JP2020032871A - 電動推進装置及び電動推進船 - Google Patents

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Abstract

【課題】船の揺れの抑制を簡素な構成で実現できる電動推進装置を提供する。【解決手段】電動推進装置1は、プロペラ8の駆動により船舶100を推進させる。電動推進装置1は、電動モータ5と、クラッチ9と、制御部14と、を備える。電動モータ5は、プロペラ8を駆動する。クラッチ9は、電動モータ5からプロペラ8までの動力伝達経路に配置され、動力の伝達及び遮断を切り換える。制御部14は、電動モータ5及びクラッチ9の動作を制御する。制御部14は、停船時において、クラッチ9を遮断状態とし、電動モータ5の回転軸Aの向きが上下方向の成分を含んでいる状態で電動モータ5を回転させる。【選択図】図3

Description

本発明は、主として、船舶に用いられる電動推進装置に関する。
従来から、電動モータを駆動源としてプロペラを駆動する船外機により船舶を推進する構成が知られている。例えば、特許文献1には、モータ、ドライブシャフト、プロペラ等を備える電動船外機が開示されている。
特開2016−37256号公報
船舶においては、乗り心地を向上させるために、波浪や風等による揺れを抑制することが重要である。このため、アンチローリングフィン、アンチローリングタンク、ビルジキール、アンチローリングジャイロ等の減揺装置を船体に設けることが提案されている。
しかし、特許文献1に開示されるような電動船外機は比較的小型な船舶を対象としており、当該船舶に上記の減揺装置を採用することは困難であった。従って、簡便な構成で揺れを抑制できる構成が求められていた。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、船の揺れの抑制を簡素な構成で実現できる電動推進装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の電動推進装置が提供される。即ち、この電動推進装置は、プロペラの駆動により船舶を推進させる。電動推進装置は、電動モータと、クラッチと、制御部と、を備える。前記電動モータは、前記プロペラを駆動する。前記クラッチは、前記電動モータから前記プロペラまでの動力伝達経路に配置され、動力の伝達及び遮断を切り換える。前記制御部は、前記電動モータ及び前記クラッチの動作を制御する。前記制御部は、停船時において、前記クラッチを遮断状態とし、前記電動モータの回転軸の向きが上下方向の成分を含んでいる状態で当該電動モータを回転させる。
これにより、停船時において、電動モータの回転軸の向きが上下方向の成分を含む状態でロータを回転させてジャイロ効果を生じさせることにより、船舶の揺れを抑制することができる。揺れの低減のために電動モータのロータを用いるため、特別な構成が不要であり、コストの低減及び小型化が容易である。また、プロペラの駆動はクラッチの遮断により阻止されるので、省エネルギー及び静音性等を実現できる。
前記の電動推進装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、電動推進装置は、船舶の姿勢の変化を検出する揺れ検出部を備える。前記制御部は、前記揺れ検出部の検出結果に基づいて前記電動モータの回転数を制御する。
これにより、船舶の揺れに応じたジャイロ効果を生じさせることで、揺れを適切に抑制することができる。
前記の電動推進装置においては、前記制御部は、停船時において、船舶の航行時における最大の回転数より大きい回転数で前記電動モータを回転させることが可能であることが好ましい。
これにより、強力なジャイロ効果を生じさせて、船舶の揺れを効果的に抑制することができる。
前記の電動推進装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、電動推進装置は、モータ姿勢変更機構と、固定部と、を備える。前記モータ姿勢変更機構は、前記電動モータの姿勢を変更することで回転軸の向きを変化させる。前記固定部は、前記電動モータの回転軸の向きが上下方向となっている状態で当該電動モータの姿勢を固定する。
