JP2020040120A - ジェットディスペンサー用はんだ組成物、および電子基板の製造方法 - Google Patents

ジェットディスペンサー用はんだ組成物、および電子基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ジェットディスペンサーにより塗布する場合に、十分な塗布性を有し、かつ、チップ立ちおよびフラックス飛散の発生を抑制でき、しかも、フラックス洗浄の必要がないレーザーはんだ付け用はんだ組成物を提供すること。【解決手段】本発明のジェットディスペンサー用はんだ組成物は、ジェットディスペンサーを用いてはんだ組成物を塗布し、レーザー光を用いてはんだ付けを行う際に用いるはんだ組成物であって、前記はんだ組成物は、(A)樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)チクソ剤を含有するフラックス組成物と、(E)はんだ粉末とを含有し、前記(A)成分は、(A1)ロジン系樹脂および(A2)アクリル系樹脂を含有し、前記(C)成分は、(C1)炭素数6〜14のジカルボン酸と炭素数1〜3のアルコールとのエステル化合物、および、(C2)炭素数2〜10のジオール化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、ジェットディスペンサー用はんだ組成物、および電子基板の製造方法に関する。
電子機器において、電子部品と配線基板とを接続する場合、はんだ組成物(いわゆるソルダペースト)が用いられている。このはんだ組成物は、はんだ粉末、ロジン系樹脂、活性剤、溶剤などを混練してペースト状にした混合物である。このはんだ組成物は、配線基板上に塗布し、その後リフロー工程を施すことで、はんだバンプを形成できる。ここで、塗布形式としては、スクリーン印刷法などが一般的であるが、様々な塗布形式で塗布することが求められており、近年、ジェットディスペンサーにより塗布することが求められている。このようなジェットディスペンサーは、凹凸のあるキャビティ基板や、印刷が困難なフィルム基板などの塗布に有効である。
しかしながら、例えば、スクリーン印刷法用のはんだ組成物をジェットディスペンサーにより塗布しようとすると、粘度が高すぎたり、チクソ性が低すぎるために適切に塗布できないという問題があった。
このような問題を解決するために、例えば、ロジン系樹脂、活性剤および特定の溶剤を含有するフラックスと、はんだ粉末とを含有するジェットディスペンサー用はんだ組成物が提案されている。そして、このはんだ組成物では、特定の溶剤として、(C1)ヘキシルジグリコールを含有し、かつ、(C2)炭素数8〜12のジカルボン酸と炭素数4〜12のアルコールとのエステル化合物、および、(C3)ガムテレピン油から誘導されたアルコール類からなる群から選択される少なくとも1種を含有している(特許文献1参照)。
特開2015−047616号公報
特許文献1に記載のジェットディスペンサー用はんだ組成物は、ジェットディスペンサーにより塗布する場合に、十分な塗布性を有し、かつ、はんだ飛び散りおよびフラックス分離を抑制できる。
しかしながら、ジェットディスペンサーは、凹凸のあるキャビティ基板や、印刷が困難なフィルム基板などの塗布に用いられ、このような場合、リフロー処理を行うことができない場合が多い。そのため、リフロー処理に代えて、レーザーはんだ付けが行われることがある。そして、レーザーはんだ付けの場合には、はんだ付けしたチップ部品が移動し、立ち上がってしまう、いわゆるチップ立ちという不良や、フラックスの飛散などが発生しやすい。
また、このような場合、レーザーはんだ付け後には、フラックス洗浄が行われない。そのため、はんだ組成物は、無洗浄タイプであることが必要である。そして、無洗浄タイプのはんだ組成物を用いる場合は、フラックス残さが電子基板上に残るので、このフラックス残さにも絶縁信頼性が求められる。
そこで、本発明は、ジェットディスペンサーにより塗布する場合に、十分な塗布性を有し、かつ、チップ立ちおよびフラックス飛散の発生を抑制でき、しかも、フラックス洗浄の必要がないレーザーはんだ付け用はんだ組成物、並びに、それを用いた電子基板の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のようなジェットディスペンサー用はんだ組成物、および電子基板の製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明のジェットディスペンサー用はんだ組成物は、ジェットディスペンサーを用いてはんだ組成物を塗布し、レーザー光を用いてはんだ付けを行う際に用いるはんだ組成物であって、前記はんだ組成物は、(A)樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)チクソ剤を含有するフラックス組成物と、(E)はんだ粉末とを含有し、前記(A)成分は、(A1)ロジン系樹脂および(A2)アクリル系樹脂を含有し、前記(C)成分は、(C1)炭素数6〜14のジカルボン酸と炭素数1〜3のアルコールとのエステル化合物、および、(C2)炭素数2〜10のジオール化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とするものである。
