JP2020030924A - リチウムイオン電池及びリチウムイオン電池の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン電池及びリチウムイオン電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セパレータの代わりに球状アルミナを含有したイオン透過性絶縁層を用い、生産性に優れ、コストダウンを図ったリチウムイオン電池及びリチウムイオン電池の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】正極と、負極と、少なくとも電解質及び電解液を含むゲルポリマー層と、前記正極及び前記負極との間に介在するイオン透過性絶縁層とを有するリチウムイオン電池であって、前記正極は、リチウムを吸蔵および放出可能な正極活物質を含有する正極活物質層と正極集電体とを含み、前記負極は、合金系活物質を含有する負極活物質層と負極集電体とを含み、前記イオン透過性絶縁層は、少なくとも球状アルミナを含有し、前記ゲルポリマー層は、少なくともプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを含む電解液と、少なくともヘキサフルオロプロピレン(HFP)を含む電解質を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン電池及びリチウムイオン電池の製造方法に関し、より詳細には、正極と、負極と、少なくとも電解質及び電解液を含むゲルポリマー層と、上記正極及び上記負極との間に介在するイオン透過性絶縁層とを有するリチウムイオン電池及びリチウムイオン電池の製造方法に関する。
リチウムイオン電池は、高容量で、エネルギー密度が高く、小型化および軽量化が容易である。このため、例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ノート型パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、携帯ゲーム機などの携帯用小型電子機器の電源として汎用されている。また、ハイブリッド自動車などの車載用電源、無停電電源などとしての応用開発も進められている。
現在の代表的なリチウムイオン電池は、正極活物質としてLi,Coの化合物であるLiCoOやCo,Ni,Mnからなる3元系物質、Co,Ni,Alからなる3元系物質があり、また負極活物質として黒鉛を用いている。
これらの活物質と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを遊星型ミキサーを用いて混ぜ合わせスラリーを調整する。また負極用の活物質として用いられる黒鉛はポリフッ化ビニリデン以外に水系のバインダーを用いるケースも増加してきている。
ミキサーで混練調整されたスラリーは、コンマコーターやダイコーターなど各種塗機を用いて正極の場合にはアルミ箔へ、負極の場合には銅箔の上に塗工される。塗工された活物質層は密度を調整する為、プレスロールで圧縮後、スリット工程を経て電極となる。
電極は水分を除去した後、規定の寸法にカットされ、正極と負極電極を積層乃至は巻廻されるが安全性を確保するために正極電極と負極電極の間にポリエチレンやポリプロピレンなどからなるセパレータ膜を挿入し正負極の接触による内部ショートを防止している。通常、このセパレータ膜は10〜30μmのものが使用されている。
また近年、安全性や電池特性向上の一環としてゲルポリマーをセパレータに塗布する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、高分子ゲル電解質の製造方法として、高分子フィルムを電解質が含まれた溶媒(電解液)に浸漬して膨潤させる方法が開示されている。
特開平7−320781号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、工程が増加し、従来のセパレータはコスト的に高く電池製造コストの約30%以上を占めている。また、高分子フィルムを使用する場合、電解液は高分子フィルムの両面からしか高分子フィルムに拡散浸透し得ず、高分子フィルムに対する電解液の膨潤平衡迄の時間が長いものとなり、連続工程で電池を製造する場合の障害となる。
さらに、予めフィルム状の高分子ゲル電解質を製造し、それを用いて固体電解質電池を組み立てる方法もあるが、溶媒を含んだフィルム状ゲル電解質は強度が弱く取り扱いに細心の注意が必要であり、また電池組立工程でのゲル電解質よりの溶媒の蒸発を考えると、環境対策も必要である。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであって、セパレータの代わりに球状アルミナを含有したイオン透過性絶縁層を用い、生産性に優れ、コストダウンを図ったリチウムイオン電池及びリチウムイオン電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るリチウムイオン電池は、正極と、負極と、少なくとも電解質及び電解液を含むゲルポリマー層と、前記正極及び前記負極との間に介在するイオン透過性絶縁層とを有するリチウムイオン電池であって、前記正極は、リチウムを吸蔵および放出可能な正極活物質を含有する正極活物質層と正極集電体とを含み、前記負極は、合金系活物質を含有する負極活物質層と負極集電体とを含み、前記イオン透過性絶縁層は、少なくとも球状アルミナを含有し、前記ゲルポリマー層は、少なくともプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを含む電解液と、少なくともヘキサフルオロプロピレン(HFP)を含む電解質を有することを特徴とする。
