JP2020031227A - 封止材用エポキシ樹脂組成物、及び封止材 - Google Patents
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Abstract
Description
エポキシ樹脂等を含む熱硬化性樹脂組成物が用いられている。該熱硬化性樹脂組成物の構
成成分としては、エポキシ樹脂、該エポキシ樹脂と反応性を有するフェノール樹脂等の硬
化剤、該エポキシ樹脂と該硬化剤との反応を促進する熱潜在性触媒が一般に用いられてい
る。熱潜在性触媒は、接着剤の硬化温度及び硬化速度を決定する重要な因子となっており
、室温での貯蔵安定性及び加熱時の硬化速度の観点から、種々の化合物が用いられている
(例えば、特許文献1参照)。これらの特徴を生かして、熱潜在性触媒は、半導体素子用
封止材、特にアンダーフィル材の封止材に対して使用されている(例えば、特許文献2参
照)。
、あるいはモバイル機器の軽量化として耐熱性の低い材料を使用する目的で、また、生産
性を大幅に改善する目的で、接続材料の一つとして用いられるエポキシ樹脂組成物に対し
て、硬化剤に対する貯蔵安定性を損なわずに、組成物の硬化性を一層向上することが強く
求められている。しかしながら、特許文献2に記載されているようなエポキシ樹脂を用い
た封止材は、近年の低温かつ短時間における圧着性、接続信頼性の要求に対しては不十分
である。
硬化性を有しつつ、封止材に用いられる様々の添加剤に対しても貯蔵安定性のバランス(
以下、単に「貯蔵安定性のバランス」ともいう。)に優れる封止材用エポキシ樹脂組成物
を提供することを目的とする。
25℃で固体の硬化剤粒子とを含有し、該硬化剤粒子における比表面積と篩下積算分率5
0%の粒径D50とが特定の関係を満たす封止材用エポキシ樹脂組成物を用いることによ
り、十分な硬化性を有しつつ、貯蔵安定性のバランスに優れることを見出し、本発明を完
成するに至った。
[1]
エポキシ樹脂と、25℃で固体の硬化剤粒子と、を含有し、
前記硬化剤粒子における比表面積値(m2/g)と篩下積算分率50%の粒径D50(μ
m)とが、下記式(1)で表される関係を満たす、封止材用エポキシ樹脂組成物。
4.0X-1 ≦ Y ≦ 8.3X-1 (1)
(式(1)中、Xは、篩下積算分率50%の粒径D50(μm)を示し、Yは、比表面積値
(m2/g)を示す。)
[2]
前記硬化剤粒子において、前記粒径D50が、0.3μm超12μm以下であり、前記粒
径D50に対する篩下積算分率99%の粒径D99の比率で表される粒度分布が、6.0以下
であり、かつ含有水分量が、該硬化剤粒子の質量に対して、1.5質量%以下である、[
1]に記載の封止材用エポキシ樹脂組成物。
[3]
前記硬化剤粒子は、イミダゾール化合物を変性させたものを含む、[1]又は[2]に
記載の封止材用エポキシ樹脂組成物。
[4]
前記硬化剤粒子は、コアと、該コアを被覆するシェルと、を有し、
前記シェルは、少なくとも、波数1630cm-1以上1680cm-1以下の赤外線を吸
収する結合基と、波数1680cm-1以上1725cm-1の赤外線を吸収する結合基と、
波数1730cm-1以上1755cm-1の赤外線を吸収する結合基と、をその表面に有す
る、[1]〜[3]のいずれかに記載の封止材用エポキシ樹脂組成物。
[5]
前記シェルは、その構造中に、ウレア結合を有し、かつ、エステル結合を実質的に有し
ない、[4]に記載の封止材用エポキシ樹脂組成物。
[6]
前記硬化剤粒子において、前記粒径D50に対する前記シェルの厚さの比率は、1.5/
100以上18/100である、[4]又は[5]に記載の封止材用エポキシ樹脂組成物
。
[7]
前記シェルは、イソシアネート化合物、活性水素化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、他の
エポキシ樹脂、及び低分子アミン化合物からなる群より選択される一種又は二種以上を反
応させて得られる、反応生成物を含む、[4]〜[6]のいずれかに記載の封止材用エポ
キシ樹脂組成物。
[8]
前記コアが含有する塩素量と前記シェルに用いられる前記他のエポキシ樹脂が含有する
塩素量の合計量が、前記硬化剤粒子に対して、2500質量ppm以下である、[4]〜
[7]のいずれかに記載の封止材用エポキシ樹脂組成物。
[9]
無機充填剤、反応性希釈剤、他の硬化剤、及び硬化促進剤からなる群より選択される一
種又は二種以上の添加剤をさらに含有する、[1]〜[8]のいずれかに記載の封止材用
エポキシ樹脂組成物。
[10]
前記反応性希釈剤は、その分子内にエポキシ基を1つ以上含有する、[9]に記載の封
止材用エポキシ樹脂組成物。
[11]
前記無機充填剤は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及び窒化ホウ素のいずれかである
、[9]又は[10]に記載の封止材用エポキシ樹脂組成物。
[12]
[1]〜[11]のいずれかに記載の封止材用エポキシ樹脂組成物を用いた、封止材。
、封止材に用いる様々な添加剤に対しても貯蔵安定性のバランスに優れる。
細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下
の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる
。
本実施形態の封止材用エポキシ樹脂組成物(以下、単に「エポキシ樹脂組成物」、「組
成物」ともいう。)は、エポキシ樹脂と、25℃で固体の硬化剤粒子とを含有する。また
、上記硬化剤粒子における比表面積値(m2/g)と篩下積算分率50%の粒径D50(μ
m)とが、下記式(1)で表される関係を満たす。
4.0X-1 ≦ Y ≦ 8.3X-1 (1)
(式(1)中、Xは、粒径D50を示し、Yは、比表面積値を示す。)
エポキシ樹脂組成物が含有する、本実施形態のエポキシ樹脂(以下、「エポキシ樹脂(
e1)」、「成分(e1)」、「(e1)」ともいう。)としては、特に限定されないが
、例えば、モノエポキシ化合物及び多価エポキシ化合物のいずれか又はそれらの混合物が
挙げられる。
ル、ヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエー
テル、パラ−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、エチレンオキシド、プロピ
レンオキシド、パラキシリルグリシジルエーテル、グリシジルアセテート、グリシジルブ
チレート、グリシジルヘキソエート、及びグリシジルベンゾエートが挙げられる。
フェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA
、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビス
フェノールS、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラ
フルオロビスフェノールA等のビスフェノール類をグリシジル化したビスフェノール型エ
ポキシ樹脂;ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン等のその他の2価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;1
,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−(1−(4−(1−(4
−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール等
のトリスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;1,1,2,2,−テトラキス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のテトラキスフェノール類をグリシジル化したエポ
キシ樹脂;フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック
、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等のノボラック類を
グリシジル化したノボラック型エポキシ樹脂等;多価フェノール類をグリシジル化したエ
ポキシ樹脂、グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールをグリシジル化し
た脂肪族エーテル型エポキシ樹脂;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒド
ロキシカルボン酸をグリシジル化したエーテルエステル型エポキシ樹脂;フタル酸、テレ
フタル酸のようなポリカルボン酸をグリシジル化したエステル型エポキシ樹脂;4,4−
ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノール等のアミン化合物のグリシジル化物や
トリグリシジルイソシアヌレート等のアミン型エポキシ樹脂等のグリシジル型エポキシ樹
脂と、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカ
ルボキシレート等の脂環族エポキサイドが挙げられる。
本実施形態の硬化剤粒子(以下、「エポキシ樹脂用硬化剤粒子」、「エポキシ樹脂用硬
化剤」、「硬化剤」ともいう。)は、25℃で固体であり、かつ、粒子の形状である。ま
た、硬化剤粒子においては、該粒子の比表面積値(m2/g)と篩下積算分率50%の粒
径D50(μm)とが下記式(1)で表される関係を満たす。
4.0X-1 ≦ Y ≦8.3X-1 (1)
(式(1)中、Xは、篩下積算分率50%の粒径D50(μm)を示し、Yは、比表面積値
(m2/g)を示す。)
0.3μmを超えて12μm以下であることが好ましく、また、該粒子の篩下積算分率5
0%の粒径D50に対する篩下積算分率99%の粒径D99の比率(D99/D50)で表され
る粒度分布が、6.0以下であり、かつ、該粒子の含有水分量が、1.5%質量以下であ
ることが好ましい。
組成物を作製する際に、貯蔵安定性に優れる封止材用エポキシ樹脂組成物を提供すること
ができる。より詳細には、本実施形態のエポキシ樹脂用硬化剤は、その粉末の形状補正を
することによって、粉末の比表面積値を低下させ、硬化剤(粒子)同士の凝集を抑制し、
1液型エポキシ樹脂用硬化剤とした後に封止材樹脂組成物に含有させることによって封止
材に用いる反応性希釈剤、無機充填剤、硬化促進剤、溶剤等の様々な添加剤の長期貯蔵安
定性に優れる封止材用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
は、特に限定されないが、例えば、アミン系硬化剤を主成分とするものが挙げられる。ア
ミン系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、アミンアダクト系、変性ポリアミ
ン系、脂肪族ポリアミン系、複素環式ポリアミン系、脂環式ポリアミン系、芳香族アミン
系、ポリアミドアミン系、ケチミン系、ウレタンアミン系の硬化剤が挙げられる。これら
の中でも、適度な反応性を有する観点から、低分子アミン化合物(a1)とアミンアダク
トとからなるアミン系硬化剤が好ましい。ここで、アミン系硬化剤を「主成分とする」と
は、硬化剤の総量(100質量%)に対して、50質量%以上、好ましくは70質量%以
上、さらに好ましくは90質量%以上を含有することをいう。
)」、「成分(a1)」、「(a1)」ともいう。)としては、特に限定されないが、例
えば、少なくとも1個の一級アミノ基及び/又は二級アミノ基を有するが、三級アミノ基
を有さない化合物;少なくとも1個の三級アミノ基と少なくとも1個の活性水素基とを有
する化合物が挙げられる。
さない化合物としては、特に限定されないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プ
ロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、エタノールアミン、プロパ
