JP2020032645A - Smc成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】線状の柄の形成が簡単に行え、かつ所望の部分に柄を形成しやすい、SMC成形品の製造方法を提供する。【解決手段】SMC成形品の製造方法は、補強繊維材に熱硬化性の樹脂コンパウンドを含浸させたSMC3を複数重ねた積層物2を、加熱加圧成形することによって、SMC成形品を製造する方法である。積層物2は、複数のSMC3の一つを構成し、柄を形成するための切れ目4が表面50に入った柄形成用SMC5と、柄形成用SMC5の表面50に積層され、熱硬化性樹脂組成物6で形成されている着色層7と、を含む。【選択図】図1
Description
本開示は、SMC成形品の製造方法に関する。
従来、補強繊維材に樹脂コンパウンドを含浸させたSMC(Sheet Molding Compounds)を複数積層した積層物を、加熱加圧成形することによって、SMC成形品を製造する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の製造方法で用いる積層物では、複数のSMCのうちの一つのSMCの表面に、SMCとは異なる色調の熱硬化性樹脂組成物が塗布されている。この製造方法では、積層物を加熱加圧成形することによって、溶融して流動する熱硬化性樹脂組成物と樹脂コンパウンドが混ざり合って、マーブル調の柄を形成する。
ところで、特許文献1に記載の製造方法では、幅広のマーブル調の柄となり、所謂アジャックス柄と呼ばれるような線状の柄の形成が難しく、また、所望の部分に柄を形成することも難しかった。
上記事情に鑑みて、本開示は、線状の柄の形成が簡単に行え、かつ所望の部分に柄を形成しやすい、SMC成形品の製造方法を提供することを、目的とする。
本開示に係る一態様のSMC成形品の製造方法は、補強繊維材に熱硬化性の樹脂コンパウンドを含浸させたSMCを複数重ねた積層物を、加熱加圧成形することによって、SMC成形品を製造する方法である。前記積層物は、前記複数のSMCの一つを構成し、柄を形成するための切れ目が表面に入った柄形成用SMCと、前記柄形成用SMCの前記表面に積層され、熱硬化性樹脂組成物で形成されている着色層と、を含む。
本開示は、線状の柄の形成が簡単に行え、かつ所望の部分に柄を形成しやすい、SMC成形品の製造方法を提供することができる。
本開示は、SMC(Sheet Molding Compounds)成形品の製造方法に関し、より詳細には、柄を有するSMC成形品の製造方法に関する。
(1)概要
図1Aには、一実施形態のSMC成形品1の製造方法(以下「製造方法」と記載)で用いられる積層物2が示され、図2A,Bには、積層物2を用いたSMC成形品1の製造方法が示されている。SMC成形品1は、浴槽、キッチンカウンターの天板等として用いられる。
図1Aには、一実施形態のSMC成形品1の製造方法(以下「製造方法」と記載)で用いられる積層物2が示され、図2A,Bには、積層物2を用いたSMC成形品1の製造方法が示されている。SMC成形品1は、浴槽、キッチンカウンターの天板等として用いられる。
製造方法は、補強繊維材に熱硬化性の樹脂コンパウンドを含浸させたSMC3を複数重ねた積層物2を、加熱加圧成形することによって、SMC成形品1を製造する方法である。図1A,Bに示すように、積層物2は、複数のSMC3の一つを構成し、柄を形成するための切れ目4が表面50に入った柄形成用SMC5と、柄形成用SMC5の表面50に積層され、熱硬化性樹脂組成物6で形成されている着色層7と、を含む。
この製造方法によれば、積層物2を加熱加圧成形した際に、溶融した着色層7由来の熱硬化性樹脂組成物6が切れ目4に沿って流動しやすくて、線状の柄を形成しやすい。また、この製造方法によれば、溶融した熱硬化性樹脂組成物6の流動する範囲を切れ目4によって規制でき、所望の部分への柄の形成が安定的に行いやすい。したがって、この製造方法によれば、線状の柄の形成が簡単に行え、かつ所望の部分に柄を形成しやすい。
(2)詳細
続いて、上述した製造方法及びこの製造方法で用いられる積層物2について、更に詳しく説明する。
続いて、上述した製造方法及びこの製造方法で用いられる積層物2について、更に詳しく説明する。
(2−1)積層物