このとき、本発明の一態様では、前記ゲルポリマー層は、さらにポリフッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリーマーを有する電解質を含み、前記ポリフッ化ビニリデン及び前記ヘキサフルオロプロピレン(HFP)中の前記ヘキサフルオロプロピレン(HFP)の含有比率は、質量比で3〜30%としても良い。
このとき、本発明の一態様では、前記ゲルポリマー層は、前記合金系活物質を含む負極側ポリマー層と、前記イオン透過性絶縁層を含む絶縁層側ポリマー層と、を有する積層体としても良い。
このとき、本発明の一態様では、前記電解質は、ポリフッ化ビニリデン、またはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を少なくとも含むとしても良い。
このとき、本発明の一態様では、前記ゲルポリマー層の厚みは、6〜100μmとしても良い。
このとき、本発明の一態様では、前記球状アルミナの平均粒径は、0.5〜50μmとしても良い。
このとき、本発明の一態様では、前記負極活物質層は、球状人造黒鉛(MCMB)薄膜としても良い。
このとき、本発明の一態様では、前記負極活物質層が、前記負極集電体の表面から外方に延び、かつ、互いに離隔している複数の柱状体の集合体としても良い。
本発明の他の態様では、正極と、負極と、少なくとも電解質及び電解液を含むゲルポリマー層と、前記正極及び前記負極との間に介在するイオン透過性絶縁層とを有するリチウムイオン電池の製造方法であって、前記正極を作製する正極作製工程と、前記負極を作製する負極作製工程と、前記ゲルポリマー層を形成するためのゲルポリマー液を調整するゲルポリマー液調整工程と、前記ゲルポリマー液に、イオン透過性絶縁層を主に構成する球状アルミナを含有させて、アルミナ含有ゲルポリマー液を作製するアルミナ含有ゲルポリマー液作製工程と、前記正極に、前記アルミナ含有ゲルポリマー液を塗工させてから、前記負極を積層して電池素子を作製する電池素子作製工程と、を有し、前記ゲルポリマー液調整工程は、少なくとも、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを含む電解液と、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)を含む電解質とを添加することを特徴とする。
本発明の他の態様では、前記電池素子作製工程では、前記アルミナ含有ゲルポリマー液を塗工させる前に、前記ゲルポリマー液を塗工させても良い。
本発明によれば、セパレータの代わりに球状アルミナを含有したイオン透過性絶縁層を用いるので、生産性に優れ、コストダウンを図ったリチウムイオン電池及びリチウムイオン電池の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池の構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池の製造方法の概略を示す工程図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池の製造方法の電池素子作製工程を詳細に説明する図であり、図3(A)はアルミナ含有ゲルポリマー液を正極に塗工した図であり、図3(B)は負極を積層した図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池の製造方法の電池素子作製工程において、アルミナ含有ゲルポリマー液を塗工させる前に、ゲルポリマー液を塗工させることを詳細に説明する図であり、図4(A)は先にゲルポリマー液を正極に塗工させた図であり、図4(B)はその後アルミナ含有ゲルポリマー液を塗工させた図である。
本発明者らは、上記のようにセパレータに代わる機能を付与させるため、また安価でそして安全性の高い電池を提供するため検討を重ねてきた。
その結果、従来技術であるセパレータを用いずに、ゲルポリマー液に、イオン透過性絶縁層を主に構成する球状アルミナを含有させて、正極に塗工させることで、上記少なくとも球状アルミナを含有したイオン透過性絶縁層を正極と負極電極の間に介在させることができ、正極及び負極を接触してショートすることを防止し、そして両電極内部に電解液を含浸させることによって取り扱いが容易で、生産性の高いリチウムイオン電池を開発するに至ることを見出した。以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。また、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池及びリチウムイオン電池の製造方法について、図面を用いながら、下記の順に説明する。
