JP2020037989A - 弁機構およびこれを備えた燃料供給ポンプ - Google Patents

弁機構およびこれを備えた燃料供給ポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】弁体の着座領域における燃料漏れを抑制する弁機構、及びこれを搭載した燃料供給ポンプを提供することを目的とする。【解決手段】弁体が着座することで流路を閉弁するシート面と、弁体をシート面に向かって付勢するばねと、を備えている弁機構であって、シート面と平行で、かつ弁体の径方向内側から外側に向かう方向を流れ方向とし、シート面と平行で、かつ流れ方向と直交する方向を流れ直交方向とした場合に、シート面における流れ方向の第1表面粗さが、流れ直交方向の第2表面粗さよりも大きく形成される。【選択図】図7

Description

本発明は、弁機構およびこれを備えた燃料供給ポンプに関する。
本発明の弁機構又はこれを備えた燃料供給ポンプの従来技術として、特許文献1に記載のものがある。特許文献1には「本発明の目的は、リリーフばねホルダに絞りを設けることにより、シート近傍での圧力低下及びキャビテーションの発生を抑制することのできる高圧燃料供給ポンプを提供することにある。そのため、上記した課題を解決するために本発明は、燃料を加圧する加圧室と、前記吐出弁の下流側の吐出通路の燃料を前記加圧室に戻すリリーフバルブ機構と、備えた燃料供給ポンプにおいて、前記リリーフバルブ機構は、リリーフバルブが着座することでリリーフ流路を閉弁するリリーフシートと、前記リリーフバルブを前記リリーフシートに向かって付勢するリリーフばねと、前記リリーフばねを保持するリリーフばねホルダと、を備え、前記リリーフばねホルダには、前記リリーフばねが配置されたリリーフチャンバから前記加圧室に戻す燃料通路と前記流路内に絞り部が形成される。このような構成を持つことにより、上記課題を解決することができる。」と記載されている(要約参照)。
WO2018/012211
特許文献1においては、リリーフ弁のシート面の表面形状については何ら記載がない。ここで仮に、シート面における流れ方向の表面粗さが、流れに対してシート面上で直交する方向の表面粗さよりも小さく形成されているとすると、燃料が流れ方向に流れやすくなり、特に吐出圧力が高圧の場合において、燃料漏れが生じてしまう。そこで本発明は、弁体の着座領域における燃料漏れを抑制する弁機構、及びこれを搭載した燃料供給ポンプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、弁体が着座することで流路を閉弁するシート面と、弁体を前記シート面に向かって付勢するばねと、を備える弁機構において、前記シート面と平行で、かつ前記弁体の径方向内側から外側に向かう方向を流れ方向とし、前記シート面と平行で、かつ前記流れ方向と直交する方向を流れ直交方向とした場合に、前記シート面における前記流れ方向の第1表面粗さが、前記流れ直交方向の第2表面粗さよりも大きく形成される。
本発明によれば、シート部における燃料漏れの低減を実現する電磁弁機構、及びこれを搭載した燃料供給ポンプを提供することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明を実施する燃料供給ポンプの横方向から見た縦断面図である。 本発明を実施する燃料供給ポンプの上方向から見た水平方向断面図である。 本発明を実施する燃料供給ポンプの図1とは別の横方向から見た縦断面図である。 本発明を実施する弁機構と、そのシート部周辺における拡大断面図である。 本発明を実施する弁機構のシート部周辺における図4とは別角度からの拡大図である。 本発明の第1の実施形態によるシート部表面形状の拡大概念図である。 本発明の第2の実施形態によるシート部周辺における拡大図である。 本発明を実施する燃料供給ポンプに搭載される電磁吸入弁機構の拡大断面図である。 本発明を実施する燃料供給ポンプを含む、燃料供給システムの構成図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。なお、以下の説明で図面における上下方向を指定して説明する場合があるが、この上下方向は燃料供給ポンプの実装状態における上下方向を意味するものではない。
図9は燃料供給ポンプを含む燃料供給システムの一例を示す構成図である。破線で囲まれた部分が燃料供給ポンプのポンプボディ1を示し、この破線の中に示されている機構、部品は燃料供給ポンプのポンプボディ1に一体に組み込まれていることを示す。
