JP2020039041A - 通信回路、及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】誤作動を防ぐことができる通信回路、及びその制御方法を提供すること。【解決手段】本実施の形態に係る通信回路1は、積層されたN(Nは3以上の整数)個の基板11〜18と、基板12に形成された送信回路122を備え、他の基板11の送信コイル121と誘導結合するように、Z方向と直交する平面視において、重複して配置された第1の誘導結合器群2と、基板12に設けられ、データを送信する送信基板であるか否かを示す制御信号が入力される終端トランジスタM1、M2を備え、制御信号に応じて送信コイル121を終端する終端回路52と、基板に設けられ、送信コイル121からデータを送信する送信回路122であって、制御信号に応じて、送信コイル121を開放する送信回路と、を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は複数の誘導結合器を有する通信回路、及びその制御方法に関する。
本件出願の発明者は、誘導結合を用いて、データ伝送を行う電子回路を提案している(特許文献1〜4)。特許文献1では、半導体集積回路チップや電子回路基板の配線によって、コイルを形成している。そして、コイルの誘導結合を用いて、積層されるチップや基板間でデータ伝送を行っている。
特許文献2は、送信コイルと、送信回路とを備えた電子回路を開示している。特許文献2では、送信回路に電流が流れていない間に、送信コイルの両端を開放している。これにより、送信していない送信コイルが他の通信に干渉することを抑制することができる。
特許文献3、4には、複数の基板が積層された電子回路が開示されている。特許文献3、4では、送信元の基板と送信先の基板との間には、中継器を有する基板が設けられている。特許文献3では、送信用コイルと受信用コイルとが、干渉しない程度の距離を隔てて接続されている。また、特許文献3の図2には、送信コイルと受信コイルとが同軸に配置された例が開示されている。さらには、コイルが送信用と受信用とに兼用される構成が開示されている。コイルが送信用と受信用とに兼用される場合では、送信時においてコイルと送信器が接続され、受信時においてコイルと受信器とが接続されるように、制御回路が接続を切換えている。
特許文献4の図7には、受信用コイルに並列にダンピング抵抗を挿入する構成が開示されている。あるいは、送信用コイルに直列にダンピング抵抗を挿入する構成が開示されている。ダンピング抵抗を設けることで、送信する信号が自身の受信器に回り込んで受信信号が振動し逆極性の新しい信号を受信して誤動作する問題を解決することができる。
SRAMやDRAMやNANDフラッシュメモリなどのメモリチップを複数枚とプロセッサチップをパッケージ内に積層実装することがある。この場合、チップの配線により形成されるコイルの誘導結合を用いて、プロセッサチップとメモリチップとの間で、アドレスデータ、データ、制御信号などが伝送される。さらに、特許文献3、4に記載の中継器を用いることで、より遠くのメモリチップへのデータの伝送が可能となる
例えば、1枚のプロセッサチップと8枚のメモリチップが積層実装される構成を考える。ここで、プロセッサチップに近いメモリチップから順次メモリチップ1、メモリチップ2、・・・、メモリチップ8と記載する。
プロセッサチップの送信コイルとメモリチップの受信コイルが同軸に配置されている。よって、受信コイルと送信コイルとが磁界結合し、プロセッサチップからメモリチップにデータを伝送できる。あるいは、メモリチップの送信コイルとプロセッサチップの受信コイルが同軸に配置されている。受信コイルと送信コイルとが磁界結合し、メモリチップからプロセッサチップにデータを伝送できる。その結果、プロセッサチップはメモリチップにデータの書き込みや読み出しができる。
プロセッサチップがメモリチップ4のデータを読み出す場合、その他のメモリチップにおいて、送信回路の出力をHigh−Z(ハイインピーダンス)にして、送信コイルの両端を開放する(特許文献2)。その他のメモリチップの送信コイルに渦電流を流して磁界に干渉して受信信号を減衰させることを防ぐことができ、さらに送信回路が電力を消費しないようにすることができる。
特許第4131544号 特許第4193060号 特許第5671200号 特許第5616813号
特許文献2では、数枚のチップを積層することが想定されていたが、メモリチップ等の場合は8枚や16枚あるいはそれ以上のチップを積層する場合がある。そこで、発明者は鋭意研究の結果、以下の新たな課題を見出した。
送信コイルは、インダクタンスのほかに寄生の容量と抵抗があるので、共振回路を構成する。メモリチップ4がデータを伝送する際に生じた磁界の変化は、この共振回路を振動させ、それが戻って磁界を振動させる。この結果、プロセッサチップの受信コイルに振動が生じる。すなわち、通信に用いられない送信コイルは、メモリチップ4の送信コイルと相互インダクタンスで結合する結果、共振回路が結合したときの結合共振と呼ばれる現象のように、自己共振周波数を低下しQ値を大きくする。したがって、多数のチップが積層された場合に高速なデジタル信号を伝送すると、送信コイルおよび受信コイルにオーバーシュート又はアンダーシュートのリンギングが重畳する。これは、データ伝送における誤動作の原因となる。
さらに、1枚のプロセッサチップと64枚のメモリチップが積層実装された構成について考える。なお、プロセッサチップに近いメモリチップから順次メモリチップ1、メモリチップ2、・・・、メモリチップ64と記載する。
プロセッサチップから送信されたデータをメモリチップ8が受信し、メモリチップ8が中継してメモリチップ16に転送する。以下同様に転送を繰り返すことで、プロセッサチップから遠くに実装された任意のメモリチップにデータ伝送できる。また同様にして遠くのメモリチップからプロセッサチップにもデータ伝送できる。