1.リチウムイオン電池
2.リチウムイオン電池の製造方法
2−1.正極作製工程
2−2.負極作製工程
2−3.ゲルポリマー液調整工程
2−4.アルミナ含有ゲルポリマー液作製工程
2−5.電池素子作製工程
2−6.ラミネート工程
<1.リチウムイオン電池>
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池100は、図1に示すように正極10と、負極20と、少なくとも電解質及び電解液を含むゲルポリマー層30と、上記正極10及び上記負極20との間に介在するイオン透過性絶縁層40とを有する。
そして、上記正極10は、リチウムを吸蔵および放出可能な正極活物質11を含有する正極活物質層と正極集電体12とを含む。上記負極20は、負極活物質21としての合金系活物質を含有する負極活物質層と負極集電体22とを含む。
正極活物質11としては、Li,Coの化合物であるLiCoOやCo,Ni,Mnからなる3元系物質、Co,Ni,Alからなる3元系物質が挙げられる他、一般式LiMO(但し、Mは1種以上の遷移金属、好ましくはMn,Co,Ni,Feの少なくとも1種に相当し、Xは0.05≦X≦1.10の範囲)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物が使用される。あるいは、正極活物質11として、例えばマンガン、コバルト、ニッケル、バナジウム、及びニオブから選ばれた少なくとも一種の金属を含有する金属酸化物等も使用可能である。また、正極集電体12としては、アルミ箔、ステンレス箔があげられる。また、負極活物質21としてのとしての合金系活物質は、リチウム金属、リチウム合金、さらにはリチウムを吸蔵放出することが可能な炭素質材料およびシリコン化合物、スズ化合物等が用いられる。炭素質材料としては、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子を前駆体とした炭素類(フラン樹脂などを適当な温度で焼成したもの等)、炭素繊維、活性炭等が挙げられる。特にメソカーボンマイクロビーズ系黒鉛材料は、初回の充放電効率に優れることから、ゲル状高分子電解質との組合せに優れる。また、負極集電体22としては、電解銅箔、圧延銅箔が挙げられる。
上記イオン透過性絶縁層40は、少なくとも球状アルミナ41を含有する。また、球状アルミナ41の他にプラスチックパウダーを含有させても良い。上記球状アルミナ41を含有することで、正極10及び負極20を接触してショートすることを防止し、セパレータの機能を持たせる。これによって、セパレータを用いずにリチウムイオン電池100が完成される。その他、上記イオン透過性絶縁層40は、粒状物質としてはプラスチック製ビーズを含有しても良い。例えばポリプロピレンパウダー(平均粒径5μmから16μm)や真球状微粒子、PTFEパウダー等が挙げられる。
上記イオン透過性絶縁層40の厚みは、3〜50μmが好ましく、さらに好ましくは、5〜30μmである。上記イオン透過性絶縁層40の厚みが3μm未満であると、正極及び負極の接触を防止することが困難な場合があり、セパレータの機能を発揮しにくい。一方、50μmを超えると電池の厚みが増し、小型化の要請に対応できない。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池100に含有される球状アルミナ41の平均粒径は、0.5〜50μmであることが好ましい。さらに好ましくは、5〜30μmである。なお本明細書中の球状アルミナ41の平均粒径は、D50の数値とする。
球状アルミナ41の平均粒径が0.5μm未満の場合、正極10又は負極20に含まれる正極活物質11又は負極活物質21の粒子間に、球状アルミナ41が入り込む可能性が高くなり、正極10及び負極20との間に介在できず、イオン透過性絶縁層40を形成することができなくなる場合がある。一方、球状アルミナ41の粒径が50μmを超えると、正極10又は負極20の粒子間に球状アルミナ41が入り込む可能性は低くなるが、正極10及び負極20間の距離が大きくなるので、高容量小型化の要請に対応できない。また、コストも増加傾向にある。
上記ゲルポリマー層30は、少なくともプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを含む電解液と、少なくともヘキサフルオロプロピレン(HFP)を含む電解質を有する。その他公知の電解液や電解質を含んでも良い。例えばγ−ブチルラクトン、ジメチルカーボネート等の電解液や、LiPFの電解質の他、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等の電解質が挙げられる。
また、ゲルポリマー層30は、図1に示すように、正極活物質11、負極活物質21及びイオン透過性絶縁層40を含侵する。ゲルポリマー層30によって、正極10又は負極20に含まれる正極活物質11及び負極活物質21の間をリチウムイオンが伝導する。