燃料タンク20の燃料は、エンジンコントロールユニット(ECU)27からの信号に基づきフィードポンプ21によって汲み上げられる。この燃料は適切なフィード圧力に加圧されて吸入配管28を通して燃料供給ポンプの低圧燃料吸入口10aに送られる。低圧燃料吸入口10aから吸入ジョイント51を通過した燃料は、圧力脈動低減機構9、吸入通路10dを介して、容量可変機構を構成する電磁吸入弁機構300の吸入ポート31bに至る。
電磁吸入弁機構300に流入した燃料は、吸入弁30を通過し、加圧室11に流入する。エンジンのカム機構93(図1参照)によりプランジャ2に往復運動する動力が与えられる。プランジャ2の往復運動により、プランジャ2の下降行程には吸入弁30から燃料を吸入し、上昇行程には、燃料が加圧される。加圧された燃料は、吐出弁機構8を介して圧力センサ26が装着されているコモンレール23へ圧送される。
コモンレール23には、図示しないエンジンのシリンダに直接、燃料を噴射するインジェクタ24(所謂、直噴インジェクタ)、圧力センサ26が装着されている。直噴インジェクタ24は、エンジンのシリンダ(気筒)の数に合わせて装着されており、ECU27の制御信号に従って開閉して、燃料をシリンダ内に噴射する。本実施例の燃料供給ポンプ(燃料供給ポンプ)は、インジェクタ24がエンジンのシリンダ内に直接、燃料を噴射する、いわゆる直噴エンジンシステムに適用される。
直噴インジェクタ24の故障等によりコモンレール23に異常高圧が発生した場合、燃料供給ポンプの燃料吐出口12の圧力と加圧室11の圧力との差圧が弁機構200の開弁圧力以上になると、弁体202が開弁する。この場合、コモンレール23の異常高圧となった燃料が弁機構200の内部を通り、リリーフ通路200aから加圧室11へと戻される。これによりコモンレール23(高圧配管)を保護することが可能となる。この方式を高圧戻し方式と呼ぶ。なお、リリーフ通路200aを低圧燃料室10又は吸入通路10d等(図1参照)に接続し、異常高圧となった燃料を低圧通路へ戻す低圧戻し方式においても、同様に本発明を適用することが可能である。
図1、図2及び図3を用いて本実施例の燃料供給ポンプについて説明する。図1は、本実施例の燃料供給ポンプについて、プランジャの中心軸方向に平行な断面を示す断面図である。図2は、本実施例の燃料供給ポンプの上方から見た水平方向の断面図である。図3は、本実施例の燃料供給ポンプの図1とは異なる方向から見た断面図である。
なお、図2においては吸入ジョイント51がボディ側面に設けられているが、本発明はこれに限定される訳でなく、吸入ジョイント51がダンパカバー14の上面に設けられた燃料供給ポンプにも適用可能である。吸入ジョイント51は、車両の燃料タンク20からの燃料を供給する低圧配管に接続されており、吸入ジョイント51の低圧燃料吸入口10aから流入した燃料はポンプボディ1の内部に形成された低圧流路を流れる。ポンプボディ1に構成される燃料通路の入口部には、ポンプボディ1に圧入された図示しない吸入フィルタが設けられ、吸入フィルタは燃料タンク20から低圧燃料吸入口10aまでの間に存在する異物が燃料供給ポンプ内に流入することを防ぐ。
燃料は吸入ジョイント51からプランジャ軸方向上側に流れ、図1に示すダンパ上部10b、ダンパ下部10cにより形成される低圧燃料室10に流れる。低圧燃料室10はポンプボディ1に取り付けられたダンパカバー14により覆われることで形成される。低圧燃料室10の圧力脈動低減機構9により圧力脈動が低減された燃料は低圧燃料流路10dを介して電磁吸入弁機構300の吸入ポート31bに至る。電磁吸入弁機構300はポンプボディ1に形成された横穴に取り付けられ、所望の流量の燃料をポンプボディ1に形成された加圧室入口流路1aを介して加圧室11に供給する。シリンダヘッド90とポンプボディ1との間のシールのためにOリング61がポンプボディ1に嵌め込まれ、エンジンオイルが外部に漏れるのを防止する。
図1に示すように、ポンプボディ1にはプランジャ2の往復運動をガイドするためのシリンダ6が取り付けられている。シリンダ6はその外周側において、ポンプボディ1に圧入とかしめとにより固定される。シリンダ6の円筒状をなす圧入部の表面により、ポンプボディ1との隙間から加圧した燃料が低圧側に漏れないようシールしている。シリンダ6は、その上端面を軸方向にポンプボディ1の平面に接触させることで、ポンプボディ1とシリンダ6との円筒状の圧入部のシールに加え、二重のシール構造を構成する。
プランジャ2の下端には、内燃機関のカムシャフトに取り付けられたカム93の回転運動を上下運動に変換し、プランジャ2に伝達するタペット92が設けられている。プランジャ2はリテーナ15を介してばね4にてタペット92に圧着されている。これによりカム93の回転運動に伴い、プランジャ2を上下に往復運動させることができる。
