JP2020029342A - シート収納装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Fumihiko Hayayumi
文彦 早弓
寿樹 石田
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Abstract

【課題】シート収納部を装置本体に挿入した場合及びシート収納部を装置本体から引き出した場合のそれぞれにおいて、シート収納部への衝撃を緩和する。【解決手段】シート収納装置は、装置本体に挿入された第1位置と装置本体の外方に引き出された第2位置とに移動可能なシート収納部(30)と、シート収納部が第2位置を超えて装置本体の外方に移動することを規制する規制手段(16a)とを有する。緩衝機構(40A)は、シート収納部が装置本体に挿入される場合、シート収納部が第1位置に到達する前にシート収納部の挿入に抵抗する力をシート収納部に加える。また、緩衝機構は、シート収納部が装置本体から引き出される場合、シート収納部が第2位置に到達する前にシート収納部の引き出しに抵抗する力をシート収納部に加える。【選択図】図2

Description

本発明は、シートを収納するシート収納装置及びシート収納装置を備えた画像形成装置に関する。
プリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置は、記録材として用いるシートを収納するためのシート収納装置を備えている。多くの場合、シート収納装置は、装置本体に対して挿入及び引き出し可能なシート収納部(カセット又はトレイとも呼ばれる)と、シート収納部の引き出し量を規制して装置本体からの脱落を防止するストッパとを備えている。このようなシート収納部に対して衝撃が加わると、部材の破損、シートの位置ずれ、及び衝突音の発生といった不都合が生じる。
特許文献1には、直動式のオイルダンパを使用して給紙カセットを挿入した際の衝撃を緩和する構成が記載されている。特許文献2には、ガススプリング又はロータリーダンパを使用して、給紙トレイを挿入した際の衝撃を緩和する構成が記載されている。また、特許文献3には、カセット本体と、装置本体に係合してカセットの引き出し量を規制するストッパとの間に弾性部材を配置し、ストッパが装置本体に係合する位置までカセットが引き出された際の衝撃を緩和する構成が記載されている。
特開2015−214424号公報 特開2001−151355号公報 特開2005−255280号公報
しかしながら、従来、シート収納部を装置本体に挿入した場合及びシート収納部を装置本体から引き出した場合のそれぞれにおいて、シート収納部への衝撃を緩和する対策は取られていなかった。
そこで、本発明は、シート収納部を装置本体に挿入した場合及びシート収納庫を装置本体から引き出した場合のそれぞれにおいて、シート収納部への衝撃を緩和可能なシート収納装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、装置本体と、前記装置本体に挿入された第1位置と、前記第1位置に比べて前記装置本体の外方に引き出された第2位置とに移動可能であり、シートを収納するシート収納部と、前記装置本体に設けられ、前記シート収納部が前記第2位置を超えて前記装置本体の外方に移動することを規制する規制手段と、前記シート収納部が前記装置本体に挿入される場合、前記シート収納部が前記第1位置に到達する前に前記シート収納部の挿入に抵抗する力を前記シート収納部に加え、前記シート収納部が前記装置本体から引き出される場合、前記シート収納部が前記第2位置に到達する前に前記シート収納部の引き出しに抵抗する力を前記シート収納部に加える緩衝機構と、を備える、ことを特徴とするシート収納装置である。
本発明によれば、シート収納部を装置本体に挿入した場合及びシート収納庫を装置本体から引き出した場合のそれぞれにおいて、シート収納部への衝撃を緩和することができる。
本開示に係る画像形成装置の概略図(a)、シート収納庫が引き出された画像形成装置の斜視図(b)、及び(b)の一部を拡大した拡大図(c)。 実施例1に係る緩衝機構について、シート収納庫の挿入時(a)及び引出時(b)の様子を示す概略図。 実施例2に係る緩衝機構について、シート収納庫の挿入時(a)及び引出時(b)の様子を示す概略図。 実施例3に係る緩衝機構について、シート収納庫の引出時における作動前の状態(a)及び作動後の状態(b)を示す概略図。 実施例4に係る緩衝機構について、シート収納庫の挿入時(a)及び引出時(b)の様子を示す概略図。 実施例5に係る緩衝機構について、シート収納庫の挿入時(a)及び引出時(b)の様子を示す概略図。
以下、本発明を実施するための好ましい形態及びその構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、シート収納庫30を複数備えた本実施形態の画像形成装置1の概略図である。図1(b)は、1つのシート収納庫30を画像形成装置1の装置本体100から引き出した状態を示す斜視図であり、図1(c)は図1(b)の円で囲った範囲の拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置1の装置本体100には、電子写真方式の画像形成部101が搭載されている。本実施形態の画像形成部101はタンデム型中間転写方式の構成であり、4つの画像形成ユニット110Y,110M,110C,110Kと、中間転写体としての中間転写ベルト123と、を備えている。また、装置本体100の上部には、原稿から画像情報を読み取る画像読取装置130が設置され、装置本体100の側部には、装置本体100から排出されるシートに綴じ処理等の処理を施すシート処理装置140が連結される。
