JP2020037942A - 内燃エンジン用ピストン - Google Patents
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Abstract
【課題】熱膨張によるリング部の変形を防止する内燃エンジン用のピストンを提供する。【解決手段】ピストン1は、ファイアランド5と、ピストンリングを収容するためのリング溝6,6’とを含むリング部4を有するピストンヘッド3を備える。第1リング溝6’は、ファイアランド5に隣接して設けられ、かつ上側溝側面7および下側溝側面8を有する。本発明の本質は、少なくとも第1リング溝6’の少なくとも下側溝側面8が、ピストン軸10に対する垂線9に対して傾斜角αをもって傾斜しており、少なくとも下側溝側面8の傾斜角αが、周方向において変化していることにある。【選択図】図1
Description
本発明は、請求項1の導入部に係る、ファイアランドと、ピストンリングを収容するためのリング溝とを含むリング部を有するピストンヘッドを備えた内燃エンジン用ピストンに関する。また、本発明は、そのようなピストンを少なくとも1つ備えた内燃エンジンに関する。
内燃エンジン用のピストンには、ピストンヘッドとピストンスカートとの間の不均一な熱膨張のために高い負荷がかかる。そのような高い負荷は、特に、対応する第1リング溝に配置され、ファイアランドに隣接する第1ピストンリングにかかる。さらに、燃焼室からのガス圧荷重も第1ピストンリングに作用する。不均一な熱膨張や作用するガス圧荷重のために、ピストンやそれに含まれるリング溝が変形し、それらの断面形状が変わってピストンリングの形状に適合しなくなる。そうなると、シール作用が損なわれ、内燃エンジンのオイル消費が増大する。
このことに対処するものとして、例えば、特許文献1に、リング溝の少なくとも1つの溝側面やピストンリングの断面を、次のように設計することが開示されている。すなわち、特許文献1では、当該溝側面や当該断面は、少なくとも熱作用により動作中にピストンが変形する場合に、ピストンリングの下面とピストンリング溝の対向する下側支持面との間の初期接触が、少なくともピストンリングの下面のうちピストン軸を向いた領域で始まるように設計される。
同様に、特許文献2には、ピストンリングを収容するための外周リング溝を有する内燃エンジン用のピストンが開示されている。少なくとも1つの第1上側溝は、上側壁と下側壁を伴う外形を有する。上側壁と下側壁は、径方向外側に向かうにつれて、約50〜30分の傾斜角をもってピストン上側の方へ傾斜している。それにより、高い負荷を伴う動作状態において、当該上側溝の下側壁が、ピストン縦軸に対して実質的に垂直な平面内に位置する。その結果、比較的高い負荷を伴う動作状態においてピストンで熱的および機械的に生じる下向きの変形を、少なくとも部分的に補償することができる。
特許文献3には、ピストンクラウンを備えるピストンが開示されている。当該ピストンクラウンのリング部には、ピストンリングを収容するためのリング溝が設けられている。少なくとも1つのピストンリングの周方向ライン、または少なくとも1つのピストンリングを収容するリング溝の周方向ラインは、ピストンクラウンと平行に延びる平面と比較して、少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を、周方向に交互に均一に分布して有する。その結果、リング溝に収容されるピストンリングの軸方向の動作自由度が最小化され、それにより極力シンプルな態様でフラッタ現象を阻止することができる。
概して、クランクケースを向く側よりも燃焼室を向く側でピストンの周辺温度が高くなるため、生じる熱膨張によりリング部が変形することが多い。
したがって、本発明の目的は、一般的なピストンのための、改善されたまたは少なくとも従来のものに代わる実施形態を提示することにある。当該実施形態は、特に、従来技術より公知の欠点を回避するものである。
本発明によると、上記の目的は、独立請求項の主題によって達成される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