ノールアミン、シクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン、アニリン、トルイジン、ジ
アミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の三級アミノ基を有さない第一
アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペ
ンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパ
ノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、ピペリドン、ジフェニルアミン、
フェニルメチルアミン、フェニルエチルアミン等の三級アミノ基を有さない第二アミン類
が挙げられる。
は、特に限定されないが、例えば、2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル−2−ジ
メチルアミノエタノール、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、2−
ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、メチ
ルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−β−ヒドロキシエチルモルホリン等
のアミノアルコール類;2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミノフェノール類;2−メチルイミダゾール
、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシ
ルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾー
ル、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−
(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−
ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダ
ゾール類;1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリ
ン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾリン、2−メ
チルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾリン、2−ベンジルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、
2−(o−トリル)−イミダゾリン、テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,1,3
−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,3,3−トリメチル
−1,4−テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,1,3−トリメチル−1,4−テ
トラメチレン−ビス−4−メチルイミダゾリン、1,3,3−トリメチル−1,4−テト
ラメチレン−ビス−4−メチルイミダゾリン、1,2−フェニレン−ビス−イミダゾリン
、1,3−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,4−フェニレン−ビス−イミダゾリン
、1,4−フェニレン−ビス−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類;ジメチルア
ミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン
、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチル
アミン、ジプロピルアミノエチルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、N−メチルピペ
ラジン、N−アミノエチルピペラジン、ジエチルアミノエチルピペラジン等の三級アミノ
アミン類;2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2
−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン等の
アミノメルカプタン類;N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、
ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸等のアミノカルボン酸類;N,N−ジメチルグ
リシンヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、及びイソニコチン酸ヒドラジド等のアミノヒ
ドラジド類が挙げられる。
ダゾール化合物が好ましい。すなわち、硬化剤粒子は、イミダゾール化合物を変性させた
ものを含むことが好ましい。
酸化合物、尿素化合物、イソシアネート化合物、及びエポキシ樹脂(e2)からなる群よ
り選択される1種又は2種以上の化合物と、アミン化合物(a2)との反応により得られ
るアミノ基を有する化合物が挙げられる。
バシン酸、フタル酸、及びダイマー酸が挙げられる。
−トルエンスルホン酸が挙げられる。
、エチル尿素、及びt−ブチル尿素が挙げられる。
ト、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート、及
びポリイソシアネートが挙げられる。脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されな
いが、例えば、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びトリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネートが挙げられる。脂環式ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例え
ば、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
、ノルボルナンジイソシアネート、1,4−イソシアナトシクロヘキサン、1,3−ビス
(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、及び1,3−ビス(2−イソシアナトプロピ
ル−2−イル)−シクロヘキサンが挙げられる。芳香族ジイソシアネートとしては、特に
限定されないが、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、キシレンジイソシアネート、及び1,5−ナフタレンジイソシアネートが
挙げられる。脂肪族トリイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、1,6
,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネー
トメチルオクタン、及び1,3,6−トリイソシアネートメチルヘキサンが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、ポリメチレンポリフェニル
ポリイソシアネート、及び上記ジイソシアネート化合物より誘導されるポリイソシアネー
トが挙げられる。上記ジイソシアネートより誘導されるポリイソシアネートとしては、特
に限定されないが、例えば、イソシアヌレート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリ
イソシアネート、ウレタン型ポリイソシアネート、アロハネート型ポリイソシアネート、
及びカルボジイミド型ポリイソシアネートが挙げられる。
(e2)」、「(e2)」ともいう。)としては、特に限定されないが、例えば、モノエ
ポキシ化合物及び多価エポキシ化合物のいずれか、及びそれらの混合物が挙げられる。モ
ノエポキシ化合物としては、特に限定されないが、例えば、ブチルグリシジルエーテル、
ヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル
、パラ−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、エチレンオキシド、プロピレン
オキシド、パラキシリルグリシジルエーテル、グリシジルアセテート、グリシジルブチレ
ート、グリシジルヘキソエート、及びグリシジルベンゾエートが挙げられる。多価エポキ
シ化合物としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF
、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチ
ルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS
、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラフルオロビス
フェノールA等のビスフェノール類をグリシジル化したビスフェノール型エポキシ樹脂;
ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン等のその他の2価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;1,1,1−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール等のトリスフェ
ノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;1,1,2,2,−テトラキス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン等のテトラキスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;フ
ェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェ
ノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等のノボラック類をグリシジル化
したノボラック型エポキシ樹脂;多価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、グ
リセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールをグリシジル化した脂肪族エーテ
ル型エポキシ樹脂;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン
酸をグリシジル化したエーテルエステル型エポキシ樹脂;フタル酸、テレフタル酸のよう
なポリカルボン酸をグリシジル化したエステル型エポキシ樹脂;4,4−ジアミノジフェ
ニルメタンやm−アミノフェノール等のアミン化合物のグリシジル化物やトリグリシジル
イソシアヌレート等のアミン型エポキシ樹脂等のグリシジル型エポキシ樹脂、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等
の脂環族エポキサイドが挙げられる。
を得る観点から、エポキシ樹脂(e2)の総量に対して、2500質量ppm以下である
ことが好ましく、より好ましくは2000質量ppm以下であり、さらに好ましくは15
00質量ppm以下であり、よりさらに好ましくは800質量ppm以下であり、さらに
より好ましくは400質量ppm以下であり、一層好ましくは200質量ppm以下であ
