JP2020027695A - 組成物、非水電解質及び非水電解質二次電池 - Google Patents

組成物、非水電解質及び非水電解質二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2020027695A
JP2020027695A JP2018150611A JP2018150611A JP2020027695A JP 2020027695 A JP2020027695 A JP 2020027695A JP 2018150611 A JP2018150611 A JP 2018150611A JP 2018150611 A JP2018150611 A JP 2018150611A JP 2020027695 A JP2020027695 A JP 2020027695A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
compound
atom
hydrocarbon group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018150611A
Other languages
English (en)
Inventor
健二 撹上
Kenji Kakiage
健二 撹上
広幸 長田
Hiroyuki Osada
広幸 長田
宏美 竹之内
Hiromi Takenouchi
宏美 竹之内
洋平 青山
Yohei Aoyama
洋平 青山
孝一 君島
Koichi Kimijima
孝一 君島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Adeka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2018150611A priority Critical patent/JP2020027695A/ja
Publication of JP2020027695A publication Critical patent/JP2020027695A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】簡便な工程で、サイクル特性を改善した非水電解質二次電池を提供すること。【解決手段】一般式(1)で表される化合物を含む特定の化合物群から選ばれる少なくとも2種の化合物と、リチウム塩と、溶媒及び/又は分散媒と、を含有してなる組成物。(式中、R1〜R3はそれぞれ独立に炭素原子数1〜10の炭化水素基を表し、R4は、炭素原子数1〜10のn価の炭化水素基、炭素原子数1〜10の炭化水素基が、酸素原子若しくは硫黄原子で連結されたn価の基、または酸素原子若しくは硫黄原子を含む炭素原子数3〜6のn価の複素環基を表し、nは1〜6の整数を表す。)【選択図】図1

Description

本発明は、特定の成分を含有してなる組成物、非水電解質及びそれを用いた非水電解質二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池は、小型で軽量、かつエネルギー密度が高く、さらに繰り返し充放電が可能であることから、携帯用パソコン、ハンディビデオカメラ、情報端末等の携帯電子機器の電源として広く用いられている。また、環境問題の観点から、非水電解質二次電池を使用した電気自動車や、電力を動力の一部に利用したハイブリッド車の実用化が行われている。そのため近年では、携帯電子機器の使用可能時間、自動車の航続距離、さらにはそれらの安全性の観点から、二次電池のさらなる性能向上が求められている。
非水電解質二次電池の持続時間、使用可能時間には、充放電容量が重要である。充放電容量の向上には、正極活物質および負極活物質に新たな材料を用いることが開示されている。例えば、正極活物質として硫黄を用いた材料が提案され(例えば、特許文献1〜3)、また負極活物質としてケイ素やスズ等を用いた材料が提案されている(例えば特許文献4〜6)。
また、充放電を繰り返しても長期間に渡り非水電解質二次電池を使用できることも重要であり、この特性を表す代表的な指標がサイクル特性である。サイクル特性を向上させるための検討が各種進められる中、煩雑な工程を必要としないことから、非水電解質にあらかじめ特定の構造の化合物を添加する方法が注目されている。非水電解質に加えられた添加剤は、充放電により反応して電極表面に堆積、保護膜(SEI:Solid Electrolyte Interface)を形成し、不要な反応(副反応)を抑制する、あるいは電極の溶出を抑制することでサイクル特性を向上すると考えられている(例えば、特許文献7〜12)。
特開2003−151550号公報 国際公開第2010/044437号 国際公開第2012/114651号 特開2008−098053号公報 特開2009−087934号公報 特開昭63−102173号公報 特開2001−6729号公報 特開平4−87156号公報 特開2002−343423号公報 特開2017−191634号公報 国際公開第2017/047626号 国際公開第2016/013480号
前記先行技術文献で開示された技術による非水電解質二次電池では、サイクル特性は未だ満足できるものではなかった。本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、簡便な工程で、サイクル特性を改善した非水電解質二次電池を提供することを主目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の構造の化合物を含有する組成物を、非水電解質として使用することで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、下記一般式(1)〜(3)及び式(4)〜(12)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物と、リチウム塩と、溶媒及び/又は分散媒と、を含有してなる組成物を提供するものである。
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素原子数1〜10の炭化水素基を表し、Rは、炭素原子数1〜10のn価の炭化水素基、炭素原子数1〜10の炭化水素基が、酸素原子若しくは硫黄原子で連結されたn価の基、または酸素原子若しくは硫黄原子を含む炭素原子数3〜6のn価の複素環基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6の炭化水素基、炭素原子数4〜6の複素環基、1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された、炭素原子数1〜6の炭化水素基、または1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された、炭素原子数4〜6の複素環基を表し、R10〜R12はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6の炭化水素基、または炭素原子数1〜6のアルコキシ基を表す。)
(式中、R13、R14はそれぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6の炭化水素基を表し、mは3〜6の整数を表す。)
本発明によれば、特定の構造を有する化合物を添加する、という簡便な方法でサイクル特性を改善した非水電解質二次電池を提供することができる。
図1は、本発明の非水電解質二次電池のコイン型電池の構造の一例を概略的に示す縦断面図である。 図2は、本発明の非水電解質二次電池の円筒型電池の基本構成を示す概略図である。 図3は、本発明の非水電解質二次電池の円筒型電池の内部構造を断面として示す斜視図である。
以下、本発明の組成物、非水電解質及び非水電解質二次電池について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
<組成物>
本発明の組成物は、下記一般式(1)〜(3)及び式(4)〜(12)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物と、リチウム塩と、溶媒及び/又は分散媒と、を含有する。以下、式(4)〜(12)で表される化合物を化合物No.4〜12という場合がある。
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素原子数1〜10の炭化水素基を表し、Rは、炭素原子数1〜10のn価の炭化水素基、炭素原子数1〜10の炭化水素基が、酸素原子若しくは硫黄原子で連結されたn価の基、または酸素原子若しくは硫黄原子を含む炭素原子数3〜6のn価の複素環基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6の炭化水素基、炭素原子数4〜6の複素環基、1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された、炭素原子数1〜6の炭化水素基、または1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された、炭素原子数4〜6の複素環基を表し、R10〜R12はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6の炭化水素基、または炭素原子数1〜6のアルコキシ基を表す。)
