以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。換言すれば、向きは方向の一成分である。さらに、複合機10及び複合機10に据え付けられたインクタンク100が使用可能に水平面に設置された姿勢(図1、図2、図4〜図7、図11、図13の姿勢であって、「使用姿勢」と表記することがある。)を基準として上下方向7が定義され、複合機10の開口13(図1参照)が設けられている面を前面として前後方向8(第2方向の一例)が定義され、複合機10を前面から見て左右方向9(第1方向の一例)が定義される。上下方向7、前後方向8、及び左右方向9は、互いに直交する。本実施形態では、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10は、概ね直方体形状である。複合機10は、インクジェット記録方式で用紙12(図2参照)に画像を記録するプリンタ部11を下部に有している。プリンタ部11は、前壁14Aに開口13が形成された筐体14を有している。
図2に示されるように、筐体14の内部には、給送部15と、給送トレイ20と、排出トレイ21と、搬送ローラ部54と、記録部24と、排出ローラ部55と、プラテン42と、インクタンク100と、が配置されている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。
[給送トレイ20、排出トレイ21]
図1に示されるように、給送トレイ20は、開口13を通じて前後方向8に沿って複合機10に対して挿入及び脱抜される。開口13は、複合機10の前面で且つ左右方向9の中央部に位置する。図2に示されるように、給送トレイ20は、積層された複数の用紙12を支持可能である。図1及び図2に示されるように、排出トレイ21は、給送トレイ20の上方に配置されている。排出トレイ21は、排出ローラ部55によって記録部24とプラテン42との間から排出された用紙12を支持する。
[給送部15]
給送部15は、給送トレイ20に支持された用紙12を搬送経路65へ給送する。図2に示されるように、給送部15は、給送ローラ25と、給送アーム26と、軸27とを備える。給送ローラ25は、給送アーム26の先端に回転可能に支持されている。給送ローラ25は、給送用モータ(不図示)によって駆動される。給送アーム26は、プリンタ部11のフレーム(不図示)に支持された軸27に回動可能に支持されている。給送アーム26は、自重或いはバネ等による弾性力によって給送トレイ20に向かって回動付勢されている。
[搬送経路65]
図2に示されるように、搬送経路65は、その一部がプリンタ部11の内部において、所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって形成される空間を指す。搬送経路65は、給送トレイ20の後端部から後方へ延び、プリンタ部11の後部において上方に延びつつ前方にUターンし、記録部24とプラテン42との間の空間を経て排出トレイ21に至る経路である。搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間における搬送経路65は、図3に示されるように、左右方向9における複合機10の概ね中央部に設けられており、且つ前後方向8に延びている。搬送経路65内における用紙12の搬送向き29は、図2において一点鎖線の矢印で示されている。
[搬送ローラ部54]
図2に示されるように、搬送ローラ部54は、搬送経路65に配置されている。搬送ローラ部54は、互いに対向する搬送ローラ60及びピンチローラ61を有する。搬送ローラ60は、搬送用モータ(不図示)によって駆動される。ピンチローラ61は、搬送ローラ60の回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送用モータに駆動されて回転する搬送ローラ60及びピンチローラ61に挟持されて、搬送向き29に搬送される。
[排出ローラ部55]
図2に示されるように、排出ローラ部55は、搬送経路65における搬送ローラ部54より搬送向き29の下流に配置されている。排出ローラ部55は、互いに対向する排出ローラ62及び拍車63を有する。排出ローラ62は、搬送用モータ(不図示)によって駆動される。拍車63は、排出ローラ62の回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送用モータに駆動されて回転する排出ローラ62及び拍車63に挟持されて、搬送向き29に搬送される。
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24(液体消費部の一例)は、搬送経路65における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。記録部24は、搬送経路65を挟んでプラテン42と上下方向7に対向配置されている。記録部24は、キャリッジ23と、記録ヘッド39とを備えている。
図3に示されるように、キャリッジ23は、前後方向8に離間する位置において各々が左右方向9に延設されたガイドレール43、44に支持されている。ガイドレール43、44は、プリンタ部11のフレームに支持されている。キャリッジ23は、ガイドレール44に設けられた公知のベルト機構に連結されている。ベルト機構は、キャリッジ駆動用モータ(不図示)によって駆動される。ベルト機構に連結されたキャリッジ23は、キャリッジモータの駆動によって左右方向9に沿って往復移動する。キャリッジ23の移動範囲は、図3の一点鎖線で示されるように、搬送経路65より右方及び左方にまで及ぶ。
キャリッジ23からは、インクチューブ32とフレキシブルフラットケーブル33とが延出されている。