り、より一層好ましくは180質量ppm以下であり、さらに一層好ましくは100質量
ppm以下であり、よりさらに一層好ましくは80質量ppm以下であり、さらにより一
層好ましくは50質量ppm以下である。ここで、全塩素量とは、エポキシ樹脂(e2)
中に含まれる有機塩素及び無機塩素の総量を示し、エポキシ樹脂に対する質量基準の値で
ある。エポキシ樹脂の全塩素量は、下記の方法により測定される。
用いて洗浄と濾過とを繰り返す。次に、抽出したエポキシ樹脂が含まれるろ液を100℃
以下で減圧留去し、エポキシ樹脂を得る。得られたエポキシ樹脂試料1〜10gを、滴定
量が3〜7mLになるよう精秤し、25mLのエチレングリコールモノブチルエーテルに
溶解し、これに1規定KOHのプロピレングリコール溶液25mLを加えて、20分間煮
沸した後、硝酸銀水溶液で滴定した滴定量より計算する。
る観点から、0.01質量ppm以上であることが好ましく、より好ましくは0.02質
量ppm以上であり、さらに好ましくは0.05質量ppm以上であり、よりさらに好ま
しくは0.1質量ppm以上であり、さらにより好ましくは0.2質量ppm以上であり
、一層好ましくは0.5質量ppm以上である。さらに、全塩素量が0.1質量ppm以
上であることにより、シェル形成反応が硬化剤を含むコア表面で効率よく行われ、より一
層貯蔵安定性に優れた硬化剤が得られる傾向にある。
量ppm以下であり、より好ましい範囲は0.2質量ppm以上80質量ppm以下であ
り、さらに好ましい範囲は0.5質量ppm以上50質量ppm以下である。
素は、加水分解性塩素という。エポキシ樹脂(e2)中の加水分解性塩素量は、好ましく
は50質量ppm以下、より好ましくは0.01質量ppm以上20質量ppm以下、さ
らに好ましくは0.05質量ppm以上10質量ppm以下である。加水分解性塩素量が
50質量ppm以下であることにより、高い硬化性と貯蔵安定性とを両立する観点から好
ましく、硬化物が優れた電気特性を示す傾向にある。
e2)3gを50mLのトルエンに溶解し、これに0.1規定KOHのメタノール溶液2
0mLを加えて15分間煮沸した後、硝酸銀水溶液で滴定した滴定量より計算する。
(a2)」、「(a2)」ともいう。)としては、例えば、上述した低分子アミン化合物
(a1)の例として挙げたアミン化合物と同様のものが挙げられる。
反応により得られるアミノ基を有する化合物が好ましい。エポキシ樹脂(e2)とアミン
化合物(a2)との反応により得られるアミンアダクトは、未反応のアミン化合物(a2
)を低分子アミン化合物(a1)として流用できるという観点からも好ましい。
は、例えば、エポキシ樹脂(e2)とアミン化合物(a2)を、エポキシ樹脂(e2)の
エポキシ基1当量に対して、アミン化合物(a2)の活性水素基が好ましくは0.5当量
以上10当量以下、より好ましくは0.8当量以上5.0当量以下、さらに好ましくは0
.95当量以上4.0当量以下となるような範囲で、必要に応じて溶剤の存在下において
、例えば、50〜250℃の温度で0.1〜10時間反応させることにより得られる。エ
ポキシ基に対する活性水素基の当量比を0.5以上にすると、ゲルパーミエーションクラ
マトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布が7.0以下となるアミンアダク
トを得るのに有利であり、その結果、アミンアダクトの流動性が高まる傾向にある。さら
に、上記のようなアミンアダクトを用いることは組成物の保存安定性及び低温硬化性の観
点から好ましい。当量比を10以下にすると、未反応のアミン化合物(a2)を回収せず
にそのまま低分子アミン化合物(a1)として利用できるので有利である。
いて、必要に応じて用いられる溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、ナフサ等の炭化水素類;ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類;酢酸
エチル、酢酸−n−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエ
ステル類;メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ブチルセロソルブ、ブチル
カルビトール等のアルコール類;水が挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で用いても
、2種以上を併用してもよい。
特に限定されないが、0.3以上30以下であることが好ましく、0.5以上25以下で
あることがより好ましく、0.7以上20以下であることがさらに好ましい。比表面積値
が0.3以下であると、硬化速度が低下する傾向にあり、比表面積値が30以上であると
、硬化剤粒子の凝集が大きく、安定性が低下する傾向にある。比表面積値が0.3以上3
0以下であるエポキシ樹脂用硬化剤を得るためには、所定の大きさへの粉砕やポーラス体
を作製しない粉砕方法により得られる。ここで、比表面積値は、後述する実施例に記載さ
れた方法に準じて測定することができる。
満たすものであれば特に限定されないが、0.3μm超12μm以下であることが好まし
く、1.0μm以上10μm以下であることがより好ましく、1.5μm以上5.0μm
以下であることがさらに好ましい。粒径D50が12μm以下であると、均質な硬化物を得
ることができる傾向にあり、粒径D50が0.3μm超であると、エポキシ樹脂用硬化剤間
での凝集を抑制でき、薄いシェルの形成が容易となる傾向にある。粒径D50が0.3μm
超12μm以下であるエポキシ樹脂用硬化剤を得るためには、力学的な粉砕や溶媒中での
粒子成長を行えばよい。ここで、粒径D50は、後述する実施例に記載された方法に準じて
測定することができる。
%の粒径D99の比率(以下、単に「D99/D50」とも表す。)である。粒度分布において
、粒子同士の凝集を防止する観点から、D99/D50は、6.0以下であることが好ましく
、同様の観点から、より好ましくは5.5以下であり、さらに好ましくは5.0以下であ
る。D99/D50が6.0以下であることにより、紛体粒子中の粗大粒子が少なく、凝集物
の生成を抑制し、硬化物の物性が損なわれることを抑制する傾向にある。D99/D50は、
小さければ小さいほど粒度の分布はブロードではないことを意味し、均質な硬化物を得や
すく、良好な硬化性能が得られやすい。また、D99/D50の値が6.0以下であることに
より、粒度分布が狭く、粒径の比較的大きな粒子が存在しにくくなるため、配合物を作製
した際のギャップへの浸透性が優れる傾向にある。また、D99/D50は、1.2以上が好
ましい。D99/D50が1.2以上であることにより、硬化剤粒子間に多くの隙間ができる
ことを抑制する傾向にあり、好ましく、同様の観点から、より好ましくは1.5以上であ
り、さらに好ましくは1.7以上であり、よりさらに好ましくは2.0以上である。
とは、下記式(1)で表される関係を満たす。
4.0X-1 ≦ Y ≦ 8.3X-1 (1)
式(1)中、Xは、篩下積算分率50%の粒径D50(μm)を示し、Yは、比表面積値(
m2/g)を示す。比表面積値と粒径D50とを上記関係を満たすよう調整するためには、
例えば、表面改質を実施すればよい。また、Yが4.0X-1以上であることにより、粒子
同士の凝集を抑制することとなり、Yが8.3X-1以下であることにより、エポキシ樹脂
との混合後の安定性が向上する。
に対して、1.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.8質量%以下で
あり、さらに好ましくは0.6質量%以下である。水分量が1.5質量%以下であること
により、不具合の発生を抑制する傾向にある。すなわち、エポキシ樹脂用硬化剤の硬化性
能の低下や保存安定性の劣化、粉としての流動性の低下による生産性の低下や、凝集物の
発生によるエポキシ樹脂用硬化剤の分散性の低下、収率の低下等の不具合の発生を抑制す
る傾向にある。水分量が0.8質量%以下であることにより、補正形状後のブロッキング
をより好ましく抑制でき、物性も安定する傾向にあり、同様の観点から、0.6質量%以
下であるとさらに好ましい。なお、本実施形態のエポキシ樹脂用硬化剤を作製する際には
、比表面積と水分量とを調整して得られた本実施形態のエポキシ樹脂用硬化剤に対して、
カプセル膜作製時にさらに水を含ませることで表面シェル形成効率がよく行われると共に
、形成されるシェルがより貯蔵安定性及び耐溶剤性に優れた膜となる傾向にある。水の含
有量は、比表面積、電量滴定を利用するカールフィッシャー法により測定できる。
る粒径D99の比率で表される粒度分布が、6.0以下であり、かつ含有水分量(上記水分
量)が、該硬化剤粒子の質量に対して、1.5質量%以下であることが好ましい。これら
の要件を全て満たすことにより、エポキシ樹脂用硬化剤の硬化性能の向上、保存安定性の
向上、粉としての流動性の向上による生産性の向上、凝集物の発生によるエポキシ樹脂用
硬化剤の分散性の向上、及び収率の向上が得られる傾向にある。
するシェルとを有するコアシェル型であることが好ましい。該コアとして用いるエポキシ
樹脂用硬化剤粒子を、「エポキシ樹脂用硬化剤粒子(H)」、「硬化剤粒子(H)」、又
は「硬化剤(H)」という。コアシェル型の硬化剤粒子は、エポキシ樹脂用硬化剤粒子(
H)から形成されるコア(以下、「コア(C)」、「(C)」ともいう。)と、コア(C
)を被覆するシェル(以下、「シェル(S)」、「(S)」ともいう。)と、を有し、シ
ェル(S)が、波数1630cm-1以上1680cm-1以下の赤外線を吸収する結合基(
以下、「結合基(x)」、「(x)」ともいう。)と、波数1680cm-1以上1725
cm-1以下の赤外線を吸収する結合基(以下、「結合基(y)」、「(y)」ともいう。
)と、波数1730cm-1以上1755cm-1以下の赤外線を吸収する結合基(以下、「
結合基(z)」、「(z)」ともいう。)とを、少なくともその表面に有することがより
好ましい。このように構成されているため、エポキシ樹脂用硬化剤由来の粒子同士の凝集
比率が低減され、硬化性、貯蔵安定性、及び隙間浸透性のいずれにも優れるものとなる傾
向にある。さらに、同様の観点から、エポキシ樹脂用硬化剤粒子(H)は、エポキシ樹脂
(e2)とアミン化合物(a2)との反応により得られるアミンアダクトを主成分とする
ことがさらに好ましい。ここで、アミンアダクトを「主成分とする」とは、硬化剤粒子(
H)の質量に対して、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは9
0質量%以上を含有することをいう。
、メジアン径で定義される平均粒子径が、0.3μm超12μm以下であることが好まし
く、1.0μm以上10μm以下であることが好ましく、1.5μm以上5.0μm以下
であることがより好ましい。ここで、出発材料粒子の粒子径とは、レーザー回析・光散乱
法で測定されるストークス径をいう。出発材料粒子の粒子径が12μm以下であると、均
質な硬化物を得ることができる傾向にあり、粒子径が0.3μm以上であると、出発材料
粒子間での凝集を抑制でき、薄いシェルの形成が容易となる傾向にある。
、好ましくは100℃以上400℃以下である。熱風の温度が100℃以上であると、コ
ア表面の加熱を十分に行うことができ所望の円形度に容易にコントロールできる傾向にあ
り、熱風の温度が400℃以下であると、コア(C)の熱分解をより良好に抑制できる傾
向にある。上記観点と同様の観点から、熱風温度は、より好ましくは150℃以上300
℃以下であり、さらに好ましくは180℃以上250℃以下である。
発材料粒子の重量平均分子量が50以上であると、熱風処理の段階で粒子同士の融着をよ
り良好に抑制でき、粒子径が大きくなり過ぎることを防止できる傾向にあり、重量平均分
子量が50000以下であると、粒子の軟化温度が高くなりすぎず、熱風処理においてよ
り容易に所望の円形度が得られる傾向にある。上記観点と同様の観点から、出発材料粒子
の重量平均分子量の範囲は、より好ましくは70以上10000以下であり、さらに好ま
