JP2020029886A - 密封装置 - Google Patents

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JP2020029886A JP2018154813A JP2018154813A JP2020029886A JP 2020029886 A JP2020029886 A JP 2020029886A JP 2018154813 A JP2018154813 A JP 2018154813A JP 2018154813 A JP2018154813 A JP 2018154813A JP 2020029886 A JP2020029886 A JP 2020029886A
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英将 原田
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英将 原田
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Abstract

【課題】デフレクタと外輪外周面との間からの泥水をシールする密封部を配設した密封装置を提供する。【解決手段】芯金11の外円環部17は、円筒部16の軸方向端部から連続しており外輪2の軸方向端面に当接する環状の当接部17aと、この当接部17aの径方向外側端部から径方向外方且つフランジ8側に延びる傾斜部17bと、この傾斜部17bの径方向外側端部から径方向外方に延びる離間部17cとを有する。第2シール部14の外固定部35は、デフレクタ40の径方向内方の外輪2の軸方向端面20と、芯金11の傾斜部17b及び離間部17cとの間に密封部35bを有する。密封部35bは、外輪2の軸方向端面20と当接する環状の突出部23と、この突出部23の径方向両側に設けられた環状の凹部24a、24bとを有する。【選択図】図2

Description

本発明は密封装置に関する。さらに詳しくは、車輪用転がり軸受装置に用いられる密封装置に関する。
自動車等の車両に搭載され車輪を回転可能に支持する車輪用転がり軸受装置は、同心状に配置された径方向内側の内軸と径方向外側の外輪とを備えており、これら内軸と外輪との間に介在する転動体(玉やテーパローラ)によって、例えば、外輪に対して内軸が回転可能となる。内軸の軸方向端部には、径方向外方へ延びたフランジが設けられており、このフランジに車輪及びブレーキディスクが取り付けられる。
このような車輪用転がり軸受装置では、内軸と外輪との間に形成され転動体が配設されている環状空間に泥水等の異物が浸入するのを防ぐために、当該環状空間の軸方向両端部に密封装置が装着されている。
環状空間の軸方向両端部のうち、軸方向車両外側の端部に装着されている密封装置110として、図3に示されるように、外輪102の端部内周面121に嵌合している芯金111と、この芯金111に固定されているシール部材112とを備えたものがある(従来例A)。従来例Aにおけるシール部材112は、弾性材料からなり、複数の内リップ部131,132,133を有している。これら内リップ部131,132,133は、フランジ108の側面(裾部側面)108a及び内軸103の外周面103aに摺接している。
この密封装置110によれば、フランジ108の側面108bと外輪102の軸方向端面120との間の隙間Sを通った泥水が、転動体104が配設されている環状空間109へ浸入するのを防ぐことができる。
また、図3に示される密封装置110は、泥水を被り易い環境にある外輪102の外周面122に付着した泥水が当該外周面122上をフランジ108の側面108bに向かって流れ、前記隙間Sに浸入するのを抑制するために、外輪102の端部外周面122aに外接する円筒状の外リップ部145を有するデフレクタ140を備えている。外周面122上をフランジ108の側面108bに向かって流れてくる泥水は、外リップ部145の軸方向端面145aで堰き止めてられて外輪102の周方向に沿って下方へ流されることで、泥水が隙間Sから侵入することを抑制できるようになっている。
しかし、このような外リップ部145をシール部材112に備えても泥水が隙間Sから侵入することを抑制するのには十分ではないことから、本出願人は、先に、外輪の外周面上の泥水がフランジの側面と外輪の軸方向端面との間の隙間Sから軸受内部に浸入することを抑制する密封装置を提案している(従来例B。特許文献1参照)。
特許文献1記載の密封装置210では、図4に示されるように、外リップ部245の先端面における少なくとも車輪用転がり軸受装置に取り付けられたときに上側となる部分に、周方向に沿って端面溝246が形成されている。これにより、外輪202の上側において当該外輪202の外周面222上をフランジ208の側面に向かって流れて、外リップ部245の端面溝246で堰き止められた泥水は、当該端面溝246を乗り越えることができずにこの端面溝246に沿って外輪202の周方向に流れ易くなる。
