JP2020027002A - 粒子検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロ流路チップを使用して粒子(特にサブビジブル粒子)を検出するにあたり、S/N比の低下を抑制して粒子を良好に検出する方法の提供。【解決手段】第1基板と前記第1基板に接合した第2基板とを備え、前記第1基板と前記第2基板との間に、粒子を含む流体が流れるマイクロ流路が形成されている、マイクロ流路チップと、第1基板側から前記粒子を含む流体に光を照射する光照射部と、前記光照射部からの光を前記流体に照射することによって前記粒子で発生する散乱光を検出する検出部と、を備える粒子検出装置であって、前記光照射部から光を照射することによって前記第1基板で発生する散乱光が、前記検出部で検出されることが防止されている、前記装置。【選択図】図3A

Description

本発明は、粒子を検出する装置に関する。
サブビジブル粒子と言われる直径が0.1から数μmの粒子は、医学及び薬学分野で注目されている。この範囲の粒径を有する粒子としては、エクソソーム、リポソーム、ウイルス様粒子、抗体医薬品の凝集体、ワクチン粒子などがあり、それらの分析及び評価方法が熱望されている。これらの粒子を検出する手法は幾つか存在するが、精度よく検出する方法は知られていない。光学的手法において理論的に光源の波長の1/2程度が検出限界であるが、現時点において、高出力及び高感度に利用可能な測定波長が400〜500nm付近の光源及びその検出素子(例えばカメラ、光センサー)しか存在しない。サブビジブルサイズの粒子の検出に必要な400nm以下の測定波長で利用可能な光源及び検出素子で性能の良いものは現時点で存在しない。光学的手法の限界を解消する方法として、直接粒子を観測するのではなく、粒子の散乱光を検出する方法がある。
粒子の散乱光を検出する装置として、レーザー回折・散乱法(非特許文献1)を利用した装置であるAggregates Sizer(島津製作所製)や、ナノトラッキング法(特許文献1)を利用したナノサイト(Malvern Instruments製)が存在する。
特許第4002577号
JOURNAL OF PHARMACEUTICAL SCIENCES 104:618-626(2015)
マイクロ流路チップに光を照射しながら粒子を検出する方法(例えばレーザー回折・散乱法)において、マイクロ流路チップの表面の粗さのために、光源から照射された光は当該チップ基板を完全に透過することはできず、当該光がマイクロ流路チップに入射する領域に散乱光が発生する。当該散乱光が検出部に入射することで、マイクロ流路を流れる粒子から生じる散乱光の検出に際してシグナル−ノイズ比(S/N比)が低下するという問題があった。
したがって本発明は、マイクロ流路チップを使用して粒子(特にサブビジブル粒子)を検出するにあたり、S/N比の低下を抑制して粒子を良好に検出する方法の提供を課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、以下の粒子検出装置を発明するに至った。
すなわち、本発明は、
第1基板と前記第1基板に接合した第2基板とを備え、前記第1基板に掘削された流路構造と前記第2基板との間に、粒子を含む流体が流れるマイクロ流路が形成されている、マイクロ流路チップと、
第1基板側から前記粒子を含む流体に光を照射する光照射部と、
前記光照射部からの光を前記流体に照射することによって前記粒子で発生する散乱光を検出する検出部と、
を備える粒子検出装置であって、
前記光照射部から光を照射することによって前記第1基板で発生する散乱光が、前記検出部で検出されることが防止されている、前記装置に関する。
上述の防止手段の具体例としては:
(1)第1基板で発生する散乱光の発生領域が前記検出部の検出範囲から外れるように光照射部を配置する;
(2)第1基板に、第1基板で発生する散乱光が検出部で検出されることを防止するための遮蔽板を設ける;
(3)第1基板表面の光入射領域に、第1基板と同一の屈折率を有する液体を塗布する;
等が挙げられる。
前記流路を、粒子を分級可能な流路とすれば連続的に粒子の粒径と数を検出できるため、好ましい。また、前記第1基板の材質としては、微細加工の性能に優れたポリジメチルシロキサン(PDMS)が好ましい。
本発明により、マイクロ流路チップを使用して粒子を検出するにあたり、S/N比の低下を抑制して粒子(特にサブビジブル粒子)を良好に検出することができる。