本発明のジェットディスペンサー用はんだ組成物においては、前記(C)成分は、前記(C1)成分および前記(C2)成分以外の他の溶剤を含有し、前記他の溶剤の配合量が、前記(C)成分100質量%に対して、20質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
本発明のジェットディスペンサー用はんだ組成物においては、前記(A1)成分の配合量が、前記(A1)成分および前記(A2)成分の合計量100質量%に対して、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
本発明のジェットディスペンサー用はんだ組成物においては、前記(B)成分が、アミノ基および芳香環を有するカルボン酸を含有することが好ましい。
本発明のジェットディスペンサー用はんだ組成物においては、前記(C1)成分が、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジメチル、およびセバシン酸ジエチルからなる群から選択される少なくとも1種であり、前記(C2)成分が、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、および1,8−オクタンジオールからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の電子基板の製造方法は、前記ジェットディスペンサー用はんだ組成物を用いた電子基板の製造方法であって、配線基板の電極上に、ジェットディスペンサーを用いて、前記はんだ組成物を塗布する塗布工程と、前記はんだ組成物上に、電子部品を搭載する搭載工程と、レーザー光を用いて、前記はんだ組成物を加熱して、前記電極と前記電子部品とをはんだ接合するはんだ付け工程と、を備えることを特徴とする方法である。
本発明の電子基板の製造方法においては、前記レーザー光の出力が、100W以上であることが好ましい。
本発明によれば、ジェットディスペンサーにより塗布する場合に、十分な塗布性を有し、かつ、チップ立ちおよびフラックス飛散の発生を抑制でき、しかも、フラックス洗浄の必要がないレーザーはんだ付け用はんだ組成物、並びに、それを用いた電子基板の製造方法を提供できる。
ジェットディスペンサーを示す概略図である。
[ジェットディスペンサー用はんだ組成物]
まず、本実施形態のジェットディスペンサー用はんだ組成物について説明する。
本実施形態のジェットディスペンサー用はんだ組成物は、以下説明するフラックス組成物と、以下説明する(E)はんだ粉末とを含有するものである。
[フラックス組成物]
本実施形態に用いるフラックス組成物は、はんだ組成物における前記(E)成分以外の成分であり、(A)樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)チクソ剤を含有するものである。
前記フラックス組成物の配合量は、はんだ組成物100質量%に対して、10質量%以上25質量%以下であることが好ましく、12質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、12質量%以上18質量%以下であることが特に好ましい。フラックスの配合量が10質量%未満の場合(はんだ粉末の配合量が90質量%を超える場合)には、ジェットディスペンサーでの塗布性が不十分となる傾向にあり、他方、フラックスの配合量が25質量%を超える場合(はんだ粉末の配合量が75質量%未満の場合)には、得られるはんだ組成物を用いた場合に、十分なはんだ接合を形成できにくくなる傾向にある。
[(A)成分]
本実施形態に用いる(A)樹脂は、(A1)ロジン系樹脂および(A2)アクリル系樹脂を含有する。このように(A1)成分および(A2)成分を併用することにより、電子基板上に残るフラックス残さに、クラックなどが生じることを抑制できる。そして、フラックス残さに水分などが入り込むことを抑制できるので、フラックス残さの絶縁信頼性を向上できる。
