JP2020031124A - 超電導コイル、超電導コイル集合体および超電導機器 - Google Patents

超電導コイル、超電導コイル集合体および超電導機器 Download PDF

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Abstract

【課題】磁場の均一性を向上させることが可能な超電導コイル集合体および超電導機器を提供する。【解決手段】超電導コイルは、巻回されたテープ状の超電導線材32と、絶縁材からなるテープ状の共巻材33とを備える。共巻材33は、超電導線材32とともに巻回される。共巻材33の幅W1は、超電導線材32の幅W2の0.6倍以上1.0倍未満である。このようにすれば、共巻材33の幅W1が超電導線材32の幅W2より狭くなっているため、超電導線材32および共巻材33を巻回した超電導コイルにおいて超電導線材32の端部より外側に共巻材33の端部が突出する可能性を低減できる。このため、超電導コイルの厚さを設計値に沿って正確に設定できるため、超電導コイルにより形成される磁場の均一性を向上させることができる。【選択図】図2

Description

この発明は、超電導コイル、超電導コイル集合体および超電導機器に関する。
従来、酸化物超電導体を含む超電導線材を巻回した超電導コイルが知られている。特開2011−14830号公報には、超電導線材の厚さのばらつきを吸収するために共巻材としてのテープ状部材を超電導線材と共巻し、超電導コイルの外径を調整することが開示されている。特開2011−14830号公報では、超電導線材の幅と同じ幅を有するテープ状部材を共巻している。また、特開2017−33977号公報には、このような超電導コイルを複数積層した超電導コイル集合体を、たとえば磁場共鳴診断装置(MRI:Magnetic Resonance Imaging)や核磁気共鳴分析装置(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)などの超電導機器に適用することが提案されている。
特開2011−14830号公報 特開2017−33977号公報
上述した超電導機器の一例であるMRIでは、特に磁場の均一性が求められる。磁場の均一性を向上させるためには、当該超電導コイルおよび超電導コイル集合体の形状および寸法を設計値に沿って正確に設定する必要がある。
一方、特開2011−14830号公報に開示されたようなテープ状部材を超電導線材と共巻する場合に、当該テープ状部材の製造誤差によりテープ状部材の幅が超電導線材の幅より大きくなる場合があった。この場合、テープ状部材の端部が超電導線材の端部より外側に突出するため超電導コイルの厚さを設計値通りに設定できない。このため、従来の超電導コイルでは上述したMRIなどにおいて要求される高いレベルの磁場の均一性を確保することが困難であった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、磁場の均一性を向上させることが可能な超電導コイル集合体および超電導機器を提供することである。
本発明の一態様に係る超電導コイルは、巻回されたテープ状の超電導線材と、絶縁材からなるテープ状の共巻材とを備える。共巻材は、超電導線材とともに巻回される。共巻材の幅は、超電導線材の幅の0.6倍以上1.0倍未満である。
上記によれば、磁場の均一性を向上させることが可能な超電導コイル集合体および超電導機器を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る超電導コイルの斜視模式図である。 図1の線分II−IIにおける部分断面模式図である。 図1に示した超電導コイルの平面模式図である。 図1〜図3に示した超電導コイルの変形例を示す部分断面模式図である。 本発明の実施の形態に係るダブルパンケーキコイルの斜視模式図である。 本発明の実施の形態に係る超電導コイル集合体の斜視模式図である。 本発明の実施の形態に係る超電導機器の模式図である。 図7に示した超電導機器の超電導コイル部の模式図である。 実施例において検討した超電導コイル集合体の配置を説明するための図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る超電導コイルは、巻回されたテープ状の超電導線材と、絶縁材からなるテープ状の共巻材とを備える。共巻材は、超電導線材とともに巻回される。共巻材の幅は、超電導線材の幅の0.6倍以上1.0倍未満である。
このようにすれば、共巻材の幅が超電導線材の幅より狭くなっているため、超電導線材および共巻材を巻回した超電導コイルにおいて超電導線材の端部より外側に共巻材の端部が突出する可能性を低減できる。このため、超電導コイルの厚さを設計値に沿って正確に設定できるため、超電導コイルにより形成される磁場の均一性を向上させることができる。
また、従来は超電導線材の幅より共巻材の幅が狭いと、当該超電導線材の幅方向の端部が変形して超電導特性が劣化すると考えられていたが、発明者が検討したところ、共巻材の幅が超電導線材の幅の0.6倍以上となっていれば超電導線材の幅方向の端部における変形がほとんど発生しないことが分かった。このため、上述のように共巻材の幅の下限は超電導線材の幅の0.6倍としている。
