JP2020026400A - アセチルコリンエステラーゼ阻害剤 - Google Patents

アセチルコリンエステラーゼ阻害剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、アセチルコリンエステラーゼの活性を阻害することにより認知症予防に有用である新規なアセチルコリンエステラーゼ阻害剤を提供することを課題とする。【解決手段】 本発明のアセチルコリンエステラーゼ阻害活性剤は、2’,4−ジヒドロキシカルコン骨格を基本骨格とし、当該基本骨格における3’位にゲラニル基を有するか、及び/又は、4’位に低級アルコキシ基を有するカルコン類を有効成分とする。好ましくは、4−ヒドロキシデリシン、キサントアンゲロール及びキサントアンゲロールFからなる群より選ばれる少なくとも1種のカルコン類を有効成分とし、特に好ましくは、キサントアンゲロールFを有効成分とする。本発明のアセチルコリンエステラーゼ阻害活性剤は、また、アシタバ中のカルコン類を有効成分とする。【選択図】なし

Description

本発明は、アセチルコリンエステラーゼの活性を阻害することにより認知症予防に有用なアセチルコリンエステラーゼ阻害剤に関する。
内閣府の平成29年版高齢社会白書によると、65歳以上の認知症高齢者数と有病率の将来推計では、平成24(2012)年は認知症高齢者数が462万人と、65歳以上の高齢者の約7人に1人(有病率15.0%)であったが、平成37(2025)年には患者数は約700万人と、65歳以上の高齢者の約5人に1人になるとされている。
認知症にはアルツハイマー型、血管性、レビー小体型、前頭側頭型などのタイプがあるが、アルツハイマー型認知症の患者数が最も多く、全体の6割以上を占めるとされる。
アルツハイマー型認知症では、脳内のアセチルコリンが減少するため、アセチルコリンの減少に関与するアセチルコリンエステラーゼ(以下、「AChE」と略記することがある)の阻害剤が治療薬として用いられている。
現在、AChE阻害剤として、ドネペジル塩酸塩(donepezil hydrochloride)、ガランタミン(galantamine)、リバスチグミン(rivastigmine)の3剤が臨床使用されている。
これらの薬剤にはそれぞれの特徴があるが、より副作用が少ない薬剤や阻害部位の異なる薬剤などの開発課題もある。
一方、日常の食習慣から、認知症予防を目指す研究開発も進められており、緑茶を習慣的に摂取することによる予防効果の研究事例がある。この緑茶の摂取と認知症予防の関係については様々な視点から研究されており、近年、緑茶中にAChE阻害作用があることが報告され、AChE阻害作用の高い茶の品種の同定がなされている(非特許文献1参照。)。このように、認知症予防に対するひとつのアプローチとして、日常の食習慣の中での継続的なAChE阻害作用食品の摂取が考えられており、現在、そのような食品の探索が行われている。
日本製紙株式会社、"高機能茶「サンルージュ」の「加齢による認知機能の低下抑制効果」を動物試験で確認"[online]、平成28年11月18日、[平成30年8月6日検索]、インターネット<URL:https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2016/news161118003566.html>
本発明は、アセチルコリンエステラーゼの活性を阻害することにより認知症予防に有用である新規なAChE阻害剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、セリ科シシウド属の日本の固有種であるアシタバ(Angelica keiskei)の茎や根の切り口から滲み出た黄汁の主成分であるカルコン類に、AChE阻害作用を見出した。イン・ビトロの酵素阻害実験での精査の結果、AChE阻害作用には、2’,4−ジヒドロカルコン骨格が大きく働き、3’位のゲラニル基および4’位のアルコキシ基が効果を増強させることが分かった。
本発明は上記知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明にかかるAChE阻害剤は、2’,4−ジヒドロキシカルコン骨格を基本骨格とし、当該基本骨格における3’位にゲラニル基を有するか、及び/又は、4’位に低級アルコキシ基を有するカルコン類を有効成分とする。
本発明にかかるAChE阻害剤は、また、アシタバ中のカルコン類を有効成分とする。
本発明のAChE阻害剤は、アセチルコリンエステラーゼの活性を阻害することにより認知症予防に有用である。特に、有効成分はアシタバから得ることができるので、日常の食習慣の中で継続的に摂取可能なAChE阻害作用食品として利用することができる。