しくは100以上5000以下であり、よりさらに好ましくは500以上4000以下で
あり、さらにより好ましくは1000以上3000以下である。ここで、重量平均分子量
は、ゲルパーミエーションクラマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
ば、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、メチルナジ
ック酸等の酸無水物系硬化剤;フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェ
ノールAノボラック等のフェノール系硬化剤;プロピレングリコール変性ポリメルカプタ
ン、トリメチロールプロパンのチオグルコン酸エステル、ポリスルフィド樹脂等のメルカ
プタン系硬化剤;トリフルオロボランのエチルアミン塩等のハロゲン化ホウ素塩系硬化剤
;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデカ−7−エンのフェノール塩等の四級
アンモニウム塩系硬化剤;3−フェニル−1,1−ジメチルウレア等の尿素系硬化剤;ト
リフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフ
ィン系硬化剤等の他のエポキシ樹脂用硬化剤(以下、「エポキシ樹脂用硬化剤(h1)」
、「硬化剤(h1)」、「(h1)」)を併用することもできる。ただし、(h1)は、
上記したもののみに限定されるものではない。
シェル(S1)」、「(S1)」ともいう。)を含む。シェル(S1)は、コア(C)の
表面を直接被覆しており、波数1630cm-1以上1680cm-1以下の赤外線を吸収す
る結合基(x)、波数1680cm-1以上1725cm-1以下の赤外線を吸収する結合基
(y)、及び波数1730cm-1以上1755cm-1以下の赤外線を吸収する結合基(z
)を有し、かつ、結合基(x)、(y)及び(z)の合計の濃度(Cx+Cy+Cz)に
対する結合基(x)の濃度Cxの比率(Cx/(Cx+Cy+Cz))が、0.50以上
0.75未満であることが好ましい。ここで、Cxはシェル(S1)中における結合基(
x)の濃度を表し、Cyはシェル(S1)中における結合基(y)の濃度を表し、Czは
シェル(S1)中における結合基(z)の濃度を表す。ここで、上記の赤外線吸収は、赤
外分光光度計を用いて測定することができるが、特に、フーリエ変換式赤外分光光度計(
FT−IR)を用いることが好ましい。
ット基である。結合基(z)は、好ましくはウレタン結合基である。濃度比(Cx/(C
x+Cy+Cz))が0.50以上であると、耐溶剤性がより向上する傾向にある。また
、濃度比(Cx/(Cx+Cy+Cz))が0.75未満であると、マイクロカプセル型
エポキシ樹脂用硬化剤の粒子同士の融着及び凝集をより良好に抑制でき、より良好な粘度
を確保できる傾向にある。その結果、エポキシ樹脂用硬化剤を安定した品質で管理するこ
とができ、貯蔵安定性をより向上させることができる傾向にある。
を実質的に有さないことが好ましく、ウレア基、ビュレット基及びウレタン基を有し、且
つ、エステル基を有さないことがより好ましい。エステル結合部位は加水分解を受けやす
いため、湿度が高い状態においてもシェル(S1)を十分に維持し、エポキシ樹脂用硬化
剤の貯蔵安定性及び耐湿性や、これを含むエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物
の物性を十分に確保する観点から、上記構成を有するシェル(S)又は(S1)が好まし
い。ここで、「エステル基を実質的に有さない」とは、シェルの構成材料としてシェル(
S)又は(S1)にエステル基を有する化合物を用いていないことを意味する。よって、
シェル(S)及び(S1)には、不純物として含有するエステル基を有する化合物が含ま
れていてもよい。
まれうるアミン系硬化剤や、これと併用可能なエポキシ樹脂用硬化剤(h1)と、イソシ
アネート化合物との反応生成物であることが好ましく、特にアミン系硬化剤とイソシアネ
ート化合物との反応生成物であることが好ましい。ここで、イソシアネート化合物として
は、上述のコア(C)に含まれるアミンアダクトの原料の例として挙げたイソシアネート
化合物が使用できる。
ート化合物との反応生成物である場合は、シェル(S1)が上述のコア(C)を形成する
ための出発材料となる粒子に含まれうるアミン系硬化剤や、これと併用可能なエポキシ樹
脂用硬化剤(h1)とエポキシ樹脂との反応生成物である場合に比べて、結合基(x)、
結合基(y)、及び結合基(z)の含有量がより増加する傾向にあり、そのようなシェル
(S1)を有するマイクロカプセル型エポキシ樹脂用硬化剤はより優れた貯蔵安定性や耐
溶剤性を発揮できる傾向にある。
れないた、出発材料粒子に含まれうるアミン系硬化剤や、これと併用可能なエポキシ樹脂
用硬化剤(h1)とエポキシ樹脂とが反応する温度よりも低い温度で、出発材料粒子に含
まれうるアミン系硬化剤や、これと併用可能なエポキシ樹脂用硬化剤(h1)とイソシア
ネート化合物とを反応させること等により得ることができる。
るシェル(S)の厚さの比率は、1.5/100以上18/100以下であることが好ま
しい。コアシェル型のエポキシ樹脂用硬化剤は、このように構成されているため、保存安
定性と硬化性とのバランスに優れる傾向にある。さらに、同様の観点から、エポキシ樹脂
用硬化剤(H)は、エポキシ樹脂(e2)とアミン化合物との反応により得られるアミン
アダクト(A)を主成分とすることが好ましい。ここで、アミンアダクト(A)を「主成
分とする」とは、硬化剤の質量(100質量%)に対して、50質量%以上、好ましくは
70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上を占めることをいう。なお、「コアシ
ェル型」は、「カプセル型」ともいう。
、活性水素化合物、エポキシ樹脂用硬化剤(以下、特にシェルに用いる他のエポキシ樹脂
用硬化剤を「エポキシ樹脂用硬化剤(h2)」、「成分(h2)」、「(h2)」ともい
う。)、エポキシ樹脂(以下、特にシェルに用いるエポキシ樹脂を「エポキシ樹脂(e3
)」、「成分(e3)」、「(e3)」ともいう。)、及び低分子アミン化合物(以下、
特にシェルに用いる低分子アミン化合物を「低分子アミン化合物(B)」、「成分(B)
」、「(B)」ともいう。)からなる群より選択される1種又は2種以上を反応して得ら
れる、反応生成物を含むことが好ましい。さらに、上述したシェル(S1)の表面に、該
シェル(S1)とエポキシ樹脂(e3)との反応生成物からなる第二シェル(以下、「シ
ェル(S2)」、「(S2)」ともいう。)を含むことがより好ましい。ここで、(h2
)には、(h1)と同様のものを用いることができ、(e3)には、(e2)と同様のも
のを用いることができ、(B)には、アミン系硬化剤に用いられる(a1)と同様のもの
を用いることができる。
が好ましい。エポキシ樹脂(e3)としては、上述のコア(C)に含まれるアミンアダク
トの原料となるエポキシ樹脂(e2)の例として挙げた多価エポキシ化合物が使用できる
。これらのエポキシ樹脂(e3)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよい。
まれるエポキシ樹脂(e4)と同一又はエポキシ樹脂(e4)が混合物の場合はその一部
であると、貯蔵安定性と耐溶剤性に優れたマイクロカプセル型エポキシ樹脂用硬化剤が得
られる傾向にあるので好ましい。
分に確保する観点から、このような不純末端を低減することが好ましい。従って、エポキ
シ樹脂(e3)の全塩素量は、エポキシ樹脂(e3)に対して、2500質量ppm以下
であることが好ましく、より好ましくは1500質量ppm以下、さらに好ましくは50
0質量ppm以下である。
アが含有する塩素量とシェルに用いられるエポキシ樹脂(e3)が含有する塩素量との合
計量が、該硬化剤粒子に対して、2500質量ppm以下であることがより好ましい。
散媒としては、特に限定されないが、例えば、溶媒、エポキシ樹脂、及び可塑剤が挙げら
れる。溶媒及び可塑剤としては、後述するイソシアネート化合物と活性水素化合物との反
応で使用できる溶媒及び可塑剤の例として挙げるものを使用できる。
ミノ基及び/又は二級アミノ基を有する化合物、少なくとも1個の水酸基を有する化合物
等であり、その構造にエステル基を含有しないものが挙げられる。これらの化合物は、1
種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
限定されないが、例えば、脂肪族アミン、脂環式アミン、及び芳香族アミンが挙げられる
。脂肪族アミンとしては、特に限定されないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、
プロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン等のアルキルアミン、エチレンジアミン
、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジア
ミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の
ポリアルキレンポリアミン;ポリオキシプロピレンジアミン、及びポリオキシエチレンジ
アミン等のポリオキシアルキレンポリアミン類が挙げられる。脂環式アミンとしては、特
に限定されないが、例えば、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチ
ルアミン、シクロヘキシルアミン、及びイソホロンジアミンが挙げられる。芳香族アミン
としては、特に限定されないが、例えば、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、ナフ
チルアミン、ジアミノジフェニルメタン、及びジアミノジフェニルスルホンが挙げられる
。
コール化合物、及びフェノール化合物が挙げられる。アルコール化合物としては、特に限
定されないが、例えば、メチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ア
ミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニ
ルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ドテシ
ルアルコール、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、アリルアルコール、クロ
チルアルコール、プロパルギルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、
ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチル等のモノアルコール類;エチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、水添ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類が挙げられ
る。また、少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物と、少なくとも1個の水酸基、カ
ルボキシル基、一級又は二級アミノ基、メルカプト基を有する化合物との反応により得ら
れる二級水酸基を1分子中に2個以上有する化合物も、多価アルコール類として挙げられ
る。これらのアルコール化合物は、第一、第二、又は第三アルコールのいずれでもよい。
フェノール化合物としては、特に限定されないが、例えば、石炭酸、クレゾール、キシレ
ノール、カルバクロール、モチール、ナフトール等のモノフェノール類、カテコール、レ
ゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ピロガロール、フロロ
グルシン等の多価フェノール類が挙げられる。少なくとも1個の水酸基を有する化合物は
