以下に図面を参照して、医用情報管理システム、医用情報管理装置、および、医用情報管理方法の実施形態について詳細に説明する。本実施形態に係る医用情報管理システムは、例えば消防本部や消防組合等が管轄する救急車等から収集された患者の画像等の医用情報を、当該患者の搬送先となる病院等における医用情報と関連付ける。
図1は、医用情報管理システムの構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る医用情報管理システム1は、管理装置10a及び10bと、搬送デバイス20a及び20bと、画像サーバ30と、RIS(Radiology Information System)40a及び40bと、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)50a及び50bとを備える。
医用情報管理システム1において、管理装置10a及び10bと、搬送デバイス20a及び20bと、画像サーバ30とは、それぞれ有線又は無線によるネットワークNWによって相互に通信可能に接続される。また、管理装置10aと、RIS40aと、PACS50aとは、それぞれ有線又は無線による院内ネットワークNWaを介して、病院HPaにおいて構成された病院情報システム(不図示)と相互に通信可能に接続される。同様に、管理装置10bと、RIS40bと、PACS50bとは、それぞれ有線又は無線による院内ネットワークNWbを介して、病院HPbにおいて構成された病院情報システム(不図示)と相互に通信可能に接続される。なお、院内ネットワークNWa及びNWbには、後に説明するモダリティ(Modality)や、病院会計システム(不図示)、電子カルテシステム(不図示)等の病院におけるその他のシステムに含まれる各サーバ装置(不図示)も接続されている。
なお、図1に示す医用情報管理システム1は、2台の管理装置10a及び10b及び2台の搬送デバイス20a及び20bを含むが、各装置の台数は任意であり、例えば3台以上の管理装置がネットワークNWに接続されていてもよい。なお、以下において、管理装置10a及び10bを区別せずに表現する場合に、単に「管理装置10」と表記する場合がある。同様に、搬送デバイス20a及び20b、RIS40a及び40b、PACS50a及び50b、病院HPa及びHPb、院内ネットワークNWa及びNWbについても、それぞれ「搬送デバイス20」、「RIS40」、「PACS50」、「病院HP」、「院内ネットワークNW」と表記する場合がある。
図1に示す管理装置10は、例えば病院HPa及びHPb内に設置されるコンピュータである。例えば、管理装置10aは、病院HPaに到着する前に取得された、搬送中の患者の画像などを含む医用情報を画像サーバ30から取得し、RIS40aから取得した、病院HPaにおいて患者を識別する情報と関連付ける。また、管理装置10aは、取得した医用情報をDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)形式に変換し、PACS50aに出力する。なお、以下において、病院に到着する前に取得された患者の医用情報を「到着前医用情報」と表記し、病院において患者を一意に識別する識別子を「緊急ID(Identifer)」と表記する場合がある。
図1に示す搬送デバイス20は、例えば救急車等の患者を搬送する移動体に搭載された装置である。搬送デバイス20は、搬送中の患者の画像などを撮影し、画像などを含む到着前医用情報を画像サーバ30に送信する。なお、搬送デバイス20は、オーダ外機器の一例である。また、本実施形態においては、救急車等の一つの移動体には、それぞれ一つの搬送デバイス20が搭載され、移動体と搬送デバイス20とが一対一で対応する。
図1に示す画像サーバ30は、例えば消防本部等に設置されるコンピュータである。画像サーバ30は、搬送デバイス20等から画像などを含む到着前医用情報を取得し、記憶装置に格納する。画像サーバ30は、例えば管理装置10a及び10bからの要求に応じて、記憶された到着前医用情報を送信する。なお、画像サーバ30は、記憶装置の一例である。
図1に示すRIS40は、例えば病院HPa及びHPb内に設置され、病院で実施される検査や診断等に関するオーダを管理する公知のコンピュータである。RIS40aは、例えば救急患者の病院HPaへの搬送予定の入力を受け付けると、当該オーダに対応する患者を一意に識別する識別子として、緊急IDを発行し、管理装置10a及びPACS50aに出力する。
図1に示すPACS50は、例えば病院HPa及びHPb内に設置されるコンピュータである。PACS50は、DICOM形式の医用情報を取得して、記憶装置に格納する公知のコンピュータである。PACS50aは、例えば、DICOM形式に変換された医用情報を管理装置10aから取得して、記憶装置に格納する。また、PACS50aは、CR(Computed Radiography)、CT(Computed Tomography)及びMRI(Magnetic Resonance Imaging)などのモダリティから、病院HPaに到着した後に取得された患者の画像などを含む医用情報を取得する。なお、病院に到着した後に取得された患者の医用情報を「到着後医用情報」と表記する場合がある。また、到着前医用情報は、病院によるオーダの発行前に収集された医用情報、すなわち搬送デバイス20等のオーダ外機器により、病院が発行するオーダに基づかずに収集された患者の医用情報の一例である。また、到着後医用情報は、病院が発行するオーダに基づいて収集された患者の医用情報の一例である。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、管理装置10aは、患者の到着前医用情報を、患者の画像を撮影した搬送デバイス20aを一意に識別する「DeviceID」と、当該患者の病院への到着時刻に関する情報とを用いて特定する。なお、「DeviceID」は、オーダ外機器の識別情報の一例であり、「到着時刻」は、到着状況の一例である。例えば、搬送デバイス20aのDeviceIDは「Camera-A」であり、搬送デバイス20bのDeviceIDは「Camera-B」である。なお、DeviceIDは、以下に説明するように、搬送デバイス20以外の機器にも付与される場合がある。
まず、病院HPaに患者が到着するまでの処理について説明する。図2は、第1の実施形態に係る患者到着前の処理を説明するための図である。なお、以下の図に示す処理の順序は一例であり、一部の処理の実行順序が逆になってもよいし、複数の処理が同時に並行して実行されてもよい。
図2に示すように、まず、患者を搬送する救急車に搭載された搬送デバイス20aは、時刻「12:00」に患者の画像を撮影し、画像を一意に識別する識別子である「画像ID」を付与する(1.撮影)。搬送デバイス20aは、撮影した画像を、「画像ID」及び「DeviceID」とともに、画像サーバ30に送信する(2.転送)。画像サーバ30は、搬送デバイス20aから送信された画像を、画像ID及びDeviceIDと対応付けて記憶する。
一方、病院HPaは、救急車による患者の搬送予定を、当該救急車に搭載された搬送デバイス20aのDeviceIDとともに通知される。なお、搬送予定は、例えば搬送デバイス20aから通知されるが、これに限られず、画像サーバ30やその他の装置から通知される場合もある。この場合において、病院HPaの管理装置10aは、画像サーバ30に記憶された画像を参照する(3.画像参照)。その際、管理装置10aは、通知されたDeviceIDに関連付けられた画像のうち、到着時刻が関連付けられていない、すなわち到着時刻が「未登録」である画像を参照する。
次に、RIS40aは、病院HPaにおいて当該患者を識別する「緊急ID」を発番し、管理装置10aに送信する(4.緊急ID発番)。管理装置10aは、取得した緊急IDを、DeviceID及び到着時刻と関連付ける(4.患者の関連付け)。なお、「緊急ID」は、患者識別情報の一例である。また、「3.画像参照」と「4.緊急ID発番」及び「4.患者の関連付け」とは同時に並行して実行されてもよく、順序を逆にして実行されてもよい。
次に、病院HPaに患者が到着した後の処理について説明する。図3は、第1の実施形態に係る患者到着後の処理を説明するための図である。図3に示すように、搬送デバイス20aを搭載した救急車が搬送する患者は、時刻「12:10」に病院HPaに到着する(5.到着)。この際、搬送デバイス20aは、画像サーバ30に、到着時刻「12:10」を送信する(5.登録)。
一方、病院HPaでは、予めRIS40aから発番済みの緊急IDとワークリスト(Worklist)を付与されたモダリティ(Modality)を用いて、到着した患者に対する検査が行われる(6.検査)。検査により取得された患者の画像は、緊急IDと関連付けられたDICOM形式のデータとして、PACS50aに送信される(6.転送)。PACS50aは、取得したDICOM形式のデータを、到着後医用情報として記憶する。
また、管理装置10aは、患者が到着すると、画像サーバ30から患者の画像を含む到着前医用情報をダウンロードする(7.ダウンロード)。この際、管理装置10aは、事前に通知されたDeviceIDに関連付けられた画像のうち、到着時刻が患者の到着時刻と一致する画像、すなわち到着時刻が「12:10」である画像をダウンロードする。
次に、管理装置10aは、ダウンロードした画像を、関連付けられた画像ID、緊急ID及びDeviceIDとともに、DICOM形式のデータに変換し(8.変換)、到着前医用情報として、PACS50aに送信する(9.転送)。PACS50aは、受信したDICOM形式に変換された到着前医用情報を記憶する。これにより、PACS50aにおいて、到着前医用情報と到着後医用情報とが、同一の緊急IDにより関連付けられる。
次に、図2及び図3に示すような処理を実行する医用情報管理システム1の機能について説明する。図4は、第1の実施形態に係る医用情報管理システムのブロック図である。図4に示すように、病院HPaの院内ネットワークNWaに接続される管理装置10aは、通信I/F(Interface)11と、入力I/F12と、ディスプレイ13と、記憶回路14と、処理回路15とを備える。なお、病院HPbの院内ネットワークNWbに接続される管理装置10bも、管理装置10aと同様の構成を有するため、以下においては管理装置10a及び10bを区別せずに管理装置10として説明する場合がある。
通信I/F11は、処理回路15に接続され、ネットワークNW及び院内ネットワークNWaを介して接続された各種の装置との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、通信I/F11は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
入力I/F12は、処理回路15に接続され、管理装置10の管理者(不図示)から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路15に出力する。例えば、入力I/F12は、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等である。
ディスプレイ13は、処理回路15に接続され、処理回路15から出力される各種情報及び各種画像データを表示する。例えば、ディスプレイ13は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。
記憶回路14は、処理回路15に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路14は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。本実施形態では、記憶回路14は、例えば、患者テーブル141を記憶する。
患者テーブル141は、画像サーバ30から取得した到着前医用情報と、RIS40から取得した緊急IDとを対応付ける情報を記憶する。本実施形態において、患者テーブル141は、例えば到着前医用情報に含まれる画像に関する情報を記憶する。患者テーブル141に記憶される情報は、例えば後に説明する第1取得機能151、第2取得機能152、変換機能153及び登録機能154により格納される。
図5は、第1の実施形態に係る患者テーブルの一例を示す図である。例えば、患者テーブル141は、図5に示すように、「画像ID」と、「DeviceID」と、「緊急ID」と、「到着時刻」と、「画像ID(変換後)」とを対応付けた情報である。ここで、図5における「画像ID」は、到着前医用情報に含まれる画像を一意に識別する識別子を示す。「DeviceID」は、当該画像を取得した搬送デバイス20を一意に識別する識別子を示す。「緊急ID」は、RIS40から取得した緊急IDを示す。「到着時刻」は、当該緊急IDにより特定される患者が、当該病院に到着した時刻を示す。「画像ID(変換後)」は、DICOM形式に変換された、画像IDにより特定される画像を一意に識別する識別子を示す。
例えば、図5に示す1段目のレコードは、画像ID「Pic0002」の画像を含む到着前医用情報は、DeviceID「Camera-A」の搬送デバイスにより取得され、緊急ID「EM011」が付与されたことを示す。また、図5に示す1段目のレコードは、当該緊急IDにより特定される患者が、「7/31 12:10」に当該病院に到着したことを示す。さらに、図5に示す1段目のレコードは、画像ID「Pic0002」の画像は、画像ID「Dic01102」の画像に変換されたことを示す。同様に、図5に示す2段目のレコードは、画像ID「Pic0003」の画像を含む到着前医用情報も、1段目のレコードの到着前医用情報と同様に、DeviceID「Camera-A」の搬送デバイスにより取得され、緊急ID「EM011」が付与されたことを示す。すなわち、図5に示す2段目のレコードは、1段目のレコードと同一の患者に関する到着前医用情報に関するレコードであるため、到着時刻も1段目のレコードのものと同一である。また、図5に示す2段目のレコードは、画像ID「Pic0003」の画像は、画像ID「Dic01103」の画像に変換されたことを示す。
なお、図5において、各レコードの未登録の項目は、例えば空欄である。例えば、DeviceID「Camera-A」及び緊急ID「EM011」により特定される患者が病院にまだ到着していない場合、到着時刻の項目は空欄である。また、例えば、各画像がDICOM形式にまだ変換されていない場合、画像ID(変換後)の項目1411は空欄となる。