中でも、キサントアンゲロールFは、臨床応用されているガランタミン臭化水素酸塩に匹敵する高いAChE阻害作用を発揮する。
以下、本発明にかかるAChE阻害剤について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
本発明にかかるAChE阻害剤の有効成分となるカルコン類は、基本骨格として、下式(1)で表される2’,4−ジヒドロキシカルコン骨格を有する。
Figure 2020026400
そして、本発明にかかるAChE阻害剤は、上記基本骨格における3’位にゲラニル基を有するか、及び/又は、4’位に低級アルコキシ基を有するカルコン類を有効成分とする。
本発明者の検討した結果によれば、AChE阻害作用には、2’,4−ジヒドロキシカルコン骨格が大きく働き、3’位のゲラニル基及び4’位の低級アルコキシ基によってAChE阻害活性が増強されることが分かった。そして、これらの両方、すなわち、3’位にゲラニル基を有し、かつ、4’位に低級アルコキシ基を有する場合に、極めて高いAChE阻害活性が発揮されることが分かった。
これらの特徴を備えるカルコン類であれば、本発明の効果を害しない限度で、上記基本骨格におけるベンゼン環上の水素がさらに置換されていても良い。
上記において、4’位の低級アルコキシ基は、例えば、炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルコキシ基であり、メトキシ基が好ましい。
上記条件を満たすカルコン類として、4−ヒドロキシデリシン、キサントアンゲロール、キサントアンゲロールFが好ましく例示できる。
4−ヒドロキシデリシンは、下式(2)で表され、カルコン骨格における4’位にメトキシ基を有する。
Figure 2020026400
キサントアンゲロールは、下式(3)で表され、カルコン骨格における3’位にゲラニル基を有する。
Figure 2020026400
キサントアンゲロールFは、下式(4)で表され、カルコン骨格における3’位にゲラニル基を有し、4’位にメトキシ基を有する。このように、所定の置換位置にゲラニル基及びメトキシ基の両方を有するものであるから、特にAChE阻害活性が高い。
Figure 2020026400
本発明におけるカルコン類は、化学合成によって得られたものであっても良いが、天然物から得られたものであっても良い。
例えば、アシタバには種々のカルコン類が含まれていることが分かっており、その中には、本発明の条件を満たすカルコン類も含まれる。特に、4−ヒドロキシデリシン及びキサントアンゲロールが多く含まれており、キサントアンゲロールFも含まれる。
従って、アシタバ中のカルコン類を有効成分とするアセチルコリンエステラーゼ阻害剤も本発明に含まれる。
なお、アシタバ(明日葉、Angelica keiskei)は、セリ科シシウド属の植物である。日本原産で、房総半島から紀伊半島と伊豆諸島の太平洋岸に自生する。
アシタバ中のカルコン類を有効成分として利用する場合、全草を使用してもよいし、茎、根、葉、果実、種子、種皮、花などの一部を使用してもよい。
また、アシタバの茎、根、葉には多量の黄色物質が含まれており、その破切面から黄汁が滲出するのが特徴である。この黄汁には、本発明の条件を満たすカルコン類が多く含まれており、本発明に好適に利用できる。
アシタバの全草、その一部または黄汁は、そのまま使用してもよいが、加工処理を施して用いても良い。加工処理としては、例えば、磨砕、乾燥、粉砕、破砕、抽出、濃縮等が挙げられる。
具体的には、例えば、アシタバの全草、その一部、それらの粉砕物、黄汁などの原料を用い、溶媒で抽出することにより、カルコン類を得ることができる。
上記抽出に用いられる溶媒としては、目的とするカルコン類を抽出することのできる溶媒であれば特に制限されず、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、酢酸エチル、酢酸メチル等が挙げられ、酢酸エチルが好ましい。抽出溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
抽出後は、必要に応じてろ過、遠心分離、濃縮等を行っても良い。
さらに、抽出液を、クロマトグラフィーなどの公知の精製法により分離・精製しても良い。
また、抽出液を、凍結乾燥、減圧乾燥、噴霧乾燥などの公知の方法により乾燥させて固体状としても良い。
本発明のAChE阻害剤は、経口投与、非経口投与のいずれの投与経路で用いても良く、健康食品(飲料も含む)、食品添加剤、サプリメント、医薬用組成物などの原料として用いることができる。