インクチューブ32は、インクタンク100及び記録ヘッド39を接続するものである。インクチューブ32は、4つのインクタンク100B、100Y、100C、100M(これらを総称して、「インクタンク100」と表示することがある。)に貯留されたインク(液体の一例)を記録ヘッド39に供給する。インクタンク100は、タンクの一例である。詳細には、各色(ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー)のインクが流通する4本のインクチューブ32B、32Y、32C、32M(これらを総称して、「インクチューブ32」と表記することがある。)が、それぞれインクタンク100B、100Y、100C、100Mから延出され、これらが束ねられた状態でキャリッジ23と接続されている。
フレキシブルフラットケーブル33は、複合機10の動作を制御するコントローラ(不図示)が実装された制御基板及び記録ヘッド39を電気的に接続するものである。フレキシブルフラットケーブル33は、コントローラから出力される制御信号を記録ヘッド39に伝達する。
図2に示されるように、キャリッジ23は、記録ヘッド39を搭載している。記録ヘッド39の下面には、複数のノズル40が配置されている。複数のノズル40の先端は、記録ヘッド39の下面から露出している。記録ヘッド39は、ノズル40からインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ23が移動する過程において、プラテン42に支持されている用紙12に向けて記録ヘッド39がインク滴を吐出する。これにより、用紙12に画像が記録される。また、これにより、インクタンク100B、100Y、100C、100Mに貯留されたインクが消費される。
[プラテン42]
図2及び図3に示されるように、プラテン42は、搬送経路65における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。プラテン42は、搬送経路65を挟んで記録部24と上下方向7に対向配置されている。プラテン42は、搬送ローラ部54によって搬送される用紙12を下方から支持する。
[カバー70]
図1(B)に示されるように、筐体14の前壁14Aの右部に、開口22が形成されている。図1(A)に示されるように、カバー70が、筐体14に、開口22を覆うようにして取り付けられている。カバー70は、開口22を閉塞する閉位置(図1(A)に示される位置)と、開口22を開放する開位置(図1(B)に示される位置)との間を回動可能である。図1(A)に示されるように、カバー70が閉位置のとき、インクタンク100の筒部112(図1(B)及び図4参照)は、外部から閉塞されている。図1(B)に示されるように、カバー70が開位置のとき、インクタンク100の筒部112は、外部に露出されている。図1(A)に示されるように、カバー70には、開口97が形成されている。筐体14の内部のうち開口22の後方に位置する部分には、空間が拡がっている。この空間に、インクタンク100が配置される。
[インクタンク100]
図4に示されるインクタンク100は、プリンタ部11に設けられている。インクタンク100は、プリンタ部11が備える記録部24にインクを供給するものである。インクタンク100は、4つのインクタンク100B、100Y、100C、100Mを備える。
各インクタンク100には、異なる色のインクが貯留される。具体的には、ブラックインクがインクタンク100Bに貯留され、イエローインクがインクタンク100Yに貯留され、シアンインクがインクタンク100Cに貯留され、マゼンタインクがインクタンク100Mに貯留される。但し、インクタンク100の数及びインクの色は上記の例に限定されない。
インクタンク100B、100Y、100C、100Mの各々の構成は、インクタンク100Bの左右方向9の長さが、他の3つのインクタンク100Y、100C、100Mの各々の左右方向9の長さよりも長いことを除いて、概ね同じ構成である。よって、以下では、インクタンク100Mの構成が説明され、他のインクタンク100B、100Y、100Cの構成の説明は省略される。
図5に示されるように、インクタンク100Mは、前壁101、後壁110(第2壁の一例)、上壁104(第3壁の一例)、下壁105、右壁107、及び左壁108で構成されたフレームを備えている。前壁101、後壁110、上壁104、及び下壁105は、樹脂で構成されている。右壁107及び左壁108は、フィルムで構成されている。右壁107としてのフィルムは、前壁101、後壁110、上壁104、及び下壁105の右端に形成された開口に貼り付けられている。左壁108としてのフィルムは、前壁101、後壁110、上壁104、及び下壁105の左端に形成された開口に貼り付けられている。これにより、前壁101、後壁110、上壁104、下壁105、右壁107、及び左壁108によって区画されたインク室111(図6参照、貯留室の一例)が形成される。
なお、フレームの各壁が樹脂であるかフィルムであるかは、上記に限らない。例えば、後壁110のみがフィルムで、その他の壁が樹脂であってもよい。また、例えば、右壁107の一部が樹脂で、右壁107の残りの部分がフィルムであってもよい。更には、左壁108の一部が樹脂で、左壁108の残りの部分がフィルムであってもよい。
フレームの樹脂の部分は、インク室111内のインクがインクタンク100の外部から視認可能な程度の透光性を有する樹脂で一体形成されている。フレームの樹脂の部分は、例えば、ポリプロピレンで形成されている。フレームの樹脂の部分は、例えば、樹脂材料の射出成形により一体成形されている。