画像形成ユニット110Yは、電子写真プロセスによってイエローのトナー像を形成する。即ち、感光体である感光ドラム111が回転し、帯電装置がドラム表面を一様に帯電させる。レーザスキャナ113は、画像読取装置130で読み取られた画像情報、又はネットワークを介して外部のコンピュータから伝送される画像情報に基づいて変調されたレーザ光を感光ドラム111に照射し、ドラム表面に静電潜像を書き込む。現像装置114は感光ドラム111に帯電したトナー粒子を供給し、ドラム表面の静電潜像をトナー像に現像する。このトナー像は、一次転写ローラ115によって中間転写ベルト123へと一次転写される。中間転写ベルト123へと転写されずに感光ドラム111に残留した転写残トナー等の付着物は、ドラムクリーナ116によって除去される。以上のプロセスは各画像形成ユニット110Y〜110Kにおいて並行して進められ、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの各色のトナー像が形成される。
中間転写ベルト123は、二次転写内ローラ118を含む複数のローラに巻回され、感光ドラム111の回転方向に沿った方向(図中時計回り方向)に回転駆動される。画像形成ユニット110Y〜110Kにおいて形成された各色のトナー像は、互いに重なり合うように一次転写され、中間転写ベルト123の上にフルカラーのトナー像が形成される。このトナー像は、中間転写ベルト123の回転により、二次転写内ローラ118とこれに対向する二次転写ローラ119との間に形成される二次転写部に搬送される。
画像形成装置1は複数のシート収納庫30を有し、上述のトナー像の形成動作に並行して、いずれかのシート収納庫30から画像形成部101へシートSを給送する給送動作が行われる。即ち、シート収納庫30に収納されたシートSは、給送ユニット15によって1枚ずつレジストレーションローラ117へ向けて搬送される。給送ユニット15は、シート収納庫30からシートSを繰り出す給送ローラ等の給送部材と、給送部材によって搬送されるシートに重なる他のシートに摩擦力を付与して重送を防ぐ分離ローラ又は分離パッド等の分離部材とを含む。また、装置本体100の側部に設けられた手差し給送部から、レジストレーションローラ117へ向けてシートSが給送される場合もある。記録材として用いられるシートSは、普通紙又は厚紙等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等の樹脂フィルム、コート紙又はエンボス紙等の表面処理が施されたシート材、封筒等の特殊な形状のシート材を含む。
レジストレーションローラ117は、画像形成部101によるトナー像の形成動作と同期を取って二次転写部にシートSを送り込む。二次転写部において中間転写ベルト123からトナー像を二次転写されたシートSは、定着装置121に搬送される。定着装置121は、シートSを挟持して搬送しながらシート上のトナー像に熱及び圧力を付与することで、トナー像をシートSに定着させる。両面印刷の場合、定着装置121を通過したシートSは反転パス126に案内され、スイッチバック搬送によって第1面と第2面とが反転した状態で再び画像形成部101に給送され、第2面に画像を形成される。片面印刷の場合、及び両面印刷における第2面の画像形成が終了した場合、定着装置121を通過したシートSは排出ローラ125によって装置本体100から排出される。
以上説明した画像形成部101はシートに画像を形成する画像形成手段の一例であり、直接転写方式の電子写真ユニットや、インクジェット方式又はオフセット印刷方式等の他の画像形成手段を用いてもよい。
[シート収納装置]
本実施形態に係るシート収納装置は、画像形成装置1の一部として組み付けられている。つまり、図1(b)に示すように、シート収納庫30はレール16を介して画像形成装置1の装置本体100に支持され、装置本体100から図1(a)における手前側に引き出し可能である。レール16にはストッパ16aが設けられており、図1(c)に示すようにシート収納庫30の規制面30aにストッパ16aが係合することによってシート収納庫30の引き出し量が制限され、シート収納庫30の脱落が防がれている。
以下、シートSを給送可能な状態となるように装置本体100に挿入された状態のシート収納庫30の位置を装着位置とする。また、シート収納庫30がストッパ16aに係合してそれ以上の引き出しを規制される位置(引き出し量が最大となる位置)を最大引出位置とする。ただし、シート収納庫30が最大引出位置にある状態で、シート収納庫30を上下に揺動する等の操作でストッパ16aから離脱させた場合には、シート収納庫30をさらに移動させて装置本体100から取り外すことが可能である。
シート収納庫30は、装置本体に挿入された第1位置(装着位置)と、第1位置に比べて装置本体の外方に引き出された第2位置(最大引出位置)とに移動可能に設けられた、本実施形態のシート収納部である。ストッパ16aは、シート収納庫30が第2位置を超えて装置本体の外方に移動することを規制する、本実施形態の規制手段である。
ところで、シート収納庫30が装置本体100に勢いよく挿入されると、シート収納庫30が装着位置に到達した際に装置本体100に衝突し、部材が破損したり、収納されたシートSの位置が乱れたり、大きな衝撃音が発生したりする可能性がある。このような不都合は、シート収納庫30の挿入時に限らずシート収納庫30を引き出す場合にも、シート収納庫30の規制面30aがストッパ16aに衝突することで発生する可能性がある。
そこで、以下で説明する各実施例では、シート収納庫30を装置本体100に挿入する場合及び装置本体100から引き出す場合のそれぞれにおいてシート収納庫30を制動し、シート収納庫30が停止する際の衝撃を緩和する緩衝機構を設けている。
以下の説明において、挿入方向B1とはシート収納庫30が装置本体100に挿入される際のシート収納庫30の移動方向を指す(図1(b)参照)。また、引出方向B2とはシート収納庫30が装置本体100から引き出される際のシート収納庫30の移動方向(挿入方向の反対方向)を指す。
まず、実施例1に係るシート収納庫30の緩衝機構について説明する。図2(a)、(b)は、シート収納庫30の左側の側面及び装置本体100の一部を示す概略図であり、(a)はシート収納庫30の挿入時の動作を説明するための図、(b)はシート収納庫30の引出時の動作を説明するための図である。
本実施例の緩衝機構40Aは、シート収納庫30に設けられたオイルダンパ41及びアーム部材51Aと、装置本体に設けられた後側板1a及びストッパ16aと、を含む。ただし、後側板1aとは、装置本体にシート収納庫30が収容される空間の奥側の壁面を構成する部材であり、装置本体に固定されている。本実施例の減衰部材であるオイルダンパ41は一定の方向に伸縮する直動式ダンパである。アーム部材51A、後側板1a及びストッパ16aは、シート収納庫30の挿入及び引出に連動してオイルダンパ41を作動させる連動機構を構成する。