この場合、メモリチップ1からメモリチップ7、およびメモリチップ9からメモリチップ15は、データ伝送に関与しない。しかしながら、これらのメモリチップにはメモリチップ8と同様に送信用コイルと送信回路が備わっている。そして、これらのメモリチップの送信用コイルにも、前述と同様の結合共振が起こる。したがって、高速なデジタル信号を伝送すると、送信コイルおよび受信コイルにオーバーシュート又はアンダーシュートのリンギングが重畳する。これは、データ伝送における誤動作の原因となる。
この問題は、特許文献2が対象とした比較的少数のチップの間の渦電流による干渉の問題ではなく、比較的多数のチップの間の結合共振による干渉問題を扱っている。また、この問題は、特許文献3が前提とした中継器の送信用コイルと受信用コイルを兼用したり両者を同軸に配置する状況での干渉問題ではなく、中継器の送信コイルと受信コイルは干渉しないように離れた位置に配置されている状況や、さらに一般に、通信を行わない送信コイルが通信を行う送信コイルと磁界結合している場合に生じる干渉問題を扱っている。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、誤作動を防ぐことができる通信回路、及びその制御方法を提供することを目的とする。
本実施の形態に係る通信回路は、積層されたN(Nは3以上の整数)個の基板と、前記基板に形成された第1の誘導結合器であって、他の基板の第1の誘導結合器と誘導結合する第1の誘導結合器と、前記基板に設けられ、データを送信する送信基板であるか否かを示す制御信号が入力される終端トランジスタを備え、前記制御信号に応じて前記第1の誘導結合器を終端する終端回路と、前記基板に設けられ、当該基板に形成された前記第1の誘導結合器を駆動する送信回路と、を備えている。
上記の通信回路において、前記終端トランジスタがオンしたときの前記終端回路の終端抵抗値が100Ω以上、100kΩ以下となっていることが好ましい。
上記の通信回路において、前記第1の誘導結合器の両端がそれぞれ、前記終端トランジスタを介して終端電位に接続され、前記制御信号が前記送信基板であることを示す場合、前記終端トランジスタがオフし、前記制御信号が前記送信基板でないことを示す場合、前記終端トランジスタがオンするようにしてもよい。
上記の通信回路において、前記第1の誘導結合器の一端と、前記終端電位との間には、複数の前記終端トランジスタが並列に接続され、前記第1の誘導結合器の他端と、前記終端電位との間には、複数の前記終端トランジスタが並列に接続されていてもよい。
上記の通信回路において、前記送信回路は、前記制御信号に応じて、前記第1の誘導結合器を開放するようにしてもよい。
上記の通信回路において、前記N個の基板には、前記送信基板からのデータを中継して、受信基板に送信する中継基板が含まれており、前記中継基板は、平面視において、前記第1の誘導結合器と異なる位置に配置された第2の誘導結合器であって、他の基板の第2の誘導結合器と誘導結合する第2の誘導結合器と、前記第1の誘導結合器を介して受信したデータを復元する受信回路と、前記受信回路で復元したデータを前記第2の誘導結合器に出力する送信回路と、を備え、前記中継基板以外の基板に設けられた前記第2の誘導結合器が、終端回路により終端されていてもよい。
本実施の形態にかかる制御方法は、積層されたN(Nは3以上の整数)個の基板と、前記基板に形成された第1の誘導結合器であって、他の基板の第1の誘導結合器と誘導結合する第1の誘導結合器と、前記基板に設けられ、当該基板に形成された前記第1の誘導結合器を駆動する送信回路と、終端トランジスタを備えた終端回路と、を備えた通信回路の制御方法であって、データを送信する送信基板でないことを示す制御信号が入力された場合に、前記終端回路が前記第1の誘導結合器を終端し、前記送信基板であることを示す制御信号が入力された場合に、前記送信回路が、前記送信データに応じて、前記第1の誘導結合器に電流を流すものである。
本実施形態によれば、誤作動を防ぐことができる通信回路、及びその制御方法を提供することができる。
本実施の形態に係る通信回路の全体構成を模式的に示す図である。 基板間でデータを送信する処理を説明するための図である。 送信回路の構成を示す回路図である。 シミュレーションに用いた通信回路の寸法を説明するための図である。 コイルの開放数を変えた場合のインピーダンス特性を示す図である。 終端抵抗値を変えた場合のインピーダンス特性を示す図である。 終端抵抗値と有効受信振幅との関係を示す図である。 変形例1にかかる送信回路の構成を示す回路図である。 変形例2にかかる送信回路の構成を示す回路図である。 変形例3にかかる送信回路の構成を示す回路図である。 図3に示す終端回路において、終端トランジスタを1個にした場合の構成を示す回路図である。 実施の形態2にかかる通信回路を説明するための図である。 実施の形態3にかかる通信回路を説明するための図である。
本実施の形態にかかる電子回路は、基板と、基板上に形成された誘導結合器とを備えている。通信回路は、誘導結合器による誘導結合を用いて、2つ以上の基板がデータ通信を行なう。具体的には、それぞれの誘導結合器が対向するように、基板を積層配置する。対向した誘導結合器が磁界結合(誘導結合)により結合している。電磁界結合を用いているため、非接触でデータを通信することができる。
誘導結合器が形成される基板は、特に限定されるものではなく、種々のものを用いることができる。例えば、基板は、プリント回路基板(PCB)や、フレキシブルプリント回路基板(FPC基板)等の絶縁基板であってもよく、シリコン基板などの半導体基板であってもよい。誘導結合器は、基板上の配線により構成される。例えば、シリコン基板などの半導体基板に誘導結合器を形成した場合、電子回路を1つの半導体チップとして構成することも可能である。
実施の形態1.
