JP2020028827A - 飲用水の製造装置及びこれを用いた飲用水の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶存酸素量が高い飲用水を簡便に製造できる飲用水の製造装置を提供すること。【解決手段】飲用水を製造する製造装置A1であって、水を貯水する水槽1と、水の温度を制御する温度制御部4と、水にオゾンを付与するオゾン付与部2と、水に、ブラックシリカ、ブラックシリカと粘土の焼結物、及び焼結セラミックスからなる群より選択されるいずれか一つを、接触させる水質改質部3と、水を、少なくとも水槽1と温度制御部4とオゾン付与部2と水質改質部3とに循環させる循環パイプ7と、を含む、飲用水の製造装置A1の提供。【選択図】図1
Description
本発明は、飲用水の製造装置及びこれを用いた飲用水の製造方法に関する。
近年の健康ブームの中、日常的に摂取する飲用水について人々の関心が集まっている。このような飲用水として、例えば、各種ミネラルを豊富に含有せしめんとするミネラルウォーターや、その他種々の健康飲用水が開発されている。
例えば、特許文献1には、バナジウム含有水には高血糖や成人病抑制など甚だ魅力的な機能が期待されている一方で、遊離状態のバナジウムという遷移金属が体内の過酸化水素を分解して最強の悪玉活性酸素であるヒドロキシルラジカルを生成し、これが細胞やDNAを損傷しかねない懸念があることに着目したものとして、バナジウムないしその化合物を含有する天然水(鉱泉水)に、マイナス電荷の水素イオンを溶存させる処置を施した高機能バナジウム水が開示されている。
また、特許文献2には、純正で健康に良い微量元素を含む飲用水を製造する技術として、水を加熱して水蒸気を発生させ、水蒸気をパイプで導出するステップと、水蒸気を鉱物粒が保存される鉱物粒保存場に導入し、鉱物粒が含む鉱物元素を水蒸気に溶解させ、微量元素を含む水蒸気を発生させるステップと、微量元素を含む水蒸気を冷却器に導入し、冷却して微量元素を含む水滴に凝結させるステップと、微量元素を含む水滴を貯水槽に収集するステップと、を含む製造方法が開示されている。
このように飲用水に関する技術は多々存在するところであるが、その中でも、溶存酸素量が高い飲用水は、健康によい上質な飲用水として需要がある。本発明はこのような需要に鑑みてなされたものであり、溶存酸素量が高い飲用水を簡便に製造できる飲用水の製造装置、及びかかる飲用水の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
飲用水を製造する製造装置であって、
水を貯水する水槽と、
水の温度を制御する温度制御部と、
水にオゾンを付与するオゾン付与部と、
水に、ブラックシリカ、ブラックシリカと粘土の焼結物、及び焼結セラミックスからなる群より選択されるいずれか一つを、接触させる水質改質部と、
水を、少なくとも水槽と温度制御部と水質改質部とに循環させる循環パイプと、
を含む、飲用水の製造装置。
〔2〕
循環パイプにおいて、水槽に水を送液するパイプが、バブリングノズルを有する、〔1〕に記載の製造装置。
〔3〕
温度制御部は、水の温度を4℃以上に制御する、〔1〕又は〔2〕に記載の製造装置。
〔4〕
ミネラル成分、ビタミン成分及び水素からなる群より選ばれるいずれか一種の添加成分を水に注入する、添加成分注入部を更に有する、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造装置。
〔5〕
焼結花崗岩を水に接触させる焼結花崗岩槽を更に有する、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造装置。
〔6〕
水のpHを制御するpH制御部を更に有する、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の製造装置。
〔7〕
水温計測部を更に有し、水温計測部で得られた情報に基づき温度制御部を制御する、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造装置。
〔8〕
循環パイプにおいて、上流から下流に向けて、水槽、オゾン付与部、水質改質部の順に配置された、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の製造装置。
〔9〕
循環パイプの流路長が、1〜8mである、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の製造装置。
〔10〕
〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の製造装置を用いた、飲用水の製造方法。