オイルダンパ41は、粘性流体としてのオイルが封入されたシリンダ41aと、シリンダ41aに挿入されたピストン41bとを有し、ピストン41bの摺動に対してオイルの粘性抵抗が作用するものである。本実施例のオイルダンパ41は、挿入方向B1及び引出方向B2に伸縮可能な姿勢で配置される。即ち、本実施例のオイルダンパ41は、シート収納庫30の引出方向B2に沿った作動方向D1に押圧されることで作動する。
本実施例の移動部材であるアーム部材51Aは、シート収納庫30に支持され、揺動支点51aを中心にして揺動する。アーム部材51Aは、装置本体100の後側板1aに当接する第1当接部51bと、レール16のストッパ16aに当接する第2当接部51cと、オイルダンパ41を押圧可能なダンパ押圧部51dと、を有している。ダンパ押圧部51dとオイルダンパ41との間には、オイルダンパ41の作動方向D1に沿ってスライドするスライド部材54が設けられている。アーム部材51Aが所定方向C1(図中反時計回り方向)に揺動するとき、ダンパ押圧部51dはスライド部材54を介してオイルダンパ41を作動方向D1に押圧する。
スライド部材54は、揺動部材であるアーム部材51Aと直動式のオイルダンパ41との間に介在してアーム部材51Aからオイルダンパ41に効率的に力を伝達する作用を有する。ただし、スライド部材54を省略し、アーム部材51Aがオイルダンパ41を直接押圧するように構成してもよい。
シリンダ41aとピストン41bとの間には、オイルダンパ41を中立状態に復帰させるための復帰バネ52が縮設されている。また、シート収納庫30には、復帰バネ52の付勢力に抗してアーム部材51Aの図中時計回り方向の揺動を規制する揺動規制部53が設けられている。アーム部材51Aが後側板1a及びストッパ16aのいずれにも当接していないとき、アーム部材51Aは復帰バネ52の付勢力によって揺動規制部53に当接した状態で位置決めされる。なお、ここでは復帰バネ52がオイルダンパ41に装着される構成を例示しているが、オイルダンパ41を中立状態に復帰させる付勢手段がシリンダ41aに内蔵されている場合、復帰バネ52を省略可能である。
(挿入時の動作)
図2(a)に示すように、シート収納庫30が装置本体に挿入される場合、アーム部材51Aの第1当接部51bが装置本体の後側板1aに当接する。すると、アーム部材51Aは揺動規制部53から離脱して、揺動支点51aを中心にして所定方向C1に揺動する。さらにアーム部材51Aが揺動すると、ダンパ押圧部51dがスライド部材54を介してオイルダンパ41のピストン41bを作動方向D1に押圧し、オイルダンパ41を収縮させる。このとき、シリンダ41aに封入された流体の粘性抵抗により、ピストン41bからアーム部材51Aに対してアーム部材51Aを押し返す抵抗力が作用する。この抵抗力に抗してアーム部材51Aがピストン41bを押し込む仕事は、オイルダンパ41の内部において主に熱に変換されて消費される。結果として、シート収納庫30の挿入方向B1に向かう運動エネルギーの一部がオイルダンパ41によって消費され、シート収納庫30を装置本体へ挿入する際の衝撃が緩和される。
本実施例において、シート収納庫30の挿入時にオイルダンパ41が作動し始める作動開始点は、揺動規制部53に当接している状態のアーム部材51Aの第1当接部51bが後側板1aに当接した際のシート収納庫30の位置である。シート収納庫30が上記作動開始点から装着位置までの範囲(第1の区間)を通過する間、緩衝機構40Aはオイルダンパ41を用いてシート収納庫30の挿入に抵抗する方向の(つまり引出方向B2の)力をシート収納庫30に加える。なお、シート収納庫30が装着位置に到達した後は、緩衝機構40Aとは別の付勢部材を含む付勢機構により、復帰バネ52の付勢力に抗してシート収納庫30が装着位置に維持される。
(引出時の動作)
一方、図2(b)に示すように、シート収納庫30が装置本体から引出される場合、アーム部材51Aの第2当接部51cがレール16のストッパ16aに当接する。すると、アーム部材51Aは、揺動支点51aを中心にして所定方向C1に揺動する。このときのアーム部材51Aの揺動方向は、シート収納庫30の挿入時に第1当接部51bが後側板1aに当接した際の揺動方向(図2(a)参照)と同じである。さらにアーム部材51Aが揺動すると、ダンパ押圧部51dがスライド部材54を介してオイルダンパ41のピストン41bを作動方向D1に押圧し、オイルダンパ41を収縮させる。アーム部材51Aがピストン41bを押し込む仕事はオイルダンパ41の内部で主に熱に変換されて消費される。結果として、シート収納庫30の引出方向B2に向かう運動エネルギーの一部がオイルダンパ41によって消費され、シート収納庫30を装置本体から引き出す際の衝撃が緩和される。
本実施例において、シート収納庫30の引出時にオイルダンパ41が作動し始める作動開始点は、揺動規制部53に当接している状態のアーム部材51Aの第2当接部51cがストッパ16aに当接した際のシート収納庫30の位置である。シート収納庫30が作動開始点を通過して最大引出位置に到達した段階では、アーム部材51Aはそれ以上所定方向C1に回動できず、ピストン41bを作動方向D1に押し込めない状態となる。つまり、ピストン41bが限界(下死点)まで押し込まれた状態となるか、又はアーム部材51Aに当接して所定方向C1への回動を規制する規制部を予め設けておくことにより、アーム部材51Aの回動が規制される。アーム部材51Aの揺動が規制されることで揺動支点51aの位置が固定されるため、シート収納庫30の引出方向B2への移動が規制される。このように、シート収納庫30が上記作動開始点から最大引出位置までの範囲(第2の区間)を通過する間、緩衝機構40Aはオイルダンパ41を用いてシート収納庫30の引出に抵抗する方向の(つまり挿入方向B1の)力をシート収納庫30に加える。
シート収納庫30の引出時にオイルダンパ41が作動する第2の区間は、シート収納庫30の挿入時にオイルダンパ41が作動する上記第1の区間とは離間している。シート収納庫30が第1の区間と第2の区間との間の区間にあるときは、アーム部材51Aを所定方向C1に回動させようとする力は作用しない。従って、この区間ではオイルダンパ41は作動せず、緩衝機構40Aは第1の区間と第2の区間との間でシート収納庫30が挿入方向B1又は引出方向B2に移動することを妨げない。