また、密封装置210では、デフレクタ240の外リップ部245の内周面に軸方向に離間して一対の凸部248a,248bを設けるとともに、当該デフレクタ240の径方向内方に外輪202の軸方向端面220と当接する密封部235bを設け、この密封部235bに軸方向に突出して前記外輪202の軸方向端面220と当接する環状の凸部223を設けている。密封装置210では、前記凸部220,248a,248bによって、前記端面溝246で堰き止められた泥水がデフレクタ240の外リップ部245と当該外輪202の外周面222との間から軸受内部に浸入するのを抑制している。なお、図4において、参照符号211及び212は、それぞれ密封装置210を構成する芯金及当該芯金に加硫接着されたシール部材であり、また、203は、外輪202の径方向内側に配設される内軸である。
特開2014−173677号公報
特許文献1記載の密封装置210では、前記凸部223を有する密封部235bを設けるために、芯金211の外円環部217に外輪202の軸方向端面220と離間している非当接部217bを形成しているが、この非当接部217bは、主に切削加工により形成されている。
しかし、切削加工は手間と時間を要するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、デフレクタと外輪外周面との間からの泥水をシールする密封部を配設するためのスペースを簡単に提供することができる密封装置を提供することを目的とする。
本発明の密封装置は、
(1)同心状に配置された内軸と外輪とを備え、当該外輪の軸方向端面に隙間を有して対向する側面を有したフランジが前記内軸の端部に設けられた車輪用転がり軸受装置に用いられ、前記内軸と前記外輪との間の環状空間に泥水が浸入するのを防ぐ密封装置であって、
前記外輪の端部内周面に嵌合して当該外輪に固定される円筒部及び当該円筒部から径方向外方へ延びて前記外輪の軸方向端面に当接する外円環部を有する芯金と、
前記円筒部に固定されている内固定部と、当該内固定部から延びて前記内軸に設けられているシール面に摺接する内リップ部と、を有する第1シール部と、
前記外円環部に固定されている外固定部と、当該外固定部から前記フランジの前記側面に近づく側に延びて当該側面に隙間を有して対向する環状突部、及び、前記外固定部から前記フランジの前記側面と離れる側へ延びて前記外輪の端部外周面に当接する円筒状の外リップ部とで構成されるデフレクタと、を有する第2シール部と、を備え、
前記芯金の外円環部は、前記円筒部の軸方向端部から連続しており前記外輪の軸方向端面に当接する環状の当接部と、この当接部の径方向外側端部から径方向外方且つ前記フランジ側に延びる傾斜部と、この傾斜部の径方向外側端部から径方向外方に延びる離間部とを有しており、
前記第2シール部の外固定部は、前記デフレクタの径方向内方の外輪の軸方向端面と、前記芯金の傾斜部及び離間部との間に密封部を有しており、
前記密封部は、前記外輪の軸方向端面と当接する環状の突出部と、この突出部の径方向両側に設けられた環状の凹部とを有する
ことを特徴とする。
本発明の密封装置では、第2シール部の密封部を設けるためのスペースを、外輪の軸方向端面と離間して配設される、芯金の傾斜部と離間部とで提供することができ、かかる傾斜部及び離間部は、芯金を構成する鋼板等の素材の曲げ加工又はプレス加工により簡単に形成することができる。
(2)上記(1)の密封装置において、前記外リップ部の内周面に、径方向内方に突出して前記外輪の外周面に当接する環状の凸部が軸方向に少なくとも2か所形成されていることが望ましい。この場合、環状の凸部を外輪の外周面に当接させることにより、外リップ部の内周面と外輪の外周面との間から泥水が軸受内部に浸入するのを抑制することができる。
本発明の密封装置によれば、デフレクタと外輪外周面との間からの泥水をシールする密封部を配設するためのスペースを簡単に提供することができる。
本発明の一実施形態に係る密封装置が装着されている車輪転がり軸受装置の断面説明図である。 本発明の一実施形態に係る密封装置の断面説明図である。 従来の密封装置の一例の断面説明図である。 従来の密封装置の他の例の断面説明図である。
以下、本発明の密封装置の実施形態について添付図面を参照しながら詳述する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、本発明の一実施形態に係る密封装置10が用いられている車輪用転がり軸受装置1の断面説明図であり、図2は、図1における密封装置10の断面説明図である。なお、図2では、分かり易くするために、外輪2及び内軸3(フランジ8及び軸本体部6)を二点鎖線により示している。
〔車輪用転がり軸受装置1〕