図1Aに示すように、積層物2は、互いに重なった複数のSMC3と、着色層7とを備える。本実施形態では、複数のSMC3のうち、最も表側(上側)に位置する一つのSMC3が、柄形成用SMC5である。柄形成用SMC5は、切れ目4を除くと、他のSMC3と構造が同じである。
図1Aに示すように、積層物2は、互いに重なった複数のSMC3と、着色層7とを備える。本実施形態では、複数のSMC3のうち、最も表側(上側)に位置する一つのSMC3が、柄形成用SMC5である。柄形成用SMC5は、切れ目4を除くと、他のSMC3と構造が同じである。
(2−1−1)SMC
複数のSMC3のそれぞれは、補強繊維材に熱硬化性の樹脂コンパウンドを含浸させて形成される。複数のSMC3は、平面視における大きさが、互いに同じである。
複数のSMC3のそれぞれは、補強繊維材に熱硬化性の樹脂コンパウンドを含浸させて形成される。複数のSMC3は、平面視における大きさが、互いに同じである。
補強繊維材は、SMCの製造に用いられる公知の補強繊維材である。補強繊維材は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ケブラー繊維等の種々の無機繊維、有機繊維等である。
樹脂コンパウンドは、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等と、これらに対応する硬化剤とを含む。
樹脂コンパウンドには、SMC成形品1のベースとなる色を付けるための、染料、顔料、着色用のトナー等や、加熱加圧時における樹脂コンパウンドの流動性を調整するための、増粘剤、モノマー成分等を添加してもよい。増粘剤は、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等である。モノマー成分は、例えば、スチレンモノマー、アクリルモノマー等の樹脂コンパウンド中で架橋する重合性単量体である。
また、樹脂コンパウンドには、低収縮剤、無機充填材、離型剤、硬化促進剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加してもよい。
SMC3は、本実施形態では、矩形状である。SMC3の厚みは、例えば、1〜5mm程度である。SMC3の厚みは、積層物2を構成するSMC3の枚数や、製造するSMC成形品1の大きさ等に合わせて適宜設定される。
(2−1−2)柄形成用SMC
柄形成用SMC5は、SMC3の表面(厚み方向の片側の面)に切れ目4を入れることで形成される。
柄形成用SMC5は、SMC3の表面(厚み方向の片側の面)に切れ目4を入れることで形成される。
柄形成用SMC5の表面50には、柄をなすように切れ目4が形成される。この柄は、SMC成形品1の表面に表示させたい柄に合わせて、適宜設定される。
本実施形態では、表面50には、切れ目4が複数(10本)入っている。複数の切れ目4のそれぞれは、直線状である。複数の切れ目4は、表面50を複数の領域に分けるように設けられる。複数の切れ目4のそれぞれの深さは、例えば、柄形成用SMC5の厚みよりも短い。この場合、複数の切れ目4によって柄形成用SMC5が分断されず、柄形成用SMC5が持ち運びしやすい。複数の切れ目4の深さは、互いに同じであってもよいし、互いに異なってもよく、適宜設定可能である。また、複数の切れ目4の幅は、互いに同じであってもよいし、互いに異なってもよく、適宜設定可能である。
本実施形態の柄形成用SMC5では、複数の切れ目4は、表面50の対向する二つの端辺と交わる複数(三つ)の切れ目4aと、表面50の直交する二つの端辺と交わる複数(四つ)の切れ目4bを含む。複数の切れ目4は更に、表面50の一つの端辺と他の一つの切れ目4aと交わる複数(二つ)の切れ目4cと、表面50の一つの端辺にのみ交わる切れ目4dを含む。切れ目4a,4b,4dは、互いに交差しておらず、互いに間隔をおいて位置している。
(2−1−3)着色層
着色層7を形成する熱硬化性樹脂組成物6は、熱硬化性樹脂に顔料を分散させたものであり、液状である。熱硬化性樹脂は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等と、これらに対応する硬化剤とを含む。なお、着色層7を形成する熱硬化性樹脂は、加熱加圧成形するときには、柄形成用SMC5に含まれる硬化剤と混合状態になる。そのため、この硬化剤が着色層7を形成する熱硬化性樹脂を硬化させることができるものであれば、着色層7には硬化剤を含まないようにしてもよい。