図1に示されるように、前壁101は、カバー70の開口97及び筐体14の開口22を介して、複合機10の外部に露出している。前壁101は、複合機10の前方から視認可能であり、ユーザはインク室111に貯留されたインクの残量を前壁101を介して複合機10の前方から確認可能である。
図5及び図6に示されるように、前壁101は、立壁102(第1壁の一例)と傾斜壁106(第4壁の一例)とで構成されている。立壁102は、上下方向7及び左右方向9に拡がっている。立壁102は、インク室111の前端を構成している。傾斜壁106は、立壁102の上端及び上壁104の前端104B(第3壁の基端の一例)を繋ぐ壁である。傾斜壁106の下端は、立壁102の上端と繋がっており、傾斜壁106の上端は、上壁104の前端と繋がっている。傾斜壁106は、上下方向7及び前後方向8に対して傾斜している。本実施形態では、傾斜壁106は、前後方向8に対して45度の傾斜角であるが、傾斜角は45度以外であってもよい。
後壁110は、前後方向8において前壁101と対向している。後壁110は、インク室111の後端を構成している。
上壁104は、立壁102の上端よりも上方に位置する。上壁104の前端は、立壁102の上端よりも後方に位置する。上壁104は、その前端から後方へ向けて、つまり後壁110へ向けて延びている。上壁104の前端は、傾斜壁106の上端と繋がっている。上壁104の後端は、後壁110の上端と繋がっている。上壁104は、インク室111の上端を構成している。
下壁105は、立壁102の下端から後方へ向けて延びている。下壁105の後端は、後壁110の下端と繋がっている。下壁105は、インク室111の下端を構成している。
右壁107は、インク室111の右端を構成しており、左壁108は、インク室111の左端を構成している。
インクタンク100Mは、第1ライン146及び第2ライン147を備えている。第1ライン146及び第2ライン147は、立壁102に形成されている。
第1ライン146は、左右方向9に延びている。第1ライン146の上下方向7の位置は、使用姿勢におけるインクタンク100Mにおいて、貯留が許容される最大量のインクがインク室111に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さである。
第2ライン147は、左右方向9に延びている。第2ライン147は、第1ライン146よりも下方に位置している。第2ライン147の上下方向7の位置は、使用姿勢におけるインクタンク100Mにおいて、上記最大量よりも少ない量のインクがインク室111に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さである。本実施形態において、第2ライン147の上下方向7の位置は、使用姿勢におけるインクタンク100Mにおいて、インクの補充が必要となる最小量のインクがインク室111に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さである。
インクタンク100Mは、大気連通孔113(大気連通口及び大気連通部の一例)を備えている。本実施形態において、大気連通孔113は、上壁104に形成されているが、上壁104以外の壁に形成されていてもよい。大気連通孔113は、インクタンク100Mの外部の大気とインク室111とを連通する孔である。なお、大気連通孔113とインク室111とは、図6に示されるように直接連通されていてもよいし、空気が通過する大気流路を介して連通されていてもよい。大気連通孔113または大気流路に、半透膜(不図示)が貼り付けられていてもよい。半透膜は、インクの通過を遮断し且つ気体の通過を許容する微小な孔を有する多孔質膜である。大気連通孔113とインク室111とが大気流路を介して連通されており、大気連通孔113または大気流路に半透膜が貼り付けられた構成の場合、大気連通孔113、大気流路、及び半透膜が大気連通部に相当し、大気連通孔113が大気連通口に相当する。
図6に示されるように、インクタンク100Mは、インク室111に貯留されたインクが流出する流出口115を備えている。流出口115は、後壁110に形成された開口である。流出口115には、インクチューブ32が接続されている。図3に示されるように、インク室111に貯留されたインクは、流出口115及びインクチューブ32を介して記録ヘッド39に供給される。
図5及び図6に示されるように、インクタンク100Mは、傾斜壁106の外面106Aから前方且つ上方へ向けて斜めに突出した突出部120を備えている。突出部120は、筒部112よりも上方に形成されている。突出部120は、外部から力が作用することによって撓むことが可能である。突出部120は、その先端部に、前方且つ下方へ突出した突起120Aを備えている。突起120Aは、後述する液体ボトル80の突起86と係合可能である。
図5に示されるように、インクタンク100Mは、傾斜壁106の外面106Aにリブ148を備える。リブ148は、筒部112よりも下方に形成されている。リブ148は、傾斜壁106の右端近傍から左端近傍に亘って概ね左右方向9へ延びている。詳細には、リブ148は、左右方向9の中央よりも右方へ向かうにしたがって下方へ向かうように傾斜しており、且つ左右方向9の中央よりも左方へ向かうにしたがって下方へ向かうように傾斜している。
リブ148が傾斜壁106の外面106Aに形成されていることによって、筒部112を通じてインク室111にインクが注入される際にインクが筒部112から漏れた場合であっても、漏れたインクが立壁102の外面、特に立壁102の外面における第1ライン146よりも下方に付着することが、リブ148によって阻害される。また、リブ148が傾斜していることによって、上方からリブ148に付着したインクは、リブ148に沿って左右方向9におけるインクタンク100の外方へ導かれる。これらにより、立壁102の外面にインクが付着する可能性を低くできるため、インクタンク100の外部から立壁102を通じてインク室111内のインクを視認することが、付着したインクによって阻害される可能性を低くできる。