図1に示されるように、車輪用転がり軸受装置1(以下、単に「軸受装置」ともいう)は、自動車の車体に設けられている懸架装置50に対して車輪を回転可能に支持するものであり、径方向外側の外輪2と径方向内側の内軸3とを備えている。
外輪2は円筒形状の部材であり、車体側の懸架装置50に固定される。
内軸3は、軸本体部6と、この軸本体部6の車両内側(図1において左側)A1の端部に外嵌して固定されている環状の内輪部材7とを有している。外輪2と内軸3との間には2列でかつ各列に複数の玉(転動体)4が介在している。外輪2と内軸3とは同心状に配置され、本実施形態では、外輪2に対して内軸3が回転自在となる。また、この軸受装置1は、複数の玉4を保持する保持器5を備えている。
フランジ8の側面28は、図2に示されるように、軸本体部6の外周面6aと滑らかに連続する第1側面28aと、この第1側面28aの径方向外方において第1側面28aよりも車両外側A2に設けられている第2側面28bと、この第2側面28bの径方向外方において第2側面28bよりもさらに車両外側2Aに設けられている第3側面28cとを有している。第1側面28aと第2側面28bとの間には鈍角の角部29aが形成されている。また、第2側面28bと第3側面28cとの間には略直角の角部29bが形成されており、フランジ8の側面28は第2側面28bと第3側面28cとの間に外周面28dを有している。
外輪2の軸方向両端部と内軸3との間には、密封装置10,60が取り付けられている。これら密封装置10,60によって、外輪2の径方向外側から、外輪2と内軸3との間に形成される環状空間9に、泥水等の異物が浸入するのを防ぐ。そして、これら密封装置10,60のうち、車両外側A2の密封装置10に、以下の実施形態に係る密封装置が用いられている。
〔密封装置10〕
密封装置10は、外輪2の軸方向一端部に固定されている円環状の芯金11と、この芯金11に取り付けられた第1シール部13及び第2シール部14を有するシール部材12とを備えている。
[芯金11]
芯金11は、SPCC等の鋼板をプレス加工することによって環状に形成されており、外輪2の端部内周面21に嵌合して外輪2に固定されている円筒部16と、この円筒部16の軸方向車両外側A2の端部から径方向外方へ延びて外輪2の軸方向端面20に当接する外円環部17とを有している。さらに、芯金11は、円筒部16の軸方向車両内側A1の端部に連続する屈曲部18と、この屈曲部18から径方向内方へ延びている内円環部19とを有している。
外円環部17は、外輪2の軸方向端面20に当接することで、密封装置10全体を軸方向に関して位置決めする。また、外円環部17は、軸方向端面20に当接した状態で、フランジ8の側面28と、シール部材12の一部(後述する外固定部35の本体部35a)を挟んで、対向した配置となる。
本実施形態における外円環部17は、円筒部16の軸方向端部から連続しており外輪2の軸方向端面20に当接する環状の当接部17aと、この当接部17aの径方向外側端部から径方向外方且つフランジ8側に延びる傾斜部17bと、この傾斜部17bの径方向外側端部から径方向外方に延びる離間部17cとを有している。傾斜部17b及び離間部17cは、例えば芯金11を構成する鋼板をプレス加工することで形成することができる。
傾斜部17b及び離間部17cと、外輪2の軸方向端面20との間のスペースに後述する第2シール部の密封部が配設される。
[シール部材12]
シール部材12は、ニトリルゴム等の弾性材を円環状に形成したものであり、芯金11に加硫接着している。シール部材12のうち、第1シール部13は、芯金11の円筒部16、屈曲部18及び内円環部19に固定されている部分であり、また、第2シール部14は、芯金11の外円環部17に固定されている部分及びその径方向外側の部分である。なお、本実施形態では、第1シール部13と第2シール部14とは一体である。
シール部材12の第1シール部13は、円筒部16、屈曲部18及び内円環部19に固定されている内固定部30と、この内固定部30から内軸3に向かって延びている内リップ部31,32,33とを有している。内リップ部31,32,33は、内軸3に設けられているシール面に摺接する。
本実施形態では、第1の内リップ部31が摺接するシール面は、フランジ8の側面28(第1側面28a)であり、第2及び第3の内リップ部32,33が摺接するシール面は、軸本体部6の外周面6aである。これら内リップ部31,32,33は、外輪2の径方向外方(つまり、外部)の泥水、砂、小石等の異物が浸入するのを防止する機能、及び、環状空間9に設けられている玉4用の潤滑剤が外部へ漏れるのを防止する機能を有している。
シール部材12の第2シール部14は、芯金11の外円環部17に固定されている外固定部35と、この外固定部35と一体であるデフレクタ40とを有している。