(式中、R13、R14はそれぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6の炭化水素基を表し、mは3〜6の整数を表す。)
一般式(1)においてR〜Rで表される炭素原子数1〜10の炭化水素基としては、例えば炭素原子数1〜10の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。
具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、i−ペンチル基、ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ノルボルナン基、アダマンチル基等の飽和脂肪族炭化水素基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基、ノルボルネン基等の不飽和脂肪族炭化水素基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。
前記飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状構造であっても、分岐状構造であっても構わない。
〜Rとしては、サイクル特性が改善されること、製造工程が簡便なことから、メチル基、エチル基、ブチル基、ビニル基またはフェニル基が好ましく、メチル基がさらに好ましい。
一般式(1)で表される化合物のうち、R〜Rが飽和炭化水素基であり、Rが、2つのメチレン基が硫黄原子で連結された基である化合物として、例えば下記の化合物No.1−1〜No.1−29が挙げられるが、これらに限定されるものではない。化合物No.1−28の様な表記は、置換基の位置が任意であることを示す。
一般式(1)で表される化合物のうち、R〜Rが飽和炭化水素または不飽和炭化水素基であり、Rが、2つのメチレン基が硫黄原子で連結された基である化合物として、例えば下記の化合物No.1−30〜No.1−53が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)で表される化合物のうち、R〜Rが飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、または芳香族炭化水素基であり、Rが2つのメチレン基が硫黄原子で連結された基である化合物として、例えば下記の化合物No.1−54〜No.1−60が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)で表される化合物のうち、Rが炭素原子数1〜10のn価の炭化水素基である化合物は、炭素原子数1〜10の炭化水素のn個の水素原子が、下記一般式(1a)で表される基で置換された化合物に相当する。
(式中、R〜Rは一般式(1)と同義であり、*は結合部位を表す。)
一般式(1a)がn個置換される、炭素原子数1〜10の炭化水素としては、飽和脂肪族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられる。
具体的には、例えば、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、2-メチルプロパン、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−アダマンタン等の飽和脂肪族炭化水素、エテン、エチン、プロペン、プロピン、1−ブテン、2−ブテン、1,3−ブタジエン、1−ペンテン、2−ペンテン、1,3−ペンタジエン、1−ヘキセン、3−ヘキセン、1,3,5−ヘキサトリエン、シクロヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、3−オクテン、1,3,5,7−オクタテトラエン、1−ノネン、1−デセン等の不飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン、フェノール、メチルベンゼン、ジメチルベンゼン、エチルベンゼン、ブチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物のうち、Rが、炭素原子数1〜10の炭化水素基が酸素原子若しくは硫黄原子で連結されたn価の基である化合物は、炭素原子数1〜10の炭化水素基が酸素原子若しくは硫黄原子で連結された化合物のn個の水素原子が、一般式(1a)で表される基で置換された化合物に相当する。
一般式(1a)がn個置換される、炭素原子数1〜10の炭化水素基が酸素原子若しくは硫黄原子で連結された化合物としては、飽和脂肪族炭化水素基または不飽和脂肪族炭化水素基が、酸素原子若しくは硫黄原子で連結された化合物が挙げられる。連結される飽和炭化水素基または不飽和炭化水素基は同一であっても、異なるものであってもよい。飽和脂肪族炭化水素基または脂肪族炭化水素基は、前記一般式(1)のR〜Rにおける脂肪族炭化水素基または不飽和脂肪族炭化水素基と同じものが挙げられる。
一般式(1)で表される化合物のうち、Rが、酸素原子若しくは硫黄原子を含む炭素原子数3〜6のn価の複素環基である化合物は、炭素原子数3〜6の複素環のn個の水素原子が、一般式(1a)で表される基で置換された化合物に相当する。
一般式(1a)がn個置換される、酸素原子を含む炭素原子数3〜6の複素環としては、例えば、1,3−プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、フラン等が挙げられる。硫黄原子を含む炭素原子数3〜6の複素環としては、例えば、トリメチレンスルフィド、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、チオフェン等が挙げられる。
飽和脂肪族炭化水素の2個の水素原子が一般式(1a)で表される基で置換され、R〜Rがメチル基である化合物として、例えば下記の化合物No.1a−1〜No.1a−28が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
不飽和脂肪族炭化水素の2個の水素原子が一般式(1a)で表される基で置換され、R〜Rがメチル基である化合物として、例えば下記の化合物No.1a−29〜No.1a−58が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
芳香族炭化水素基の2個の水素原子が一般式(1a)で表される基で置換され、R〜Rがメチル基である化合物として、例えば下記の化合物No.1a−59〜No.1a−66が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
飽和脂肪族炭化水素基または不飽和脂肪族炭化水素基が硫黄原子で連結された化合物の2個の水素原子が一般式(1a)で表される基で置換され、R〜Rがメチル基である化合物として、例えば下記の化合物No.1a−67〜No.1a−84が挙げられる。また、下記化合物の硫黄原子の一部または全てを酸素原子に置き換えた化合物も例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。
酸素原子または硫黄原子を含む炭素原子数3〜6の複素環の2個の水素原子が一般式(1a)で表される基で置換され、R〜Rがメチル基である化合物として、例えば下記の化合物No.1a−85〜No.1a−92が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)で表される化合物としては、良好なサイクル特性が得られることから、前記化合物No.1−1、No.1a−1、No.1a−2、No1.a−29、No1.a−35、No.1a−59、No1.a−68、No1.a−77、No1.a−82、No.1a−88、No.1a−92が好ましく、No.1−1、No.1a−1、No1.a−29、No1.a−82、No.1a−88、No.1a−92がさらに好ましい。
一般式(2)においてR〜Rで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭素原子数1〜6の炭化水素基としては、例えば、飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、i−ペンチル基、ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数5〜6の環状脂肪族炭化水素基;フェニル基の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素原子数4〜6の複素環基としては、チエニル基、フラニル基、ピリジル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロフラニル基、ピペリジル基等が挙げられる。