なお、リブ148は、左右方向9の成分を有する方向に沿って延びていることを条件として、図5に示されるような形状に限らない。例えば、リブ148は、左右方向9に沿って真っ直ぐ延びていてもよいし、左端から右端へ向かうにしたがって下方へ向かうように傾斜していてもよいし、右端から左端へ向かうにしたがって下方へ向かうように傾斜していてもよい。
また、リブ148は、図5に示されるような位置に限らない。例えば、リブ148は、傾斜壁106ではなく、立壁102に形成されていてもよい。この場合、リブ148は、第1ライン146よりも上方に形成される。また、例えば、リブ148は、立壁102及び傾斜壁106の双方に亘って形成されていてもよい。
[筒部112]
図5に示されるように、インクタンク100Mは、筒部112を備えている。筒部112は、傾斜壁106の外面106Aから前方且つ上方へ向けて斜めに突出している。つまり、筒部112は、前後方向8(水平方向)及び上下方向7(鉛直方向)の成分を有する方向へ延びている。本実施形態では、筒部112は、水平方向に対して45度に傾斜した方向へ延びている。筒部112は、傾斜壁106における突出部120より下方の位置から突出している。筒部112は、液体ボトル80の供給口85に挿入される(図7参照)。これにより、液体ボトル80に貯留されたインクが、インク室111に注入される。
筒部112は、円筒形状である。なお、筒部112は、筒形状であれば、円筒形状に限らず、例えば四角筒形状等の多角筒形状であってもよい。
図6に示されるように、筒部112は、第1仮想面141と交差しない。また、筒部112は、第2仮想面142と交差しない。第1仮想面141は、立壁102の外面102Aを含む面である。本実施形態において、第1仮想面141は、外面102Aを含んでおり、上下方向7及び左右方向9に拡がる面である。第2仮想面142は、上壁104の外面104Aを含む面である。本実施形態において、第2仮想面142は、上壁104の外面104Aを含んでおり、前後方向8及び左右方向9に拡がる面である。以上より、本実施形態において、筒部112は、前後方向8において立壁102よりも前方までは突出せず、且つ、上下方向7において上壁104よりも上方までは突出しない。
なお、筒部112は、第1仮想面141と交差しない一方で、第2仮想面142と交差してもよい。この場合、筒部112は、前後方向8において立壁102よりも前方まで突出しない一方で、上下方向7において上壁104よりも上方まで突出する。
図6に示されるように、筒部112の先端の開口112Aは、インクタンク100Mの外部と連通している。筒部112の基端の開口112Bは、インク室111と連通している。
図9に示されるように、筒部112は、その先端部に、2つの貫通孔112C、112Dを備えている。貫通孔112Cは、筒部112の上側(詳細には、筒部112の外面のうち上方向の成分を有する面)に形成されている。貫通孔112Dは、筒部112の下側(詳細には、筒部112の外面のうち下方向の成分を有する面)に形成されている。
図6に示されるように、インク室111における開口112Bの周囲を囲むようにして、隔壁103が形成されている。隔壁103は、傾斜壁106の内面106Bから下方へ延びている。隔壁103の前部103Aは、隔壁103の後部103Bよりも下方まで延びている。
図9に示されるように、筒部112は、その内部空間に、隔壁117と、バルブ118と、コイルバネ119と、シール123とを備えている。
図6に示されるように、隔壁117は、筒部112の内部空間から、インク室111における隔壁103に囲まれた空間に亘って延びている。隔壁117は、筒部112の内部空間内を、筒部112の軸方向(換言すると、筒部112の突出方向)に沿って延びている。また、隔壁117は、インク室111における隔壁103に囲まれた空間内を、隔壁103の延設方向(換言すると、上下方向7)に沿って延びている。
隔壁117は、筒部112の内部空間、及びインク室111における隔壁103に囲まれた空間を、2つの空間に区画している。2つの空間の一方は、第1流路121である。2つの空間の他方は、第2流路122である。
第1流路121は、筒部112の内部空間のうち隔壁117より後方且つ上方の部分と、インク室111における隔壁103に囲まれた空間のうち隔壁117より後方の部分とで構成されている。つまり、第1流路121は、インク室111において、隔壁103の後部103Bと隔壁117とで囲まれた空間である。
第2流路122は、筒部112の内部空間のうち隔壁117より前方且つ下方の部分と、インク室111における隔壁103に囲まれた空間のうち隔壁117より前方の部分とで構成されている。つまり、第2流路122は、インク室111において、隔壁103の前部103Aと隔壁117とで囲まれた空間である。
第1流路121の一端121Aは、インク室111における隔壁103の後部103Bにおいて下方へ開口している。第2流路122の一端122Aは、インク室111における隔壁103の前部103Aにおいて下方へ開口している。つまり、第1流路121の一端121Aは、第2流路122の一端122Aより上方に位置している。第1流路121の一端121Aは、上下方向7において、第1ライン146と同位置である。第1流路121及び第2流路122は、大気連通孔113より下方に位置している。
第1流路121及び第2流路122の他端は、筒部112の開口112Aにおいて、インクタンク100Mの外部と連通している。