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1を用いて、本実施の形態にかかる通信回路について説明する。図1は、通信回路1の構成を模式的に示す図である。通信回路1は、複数の基板11〜18を備えている。ここでは、通信回路1は、8つの基板11〜18を備えているが、基板の数は特に限定されるものではない。
基板11〜18は、それぞれ、半導体集積回路チップまたは電子回路基板等である。例えば、半導体基板を用いた場合、基板11〜18がそれぞれ半導体集積回路チップとなる。基板11〜18は積層して配置されている。基板11〜18が積層される方向をZ方向とし、XY平面を、Z方向と直交する平面とする。XY平面は、基板11〜18の主面に平行な平面である。
図1には、基板11に設けられたコイル、及び送受信回路が模式的に示されている。基板11には、送信コイル111、送信回路112、受信回路113、及び受信コイル114が設けられている。送信コイル111、及び受信コイル114は、それぞれ誘導結合器となる。送信コイル111、及び受信コイル114は、それぞれ基板11上に設けられた配線により形成されている。つまり、多層配線プロセスによって、基板11上に配線を1回以上巻くことで、送信コイル111、及び受信コイル114が形成される。送信コイル111、及び受信コイル114は、同軸に配置される。
送信コイル111,受信コイル114は、通信に適した巻き数、大きさ、線幅で形成されている。一般に、送信コイル111は、受信コイル114よりも小さくなっている。送信コイル111には、送信回路112が接続されている。送信回路112は、送信データを送信コイル111から送信する。つまり、送信回路112は、送信データに応じて、送信コイル111に電流を供給する。受信コイル114には、受信回路113が接続されている。受信回路113は受信コイル114が受信したデータを復元する。
なお、基板12〜18についても同様に送信コイル、受信コイル、送信回路、受信回路が設けられている。そして、基板12〜18のコイルがXY平面視(以下、単に平面視とする)において重複するように配置されている。これにより、異なる基板のコイルが誘導結合する。そして、誘導結合により、基板11〜18の一つの基板から他の一つに基板にデータが送信される。なお、図1では、送信コイルと受信コイルが同軸に配置されている構成を示しているが、特許文献3などに示すように、1つのコイルで送信と受信とを兼用する構成であってもよい。ここで、平面視において、重複するように配置された複数のコイル(誘導結合器)を第1の誘導結合器群2とする。
図2は、第1の誘導結合器群2を用いて、基板11から基板18にデータを送信する処理を説明するための図である。ここで、データを送信する基板11を送信基板とし、データ受信する基板18を受信基板とする。基板11〜基板18との間に配置された基板12〜17は、通信に関与しない基板である。図2では、基板12〜基板17の送信コイルをそれぞれ送信コイル121、131、141、151,161、171として示している。基板12〜基板17の送信回路をそれぞれ送信回路122、132、142、152、162、172として示している。基板18の受信回路及び受信コイルを受信回路183、受信コイル184として示している。
送信回路112は、送信データDを送信コイル111から送信する。送信回路112は、入力された送信データDに基づいて、送信コイル111を駆動する。送信回路112は、送信データDに基づいて、送信コイル111に流れる電流IT1の流れる方向を変える。これにより、送信データDに応じた方向(時計回り又は反時計回り)で、送信コイル111に電流IT1が流れる。送信コイル111と誘導結合している受信コイル184がデータを受信する。受信回路183は、データを復元して、受信データDとして出力する。
ここで、基板12〜基板17については、データの伝送に関与しない。したがって、送信回路122、132、142、152、162、172の出力をHigh−Zとする。これにより、それぞれ送信コイル121、131、141、151,161、171が送信回路122、132、142、152、162、172から開放される。
このようにすることで、その他のメモリチップの送信コイルに渦電流を流して磁界に干渉して受信信号を減衰させることを防ぐことができ、さらに送信回路が電力を消費しないようにすることができる。本実施の形態では、送信コイルの開放に加えて、さらに、送信コイル121、131、141、151,161、171を終端している。
送信コイルを終端する構成について、図3を用いて説明する。図3は、基板12に設けられた送信回路122と終端回路52との構成を示す回路図である。なお、基板11〜18の送信回路及び終端回路は、同様の構成であるため、他の基板については説明を省略する。
送信回路122は、遅延バッファ51と、NOT回路NOTと、NAND回路NANDと、NOR回路NORと、トランジスタTr1〜Tr4と、を備えている。送信コイル121には、終端回路52が接続されている。つまり、送信回路122は、特許文献2の図1に示す送信回路に、終端回路52が追加された構成となっている。終端回路52は、終端トランジスタM1と終端トランジスタM2とを備えている。
トランジスタTr1、Tr3はPチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ(以下、PMOSトランジスタ)である。トランジスタTr2、Tr4は、NチャネルMOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタ)である。電源電位と接地電位との間には、トランジスタTr1とトランジスタTr2とが直列に接続されている。トランジスタTr1とトランジスタTr2は、CMOS回路を構成している。電源電位と接地電位との間には、トランジスタTr3とトランジスタTr4とが直列に接続されている。トランジスタTr3とトランジスタTr4は、CMOS回路を構成している。