図4に戻って、処理回路15は、第1取得機能151と、第2取得機能152と、変換機能153と、登録機能154とを実行することで、管理装置10全体の動作を制御する。ここで、第1取得機能151は、第1取得部の一例である。第2取得機能152は、第2取得部の一例である。変換機能153は、変換部の一例である。また、登録機能154は、関連付け部の一例である。ここで、例えば、図4に示す処理回路15の構成要素である第1取得機能151、第2取得機能152、変換機能153及び登録機能154の各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路14に記録されている。処理回路15は、各プログラムを記憶回路14から読み出し、読み出した各プログラムを実行することで各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路15は、図4の処理回路15内に示された各機能を備えることとなる。
なお、第1取得機能151、第2取得機能152、変換機能153及び登録機能154の全ての処理機能がコンピュータによって実行可能な1つのプログラムの形態で、記憶回路14に記録されていてもよい。例えば、このようなプログラムは、医用情報管理プログラムとも称される。この場合、処理回路15は、医用情報管理プログラムを記憶回路14から読み出し、読み出した医用情報管理プログラムを実行することで医用情報管理プログラムに対応する第1取得機能151、第2取得機能152、変換機能153及び登録機能154を実現する。
処理回路15における第1取得機能151は、画像サーバ30から到着前医用情報を取得する。例えば、第1取得機能151は、通知されたDeviceIDの入力等を開始のトリガとして、ネットワークNWを介して画像サーバ30にアクセスする。第1取得機能151は、画像サーバ30に記憶された、DeviceIDに関連付けられた画像を参照する。また、第1取得機能151は、取得した画像の画像ID及び画像に関連付けられた到着時刻を、登録機能154に出力する。
また、第1取得機能151は、患者の到着通知の入力等を開始のトリガとして、画像サーバ30から画像データをダウンロードする。第1取得機能151は、患者テーブル141に登録済みの画像ID及びDeviceIDに対応する画像のデータを含む到着前医用情報をダウンロードし、変換機能153に出力する。
第2取得機能152は、RIS40aから緊急IDを取得する。例えば、第2取得機能152は、RIS40aから緊急IDを受信し、登録機能154に出力する。
変換機能153は、画像データをDICOM形式のデータに変換する。変換機能153は、第1取得機能151から画像のデータを含む到着前医用情報の出力を受けると、関連付けられた画像ID、DeviceID及び緊急IDとともに、画像をDICOM形式のデータに変換する。変換機能153は、変換後の到着前医用情報をPACS50aに送信する。
登録機能154は、搬送される患者の到着前医用情報を、緊急IDと対応付ける。登録機能154は、第1取得機能151から画像ID及び到着時刻の出力を受けると、DeviceIDが一致する到着前医用情報について、「到着時刻」が未登録であるか否かを判定する。登録機能154は、到着時刻が未登録であると判定された到着前医用情報の画像ID及びDeviceIDを、第2取得機能152から出力される緊急IDと関連付けて、患者テーブル141に格納する。
次に、搬送デバイス20は、図4に示すように、カメラ21と、送信データ生成部22と、通信I/F23とを有する。なお、搬送デバイス20a及び20bは、それぞれ同様の構成を有するため、以下においては搬送デバイス20a及び20bを区別せずに搬送デバイス20として説明する場合がある。
搬送デバイス20のカメラ21は、患者の画像を取得し、画像のデータを送信データ生成部22に出力する。カメラ21は、例えば光学カメラであるが、これに限られず、X線CT装置、超音波診断装置等の他の装置であってもよい。
送信データ生成部22は、画像のデータに識別情報を付与して、画像サーバ30に送信するための到着前医用情報を生成する。送信データ生成部22は、画像のデータに対して画像IDを発番し、搬送デバイス20に付与されたDeviceIDとともに画像のデータに付与し、通信I/F23を介して画像サーバ30に送信する。また、送信データ生成部22は、DeviceIDを含む患者の搬送予定を、通信I/F23を介して病院HPaに送信する。
通信I/F23は、ネットワークNWを介して接続された他の装置等との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。通信I/F23は、例えば、送信データ生成部22から出力された到着前医用情報を、画像サーバ30に送信する。例えば、通信I/F23は、ネットワークカードやネットワークアダプタ等によって実現される。
画像サーバ30は、図4に示すように、通信I/F31と、入力I/F32と、ディスプレイ33と、記憶回路34と、処理回路35とを有する。
通信I/F31は、処理回路35に接続され、ネットワークNWを介して接続された各種の装置との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、通信I/F31は、ネットワークカードやネットワークアダプタ等によって実現される。
入力I/F32は、処理回路35に接続され、画像サーバ30の管理者(不図示)から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路35に出力する。例えば、入力I/F32は、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等である。
ディスプレイ33は、処理回路35に接続され、処理回路35から出力される各種情報などを表示する。例えば、ディスプレイ33は、液晶モニタやCRTモニタ、タッチパネル等によって実現される。
記憶回路34は、処理回路35に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路34は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。本実施形態では、記憶回路34は、例えば、画像テーブル341を記憶する。
画像テーブル341は、搬送デバイス20から取得した到着前医用情報に関する情報を記憶する。本実施形態において、画像テーブル341は、例えば後に説明する取得機能351及び登録機能352により設定される。例えば、画像テーブル341は、図6に示すように、「画像ID」と、「DeviceID」と、「到着時刻」とを対応付けて記憶する。
図6は、第1の実施形態に係る画像テーブルの一例を示す図である。図6に示す各項目は、図5に示す各項目と同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、図6に示す例において、画像ID「Pic0002」及び「Pic0003」及びDeviceID「Camera-A」に対応する到着時刻3411は未登録である。すなわち、図6に示す画像テーブル341は、当該画像ID及びDeviceIDに対応する患者が、病院にまだ到着していないことを示す。
図4に戻って、処理回路35は、取得機能351と、登録機能352とを実行することで、画像サーバ30全体の動作を制御する。ここで、例えば、図4に示す処理回路35の構成要素である取得機能351及び登録機能352の各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路34に記録されている。処理回路35は、各プログラムを記憶回路34から読み出し、読み出した各プログラムを実行することで各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路35は、図4の処理回路35内に示された各機能を備えることとなる。
なお、取得機能351及び登録機能352の全ての処理機能がコンピュータによって実行可能な1つのプログラムの形態で、記憶回路34に記録されていてもよい。この場合、処理回路35は、プログラムを記憶回路34から読み出し、読み出したプログラムを実行することで取得機能351及び登録機能352を実現する。
処理回路35における取得機能351は、搬送デバイス20から到着前医用情報を取得する。例えば、取得機能351は、ネットワークNWを介して搬送デバイス20から画像のデータを含む到着前医用情報を受信すると、画像のデータを記憶回路34に記憶するとともに、到着前医用情報に関連付けられた画像ID及びDeviceID等の情報を登録機能352に出力する。
登録機能352は、到着前医用情報に関する情報を、画像テーブル341に登録する。登録機能352は、取得機能351から出力された画像ID及びDeviceIDを、図6に示す画像テーブル341に登録する。また、登録機能352は、搬送デバイス20から、到着時刻に関する情報を取得すると、図7に示すように、画像テーブル341に記憶された画像ID及びDeviceIDと関連付けて記憶する。
図7は、第1の実施形態に係る画像テーブルの別の一例を示す図である。図7に示す「到着時刻」の項目3412には、図6において空欄となっていた到着時刻の欄に「7/31 12:10」が登録されている。すなわち、図7に示す画像テーブル341−1は、画像ID「Pic0002」及び「Pic0003」及びDeviceID「Camera-A」に対応する患者が、病院に「7/31 12:10」に到着したことを示す。
次に、図3に示すような処理を実行する医用情報管理システム1の機能について説明する。図8は、第1の実施形態に係る病院情報システムの一部を示すブロック図である。図8に示すように、医用情報管理システム1に含まれる、病院HPa内の院内ネットワークNWaには、管理装置10aに加えて、RIS40aと、PACS50aとが通信可能に接続される。なお、病院HPbの院内ネットワークNWbにも、同様にRIS40bとPACS50bとが接続されるため、以下においてはRIS40a及び40b、又はPACS50a及び50bを、それぞれ区別せずに説明する場合がある。
RIS40aは、図8に示すように、通信I/F41と、入力I/F42と、ディスプレイ43と、記憶回路44と、処理回路45とを有する。
通信I/F41は、処理回路45に接続され、院内ネットワークNWaを介して接続された各種の装置との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、通信I/F41は、ネットワークカードやネットワークアダプタ等によって実現される。
入力I/F42は、処理回路45に接続され、RIS40aの管理者(不図示)から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路45に出力する。例えば、入力I/F42は、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等である。
ディスプレイ43は、処理回路45に接続され、処理回路45から出力される各種情報などを表示する。例えば、ディスプレイ43は、液晶モニタやCRTモニタ、タッチパネル等によって実現される。
記憶回路44は、処理回路45に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路44は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
処理回路45は、発行機能451を実行することで、RIS40a全体の動作を制御する。ここで、例えば、図8に示す処理回路45の構成要素である発行機能451は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路44に記録されている。処理回路45は、各プログラムを記憶回路44から読み出し、読み出した各プログラムを実行することで各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路45は、図8の処理回路45内に示された各機能を備えることとなる。
なお、発行機能451の全ての処理機能がコンピュータによって実行可能な1つのプログラムの形態で、記憶回路44に記録されていてもよい。この場合、処理回路45は、プログラムを記憶回路44から読み出し、読み出したプログラムを実行することで発行機能451を実現する。
処理回路45における発行機能451は、緊急IDを発行する。例えば、発行機能451は、通知されたDeviceIDの入力等を開始のトリガとして、緊急IDを発行し、院内ネットワークNWaを介して管理装置10a及びPACS50aに緊急IDを出力する。
登録機能452は、到着前医用情報に関する情報を、画像テーブル441に登録する。登録機能452は、発行機能451から出力された画像ID及びDeviceIDを、画像テーブル441に登録する。また、登録機能452は、搬送デバイス20から、到着時刻に関する情報を取得すると、図7に示すように、画像テーブル441に記憶された画像ID及びDeviceIDと関連付けて記憶する。
PACS50aは、図8に示すように、通信I/F51と、入力I/F52と、ディスプレイ53と、記憶回路54と、処理回路55とを有する。
通信I/F51は、処理回路55に接続され、院内ネットワークNWaを介して接続された各種の装置との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、通信I/F51は、ネットワークカードやネットワークアダプタ等によって実現される。
入力I/F52は、処理回路55に接続され、PACS50aの管理者(不図示)から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路55に出力する。例えば、入力I/F52は、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等である。
ディスプレイ53は、処理回路55に接続され、処理回路55から出力される各種情報などを表示する。例えば、ディスプレイ53は、液晶モニタやCRTモニタ、タッチパネル等によって実現される。
記憶回路54は、処理回路55に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路54は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。本実施形態では、記憶回路54は、例えば、DICOMテーブル541を記憶する。
DICOMテーブル541は、DICOM形式のデータに関する情報を記憶する。本実施形態において、DICOMテーブル541は、例えば後に説明する取得機能551により設定される。なお、DICOMテーブル541は、記憶部の一例である。
