JP2020033291A - 練歯磨組成物 - Google Patents
練歯磨組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020033291A JP2020033291A JP2018160296A JP2018160296A JP2020033291A JP 2020033291 A JP2020033291 A JP 2020033291A JP 2018160296 A JP2018160296 A JP 2018160296A JP 2018160296 A JP2018160296 A JP 2018160296A JP 2020033291 A JP2020033291 A JP 2020033291A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- component
- content
- toothpaste composition
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Abstract
Description
こうしたなか、口腔内において、歯垢や舌苔等によるバイオフィルムの形成をさらに効果的に抑制する練歯磨組成物を得ようとするにあたって、上記特許文献1〜3では、κ−カラギーナンに着目しつつも、液分離を抑制しながら保存安定性や使用感等を高めようとすることに留まるのみであることから、別途さらなる検討が必要である。一方、上記特許文献4には、「キサンタンガムおよびグアールガム、及びトラガカントガムは試験したうちでもっとも効果的であり、各々濃度0.05%、0.15%および0.35%で凝集を50%抑制する作用があった。」及び「試験した最も高濃度のものは0.5%カラジーナンであるが、これは濃厚すぎるためいずれの方法でも凝集を評価することができないような溶液であった」との記載があり、バイオフィルムの形成を効果的に抑制するには、未だ不十分な検討に留まるものであることは明らかである。
すなわち、本発明は、良好な使用感を保持しつつ、優れたバイオフィルムの形成抑制効果を発揮することのできる練歯磨組成物に関する。
(A)κ−カラギーナン(a1)を含む粘結剤
(B)アルキル硫酸塩及びN−アシルアミノ酸塩から選ばれる1種又は2種以上のアニオン界面活性剤
を含有し、
組成物中における成分(a1)の含有量が1.2質量%以上7質量%以下であり、かつ
組成物中における成分(a1)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((a1)/(B))が0.25以上5以下である練歯磨組成物を提供するものである。
本発明の練歯磨組成物は、成分(A)の粘結剤として、成分(a1)のκ−カラギーナンを含む。従来より粘結剤としての使用で知られるカラギーナンには、硫酸基の位置や数が異なるκ−カラギーナン、ι−カラギーナン、及びλ−カラギーナンなる3種類が存在するなか、図1にも示すように、κ−カラギーナンはアニオン界面活性剤と併用することによって、全く予想外にもその他の種類には認められない優れたバイオフィルムの形成抑制効果を発揮することが判明したため、本発明においてこれを用いるものである。
アルキル硫酸塩としては、好ましくは炭素数6から30の直鎖又は分岐のアルキル硫酸塩であり、より好ましくは炭素数8から24の直鎖又は分岐のアルキル硫酸塩であり、更に好ましくは炭素数8から18の直鎖又は分岐のアルキル硫酸塩である。具体的には、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、パルミチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、成分(a1)との相乗的なバイオフィルムの形成抑制効果を有効に発揮する観点から、ミリスチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
フィチン酸は、別名myo−イノシトール6リン酸ともいい、イノシトールリン酸エステル化合物である。フィチン酸の塩としては、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等が挙げられ、なかでもアルカリ金属塩が好ましい。
なお、成分(D)の水の含有量は、配合した水分量及び配合した成分中の水分量から計算によって算出することもできるが、例えばカールフィッシャー水分計で測定することができる。カールフィッシャー水分計としては、例えば、微量水分測定装置(平沼産業(株))を用いることができる。この装置では、練歯磨組成物を5gとり、無水メタノール25gに懸濁させ、この懸濁液0.02gを分取して水分量を測定することができる。
かかる糖アルコールの含有量は、本発明の練歯磨組成物中に、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上であり、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは55質量%以下であり、さらに好ましくは50質量%以下である。
なお、B8H粘度とは、B型粘度計(TVB−10形粘度計 東機産業)を用いて測定される値を意味し、具体的には、製造後少なくとも24時間室温(25℃)で静置した練歯磨組成物を、ロータH−7、回転数2.5rpm、1分間の条件で測定することができる。
また、本発明の口腔用組成物は、バイオフィルム形成抑制剤としても使用し得る。
κ−カラギーナンにはソアギーナMV101(三菱化学フーズ(株))、ι−カラギーナンにはMV201(三菱化学フーズ(株))、λ−カラギーナンにはML200(三菱化学フーズ(株))を用い、各カラギーナン2質量%とラウリル硫酸ナトリウム2質量%をイオン交換水に混合溶解させ、試験液を作製した。
次いで、歯牙のモデルとしてエナメル質の主成分であるハイドロキシアパタイト粉末を約1cm角の平板に圧縮加工したペレット板(アパタイトペレット:HOYA株式会社製)(以下、HAP板と略す)を用い、得られた試験液をイオン交換水に溶解させたもの(試験液25質量%)1mLにヒトから採取した唾液に37℃、90分間処理したHAP板を2分間浸漬した。HAP板をイオン交換水1mLにて洗浄した後、ヒトから採取した唾液にスクロースを添加した培養液(スクロース:5質量%)に浸漬し、嫌気条件下にて37℃、1日間培養した。
培養後、HAP板表面についたバイオフィルムを歯垢染色液にて染色し、染色された面積を画像処理(RBGによる色分解後の平均値:測定機器VH-7000(キーエンス製):解析ソフトWIN ROOF(ミタニ製))にて数値化し、各々の試験液についてのバイオフィルム形成抑制率(%)を求めた。なお、カラギーナンの濃度と界面活性剤の濃度がともに0質量%である精製水を対照とした。