着色層7を形成する熱硬化性樹脂組成物6は、熱硬化性樹脂に顔料を分散させたものであり、液状である。熱硬化性樹脂は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等と、これらに対応する硬化剤とを含む。なお、着色層7を形成する熱硬化性樹脂は、加熱加圧成形するときには、柄形成用SMC5に含まれる硬化剤と混合状態になる。そのため、この硬化剤が着色層7を形成する熱硬化性樹脂を硬化させることができるものであれば、着色層7には硬化剤を含まないようにしてもよい。
熱硬化性樹脂の配合割合は、熱硬化性樹脂組成物6の全量に対して30〜50質量%、好ましくは35〜40質量%の範囲である。この配合範囲とすることにより、加熱加圧時に熱硬化性樹脂組成物6と、柄形成用SMC5の樹脂コンパウンドとを適度に相溶させ、硬化させることができる。
熱硬化性樹脂に分散させる顔料は、熱硬化性樹脂組成物で用いられる公知の無機充填材等である。顔料は、例えば、チタン白、カーボンブラック、アルミナ、各種トナー等である。
熱硬化性樹脂組成物6には、SMC3の色との色調の違いを明確にするためや、色調のバランスを調整するための、染料を更に添加してもよい。また、熱硬化性樹脂組成物6には、例えば、低収縮剤、離型剤、硬化促進剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加してもよい。
本実施形態では、着色層7は、柄形成用SMC5の表面50に熱硬化性樹脂組成物6を塗布することによって形成されている。熱硬化性樹脂組成物6は、ロールコート、スプレーコート、刷毛塗り等の公知の塗布方法で、塗布される。
本実施形態では、柄形成用SMC5の表面50の全体に、熱硬化性樹脂組成物6を塗布している。熱硬化性樹脂組成物6の塗布は、例えば、均一な厚みとなるように行う。
本実施形態の積層物2では、互いに重なった複数のSMC3のうち、最も表側(上側)に位置するSMC3が、柄形成用SMC5であり、柄形成用SMC5の表面50に積層された着色層7が、積層物2の最表層を構成する。
(2−1−4)積層物の製造方法
続いて、積層物2の製造方法について説明する。
続いて、積層物2の製造方法について説明する。
まず、複数のSMC3のうちの一つの表面に、切れ目4を入れて、柄形成用SMC5を形成する。次いで、柄形成用SMC5の表面50(上面)に、熱硬化性樹脂組成物6を塗布して、着色層7を形成する。
次いで、切れ目4の入っていない複数のSMC3を上下に積み重ね、その上に、着色層7が表側(上側)に位置するように、柄形成用SMC5を重ねることで、積層物2を製造する。着色層7と柄形成用SMC5と複数のSMC3は、平面視において外形が一致するように、積み重ねる。
(2−2)製造方法
続いて、上述した積層物2を用いてSMC成形品1を製造する製造方法について説明する。
続いて、上述した積層物2を用いてSMC成形品1を製造する製造方法について説明する。
まず、図2Aに示すように、積層物2を下金型8と上金型9の間に配置する。
次いで、図2Bに示すように、積層物2を加熱加圧成形し、SMC成形品1を製造する。成形条件は、例えば、プレス圧力が3〜10MPa、型温が140〜150℃である。成形条件は、SMC3の樹脂コンパウンドの樹脂特性や、熱硬化性樹脂組成物6の硬化条件、SMC3の厚さ、SMC3の積層枚数等に応じて適宜決設定可能である。
上記のように加熱加圧成形することによって、金型8,9の間に配置した積層物2において、熱硬化性樹脂組成物6とSMC3,5の樹脂コンパウンドとを共に良好に流動させ、硬化させることができる。
この状態で金型8,9から脱型することにより、表面に柄を有するSMC成形品1を得ることができる。
本実施形態のSMC成形品1では、加熱加圧成形時に、着色層7由来の熱硬化性樹脂組成物6が複数の切れ目4のそれぞれに沿って流動することで、線状の柄(所謂アジャックス柄)が表面に形成される。
また、本実施形態のSMC成形品1では、加熱加圧成形時に、熱硬化性樹脂組成物6の流動が複数の切れ目4によって規制される。これにより、本実施形態のSMC成形品1では、隣接する二つの切れ目4の間に対応する部分では、熱硬化性樹脂組成物6と柄形成用SMC5の樹脂コンパウンドとが部分的に混ざり合ったマーブル調の柄が形成される。マーブル調の柄とは、異なる2色以上が完全に混ざり合わず、渦状や筋状の斑を形成した模様をいい、例えば、天然大理石の濃淡を有する渦状や筋状の模様を意味する。