終端電位である接地電位と、送信コイル121との間には、終端回路52が設けられている。終端回路52の終端トランジスタM1、M2は、NMOSトランジスタである。送信コイル121の一端と接地電位との間には、終端トランジスタM1が接続されている。送信コイル121の他端と接地電位との間には、終端トランジスタM2が接続されている。トランジスタTr1とトランジスタTr2との間のノードが、終端トランジスタM2と送信コイル121との間のノードに接続されている。トランジスタTr3とトランジスタTr4との間のノードが、終端トランジスタM1と送信コイル121との間のノードに接続されている。
デジタル信号である送信データTxdataは、トランジスタTr1、Tr2のゲートに入力される。従って、送信データTxdataに応じて、トランジスタTr1、Tr2の一方がオンし、他方がオフする。よって、送信コイル121の一端が電源電位、または接地電位となる。送信データTxdataは、遅延バッファ51に入力される。遅延バッファ51は、所定の遅延時間だけ、送信データTxdataを遅延する。
NOT回路NOTには、イネーブル信号ENが入力されている。イネーブル信号ENは、送信時(図2のEN=1)にH、非送信時(図2のEN=0)にLとなる信号である。NOT回路NOTはイネーブル信号ENの反転信号を出力する。NOT回路NOTの出力は、NOR回路NORの一方の入力と接続されている。NOR回路NORの他方の入力には、遅延バッファ51で遅延された送信データTxdataが入力されている。NOR回路NORは、2つの入力信号の否定論理和を出力する。NOR回路NORの出力は、トランジスタTr4のゲートと接続されている。
NAND回路NANDの一方の入力には、イネーブル信号ENが入力されている。NAND回路NANDの他方の入力には、遅延バッファ51で遅延された送信データTxdataが入力されている。NAND回路NANDは、2つの入力信号の否定論理積を出力する。NAND回路NANDの出力は、トランジスタTr3のゲートに入力されている。よって、イネーブル信号ENがHの時には、トランジスタTr3及びトランジスタTr4の一方がオンし、他方がオフする。よって、送信コイル121の他端が電源電位、または接地電位となる。送信データTxdataが変化するタイミングで、送信コイル121にパルス電流が流れる。さらに、送信データTxdataに応じて、送信コイル121に流れるパルス電流の方向(極性)が反転する。送信回路122は、送信データTxdataを送信コイル121から送信する。
イネーブル信号ENがLの時、NAND回路NANDの出力はHとなる。また、イネーブル信号ENがLの時、NOT回路NOTの出力がHとなるため、NOR回路NORの出力はLとなる。よって、トランジスタTr3、Tr4がオフとなり、送信コイル121が開放状態となる。つまり、送信コイル121の一端が電源電位、及び接地電位から切り離されて、送信回路122の出力がHigh−Zとなる。このため、送信コイル121が磁界の変化に干渉して、受信信号を減衰させることはない。なお、トランジスタTr1、Tr2の入力側にも、NOT回路、NOR回路、NAND回路を設けることで、送信コイル121の両端を開放してもよい。
さらに、終端トランジスタM1、M2のゲートには、それぞれイネーブル信号ENの反転信号(図3中におけるENバー)が入力されている。イネーブル信号ENの反転信号が終端回路52を動作させるための制御信号となる。イネーブル信号ENがHの場合、終端トランジスタM1、M2がオフとなる。終端回路52が送信コイル121を接地電位から開放する。一方、イネーブル信号ENがLの場合、終端トランジスタM1、M2がオンとなる。イネーブル信号がLの場合、送信コイル121の一端が、終端トランジスタM2を介して接地電位に接続され、他端が終端トランジスタM1を介して接地電位に接続される。
したがって、イネーブル信号ENが終端トランジスタM1、M2のオン抵抗で、送信コイル121の両端を終端することができる。そして、終端抵抗値は、終端トランジスタM1、M2は、トランジスタ寸法により設定することができる。つまり、終端トランジスタM1、M2のオン抵抗により終端抵抗値を設定することができる。このように、終端回路52を設けることで、データ伝送に用いられていない基板12において、送信コイル121を適切に終端することができる。送信コイルおよび受信コイルにオーバーシュート又はアンダーシュートのリンギングが重畳することを防ぐことができる。よって、高速なデジタル信号を通信した場合でも誤作動を防ぐことができる。
イネーブル信号ENの反転信号は、データを送信する送信基板であるか否かを示す制御信号である。そして、イネーブル信号ENの反転信号は、終端トランジスタM1、M2は、が入力される。このようにすることで、簡便に送信コイル121の両端を終端することができる。
また、データを送信する送信基板では、イネーブル信号がHとなる。よって、終端トランジスタM1、M2がオフする。これにより、終端回路52が、送信コイル121を終端電位から開放する。よって、送信回路122のトランジスタTr1〜Tr4によって、送信コイル121に電流を供給することができる。