なお、第2流路122の一端122Aが第1流路121の一端121Aより下方に位置していることを条件として、第1流路121の一端121A以外の部分の少なくとも一部が、第2流路122の一端122Aより下方に位置していてもよい。
また、大気連通部が大気連通孔113と大気流路で構成されている場合、大気連通孔113が第1流路121の一端121A及び第2流路122の一端122Aより上方に位置していることを条件として、大気流路の少なくとも一部が第1流路121の一端121A及び第2流路122の一端122Aより下方に位置していてもよい。
図9に示されるように、バルブ118は、隔壁117より先端側に位置している。バルブ118は、突起118Aを備えている。バルブ118は、筒部112の内周面に密着しているが、2箇所において当該内周面との間に隙間118B、118C(図10参照)が形成されている。隙間118Bは、筒部112の内部空間のうち隔壁117より後方且つ上方の部分に形成されており、第1流路121と連通している。隙間118Cは、筒部112の内部空間のうち隔壁117より前方且つ下方の部分に形成されており、第2流路122と連通している。
コイルバネ119の一端は、隔壁117に設けられたフランジ部117Aに当接している。コイルバネ119の他端は、バルブ118に当接している。シール123は、リング形状の部材であり、ゴムなどの弾性部材で構成されている。シール123は、貫通孔112C、112Dとバルブ118の間に位置している。シール123は、筒部112の内周面に密着している。
バルブ118は、筒部112の軸方向に沿って図6及び図9に示される閉位置と図7及び図10に示される開位置とに移動可能である。
図9に示されるように、バルブ118が閉位置のとき、バルブ118はシール123と当接している。これにより、開口112A及び隙間118B、118Cは閉じており、筒部112の内部空間(第1流路121及び第2流路122)と筒部112の外部との間の連通は、バルブ118によって遮断されている。また、バルブ118が閉位置のとき、バルブ118の突起118Aは、開口112Aを貫通して筒部112の外部へ突出している。
図10に示されるように、バルブ118が開位置のとき、バルブ118はシール123から離間している。これにより、開口112Aは開いており、筒部112の内部空間(第1流路121及び第2流路122)と筒部112の外部とは、隙間118B、118Cを介して連通している。
コイルバネ119は、バルブ118をシール123へ向けて付勢している。したがって、外力が付与されていない状態(液体ボトル80がインクタンク100に接続されていない状態)において、バルブ118は常に閉位置にある(図9参照)。
[液体ボトル80]
図8に示される液体ボトル80は、インクタンク100に接続されるものであり、概ね円筒形状である。液体ボトル80は、内部空間を有しており、当該内部空間にインクが貯留される容器である。
液体ボトル80は、インクタンク100B、100Y、100C、100Mに対応して設けられており、対応したインクタンク100と同色のインクが貯留されている。つまり、インクタンク100Bに対応した液体ボトル80の内部空間には、ブラックインクが貯留されており、インクタンク100Yに対応した液体ボトル80の内部空間には、イエローインクが貯留されており、インクタンク100Cに対応した液体ボトル80の内部空間には、シアンインクが貯留されており、インクタンク100Mに対応した液体ボトル80の内部空間には、マゼンタインクが貯留されている。なお、本実施形態において、貯留されたインクの色にかかわらず、液体ボトル80は同構成であるが、貯留されているインクの色に応じて、液体ボトル80は異なる構成(例えば外観形状が異なる。)であってもよい。
液体ボトル80は、外壁81によって構成されている。外壁81は、液体ボトル80の内部空間を区画している。外壁81は、本体部82と、テーパ部83と、先端部84とを備えている。
本体部82は、円筒形状である。テーパ部83は、円錐台形状である。テーパ部83は、液体ボトル80の軸方向151(換言すると本体部82の長手方向)の一端から軸方向151に沿って縮径しつつ延びている。
先端部84は、テーパ部83の一端(テーパ部83における本体部82と反対側の端)から軸方向151に沿って突出している。先端部84は、供給口85を備えている。供給口85は、液体ボトル80の内部空間の一部である。図6に示されるように、供給口85は、先端部84を軸方向151に貫通している。供給口85の一端(先端部84の基端側の端)は、テーパ部83の内部空間と連通している。供給口85の他端(先端部84の先端側の端)は、液体ボトル80の外部に開口しており、当該外部と連通している。つまり、液体ボトル80の内部空間は、供給口85を通じて外部と連通している。先端部84の外面に、突起86が形成されている。
図6及び図9に示されるように、液体ボトル80は、その内部空間に、壁87と、バルブ88と、コイルバネ89と、シール90とを備えている。
壁87は、本体部82及びテーパ部83の内部空間を、第1空間91と第2空間92とに区画する壁である。第1空間91は、径方向152において壁87に対して突起86と同じ側に位置する空間である。第2空間92は、径方向152において壁87に対して突起86の反対側に位置する空間である。
壁87は、液体ボトル80の内部空間の所定位置P1から供給口85に対して遠ざかるように延びている。本実施形態において、所定位置P1は、液体ボトル80を軸方向151に沿って視た場合の液体ボトル80の中心であって、供給口85の近傍の位置である。また、本実施形態において、軸方向151において、所定位置P1における壁87とバルブ88との間には、隙間81Bが形成されている。隙間81Bにおいて、第1空間91及び第2空間92は連通している。