1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された、炭素原子数1〜6の炭化水素基としては、1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された飽和脂肪族炭化水素基、一つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された不飽和脂肪族炭化水素基、一つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された環状飽和脂肪族炭化水素基、1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたフェニル基等が挙げられる。飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、環状飽和脂肪族炭化水素基としては、前記飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、環状飽和脂肪族炭化水素基、フェニル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された、飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1−フルオロイソプロピル基、2−フルオロイソプロピル基、1−フルオロブチル基、2−フルオロブチル基、3−フルオロブチル基、1−フルオロイソブチル基、2−フルオロイソブチル基、2−フルオロ−t−ブチル基、1−フルオロペンチル基、2−フルオロペンチル基、3−フルオロペンチル基、4−フルオロペンチル基、1−フルオロヘキシル基等が挙げられる。
1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された、環状飽和脂肪族炭化水素基としては、フルオロシクロペンチル基、フルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された芳香族炭化水素基としては、例えば、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基等が挙げられる。
1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された複素環基としては、フルオロチエニル基、フルオロフラニル基、フルオロピリジル基、フルオロチオラニル基、フルオロオキサニル基、フルオロピペリジル基等が挙げられる。
一般式(2)おいてR10〜R12で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭素原子数1〜6の炭化水素基としては、R〜Rの例として示した炭素原子数1〜6の炭化水素基と同じものが挙げられる。
炭素原子数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基、ヘキシロキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物のうち、R〜Rが水素原子またはハロゲン原子であり、R10〜R12がメチル基である化合物として、例えば下記の化合物No.2−1〜No.2−6が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(2)で表される化合物のうち、R〜Rが水素原子または飽和脂肪族炭化水素基であり、R10〜R12がメチル基である化合物として、例えば下記の化合物No.2−7〜No.2−23が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(2)で表される化合物のうち、R〜Rが水素原子または不飽和脂肪族炭化水素基であり、R10〜R12がメチル基である化合物として、例えば下記の化合物No.2−24〜No.2−32が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(2)で表される化合物のうち、R〜Rが水素原子、環状脂肪族炭化水素基またはフェニル基であり、R10〜R12がメチル基である化合物として、例えば下記の化合物No.2−33〜No.2−35が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(2)で表される化合物のうち、R〜Rが水素原子または複素環基であり、R10〜R12がメチル基である化合物として、例えば下記の化合物No.2−36〜No.2−41が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(2)で表される化合物のうち、R〜Rが、水素原子または1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、R10〜R12がメチル基である化合物として、例えば下記の化合物No.2−42〜No.2−54が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(2)で表される化合物のうち、R〜Rが、水素原子または1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された複素環基であり、R10〜R12がメチル基である化合物として、例えば下記の化合物No.2−55〜No.2−60が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
良好なサイクル特性が得られること、原料が入手しやすいこと、合成が簡便であることなどから、R〜Rとしては、水素原子、フッ素原子、メチル基またはビニル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(2)で表される化合物のうち、R〜R9が水素原子である化合物として、例えば下記の化合物No.2−61〜No.2−127が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(2)で表される化合物としては、良好なサイクル特性が得られることから、前記化合物No.2−1、No.2−2、No.2−7、No.2−70、No.2−84、No.2−104、No.2−105、No.2−106、No.2−121、No.2−123が好ましく、No.2−1、No.2−2、No.2−7、No.2−84、No.2−104、No.2−121がさらに好ましい。
一般式(3)においてR13、R14で表される炭素原子数1〜6の炭化水素基としては、例えば飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。
具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、i−ペンチル基、ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基等の飽和脂肪族炭化水素基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基、フェニル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。
前記飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状構造であっても、分岐状構造であっても構わない。
13、R14で表される炭素原子数1〜6の炭化水素基としては、サイクル特性が改善されること、製造工程が簡便なことから、メチル基、エチル基、ブチル基、ビニル基、フェニル基が好ましく、メチル基、ビニル基、フェニル基がさらに好ましい。
また、一般式(3)で表される化合物においては、サイクル特性が改善されること、製造工程が簡便なことから、mは3〜5であることが好ましく、mは3または4であることがさらに好ましい。
一般式(3)で表される化合物の具体的な例として、例えば下記の化合物No.3−1〜No.3−20が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(3)で表される化合物としては、良好なサイクル特性が得られることから、前記化合物No.3−1、No.3−4、No.3−5、No.3−6、No.3−9、No.3−12、No.3−15、No.3−16、No.3−17、No.3−19が好ましく、No.3−1、No.3−4、No.3−6、No.3−12、No.3−15、No.3−16がより好ましい。
本発明の組成物は、前記一般式(1)〜(3)及び式(4)〜(12)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物を含有する。非水電解質二次電池のサイクル特性が向上することから、一般式(1)〜(3)で表される化合物からなる群から選ばれる1種の化合物Aと、前記一般式(1)〜(3)及び式(4)〜(12)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物B(ただし、化合物Aを除く。)を含有することが好ましい。この場合、一般式(1)〜(3)で表される化合物からなる群から選ばれる2種以上の化合物を含有してもよい。
良好なサイクル特性が得られることから、前記化合物Aとしては、前記化合物No.1−1、No.1a−1、No1.a−29、No1.a−82、No.1a−88、No.1a−92が好ましい。また、前記化合物Bとしては、前記化合物No.1−1、No.1a−1、No1.a−29、No1.a−82、No.1a−88、No.1a−92、No.2−1、No.3−1、No.3−4及び化合物No.4〜12が好ましい。ただし、化合物Aと化合物Bは異なる化合物である。
本発明の組成物は、溶媒及び/又は分散媒を含有する。本発明の組成物の形態としては、溶媒として有機溶媒を用い、リチウム塩を溶解して得られる液体組成物、溶媒又は分散媒として、有機溶媒に高分子化合物を溶解してゲル化した高分子ゲルを用い、リチウム塩を溶解又は分散して得られる高分子ゲル組成物、分散媒として高分子を用い、リチウム塩を分散させて得られる純正高分子組成物等を挙げることができる。
