進行を阻害するまたは防止することを示す。具体的には、本発明の組成物(本明細書に開示の任意のテロメラーゼ阻害剤化合物など)は、個体に投与されるとき、MPNまたはMDSに伴う一つ以上の症状または状態を処置するまたは防止することができ、および/またはこの疾患に伴う症状または状態を減少させるまたは軽減することができる。個体をMPNまたはMDSがもたらす影響または症状から保護することは、それ自体、疾患の影響の発生および/または重症度を防止することまたは減少させること、および疾患の影響がすでに発生しているまたは発生し始めている患者を処置することの両方を含む。有益な効果は、当業者および/または患者を処置している訓練された臨床医によって容易に評価されることができる。好ましくは、本発明の方法を用いた処置を受けた患者は、受けていない患者と比べて、かかる患者を評価するために使用された少なくとも一つの臨床的または生物学的スコア、値、または尺度の重症度または発生率において、正または有益な差異がある。
従って、いくつかの態様では、それを必要とする個体における、MPNまたはMDSに伴う少なくとも一つの症状を軽減するための方法を本明細書に提供し、該方法は、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与がMPNまたはMDSに伴う少なくとも一つの症状を軽減することを特徴とする。いくつかの実施形態では、症状は、頭痛、眩暈または立ちくらみ、胸部痛、脱力感、失神、視力の変化、四肢の痺れまたは刺痛、発赤、四肢のずきずきした痛みまたは灼熱痛(紅痛症)、脾腫、鼻出血、紫斑、口または歯茎からの出血、血便、心臓発作(心筋梗塞)または脳卒中を含む。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、テロメラーゼのRNA成分に相補的であり得、場合によっては10〜20塩基対間の長さであり得るオリゴヌクレオチドを含む。一実施形態では、オリゴヌクレオチドは配列TAGGGTTAGACAAを含む。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは複数のN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。オリゴヌクレオチドは、任意選択的にリンカー(グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーなど)を介して、その5’または3’末端のいずれかの脂質部分に複合することもできる。いくつかの実施形態では、脂質部分はパルミトイル(C16)部分である。なおも別の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はimetelstatである。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン依存性巨核球増殖を阻害しない。他の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン非依存性巨核球増殖を阻害する。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、CFU−megaを阻害する。なおも他の実施形態では、CFU−Megaの阻害は、JAK2 V617F遺伝子変異における減少と非依存である。いくつかの実施形態では、個体は、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法(ヒドロキシウレア、アナグレリド、またはインターフェロンα−2Bを含むが、これらに限定されない)に耐性である、または不耐性であることができる。他の実施形態では、個体はヒトである。
いくつかの態様では、患者に投与される有効量のテロメラーゼ阻害剤は7.5mg/kgから9.3mg/kgである。他の態様では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、9.5mg/kgから11.7mg/kgである。別の態様では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、6.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.4mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、少なくとも約6.5mg/kg、6.6mg/kg、6.7mg/kg、6.8mg/kg、6.9mg/kg、7mg/kg、7.1mg/kg、7.2mg/kg、7.3mg/kg、7.4mg/kg、7.5mg/kg、7.6mg/kg、7.7mg/kg、7.8mg/kg、7.9mg/kg、8mg/kg、8.1mg/kg、8.2mg/kg、8.3mg/kg、8.4mg/kg、8.5mg/kg、8.6mg/kg、8.7mg/kg、8.8mg/kg、8.9mg/kg、9mg/kg、9.1mg/kg、9.2mg/kg、9.3mg/kg、9.4mg/kg、9.5mg/kg、9.6mg/kg、9.7mg/kg、9.8mg/kg、9.9mg/kg、10mg/kg、10.1mg/kg、10.2mg/kg、10.3mg/kg、10.4mg/kg、10.5mg/kg、10.6mg/kg、10.7mg/kg、10.8mg/kg、10.9mg/kg、11mg/kg、11.1mg/kg、11.2mg/kg、11.3mg/kg、11.4mg/kg、11.5mg/kg、11.6mg/kg、11.7mg/kg、11.8mg/kg、11.9mg/kg、12mg/kg、12.1mg/kg、12.2mg/kg、12.3mg/kg、12.4mg/kg、12.5mg/kg、12.6mg/kg、12.7mg/kg、12.8mg/kg、12.9mg/kg、または13mg/kgのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、個体に投与される有効量のテロメラーゼ阻害剤は9.4mg/kgではない。
いくつかの態様では、MPNを有すると診断されたまたは考えられる個体は、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子にV617F機能獲得型変異を有する。個体がこの変異を有するかどうかを測定する、ならびに遺伝子変異を測定するための方法は、多くあり、当分野で周知である(例えば、米国特許出願第2009/0162849号、2007/0224598号、および2009/0162849号を参照されたく、そのそれぞれの開示は参照により組み込まれる。)いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、個体のJAK2 V617F遺伝子変異の割合を低減させる。
2.腫瘍細胞増殖を減少させるための方法