図9は、第1の実施形態に係るDICOMテーブルの一例を示す図である。例えば、DICOMテーブル541は、図9に示すように、「画像ID」と、「DeviceID」と、「緊急ID」と、「到着時刻」とを対応付けて記憶する。例えば、図9に示す1段目のレコードは、画像IDが「Dic01102」である画像は、DeviceID「Camera-A」の搬送デバイスにより取得され、緊急ID「EM011」が付与されたことを示す。また、図9に示す1段目のレコードは、当該緊急IDにより特定される患者が、「7/31 12:10」に当該病院に到着したことを示す。図9に示す2段目のレコードに示す画像IDが「Dic01103」である画像も同様である。なお、これらの画像は、管理装置10aから出力を受けた、DICOM形式のデータに変換された画像であり、例えば図5に示す患者テーブル141の画像ID(変換後)の項目1411に記憶された画像IDにより特定できる。
また、DICOMテーブル541は、図9に示す3段目のレコード及び4段目のレコード5411に示されるように、管理装置10a以外のモダリティから取得した画像に関する情報も記憶する。例えば、図9に示す3段目のレコードは、DeviceIDが「CT-A」であるモダリティ(不図示)により取得された画像ID「CT0101」に関連付けられて、画像IDが「Dic01102」である画像及び画像IDが「Dic01103」である画像と同様の緊急ID及び到着時刻が登録されている。図9に示す4段目のレコードにおいても、DeviceIDが「MR-A」であるモダリティ(不図示)により取得された画像ID「MR0201」に、同様の緊急ID及び到着時刻が登録されている。すなわち、図9に示すDICOMテーブル541は、管理装置10aから取得された、画像IDが「Dic01102」である画像及び画像IDが「Dic01103」である画像と、モダリティから取得された画像IDが「CT0101」である画像及び画像IDが「MR0201」である画像とが、同一の搬送患者に関するものであることを記憶する。
図8に戻って、処理回路55は、取得機能551を実行することで、PACS50a全体の動作を制御する。ここで、例えば、図8に示す処理回路55の構成要素である取得機能551は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路54に記録されている。処理回路55は、各プログラムを記憶回路54から読み出し、読み出した各プログラムを実行することで各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路55は、図8の処理回路55内に示された各機能を備えることとなる。
なお、取得機能551の全ての処理機能がコンピュータによって実行可能な1つのプログラムの形態で、記憶回路54に記録されていてもよい。この場合、処理回路55は、プログラムを記憶回路54から読み出し、読み出したプログラムを実行することで取得機能551を実現する。
処理回路55における取得機能551は、画像データを取得するとともに、画像データに関する情報をDICOMテーブル541に格納する。例えば、取得機能551は、院内ネットワークNWaを介して、管理装置10aからDICOM形式に変換された画像データを取得する。同様に、取得機能551は、例えば、院内ネットワークNWaを介して、モダリティからDICOM形式の画像データを取得する。そして、取得機能551は、取得した画像データに関連付けられた画像ID、DeviceID、緊急ID及び到着時刻を、DICOMテーブル541に格納する。
次に、第1の実施形態に係る医用情報管理システム1による処理の手順について、図10及び図11を用いて説明する。図10は、第1の実施形態に係る患者到着前の処理例を示すシーケンス図である。ここで、図10におけるステップS31及びS32は、例えば、管理装置10aの処理回路15が第1取得機能151に対応するプログラムを記憶回路14から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS43は、例えば、処理回路15が第2取得機能152に対応するプログラムを記憶回路14から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS44は、例えば、処理回路15が登録機能154に対応するプログラムを記憶回路14から読み出して実行することにより実現される。
例えば、図10に示すように、本実施形態に係る医用情報管理システム1では、まず、搬送デバイス20aが、カメラ21を用いて、搬送中の患者の画像を撮影する(ステップS11)。搬送デバイス20aは、撮影した画像データに、画像ID及びDeviceIDを関連付けて、画像サーバ30に送信する(ステップS21)。
続いて、画像サーバ30は、画像データ、画像ID及びDeviceIDを取得すると、画像ID及びDeviceIDを画像テーブル341に登録する(ステップS22)。次に、処理回路15は、DeviceIDを取得すると、画像サーバ30に記憶された画像を、DeviceIDを用いて参照する(ステップS31)。処理回路15は、DeviceIDに対応する画像のデータ及び画像IDを取得する(ステップS32)。
一方、RIS40aは、DeviceIDを取得すると、搬送中の患者を特定する緊急IDを発番する(ステップS41)。RIS40aは、発番した緊急IDを、PACS50aに送信すると共に(ステップS42)、管理装置10aにも送信する(ステップS43)。処理回路15は、RIS40aから取得した緊急IDを、画像サーバ30から取得した画像データと対応付けて記憶する(ステップS44)。
次に、患者到着後における医用情報管理システム1における処理について説明する。図11は、第1の実施形態に係る患者到着後の処理例を示すシーケンス図である。ここで、図11におけるステップS71は、例えば、管理装置10aの処理回路15が第1取得機能151に対応するプログラムを記憶回路14から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS72は、例えば、処理回路15が登録機能154に対応するプログラムを記憶回路14から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS81及びS91は、例えば、処理回路15が変換機能153に対応するプログラムを記憶回路14から読み出して実行することにより実現される。
まず、搬送デバイス20aは、患者が病院に到着すると(ステップS51)、到着時刻を画像サーバ30に送信する(ステップS52)。画像サーバ30は、受信した到着時刻を、DeviceID及び画像IDと対応付けて、画像テーブル341に登録する(ステップS53)。
一方、PACS50aは、病院に到着した患者の検査画像を、他のモダリティから取得する(ステップS61)。PACS50aは、取得した検査画像を、緊急IDと対応付けてDICOMテーブル541に格納する(ステップS62)。
処理回路15は、画像サーバ30にアクセスし、新たに到着時刻が登録された画像データを、到着時刻とともにダウンロードする(ステップS71)。次に、処理回路15は、取得した到着時刻を、緊急IDと対応付けて患者テーブル141に登録する(ステップS72)。そして、処理回路15は、取得した画像データをDICOM形式に変換し(ステップS81)、変換したDICOMデータに緊急IDを関連付けて、PACS50aに送信する(ステップS91)。PACS50aは、管理装置10aから受信したDICOMデータを、緊急IDと対応付けてDICOMテーブル541に格納する(ステップS92)。
上述したように、第1の実施形態によれば、第1取得機能151は、患者が病院に到着するまでに取得された、当該患者の医用情報である到着前医用情報を取得する。第2取得機能152は、前記病院において患者を識別する情報であり、患者が病院に到着した後において取得される医用情報である到着後医用情報に対応付けられる患者識別情報を取得する。そして、登録機能154は、前記到着前医用情報と前記患者識別情報とを関連付ける。従って、第1の実施形態に係る医用情報管理システム1は、オーダに基づかずに収集された患者に関するデータを、搬送先の病院において容易に関連付けることができる。
その際、第1取得機能151は、前記到着前医用情報に関連付けられる情報として、前記患者の病院への到着に関する到着情報をさらに取得してもよい。また、登録機能154は、前記患者が病院に到着したことを示す前記到着情報と関連付けられていない前記到着前医用情報を、前記患者識別情報と関連付けてもよい。これにより、既に病院に到着済みの患者に関する情報との取り違えを防止できる。なお、到着情報は、到着状況の一例である。
また、第1の実施形態によれば、医用情報管理システム1は、記憶装置(画像サーバ30)と、管理装置10とを備える。記憶装置には、病院HPが発行するオーダに基づかずに医用情報を収集するオーダ外機器により収集された患者の医用情報が記憶される。医用情報管理装置の処理回路15は、前記記憶装置に記憶された前記医用情報の中から前記病院を利用する患者の医用情報を取得する。医用情報管理装置の処理回路15は、前記記憶装置に記憶された前記医用情報のうち、前記病院を利用する患者の医用情報を取得し、前記病院を利用する患者を前記病院内で一意に識別する患者識別情報(緊急ID)を取得し、取得された前記患者の医用情報と当該患者識別情報とを関連付ける処理回路を備える。これにより、オーダに基づかずに収集された患者に関するデータを、搬送先の病院において容易に関連付けることができる。
また、第1の実施形態において、記憶装置は、前記オーダ外機器の識別情報(DeviceID)と、前記病院への到着状況(到着時刻)と、前記オーダ外機器(搬送デバイス20)に基づく医用情報と、を対応付けて記憶してもよい。医用情報管理装置の処理回路15は、前記オーダ外機器の識別情報を取得し、当該識別情報に対応づけられた前記病院への到着状況に基づいて、前記病院を利用する患者の医用情報を取得してもよい。
また、第1の実施形態において、前記患者識別情報は、前記病院が発行するオーダに発行されるものであってもよい。前記医用情報管理装置の処理回路15は、取得された前記患者の医用情報を、前記オーダに基づいて取得された、前記患者識別情報に対応付けられる患者に対して使用される院内機器に基づく医用情報のデータ形式と同一のデータ形式に変換し、当該変換後の医用情報を前記患者識別情報と関連付けてもよい。
なお、第1の実施形態における画像ID及びデバイスIDは、患者を一意に識別できるものでなくてもよい。例えば、画像IDは、患者を識別する氏名や識別番号等の情報を含んでいたり、予めこれらの情報と関連付けられていたりしなくともよい。
なお、図5においては、到着状況として「到着時刻」を記憶する構成を示したが、実施形態はこれに限られず、例えば患者テーブル141が、患者が病院に到着済であるか否かを記憶するような構成であってもよい。また、患者テーブル141又は画像テーブル341が、患者が病院に到着済みでないことを示す情報を記憶し、患者が病院に到着した際に当該情報が削除されるような構成であってもよい。また、搬送デバイス20aが到着時刻を画像サーバ30に送信する構成について説明したが、実施の形態はこれに限られず、搬送デバイス20aは到着通知のみを送信し、画像サーバ30が到着通知を受信した時点の時刻を到着時刻として記憶するような構成であってもよい。また、到着時刻が搬送デバイス20aにより画像サーバ30に送信される構成について説明したが、これに限られず、管理装置10aが到着時刻を送信するような構成であってもよい。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、搬送デバイス20aのDeviceIDと、患者が病院に到着した到着時刻との組み合わせを用いて、搬送された患者を特定する構成について説明した。これに対して、第2の実施形態では、後に説明する搬送デバイス70aのDeviceIDと、患者搬送手続きを一意に識別する搬送IDとの組み合わせを用いて、搬送された患者を特定する構成について説明する。なお、「搬送ID」は、発行識別情報の一例である。搬送IDとしては、例えば公知のEBIW(Encounter-Based Imaging Workflow)に基づき付加されるメタデータが用いられる。
まず、第2の実施形態において、図1に示す病院HPaに患者が到着するまでの処理について説明する。図12は、第2の実施形態に係る患者到着前の処理を説明するための図である。なお、以下の実施の形態において、先に説明した図面に示す部位と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、第2の実施形態に係る図12に示す管理装置60a、搬送デバイス70a及び画像サーバ80における、第1の実施形態に係る管理装置10a、搬送デバイス20a及び画像サーバ30との機能の相違については、後に個別に説明する。
図12に示すように、患者を搬送する救急車に搭載された搬送デバイス70aは、患者の画像を撮影し、「画像ID」を付与する(1.撮影)。この際、搬送デバイス70aは、搬送ID「trans002」を発番し、病院HPaに送信する(1a.搬送ID発番)。
また、搬送デバイス70aは、撮影した画像を、「画像ID」及び「DeviceID」並びに「搬送ID」とともに、画像サーバ80に送信する(2a.転送)。画像サーバ80は、搬送デバイス70aから送信された画像を、画像ID及びDeviceID並びに搬送IDと対応付けて記憶する。
一方、病院HPaは、救急車による患者の搬送予定を、当該救急車に搭載された搬送デバイス70aのDeviceID及び搬送IDとともに通知される。この場合において、病院HPaの管理装置60aは、画像サーバ80に記憶された画像を参照する(3a.画像参照)。その際、管理装置60aは、通知されたDeviceID及び搬送IDに関連付けられた画像を参照する。管理装置60aは、参照した画像のDeviceID及び搬送IDを、RIS40aから取得した緊急IDと関連付ける(4a.患者の関連付け)。
次に、第2の実施形態における、病院HPaに患者が到着した後の処理について説明する。図13は、第2の実施形態に係る患者到着後の処理を説明するための図である。搬送デバイス70aを搭載した救急車が搬送する患者が病院HPaに到着すると、管理装置60は、画像サーバ80から患者の画像を含む到着前医用情報をダウンロードする(7a.ダウンロード)。この際、管理装置10aは、事前に通知されたDeviceID及び搬送IDに関連付けられた画像をダウンロードする。以後の処理は、図3と同様である。