以上説明した通り、本実施例では、単一の緩衝機構40Aが、シート収納庫30が装置本体に挿入される際の緩衝作用と、シート収納庫30が装置本体から引き出される際の緩衝作用とを発揮する。これにより、シート収納庫30の挿入時及び引出時のいずれにおいても、シート収納庫30が停止する際の衝撃を緩和し、部材の破損やシートの位置ずれ、衝突音の発生といった不都合を低減することができる。
(変形例)
本実施例では、アーム部材51Aが本実施例の規制手段であるストッパ16aに当接してオイルダンパ41を作動させるものとして説明した。言い換えると、本実施例のアーム部材51Aは、ストッパ16aに係合した際にシート収納庫30の引き出しを規制する規制面30a(図1参照)を構成する部材を兼ねている。しかしながら、アーム部材51Aとは別個にシート収納庫30の規制面30aを設け、ストッパ16aとは別個にアーム部材51Aに係合する係合部を装置本体に設けてもよい。この場合、規制面30aをシート収納庫30に固定された部材に設けると共に、シート収納庫30の引出時にストッパ16aが規制面30aに当接する前に、装置本体の係合部がアーム部材51Aに係合してオイルダンパ41が作動し始めるように構成する。
また、本実施例の緩衝機構40Aは、シート収納庫30のいずれかの側面に配置されていればよく、両側の側面に配置してもよい。このような緩衝機構40Aの配置は、オイルダンパ41の1個当たりの減衰性能やシート収納庫30Aの傾きに影響を与える要素等を総合的に考慮して選択される。緩衝機構40Aの配置がシート収納庫30の傾きに影響を与える場合としては、シート収納庫30の重量バランスの変化によりシート収納庫30が水平面に対して傾く場合が挙げられる。また、アーム部材51Aが後側板1aやストッパ16aに当接した際にシート収納庫30Aが受ける力によって、上方から見てシート収納庫30Aが傾く(歪む)場合が挙げられる。
本実施例で使用したオイルダンパ41は直動式の減衰部材の一例であり、コイルスプリングやガススプリング等、特定の方向に伸縮する他の減衰部材に置き換え可能である。なお、コイルスプリング等の弾性部材を用いる場合、シート収納庫30の運動エネルギーは弾性部材の変形に伴って弾性エネルギーに変換されることで減衰される。
また、オイルダンパ41の姿勢を、オイルダンパ41の伸縮方向がシート収納庫30の移動方向に交差するように(例えば、挿入方向B1及び引出方向B2に直交するシート収納庫30の左右方向に沿った姿勢に)、変更してもよい。この場合、オイルダンパ41の作動方向の変化に合わせて、アーム部材51Aがオイルダンパ41を押圧できるようにアーム部材51Aの配置及び形状を変更する。
また、アーム部材51Aは移動部材の一例であり、シート収納庫30の挿入時及び引出時のそれぞれにおいてオイルダンパ41に所定方向(伸縮方向)の力を加えるものであれば、揺動(回動)する部材に限らない。例えば、アーム部材51Aに代えて、オイルダンパ41の伸縮方向にスライド可能なスライド部材を設けると共に、シート収納庫30の挿入及び引出に伴って、装置本体に設けた斜面に当接してスライド部材がスライドするようにしてもよい。また、移動部材は単一の部材に限らず、シート収納庫30の挿入時にオイルダンパ41を押圧する移動部材とシート収納庫30の引出時にオイルダンパ41を押圧する移動部材とが別個に設けられていてもよい。
次に、実施例2に係る緩衝機構40Bについて説明する。図3(a)、(b)は、装置本体の左側のレール16及びシート収納庫30の左側の側面を示す概略図であり、(a)はシート収納庫30の挿入時の動作を説明するための図、(b)はシート収納庫30の引出時の動作を説明するための図である。
本実施例の緩衝機構40Bは、直動式の減衰部材であるオイルダンパ41を有している点で実施例1に類似し、オイルダンパ41が装置本体側に配置される点で実施例1と異なっている。以下、実施例1と構成及び作用が等しい要素については実施例1と共通の参照符号を付して説明を省略する。
緩衝機構40Bは、装置本体に設けられたオイルダンパ41及びアーム部材51Bと、シート収納庫30に設けられた第1係合部33及び第2係合部34と、を含む。本実施例の減衰部材であるオイルダンパ41は、シート収納庫30の挿入方向B1に沿った作動方向D2に押圧されることで作動する。アーム部材51B、第1係合部33及び第2係合部34は、シート収納庫30の挿入及び引出に連動してオイルダンパ41を作動させる連動機構を構成する。
本実施例の移動部材であるアーム部材51Bは、装置本体100に支持され、揺動支点51aを中心にして揺動する。アーム部材51Bは、第1係合部33と当接する第1当接部51bと、第2係合部34と当接する第2当接部51cと、オイルダンパ41を押圧可能なダンパ押圧部51dと、を有している。アーム部材51Bが所定方向C2(図中反時計回り方向)に揺動するとき、ダンパ押圧部51dはスライド部材54を介してオイルダンパ41を作動方向D2に押圧する。
図3(a)に示すように、シート収納庫30が装置本体に挿入される場合、シート収納庫30の第1係合部33がアーム部材51Bの第1当接部51bに当接する。すると、アーム部材51Bは揺動規制部53から離脱して、揺動支点51aを中心にして所定方向C2に揺動する。さらにアーム部材51Bが揺動すると、ダンパ押圧部51dがスライド部材54を介してオイルダンパ41を作動方向D2に押圧して収縮させる。これにより、シート収納庫30の挿入方向B1に向かう運動エネルギーの一部がオイルダンパ41によって消費され、シート収納庫30を装置本体へ挿入する際の衝撃が緩和される。
本実施例において、シート収納庫30の挿入時にオイルダンパ41が作動し始める作動開始点は、揺動規制部53に当接している状態のアーム部材51Bの第1当接部51bに第1係合部33が当接した際のシート収納庫30の位置である。シート収納庫30が上記作動開始点から装着位置までの範囲(第1の区間)を通過する間、緩衝機構40Bはオイルダンパ41を用いてシート収納庫30の挿入に抵抗する方向の(つまり引出方向B2の)力をシート収納庫30に加える。