、多価アルコール類及び多価フェノール類が好ましく、多価アルコール類がより好ましい
。
150℃の温度範囲で、10分間〜12時間の反応時間で行われることが好ましい。
なうことができる。分散媒としては、特に限定されないが、例えば、溶媒、可塑剤、及び
樹脂類が挙げられる。溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン
、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、ナフサ等の炭化水素類;アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類;酢酸エチル、
酢酸−n−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエチルエーテルアセテート等のエス
テル類;メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ブチルセロソルブ、ブチルカ
ルビトール等のアルコール類;水等が挙げられる。可塑剤としては、以下に限定されない
が、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシシル)等のフタル酸ジエ
ステル系;アジピン酸ジ(2−エチルヘキシシル)等の脂肪族二塩基酸エステル系;リン
酸トリクレジル等のリン酸トリエステル系;ポリエチレングリコールエステル等のグリコ
ールエステル系の溶媒が挙げられる。樹脂類としては、特に限定されないが、例えば、シ
リコーン樹脂類、エポキシ樹脂類、及びフェノール樹脂類が挙げられる。
有するが、同時にエステル結合を実質的に有さないことが好ましく、さらに、ビュレット
結合とウレタン結合とを有することがより好ましい。反応生成物がビュレット結合とウレ
タン結合とを有すると、得られるコアシェル型の硬化剤の耐溶剤性が高まる傾向にある。
が、例えば、コア(C)を形成するための出発材料となる粒子を分散媒に分散させ、この
分散媒にシェルを形成する材料を添加して出発材料粒子上に析出させる方法、及び分散媒
にシェルを形成する材料の原料を添加し、出発材料粒子の表面を反応の場として、そこで
シェル形成材料を生成する方法が挙げられる。後者の方法は、反応と被覆を同時に行うこ
とができるので好ましい。そこで用いられる分散媒としては、例えば、溶媒、可塑剤、及
び樹脂が挙げられる。溶媒、可塑剤、及び樹脂としては、上述のイソシアネート化合物と
活性水素化合物の反応で使用できる溶媒、可塑剤、及び樹脂の例として挙げたものが使用
できる。ここで、分散媒としてエポキシ樹脂を用いると、シェル形成と同時に、マスター
バッチ型エポキシ樹脂硬化剤組成物を得ることができるため好ましい。
より好ましくは0℃〜50℃、さらに好ましくは20℃〜40℃の温度範囲で、好ましく
は10分間〜24時間間、より好ましくは2.0時間〜10時間の反応時間で行われる。
反応温度が−10℃以上であると、反応が速く工業的に好ましく、反応温度が100℃以
下であると、コア材が反応系に溶出することを抑制でき、貯蔵安定性や耐溶剤性等をより
向上させることができる傾向にある。
1)がより効果的に形成され、貯蔵安定性や耐溶剤性等の効果がより一層顕著に発現され
る傾向にある。
ることにより形成することができる。その際の反応温度は、好ましくは−10℃〜150
℃、より好ましくは0℃〜100℃、さらに好ましくは10℃〜70℃の温度範囲であり
、反応時間は、好ましくは10分間〜24時間、より好ましくは2.0時間〜10時間で
ある。
貯蔵安定性や耐溶剤性等の本実施形態の効果がより顕著に発現される傾向にある。
安定剤の含有量が、8.0質量%以下であることが好ましい。コアシェル型のエポキシ樹
脂用硬化剤に含有される分散安定剤の量が少ないほど、該コアシェル型のエポキシ樹脂用
硬化剤をエポキシ樹脂に混合したときの粘度に低減できる傾向にあり、硬化過程における
流動性を十分に確保でき、被着体との密着性を十分に確保できる傾向にある。すなわち、
その硬化物の耐湿性及び浸透性を良好なものとすることができるだけでなく、耐溶剤性及
び耐フィラー性等をより良好なものにできる傾向にある。結果として、硬化物を電気部品
等に使用したときの電気部品の信頼性を十分に確保できる傾向にある。このような観点か
ら、コアシェル型のエポキシ樹脂用硬化剤中のコア(C)に対する分散安定剤の含有量は
8.0質量%以下が好ましく、より好ましくは5.0質量%以下であり、さらに好ましく
は1.0質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.5質量%以下であり、さらにより
好ましくは含まないことである。なお、上記分散安定剤の含有量については、FT−IR
によって、分散安定剤に特徴的なピークを観察することから定量することができる。
能を有するものであり、特に限定されないが、例えば、以下に示すグラフト共重合体、ブ
ロック共重合体、ランダム共重合体及びその他の重合体が挙げられる。
したメチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート/2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート共重合体、ポリ2−ヒドロキシメタクリレート、ポリ2,3−
ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド
、ポリエチレンオキシド、ポリ4−ビニル−エチルピリジウムブロミド、メチルメタクリ
レートをグラフト共重合したメチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、グリシジル
メタクリレート/スチレン共重合体、メチルメタクリレート/フルオロアルキルアクリレ
ート共重合体、メタクリル酸をグラフト共重合したポリブタジエン、メチルメタクリレー
ト/グリシジルメタクリレート共重合体、N−メチロールアクリルアミドをグラフト共重
合したポリメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、1,
2−ヒドロキシステアリン酸をグラフト共重合したポリメチルメタクリレート、エチルア
クリレート/メタクリル酸共重合体、メチルアクリレート/メタクリル酸共重合体、スチ
レン/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレートをグラフト共重合し
たポリメチルメタクリレート、エチレンオキシドをグラフト共重合したポリ塩化ビニル、
及びメチルメタクリレートをグラフト共重合したスチレン/グリシジルメタクリレートが
挙げられる。
ト/ポリメタクリル酸ブロック共重合体、ポリスチレン/ポリメタクリル酸ブロック共重
合体、ポリエチレンオキシド/ポリスチレン/ポリエチレンオキシドブロック共重合体、
及びポリ12−ヒドロキシステアリン酸/ポリエチレングリコール/ポリ12−ヒドロキ
システアリン酸が挙げられる。
ール共重合体、酢酸ビニル/N−ビニルピロリドン共重合体、及びN−ビニルピロリドン
/メチルメタクリレートが挙げられる。
リエステルが挙げられる。
2000000以下である。
メタクリレートをグラフト共重合したスチレン/グリシジルメタクリレート(東亜合成社
製、レゼタGP300)、メチルメタクリレートをグラフト共重合したメチルメタクリレ
ート/メタクリル酸共重合体の32.3%MIBK溶液(東亜合成社製、レゼダGP10
1S)、スチレン/アクリルグラフト共重合系(東亜合成社製、レゼダGP−310S)
、及びアクリル/PMMAグラフト共重合系(東亜合成社製、レゼダGP−301、レゼ
ダGP−102S)が挙げられる。
封止剤用エポキシ樹脂組成物は、添加剤をさらに含有してもよい。封止剤用エポキシ樹
脂組成物は、少なくともエポキシ樹脂の硬化作用を促進する観点から硬化剤を含有してい
るが、さらに添加剤として、熱膨張係数や熱伝導性の観点から無機充填剤、シランカップ
リング剤、接着強度向上及びクラック性の耐性向上の観点から有機充填剤、粘度調整の観
点から反応性希釈剤、溶剤、熱可塑性ポリマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上
の添加剤を含有することができる。また、その他の添加剤として、エポキシ樹脂を硬化さ
せる硬化剤(h1)、及び硬化促進剤をさらに含有してもよい。これらの添加剤の中でも
、封止剤用エポキシ樹脂組成物は、無機充填材、反応性希釈剤、他の硬化剤、及び硬化促
進剤からなる群より選択される1種又は2種以上をさらに含有することが好ましい。
フィルとして使用した際の耐熱性及び耐湿性の向上にも寄与する傾向にある。
ー、マイ力、ガラス等のケイ酸塩;酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、溶融シ
リカ(溶融球状シリカ、溶融破砕シリカ)、合成シリカ、結晶シリカ等の酸化シリカ等の
酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩;水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;硫酸バリウム、硫酸
カルシウム等の硫酸塩;亜硫酸カルシウム等亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム
、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;窒化アルミ
ニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の窒化物が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐
湿性、及び強度を向上できる観点から、溶融シリカ、結晶シリカ、及び合成シリカ粉末が
好ましく、また、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及び窒化ホウ素のいずれかが好ましい
。これらを用いることで、熱線膨張係数を抑制できるため、冷熱サイクル試験の改善等が
見込まれる。これらの充填剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい
。
形態であってもよい。無機充填剤の含有量は、特に限定されないが、組成物の総量(10
0質量%)に対して、好ましくは10質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは
20質量%以上85質量%以下である。無機充填剤の含有量を上記下限値以上とすること
により、優れた低線膨張が実現できる傾向にある。無機充填剤の含有量を上記上限値以下
とすることにより、弾性率の上昇をより抑えることができる傾向にある。
ップリング剤を液状封止用エポキシ樹脂組成物中に含有させることでも、その性能は発揮
されるが、シランカップリング剤で無機充填剤の表面処理を行うことで、エポキシ樹脂組
成物の一層の低粘度化を実現できる傾向にある。
ピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3
,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン
、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等
のシランカップリング剤が挙げられる。これらの中でも、接着強度の観点から、重合性官
能基を有するシランカップリング剤が好ましい。
組成物は、有機充填剤を含有することで、各種接続部材との接着性をより一層向上するこ
とができ、また、フィレットクラックの発生及び進展を抑制することができる傾向にある
。有機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、
ブタジエンゴム、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリアリレート
、ポリメチルメタクリレート、アクリルゴム、ポリスチレン、NBR、SBR、シリコー