次に、図12及び図13に示すような処理を実行する医用情報管理システム2の機能について説明する。医用情報管理システム2における管理装置60aは、通信I/F(Interface)11と、入力I/F12と、ディスプレイ13と、記憶回路64と、処理回路65とを備える。なお、病院HPbの院内ネットワークNWbに接続される管理装置60bも、管理装置60aと同様の構成を有するため、以下においては管理装置60a及び60bを区別せずに管理装置60として説明する場合がある。
記憶回路64は、処理回路65に接続され、各種データを記憶する。本実施形態では、記憶回路64は、例えば、患者テーブル641を記憶する。
患者テーブル641は、患者テーブル141と同様に、画像サーバ80から取得した到着前医用情報と、RIS40から取得した緊急IDとを対応付ける情報を記憶する。患者テーブル641に記憶される情報は、例えば後に説明する第1取得機能651、第2取得機能152、変換機能153及び登録機能654により格納される。
図14は、第2の実施形態に係る患者テーブルの一例を示す図である。例えば、患者テーブル641は、図14に示すように、「画像ID」と、「DeviceID」と、「緊急ID」と、「搬送ID」と、「画像ID(変換後)」とを対応付けた情報である。患者テーブル641は、「到着時刻」の代わりに「搬送ID」を記憶する点が、図5に示す第1の実施形態に係る患者テーブル141とは異なる。図14に示す患者テーブル641は、例えば、搬送デバイス70aにより発行された「搬送ID」6412を記憶する。
処理回路65は、第1取得機能651と、第2取得機能152と、変換機能153と、登録機能654とを実行することで、管理装置60全体の動作を制御する。
処理回路65における第1取得機能651は、画像サーバ80から到着前医用情報を取得する。例えば、第1取得機能651は、通知されたDeviceID及び搬送IDの入力等を開始のトリガとして、ネットワークNWを介して画像サーバ80にアクセスする。第1取得機能651は、画像サーバ80に記憶された、DeviceID及び搬送IDに関連付けられた画像を参照する。また、第1取得機能651は、取得した画像の画像ID及び搬送IDを、登録機能654に出力する。
また、第1取得機能651は、患者の到着通知の入力等を開始のトリガとして、画像サーバ80から画像データをダウンロードする。第1取得機能651は、患者テーブル641に登録済みの画像ID及びDeviceID並びに搬送IDに対応する画像のデータを含む到着前医用情報をダウンロードし、変換機能153に出力する。
登録機能654は、搬送される患者の到着前医用情報を、緊急IDと対応付ける。登録機能654は、第1取得機能651から画像ID及び搬送IDの出力を受けると、DeviceID及び搬送IDが一致する到着前医用情報の画像IDを、第2取得機能152から出力される緊急IDと関連付けて、患者テーブル641に格納する。
次に、搬送デバイス70は、カメラ21と、送信データ生成部72と、通信I/F23とを有する。なお、搬送デバイス70a及び70bは、それぞれ同様の構成を有するため、以下においては搬送デバイス70a及び70bを区別せずに搬送デバイス70として説明する場合がある。
搬送デバイス70の送信データ生成部72は、画像のデータに識別情報を付与するとともに、搬送IDを発行して、画像サーバ80に送信するための到着前医用情報を生成する。送信データ生成部72は、画像のデータに対して画像IDを発番し、搬送デバイス70に付与されたDeviceID、及び搬送IDとともに画像のデータに付与し、通信I/F23を介して画像サーバ80に送信する。また、送信データ生成部72は、DeviceID及び搬送IDを含む患者の搬送予定を、通信I/F23を介して病院HPaに送信する。
画像サーバ80は、図4に示すように、通信I/F31と、入力I/F32と、ディスプレイ33と、記憶回路84と、処理回路85とを有する。
記憶回路84は、処理回路85に接続され、各種データを記憶する。記憶回路84は、例えば、画像テーブル841を記憶する。
画像テーブル841は、搬送デバイス70から取得した到着前医用情報に関する情報を記憶する。本実施形態において、画像テーブル841は、例えば後に説明する取得機能851及び登録機能852により設定される。
図15は、第2の実施形態に係る画像テーブルの一例を示す図である。画像テーブル841は、図15に示すように、例えば、「画像ID」と、「DeviceID」と、「搬送ID」とを対応付けて記憶する。画像テーブル841は、「到着時刻」の代わりに「搬送ID」を記憶する点が、図6に示す第1の実施形態に係る画像テーブル341とは異なる。
図15に示す画像テーブル841において、例えば、「搬送ID」8412は、搬送デバイス70aのDeviceID「Camera-A」と対応付けられ、「搬送ID」8413は、搬送デバイス70bのDeviceID「Camera-B」と対応付けられる。すなわち、図15に示す画像テーブル841は、搬送デバイス70aにより発行された「搬送ID」8412と、搬送デバイス70bにより発行された「搬送ID」8413とが、いずれも「trans002」であることを記憶する。このように、本実施形態においては、異なる搬送デバイス70において、同一の搬送IDが発行される場合がある。
図4に戻って、処理回路85は、取得機能851と、登録機能852とを実行することで、画像サーバ80全体の動作を制御する。
処理回路85における取得機能851は、搬送デバイス70から到着前医用情報を取得する。例えば、取得機能851は、ネットワークNWを介して搬送デバイス70から画像のデータを含む到着前医用情報を受信すると、画像のデータを記憶回路84に記憶するとともに、到着前医用情報に関連付けられた画像ID及びDeviceID並びに搬送ID等の情報を登録機能852に出力する。
登録機能852は、到着前医用情報に関する情報を、画像テーブル841に登録する。登録機能852は、取得機能851から出力された画像ID及びDeviceID並びに搬送IDを、画像テーブル841に登録する。
次に、第2の実施形態に係る医用情報管理システム2による処理の手順について、図16及び図17を用いて説明する。図16は、第2の実施形態に係る患者到着前の処理例を示すシーケンス図である。例えば、図16に示すように、本実施形態に係る医用情報管理システム2では、まず、搬送デバイス70aは、搬送中の患者の画像を撮影するとともに(ステップS11)、搬送IDを発番する(ステップS12)。搬送デバイス70aは、発番した搬送IDを、病院HPaの管理装置60aに通知する(ステップS13)。次に、搬送デバイス70aは、撮影した画像データに、画像ID及びDeviceID並びに搬送IDを関連付けて、画像サーバ80に送信する(ステップS21−1)。
続いて、画像サーバ80は、画像データ、画像ID及びDeviceID並びに搬送IDを取得すると、画像ID及びDeviceID並びに搬送IDを画像テーブル341に登録する(ステップS26)。次に、処理回路65は、DeviceIDを取得すると、画像サーバ80に記憶された画像を、DeviceID及び搬送IDを指定して参照する(ステップS31−1)。処理回路65は、DeviceID及び搬送IDに対応する画像のデータ、DeviceID及び画像IDを取得する(ステップS32)。以後の処理は、図10に示す処理と同様である。
次に、患者到着後における医用情報管理システム2における処理について説明する。図17は、第2の実施形態に係る患者到着後の処理例を示すシーケンス図である。まず、処理回路15は、患者が病院に到着すると(ステップS51)、到着時刻の通知を受けることなく、画像サーバ80にアクセスし、新たに到着時刻が登録された画像データを、到着時刻とともにダウンロードする(ステップS73)。以後の処理は、図11に示す処理と同様である。
上述したように、第2の実施形態によれば、前記到着前医用情報は、前記患者を撮影した画像を含む。第2の実施形態によれば、第1取得機能651は、前記到着前医用情報に関連付けられる情報として、病院への患者搬送手続きを識別する情報である搬送識別情報と、前記患者の画像を撮影したデバイスを識別するデバイス識別情報とをさらに取得する。第2の実施形態に係る登録機能654は、前記搬送識別情報及び前記デバイス識別情報により特定される前記到着前医用情報を、前記患者識別情報と関連付ける。従って、第2の実施形態に係る医用情報管理システム2においても、病院に搬送中の患者に関するデータを、搬送先の病院において容易に関連付けることができる。
なお、第2の実施形態によれば、搬送中の患者は、搬送IDとDeviceIDとの組み合わせを用いて特定される。これにより、搬送デバイス70aが発行した搬送IDが、既に他の異なる搬送デバイス70bにより発行された搬送IDと重複する場合であっても、搬送中の患者を一意に識別することができる。従って、第2の実施形態によれば、複数の搬送デバイス70間での搬送IDの付与を一括して制御することなく、各搬送デバイス70に固有の搬送IDを付与させることができる。
また、第2の実施形態において、記憶装置(画像サーバ80)は、前記オーダ外機器(搬送デバイス70)により発行され、当該オーダ外機器を使用した患者を一意に識別する発行識別情報(搬送ID)と、前記オーダ外機器に基づく医用情報と、を対応付けて記憶してもよい。前記医用情報管理装置の処理回路15は、前記発行識別情報を取得し、当該発行識別情報に対応づけられた前記医用情報を、前記病院を利用する患者の医用情報として取得してもよい。
(第3の実施形態)
上述した第2の実施形態では、搬送デバイス70aのDeviceIDと、患者搬送手続きを一意に識別する搬送IDとの組み合わせを用いて、搬送された患者を特定する構成について説明したが、医用情報を取得するオーダ外機器は搬送デバイスに限られない。例えば、搬送デバイス70aにより取得された医用情報と、スマートフォンやドローン等の外部のオーダ外機器により取得された医用情報とが関連付けられるような構成であってもよい。第3の実施形態では、後に説明する搬送デバイスCaが患者の画像を取得する前において、外部のオーダ外機器によって取得された到着前医用情報を、さらに到着後医用情報と関連付ける構成について説明する。
まず、第3の実施形態において、図1に示す病院HPaに患者が到着するまでの処理について説明する。図18は、第3の実施形態に係る患者到着前の処理を説明するための図である。以下の実施の形態において、先に説明した図面に示す部位と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下において、外部のオーダ外機器であるスマートフォンAa及びドローンBaを区別せずに表現する場合に、単に「外部デバイス」と表記する場合がある。また、以下において、搬送デバイス及び外部デバイスを区別せずに表現する場合、単に「デバイス」と表記する場合がある。また、外部デバイスのDeviceIDを、搬送デバイス70のDeviceIDと区別して表現する場合に、「外部デバイスID」と表記する場合がある。本実施形態において、スマートフォンAaには外部デバイスID「Phone-X」が付与され、ドローンBaには外部デバイスID「Drone-Y」が付与される。なお、外部デバイスは、他のオーダ外機器の一例である。
図18に示すように、スマートフォンAaは、搬送デバイスCaを搭載した救急車が到着する前に、患者の画像を撮影し、「画像ID」を付与するとともに(A1.撮影)、搬送ID「trans002」を発番する(A2.搬送ID発番)。そして、スマートフォンAaは、撮影した画像を、「画像ID」及び「外部デバイスID」並びに「搬送ID」とともに、画像サーバE0に送信する(A3.転送)。
次に、ドローンBaは、搬送デバイスCaを搭載した救急車が到着する前に患者のもとに到着すると、スマートフォンAaで発行された搬送ID及び外部デバイスIDを取得する(B1.搬送ID引継)。ドローンBaは、患者の画像を撮影し、「画像ID」を付与すると(B2.撮影)、撮影した画像を、「画像ID」、ドローンBaの外部デバイスID及び「スマートフォンAaの外部デバイスID」並びに「搬送ID:trans002」とともに、画像サーバE0に送信する(B3.転送)。
次に、搬送デバイスCaを搭載した救急車が患者のもとに到着すると、搬送デバイスCaは、スマートフォンAaで発行された搬送ID及び外部デバイスIDを取得する(C1.搬送ID引継)。そして、搬送デバイスCaは、患者の画像を撮影し、「画像ID」を付与する(1.撮影)、取得した搬送ID「trans002」を病院HPaに送信する(C2.搬送ID:trans002)。そして、搬送デバイスCaは、撮影した画像を、「画像ID」、「搬送デバイスCaのDeviceID」及び「スマートフォンAaの外部デバイスID」並びに「搬送ID:trans002」とともに、画像サーバE0に送信する(2b.転送)。画像サーバE0は、搬送デバイス70aから送信された画像を、画像ID、DeviceID、外部デバイスID及び搬送IDと対応付けて記憶する。
一方、病院HPaは、救急車による患者の搬送予定を、当該救急車に搭載された搬送デバイスCaのDeviceID、スマートフォンAaの外部デバイスID及び搬送IDとともに通知される。この場合において、病院HPaの管理装置Daは、画像サーバE0に記憶された画像を参照する(3b.画像参照)。その際、管理装置Daは、通知されたDeviceID又は外部デバイスID及び搬送IDに関連付けられた画像を参照する。以後の処理は、図12及び図13と同様である。
次に、図18に示すような処理を実行する医用情報管理システム3の機能について説明する。図19は、第3の実施形態に係る医用情報管理システムのブロック図である。図19に示すように、本実施形態に係る医用情報管理システム3は、スマートフォンAaと、ドローンBaと、管理装置Da及びDbと、搬送デバイスCa及びCbと、画像サーバE0とを備える。また、管理装置Daは、院内ネットワークNWaを介して、RIS40a(不図示)及びPACS50a(不図示)と通信可能に接続されている。同様に、管理装置Dbは、院内ネットワークNWbを介して、RIS40b(不図示)及びPACS50b(不図示)と通信可能に接続されている。なお、図19においては、スマートフォンAa及びドローンBaをそれぞれ1台ずつ備える構成について説明したが、これに限られず、複数のスマートフォンやドローンを備えるような構成であってもよい。
スマートフォンAaは、搬送デバイスCaが搭載される救急車の到着前において、患者の画像を撮影し、画像などを含む到着前医用情報を画像サーバE0に送信する。図19に示すように、スマートフォンAaは、カメラA1と、送信データ生成部A2と、通信I/FA3と、ID出力部A4とを備える。なお、スマートフォンAaは、例えばカメラ機能及び通信機能を有する既存のスマートフォンに、送信データ生成部A2及びID出力部A4に対応する機能を有するアプリケーションをインストールすることにより実現される。