(3)実施例
以下、実施例及び比較例により本開示をさらに詳しく説明する。なお、本開示は、実施例によって限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例により本開示をさらに詳しく説明する。なお、本開示は、実施例によって限定されるものではない。
(3−1)実施例1
まず、実施例1のSMC成形品1の製造方法について説明する。
まず、実施例1のSMC成形品1の製造方法について説明する。
まず、SMCは、樹脂80質量部、低収縮剤20質量部、硬化剤1質量部、重合禁止剤0.1質量部、離型剤7質量部、充填剤150質量部、増粘剤1質量部、着色剤7質量部、及び補強繊維材60質量部の配合割合で作製した。熱硬化性樹脂組成物6は、熱硬化性樹脂35質量部、顔料(チタン白)60質量部、及び顔料(カーボンブラック)5質量部の配合割合で作成した。
SMCの樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂(昭和電工(株)製:M−580)であり、低収縮剤は、ポリスチレン樹脂であり、硬化剤は、t−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)製、パーブチルZ)であり、重合禁止剤は、p−ベンゾキノンである。離型剤は、ステアリン酸であり、充填剤は、炭酸カルシウムであり、増粘剤は、酸化マグネシウムであり、着色剤は、顔料(チタン白)であり、補強繊維材は、1インチカットEガラス繊維(日東紡(株)製:RS 480 PB−549)である。
熱硬化性樹脂組成物6の熱硬化性樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂(昭和電工(株)製:M−580)である。
作製した1枚のシート状に賦形されたSMCを、縦115mm×横200mmに3枚切り出して、SMC3とした。
次いで、切り出した3枚のSMC3のうちの1枚の表面に、図3Aに示すように、複数の切れ目4を入れて、柄形成用SMC5とした。次いで、柄形成用SMC5の表面50の全体に、熱硬化性樹脂組成物6を塗布して、着色層7を形成した。
次に、最表層(最上層)が着色層7となるように、上から1層目を柄形成用SMC5とし、他の層をSMC3(切れ目4の入っていないSMC3)として、積層物2を形成した。
この積層物2を型温140〜150℃の一定値に保持した金型8,9の間に配置して、7MPaで5分間成形してSMC成形品1を得た。SMC成形品1の表面写真を、図3Cに示す。
図3Cに示したSMC成形品1の表面写真から、溶融した熱硬化性樹脂組成物6が、柄形成用SMCの複数の切れ目4に沿って流動し、SMC成形品1の表面に線状の柄が形成されることが確認された。
(3−2)実施例2
次に、実施例2のSMC成形品1の製造方法について説明する。
次に、実施例2のSMC成形品1の製造方法について説明する。
3枚のSMC3の製造方法は、実施例1の製造方法と同じである。
実施例2では、切り出した3枚のSMC3のうちの2枚を、外形が平面視において一致するように、上下に重ねる。次いで、図4A,Bに示すように、上下に重ねた2枚のSMC3の表面(上面)に、複数の切れ目4を入れる。このとき、複数の切れ目4のそれぞれが、上側のSMC3を厚み方向に貫通し、かつ下側のSMC3の表面に入るように、切れ目4を形成した。複数の切れ目4のうち一つの切れ目4eは、上下のSMC3の両方を厚み方向に貫通するように形成した。これにより、2枚の柄形成用SMC5が形成された。
次いで、上側の柄形成用SMC5の表面50の全体に、熱硬化性樹脂組成物6を塗布して、着色層7を形成した。
次いで、最表層が着色層7となるように、上から1層目と2層目を柄形成用SMC5とし、他の層をSMC3(切れ目4の入っていないSMC3)として、積層物2を形成した。
この積層物2を実施例1と同条件で加熱加圧成形して、SMC成形品1を得た。SMC成形品1の表面写真を、図4Cに示す。
図4Cに示したSMC成形品1の表面写真から、2層の柄形成用SMC5を貫通する切れ目4eに対応する部分では、その他の切れ目4に対応する部分よりも、濃い線状の柄が形成されることが確認された。このことから、切れ目4の深さの調整によって、線状の柄の濃淡の調整が可能となることが確認された。