従来の粒子検出装置の一態様の断面図である。 従来の粒子検出装置の一態様を、第1基板側から見た平面図である。図中の矢印は、流体の流れる方向を示す。 ノイズ領域が検出部の検出範囲から外れるように光照射部を配置した本発明の粒子検出装置の一態様を、第1基板側から見た平面図である。 図3Aの平面図から、光照射部、第1基板及び流路を残した平面図である。図中のaは、マイクロ流路の中心線110と光照射部400から照射された光との交点を始点とし、光照射部400の端部からマイクロ流路の中心線に垂直に引いた線と前記中心線との交点を終点とする直線の長さである。図中のbは、光照射部400の端部を始点とし、光照射部400の端部からマイクロ流路の中心線に垂直に引いた線と前記中心線との交点を終点とする直線の長さである。図中のcは、当該平面図においてマイクロ流路の中心線110と光照射部400から照射された光とのなす角度である。 第1基板に遮蔽板が設けられている、本発明の粒子検出装置の一態様の断面図である。 第1基板に遮蔽板が設けられている本発明の粒子検出装置の一態様を、第1基板側から見た平面図である。 第1基板の光入射領域に第1基板と同一の屈折率を有する液体が塗布されている、本発明の粒子検出装置の一態様の断面図である。 第1基板の光入射領域に第1基板と同一の屈折率を有する液体が塗布されている、本発明の粒子検出装置の一態様を第1基板側から見た平面図である。 実施例1の粒子の散乱光とノイズを観測したカメラ画像である。 実施例2の粒子の散乱光とノイズを観測したカメラ画像である。 実施例3の粒子の散乱光を観測したカメラ画像である。 比較例1の粒子の散乱光とノイズを観測したカメラ画像である。 比較例2の粒子の散乱光とノイズを観測したカメラ画像である。 実施例3(シリコーンオイル塗布有り)及び比較例3(シリコーンオイル塗布無し)における、観察される輝点の数と輝度との関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態、実施例の例示にのみ限定されるものではない。
従来の粒子検出装置の一態様を図1に示す。図1に示す粒子検出装置は、
第1基板200と当該第1基板に接合した第2基板300とを備え、当該第1基板と第2基板との間に、粒子を含む流体が流れるマイクロ流路100が形成されている、マイクロ流路チップと、
光照射部400と、
散乱光を検出する検出部600と
を備える。
光照射部400から照射された光(好ましくはレーザー光)は、マイクロ流路100を流れる粒子500を含む流体に照射されることで、粒子で発生する散乱光800と、散乱せずに直進する光700に分離される。散乱光800を検出部600で検出することで、マイクロ流路100を流れる流体中の粒子500の個数と粒子500の位置情報を検出することができる。
マイクロ流路チップは、モールディング、エンボッシング、フォトリソグラフィー、ソフトリソグラフィー、ウェットエッチング、ドライエッチング、ナノインプリンティング、レーザー加工、電子線直接描画、機械加工等の技術を用いることで容易に作製可能である。また、第1基板及び第2基板の材質としては、PDMS、アクリル樹脂等の各種ポリマー材料、ガラスなどを用いることができ、また、これらの材料のうち、任意の2種類の基板を組み合わせて用いることも可能である。好ましくは、第1基板の材質はPDMSである。作製の容易さから、マイクロ流路の幅及び深さは、サブミクロンから数百μmの値に設定することが好ましい。特にナノ〜マイクロレベル程度の大きさを持つ粒子を検出する場合、マイクロ流路の幅及び深さはサブミクロンから数十μmの値に設定することが好ましい。第1基板と第2基板との接合方法は特に限定されず、接着剤を用いる手法、熱圧着法、超音波接合法等で行うことができる。
図1で光照射部400から照射された光が第1基板に入射する際、第1基板の表面の粗さに起因する散乱光(以下で「ノイズ」とも呼ぶ)が生じる。第1基板における散乱光の発生領域(以下でノイズ領域900とも呼ぶ)が測定対象の粒子の散乱光の発生領域の近傍である場合(図2参照)、S/N比が低下して、粒子の散乱光の検出が困難となる。
図3A及び3Bは本発明の粒子検出装置の一態様を示す。図1の粒子検出装置とは、光照射部400の位置が異なる。本発明者らは光照射部の空間配置について鋭意検討した結果、例えば図3Bに示す、本発明の粒子検出装置を第1基板側から見た平面図において、マイクロ流路の中心線110と光照射部400から照射された光とのなす角(図3B中のc)が0度超であって、かつ180度未満とすることで、ノイズを検出範囲から外すことができることを見出した。前記角度が0度又は180度である場合、第1基板における散乱光が、その直下を流れる粒子に当たって散乱する。ここで生じた粒子からの散乱光が検出部600の検出範囲に入るため、検出範囲全体の明るさが上昇して、本来観測したい検出範囲の粒子の散乱光のコントラストを下げてしまうと考えられる。上記のようにノイズを検出範囲から外すことで検出部600の検出範囲における粒子の散乱光のコントラストの低下を抑制することができる。