飲用水を製造する製造装置であって、
水を貯水する水槽と、
水の温度を制御する温度制御部と、
水にオゾンを付与するオゾン付与部と、
水に、ブラックシリカ、ブラックシリカと粘土の焼結物、及び焼結セラミックスからなる群より選択されるいずれか一つを、接触させる水質改質部と、
水を、少なくとも水槽と温度制御部と水質改質部とに循環させる循環パイプと、
を含む、飲用水の製造装置。
〔2〕
循環パイプにおいて、水槽に水を送液するパイプが、バブリングノズルを有する、〔1〕に記載の製造装置。
〔3〕
温度制御部は、水の温度を4℃以上に制御する、〔1〕又は〔2〕に記載の製造装置。
〔4〕
ミネラル成分、ビタミン成分及び水素からなる群より選ばれるいずれか一種の添加成分を水に注入する、添加成分注入部を更に有する、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造装置。
〔5〕
焼結花崗岩を水に接触させる焼結花崗岩槽を更に有する、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造装置。
〔6〕
水のpHを制御するpH制御部を更に有する、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の製造装置。
〔7〕
水温計測部を更に有し、水温計測部で得られた情報に基づき温度制御部を制御する、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造装置。
〔8〕
循環パイプにおいて、上流から下流に向けて、水槽、オゾン付与部、水質改質部の順に配置された、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の製造装置。
〔9〕
循環パイプの流路長が、1〜8mである、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の製造装置。
〔10〕
〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の製造装置を用いた、飲用水の製造方法。
本発明によれば、溶存酸素量が高い飲用水を簡便に製造できる飲用水の製造装置、及びかかる飲用水の製造方法を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。そして、本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
さらに、本明細書において、「略」を付した用語は、当業者の技術常識の範囲内でその「略」を除いた用語の意味を示すものであり、「略」を除いた意味自体をも含むものとする。
本実施形態に係る飲用水の製造装置は、水を貯水する水槽と、水の温度を制御する温度制御部と、水にオゾンを付与するオゾン付与部と、水に、ブラックシリカ、ブラックシリカと粘土の焼結物、及び焼結セラミックスからなる群より選択されるいずれか一つを、接触させる水質改質部と、水を、少なくとも水槽と温度制御部と水質改質部とに循環させる循環パイプと、を含む。
本実施形態に係る製造装置によれば、溶存酸素量が高い飲用水を簡便に製造できる。さらには、その高い溶存酸素量を長期間維持することも可能である。ここでいう飲用水とは、人が摂取することに適する水をいい、例えば、ミネラルウォーター、ドリンクウォーター等と呼称される各種飲料水はもちろんのこと、各種ジュース類に用いられる水、各種調理に用いられる調理用水等もこれに含まれる。以下、本実施形態に係る製造装置の例示として、図面を参照しつつ、いくつかの態様を詳述する。
図1は、本実施形態に係る飲用水の製造装置の第一の態様の全体構成図である。
製造装置A1は、水槽1、オゾン付与部2、水質改質部3、温度制御部4、給水部5、添加成分注入部6を有しており、これらは循環パイプ7によって接続されており、ポンプPによって水は循環されている構成である。以下、各部位について説明する。
水槽1は、吸水口9と吐出ノズル8を有しており、これらは循環パイプ7によって連結されている。水槽1には、処理される水(原料水)が吸水部から供給されるとともに、循環パイプ7により処理された水(処理水)が吐出ノズル8から送液される。原料水は、特に限定されないが、例えば、水道水等を用いることができる。水槽1は、水温管理の観点から断熱保温構造であることが好ましい。