スマートフォンAaのカメラA1は、搬送デバイス20のカメラ21と同様に、患者の画像を取得し、画像のデータを送信データ生成部A2に出力する。
送信データ生成部A2は、搬送デバイス20の送信データ生成部22と同様に、画像のデータに識別情報を付与するとともに、搬送IDを発行して、画像サーバE0に送信するための到着前医用情報を生成する。送信データ生成部A2は、画像のデータに対して画像IDを発番し、スマートフォンAaに付与されたDeviceID、及び搬送IDとともに画像のデータに付与し、通信I/FA3を介して画像サーバE0に送信する。また、送信データ生成部A2は、DeviceID及び搬送IDを含む患者の搬送予定を、通信I/FA3を介して病院HPaに送信する。
通信I/FA3は、ネットワークNWを介して接続された他の装置等との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。通信I/FA3は、例えば、送信データ生成部22から出力された到着前医用情報を、画像サーバE0に送信する。例えば、通信I/FA3は、ネットワークカードやネットワークアダプタ等によって実現される。また、通信I/FA3は、通信の規格として、Wi−FiやBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信の規格を採用してもよい。
ID出力部A4は、外部デバイスID及び発行された搬送IDを、ドローンBaや搬送デバイスCa等に出力する。ID出力部A4は、例えばQRコード(登録商標)など、外部デバイスID及び搬送IDに関する情報を含む二次元コードをディスプレイ(不図示)に表示させてもよく、外部デバイスID及び搬送IDに関する情報を通信I/FA3を通じて出力してもよい。
次に、ドローンBaは、搬送デバイスCaが搭載される救急車の到着前に現場に到着し、患者の画像を撮影し、画像などを含む到着前医用情報を画像サーバE0に送信する。図19に示すように、ドローンBaは、カメラB1と、送信データ生成部B2と、通信I/FB3と、ID取得部B4と、ID出力部B5とを備える。なお、ドローンBaは、例えばカメラ機能及び通信機能を有する既存のドローンに、送信データ生成部B2、ID取得部B4及びID出力部B5に対応する機能を有するアプリケーションをインストールすることにより実現される。
ドローンBaのカメラB1は、スマートフォンAaのカメラA1と同様に、患者の画像を取得し、画像のデータを送信データ生成部B2に出力する。
送信データ生成部B2は、スマートフォンAaの送信データ生成部A2と同様に、画像のデータに識別情報を付与するとともに、搬送IDを発行して、画像サーバE0に送信するための到着前医用情報を生成する。送信データ生成部B2は、画像のデータに対して画像IDを発番し、ドローンBaのDeviceID、及び搬送IDとともに画像のデータに付与し、通信I/FB3を介して画像サーバE0に送信する。また、送信データ生成部B2は、DeviceID及び搬送IDを含む患者の搬送予定を、通信I/FB3を介して病院HPaに送信する。
なお、ID取得部B4が、例えばスマートフォンAaから外部デバイスID及び搬送IDを取得した場合、送信データ生成部B2は、スマートフォンAaの外部デバイスID及び取得した搬送IDを、画像ID、ドローンBaのDeviceIDとともに画像のデータに付与し、通信I/FB3を介して画像サーバE0に送信する。また、送信データ生成部B2は、DeviceID、スマートフォンAaの外部デバイスID、及びスマートフォンAaから取得した搬送IDを含む患者の搬送予定を、通信I/FB3を介して病院HPaに送信する。
通信I/FB3は、ネットワークNWを介して接続された他の装置等との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。通信I/FB3は、例えば、送信データ生成部22から出力された到着前医用情報を、画像サーバE0に送信する。例えば、通信I/FB3は、ネットワークカードやネットワークアダプタ等によって実現される。また、通信I/FB3は、通信の規格として、Wi−FiやBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信の規格を採用してもよい。
ID取得部B4は、スマートフォンAa等のその他の外部デバイスから、外部デバイスID及び搬送IDを取得する。ID取得部B4は、例えばスマートフォンAaのディスプレイに表示された二次元コードを撮影し、又はスマートフォンAaから送信された情報を通信I/FB3を通じて受信することにより、外部デバイスID及び搬送IDを取得する。
ID出力部B5は、スマートフォンAaのID出力部A4と同様に、DeviceID及び発行された搬送IDを、搬送デバイスCa等に出力する。なお、例えばID取得部B4がスマートフォンAaから外部デバイスID及び搬送IDを取得した場合、ID出力部B5は、スマートフォンAaの外部デバイスID及び取得した搬送IDに関する情報を出力してもよい。
次に、搬送デバイスCaは、図19に示すように、カメラ21と、送信データ生成部C2と、通信I/F23と、ID取得部C4とを有する。なお、搬送デバイスCa及びCbは、それぞれ同様の構成を有するため、以下においては搬送デバイスCa及びCbを区別せずに搬送デバイスCとして説明する場合がある。
送信データ生成部C2は、送信データ生成部22と同様に、画像のデータに識別情報を付与して、画像サーバE0に送信するための到着前医用情報を生成する。なお、例えばID取得部C4がスマートフォンAa又はドローンBaから外部デバイスID及び搬送IDを取得した場合、送信データ生成部C2は、外部デバイスID及び取得した搬送IDを画像のデータに付与して、通信I/F23を介して画像サーバE0に送信してもよい。また、送信データ生成部C2は、外部デバイスID及び取得した搬送IDを含む患者の搬送予定を、通信I/F23を介して病院HPaに送信してもよい。
ID取得部C4は、スマートフォンAa、ドローンBa等の外部デバイスから、外部デバイスID及び搬送IDを取得する。ID取得部C4は、例えば外部デバイスのディスプレイに表示された二次元コードを撮影し、又は外部デバイスから送信された情報を通信I/FB3を通じて受信することにより、外部デバイスID及び搬送IDを取得する。
管理装置Daは、通信I/F11と、入力I/F12と、ディスプレイ13と、記憶回路D4と、処理回路D5とを備える。なお、病院HPbの院内ネットワークNWbに接続される管理装置Dbも、管理装置Daと同様の構成を有するため、以下においては管理装置Da及びDbを区別せずに管理装置Dとして説明する場合がある。
記憶回路D4は、処理回路D5に接続され、各種データを記憶する。本実施形態では、記憶回路D4は、例えば、患者テーブルD41を記憶する。患者テーブルD41は、患者テーブル641と同様に、「画像ID」と、「DeviceID」と、「緊急ID」と、「搬送ID」と、「画像ID(変換後)」とを対応付けた情報である。なお、患者テーブルD41は、例えば外部デバイスにより取得された到着前医用情報に関連付けられるDeviceIDとして、搬送デバイスCaのDeviceIDの代わりに、外部デバイスIDを記憶する場合がある。
処理回路D5は、第1取得機能D51と、第2取得機能152と、変換機能153と、登録機能D54とを実行することで、管理装置D全体の動作を制御する。
処理回路D5における第1取得機能D51は、画像サーバE0から到着前医用情報を取得する。例えば、第1取得機能D51は、通知されたDeviceID、外部デバイスID及び搬送IDの入力等を開始のトリガとして、ネットワークNWを介して画像サーバE0にアクセスする。第1取得機能D51は、画像サーバE0に記憶された、DeviceID又は外部デバイスID及び搬送IDに関連付けられた画像を参照する。また、第1取得機能D51は、取得した画像の画像ID及び搬送IDを、登録機能D54に出力する。
また、第1取得機能D51は、患者の到着通知の入力等を開始のトリガとして、画像サーバE0から画像データをダウンロードする。第1取得機能D51は、患者テーブルD41に登録済みの画像ID及びDeviceID又は外部デバイスID並びに搬送IDに対応する画像のデータを含む到着前医用情報をダウンロードし、変換機能153に出力する。
登録機能D54は、搬送される患者の到着前医用情報を、緊急IDと対応付ける。登録機能D54は、第1取得機能D51から画像ID及び搬送IDの出力を受けると、DeviceID又は外部デバイスID及び搬送IDが一致する到着前医用情報の画像IDを、第2取得機能152から出力される緊急IDと関連付けて、患者テーブルD41に格納する。
画像サーバE0は、図4に示すように、通信I/F31と、入力I/F32と、ディスプレイ33と、記憶回路E4と、処理回路E5とを有する。
記憶回路E4は、処理回路E5に接続され、各種データを記憶する。記憶回路E4は、例えば、画像テーブルE41を記憶する。
画像テーブルE41は、搬送デバイス70から取得した到着前医用情報に関する情報を記憶する。本実施形態において、画像テーブルE41は、例えば後に説明する取得機能E51及び登録機能E52により設定される。
図20は、第3の実施形態に係る画像テーブルの一例を示す図である。画像テーブルE41は、図20に示すように、例えば、「画像ID」と、「DeviceID」と、「搬送ID」とに加えて、列E414に示す「搬送IDの引継元」をさらに対応付けて記憶する。「搬送IDの引継元」E414は、「DeviceID」に示す搬送デバイス又は外部デバイスが、自ら搬送IDを発行する代わりに他の外部デバイスから搬送IDを引き継いだ場合における、搬送IDの発行元である外部デバイスの外部デバイスIDを示す。
図20に示す画像テーブルE41において、画像ID「Pic0002」、「Pic0003」及び「Pic0004」に対応する3つのレコードE413に登録されたDeviceIDは「Camera-A」ではなく、「Phone-X」又は「Drone-Y」である。すなわち、3つのレコードE413は、対応する到着前医用情報が、搬送デバイスCaではなく外部デバイスであるスマートフォンAa又はドローンBaにより取得されたものであることを示す。
図20に示す画像テーブルE41において、例えば、画像ID「Pic0004」のレコードは、DeviceIDが「Drone-Y」であるドローンBaにより取得された画像に関するレコードであり、かつ搬送IDはDeviceIDが「Phone-X」であるスマートフォンAaにより発行されたものであることを記憶する。同様に、例えば、画像ID「Pic0005」のレコードは、DeviceIDが「Camera-A」である搬送デバイスCaにより取得された画像に関するレコードであり、かつ搬送IDはDeviceIDが「Phone-X」であるスマートフォンAaにより発行されたものであることを記憶する。
図4に戻って、処理回路E5は、取得機能E51と、登録機能E52とを実行することで、画像サーバE0全体の動作を制御する。
処理回路E5における取得機能E51は、搬送デバイス70から到着前医用情報を取得する。例えば、取得機能E51は、ネットワークNWを介してスマートフォンAa、ドローンBa又は搬送デバイスCaから画像のデータを含む到着前医用情報を受信すると、画像のデータを記憶回路E4に記憶するとともに、到着前医用情報に関連付けられた画像ID、DeviceID及び外部デバイスID並びに搬送ID等の情報を登録機能E52に出力する。
登録機能E52は、到着前医用情報に関する情報を、画像テーブルE41に登録する。登録機能E52は、例えば取得機能E51から出力された画像ID及びDeviceID、外部デバイスID並びに搬送IDを、画像テーブルE41に登録する。登録機能E52は、取得機能E51から、DeviceIDの他に外部デバイスIDをさらに出力された場合、外部デバイスIDを「搬送IDの引継元」として、画像テーブルE41に格納する。
次に、第3の実施形態に係る医用情報管理システム3による処理の手順について、図21及び図22を用いて説明する。図21は、第3の実施形態に係る患者到着前の処理例を示すシーケンス図である。例えば、図21に示すように、本実施形態に係る医用情報管理システム3では、まず、スマートフォンAaが、搬送デバイスCaの到着よりも前に、患者の画像を撮影するとともに(ステップSA1)、搬送IDを発番する(ステップSA2)。スマートフォンAaは、撮影した画像データに、画像ID及びDeviceID並びに搬送IDを関連付けて、画像サーバE0に送信する(ステップSA3)。
次に、ドローンBaが、搬送デバイスCaの到着よりも前に患者のもとに到着すると、スマートフォンAaから外部デバイスID及び搬送IDを取得し、搬送IDを引き継ぐ(ステップSB1)。そして、ドローンBaは、患者の画像を撮影し(ステップSB2)、撮影した画像データに、画像ID及びDeviceID並びにスマートフォンAaから取得した外部デバイスID及び搬送IDを関連付けて、画像サーバE0に送信する(ステップSB3)。
次に、搬送デバイスCaが患者のもとに到着すると、スマートフォンAaから外部デバイスID及び搬送IDを取得し、搬送IDを引き継ぐ(ステップSC1)。そして、搬送デバイスCaは、患者の画像を撮影し(ステップS11)、撮影した画像データに、画像ID及びDeviceID並びにスマートフォンAaから取得した搬送ID及び外部デバイスIDを関連付けて、画像サーバE0に送信する(ステップS21−1)。以下の処理は、図16及び図17に示す処理と同様である。
次に、図17に示すステップS73において、管理装置Daが画像サーバE0から画像データを取得する処理について説明する。図22は、第3の実施形態に係る画像データ取得処理の一例を示すフローチャートである。ここで、図22におけるステップS100乃至S130は、例えば、管理装置Daの処理回路D5が登録機能D54に対応するプログラムを記憶回路D4から読み出して実行することにより実現される。
まず、処理回路D5は、画像データの取得指示を受け付けるまで待機する(ステップS100:No)。処理回路D5は、画像データの取得指示を受け付けると(ステップS100:Yes)、画像サーバE0にアクセスし、画像テーブルE41から、搬送IDが一致するレコードを読み出す(ステップS101)。