一方、図3(b)に示すように、シート収納庫30が装置本体から引出される場合、シート収納庫30の第2係合部34がアーム部材51Bの第2当接部51cに当接する。すると、アーム部材51Bは、揺動支点51aを中心にして所定方向C2に揺動する。このときのアーム部材51Bの揺動方向は、シート収納庫30の挿入時に第1係合部33が第1当接部51bに当接した際の揺動方向と同じである。さらにアーム部材51Bが揺動すると、ダンパ押圧部51dがスライド部材54を介してオイルダンパ41を作動方向D2に押圧して収縮させる。これにより、シート収納庫30の引出方向B2に向かう運動エネルギーの一部がオイルダンパ41によって消費され、シート収納庫30を装置本体から引き出す際の衝撃が緩和される。
本実施例において、シート収納庫30の引出時にオイルダンパ41が作動し始める作動開始点は、第2係合部34が揺動規制部53に当接している状態のアーム部材51Bの第2当接部51cに当接した際のシート収納庫30の位置である。シート収納庫30が作動開始点を通過して最大引出位置に到達した段階では、アーム部材51Bはそれ以上ピストン41bを作動方向D2に押し込めない状態となり、シート収納庫30の引出方向B2への移動が規制される。つまり、シート収納庫30が上記作動開始点から最大引出位置までの範囲(第2の区間)を通過する間、緩衝機構40Bはオイルダンパ41を用いてシート収納庫30の引出に抵抗する方向の(つまり挿入方向B1の)力をシート収納庫30に加える。実施例1と同様に、シート収納庫30の引出時にオイルダンパ41が作動する第2の区間は、シート収納庫30の挿入時にオイルダンパ41が作動する上記第1の区間とは離間しており、第1の区間及び第2の区間の間ではオイルダンパ41が作動しない。
以上説明した通り、本実施例の構成でも、単一の緩衝機構40Bにより、シート収納庫30が装置本体に挿入される際の緩衝作用と、シート収納庫30が装置本体から引き出される際の緩衝作用とを発揮させることができる。
(変形例)
本実施例の緩衝機構40Bは、シート収納庫30に対して左右方向の少なくとも一方側に配置されていればよく、両側に配置してもよい。また、実施例1の変形例で説明したようにオイルダンパ41の姿勢を変更したり、アーム部材51Bを代替する移動部材を配置したりしてもよい。
次に、実施例3に係るシート収納庫30の緩衝機構について説明する。図4(a)、(b)は、シート収納庫30の左側の側面及び装置本体100の一部を示す概略図であり、(a)はシート収納庫30の挿入時の動作を説明するための図、(b)はシート収納庫30の引出時の動作を説明するための図である。
本実施例の緩衝機構40Cは、直動式の減衰部材であるオイルダンパ41がシート収納庫30に設けられている点で実施例1に類似するが、シート収納庫30を引き出す際の動作が実施例1と異なっている。以下、実施例1と構成及び作用が等しい要素については実施例1と共通の参照符号を付して説明を省略する。
緩衝機構40Cは、シート収納庫30に設けられたオイルダンパ41及びアーム部材51Cと、装置本体に設けられた後側板1a及びストッパ16aと、を含む。本実施例の減衰部材であるオイルダンパ41は、シート収納庫30の引出方向B2に沿った作動方向D3に押圧されることで作動する。アーム部材51C、後側板1a及び後述の緩衝凸部16bは、シート収納庫30の挿入及び引出に連動してオイルダンパ41を作動させる連動機構を構成する。
本実施例において、シート収納庫30を装置本体に挿入する際の緩衝機構40Cの動作は実施例1と同様である。即ち、アーム部材51Cの第1当接部51bが装置本体の後側板1aに当接することで所定方向C3に回動し、オイルダンパ41を作動方向D3に押圧して収縮させる。これにより、シート収納庫30の挿入時の衝撃が緩和される。
一方、シート収納庫30を装置本体から引き出す場合には、シート収納庫30がストッパ16aに係合する前に緩衝機構40Cがシート収納庫30を制動し、その後にシート収納庫30を最大引出位置まで引き出す際は制動力が作用しないように構成される。具体的には、緩衝機構40Cは、ストッパ16aから引出方向B2の上流側に離間した位置に、シート収納庫30の引出時にオイルダンパ41を作動させるための緩衝凸部16bを有している。
緩衝凸部16bは、引出方向B2の下流へ向かうほどアーム部材51Cの揺動支点51aの軌跡に近付くように傾斜した第1傾斜面b1と、引出方向B2の下流へ向かうほど上記軌跡から遠ざかるように傾斜した第2傾斜面b2とを有する凸形状である。また、アーム部材51Cは、緩衝凸部16bに当接する第2当接部51eを有している。本実施例の第2当接部51eは、第1傾斜面b1及び第2傾斜面b2に対する摺動抵抗を低減可能な回転部材を採用している。
図4(a)に示すように、シート収納庫30が装置本体から引き出される場合、ストッパ16aがシート収納庫30に設けられた規制面30aに接触する前に、アーム部材51Cが第2当接部51eを緩衝凸部16bの第1傾斜面b1に押圧される。すると、アーム部材51Cが所定方向C3に揺動し、ダンパ押圧部51dがスライド部材54を介してオイルダンパ41を作動方向D3に押圧して収縮させる。これにより、シート収納庫30の引出方向B2に向かう運動エネルギーの一部がオイルダンパ41によって消費され、シート収納庫30を装置本体から引き出す際の衝撃が緩和される。
図4(b)に示すように、シート収納庫30がさらに引き出されると、第2当接部51eが第1傾斜面b1及び第2傾斜面b2の頂点を乗り越える。その後、ストッパ16aがシート収納庫30の規制面30aに当接することにより、シート収納庫30の引出方向B2への移動が規制される。
以上説明した通り、本実施例の構成でも、単一の緩衝機構40Cにより、シート収納庫30が装置本体に挿入される際の緩衝作用と、シート収納庫30が装置本体から引き出される際の緩衝作用とを発揮させることができる。
ここで、本実施例におけるシート収納庫30の最大引出位置は、第1傾斜面b1によってオイルダンパ41が作動する範囲(第2の区間)より引出方向B2の下流に位置している。そして、シート収納庫30を装置本体から引き出す場合、第2の区間を超えてシート収納庫30が最大引出位置へ向かうとき、緩衝機構40Cはシート収納庫30の移動を妨げない。このため、シート収納庫30を引き出す操作を行うユーザーに対し、シート収納庫30が最大引出位置に到達する前に一時的な負荷の増大(クリック感)を与えることで、ユーザーに最大引出位置が近いことを知らせることができる。