本実施形態に用いる(A1)ロジン系樹脂としては、ロジン類およびロジン系変性樹脂が挙げられる。ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジンおよびトール油ロジンなどが挙げられる。ロジン系変性樹脂としては、不均化ロジン、重合ロジン、水素添加ロジンおよびこれらの誘導体などが挙げられる。水素添加ロジンとしては、完全水添ロジン、部分水添ロジン、並びに、不飽和有機酸((メタ)アクリル酸などの脂肪族の不飽和一塩基酸、フマル酸、マレイン酸などのα,β−不飽和カルボン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、桂皮酸などの芳香族環を有する不飽和カルボン酸など)の変性ロジンである不飽和有機酸変性ロジンの水素添加物(「水添酸変性ロジン」ともいう)などが挙げられる。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態に用いる(A2)アクリル系樹脂は、例えば、炭素数1〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを単独重合すること、或いは、この(メタ)アクリレートを主成分とするモノマーを共重合することにより得られる。このようなアクリル系樹脂の中でも、特にメタクリル酸と炭素鎖が直鎖状である炭素数2〜20の飽和アルキル基を2つ有するモノマーを含むモノマー類とを重合して得られるアクリル系樹脂が好ましく用いられる。これらのアクリル系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態において、(A1)成分および(A2)成分の配合比率については、特に限定されない。(A1)成分の配合量は、(A1)成分および(A2)成分の合計配合量100質量%に対して、50質量%以上95質量%以下であることが好ましく、55質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上85質量%以下であることが特に好ましい。(A1)成分の配合量が前記下限以上であれば、大気中でのはんだ付け性をさらに向上できる。また、(A1)成分の配合量が前記上限以下であれば、フラックス残さの絶縁信頼性をさらに向上できる。
(A)成分は、本発明の目的に影響のない範囲であれば、(A1)成分および(A2)成分以外の他の樹脂((A3)成分)を含有していてもよい。ただし、この(A3)成分を用いる場合、その配合量は、(A)成分100質量%に対して、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
(A3)成分としては、スチレン−マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、テルペン樹脂、およびポリアルキレンカーボネート樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(A)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、25質量%以上60質量%以下であることが好ましく、27質量%以上55質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上52質量%以下であることが特に好ましい。(A)成分の配合量が前記下限以上であれば、はんだ付ランドの銅箔面の酸化を防止してその表面に溶融はんだを濡れやすくする、いわゆるはんだ付け性を向上でき、はんだボールを十分に抑制できる。また、(A)成分の配合量が前記上限以下であれば、フラックス残さ量を十分に抑制できる。
[(B)成分]
本実施形態に用いる(B)活性剤としては、有機酸、非解離性のハロゲン化化合物からなる非解離型活性剤、およびアミン系活性剤などが挙げられる。これらの活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸などの他に、その他の有機酸が挙げられる。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、およびグリコール酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、およびジグリコール酸などが挙げられる。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、およびピコリン酸などが挙げられる。また、その他の有機酸は、アミノ基および芳香環を有するカルボン酸であってもよい。
本実施形態において、(B)成分は、チップ立ちをより確実に防止するという観点から、アミノ基および芳香環を有するカルボン酸を含有することが好ましい。また、同様の観点から、(B)成分として、アミノ基および芳香環を有するカルボン酸と、ジカルボン酸とを併用することが好ましい。
アミノ基および芳香環を有するカルボン酸において、芳香環としては、ベンゼン環、およびナフタレン環などが挙げられる。
アミノ基および芳香環を有するカルボン酸としては、2−アミノ安息香酸(アントラニル酸)、2−アミノ−4−メチル安息香酸、3−アミノ安息香酸、および4−アミノ安息香酸などが挙げられる。