ン変性樹脂、及びこれらを成分として含む共重合体の有機微粒子が挙げられる。接着性向
上の観点から、有機微粒子として、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル−ブタジエン−
スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸アルキル−シリコーン共重合体、シリコーン−(
メタ)アクリル共重合体、シリコーンと(メタ)アクリル酸との複合体、(メタ)アクリ
ル酸アルキル−ブタジエン−スチレンとシリコーンとの複合体及び(メタ)アクリル酸ア
ルキルとシリコーンとの複合体を用いることが好ましい。
粒子を用いることもできる。コアシェル型の有機微粒子として、例えば、シリコーン−ア
クリルゴムをコアとてアクリル樹脂をグラフトした粒子、及びアクリル共重合体にアクリ
ル樹脂をグラフトとした粒子が挙げられる。コアシェル型の有機微粒子の含有による低弾
性率化によって、封止材をアンダーフィルとして使用した際に、フィレット部に生じる応
力が低減され、フィレットクラックの発生を抑制することができる傾向にある。また、フ
ィレットクラックが発生した場合には、含有させたコアシェル型の有機微粒子が応力緩和
剤として作用し、フィレットクラックの進展を抑制する傾向にある。
成材料として、特に限定されないが、例えば、シリコーン系エラストマー、ブタジエン系
エラストマー、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ポリオレフィン系エ
ラストマー、及びシリコーン/アクリル系複合系エラストマーが挙げられる。一方、上記
シェル層の構成材料としては、半導体樹脂封止材の他の成分に対する親和性、特にエポキ
シ樹脂に対する親和性に優れた材料が用いられることが好ましい。構成材料として、特に
限定されないが、例えば、アクリル樹脂、及びエポキシ樹脂が挙げられる。これらの中で
も、アクリル樹脂が、封止材の他の成分に対する親和性、特にエポキシ樹脂に対する親和
性の観点から好ましい。
ンダーフィルとして使用する際の注入性が優れること、及び、封止材をアンダーフィルと
して使用した際のフィレットクラックの発生及び進展を抑制する効果に優れる傾向にある
ことから好ましい。コアシェル型の有機微粒子は、平均粒子径が、5.0μm以下である
ことがより好ましい。
対して、3.0質量部以上55質量部以下であることが好ましく、5.0質量部以上50
質量部以下であることがより好ましい。含有量が3.0質量部以上であることにより、フ
ィレットクラックの発生及び進展を抑制する傾向にある。一方、含有量が55質量部以下
であることにより、封止材の常温での粘度の上昇を抑制し、アンダーフィルとして使用す
る際に、注入性の悪化を抑制する傾向にある。
れる。特定の有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、酢酸エチル、及び酢酸ブチルが挙げられる。これらの特定の有機
溶剤は沸点が低いため、アンダーフィルの粘度を下げるのに非反応性の希釈剤を使用する
と、ボイド発生の原因となる懸念がある。一方、本実施形態の反応性希釈剤は、分子内に
エポキシ基を持つため、硬化剤と反応して硬化物の一部となるため、非反応性希釈剤で懸
念される問題は、生じ難い。
とができる。本実施形態の反応性希釈剤とは、その分子内にエポキシ基を1つ以上含有す
ることにより、硬化剤と反応して硬化物の一部となるものである。また、反応性希釈剤と
しては、各種のモノエポキシ化合物や多価アルコールのグリシジルエーテル化合物も使用
できるが、これらは硬化剤との反応に寄与する官能基(エポキシ基、グリシジル基)が1
分子中に1つのみの化合物を反応性希釈剤である場合、硬化時に三次元的な架橋を形成す
ることができないことに起因して、樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)や強靱性を十分
なものとすることができない傾向にある。よって、反応性希釈剤として1分子中に2以上
のグリシジル基を含む化合物からなるものを用いることで、硬化時に三次元的に架橋を形
成するため好ましい。これにより、半導体樹脂用の封止材をアンダーフィルとして用いた
際に、硬化時におけるガラス転移温度(Tg)や強靱性の低下を抑制する傾向にある。
質量部以下であることが好ましい。含有量が1.0質量部以上であることにより、半導体
樹脂用の封止材の常温での粘度の上昇を抑制し、アンダーフィルとして使用する際に、注
入性の悪化を抑制する傾向にある。また、半導体樹脂封止材をアンダーフィルとして用い
た際に、硬化時におけるガラス転移温度(Tg)や強靱性の低下を抑制し、フィレットク
ラックの発生及び進展を抑制する傾向にある。一方、含有量が30質量部以下であること
により、半導体樹脂用の封止材をアンダーフィルとして用いた際に、密着性の低下を抑制
し、吸湿リフロー試験時の剥離を抑制する傾向にある。
とができることに加えて、フィラーを高充填化した時に生じる粘度の上昇を抑制する目的
で反応性希釈剤をさらに含有させてもよい。
グリシジルアニリン、N,N’−グリシジル−o−トルイジン、フェニルグリシジルエー
テル、スチレンオキサイド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、及び1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルが挙
げられる。
ド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、及びポリエーテル樹脂が挙げ
られ、これらの中でもビニルエステルが好ましく、カルボン酸ビニルエステルがより好ま
しい。さらに、カルボン酸ビニルエステルと共重合可能なモノマーとをモノマー単位とし
て含んでいてもよい。このようなモノマーとしては、例えば、カルボン酸アリルエステル
、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、具体的には、酢酸アリル、(メタ)
アクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸エチルである。
ることが好ましく、60000以上130000以下であることがより好ましく、700
00以上120000以下であることがさらに好ましい。
尿素化合物、イミダゾール類、第3級アミン類、ホスフィン類、及びアミノトリアゾール
類が挙げられる。
剤、液状低応力剤、難燃剤、及びレべリング剤をさらに含有してもよい。
及び環状ホウ酸エステル化合物が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、
2種以上を併用してもよい。環状ホウ酸エステル化合物とは、ホウ素が環式構造に含まれ
ているものである。環状ホウ酸エステル化合物は、2,2’−オキシビス(5,5’−ジ
メチル−1,3,2−オキサボリナン)であることが好ましい。
びそのアミン変性体、ポリブタジエン、アクリロニトリル等の有機ゴム;ジメチルシロキ
サン等のシリコーンゴム;シリコーンオイルが挙げられる。これらは、1種を単独で用い
てもよいし、2種以上を併用してもよい。液状低応力剤の含有量は、特に限定されないが
、エポキシ樹脂の質量(100質量%)に対して、好ましくは5.0質量%以上40質量
%以下であり、より好ましくは10質量%以上20質量%以下である。
機系難燃剤が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して
もよい。臭素系難燃剤としては、例えば、テトラブロモフェノールが挙げられる。リン系
難燃剤としては、例えば、9、10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファナンスレ
ン−10−オキサイド及びそのエポキシ誘導体、トリフェニルホスフィンやその誘導体、
リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホスファゼン化合物が挙げられる。窒素系難燃剤
としては、グアニジン系難燃剤、トリアジン構造含有フェノール、ポリリン酸メラミン、
及びイソシアヌル酸が挙げられる。無機系難燃化合物としては、例えば、水酸化マグネシ
ウム、及び水酸化アルミニウムが挙げられ、耐熱性の観点から水酸化マグネシウムが好ま
しい。難燃剤の含有量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂の質量(100質量%)に
対して、好ましくは5.0質量%以上200質量%以下であり、より好ましくは10質量
%以上100質量%以下である。
びアクリル系レベリング剤が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種
以上を併用してもよい。
本実施形態の封止材は、上述した封止材用エポキシ樹脂組成物を用いている。
実施例に限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」及び
「%」は質量基準である。
各エポキシ樹脂用硬化剤の水分量は、ダイアインスツルメンツ製カールフィッシャー水
分計CA−100型を用いることにより測定した。
各エポキシ樹脂用硬化剤の比表面積値は、株式会社マウンテック製の全自動BET比表
面積測定装置HM model−1201を用いてN2/He=30/70(体積比)の
混合ガスを吸着ガスとして測定した。
各エポキシ樹脂用硬化剤を乾式粒度分布計により測定し、篩下積算分率50%を篩下平
均粒径D50とし、篩下積算分率99%を篩下平均粒径D99とした。
各エポキシ樹脂用硬化剤のシェルの厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)による画像観
察により測定した。
各エポキシ樹脂用硬化剤の塩素量は、コアの塩素量とシェルに含まれるエポキシ樹脂の
塩素量との合計量を、JIS K7246に従い測定し、質量基準で、全エポキシ樹脂用
硬化剤の質量に対する塩素量として求めた。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂1当量と、2−メチルイミダゾール1当量(活性水素
換算)を、n−ブタノールとトルエンとの1:1混合溶媒中、80℃で反応させた。その
後減圧下で過剰のアミンを溶剤と共に留去し、25℃で固体のブロック状エポキシ樹脂用
硬化剤を得た。
、水分量が1.1%、比表面積値が3.63m2/g、篩下平均粒径D50が2.40μm
、D99/D50が8.6となる粒子(粉砕品、エポキシ樹脂用硬化剤1)を得た。
質量部に、エポキシ樹脂用硬化剤1 100質量部、カプセル化剤(日本ポリウレタン社
製の商品名「MR−400」)30質量部を加え、50℃で攪拌しながら3時間反応を続
け、エポキシ樹脂用硬化剤2を得た。
エポキシ樹脂用硬化剤1を用いて、アーステクニカ株式会社製のクリプトロンオーブを
使用し、温度10℃、湿度30%の環境下、回転速度8000rpm、供給速度10kg
/hr、風量3m3/minで、形状補正処置を行い、比表面積値が3.10m2/g、水
分量が0.6%、D50が3.1μm、D99/D50が4.5となる粒度の分布を持つエポキ
シ樹脂用硬化剤を分級機による分級操作によって作製し、エポキシ樹脂用硬化剤3を得た
。
00質量部、カプセル化剤20質量部を加え、50℃で攪拌しながら3時間反応を続け、
エポキシ樹脂用硬化剤4を得た。
エポキシ樹脂用硬化剤1を用いて、アーステクニカ株式会社製のクリプトロンオーブを
使用し、温度10℃、湿度30%の環境下、回転速度13500rpm、供給速度10k
g/hr、風量3m3/minで、形状補正処置を行い、サイクロン式捕集機、バグフィ
ルターを付属させ比表面積値を調整し、サイクロン式捕集機、バグフィルターを付属させ
、紛体回収部壁面に0℃の循環冷却水を通水させ容器内部温度を40℃以下となるよう冷
却し、温度を25℃、湿度10%にコントロールした環境下において比表面積値が2.6
7m2/g、水分量が0.6%、D50が3.1μm、D99/D50が4.5となる粒度の分