本発明は、ピストンのファイアランドに隣接するリング溝の少なくとも1つの溝側面を、ピストン軸に対する垂線に対して傾斜させつつ、当該傾斜を周方向において変化させるという基本思想に基づく。ここで、リング溝は、ピストン軸と同軸状に延びる、すなわち一致するリング溝軸を有する。その結果、当該リング溝に収容されるピストンリングが、内燃エンジンの動作中に、すなわち負荷がかかる状態で、溝側面においてほぼ理想的に、すなわち回転方向に対称に接触して最適な態様で支持され、それにより特に、このタイプの内燃エンジンのオイル消費が低減され得る。溝側面における接触面の想定される理想的な形態は、例えば、矩形状リングまたは台形状リングのいずれが使用されるかに応じて、平面状または円錐状であってもよい。一方、リングの接触挙動に影響を及ぼすために、矩形状リングの場合、特定の側面傾斜が望ましいことがある。本発明の本質は、リング溝または少なくともその下側溝側面が、激しい動作状態において回転方向に略対称に延びること、すなわち当該溝側面の傾斜角が全周にわたって一定になることにある。動作中の変形挙動は、低温状態におけるリング溝の非回転対称な設計により少なくとも部分的に補償され、それにより所望の形状に近づく。
一般的なピストンは、ピストン軸に関して回転対称でないが、ピストン軸およびピン軸を含む平面に関して、ならびにピン軸に垂直な平面に関して略平面対称であることが多いため、ピン方向およびこれと交差する方向において曲げ剛性が異なる。ピン方向や圧力/反圧力方向におけるピストンの曲がり具合が異なることは、動作温度において典型的には周方向に180°周期で繰り返す、すなわち周方向において2つの山部と2つの谷部を有する非回転対称な変形をもたらし、それによりリング溝の領域で漏れやオイル消費が増大するおそれがある。この効果は、ガス圧力や形状依存の熱輸送特性、冷却、および温度分布に起因する不均一な変形によっても影響される。
ここで、本発明に係るピストンは、ファイアランドと、ファイアランドの下に設けられてピストンリングを収容するためのリング溝とを含むリング部を有するピストンヘッドを備え、第1リング溝は、ファイアランドに隣接して設けられ、かつ上側溝側面および下側溝側面を有する。ここで、本発明によると、第1リング溝の少なくとも下側溝側面は、ピストン軸に対する垂線に対して傾斜角αをもって傾斜しており、第1リング溝の少なくとも下側溝側面の傾斜角αは、周方向において変化している。その結果、ピストンの非回転対称な変形挙動が改善された態様で補償され、当該補償に対して、ピストンの機械的負荷だけでなく、径方向が異なると熱伝導率や温度分布が異なるといった熱的負荷をも関連付けることが可能である。ここで、下側溝側面の本発明に係る周方向に変化する傾斜が、第1リング溝、すなわちファイアランドに隣接するリング溝の領域のみでなく、その他のリング溝にも設けられてもよいことは言うまでもない。一方、ファイアランドに隣接する第1リング溝と、その中に配置されるピストンリングとは、オイル消費を低減する上で最も重要である。
本発明に係る解決策の1つの有利な態様では、少なくとも第1リング溝の上側溝側面が、ピストン軸に対する垂線に対して傾斜角αをもって傾斜しており、上側溝側面の傾斜角αが、周方向において変化している。下側溝側面の領域だけで周方向の傾斜角αの変化が有用なのではなく、そのような変化は上側溝側面の領域でも同様に有用である。なぜなら、動作中にピストンが上下に動く結果、各ピストンリングが一方の動きにおいて上側溝側面に当たると共に、他方の動きにおいて反対の下側溝側面に当たるためである。
本発明に係る解決策の別の有利な実施形態では、少なくとも第1リング溝の少なくとも下側溝側面が、周方向において2つの波山部および2つの波谷部を有する。ここで、波山部の傾斜角αは、約0°であってもよい一方、波谷部の傾斜角αは、ピストン軸に対する垂線に対して1°程度であってもよい。ここで、傾斜角αは、ピストン軸に対する垂線、すなわち径方向線と、溝側面に沿った直線との間の角度であり、当該直線は、溝底部から対応する溝側面への移行点と、当該溝側面から外周面への移行点との間で規定される。ここで、波谷部は、ピン軸に対して交差して位置する一方、波山部は、ピン軸に対して平行に配置される。