このように、送信基板でないことを示す制御信号が入力された場合に、送信回路122が、送信コイル121を開放し、かつ、終端回路52が送信コイル121を終端する。一方、送信基板であることを示す制御信号が入力された場合に、送信回路122が、送信データに応じて、送信コイル121に電流を流し、かつ、終端回路52が送信コイル121を終端電位から開放する。
次に、終端抵抗値の好適な範囲について説明する。図4はシミュレーションに用いた通信回路を模式的に示す図である。ここでは、送信コイル111の平面サイズを200μm×200μmの正方形としている。そして、積層方向における送信コイル111と受信コイル184との間の距離が64μmとしている。送信コイル111と受信コイル184との間に7つの送信コイルがあるとしている。終端抵抗値Rtermは、終端トランジスタM1、M2のオン抵抗に対応する。
図5には、通信に用いられない7個の送信コイルにおいて、開放された送信コイルの数を変えたときのシミュレーション結果が示されている。図5において、横軸が周波数、縦軸がインピーダンスである。図4では、7個の送信コイルを全て開放した場合をA、3つの送信コイルを開放した場合をB、全送信コイルを開放していない場合をCとして示している。
両端が開放された送信コイルが増えるほど、上記した結合共振が強くなる。よって、自己共振周波が低下して、Q値が大きくなる。このため、通信帯域が狭くなることがわかる。コイル数が多くなるに従って、大きな影響が表れる。
終端抵抗値Rtermを変えた場合のシミュレーション結果を図6に示す。図6は、7個の送信コイルを全て開放するとともに、終端抵抗値Rtermを400Ω、800Ωとした場合のインピーダンス特性を示している。さらに、図6では、終端回路52を設けずに、7個の送信コイルを全て開放した場合をAとして示している。図6のAは図5のAと同じグラフである。図6において、横軸が周波数、縦軸がインピーダンスである。
送信コイル111と受信コイル184との間に、両端が開放されたコイルが7つ存在しても、それらのコイルの両端を抵抗で終端すると、その終端抵抗の値に応じてQ値が小さくなり、結合共振が抑えられていることが分かる。
さらに、終端抵抗値Rtermを変えた場合の有効受信振幅VRXMarginのシミュレーション結果を図7に示す。有効受信振幅は、受信コイル184において、受信信号の最大振幅値Vsから振動の最大振幅Vnを引いた値である。なぜなら、振動によって誤動作しないように受信器に最大振幅値に応じた大きさのヒステリシスを与える必要があるため、有効受信振幅で評価している。さらに、図7には、終端抵抗値Rtermが400Ωと10kΩの場合に、受信コイル184で受信した信号波形をそれぞれ示す。
図7の例では終端抵抗値Rtermを100Ωから10kΩに設定すると有効受信振幅VRXMarginを大きく確保できることが分かる。終端抵抗値Rtermが、その最適な範囲よりも低い値になると、渦電流効果によって磁界の変化が抑制され、受信信号が小さくなる。一方、終端抵抗値Rtermが最適範囲よりも高い値になると、結合共振効果によって磁界の振動が大きくなり、オーバーシュート又はアンダーシュートのリンギングが大きくなる。よって、終端抵抗値Rtermを最適範囲の下限値以下、または最適範囲の上限値以上とすると、いずれの場合も有効受信信号が小さくなる。終端抵抗値Rtermを100Ω以上、10kΩ以下とすることが好ましい。
特許文献2のようにコイルの数が少ない場合は、終端抵抗の抵抗値が無限に大きい、すなわちコイルを開放している場合でも顕著なリンギングは生じず、一方で渦電流効果を抑えた分だけ送信電力を小さくできる。一方で、本実施形態のように多数のチップが積層された多くのコイルが存在する場合は、渦電流が多少は流れる。よって、渦電流の分、送信電力を大きくしなければならなくとも、リンギングを有効に抑えることが重要になる。本実施の形態では、終端抵抗値Rtermの最適な範囲を100Ω〜10kΩとしているが、終端抵抗値Rtermの最適な範囲は、コイルサイズ、積層数などの設計条件により異なる。
実施の形態1では、第1の誘導結合器群2を備える通信回路1において、データを送信する送信基板については、イネーブル信号をHとし、データを送信しない基板については、イネーブル信号ENをLとする。したがって、送信基板以外の基板については、送信回路から送信コイルが開放されるとともに、終端回路が送信コイルの両端を終端することができる。このようにすることで、第1の誘導結合器群2において、リンギングを抑制することができる。よって、高速なデジタル信号を通信した場合でも誤作動を防ぐことができる。受信基板の受信回路がデータを誤って復元することを防ぐことができる。
変形例1
以下、変形例について説明する。図8は、変形例1にかかる送信回路122を示す回路図である。本実施の形態では、終端回路52の構成が異なっている。なお、送信回路122の基本的な構成については図3と同様であるため、説明を省略する。
終端回路52は、N(nは、2以上の整数)個の終端トランジスタMR1〜MRnと、N個の終端トランジスタML1〜MLnと、を備えている。送信コイル121の一端と、接地電位との間には、複数の終端トランジスタML1〜MLnが並列に接続されている。送信コイル121の他端と、接地電位との間には、複数の終端トランジスタMR1〜MRnが並列に接続されている。終端トランジスタML1〜MLnのゲートには、それぞれイネーブ信号EN1〜ENnの反転信号が入力されている。終端トランジスタMR1〜MRnのゲートには、それぞれイネーブル信号EN1〜ENnの反転信号が入力されている。
