JP2020037138A - 動力工具 - Google Patents

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Yuichi Toyoshima
祐一 豊嶋
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Abstract

【課題】 動力伝達機構の変形や破損を抑制した動力工具を提供する。【解決手段】 卓上切断機101は、回転軸167Bを有するモータ167と、切断刃Pが着脱可能な出力軸1606と、回転軸の回転に伴い回転される原動プーリ1605と、出力軸と一体に回転可能な従動プーリ1607と、原動プーリ及び従動プーリに架け渡されて原動プーリの回転に伴い従動プーリを回転させるベルト1608と、原動プーリの回転力の従動プーリへの伝達を抑制する調整機構200Aと、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、動力工具に関する。
従来から、木材やパイプ等の切断部材を切断する動力工具の一例として卓上切断機が広く用いられている。卓上切断機では、モータ軸に取付けられた第1プーリと、中間回転軸に取付けられた第2プーリと、第1プーリ及び第2プーリ間に張架された第1ベルトとからなる1段目の伝達機構により、モータ軸の回転が中間回転軸に伝達される。そして、中間回転軸に取付けられた第3プーリと、鋸刃軸に取付けられた第4プーリと、第3プーリ及び第4プーリ間に張架された第2ベルトとからなる2段目の伝達機構により、中間回転軸の回転が鋸刃軸に伝達され、鋸刃軸に装着された鋸刃が回転する。このように、ギヤを用いることなくモータの回転を減速して鋸刃に伝達可能であるため、ギヤの噛合による騒音が発生しないという利点があった。
特開2015−163441号公報
しかしながら、従来の卓上切断機において、鋸刃が加工材に噛みこんで鋸刃軸が回転し難くなったときに、伝達機構を介して伝達されるモータからの回転力により、ベルトの破断やプーリの破損などが生じる可能性があった。
そこで、本発明は、鋸刃に作用する負荷が大きくなった場合に、伝達機構の変形や破損を抑制した動力工具を提供することを目的とする。
本発明は、回転軸を有するモータと、切断刃が着脱可能な出力軸と、前記回転軸の回転に伴い回転される原動プーリと、前記出力軸と一体に回転可能な従動プーリと、前記原動プーリ及び前記従動プーリに架け渡されて前記原動プーリの回転に伴い前記従動プーリを回転させるベルトと、前記原動プーリの回転力の前記従動プーリへの伝達を抑制する調整機構と、を有する動力工具を提供する。
上記構成により、動力工具の動作中に、切断刃が切断部材に噛みこむなど過負荷状態が生じて、従動プーリの回転速度が低下または従動プーリの回転が停止しながらも、原動プーリの回転が継続する場合に、原動プーリの回転力の従動プーリへの伝達が抑制されるので、ベルトや原動プーリ、従動プーリの変形や破損を抑制できる。
好ましくは、前記調整機構は、前記原動プーリに対し前記ベルトの張り側に設けられ、前記原動プーリ及び前記従動プーリが回転するときは、前記張り側のベルトの経路長を、第1長さよりも所定長さ分だけ長い第2長さに維持し、前記調整機構は、前記従動プーリの回転速度が所定値以下に低下し且つ前記原動プーリが回転する場合に、前記経路長を前記第2長さから短くしながら前記ベルトの張り側張力の増加を抑制する。
上記構成により、原動プーリ及び従動プーリが回転するときは、調整機構によって、張り側のベルトの経路長は、第1長さよりも所定長さ分だけ長い第2長さに維持される。一方、切断刃が切断部材に噛みこむなどして従動プーリの回転速度が所定値以下に低下しながらも原動プーリの回転が継続する場合、張り側ベルトを原動プーリに向けて送ることが難しくなるため、ベルトの張り側張力が増加する。この時、張り側張力の増加に伴い、張り側ベルトの経路長が第2長さより短くなるので、短くされるベルト長さ分に応じて、ベルトの張り側張力の増加が抑制される。このため、ベルトの破断や、原動プーリ又は従動プーリの破損を抑制できる。
好ましくは、前記ベルト及び前記調整機構を収容する収容部をさらに有し、前記調整機構は、前記張り側のベルトを付勢する付勢部材を有し、前記付勢部材は、一端部が前記収容部に固定され、前記原動プーリ及び前記従動プーリが回転するとき、他端部が前記ベルトを内周面側に向けて付勢して前記張り側のベルトの経路長を前記第2長さに維持する。
好ましくは、前記ベルト及び前記調整機構を収容する収容部をさらに有し、前記調整機構は、前記収容部内の前記ベルトの内周面側に一端部が接続された弾性部材と、前記張り側のベルトの外周面側に位置して、前記弾性部材の他端部が前記ベルトを跨いで接続されて前記ベルトの外周面に当接し、さらに前記張り側のベルトの移動方向と交差する方向に摺動可能な摺動部材と、を有し、前記原動プーリ及び前記従動プーリが回転するときは、前記弾性部材が前記摺動部材を前記ベルトの内周面側に向けて引き込んで、前記張り側のベルトの経路長を前記第2長さに維持する。
好ましくは、前記ベルト及び前記調整機構を収容する収容部をさらに有し、前記調整機構は、前記ベルトの内周面で包囲される内部空間において前記収容部に設けられた回動軸を中心に回動可能な回動片と、前記回動片の一端部と前記収容部との間に設けられた弾性部材と、前記回動片の他端部に回転可能に設けられたローラと、を有し、前記原動プーリ及び前記従動プーリが回転するとき、前記弾性部材が弾性力により前記回動片の一端部を引っ張るので、前記ローラが前記ベルトの内周面を押圧し、前記張り側のベルトの経路長を前記第2長さに維持する。
好ましくは、前記ベルトは、タイミングベルトである。従って、ベルトのプーリに対する滑りの発生が抑制されて、モータの回転力が確実に出力軸に伝達される。