運転開始直後は、水槽1内は原料水で満たされている。しかし、運転時間が経過するにつれて、原料水が吸水口9から循環パイプ7へと排出され、処理水が循環パイプ7を介して吐出ノズル8から送液されるため、処理水の存在比率が徐々に高くなる。そして、運転開始から一定時間経過後は、水槽1内は溶存酸素量が高い水で充填されることとなり、取水口12から飲用水として必要な量だけ取り出すことができる。
本実施形態では、必要に応じて、原料水を水槽1に供給する給水部5を更に設けてもよい。給水部5は、例えば、水道水やその他飲用水等を供給するものであり、フロートバルブ10(フロート弁)を設けることで、水位を制御してもよい。給水部5を設けることによって、水槽1内の水量が減少した際に原料水を補充することができる。
オゾン付与部2は、水にオゾンを付与する。付与されたオゾンは、水中で酸素に分解される。これによって、水中の溶存酸素量を増加させることができる。加えて、水を殺菌滅菌することもできる。
例えば、水道水を原料水として用いる場合を例に説明すると、オゾンは酸素原子の複数体であり、水中では安定な酸素分子(O2)と不安定な酸素ラジカルや酸素イオンに分離する。分離したO2は、安定酸素として水中に溶存する。その一方で、不安定な酸素ラジカルや酸素イオンは、水中の残留塩素等と結合し、一酸化塩素(ClO)等となり、ガス化や空気中に蒸散するため、残留塩素を除去することも期待できる(但し、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。
このオゾン付与部2の構成としては、オゾンを発生でき、それを循環する水に付与できるものであればよい。例えば、空気や酸素を原料とし、放電管によりオゾンを発生させるオゾン発生装置等を使用できる。そして、オゾン付与部は、図示はしないが、循環パイプと脱着可能としてもよい。脱着可能とすることによって、メンテナンスが一層簡便となる。
水質改質部3は、水に、ブラックシリカ、ブラックシリカと粘土の焼結物、及び焼結セラミックスからなる群より選択されるいずれか一つを、接触させる。このような水質改質材を水に接触させることによって、処理水の溶存酸素量を一層高くすることができる。その作用は、定かではないが、オゾン付与に加えて、このような水質改質剤が遠赤外線等の電磁波を発し、これを水に付与することで、水分子のクラスター状態が酸素分子を抱え込みやすい状態に形成し、これを長時間にわたって、維持できるものと考えられる(但し、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。
水質改質部3における水との接触時間は、特に限定されないが、その上限は、好ましくは180分であり、より好ましくは120分である。接触時間は、更に好ましくは、90分〜180分である。
ブラックシリカは、黒鉛珪石等とも呼ばれる天然の鉱石である。ブラックシリカは、非焼結であってもよいし、焼結されたものでもよいが、非焼結であることが好ましい。また、ブラックシリカの形状は特に限定されず、細かく破砕されたものであってもよい。
ブラックシリカと粘土の焼結物は、例えば、ブラックシリカ60〜90質量%と、粘土40〜10質量%とを含むものが好適に使用される。焼結物におけるブラックシリカの含有量の上限は、好ましくは90質量%であり、より好ましくは85%である。この含有量の下限は、好ましくは60質量%であり、より好ましくは70質量%である。また、焼結物は、必要に応じて、その他の調整成分を含有してもよい。このような調整成分としては、例えば、酸化アルミニウム、焼成花崗岩(蛭石)等が挙げられる。
焼結セラミックスは、不活性な焼結セラミックスを用いることができ、水の改質効果の観点から、球状であることが好ましい。焼結セラミックスは、例えば、各種精製用担体、触媒用担体として使用されているセラミックスボールを用いることもできる。セラミックスの種類の好適例としては、MgO・Al2O3・SiO2系セラミックスや、アルミナ等の酸化物系セラミックス等が挙げられる。
焼結物の形状は、特に限定されないが、水の改質効果の観点から、球状であることが好ましい。球状の場合、その直径は、5〜20mmであることが好ましい。直径の上限は、好ましくは20mmであり、より好ましくは15mmである。直径の下限は、好ましくは5mmであり、より好ましくは7mmである。
水質改質材として、ブラックシリカ、ブラックシリカと粘土の焼結体、焼結セラミックスのいずれを選択するのかは、溶存酸素量の増大効果だけでなく、これらの水質改質材のメンテナンスの必要性等も考慮して、決定することができる。例えば、メンテナンスフリーであることを重視する場合は、ブラックシリカを用いることが好ましい。一方で、溶存酸素量の増大効果を重視する場合は、ブラックシリカと粘土の焼結体、焼結セラミックスを用いることが好ましい。そして、水質改質材のメンテナンスの観点から、水質改質部3は循環パイプ7から脱着可能であることが好ましい。