結果を図1に示す。
上記結果より、成分(B)の存在下においては、κ−カラギーナンは、ι−カラギーナン及びλ−カラギーナンとは異なり、優れたバイオフィルムの形成抑制効果を発揮することが確認された。
アニオン性界面活性剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウムを、ノニオン性界面活性剤としてコカミドプロピルベタイン用いて、κ−カラギーナン2質量%と各界面活性剤2質量%とをイオン交換水に混合溶解させ、試験液を作製した。
次いで、試験例1と同様の実験を行い、各々の試験液についてのバイオフィルム形成抑制率(%)を求めた。なお、対照を界面活性剤の濃度が0質量%のものとした。
結果を図2に示す。
上記結果より、成分(a1)の存在下においては、特定のアニオン性界面活性剤を用いた場合にκ―カラギーナンの単独溶液に対して優れたバイオフィルムの抑制効果を発揮し、炭素鎖の鎖長に基づき、より優れたバイオフィルムの形成抑制効果を発揮することが確認された。
表1〜5に示す処方にしたがって、水溶性成分(成分(a1)及び(B)を除く)を加熱混合した後、粉体原料と成分(a1)、成分(B)及び香料成分を混合することにより、各練歯磨組成物を得た。得られた練歯磨組成物を用い、下記方法にしたがって、評価及び測定を行った。なお、いずれの練歯磨組成物も、マグネシウム、アルミニウム、鉄、亜鉛及び錫から選ばれる1種又は2種以上の多価金属の含有量は0.01質量%未満であった。
結果を表1〜5に示す。
歯牙のモデルとして前述のHAP板を用いた。まず、得られた各練歯磨組成物をイオン交換水に溶解させて各試験液(練歯磨組成物:25質量%)を調製した。次いで、得られた試験液1mLに、ヒトから採取した唾液に37℃、90分間処理したHAPを2分間浸漬した。HAP板をイオン交換水1mLにて洗浄した後、ヒトから採取した唾液にスクロースを添加した培養液(スクロース:5質量%)に浸漬し、嫌気条件下にて37℃、1日間培養した。
培養後、HAP板表面についたバイオフィルムを歯垢染色液にて染色し、染色された面積を画像処理(RBGによる色分解後の平均値:測定機器VH-7000(キーエンス製):解析ソフトWIN ROOF(ミタニ製))にて数値化した。バイオフィルム形成量は、試験液の代わりにイオン交換水処理にて処理したときのHAP表面に形成されたバイオフィルム形成量を基準(100%)として算出した。
製造後の練歯磨組成物を粘度測定用の容器に詰め、25℃の恒温器で24時間保存した後、B型粘度計(TVB−10形粘度計 東機産業)を用いて、ロータH−7、回転数2.5rpm、1分間の条件で測定した。
Claims (13)
- 次の成分(A)及び(B):
(A)κ−カラギーナン(a1)を含む粘結剤
(B)アルキル硫酸塩及びN−アシルアミノ酸塩から選ばれる1種又は2種以上のアニオン界面活性剤
を含有し、
組成物中における成分(a1)の含有量が1.2質量%以上7質量%以下であり、かつ
組成物中における成分(a1)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((a1)/(B))が0.25以上5以下である、練歯磨組成物。 - 成分(a1)の含有量が、成分(A)100質量%中に70質量%以上である、請求項1に記載の練歯磨組成物。
- リンゴ酸、フィチン酸、クエン酸及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上の有機酸又はその塩(C)を含有する、請求項1又は2に記載の練歯磨組成物。
- 成分(C)の含有量が、酸換算量で0.5質量%以上5質量%以下である、請求項3に記載の練歯磨組成物。
- 組成物中における成分(a1)の含有量と成分(C)の含有量とのモル比((a1)/(C))が、0.00001以上0.01以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の練歯磨組成物。
- 水(D)を5質量%以上60質量%以下含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の練歯磨組成物。
- カルボキシメチルセルロースナトリウム(a3)の含有量が、成分(A100質量%中に15質量%未満である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の練歯磨組成物。
- マグネシウム、アルミニウム、鉄、亜鉛及び錫から選ばれる1種又は2種以上の多価金属の含有量が、金属原子換算量で0.5質量%未満である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の練歯磨組成物。
- 成分(B)の含有量が、0.25質量%以上2質量%以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の練歯磨組成物。
- 粉末状の外観を呈する成分(a1)を配合してなる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の練歯磨組成物。
- 成分(A)が、キサンタンガム(a2)を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の練歯磨組成物。
- 成分(a2)の含有量が、成分(A)100質量%中に2質量%以上30質量%以下である、請求項11に記載の練歯磨組成物。
- バイオフィルム形成抑制剤である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の練歯磨組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018160296A JP6960382B2 (ja) | 2018-08-29 | 2018-08-29 | 練歯磨組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018160296A JP6960382B2 (ja) | 2018-08-29 | 2018-08-29 | 練歯磨組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020033291A true JP2020033291A (ja) | 2020-03-05 |
JP6960382B2 JP6960382B2 (ja) | 2021-11-05 |
Family