次に、処理回路D5は、読み出したレコードに引継元IDが登録されているか否かを判定する(ステップS110)。処理回路D5は、読み出したレコードに引継元IDが登録されていないと判定した場合(ステップS110:No)、読み出したレコードに登録されたDeviceIDが、取得済みのDeviceIDと一致するか否かを判定する(ステップS111)。処理回路D5は、読み出したレコードに登録されたDeviceIDが、取得済みのDeviceIDと一致すると判定した場合(ステップS111:Yes)、当該レコードに対応する画像データをダウンロードして取得する(ステップS121)。その後、ステップS130に移行する。一方、処理回路D5は、読み出したレコードに登録されたDeviceIDが、取得済みのDeviceIDと一致しないと判定した場合(ステップS111:No)、ステップS130に移行する。
ステップS110に戻って、処理回路D5は、読み出したレコードに引継元IDが登録されていると判定した場合(ステップS110:Yes)、引継元IDが、取得済みの外部デバイスIDと一致するか否かを判定する(ステップS112)。
処理回路D5は、取得済みの外部デバイスIDと一致すると判定した場合(ステップS112:Yes)、当該レコードに対応する画像データをダウンロードする(ステップS121)。その後、ステップS130に移行する。一方、処理回路D5は、取得済みの外部デバイスIDと一致しないと判定した場合(ステップS112:No)、ステップS130に移行する。
そして、処理回路D5は、読み出したレコードが画像テーブルE41の最後のレコードであるか否かを判定する(ステップS130)。処理回路D5は、読み出したレコードが画像テーブルE41の最後のレコードではないと判定した場合(ステップS130:No)、ステップS101に戻って次のレコードを読み出す。一方、処理回路D5は、読み出したレコードが画像テーブルE41の最後のレコードであると判定した場合(ステップS130:Yes)、処理を終了する。
上述したように、第3の実施形態によれば、前記到着前医用情報は、患者を病院に搬送する移動体に関連付けられた搬送デバイス以外のデバイスである外部デバイスにより撮影された前記患者の画像をさらに含む。第3の実施形態によれば、第1取得機能D51は、前記到着前医用情報に関連付けられる情報として、前記外部デバイスのデバイス識別情報と、当該外部デバイスに関連付けられた搬送識別情報とをさらに取得する。第3の実施形態に係る登録機能D54は、前記外部デバイスのデバイス識別情報及び前記外部デバイスに関連付けられた搬送識別情報により特定される前記到着前医用情報を、前記移動体に関連付けられたデバイスのデバイス識別情報及び前記患者識別情報と関連付ける。従って、第3の実施形態に係る医用情報管理システム3においては、救急車が到着する前に取得された患者に関するデータも、搬送先の病院において容易に関連付けることができる。
また、第3の実施形態において、前記オーダ外機器(搬送デバイスC)は、他のオーダ外機器(外部デバイス)により発行された前記発行識別情報を引き継いでもよい。記憶装置(画像サーバE0)は、複数のオーダ外機器の間で共通の患者を一意に識別する発行識別情報(搬送ID)と、前記オーダ外機器に基づく医用情報と、を対応付けて記憶してもよい。前記医用情報管理装置の処理回路15は、前記発行識別情報を取得し、当該発行識別情報に対応づけられた前記医用情報を、前記病院を利用する患者の医用情報として取得してもよい。
なお、第3の実施形態によれば、搬送中の患者は、搬送IDとDeviceIDとの組み合わせ、又は搬送IDと外部デバイスIDとの組み合わせを用いて特定される。第3の実施形態によれば、外部デバイスにより到着前医用情報に付与された搬送ID及び外部デバイスIDは、搬送デバイスCaに引き継がれて、搬送デバイスCaにより取得された到着前医用情報にも付与される。すなわち、外部デバイスにより到着前医用情報に付与された搬送IDが、既に搬送デバイスCaにより発行された搬送IDと同一である場合であっても、搬送中の患者を一意に識別することができる。
なお、第3の実施形態において、搬送中の患者を一意に識別する構成はこれに限られない。例えば、画像サーバE0は、搬送デバイスCaが外部デバイスから引き継いだ搬送IDを、搬送デバイスCaが新たに発行した搬送IDに置き換えてもよい。また、外部デバイスが、搬送デバイスCaが発行する搬送IDとは重複しない搬送IDを発行し、搬送デバイスCaが搬送IDをそのまま流用してもよい。また、外部デバイスは、新たに搬送IDを発行する代わりに、外部デバイスIDを搬送IDとして用いてもよい。
また、外部デバイスが発行する搬送IDが、他の外部デバイスや搬送デバイスにおいても固有の搬送IDであってもよい。この場合、DeviceIDを特定することなく、搬送中の患者を一意に識別することができるので、搬送デバイスCaがスマートフォンAaやドローンBaから外部デバイスIDを取得しなくとも、管理装置Daにおいて到着前医用情報を特定できる。
(第4の実施形態)
ところで、医用情報に含まれる情報は画像に限らず、心電図やバイタルサイン等のその他の情報であってもよい。同様に、医用情報を収集する搬送デバイス及び外部デバイス等のオーダ外機器も、画像を撮影するカメラ等に限らず、心電図や脈拍等を計測するものなど、その他の情報を取得するものであってもよい。さらに、搬送デバイスと移動体とが一対一で対応する構成について説明したが、これに限られず、救急車や救急ヘリ等の1つの移動体に搭載された複数の搬送デバイスが、それぞれ移動体と対応付けられるような構成であってもよい。また、医用情報に対応する患者を識別する情報を引き継ぐ構成も、第3の実施形態における搬送IDやDeviceIDを用いるものに限られない。第4の実施形態では、画像以外の情報を含む医用情報を、第3の実施形態における搬送IDやDeviceIDに依拠することなく対応付けることにより、同一の又は異なるオーダ外機器により収集された同一患者に関する複数の医用情報を同定する構成について説明する。
まず、第4の実施形態において、図1に示す病院HPaに患者が到着するまでの処理について説明する。図23は、第4の実施形態に係る患者到着前の処理を説明するための図である。図23において、図示しない患者は、地点(1)から、地点(3)に示す病院HPaに搬送される。患者の医用情報は、救急車V1が地点(1)に到着するまでの間は、例えば外部デバイスであるDevice-A及びDevice-Bにより取得される。Device-Aは、例えばスマートフォンであり、Device-Bは、例えばドローンである。
その後、12時03分に救急車V1が地点(1)に到着すると、患者は、例えば、地点(1)から地点(2)まで、救急車V1により搬送される。その際、患者の医用情報は、例えば救急車V1に搭載された搬送デバイスであるDevice-C及びDevice-Dにより取得される。Device-Cは、例えば心拍計であり、Device-Dは、例えばカメラである。
そして、12時30分に救急車V1が地点(1)から地点(2)に到着すると、患者は救急ヘリV2に乗せ換えられてさらに病院HPaに搬送される。その際、患者の医用情報は、例えば救急ヘリV2に搭載された搬送デバイスであるDevice-E及びDevice-Fにより取得される。Device-Eは、例えば心拍計であり、Device-Fは、例えばカメラである。その後、患者は、12時50分に地点(3)に示す病院HPaに到着する。
図23に示すように、複数の異なるデバイスで医用情報が取得される場合において、各医用情報が取得された時刻及び場所が相互に近似する場合は、当該異なるデバイスで取得された各医用情報は、同一の患者に対応するものであると推定できる。また、あるデバイスにおいて、医用情報を送信するためのアプリケーション(アプリ)を起動するタイミングが、他のデバイスにおけるアプリの終了のタイミングと近接する場合も、同様に当該異なるデバイスで取得された各医用情報は、同一の患者に対応するものであると推定できる。さらに、異なるデバイスで取得された医用情報に含まれる、患者の指紋や虹彩等の生体情報や、各患者に付与された識別情報等が合致する場合、当該異なるデバイスで取得された各医用情報は、同一の患者に対応するものであることを特定できる。
図23に示す患者到着前の処理において収集される医用情報について、図24を用いて説明する。図24は、第4の実施形態に係る医用情報データの一例を示す図である。なお、図24に示す医用情報データは、例えば、後に説明する医用情報テーブルI41に格納される。
図24において、「データID」は、取得された医用情報に付与される、医用情報を一意に識別する識別子を示す。「DeviceID」は、当該医用情報を取得した搬送デバイス又は外部デバイスを一意に識別する識別子を示す。「収集時刻」及び「収集場所」は、当該医用情報が取得された時刻、及び医用情報が収集した地点を示す位置情報をそれぞれ示す。「患者Gr」は、当該医用情報に対して仮に割り当てられた、患者を識別する識別子を示す。なお、収集時刻は、例えば日付を含んでもよく、収集場所は、住所や経度緯度等の別の形式で登録されてもよい。また、医用情報を収集した時点での位置情報が取得できない場合などは、「収集場所」の項目は空欄となる。なお、患者Grは、発行識別情報の一例である。
図24に示す例においては、DeviceIDが「Device-A」であるデバイスは、「地点(1)」において、「12時00分」及び「12時01分」に、それぞれ患者の医用情報を取得している。また、取得された当該2つの医用情報には、患者Gr「Patient001」が割当てられている。同様に、DeviceIDが「Device-B」であるデバイスは、「地点(1)」において、「12時01分」及び「12時02分」に、それぞれ患者の医用情報を取得している。また、取得された当該2つの医用情報には、患者Gr「Patient002」が割当てられている。また、DeviceIDが「Device-C」であるデバイスは、「地点(1)」において「12時05分」に患者の医用情報を取得している。取得された当該医用情報には、患者Gr「Patient003」が割当てられている。また、DeviceIDが「Device-D」であるデバイスは、不明な場所において「12時15分」に患者の医用情報を取得し、「地点(2)」において「12時30分」に患者の医用情報を取得している。また、取得された当該2つの医用情報には、患者Gr「Patient003」が割当てられている。さらに、DeviceIDが「Device-E」であるデバイスは、不明な場所において「12時40分」及び「12時42分」に患者の医用情報を取得している。取得された当該2つの医用情報には、患者Gr「Patient004」が割当てられている。同様に、DeviceIDが「Device-F」であるデバイスは、不明な場所において「12時40分」に患者の医用情報を取得し、「地点(3)」において「12時50分」に患者の医用情報を取得している。また、取得された当該2つの医用情報には、患者Gr「Patient004」が割当てられている。
上で述べたように、本実施形態において、同一の移動体である救急車V1に搭載された「Device-C」により取得された医用情報、及び「Device-D」により取得された医用情報は、それぞれ同一の患者Grに割り当てられている。同様に、同一の移動体である救急ヘリV2に搭載された「Device-E」により取得された医用情報、及び「Device-F」により取得された医用情報は、それぞれ同一の患者Grに割り当てられている。すなわち、本実施形態において、同一の移動体に対応付けられたデバイスにより近似する時点において取得された医用情報は、それぞれ同一の患者Grに割り当てられる。これは、同一の移動体により近似する時点において取得された医用情報は、同一の患者から取得されたものであると推定できるためである。
次に、図24に示す医用情報を処理する医用情報管理システムの構成について、図25を用いて説明する。図25は、第4の実施形態に係る医用情報管理システムのブロック図である。以下の実施の形態において、先に説明した図面に示す部位と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図25に示すように、本実施形態に係る医用情報管理システム4は、6台のデバイスDevice-A乃至Device-Fと、2台の管理装置Ga及びGbと、医用情報サーバIaとを備える。また、管理装置Gaは、院内ネットワークNWaを介して、RIS40a(不図示)及びPACS50a(不図示)と通信可能に接続されている。同様に、管理装置Gbは、院内ネットワークNWbを介して、RIS40b(不図示)及びPACS50b(不図示)と通信可能に接続されている。なお、図25においては、デバイスを6台備える構成について説明したが、デバイスの数はこれに限られない。
図25において、病院HPaの院内ネットワークNWaに接続される管理装置Gaは、通信I/F11と、入力I/F12と、ディスプレイ13と、記憶回路G4と、処理回路G5とを備える。記憶回路G4は、処理回路G5に接続され、各種データを記憶する。本実施形態では、記憶回路G4は、例えば、患者テーブルG41を記憶する。
患者テーブルG41は、医用情報サーバIaから取得した医用情報と、RIS40から取得した緊急IDとを対応付ける情報を記憶する。本実施形態において、患者テーブルG41に記憶される情報は、例えば後に説明する第1取得機能G51、第2取得機能152、変換機能G53及び登録機能G54により格納され、又は更新される。
図26は、第4の実施形態に係る患者テーブルの一例を示す図である。例えば、患者テーブルG41は、図26に示すように、「データID」と、「DeviceID」と、「緊急ID」と、「患者Gr」と、「データID(変換後)」とを対応付けた情報である。ここで、図26における「データID」及び「DeviceID」は、当該医用情報、及び当該医用情報を取得したデバイスを、それぞれ一意に識別する識別子を示す。「緊急ID」は、RIS40から取得した緊急IDを示す。「患者Gr」は、当該医用情報に対して仮に割り当てられた、患者を識別する識別子を示す。「データID(変換後)」は、DICOM形式に変換された当該医用情報を一意に識別する識別子を示す。例えば、図26に示すレコードは、DeviceIDが「Device-A」であるデバイスにより取得された、患者Grが「Patient001」であるデータID「Data0001」の医用情報には、緊急ID「EM022」が付与されたことを示す。また、当該医用情報は、DICOM形式のデータに変換され、変換後のデータIDとして「Dic02001」が付与されたことを示す。
図25に戻って、処理回路G5は、第1取得機能G51と、第2取得機能152と、変換機能G53と、登録機能G54とを実行することで、管理装置Ga全体の動作を制御する。