なお、水質改質部3内は、循環パイプ7に流れる水の流速により洗浄状態にある。発生した微粒子は、無害な物質として水に溶け込み、水槽1内の底部に残ったりする場合もありえる。このような場合であっても、後述する排出口13(ドレイン)から外部に排出することができる。
水質改質部3の構成は、装置構成等を考慮して適宜好適なものを選択することができる。例えば、中空円筒の容器であり、その内部に水質改質材が充填されている構成を採用できる。そして、この中空円筒の容器は、底面に流入口を備え、上面に流出口を備えてもよい。このような中空円筒である場合、循環する水は、底面の流入口から流入し、内部の水質改質材の隙間を経て、上面の流出口から流出することとなる。なお、中空円筒容器の周囲は保冷可能な発泡材で覆われていてもよい。
温度制御部4は、水の温度を制御する。温度制御部4は、例えば、水を冷却する冷却部を有する。水温は、飲用水としての適温に制御する目的に加えて、溶存酸素量の増大効果を一層高めるべく、水分子のクラスターを好適な状態に制御する目的も含まれる。かかる観点から、水温の上限は、好ましくは20℃以下であり、より好ましくは15℃であり、更に好ましくは10℃以下である。そして、その下限は、好ましくは4℃であり、より好ましくは5℃である。
より具体的には、例えば、循環する水を常温から低温に徐冷することにより水分子のクラスターの比重、密度を大きくすることができる。その過程において、オゾン付与部2に水を通過させることで酸素を付与し、かつ、その水が水質改質部3の水質改質材と接触することで、水分子のクラスターの間隙に多くの酸素分子を抱え込ませることができる。これにより、水温が常温に戻されたり、処理後に時間が経過したりしても、溶存酸素量は低下することなく、高い溶存酸素量を維持できるものと推測される。
温度制御部4において、水を冷却する手段としては特に限定されず、公知の手法を採用することができる。例えば、コンプレッサーを用いた空気圧縮による熱交換器や、ペルチェ素子を用いた冷却ユニット等を採用できる。
製造装置A1は、水温計測部(センサ)を更に有し、水温計測部で得られた情報に基づき温度制御部4を制御する構成であることが好ましい。例えば、水温計測部において水温を連続的にモニタリングし、その経時的な情報に基づいて水温を連続的に制御することで、水温を一層高い精度で制御できる。
また、図示はしないが、水のpHを制御するpH制御部を更に有することが好ましい。水のpHも溶存酸素量の増大効果に影響を与えるため、飲用水として適切なpH値に制御する目的に加えて、溶存酸素量の増大効果を一層高める目的でも、好ましい。具体的には、pH値は、好ましくは5.6〜8.0である。pH値の上限は、より好ましくは7.6であり、更に好ましくは7.5である。pH値の下限は、より好ましくは6.5であり、更に好ましくは7.0である。
本実施形態では、必要に応じて、ミネラル成分、ビタミン成分、及び水素からなる群より選ばれるいずれか一種の添加成分を水に注入する添加成分注入部6を設けることが好ましい。添加成分注入部6は、チューブポンプ11によって、所望するミネラル成分や水素を循環する水に注入することで、これらの含有量が豊富な飲用水とすることができる。
添加成分注入部6によって注入するミネラル成分としては、例えば、カルシウム、リン、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、セレン、ケイ素、ゲルマニウム、亜鉛、マンガン、鉄、銅、バナジウム等が挙げられる。
添加成分注入部6によって注入するビタミン成分としては、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK等の脂溶性ビタミン類や、ビタミンB1、ビタミンンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB7、葉酸、ビタミンB12、ビタミンC等の水溶性ビタミン類等が挙げられる。
水は、ポンプPにより循環パイプ7を循環する。そして、循環パイプに接続された各部においてそれぞれの処理を施される。各部の配置構成は、特に限定されないが、上流から下流に向けて、水槽1、オゾン付与部2、水質改質部3の順に配置されていることが好ましい。
また、必要に応じて、水槽1内の処理された水を取り出す取水口12を設けることができる。取水口12として蛇口等を用いることで、使用者が、処理された水(溶存酸素量が高い水)を取り出すことができる。さらに、必要に応じて、水槽1内の水を外部に排出する排出口13(ドレイン)を設けることができる。