また、共巻材の幅が超電導線材の幅より狭いことから、超電導線材に共巻された共巻材の端部に隣接する位置には、超電導線材の表面と共巻材の端面とにより囲まれた凹部が形成される。当該凹部は、超電導コイルの製造工程における、超電導コイルに樹脂を含浸する工程において、超電導コイルを真空状態に置いたときに超電導線材間から空気が排出される際の当該空気の流通経路となり得る。このため、樹脂を含浸する工程において含浸された樹脂から揮発ガスを確実に放出させて、当該樹脂を確実に硬化させることができる。したがって、超電導コイルの形状が安定し、結果的に超電導コイルにより形成される磁場の均一性を向上させることができる。
なお、共巻材の幅の下限値は超電導線材の幅の0.65倍でもよく、0.7倍でもよく、0.75倍でもよく、0.8倍でもよい。また、共巻材の幅の上限値は超電導線材の幅の0.95倍でもよく、0.9倍でもよく、0.85倍でもよく、0.8倍でもよい。
(2)上記超電導コイルにおいて、共巻材は、第1共巻部材と第2共巻部材とを含む。第2共巻部材は、超電導コイルの径方向において、第1共巻部材と間隔を隔てて超電導線材とともに巻回される。
この場合、第1共巻部材と第2共巻部材という複数の共巻部材を径方向において間隔を隔てて配置しているので、共巻部材を一カ所にまとめて配置する場合より超電導コイルの通電経路の偏りを抑制できる。このため、共巻材を用いて超電導コイルの径の調整を行うとともに、超電導コイルにおいて実際に電流が流れる領域のサイズについても設計値に沿って設定できる。
(3)上記超電導コイルにおいて、第1共巻部材は、第1共巻部材の延在方向における両端部に位置する第1端部と第2端部とを有する。第1端部と第2端部とは、超電導コイルの周方向において重ならないように配置されている。
この場合、第1共巻部材の第1端部と第2端部とが重なると、当該重なり部分では第1共巻部材が径方向において2重に配置された状態となる。つまり、当該重なり部分に起因して超電導コイルの径が局所的に大きくなる可能性がある。そこで、上記のように第1共巻部材の第1端部と第2端部とを周方向に重ならないように配置することで、上記のような超電導コイルの径の局所的な増大を抑制できる。
(4)上記超電導コイルにおいて、第2共巻部材は、第2共巻部材の延在方向における両端部に位置する第3端部と第4端部とを有する。第3端部と第4端部とは、超電導コイルの周方向において重ならないように配置されている。第1端部と第2端部とが周方向において重ならないように配置された第1部分と、第3端部と第4端部とが周方向において重ならないように配置された第2部分とは、超電導コイルの中心軸からみて中心角が20°である領域の内部に位置している。
この場合、第2共巻部材の第3端部と第4端部とを周方向に重ならないように配置することで、第3端部と第4端部との重なり領域の発生に起因する超電導コイルの径の局所的な増大を抑制できる。また、第1共巻部材の第1部分と第2共巻部材の第2部分とが、超電導コイルの中心軸から見てある範囲内にまとめて配置されているので、当該第1部分および第2部分の存在により超電導コイルの形状に影響が発生した場合であっても、当該影響が発生した領域を超電導コイルの中心軸から見て所定の方向のみに限定することができる。
(5)本発明の一態様に係る超電導コイル集合体は、上記超電導コイルを複数備える。複数の超電導コイルは積層配置されている。
このようにすれば、超電導コイル集合体を構成する超電導コイルの厚さが設計値に沿って正確に規定されているので、超電導コイル集合体の厚さ(複数の超電導コイルの積層方向における厚さ)が、複数の超電導コイルの厚さのばらつきに起因して変動することを抑制できる。このため、超電導コイル集合体の厚さの寸法精度を向上させることができる。したがって、たとえば複数の超電導コイル集合体をその厚さ方向に並べて磁場を発生させる場合に、当該超電導コイル集合体の厚さ方向における寸法や配置の設計値に対するばらつきを抑制できる。この結果、発生させる磁場の分布について設計値からのずれを抑制でき、高い均一性を有する磁場を形成できる。
(6)本発明の一態様に係る超電導機器は、上記超電導コイル集合体を備える。この場合、高い均一性を有する磁場を形成可能な超電導機器を実現できる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明は繰返さない。
<超電導コイルの構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る超電導コイルの斜視模式図である。図2は、図1の線分II−IIにおける部分断面模式図である。図3は、図1に示した超電導コイルの平面模式図である。図1〜図3に示すように、超電導コイル101は、いわゆるパンケーキコイルであって、巻回されたテープ状の超電導線材32と、絶縁材からなるテープ状の共巻材33と、セパレータ部材34と、樹脂部35とを主に備える。超電導線材32は、いわゆる酸化物超電導線材であり、たとえば、その延在方向に延びるビスマス(Bi)系超電導体と、この超電導体を被覆するシースとを有する。シースは、たとえば銀や銀合金により形成されている。