処理回路G5における第1取得機能G51は、医用情報サーバIaから医用情報を取得する。例えば、第1取得機能G51は、通知されたDeviceIDの入力等を開始のトリガとして、ネットワークNWを介して医用情報サーバIaにアクセスする。第1取得機能G51は、医用情報サーバIaに記憶された、DeviceIDに関連付けられた医用情報を参照する。また、第1取得機能G51は、患者の到着通知の入力等を開始のトリガとして、医用情報サーバI0から医用情報データをダウンロードする。第1取得機能G51は、患者テーブルG41に登録済みの医用情報ID及びDeviceIDに対応する医用情報のデータを含む医用情報をダウンロードし、変換機能G53に出力する。
変換機能G53は、医用情報データをDICOM形式のデータに変換する。変換機能G53は、第1取得機能G51から医用情報の出力を受けると、関連付けられたデータID、DeviceID及び緊急IDとともに、医用情報をDICOM形式のデータに変換する。変換機能G53は、変換後の医用情報をPACS50aに送信する。
登録機能G54は、搬送される患者の医用情報を、緊急IDと対応付ける。登録機能G54は、第1取得機能G51から医用情報ID及び患者Grの出力を受けると、データID、DeviceID及び患者Grを、第2取得機能152から出力される緊急IDと関連付けて、患者テーブルG41に格納する。
次に、Device-A9aは、図25に示すように、カメラA1と、送信データ生成部9a2と、通信I/FA3と、GPS(Grobal Positioning System)9a4とを備える。なお、Device-A9aは、例えばカメラ機能、通信機能及びGPS機能を有する既存のスマートフォンに、送信データ生成部9a2に対応する機能を有するアプリケーション(アプリ)をインストールすることにより実現される。
送信データ生成部9a2は、カメラA1により取得された画像のデータに、識別情報としてデータIDと、患者Grとを付与する。また、送信データ生成部9a2は、GPS9a4から位置情報を取得して、画像のデータに付与する。そして、送信データ生成部9a2は、画像のデータにDeviceIDを付与して、医用情報サーバIaに送信するための医用情報を生成し、通信I/FA3を介して医用情報サーバIaに送信する。
また、送信データ生成部9a2は、Device-A9aにインストールされたアプリの起動又は終了を検出した場合、アプリが起動又は終了した時刻と、その時点での位置情報とを、通信I/FA3を介して医用情報サーバIaに送信する。
GPS9a4は、Device-A9aの位置情報を検出し、送信データ生成部9a2に出力する。
次に、Device-B9bは、図25に示すように、カメラB1と、送信データ生成部9b2と、通信I/FB3と、GPS9b4とを備える。なお、Device-B9bは、例えばカメラ機能、通信機能及びGPS機能を有する既存のドローンに、送信データ生成部9b2に対応する機能を有するアプリケーション(アプリ)をインストールすることにより実現される。
送信データ生成部9b2は、Device-A9aの送信データ生成部9a2と同様に、カメラB1により取得された画像のデータに識別情報としてデータIDと、患者Grとを付与する。また、送信データ生成部9b2は、GPS9b4から位置情報を取得して、画像のデータに付与する。そして、送信データ生成部9b2は、画像のデータにDeviceIDを付与して、医用情報サーバIaに送信するための医用情報を生成し、通信I/FB3を介して医用情報サーバIaに送信する。
また、送信データ生成部9b2は、Device-B9bにインストールされたアプリの起動又は終了を検出した場合、アプリが起動又は終了した時刻と、その時点での位置情報とを、通信I/FB3を介して医用情報サーバIaに送信する。
GPS9b4は、Device-Bの位置情報を検出し、送信データ生成部9b2に出力する。
次に、Device-C9cは、図25に示すように、心拍センサ9c1と、送信データ生成部9c2と、通信I/F9c3とを有する。Device-C9cは、例えば、救急車V1に搭載される心拍センサである。なお、Device-C及びDevice-Eは、搭載される移動体が異なるだけで、それぞれ同様の構成を有するため、以下においてはDevice-Cの構成について説明し、Deviec-Eの構成については詳細な説明を省略する。
心拍センサ9c1は、例えば、公知の心拍センサであり、患者の心拍を検出して、送信データ生成部9c2に出力する。
送信データ生成部9c2は、心拍センサ9c1から取得した心拍のデータに、識別情報としてデータIDと、患者Grとを付与する。また、送信データ生成部9c2は、救急車V1に搭載されたGPSから位置情報を取得して、心拍のデータに付与する。そして、送信データ生成部9c2は、心拍のデータにDeviceIDを付与して、医用情報サーバIaに送信するための医用情報を生成し、通信I/F9c3を介して医用情報サーバIaに送信する。
通信I/F9c3は、ネットワークNWを介して接続された他の装置等との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。通信I/F9c3は、例えば、送信データ生成部9c2から出力された医用情報を、医用情報サーバIaに送信する。例えば、通信I/F9c3は、ネットワークカードやネットワークアダプタ等によって実現される。
次に、Device-D9dは、図25に示すように、カメラ21と、送信データ生成部9d2と、通信I/F23とを有する。なお、Device-D9d及びDevice-F9fは、搭載される移動体が異なるだけで、それぞれ同様の構成を有するため、以下においてはDevice-Dの構成について説明し、Deviec-Fの構成については詳細な説明を省略する。
送信データ生成部9d2は、カメラ21により取得された画像のデータに、識別情報としてデータIDと、患者Grとを付与する。また、送信データ生成部9d2は、救急車V1に搭載されたGPSから位置情報を取得して、画像のデータに付与する。そして、送信データ生成部9d2は、画像のデータにDeviceIDを付与して、医用情報サーバIaに送信するための医用情報を生成し、通信I/F23を介して医用情報サーバIaに送信する。
医用情報サーバIaは、図25に示すように、通信I/F31と、入力I/F32と、ディスプレイ33と、記憶回路I4と、処理回路I5とを有する。なお、医用情報サーバIaは、記憶装置の一例である。
記憶回路I4は、処理回路I5に接続され、各種データを記憶する。記憶回路I4は、例えば、医用情報テーブルI41と、アプリログI42と、デバイステーブルI43とを記憶する。
医用情報テーブルI41は、Device-A乃至Device-Fから取得した医用情報に関する情報を記憶する。医用情報テーブルI41は、例えば、図24に示すような情報を記憶する。本実施形態において、医用情報テーブルI41は、例えば後に説明する取得機能I51及び登録機能I52により設定され、又は更新される。
アプリログI42は、Device-A乃至Device-Fの各デバイスに搭載される、医用情報を医用情報サーバIaに送信するためのアプリの起動状況に関する情報を記憶する。図27は、第4の実施形態に係るアプリログの一例を示す図である。アプリログI42は、図27に示すように、例えば、「DeviceID」と、「時刻」と、「アクション」と、「地点」とを対応付けて記憶する。アプリログI42は、例えば登録機能I52により設定される。なお、図24に示す医用情報データの収集時刻及び収集場所と同様に、図27のアプリログI42に示す時刻は、例えば日付を含んでもよく、場所は、住所や経度緯度等の別の形式で登録されてもよい。また、アクションが発生した時点での位置情報が取得できない場合などは、「場所」の項目を空欄としてもよい。
例えば、図27に示す1段目のレコードは、DeviceIDが「Device-A」のデバイスのアプリは、「11時59分」に「地点(1)」にて「起動」したことを示す。同様に、図27に示す2段目のレコードは、DeviceIDが「Device-B」のデバイスのアプリは、「12時00分」に「地点(1)」にて「起動」したことを示す。同様に、図27に示す3段目のレコードは、DeviceIDが「Device-A」のデバイスのアプリは、「12時02分」に「地点(1)」にて「終了」し、図27に示す4段目のレコードは、DeviceIDが「Device-B」のデバイスのアプリは、「12時05分」に「地点(1)」にて「終了」したことを示す。
デバイステーブルI43は、各デバイスと、当該デバイスが搭載される移動体との対応関係を記憶する。図28は、第4の実施形態に係るデバイステーブルの一例を示す図である。デバイステーブルI43は、図28に示すように、例えば、「DeviceID」と、「移動体ID」とを対応付けて記憶する。デバイステーブルI43は、例えば医用情報サーバIaの管理者(不図示)により設定される。
図28において、「移動体ID」は、救急車や救急ヘリ等の移動体を一意に識別する識別子である。図28に示すデバイステーブルI43において、移動体に搭載されているデバイスには、DeviceIDに対応付けられて移動体IDが記憶され、その他のデバイスには、移動体IDが登録されない。例えば、図28に示すデバイステーブルI43において、DeviceID「Device-A」及び「Device-B」には、移動体IDが対応付けられていない。すなわち、図28に示すデバイステーブルI43は、DeviceIDが「Device-A」であるデバイス及び「Device-B」であるデバイスは、移動体に搭載されていないことを示す。また、図28に示すデバイステーブルI43は、DeviceIDが「Device-C」であるデバイス及び「Device-D」であるデバイスは、救急車V1に搭載されることを示す。同様に、図28に示すデバイステーブルI43は、DeviceIDが「Device-E」であるデバイス及び「Device-F」であるデバイスは、救急ヘリV2に搭載されることを示す。図28に示すように、本実施形態においては、一つの移動体IDに対し、複数のDeviceIDが対応付けられる場合がある。
図25に戻って、処理回路I5は、取得機能I51と、登録機能I52とを実行することで、医用情報サーバIa全体の動作を制御する。なお、登録機能I52は、更新部の一例である。
処理回路I5における取得機能I51は、Device-A乃至Device-Fの各デバイスから医用情報を取得する。例えば、取得機能I51は、ネットワークNWを介してDevice-A、Device-B、Device-D又はDevice-Fの各デバイスから、画像のデータを含む医用情報を受信すると、画像のデータを記憶回路I4に記憶するとともに、医用情報に関連付けられたデータID、DeviceID、収集時刻、収集場所及び患者Gr等の情報を登録機能I52に出力する。同様に、取得機能I51は、ネットワークNWを介してDevice-C又はDevice-Eの各デバイスから、心拍に関するデータを含む医用情報を受信すると、心拍に関するデータを記憶回路I4に記憶するとともに、医用情報に関連付けられたデータID、DeviceID、収集時刻、収集場所及び患者Gr等の情報を登録機能I52に出力する。
登録機能I52は、医用情報に関する情報を、医用情報テーブルI41に登録するとともに、医用情報テーブルI41に登録された患者Grを更新する。登録機能I52は、例えば取得機能I51から出力されたデータID、DeviceID、収集時刻、収集場所及び患者Grを、医用情報テーブルI41に登録する。
また、登録機能I52は、医用情報テーブルI41に登録された情報にもとづいて、各医用情報に対応付けられた患者Grを更新する。例えば、登録機能I52は、医用情報テーブルI41に登録された、異なるデバイスにより収集された医用情報を抽出し、当該医用情報の収集時刻及び収集場所が一致又は近似するか否かを判定する。登録機能I52は、例えば、2つの医用情報の収集時刻の差が「5分以内」であるか否か、及び収集場所の差が「50m以内」であるか否かを判定する。登録機能I52は、医用情報の収集時刻及び収集場所が、他の医用情報の収集時刻及び収集場所と一致又は近似すると判定した場合、2つの医用情報のうち、後に収集された医用情報の患者Grを、先に収集された医用情報の患者Grに更新する。
登録機能I52による処理について、図29A及び図29Bを用いて説明する。図29A及び図29Bは、第4の実施形態に係る医用情報テーブルの一例を示す図である。図29Aに示すような医用情報において、登録機能I52は、例えばDevice-Aにより収集されたデータID「Data0002」の医用情報と、Device-Bにより収集されたデータID「Data0003」の医用情報との収集時刻及び収集場所を比較する。この場合において、図29Aの符号I411に示されるように、収集時刻は「12時01分」で一致し、収集場所も「地点(1)」で一致するので、データID「Data0002」の医用情報と、データID「Data0003」の医用情報とは、同一の患者に関するものであると推定される。この場合において、登録機能I52は、データID「Data0003」の患者Grを、データID「Data0002」の患者Gr「Patient001」に更新する。
次に、登録機能I52は、図29Aに示すような医用情報において、例えばDevice-Bにより収集されたデータID「Data0004」の医用情報と、Device-Cにより収集されたデータID「Data0005」の医用情報との収集時刻及び収集場所を比較する。この場合において、図29Aの符号I412に示されるように、収集時刻「12時02分」と「12時05分」とは近似しており、収集場所は「地点(1)」で一致するので、データID「Data0004」の医用情報と、データID「Data0005」の医用情報とは、同一の患者に関するものであると推定される。この場合において、登録機能I52は、データID「Data0005」の患者Grを、データID「Data0004」の更新後の患者Gr「Patient001」に更新する。
さらに、登録機能I52は、図28に示すデバイステーブルI43を参照し、図29Aの符号I413に示されるDeviceID「Device-C」のデバイスと、DeviceID「Device-D」のデバイスとが、同一の移動体である救急車V1に搭載されていることを特定する。この場合、Device-Cのデバイスにより収集された医用情報と、Device-Dのデバイスにより収集された医用情報とは、同一の患者に関するものであると推定される。この場合において、登録機能I52は、Device-Dのデバイスにより収集されたデータID「Data0007」の医用情報の患者Grを、データID「Data0005」の更新後の患者Gr「Patient001」に更新する。