別の態様では、本態性血小板血症を有すると診断されたまたは疑われる個体における、腫瘍前駆細胞の増殖を減少させるための方法を本明細書に提供し、該方法は臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与が個体の腫瘍前駆細胞の増殖を減少させることを特徴とする。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、テロメラーゼのRNA成分に相補的であり得、場合によっては10〜20塩基対間の長さであり得るオリゴヌクレオチドを含む。一実施形態では、オリゴヌクレオチドは配列TAGGGTTAGACAAを含む。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは複数のN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。オリゴヌクレオチドは、任意選択的にリンカー(グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーなど)を介して、その5’または3’末端のいずれかの脂質部分に複合することもできる。いくつかの実施形態では、脂質部分はパルミトイル(C16)部分である。なおも別の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はimetelstatである。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン依存性巨核球増殖を阻害しない。他の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン非依存性巨核球増殖を阻害する。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、CFU−megaを阻害する。なおも他の実施形態では、CFU−Megaの阻害は、JAK2 V617F遺伝子変異における減少と非依存である。いくつかの実施形態では、個体は、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法(ヒドロキシウレア、アナグレリド、またはインターフェロンα−2Bを含むが、これらに限定されない)に耐性である、または不耐性であることができる。他の実施形態では、個体はヒトである。
いくつかの態様では、腫瘍前駆細胞の増殖の減少は、個体の血液中で、包括して、約600×10/μL、575×10/μL、550×10/μL、525×10/μL、500×10/μL、475×10/μL、450×10/μL、425×10/μL、400×10/μL、375×10/μL、350×10/μL×10/μL、325×10/μL、300×10/μL、275×10/μL、250×10/μL、225×10/μL、200×10/μL、175×10/μL、または150×10/μLのいずれか未満の、これらの数値の間の値も含む、血小板数をもたらす。他の態様では、腫瘍細胞増殖の減少は、テロメラーゼ阻害剤投与の開始後、約24週間、23週間、22週間、21週間、20週間、19週間、18週間、17週間、16週間、15週間、14週間、13週間、12週間、11週間、10週間、9週間、8週間、7週間、6週間、5週間、4週間、3週間、または2週間またはそれ以下のいずれか以内に個体の血液中の血小板数(例えば、上述の任意の血小板数)の減少をもたらす。
いくつかの態様では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.3mg/kgである。他の態様では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、9.5mg/kgから11.7mg/kgである。別の態様では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、6.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.4mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、6.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.4mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、少なくとも約6.5mg/kg、6.6mg/kg、6.7mg/kg、6.8mg/kg、6.9mg/kg、7mg/kg、7.1mg/kg、7.2mg/kg、7.3mg/kg、7.4mg/kg、7.5mg/kg、7.6mg/kg、7.7mg/kg、7.8mg/kg、7.9mg/kg、8mg/kg、8.1mg/kg、8.2mg/kg、8.3mg/kg、8.4mg/kg、8.5mg/kg、8.6mg/kg、8.7mg/kg、8.8mg/kg、8.9mg/kg、9mg/kg、9.1mg/kg、9.2mg/kg、9.3mg/kg、9.4mg/kg9.5mg/kg、9.6mg/kg、9.7mg/kg、9.8mg/kg、9.9mg/kg、10mg/kg、10.1mg/kg、10.2mg/kg、10.3mg/kg、10.4mg/kg、10.5mg/kg、10.6mg/kg、10.7mg/kg、10.8mg/kg、10.9mg/kg、11mg/kg、11.1mg/kg、11.2mg/kg、11.3mg/kg、11.4mg/kg、11.5mg/kg、11.6mg/kg、11.7mg/kg、11.8mg/kg、11.9mg/kg、12mg/kg、12.1mg/kg、12.2mg/kg、12.3mg/kg、12.4mg/kg、12.5mg/kg、12.6mg/kg、12.7mg/kg、12.8mg/kg、12.9mg/kg、または13mg/kgのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、個体に投与される有効量のテロメラーゼ阻害剤は9.4mg/kgではない。
いくつかの態様では、ETを有すると診断されたまたは考えられる個体は、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子にV617F機能獲得型変異を有する。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、個体のJAK2 V617F遺伝子変異の割合を低減させる。
3.正常レベルの循環血小板を維持するための方法
他の態様では、本態性血小板血症を有すると診断されたまたは疑われる個体の血液中で、血小板数を約400×10/μL未満間に維持するための方法を本明細書に提供し、該方法は、臨床有効量のテロメラーゼ阻害剤を個体に投与することを含み、テロメラーゼ阻害剤の投与が個体の血小板数を約400×10/μL未満に維持することを特徴とする。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、テロメラーゼのRNA成分に相補的であり得、場合によっては10〜20塩基対間の長さであり得るオリゴヌクレオチドを含む。一実施形態では、オリゴヌクレオチドは配列TAGGGTTAGACAAを含む。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは複数のN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。オリゴヌクレオチドは、任意選択的にリンカー(グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーなど)を介して、その5’または3’末端のいずれかの脂質部分に複合することもできる。いくつかの実施形態では、脂質部分はパルミトイル(C16)部分である。なおも別の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤はimetelstatである。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン依存性巨核球増殖を阻害しない。他の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、サイトカイン非依存性巨核球増殖を阻害する。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、CFU−megaを阻害する。なおも他の実施形態では、CFU−Megaの阻害は、JAK2 V617F遺伝子変異における減少と非依存である。いくつかの実施形態では、個体は、既存の非テロメラーゼ阻害剤をベースとする治療法(ヒドロキシウレア、アナグレリド、またはインターフェロンα−2Bを含むが、これらに限定されない)に耐性である、または不耐性であることができる。他の実施形態では、個体はヒトである。