本発明は、さらに、回転軸を有するモータと、切断刃が着脱可能な出力軸と、前記回転軸の回転力の伝達経路上において前記回転軸と前記出力軸との間に位置する中間軸と、前記回転軸に設けられ前記回転軸と一体に回転する第1プーリと、前記中間軸の一端部に設けられた第2プーリと、前記中間軸の他端部に設けられた第3プーリと、前記出力軸と一体に回転可能な第4プーリと、前記第1プーリ及び前記第2プーリに架け渡されて前記第1プーリの回転に伴い前記第2プーリを回転させる第1ベルトと、前記第3プーリ及び前記第4プーリに架け渡されて前記第3プーリの回転に伴い前記第4プーリを回転させる第2ベルトと、前記第3プーリの回転力の前記第4プーリへの伝達を抑制する調整機構と、を有する動力工具を提供する。
上記構成により、動力工具の動作中に、切断刃が切断部材に噛みこむなど過負荷状態が生じて、第4プーリの回転速度が低下または第4プーリの回転が停止しながらも第3プーリの回転が継続する場合に、第3プーリの回転力の第4プーリへの伝達が抑制されるので、第2ベルトや第3プーリ、第4プーリの変形や破損を抑制できる。
好ましくは、前記調整機構は、前記第3プーリに対し前記第2ベルトの張り側に設けられ、前記第3プーリ及び前記第4プーリが回転するときは、前記張り側の第2ベルトの経路長を、第1長さよりも所定長さ分だけ長い第2長さに維持し、前記調整機構は、前記第4プーリの回転速度が所定値以下に低下し且つ前記第3プーリが回転する場合に、前記経路長を前記第2長さから短くしながら前記第2ベルトの張り側張力の上昇を抑制する。
上記構成により、切断作業中に第3プーリ及び第4プーリが回転するときは、調整機構によって、張り側の第2ベルトの経路長は、第1長さよりも所定長さ分だけ長い第2長さに維持される。一方、切断刃が切断部材に噛みこむなどして第4プーリの回転速度が所定値以下に低下しながらも第3プーリの回転が継続する場合に、第3プーリが張り側の第2ベルトを巻き上げることがなるため、第2ベルトの張り側張力が増加する。この時、調整機構によって、張り側の第2ベルトの経路長が第2長さより短くなるので、短くされる第2ベルトの長さ分に応じて、第2ベルトの張り側張力の増加が抑制される。このため、第2ベルトの破断や、第3プーリ又は第4プーリの破損を抑制できる。
好ましくは、前記第2ベルト及び前記調整機構を収容する収容部をさらに有し、前記調整機構は、前記張り側の第2ベルトを付勢する付勢部材を有し、前記付勢部材は、一端部が前記収容部に固定され、前記第3プーリ及び前記第4プーリが回転するとき、他端部が前記第2ベルトを内周面側に向けて付勢して前記張り側の第2ベルトの経路長を前記第2長さに維持する。
好ましくは、前記第2ベルト及び前記調整機構を収容する収容部をさらに有し、前記調整機構は、前記収容部内の前記第2ベルトの内周面側に一端部が接続された弾性部材と、前記張り側の第2ベルトの外周面側に位置し、前記弾性部材の他端部が前記ベルトを跨いで接続されて前記ベルトの外周面に当接し、さらに前記張り側の第2ベルトの移動方向と交差する方向に摺動可能な摺動部材と、を有し、前記第3プーリ及び前記第4プーリが回転するときは、前記弾性部材が前記摺動部材を前記第2ベルトの内周面側に向けて引き込んで、前記張り側の第2ベルトの経路長を前記第2長さに維持する。
好ましくは、前記第2ベルト及び前記調整機構を収容する収容部をさらに有し、前記調整機構は、前記第2ベルトの内周面で包囲される内部空間において前記収容部に設けられた回動軸を中心に回動可能な回動片と、前記回動片の一端部と前記収容部との間に設けられた弾性部材と、前記回動片の他端部に回動可能に設けられたローラと、とを有し、前記第3プーリ及び前記第4プーリが回転するとき、前記弾性部材が弾性力により前記回動片の一端部を引っ張るので、前記ローラが前記第2ベルトの内周面を押圧し、前記張り側の第2ベルトの経路長を前記第2長さに維持する。
好ましくは、前記第2ベルトは、タイミングベルトである。
本発明の動力工具は、モータの回転力を切断刃に伝達する機構の構成部品であるベルトの破断やプーリの破損を抑制することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る卓上切断機を示す左側面図である。 図2は、図1に示す卓上切断機を示す右側面図である。 図3は、図1に示す卓上切断機を示す正面図である。 図4は、図1に示す線IV−IVの断面図である。 図5(A)は、図3に示す線V−Vの断面を示し、図1の卓上切断機に設けられた調整機構であって、卓上切断機が正常に動作しているときの調整機構を示す側面図であり、図5(B)は、切断刃が過負荷状態になった時の調整機構を示す側面図である。 図6(A)は、他の構成の調整機構であって、卓上切断機が正常に動作しているときの調整機構を示す側面図であり、図6(B)は、切断刃が過負荷状態になった時の調整機構を示す側面図である。 図7(A)は、さらに別の構成の調整機構であって、卓上切断機が正常に動作しているときの調整機構を示す側面図であり、図7(B)は、切断刃が過負荷状態になった時の調整機構を示す側面図である。
本発明が適用される動力工具の実施の形態を図面を参照して説明する。図1に示す卓上切断機101は、木材やアルミサッシ等(切断部材)を切断するための電動式の動力工具であり、図1から図4に示されているように、ベース部102、ホルダ103、ガイド部104、移動部105及び切断刃Pを装着可能な切断部106を含んで構成されている。
以下の説明において、図1に示されている「上」を上方向、「下」を下方向、「前」を前方向、「後」を後方向と定義する。また、図1において紙面から手前に向かう方向を左方向、紙面から奥に向かう方向を右方向と定義する。本明細書において寸法、数値等について言及した場合には、当該寸法及び寸法等と完全に一致する寸法及び数値だけでなく、略一致する寸法及び数値等(例えば製造誤差の範囲内である場合)を含むものとする。「同一」、「直交」、「平行」、「一致」、「面一」、「一定」等についても同様に「略同一」、「略直交」、「略平行」、「略一致」、「略面一」、「略一定」等を含むものとする。なお、以下においては、特に言及しない限り、切断刃Pがベース部102の載置面102Aに対して傾動及び揺動していない状態(図1から図3に示されている状態)を基準に説明する。