また、シールホルダ7の内周下端部に保持されたプランジャシール13がシリンダ6の図中下方部においてプランジャ2の外周に摺動可能に接触する状態で設置されている。これにより、プランジャ2が摺動したとき、副室7aの燃料をシールし、内燃機関内部へ流入するのを防ぐ。同時にプランジャシール13は、内燃機関内の摺動部を潤滑する潤滑油(エンジンオイルも含む)がポンプボディ1の内部に流入するのを防止する。
図2に示すようにポンプボディ1には電磁吸入弁機構300を取り付ける横孔と、プランジャ軸方向の同じ位置において、吐出弁機構8を取り付ける横穴と、さらに弁機構200を取り付ける横穴、及び、吐出ジョイント12cを取り付ける横穴とが形成される。電磁吸入弁機構300を介して加圧室11で加圧された燃料は吐出弁機構8を介して吐出通路12bを流れ、吐出ジョイント12cの燃料吐出口12から吐出される。
加圧室11の出口側に設けられた吐出弁機構8(図2、3)は、吐出弁シート8a、吐出弁シート8aと接離する吐出弁8b、吐出弁8bを吐出弁シート8aに向かって付勢する吐出弁ばね8c、吐出弁プラグ8d、吐出弁8bのストローク(移動距離)を決める吐出弁ストッパ8eから構成される。吐出弁プラグ8dとポンプボディ1とは溶接部401により接合される、この接合部は燃料が流れる内側空間と外部とを遮断している。また吐出弁シート8aはポンプボディ1に対し、圧入部402により接合される。
加圧室11の燃料圧力と吐出弁室12aの燃料圧力とに差圧が無い状態では、吐出弁8bは吐出弁ばね8cによる付勢力で吐出弁シート8aに圧着され閉弁状態となっている。加圧室11の燃料圧力が、吐出弁室12aの燃料圧力よりも大きくなった時に初めて、吐出弁8bは吐出弁ばね8cに逆らって開弁する。そして、加圧室11内の高圧燃料は吐出弁室12a、吐出通路12b、燃料吐出口12を経てコモンレール23へと吐出される。吐出弁8bは開弁した際、吐出弁ストッパ8eと接触し、ストロークが制限される。したがって、吐出弁8bのストロークは吐出弁ストッパ8eによって適切に決定される。これによりストロークが大きすぎて、吐出弁8bの閉じ遅れにより、吐出弁室12aへ高圧吐出された燃料が、再び加圧室11内に逆流してしまうのを防止でき、燃料供給ポンプの効率低下が抑制できる。また、吐出弁8bが開弁および閉弁動作を繰り返すときに、吐出弁8bがストローク方向にのみ運動するように、吐出弁ストッパ8eの外周面にて吐出弁8bをガイドしている。
以上のように、加圧室11は、ポンプボディ1、電磁吸入弁機構300、プランジャ2、シリンダ6、吐出弁機構8にて構成される。また図2、図3に示すように、本実施例の燃料供給ポンプはポンプボディ1に設けられた取付けフランジ1bを用い内燃機関のシリンダヘッド90の平面に密着し、図示しない複数のボルトで固定される。
弁機構200は、シート面201、弁体202、弁ホルダ203、ばね204、及びばねストッパ205で構成される。弁機構200は、コモンレール23やその先の部材に何らかの問題が生じ、異常に高圧になった場合に作動するよう構成された弁であり、コモンレール23やその先の部材内の圧力が高くなった場合に開弁し、燃料を加圧室11または低圧通路(低圧燃料室10又は吸入通路10d等)に戻すという役割を有する。そのため、所定の圧力以下では閉弁状態を維持する必要があり、高圧に対抗するために非常に強力なばね204を有している。
図8を用いて電磁吸入弁機構300について説明する。図8は本実施例の電磁吸入弁機構について、吸入弁の駆動方向に平行な断面を示す拡大断面図であり、吸入弁が開弁した状態を示す断面図である。
無通電状態では、強力なロッド付勢ばね40によって、吸入弁30が開弁方向に稼働するためにノーマルオープン式となっている。ECU27からの制御信号が電磁吸入弁機構300に印加されると、電磁コイル43には端子46を介して電流が流れる。電磁コイル43に電流が流れることにより、磁気吸引面Sにおいて可動コア36が磁性コア39の磁気吸引力により閉弁方向に引き寄せられる。ロッド付勢ばね40は磁性コア39に形成された凹み部に配置されるとともにフランジ部35aを付勢する。フランジ部35aはロッド付勢ばね40と反対側で可動コア36の凹み部と係合する。
磁性コア39は電磁コイル43が配置された電磁コイル室を覆う蓋部材44と接触するように構成される。可動コア36が磁性コア39に吸引されて移動する際に、ロッド35のフランジ部35aとが係合して可動コア36とともにロッド35が閉弁方向に移動する。可動コア36と吸入弁30との間には、可動コア36を閉弁方向に付勢する閉弁付勢ばね41と、ロッド35を開閉弁方向にガイドするロッドガイド部材37と、が配置される。ロッドガイド部材37は閉弁付勢ばね41のばね座37bを構成する。また、ロッドガイド部材37には燃料通路37aが設けられており、可動コア36が配置された空間への燃料の流入出を可能にしている。