いくつかの態様では、テロメラーゼ阻害剤(本明細書に記載の任意のテロメラーゼ阻害剤など)の投与は、血小板数を生理学的に正常なレベルに維持する。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、個体の血液中で、包括して、約600×10/μL、575×10/μL、550×10/μL、525×10/μL、500×10/μL、475×10/μL、450×10/μL、425×10/μL、400×10/μL、375×10/μL、350×10/μL×10/μL、325×10/μL、300×10/μL、275×10/μL、250×10/μL、225×10/μL、200×10/μL、175×10/μL、または150×10/μLのいずれか未満の、これらの数値の間の値も含む、血小板数を維持する。他の態様では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、個体の血液中、約100〜400×10/μL、150〜200×10/μL、150〜250×10/μL、150〜300×10/μL、150〜350×10/μL、150〜400×10/μL、200〜250×10/μL、200〜300×10/μL、200〜350×10/μL、200〜400×10/μL、250〜300×10/μL、250〜350×10/μL、250〜400×10/μL、300〜350×10/μL、300〜400×10/μL、または350から400×10/μLのいずれかの間の血小板数を維持する。
なおも他の態様では、血小板数を生理的に正常なレベルに維持するためには、1日、隔日、3日、1週間、11日、隔週、3週間、1月、6週間、隔月、またはより長い期間、包括して、これらに含まれるの期間含む、に1回以下のテロメラーゼ阻害剤の投与を必要とする。
いくつかの態様では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.3mg/kgである。他の態様では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、9.5mg/kgから11.7mg/kgである。別の態様では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、少なくとも約6.5mg/kg、6.6mg/kg、6.7mg/kg、6.8mg/kg、6.9mg/kg、7mg/kg、7.1mg/kg、7.2mg/kg、7.3mg/kg、7.4mg/kg、7.5mg/kg、7.6mg/kg、7.7mg/kg、7.8mg/kg、7.9mg/kg、8mg/kg、8.1mg/kg、8.2mg/kg、8.3mg/kg、8.4mg/kg、8.5mg/kg、8.6mg/kg、8.7mg/kg、8.8mg/kg、8.9mg/kg、9mg/kg、9.1mg/kg、9.2mg/kg、9.3mg/kg、9.4mg/kg、9.5mg/kg、9.6mg/kg、9.7mg/kg、9.8mg/kg、9.9mg/kg、10mg/kg、10.1mg/kg、10.2mg/kg、10.3mg/kg、10.4mg/kg、10.5mg/kg、10.6mg/kg、10.7mg/kg、10.8mg/kg、10.9mg/kg、11mg/kg、11.1mg/kg、11.2mg/kg、11.3mg/kg、11.4mg/kg、11.5mg/kg、11.6mg/kg、11.7mg/kg、11.8mg/kg、11.9mg/kg、12mg/kg、12.1mg/kg、12.2mg/kg、12.3mg/kg、12.4mg/kg、12.5mg/kg、12.6mg/kg、12.7mg/kg、12.8mg/kg、12.9mg/kg、または13mg/kgのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、個体に投与される有効量のテロメラーゼ阻害剤は9.4mg/kgでない。
いくつかの態様では、ETを有すると診断されたまたは考えられる個体は、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子にV617F機能獲得型変異を有する。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与は、個体のJAK2 V617F遺伝子変異の割合を低減させる。
G.テロメラーゼ阻害剤の投与
いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤(本明細書に開示される任意のテロメラーゼ阻害剤など)は、注射の形態で投与される。注射は、水性の注射可能な賦形剤または担体と組み合わせて化合物を含むことができる。好適な水性の注射可能な賦形剤または担体の非限定的な例は、当業者に周知であり、それら、および製剤を製剤化する方法は、Alfonso AR:Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17編,Mack Publishing Company,イーストン ペンシルベニア州,1985のような標準的な参考文献に見出すことができる。好適な水性の注射可能な賦形剤または担体は、任意選択的に、10%のマンニトールまたは他の糖、10%のグリシン、または他のアミノ酸などの溶解促進剤を含有する、水、食塩水、水性デキストロース溶液、およびその他を含む。組成物は、皮下、腹腔内、静脈内に注射され得る。
いくつかの実施形態では、静脈内投与が使用され、15分程度など、数分から1時間またはそれ以上の時間にわたる、連続静脈内注入であり得る。投与量は、テロメラーゼ阻害剤のタイプ、単位用量のサイズ、賦形剤または担体の種類、および当業者に周知の他の因子に依存して、広く変動し得る。残りは賦形剤(s)または担体を含んで、テロメラーゼ阻害剤は、例えば、約0.001%から約10%(w/w)、約0.01%から約1%、約0.1%から約0.8%、またはその中の任意の範囲を含み得る。
経口投与については、テロメラーゼ阻害剤は、結合剤、充填剤、潤滑剤、崩壊剤、または湿潤剤などの薬学的に許容され得る賦形剤または担体とともに、例えば、従来の手段によって調製される錠剤またはカプセルの形態をとることができる。経口投与用の液体製剤は、例えば、溶液、シロップまたは懸濁液の形態をとり得、または使用前に水または他の好適なビヒクルで構成するための乾燥製品として提供され得る。かかる液体製剤は、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または水素化食用脂);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性ビヒクル(例えば、アチオンドオイル(ationd oil)、油性エステル、エチルアルコールまたは等級別植物油);および防腐剤(例えば、メチルパラベンまたはプロピルパラベンまたはソルビン酸)などの、薬学的に許容され得る添加剤を用いて従来の方法で調製され得る。調製物は、適切な緩衝塩類、香料、および着色剤も含有し得る。
いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、またはそれらの組み合わせなどの、好適な噴射剤を含み得るエアロゾルスプレーまたはネブライザーを通じた吸入によって投与され得る。一非限定的な実施例において、加圧エアロゾル用の投薬単位は定量弁を通して送達され得る。他の実施形態では、ゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、例えば、吸入器で使用されることができ、例えばデンプンまたはラクトースなどの好適な粉末ベースと化合物の粉末化混合物を含有するように製剤化されることができる。
いくつかの実施形態では、個体に投与されるテロメラーゼ阻害剤の量は、任意の以下の範囲、約0.5から約5mg、約5から約10mg、約10から約15mg、約15から約20mg、約20から約25mg、約20から約50mg、約25から約50mg、約50から約75mg、約50から約100mg、約75から約100mg、約100から約125mg、約125から約150mg、約150から約175mg、約175から約200mg、約200から約225mg、約225から約250mg、約250から約300mg、約300から約350mg、約350から約400mg、約400から約450mg、または約450から約500mgに含まれる。いくつかの実施形態では、個体に投与される有効量におけるテロメラーゼ阻害剤の量(例えば単位剤形)は、約30mgから約300mgまたは約50mgから約200mgなどの、約5mgから約500mgの範囲である。いくつかの実施形態では、個体に投与されるテロメラーゼ阻害剤の濃度は、例えば約0.1から約200mg/ml、約0.1から約180mg/ml、約0.1から約160mg/ml、約0.1から約140mg/ml、約0.1から約120mg/ml、約0.1から約100mg/ml、約0.1から約80mg/ml、約0.1から約60mg/ml、約0.1から約40mg/ml、約0.1から約20mg/ml、約0.1から約10mg/ml、約2から約40mg/ml、約4から約35mg/ml、約6から約30mg/ml、約8から約25mg/ml、約10から約20mg/ml、約12から約15mg/mlのいずれか、または約0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、0.6mg/ml、0.7mg/ml、0.8mg/ml、0.9mg/ml、1mg/ml、1.1mg/ml、1.2mg/ml、1.3mg/ml、1.4mg/ml、1.5mg/ml、1.6mg/ml、1.7mg/ml、1.8mg/ml、1.9mg/ml、2mg/ml、2.1mg/ml、2.2mg/ml、2.3mg/ml、2.4mg/ml、または2.5mg/mlのいずれかを含んで、希釈される(約0.1mg/ml)または濃縮される(約180mg/ml)。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の濃度は、少なくとも約0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、11mg/ml、12mg/ml、13mg/ml、14mg/ml、15mg/ml、16mg/ml、17mg/ml、18mg/ml、19mg/ml、20mg/ml、21mg/ml、22mg/ml、23mg/ml、24mg/ml、25mg/ml、26mg/ml、27mg/ml、28mg/ml、29mg/ml、30mg/ml、31mg/ml、32mg/ml、33mg/ml、33.3mg/ml、34mg/ml、35mg/ml、36mg/ml、37mg/ml、38mg/ml、39mg/ml、40mg/ml、50mg/ml、60mg/ml、70mg/ml、80mg/ml、90mg/ml、100mg/ml、110mg/ml、120mg/ml、130mg/ml、140mg/ml、150mg/ml、160mg/ml、170mg/ml、180mg/ml、190mg/ml、200mg/ml、210mg/ml、220mg/ml、230mg/ml、240mg/ml、または250mg/mlのいずれかである。
個体に投与される例示的な有効量のテロメラーゼ阻害剤は、少なくとも約25mg/m、30mg/m、50mg/m、60mg/m、75mg/m、80mg/m、90mg/m、100mg/m、120mg/m、125mg/m、150mg/m、160mg/m、175mg/m、180mg/m、200mg/m、210mg/m、220mg/m、250mg/m、260mg/m、300mg/m、350mg/m、400mg/m、500mg/m、540mg/m、750mg/m、1000mg/m、または1080mg/mのいずれかを含むがこれらに限定されない。種々の実施形態では、個体に投与されるテロメラーゼ阻害剤の量は、約350mg/m、300mg/m、250mg/m、200mg/m、150mg/m、120mg/m、100mg/m、90mg/m、50mg/m、または30mg/mいずれか未満のテロメラーゼ阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、投与毎のテロメラーゼ阻害剤の量は、25mg/m、22mg/m、20mg/m、18mg/m、15mg/m、14mg/m、13mg/m、12mg/m、11mg/m、10mg/m、9mg/m、8mg/m、7mg/m、6mg/m、5mg/m、4mg/m、3mg/m、2mg/m、または1mg/mのいずれか未満である。いくつかの実施形態では、個体に投与される有効量のテロメラーゼ阻害剤は、任意の以下の範囲に含まれる。約1から約5mg/m、約5から約10mg/m、約10から約25mg/m、約25から約50mg/m、約50から約75mg/m、約75から約100mg/m、約100から約125mg/m、約125から約150mg/m、約150から約175mg/m、約175から約200mg/m、約200から約225mg/m、約225から約250mg/m、約250から約300mg/m、約300から約350mg/m、または約350から約400mg/m。いくつかの実施形態では、個体に投与される有効量のテロメラーゼ阻害剤は、約20から約300mg/m、約50から約250mg/m、約100から約150mg/m、約120mg/m、約130mg/m、または約140mg/m、または約260mg/mなどの、約5から約300mg/mである。
任意の上記の態様のいくつかの実施形態では、個体に投与される有効量のテロメラーゼ阻害剤は、少なくとも約1mg/kg、2.5mg/kg、3.5mg/kg、5mg/kg、6.5mg/kg、7.5mg/kg、9.4mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、または20mg/kgのいずれかを含む。種々の実施形態では、個体に投与される有効量のテロメラーゼ阻害剤は、約350mg/kg、300mg/kg、250mg/kg、200mg/kg、150mg/kg、100mg/kg、50mg/kg、30mg/kg、25mg/kg、20mg/kg、10mg/kg、7.5mg/kg、6.5mg/kg、5mg/kg、3.5mg/kg、2.5mg/kg、または1mg/kgのいずれか未満のテロメラーゼ阻害剤を含む。