共巻材33は、超電導線材32とともに巻回される。共巻材33は超電導コイル101の外径を調整するために用いられる。1組のセパレータ部材34は、巻回された超電導線材32および共巻材33の幅方向の両端を覆うように配置されている。樹脂部35はセパレータ部材34と共巻材33の幅方向の両端との間の空隙である凹部を充填するように配置されている。共巻材33の幅W1は、超電導線材32の幅W2の0.6倍以上1.0倍未満である。
共巻材33は、第1共巻部材33aと第2共巻部材33bと第3共巻部材33cとを含む。第2共巻部材33bは、超電導コイル101の内周側から外周側に向かう径方向において、第1共巻部材33aと間隔を隔てて超電導線材32とともに巻回される。第3共巻部材33cは、超電導コイル101の径方向において、第2共巻部材33bと間隔を隔てて超電導線材32とともに巻回される。第1共巻部材33a、第2共巻部材33b、および第3共巻部材33cは、超電導コイル101の径方向において実質的に同じ間隔を隔てて配置されている。すなわち、第1〜第3共巻部材33a〜33cは、超電導コイル101の径方向において同じ巻き数の超電導線材32を介して配置されている。
第1〜第3共巻部材33a〜33cの幅方向の端部に接するように、樹脂部35が配置されている。図2に示すように、第1〜第3共巻部材33a〜33cの幅方向の中央は、超電導線材32の幅方向の中央と実質的に重なるように配置されている。第1〜第3共巻部材33a〜33cの幅方向の両方の端部に接するように、樹脂部35が配置されている。超電導線材32に共巻された第1〜第3共巻部材33a〜33cの幅方向の端部に隣接する位置には、超電導線材32の表面と第1〜第3共巻部材33a〜33cの端面とにより囲まれた凹部が形成されている。樹脂部35は当該凹部の内部に配置されている。
図3に示すように、第1〜第3共巻部材33a〜33cは、超電導コイル101の中心軸40を中心として同心円状に配置されている。第1共巻部材33aは、第1共巻部材33aの延在方向における両端部に位置する第1端部37aと第2端部38aとを有する。第1端部37aと第2端部38aとは、超電導コイル101の周方向において重ならないように配置されている。第2共巻部材33bは、第2共巻部材33bの延在方向における両端部に位置する第3端部37bと第4端部38bとを有する。第3端部37bと第4端部38bとは、超電導コイル101の周方向において重ならないように配置されている。第3共巻部材33cは、第3共巻部材33cの延在方向における両端部に位置する第5端部37cと第6端部38cとを有する。第5端部37cと第6端部38cとは、超電導コイル101の周方向において重ならないように配置されている。
第1端部37aと第2端部38aとが周方向において重ならないように配置された第1部分36aと、第3端部37bと第4端部38bとが周方向において重ならないように配置された第2部分36bと、第5端部37cと第6端部38cとが周方向において重ならないように配置された第3部分36cとは、超電導コイル101の中心軸40からみて中心角θが20°である領域41の内部に位置している。なお、領域41を規定する中心角θは、15°であってもよく、10°であってもよく、5°であってもよい。
図4は、図1〜図3に示した超電導コイルの変形例を示す部分断面模式図である。図4は図2に対応する。図4に示した超電導コイルは、基本的には図1〜図3に示した超電導コイル101と同様の構成を備えるが、共巻材33の構成が図1〜図3に示した超電導コイル101と異なっている。図4に示した超電導コイルでは、共巻材33である第1〜第3共巻部材33a〜33cの幅方向における一方の端部の位置が、超電導線材32の幅方向における端部の位置と重なっている。つまり、第1〜第3共巻部材33a〜33cの幅方向の他方の端部に隣接する位置のみに、樹脂部35が充填された凹部が形成されている。
なお、図1〜図4に示した超電導コイル101は、共巻材33として第1〜第3共巻部材33a〜33cを備えるが、共巻部材の数は1つでもよく、2または4以上であってもよい。また、超電導コイル101の径方向における第1〜第3共巻部材33a〜33cの間の距離は実質的に同じになっているが、当該距離が互いに異なっていてもよい。
共巻材33を構成する材料は、絶縁材料であれば任意の材料を採用できる。たとえば、ガラス繊維に樹脂を含浸させたテープ状部材、あるいはポリイミドなどの樹脂からなるテープ状部材を用いることができる。樹脂部35を構成する材料は、絶縁性の樹脂であれば任意の樹脂材料を用いることができる。セパレータ部材34を構成する材料は、絶縁材料であれば任意の材料を採用できが、たとえばガラス繊維強化プラスチック(GFRP)や他の樹脂などを用いてもよい。
<超電導コイルの製造方法>