図1乃至図3に示されているように、ベース部102は、ベース121、ターンテーブル122及びフェンス123を有している。
ベース121は、金属製であり、床面等に載置可能な部分である。ターンテーブル122は、金属製であり、上面に直交する図示せぬ回動軸を介してベース121と接続され、その上面がベース121の上面と略面一となるように配置されている。ベース121の上面とターンテーブル122の上面とによって切断部材が載置される載置面102Aが規定されている。ベース121及びターンテーブル122には、切断作業時に切断部106が下降した際に、切断刃Pの進入を許容する図示せぬ溝部が形成されている。
フェンス123は、ベース121に設けられ、図3に示されているように、右フェンス123Aと左フェンス123Bとを有している。右フェンス123A及び左フェンス123Bは、載置面102Aに略直交する押さえ面123aを有している。切断部材を切断する際には、フェンス123の押さえ面123aに切断部材Wの一面を当接することにより、安定した切断加工を行うことが可能となる。
図1乃至図3に示されているように、ターンテーブル122の前部には、操作部124が設けられている。操作部124は、ターンテーブル122の回動操作及び回動位置固定操作を行う際に、ユーザが操作する部分である。また、図3に示されているように、ターンテーブル122の後部には、傾動軸125及び突出部126が設けられている。傾動軸125は、切断刃Pの側面と平行に前後方向に延び且つその中心軸がターンテーブル122の上面と一致するように設けられている。突出部126は、ベース121の後部から上方に突出しており、傾動軸125の中心軸を中心として円弧上の長穴126aが形成されている。
図1及び図2に示されているように、ホルダ103は、ベース121と切断部106との間に設けられている。ホルダ103は、ターンテーブル122の後部において上方に立設しており、その下部が傾動軸125を中心として傾動可能に支持されている。これにより、ホルダ103は、ターンテーブル122に対して左右方向に傾動可能である。ホルダ103には長穴126aと一致する位置に図示せぬ螺合孔が形成されており、この螺合孔にはクランプレバー131が螺合する。
図2に示されているように、ガイド部104は、ホルダ103に固定され、第1ロッド141、第2ロッド142及び連結部材143を有している。第1ロッド141及び第2ロッド142は、パイプ材等の高剛性材料によって形成されている。第1ロッド141は、ベース部102の載置面102Aに平行且つ切断刃Pの回転軸心に直交する方向(前後方向)に延びている。第2ロッド142は、第1ロッド141に平行に延び、第1ロッド141よりも下側に位置している。第1ロッド141及び第2ロッド142は、互いに同一の長さであるとともに、ターンテーブル122の長手方向(前後方向)よりも短い。第1ロッド141及び第2ロッド142は、ホルダ103のターンテーブル122に対する左右方向の傾動によって、ホルダ103とともに左右方向に傾動する。
移動部105は、切断部106をベース部方向及び反ベース部方向に回動可能に支持すると共に、ガイド部104に対して前後方向に摺動自在に支持されている。移動部105は、図2に示されているように、スライド部151及び切断部支持部152を有している。
スライド部151は、第1ロッド141及び第2ロッド142に跨るように設けられている。スライド部151には、第1ロッド141及び第2ロッド142が挿通されている。これにより、スライド部151は、ホルダ103と連結部材143との間を第1ロッド141及び第2ロッド142に沿って摺動するように構成されている。
切断部支持部152は、スライド部151に支持されている。切断部支持部152には、図1及び図2に示されているように、第1ロッド141及び第2ロッド142の軸方向(前後方向)と直交する方向(左右方向)に延びる回動軸152Aが固定されている。切断部支持部152は、回動軸152Aを中心としてベース部方向及び反ベース部方向に回動可能に切断部106を支持している。切断部支持部152は、図示せぬスプリングによって通常は反ベース方向に付勢されて上限位置に位置する。
図4に示されているように、切断部106は、モータ167、伝達機構部160を含んで構成され、ハウジング106Aによってその一部が覆われている。
図1乃至図4に示されているように、切断部106のハウジング106Aは、ソーカバー161、保護カバー162、モータハウジング163、ギヤケース164及びギヤカバー165を含んで構成されている。
図1に示されているように、ソーカバー161は、切断刃Pの一部外周を覆っている。保護カバー162は、ソーカバー161内に収容可能であり、ソーカバー161より突出する部分の切断刃Pの外周を覆うようにソーカバー161に回動可能に設けられている。
保護カバー162は、図1に示されているように、切断部106が上方に回動している状態では、ソーカバー161より突出する部分の切断刃Pの外周を覆う位置に回動し、切断部106が下方に回動している状態(不図示)では、図示せぬリンク機構によってソーカバー161内に収容され、ソーカバー161より突出する部分の切断刃Pの外周を露出させる位置に回動する。
モータハウジング163は、左右方向に延びる略円筒形状をなし、その左側面には、図1に示されているように、スリット形状の吸気口163aが形成されている。モータハウジング163には、ハンドル部166が一体的に設けられている。ハンドル部166は、切断刃P側面の延長線上に位置している。ハンドル部166には、モータハウジング163内に収容されるモータ167の駆動を制御するスイッチ166Aが設けられている。
図3及び図4に示されているように、ギヤケース164は、モータハウジング163の左側開口部に連結し、切断刃Pと平行な方向に延びる壁部を有している。ギヤカバー165は、ギヤケース164の下部の右側開口部と連結し、切断刃Pと平行な方向に延びる壁部を有している。伝達機構部160は、ギヤケース164の内面とギヤカバー165の内面とによって画成された空間に配置されている。