また、シート収納庫30が最大引出位置まで引き出された状態では、第2傾斜面b2はシート収納庫30が挿入方向B1に移動することを弱く規制する作用を有する。これにより、シート収納庫30が不用意に挿入方向B1に移動することを防いで、シート収納庫30に対するシートのセット作業がし易い状態を実現することができる。
(変形例)
本実施例では、レール16の上部に緩衝凸部16b及びストッパ16aを設けているが、緩衝凸部16b及びストッパ16aの配置は変更可能である。例えば緩衝凸部16b及びストッパ16aの一方又は両方を、左右方向から見て(つまり図4(a)、(b)の視点で)シート収納庫30と重なるようにシート収納庫30の側方に配置してもよい。
また、実施例2のように、オイルダンパ41及びアーム部材51Cを装置本体に配置してもよい。その場合、緩衝凸部16bに相当する形状をシート収納庫に設け、シート収納庫30が最大引出位置に到達する前に緩衝凸部16bがアーム部材51Cに当接してオイルダンパ41を作動させるように構成すればよい。
また、本実施例では、ストッパ16aが当接する規制面30aが、アーム部材51Cとは別個に設けられているが、実施例1のように第2当接部51eが規制面30aを兼ねる構成としてもよい。この場合、シート収納庫30を引き出す際には、緩衝凸部16bによってオイルダンパ41が比較的弱く作動した後、ストッパ16aによってオイルダンパ41が比較的強く作動するような2段階の動作が行われる。
次に、実施例4に係る緩衝機構40Dについて説明する。図5(a)、(b)は、シート収納庫30の上視図であり、(a)はシート収納庫30が装置本体100に挿入される場合、(b)はシート収納庫30が装置本体100から引き出される場合に対応する。
本実施例の緩衝機構40Dは、直動式の減衰部材を用いる実施例1〜3とは異なり、回転式の減衰部材であるロータリーダンパ42を使用する。緩衝機構40Dは、シート収納庫30に設けられたロータリーダンパ42及びピニオンギヤ55と、装置本体100に設けられたラックギヤ56と、を含む。ロータリーダンパ42は、ピニオンギヤ55と一体に回転するアウターと、シート収納庫30に固定されたインナーとの間にオイル等の流体が封入されて構成され、流体の粘性抵抗によりアウターの回転に抵抗する力を発生する。
ピニオンギヤ55及びラックギヤ56は、シート収納庫30の挿入及び引出に連動してロータリーダンパ42を作動させる連動機構を構成する。ラックギヤ56は、奥側ラックギヤ56aと、奥側ラックギヤ56aから引出方向B2に離間した手前側ラックギヤ56bとを含む。奥側ラックギヤ56a及び手前側ラックギヤ56bは、それぞれ第1のピニオンギヤとしてのピニオンギヤ55に噛み合う第1のラックギヤ及び第2のラックギヤに相当する。
図5(a)に示すように、シート収納庫30が装置本体100に挿入される場合、シート収納庫30が装着位置に到達する前にピニオンギヤ55が奥側ラックギヤ56aと噛み合って図中時計回り方向に回転を開始する。すると、ロータリーダンパ42に封入された流体の粘性抵抗により、ピニオンギヤ55の回転に抵抗する抵抗力が発生する。この抵抗力に抗してピニオンギヤ55を回転させる仕事は、ロータリーダンパ42の内部において主に熱に変換されて消費される。結果として、シート収納庫30の挿入方向B1に向かう運動エネルギーの一部がロータリーダンパ42によって消費され、シート収納庫30を装置本体へ挿入する際の衝撃が緩和される。
本実施例における第1の区間は、ピニオンギヤ55と奥側ラックギヤ56aとが噛み合うシート収納庫30の位置に相当する。シート収納庫30が装置本体100に挿入される場合、シート収納庫30が第1の区間を通過する際に、緩衝機構40Dはシート収納庫30に引出方向B2の制動力を加える。
一方、図5(b)に示すように、シート収納庫30が装置本体から引き出される場合、シート収納庫30が最大引出位置に到達する前にピニオンギヤ55が手前側ラックギヤ56bと噛み合って回転を開始する。このとき、ピニオンギヤ55の回転方向は図5(a)とは異なる図中反時計回り方向であるが、ロータリーダンパ42は回転方向に関わらずピニオンギヤ55の回転に抵抗力を発生させる。結果として、シート収納庫30の引出方向B2に向かう運動エネルギーの一部がロータリーダンパ42によって消費され、シート収納庫30を装置本体100から引き出す際の衝撃が緩和される。
本実施例における第2の区間は、ピニオンギヤ55と手前側ラックギヤ56bとが噛み合った状態となるシート収納庫30の位置に相当する。シート収納庫30が装置本体100から引き出される場合、シート収納庫30が第2の区間を通過する際に、緩衝機構40Dはシート収納庫30に挿入方向B1の制動力を加える。
本実施例において、最大引出位置から装着位置までシート収納庫30を挿入する場合、第2の区間を通過する際にもロータリーダンパ42が作動する。同様に、装着位置から最大引出位置までシート収納庫30を引き出す場合、第1の区間を通過する際にもロータリーダンパ42が作動する。しかしながら、シート収納庫30の挿入時に少なくとも第1の区間でロータリーダンパ42が作動し、シート収納庫30の引出時に少なくとも第2の区間でロータリーダンパ42が作動しているため、緩衝機構40Dは所望の緩衝作用を発揮する。なお、図示した構成の場合、装着位置は第1の区間の一端であり、最大引出位置は第2の区間の一端である。
以上説明した通り、本実施例の構成でも、単一の緩衝機構40Dにより、シート収納庫30が装置本体に挿入される際の緩衝作用と、シート収納庫30が装置本体から引き出される際の緩衝作用とを発揮させることができる。
また、奥側ラックギヤ56a及び手前側ラックギヤ56bを離間して配置することで、第1の区間及び第2の区間の間にロータリーダンパ42が作動しない区間が確保される。これにより、シート収納庫30の可動範囲の全長に亘るラックギヤを設けた場合に比べてシート収納庫30の挿入及び引き出しを行う際の操作負担を低減することができる。
(変形例)