図1〜図3に示した超電導コイルの製造方法を説明する。まず、超電導線材32および共巻材33を準備する。超電導線材32を所定の外径の円筒状の芯材に巻回する。このとき、超電導線材32の平均厚さおよび必要な巻数と、超電導コイル101の設計上の外径と、共巻材33の厚さとから、当該共巻材33の必要な巻数を予め計算しておく。そして、超電導線材32の所定巻数毎に、共巻材33を超電導線材32と一緒に巻回する。このとき、共巻材33の幅方向の中央と超電導線材32の幅方向の中央とが重なるように、共巻材33の位置を調整することが好ましい。この結果、図3に示すように径方向に複数の共巻材33としての第1〜第3共巻部材33a〜33cが配置された超電導コイル要素が得られる。なお、上述した超電導コイル要素の巻線時に、当該超電導コイル要素を中心軸方向から挟むようにセパレータ部材34が配置される。
その後、得られた超電導コイル要素に樹脂を含浸する工程を実施する。樹脂を含浸する工程では、任意の方法を採用できる。たとえば、セパレータ部材34が配置された超電導コイル要素を、冶具により保持した後、当該超電導コイル要素に対して樹脂を含浸させてもよい。その後、超電導コイル要素に含浸した樹脂を硬化させることで、図2に示した樹脂部35が形成されるともに、超電導コイル要素とセパレータ部材34とが一体化し、図1〜図3に示した超電導コイル101が得られる。
<作用効果>
本発明の一態様に係る超電導コイル101において、図2に示すように共巻材33の幅W1は、超電導線材32の幅W2の0.6倍以上1.0倍未満である。このようにすれば、共巻材33の幅W1が超電導線材32の幅W2より狭くなっているため、超電導線材32および共巻材33を巻回した超電導コイル101において超電導線材32の端部より外側に共巻材33の端部が突出する可能性を低減できる。このため、超電導コイル101の厚さを設計値に沿って正確に設定できるため、超電導コイル101により形成される磁場の均一性を向上させることができる。
また、共巻材33の幅W1が超電導線材32の幅W2より狭いことから、超電導線材32に共巻された共巻材33の端部に隣接する位置には、超電導線材32の表面と共巻材33の端面とにより囲まれた凹部が形成される。超電導コイル101の製造工程における、超電導コイル101となるべき超電導コイル要素に樹脂を含浸する工程において、当該凹部は超電導線材32間に含浸された樹脂から揮発ガスが外部へ放出される際の当該ガスの揮発経路となり得る。このため、樹脂を含浸する工程において含浸された樹脂から揮発ガスを確実に放出させて、当該樹脂を確実に硬化させることができる。したがって、超電導コイル101の形状が安定し、結果的に超電導コイル101により形成される磁場の均一性を向上させることができる。
上記超電導コイル101において、共巻材33は、第1共巻部材33aと第2共巻部材33bとを含む。第2共巻部材33bは、超電導コイル101の径方向において、第1共巻部材33aと間隔を隔てて配置されている。
この場合、第1共巻部材33aと第2共巻部材33bという複数の共巻部材を径方向において間隔を隔てて配置しているので、第1および第2共巻部材33a、33bを一カ所にまとめて配置する場合より超電導コイル101の通電経路の偏りを抑制できる。このため、共巻材33を用いて超電導コイル101の径の調整を行うとともに、超電導コイル101において実際に電流が流れる領域のサイズについても設計値に沿って正確に設定できる。
上記超電導コイル101において、第1共巻部材33aの第1端部37aと第2端部38aとは、図3に示すように超電導コイル101の周方向において重ならないように配置されている。第2共巻部材33bの第3端部37bと第4端部38bとは、超電導コイル101の周方向において重ならないように配置されている。第3共巻部材33cの第5端部37cと第6端部38cとは、超電導コイル101の周方向において重ならないように配置されている。
ここで、たとえば第1共巻部材33aの第1端部37aと第2端部38aとが重なると、当該重なり部分では第1共巻部材33aが径方向において2重に配置され、超電導コイル101の径が局所的に大きくなる可能性がある。そこで、上記のように第1〜第3共巻部材33a、33b、33cの端部同士を重ならないように配置することで、上記のような超電導コイル101の径の局所的な増大を抑制できる。
上記超電導コイル101において、図3に示すように、複数の共巻部材としての第1〜第3共巻部材33a〜33cの端部同士が周方向に重ならないように配置された複数の部分としての第1〜第3部分36a〜36cが、超電導コイル101の中心軸40からみて中心角が20°である領域41の内部に位置している。
この場合、第1〜第3共巻部材33a〜33cの第1〜第3部分36a〜36cが、超電導コイル101の中心軸40から見てある範囲内にまとめて配置されているので、当該第1〜第3部分36a〜36cの存在により超電導コイルの形状に影響が発生した場合であっても、当該影響が発生した領域の位置を超電導コイル101の中心軸40から見て特定の方向に限定することができる。
<ダブルパンケーキコイルの構成及び作用効果>
図5は、本発明の実施の形態に係るダブルパンケーキコイルの斜視模式図である。以下、本実施の形態に係るダブルパンケーキコイルを説明する。