そして、本実施形態焼結の製造装置A1は、小型化することもできる。かかる観点から、本実施形態の製造装置A1がとりうる好適例として、循環パイプ7の流路長が、好ましくは1〜8m、更に好ましくは3〜5mとすることができる。ここでいう流路長とは、水質改質部3の長さを含むものであり、吸水口9から吐出ノズル8までの長さをいう。
このように循環パイプ7の流路長を短くできるということは、すなわち、水槽1に接続する各部(例えば、オゾン付与部2や水質改質部3等)をコンパクトに収納できるということである。本実施形態の製造装置A1は、簡便な装置であり、装置を大がかりとすることが必ずしも必要でなく、小型化することも可能である。
図2は、本実施形態に係る飲用水の製造装置の第二の態様の全体構成図である。
以下、第一の態様と共通する部分については説明を割愛し、相違する部分を中心に説明する。製造装置A2は、水槽1に原料水を給水する給水部5が、フィルタ14と、塩素を注入する薬液タンク15と、を有する。
例えば、原料水の汚染の程度(例えば、pH値、生物化学的酸素要求量(BOD値)、化学的酸素要求量(COD値)、浮遊物質量(SS)、ノルマルヘキサン抽出部含有量、フェノール類含有量、窒素含有量、リン含有量等の指標)、色度、濁度等が高い場合には、予めフィルタ14に原料水を通過させたり、薬液タンク15から殺菌剤等の薬液を注入したりする、前処理を行うことが好ましい。これにより、より安全かつ健康に良い飲用水を得ることができる。加えて、製造装置A2の循環パイプ7に接続された他の部位(例えば、オゾン付与部2、水質改質部3等)への負荷も低減できる。
フィルタとしては、原料水の状態、使用する装置構成等を考慮して、適宜好適なフィルタを選択することができる。フィルタとしては、例えば、粒状・粉末状・繊維状・ブロック状等の活性炭フィルタ、セラミック素材のフィルタ、イオン交換樹脂のフィルタ、精密ろ過膜(MF)、限外濾ろ過膜(UF)、逆浸透膜(RO)等を用いることができる。そして、これらの膜は、平膜型(プレート・アンド・フレーム)モジュール、チューブラー型(管状型)モジュール、スパイラル型モジュール、中空糸型モジュール等のような膜モジュールとして使用することもできる。あるいは、ストレーナを用いた小型ろ過等であってもよい。
薬液タンク15は、チューブポンプ16によって、薬液を原料水に注入する。使用する薬液の種類や濃度や薬液量は、原料水の状態、所望する添加効果(例えば、殺菌効果等)の程度、使用する装置構成等を考慮して、決定することができる。
薬液としては、例えば、塩素、次亜塩素酸ナトリウム等の殺菌剤;水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ガス、硫酸等のpH調整剤;活性ケイ酸、アルギン酸ソーダ等のフロック形成補助剤;ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニウム、ポリシリカ鉄(PSI)等の凝集剤等が挙げられる。
図3は、本実施形態に係る飲用水の製造装置の更に別の態様の全体構成図である。
以下、第一の態様及び第二の態様と共通する部分については説明を割愛し、相違する部分を中心に説明する。
本実施形態では、必要に応じて、焼結花崗岩槽17を設けることが好ましい。焼結花崗岩槽17では、花崗岩を焼結した焼結花崗岩に循環する水を接触させる。花崗岩は、石英、長石、黒雲母等から構成される天然の鉱石であり、本実施形態ではこの花崗岩を焼結したもの(焼結花崗岩)を用いる。焼結花崗岩は、多孔質で、表面積も大きいことから、水中の微小な不純物等も吸着できる。加えて、自身の鉱物成分も溶出するため、まろやかな風味の飲用水となることも期待できる。
焼結花崗岩槽17における水との接触時間は、特に限定されず、原料水の組成や使用用途、運転条件等を考慮して、好適な値を設定できる。その際、接触時間の下限は、好ましくは10分であり、より好ましくは30分であり、更に好ましくは60分である。
製造装置A3のように焼結花崗岩槽17を有する場合は、循環パイプの上流から下流に向けて、水槽1、オゾン付与部2、水質改質部3、焼結花崗岩槽17の順に配置されていることが好ましい。
製造装置A3において、処理水が循環パイプ7を介して送液される吐出ノズルは、バブリングノズル18である。すなわち、本実施形態の製造装置A3は、水槽1に水を送液するパイプは、バブリングノズル18であることが好ましい。水槽1に循環される水は、バブリングノズル18によって水槽1内に送られる。