本実施例では、シート収納庫30に対して左右方向の一方側(図中右側)に緩衝機構40Dを配置しているが、左右方向の他方側又は両側に上述したものと同様の緩衝機構を配置してもよい。また、ロータリーダンパ42の配置は変更可能であり、例えばシート収納庫30の上部又は下部に配置し、上方から見てシートが収容される空間と部分的に重なる位置にロータリーダンパ42を配置してもよい。また、ラックギヤ56に噛み合うギヤをロータリーダンパ42と同軸のピニオンギヤ55とは別に配置し、ギヤ間の噛み合いを介してロータリーダンパ42を回転させるようにしてもよい。このような配置は、レール16の形状やシート収納庫30の構造に応じて選択すればよい。
また、本実施例では回転式の減衰部材(ロータリーダンパ)として回転式のオイルダンパを使用したが、回転部材とこれに対向する摺動面との摩擦により運動エネルギーを減衰させるものやトーションバネ等、他の減衰部材に置き換え可能である。また、シート収納庫30の挿入又は引き出しに連動してロータリーダンパを回転させる機構は、ギヤ間の噛み合いに限らない。例えば、ロータリーダンパに連結されたレバーに装置本体の一部が当接してレバーと共にロータリーダンパを回転させる方式が挙げられる。
また、上述の実施例3のようにシート収納庫30を引き出す際のクリック感を生じさせるため、シート収納庫30が最大引出位置に到達する前に一時的にロータリーダンパ42を作動させるようにしてもよい。この場合、例えば手前側ラックギヤ56bに代えて、又は手前側ラックギヤ56bとは別に、本実施例の手前側ラックギヤ56bより引出方向B2の上流にラックギヤを配置することが考えられる。
次に実施例5の緩衝機構について説明する。図6(a)、(b)は、シート収納庫30の上視図であり、(a)はシート収納庫30が装置本体100に挿入される場合、(b)はシート収納庫30が装置本体100から引き出される場合に対応する。
本実施例の緩衝機構40Eは、回転式の減衰部材であるロータリーダンパ42を有している点で実施例4に類似し、ロータリーダンパ42が装置本体側に配置される点で実施例4と異なっている。以下、実施例4と構成及び作用が等しい要素については実施例4と共通の参照符号を付して説明を省略する。
緩衝機構40Eは、装置本体100に設けられたロータリーダンパ42及びピニオンギヤ57と、シート収納庫30に設けられたラックギヤ58と、を含む。ピニオンギヤ57及びラックギヤ58は、シート収納庫30の挿入及び引出に連動してロータリーダンパ42を作動させる連動機構を構成する。ラックギヤ58は、奥側ラックギヤ58aと、奥側ラックギヤ58aから引出方向B2に離間した手前側ラックギヤ58bとを含む。手前側ラックギヤ58bは、第2のピニオンギヤとしてのピニオンギヤ57に噛み合う第3のラックギヤに相当し、奥側ラックギヤ58aは第4のラックギヤに相当する。
図6(a)に示すように、シート収納庫30が装置本体100に挿入される場合、シート収納庫30が装着位置に到達する前にピニオンギヤ57が手前側ラックギヤ58bと噛み合って図中時計回り方向に回転を開始する。これにより、シート収納庫30の挿入方向B1に向かう運動エネルギーの一部がロータリーダンパ42によって消費され、シート収納庫30を装置本体へ挿入する際の衝撃が緩和される。
本実施例における第1の区間は、ピニオンギヤ57と手前側ラックギヤ58bとが噛み合った状態となるシート収納庫30の位置に相当する。シート収納庫30が装置本体100に挿入される場合、シート収納庫30が第1の区間を通過する際に、緩衝機構40Eはシート収納庫30に引出方向B2の制動力を加える。
一方、図6(b)に示すように、シート収納庫30が装置本体から引き出される場合、シート収納庫30が最大引出位置に到達する前にピニオンギヤ57が奥側ラックギヤ58aと噛み合って回転を開始する。これにより、シート収納庫30の引出方向B2に向かう運動エネルギーの一部がロータリーダンパ42によって消費され、シート収納庫30を装置本体100から引き出す際の衝撃が緩和される。
本実施例における第2の区間は、ピニオンギヤ57と奥側ラックギヤ58aとが噛み合った状態となるシート収納庫30の位置に相当する。シート収納庫30が装置本体100から引き出される場合、シート収納庫30が第2の区間を通過する際に、緩衝機構40Eはシート収納庫30に挿入方向B1の制動力を加える。なお、図示した構成の場合、装着位置は第1の区間の一端であり、最大引出位置は第2の区間の一端である。
以上説明した通り、本実施例の構成でも、単一の緩衝機構40Eにより、シート収納庫30が装置本体に挿入される際の緩衝作用と、シート収納庫30が装置本体から引き出される際の緩衝作用とを発揮させることができる。
また、実施例4と同様に、奥側ラックギヤ58a及び手前側ラックギヤ58bを離間して配置することで、第1の区間及び第2の区間の間にロータリーダンパ42が作動しない区間が確保される。これにより、シート収納庫30の可動範囲の全長に亘るラックギヤを設けた場合に比べてシート収納庫30の挿入及び引き出しに必要な操作力を低減することができる。
(変形例)
本実施例では、シート収納庫30に対して左右方向の一方側(図中右側)に緩衝機構40Eを配置しているが、左右方向の他方側又は両側に上述したものと同様の緩衝機構を配置してもよい。また、実施例4で説明したように、ロータリーダンパ42の配置の変更、及びラックギヤ58に噛み合うピニオンギヤをロータリーダンパ42と同軸のギヤとは別に設けることが可能である。
(その他の実施形態)
以上の実施例1〜5において、シート収納装置が画像形成装置1の一部として設けられている形態を説明した。しかしながら、シート収納装置は、シートに対する画像形成機能を備えた画像形成装置の本体とは別個に設けられていてもよい。この場合、シート収納装置の装置本体とは、シート収納部を収容する筐体を指す。
1…画像形成装置/16a…規制手段(ストッパ)/30…シート収納部(シート収納庫)/40A,40B,40C,40D,40E…緩衝機構/41…減衰部材、直動式ダンパ(オイルダンパ)/42…減衰部材(ロータリーダンパ)/51A,51B,51C…連動機構、移動部材/55,56a,56b…連動機構、第1のピニオンギヤ、第1のラックギヤ、第2のラックギヤ/57,58a,58b…連動機構、第2のピニオンギヤ、第3のラックギヤ、第4のラックギヤ/100…装置本体/101…画像形成手段

Claims (13)