図4に示されているように、モータ167は、モータハウジング163の内部に収容され、モータ本体167A、回転駆動するモータ軸167B、ファン167C及びコミュテータ167Dを有している。モータ軸167Bは、略円柱形状をなし、モータ本体167Aの左右方向に延びるように配置されている。モータ軸167Bの左端部は、ベアリング167aを介してモータハウジング163に回転可能に支持されている。モータ軸167Bの右端部は、ギヤケース164の外側(右側)に突出している。モータ軸167Bの右端部は、ベアリング167bを介してギヤケース164に回転可能に支持されている。モータ軸167Bは、本発明における「回転軸」の一例である。
ファン167Cは、モータ本体167Aの右側において、モータ軸167Bに固定されている。ファン167Cは、モータ軸167Bと一体に回転し、モータハウジング163の吸気口163aから外気を吸入し、ギヤケース164に形成されている排気口(不図示)から排気することによって、モータ本体167Aやコミュテータ167D等を冷却する。
伝達機構部160は、2段ベルト方式でモータ167の回転を切断刃Pに伝達する部分である。伝達機構部160は、図4に示されているように、第1プーリ1601、中間軸1602、第2プーリ1603、第1ベルト1604、第3プーリ1605、スピンドル1606、第4プーリ1607及び第2ベルト1608を備えている。このうち、第1プーリ1601、第2プーリ1603及び第1ベルト1604は、1段目の伝達機構を構成し、第3プーリ1605、第4プーリ1607及び第2ベルト1608は、2段目の伝達機構を構成する。
また、第3プーリ1605、第4プーリ1607及び第2ベルト1608からなる2段目の伝達機構は、ギヤケース164の左側面及びギヤカバー165の内面によって画成された空間としてのベルト室Sに収容されている。ベルト室Sは、本発明の「収容部」の一例である。
第1プーリ1601は、Vプーリであり、外周面に周方向に延びる溝が形成されている。第1プーリ1601は、ギヤケース164の内側において、モータ軸167Bの左端部に固定され、モータ軸167Bと一体に回転する。
中間軸1602は、モータ軸167Bの回転力の伝達経路上において、モータ軸167Bとスピンドル1606との間に位置している。中間軸1602は、略円柱形状をなし、モータ軸167Bと平行に左右方向に延びるように配置されている。中間軸1602は、ベアリング170a及びベアリング170bを介してギヤケース164に回転可能に取り付けられている。すなわち、中間軸1602は、2つの軸受によって回転可能に支持されている。
第2プーリ1603は、Vプーリであり、左右方向に延びる略円筒形状をなし、外周面に周方向に延びる溝が形成されている。第2プーリ1603の外径は、第1プーリ1601の外径よりも大きい。第2プーリ1603には、中間軸1602の右端部が挿通されている。
第1ベルト1604は、無端状に形成された樹脂製のエンドレスベルトであり、内周面に長尺方向に延びる溝が形成されたVベルトである。第1ベルト1604は、第1プーリ1601の外周及び第2プーリ1603の外周に架け渡されることによって、第1プーリ1601及び第2プーリ1603間に張られる。すなわち、第1ベルト1604は、回転力の伝達経路上において第1プーリ1601及び第2プーリ1603からなる一対のプーリによって、周回可能に保持される。第1プーリ1601及び第2プーリ1603がVプーリであり、第1ベルト1604がVベルトであるため、切断刃Pにおいて規定外の高負荷が生じた場合であっても、VベルトがVプーリの外周を滑るため、回転力を伝達する各部品の破損が抑制される。なお、第1ベルト1604は、本発明における「第1ベルト」の一例である。
第3プーリ1605は、タイミングプーリであり、左右方向に延びる略円筒形状をなし、外周面に歯車形状の凹凸が形成されている。第3プーリ1605は、中間軸1602の中央部よりも左側に圧入により固定され、中間軸1602と一体に回転可能である。第3プーリは、本発明における「原動プーリ」又は「第3プーリ」の一例である。
スピンドル1606は、略円柱形状をなし、モータ軸167B及び中間軸1602と平行に、左右方向に延びるように配置されている。スピンドル1606は、ベアリング171aを介してギヤケース164に回転可能に支持されるとともに、ベアリング171bを介してギヤカバー165に回転可能に支持される。スピンドル1606の左端部には、切断刃Pを装着するためのボルト等の締結具を有する装着部1606Aが設けられている。装着部1606Aは、ギヤカバー165の外側(左側)に突出している。スピンドル1606は、本発明における「出力軸」の一例である。
第4プーリ1607は、タイミングプーリであり、左右方向に延びる略円筒形状をなし、外周面に歯車形状の凹凸が形成されている。第4プーリ1607は、第3プーリ1605よりも大きな外径を有している。第4プーリ1607は、スピンドル1606の中央部よりも右側に圧入により固定され、スピンドル1606と一体に回転可能である。第4プーリ1607は、本発明における「従動プーリ」又は「第4プーリ」の一例である。
第2ベルト1608は、無端状に形成された樹脂製のエンドレスベルトであって、内周面には、回転軸方向に延びる歯が円周方向に所定間隔で複数形成されたタイミングベルトである。第2ベルト1608は、第3プーリ1605及び第4プーリ1607の外周に架け渡されて、第3プーリ1605及び第4プーリ1607間に張られる。このとき、第2ベルト1608の内周面の凹凸と、第3プーリ1605及び第4プーリ1607の外周面の凹凸とが噛み合うことで、第3プーリ1605の回転に伴い、第2ベルト1608の周回を介して第4プーリ1607が回転される。すなわち、第3プーリ1605が原動プーリとして、第4プーリ1607が従動プーリとして、第3プーリ1605の回転力が第2ベルト1608を介して第4プーリ1607に伝達される。従って、モータ167の回転力がスピンドル1606に伝達されるので、切断刃Pは回転可能となる。なお、第2ベルト1608は、本発明の「ベルト」又は「第2ベルト」の一例である。