上記ゲルポリマー層30は、さらにポリフッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリーマーを有する電解質を含み、上記ポリフッ化ビニリデン及び上記ヘキサフルオロプロピレン(HFP)中の上記ヘキサフルオロプロピレン(HFP)の含有比率は、質量比で3〜30%とすることが好ましい。
ポリフッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリーマーは、下記理由のため、ゲルポリマー層30の電解質として好ましい。この理由として、ポリフッ化ビニリデンだけでは電解液を保持する能力には限界があり、これを補完するものとしてヘキサフルオロプロピレン(HFP)がある。即ちヘキサフルオロプロピレン(HFP)を含むコポリマーとして使用することで電解液の保持能力が高まり結果的に充放電特性の向上に寄与するためである。
また、上記ポリフッ化ビニリデン及び上記ヘキサフルオロプロピレン(HFP)中の上記ヘキサフルオロプロピレン(HFP)の含有比率が3%未満の場合には、電解液の保持能力が低下し、電解液が溢れて液系の電池構造に近くなり電池の安全性が低下する懸念が増大する。一方、30%を超えると、バインダーとしてゲル化の速度が速くなり生産性が著しく阻害される場合がある。
上記ゲルポリマー層30は、上記合金系活物質を含む負極側ポリマー層32と、上記イオン透過性絶縁層40を含む絶縁層側ポリマー層33と、を有する積層体であることが好ましい。つまり、上記ゲルポリマー層30は、負極20の負極活物質層及び少なくとも球状アルミナ41を含有するイオン透過性絶縁層40を含侵する。このようにすれば、正極10及び負極20間のスムーズなイオン伝導が可能となる。
上記電解質は、ポリフッ化ビニリデン、またはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を少なくとも含むことが好ましい。この理由として、上記電解質を用いることで、電解液の保持能力が向上し、電池の安全性を高めることができる。また、バインダーとしてゲル化の速度が速くなり生産性が著しく阻害されることを防止する。
正極側ポリマー層31及び負極側ポリマー層32を除いた上記ゲルポリマー層30の厚みは、6〜100μmであることが好ましい。6μm未満であると、正極10、負極20の距離が短くなり内部短絡(ショート)の危険が増す場合がある。一方、100μmを超えると、イオン透過性絶縁層40と正負極間電極の距離が長くなり、イオン伝導がスムーズに行うことが難しくなり充放電特性が低下する場合がある。
上記負極活物質層は、球状人造黒鉛(MCMB)薄膜であることが好ましい。ゲル電解液を用いる場合、負極側の活物質はMCMB(黒鉛化メソフェーズカーボンマイクロビーズ人造黒鉛)系を使用することで充放電に伴う内部ガスの発生を抑制でき、電池性能の向上、安全性の向上につながる。
上記負極活物質21は、負極活物質層が気相成長法により形成された薄膜であることが好ましい。負極活物質層が、気相法により形成される厚さ数十μm程度の薄膜状のものである場合には、負極活物質21の膨張および収縮の繰り返しによって新生面が生じた場合であっても、その大部分が、負極活物質層の表面に露出することになる。それゆえ、新生面と電解液との接触の抑制を、イオン伝導性ポリマー層の形成によって、効率よく実現することができる。しかも、負極活物質層が気相法により形成されることで、負極活物質層の表面が適度に粗くなる。このため、負極活物質層と負極側ポリマー層32との密着性をより一層向上させることができる。また上記負極活物質層が、上記負極集電体22の表面から外方に延び、かつ、互いに離隔している複数の柱状体の集合体であることが充放電特性上好ましい。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池100によれば、セパレータの代わりに球状アルミナ41を含有したイオン透過性絶縁層40を用い、イオン透過性絶縁層40が正極10及び負極20との間に介在してセパレータの機能を有するので、生産性に優れ、コストダウンを図ったリチウムイオン電池100を提供することができる。特に生産コストにおいて、従来のセパレータは電池製造コストの約30〜40%(電池工業会資料より)を占めていたが、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池100は10%程度となり、従来の1/3となる。また、充放電時に生じる発熱に対して、イオン透過性絶縁層40が球状アルミナ41を含有するので、放熱を促進させ、安全性の向上に寄与できる。
<2.リチウムイオン電池の製造方法>
リチウムイオン電池100の製造方法について、図2等を用いて説明する。本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池100の製造方法は、正極10と、負極20と、少なくとも電解質及び電解液を含むゲルポリマー層30と、前記正極10及び前記負極20との間に介在するイオン透過性絶縁層40とを有するリチウムイオン電池100の製造方法である。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池100の製造方法は、図2に示すように、正極作製工程S1と、負極作製工程S2と、ゲルポリマー液調整工程S3と、アルミナ含有ゲルポリマー液作製工程S4と、電池素子作製工程S5とを有する。下記に詳細に説明する。なお、1.リチウムイオン電池で説明した内容と重複する事項はなるべく割愛する。