第2シール部14の外固定部35は、外円環部17(当接部17a、傾斜部17b及び離間部17c)よりもフランジ8側の本体部35aと、傾斜部17b及び離間部17cと軸方向端面20との間の密封部35bとを有している。密封部35bは、芯金11の当接部17aよりも軸方向に(外輪2側へ)突出した環状の突出部23と、当該突出部23の径方向両側に設けられ当接部17aよりも軸方向に(フランジ8側へ)凹んでいる環状の凹部24a、24bとを有している。
芯金11の当接部17aが軸方向端面20に当接した状態で、突出部23は押圧されて軸方向端面20と密着する。そして、凹部24a,24bは、突出部23の押圧による非圧縮変形を妨げない機能を有する。
第2シール部14のデフレクタ40は、外固定部35の径方向外側の端部からフランジ8の側面28に近づく側に軸方向に延びる環状突部41と、外固定部35の径方向外側の端部からフランジ8の側面28と離れる側へ軸方向に延びる外リップ部45とで構成されている。デフレクタ40は、数ミリ程度の厚さを有する円筒状に形成されている。
デフレクタ40の環状突部41は、環状に形成されており、その先端部42がフランジ8の側面28と隙間した状態で対向している。先端部42の内周縁42aは、側面28の第2角部29bと径方向位置が揃えられている。環状突部41の内部には、芯金11が存在していない。
密封装置10を外輪2に装着した状態で、先端部42の内周縁42aと側面28の第2角部29bとの軸方向の間隔は、例えば1.0mm程度である。この程度の間隔を生じさせることで、高速回転(例えば1000rpm)時において、その内周面はこの先端部42の内周縁42aとフランジ8の第2角部29bとの間付近に表面張力による水の膜が形成され、この水の膜により泥水が内リップ部31側へ浸入するのを防ぐことができる。
さらに、デフレクタ40の外リップ部45は、円筒状(環状)に形成されており、外輪2の端部外周面22aに当接している。外リップ部45の内部には、環状突部41と同様に、芯金11が存在していない。
外リップ部45の先端面、すなわちデフレクタ40における軸方向の車両内側A1の端面には、端面溝46が形成されている。本実施形態における端面溝46は、外リップ部45の周方向に沿って全周に亘って設けられている。端面溝46は、軸方向の車両外側A2に向かって凹状に形成されており、例えば深さ0.1〜1.0mm程度、幅数mm程度に形成されている。
また、デフレクタ40の外周面には、周面溝47が軸方向に等間隔に複数(図示例では5つ)形成されている。本実施形態における周面溝47は、外リップ部45の周方向に沿って全周に亘って設けられている。周面溝47は、径方向内側に向かって凹状に形成されており、例えば半径0.1〜1.0mm程度で深さ0.1〜0.6mm程度の断面円弧形状に形成されている。
また、外リップ部45の先端部の内周部には、当該外リップ部45の基部の内周面よりも径方向内方に突出して外輪2の外周面22のうち端部外周面22aに当接する環状の凸部48a,48bが軸方向に2カ所形成されている。外リップ部45の先端側に配設されている第1凸部48aと基端側に配設されている第2凸部48bとの間には、外リップ部45の基部の内周面よりも径方向外方に入りこんでいる環状の凹部49aが形成されている。また、第1凸部48aよりも先端側にはテーパ部49bが形成されている。さらに、第2凸部48bよりも外リップ部45の基端側の部分には、端部外周面22aとの間に隙間49cが形成されている。これらにより、第1凸部48a及び第2凸部48bを端部外周面22aに全周に亘って線接触させることができ、密封性能を高めることが可能となる。そして、凹部49a、テーパ部49b、及び隙間49cは、第1凸部48a及び第2凸部48bの押圧による非圧縮変形を妨げない機能を有する。
前述したように、本実施形態に係る密封装置10では、第2シール部14の密封部35bを配設するためのスペースを、芯金11の傾斜部17b及び離間部17cにより提供している。かかる傾斜部17b及び離間部17は、当該芯金11を構成する素材をプレス加工することで簡単に形成することができる。
また、密封装置10は、外リップ部45の先端面に周方向に沿って端面溝46が形成されている。これにより、外輪2の上側において外周面22上をフランジ8の側面28に向かって流れて、外リップ部45の端面溝46(先端面)で堰き止められた泥水は、端面溝46を乗り越えることができずにこの端面溝46に沿って外輪2の周方向に流れ易くなる。したがって、外輪2の外周面22上の泥水がフランジ8の側面28と外輪2の軸方向端面20との間の隙間Sから浸入することを抑制し、もって泥水による密封装置10の寿命低下を防ぐことができる。
また、密封装置10は、デフレクタ40の外周面に周方向に沿って環状の周面溝47が形成されている。これにより、デフレクタ40の端面溝46(先端面)を乗り越えた泥水は、周面溝47内をデフレクタ40の周方向に沿って下方へ流れるので、この泥水が隙間Sから浸入することを抑制できる。