可動コア36、閉弁付勢ばね41及びロッド35等はポンプボディ1に固定された電磁吸入弁機構ハウジング38に内包されている。また、磁性コア39、ロッド付勢ばね40、電磁コイル43及びロッドガイド部材37等は電磁吸入弁機構ハウジング38に保持されている。なお、ロッドガイド部材37は、電磁吸入弁機構ハウジング38に対して、磁性コア39及び電磁コイル43とは反対側に取り付けられており、吸入弁30、吸入弁付勢ばね33及びストッパ32を内包する。
ロッド35の磁性コア39とは反対側には吸入弁30、吸入弁付勢ばね33及びストッパ32を備える。吸入弁30には、加圧室11側に突出して吸入弁付勢ばね33によりガイドされるガイド部30bが形成される。吸入弁30はロッド35の移動に伴って弁体ストローク30eの隙間の分だけ開弁方向(弁座31aから離れる方向)に移動することにより開弁状態となり、供給通路10dから加圧室11に燃料が供給される。ガイド部30bは、電磁吸入弁機構300のハウジング(ロッドガイド部材37)内部に圧入されて固定されたストッパ32に衝突することにより動きを停止する。ロッド35と吸入弁30とは別体で独立した構造である。吸入弁30は吸入側に配置された弁座部材31の弁座31aに接触することで加圧室11への流路を閉じ、また弁座31aから離れることで加圧室11への流路を開くように構成される。
図1のカム93の回転により、プランジャ2がカム93の方向(下方向)に移動して吸入行程状態にある場合、加圧室11の容積は増加し、加圧室11内の燃料圧力が低下する。この吸入行程で電磁コイル43が通電オフになっていると、ロッド付勢ばね40の付勢力と吸入通路10dの圧力による流体力との合計が加圧室11内の燃料圧力による流体力よりも大きくなり、ロッド35により吸入弁30が開弁方向に付勢されて開弁状態となる。
プランジャ2が下死点に達し吸入行程を終了すると、プランジャ2は上昇運動に転じる。ここで電磁コイル43は無通電状態を維持したままであり磁気付勢力は作用しない。加圧室11の容積は、プランジャ2の圧縮運動に伴い減少するが、この状態では、一度、加圧室11に吸入された燃料が、再び開弁状態の吸入弁30の開口部を通して吸入通路10dへと戻されるので、加圧室11の圧力が上昇することは無い。この行程を戻し行程と称する。
その後、所望のタイミングで電磁コイル43の通電をオンとすることで、上記したように磁気吸引力が生じることで、可動コア36とともにロッド35が閉弁方向に移動し、ロッド35の先端部が吸入弁30から離れる。この状態においては、吸入弁30は差圧に応じて開閉するチェック弁となるため、吸入弁付勢ばね33の付勢力により閉弁する。吸入弁30の閉弁後、プランジャ2が上昇しているので、加圧室11の容積が減少し、燃料が加圧される。これを圧縮行程と称する。加圧室11の燃料が加圧されて吐出弁室12aの燃料圧力と吐出弁ばね8cによる付勢力との合計を上回ると、吐出弁8bが開弁して燃料が吐出される。
電磁吸入弁機構300の電磁コイル43への通電タイミングを制御することで、吐出される高圧燃料の量を制御することができる。電磁コイル43へ通電するタイミングを早くすれば、圧縮行程中の、戻し行程の割合が小さく、吐出行程の割合が大きくなる。すなわち、吸入通路10dに戻される燃料が少なくなり、コモンレール23へ高圧吐出される燃料は多くなる。一方、通電するタイミングを遅くすれば圧縮行程中の、戻し行程の割合が大きく、吐出行程の割合が小さくなる。すなわち、吸入通路10dに戻される燃料が多くなり、コモンレール23へ高圧吐出される燃料は少なくなる。電磁コイル43への通電タイミングは、ECU27からの指令によって制御される。
以上のように電磁コイル43への通電タイミングを制御することで、高圧吐出される燃料の量を内燃機関が必要とする量に制御することが出来る。
低圧燃料室10には燃料供給ポンプ内で発生した圧力脈動が燃料配管28へ波及するのを低減させる圧力脈動低減機構9が設置されている。また、圧力脈動低減機構9の上下にはそれぞれ、間隔を持ってダンパ上部10b、ダンパ下部10cが設けられている。一度加圧室11に流入した燃料が、容量制御のため再び開弁状態の吸入弁30を通して吸入通路10dへと戻される場合、吸入通路10dへ戻された燃料により低圧燃料室10には圧力脈動が発生する。しかし、低圧燃料室10に設けた圧力脈動低減機構9は、波板状の円盤型金属板2枚をその外周で張り合わせ、内部にアルゴンのような不活性ガスを注入した金属ダイアフラムダンパで形成されており、圧力脈動はこの金属ダンパが膨張・収縮することで吸収低減される。9aは金属ダンパをポンプボディ1の内周部に固定するための取付け金具であり、燃料通路上に設置されるため、ダンパとの支持部を全周では無く、一部とし前記取付け金具9aの表裏に流体が自由に行き来できるようにしている。