一方、登録機能I52は、図24に示すような医用情報において、例えば、データID「Data0007」の医用情報の収集時刻及び収集場所と、データID「Data0008」の医用情報の収集時刻及び収集場所とを比較する。この場合において、2つの医用情報の収集時刻は、「12時30分」と「12時40分」で、互いに近似しない。また、2つの医用情報の収集場所は、「地点(2)」と「不明」であり、互いに近似しないと推定される。この場合、データID「Data0007」の医用情報と、データID「Data0008」の医用情報とが、同一の患者に関するものであると推定できるかどうかは不明である。この場合には、登録機能I52は、データID「Data0008」の患者Grを更新しない。
上で述べた登録機能I52による各処理により、各医用情報の患者Grは、例えば、図29Aの符号I414に示されるように更新される。すなわち、Device-A乃至Device-Dにより取得される医用情報が同一の患者から取得されたと推定されることを示す情報として、同一の患者Grが各医用情報に対して設定される。
なお、登録機能I52が判定に用いる情報は、医用情報が取得された収集時刻及び収集時点に限られず、例えば、各デバイスに搭載されたアプリの起動又は終了の時刻又は地点が用いられるような構成であってもよい。例えば、図27の符号I421に示すように、DeviceID「Device-B」のデバイスのアプリは、DeviceID「Device-A」のデバイスのアプリが終了する2分前に、「Device-A」のデバイスのアプリが起動及び終了する地点と同一の「地点(1)」において起動している。この場合、「Device-A」のデバイスは、「Device-B」のデバイスが到着するまでの間、患者の医用情報を取得し、「Device-B」のデバイスが、患者の医用情報の取得をその後引き継いだと推定できる。この場合において、登録機能I52は、DeviceID「Device-B」の患者Grを、DeviceID「Device-A」の患者Gr「Patient001」で更新してもよい。
また、医用情報に、患者の指紋や虹彩等の生体情報や、各患者に付与された識別情報等、各患者個人を特定できる情報が含まれている場合、登録機能I52は、当該患者個人を特定できる情報が、複数の医用情報において合致するか否かをさらに判定する。登録機能I52は、医用情報に含まれる患者個人を特定できる情報が、他の医用情報に含まれる患者個人を特定できる情報と合致すると判定した場合、2つの医用情報のうち、後に収集された医用情報の患者Grを、先に収集された医用情報の患者Grに更新する。なお、以下において、各患者個人を特定できる情報を、単に「個人特定情報」と表記する場合がある。また、個人特定情報は、患者を特定する情報の一例である。
図29Bに示す例において、Device-Cのデバイスにより収集された医用情報「Data0005」には、指紋や虹彩、患者のID等の個人特定情報I415が含まれる。同様に、Device-Eのデバイスにより収集された医用情報「Data0009」にも、個人特定情報I416が含まれる。この場合において、登録機能I52は、個人特定情報I415及びI416が合致するか否かを判定する。登録機能I52は、個人特定情報I415及びI416が合致すると判定した場合、図29Bの符号I417に示すように、Device-E、及びDevice-Eと同一の救急ヘリV2に搭載されるDevice-Fのいずれかにより収集された医用情報に対応する患者Grを、Device-Cにより収集された医用情報の患者Grに更新する。これにより、登録機能I52は、Device-A乃至Device-Fの各デバイスから収集された医用情報が、同一の患者から取得されたことを示す患者Grを設定することができる。
なお、医用情報が同一の患者から取得されたか否かを判定する場合、個人特定情報に基づいて判定する方が、時刻及び地点に基づいて判定する場合と比べて、患者の取り違えの可能性が小さい。そこで、登録機能I52は、個人特定情報が相互に合致しないと判定した場合は、時刻及び地点の判定結果にかかわらず、患者Grを更新しないような構成であってもよい。
次に、第4の実施形態に係る医用情報管理システム4による処理の手順について、図30及び図31を用いて説明する。図30は、第4の実施形態に係る医用情報取得処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図30では、Device-A及びDevice-Bの2つのデバイスのみ図示しているが、Device-C乃至Device-Fについても同様の処理が行われるような構成であってもよい。
例えば、図30に示すように、本実施形態に係る医用情報管理システム4では、まず、例えばスマートフォンであるDevice-A9aが、例えばドローンであるDevice-B9bの到着よりも前に、医用情報を医用情報サーバIaに送信するためのアプリを起動し(ステップSX1)、DeviceIDと、アプリを起動した時刻・位置を医用情報サーバIaに送信する(ステップSX2)。医用情報サーバIaは、DeviceIDと、アプリを起動した時刻・位置を受信し、アプリログI42にDevice-A9aによるアプリの起動を登録する(ステップSZ1)。
次に、Device-A9aが、患者の医用情報を取得すると(ステップSX3)、DeviceIDと、データIDと、個人特定情報と、医用情報を取得した時刻及び位置とを含む医用情報を、医用情報サーバIaに送信する(ステップSX4)。医用情報サーバIaは、受信した医用情報に関する情報を、医用情報テーブルI41に格納する(ステップSZ2)。
次に、Device-B9bが、医用情報を医用情報サーバIaに送信するためのアプリを起動すると(ステップSY1)、DeviceIDと、アプリを起動した時刻・位置を医用情報サーバIaに送信する(ステップSY2)。医用情報サーバIaは、DeviceIDと、アプリを起動した時刻・位置を受信し、アプリログI42にDevice-B9bによるアプリの起動を登録する(ステップSZ3)。
一方、Device-A9aは、アプリを終了すると(ステップSX5)、DeviceIDと、アプリを終了した時刻・位置を医用情報サーバIaに送信する(ステップSX6)。医用情報サーバIaは、DeviceIDと、アプリを終了した時刻・位置を受信し、アプリログI42にDevice-A9aによるアプリの終了を登録する(ステップSZ4)。
次に、Device-B9bが、患者の医用情報を取得すると(ステップSY3)、DeviceIDと、データIDと、個人特定情報と、医用情報を取得した時刻及び位置とを含む医用情報を、医用情報サーバIaに送信する(ステップSY4)。医用情報サーバIaは、受信した医用情報に関する情報を、医用情報テーブルI41に格納する(ステップSZ5)。
以上のような処理により、図24に示すような情報が医用情報テーブルI41に登録されると共に、図27に示すような情報がアプリログI42に登録される。
次に、登録された医用情報テーブルI41の情報を、医用情報サーバIaが更新することにより、同一患者に関する複数の医用情報を同定する処理について説明する。図31は、第4の実施形態に係る医用情報更新処理の一例を示すフローチャートである。ここで、図31におけるステップS200乃至S250は、例えば、医用情報サーバIaの処理回路I5が登録機能I52に対応するプログラムを記憶回路I4から読み出して実行することにより実現される。また、図31に示す医用情報更新処理は、例えば、新たな医用情報が受信されたタイミングや、管理装置Gaから医用情報の取得要求を受信したタイミング等、任意のタイミングで実行される。例えば、医用情報サーバIaが、Device-A乃至Device-Fの各デバイスから新たな医用情報が送信される都度、医用情報テーブルI41の情報を更新する場合、当該患者が病院HPaに到着した段階において、全ての医用情報が同定されている。これにより、管理装置Gaは、全ての医用情報を一括して、オーダに対応する患者識別情報と対応付けることができる。
まず、処理回路I5は、図24に示すような情報が登録された医用情報テーブルI41から、対象とする医用情報を抽出する(ステップS200)。次に、処理回路I5は、医用情報テーブルI41から、比較対象となる医用情報を抽出する(ステップS201)。
c次に、処理回路I5は、各医用情報に、個人特定情報が含まれるか否かを判定する(ステップS210)。処理回路I5は、いずれの医用情報にも個人特定情報が含まれると判定した場合(ステップS210:Yes)、各医用情報に含まれる個人特定情報が合致するか否かを判定する(ステップS220)。
処理回路I5は、個人特定情報が合致すると判定した場合(ステップS220:Yes)、医用情報に対応する患者Grを更新し(ステップS240)、ステップS250に移行する。一方、処理回路I5は、個人特定情報が合致しないと判定した場合(ステップS220:No)、ステップS250に移行する。
ステップS210に戻って、処理回路I5は、少なくともいずれかの医用情報に個人特定情報が含まれないと判定した場合(ステップS210:No)、各医用情報に含まれる時刻及び場所が一致又は近似するという条件に合致するか否かを判定する(ステップS230)。処理回路I5は、条件合致すると判定した場合(ステップS230:Yes)、医用情報に対応する患者Grを更新し(ステップS240)、ステップS250に移行する。一方、処理回路I5は、条件に合致しないと判定した場合(ステップS230:No)、ステップS250に移行する。
そして、処理回路I5は、全ての医用情報について、処理が完了したか否かを判定する(ステップS250)。処理回路I5は、処理がまだ完了していないと判定した場合(ステップS250:No)、ステップS200に戻って処理を繰り返す。一方、処理回路I5は、処理が完了したと判定した場合(ステップS250:Yes)、処理を終了する。
上述したように、第4の実施形態によれば、記憶装置(医用情報サーバIa)の更新部(登録機能I52)は、異なるオーダ外機器(Device-A乃至Device-F)により取得された医用情報が取得された時刻(収集時刻)及び取得された場所(収集場所)が相互に一致又は近似するか否かを判定し、相互に一致又は近似すると判定された場合に、少なくともいずれかの医用情報に対応する発行識別情報(患者Gr)を更新する。また、医用情報管理装置は、前記発行識別情報が更新された前記医用情報を、前記患者識別情報(緊急ID)と関連付ける。従って、第4の実施形態に係る医用情報管理システム4は、オーダ外機器により取得された医用情報を、搬送IDやDeviceIDに依拠することなく容易に関連付けることができる。これにより、医用情報管理システム4は、同一の又は異なるオーダ外機器により収集された同一患者に関する複数の医用情報を同定できる。
また、第4の実施形態によれば、記憶装置の更新部(登録機能I52)は、異なるオーダ外機器(Device-A乃至Device-F)により取得された医用情報にそれぞれ含まれる患者を特定する情報(個人特定情報)が合致するか否かを判定し、前記患者を特定する情報が合致すると判定された場合に、少なくともいずれかの医用情報に対応する発行識別情報(患者Gr)を更新してもよい。医用情報管理装置の更新部(登録機能I52)は、前記発行識別情報が更新された前記医用情報を、前記患者識別情報(緊急ID)と関連付ける。これにより、第4の実施形態に係る医用情報管理システム4は、オーダ外機器により取得された医用情報を、精度よく関連付けることができる。
また、前記オーダ外機器は、患者を病院に搬送する移動体(救急車V1、救急ヘリV2)に関連付けられたオーダ外機器(Device-C乃至Device-F)であってもよい。
なお、大規模な災害等で、一つのデバイスで複数の患者の医用情報を取得した場合、患者の取り違えが発生する可能性が高いため、時刻及び位置に基づく患者Grの更新を行わないような構成であってもよい。
また、オーダ外機器は、移動体に関連付けられた機器や、スマートフォン、ドローン等の病院外部の機器に限られず、病院HP内に設置されたその他の医用機器であってもよい。また、病院HP内に設置されたモダリティにより収集された医用情報であっても、病院HPが発行するオーダに基づかずに収集された医用情報については、オーダ外機器により収集された医用情報と同様に処理してもよい。
また、例えば、外部デバイスであるDevice-A及びDevice-Bに、医用情報を送信するためのアプリがインストールされる構成について説明したが、実施の形態はこれに限られない。例えば、搬送デバイスであるDevice-C乃至Device-Fに、Device-A及びDevice-Bと同様のアプリがインストールされるような構成であってもよい。
また、登録機能I52が、先に取得された医用情報に対応する患者Grを、後に取得した医用情報に対応する患者Grに引き継ぐ形で患者Grを更新する構成について説明したが、これに限られず、例えば登録機能I52が新たな患者Grを発行するような構成であってもよい。
また、PACS50において格納されるデータはDICOM形式のものに限られず、例えば電子カルテシステムで用いられるHL7形式等のデータであってもよい。さらに、緊急IDは、病院HPaにおいて患者を一意に識別できるものであればよく、例えばRIS40aが新規に発行するものではなく、既に登録済みの患者識別情報等であってもよい。
上述した各実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、メモリにプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶部等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)−ROM、FD(Flexible Disk)、CD−R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
また、各実施の形態における医用情報管理システムの構成は上記したものに限られず、例えば、RIS40又はPACS50等のその他のコンピュータが処理回路15の一部又は全部の機能を実装してもよく、また記憶回路14が記憶する内容の一部又は全部を記憶してもよい。また、管理装置10の処理回路15が備える各機能がクラウド上に実装され、記憶回路14が記憶する内容がクラウド上に記憶されてもよい。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、オーダに基づかずに収集された患者に関するデータを、搬送先の病院において容易に関連付けることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。