例えば、アシタバの全草、その一部、それらの粉砕物、黄汁、それらからの抽出物(抽出溶媒を含む液状、その濃縮物又はそれらを乾燥した固体状等、使用形態は問わない)などを健康食品、食品添加剤、サプリメント、医薬用組成物などの原料として用いることができる。
本発明のAChE阻害剤を各種用途の原料として用いる場合、各種用途に常用される基材や薬剤と組み合わせて処方することができる。
以下、実施例を用いて、本発明にかかるAChE阻害剤について詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔アシタバエキスの抽出〕
アシタバの茎の破切面から出てくる黄汁(1kg)を酢酸エチル(3L)で3回抽出後、減圧濃縮を行い、アシタバの酢酸エチル抽出エキス(221.1g)を得た。
得られたエキスは、シリカゲル(2kg)のカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル系)により分離を行い、各成分の粗分画を得た。
得られた粗分画はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2−メタノール系およびn−ヘキサン−酢酸エチル系)およびオクタデシル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(90%メタノール)にて繰り返し精製を行い、カルコン類として4−ヒドロキシデリシン(12.8g)、キサントアンゲロール(12.3g)、キサントアンゲロールF(1.4g)、イソババカルコン(0.3g)、フラバノン類として4’−O−ゲラニルナリンゲニン(1.8g)、プロストラトールF(0.3g)を得た。
得られた化合物については、NMRを初めとするスペクトルデータの解析によりそれぞれの化合物の構造を決定した。
NMRスペクトルは、Agilent−NMR−vnmr600を用いて測定し、確認を行った。下記にそれぞれの化合物の1H−NMRおよび13C−NMRのスペクトルデータを示す。
<4−ヒドロキシデリシン>
4−ヒドロキシデリシンは、上述のとおり、下式(2)で表される。
Figure 2020026400
1H−NMRおよび13C−NMRのスペクトルデータは以下のとおりである。
1H−NMR(δppm,CDCl3):13.5(1H,s),7.84(1H,d,J=15.4Hz),7.80(1H,d,J=9.0Hz),7.57(2H,d,J=8.5Hz),7.48(1H,d,J=15.4Hz),6.89(2H,d,J=8.5Hz),6.50(1H,d,J=9.0Hz),5.78(1H,brs),5.23(1H,tm,J=7.6Hz),3.92(3H,s),3.40(2H,d,J=7.6Hz),1.80(3H,s),1.69(3H,s).
13C−NMR(δppm,CDCl3):193.4(s),164.0(s),163.5(s),159.2(s),145.0(s),132.6(s),131.2(d)×2,129.9(d),127.8(s),122.5(d),118.3(d),118.0(s),116.6(d)×2,115.1(s),102.8(d),56.1(q),26.0(q),21.9(q),18.0(q).
<キサントアンゲロール>
キサントアンゲロールは、上述のとおり、下式(3)で表される。
Figure 2020026400
1H−NMRおよび13C−NMRのスペクトルデータは以下のとおりである。
1H−NMR(δppm,CDCl3):13.81(1H,s),9.16(1H,brs),8.85(1H,brs),7.81(1H,d,J=15.4Hz),7.66(1H,d,J=8.8Hz),7.52(2H,d,J=8.6Hz),7.43(1H,d,J=15.4Hz),6.89(2H,d,J=8.6Hz),6.47(1H,d,J=8.8Hz),5.30(1H,tm,J=7.0Hz),5.07(1H,m),3.41(2H,d,J=7.0Hz),2.05(2H,m),2.01(2H,m),1.81(3H,s),1.65(3H,s),1.57(3H,s).
13C−NMR(δppm,CDCl3):193.2(s),164.5(s),162.6(s),159.0(s),145.1(d),140.0(s),132.6(s),131.2(d)×2,129.9(d),128.0(s),124.3(d),121.5(d),118.3(d),116.6(d)×2,114.8(s),114.4(s),108.6(d),40.0(t),26.6(t),25.9(q),21.9(t),17.9(q),16.5(q).