非解離性のハロゲン化化合物からなる非解離型活性剤としては、ハロゲン原子が共有結合により結合した非塩系の有機化合物が挙げられる。このハロゲン化化合物としては、塩素化物、臭素化物、フッ化物のように塩素、臭素、フッ素の各単独元素の共有結合による化合物でもよいが、塩素、臭素およびフッ素の任意の2つまたは全部のそれぞれの共有結合を有する化合物でもよい。これらの化合物は、水性溶媒に対する溶解性を向上させるために、例えばハロゲン化アルコールやハロゲン化カルボキシルのように水酸基やカルボキシル基などの極性基を有することが好ましい。ハロゲン化アルコールとしては、例えば2,3−ジブロモプロパノール、2,3−ジブロモブタンジオール、トランス−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール(TDBD)、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、トリブロモネオペンチルアルコールなどの臭素化アルコール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,4−ジクロロ−2−ブタノールなどの塩素化アルコール、3−フルオロカテコールなどのフッ素化アルコール、その他これらに類する化合物が挙げられる。
ハロゲン化カルボキシルとしては、2−ヨード安息香酸、3−ヨード安息香酸、2−ヨードプロピオン酸、5−ヨードサリチル酸、5−ヨードアントラニル酸などのヨウ化カルボキシル、2−クロロ安息香酸、3−クロロプロピオン酸などの塩化カルボキシル、2,3−ジブロモプロピオン酸、2,3−ジブロモコハク酸、2−ブロモ安息香酸などの臭素化カルボキシル、その他これらに類する化合物が挙げられる。
アミン系活性剤としては、アミン類(エチレンジアミンなどのポリアミンなど)、アミン塩類(トリメチロールアミン、シクロヘキシルアミン、ジエチルアミンなどのアミンやアミノアルコールなどの有機酸塩や無機酸塩(塩酸、硫酸、臭化水素酸など))、アミノ酸類(グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、バリンなど)、アミド系化合物などが挙げられる。具体的には、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩(塩酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、セバシン酸塩など)、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、および、これらのアミンの臭化水素酸塩などが挙げられる。
(B)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。(B)成分の配合量が前記下限以上であれば、はんだボールがより確実に抑制できる。また、(B)成分の配合量が前記上限以下であれば、フラックス組成物の絶縁性を確保できる。
[(C)成分]
本実施形態に用いる(C)溶剤は、以下説明する(C1)成分および(C2)成分からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
(C1)成分は、炭素数6〜14のジカルボン酸と炭素数1〜3のアルコールとのエステル化合物である。
このエステル化合物の中でも、炭素数8〜12のジカルボン酸と炭素数1〜3のアルコールとのエステル化合物がより好ましく、炭素数10のジカルボン酸と炭素数2〜3のアルコールとのエステル化合物がさらに好ましく、炭素数10のジカルボン酸と炭素数3のアルコールとのエステル化合物が特に好ましい。具体的には、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジメチル、およびセバシン酸ジエチルなどが挙げられる。
(C2)成分は、炭素数2〜10のジオール化合物である。
このジオール化合物の中でも、炭素数4〜10のジオール化合物がより好ましく、炭素数6〜8のジオール化合物がさらに好ましく、炭素数7〜8のジオール化合物がさらにより好ましく、炭素数8のジオール化合物が特に好ましい。具体的には、ペンタンジオール(1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、および3−メチル−1,3−ブタンジオールなど)、ヘキサンジオール(1,2−ヘキサンジオール、および1,6−ヘキサンジオールなど)、ヘプタンジオール(1,7−ヘプタンジオールなど)、およびオクタンジオール(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、および1,8−オクタンジオールなど)などが挙げられる。
(C)成分は、本発明の目的に影響のない範囲であれば、(C1)成分および(C2)成分以外の他の溶剤((C3)成分)を含有していてもよい。ただし、(C3)成分を用いる場合、その配合量は、(C)成分100質量%に対して、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。(C3)成分の配合量が前記上限以下であれば、チップ立ちおよびフラックス飛散をより確実に抑制できる。なお、(C3)成分の配合量には、下限値はないが、例えば20質量%以上であることが好ましい。