  1. 装置本体と、
    前記装置本体に挿入された第1位置と、前記第1位置に比べて前記装置本体の外方に引き出された第2位置とに移動可能であり、シートを収納するシート収納部と、
    前記装置本体に設けられ、前記シート収納部が前記第2位置を超えて前記装置本体の外方に移動することを規制する規制手段と、
    前記シート収納部が前記装置本体に挿入される場合、前記シート収納部が前記第1位置に到達する前に前記シート収納部の挿入に抵抗する力を前記シート収納部に加え、前記シート収納部が前記装置本体から引き出される場合、前記シート収納部が前記第2位置に到達する前に前記シート収納部の引き出しに抵抗する力を前記シート収納部に加える緩衝機構と、を備える、
    ことを特徴とするシート収納装置。
  2. 前記緩衝機構は、前記装置本体及び前記シート収納部のいずれか一方に配置されて前記シート収納部の運動エネルギーを減衰させる減衰部材と、前記シート収納部の挿入及び引き出しに連動して前記減衰部材を作動させる連動機構と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート収納装置。
  3. 前記連動機構は、前記シート収納部が前記装置本体に挿入される場合、前記シート収納部が第1の区間を通過する際に前記減衰部材を作動させ、前記シート収納部が前記装置本体から引き出される場合、前記シート収納部の引出方向において前記第1の区間より下流の第2の区間を前記シート収納部が通過する際に前記減衰部材を作動させるように構成され、前記第1の区間と前記第2の区間との間に前記減衰部材が作動しない区間が設けられている、
    ことを特徴とする請求項2に記載のシート収納装置。
  4. 前記第1位置が前記第1の区間の一端であり、
    前記第2位置が前記第2の区間の一端である、
    ことを特徴とする請求項3に記載のシート収納装置。
  5. 前記シート収納部の引出方向において前記第2位置が前記第2の区間より下流にあり、
    前記連動機構は、前記シート収納部が前記第2の区間を超えた後に前記第2位置へ向かって移動する場合は前記減衰部材を作動させない、
    ことを特徴とする請求項3に記載のシート収納装置。
  6. 前記減衰部材は、所定方向に伸縮する直動式ダンパであり、
    前記連動機構は、前記装置本体及び前記シート収納部の前記一方に移動可能に支持された移動部材であって、前記シート収納部が前記装置本体に挿入される場合及び前記シート収納部が前記装置本体から引き出される場合のそれぞれにおいて、前記直動式ダンパに前記所定方向の力を加える移動部材を含む、
    ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載のシート収納装置。
  7. 前記移動部材は、前記シート収納部が前記装置本体に挿入される場合に前記装置本体及び前記シート収納部の他方に当接する第1当接部と、前記シート収納部が前記装置本体から引き出される場合に前記装置本体及び前記シート収納部の前記他方に当接する第2当接部とを有し、前記第1当接部が押圧された場合及び前記第2当接部が押圧された場合のそれぞれにおいて、前記直動式ダンパを前記所定方向に押圧するように揺動する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のシート収納装置。
  8. 前記直動式ダンパ及び前記移動部材は、前記シート収納部に配置され、
    前記シート収納部が前記装置本体から引き出される場合、前記移動部材が前記規制手段に当接して前記直動式ダンパを作動させる、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載のシート収納装置。
  9. 前記直動式ダンパ及び前記移動部材は、前記装置本体に配置され、
    前記連動機構は、前記シート収納部に設けられて、前記シート収納部が前記装置本体から引き出される場合に前記移動部材を押圧して前記直動式ダンパを作動させる押圧部を有する、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載のシート収納装置。
  10. 前記減衰部材は、回転することで作動するロータリーダンパであり、
    前記連動機構は、前記シート収納部が前記装置本体に挿入される場合及び前記シート収納部が前記装置本体から引き出される場合のそれぞれにおいて、前記ロータリーダンパを回転させる、
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のシート収納装置。
  11. 前記ロータリーダンパは、前記シート収納部に配置され、
    前記連動機構は、前記シート収納部に支持され、前記ロータリーダンパと共に回転する第1のピニオンギヤと、前記装置本体に設けられ、前記第1のピニオンギヤに噛み合う第1のラックギヤと、前記装置本体に設けられ、前記シート収納部が前記第1のピニオンギヤと前記第1のラックギヤとが噛み合う位置より前記第2位置に近い位置にある状態で前記第1のピニオンギヤに噛み合う第2のラックギヤと、を含む、
    ことを特徴とする請求項10に記載のシート収納装置。
  12. 前記ロータリーダンパは、前記装置本体に配置され、
    前記連動機構は、前記装置本体に支持され、前記ロータリーダンパと共に回転する第2のピニオンギヤと、前記シート収納部に設けられ、前記第2のピニオンギヤに噛み合う第3のラックギヤと、前記シート収納部に設けられ、前記シート収納部が前記第2のピニオンギヤと前記第3のラックギヤとが噛み合う位置より前記第2位置に近い位置にある状態で前記第2のピニオンギヤに噛み合う第4のラックギヤと、を含む、
    ことを特徴とする請求項10に記載のシート収納装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載のシート収納装置と、
    前記シート収納装置から給送されるシートに画像を形成する画像形成手段と、を備える、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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