終端トランジスタML1〜MLn、及び終端トランジスタMR1〜MRnを個別にオンオフ制御できるようにしている。終端トランジスタML1〜MLn、及び終端トランジスタMR1〜MRnのオンオフを切換えることで、終端抵抗値Rtermを調整することができる。例えば、終端トランジスタML1〜MLnが並列に接続されているため、オンとなる終端トランジスタの数を増やすことで、終端抵抗値Rtermが低下する。終端トランジスタML1〜MLnのうちの一部の終端トランジスタがイネーブル信号ENに応じてオンオフ制御され、残りの終端トランジスタは常時オフとなる。
そして、最適な終端抵抗値Rtermとなるように、終端トランジスタML1〜MLnのうち、オンオフ制御される終端トランジスタを1つ以上選択すればよい。選択されていない終端トランジスタは常時オフするように、設定する。イネーブル信号ENがLのとき、選択された終端トランジスタがオンし、イネーブル信号ENがHのとき、オフするように制御する。このようにすることで、オンした終端トランジスタの並列抵抗が終端抵抗値となる。終端トランジスタMR1〜MRnについても、イネーブル信号に応じて、一部の終端トランジスタのみがオンオフされるように制御すればよい。このようにすることで、コイルの形状、間隔、数等に応じて、終端回路52の終端抵抗値Rtermを細かく調整することができるため、リンギングをより有効に抑えることが可能となる。
変形例2
図9は、変形例2にかかる送信回路122を示す回路図である。図9は、図3のようにパルスではなく、送信コイル121がNRZ(Non Return to Zero)を出力する構成を示している。従って、トランジスタTr1〜Tr4の入力側の構成が、図3と異なっている。
具体的には、NAND回路NAND1には、送信データDの反転信号とイネーブル信号ENとが入力される。NAND回路NAND1の出力は、トランジスタTr1のゲートに接続されている。NOR回路NOR2には、イネーブル信号ENの反転信号と送信データDの反転信号とが入力される。NOR回路NOR2の出力は、トランジスタTr2のゲートに接続されている。
NAND回路NAND3には、送信データDとイネーブル信号ENとが入力される。NAND回路NAND3の出力は、トランジスタTr3のゲートに接続されている。NOR回路NOR4には、イネーブル信号ENの反転信号と送信データDとが入力される。NOR回路NOR4の出力は、トランジスタTr4のゲートに接続されている。
よって、イネーブル信号がHの場合、送信データDに応じて、トランジスタTr1〜Tr4が制御される。よって、送信コイル121に電流が流れるため、送信コイル121が、NRZ信号を出力することができる。イネーブル信号ENがLの場合、4つのトランジスタTr1〜Tr4がオフとなって、送信コイル121の両端が開放される。つまり、送信回路122の出力がHigh-Zとなる。さらに、終端トランジスタM1、M2がオンとなって、送信コイル121が終端される。この構成により、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
変形例3
変形例3にかかる送信回路122について図10を用いて説明する。変形例3では、変形例2の4つのトランジスタTr1〜Tr4を全てNMOSトランジスタで構成している。よって、トランジスタTr1,トランジスタTr3がNMOSトランジスタとなっている点が、図9と異なっている。なお、送信回路122、及び終端回路52の基本的な構成は、上記と同様であるため、説明を省略する。
変形例3では、トランジスタTr1,トランジスタTr3がNMOSトランジスタとなっているため、トランジスタTr1、Tr3の入力側にNAND回路ではなく、NOR回路NOR1、NOR3がそれぞれ配置されている。NOR回路NOR1は、イネーブル信号ENの反転信号と、送信データDが入力されている。NOR回路NOR1の出力は、トランジスタTr1のゲートに接続されている。NOR回路NOR3は、イネーブル信号ENの反転信号と、送信データDが入力されている。NOR回路NOR3の出力は、トランジスタTr3のゲートに接続されている。
送信データDに応じて、トランジスタTr1〜Tr4が制御される。よって、送信コイル121に電流が流れるため、送信コイル121が、NRZ信号を出力することができる。イネーブル信号ENがLの場合、4つのトランジスタTr1〜Tr4がオフとなって、送信コイル121の両端が開放される。つまり、送信回路122の出力がHigh-Zとなる。さらに、終端トランジスタM1、M2がオンとなって、送信コイル121が終端される。この構成により、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、変形例2、3の構成に、変形例1を組み合わせてもよい。つまり、図9または図10の構成においても、終端回路52に終端トランジスタML1〜MLn,及び終端トランジスタMR1〜MRnを設けていてもよい。これにより、終端抵抗値の段階的な調整が可能となる。
なお、図3、図8〜図10では、終端電位を接地電位とする回路を示してしたが、終端電位は、接地電位に限られるものではない。例えば、送信コイル121の両端が、終端トランジスタを介して、接地電位以外の終端電位に接続されていてもよい。あるいは、送信コイル121を終端する場合、送信コイル121の両端がいずれの電位にも接続されていなくてもよい。例えば、終端トランジスタを介して、送信コイル121の一端と他端とを接続してもよい。これにより、いずれの電位を終端電位とすることなく、送信コイル121を終端することができる。また、終端回路52は、2つの終端トランジスタM1、M2を備えている構成が示されているが、終端回路52は、1つの終端トランジスタのみを備えていてもよい。この場合、例えば、図11に示すように送信コイルの両端が1つの終端トランジスタM1を介して接続されていればよい。
実施の形態2.