<2−1.正極作製工程>
正極作製工程S1は、上記正極10を作製する工程である。例えば、マンガン酸リチウムと、黒鉛と、N−メチルピロリドンを添加し、転動ボールミルなどを用いて、分散解砕させ、正極活物質用スラリーを作製する。また、ポリフッ化ビニリデンやまたはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を加えることが好ましい。
そして、塗工機を用いてアルミ箔からなる正極集電体箔上に上記正極活物質用スラリーを塗工し、乾燥プレスすることにより正極を作製する。また、電極厚は、50〜250μmが好ましい。なお、正極集電体12の露出した部分にニッケルタブなどを取り付け、引き出し電極を作製する。
導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックあるいはケチェンブラックまたはカーボンナノチューブ(CNT)やグラフェンなどの炭素材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。なお、導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料あるいは導電性高分子などであってもよい。
<2−2.負極作製工程>
負極作製工程S2は、負極20を作製する工程である。例えば、球状人造黒鉛(MCMB)などのグラファイトと、カーボンブラックなどの導電助剤と、N−メチルピロリドンを添加し、プラネタリーミキサーで撹拌し、負極活物質用スラリーを作製する。また、ポリフッ化ビニリデンやまたはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を加えることが好ましい。
そして、電解銅箔からなる負極集電体箔上に負極活物質用スラリーを上記塗工し、乾燥後プレスすることにより負極20を作製する。また、電極厚は、50〜250μmが好ましい。なお、負極集電体22の露出した部分にニッケルタブなどを取り付け、引き出し電極を作製する。
<2−3.ゲルポリマー液調整工程>
ゲルポリマー液調整工程S3は、上記ゲルポリマー層30を形成するためのゲルポリマー液34を調整する。ゲルポリマー液34は、少なくとも、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを含む電解液と、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)を含む電解質とを添加する。また、電解質は、上述したように、ポリフッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリーマーを有することが好ましく、上記ポリフッ化ビニリデン及び上記ヘキサフルオロプロピレン(HFP)中の上記ヘキサフルオロプロピレン(HFP)の含有比率は、質量比で3〜30%であることが好ましい。上記電解液及び電解質は、ホモミキサーなどを用いて、混合すればよい。また、50〜90℃に加温して撹拌することが好ましい。また、ドライ雰囲気中で行うことが好ましい。
<2−4.アルミナ含有ゲルポリマー液作製工程>
アルミナ含有ゲルポリマー液作製工程S4は、上記ゲルポリマー液34に、イオン透過性絶縁層40を主に構成する球状アルミナ41を含有させて、アルミナ含有ゲルポリマー液35を作製する。
<2−5.電池素子作製工程>
電池素子作製工程S5は、上記正極10に、上記アルミナ含有ゲルポリマー液35を塗工させてから、上記負極20を積層して電池素子80を作製する。図3(A)に示すように、アルミナ含有ゲルポリマー液35を正極10に塗工すると、アルミナ含有ゲルポリマー液35中のゲルポリマー液34が正極10に含まれる正極活物質11の内部に浸透する。一方、アルミナ含有ゲルポリマー液35中の球状アルミナ41は、正極活物質11の内部に浸透せず、正極活物質11の上側(正極活物質11と負極活物質21との界面)にとどまることができ、球状アルミナ41を含有するイオン透過性絶縁層40を形成することができ、セパレータの機能を発揮する。
上記アルミナ含有ゲルポリマー液35を塗工してから、1〜2時間静置させてから上記負極20を積層することが好ましい。このようにすれば、確実に正極10及び負極20との間に球状アルミナ41を含有するイオン透過性絶縁層40を形成することができる。
そして上記アルミナ含有ゲルポリマー液35を塗工させた後、上記負極20を積層して図3(B)に示すような電池素子80を作製する。なお、負極20についても、その積層時にアルミナ含有ゲルポリマー液35中のゲルポリマー液34は、負極活物質21の内部に浸透し、アルミナ含有ゲルポリマー液35中の球状アルミナ41は、正極活物質11の内部に浸透しない。