ベルト室Sは、切断刃Pの側面と略平行に延在する側壁S1と、側壁S1の周縁部と接続された略筒状の内周壁S2とから構成される。
ベルト室Sにおいて、第3プーリ1605は、1段目の伝達機構部によって伝達されたモータ167の回転力によって、図5(A)に示すように、矢印A方向に回転する。従って、2段目の伝達機構において、第3プーリ1605のA方向への回転により、第2ベルト1608は、周回方向Aに周回する。従って、第2ベルト1608は、第3プーリ1605を基準として、張り側に位置する張り側第2ベルト1608Aと、緩み側に位置する緩み側第2ベルト1608Bとに分けられる。
また、伝達機構部160は、第3プーリ1605の回転力が第4プーリ1607へと伝達することを抑制する調整機構200Aを有する。調整機構200Aを図1及び図5(A)を参照して説明する。なお、図5(A)は、図3の線V−Vの断面図である。
図5(A)に示すように、張り側第2ベルト1608Aに対向する内周壁S2には、内周壁S2の法線方向とほぼ交差する方向を長手方向として筒状に延びる孔201が形成される。孔201の中には調整機構200Aが設けられている。調整機構200Aは、孔201に挿入されたコイルばね202と、コイルばね202の一端部に回転自在に取り付けられたホイール203とからなる。
コイルばね202の他端部は、孔201の底部に設けたネジの端部に当接する。ホイールの周面は、張り側の第2ベルト1608の外周面に接触して、第2ベルト1608の周回に伴いホイール203は回転される。また、ホイール203は、第2ベルト1608を内周面側に向けて押圧するようになっている。
上記構成において、図5(A)に示すように、張り側第2ベルト1608Aにおいて、第2ベルト1608の内周面の歯が、第4プーリ1607の外周面に位置する歯との係合の解除が始まる点をP1とし、第3プーリ1605の外周面に位置する歯との係合が開始する点をP2とすると、P1とP2との間に位置する第2ベルト1608の長さが、張り側第2ベルト1608Aの経路長になる。調整機構200Aのない状態では、経路長は、P1とP2とを線状に結んだ第1の長さL1である。
調整機構200Aは、卓上切断機101の通常の動作状態では、コイルばね202の弾性力により張り側第2ベルト1608Aを内周面側に向けて押圧するので、張り側第2ベルト1608Aの撓みδが生じ、P1とP2との間の張り側第2ベルト1608Aの長さは、長さL1よりも長い長さL2になる。なお、卓上切断機101の通常の動作状態とは、切断刃Pによる切断作業中、切断刃Pが切断部材Wに噛みこんだりせず、また、切断刃Pに作用する負荷が過剰にならず、第3プーリ1605及び第4プーリ1607の各々が所定範囲内の速度で正常に回転している状態をさす。
次に、卓上切断機101の動作について説明する。
切断部材Wを切断するには、ハンドル部166に設けたスイッチ166Aを操作してモータ167を回転させ、スピンドル1606を中心に切断刃Pを回転させる。この状態で、ハンドル部166を握りスプリング(図示せず)の付勢力に抗して切断部106を押し下げ、切断部材Wを切断する。切断刃Pがターンテーブル122の溝部内へ侵入し切断部材Wの切断が完了したときに切断部106への押し下げ力を解除すると、切断部106はスプリングの付勢力によって元の上限位置に復帰する。
次に、伝達機構部160の動作について詳細に説明する。モータ167が回転すると、モータ軸167Bの回転と共に第1プーリ1601が回転し、第1プーリ1601の回転力が第1ベルト1604を介して第2プーリ1603に伝達されて第2プーリ1603が回転する。第2プーリ1603の回転と共に第3プーリ1605が回転し、第3プーリ1605の回転力が、第2ベルト1608を介して第4プーリ1607に伝達されて第4プーリ1607が回転する。第4プーリ1607の回転と共にスピンドル1606が回転して切断刃Pが回転するので、切断刃Pによる切断部材Wの切断が可能となる。
このとき、2段目の伝達機構では、図5(A)に示すように、第3プーリ1605が原動プーリとなって矢印A方向に回転する。第3プーリ1605の回転に伴い、第2ベルト1608は、A方向と同じ方向Aに周回し、第3プーリ1605の動力を第4プーリ1607に伝達する。この動力により第4プーリ1607が回転される。第2ベルト1608は、周回に伴い第3プーリ1605の歯と係合し、緩み側を通過した後、第4プーリ1607の歯と係合して第4プーリ1607を回転させる。次に、第2ベルト1608は、位置P1にて第4プーリ1607の歯との係合が解除される。
張り側において、第2ベルト1608は、調整機構200Aのホイール203と接触して、第2ベルト1608の周回方向に作用する張り側張力に係らず、周回方向と交差する方向に作用するコイルばね202の弾性力によって内周面側に押圧されつつ張り側を通過する。調整機構200Aによる張り側第2ベルト1608Aの押込み長さδは、コイルばね202による弾性力と、弾性力の反対方向に作用する張り側第2ベルト1608Aの張り側張力の成分との釣り合いによって決まる。コイルばね202による弾性力が、弾性力の反対方向に作用する張り側第2ベルト1608Aの張り側張力の成分より大きい場合、押し込み長さδの最大長さは、調整機構200Aが孔201の端部と突き当たる位置によって規制される。
切断作業が順調に進行している場合、調整機構200Aは、第2ベルト1608を図5(A)に示す状態に維持する。
しかし、切断刃Pが切断部材Wに噛みこむなどして、切断刃Pに対する負荷が過負荷状態になったり、または、切断刃Pの回転がロックされたりすると、第4プーリ1607の回転速度が所定値以下に低下したり、または第4プーリ1607の回転が停止したりする。このようにして、第4プーリ1607の回転速度が所定値以下に低下した状態が、過負荷状態である。このとき、モータ167は回転を継続しているので、原動プーリである第3プーリ1605は回転を継続する。従って、第3プーリ1605は、第2ベルト1608の張り側張力により第2ベルト1608を巻き上げて、第4プーリ1607を回転させようとする。