これにより、回転軸の向きを上下方向として電動モータを回転させることにより、船舶の特にロール方向及びピッチ方向の揺れを効果的に低減することができる。
前記の電動推進装置においては、前記モータ姿勢変更機構は、前記電動モータを、水中に没する推進位置と、前記推進位置よりも高い上昇位置と、の間で変更可能なチルト機構として構成されていることが好ましい。
これにより、電動推進装置のチルトアップによって、電動モータを、回転によって船舶の揺れを良好に低減させる姿勢とすることができる。
前記の電動推進装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、電動推進装置は、前記電動モータの位置を検出するモータ位置検出部を備える。前記制御部は、前記電動モータが前記上昇位置にあることを前記モータ位置検出部により検出した場合、前記クラッチを遮断状態とする。
これにより、チルトアップに連動してクラッチを遮断状態とすることができるので、作業性を高めることができる。
前記の電動推進装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、電動推進装置は、付加質量部と、第2クラッチと、を備える。前記付加質量部は、回転可能に支持される。前記第2クラッチは、前記電動モータと前記付加質量部との間に設けられる。前記制御部は、停船時において、前記第2クラッチを接続状態とし、回転軸の向きが上下方向の成分を含んでいる状態で前記付加質量部を回転させる。
これにより、強力なジャイロ効果によって、船舶の揺れを効果的に抑制することができる。
本発明の第2の観点によれば、前記電動推進装置を備える電動推進船が提供される。
これにより、簡素な構造で、停船時における揺れを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る電動推進装置が取り付けられた状態の船舶を示す側面図。 電動推進装置の概略の構成を拡大して示す側面図。 図2の状態から電動推進装置がチルトアップされた状態を示す側面図。 電動推進装置の電気的構成の一部を示すブロック図。 制御部が行う動揺防止制御に関するフローチャート。 変形例の電動推進装置を示す側面図。 第2実施形態の電動推進装置を示す側面図。
次に、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電動推進装置1が取り付けられた状態の船舶100を示す側面図である。図2は、電動推進装置1の概略の構成を拡大して示す側面図である。図3は、図2の状態から電動推進装置1がチルトアップされた状態を示す側面図である。
図1に示す本実施形態の電動推進装置1は、小型の船舶100に船外機として設けられる。船舶100は、電動推進装置1を備えることで、電動推進船となる。電動推進装置1は、船舶100を推進させるとともに、船舶100の操舵装置として機能する。
電動推進装置1は、取付部材20を介して、船舶100の船体101の後部に取り付けられている。取付部材20は、公知のクランプ機構により、船体101に対して着脱可能となっている。
電動推進装置1は、上下方向に細長い操舵シャフト13を備える。電動推進装置1は、操舵シャフト13を介して、取付部材20に対して回転可能に支持される。これにより、電動推進装置1を左右方向に旋回させることができる。
取付部材20には、左右水平に配置されたチルト軸30からなるチルト機構31が設けられている。チルト機構31は、チルト軸30を中心として電動推進装置1を上下方向に回転させることにより、電動推進装置1の姿勢を、図1及び図2に示す推進姿勢と、図3に示す退避姿勢と、の間で変更することができる。
取付部材20は、電動推進装置1を任意の姿勢でロック可能なロック機構(固定部)21を備える。ロック機構21によるロックを解除した状態では、電動推進装置1を、図2の長い矢印で示すように回動することができる。ロック機構21をロックすることで、電動推進装置1の姿勢が変化しないように保持することができる。
電動推進装置1は、図2に示すように、収容部11と、操舵ハンドル12と、操舵シャフト13と、制御部14と、推進部15と、を備える。