(3−3)実施例3
次に、実施例3のSMC成形品1の製造方法について説明する。
次に、実施例3のSMC成形品1の製造方法について説明する。
SMC3及び柄形成用SMC5の製造方法は、実施例1の製造方法と同じである。
実施例3では、図5A,Bに示すように、柄形成用SMC5の表面50の一部に、調整した熱硬化性樹脂組成物6を塗布して、切れ目4を区界とした着色層7を形成した。詳しくは、複数の切れ目4によって分けられた表面50の複数の領域のうちの一部の領域に、熱硬化性樹脂組成物6を塗布し、残りの領域には、熱硬化性樹脂組成物6を塗布しなかった。
次いで、最表層が着色層7となるように、上から1層目を柄形成用SMC5とし、他の層をSMC3(切れ目4の入っていないSMC3)として、積層物2を形成した。
この積層物2を実施例1と同条件で加熱加圧成形して、SMC成形品1を得た。SMC成形品1の表面写真を、図5Cに示す。
図5Cに示したSMC成形品1の表面写真から、表面50のうち、熱硬化性樹脂組成物6を塗布した領域に対応する部分には、マーブル調の柄が形成され、熱硬化性樹脂組成物6を塗布していない領域に対応する部分には、柄が形成されないことが確認された。このことから、切れ目4の形成と選択的な熱硬化性樹脂組成物6の塗布によって、柄が形成される部分の設定が可能であることが確認された。
(3−4)比較例
次に、比較例のSMC成形品1の製造方法について説明する。
次に、比較例のSMC成形品1の製造方法について説明する。
3枚のSMC3の製造方法は、実施例1の製造方法と同じである。
比較例では、図6Aに示すように、3枚のSMC3のうちの1枚の表面全体に、熱硬化性樹脂組成物6を塗布して、着色層7を形成した。
次いで、最表層が着色層7となるように、3枚のSMC3(切れ目4の入っていないSMC3)を積層して、積層物2を形成した。
この積層物2を実施例1と同条件で加熱加圧成形して、SMC成形品1を得た。SMC成形品1の表面写真を、図6Bに示す。
図6Bに示したSMC成形品1の表面写真から、熱硬化性樹脂組成物6が、溶融したSMC3の樹脂コンパウンドの流れに随伴して不均一に流れ、幅広のマーブル調の柄が全体に形成されることが確認された。
(4)変形例
以上説明したSMC成形品1の製造方法及び積層物2の変形例について説明する。
以上説明したSMC成形品1の製造方法及び積層物2の変形例について説明する。
積層物2を構成するSMC3の数(柄形成用SMC5を含むSMC3の数)は、三つに限らず、二つ、または4つ以上であってもよい。ただし、柄形成用SMC5は、最表層または最表層に近い層に配置することが好ましい。また、積層物2は、最表層または最表層に近い層と、最裏層または最裏層に近い層の両方に、柄形成用SMC5を備えてもよく、この場合、SMC成形品1の表裏両面に、線状の柄を形成することができる。
積層物2は、柄形成用SMC5と、その表面50に積層された着色層7とを含んだものであればよく、切れ目4が入っていないSMC3、着色層7、及び柄形成用SMC5が、この順に表側(上側)から並ぶように、積層したものであってもよい。この場合、着色層7は、切れ目4が入っていないSMC3の裏面(下面)に熱硬化性樹脂組成物6を塗布することで形成してもよい。
柄形成用SMC5の表面50に入った切れ目4の数は、複数に限らず、一つだけであってもよい。また、切れ目4は、直線状に限らず、曲線状であってもよい。また、切れ目4は、表面50の各端辺と交わらないように形成されてもよい。
(まとめ)
以上説明した一実施形態及びその変形例の製造方法のように、第一態様の製造方法は、下記の構成を備える。
以上説明した一実施形態及びその変形例の製造方法のように、第一態様の製造方法は、下記の構成を備える。
すなわち、第一態様の製造方法は、補強繊維材に熱硬化性の樹脂コンパウンドを含浸させたSMC3を複数重ねた積層物2を、加熱加圧成形することによって、SMC成形品1を製造する方法である。積層物2は、複数のSMC3の一つを構成し、柄を形成するための切れ目4が表面50に入った柄形成用SMC5と、柄形成用SMC5の表面50に積層され、熱硬化性樹脂組成物6で形成されている着色層7と、を含む。