本発明の組成物に用いる有機溶媒としては、非水電解質二次電池の非水電解質に通常使用される有機溶媒を使用することができる。非水電解質二次電池の非水電解質に通常使用される有機溶媒としては、例えば、飽和環状カーボネート化合物、飽和環状エステル化合物、スルホキシド化合物、スルホン化合物、アマイド化合物、飽和鎖状カーボネート化合物、鎖状エーテル化合物、環状エーテル化合物、飽和鎖状エステル化合物等が挙げられる。有機溶媒は1種のみ使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。
前記有機溶媒のうち、飽和環状カーボネート化合物、飽和環状エステル化合物、スルホキシド化合物、スルホン化合物及びアマイド化合物は、比誘電率が高いため、液体組成物の誘電率を上げる役割を果たし、特に飽和環状カーボネート化合物が好ましい。
飽和環状カーボネート化合物としては、例えば、エチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,3−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、1,1−ジメチルエチレンカーボネート等が挙げられる。
飽和環状エステル化合物としては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−ヘキサノラクトン、δ−オクタノラクトン等が挙げられる。
スルホキシド化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、チオフェン等が挙げられる。
スルホン化合物としては、例えば、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、スルホラン(テトラメチレンスルホンともいう)、3−メチルスルホラン、3,4−ジメチルスルホラン、3,4−ジフェニメチルスルホラン、スルホレン、3−メチルスルホレン、3−エチルスルホレン、3−ブロモメチルスルホレン等が挙げられ、スルホラン、テトラメチルスルホランが好ましい。
アマイド化合物としては、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
前記有機溶媒のうち、飽和鎖状カーボネート化合物、鎖状エーテル化合物、環状エーテル化合物及び飽和鎖状エステル化合物は、液体組成物の粘度を低くすることができ、電解質イオンの移動性を高くすることができる等、出力密度等の電池特性を優れたものにすることができる。また、低粘度であるため、低温での組成物の性能を高くすることができ、特に飽和鎖状カーボネート化合物が好ましい。
飽和鎖状カーボネート化合物としては、例えば、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、t−ブチルプロピルカーボネート等が挙げられる。
鎖状エーテル化合物及び環状エーテル化合物としては、例えば、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、1,2−ビス(メトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)プロパン、エチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル、プロピレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル、エチレングリコールビス(トリフルオロメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル等が挙げられ、これらの中でも、ジオキソランが好ましい。
前記飽和鎖状エステル化合物としては、分子中の炭素原子数の合計が2〜8であるモノエステル化合物及びジエステル化合物が好ましく、具体的な化合物としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、マロン酸メチル、マロン酸エチル、コハク酸メチル、コハク酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールジアセチル、プロピレングリコールジアセチル等が挙げられ、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、及びプロピオン酸エチルが好ましい。
その他の有機溶媒として、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタンやこれらの誘導体、各種イオン液体を用いることもできる。
高分子ゲル組成物に用いる高分子としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリビニルクロライド、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン等が挙げられる。
純正高分子組成物に用いる高分子としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸等が挙げられる。
高分子ゲル組成物、または純正高分子組成物中の配合比率、複合化の方法については特に制限はなく、本技術分野で公知の配合比率、公知の複合化方法を採用することができる。
本発明の組成物の形態は特に制限されるものではないが、製造工程が簡便であることから、非水電解質には溶媒を含むものが好ましく、液体組成物であることがより好ましい。
本発明の組成物に用いられるリチウム塩としては、特に限定されるものではなく、従来公知のリチウム塩、例えば、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(SOF)、LiC(CFSO、LiB(CFSO、LiB(C、LiBF(C)、LiSbF、LiSiF、LiSCN、LiClO、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlF、LiAlCl、LiPO,及びこれらの誘導体等が挙げられる。
液体組成物及び高分子ゲル組成物に用いられるリチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(SOF)、LiPO、LiC(CFSO並びにLiCFSOの誘導体及びLiC(CFSOの誘導体からなる群から選ばれる1種以上を用いるのが好ましい。
純正高分子組成物に用いられるリチウム塩としては、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(SOF)、LiC(CFSO、LiB(CFSO、LiB(Cからなる群から選ばれる1種以上を用いるのが好ましい。
組成物中のリチウム塩の濃度は、低すぎると十分な電流密度が得られないことがあり、高すぎると非水電解質の安定性を損なう恐れがあることから、0.5〜7mol/Lが好ましく、0.8〜1.8mol/Lがより好ましい。
本発明の組成物の用途は特に限定されないが、非水電解質二次電池に用いられる非水電解質として好適に利用することができる。
本発明の組成物を非水電解質に用いる場合、一般式(1)〜(3)及び式(4)〜(12)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも2種の含有量は、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.05質量%〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%であることが更に好ましい。これらの化合物の含有量が、前記範囲より少ない場合には、本発明の組成物を有する非水電解質二次電池のサイクル特性の向上効果が十分ではないことがあり、多い場合には、配合量に見合う効果が得られず、かえって電池特性に悪影響を及ぼすことがあるからである。
<非水電解質>
本発明の非水電解質は、前記組成物を用いるものであり、電池寿命の向上、安全性向上等のため、電極被膜形成剤、酸化防止剤、難燃剤、過充電防止剤等、公知の電解質添加剤を更に含んでもよい。電解質添加剤を用いる場合の濃度は、少なすぎると添加効果が発揮できず、多すぎるとかえって非水電解質二次電池の特性に悪影響を及ぼすことがあることから、非水電解質に対し、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜5質量%がより好ましい。
<非水電解質二次電池>
本発明の非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記非水電解質を含むものである。本発明においては、正極と負極の間にセパレータを介在させることが好ましい。以下、本発明の非水電解質二次電池について説明する。
(正極)
本発明で用いる正極は、公知の方法に準じて製造することができる。例えば、正極活物質、バインダー及び導電助剤を含む配合物を、有機溶媒または水でスラリー化した電極合剤ペーストを集電体に塗布して乾燥することにより、集電体上に電極合剤層が形成された正極を製造することができる。
正極活物質は、公知のものを用いることができる。公知の正極活物質としては、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物、リチウム含有ケイ酸塩化合物、リチウム含有遷移金属硫酸化合物等が挙げられる。前記リチウム遷移金属複合酸化物の遷移金属としてはバナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅等が好ましい。