実施の形態2に係る通信回路について、図12を用いて説明する。図12は、通信回路の全体構成を模式的に示す図である。実施の形態2では、基板11から基板26にデータを送信する処理を説明するための図である。本実施の形態では、基板18が中継基板となっている。つまり、基板11は、基板18に対して、データを送信する。そして、基板18は、基板11から受信したデータを基板26に転送する。
以下の説明では、通信回路1が、16個の基板11〜26を備えているものとして説明する。もちろん、基板の数は16個に限られるものではない。なお、図12では、基板11と基板18の間の基板、及び基板18と基板26との間の基板の一部を適宜省略して図示している。例えば、図12では、図2などで示された基板13〜基板16が省略されている。同様に、基板19と基板25との間の5つの基板についても省略されている。
実施の形態1と同様に、基板11の送信コイル111と、基板18の受信コイル184は、平面視において重複して配置されている。従って、送信コイル111と受信コイル184とが誘導結合している。さらに、基板11と基板18との間の基板12〜基板17の送信コイルについても送信コイル111、及び受信コイル184と重複している。送信コイル111、及び送信コイル111と重複するコイルを第1の誘導結合器群2とする。
送信コイル121、171等は、図3で示した送信回路、及び終端回路が接続されている。第1の誘導結合器群2において、送信コイル111以外の送信コイル121、171等は、終端回路52によって終端される。この点について、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
基板18では、送信コイル181と受信コイル184が重複しないように配置されている。つまり、送信コイル181と受信コイル184とが、干渉しない程度の距離を隔てて接続されている。受信コイル184で受信した受信データが受信回路183で復元される。受信回路183と送信回路182とは、基板18上の配線187で接続されている。受信回路183は、配線187を介して、復元したデータDを送信回路182に出力する。そして、送信回路182は、データを転送データとして、送信コイル181から出力する。送信コイル181、送信回路182は、中継用の送信コイル、及び送信回路となっている。
基板18の送信コイル181と、基板26の受信コイル184は重複するように配置されているため、互いに誘導結合している。よって、基板18の送信コイル181からの送信された転送データを基板26の受信コイル264で受信することができる。基板26の受信回路263は、受信コイル184を介して受信した転送データを復元する。このようにすることで、基板11からのデータが、基板18で中継されて、基板26に送信される。
さらに、基板18と基板26との間の基板19、基板25等においても、送信コイル191、251、及び送信回路192、252等が設けられている。送信コイル191,251は、送信コイル181と重複するため、誘導結合する。ここで、送信コイル181、及び送信コイル181と重複するコイルを第2の誘導結合器群3とする。第2の誘導結合器群3と第1の誘導結合器群2は、平飯において、互いに離れて配置されている。
第2の誘導結合器群3の送信回路192、252等においても、図3に示した終端回路52が追加されている。第2の誘導結合器群3においても、終端回路52が、送信に関与しない送信コイルを終端する。第2の誘導結合器群3に含まれる誘導結合器を備えた基板18〜26のうち、中継基板となる基板18以外の基板については、終端回路52が送信コイルを終端する。このようにすることで、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。さらに、基板18によってデータを中継することができるため、多くの基板間でのデータ通信が可能となる。さらに、上記の転送を繰り返すことで、より多くの基板間でのデータ通信が可能となる。
実施の形態2では、例えば、基板11がプロセッサを有するプロセッサチップであり、基板12〜基板26がメモリを有するメモリチップである。そして、プロセッサが基板26のメモリにデータを書き込む場合、基板11が書き込みデータを基板26に送信する。これにより、メモリチップである基板26がメモリデータを正確に書き込むことができる。さらに、中継基板によりデータを転送できるため、より多くの基板間での通信が可能となる。よって、メモリの搭載数を増やすことができ、メモリ容量を増大することができる。例えば、16個以上のメモリチップを搭載することができる。さらに、転送を複数回行うことで、64個のメモリチップを搭載することができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、図13に示すように、基板11〜基板26を備えた通信回路1において、基板21から基板11にデータを送信する例について説明する。なお、実施の形態1,2と重複する内容については説明を適宜省略する。例えば、第1の誘導結合器群2、及び第2の誘導結合器群3における送信コイルの終端回路は、実施の形態1,2と同様となっている。
本実施の形態3では、第2の誘導結合器群3において、基板21の送信コイル211がデータを基板18の受信コイル184に送信している。つまり、送信回路212が送信コイル211から送信データを送信する。従って、基板21と基板18との間にある基板20等において、イネーブル信号ENがLとなる。さらに、送信基板である基板21と受信基板である基板18との間にない基板26においても、イネーブル信号ENがLとなっている。したがって、図3等に示した終端回路52が送信コイル261を終端している。
つまり、第2の誘導結合器群3において、データ伝送の経路にない送信コイル261等が、送信コイル211と誘導結合している。送信コイル261等のイネーブル信号ENをLとすることで、送信コイル261を適切に終端することができる。これにより、リンギングを抑制することができ、高速なデジタル信号を通信した場合でも誤作動を防ぐことができる。
基板18では、受信コイル184から受信したデータを受信回路183が復元する。そして、受信回路183は、配線188を介して、データを送信回路182に出力する。送信回路182は、送信コイル181を介して、データを送信する。つまり、送信コイル181が受信コイル114にデータを転送する。実施の形態1、2に同様に、第1の誘導結合器群2においても、終端回路52が、送信基板でない基板12、17等の送信コイル121、171を終端する。