布を持つエポキシ樹脂用硬化剤を分級機による分級操作によって作製し、エポキシ樹脂用
硬化剤5を得た。
0質量部、カプセル化剤20質量部を加え、50℃で攪拌しながら3時間反応を続け、エ
ポキシ樹脂用硬化剤6を得た。
製造例3で得られたエポキシ樹脂用硬化剤6を金属シャーレ上に万遍なく広げ、温度2
3℃、湿度50%の環境下で4時間静置した。硬化剤の水分測定を行った結果、硬化剤中
の水分量は1.5%であり、その他の物理的性質に変化は見られなかった。その後、液状
エポキシ樹脂200質量部に、静置後のエポキシ樹脂用硬化剤6 100質量部、カプセ
ル化剤9.75質量部を加え、50℃で攪拌しながら3時間反応を続け、エポキシ樹脂用
硬化剤7を得た。
製造例4で得られたエポキシ樹脂用硬化剤7を更に温度23℃、湿度50%の環境下で
さらに2時間静置した。硬化剤の水分測定を行った結果、硬化剤中の水分量は1.6%で
あり、その他の物理的性質に変化は見られなかった。その後、液状エポキシ樹脂200質
量部に、静置後のエポキシ樹脂用硬化剤7 100質量部、カプセル化剤9.75質量部
を加え、50℃で攪拌しながら3時間反応を続け、エポキシ樹脂用硬化剤8を得た。
エポキシ樹脂用硬化剤1を用いて日本ニューマチック社製「メテオレインボ−MR−1
0」を使用し、硬化剤粒子のフィード速度を7.0kg/hr、処理温度275℃の条件
で熱処理を行い、サイクロン式捕集機、バグフィルターを付属させ、紛体回収部壁面に0
℃の循環冷却水を通水させ容器内部温度を40℃以下となるよう冷却し、温度を25℃、
湿度10%にコントロールしたエアーを275℃の熱風処理後に冷却エアーとして導入し
、分級機による分級操作をすることにより比表面積値が1.3m2/g、水分量が0.6
%、D50が3.1μm、D99/D50が4.7となる粒度の分布を持つエポキシ樹脂用硬化
剤9を作製した。
カプセル化剤9.75質量部を加え、50℃で攪拌しながら3時間反応を続け、エポキシ
樹脂用硬化剤10を得た。
製造例6で得られたエポキシ樹脂硬化剤9を金属シャーレ上に万遍なく広げ、温度23
℃、湿度50%の環境下で4時間静置した。硬化剤の水分測定を行った結果、硬化剤中の
水分量は1.5%であり、その他の物理的性質に変化は見られなかった。その後、液状エ
ポキシ樹脂200質量部に、静置後のエポキシ樹脂用硬化剤9 100質量部、カプセル
化剤9.75質量部を加え、50℃で攪拌しながら3時間反応を続け、エポキシ樹脂用硬
化剤11を得た。
製造例6で得られたエポキシ樹脂硬化剤9を温度23℃、湿度50%の環境下で6時間
静置した。硬化剤の水分測定を行った結果、硬化剤中の水分量は1.6%であり、その他
の物理的性質に変化は見られなかった。その後、液状エポキシ樹脂200質量部に、静置
後のエポキシ樹脂用硬化剤9 100質量部、カプセル化剤9.75質量部を加え、50
℃で攪拌しながら3時間反応を続け、エポキシ樹脂用硬化剤12を得た。
三つ口丸底フラスコに、2−メチルイミダゾール(2MZ,0.34当量)および分散
安定剤としてポリ((スチレン−co−グリシジルメタクリレート)−g−メチルメタク
リレート)のグラフト共重合体(東亜合成株式会社製、レゼダGP−300、数平均分子
量30000)を仕込み、これにMIBKを加えてから、温度を80℃に上げて完全に溶
解した。次いでエピコート828の50%MIBK溶液(0.34当量)を加え、内容物
を300rpmの速度で撹拌しながら80℃で9時間反応させた。その後室温に冷却し、
有機溶剤系用スプレードライヤー(ヤマト科学株式会社製,GS−31型)で噴霧乾燥し
て、エポキシ樹脂用硬化剤13を回収した。得られた粒子の比表面積値は1.6m2/g
、水分量が2.0%、D50が2.8μm、D99/D50が2.0であった。
、カプセル化剤12質量部を加え、50℃で攪拌しながら3時間反応を続け、エポキシ樹
脂用硬化剤14を得た。
エポキシ樹脂用硬化剤1を用いて日本ニューマチック社製「メテオレインボ−MR−1
0」を使用し、硬化剤粒子のフィード速度を7.0kg/hr、275℃の熱風処理する
ことにより比表面積値が1.6m2/g、水分量が1.5%、D50が3.1μm、D99/
D50が8.5となる粒度の分布を持つエポキシ樹脂硬化剤15を作製した。
カプセル化剤12.0質量部を加え、50℃で攪拌しながら3時間反応を続け、エポキシ
樹脂用硬化剤16を得た。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂1当量と、イソホロンジアミン0.7当量(活性水素
換算)を、n−ブタノールとトルエンの1:1混合溶媒中、80℃で反応させた。その後
得られた変性ポリアミンにフェノール樹脂0.3当量投入し均一に混合後、180℃減圧
下で過剰のアミンを溶剤と共に留去し、25℃で固体のブロック状エポキシ樹脂用硬化剤
を得た。
操作をすることにより、25℃で固体であり、水分量が1.6%、比表面積値が2.23
m2/g、篩下平均粒径D50が4.7μm、D99/D50が1.9となる粒子(粉砕品、エ
ポキシ樹脂用硬化剤17)を得た。
子のフィード速度を7.0kg/hr、処理温度275℃の条件で熱処理を行い、サイク
ロン式捕集機、バグフィルターを付属させ、紛体回収部壁面に0℃の循環冷却水を通水さ
せ容器内部温度を40℃以下となるよう冷却し、温度を25℃、湿度10%にコントロー
ルしたエアーを275℃の熱風処理後に冷却エアーとして導入し、分級機による分級操作
をすることにより比表面積値が1.6m2/g、水分量が1.2%、D50が4.6μm、
D99/D50が1.6となる粒度の分布を持つエポキシ樹脂用硬化剤18を作製した。
、カプセル化剤12.0質量部を加え、50℃で攪拌しながら3時間反応を続け、エポキ
シ樹脂用硬化剤19を得た。
各製造例で得られた各エポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂(EEW:185)とを
30:100の質量比で配合し配合品Iとした。この配合品Iを60℃環境下に3ヵ月間
静置した時の粘度上昇倍率を測定し、保存安定性を評価した。評価基準は1.0倍以上2
.0倍未満の範囲であれば◎、2.0倍以上3.0倍未満の範囲であれば○、3.0倍以
上4.0倍未満の範囲であれば△、4.0倍以上の範囲であれば×とした。
各製造例で得られた各エポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂(EEW:185)と、
反応性希釈剤として1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルとを10:100:
20の質量比で配合し配合品IIとした。この配合品IIを40℃環境下に1週間静置し
た時の粘度上昇倍率を測定し、反応性希釈剤安定性を評価した。評価基準は1.0倍以上
2.0倍未満の範囲であれば◎、2.0倍以上4.0倍未満の範囲であれば○、4.0倍
以上8.0倍未満の範囲であれば△、8.0倍以上の範囲であれば×とした。
各製造例で得られた各エポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂(EEW:185)と、
無機充填剤として球状シリカフィラー(デンカ株式会社製 SEFP−30M)とを10
:30:60の質量比で配合し、配合品IIIとした。この配合品IIIを40℃環境下
に1週間静置した時の粘度上昇倍率を測定し、球状シリカフィラー安定性を評価した。評
価基準は1.0倍以上2.0倍未満の範囲であれば◎、2.0倍以上4.0倍未満の範囲
であれば○、4.0倍以上8.0倍未満の範囲であれば△、8.0倍以上の範囲であれば
×とした。
各製造例で得られた各エポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂(EEW:185)と、
無機充填剤として球状アルミナフィラー(デンカ株式会社製 DAW−05)とを10:
30:60の質量比で配合し、配合品IVとした。この配合品IVを40℃環境下に1週
間静置した時の粘度上昇倍率を測定し、球状アルミナフィラー安定性を評価した。評価基
準は1.0倍以上2.0倍未満の範囲であれば◎、2.0倍以上4.0倍未満の範囲であ
れば○、4.0倍以上8.0倍未満の範囲であれば△、8.0倍以上の範囲であれば×と
した。
各製造例で得られた各エポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂(EEW:185)と、
無機充填剤として窒化ホウ素フィラー(デンカ株式会社製 h−BN)とを10:30:
60の質量比で配合し配合品Vとした。この配合品Vを40℃環境下に1週間静置した時
の粘度上昇倍率を測定し、窒化ホウ素フィラー安定性を評価した。評価基準は1.0倍以
上2.0倍未満の範囲であれば◎、2.0倍以上4.0倍未満の範囲であれば○、4.0
倍以上8.0倍未満の範囲であれば△、8.0倍以上の範囲であれば×とした。
各製造例で得られた各エポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂(EEW:185)と、
酸無水物硬化剤として3or4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸(
酸無水物当量172)とを10:100:84の質量比で配合し配合品VIした。この配
合品VIを40℃環境下に1週間静置した時の粘度上昇倍率を測定し、酸無水物安定性を
評価した。なお、この配合では、エポキシ樹脂用硬化剤は硬化促進剤となり、酸無水物と
エポキシ樹脂の反応を加速させる。評価基準は2.0倍以上3.0倍未満の範囲であれば
◎、3.0倍以上4.0倍未満の範囲であれば○、4.0倍以上8.0倍未満の範囲であ
れば△、8.0倍以上の範囲であれば×とした。
各製造例で得られた各エポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂(EEW:185)と、
チオールとしてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(チ
オール当量122)とを10:100:58の質量比で配合し配合品VIIとした。この
配合品VIIを40℃環境下に1週間静置した時の粘度上昇倍率を測定し、チオール安定
性を評価した。なお、この配合ではエポキシ樹脂用硬化剤は硬化促進剤となりチオールと
エポキシ樹脂の反応を加速させる。一方、硬化促進剤が安定でもチオールはエポキシ樹脂
と保存中に徐々に反応をする。評価基準は、2.0倍以上3.0倍未満の範囲であれば◎
、3.0倍以上4.0倍未満の範囲であれば○、4.0倍以上8.0倍未満の範囲であれ
ば△、8.0倍以上の範囲であれば×とした。
各製造例で得られた各エポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂(EEW:185)と、
硬化剤としてジシアンジアミドとを10:100:8の質量比で配合し配合品VIIIと
した。この配合品VIIIを60℃環境下に1ヵ月静置した時の粘度上昇倍率を測定し、
ジシアンジアミド安定性を評価した。なお、この配合ではエポキシ樹脂用硬化剤は硬化促
進剤となりジシアンジアミドとエポキシ樹脂の反応を加速させる。一方、硬化促進剤が安
定でもジシアンジアミドはエポキシ樹脂と保存中に徐々に反応をする。評価基準は2.0
倍以上3.0倍未満の範囲であれば◎、3.0倍以上4.0倍未満の範囲であれば○、4
.0倍以上8.0倍未満の範囲であれば△、8.0倍以上の範囲であれば×とした。
各製造例で得られた各エポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂(EEW:185)と、
溶剤として酢酸エチルとを10:100:20の質量比で配合し配合品IXとした。この
配合品IXをB型粘度計(HAAKE viscotester)で粘度を測定し、40
℃1時間震盪機で浸透させて再度粘度を測定し、粘度の増粘倍率を求め、耐溶剤性(酢酸
エチル)を評価した。評価基準は1.0倍以上2.0倍未満の範囲であれば◎、2.0倍
以上3.0倍未満の範囲であれば○、3.0倍以上5.0倍未満の範囲であれば△、5.