しかし、第4プーリ1607の回転が実質的に停止状態にあって第4プーリ1607が第2ベルト1608を送り出すことができないため、張力そのものが増大する。
このときに、第2ベルト1608の張り側張力の増加に伴い、張り側第2ベルト1608Aの外周面は、コイルばね202の付勢力に抗して徐々に第2ベルト1608の外周側に向けて移動する。これにより、第2ベルト1608の経路長は、長さL2より徐々に短くなり、短くなった長さ分を、第3プーリ1605への送り量として供することが可能となる。すなわち、予め長くしていた長さL2の経路長を徐々に短くすることによって、張り側張力の上昇を遅らせたり、または張り側張力の瞬間的な上昇を抑制することが可能となる。
従って、第2ベルト1608の破断や、過剰な張力が作用することによる第3プーリ1605又は第4プーリ1607の破損を抑制することができる。
また、例えば第4プーリ1607の回転を検出するセンサを設け、第2ベルト1608の張り側張力の上昇を抑制している間に、当該センサからの出力を基に、モータ167の回転を停止させることも可能になる。すなわち、急激な負荷上昇を検出した際にモータ167を停止する制御を採用する場合、制御の実行に時間的な余裕が生まれる。これにより、第2ベルト1608の破断や、第3プーリ1605又は第4プーリ1607の歯欠け、第2ベルト1608の第3プーリ1605に対する歯飛びなどをより好適に抑制することができる。
次に第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態に係る卓上切断機は、調整機構以外は第1の実施の形態の卓上切断機と構成が同じであるため説明を省略する。第2の実施の形態に係る卓上切断機は、調整機構200Bを備える。調整機構200Bの構成を図6(A)を参照して説明する。
図6(A)に示すように、調整機構200Bは、ベルト室Sに収容されている。ベルト室Sは、切断刃Pの側面と略平行に延在する側壁S1と、側壁S1の周縁部と接続された略筒状の内周壁S2とから構成される。調整機構200Bは、コイルばね210と、張り側第2ベルト1608Aの外周側に配置された摺動部材としてのホイール211とからなる。
コイルばね210は、第2ベルト1608の内周面側の側壁S1の内面に配置され、コイルばね210の一端部は、側壁S1から突設された突起212に係止されている。ホイール211は、張り側第2ベルト1608Aの外周面側に配置され、側壁S1に設けられた長溝213に沿って摺動可能に取り付けられ、張り側第2ベルト1608Aの移動方向と交差する方向に移動可能に設けられている。コイルばね210の他端部とホイール211とは、連結片214によって張り側第2ベルト1608Aを跨いで接続されている。
上記構成において、図6(A)に示すように、張り側第2ベルト1608Aにおいて、第2ベルト1608の内周面の歯が、第4プーリ1607の外周面に位置する歯との係合の解除が始まる点をP1とし、第3プーリ1605の外周面に位置する歯との係合が開始する点をP2とすると、P1とP2との間に位置する第2ベルト1608の長さが、張り側第2ベルト1608Aの経路長となる。調整機構200Bのない状態では、経路長は、P1とP2とを直線的に結んだ第1の長さL1である。
調整機構200Bは、卓上切断機101の通常の動作状態では、コイルばね210の弾性力によりホイール211を介して張り側第2ベルト1608Aを第2ベルト1608の内周側に押圧するので、張り側第2ベルト1608Aの撓みδが生じ、P1とP2との間の第2ベルト1608の長さは、長さL1よりも長い長さL2になる。
次に、調整機構200Bの動作について説明する。
切断作業が順調に進行している場合、2段目の伝達機構は、図6(A)に示す状態を維持してモータ167の回転力をスピンドル1606に伝達して切断刃Pの回転を維持する。
しかし、切断刃Pが切断部材Wに噛みこむなどして、切断刃Pに対する負荷が過負荷状態になったり、または、切断刃Pの回転がロックされたりすると、第4プーリ1607の回転速度が所定値以下に低下したり、または実質的に第4プーリ1607の回転が停止したりする。このとき、モータ167は回転を継続しているので、原動プーリである第3プーリ1605は、回転を継続するので、第2ベルト1608の張り側張力により第2ベルト1608を巻き上げて、第4プーリ1607を回転させようとする。
しかし、第4プーリ1607の回転が実質的に停止状態にあって第4プーリ1607が第2ベルト1608を送り出すことができないため、張力そのものが増大する。
このときに、第2ベルト1608の張り側張力の増加に伴い、張り側第2ベルト1608Aの外周面は、コイルばね210の弾性力に抗して徐々に第2ベルト1608の外周側に向けて移動する。すなわち、ホイール211は長溝213に沿ってコイルばね210より離れる方向に移動する。これに伴い、第2ベルト1608の経路長は、長さL2より徐々に短くなり、短くなった長さ分を、第3プーリ1605への送り量として供することが可能となる。すなわち、予め長くしていた長さL2の経路長を徐々に短くすることによって、張り側張力の上昇を遅らせたり、または張り側張力の瞬間的な上昇を抑制したりすることが可能となる。
従って、第2ベルト1608の破断や、過剰な張力が作用することによる第3プーリ1605又は第4プーリ1607の破損を抑制することができる。
第2ベルト1608の張り側張力の上昇を抑制している間に、例えば第4プーリ1607の回転を検出するセンサからの出力を元に、モータ167の回転を停止させることができる。これにより、第2ベルト1608の破断や、第3プーリ1605又は第4プーリ1607の歯欠け、第2ベルト1608の第3プーリ1605に対する歯飛びなどを抑制することができる。
次に第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態に係る卓上切断機は、調整機構以外は第1の実施の形態の卓上切断機と構成が同じであるため説明を省略する。第3の実施に係る卓上切断機は、調整機構200Cを備える。調整機構200Cの構成を図7(A)を参照して説明する。