(C3)成分としては、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、フェニルグリコール、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、およびジエチレングリコールモノヘキシルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、ジェットディスペンサーでの塗布性の観点から、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルがより好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(C)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、30質量%以上65質量%以下であることが好ましく、40質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。(C)成分の配合量が前記下限以上であれば、はんだ組成物の粘度およびチクソ性を適切な範囲に調整しやすい。他方、(C)成分の配合量が前記上限以下であれば、はんだ組成物の溶融時に残るフラックスの残さ中に溶剤が残存しにくくなる。そして、フラックスの残さが粘着性を有し、空気中を漂う埃や粉塵などが付着してしまうことで漏電の不具合を生じるといった不具合を防止できる。
[(D)成分]
本実施形態に用いる(D)チクソ剤としては、硬化ひまし油、アミド類、カオリン、コロイダルシリカ、有機ベントナイト、およびガラスフリットなどが挙げられる。これらのチクソ剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(D)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上7質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。チクソ剤の配合量が前記下限以上であれば、十分なチクソ性が得られ、ダレを十分に抑制できる。また、チクソ剤の配合量が前記上限以下であれば、チクソ性が高すぎて、塗布不良となることはない。
[他の成分]
本実施形態に用いるフラックス組成物には、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の他に、必要に応じて、その他の添加剤を加えることができる。その他の添加剤としては、酸化防止剤、消泡剤、改質剤、つや消し剤、および発泡剤などが挙げられる。
[(E)成分]
本実施形態に用いる(E)はんだ粉末は、無鉛のはんだ粉末のみからなることが好ましいが、有鉛のはんだ粉末であってもよい。このはんだ粉末におけるはんだ合金としては、スズを主成分とする合金が好ましい。また、この合金の第二元素としては、銀、銅、亜鉛、ビスマス、アンチモンなどが挙げられる。さらに、この合金には、必要に応じて他の元素(第三元素以降)を添加してもよい。他の元素としては、銅、銀、ビスマス、アンチモン、アルミニウム、インジウムなどが挙げられる。
無鉛のはんだ粉末としては、具体的には、Sn/Ag、Sn/Ag/Cu、Sn/Cu、Sn/Ag/Bi、Sn/Bi、Sn/Ag/Cu/Bi、Sn/Sbや、Sn/Zn/Bi、Sn/Zn、Sn/Zn/Al、Sn/Ag/Bi/In、Sn/Ag/Cu/Bi/In/Sb、In/Agなどが挙げられる。
はんだ粉末の平均粒子径は、1μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上35μm以下であることがより好ましく、15μm以上25μm以下であることが特に好ましい。平均粒子径が上記範囲内であれば、はんだ付けランドのピッチの狭くなってきている最近のプリント配線基板にも対応できる。なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
[はんだ組成物の製造方法]
本発明のジェットディスペンサー用はんだ組成物は、上記説明したフラックス組成物と上記説明した(E)はんだ粉末とを上記所定の割合で配合し、撹拌混合することで製造できる。
[電子基板の製造方法]
次に、本実施形態の電子基板の製造方法について説明する。
本実施形態の電子基板の製造方法は、前述したジェットディスペンサー用はんだ組成物を用いて電子基板を製造する方法であって、以下説明する塗布工程、搭載工程、およびはんだ付け工程を備える方法である。
塗布工程においては、配線基板の電極上に、ジェットディスペンサーを用いて、前記はんだ組成物を塗布する。
配線基板は、リジット基板であってもよく、フレキシブル基板であってもよい。配線基板の基材としては、特に限定されず、公知の基材を適宜用いることができる。