本発明においては、正極活物質は1種のみを使用することができ、2種以上を組合せて使用することもできる。
リチウム遷移金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO等のリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO等のリチウムニッケル複合酸化物、LiMnO、LiMn、LiMnO等のリチウムマンガン複合酸化物、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部をアルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、リチウム、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、ガリウム、ジルコニウム等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。主体となる遷移金属原子の一部を他の金属で置換したリチウム遷移金属複合酸化物は、例えば、Li1.1Mn1.8Mg0.1、Li1.1Mn1.85Al0.05、LiNi0.5Co0.2Mn0.3、LiNi0.8Co0.1Mn0.1、LiNi0.5Mn0.5、LiNi0.80Co0.17Al0.03、LiNi0.80Co0.15Al0.05、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、LiMn1.8Al0.2、LiNi0.5Mn1.5、LiMnO−LiMO(M=Co,Ni,Mn)等が挙げられる。
リチウム含有遷移金属リン酸化合物の遷移金属としては、バナジウム、チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等が好ましく、具体例としては、例えば、LiFePO、LiMFe1−xPO(M=Co,Ni,Mn)等のリン酸鉄化合物類、LiCoPO等のリン酸コバルト化合物類、これらのリチウム遷移金属リン酸化合物の主体となる遷移金属原子の一部をアルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、リチウム、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ等の他の金属で置換したもの、Li(PO等のリン酸バナジウム化合物類等が挙げられる。
リチウム含有ケイ酸塩化合物としては、LiFeSiO等が挙げられる。
リチウム含有遷移金属硫酸化合物としては、LiFeSO、LiFeSOF等が挙げられる。
正極活物質として、硫黄、硫黄変性有機化合物、硫黄−炭素複合体、Li(x=1〜8)を用いることができる。
硫黄としては、粉末硫黄、不溶性硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄等の種々の形態のものをいずれも使用できる。原料化合物に均一に分散させることから、粉末硫黄が好ましい。
硫黄変性有機化合物は、硫黄と、ポリアクリロニトリル化合物、エラストマー化合物、ピッチ化合物、多核芳香環化合物、脂肪族炭化水素酸化物、ポリエーテル化合物、ポリチエノアセン化合物、ポリアミド化合物、ヘキサクロロブタジエン化合物等を混合し、非酸化性ガス雰囲気中250℃〜600℃で加熱変性して製造することができる。
硫黄−炭素複合体とは、硫黄と炭素を機械的に複合化させたもの、または多孔性炭素の細孔内に単体硫黄を含有したものであり、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る、二次電池の電極活物質として使用可能なものをいう。硫黄−炭素複合体の硫黄含有量は、含有量が少なすぎると充放電容量が大きくならず、多すぎる電子伝導性が低下することから、25質量%〜90質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。多孔性炭素の細孔内に単体硫黄を担持させる方法は、公知の方法を採用することができる。
硫黄変性有機化合物、および硫黄−炭素複合体の硫黄含有量は、硫黄及び酸素が分析可能なCHN分析装置、例えば、エレメンター社製 vario MICRO cubeを用いて元素分析することで算出することができる。
正極活物質の粒子径は、粒子径が大き過ぎると均一で平滑な電極合剤層が得られない場合があり、小さ過ぎるとスラリー化工程でのハンドリング性が低下することから、平均粒子径(D50)が0.5μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましく、1μm〜30μmであることが更に好ましい。
本発明において、平均粒子径(D50)とは、レーザー回折光散乱法により測定された50%粒子径をいう。粒子径は体積基準の直径であり、レーザー回折光散乱法では、二次粒子の直径が測定される。
正極活物質は、粉砕等の方法により所望の粒径とすることができる。粉砕は、気体中で行う乾式粉砕でも、水等の液体中で行う湿式粉砕でもよい。工業的な粉砕方法としては、例えば、ボールミル、ローラーミル、ターボミル、ジェットミル、サイクロンミル、ハンマーミル、ピンミル、回転ミル、振動ミル、遊星ミル、アトライター、ビーズミル等が挙げられる。
バインダーは、公知のものを用いることができる。バインダーの具体例としては、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリ塩化ビニル、アクリル酸、ポリアクリル酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースナノファイバー、デンプン等が挙げられる。
バインダーは1種のみ使用することもでき、2種以上を組合せて使用することもできる。
バインダーの含有量は、正極活物質100質量部に対し、1質量部〜30質量部であることが好ましく、1質量部〜20質量部であることが更に好ましい。
導電助剤は、電極の導電助剤として公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コールタールピッチ、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、カーボンナノチューブ、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、剥片化黒鉛、グラフェン、フラーレン、ニードルコークス等の炭素材料;アルミニウム粉、ニッケル粉、チタン粉等の金属粉末;酸化亜鉛、酸化チタン等の導電性金属酸化物;La、Sm、Ce、TiS等の硫化物が挙げられる。
導電助剤の粒子径は、0.0001μm〜100μmが好ましく、0.01μm〜50μmがより好ましい。
導電助剤の含有量は、電極活物質100質量部に対し、通常0.1〜50質量部であり、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは2〜20質量部である。
電極合剤ペーストを調製するための溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ニトロメタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、ポリエチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、水、アルコール等が挙げられる。溶媒の使用量は、電極合剤ペーストを塗膜する際に選択する塗布方法にあわせて調整することができ、例えば、ドクターブレード法による塗布の場合、正極活物質、バインダー及び導電助剤の合計量100質量部に対し、15〜300質量部が好ましく、30〜200質量部が更に好ましい。
電極合剤ペーストには、本発明の効果を損なわない範囲で、前記成分に加え、例えば、粘度調整剤、補強材、酸化防止剤、pH調整剤、分散剤等の他の成分を含有させてもよい。これらの他の成分としては公知のものを、公知の配合比率で使用することができる。
電極合剤ペーストの製造において、正極活物質、バインダー及び導電助剤を溶媒に分散又は溶解させる際、すべてを一括して溶媒に加えて分散処理することができ、別々に加えて分散処理することもできる。溶媒中に、バインダー、導電助剤、正極活物質の順番で逐次添加して分散処理を行なうと、これらを溶媒に均一に分散できるため好ましい。
電極合剤ペーストが他の成分を含有する場合、他の成分を一括して加えて分散処理することができるが、1種添加するごとに分散処理することが好ましい。
分散処理の方法としては特に制限されないが、工業的な方法として、例えば、通常のボールミル、サンドミル、ビーズミル、サイクロンミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、自転・公転ミキサー、プラネタリーミキサー、フィルミックス、ジェットペースタ等を使用することができる。
集電体としては、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼、カーボン等の導電材料が用いられる。集電体の形状としては、箔状、板状、網状、発泡状、不織布状等が挙げられ、集電体は多孔質又は無孔のどちらでも構わない。また、これらの導電材料は、密着性や電気特性を改良するために表面処理が施されている場合がある。これらの導電材料の中でも、導電性や価格の観点からアルミニウムが好ましく、アルミニウム箔が特に好ましい。集電体の厚みは、特に制限はないが、通常5〜30μmである。