本発明に係る解決策の別の有利な実施形態では、ピストン軸に対する垂線に対する傾斜角αは、±1°の範囲内にある。したがって、少なくとも第1リング溝の少なくとも下側溝側面が、外側に向かって低くまたは高くなっていることが考えられる。下側溝側面が外側に向かって低くなる場合、当該リング溝に収容されるピストンリングは、内燃エンジンの動作中に、その内側縁においてガス圧荷重下で各溝側面に平面的かつ均一に当たり、それにより当該溝からシリンダ壁の方へオイルを押し出す。これにより、オイル消費が低減する。一方、外側に向かって高くなる下側溝側面によると、例えば、このタイプの「山部」がピン方向にあるボスの上方の下側溝側面に設けられるため、動作中のピストンの熱的および機械的な変形を補償することが可能となる。ただし、ピストンの形状によっては、熱膨張の大きい方向がピンに対して交差することも想定され、その場合、低温状態で外側に向かって高くなる下側溝側面は、その最大勾配をスカートの領域に有することが好ましい。
下側溝側面は、傾斜角αがゼロである領域を有してもよい。これは、例えば、波山部または波谷部の領域であってもよい。一方、ピストンクラウンの領域で生じる熱膨張のために、溝側面は、温度が上昇する場合、ピン軸およびこれに交差する方向の両方で、程度が異なるにしても下方に傾くことが多い。好ましい実施形態では、下側溝側面は、少なくともピン軸の周辺で低温状態において傾斜しているか、または全周にわたって外側に向かってわずかに高くなるように傾斜している。これにより、好ましくは、高温状態において、下側溝側面が、平面状になるかまたは外側に向かってわずかに低くなる(例えば、0〜0.5°)。ピストンリングが非矩形状である場合、実測は相対角度に、すなわち対応するリング側面の傾斜からの溝側面の傾斜のずれに関連し、例えば対称形の15°の台形リングの場合に頂部と底部の各々で7.5°となる。
本発明に係る解決策の別の有利な実施形態では、少なくとも1つの下側溝側面は、周方向に波状になっている。当該実施形態では、周方向におけるこのタイプの波形状により、対応するピストンリングに対する接触がさらに改善され、したがってシール作用がさらに改善される。それに加えてまたは代えて、少なくとも1つの下側溝側面が、少なくとも所定の領域において湾曲している、すなわち非平面状であることも考えられる。この場合、対応する溝側面の傾斜は、2つの点によって規定される直線によって決まる。当該直線の第1の点は、溝側面からピストン外周面への移行点である一方、第2の点は、溝側面から溝底部への移行点である。ここで、特に、溝側面の凸曲率が問題になるが、溝側面に対してピストンリングができるだけ広く面接触し得るように、これは非常に小さい。
また、本発明は、上記のタイプのピストンを内燃エンジンに少なくとも1つ備えさせ、それにより内燃エンジンのオイル消費を大幅に低減するという基本思想に基づく。
本発明の別の重要な特徴や利点は、従属請求項から、図面から、および図面を参照した関連する図の説明から明らかになるだろう。
上述したまたは後述する特徴が、それぞれに示す組合せにおいてのみでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、他の組合せにおいてまたは単独でも利用可能であることは言うまでもない。
以下、本発明の好ましい例示的な実施形態について、図示すると共に詳しく説明する。同じ参照番号は、同一のもしくは類似の、または機能的に同一の構成要素を示す。
図1〜図3に示すように、不図示の内燃エンジン2用の本発明に係るピストン1は、ピストンヘッド3を備える。ピストンヘッド3は、ファイアランド5と、ピストンリング(図示せず)を収容するための少なくとも1つのリング溝6,6’とを含むリング部4を有する。ここで、第1リング溝6’は、ファイアランド5に隣接して設けられていて、上側溝側面7および下側溝側面8を有する。
ここで、少なくとも1つのリング溝6,6’は、放射状に周方向に延びていて、ピストン軸10に対して垂直に延びる半径を有する。したがって、リング溝6,6’は、少なくとも、ピストン軸10に対して垂直に延びる平面内に実質的に位置する。溝底部16は、普通に、ピストン軸10に対して平行に延びている。また、リング溝6,6’は、普通に、ピストンクラウン18に対して平行に延びている。ここで、少なくとも2つの、好ましくは全てのリング溝6,6’は、互いに平行にかつピストンクラウン18に対して平行に延びている。