プランジャ2は、大径部2aと小径部2bとを有し、プランジャ2の往復運動によって副室7aの体積は増減する。副室7aは燃料通路10e(図3参照)により低圧燃料室10と連通している。プランジャ2の下降時は、副室7aから低圧燃料室10へ、上昇時は、低圧燃料室10から副室7aへと燃料の流れが発生する。
このことにより、ポンプの吸入行程もしくは、戻し行程におけるポンプ内外への燃料流量を低減することができ、燃料供給ポンプ内部で発生する圧力脈動を低減する機能を有している。
さらに、リリーフ弁機構の動作を詳細に説明する。弁機構200は図2に示すように、シート面201、弁体202、弁ホルダ203、ばね204、ばねストッパ205からなる。シート面201の内部に、弁体202、弁ホルダ203、ばね204を順に挿入し、ばねストッパ205を圧入等で固定する。ばね204による押付力は、ばねストッパ205の位置によって規定する。弁体202の開弁圧力はこのばね204による押付力により規定の値に設定される。こうしてユニット化された弁機構200を、図1に示すようにポンプボディ1に圧入等で固定する。なお、図1ではユニット化された弁機構200を示しているが、本発明はこれに限定されるわけではない。
燃料供給ポンプは燃料を数MPaから数十MPaという非常に高圧に加圧する必要があるため、弁体202の開弁圧力はそれ以上でなければならない。開弁圧力が設定吐出圧力以下に設定されると、燃料供給ポンプにより正常に燃料が加圧されていても、弁体202が開弁してしまう。なお、本実施例では弁体202と呼ぶが、これをリリーフ弁と呼んでも良い。この弁体202の誤動作は、シート面201のシート部201aの近傍におけるキャビテーション壊食の発生や、吐出量の低下、エネルギー効率の低下等を招いてしまう虞がある。さらに、開弁圧力を設定吐出圧力以上に設定した場合でも、その差が小さい場合にはシート面201と弁体202の接触面圧が低下し、燃料漏れが発生してキャビテーション壊食が発生する可能性がある。
ここで、キャビテーション壊食が発生する原理を説明する。一般的に、狭い隙間流れなどで流速が増加すると圧力が低下し、流体の飽和蒸気圧以下になるとキャビテーション気泡が発生する。その後、気泡は流れに乗って移動し、圧力の高い場所に到達すると崩壊する。この際、大きな崩壊エネルギーが放出され、壁面などの物体が近くにあれば損傷を受けてしまう。弁体202におけるキャビテーション壊食では、漏れが発生するとシート部201a付近で流速が速くなりキャビテーション気泡が発生する。その直後に圧力が回復するため、キャビテーション気泡が崩壊し、シート部201a付近が損傷を受けてしまう虞がある。これに対し、シート部201aと弁体202との間の隙間を狭くし漏れ流速が低下させる、または、隙間をなくすことにより、キャビテーション気泡の発生を抑制することにより、キャビテーション壊食を抑制することが可能である。
図4の上部に弁機構200の断面図を示し、より詳細に説明する。下部には枠線で囲ったシート部201a近傍の拡大断面図を示した。ボール状の弁体202とシート面201に形成された円錐状の斜面が接触し、線状のシート部201aとそれに対抗する弁側シート部201bを形成する。シート部201aを挟んで、図中下側が上流側であり、弁体202を開弁させる方向に設定吐出圧力が作用している。これに対抗して、下流側からはリリーフばね204の荷重により開弁圧力が設定されている。開弁圧力と設定吐出圧力の差分により弁体202はシート面201に押し付けられ、シート部201aに接触面圧が発生する。両者の差分が十分でない場合、接触面圧も不十分であり燃料漏れが発生してキャビテーション壊食が発生する可能性がある。キャビテーション壊食の程度は燃料圧力の増加にともない、その悪化が顕著となるため、設定吐出圧力を30MPa未満としていた従来に比べ、35MPaへと高圧化した際に特に顕在化した課題である。
図5に従来の弁機構200のシート面201周辺を下流側から見た拡大図を示す。なお、以降では弁体202の表面は理想的な平滑面とし、シート面201側の形状に着目して説明するが、弁体202側も同様の形状を持ち、それらの組み合わせにより隙間が形成される場合も考えられる。シート部201a周辺には、製作方法に応じた表面性状に起因する微小な凹凸が存在している。弁体202とシート面201が接触した状態でも、これら凹凸によってシート部201aと弁側シート部201bの間には微小な隙間が残る場合がある。このため、シート面201と弁体202の間に所定値以上の接触面圧を発生させ、微小な凹凸を変形させて隙間断面積を低減することで漏れを低減する必要がある。ここで、シート面201と平行で、かつ弁体202の径方向内側から外側に向かう方向を流れ方向とし、シート面201と平行で、かつ前記流れ方向と直交する方向を流れ直交方向とする。また、凹凸を燃料の流れ方向と流れ直交方向に分類し、流れ直交方向の凹凸を201c、流れ垂直方向の凹凸を201dとする。このうち、流れ直交方向の凹凸201cの形状が漏れ量に対して支配的な影響を持つが、従来は製作方法の関係から、流れ方向の凹凸201dよりも流れ直交方向の凹凸201cの方が大きくなっていることが多く、隙間断面積を低減するために多くの接触面積を必要とするという課題があった。一方、シート面201と弁体202の表面を平滑にするため、表面粗さなどの幾何公差範囲を一括して狭めると製造コストが増加し好ましくない。