収容部11は、電動推進装置1の上部に設けられ、操舵シャフト13の一端に接続されている。収容部11は中空に形成され、その内部には、例えば制御部14等の電気部品が収容されている。
操舵ハンドル12は、棒状の部材として形成され、収容部11から前方に突出するように設けられている。
船舶100の航行時においては、操舵ハンドル12を操船者が手で握って操作することで、操舵シャフト13の軸を中心として電動推進装置1の姿勢を左右方向で変更し、船舶を操舵することができる。
操舵ハンドル12には、当該操舵ハンドル12の長手方向の軸を中心として回転可能なグリップが設けられている。操船者は、操舵ハンドル12のグリップを握って所定の中立位置から一側/他側に回転させることで、船舶100の前進/後進を制御部14に指示することができる。
操舵シャフト13は、収容部11と、推進部15と、を連結する。操舵シャフト13は、操船者が操舵ハンドル12を左右旋回させる操作力を推進部15に伝達する。
制御部14は、公知のコンピュータとして構成され、CPU、ROM、RAM等を備える。ROMには、後述の電動モータ5及びクラッチ9等を制御するためのプログラム等が記憶されている。
推進部15は、ケーシング3と、電動モータ5と、ドライブシャフト6と、プロペラシャフト7と、プロペラ8と、クラッチ9と、を備える。船舶100を航行させるとき、推進部15は水中に沈められた状態でプロペラ8を回転させ、船舶100に推力を付与する。
ケーシング3は、中空に形成され、操舵シャフト13において収容部11と反対側の端部に固定される。ケーシング3は、電動モータ5、ドライブシャフト6及びクラッチ9等を収容する。
電動モータ5は、プロペラ8を回転させる動力を供給する駆動源として用いられる。電動モータ5は、例えば直流モータから構成され、ロータ51と、ステータ52と、を備える。ロータ51は巻線からなる電機子コイルとして構成され、回転軸Aを中心として回転する。ステータ52は、永久磁石から構成され、ロータ51の外周から所定距離の隙間をあけて配置されている。ステータ52は、周方向に複数並べて設けられている。ステータ52が形成する磁界においてロータ51のコイルに電流が流れることにより、ロータ51が回転する。
電動推進装置1は、電動モータ5の回転数を検出する回転数検出部50を備える。回転数検出部50は、例えば回転センサから構成され、制御部14と電気的に接続されている。図2等において回転数検出部50はドライブシャフト6の近傍に配置されているが、他の位置に配置することもできる。船舶100を航行させる場合、制御部14は、回転数検出部50により検出された電動モータ5の回転数、及び、操舵ハンドル12のグリップを操船者が操作することによる回転速度の指示に基づいて、電動モータ5の動作を制御する。
ドライブシャフト6は、電動モータ5のモータ出力軸であり、ロータ51と一体的に回転する。ドライブシャフト6は、電動モータ5の回転軸Aに沿って配置される。
プロペラシャフト7は、プロペラ8を回転させるための軸として構成されている。プロペラシャフト7は、電動モータ5の回転軸Aに沿って配置され、回転可能に支持されている。プロペラシャフト7は、ドライブシャフト6の後方に配置され、ケーシング3から後方に突出している。
プロペラ8は、プロペラシャフト7の後部に固定されている。プロペラ8は、プロペラシャフト7とともに回転することで、船舶100の推進力を発生させる。
クラッチ9は、電動モータ5からプロペラ8までの動力伝達経路の中途部に配置され、具体的には、ドライブシャフト6とプロペラシャフト7の間に設けられている。クラッチ9は、例えば電磁クラッチとして構成される。クラッチ9は、制御部14から入力される電気信号に基づいて、電動モータ5からの駆動力をプロペラ8に伝達する接続状態と、駆動力を伝達しない遮断状態と、の間で切り換えることができる。
本実施形態の電動推進装置1は、停船時において、波浪や風等による船舶100の揺れを抑制することができる。以下、この作用について詳細に説明する。
本実施形態の電動推進装置1は、船舶100の停船時には、図3に示すように電動推進装置1を左右中立姿勢かつ上記の退避姿勢で固定し、クラッチ9を遮断した状態で電動モータ5を回転させることができる。電動モータ5のロータ51及びドライブシャフト6が回転することにより、自転する回転体が姿勢を乱されにくくなるジャイロ効果が発生する。このジャイロ効果は、船舶100の姿勢の変化に抗するように作用する。この結果、船舶100の揺れを低減することができる。