上記電池素子作製工程S5では、図4(A)に示すように、上記アルミナ含有ゲルポリマー液35を塗工させる前に、上記ゲルポリマー液34を塗工させることが好ましい。図4(A)に示すように、先にゲルポリマー液34を正極10に塗工させることで、ゲルポリマー液34が正極活物質11の内部に浸透しやすくなり、生産時間の短縮となる。また、図4(B)に示すように、ゲルポリマー液34を正極10に塗工させてからアルミナ含有ゲルポリマー液35を塗工させることで、球状アルミナ41が正極活物質11の上側にとどまることができ、確実に正極10と負極20との間にイオン透過性絶縁層40を形成することができる。
以上の工程を経て、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池100を完成させる。
<2−6.ラミネート工程>
なお、上記電池素子作製工程S5を経た後、ラミネート工程S6では、2枚のラミネートで挟み、3辺をインパルスシーラー等により熱圧着することにより、ラミネートパッケージを作製する。そして、ラミネートパッケージの開口部を真空シールすることにより電池セルを作製する。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池100の製造方法によれば、セパレータの代わりに球状アルミナ41を含有したイオン透過性絶縁層40を用い、イオン透過性絶縁層40が正極10及び負極20との間に介在してセパレータの機能を有するので、生産性に優れ、コストダウンを図ったリチウムイオン電池100の製造方法を提供することができる。
次に、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池、リチウムイオン電池の製造方法について、実施例により詳しく説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<正極作製工程>
マンガン酸リチウム(戸田工業(株)製、HPM−7051、平均粒子径D50=6.1μm)88g、黒鉛(ティムカル社製、KS−6)2g、黒鉛(ティムカル社製、Super P Li)6gを秤量した。
そして、秤量した各材料を1000mLのポットに入れ、さらに粒径3.0mmのジルコニア製粉砕メディア、溶媒としてN−メチルピロリドン(以下NMP)を200g添加した。それから、転動ボールミルを用いて150rpmで24時間混合して分散を行った。これによりマンガン酸リチウムの二次粒子は解砕され、平均粒径D50は2.1μmとなった。
上述のようにして各材料を分散させた溶液に、ポリフッ化ビニリデン((株)クレハ製、#7208)の10質量%NMP溶液を40g加えて、さらに転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し、正極活物質用スラリーを作製した。
作製した正極活物質スラリーを、卓上型小型塗工機を用いてアルミ箔(東海東洋アルミ販売(株)製、厚さ20μm)からなる正極集電体箔上に塗工し、乾燥後プレスすることにより電極厚が100μとなるよう正極を作製した。さらに正極集電箔の露出した部分にニッケルタブを取り付け、引き出し電極を作製した。
<負極作製工程>
グラファイト(JFE製、SRH−P7V1、平均粒子径D50=15.0μm)85g、導電助剤(ティムカル社製、KS−6)15g、NMP100g、ポリフッ化ビニリデン((株)クレハ製、#7305)の10質量%NMP溶液53gを秤量し、プラネタリーミキサーで撹拌して負極活物質用スラリーを作製した。
作製した負極活物質スラリーを電解銅箔(古川サーキットフォイル(株)製、厚さ10μm)からなる負極集電体箔上に塗工し、乾燥後プレスすることにより負極を作製した。さらに負極集電箔の露出した部分にニッケルタブを取り付け、引き出し電極を作製した。
<ゲルポリマー液調整工程>
ドライ雰囲気中で1Lの加温付容器に、電解液として1MolのLiPFを含むプロピレンカーボネート:エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネートを混合比(質量比)26:26:48の割合で500gとなるよう調整した。
次にゲルバインダーとして、ソルベイ社製SOLEF21616(分子量約12万、ヘキサフルオロプロピレンHFP濃度12%)40gを上記電解液に添加した。そして、小型ホモミキサーを用い回転数を1200rpmとして上記物質を混合した。また、80℃で加温し約1時間撹拌させゲルポリマー液34を調整した。
<アルミナ含有ゲルポリマー液作製工程>
球状アルミナ粉末(昭和電工(株)製、平均粒子径D50=8.0μm)200gを投入しホモミキサーで1時間撹拌混合し、アルミナ含有電解液ゲルポリマー液を作製した。
<電池素子作製工程>
ドライ雰囲気下で、正極電極上にアルミナ含有ゲルポリマー液35を塗工した。塗工機は前出の卓上型小型塗工機を用い、塗工量としてはWet膜厚で80μmとなるよう調整した。なお、正極電極上にアルミナ含有ゲルポリマー液35を塗工すると図3(A)に示したようになり、電解質が溶解した電解液のゲルポリマー液34は正極活物質11の内部に浸透し、球状アルミナ41は正極の表面に存在することとなる。尚、アルミナ含有ゲルポリマー液35の塗工は負極表面に塗工しても効果は同等であり、正極に表面への塗工に限定するものではない。