図4及び5は本発明の粒子検出装置の一態様を示す。図1の粒子検出装置とは、第1基板に遮蔽板1000が設けられている点で異なる。遮蔽板1000は、第1基板の表面に設置されてもよいし、又は図4及び5で示すように、遮蔽板を第1基板に埋め込んでもよい。当該遮蔽板によって、検出部の検出範囲へのノイズの入り込みを防止することができる。遮蔽板の位置はノイズ領域900と測定対象の粒子の散乱光の発生領域との間であることが好ましい。好ましくは、遮蔽板は図5に示すように流路に流体が流れる方向に対して直交するように設置される。遮蔽板は図4に示すように第1基板のマイクロ流路に接する面に達するまで埋め込まれてもよいし、検出範囲にノイズが入ることが妨げられている限り、マイクロ流路に接する面に到達しない程度に埋め込まれてもよい。遮蔽板の大きさには制限はないが、使用する光の線幅以上の大きさが好ましく、図5で示されるようにマイクロ流路の幅以上の大きさがより好ましい。遮蔽板の色は光の反射を防ぐため黒色が好ましい。
図6及び7は、本発明の粒子検出装置の一態様を示す。図1の粒子検出装置とは、第1基板表面の光入射領域に、第1基板と同一の屈折率を有する液体1100が塗布されている点で異なる。第一基板がポリマー樹脂である場合は、ポリマーに対応するモノマーを用いることで、同一の屈折率を有する液体を塗布できる。例えば、第1基板がPDMSである場合、第1基板と同一の屈折率を有する液体としてシリコーンオイルが、アクリル樹脂の場合はメタクリル酸メチルが挙げられる。また第1基板がガラスの場合は屈折率の近いアルコールやパラフィン油を塗布することで、類似の効果が得られる。図6及び7に示すように、第1基板と同一の屈折率を有する液体を塗布することによって、第1基板表面にある凸凹による散乱光の発生を防止することができる。図7に記載のように、当該液体を塗布する範囲は使用する光の線幅以上であれば良く、第1基板の全面に塗布しても問題はない。
本発明の粒子検出装置において使用されるマイクロ流路は、好ましくは粒子を分級可能な流路である。そのような流路としては、ピンチドフローフラクショネーション法を利用する態様(例えば、M. Yamada, M. Nakashima, and M. Seki, Anal. Chem. 76, 5465-5471(2004)を参照)、水力学的作用を利用する態様(例えば、M. Yamada et al., Lab on a Chip, 5, 1233-1239 (2005)を参照)、決定論的分離作用を利用する態様(例えばKeith J. Morton. et al., Proceedings of National Academic Society, Vol. 105, No21, pp. 7434-7438 (2008)を参照)、慣性力を利用する態様(例えばMehdi Rafeie et al., Lab on a Chip, 16, 2791-2802 (2016)を参照)が例示できる。
本発明の粒子検出装置における検出対象粒子は、試料および流体に対し不溶性の物質からなる粒子であれば特に限定はなく、一例としてビーズ、粉砕用ボール、液晶用スペーサー、クロマトグラフィー用分離剤、吸着剤といった工業材料や、細胞、DNA、抗体などのタンパク質、ウイルスといった研究用・医療用材料が挙げられる。抗体などタンパク質の大きさ(粒径)は一般に数nm程度であるが、製造工程で機械的または熱ストレスなどにさらされると凝集し、不溶化するおそれがある。不溶化したタンパク質の大きさ(粒径)は数十nmから数十μm程度である。数十nm程度の不溶化タンパク質であれば、従来のカラムクロマトグラフィー法や超遠心分離法で分離・除去することができる。しかしながら粒径0.1μmから2μm程度のサブビジブル凝集体に該当する不溶化タンパク質は、前述した従来法では精度よく検出することができなかった。本発明の粒子検出装置は、サブビジブル凝集体であっても精度よく検出できる。
本発明において、マイクロ流路チップに導入する流体は、検出する粒子に応じ、適宜当該粒子に対し不溶性の液体を選択すればよい。例えば検出する粒子が工業材料の場合、製造時用いた溶媒をそのまま用いてもよいし、水などの安価かつ無害な溶媒に置換してもよい。一方、検出する粒子が細胞、ウイルス、抗体といった生体試料の場合は、製造時または調製時に用いた溶媒を用いると好ましい。具体的には検出する粒子が細胞の場合、当該細胞の生存を担保する点で、培養に用いた培地、全血、血漿、生理食塩水、PBS(Phosphate Buffered Saline)、TBS(Tris Buffered Saline)などが好ましい。なお、流体に界面活性剤、タンパク質、pH調製剤、安定剤、増粘剤、保存剤、抗生物質、ポリマー、モノマーなどの添加物を添加してもよい。