そこで本実施例では、漏れ量に支配的な影響を与える流れ直交方向の凹凸201cにより形成される隙間断面積を、流れ方向の凹凸201dにより形成される隙間断面積よりも小さくなるように構成する。つまり、流れ方向とシート面201に対し垂直方向とを通る断面図の単位領域において、着座領域に形成される凹部の断面積が、流れ直交方向とシート面201に対し垂直方向とを通る断面図の単位領域において、着座領域に形成される凹部の断面積より大きく形成される。ここで、着座領域とは、弁体202がシート面201に着座する領域のことをいい、例えば、シート部201aにおいて、シート部201aからの流れ方向又は流れ直交方向の長さが弁体202の半径の領域である。また、単位領域は、前記流れ方向又は前記流れ直交方向の長さが前記弁体の半径としてもよい。
図6に表面形状の概念図を示す。便宜上、三角錐による凹凸形状が規則的に配置されているが、凹凸形状はこの三角錐に限定されるものではなく、配列が不規則である場合も考えられる。ここで、従来は比較的小さかった流れ方向の凹凸201dはそのまま維持し、漏れに対して支配的な影響を与える流れ直交方向の凹凸201cのみを小さくすると、凹凸自体が低減され、より燃料漏れ低減の効果が期待できる。さらにこれらの形状を、それぞれ流れ直交方向に計測した第1表面粗さと、流れ方向に計測した第2表面粗さで代表させ、第1表面粗さを第2表面粗さに対して小さくすることでも同様の効果を期待することができる。
こうすることで、従来に比べて容易に燃料漏れを低減し、ひいてはキャビテーション壊食を抑制することが期待される。合わせて、必要以上の公差改善が要求されないため、製造コストの低減が期待できる。
なお、第1表面粗さ及び第2表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Rz)等によって測定される。
以下、算術平均粗さ(Ra)及び最大高さ(Rz)の測定方法について説明するが、本実施例の測定方法はこれに限定されない。算術平均粗さ(Ra)は、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さLだけを抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にx軸を、縦倍率の方向にy軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、以下の式(1)によって求められる値をいう。
Figure 2020037989
粗さ曲線は、接触式粗さ計や3次元レーザー測定等により測定する。基準長さLは、弁体の半径としてもよい。
最大高さ(Rz)は、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線との間隔を粗さ曲線の方向に測定した値をいう。また、最大高さ(Rz)は、シート面の弁体が着座する着座領域に形成されている凹部のうち最も深い位置を最深部としたとき、最深部とシート面との最短距離と定義してもよい。
そして、本実施例の弁機構200は、弁体202が着座することで流路を閉弁するシート面201と、弁体202をシート面201に向かって付勢するばね204と、を備えている。そして、弁機構200は、シート面201と平行で、かつ弁体202の径方向内側から外側に向かう方向を流れ方向とし、シート面201と平行で、かつ流れ方向と直交する方向を流れ直交方向とした場合に、シート面201における流れ方向の第1表面粗さが、流れ直交方向の第2表面粗さよりも大きく形成される。
ここで、シート面201における流れ方向の第1表面粗さが、流れ直交方向の第2表面粗さよりも小さく形成されていると、燃料が流れ方向に流れやすくなり、特に吐出圧力が高圧の場合において、燃料漏れが生じてしまう。この燃料漏れが発生するとシート部201a付近で流速が速くなり気泡が発生し、シート部201a付近でキャビテーション壊食が生ずる虞がある。これに対し本実施例の上記構成によれば、流れ直交方向に燃料が流れやすくなる一方で、流れ方向へ燃料が流れづらくなるため、シート面201における燃料漏れを低減することができる。したがって、燃料漏れが低減されることにより、キャビテーション壊食の発生を抑制することが可能となる。