上記構成を備えることで、第一態様の製造方法では、積層物2を加熱加圧成形する際に、溶融した着色層7由来の熱硬化性樹脂組成物6を、柄形成用SMC5の切れ目4に沿って流動させることができ、SMC成形品1の表面に線状の柄を形成することができる。また、第一態様の製造方法では、溶融した熱硬化性樹脂組成物6の流動を、柄形成用SMC5の切れ目4によって規制でき、SMC成形品1の所望の部分に、柄を形成しやすい。
また、一実施形態及びその変形例の製造方法のように、第二態様の製造方法は、第一態様の製造方法の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第二態様の製造方法では、着色層7は、柄形成用SMC5の表面50の一部に、熱硬化性樹脂組成物6を塗布することで形成されたものである。
上記構成を備えることで、第二態様の製造方法では、熱硬化性樹脂組成物6を塗布していない領域への熱硬化性樹脂組成物6の流動を、柄形成用SMC5の切れ目4によって規制できるため、SMC成形品1の所望の部分に柄を安定的に形成しやすい。
また、一実施形態及びその変形例の製造方法のように、第三態様の製造方法は、第一または第二態様の製造方法の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第三態様の製造方法では、柄形成用SMC5の表面50には、切れ目4が複数入っており、複数の切れ目4は、柄形成用SMC5を厚み方向に貫通する切れ目4eを含む。
上記構成を備えることで、第三態様の製造方法では、柄形成用SMC5を厚み方向に貫通する切れ目4eに対応する部分では、熱硬化性樹脂組成物6が流入しやすくて、線状の柄を濃く形成することができる。
また、一実施形態及びその変形例の製造方法のように、第四態様の製造方法は、第一から第三のいずれかの態様の製造方法の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第四態様の製造方法では、着色層7は、積層物2の最表面を構成する。
上記構成を備えることで、第四態様の製造方法では、SMC成形品1の表面に柄が表示されやすい。
以上、本開示を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
1 SMC成形品
2 積層物
3 SMC
4 切れ目
4e 切れ目(柄形成用SMCを厚み方向に貫通する切れ目)
5 柄形成用SMC
50 表面
6 熱硬化性樹脂組成物
7 着色層
2 積層物
3 SMC
4 切れ目
4e 切れ目(柄形成用SMCを厚み方向に貫通する切れ目)
5 柄形成用SMC
50 表面
6 熱硬化性樹脂組成物
7 着色層
Claims (4)
- 補強繊維材に熱硬化性の樹脂コンパウンドを含浸させたSMCを複数重ねた積層物を、加熱加圧成形することによって、SMC成形品を製造する製造方法であって、
前記積層物は、
前記複数のSMCの一つを構成し、柄を形成するための切れ目が表面に入った柄形成用SMCと、
前記柄形成用SMCの前記表面に積層され、熱硬化性樹脂組成物で形成されている着色層と、を含む、
SMC成形品の製造方法。 - 前記着色層は、
前記柄形成用SMCの前記表面の一部に、前記熱硬化性樹脂組成物を塗布することで形成されたものである、
請求項1のSMC成形品の製造方法。 - 前記柄形成用SMCの前記表面には、前記切れ目が複数入っており、
前記複数の切れ目は、前記柄形成用SMCを厚み方向に貫通する切れ目を含む、
請求項1または2のSMC成形品の製造方法。 - 前記着色層は、前記積層物の最表面を構成する、
請求項1〜3のいずれかのSMC成形品の製造方法。
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2018
- 2018-08-30 JP JP2018162116A patent/JP2020032645A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015074152A (ja) * | 2013-10-08 | 2015-04-20 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | Smc成形品の製造方法 |
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