図7(A)に示すように、調整機構200Cは、ベルト室Sに収容されている。ベルト室Sは、切断刃Pの側面と略平行に延在する側壁S1と、側壁S1の周縁部と接続された筒状の内周壁S2とから構成される。調整機構200Cは、第2ベルト1608の内周面内の側壁S1に回動軸220を中心に回動可能に取り付けられた回動片221と、コイルばね222と、ローラ223とからなる。
回動片221は、三角形状をなし、三角形の頂点のうち、一の頂点近傍に回動軸220が設けられ、残りの頂点のうち可動な第1端部221aと、側壁S1の突起224との間にコイルばね222が取り付けられいる。この構成により、コイルばね222の伸び縮みに伴い、回動片221は回動可能になる。回動片の可動な第2端部221bには、外周面に複数の歯が形成されたローラ223が回転可能に取り付けられている。ローラ223の歯は、第2ベルト1608の内周面に形成された歯と係合可能に形成されている。
上記構成において、図7(A)に示すように、第2ベルト1608の張り側において、張り側第2ベルト1608Aの内周面の歯がローラ223の歯と係合するとともに、コイルばね222の弾性力により回動片221の第1端部221aが突起224に近づくように引っ張り込まれる。これにより、ローラ223が張り側第2ベルト1608Aの外周面を内周壁S2に近づくように移動させる。第4プーリ1607の外周面に位置する歯との係合の解除が始まる点をP1とし、第3プーリ1605の外周面に位置する歯との係合が開始する点をP2とすると、P1とP2との間に位置する第2ベルト1608の長さが、張り側第2ベルト1608Aの経路長となる。調整機構200Cのない状態では、経路長は、P1とP2とを直線的に結んだ第1の長さL1である。
調整機構200Cは、卓上切断機101の通常の動作状態では、コイルばね222が回動片221の第1端部221aを引っ張り、回動片221が回動軸220を中心に回動して、回動片221の第2端部221bが張り側第2ベルト1608Aの内周面に近接する。その結果、第2端部221bに取付けられたローラ223が張り側第2ベルト1608Aの内周面を外方に向けて押し出すので、押し出す長さδに相当する長さ分だけ経路長を長くする。その結果、P1とP2との間の第2ベルト1608の長さは、長さL1よりも長い長さL2になる。
次に、調整機構200Cの動作について説明する。
切断作業が順調に進行している場合、2段目の伝達機構は、図7(A)に示す状態を維持してモータ167の回転力をスピンドル1606に伝達して切断刃Pの回転を維持する。
しかし、切断刃Pが切断部材Wに噛みこむなどして、切断刃Pに対する負荷が過負荷状態になったり、または、切断刃Pの回転がロックされたりすると、第4プーリ1607の回転速度が所定値以下に低下したり、または実質的に第4プーリ1607の回転が停止したりする。このとき、モータ167は回転を継続しているので、原動プーリである第3プーリ1605は、回転を継続するので、第2ベルト1608の張り側張力により第2ベルト1608を巻き上げて、第4プーリ1607を回転させようとする。
しかし、第4プーリ1607の回転が実質的に停止状態にあって第4プーリ1607が第2ベルト1608を送り出すことができないため、張力そのものが増大する。
このときに、第2ベルト1608の張り側張力の増加に伴い、張り側第2ベルト1608Aは、ローラ223を回転させながら回動片221を回動させてコイルばね222の弾性力に対抗して張り側第2ベルト1608Aを徐々に内周側に向けて移動させる。これに伴い、図7(B)に示すように、第2ベルト1608の経路長は、長さL2より徐々に短くなり、短くなった長さ分を、第3プーリ1605への送り量として供することが可能になる。すなわち、予め長くしていた長さL2の経路長を徐々に短くすることによって、張り側張力の上昇を遅らせたり、または張り側張力の瞬間的な上昇を抑制したりすることが可能となる。
従って、第2ベルト1608の破断や、過剰な張力が作用することによる第3プーリ1605又は第4プーリ1607の破損を抑制することができる。
第2ベルト1608の張り側張力の上昇を抑制している間に、例えば第4プーリ1607の回転を検出するセンサからの出力を元に、モータ167の回転を停止させることができる。これにより、第2ベルト1608の破断や、第3プーリ1605又は第4プーリ1607の歯欠け、第2ベルト1608の第3プーリ1605に対する歯飛びなどを抑制することができる。
本発明を上記実施の形態に基づき説明した。しかしながら、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、原動プーリ(第3プーリ)の回転力の従動プーリ(第4プーリ)への伝達を抑制する調整機構として、原動プーリ及び従動プーリが回転するときは、張り側のベルトの経路長を、第1長さよりも所定長さ分だけ長い第2長さに維持し、従動プーリの回転速度が所定値以下に低下し且つ原動プーリが回転する場合に、経路長を第2長さから短くしながらベルトの張り側張力の増加を抑制する構成であれば、適宜の構成を用いることができる。
101 卓上切断機
167 モータ
167B 回動軸
200A、200B、200C 調整機構
1601 第1プーリ
1602 中間軸
1603 第2プーリ
1604 第1ベルト
1605 第3プーリ
1606 スピンドル
1607 第4プーリ
1608 第2ベルト

Claims (12)

  1. 回転軸を有するモータと、
    切断刃が着脱可能な出力軸と、
    前記回転軸の回転に伴い回転される原動プーリと、
    前記出力軸と一体に回転可能な従動プーリと、
    前記原動プーリ及び前記従動プーリに架け渡されて前記原動プーリの回転に伴い前記従動プーリを回転させるベルトと、
    前記原動プーリの回転力の前記従動プーリへの伝達を抑制する調整機構と、