少なくとも第1リング溝6’は、ピストン軸10に対して同軸状に延びる、すなわちピストン軸10と一致するリング溝軸10’を有する。
本発明によると、少なくともファイアランド5に隣接するリング溝6’、すなわち第1リング溝6’の下側溝側面8は、ピストン軸10に対する垂線9に対して傾斜角αをもって傾斜している。少なくとも下側溝側面8の傾きは、周方向において変化している。そのような周方向における傾きの変化により、すなわち溝側面8の傾斜角αの変化により、熱的または機械的負荷を最適に補償することができる。その結果、特に直交方向の曲げ剛性、熱伝導率、冷却、および/または温度分布が異なるために、特に動作中のピストン1における回転方向に非対称な変形を補償することができる。また、傾きの変化により、すなわち周方向における傾斜角αの変化により、少なくとも第1リング溝6’に配置されたピストンリングの接触を大幅に改善することができ、それにより当該ピストンリングの支持やシリンダ壁に沿ったスライドが改善される。その結果、内燃エンジン2のオイル消費が低減される。周方向において傾斜角αが変化することにより、動作中のピストン1の回転方向に非対称な変形を伴うピストンリングに対する錐状の当接面が提供され、当該錐状当接面、この場合の下側溝側面8は、ピストンリングに対する平面的で均一な接触をもたらす。
図1〜図3に示すピストン1において、ピン軸は、ピストン軸10に対して垂直に、かつ垂線9に対して垂直に延びている。すなわち、ピン軸は、この場合の紙面直交方向に延びている。
図1の第1リング溝6’についてさらに見ると、その下側溝側面8が、右側と左側において外方に向かって高くなっている一方、領域11において水平に、すなわちピン軸に対して平行になっていることがわかる。当該領域11では、したがって傾斜角α=0°である。
図2に示すピストン1では、第1リング溝6’、すなわちファイアランド5に隣接するリング溝6’の下側溝側面8は、径方向外側に向かって低くなり、同様に傾斜角αが周方向において変化している。ピストン軸10に対する垂線9に対する当該傾斜角αは、右側と左側で最大になり、かつ領域11で0°の傾斜角αになり、そのため当該領域では下側溝側面8が垂線9と平行になる。
多くの別の実施形態が、図示されていないが有効であり、当該別の実施形態によると、特定のピストンにおける測定可能な熱膨張挙動が補償される。よって、高くなる(図1)または低くなる(図2)下側溝側面8は、有利には、全周にわたって傾斜して延びていてもよく、その場合、傾斜角αは最大値と最小値との間でゼロになることなく変化する。これは、熱膨張のみに起因し得るが、例えば、台形リングにより溝側面の基本的な傾斜が予め規定されている場合にも存在し、当該基本的な傾斜は、本発明にしたがって比較的小さくだけ変化する。しかしながら、傾きの正負が周方向において変わることも考えられる。すなわち、例えば、ピン軸に沿って図1のように高くなる一方、当該ピン軸と交差する方向に沿って図2のように低くなることも考えられる。また、図1〜図3に係る溝や上述の各変形例は、紙面に直交するピン軸に代えて、紙面内のピン軸に関して実現されてもよい。さらに、少なくとも第1リング溝6’の上側溝側面7や、別のリング溝6(図1を参照)の下側および/または上側側面が、ピストン軸10に対する垂線9に対して傾斜角αをもって傾斜し、上側溝側面7の傾きが同様に周方向において変化することも考えられる。同じように、周方向において変化する傾斜角αを伴う溝側面7,8が、別のリング溝6に適用されてもよい。
図1〜図3についてさらに見ると、少なくとも下側溝側面8が、周方向において2つの波山部12と2つの波谷部13とを有することがわかる。ここで、図1および図3によると、波谷部13が領域11にある一方、図2によると、波山部12が領域11にある。概して、ピストン軸10に対する垂線9に対する傾斜角αは、−1°≦α≦+1°の範囲にあってもよく、5〜10分の製造誤差が生じてもよい。