図5に示されるように、本実施の形態に係る超電導コイル1としてのダブルパンケーキコイルは2つのパンケーキコイル101a、101bを有する。パンケーキコイル101a、101bは図1〜図3に示した超電導コイル101と基本的に同様の構成を備える。2つのパンケーキコイル101a、101bは互いに積層されている。2つのパンケーキコイル101a、101bの間には絶縁層が配置されている。当該絶縁層としては、たとえばガラス繊維紙に樹脂が含浸された層を用いることができる。また、2つのパンケーキコイル101a、101bを挟むように絶縁層である第1および第2セパレータ部材が配置されていてもよい。すなわち、超電導コイル1は、中心軸に沿った方向において、第1セパレータ部材、パンケーキコイル101a、絶縁層、パンケーキコイル101b、第2セパレータ部材という積層構造となっていてもよい。セパレータ部材の材料としては、任意の絶縁体を用いることができるが、たとえばガラス繊維強化プラスチック(GFRP)や他の樹脂などを用いてもよい。なお、この場合パンケーキコイル101a、101bの構成として、図2に示した超電導コイル101の構成からセパレータ部材34を除いた構成を採用してもよい。
パンケーキコイル101aにおける超電導線材32(図2参照)の巻回方向Waと、パンケーキコイル101bにおける超電導線材32(図2参照)の巻回方向Wbとは同じである。パンケーキコイル101aの内周側に位置する超電導線材の端部ECiと、パンケーキコイル101bの内周側に位置する超電導線材の端部ECiとは繋がっている。パンケーキコイル101aとパンケーキコイル101bとは単一の超電導線材により構成されている。また、図5に示したダブルパンケーキコイルを複数積層する場合、当該ダブルパンケーキコイルのうち互いに隣り合うダブルパンケーキコイルの各々の端部ECoを互いに電気的に接続する。これにより、積層された複数のダブルパンケーキコイルを互いに直列に接続できる。
上述した超電導コイル1では、図1〜図3に示した超電導コイル101と同様の構成を備える2つのパンケーキコイル101a、101bが積層されている。そのため、図1〜図3に示した超電導コイル101と基本的に同様の効果を得ることができる。すなわち、図2に示すように第1〜第3共巻部材33a〜33cの幅W1が超電導線材32の幅W2より狭いので、当該共巻部材の端部が超電導線材32の端部より外側に位置する可能性を低減できる。この結果、当該パンケーキコイル101a、101bの厚さを設計値に沿って正確に設定できるため、結果的にダブルパンケーキコイルである超電導コイル1の厚さも設計値に沿って正確に設定できる。したがって、当該超電導コイル1により形成される磁場の均一性を向上させることができる。
また、パンケーキコイル101a、101bは、たとえば図2および図3に示すようにそれぞれ第1〜第3共巻部材33a〜33cといった複数の共巻部材を含む。これらの共巻部材では、第1〜第3共巻部材33a〜33cの延在方向における両端部がパンケーキコイル101a、101bの周方向において重ならないように配置されている。パンケーキコイル101a、101bでは、図3に示した第1〜第3部分36a〜36cが配置される領域41の位置が、中心軸に沿った方向から見て互いに重なるように配置されていてもよい。
<ダブルパンケーキコイルの製造方法>
図5に示した超電導コイル1の製造方法では、まずコイル準備工程(S10)を実施する。この工程(S10)では、上述した図1〜図3に示した超電導コイルの製造方法と同様に、超電導線材に共巻材を間欠的に共巻することで、パンケーキコイル101a、101bとなるべき第1超電導コイル要素と第2超電導コイル要素とを形成する。第1超電導コイル要素と第2超電導コイル要素とは内周側が繋がるとともに、互いに中心軸が揃うように配置された、ダブルパンケーキコイルを構成する。
次に、上述したダブルパンケーキコイルであるコイル体に樹脂を含浸する工程(S20)を実施する。この工程(S20)では、たとえばまずコイル体を冶具に固定する工程(S201)を実施する。この工程(S201)では、当該コイル体の中心軸に沿った方向から一対の冶具によりコイル体を挟む。このとき、第1超電導コイル要素と第2超電導コイル要素との間には緩衝部材としてのガラス繊維紙を配置しておく。さらに、コイル体を挟むように第1および第2セパレータ部材を配置する。第1セパレータ部材は、第1超電導コイル要素と一方の冶具との間に配置される。第2セパレータ部材は、第2超電導コイル要素と他方の冶具との間に配置される。
また、一対の冶具の間にはスペーサがコイル体とともに配置されていてもよい。このスペーサは、得られる超電導コイルの厚さを規定する。スペーサは、コイル体の外周側および内周側にそれぞれ複数個配置されていてもよい。
一対の冶具は、複数の固定部材により互いに固定される。固定部材は、一対の冶具に対してコイル体に向かう方向の力を加える。固定部材は、たとえばボルトとナットとの組であってもよい。
一対の冶具の平面形状は、たとえばコイル体の平面形状に対応した円環状の形状である。平面視において複数の固定部材の一部はコイル体の外周を囲むように環状に配置されている。複数の固定部材の他の一部はコイル体の内周側において環状に配置されている。