壁87の一端は、所定位置P1である。壁87の他端は、外壁81のうち本体部82の底壁81Aと隙間81Cを空けた位置である。隙間81Cにおいて、第1空間91及び第2空間92は連通している。底壁81Aは、本体部82の円筒の底面を構成する壁である。
なお、隙間81B、81Cの大きさや形状は、図6に示される大きさや形状に限らない。また、本実施形態では、壁87の軸方向151における両端部に隙間81B、81Cが形成されているが、壁87は、隙間81B、81Cの代わりに、または、隙間81B、81Cに加えて、軸方向151における両端部以外に、第1空間91及び第2空間92を連通する連通孔を備えていてもよい。
図9に示されるように、バルブ88は、所定位置P1より供給口85側に位置している。コイルバネ89の一端は、壁87に設けられたフランジ部87Bに当接している。コイルバネ89の他端は、バルブ88に当接している。シール90は、リング形状の部材であり、ゴムなどの弾性部材で構成されている。シール90は、バルブ88よりも供給口85の他端側(先端部84の先端側)に位置している。シール90は、供給口85を区画する内周面に密着している。
バルブ88は、軸方向151に沿って図6及び図9に示される閉位置と図7及び図10に示される開位置とに移動可能である。
バルブ88が閉位置のとき、バルブ88はシール90と当接している。これにより、供給口85の他端(供給口85における外部と連通する開口)は閉じており、液体ボトル80の内部空間(第1空間91及び第2空間92)と液体ボトル80の外部との間の連通は、バルブ88によって遮断されている。
バルブ88が開位置のとき、バルブ88はシール90から離間している。これにより、供給口85の他端は開いており、液体ボトル80の内部空間(第1空間91及び第2空間92)と液体ボトル80の外部とは連通している。
コイルバネ89は、バルブ88をシール90へ向けて付勢している。したがって、外力が付与されていない状態(液体ボトル80がインクタンク100に装着されていない状態)において、バルブ88は常に閉位置にある。
[液体ボトル80及びインクタンク100の接続]
以下、液体ボトル80及びインクタンク100の接続が説明される。
図6及び図9に示されるように、液体ボトル80がインクタンク100に接続されていない状態において、液体ボトル80のバルブ88は閉位置にあり、インクタンク100の筒部112のバルブ118も閉位置にある。
液体ボトル80は、筒部112への接続に際して、供給口85と筒部112の開口112Aとが対向し且つ突起86とインクタンク100の突出部120とが対向する姿勢を維持しつつ、筒部112に近づけられる。供給口85と開口112Aとが対向しているため、液体ボトル80が筒部112に近づけられると、筒部112が供給口85へ挿入される。また、突起86と突出部120とが対向しているため、第1空間91は、壁87の後方且つ上方に位置し、第2空間92は、壁87の前方且つ下方に位置する。つまり、第1空間91の一部が第2空間92より上方に位置する。
筒部112が供給口85へ挿入されると、筒部112の外周面がシール90の内周面と液密に密着する。これにより、液体ボトル80と筒部112との隙間からのインクの漏れが防止される。
また、筒部112が供給口85へ挿入されると、バルブ118の突起118A及び筒部112の先端面が、バルブ88と当接して、これを押す。これにより、バルブ88は、コイルバネ89の付勢力に抗してシール90から離間し、閉位置から開位置へ移動する。図7及び図10に示されるように、開位置のバルブ88は、壁87の一端とコイルバネ89を介して当接する。
また、バルブ118の突起118Aがバルブ88と当接する一方で、バルブ118の突起118Aはバルブ88から反力を受ける。これにより、バルブ118は、コイルバネ119の付勢力に抗してシール123から離間し、閉位置から開位置へ移動する。開位置のバルブ118は、隔壁117と当接する。
また、筒部112が供給口85へ挿入されると、突起86が突出部120へ近づいて突起120Aと当接する。突起86と当接した突出部120は、突起86から反力を受けて撓む。更に、筒部112が供給口85へ挿入されることで、突起86が突起120Aよりも前壁101に近い状態となると、撓んでいた突出部120は元の状態へ弾性復帰する。これにより、図7及び図10に示されるように、突起86と突起120Aとは係合する。その結果、液体ボトル80は、インクタンク100にロックされる。
筒部112が供給口85へ挿入されて、バルブ88が開位置へ移動し、バルブ118が開位置へ移動し、突起86と突起120Aとが係合した状態(図7及び図10に示される状態)が、接続状態である。
以下に、図7及び図10に示される接続状態における液体ボトル80及びインクタンク100の各部の状態が説明される。
接続状態でないとき、第1空間91及び第2空間92は、隙間81C(図6参照)の他、バルブ88及び壁87の間の隙間81B(図9参照)においても連通していた。しかし、接続状態では、バルブ88が壁87の一端と当接していることにより(図10参照)、第1空間91及び第2空間92は、隙間81Cのみにおいて連通している。
また、接続状態でないとき、第1流路121及び第2流路122は、バルブ118及び隔壁117の間の隙間において連通していた(図9参照)。しかし、接続状態では、バルブ118が隔壁117と当接していることにより、第1流路121及び第2流路122は、筒部112の内部空間において連通していない(図10参照)。
図10に示されるように、所定位置P1は、径方向152において第1流路121及び第2流路122の間に位置している。第1空間91は、所定位置P1より第1流路121側を含んでいる。第2空間92は、所定位置P1より第2流路122側を含んでいる。これにより、第1空間91は、貫通孔112C及び隙間118Bを介して第1流路121と連通しており、第2空間92は、貫通孔112D及び隙間118Cを介して第2流路122と連通している。