任意の上記の態様の他の実施形態では、個体に投与される有効量のテロメラーゼ阻害剤は、少なくとも約6.5mg/kg、6.6mg/kg、6.7mg/kg、6.8mg/kg、6.9mg/kg、7mg/kg、7.1mg/kg、7.2mg/kg、7.3mg/kg、7.4mg/kg、7.5mg/kg、7.6mg/kg、7.7mg/kg、7.8mg/kg、7.9mg/kg、8mg/kg、8.1mg/kg、8.2mg/kg、8.3mg/kg、8.4mg/kg、8.5mg/kg、8.6mg/kg、8.7mg/kg、8.8mg/kg、8.9mg/kg、9mg/kg、9.1mg/kg、9.2mg/kg、9.3mg/kg、9.4mg/kg、9.5mg/kg、9.6mg/kg、9.7mg/kg、9.8mg/kg、9.9mg/kg、10mg/kg、10.1mg/kg、10.2mg/kg、10.3mg/kg、10.4mg/kg、10.5mg/kg、10.6mg/kg、10.7mg/kg、10.8mg/kg、10.9mg/kg、11mg/kg、11.1mg/kg、11.2mg/kg、11.3mg/kg、11.4mg/kg、11.5mg/kg、11.6mg/kg、11.7mg/kg、11.8mg/kg、11.9mg/kg、12mg/kg、12.1mg/kg、12.2mg/kg、12.3mg/kg、12.4mg/kg、12.5mg/kg、12.6mg/kg、12.7mg/kg、12.8mg/kg、12.9mg/kg、または13mg/kgのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、個体に投与される有効量のテロメラーゼ阻害剤は9.4mg/kgではない。他の実施形態では、個体に投与される有効量のテロメラーゼ阻害剤は7.5mg/kgから9.3mg/kgである。他の実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから11.7mg/kgである。なおも他の実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、9.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、6.5mg/kgから11.7mg/kgである。本明細書のいくつかの実施形態では、有効量のテロメラーゼ阻害剤は、7.5mg/kgから9.4mg/kgである。
医薬組成物(本明細書に開示の任意のテロメラーゼ阻害剤を含有する医薬組成物など)についての例示的な投与頻度は、1日1回;1日おきに1回;週2回;週3回;休みなしに週1回;4週のうち3週、週に1回;3週間に1回;2週間に1回;3週のうち2週、週に1回を含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約週1回、2週に1回、3週に1回、4週に1回、6週に一回、または8週に1回投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも約週に1回、2回、3回、4回、5回、6回、または7回(つまり1日1回)、または1日3回、1日2回のいずれかで投与される。いくつかの実施形態では、各投与間の間隔は、約6ヶ月、3ヶ月、1ヶ月、20日、15日、12日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、または1日のいずれかより少ない。いくつかの実施形態では、各投与間の間隔は約1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、8ヶ月、または12ヶ月のいずれかより長い。いくつかの実施形態では、投与スケジュールに中断はない。いくつかの実施形態では、各投与間の間隔は、約1週以下である。
他の態様では、医薬組成物(本明細書に開示される任意のテロメラーゼ阻害剤を含有する医薬組成物など)は、本態性血小板血症を有すると診断されたまたは疑われる個体の血液中で、血小板数を約150×10/μLから400×10/μL間に維持するために投与される。これらの条件下で、各投与間の間隔は、1週毎、2週毎、3週毎、または4週毎またはそれ以上であることができる。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の投与に対する間隔は、個体の血小板数が個体の血液中で400×10/μL未満のままであった場合、継時的に低減されることができる。いくつかの態様では、a)個体の血小板数を当分野に公知の任意の方法で測定すること、およびb)個体の血小板数が400×10/μLを超える場合にテロメラーゼ阻害剤を投与することを含む、ETの処置のためのテロメラーゼ阻害剤の投与頻度を決定するための方法を提供する。
医薬組成物(本明細書に開示される任意のテロメラーゼ阻害剤を含有する医薬組成物など)の投与は、例えば約1か月から約7年までの、長期間(維持療法中など)にわたって延長することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、または84ヶ月の任意の期間にわたって投与される。他の実施形態では、組成物は、個体の残りの生涯にわたって投与される。
実施例1:オリゴヌクレオチドN3’→P5’ホスホロアミデート(NP)またはN3’→P5’チオホスホロアミデート(NPS)の調製および脂質複合
本実施例は、脂質複合オリゴヌクレオチドN3’→P5’ホスホロアミデート(NP)またはN3’→P5’チオホスホロアミデート(NPS)を合成する方法を示す。
材料および方法
出発化合物
これらの化合物は、例えば、McCurdyら、Tetrahedron Letters38:207−210(1997)またはPongracz&Gryaznov,Tetrahedron Letters49:7661−7664(1999)に記載のように調製されてよい。出発3’−アミノヌクレオシドモノマーを、Nelsonら、J.Org.Chem.62:7278−7287(1997)に記載のように、またはGryaznovら、米国特許出願公開第2006/0009636号に記載の方法によって調製してよい。
脂質結合
選択される結合の性質に依存して、脂質部分Lをオリゴヌクレオチドに複合させるために種々の合成アプローチが使用され得る。例えば、Mishraら、Biochim.et Biophys.Acta1264:229−237(1995)、Sheaら、Nucleic Acids Res.18:3777−3783(1995)、またはRumpら、Bioconj.Chem.9:341−349(1995)を参照。一般的には、好適な官能基のオリゴヌクレオチド末端での使用を通じて複合は達成される。例えば、NPおよびNPSオリゴヌクレオチドの3’末端に存在する3’アミノ基を、好適なカップリング触媒を使用して、アミド結合を形成するために、カルボン酸、酸塩化物、酸無水物、活性エステルと反応させることができる。チオール基もまた官能基として好適である(Kupiharら、Bioorg.Med.Chem.9:1241−1247(2001)を参照)。異なる鎖長の種々のアミノおよびチオール官能化改変物質が、オリゴヌクレオチド合成用に市販されている。
脂質基をNPまたはNPSオリゴヌクレオチドの末端に結合するための具体的なアプローチは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2005/0113325号に記載のものを含む。上記のアミド結合に加えて、例えば、脂質は、脂質とオリゴヌクレオチドを連結させるホスホロアミデートまたはチオホスホロアミデート結合を生成するために、脂質のホスホルアミダイト誘導体を使用してオリゴヌクレオチド鎖にも結合されてよい。完全に保護された支持体結合オリゴヌクレオチドの遊離3’アミノも、好適な脂質アルデヒドと反応し得、その後シアノホウ水素化ナトリウムで還元され、それはアミノ結合を生成する。