そして、負極と、アルミナ含有ゲルポリマー液35を塗工した正極とを対向させて接合することにより、図3(B)に示すような1対の電極(正極10と負極20)からなる電池素子80を作製しリチウムイオン電池を作製した。
次に、作製した電池素子を2枚のラミネートで挟み、3辺をインパルスシーラーにより熱圧着することにより、ラミネートパッケージ(外装体)を作製した。最後にラミネートパッケージの開口部分を真空シールすることにより電池セルを作製した。
(実施例2)
上記ゲルポリマーをソルベイ社製SOLEF20615(分子量約17万、ヘキサフルオロプロピレンHFP濃度6%)に変更し、同様にこのゲルバインダ40gを電解液と調合してこれに球状アルミナを分散させた。そして、小型ホモミキサーを用い回転数を1200rpmとして上記物質を混合した。また、80℃で加温し約1時間撹拌させゲルポリマー液を調整した。その他は実施例1と同様にリチウムイオン電池を作製し、ラミネートして電池セルを作製した。
(実施例3)
アルミナ含有ゲルポリマー液に含まれる球状アルミナ粉末の平均粒径を、16μmに変更し、アルミナ含有ゲルポリマー液を作製した。その他は実施例1と同様にリチウムイオン電池を作製し、ラミネートして電池セルを作製した。
(実施例4)
アルミナ含有ゲルポリマー液に含まれる球状アルミナ粉末の平均粒径を、4μmに変更し、アルミナ含有ゲルポリマー液を作製した。その他は実施例1と同様にリチウムイオン電池を作製し、ラミネートして電池セルを作製した。
(実施例5)
電池素子作製工程では、アルミナ含有ゲルポリマー液を塗工させる前に、ゲルポリマー液を塗工させた。つまり、ゲルポリマー液をWet膜厚で60μm塗工させ、その後アルミナ含有ゲルポリマー液をWet膜厚で20μm塗工させ、その他は実施例1と同様にリチウムイオン電池を作製し、ラミネートして電池セルを作製した。
(比較例1)
ゲルポリマー液調整工程で電解質として、クレハ化学製KF#1300(分子量約35万)に変更して、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)を含有させなかった。その他は実施例1と同様にリチウムイオン電池を作製し、ラミネートして電池セルを作製した。
(比較例2)
市販のセパレータを使用して電池セルを作製した。つまり、アルミナ含有ゲルポリマー液作製工程における、アルミナ含有ゲルポリマー液を使用せず、ポリプロピレン/ポリエステル/ポリプロピレン樹脂を用いた3層構造(厚み25μm)からなる従来のセパレータを用いた。これを正極と負極の間に挟み込み、作製した電池素子を2枚のラミネートで挟み、3辺をインパルスシーラーにより熱圧着しラミネートパッケージ(外装体)を作製した。また、電解液は、LiPFを含むプロピレンカーボネート:エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネートを混合比(質量比)10:30:30の割合で10gとなるように調合し注入した。最後にラミネートパッケージの開口部分を真空シールすることにより電池セルを作製した。
<特性の評価>
上述のようにして作製した実施例1〜5及び比較例1〜2のリチウムイオン電池の特性を評価するため、10個の電池セルについて、ショート不良の発生の有無及び充放電測定の可否を確認した。
ショート不良の有無の評価は、電圧3.75Vまで充電を行い、1週間放置した後、リチウムイオン電池の電圧を測定して、10個のリチウムイオン電池のすべてが、電圧3.70V以上であるものをショート不良なしと評価し、10個のリチウムイオン電池のうちの一つにでも電圧3.70V未満のものが認められたものを、ショート不良ありと評価することにより行った。充放電測定の可否は充放電可能かどうか確認を行った。
<材料コスト比>
以上の上述のようにして作製した実施例1〜4及び比較例1〜2のリチウムイオン電池の材料コスト比を比較した。
以上の条件及び結果を表1に示す。
Figure 2020030924
全ての実施例において、ショート不良の発生は確認されなかった。また、全ての実施例において、充放電が可能であった。また、実施例5では、製造プロセスを変更し、ゲルポリマー層とアルミナ層を別々に塗工した。即ち、最初に電解液成分のみを電極上に塗工し、次にPVDFバインダーにアルミナを分散させて電極に塗工するいわゆる2層塗りを実施した。その結果、さらにゲルポリマー液が正極活物質の内部に浸透しやすくなり、生産時間の短縮となった。また、ゲルポリマー液を塗工させてからアルミナ含有ゲルポリマー液を塗工させるので、球状アルミナが正極活物質上に残り、確実に正極と負極との間にイオン透過性絶縁層を形成することができた。よって、全ての実施例に係るリチウムイオン電池では、有効にセパレータとしての機能を発揮できた。
また、従来のセパレータを使用した比較例2の材料コスト比は35%であったが、実施例の材料コスト比は10%であり、コスト的に優位であった。
以上より、セパレータの代わりに球状アルミナを含有したイオン透過性絶縁層を用いるので、生産性に優れ、コストダウンを図ったリチウムイオン電池及びリチウムイオン電池の製造方法を提供することができた。