<キサントアンゲロールF>
キサントアンゲロールFは、上述のとおり、下式(4)で表される。
Figure 2020026400
1H−NMRおよび13C−NMRのスペクトルデータは以下のとおりである。
1H−NMR(δppm,CDCl3):13.50(1H,s),7.82(1H,d,J=15.4Hz),7.78(1H,d,J=9.1Hz),7.52(2H,d,J=8.6Hz),7.45(1H,d,J=15.4Hz),6.87(2H,d,J=8.6Hz),6.49(1H,d,J=9.1Hz),6.10(1H,brs),5.24(1H,tm,J=6.9Hz),5.07(1H,m),3.90(3H,s),3.40(2H,d,J=6.9Hz),2.05(2H,m),2.01(2H,m),1.79(3H,s),1.63(3H,s),1.56(3H,s).
13C−NMR(δppm,CDCl3):193.3(s),164.0(s),163.6(s),158.9(s),144.8(d),136.0(s),131.7(s),131.1(d)×2,129.8(d),128.1(s),125.0(d),122.4(d),118.5(d),118.5(s),116.5(d)×2,115.1(s),102.7(d),56.2(q),40.1(t),26.9(t),25.9(q),21.9(t),17.9(q),16.3(q).
<イソババカルコン>
イソババカルコンは下式(5)で表される。
Figure 2020026400
1H−NMRおよび13C−NMRのスペクトルデータは以下のとおりである。
1H−NMR(δppm,CDCl3):13.86(1H,s),7.84(1H,d,J=15.2Hz),7.73(1H,d,J=8.9Hz),7.56(2H,d,J=8.7Hz),7.46(1H,d,J=15.2Hz),6.88(2H,d,J=8.7Hz),6.42(1H,brs),5.51(1H,brs),5.30(1H,tm,J=7.1Hz),3.48(2H,d,J=7.1Hz),1.84(3H,d,J=1.5Hz),1.77(3H,d,J=1.5Hz).
13C−NMR(δppm,CDCl3):192.2(s),163.9(s),161.5(s),158.0(s),144.0(d),135.9(s),130.5(d)×2,129.2(d),127.7(s),121.1(d),118.1(d),116.0(d)×2,114.1(s),114.0(s),107.7(d),25.8(q),21.8(t),17.9(q).
<4’−O−ゲラニルナリンゲニン>
4’−O−ゲラニルナリンゲニンは下式(6)で表される。
Figure 2020026400
1H−NMRおよび13C−NMRのスペクトルデータは以下のとおりである。
1H−NMR(δppm,CDCl3):12.04(1H,s),7.36(2H,d,J=8.8Hz),6.96(2H,d,J=8.8Hz),6.24(1H,brs),6.00(1H,d,J=2.2Hz),5.97(1H,d,J=2.2Hz),5.49(1H,tm,J=6.6Hz),5.36(1H,dd,J=13.0,3.1Hz),5.09(1H,tm,J=6.9Hz),4.56(1H,d,J=6.6Hz),3.10(1H,dd,J=17.2,13.0Hz),2.78(1H,dd,J=17.2,3.1Hz),2.06−2.16(2H,m),1.74(3H,d,J=1.4Hz),1.68(3H,d,J=1.4Hz),1.60(3H,d,J=1.4Hz).
13C−NMR(δppm,CDCl3):196.2(s),164.7(s),164.3(s),163.3(s),159.3(s),141.6(s),131.8(s),130.1(s),127.7(d)×2,123.7(d),119.1(d),115.0(d)×2,103.1(s),96.7(d),95.5(d),79.0(d),65.0(t),43.0(t),39.5(t),26.3(t),25.7(q),17.7(q),16.7(q).