第1空間91は、壁87の後方且つ上方に位置し、第2空間92は、壁87の前方且つ下方に位置する。つまり、第1空間91の一部が第2空間92より上方に位置する。
突起86及び突出部120は、液体ボトル80の上側(詳細には、液体ボトル80の外周面のうち上方の成分を有する面)をインクタンク100にロックしている。
以下、図7及び図10に示される接続状態における液体ボトル80からインクタンク100へのインクの供給が説明される。
液体ボトル80がインクタンク100へ接続されて、第1空間91が第1流路121と連通し、第2空間92が第2流路122と連通した状態となると、液体ボトル80の内部空間に貯留されたインクが、第2空間92から貫通孔112D及び隙間118Cを介して第2流路122へ流通し、第2流路122の一端122Aからインク室111へ流通する。これにより、インク室111におけるインクの液面が上昇する。また、前記のインクの流通に際して、空気が大気連通孔113からインク室111に入り込み、第1流路121から隙間118B及び貫通孔112Cを介して第1空間91に入り込む。ここで、液体ボトル80からインクタンク100へ流通するインクの体積と、インクタンク100から液体ボトル80へ流通する空気の体積とは、ほぼ同じである。このようにして、いわゆる気液置換が行われる。
インク室111においてインクの液面が上昇して第1流路121の一端121A(換言すると第1ライン146同じ高さ)に達すると、第1流路121とインク室111との間の空気の流通が遮断される。これにより、インク室111から液体ボトル80の内部空間への空気の流通が停止される。そのため、液体ボトル80の内部空間からインク室111へのインクの流通が停止される。
インク室111に貯留されたインクが、インクチューブ32を介して記録部24へ供給されると、インクの液面が下降する。すると、第1流路121とインク室111との間の空気の流通が可能となる。そのため、液体ボトル80の内部空間からインク室111へ、インクが流通される。インクの流通は、インク室111内のインクの液面が再び第1流路121の一端121Aに達するまで行われる。このようにして、インク室111内のインクの液面が一定に維持される。
なお、液体ボトル80が空となって、液体ボトル80の内部空間からインク室111へ供給されるインクがなくなると、インク室111に貯留されたインクがインクチューブ32を介して記録部24へ供給された場合であっても、液体ボトル80からインクタンク100へのインクの供給は行われず、単にインク室111に貯留されたインクが減少するだけであることは言うまでもない。
[実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、筒部112は第1仮想面141と交差していない。つまり、筒部112は第1仮想面141を超えて突出していない。そのため、仮に、液体ボトル80が筒部112から抜かれたときに筒部112の開口112Aや外周面112Eに付着したインクが、筒部112から下方へ落下したとしても、当該インクは、傾斜壁106の外面106Aに落ちる。つまり、漏れたインクを傾斜壁106の外面106Aの範囲内に集めることができる。その結果、インクタンク100の周囲にインクが落ちる可能性を低くすることができる。また、漏れたインクを拭き取るなどの処理が容易となる。
また、仮に、筒部112が第1仮想面141と交差している場合、つまり筒部112が第1仮想面141を超えて突出している場合、立壁102側からインクタンク100へ作用する衝撃が立壁102ではなく筒部112に作用する可能性が高くなる。これにより筒部112が破損する可能性が高くなる。本実施形態によれば、筒部112は第1仮想面141と交差していない。つまり、筒部112は第1仮想面141を超えて突出していない。これにより、立壁102側からインクタンク100へ作用する衝撃は、筒部112ではなく立壁102に作用する可能性が高くなる。その結果、筒部112の破損の可能性を低くすることができる。
また、仮に、筒部112が第2仮想面142と交差している場合、つまり筒部112が第2仮想面142を超えて突出している場合、上壁104側からインクタンク100へ作用する衝撃が上壁104ではなく筒部112に作用する可能性が高くなる。これにより筒部112が破損する可能性が高くなる。本実施形態によれば、筒部112は第2仮想面142と交差していない。つまり、筒部112は第2仮想面142を超えて突出していない。これにより、上壁104側からインクタンク100へ作用する衝撃は、筒部112ではなく上壁104に作用する可能性が高くなる。その結果、筒部112の破損の可能性を低くすることができる。
また、本実施形態によれば、傾斜壁106の外面106Aに集められたインクが下方へ流れた場合に、当該インクをリブ148によって左右方向9におけるインクタンク100の外側へ導くことができる。特に、本実施形態のように、立壁102の外面102Aがインク室111に貯留されたインクを外部から視認可能に構成されている場合、本実施形態によって、傾斜壁106の外面106Aに集められたインクが立壁102に付着してインクの視認を阻害することを低減することができる。
[変形例]
図11に示されるように、筒部112は、溝114を備えていてもよい。溝114は、筒部112の外周面112Eの下部に形成されている。詳細には、溝114は、外周面112Eのうち下方を向く部分に形成されている。つまり、溝114は、外周面112Eの下半分の何れかの部分に形成されている。
溝114は、筒部112の先端に形成された開口112Aから筒部112の基端へ向けて筒部112の突出方向153に沿って延びている。