本発明の方法で使用可能な光照射部は、検出する粒子の性状に応じ、適宜選択すればよい。光照射部は、指向性の高い光を照射できる限り特に限定されず、水銀ランプ、タングステンランプ、蛍光ランプ、発光ダイオード、ナトリウムランプ、キセノンランプなどが利用できるが、レーザー光源(例えば緑色レーザー光源)が好ましい。なお、検出対象粒子が蛍光色素や発光色素などで染色されている場合は、当該蛍光の励起波長に相当する光源を用いることが好ましい。また、光源の出力や検出部の感度の点で500nm付近の光源を用いることが好ましい。
本発明の粒子検出装置において使用される検出部は、特に限定されないが、例えばカメラ、光センサー、顕微鏡が挙げられる。検出部は、第1基板側(すなわち、第2基板から第1基板に向かう方向に位置する空間であって、光照射部が配置されている空間)に配置されていてもよいし、第2基板側(すなわち、第1基板から第2基板に向かう方向に位置する空間であって、光照射部が配置されていない空間)に配置されていてもよい。好ましくは、検出部は図3〜7に示されるように第2基板側に配置される。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
なお、流体中の検出対象粒子として、0.1μm粒子としてポリスチレン標準粒子3100A(ThermoFisher製)、および0.5μm粒子としてポリスチレン標準粒子3500A(ThermoFisher製)を用いた。検出対象粒子を含有する流体としては、0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBS溶液(リン酸緩衝液)を用いた。0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBS溶液は、実験前にポアサイズ0.1μmのシリンジフィルター(メルクミリポア社製)を用いて異物除去を行ってから用いた。
以下の実施例及び比較例において、倒立型顕微鏡IX71(オリンパス社)を用い、光照射部として520nm緑色LED光源(PGL-F-520-20mW、Changchun New Industries Optoelectronics Tech. Co., Ltd.製)を用いて観察領域へ照射し、粒子による散乱光を検出部としてデジタルCMOSカメラORCA−FLASH(浜松ホトニクス社)を用いて観察した。
製造実施例
マイクロ流路チップの製造
以下の実施例及び比較例において使用されるマイクロチップは、一般的なフォトリソグラフィーとソフトリソグラフィー技術を用いて作製した。具体的な手順を以下の通り示す。
4インチベアシリコンウェハ(株式会社フィルテック)上へ、フォトレジストSU−8 3005(Microchem社)を滴下後、スピンコーター(MIKASA社)を用いてフォトレジスト薄膜を形成した。マスクアライナー(ウシオ電機社)と、任意のパターンを形成したクロムマスクを用いて流路パターンをフォトレジスト膜へ形成し、SU−8Developer(Microchem社)を用いて流路パターンを現像することで、用いたい流路の鋳型を作製した。
続いて、作製した鋳型へ、SYLGARD SILICONE ELASTOMER KIT(東レ・ダウコーニング社)を用いて調製した未硬化のシロキサンモノマーと重合開始剤の混合物(重量比10:1)を流し込み、80℃で2時間加熱することで、流路の形状を転写されたポリジメチルシロキサン(PDMS)を作製した。硬化したPDMSを鋳型から慎重に剥がし、カッターで任意の大きさに成形後、パンチャーを用いて流路の入り口側ポート及びアウトレットを形成した。剥離したPDMSとスライドガラス(松浪ガラス社)を酸素プラズマ発生装置(メイワフォーシス社)で表面処理後、PDMSとスライドガラスを貼り合わせることでマイクロチップを作製した。
実施例1
図3Bのaが14cmであり、bが5mmであり、かつ第1基板(PDMS基板)表面から光照射部の端部までの高さが10cmとなるように、光照射部を設置した。光を照射しながら、マイクロ流路へ、粒子(0.5μm粒子)を含む流体を0.2μL導入した。次に、流速2μL/hでリン酸緩衝液を送液し、図8の顕微鏡像を得た。ノイズ領域が検出範囲から離れ、粒子の散乱光を明確に検出できた。