電動推進装置1が図2に示す推進姿勢となっている場合、電動モータ5は水中に没している。以下、このときの電動モータ5の位置を推進位置ということがある。一方、電動推進装置1が図3に示す退避姿勢となっている場合、電動モータ5は図2の推進位置と比較して高い位置にある。以下、このときの電動モータ5の位置を上昇位置と呼ぶことがある。
チルト機構31により電動推進装置1の姿勢が推進姿勢から退避姿勢となるのに連動して、電動モータ5の姿勢は、その回転軸Aを前後方向に向けた姿勢から、回転軸Aを上下方向に向けた姿勢に変化する。従って、チルト機構31は、電動モータ5の姿勢を変更するモータ姿勢変更機構に相当する。
電動モータ5が図3の上昇位置にあるとき、電動モータ5の回転軸Aの向きは上下方向の成分を有している。もっと言えば、回転軸Aの向きは概ね上下方向となっている。従って、船舶100の揺れのうち特にロール方向及びピッチ方向の揺れを、上記のジャイロ効果によって効果的に低減することができる。
揺れを抑制するために電動モータ5を駆動しているとき、クラッチ9は遮断状態となっているので、プロペラ8は回転駆動されない。従って、動力の無駄を防止できるとともに、風圧及び騒音の発生を防止できる。
次に、船舶100の揺れの抑制制御を行うための構成について説明する。図4は、電動推進装置1の電気的構成の一部を示すブロック図である。
電動推進装置1は、図4に示すように、揺れ検出部91と、モータ位置検出部92と、モード切換スイッチ93と、を更に備える。操船者がモード切換スイッチ93を操作して揺れの抑制を指示すると、制御部14は、揺れ検出部91及びモータ位置検出部92の検出結果に基づいて、揺れ抑制制御を行う。
揺れ検出部91は、例えばジャイロセンサから構成され、船体101の傾斜角度(姿勢)を検出する。しかし、これに限定せず、揺れ検出部91は、例えば傾斜センサ、角速度センサ、加速度センサ等から構成されても良い。揺れ検出部91は、制御部14と電気的に接続されている。揺れ検出部91は、検出した揺れの大きさを制御部14に出力する。
モータ位置検出部92は、例えば、チルト軸30の近傍に配置されたポテンショメータから構成される。モータ位置検出部92は、電動推進装置1の上下方向の姿勢を検出することにより、電動モータ5の位置を検出する。モータ位置検出部92は、制御部14と電気的に接続され、検出された電動モータ5の位置を制御部14に出力する。
モード切換スイッチ93は、公知のスイッチとして構成される。操船者がモード切換スイッチ93を操作することにより、揺れ抑制制御を行うモードと、揺れ抑制制御を行わないモードと、を切り換えることができる。
次に、本実施形態の電動推進装置1において行われる揺れ抑制制御について、図5のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図5は、制御部14が行う揺れ抑制制御に関するフローチャートである。
操船者が操舵ハンドル12のグリップを操作して停船を指示すると、制御部14は電動モータ5の回転を停止させるように制御する(ステップS101)。
続いて、制御部14は、電動モータ5が所定の高さまで上昇したか否かを判定する(ステップS102)。電動モータ5の高さは、モータ位置検出部92の検出結果に基づいて取得することができる。停船直後においては電動モータ5の位置は水没しているが、操船者が電動推進装置1を図2の推進姿勢から跳ね上げて図3のチルトアップ姿勢とすることで、電動モータ5を上昇させることができる。
電動モータ5が所定の高さまで上昇すると、制御部14は、クラッチOFF信号をクラッチ9に出力し、クラッチ9を遮断状態に切り換える(ステップS103)。これにより、チルトアップに連動してクラッチ9を自動的に遮断することができる。
その後、制御部14は、モード切換スイッチ93の状態に基づいて、現在のモードが揺れ抑制モードとなっているかを判定する(ステップS104)。現在のモードが揺れ抑制モードでない場合は、制御部14は、電動モータ5が回転している場合は直ちに停止させる(ステップS105)。その後、処理はステップS104に戻る。