溝114の一端114Aは、開口112Aと繋がっている。溝114の他端114Bは、接続状態において液体ボトル80の内部となる位置である。つまり、図12に示されるように、接続状態において、溝114の全てが、液体ボトル80の内部に位置する。
なお、溝114が延びる方向は、突出方向153に限らない。例えば、溝114は、筒部112の先端(開口112A)から基端へ向かうにしたがって右または左へ向かうように、つまり突出方向153に対して傾斜するように延びていてもよい。また、溝114の他端114Bは、上述したように接続状態において液体ボトル80の内部となる位置であることが好ましいが、溝114の他端114Bは、接続状態において液体ボトル80の外部となる位置であってもよい。
この変形例によれば、液体ボトル80が筒部112から抜かれたときに筒部112の開口112Aや外周面112Eに付着したインクを、溝114に沿って筒部112の基端へ、つまり傾斜壁106の外面106Aへ導くことができる。
また、この変形例によれば、接続状態において溝114の全てが液体ボトル80の内部に位置しているため、接続状態においてインクが溝114に沿って液体ボトル80及び筒部112の隙間から外部へ流れ出てくる可能性を低くすることができる。また、液体ボトル80のインクタンク100への接続時やインクタンク100からの脱抜時に、溝114が液体ボトル80に引っ掛かるなどして液体ボトル80の接続や脱抜を阻害する可能性を低くすることができる。
上記実施形態では、インクタンク100は1つの筒部112を備えていた。そして、筒部112の内部空間は、隔壁117によって第1流路121と第2流路122とに区画されていた。しかし、図13に示されるように、インクタンク100は2つの筒部131、132を備えていてもよい。
図13に示される構成では、2つの筒部131、132のうち上方に位置する筒部131の内部空間は、第1流路121を構成しており、2つの筒部131、132のうち下方に位置する筒部132の内部空間は、第2流路122を構成している。
また、図13に示される構成では、液体ボトル80は2つの先端部94、95を備えている。先端部94の供給口98に、筒部131が挿入される。先端部95の供給口99に、筒部132が挿入される。接続状態において、供給口98は、第1空間91と連通されており、供給口99は、第2空間92と連通されている。
筒部131、132の内部構成は、隔壁117を備えていないことを除いて、上記実施形態と概ね同様であり、先端部94、95の内部構成は、上記実施形態と概ね同様である。つまり、筒部131、132のそれぞれが、バルブ118、コイルバネ119、及びシール123を備えている。また、先端部94、95のそれぞれが、バルブ88、コイルバネ89、及びシール90を備えている。
また、図13に示される構成では、2つの筒部131、132は、双方とも、第1仮想面141及び第2仮想面142と交差しない。つまり、図13に示される構成において、2つの筒部131、132は、双方とも、前後方向8において立壁102よりも前方までは突出せず、且つ、上下方向7において上壁104よりも上方までは突出しない。なお、筒部131、132の少なくとも一方が、第1仮想面141と交差しない一方で、第2仮想面142と交差してもよい。
上記実施形態では、液体ボトル80及びインクタンク100の筒部112の双方が、図6などに示される構成のバルブによって開閉されていた。しかし、バルブの構成は、図6などに示されるものに限らない。例えば、液体ボトル80の供給口85に、ダックビル型のバルブが設けられていてもよい。
上記実施形態では、液体ボトル80及びインクタンク100の筒部112の双方がバルブによって開閉されていた。しかし、液体ボトル80がバルブ及びコイルバネを備える一方で、筒部112はバルブ及びコイルバネを備えていなくてもよい。逆に、筒部112がバルブ及びコイルバネを備える一方で、液体ボトル80はバルブ及びコイルバネを備えていなくてもよい。また、液体ボトル80及び筒部112の双方がバルブ及びコイルバネを備えていなくてもよい。この場合、例えば、バルブ及びコイルバネを備えていない液体ボトル80及び筒部112には、インクの漏れを防止するための着脱可能な蓋が設けられており、液体ボトル80からインクタンク100へインクが注入されるときに、蓋が取り外される。
液体ボトル80及びインクタンク100の形状は、図4及び図8に示された形状に限らない。例えば、液体ボトル80は、テーパ部83を備えていない円筒形状であってもよいし、四角柱形状であってもよい。また、インクタンク100の立壁102は、上下方向7の成分を有する方向と左右方向9とに拡がっていることを条件として、図6に示される形状に限らない。例えば、立壁102は、上下方向7に対して傾斜した方向と左右方向9とに拡がっていてもよい。また、インクタンク100の立壁102以外の壁も、図6に示される形状に限らない。例えば、後壁110は、前後方向8において立壁102と対向しており、インク室111の後端を構成するものであることを条件として、図6に示される形状とは異なる形状であってもよい。また、例えば、上壁104は、立壁102よりも上方且つ後方に位置する前端から延びていることを条件として、図6に示される形状とは異なる形状であってもよい。ここで、上記の異なる形状としては、例えば屈曲した形状や、図6とは異なる方向に拡がった形状などが挙げられる。
上記実施形態では、インクを液体の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、インクに代えて、印刷時にインクに先立って用紙に吐出される前処理液、或いは記録ヘッド39のノズル40の乾燥を防止するために記録ヘッド39のノズル40近傍に噴霧される水等が、液体の一例であってもよい。