実施例2
上記で製造したマイクロ流路チップの流路に流体が流れる方向に対して直交するように、黒色の遮蔽板を、第1基板の流路に接する面に到達するまで埋め込んで配置した(図4)。図3Bのaが14mであり、bが5mmであり、かつ第1基板表面から光照射部の端部までの高さが10cmとなるように、光照射部を設置した。実施例1と同様に光を照射しながらマイクロ流路へ粒子(0.5μm粒子)を含む流体を送液し、図9の顕微鏡像を得た。遮蔽板によってノイズが検出範囲に入ることが防止され、粒子の散乱光を明確に検出できた。
実施例3
上記で製造したマイクロ流路チップの第1基板表面の光入射領域にシリコーンオイル(信越化学製)を塗布した。図3Bのaが14cmであり、bが5mmであり、かつ第1基板表面から光照射部の端部までの高さが10cmとなるように、光照射部を設置した。実施例1と同様に光を照射しながら粒子(0.1μm粒子)を含む流体を送液し、図10の顕微鏡像を得た。シリコーンオイルによって第1基板において発生するノイズが防止され、粒子の散乱光を明確に検出できた。
比較例1
実施例1で用いたマイクロ流路チップを用いた。図3Bのaが14cmであり、bが0mmであり、かつ第1基板表面から光照射部の端部までの高さが10cmとなるように、光照射部を設置した。実施例1と同様の条件で、光を照射しながらマイクロ流路に粒子を含む流体を送液し、図11の顕微鏡像を得た。粒子の散乱光がノイズに隠れて、明確に判別できなかった。
比較例2
実施例2で用いたものと遮蔽板を設置しないこと以外は同一形状のマイクロ流路チップを用いた。実施例2と同様の条件で、光を照射しながらマイクロ流路に粒子を含む流体を送液し、図12の顕微鏡像を得た。粒子の散乱光がノイズに隠れて、明確に判別できなかった。
比較例3
実施例3で用いたマイクロ流路チップを用いた。マイクロ流路チップの第1基板表面の光入射領域にシリコーンオイルを塗布しない点以外は実施例3と同様の条件で、光を照射しながらマイクロ流路に粒子を含む流体を送液した。図13は、実施例3及び比較例3において、検出部で検出される輝点の数と輝度との関係を示す。輝度値は、検出画像をソフトウェア(ImageJ;アメリカ国立衛生研究所が配布)に取り込み、まずFind Maximaによって極大値の座標一覧を求め、次にMeasureによって各座標の輝度値を求めた。実施例3(実線)と比較して比較例3(破線)ではノイズ(高輝度側の輝点)が増えるため、相対的に粒子の散乱光(低輝度側の輝点)の観測数が減ることが分かった。
100:マイクロ流路
110:マイクロ流路の中心線
200:第1基板
300:第2基板
400:光照射部
500:粒子
600:検出部
700:光
800:粒子で発生する散乱光
900:ノイズ領域
1000:遮蔽板
1100:第1基板と同一の屈折率を有する液体

Claims (6)

  1. 第1基板と前記第1基板に接合した第2基板とを備え、前記第1基板と前記第2基板との間に、粒子を含む流体が流れるマイクロ流路が形成されている、マイクロ流路チップと、
    第1基板側から前記粒子を含む流体に光を照射する光照射部と、
    前記光照射部からの光を前記流体に照射することによって前記粒子で発生する散乱光を検出する検出部と、
    を備える粒子検出装置であって、
    前記光照射部から光を照射することによって前記第1基板で発生する散乱光が、前記検出部で検出されることが防止されている、前記装置。
  2. 前記第1基板における散乱光の発生領域が前記検出部の検出範囲から外れるように、前記光照射部が配置されている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1基板に、前記第1基板で発生する散乱光が前記検出部で検出されることを防止するための遮蔽板が設けられている、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記第1基板表面の光入射領域に、前記第1基板と同一の屈折率を有する液体が塗布されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記マイクロ流路は粒子を分級可能な流路である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記第1基板の材質がポリジメチルシロキサンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
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