つぎに、樹脂含浸工程(S202)を実施する。この工程(S202)では、一対の冶具により挟まれたコイル体に樹脂を含浸する。この結果、コイル体の表面を覆うように樹脂が配置される。また、第1超電導コイル要素と第2超電導コイル要素との間に位置する緩衝部材としてのガラス繊維紙に樹脂が含浸される。また、第1超電導コイル要素と第2超電導コイル要素とにおいて、共巻材の幅方向の両端に形成された凹部に当該樹脂が充填される。また、第1超電導コイル要素と第2超電導コイル要素とにおいて、超電導線材と超電導線材との間の隙間や超電導線材と第1または第2セパレータ部材との間の隙間に当該樹脂が含浸される。この状態で樹脂を硬化させる。このとき、共巻材の幅方向の両端において樹脂が充填された凹部が、当該樹脂からガスが抜ける際の当該ガスの流通経路となり得る。その後、当該樹脂が硬化して一体となった超電導コイル1を冶具から取り外す。このようにして、図5に示す超電導コイル1が得られる。
<超電導コイル集合体の構成および作用効果>
図6は、本発明の実施の形態に係る超電導コイル集合体の斜視模式図である。図6に示すように、超電導コイル集合体10は、複数の超電導コイル1a〜1dと、複数の伝熱板2とを主に備える。超電導コイル1a〜1dは、図5に示したダブルパンケーキコイルである超電導コイル1と同様の構成を備える。
超電導コイル集合体10では、超電導コイル1a〜1dの中心軸に沿って超電導コイル1a〜1dと伝熱板2とが交互に積層されている。伝熱板2は、冷却装置と接続されて超電導コイル1a〜1dを冷却するために用いられる。伝熱板2の材料は、たとえば金属などの良好な熱伝導率を有する材料であれば任意の材料を用いることができる。たとえば、伝熱板2の材料として銅、アルミニウム、および銅またはアルミニウムを含む合金などを用いることができる。また、伝熱板2の厚さT5は、任意の値に設定できる。
積層された超電導コイル1a〜1dおよび伝熱板2の固定方法は、任意の方法を採用できる。たとえば、積層方向の両端に、複数の超電導コイルおよび伝熱板2を挟むようにフランジ部材を配置し、当該フランジ部材間を繋ぐフランジ固定部材を配置してもよい。当該フランジ固定部材は、複数の超電導コイル1a〜1dに対してフランジ部材が押圧力を発生させるように構成されていてもよい。
超電導コイル集合体10を構成する超電導コイル1a〜1dの厚さT1〜T4は、実質的に同じでもよいし異なっていてもよい。超電導コイル集合体10を構成する超電導コイル1a〜1dの個数は4以外でもよい。たとえば、2以上の任意の個数の超電導コイルにより超電導コイル集合体10を構成してもよい。
このようにすれば、超電導コイル集合体10を構成するように積層配置された超電導コイル1a〜1dの厚さT1〜T4が設計値に沿って正確に規定されているので、超電導コイル集合体10の厚さ(複数の超電導コイル1a〜1dの積層方向における合計厚さ)が、複数の超電導コイル1a〜1dの厚さT1〜T4のばらつきに起因して変動することを抑制できる。このため、超電導コイル集合体10の厚さの寸法精度を向上させることができる。したがって、たとえば複数の超電導コイル集合体10をその厚さ方向に並べて磁場を発生させる場合に、当該超電導コイル集合体10の厚さ方向における寸法や配置の設計値に対するばらつきを抑制できる。この結果、発生させる磁場の分布について設計値からのずれを抑制でき、高い均一性を有する磁場を形成できる。
<超電導コイル集合体の製造方法>
図6に示した超電導コイル集合体10の製造方法では、図5に示した超電導コイル1の製造方法を実施することにより複数の超電導コイル1a〜1dを準備する。さらに、当該複数の超電導コイル1a〜1dを伝熱板2とともに積層配置し固定する。このようにして、図6に示すような超電導コイル集合体10を得ることができる。なお、積層された超電導コイル1a〜1dの固定方法は、任意の方法を採用できる。たとえば、積層方向の両端に、複数の超電導コイル1a〜1dを挟むようにフランジ部材を配置し、当該フランジ部材間を繋ぐフランジ固定部材を配置してもよい。
<超電導機器の構成および作用効果>
図7は、本発明の実施の形態に係る超電導機器の模式図である。図8は、図7に示した超電導機器の超電導コイル部の模式図である。図7および図8を用いて本発明の実施の形態に係る超電導機器の構成を説明する。
図7に示す超電導機器は、超電導マグネット装置であって、たとえばMRI装置に適用され得る。図7を参照して、実施の形態に係る超電導機器100は、超電導コイル部91と、断熱容器111と、冷却装置121と、ホース122と、コンプレッサ123と、ケーブル131と、電源132と、制御装置140とを主に備える。
断熱容器111は、中空円筒状の形状を有しており、その内部に超電導コイル部91を収容する。断熱容器111の内部は、真空状態に維持されている。真空状態とは、大気圧よりも断熱を維持できる程度の減圧状態であることを意味する。