実施の形態3では、例えば、基板11がプロセッサを有するプロセッサチップであり、基板12〜基板26がメモリを有するメモリチップである。そして、プロセッサが基板21のメモリに格納されたデータを読み出す場合、基板21がメモリのデータを基板11に送信する。これにより、プロセッサ基板である基板11が、任意の基板のメモリデータを正確に読み出すことができる。さらに、中継基板によりデータを転送できるため、より多くの基板間での通信が可能となる。よって、メモリの搭載数を増やすことができ、メモリ容量を増大することができる。例えば、16個以上のメモリチップを搭載することができる。
実施の形態2、3では、第1の誘導結合器群2及び第2の誘導結合器群3を備える通信回路1において、データを送信する送信基板については、イネーブル信号をHとし、データを送信しない基板については、イネーブル信号ENをLとする。したがって、送信基板以外の基板については、送信回路から送信コイルが開放されるとともに、終端回路が送信コイルを終端することができる。このようにすることで、第1の誘導結合器群2及び第2の誘導結合器群3において、リンギングを抑制することができる。よって、高速なデジタル信号を通信した場合でも誤作動を防ぐことができる。
なお、実施の形態1〜3において、送信していないコイルの終端抵抗値は、送信している送信コイルとの結合度が大きいほど、大きくしてもよい。つまり、送信基板の送信コイルに近いほど、終端抵抗値を大きくしてもよい。具体的には、基板11が送信基板となる場合、送信コイル121から送信コイル171の順番で終端抵抗値を段階的に下げていってもよい。例えば,変形例1に示した終端回路52により、終端抵抗値を変えればよい。
また、データを送信する送信基板は、イネーブル信号ENを他の基板に送信してもよい。例えば、基板11が送信基板であるとする場合、第1の誘導結合器群2及び第2の誘導結合器群3と別チャネルを用いてイネーブル信号ENを順次基板12〜18等に送信すればよい。
より具体的には、通信回路1が、プロセッサチップと複数のメモリチップとを積層したメモリ装置の場合、プロセッサチップである基板11が他の基板12〜18にイネーブル信号を送信する。例えば、メモリにデータの書き込みを行なう場合、基板11は、自身のイネーブル信号ENをHとして、他のチップのイネーブル信号ENをLとする。そして、アドレスや制御信号を送信するチャネルにより、基板11は、イネーブル信号ENを送信する。メモリからデータの読み出しを行なう場合、プロセッサチップがメモリの読み出し要求時に、読み出しアドレスに対応するメモリチップのイネーブル信号をHとして、送信基板とする。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 通信回路
2 第1の誘導結合器群
3 第2の誘導結合器群
11 基板
111 送信コイル
112 送信回路
113 受信回路
114 受信コイル
12 基板
121 送信コイル
122 送信回路
18 基板
181 送信コイル
182 送信回路
183 受信回路
184 受信コイル
51 遅延バッファ
52 終端回路
Tr1〜Tr4 トランジスタ
M1、M2 終端トランジスタ
EN イネーブル信号

Claims (7)

  1. 積層されたN(Nは3以上の整数)個の基板と、
    前記基板に形成された第1の誘導結合器であって、他の基板の第1の誘導結合器と誘導結合する第1の誘導結合器と、
    前記基板に設けられ、データを送信する送信基板であるか否かを示す制御信号が入力される終端トランジスタを備え、前記制御信号に応じて前記第1の誘導結合器を終端する終端回路と、
    前記基板に設けられ、当該基板に形成された前記第1の誘導結合器を駆動する送信回路と、を備えた通信回路。
  2. 前記終端トランジスタがオンしたときの前記終端回路の終端抵抗値が100Ω以上、100kΩ以下となっている請求項1に記載の通信回路。
  3. 前記第1の誘導結合器の両端がそれぞれ、前記終端トランジスタを介して終端電位に接続され、
    前記制御信号が前記送信基板であることを示す場合、前記終端トランジスタがオフし、
    前記制御信号が前記送信基板でないことを示す場合、前記終端トランジスタがオンする請求項1、又は2に記載の通信回路。
  4. 前記第1の誘導結合器の一端と、前記終端電位との間には、複数の前記終端トランジスタが並列に接続され、
    前記第1の誘導結合器の他端と、前記終端電位との間には、複数の前記終端トランジスタが並列に接続されている請求項3に記載の通信回路。
  5. 前記送信回路は、前記制御信号に応じて、前記第1の誘導結合器を開放する請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信回路。
  6. 前記N個の基板には、前記送信基板からのデータを中継して、受信基板に送信する中継基板が含まれており、
    前記中継基板は、
    平面視において、前記第1の誘導結合器と異なる位置に配置された第2の誘導結合器であって、他の基板の第2の誘導結合器と誘導結合する第2の誘導結合器と、
    前記第1の誘導結合器を介して受信したデータを復元する受信回路と、
    前記受信回路で復元したデータを前記第2の誘導結合器に出力する送信回路と、を備え、
    前記中継基板以外の基板に設けられた前記第2の誘導結合器が、終端回路により終端されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の通信回路。
  7. 積層されたN(Nは3以上の整数)個の基板と、
    前記基板に形成された第1の誘導結合器であって、他の基板の第1の誘導結合器と誘導結合する第1の誘導結合器と、
    前記基板に設けられ、当該基板に形成された前記第1の誘導結合器を駆動する送信回路と、
    終端トランジスタを備えた終端回路と、を備えた通信回路の制御方法であって、
    データを送信する送信基板でないことを示す制御信号が入力された場合に、前記終端回路が前記第1の誘導結合器を終端し、
    前記送信基板であることを示す制御信号が入力された場合に、前記送信回路が、送信データに応じて、前記第1の誘導結合器に電流を流す制御方法。
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