ID=69667011
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018160296A Active JP6960382B2 (ja) | 2018-08-29 | 2018-08-29 | 練歯磨組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6960382B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022209883A1 (ja) * | 2021-03-30 | 2022-10-06 | 花王株式会社 | 菌付着抑制剤及び菌付着抑制方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009155217A (ja) * | 2007-12-25 | 2009-07-16 | Lion Corp | 歯磨剤組成物 |
WO2012165134A1 (ja) * | 2011-05-27 | 2012-12-06 | ライオン株式会社 | 口腔用組成物 |
JP2015117206A (ja) * | 2013-12-18 | 2015-06-25 | 花王株式会社 | 歯磨組成物 |
WO2015168879A1 (en) * | 2014-05-07 | 2015-11-12 | The Procter & Gamble Company | Oral care compositions |
JP2016204262A (ja) * | 2015-04-15 | 2016-12-08 | 花王株式会社 | バイオフィルム分散方法 |
-
2018
- 2018-08-29 JP JP2018160296A patent/JP6960382B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009155217A (ja) * | 2007-12-25 | 2009-07-16 | Lion Corp | 歯磨剤組成物 |
WO2012165134A1 (ja) * | 2011-05-27 | 2012-12-06 | ライオン株式会社 | 口腔用組成物 |
JP2015117206A (ja) * | 2013-12-18 | 2015-06-25 | 花王株式会社 | 歯磨組成物 |
WO2015168879A1 (en) * | 2014-05-07 | 2015-11-12 | The Procter & Gamble Company | Oral care compositions |
JP2016204262A (ja) * | 2015-04-15 | 2016-12-08 | 花王株式会社 | バイオフィルム分散方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022209883A1 (ja) * | 2021-03-30 | 2022-10-06 | 花王株式会社 | 菌付着抑制剤及び菌付着抑制方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6960382B2 (ja) | 2021-11-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101045901B1 (ko) | 증점 조성물 | |
JP2008303188A (ja) | カンジダバイオフィルム除去剤 | |
JP2014125443A (ja) | 口腔用組成物 | |
JP2013035792A (ja) | 口腔用組成物 | |
US10588875B2 (en) | Oral composition | |
JP6960382B2 (ja) | 練歯磨組成物 | |
JP2006117574A (ja) | 液体口腔用組成物 | |
EP3510990B1 (en) | Oral composition | |
JP6715799B2 (ja) | 口腔用組成物 | |
US9211241B2 (en) | Oral composition | |
JP6349709B2 (ja) | 口腔用組成物 | |
JP2009001511A (ja) | 液体口腔用組成物 | |
JP4978140B2 (ja) | 透明ゲル状組成物 | |
JP2013203676A (ja) | 口腔用組成物 | |
JP5688209B2 (ja) | 歯磨剤 | |
JP2019214524A (ja) | 口腔用組成物 | |
JPWO2018043717A1 (ja) | 口腔用組成物 | |
JP6910333B2 (ja) | 口腔用組成物 | |
JP5720352B2 (ja) | 液体口腔用組成物 | |
CN109689016B (zh) | 液体口腔用组合物 | |
CN106955244B (zh) | 一种遮盖不良口感的组合物及其在口腔护理产品中的应用 | |
JP2020075915A (ja) | 口腔用組成物 | |
JP2022075515A (ja) | 毛髪用洗浄剤 | |
JP2023046110A (ja) | 口腔用組成物 | |
JP2023121326A (ja) | 練歯磨組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191212 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200925 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201006 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201124 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210413 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210511 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211005 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211011 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6960382 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |