JP2020029869A - 真空断熱材用積層体および真空断熱材 - Google Patents

真空断熱材用積層体および真空断熱材 Download PDF

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Abstract

【課題】真空断熱材の外装材が局所的に屈曲や伸長を受けても、断熱性能が劣化することが無い真空断熱材とそれに使用する積層体を提供する事を課題とする。【解決手段】断熱性の芯材4が袋体に減圧状態で密封されてなる真空断熱材2に使用する積層体1であって、真空断熱材の最外層となる基材フィルム11と、少なくとも1層のバリア層12と、熱溶着層13と、をこの順に積層してなり、基材フィルムとバリア層と熱溶着層とが隣接する各層間には、接着剤層14が備えられており、いずれか一層以上の接着剤層には、硬化性樹脂と硬化剤とが別個に内包されたマイクロカプセルが含まれていることを特徴とする積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、真空断熱材用積層体およびそれを用いた真空断熱材に関する。
近年、地球温暖化防止のため温室効果ガスの削減が推進されており、電気製品や車両、設備機器ならびに建物等の省エネルギー化が求められている。
中でも、消費電力量の低減の観点から、電気製品、車両、建築等の物品への真空断熱材の採用が進められている。これらの物品に真空断熱材を備えることで、物品全体としての断熱性能を向上させることが可能となり、エネルギー削減効果が期待される。
真空断熱材は、芯材を積層体からなる外装材で包み、その内部を真空状態にし、気体による熱伝導率を限りなくゼロに近づけることにより、断熱性能を高めた断熱材である。
真空断熱材は、一般に、対向させた2枚の外装材(以下、一対の外装材とも記す。)の周縁を熱溶着させた袋体とし、その中に発泡樹脂や繊維材等の芯材を入れ、脱気して内部を真空状態とし、袋体の開口を封止して密閉することで形成されている。
真空断熱材はその内部が1〜200Pa程度の真空状態にあることから、内部での空気の対流による熱移動が遮断されるため、高い断熱性能を発揮することができる。
真空断熱材の断熱性能を長期間維持するためには、内部の真空状態を保持する必要がある。そのため、真空断熱材に用いられる外装材には、外部からガスや水蒸気等が透過することを防止するためのバリア性や、芯材を覆って密着封止するための熱接着性等の種々の機能が要求される。その様な事情から、上記外装材としては、通常、これらの機能を備える複数の機能層からなる積層体が用いられている。
例えば、特許文献1〜2には、真空断熱材の芯材側から熱融着層、単層または多層のバリア層、および単層または多層の保護層、などの機能層がこの順に積層された外装材が開示されている。また、外装材を構成するこれらの機能層は、通常、層間接着層を介して積層される。
しかし、真空断熱材は電化製品等への搭載時や、配管を通すための溝を形成する際に、外装材が屈曲、伸長されることで外装材のバリア層が劣化する場合がある。局所的に応力がかかる箇所は特にバリア性能の劣化が激しい。そのため真空断熱材内部の真空状態が維持できなくなり、長期間、高い断熱性能を保持できないという問題がある。
特開2011−89740号公報 特開2006−194297号公報
上記の事情に鑑み、本発明は、真空断熱材の外装材が局所的に屈曲や伸長を受けても、断熱性能が劣化することが無い真空断熱材とそれに使用する真空断熱材用積層体を提供する事を課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、第一の態様に記載の発明は、基材と、
バリア層と、
熱接着性樹脂層とを備える多層体であって、
前記多層体を形成する各層は接着剤層を介して積層されており、
前記接着剤層のうち少なくとも一層は、硬化性樹脂を内包するマイクロカプセル及び硬化剤を内包するマイクロカプセルを含むことを特徴とする真空断熱材用積層体である。
また、第二の態様に記載の発明は、芯材と、
請求項1に記載の真空断熱材用積層体を用いて袋状に形成され、芯材を被覆する袋状の外包材と、を備え、
前記外包材の内部圧力が大気圧よりも低い、
真空断熱材である。
本発明の真空断熱材用積層体によれば、硬化性樹脂とそれに対応した硬化剤が別個に内包されたマイクロカプセルが含まれている接着剤層が一層以上備えられている。そのため、この真空断熱材用積層体を使用した真空断熱材においては、真空断熱材の製造時や使用時に、真空断熱材用積層体が屈曲や伸長を受けることで局所的な応力がかかり、バリア層や熱融着層がダメージを受けた場合であっても、接着剤層中のマイクロカプセルが破壊することで、発生したクラックなどに硬化性樹脂が浸透し硬化する。そのため真空断熱材用積層体のバリア性低下を抑制し、真空断熱材の真空状態の劣化を防止することができる。ひいては断熱性が劣化する事を防止することができる。
本発明に係る真空断熱材用積層体の一実施形態を説明するための部分断面模式図。 本発明に係る真空断熱材用の積層体に使用するバリアフィルムの層構成を例示する部分断面模式図。 本発明に係る真空断熱材の一実施形態を説明するための断面模式図。
以下本発明を実施するための形態について、図を参照しながら詳細な説明を加える。ただし本発明はこれらの例にのみ限定されるものではない。
<真空断熱材用の積層体>
図1は本発明に係る真空断熱材用積層体1の一実施形態を説明するための部分断面模式図である。本発明の真空断熱材用積層体1の構成としては、図1に例示した様に、基材フィルム11の一方の面にドライラミネート層からなる接着剤層14aを介して第1バリア層121が積層されている。さらに第1バリア層121の上に、ドライラミネート層からなる接着剤層14bを介して第2バリア層122が積層されている。さらに第2バリア層122の上に、ドライラミネート層からなる接着剤層14cを介して熱融着層13が積層されている。
なお、本実施形態では、バリア第1および第2バリア層121、122の2層からなるバリア層12を示したが、バリア層12は、1層以上のバリア層が備えられていれば良い。
次に真空断熱材用積層体1の各構成要素について説明を加える。
(基材フィルム11)
基材フィルム11には、高分子材料を素材としたプラスチックフィルムを用いることが
できる。高分子フィルムは高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。
基材フィルム4としては、ポリアミドフィルムが好適に用いられる。真空断熱材を被覆する最外層に要求される、高い機械的強度、耐擦傷性、耐熱性を有するためである。
(接着剤層14)
接着剤層14a、14b、14cは、それぞれ基材層11とバリア層12、バリア層12を形成する各バリア層同士、バリア層12と熱融着層13を接着する役割を有する。
接着剤層14の接着剤組成物としては、ドライラミネート可能な接着剤組成物であれば特に限定する必要は無く、例えば、ウレタン系接着剤等を用いることが出来る。
また、接着剤層14a、14b、14cのうち少なくとも一層は、分散されたマイクロカプセルを含む。マイクロカプセル壁材としては、マイクロカプセルの分野において公知のカプセル壁材を適宜使用することができる。例えば、メラミン樹脂、ゼラチン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ尿素、ポリスルホンアミド、ポリスルホネート、ポリウレア等である。
マイクロカプセルの中には、ポリエポキシ樹脂、ポリアミン樹脂、ポリエステルポリオール、ポリイソシアネート等の硬化性樹脂とその硬化剤が、それぞれ別個に内包されている。なお、硬化性樹脂であれば、上記に例を挙げた樹脂に限定するものではない。
これらのマイクロカプセルは、真空断熱材の製造時や使用時に、真空断熱材用積層体が屈曲や伸長を受けることで局所的な応力がかかり、バリア層12や熱融着層13がダメージを受けた場合であっても、接着剤層14a乃至14cの何れかに含まれるマイクロカプセルが破壊することで、発生したクラックなどに硬化性樹脂が浸透し硬化する。そのため真空断熱材用積層体1のバリア性低下を抑制し、真空断熱材の真空状態の劣化を防止することができる。ひいては断熱性が劣化する事を防止することができる。
(バリア層12)
真空断熱材用積層体1は、内部の真空状態を維持するためにバリア性が求められる。そのために真空断熱材用積層体1を構成する層中に一層以上のバリア層12を設けてバリア性を付与する。バリア層12としてはアルミニウムなどの金属箔を用いることもでき、また基材に蒸着薄膜層を設けたバリアフィルムを用いることもできる。
図2に示すように、第1のバリアフィルム121及び第2のバリアフィルム122に利用可能な蒸着薄膜層を設けたバリアフィルムは、たとえばプラスチック材料からなるフィルム基材31を用い、少なくともその片面に蒸着薄膜層32を設けて形成し、蒸着薄膜層32の上に更に被膜層33を形成する。
バリア層12として第1バリア層121と第2バリア層122を備える構成として、例えば、第1バリア層121に透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムを好適に使用できる。また第2バリア層122としてはアルミニウム蒸着エチレンービニルアルコール共重合体フィルムを好適に使用することができる。これらは、ポリエチレンテレフタレートフィルムやエチレンービニルアルコール共重合体フィルムなどのフィルム基材上に、それぞれ、酸化アルミニウムや酸化珪素からなる透明蒸着薄膜層またはアルミニウム蒸着薄膜層を形成したものである。
(フィルム基材31)
フィルム基材31のプラスチック材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレン
やポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム等を用いることができる。これらは、機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、延伸されたものでも未延伸のものでも構わない。通常これらのものを、フィルム状に加工して用いられる。特に耐熱性等の観点から二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムやポリアミドフィルムが好ましく用いられる。
また、フィルム基材31の蒸着薄膜層32が設けられる面と反対側の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良い。また、蒸着薄膜層32とフィルム基材31の密着性を良くするために、フィルム基材31の蒸着薄膜層32が形成される面側を前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などのいずれかの処理を施しても良い。
フィルム基材31の厚さは、とくに限定されるものではなく、またフィルム基材31としての適性を考慮して、単体フィルム以外の異なる性質のフィルムを積層したフィルムを使用することもできる。加工性を考慮すれば、3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmがより好ましい。
また、量産性を考慮すれば、連続的に各層を形成できる長尺の連続フィルムとすることが望ましい。
(蒸着薄膜層32)
次に蒸着薄膜層32は、金属、例えばアルミニウム、銅、銀など、もしくは無機酸化物、例えばイットリウムタンタルオキサイド、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム或いはそれらの混合物の蒸着膜からなり、酸素、水蒸気等のバリア性を有する。これらの中では、特にアルミニウム、酸化アルミニウム及び酸化珪素、酸化マグネシウムが好ましい。なお、上述の金属および無機酸化物に限定されず、酸素、水蒸気等のバリア性を有する材料であれば用いることができる。
蒸着薄膜層32の厚さは、用いられる化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、5〜300nmの範囲内が望ましく、その厚さ適宜選択することができる。ただし、膜厚が5nm未満の場合は、均一な膜が得られず、膜厚が十分とはいえない。また、無機酸化物の場合、膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを発揮することができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。そのため好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
蒸着薄膜層32をフィルム基材31上に形成する方法としては、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法として、スパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(PCVD)、ALD(Atomic Layer Deposition)法などを用いることも可能である。
真空蒸着法の蒸着材料の加熱手段としては、電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれを使用しても良い。
また、蒸着薄膜層32とフィルム基材31との密着性及び蒸着薄膜層32の緻密性を向上させるため、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。
また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込む反応蒸着を行ってよい。
(被膜層33)
被膜層33は、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドとその加水分解物のいずれか一方または両方、または(b)塩化錫、の少なくともいずれか1つと、を含む水/アルコール混合溶液を溶媒とする塗布液(コーティング剤とも言う。)を塗布・乾燥することによって形成される。例えば、水溶性高分子と塩化錫を水系(水あるいは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、あるいはこれに金属アルコキシドを直接、あるいは予め加水分解させるなどの処理を行ったものを混合した溶液を調整し溶液とする。この溶液を蒸着薄膜層32上にコーティング後、加熱乾燥し形成される。
コーティング剤に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(PVA)を用いるとバリア性が最も優れる。このPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるものであり、酢酸基が数十%残存しているいわゆる部分けん化PVAから、酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等までを含むものがあるが、特に限定されない。
またコーティング剤に用いられる塩化錫は、塩化第一錫(SnCl)、塩化第二錫(SnCl)、或いはそれらの混合物であってもよい。またこれらの塩化錫は、無水物でも水和物でもあってもよい。
更にコーティング剤に用いられる金属アルコキシドは、一般式、M(OR)(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH,C等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2'−C〕などがあげられ、中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
コーティング剤のバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を必要に応じて加えることができる。
例えばコーティング剤に加えられるイソシアネート化合物としては、その分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものが好ましい。例えばトリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのモノマー類と、これらの重合体、誘導体が挙げられる。
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の手段を用いることができる。被膜層10の厚さは、コーティング剤の種類や加工機や加工条件によって異なる。乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一な塗膜が得られず十分なバリア性を得られない場合があるので好ましくない。また厚さが50μmを超える場合は形成された被膜層33にクラックが生じ易くなる。そのため被膜層33の厚さは0.01〜50μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にあることである。
(熱融着層13)
熱融着層13の材質としては、ポリオレフィン樹脂を含むものである。詳しくは直鎖状ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂を選定することができ、本発明の真空断熱材用積層体1を用いた真空断熱材2において、上記真空断熱材2の周縁端部の真空断熱材用積層体1同士の接着を強固にすることが
でき、ひいては真空断熱材2の内部の真空状態を保持することができる。
熱融着層13の厚さとしては、所望の接着力を有することができる厚さであればよく、例えば20μm〜100μmの範囲内、中でも25μm〜90μmの範囲内、特に30μm〜80μmの範囲内が好ましい。熱融着層13の厚さが上記範囲よりも大きいと、本発明の真空断熱材用積層体全体としてのバリア性や外観等が悪化する場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、所望の接着力が得られず、高温下で長時間使用する間に剥離が生じる場合がある。
熱融着層13は、市販のフィルムやシートを用いてもよく、熱融着層13と接する層表面に、熱溶着層13の組成物を塗布して形成してもよい。
本発明における真空断熱材2は、真空断熱材用積層体1が有する熱融着層13が芯材4と接するようにして配置される(図3参照)。
また、芯材4を覆うように対向して配置される真空断熱材用積層体1は、両方が優れた耐熱性を示すことから、本発明の真空断熱材1が高温環境下において長期間曝されても、上記真空断熱材1の端部や積層体の層間での剥離の発生や劣化を抑制することができ、本発明の真空断熱材2の内部を長期間にわたり高真空状態に維持できる。
(芯材4)
本発明における芯材4は、真空断熱材用積層体1により形成された袋体、または、対向する2枚の真空断熱材用積層体1、により覆われて内包されるものである。
芯材4の材料としては、一般に真空断熱材2の芯材に使用される材料を用いることができる。例えばシリカ等の粉体、ウレタンポリマー等の発泡体、グラスウール等の繊維体等の多孔質体が挙げられる。なお上記多孔質体は、空隙率が50%以上、中でも90%以上であることが好ましい。熱伝導率の低い芯材4とすることができるからである。
芯材4は、外部から浸入する微量のガスを吸着するためのゲッター剤を含んでいても良い。ゲッター剤としては、例えばシリカ、アルミナ、ゼオライト、活性炭等の真空断熱材に使用される一般的な材料が挙げられる。
芯材4の厚さとしては、所望の断熱効果を発揮できる厚さであれば特に限定されず、例えば、減圧後の状態で1mm〜30mmの範囲内であることが好ましい。
<真空断熱材2>
図3は本発明に係る真空断熱材1の一実施形態を説明するための断面模式図である。
真空断熱材用積層体1の熱溶着層13側を内側にし、端部を熱融着して作製した袋体に、断熱性の芯材4を内包した状態で、袋体の内部を脱気し真空状態にした後、袋体の熱融着していなかった部分を熱融着して密封して真空断熱材2を作製することができる。
袋体とするのに使用する真空断熱材用積層体1は、1枚であっても、2枚であっても構わない。1枚である場合は、真空断熱材用積層体1の中間位置にて熱融着層13側を内側にして折り曲げ、端部を熱融着することにより、一端が開口となっている袋体を作製することができる。
図3に例示した真空断熱材2は一対の真空断熱材用積層体1を使用した場合を示している。袋体とするには、芯材4を内包した真空断熱材用積層体1の端部を熱融着することにより、熱融着部21を形成し、一部の端部は熱溶着せずにおき、その部分から袋体の内部を脱気し真空にすることができる。所定の真空度に到達した後、熱溶着していなかった部
分も熱溶着し、袋体を密封することで、真空断熱材2を製造することができる。
なお、ここで真空状態とは、厳密には圧力が、1Pa〜200Pa程度の減圧状態を指す。
(真空断熱材内部の真空度)
本発明の真空断熱材2の内部の真空度としては、5Pa以下であることが好ましい。真空断熱材内部の空気の対流を遮断し、断熱性能を向上させることができるからである。
(真空断熱材内部の熱伝導率)
本発明の真空断熱材2の熱伝導率(初期熱伝導率)としては、例えば25℃環境下で10mW・m−1・K−1以下、中でも5mW・m−1・K−1以下、特に3mW・m−1・K−1以下であることが好ましい。真空断熱材1が熱を外部に伝導しにくくなることから、高い断熱効果を奏することができるからである。なお、上記熱伝導率はJIS−A−1412−3に従い熱伝導率測定装置(英弘精機社製 HC−074)を用いた熱流計法により測定された値である。
本発明の真空断熱材2は、電化機器用真空断熱材、建築用真空断熱材、保冷保温箱体用真空断熱材、自動車用真空断熱材等として、断熱を必要とするあらゆる用途に用いることができる。
以下実施例1および比較例1に基づいて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例にのみ限定されるものではない。
<実施例1>
材料構成は、下記のとおりである。
厚さ25μmのポリアミドフィルム(基材フィルム11に該当)(興人フィルム&ケミカルズ株式会社製 製品名:ボニールRX)に厚さ12μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(第1バリア層121に該当)(凸版印刷株式会社製 製品名:GL−EDC)をウレタン系接着剤にポリエポキシ樹脂を含むカプセルとポリアミン樹脂を含むカプセルの2種類を混入させたドライラミネート層(接着剤層14aに該当)を用いて、積層、接着した。次いで透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(第1バリア層121に該当)の外面に、厚さ12μmのアルミニウム蒸着エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(第2バリア層122に該当)(株式会社クラレ製 製品名:VM−XL)をウレタン系接着剤にポリエポキシ樹脂を含むカプセルとポリアミン樹脂を含むカプセルの2種類を混入させたドライラミネート層(接着剤層14bに該当)を用いて貼りあわせた。更にアルミニウム蒸着エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(第2バリア層122に該当)の外面に、ウレタン系接着剤にポリエポキシ樹脂を含むカプセルとポリアミン樹脂を含むカプセルの2種類を混入させたドライラミネート層(接着剤層14cに該当)を用いて、熱融着層13として厚さ50μm環状直鎖状ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ株式会社製 製品名:FCS)を貼りあわせ、真空断熱材用積層体1を得た。
次にその真空断熱材用積層体1を用い、真空断熱材2を構成する三方袋を作成した(200mm×200mm)。芯材4としてガラス繊維(190mm×190mm)を封入し、真空包装装置にて袋内の圧力を1.0Paとした後、三方袋の開口部を加熱融着し、厚さ5mm、縦200mm、横200mmの真空断熱材2を得た。
<比較例1>
各層をウレタン系接着剤で貼り合せたこと以外は実施例1と同様にして、真空断熱材用積層体及び真空断熱材を得た。
(評価)
<熱伝導率の測定>
JIS−A−1412−3に準じて測定を行なった。
真空断熱材を温度30℃で4週間保持し、熱伝導率測定装置(英弘精機社製 HC−074)を用いて、熱伝導率を測定した。
<酸素透過度の測定>
JIS K7126−2に従って温度30℃、相対湿度70%における酸素透過度の測定を行った。
<ゲルボ試験>
210mm×297mmの試験片の297mmの両端を貼り合わせて円筒状に丸め、筒状にした試験片の両端を固定ヘッドと駆動ヘッドで保持し、440度のひねりを加えながら固定ヘッドと駆動ヘッドの間隔を7インチから3.5インチに狭めて、さらにひねりを加えたままヘッドの間隔を1インチまで狭め、その後ヘッドの間隔を3.5インチまで広げて、さらにひねりを戻しながらヘッドの間隔を7インチまで広げるという往復運動を40回/minの速さで、25℃で200回行った。
さらにゲルボ試験を行った試験片について、JIS K7126−2に従って温度30℃、相対湿度70%における酸素透過度の測定を行った。
(評価結果)
実施例1、2および比較例1の評価結果を表1に示す。
Figure 2020029869
表1から実施例1は比較例1に比べて、ゲルボ試験後の酸素透過度のデータがよく、また実施例1は比較例1に比べて、30℃保管後の熱伝導率が低く、断熱性能が保たれていることが分かった。
1・・・真空断熱材用積層体
11・・・基材フィルム
12・・・バリア層
121・・・第1バリア層
122・・・第2バリア層
13・・・熱溶着層
14a、14b、14c・・・接着剤層
2・・・真空断熱材
21・・・熱融着部
31・・・フィルム基材
32・・・蒸着薄膜層
33・・・被覆層
4・・・芯材

Claims (2)

  1. 基材と、
    バリア層と、
    熱接着性樹脂層とを備える多層体であって、
    前記多層体を形成する各層は接着剤層を介して積層されており、
    前記接着剤層のうち少なくとも一層は、硬化性樹脂を内包するマイクロカプセル及び硬化剤を内包するマイクロカプセルを含むことを特徴とする真空断熱材用積層体。
  2. 芯材と、
    請求項1に記載の真空断熱材用積層体を用いて袋状に形成され、芯材を被覆する袋状の外包材と、を備え、
    前記外包材の内部圧力が大気圧よりも低い、
    真空断熱材。
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