ステップS104の判断で、現在のモードが揺れ抑制モードである場合は、制御部14は、揺れ検出部91が検出した船舶100の揺れの大きさが、予め設定された閾値を上回るか否かを判定する(ステップS106)。
ステップS106の判定の結果、船舶100の揺れの大きさが閾値を上回る場合は、制御部14は、電動モータ5が停止しているときは回転を開始し、電動モータ5が既に回転しているときは回転速度を所定値だけ増加させる(ステップS107)。その後、処理はステップS104に戻る。
ステップS106の判定の結果、船舶100の揺れの大きさが閾値以下である場合は、制御部14は、電動モータ5が回転しているときは回転速度を所定値だけ減少させ、回転速度が既に十分に小さいときは回転を停止させる(ステップS108)。その後、処理はステップS104に戻る。
以上の制御により、操船者が図3の状態で電動モータ5の位置をロック機構21でロックし、揺れの抑制を操船者がモード切換スイッチ93により指示した場合に、クラッチ9が遮断された状態で電動モータ5が回転し、これにより船舶100の揺れを抑制することができる。また、船舶100の揺れがすぐに収まるかそうでないかに応じて電動モータ5の回転速度が変化する制御により、ジャイロ効果を過不足なく発揮させて、船舶100の揺れの効果的な防止と省エネルギーをバランス良く実現することができる。
船舶100に所定より大きな揺れが長時間継続して生じる場合、ステップS107の処理により電動モータ5の回転速度は増加していく。ただし、電動モータ5の回転速度が所定の最大回転速度に到達した場合は、それ以上の増速は行われない。この最大回転速度は、船舶100の航行時においてプロペラ8を駆動するときの電動モータ5の最大回転速度より大きいことが好ましい。これにより、強力なジャイロ効果を発生させて、揺れを良好に抑制することができる。
以上に説明したように、本実施形態の電動推進装置1は、プロペラ8の駆動により船舶100を推進させる。電動推進装置1は、電動モータ5と、クラッチ9と、制御部14と、を備える。電動モータ5は、プロペラ8を駆動する。クラッチ9は、電動モータ5からプロペラ8までの動力伝達経路に配置され、動力の伝達及び遮断を切り換える。制御部14は、電動モータ5及びクラッチ9の動作を制御する。制御部14は、停船時において、クラッチ9を遮断状態とし、電動モータ5の回転軸Aの向きが上下方向の成分を含んでいる状態で電動モータ5を回転させる。
これにより、停船時において、電動モータ5の回転軸Aの向きが上下方向の成分を含む状態でロータ51を回転させてジャイロ効果を生じさせることにより、船舶100の揺れを抑制することができる。揺れの低減のために電動モータ5のロータ51を用いているため、特別な構成が不要であり、コストの低減及び小型化が容易である。また、プロペラ8の駆動はクラッチ9の遮断により阻止されるので、省エネルギー及び静音性等を実現できる。
また、本実施形態の電動推進装置1は、揺れ検出部91を備える。揺れ検出部91は、船舶100の姿勢の変化を検出する。制御部14は、揺れ検出部91が検出する揺れに応じて電動モータ5の回転数を制御する。
これにより、船舶100の揺れに応じたジャイロ効果を生じさせることで、揺れを適切に抑制することができる。
また、本実施形態の電動推進装置1において、制御部14は、停船時において、船舶100の航行時における最大回転数より高い回転数で電動モータ5を回転させることが可能である。
これにより、強力なジャイロ効果を生じさせて、船舶100の揺れを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の電動推進装置1は、チルト機構31と、ロック機構21と、を備える。チルト機構31は、電動モータ5の姿勢を変更することで回転軸Aの向きを変化させる。ロック機構21は、電動モータ5の回転軸Aの向きが上下方向となっている状態で電動モータ5の姿勢を固定することができる。
これにより、回転軸Aの向きを上下方向として電動モータ5を回転させることにより、船舶100の特にロール方向及びピッチ方向の揺れを効果的に低減することができる。