超電導コイル部91は、図6に示した超電導コイル集合体を含む。つまり、超電導機器100は図6に示した超電導コイル集合体10を備える機器である。なお、超電導コイル部91の具体的な構成は後述する。超電導コイル部91は、冷却装置121によって冷却される。冷却装置121は、超電導コイル部91に熱的に接続された冷却ヘッド120を有する。冷却装置121は、たとえばギフォード・マクマホン式冷凍機、パルス管冷凍機またはスターリング式冷凍機である。冷却装置121は、ホース122を介して、コンプレッサ123につながっている。冷却装置121は、超電導コイル部91を構成する超電導コイル集合体に含まれる酸化物超電導材料の臨界温度以下の極低温を冷却ヘッド120に発生させる。冷却ヘッド120で得られた極低温は、伝熱板を介して超電導コイル部91に伝熱される。なお、超電導コイル部91を冷却する冷却部としては、冷却装置121を用いずに、断熱容器111内に収容された液体ヘリウムまたは液体窒素などの冷媒に超電導コイル部91を浸漬させる構成としてもよい。
ケーブル131は、超電導コイル部91と電源132との間に配設される。電源132からケーブル131を経由して超電導コイル部91に通電電流が与えられることにより、超電導コイル部91は磁場(磁束)を発生する。断熱容器111の円筒中心部の空間には、図中の点線で示す範囲内に、MRI装置の撮像領域FOV(Field of View)が形成されている。撮像領域FOVは、断熱容器111の外側に位置し、室温かつ大気圧に保持可能である。このため、被検者は、自身の被検査領域を撮像領域FOVの中に収めることができる。
制御装置140は、超電導コイル部91の通電電流を制御する。一例として、制御装置140は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶部とを含むマイクロコンピュータを主体として構成される。
図8は、図7に示した超電導コイル部91の構成例を概略的に示す図である。図8を参照して、超電導コイル部91は、複数の超電導コイル集合体と、傾斜磁場コイル21と、シム22,24とを含む。
図8の構成例では、複数の超電導コイル集合体は、6個の超電導コイル集合体10,12,14,16,18,20により構成されている。6個の超電導コイル集合体10,12,14,16,18,20は、基本的に図6に示した超電導コイル集合体10と同様の構成を備え、コイル中心軸を共通にして、互いに間隔を隔てて配置される。コイル中心軸は、赤道面8に垂直となるZ軸に一致するように設定されている。
超電導コイル集合体14,16は、赤道面8を対称面として対向配置されている。超電導コイル集合体12,18は、赤道面8を対称面として対向配置されている。超電導コイル集合体10,20は、赤道面8を対称面として対向配置されている。6個の超電導コイル集合体10,12,14,16,18,20にそれぞれ一定電流を流すことにより、撮像領域FOVにZ軸方向の磁場を発生させることができる。
超電導コイル集合体10,12,14,16,18,20の内周側には、コイル中心軸をZ軸に一致させて傾斜磁場コイル21が配置されている。傾斜磁場コイル21は、撮像領域FOV内の位置情報を得る目的で、撮像領域FOVの均一磁場に重畳する形で、磁場を空間的に変化させた傾斜磁場を生成する。
シム22,24は、傾斜磁場コイル21と超電導コイル集合体10,12,14,17,18,20との間に設けられる。シム22は、傾斜磁場コイル21の外周側の側壁に沿うように配置される。シム24は、断熱容器111の内周側の側壁に沿うように配置される。シム22,24は、撮像領域FOVの均一磁場の均一度をさらに向上させるための磁場調整用鉄材である。撮像領域FOVに発生している磁場の測定結果に基づいてシムを取り付ける位置およびシムの厚さを調整することにより、撮像領域FOVの均一度を調整することができる。
超電導機器100が稼働すると、撮像領域FOVには、白矢印方向の静磁場Bcが発生する。超電導機器100がMRI装置である場合には、静磁場Bcは、3T程度の高強度であって、5ppm程度の高い均一度を有することが求められる。本実施の形態に係る超電導機器100では、超電導コイル部91を構成する超電導コイル集合体10、12,14,16,18,20の寸法精度が高く、上述した磁場の均一度を得ることができる。
(実施例)
本発明の実施の形態の効果を確認するためにシミュレーション計算を行った。以下、具体的に説明する。
<シミュレーション条件>
図9は、実施例において検討した超電導コイル集合体の配置を説明するための図である。図9の横軸は、超電導コイル集合体を6個並べて構成される超電導コイル部の、中心軸に沿った方向であるZ軸を示している。当該Z軸の原点は、超電導コイル部の中心になっている。図9の縦軸は、超電導コイル部の中心軸から径方向に向かうX軸を示している。図9に示すように、超電導コイル部は6個の超電導コイル集合体231〜236を含む。
超電導コイル集合体231〜236の内周側半径は345mmである。超電導コイル集合体231について、外周側半径は410mm、Z軸方向における両端部の位置は−539mmおよび−377mmである。超電導コイル集合体232について、外周側半径は396mm、Z軸方向における両端部の位置は−238mmおよび−162mmである。超電導コイル集合体233について、外周側半径は381mm、Z軸方向における両端部の位置は−99mmおよび−23mmである。超電導コイル集合体234について、外周側半径は381mm、Z軸方向における両端部の位置は23mmおよび99mmである。超電導コイル集合体235について、外周側半径は396mm、Z軸方向における両端部の位置は162mmおよび238mmである。超電導コイル集合体236について、外周側半径は410mm、Z軸方向における両端部の位置は377mmおよび539mmである。超電導コイル集合体231〜233と超電導コイル集合体236,235,234とは、Z軸方向の原点を通り、当該Z軸に垂直な面に対して面対称となるように配置されている。