また、密封装置10は、外リップ部45の先端部の内周部に、径方向内方に突出して外輪2の端部外周面22aに当接する環状の凸部48a,48bが軸方向に2カ所形成されている。これにより、外リップ部45の端面溝46(先端面)で堰き止められた泥水が外リップ部45と外輪2の間に浸入することを抑制すると共に水の浸入により発生した錆が外輪2の軸方向端面20側に進行することをくい止めることができる。
また、実施形態に係る車輪用転がり軸受装置1は、フランジ8の側面28に角部29bが形成されており、デフレクタ40を構成する環状突部41の先端部42の内周縁42aと前記角部29bとの径方向位置が揃っている。これにより、フランジ8の側面28は外周面28dを有しており、この外周面28dに対してデフレクタ40の外周面上を通過した泥水が降りかかる。そして、外周面28dに降りかかった泥水は遠心力により径方向外方へ飛ばされるので、泥水がフランジ8の側面28と外輪2の軸方向端面20との間の隙間Sから浸入することを抑制できる。また、車両下側において、隙間Sから水が抜けやすくなり、隙間Sに水が滞留することを防止できる。
〔その他の変形例〕
本開示は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、前述した実施形態では、密封部に環状の突出部を1つだけ形成しているが、複数の突出部を形成することもできる。
1 : 軸受装置
2 : 外輪
3 : 内軸
4 : 玉(転動体)
5 : 保持器
6 : 軸本体部
6a: 外周面
8 : フランジ
9 : 環状空間
10 : 密封装置
11 : 芯金
12 : シール部材
13 : 第1シール部
14 : 第2シール部
16 : 円筒部
17 : 外円環部
17a: 当接部
17b: 傾斜部
17c: 離間部
18 : 屈曲部
19 : 内円環部
20 : 軸方向端面
22 : 外周面
22a: 端部外周面
23 : 突出部
24a: 凹部
24b: 凹部
28 : 側面
28a: 第1側面
28b: 第2側面
28c: 第3側面
28d: 外周面
29a: 角部
29b: 角部
30 : 内固定部
31 : 内リップ部
32 : 内リップ部
33 : 内リップ部
35 : 外固定部
35a: 本体部
35b: 密封部
40 : デフレクタ
42 : 先端部
42a: 内周縁
45 : 外リップ部
46 : 端面溝
47 : 周面溝
48a: 凸部
49b: 凸部
49c: テーパ部
50 : 懸架装置

Claims (2)

  1. 同心状に配置された内軸と外輪とを備え、当該外輪の軸方向端面に隙間を有して対向する側面を有したフランジが前記内軸の端部に設けられた車輪用転がり軸受装置に用いられ、前記内軸と前記外輪との間の環状空間に泥水が浸入するのを防ぐ密封装置であって、
    前記外輪の端部内周面に嵌合して当該外輪に固定される円筒部及び当該円筒部から径方向外方へ延びて前記外輪の軸方向端面に当接する外円環部を有する芯金と、
    前記円筒部に固定されている内固定部と、当該内固定部から延びて前記内軸に設けられているシール面に摺接する内リップ部と、を有する第1シール部と、
    前記外円環部に固定されている外固定部と、当該外固定部から前記フランジの前記側面に近づく側に延びて当該側面に隙間を有して対向する環状突部、及び、前記外固定部から前記フランジの前記側面と離れる側へ延びて前記外輪の端部外周面に当接する円筒状の外リップ部とで構成されるデフレクタと、を有する第2シール部と、を備え、
    前記芯金の外円環部は、前記円筒部の軸方向端部から連続しており前記外輪の軸方向端面に当接する環状の当接部と、この当接部の径方向外側端部から径方向外方且つ前記フランジ側に延びる傾斜部と、この傾斜部の径方向外側端部から径方向外方に延びる離間部とを有しており、
    前記第2シール部の外固定部は、前記デフレクタの径方向内方の外輪の軸方向端面と、前記芯金の傾斜部及び離間部との間に密封部を有しており、
    前記密封部は、前記外輪の軸方向端面と当接する環状の突出部と、この突出部の径方向両側に設けられた環状の凹部とを有することを特徴とする、密封装置。
  2. 前記外リップ部の内周面に、径方向内方に突出して前記外輪の外周面に当接する環状の凸部が軸方向に少なくとも2か所形成されている、請求項1に記載の密封装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014173677A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Koyo Sealing Techno Co Ltd 密封装置及び密封装置を備えた車輪用転がり軸受装置
JP2015183801A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 Ntn株式会社 車輪用軸受装置
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