    を有することを特徴とする動力工具。
  2. 前記調整機構は、前記原動プーリに対し前記ベルトの張り側に設けられ、前記原動プーリ及び前記従動プーリが回転するときは、前記張り側のベルトの経路長を、第1長さよりも所定長さ分だけ長い第2長さに維持し、
    前記調整機構は、前記従動プーリの回転速度が所定値以下に低下し且つ前記原動プーリが回転する場合に、前記経路長を前記第2長さから短くしながら前記ベルトの張り側張力の増加を抑制することを特徴とする請求項1記載の動力工具。
  3. 前記ベルト及び前記調整機構を収容する収容部をさらに有し、
    前記調整機構は、前記張り側のベルトを付勢する付勢部材を有し、
    前記付勢部材は、一端部が前記収容部に固定され、
    前記原動プーリ及び前記従動プーリが回転するとき、他端部が前記ベルトを内周面側に向けて付勢して前記張り側のベルトの経路長を前記第2長さに維持することを特徴とする請求項2記載の動力工具。
  4. 前記ベルト及び前記調整機構を収容する収容部をさらに有し、
    前記調整機構は、
    前記収容部内の前記ベルトの内周面側に一端部が接続された弾性部材と、
    前記張り側のベルトの外周面側に位置して、前記弾性部材の他端部が前記ベルトを跨いで接続されて前記ベルトの外周面に当接し、さらに前記張り側のベルトの移動方向と交差する方向に摺動可能な摺動部材と、
    を有し、
    前記原動プーリ及び前記従動プーリが回転するときは、前記弾性部材が前記摺動部材を前記ベルトの内周面側に向けて引き込んで、前記張り側のベルトの経路長を前記第2長さに維持することを特徴とする請求項2に記載の動力工具。
  5. 前記ベルト及び前記調整機構を収容する収容部をさらに有し、
    前記調整機構は、
    前記ベルトの内周面で包囲される内部空間において前記収容部に設けられた回動軸を中心に回動可能な回動片と、
    前記回動片の一端部と前記収容部との間に設けられた弾性部材と、
    前記回動片の他端部に回転可能に設けられたローラと、
    を有し、
    前記原動プーリ及び前記従動プーリが回転するとき、前記弾性部材が弾性力により前記回動片の一端部を引っ張るので、前記ローラが前記ベルトの内周面を押圧し、前記張り側のベルトの経路長を前記第2長さに維持することを特徴とする請求項2記載の動力工具。
  6. 前記ベルトは、タイミングベルトであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の動力工具。
  7. 回転軸を有するモータと、
    切断刃が着脱可能な出力軸と、
    前記回転軸の回転力の伝達経路上において前記回転軸と前記出力軸との間に位置する中間軸と、
    前記回転軸に設けられ前記回転軸と一体に回転する第1プーリと、
    前記中間軸の一端部に設けられた第2プーリと、
    前記中間軸の他端部に設けられた第3プーリと、
    前記出力軸と一体に回転可能な第4プーリと、
    前記第1プーリ及び前記第2プーリに架け渡されて前記第1プーリの回転に伴い前記第2プーリを回転させる第1ベルトと、
    前記第3プーリ及び前記第4プーリに架け渡されて前記第3プーリの回転に伴い前記第4プーリを回転させる第2ベルトと、
    前記第3プーリの回転力の前記第4プーリへの伝達を抑制する調整機構と、
    を有することを特徴とする動力工具。
  8. 前記調整機構は、前記第3プーリに対し前記第2ベルトの張り側に設けられ、前記第3プーリ及び前記第4プーリが回転するときは、前記張り側の第2ベルトの経路長を、第1長さよりも所定長さ分だけ長い第2長さに維持し、
    前記調整機構は、前記第4プーリの回転速度が所定値以下に低下し且つ前記第3プーリが回転する場合に、前記経路長を前記第2長さから短くしながら前記第2ベルトの張り側張力の上昇を抑制することを特徴とする請求項7記載の動力工具。
  9. 前記第2ベルト及び前記調整機構を収容する収容部をさらに有し、
    前記調整機構は、前記張り側の第2ベルトを付勢する付勢部材を有し、
    前記付勢部材は、一端部が前記収容部に固定され、
    前記第3プーリ及び前記第4プーリが回転するとき、他端部が前記第2ベルトを内周面側に向けて付勢して前記張り側の第2ベルトの経路長を前記第2長さに維持することを特徴とする請求項8記載の動力工具。
  10. 前記第2ベルト及び前記調整機構を収容する収容部をさらに有し、
    前記調整機構は、
    前記収容部内の前記第2ベルトの内周面側に一端部が接続された弾性部材と、
    前記張り側の第2ベルトの外周面側に位置し、前記弾性部材の他端部が前記ベルトを跨いで接続されて前記ベルトの外周面に当接し、さらに前記張り側の第2ベルトの移動方向と交差する方向に摺動可能な摺動部材と、を有し、
    前記第3プーリ及び前記第4プーリが回転するときは、前記弾性部材が前記摺動部材を前記第2ベルトの内周面側に向けて引き込んで、前記張り側の第2ベルトの経路長を前記第2長さに維持することを特徴とする請求項8に記載の動力工具。
  11. 前記第2ベルト及び前記調整機構を収容する収容部をさらに有し、
    前記調整機構は、
    前記第2ベルトの内周面で包囲される内部空間において前記収容部に設けられた回動軸を中心に回動可能な回動片と、
    前記回動片の一端部と前記収容部との間に設けられた弾性部材と、
    前記回動片の他端部に回動可能に設けられたローラと、
    とを有し、
    前記第3プーリ及び前記第4プーリが回転するとき、前記弾性部材が弾性力により前記回動片の一端部を引っ張るので、前記ローラが前記第2ベルトの内周面を押圧し、前記張り側の第2ベルトの経路長を前記第2長さに維持することを特徴とする請求項8記載の動力工具。
  12. 前記第2ベルトは、タイミングベルトであることを特徴とする請求項7から11のいずれか一に記載の動力工具。
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