<プロストラトールF>
プロストラトールFは下式(7)で表される。
Figure 2020026400
1H−NMRおよび13C−NMRのスペクトルデータは以下のとおりである。
1H−NMR(δppm,CDCl3):7.45(1H,d,J=8.8Hz),7.31(2H,d,J=8.5Hz),6.90(2H,d,J=8.5Hz),6.79(1H,brs),6.56(1H,d,J=8.8Hz),6.38(1H,brs),5.39(1H,dd,J=12.9,2.9Hz),5.24(1H,tm,J=7.0Hz),5.04(1H,tm,J=6.9Hz),3.42(2H,d,J=7.0Hz),3.02(1H,dd,J=17.0,12.9Hz),2.83(1H,dd,J=17.0,2.9Hz),2.07(1H,m),2.01(1H,m),1.71(3H,d,J=1.2Hz),1.65(3H,d,J=1.2Hz),1.57(3H,d,J=1.2Hz).
13C−NMR(δppm,CDCl3):192.7(s),162.1(s),161.1(s),156.2(s),138.7(s),131.9(s),130.8(s),127.7(d)×2,126.5(d),123.8(d),120.9(d),115.6(d)×2,114.8(s),114.6(s),110.8(d),79.3(d),43.7(t),39.7(t),26.4(d),25.6(q),22.2(t),17.7(q),16.2(q).
〔AChE阻害活性の測定〕
上記で得た4−ヒドロキシデリシン、キサントアンゲロール、キサントアンゲロールF、イソババカルコン、4’−O−ゲラニルナリンゲニン、プロストラトールFを試料として、各試料のAChE阻害活性を測定した。陰性対照試料はジメチルスルホキシド(DMSO)、陽性対照試料はガランタミン臭化水素酸塩とした。また、その他の参考データとして、ナリンゲニン(LKT Laboratories,Inc.より購入)及びゲラニオール(和光純薬工業株式会社より購入)についてもAChE阻害活性を測定した。
具体的な測定方法を以下に示す。
試料をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。反応のための緩衝液は、50mMトリス塩酸緩衝液(pH=7.8)を用いた。
96穴マイクロプレートに緩衝液180μlを入れ、そこに試料5μlを加えた。さらに、緩衝液で調整した電気ウナギ由来アセチルコリンエステラーゼ(2units/ml)を10μlと、DMSOに溶解した酢酸1−ナフチル(18mM)を10μl加え、37℃で1時間反応させた。
反応後、5%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液25μlを加え反応を停止し、さらに2mMのFast Blue B水溶液25μlを加え、595nmの吸光度をマイクロプレートリーダーにて測定した。
阻害率(%)は、以下の式で求めた。
阻害率(%)=100−{[(試料あり・酵素ありの吸光度)−(試料あり・酵素なしの吸光度)]/[(陰性対照試料・酵素ありの吸光度)−(陰性対照試料あり・酵素なしの吸光度)]×100}
<結果及び考察>
上記測定の結果を下表1に示す。
Figure 2020026400
上記試験結果を見ると、2’,4−ジヒドロカルコン骨格が阻害活性に大きく影響を与えていることが分かる。
もっとも、イソババカルコンの結果を見ると、2’,4−ジヒドロカルコン骨格を有するだけで十分な阻害活性が得られるわけではないことが分かる。
すなわち、4−ヒドロキシデリシン、キサントアンゲロール、キサントアンゲロールFの結果にみるように、2’,4−ジヒドロカルコン骨格を有するとともに、3’位のゲラニル基を有するか、4’位のメトキシ基を有することで効果が増強される。そして、特に両要素を同時に満たすことで、その効果が一段と増強される。
3’位のゲラニル基および4’位のメトキシ基を有し、最も高い阻害活性を示すキサントアンゲロールFは、臨床応用されているガランタミン臭化水素酸塩に匹敵するほど阻害効果が強かった。

Claims (4)

  1. 2’,4−ジヒドロキシカルコン骨格を基本骨格とし、当該基本骨格における3’位にゲラニル基を有するか、及び/又は、4’位に低級アルコキシ基を有するカルコン類を有効成分とする、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤。
  2. 4−ヒドロキシデリシン、キサントアンゲロール及びキサントアンゲロールFからなる群より選ばれる少なくとも1種のカルコン類を有効成分とする、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤。
  3. キサントアンゲロールFを有効成分とする、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤。
  4. アシタバ中のカルコン類を有効成分とする、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤。
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