また、本実施形態の電動推進装置1において、チルト機構31は、電動モータ5を、水中に没する推進位置(図2)と、推進位置よりも高い上昇位置(図3)と、の間で移動させることが可能である。
これにより、電動推進装置1のチルトアップによって、電動モータ5を、回転によって船舶100の揺れを良好に低減させる姿勢とすることができる。
また、本実施形態の電動推進装置1は、モータ位置検出部92を備える。モータ位置検出部92は、電動モータ5の位置を検出する。制御部14は、電動モータ5の高さが推進位置より高い所定の高さ以上となったことをモータ位置検出部92により検出した場合、クラッチ9を遮断状態とする(ステップS102、ステップS103)。
これにより、チルトアップに連動してクラッチ9を遮断状態とすることができるので、作業性を高めることができる。
次に、上記実施形態の変形例を説明する。図6は、変形例の電動推進装置1aを示す側面図である。なお、本変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
図6に示す変形例の電動推進装置1aにおいて、推進部15は、連結軸57と、付加質量部58と、第2クラッチ59と、を更に備える。連結軸57、付加質量部58及び第2クラッチ59は、何れもケーシング3の内部に収容される。
連結軸57は、電動モータ5の回転軸Aに沿って配置され、ケーシング3に回転可能に支持されている。
付加質量部58は、円板状の部材として構成されている。付加質量部58は、連結軸57に固定され、連結軸57と一体的に回転する。
第2クラッチ59は、ドライブシャフト6と連結軸57との間に設けられている。第2クラッチ59は、前述のクラッチ9と同様に、例えば電磁クラッチとして構成される。第2クラッチ59は、制御部14から入力される電気信号に基づいて、連結軸57とともに付加質量部58をロータ51に連結する接続状態と、付加質量部58をロータ51から切り離す遮断状態と、を切り換えることができる。
制御部14は、揺れの抑制のために電動モータ5を回転させる場合に、第2クラッチ59をロータ51と連結するように制御する。従って、自転する回転体の質量が付加質量部58の分だけ大きくなるので、ジャイロ効果をより強力に発揮させることができる。一方で、制御部14は、船舶100の航行時には、第2クラッチ59を遮断するように制御する。これにより、動力の無駄を回避することができる。
次に、第2実施形態を説明する。図7は、第2実施形態の電動推進装置1xを示す側面図である。なお、本実施形態の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
図7に示す第2実施形態の電動推進装置1xにおいて、電動モータ5は、上部に設けられている。船舶100を推進させるとき、電動モータ5は、その回転軸A(言い換えれば、ドライブシャフト6)が上下方向を向いた状態で駆動される。
電動推進装置1xは、電動モータ5とプロペラシャフト7との間の伝動機構として、上述のドライブシャフト6のほか、入力ベベルギア54と、出力ベベルギア55と、を備える。
入力ベベルギア54は、ドライブシャフト6の軸線と一致するように回転可能に支持される。ドライブシャフト6と、入力ベベルギア54との間には、クラッチ9が配置される。
出力ベベルギア55は、プロペラシャフト7の端部に固定される。プロペラシャフト7は、ドライブシャフト6の軸と直交する軸線まわりで回転可能に支持されている。出力ベベルギア55は、入力ベベルギア54と噛み合っている。
この構成により、入力ベベルギア54及び出力ベベルギア55を用いて、電動モータ5からの駆動力を回転軸Aと90°異なる向きで取り出して、プロペラシャフト7に伝達することができる。
本実施形態においては、電動推進装置1xをチルトアップしない図7の状態で、電動モータ5の回転軸Aが上下方向を向いている。従って、制御部14は、この図7の状態でクラッチ9を遮断して電動モータ5を駆動することで、上述と同様に船舶100の揺れを効果的に抑制することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
電動推進装置1,1aのチルトアップは、操船者が手作業で行うことに代えて、電動又は油圧等により実現されても良い。