電極合剤ペーストを集電体に塗布する方法は、特に限定されないが、例えば、ダイコーター法、コンマコーター法、カーテンコーター法、スプレーコーター法、グラビアコーター法、フレキソコーター法、ナイフコーター法、ドクターブレード法、リバースロール法、ハケ塗り法、ディップ法等を用いることができる。電極合剤ペーストの粘性及び乾燥性に合わせて、良好な塗布層の表面状態を得ることが可能となる点で、ダイコーター法、ナイフコーター法、ドクターブレード法、コンマコーター法が好ましい。
電極合剤ペーストの集電体への塗布は、集電体の片面に行うことができ、両面に行うこともできる。集電体の両面に塗布する場合は、片面ずつ逐次塗布することができ、両面同時に塗布することもできる。また、集電体の表面に連続に塗布することができ、間欠して塗布することもでき、ストライプ状で塗布することもできる。塗布層の厚さ、長さや幅は、電池の大きさ等に応じて、適宜、決定することができる。
集電体上に塗布された電極合剤ペーストを乾燥させる方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。乾燥方法としては、例えば、温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、加熱炉などに静置する、遠赤外線や赤外線、又は電子線等を照射することによる乾燥が挙げられる。これらは組合せて実施することができる。加熱する場合の温度は、例えば、一般的には50℃〜180℃程度であるが、温度などの条件はスラリー組成物の塗布量、使用した溶媒の沸点等に応じて適宜設定することができる。この乾燥により、電極合剤ペーストの塗膜から溶媒等の揮発成分が揮発し、集電体上に電極合剤層が形成される。
硫黄変性有機化合物、および硫黄−炭素複合体などリチウムを含まない材料を正極活物質として用いる場合、リチウムをあらかじめドープすることもできる。前記材料にドープする方法は、公知の方法に従えばよい。例えば、対極に金属リチウムを用いて半電池を組み、電気化学的にリチウムをドープする電解ドープ法によってリチウムを挿入する方法や、金属リチウム箔を電極に貼り付けたあと電解液の中に放置し、電極へのリチウムの拡散を利用してドープする貼り付けドープ法によりリチウムを挿入する方法、活物質とリチウム金属を機械的に衝突させ、リチウムを挿入するメカニカルドープ法等が挙げられるが、これらに限定されるのもではない。
<負極>
本発明で用いる負極は、公知の方法に準じて製造することができる。例えば、負極活物質、バインダー及び導電助剤を含む配合物を、有機溶媒または水でスラリー化した電極合剤ペーストを集電体に塗布して乾燥することにより、集電体上に電極合剤層が形成された負極を製造することができる。
負極活物質は、公知のものを用いることができる。公知の負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、リチウム、リチウム合金、珪素、珪素合金、酸化珪素、スズ、スズ合金、酸化スズ、リン、ゲルマニウム、インジウム、酸化銅、硫化アンチモン、酸化チタン、酸化鉄、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化鉛、酸化ルテニウム、酸化タングステン、酸化亜鉛の他、LiVO、LiVO、LiTi12、チタンニオブ系酸化物等の複合酸化物等が挙げられる。負極活物質は1種のみを使用することができ、2種以上を組合せて使用することもできる。
負極活物質として、硫黄、硫黄変性有機化合物、硫黄−炭素複合体、Li(x=1〜8)を用いることができる。
硫黄としては、粉末硫黄、不溶性硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄等の種々の形態のものをいずれも使用できる。原料化合物に均一に分散させることから、粉末硫黄が好ましい。
硫黄変性有機化合物は、硫黄と、ポリアクリロニトリル化合物、エラストマー化合物、ピッチ化合物、多核芳香環化合物、脂肪族炭化水素酸化物、ポリエーテル化合物、ポリチエノアセン化合物、ポリアミド化合物、ヘキサクロロブタジエン化合物等を混合し、非酸化性ガス雰囲気中250℃〜600℃で加熱変性して製造することができる。
硫黄−炭素複合体とは、硫黄と炭素を機械的に複合化させたもの、または多孔性炭素の細孔内に単体硫黄を含有したものであり、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る、二次電池の電極活物質として使用可能なものをいう。硫黄−炭素複合体の硫黄含有量は、含有量が少なすぎると充放電容量が大きくならず、多すぎる電子伝導性が低下することから、25質量%〜90質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。多孔性炭素の細孔内に単体硫黄を担持させる方法は、公知の方法を採用することができる。
硫黄変性有機化合物、および硫黄−炭素複合体の硫黄含有量は、硫黄及び酸素が分析可能なCHN分析装置、例えば、エレメンター社製 vario MICRO cubeを用いて元素分析することで算出することができる。
負極活物質の粒子径は、粒子径が大き過ぎると均一で平滑な電極合剤層が得られない場合があり、小さ過ぎるとスラリー化工程でのハンドリング性が低下することから、平均粒子径(D50)が0.01μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましく、1μm〜30μmであることが更に好ましい。
負極活物質は、粉砕等の方法により所望の粒径とすることができる。粉砕は、気体中で行う乾式粉砕でも、水等の液体中で行う湿式粉砕でもよい。工業的な粉砕方法としては、例えば、ボールミル、ローラーミル、ターボミル、ジェットミル、サイクロンミル、ハンマーミル、ピンミル、回転ミル、振動ミル、遊星ミル、アトライター、ビーズミル等が挙げられる。
バインダーは、公知のものを用いることができる。バインダーの具体例としては、正極に用いるバインダーと同様のものが挙げられる。
バインダーは1種のみ使用することもでき、2種以上を組合せて使用することもできる。
バインダーの含有量は、負極活物質100質量部に対し、1質量部〜30質量部であることが好ましく、1質量部〜20質量部であることが更に好ましい。
導電助剤は、電極の導電助剤として公知のものを用いることができる。具体的には、正極に用いる導電助剤と同様のものが挙げられる。
導電助剤の粒子径は、0.0001μm〜100μmが好ましく、0.01μm〜50μmがより好ましい。
導電助剤の含有量は、電極活物質100質量部に対し、通常0〜50質量部であり、好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。
電極合剤ペーストを調製するための溶媒としては、正極の電極合剤ペーストを調製するのに使用される溶媒と同様のものが挙げられる。溶媒の使用量は、スラリーを塗膜する際に選択する塗布方法にあわせて調整することができ、例えば、ドクターブレード法による塗布の場合、負極活物質、バインダー及び導電助剤の合計量100質量部に対し、15〜300質量部が好ましく、30〜200質量部が更に好ましい。
電極合剤ペーストには、本発明の効果を損なわない範囲で、前記成分に加え、例えば、粘度調整剤、補強材、酸化防止剤、pH調整剤、分散剤等の他の成分を含有させてもよい。これらの他の成分としては公知のものを、公知の配合比率で使用することができる。
電極合剤ペーストの製造は、正極活物質の代わりに負極活物質を用いる以外は、正極の電極合剤ペーストの製造工程と同様の工程で配合、分散し、製造することができる。
集電体としては、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼、カーボン等の導電材料が用いられる。集電体の形状としては、箔状、板状、網状、発泡状、不織布状等が挙げられ、集電体は多孔質又は無孔のどちらでも構わない。また、これらの導電材料は、密着性や電気特性を改良するために表面処理が施されている場合がある。これらの導電材料の中でも、負極電位での安定性や導電性や価格の観点から銅が好ましく、銅箔が特に好ましい。集電体の厚みは、特に制限はないが、通常5〜30μmである。
負極活物質がリチウム、リチウム合金、スズ、スズ合金などの金属または金属合金の場合、バインダーや導電助剤、溶媒を使用して電極合剤ペーストを調製せず、金属または合金を、例えば板状、シート状、またはフィルム状等の形態で使用することもできる。また、前記合金を負極活物質として用いる場合、負極活物質自体の電子伝導性が高いため集電体を使用しなくてもよいが、電池の構成の都合によっては、負極活物質と合金を形成しない金属材料を負極集電体として使用することもできる。
電極合剤ペーストを集電体に塗布する方法は、特に限定されないが、例えば、正極を製造する際に用いられる塗布方法が挙げられる。
電極合剤ペーストの集電体への塗布は、集電体の片面に行うことができ、両面に行うこともできる。集電体の両面に塗布する場合は、片面ずつ逐次塗布することができ、両面同時に塗布することもできる。また、集電体の表面に連続に塗布することができ、間欠して塗布することもでき、ストライプ状で塗布することもできる。塗布層の厚さ、長さや幅は、電池の大きさ等に応じて、適宜、決定することができる。