バブリングノズル18を用いることにより、循環系において注入されたオゾンガス等と共に、水が微細な水泡として水槽1内に噴射・攪拌される。これにより攪拌効率が向上し、オゾンは安定な酸素分子と不安定な酸素ラジカルや酸素イオンに速やかに分離し、水分子のクラスターの間隙に多くの酸素分子を抱え込ませることができる。これにより、水温が常温に戻ったり、処理後に時間が経過したりしても、溶存酸素量は低下せず、高い溶存酸素量を長時間にわたって維持することができる。
バブリングノズル18は、攪拌効率等の観点から、水槽1の下方に配置されることが好ましい。具体的には、水槽1の下方に配置されたバブリングノズル18から、水が、略下方から略上方に向けて噴射される構成であることが好ましい。攪拌効率等の観点から、バブリングノズルの圧力設定は、0.1〜1MPaであることが好ましい。
また、バブリングノズル18の形状は、循環水を微細な円錐状に吐出させるものが好ましい。
以上、本実施形態に係る製造装置は、溶存酸素量が高い飲用水を製造できる。さらには、高い溶存酸素量を長時間にわたり維持することができる。また、必ずしも大掛かりな装置構成とする必要がないため、小型化することが可能である。よって、事業用としての飲料サーバーや調理用水の給水装置として使用できるだけでなく、家庭用や携帯用といった小型のウォーターサーバー等としても好適に使用できる。
さらには、水道水をそのまま原料水として使用する場合、水道の給水口(例えば、蛇口等)に直接に接続して使用することも可能である。また、簡便な装置構成であるため、ライフラインが被害を受けたような災害地や、ライフラインが十分に確立されていない開発途上国等においても上質な飲用水を簡便に提供することができる。
A1,A2,A3…製造装置、1…水槽、2…オゾン付与部、3…水質改質部、4…温度制御部、5…給水部、6…添加成分注入部、7…循環パイプ、8…吐出ノズル、9…吸水口、10…フロートバルブ(フロート弁)、11,16…チューブポンプ、12…取水口、13…排出口(ドレイン)14…フィルタ、15…薬液タンク、17…焼結花崗岩槽、18…バブリングノズル、P…ポンプ
Claims (10)
- 飲用水を製造する製造装置であって、
水を貯水する水槽と、
前記水の温度を制御する温度制御部と、
前記水にオゾンを付与するオゾン付与部と、
前記水に、ブラックシリカ、ブラックシリカと粘土の焼結物、及び焼結セラミックスからなる群より選択されるいずれか一つを、接触させる水質改質部と、
前記水を、少なくとも前記水槽と前記温度制御部と前記オゾン付与部と前記水質改質部とに循環させる循環パイプと、
を含む、飲用水の製造装置。 - 前記循環パイプにおいて、前記水槽に前記水を送液するパイプが、バブリングノズルを有する、請求項1に記載の製造装置。
- 温度制御部は、前記水の温度を4℃以上に制御する、請求項1又は2に記載の製造装置。
- ミネラル成分、ビタミン成分及び水素からなる群より選ばれるいずれか一種の添加成分を前記水に注入する、添加成分注入部を更に有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造装置。
- 焼結花崗岩を前記水に接触させる焼結花崗岩槽を更に有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造装置。
- 前記水のpHを制御するpH制御部を更に有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造装置。
- 水温計測部を更に有し、前記水温計測部で得られた情報に基づき前記温度制御部を制御する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造装置。
- 前記循環パイプにおいて、上流から下流に向けて、前記水槽、前記オゾン付与部、前記水質改質部の順に配置された、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造装置。
- 前記循環パイプの流路長が、1〜8mである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造装置。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造装置を用いた、飲用水の製造方法。
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WO2022145485A1 (ja) * | 2020-12-28 | 2022-07-07 | サントリーホールディングス株式会社 | 水供給装置 |
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