図3に係る第1リング溝6’の下側溝側面8について見ると、当該下側溝側面8が周方向に波状になっていることがわかる。下側溝側面8の傾斜角αが周方向において変化するのみでなく、溝底部16の下縁も軸方向において波状に延びている。また、典型的なピストン外形により、360°あたり2つの山部および2つの谷部が生じることが好ましい。2つの山部と2つの谷部は、好ましくは、一方がピン軸に沿いかつ他方がピン軸に対して垂直に、またはその逆の態様で位置する。内燃エンジン2の動作中におけるピストン1の、したがって下側溝側面8のその他の変形が、このタイプの波状部を介して補償され得る。その結果、ピストンリングに対する接触面を、溝傾斜αの変更のみによる場合よりも優れたものにすることができる。図3に係る波形状は、図1および図2に示す溝側面8の上記変形例と組み合わせることも可能であり、また上側溝側面7や別の溝側面6にも適用可能である。
ここで、少なくとも下側溝側面8は、少なくとも所定の領域で湾曲していてもよく、特に、凸状湾曲が好ましく、この場合の傾斜角αは、垂線9と、2つの点を通る直線とによって規定される。当該2つの点とは、溝側面8から溝底部16への移行点14と、下側溝側面8から外周面17への移行点15とである。
概して、少なくとも第1リング溝6’における少なくとも下側溝側面8の本発明に係る実施形態によると、運転時に熱的に誘発されるピストン1の変形を、改善された態様で補償することが可能となる。その結果、ピストンリングの支持を改善することができ、それにより内燃エンジン2のオイル消費を低減することができる。
Claims (10)
- 内燃エンジン(2)用のピストン(1)であって、
ファイアランド(5)と、ピストンリングを収容するためのリング溝(6,6’)とを含むリング部(4)を有するピストンヘッド(3)を備え、
第1リング溝(6’)は、上記ファイアランド(5)に隣接して設けられ、かつ上側溝側面(7)および下側溝側面(8)を有し、
少なくとも上記第1リング溝(6’)は、ピストン軸(10)と同軸状に延びるリング溝軸(10’)を有し、
少なくとも上記第1リング溝(6’)の少なくとも上記下側溝側面(8)は、上記ピストン軸(10)に対する垂線(9)に対して傾斜角αをもって傾斜しており、
少なくとも上記下側溝側面(8)の上記傾斜角αは、周方向において変化している
ことを特徴とするピストン。 - 請求項1において、
少なくとも上記第1リング溝(6’)の上記上側溝側面(7)は、上記ピストン軸(10)に対する垂線(9)に対して傾斜角αをもって傾斜しており、
少なくとも上記上側溝側面(7)の上記傾斜角αは、周方向において変化している
ことを特徴とするピストン。 - 請求項1または2において、
少なくとも1つの別のリング溝(6)は、上側溝側面(7)および下側溝側面(8)を有し、
少なくとも上記下側溝側面(8)は、上記ピストン軸(10)に対する垂線(9)に対して傾斜角αをもって傾斜しており、
少なくとも上記下側溝側面(8)の上記傾斜角αは、周方向において変化している
ことを特徴とするピストン。 - 請求項1〜3のいずれか1項において、
上記下側溝側面(8)の上記傾斜角αは、周方向において2つの山部および2つの谷部を有する
ことを特徴とするピストン。 - 請求項1〜4のいずれか1項において、
上記傾斜角αは、−1°〜+1°である
ことを特徴とするピストン。 - 請求項5において、
少なくとも1つの上記下側溝側面(8)および/または上記上側溝側面(7)は、径方向外側に向かって高くまたは低くなっている
ことを特徴とするピストン。 - 請求項1〜6のいずれか1項において、
少なくとも1つの上記下側溝側面(8)は、上記傾斜角αがゼロである領域(11)を有する
ことを特徴とするピストン。 - 請求項1〜7のいずれか1項において、
少なくとも1つの上記下側溝側面(8)は、周方向に波状になっている
ことを特徴とするピストン。 - 請求項8において、
上記下側溝側面(8)は、周方向において2つの波山部(12)および2つの波谷部(13)を有する
ことを特徴とするピストン。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載のピストン(1)を少なくとも1つ備える内燃エンジン(2)。
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