集電体上に塗布された電極合剤ペーストを乾燥させる方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。乾燥方法としては、例えば、温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、加熱炉などに静置する、遠赤外線や赤外線、又は電子線等を照射することによる乾燥が挙げられる。これらは組合せて実施することができる。加熱する場合の温度は、例えば、一般的には50℃〜180℃程度であるが、温度などの条件はスラリー組成物の塗布量、使用した溶媒の沸点等に応じて適宜設定することができる。この乾燥により、電極合剤ペーストの塗膜から溶媒等の揮発成分が揮発し、集電体上に電極合剤層が形成される。
ケイ素系、スズ系、硫黄系等の、初回不可逆反応が大きな材料を負極活物質として用いる場合、リチウムをあらかじめドープすることもできる。前記材料にドープする方法は、公知の方法に従えばよい。例えば、対極に金属リチウムを用いて半電池を組み、電気化学的にリチウムをドープする電解ドープ法によってリチウムを挿入する方法や、金属リチウム箔を電極に貼り付けたあと電解液の中に放置し、電極へのリチウムの拡散を利用してドープする貼り付けドープ法によりリチウムを挿入する方法、活物質とリチウム金属を機械的に衝突させ、リチウムを挿入するメカニカルドープ法等が挙げられるが、これらに限定されるのもではない。
<セパレータ>
セパレータとしては、通常用いられる高分子フィルムを特に限定なく使用できる。該フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等の種々のセルロース類、ポリ(メタ)アクリル酸及びその種々のエステル類等を主体とする高分子化合物やその誘導体、これらの共重合体や混合物からなるフィルム等が挙げられ、これらのフィルムは、アルミナやシリカなどのセラミック材料、酸化マグネシウム、アラミド樹脂、ポリフッ化ビニリデンでコートされている場合がある。
これらのフィルムは、単独で用いることができ、これらのフィルムを重ね合わせて複層フィルムとして用いることもできる。更に、これらのフィルムには、種々の添加剤を用いることができ、その種類や含有量は特に制限されない。これらのフィルムの中でも、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホンからなるフィルムが好ましく用いられる。
これらのフィルムは、電解質が浸み込んでイオンが透過し易いように、微多孔化がなされたものが用いられる。この微多孔化の方法としては、高分子化合物と溶剤の溶液をミクロ相分離させながら製膜し、溶剤を抽出除去して多孔化する「相分離法」と、溶融した高分子化合物を高ドラフトで押し出し製膜した後に熱処理し、結晶を一方向に配列させ、更に延伸によって結晶間に間隙を形成して多孔化をはかる「延伸法」等が挙げられ、用いられるフィルムによって適宜選択される。
(外部包装)
本発明の非水電解質二次電池は、その形状に特に制限はなく、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、ラミネート型電池等、種々の形状の電池とすることができ、外部包装部材として金属製容器又はラミネートフィルムを用いることができる。外部包装部材の厚さは、通常0.5mm以下であり、好ましくは0.3mm以下である。外部包装部材の形状としては、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、ボタン型等が挙げられる。
金属製容器は、例えば、ステンレス、アルミニウム又はアルミニウム合金等から形成することができる。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素などの元素を含む合金が好ましい。アルミニウム又はアルミニウム合金において、鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属の含有量を1%以下にすることで、高温環境下での長期信頼性及び放熱性を飛躍的に向上させることができる。
ラミネートフィルムは、樹脂フィルム間に金属層を有する多層フィルムを用いることができる。金属層は、軽量化のためにアルミニウム箔若しくはアルミニウム合金箔が好ましい。樹脂フィルムは、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等の高分子材料を用いることができる。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行って外装部材を形成することができる。
図1は、本発明の非水電解質二次電池のコイン型電池の一例を、図2及び図3は円筒型電池の一例を示したものである。
図1に示すコイン型非水電解質二次電池10において、1はリチウムイオンを放出できる正極、1aは正極集電体、2は正極から放出されたリチウムイオンを吸蔵、放出できる負極、2aは負極集電体、3は非水電解質、4はステンレス製の正極ケース、5はステンレス製の負極ケース、6はポリプロピレン製のガスケット、7はポリエチレン製のセパレータである。
図2及び図3に示す円筒型非水電解質二次電池10'において、11は負極、12は負極集電体、13は正極、14は正極集電体、15は非水電解質、16はセパレータ、17は正極端子、18は負極端子、19は負極板、20は負極リード、21は正極板、22は正極リード、23はケース、24は絶縁板、25はガスケット、26は安全弁、27はPTC素子である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明する。ただし、以下の実施例等により本発明は何等制限されるものではない。なお、実施例中の「部」や「%」は、特にことわらない限り、質量基準である。
<正極の作製>
正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3(日本化学産業社製)を90.0質量部、導電助剤としてアセチレンブラック(デンカ社製)を5.0質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(クレハ社製)を5.0質量部、溶媒としてN−メチルピロリドンを80質量部用い、自転・公転ミキサーを用いて分散してスラリー状の電極合剤ペーストを得た。この電極合剤ペーストを、ドクターブレード法によりアルミニウム箔(厚さ20μm)からなる集電体の片面に塗布し、90℃で乾燥の後、プレス成型した。その後、電極を所定の大きさにカットし、更に使用直前に150℃で24時間真空乾燥して正極を作製した。
<負極の作製>
負極活物質として人造黒鉛(MAG:日立化成社製)を96.0質量部、導電助剤としてアセチレンブラック(デンカ社製)を1.0質量部、バインダーとしてスチレン−ブタジエンゴム(40質量%水分散液、日本ゼオン社製)を1.5質量部、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa:ダイセルファインケム社製)を1.5質量部、溶媒として水を120質量部用い、自転・公転ミキサーを用いて分散してスラリー状の電極合剤ペーストを得た。この電極合剤ペーストを、ドクターブレード法により銅箔(厚さ10μm)からなる集電体の片面に塗布し、90℃で乾燥の後、プレス成型した。その後、電極を所定の大きさにカットし、更に使用直前に150℃で24時間真空乾燥して負極を作製した。
<電池の組み立て>
[実施例1]
エチレンカーボネート50体積%、ジエチルカーボネート50体積%からなる混合溶媒に、LiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解し電解質溶液を調製した。これに化合物No.1−1を0.5質量%、化合物No.1a−1を0.5質量%添加し、非水電解質とした。
円盤状にカットした前記正極、及び円盤状にカットした前記負極を用い、セパレータとしてガラスフィルターを挟んでケース内に保持した。その後、先に調製した非水電解質をケース内に注入し、かしめ機により密閉、封止して、実施例1の非水電解質二次電池(φ20mm、厚さ3.2mmのコイン型)を作製した。
[実施例2〜225]
実施例1の非水電質に、化合物No.1−1及び化合物1a−1の代わりに表1〜表12に示す化合物を添加した以外は、実施例1と同様の操作により実施例2〜225の非水電解質二次電池を作製した。表中のカッコ内は、非水電解質中の各化合物の質量分率(質量%)を示す。
[比較例1〜18]
実施例1の非水電解質に、化合物No.1−1及び化合物No.1a−1の代わりに表13に示す化合物を加えた以外は、実施例1と同様の操作により比較例1〜18の非水電解質二次電池を作製した。表中のカッコ内は、電解質中の化合物の質量分率(質量%)を示す。
[比較例19]
実施例1の非水電解質において、化合物No.1−1及び化合物No.1a−1を含めない以外は、実施例1と同様の操作により比較例19の非水電解質二次電池を作製した。
<充放電評価>
実施例1〜225及び比較例1〜19の非水電解質二次電池を、25℃の恒温槽に入れ、充電終止電圧を4.2V、放電終止電圧を2.5Vとし、充電レート0.2C、放電レート0.2Cの充放電試験を5サイクル行った。その後、45℃の恒温槽に入れ、充電終止電圧を4.2V、放電終止電圧を2.5Vとし、充電レート0.5C、放電レート0.5Cの充放電試験を200サイクル行った。200サイクル後の放電容量と、10サイクル目の充電容量の比率(容量維持率)を表1〜表13に示す。
表1〜表13に示す様に、実施例1〜実施例225は、比較例1〜比較例19と比べ容量維持率が高く、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池であった。