なお、上記したように第1表面粗さ及び第2表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Rz)等によって測定されることが望ましい。
本発明の第2の実施例について、図7を用いて説明する。図7はシート面201周辺を下流側から見た拡大図であり、シート部201aを理想的な平滑円錐面、弁側シート部201bを理想的な平滑球面とした場合の理想接触線に対して、シート部201aがうねりを持っていた場合を示している。この場合の理想接触線との差分を真円度とすると、流れ方向に計測した表面粗さよりも真円度を小さくすることで、流れ直交方向の凹凸201cを小さくした場合と同様の効果を期待することができる。
つまり、本実施例の弁機構は、弁体202が着座することで流路を閉弁するシート面201と、弁体202をシート面201に向かって付勢するばね204と、を備えている。そして、弁機構200は、シート面201と平行で、かつ弁体202の径方向内側から外側に向かう方向を流れ方向とした場合に、シート面201における流れ方向の第1表面粗さが、弁体軸方向からみた場合の弁体202とシート面201とが接触する接触線の真円度よりも大きく形成される。
弁機構200の製造において、シート面201を形成する際に、弁機構200を冶具で固定して行う場合に、治具のぶれ等の理由により、シート面201の表面において流れ直交方向にうねりが生じてしまうことがある。ここで、真円度を「シート部201aを理想的な平滑円錐面、弁側シート部201bを理想的な平滑球面とした場合の理想接触線との差」と定義すると、上記したうねりが大きい場合に真円度が大きくなる。そして、シート面201における流れ方向の第1表面粗さが、弁体202とシート面201とが接触する接触線の真円度よりも小さく形成されていた場合、燃料が流れ方向に流れやすくなり、特に吐出圧力が高圧の場合において、燃料漏れが生じてしまう。漏れが発生するとシート部201a付近で流速が速くなり気泡が発生するため、シート部201a付近でキャビテーション壊食が発生する虞がある。
そこで、本実施例では、上記構成により、流れ方向に対して垂直な方向に燃料が流れやすくなり、燃料が流れ方向に流れづらくなるため、シート面201における燃料漏れを低減することができる。よって、燃料漏れが低減されることにより、キャビテーション壊食を防ぐごとができる。なお、真円度の定義は、「接触線において前記弁体の重心から最短距離となる位置を接触線第一部とし、接触線において弁体の重心から最遠距離となる位置を接触線第二部とし、前記真円度は、弁体軸方向からみて、弁体軸を中心として接触線第一部を通る円の半径と、弁体軸を中心として前記接触線第二部を通る円の半径との差」としてもよい。
シート部201aがうねりに加えて、さらに微小な凹凸を持っている場合を想定し、実施例1で示した流れ直交方向に計測した表面粗さと真円度の合計値で、流れ直交方向の凹凸201cの大きさを代表させてもよい。このようにすることで、実施例1に示した凹凸形状を、より図面に反映させやすい寸法値で規定することができ、実施例1、2と比較してキャビテーション壊食の抑制効果を向上することができる。
つまり、本実施例の弁機構は、弁体202が着座することで流路を閉弁するシート面201と、弁体202をシート面201に向かって付勢するばね204と、を備えている。そして、弁機構200は、シート面201と平行で、かつ弁体202の径方向内側から外側に向かう方向を流れ方向とした場合に、シート面201における流れ方向の第1表面粗さが、シート面201における流れ直交方向の第2表面粗さと、弁体軸方向からみた場合の弁体202とシート面201とが接触する接触線の真円度との和よりも大きく形成される。
シート面201の表面において、弁体202とシート面201とが接触する接触線の真円度と流れ直交方向の第2表面粗さとが、それぞれ流れ方向の第1表面粗さよりも小さく形成されていたとしても、真円度と第2表面粗さの合計値が第1表面粗さよりも大きく形成されていたとすると、燃料は流れ方向に流れやすくなってしまう場合がある。この場合、燃料が流れ方向に流れやすくなり、特に吐出圧力が高圧の場合において、燃料漏れが生じてしまう。漏れが発生するとシート部201a付近で流速が速くなり気泡が発生し、シート部201a付近でキャビテーション壊食が生じる虞がある。
これに対して、本実施例の上記構成によれば、流れ方向に対して垂直な方向に燃料が流れやすくなり、燃料が流れ方向に流れづらくなるため、シート面201における燃料漏れを低減することができる。また、燃料漏れが低減されることにより、キャビテーション壊食の発生を抑制することができる。