なお、上記のように本発明の各実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。またリチウムイオン電池及びリチウムイオン電池の製造方法の構成、動作も本発明の各実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 正極、11 正極活物質、12 正極集電体、20 負極、21 負極活物質、22 負極集電体、30 ゲルポリマー層、31 正極側ポリマー層、32 負極側ポリマー層、33 絶縁層側ポリマー層、34 ゲルポリマー液、35 アルミナ含有ゲルポリマー液、40 イオン透過性絶縁層、41 球状アルミナ、80 電池素子、100 リチウムイオン電池
S1 正極作製工程、S2 負極作製工程、S3 ゲルポリマー液調整工程、S4 アルミナ含有ゲルポリマー液作製工程、S5 電池素子作製工程、S6 ラミネート工程

Claims (10)

  1. 正極と、負極と、少なくとも電解質及び電解液を含むゲルポリマー層と、前記正極及び前記負極との間に介在するイオン透過性絶縁層とを有するリチウムイオン電池であって、
    前記正極は、リチウムを吸蔵および放出可能な正極活物質を含有する正極活物質層と正極集電体とを含み、
    前記負極は、合金系活物質を含有する負極活物質層と負極集電体とを含み、
    前記イオン透過性絶縁層は、少なくとも球状アルミナを含有し、
    前記ゲルポリマー層は、少なくともプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを含む電解液と、少なくともヘキサフルオロプロピレン(HFP)を含む電解質を有することを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 前記ゲルポリマー層は、さらにポリフッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリーマーを有する電解質を含み、
    前記ポリフッ化ビニリデン及び前記ヘキサフルオロプロピレン(HFP)中の前記ヘキサフルオロプロピレン(HFP)の含有比率は、質量比で3〜30%であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
  3. 前記ゲルポリマー層は、前記合金系活物質を含む負極側ポリマー層と、前記イオン透過性絶縁層を含む絶縁層側ポリマー層と、を有する積層体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池。
  4. 前記電解質は、ポリフッ化ビニリデン、またはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を少なくとも含むことを特徴とする請求項3に記載のリチウムイオン電池。
  5. 前記ゲルポリマー層の厚みは、6〜100μmであることを特徴とする請求項3又は4に記載のリチウムイオン電池。
  6. 前記球状アルミナの平均粒径は、0.5〜50μmであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のリチウムイオン電池。
  7. 前記負極活物質層は、球状人造黒鉛(MCMB)薄膜であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のリチウムイオン電池。
  8. 前記負極活物質層が、前記負極集電体の表面から外方に延び、かつ、互いに離隔している複数の柱状体の集合体であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のリチウムイオン電池。
  9. 正極と、負極と、少なくとも電解質及び電解液を含むゲルポリマー層と、前記正極及び前記負極との間に介在するイオン透過性絶縁層とを有するリチウムイオン電池の製造方法であって、
    前記正極を作製する正極作製工程と、
    前記負極を作製する負極作製工程と、
    前記ゲルポリマー層を形成するためのゲルポリマー液を調整するゲルポリマー液調整工程と、
    前記ゲルポリマー液に、イオン透過性絶縁層を主に構成する球状アルミナを含有させて、アルミナ含有ゲルポリマー液を作製するアルミナ含有ゲルポリマー液作製工程と、
    前記正極に、前記アルミナ含有ゲルポリマー液を塗工させてから、前記負極を積層して電池素子を作製する電池素子作製工程と、を有し、
    前記ゲルポリマー液調整工程は、少なくとも、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを含む電解液と、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)を含む電解質とを添加することを特徴とするリチウムイオン電池の製造方法。
  10. 前記電池素子作製工程では、前記アルミナ含有ゲルポリマー液を塗工させる前に、前記ゲルポリマー液を塗工させることを特徴とする請求項9に記載のリチウムイオン電池の製造方法。
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