0倍以上の範囲であれば×とした。
各製造例で得られた各エポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂(EEW:185)と、
溶剤として酢酸エチルとを10:100:20の質量比で配合し配合品Xとした。この配
合品XをB型粘度計(HAAKE viscotester)で粘度を測定し、40℃1
時間震盪機で浸透させて再度粘度を測定し、粘度の増粘倍率を求め、耐溶剤性(2−ブタ
ノン)を評価した。評価基準は1.0倍以上2.0倍未満の範囲であれば◎、2.0倍以
上3.0倍未満の範囲であれば○、3.0倍以上5.0倍未満の範囲であれば△、5.0
倍以上の範囲であれば×とした。
各製造例で得られた各エポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂(EEW185)と、反
応性希釈剤として1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルと、無機充填剤として
球状シリカフィラー(デンカ株式会社製 SEFP−30M)とを10:30:6:10
0の質量比で配合し、封止材用エポキシ樹脂組成物を作製した。
が、50μmピッチで544個Siチップを準備した。バンプは、SnAgめっきされた
銅ピラーであった。また、シリコンチップのバンプパターンに対応した電極を有する厚さ
:360μmのFR−4基板を準備した。この基板を60℃のステージに載置し、この基
板の電極上に、23Gのニードルのディスペンサーを用いて、得られた封止樹脂組成物を
塗布し、その上から、フリップチップボンダーを用いて、260℃×4秒の条件でSiチ
ップを圧接し、評価サンプルを作製した。作製した評価サンプルのチップ部を、研磨によ
って取り除き、顕微鏡にてボイドの状態を確認し、ボイドを評価した。ここで、確認でき
たボイドの発生数が、0〜1個以下を「○」、2〜10個を「△」、11個以上を「×」
とした。
株式会社日立超LSIシステムズ製JKIT TypeIII基板上にPHASE2E
175_LF(株式会社日立超LSIシステムズ製)をフリップチップ実装させた評価用
基板の間隙に、上記試験Iで得られた各封止材用エポキシ樹脂組成物を毛細管現象により
注入させ、165℃のバッチ式温風乾燥機にて2時間硬化させたのち、デジタルマルチメ
ーターにより抵抗値を測定した。次いで、リフロー炉にてMAX260℃のリフロー処理
を行い、次いで60℃/60%の恒温恒湿槽に40時間放置し、再度リフロー処理を3回
行った後、抵抗値及び超音波探傷機(SAT)を用いて剥離の状態を観察し、吸湿リフロ
ー性を評価した。剥離が全く観察されず導通不良のない場合(抵抗値が硬化後に対する変
化率が±10%未満である場合)を◎、チップ面積に対する剥離の発生している面積の割
合が1%未満でありかつ導通不良のない場合を○、剥離の範囲が1%以上もしくは導通不
良のある場合を×とし、○以上の評価のものを吸湿リフロー性が良好であるとした。
上記試験IIで抵抗値を測定後の基板と同様の基板を85℃、85%RHに保持しなが
ら、低電圧低電流電源を用いて、配線間に30Vの直流電圧を印加した。この配線間の絶
縁抵抗を5分間毎に測定し、絶縁抵抗が10MΩ以下になるまでの時間を測定し、その値
を絶縁低下時間とし、絶縁性を評価した。この絶縁低下時間が500時間未満の場合を×
、500時間以上1000時間の場合を△、1000時間以上の場合を○として評価した
。
厚さ15μmのフッ素樹脂製シール2枚を30mm間隔で挟んだ2枚のガラス板を、1
50℃のホットプレート上に水平に置き、上部ガラス片の温度が145℃に達したところ
で、試験Iで得られた封止材用エポキシ樹脂組成物をガラス板の隙間部に垂らして15分
間保持し、封止材用エポキシ樹脂組成物が浸透した距離を測定し、浸透性を評価した。評
価基準は、以下の通りであった。
◎:30mm以上100mm以下浸透し、均一に硬化した。
○:15mm以上30mm未満浸透し、均一に硬化した。
△:30mm以上100mm以下浸透したが、硬化物の濁りやムラが発生した。
×:15mm未満の浸透、又は硬化せずに100mm以上浸透した。
の評価結果を示す。
Claims (12)
- エポキシ樹脂と、25℃で固体の硬化剤粒子と、を含有し、
前記硬化剤粒子における比表面積値(m2/g)と篩下積算分率50%の粒径D50(μ
m)とが、下記式(1)で表される関係を満たす、封止材用エポキシ樹脂組成物。
4.0X-1 ≦ Y ≦ 8.3X-1 (1)
(式(1)中、Xは、篩下積算分率50%の粒径D50(μm)を示し、Yは、比表面積値
(m2/g)を示す。) - 前記硬化剤粒子において、前記粒径D50が、0.3μm超12μm以下であり、前記粒
径D50に対する篩下積算分率99%の粒径D99の比率で表される粒度分布が、6.0以下
であり、かつ含有水分量が、該硬化剤粒子の質量に対して、1.5質量%以下である、請
求項1に記載の封止材用エポキシ樹脂組成物。 - 前記硬化剤粒子は、イミダゾール化合物を変性させたものを含む、請求項1又は2に記
載の封止材用エポキシ樹脂組成物。 - 前記硬化剤粒子は、コアと、該コアを被覆するシェルと、を有し、
前記シェルは、少なくとも、波数1630cm-1以上1680cm-1以下の赤外線を吸
収する結合基と、波数1680cm-1以上1725cm-1の赤外線を吸収する結合基と、
波数1730cm-1以上1755cm-1の赤外線を吸収する結合基と、をその表面に有す
る、請求項1〜3のいずれか一項に記載の封止材用エポキシ樹脂組成物。 - 前記シェルは、その構造中に、ウレア結合を有し、かつ、エステル結合を実質的に有し
ない、請求項4に記載の封止材用エポキシ樹脂組成物。 - 前記硬化剤粒子において、前記粒径D50に対する前記シェルの厚さの比率は、1.5/
100以上18/100である、請求項4又は5に記載の封止材用エポキシ樹脂組成物。 - 前記シェルは、イソシアネート化合物、活性水素化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、他の
エポキシ樹脂、及び低分子アミン化合物からなる群より選択される一種又は二種以上を反
応させて得られる、反応生成物を含む、請求項4〜6のいずれか一項に記載の封止材用エ
ポキシ樹脂組成物。 - 前記コアが含有する塩素量と前記シェルに用いられる前記他のエポキシ樹脂が含有する
塩素量の合計量が、前記硬化剤粒子に対して、2500質量ppm以下である、請求項4
〜7のいずれか一項に記載の封止材用エポキシ樹脂組成物。 - 無機充填剤、反応性希釈剤、他の硬化剤、及び硬化促進剤からなる群より選択される一
種又は二種以上の添加剤をさらに含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の封止材
用エポキシ樹脂組成物。 - 前記反応性希釈剤は、その分子内にエポキシ基を1つ以上含有する、請求項9に記載の
封止材用エポキシ樹脂組成物。 - 前記無機充填剤は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及び窒化ホウ素のいずれかである
、請求項9又は10に記載の封止材用エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1〜11のいずれか一項に記載の封止材用エポキシ樹脂組成物を用いた、封止材
。
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