なお、燃料を加圧する加圧室と、前記加圧室の下流側の吐出通路の燃料を前記加圧室、又は低圧通路に戻すリリーフ弁機構とを備えた燃料供給ポンプに、本実施例の弁機構200を適用することができる。これにより、燃料漏れが低減され、キャビテーション壊食の発生が抑制された燃料ポンプを提供することができる。
また、上記したように、本実施例はリリーフ弁機構の他に、燃料供給ポンプの性能を満たすための機能部品、例えば、電磁吸入弁機構300や吐出弁機構8に対しても適用可能であり、その他、上記以外の機能部品においても適用可能である。
以上で、実施例に関する説明を終えるが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく幅広く変形して、実施することができる。例えば、上記実施形態は燃料供給ポンプに本発明を適用したものであるが、逆止弁を要する油圧機器に適応してもよい。燃料供給ポンプ内における機能部品の配置位置や配置方法においても、上記実施形態の例示に限るものではない。
1…ポンプボディ、
2…プランジャ、
6…シリンダ、
7…シールホルダ、
8…吐出弁機構、
200…弁機構、
201…シート面
201a…シート部、
201b…弁側シート部、
201c…流れ直交方向の凹凸、
201d…流れ方向の凹凸、
202…弁体、
203…弁ホルダ、
204…ばね、
205…ばねストッパ、
206…弁体軸、
300…電磁吸入弁機構。

Claims (8)

  1. 弁体が着座することで流路を閉弁するシート面と、
    前記弁体を前記シート面に向かって付勢するばねと、を備える弁機構において、
    前記シート面と平行で、かつ前記弁体の径方向内側から外側に向かう方向を流れ方向と
    し、前記シート面と平行で、かつ前記流れ方向と直交する方向を流れ直交方向とした場合に、
    前記シート面における前記流れ方向の第1表面粗さが、
    前記流れ直交方向の第2表面粗さよりも大きく形成される弁機構。
  2. 弁体が着座することで流路を閉弁するシート面と、
    前記弁体を前記シート面に向かって付勢するばねと、を備える弁機構において、
    前記シート面と平行で、かつ前記弁体の径方向内側から外側に向かう方向を流れ方向とした場合に、
    前記シート面における前記流れ方向の第1表面粗さが、
    弁体軸方向からみた場合の前記弁体と前記シート面とが接触する接触線の真円度よりも大きく形成される弁機構。
  3. 請求項2に記載の弁機構であって、
    前記シート面と平行で、かつ前記流れ方向と直交する方向を流れ直交方向とした場合に、
    前記第1表面粗さは、前記シート面における前記流れ直交方向の第2表面粗さと、前記真円度の和よりも大きく形成される弁機構。
  4. 請求項2又は3に記載の弁機構であって、
    前記接触線において前記弁体の重心から最短距離となる位置を接触線第一部とし、
    前記接触線において前記弁体の重心から最遠距離となる位置を接触線第二部とし、
    前記真円度は、弁体軸方向からみて、弁体軸を中心として前記接触線第一部を通る円の半径と、弁体軸を中心として前記接触線第二部を通る円の半径との差である弁機構。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の弁機構であって、
    前記シート面は、弁体が着座する着座領域に凹部が形成されており、
    前記凹部のうち最も深い位置を最深部とすると、
    前記第1表面粗さは、前記最深部とシート面との最短距離で定義される弁機構。
  6. 弁体が着座することで流路を閉弁するシート面と、
    前記弁体を前記シート面に向かって付勢するバネと、を備える弁機構において、
    前記シート面と平行で、かつ前記弁体の径方向内側から外側に向かう方向を流れ方向とし、
    前記シート面と平行で、かつ前記流れ方向と直交する方向を流れ直交方向とした場合に、
    前記流れ方向と前記シート面に対し垂直方向とを通る断面図の単位領域において、
    着座領域に形成される凹部の断面積が、前記流れ直交方向と前記シート面に対し垂直方向とを通る断面図の単位領域において、前記着座領域に形成される凹部の断面積より大きく形成される弁機構。
  7. 請求項6に記載の弁機構であって、
    前記単位領域は、前記流れ方向又は前記流れ直交方向の長さが前記弁体の半径である弁機構。
  8. 燃料を加圧する加圧室と、
    前記加圧室の下流側の吐出通路の燃料を前記加圧室、又は低圧通路に戻すリリーフ弁機構と、を備えた燃料供給ポンプにおいて、
    前記リリーフ弁機構は、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の弁機構により構成された燃料供給ポンプ。
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