1 正極
1a 正極集電体
2 負極
2a 負極集電体
3 非水電解質
4 正極ケース
5 負極ケース
6 ガスケット
7 セパレータ
10 コイン型の非水電解質二次電池
10’円筒型の非水電解質二次電池
11 負極
12 負極集電体
13 正極
14 正極集電体
15 非水電解質
16 セパレータ
17 正極端子
18 負極端子
19 負極板
20 負極リード
21 正極板
22 正極リード
23 ケース
24 絶縁板
25 ガスケット
26 安全弁
27 PTC素子

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)〜(3)及び式(4)〜(12)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物と、リチウム塩と、溶媒及び/又は分散媒と、を含有してなる組成物。
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素原子数1〜10の炭化水素基を表し、Rは、炭素原子数1〜10のn価の炭化水素基、炭素原子数1〜10の炭化水素基が、酸素原子若しくは硫黄原子で連結されたn価の基、または酸素原子若しくは硫黄原子を含む炭素原子数3〜6のn価の複素環基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6の炭化水素基、炭素原子数4〜6の複素環基、1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された、炭素原子数1〜6の炭化水素基、または1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された、炭素原子数4〜6の複素環基を表し、R10〜R12はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6の炭化水素基、または炭素原子数1〜6のアルコキシ基を表す。)
    (式中、R13、R14はそれぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6の炭化水素基を表し、mは3〜6の整数を表す。)
  2. 前記一般式(1)〜(3)及び式(4)〜(12)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物と、リチウム塩と、溶媒と、を含有してなる請求項1に記載の組成物。
  3. 前記一般式(1)〜(3)で表される化合物からなる群から選ばれる1種の化合物Aと、前記一般式(1)〜(3)及び式(4)〜(12)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物B(ただし、化合物Aを除く。)とを含有する請求項1または2に記載の組成物。
  4. 一般式(1)〜(3)及び式(4)〜(12)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物の合計含有量が0.01〜10質量%である、請求項1〜3いずれか1項に記載の組成物。
  5. 一般式(1)で表される化合物のRが、炭素原子数2〜10のn価の脂肪族炭化水素基、炭素原子数1〜10の脂肪族炭化水素基が酸素原子若しくは硫黄原子で連結されたn価の基、または酸素原子若しくは硫黄原子を含む炭素原子数3〜6のn価の複素環基を表し、nは2である、請求項1〜4いずれか1項に記載の組成物。
  6. 一般式(2)で表される化合物のR〜Rが、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6の脂肪族炭化水素基であり、R10〜R12がそれぞれ独立に炭素原子数1〜6の脂肪族炭化水素基である、請求項1〜5いずれか1項に記載の組成物。
  7. 一般式(3)で表される化合物のR13、R14が、それぞれ独立に、メチル基、ビニル基またはフェニル基であり、mが3または4である請求項1〜6いずれか1項に記載の組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物を用いた、非水電解質。
  9. 正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、請求項8に記載の非水電解質とを含む、非水電解質二次電池。


JP2018150611A 2018-08-09 2018-08-09 組成物、非水電解質及び非水電解質二次電池 Pending JP2020027695A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018150611A JP2020027695A (ja) 2018-08-09 2018-08-09 組成物、非水電解質及び非水電解質二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018150611A JP2020027695A (ja) 2018-08-09 2018-08-09 組成物、非水電解質及び非水電解質二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020027695A true JP2020027695A (ja) 2020-02-20

Family

ID=69620235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018150611A Pending JP2020027695A (ja) 2018-08-09 2018-08-09 組成物、非水電解質及び非水電解質二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020027695A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022158702A1 (ko) * 2021-01-21 2022-07-28 삼성에스디아이 주식회사 첨가제, 이를 포함하는 리튬 이차 전지용 전해액 및 리튬 이차 전지

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022158702A1 (ko) * 2021-01-21 2022-07-28 삼성에스디아이 주식회사 첨가제, 이를 포함하는 리튬 이차 전지용 전해액 및 리튬 이차 전지

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6721669B2 (ja) 固体電解質組成物、全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池、並びに、全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法
WO2018168505A1 (ja) 固体電解質組成物、固体電解質含有シートおよび全固体二次電池、並びに、固体電解質組成物、固体電解質含有シートおよび全固体二次電池の製造方法
JP2007305545A (ja) リチウムイオン電池
KR20200127155A (ko) 유기 황계 전극 활물질
WO2019181703A1 (ja) 内部短絡による熱暴走の抑制方法
WO2019088088A1 (ja) スラリー組成物、及びスラリー組成物を用いた電極
WO2019208153A1 (ja) 非水電解質二次電池
KR20230148175A (ko) 도전성 언더코트제
WO2020170833A1 (ja) 電解質用組成物、非水電解質及び非水電解質二次電池
US20200243860A1 (en) Method for producing organo-sulfur electrode active material
WO2022004696A1 (ja) 硫黄変性ポリアクリロニトリル、それを含む電極活物質、該電極活物質を含む二次電池用電極、該電極の製造方法及び該電極を用いた非水電解質二次電池
KR20200135301A (ko) 리튬이온 이차전지, 및 그의 작동 방법
WO2020017378A1 (ja) 非水電解質二次電池
JP2020027695A (ja) 組成物、非水電解質及び非水電解質二次電池
JP7216073B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2019220415A (ja) 組成物、非水電解質及び非水電解質二次電池
JP2021114435A (ja) 非水電解質添加剤、それを含有する非水電解質及び非水電解質二次電池
WO2021060043A1 (ja) 硫黄変性ポリアクリロニトリル
JP2021118031A (ja) 非水電解質二次電池
TW202123523A (zh) 熱失控抑制劑
WO2024057992A1 (ja) 硫黄含有材料、硫黄含有電池材料、電極及び電池
US20220340693A1 (en) Production method of sulfur-modified polyacrylonitrile
WO2021124522A1 (ja) 電極活物質及びその製造方法、電極合剤層形成用組成物、非水電解質二次電池用電極並びに非水電解質二次電池
JP2021051854A (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
JP2017091851A (ja) 非水電解液二次電池の製造方法