また、各超電導コイル集合体231〜236について、超電導コイル集合体231,236のターン数は1995ターンとした。超電導コイル集合体232,235のターン数は714ターンとした。超電導コイル集合体233,234のターン数は511ターンとした。
シミュレーションの対象とした構成としては、超電導コイル集合体231〜236を構成する超電導コイルの厚さがすべて0.05%小さくなった場合、つまり超電導コイル集合体231〜236のZ軸方向における長さが0.05%小さくなった場合を構成例1とした。また、超電導コイル集合体231〜236のZ軸方向における長さが0.15%長くなった場合を構成例2とした。
各構成例1および構成例2について、Z軸方向の原点(Z=0の点)を通りZ軸に垂直な面において、Z軸を中心としX軸方向に沿った短軸を200mm、X軸およびZ軸にそれぞれ垂直なY軸方向に沿った長軸を240mmとした楕円の評価領域を設定した。なお、当該評価領域は図8に示した撮像領域FOVに対応する。当該評価領域における、磁場強度のばらつきを評価した。評価方法としては、当該評価領域の中心(Z軸との交点)における磁場強度に対する、評価領域内の他の位置での磁場強度の差分を求めた。当該差分の、上記中心における磁場強度に対する割合を評価値として算出した。
<結果>
構成例1に関して、評価領域内の各位置における上記評価値は、概ね±800ppmの範囲に入っていた。一方、構成例2に関して、評価領域内の各位置における上記評価値は、概ね±2000ppmの範囲に入っていた。構成例1における評価値のばらつきの程度であれば、図8に示したシム22,24などによる調整によって実用上問題の無い均一な磁場とすることができる。
一方、構成例2における評価値のばらつきでは、上述したシム22,24などを用いてもMRIに求められる磁場の均一性を確保することは難しい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1a,1d,101 超電導コイル
2 伝熱板
8 赤道面
10,12,14,16,17,18,20,231,232,233,234,235,236 超電導コイル集合体
21 傾斜磁場コイル
22,24 シム
32 超電導線材
33 共巻材
33a 第1共巻部材
33b 第2共巻部材
33c 第3共巻部材
34 セパレータ部材
35 樹脂部
36a 第1部分
36b 第2部分
36c 第3部分
37a 第1端部
37b 第3端部
37c 第5端部
38a 第2端部
38b 第4端部
38c 第6端部
40 中心軸
41 領域
91 超電導コイル部
100 超電導機器
101a 場合パンケーキコイル
101a パンケーキコイル
101a,101b パンケーキコイル
111 断熱容器
120 冷却ヘッド
121 冷却装置
122 ホース
123 コンプレッサ
131 ケーブル
132 電源
140 制御装置

Claims (6)

  1. 巻回されたテープ状の超電導線材と、
    前記超電導線材とともに巻回され、絶縁材からなるテープ状の共巻材とを備え、
    前記共巻材の幅は、前記超電導線材の幅の0.6倍以上1.0倍未満である、超電導コイル。
  2. 前記共巻材は、
    第1共巻部材と、
    前記超電導コイルの径方向において、前記第1共巻部材と間隔を隔てて前記超電導線材とともに巻回された第2共巻部材とを含む、請求項1に記載の超電導コイル。
  3. 前記第1共巻部材は、前記第1共巻部材の延在方向における両端部に位置する第1端部と第2端部とを有し、
    前記第1端部と前記第2端部とは、前記超電導コイルの周方向において重ならないように配置されている、請求項2に記載の超電導コイル。
  4. 前記第2共巻部材は、前記第2共巻部材の延在方向における両端部に位置する第3端部と第4端部とを有し、
    前記第3端部と前記第4端部とは、前記超電導コイルの前記周方向において重ならないように配置され、
    前記第1端部と前記第2端部とが前記周方向において重ならないように配置された第1部分と、前記第3端部と前記第4端部とが前記周方向において重ならないように配置された第2部分とは、前記超電導コイルの中心軸からみて中心角が20°である領域の内部に位置している、請求項3に記載の超電導コイル。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の超電導コイルを複数備え、
    複数の前記超電導コイルが積層配置されている、超電導コイル集合体。
  6. 請求項5に記載の超電導コイル集合体を備える、超電導機器。
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