5’末端への脂質の結合のために、また米国出願公開第2005/0113325号に記載されるように、オリゴヌクレオチドは、改変された、脂肪を含有する固体支持体を使用して合成されることができる。第一級アルコールのジメトキシトリチル化および第二級アルコールのスクシニル化が後に続く、3’−アミノ−1,2−プロパンジオールと脂肪酸塩化物(fatty acyl chloride)(RC(O)Cl)の反応は、遊離スクシニルカルボキシル基を介して、次いで固体支持体に連結する中間体を提供する。改変された支持体の例を以下に示し、Sは長鎖アルキルアミンCPG支持体を表し、Rは脂質を表す。
この手順に続いて、例えば、Pongracz&Gryaznov(1999)に記載のように、ODMT基の脱保護およびホスフィチル化から開始して、5’から3’方向でオリゴヌクレオチドが合成される、。これは、固体支持体からの切断後に、例えば、以下の構造を生成するのに有効である。
上記の構造は、Rが(CH14CH(パルミトイル)であるとき、本明細書ではGRN163L(ImetelstatまたはImetelstatナトリウム)と指定される。
FlashPlate(商標)アッセイ
このアッセイは、本質的にAsaiら、Cancer Research63:3931−3939(2003)に記載されるように、実行された。簡単に述べると、本アッセイは、ビオチン化テロメラーゼ基質プライマーへのTTAGGGテロメア反復配列の付加を測定することによりテロメラーゼ活性を検出および/または測定する。ビオチン化生成物は、ストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレート上の捕捉であり、33Pで標識した、3.5テロメア反復に相補的なオリゴヌクレオチド・プローブを、テロメラーゼ生成物を測定するために用いる。未結合プローブを洗浄によって除去し、捕捉されたテロメラーゼ生成物にアニールしたプローブの量をシンチレーション計数により定量する。
実施例2:Imetelstatは、in−vitroで、本態性血小板血症患者および骨髄線維症(Myelofivrosis)患者からのCFU−Megの自発性増殖を阻害するが、健常個体からのそれは阻害しない。
本実施例は、JAKV617F変異状態または細胞減少療法とは非依存に、本態性血小板血症(essential hrombocythemia)または骨髄線維症に罹患する患者における、imetelstatによる、巨核球コロニー形成単位(CFU−Mega)の用量依存的な抑制を実証し、悪性の巨核球細胞に対するimetelstatの特異性を示す。
材料および方法
巨核球増殖および分化に及ぼすimetelstatの効果を測定するために、以下の方法を使用した。(1)臍帯血(CB)細胞を、陰性細胞分離装置を使用してCD34陽性発現細胞について濃縮した;(2)細胞を、巨核球前駆細胞の発達のために指定されたサイトカイン製剤を含有する無血清液体培地であるStemSpan(登録商標)SFEMにおいて、imetelstat(1〜15μM)でインキュベートした;(3)臍帯血細胞を計17日間にわたって培養した;(4)フローサイトメトリーにより分化マーカー(CD41)についておよびTRAPアッセイによりテロメラーゼ活性について、種々の時点で、細胞を数えあげて評価した。
CFU−Mega用量反応曲線を測定するために、3人の健常個体および11人のET患者および1人の骨髄繊維性(MF)患者(WHO2009の基準を使用して決定)からの単核細胞(MNC)を、末梢血から分離し、IMDM中に懸濁またはコラーゲン±サイトカイン(TPO、IL3、IL6、SCF、EPO)内へとプレートし、0、0.1、1および10μMのimetelstatまたはミスマッチ対照で処理し、数時間(細胞懸濁液)または10〜12日間(コラーゲン+5%CO)にわたって37℃でインキュベートした。巨核球を染色し、CFU−Megaの数をスコア化した。用量反応解析は、用量に対するLog10(コロニー数)についての4パラメータlogロジスティックモデルを活用した。テロメラーゼ活性をMNCにおいてTRAPアッセイにより測定した。
結果
図1Aおよび1Bは、imetelstaが、健常ドナーの巨核球増殖または分化を阻害しないことを示す。
表1は、CFU−Megaの自発性増殖およびimetelstatによる阻害を示す。
表2は、CFU−Megaのサイトカイン刺激性増殖およびimetelstatによる阻害がないことを示す。
図7は、imetelstatが骨髄線維症患者における巨核球増殖または分化を阻害することを示す。
図2の用量反応曲線および図7の結果は、imetelstatが腫瘍前駆体増殖を減少させることを示す。末梢血からのCFU−Megaは、imetelstatがETおよびMFに罹患する患者からの腫瘍性(自発性)巨核球増殖を阻害するが、健常個体からの正常(サイトカイン依存性)巨核球増殖を阻害しないことを示す。ETに罹患する患者におけるimetelstatによるCFU−Mega形成のこの用量依存抑制は、JAK V617F変異状態または細胞減少療法とは非依存である。
実施例3:細胞減少を必要とし、既存療法に治療不成功したまたは不耐性である、または標準治療を拒絶する本態性血小板血症に罹患するにおけるImetelstat(GRN163L)の活性を評価するための第II相試験(第II相ImetelstatET研究)
本実施例は、imetelstatが、既存療法に不応性または不耐性である本態性血小板血症(ET)を有する患者において実質的な血液学的奏効および分子遺伝学的奏効を急速に誘導し維持すると実証する。
材料および方法
臨床試験計画
既存療法の少なくとも一つに治療不成功したまたは不耐性であり(または標準治療を拒絶した)、細胞減少を必要としたETに罹患する患者に7.5〜11.7mg/kgのImetelstatを週に2時間の静脈内注入として血小板反応まで滴定した用量で導入した。250〜300×10/μLの血小板数が達成されたら、次いで、維持段階において投与頻度を少なくすることを目標として、血小板反応および毒性に基づいて用量を増減させてimetelstatの維持量投与を開始した。
ET特異的患者の選択基準は、(1)世界保健機関(WHO)の基準によるETの確定診断;(2)細胞減少を必要とする、および既存療法の少なくとも一つに治療不成功したまたは不耐性である(または標準治療を拒絶した)ETに罹患する患者とした。臨床検査基準(最初の臨床試験薬投与の14日以内)は、(1)血小板が600,000/μLを超える;(2)ANCが1500/μL以上;(3)ヘモグロビンが10g/dL以上であることとした。
すべての患者についての一般的な基準は、(1)インフォームドコンセントフォームに署名する意思があり、することができる;(2)18歳以上の男性または女性;(3)0−2のECOGパフォーマンスステータスであることとした。すべての患者についての臨床検査基準(最初の臨床試験薬投与の14日以内)は、(1)INR(またはPT)およびaPTTが、正常値上限(ULN)の1.5倍未満である;(2)血清クレアチニンが2mg/dL以下である;(3)血清ビリルビンが2.0mg/dL未満(ジルベール症候群の患者では、血清ビリルビンがULNの3倍未満)である;(4)AST(SGOT)およびALT(SGPT)がULNの2.5倍以下である;(5)アルカリホスファターゼが、2.5ULN未満である;(6)臨床試験処置の開始の前に、以前の癌処置および/または大手術からの臨床的に重大な毒性はいずれも、グレード0−1に回復している必要がある、とした。