揺れを抑制するときの電動モータ5の回転軸Aは、上下方向とすることが好ましいが、上下方向から傾斜した向きであっても良い。これに関連して、チルト機構31も、図3のように90°回転させることが可能な構成でなく、90°より小さい角度しか回転できないチルト機構とすることもできる。
図5の制御では、船舶100の揺れの強さが所定の大きさを上回る状態がどのくらいの時間継続するかに応じて、電動モータ5の回転数が変化する。これに代えて、例えば、船舶100の揺れの強さ自体に応じて、電動モータ5の回転数が変化するように構成しても良い。
船舶100の揺れを抑制する場合に、揺れ検出部91で検出した船舶100の揺れに応じて電動モータ5の回転数を変化させることに代えて、単純に一定の回転数で電動モータ5を駆動しても良い。
第1実施形態の電動推進装置1において、電動モータ5が水中に没した状態で、当該電動モータ5の姿勢を変更できるように構成しても良い。クラッチ9を切断し、回転軸Aの向きを上下方向に向けた状態で電動モータ5を水中で駆動する場合でも、揺れ低減効果を得ることができる。第1実施形態の変形例の電動推進装置1aにおいても同様である。
1 電動推進装置
5 電動モータ
8 プロペラ
9 クラッチ
14 制御部
21 ロック機構(固定部)
31 チルト機構
91 揺れ検出部
92 モータ位置検出部
100 船舶
A 回転軸

Claims (8)

  1. プロペラの駆動により船舶を推進させる電動推進装置であって、
    前記プロペラを駆動する電動モータと、
    前記電動モータから前記プロペラまでの動力伝達経路に配置され、動力の伝達及び遮断を切り換えるクラッチと、
    前記電動モータ及び前記クラッチの動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、停船時において、前記クラッチを遮断状態とし、前記電動モータの回転軸の向きが上下方向の成分を含んでいる状態で当該電動モータを回転させることを特徴とする電動推進装置。
  2. 請求項1に記載の電動推進装置であって、
    船舶の姿勢の変化を検出する揺れ検出部を備え、
    前記制御部は、前記揺れ検出部の検出結果に基づいて前記電動モータの回転数を制御することを特徴とする電動推進装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電動推進装置であって、
    前記制御部は、停船時において、船舶の航行時における最大の回転数より大きい回転数で前記電動モータを回転させることが可能であることを特徴とする電動推進装置。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載の電動推進装置であって、
    前記電動モータの姿勢を変更することで回転軸の向きを変化させるモータ姿勢変更機構と、
    前記電動モータの回転軸の向きが上下方向となっている状態で当該電動モータの姿勢を固定する固定部と、
    を備えることを特徴とする電動推進装置。
  5. 請求項4に記載の電動推進装置であって、
    前記モータ姿勢変更機構は、前記電動モータを、水中に没する推進位置と、前記推進位置よりも高い上昇位置と、の間で変更可能なチルト機構として構成されていることを特徴とする電動推進装置。
  6. 請求項5に記載の電動推進装置であって、
    前記電動モータの位置を検出するモータ位置検出部を備え、
    前記制御部は、前記電動モータが前記上昇位置にあることを前記モータ位置検出部により検出した場合、前記クラッチを遮断状態とすることを特徴とする電動推進装置。
  7. 請求項1から6までの何れか一項に記載の電動推進装置であって、
    回転可能に支持された付加質量部と、
    前記電動モータと前記付加質量部との間に設けられる第2クラッチと、
    を備え、
    前記制御部は、停船時において、前記第2クラッチを接続状態とし、回転軸の向きが上下方向の成分を含んでいる状態で前記付加質量部を回転させることを特徴とする電動推進装置。
  8. 請求項1から7までの何れか一項に記載の電動推進装置を備えることを特徴とする電動推進船。
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