配線の金属としては、銅、銀、および金などが挙げられる。また、配線は、蒸着法、または、めっき法などで形成できる。
ここで用いる塗布装置は、図1に示すようなジェットディスペンサー1である。ジェットディスペンサー1は、シリンジ11と、ノズル12と、ニードル13と、バルブ14とを備えている。ジェットディスペンサー1によりはんだ組成物が吐出される場合、先ず、シリンジ11からはんだ組成物が供給され、ノズル12にはんだ組成物が充填される。そして、バルブ14によりニードル13が図1の下方向に押され、ノズル12中のはんだ組成物が吐出される。
前記本実施形態のジェットディスペンサー用はんだ組成物は、塗布性が優れており、このようなジェットディスペンサーで良好に塗布できる。
搭載工程においては、前記はんだ組成物上に、電子部品を搭載する。
電子部品としては、チップ、およびパッケージ部品などが挙げられる。
また、搭載装置としては、適宜公知の搭載装置を用いることができる。
はんだ付け工程においては、レーザー光を用いて、前記はんだ組成物を加熱して、前記電極と前記電子部品とをはんだ接合する。
はんだ付けに使用するレーザー光のレーザー光源の種類は、特に限定されず、金属の吸収帯に合わせた波長に応じて適宜採用できる。レーザー光源としては、例えば、固体レーザー(ルビー、ガラス、YAGなど)、半導体レーザー(GaAs、InGaAsP、有機物など)、液体レーザー(色素など)、および気体レーザー(He−Ne、Ar、CO、エキシマーなど)が挙げられる。
レーザー照射条件は、特に限定されない。例えば、スポット径φは、0.1mm以上2mm以下であることが好ましい。また、照射時間は、0.1秒間以上5秒間以下であることが好ましい。
レーザー光の出力は、特に限定されない。レーザー光の出力は、100W以上であることが好ましく、150W以上であることがより好ましい。本実施形態では、前記本実施形態のジェットディスペンサー用はんだ組成物を用いているので、レーザー光の出力が前記下限以上の場合でも、チップ立ちおよびフラックス飛散の発生を十分に抑制できる。
本実施形態においては、フラックス残さは洗浄することなく、電子部品を搭載した配線基板に被覆されたままにする。本実施形態では、前記本実施形態のジェットディスペンサー用はんだ組成物を用いているので、フラックス残さに、クラックなどが生じることを抑制できる。なお、フラックス残さに生じたクラックに、水分などが入り込むことで、フラックス残さの絶縁性が低下することが懸念される。これに対し、本実施形態では、フラックス残さに水分などが入り込むことを抑制できるので、フラックス残さの絶縁信頼性を向上できる。
なお、本発明のジェットディスペンサー用はんだ組成物および電子基板の製造方法は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
((A1)成分)
ロジン系樹脂:水添酸変性ロジン(軟化点:130℃)、商品名「KE−604」、荒川化学工業社製
((A2)成分)
アクリル系樹脂:下記合成例1で得られるアクリル系樹脂
((B)成分)
有機酸A:コハク酸
有機酸B:グルタル酸
有機酸C:2−アミノ安息香酸(アントラニル酸)
((C1)成分)
溶剤A:セバシン酸ジイソプロピル、豊国製油社製
溶剤B:セバシン酸ジエチル、豊国製油社製
((C2)成分)
溶剤C:オクタンジオール(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)、協和発酵ケミカル社製
溶剤D:1,7−ヘプタンジオール、東京化成工業社製
((C3)成分)
溶剤E:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(DEH)、日本乳化剤社製
溶剤F:α,β,γ−ターピネオール、商品名「ターピネオールC」、日本テルペン化学社製
溶剤G:ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(EHDG)、日本乳化剤社製
溶剤H:マレイン酸ジブチル、大八化学工業社製
溶剤I:セバシン酸ジ(2−エチルへキシル)
((D)成分)
チクソ剤A:商品名「スリパックスZHH」、日本化成社製
チクソ剤B:水添ヒマシ油、商品名「ヒマ硬」、KFトレーディング社製
((E)成分)
はんだ粉末:平均粒子径18μm、はんだ融点216〜220℃、はんだ組成96.5Sn/3.0Ag/0.5Cu
(他の成分)
酸化防止剤:商品名「イルガノックス245」、BASF社製
[合成例1]
撹拌機、還流管、および窒素導入管を備えた500mLの4つ口フラスコにジエチレングリコールモノヘキシルエーテル200gを仕込み、これを110℃に加熱した。
また、メタクリル酸10質量%、2−エチルヘキシルメタクリレート51質量%、およびラウリルアクリレート39質量%を混合したもの300gに、アゾ系ラジカル開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(製品名:V−601、和光純薬社製)を0.2質量%を加えてこれを溶解させ、溶液を作製した。
次いで、この溶液を上記4つ口フラスコに1.5時間かけて滴下したものを110℃で1時間撹拌した後に反応を終了させ、アクリル系樹脂を得た。なお、このアクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は7,800、酸価は40mgKOH/g、ガラス転移温度は−47℃であった。
[実施例1]
ロジン系樹脂26質量%、アクリル系樹脂10質量%、有機酸A1質量%、有機酸B3質量%、有機酸C1質量%、溶剤A40質量%、溶剤C14質量%、チクソ剤A3質量%、チクソ剤B1質量%、および酸化防止剤1質量%をそれぞれ容器に投入し、らいかい機を用いて混合してフラックス組成物を得た。
得られたフラックス組成物12.5質量%およびはんだ粉末87.5質量%(合計で100質量%)を容器に投入し、混練機にて混合することで、下記表1に示す組成を有するはんだ組成物を調製した。
[実施例2〜5]
下記表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。
[比較例1〜5]
下記表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。
<はんだ組成物の評価>
はんだ組成物の評価(チップ立ち、塗布精度、ボイド、フラックスの飛散試験、絶縁信頼性試験後のフラックス残さの外観)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
(1)チップ立ち
ガラスエポキシ基板と、チップ部品(大きさ:0.6mm×0.3mm)を準備した。このガラスエポキシ基板のチップ部品に対応するソルダレジストに囲まれた電極上に、ジェットディスペンサーを用いてはんだ組成物を塗布し、チップ部品を搭載した。その後、下記2つのレーザー照射条件で、それぞれレーザーはんだ付けを行い、試験基板を得た。(i)レーザー照射条件1
レーザー波長:808nm
スポット径:Φ1.6mm
照射時間:0.5秒間
出力:10W
(ii)レーザー照射条件2
レーザー波長:940nm
スポット径:Φ1.6mm
照射時間:0.5秒間
出力:185W
得られた試験基板を目視にて観察し、以下の基準に従って、チップ立ちを評価した。
◎:チップ立ち発生率が1%以下である。
○:チップ立ち発生率が1%超、3%以下である。
△:チップ立ち発生率が3%超、5%以下である。
×:チップ立ち発生率が5%超である。
(2)塗布精度
直径0.26mmφのノズルを有するジェットディスペンサーを用い、ノズル先端から基板までの距離を2mmで、1点あたりの塗布時間を0.09秒間に設定して、基板(大きさ:50mm×50mm、厚み:0.5mm)上の50mm×15mmの範囲内に等間隔で100点の吐出(25点×4列)を行って試験基板を得た。
得られた試験基板を目視にて観察し、以下の基準に従って、塗布精度を評価した。
○:吐出物の直線性が良好である。
×:吐出物の直線性が乱れている。
(3)ボイド
ガラスエポキシ基板と、チップ部品(大きさ:0.6mm×0.3mm)を準備した。このガラスエポキシ基板のチップ部品に対応するソルダレジストに囲まれた電極上に、ジェットディスペンサーを用いてはんだ組成物を塗布し、チップ部品を搭載した。その後、レーザーはんだ付け(波長:940nm、スポット径:Φ1.6mm、照射時間:0.5秒間出力:185W)を行い、試験基板を得た。この試験基板の表面状態をX線透過装置(製品名:SMX−160E、島津製作所社製)で観察し、はんだ接合部が形成されている領域に占めるボイドの総面積の割合(ボイドの面積率)を測定した。なお、ボイドの発生状況は各試験基板中20箇所のランドにおけるボイドの面積率の最大値を求めた。そして、以下の基準に従って、ボイドを評価した。
○:ボイドの面積率の最大値が15%以下である。
△:ボイドの面積率の最大値が15%超、20%以下である。
×:ボイドの面積率の最大値が20%超である。
(4)フラックス飛散
はんだ組成物のレーザー照射時に起きるフラックスの飛散状況を調べるために、25cmあたりのフラックスの飛散を観察した(個/25cm)。そして、以下の基準に従って、フラックスの飛散を評価した。
◎:フラックスの飛散が0個/25cmである。
○:フラックスの飛散が1個/25cm以上10個/25cm以下である。
△:フラックスの飛散が11個/25cm以上25個/25cm以下である。
×:フラックスの飛散が25個/25cmを超える。
(5)絶縁信頼性試験後のフラックス残さの外観
ガラスエポキシ基板と、チップ部品(大きさ:0.6mm×0.3mm)を準備した。このガラスエポキシ基板のチップ部品に対応するソルダレジストに囲まれた電極上に、ジェットディスペンサーを用いてはんだ組成物を塗布し、チップ部品を搭載した。その後、レーザーはんだ付け(波長:940nm、スポット径:Φ1.6mm、照射時間:0.5秒間出力:185W)を行い、試験基板を得た。この試験基板に対し、温度85℃、相対湿度85%の条件にて、1000時間の絶縁信頼性試験を行い、絶縁信頼性試験後の試験基板におけるフラックス残さを拡大鏡にて観察した。そして、以下の基準に従って、絶縁信頼性試験後のフラックス残さの外観を評価した。
〇:フラックス残さにクラックがない。
×:フラックス残さにクラックがある。
Figure 2020040120
表1に示す結果からも明らかなように、本発明のはんだ組成物を用いた場合(実施例1〜7)には、ジェットディスペンサーにより塗布する場合に、十分な塗布性を有し、かつ、チップ立ちおよびフラックス飛散の発生を抑制できることが確認された。また、本発明のはんだ組成物を用いた場合には、絶縁信頼性試験後のフラックス残さにクラックもなく、絶縁信頼性が高いことから、フラックス洗浄の必要がないことが確認された。
本発明のジェットディスペンサー用はんだ組成物は、電子部品と配線基板とを接続する技術として好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. ジェットディスペンサーを用いてはんだ組成物を塗布し、レーザー光を用いてはんだ付けを行う際に用いるはんだ組成物であって、
    前記はんだ組成物は、(A)樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)チクソ剤を含有するフラックス組成物と、(E)はんだ粉末とを含有し、
    前記(A)成分は、(A1)ロジン系樹脂および(A2)アクリル系樹脂を含有し、
    前記(C)成分は、(C1)炭素数6〜14のジカルボン酸と炭素数1〜3のアルコールとのエステル化合物、および、(C2)炭素数2〜10のジオール化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する
    ことを特徴とするジェットディスペンサー用はんだ組成物。
  2. 請求項1に記載のジェットディスペンサー用はんだ組成物において、
    前記(C)成分は、前記(C1)成分および前記(C2)成分以外の他の溶剤を含有し、
    前記他の溶剤の配合量が、前記(C)成分100質量%に対して、20質量%以上60質量%以下である
    ことを特徴とするジェットディスペンサー用はんだ組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のジェットディスペンサー用はんだ組成物において、
    前記(A1)成分の配合量が、前記(A1)成分および前記(A2)成分の合計量100質量%に対して、50質量%以上90質量%以下である
    ことを特徴とするジェットディスペンサー用はんだ組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のジェットディスペンサー用はんだ組成物において、
    前記(B)成分が、アミノ基および芳香環を有するカルボン酸を含有する
    ことを特徴とするジェットディスペンサー用はんだ組成物。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のジェットディスペンサー用はんだ組成物において、
    前記(C1)成分が、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジメチル、およびセバシン酸ジエチルからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記(C2)成分が、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、および1,8−オクタンジオールからなる群から選択される少なくとも1種である
    ことを特徴とするジェットディスペンサー用はんだ組成物。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のジェットディスペンサー用はんだ組成物を用いた電子基板の製造方法であって、
    配線基板の電極上に、ジェットディスペンサーを用いて、前記はんだ組成物を塗布する塗布工程と、
    前記はんだ組成物上に、電子部品を搭載する搭載工程と、
    レーザー光を用いて、前記はんだ組成物を加熱して、前記電極と前記電子部品とをはんだ接合するはんだ付け工程と、を備える
    ことを特徴とする電子基板の製造方法。
  7. 請求項6に記載の電子基板の製造方法において、
    前記レーザー光の出力が、100W以上である
    ことを特徴とする電子基板の製造方法。
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