任意の以下の基準を満たした患者はスクリーニングおよび臨床試験登録から除外した。(1)妊娠または授乳中の女性;(2)幹細胞移植を以前受けた;(3)最初の臨床試験薬投与の前4週間以内に調査的治療を受けた;(4)(a)コントロール不良のうっ血性心不全(CHF);(b)心室性不整脈のための抗不整脈治療の必要がある;(c)臨床試験責任医師の判断による臨床的に重大な重度の伝音障害;(d)治療を必要とする進行中の狭心症;(e)ニューヨーク心臓協会(NYHA)クラスII,III,またはIVの循環器疾病;(f)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)についての血清学的検査で陽性と知られている;(g)活動性または慢性再発性出血,臨床的に関連する進行中の感染,硬変症、および慢性閉塞性または慢性拘束性肺疾を含む、臨床試験責任医師の判断による重度合併症の医学的症状;または(h)プロトコル要件に従い、臨床試験参加または臨床試験薬投与に伴うリスクを増大させ得るかまた臨床試験結果の解釈を妨害し得る、および臨床試験責任医師の判断において、患者を臨床試験に不適当とするだろう、任意の他の重度な、急性の、または慢性な医学的または精神医学的状態、臨床検査値の異常、または困難を含む臨床的に重要な循環器疾患または状態。
主要評価項目は、最良総合血液学的奏効率(RR)(完全寛解(CR)+部分寛解(PR))とした。最初の投与(サイクル1の1日目)から臨床試験の終了(最後の参加者が投与された12か月後)までを時間枠とした。
副次評価項目は、血液学的奏功の期間の測定、分子遺伝的奏功(JAK2 V617F/MPL W515mt患者)の測定、および血液学的毒性、非ヘムグレード(non−heme Grade)3および4の有害事象(AE)、および出血性事象を有する複数の患者をモニターすることにより安全性および忍容性を試験することを目的とした。最初の投与(サイクル1の1日目)から臨床試験の終了(最後の参加者が投与された12か月後)までを時間枠とした。CFU−Megaの自発性増殖(選択部位のみ)を探索的目的とした。
表3は、本臨床試験についての奏効の定義を記す。欧州白血病ネット奏功基準をBarosiら、Blood(2009)から適用した。ヘム応答(Heme response)を4週間の最新としてカウントした。
患者基本情報を以下の表4に提供する。
結果
図3は、100%の総合血液学的寛解が、従来療法に治療不成功したまたは不耐性であったETに罹患する全14患者において達成されたことを示す。14人中13人(92.9%)の患者で完全寛解が、14人中1人(7.1%)の患者で部分寛解が達成された。血液学的CRを得た全患者は処置を継続している。データは、血小板数≦400×10/μL(各患者について菱形で示す)が最初に発生するまでの時間は、3.1週間(2.1から23.1週間)の中央値を有し、一方で完全寛解までの時間は、6.1週間(5.1から14.1週間)の中央値を有した(図3)。
血液学的完全寛解し、維持療法を開始した13患者についての投与頻度のデータを以下の表5に提供する。維持投与頻度は、概して時間とともに減少し(週1回から7週毎までの範囲)、患者の大多数(84.6%または11/14)はimetelstatを2週に1回またはより少ない頻度(中央値に基づく)で受けていた。治療の継続に適格であった85.7%(6/7)の患者は、1年後も維持療法を継続している。
図4Aに示すように、%JAK2 V617F遺伝子変異の割合が全患者において継時的に低減し、一方で図4Bは、分子遺伝的奏功(PR)が、JAK2 V617(JAPK2 V617F)について試験された6/7(85.7%)の患者において3〜6か月の範囲内で到達されたことを示す。
表6は、探索的評価項目(CFU−Mega)に関する結果を示す。試験された二人の患者において、ex−vivoでのCFU−Megaの自発性増殖の減少(それぞれ、ベースラインから93%および96%減少)が実証され、既存のex−vivoデータを確証した。
図5は、CFU−Megaの自発性増殖が、一患者(患者番号4)のJAK2遺伝子変異における減少とは相関しないことを示す。
データは、imetelstatが、本態性血小板血症などの骨髄増殖性腫瘍(MPN)を駆り立て、疾病の根底にある生物学的特徴を修飾する可能性を有する腫瘍性クローンの増殖に相対的に選択的な阻害効果を及ぼすことを示す。
表7は、臨床的に重大な頻発非血液有害事象を示す。
実施例4:DIPSSplus中間−2リスクまたは高リスク原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症から移行した骨髄線維症(post−PV MF)または本態性血小板血症から移行した骨髄線維症(post−ET MF)を有する患者における、Imetelstat(GRN163L)の有効性および安全性の非盲検パイロット試験
材料および方法
臨床試験計画
標準治療に活性でなかったDIPSSplus中間−2リスクまたは高リスク原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症から移行した骨髄線維症(post−PV MF)または本態性血小板血症から移行した骨髄線維症(post−ET MF)を有する患者を、21日毎に1度、2時間の静脈内注入として与えられた9.4mg/kgのImetelstatを導入した(コホートA)。代替として、患者に週1回を3週間、その後21日毎に1度の2時間の注入(9.4mg/kg)で投与した(コホートB)。患者は、最大9サイクルにわたって処置を受けてよい。患者は治療を9サイクルを超えて継続しても良い。
PMF特異的患者の選択基準は、(1)世界保健機関(WHO)の基準でETの確定診断;(2)細網繊維および/またはコラーゲン線維化を伴った、巨核球の増殖と異形成があること、または(4)CML、PV、MDSまたは他の骨髄腫瘍のWHO基準を満たさないこと、または(5)反応性骨髄線維症の証拠がないこととした。
Post−PV MF特異的患者の選択基準は、(1)世界保健機関(WHO)の基準でPVの確定診断;(2)骨髄繊維化のグレードが2−3(0−3スケール上)またはグレード3−4(0−4スケール上)および(3)(a)細胞減少療法の非存在下での、貧血症または瀉血の必要性の持続的な損失または(b)白赤芽球症性の末梢血の画像(leukoerythroblastic peripheral blood picture)または(c)5cm以上の触知可能な脾腫の増大または新しい触知可能な脾腫の出現のいずれかとして定義される脾腫の増大または(d)3つの全身症状(6か月以内に10%の体重減少、盗汗、原因不明な発熱(37.5°C)の内1つ以上の発症、の2つ以上とした。
Post−ET MF特異的患者の選択基準は、(1)世界保健機関(WHO)の基準でETの確定診断;(2)骨髄繊維化のグレードが2−3(0−3スケール上)またはグレード3−4(0−4スケール上)および(3)(a)貧血症およびベースラインヘモグロビン値から2g/dL以上の低減または(b)白赤芽球症性の末梢血の画像または(c)5cm以上の触知可能な脾腫の増大または新しい触知可能な脾腫の出現のいずれかとして定義される脾腫の増大または(d)キャステートデヒドロゲナーゼ(castate dehydrogenase)の増大または(e)3つの全身症状(6か月以内に10%の体重減少、盗汗、原因不明な発熱(37.5°C)の内1つ以上の発症、の2つ以上とした。
全ての患者に対する一般的な基準は、(1)インフォームドコンセントフォームに署名する意思があり、することができる;(2)18歳以上の男性または女性;(3)0〜2のECOGパフォーマンスステータスとした。全ての患者(最初の臨床試験薬投与の14日以内)に対する検査基準は、(1AST(SGOT)およびALT(SGPT)≦2.5×ULN;(2)クレアチン≦3mg/dL;(3)絶対好中球数≧1000/μL;(4)血小板数≧50,000/μL;(5)全身的な抗凝固を伴う活性処置の非存在およびベースラインPTおよびaPTTがUNLの1.5倍を超過しないこととした。
任意の以下の基準を満たした患者は、スクリーニングおよび臨床研究登録から除外した。(1)妊娠または授乳中の女性;(2)登録の14日以内前に、化学療法、免疫調節薬療法、免疫抑制療法、コルチコステロイド、10mg/日のプレドニゾンまたは等価物、成長因子処置またはJAK阻害剤療法のいずれかを受けた;(4)他の進行中の悪性病変を有する被検体(5)HIVについて陽性状態と知られている(6)以前の抗癌療法からのグレード2以上に大きい(greater tor equal to)任意の未解決の毒性(6)任意の前の外科手術からの不完全回復(7)抗生物質を必要とする急性の進行中の感染症の存在(8)患者の安全性またはプロトコルのコンプライアンスを危険にさらす、制御されていない併発疾患または任意の同時症状。
主要評価項目は、最良全奏効率(RR)(臨床的改善(CI)または完全寛解(CR)または部分寛解(PR))。最初の投与(サイクル1の1日目)から処置の最初の9サイクルまでを時間枠とした。
副次評価項目の目的は、(a)有害事象、(b)脾臓奏効:ベースラインで少なくとも10cmである脾臓またはベースラインで5cm以上で触知可能な脾臓の触知可能な脾腫大における最小50%減少のいずれかとして定義される(c)輸血非依存性:輸血依存性が、臨床的に明白な出血と関連しなかった85g/L未満のヘモグロビン値に対して直近の月における少なくとも2単位の赤血球輸血の履歴として定義される場合、を測定することとした。最初の投与(サイクル1の1日目)から臨床試験の終了までを時間枠とした。探索的目的は、(a)より低いグレードへの骨髄繊維化の逆転の骨髄組織学的評価および(b)サイクル3、6、9の終了時にその数において少なくとも50%の減少を達成したベースライン白血球増加症および血小板増加症を有する患者の一部、とした。
表9は、本臨床試験についての奏効定義を記す。骨髄化生を伴う骨髄線維症における処置奏効についての国際ワーキンググループ(IWG)の合意基準を使用した。
結果
臨床的有用性が、この臨床試験に登録された患者において観察された。33人の患者が該当した(accured)。最初の18人は登録し、最小3か月間にわたりフォローし、それ以外は中止した。コホートAに11人の患者、コホートBに7人の患者;44%がPMF、33%がポスト−PV MFおよび22%がポスト−ET MFであった。年齢中央値は68歳で、ベースラインリスクは56%で高リスクであり、44%で中間−2リスクであった。7人の患者は輸血依存であった。脾臓サイズの中央値は13cmであり、11人の患者は全身症状を有した。核型は、7人の患者で異常であり、89%はJAK2−変異型であった。15人(83%)の患者は、そのうち7人はJAK阻害剤および3人はポマリドマイドで、以前に処置を受けた。
毒性
3.2か月の経過観察中央値で、16人(89%)の患者は処置を継続した;2件の中止例は、非関連死亡および疾病進行からであった。コホートAでは、グレード4処置関連有害事象はなく、グレード3事象は27%における血小板減少症および9%における貧血症に限られた。コホートBでは、2人(29%)の患者がグレード4血小板減少症を経験し、グレード3事象は各1人の患者で血小板減少症、好中球減少症および貧血症に限られた。2人(11%)の患者においてのみ、グレード3または4の骨髄抑制のために投与量の減少が必要であった。
有効性
全奏効率は44%であった。これは、完全寛解(CR)(n=4)または部分寛解(PR)(n=1)についてのBMおよび末梢血形態的基準(morphologic criteria)を満たした5人(28%)の患者、および臨床的改善、奏効期間のバリデーション中、薬物誘導グレード1血小板減少症の解決を有した3人の患者を含んだ。4人(22%)のCR患者は、骨髄(BM)線維症の逆転および正常巨核球形態の回復を経験した。2人のCR患者は、ベースラインでは輸血依存性であったが、輸血非依存性になった。完全分子遺伝的奏功は、2人のCR患者において実証された。一人は10%のJAK2V617Fおよび他方は50%のJAK2V617Fを有した。白血球増加症に罹患する13人の患者の間で、10人(77%)はその数を正常化させ、または50%を超える減少を有した。11人(61%)の患者は、白赤芽球症の完全または部分解決を有した。
実施例5:Imetelstatはin−vitroで急性骨髄性白血病患者からのCD34陽性細胞の自発性増殖を阻害するが、健常個体からのは阻害しない。
この実施例は、急性骨髄性白血病を有する患者におけるimetelstatによるCD34陽性細胞の用量依存性抑制を実証し、悪性のCD34陽性細胞に対するimetelstatの特異性を示唆する。
材料および方法
imetelstatの有効性を測定するために以下の方法を使用した。(1)コロニー形成アッセイおよび液体培養物内で、合計14日間にわたり骨髄細胞をimetelstat(0.1−10μM)とインキュベートし、種々の時点で細胞を数え上げ、評価した。
CFU用量反応曲線を測定するために、4人の健常個体または5人のAML患者からの骨髄細胞を、プレートされ、0、0.1、1および10μMのimetelstatまたはミスマッチ対照で処理した末梢血から分離した。CFU−GM(コロニー形成単位−顆粒球、マクロファージ)およびBFU−E(バースト形成単位−赤芽球)を染色し、CFU−GMおよびBFU−Eの数をスコア化した。
結果
Imetelstatは、14日間のCFUアッセイにおいて健常ドナーの骨髄からのCFUを減少させなかった。
14日間のCFUアッセイにおけるimetelstatでの処置において、AML患者からの骨髄細胞のCFUの減少が観察された。
14日間の液体培養物アッセイにおいて、Imtelstatは、新しく診断されたAML患者の骨髄細胞からの細胞増殖を減少させた。
Imetelstatは、AML患者の骨髄細胞から由来するCD34陽性細胞の増殖を減少させたが、正常患者の骨髄からのは減少させなかった。図6は、5日目、7日目、および9日目の、健常ドナーから獲得したCD34陽性細胞およびAML患者からのCD34陽性細胞のImetelstatを用いたin−vitro処理の後培養物における細胞増殖の割合を表す。
本発明の単なる例示であることが意図され、したがっていかなる方法においても本発明を限定すると考えるべきではない実施例は、上述の本発明の態様および実施形態を説明し、詳述もする。前述の実施例と詳細な説明は、例示のために提供され、限定するものではない。本明細書で引用した全ての刊行物、特許出願、および特許は、各個々の刊行物、特許出願、または特許が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されたかのように参照により本明細書に組み込まれる。特に、本明細書に引用される全ての刊行物は、本発明に関連して使用される可能性のある組成物および方法を記載および開示する目的のために、参照により明確に本明細書に組み込まれる。前述の発明は理解を明確にする目的のために例示および実施例によりいくらか詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく特定の変更および修正がそこになされてよいことが本発明の教示に照らして当業者に容易に明らかである。

Claims (1)

  1. 図面に記載の発明。
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