JP2020026334A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車椅子使用者等の着座した状態のユーザーが、給紙カセットから記録紙トレイを取り出す必要がなく、給紙カセットへの記録媒体の補給作業を容易に行うことができる画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置本体1Aに備えられ、画像形成手段10により画像を形成される記録媒体Sを収容するとともに、画像形成時には収容された記録媒体を画像形成手段に給紙し、記録媒体の補給時には画像形成装置本体から引き出される方向に移動可能であり、補給後は前記画像形成装置本体への装着方向に移動可能な給紙カセット200、300と、給紙カセットが画像形成装置本体1Aから引き出される途中または引き出された後に、画像形成装置本体での装着位置である第1の位置よりも高い第2の位置へと給紙カセットの高さ方向への変位を可能とする変位手段210、211を備えている。【選択図】図2

Description

この発明は、画像を形成される用紙等の記録媒体を収容する給紙カセットを備えた複写機、プリンタ等の画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置では、給紙カセット内の記録媒体がなくなると、給紙カセットを画像形成装置本体から引き出して記録媒体を補給する必要がある。このような給紙カセットは画像形成装置の下部に配置されている場合が多い。
このため、車椅子使用者等の着座した状態のユーザーが給紙カセットを引き出して記録媒体の補給作業を行うのは容易でない。
そこで、特許文献1には、車椅子使用者等の着座した状態のユーザーが、用紙を容易に補給することができる画像形成装置が提供されている。
具体的には、画像形成装置本体から引き出し可能となった給紙カセット内に、記録紙を重ねて収容する記録紙トレイが収容され、記録紙トレイは昇降機の平行リンク機構によって昇降可能となっており、画像形成装置本体から給紙カセットを引き出し、記録紙トレイを上方に引き上げることによって、記録紙トレイが水平な姿勢を維持したまま上方へ移動するようになっている。さらに、記録紙トレイは昇降機から離脱して、給紙カセットから取り出すことができるものとなっている。これにより、車椅子等に着座した操作者は、記録紙トレイが低い位置にある場合でも、無理に姿勢をかがめたりすることなく、容易に記録紙トレイ内に記録紙を補給することができる、というものである。
特開2004−196433号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、画像形成装置本体から引き出された給紙カセット内の記録紙トレイを取り出すとともに、取り出した記録紙トレイに用紙を補給した後、記録紙トレイを再度給紙カセットに装着する必要がある。このため、記録紙トレイの取り出し作業時に腰を曲げたり車椅子から体をかがめたりする必要があり、補給作業がやはり容易でないという課題がある。
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、車椅子使用者等の着座した状態のユーザーが、給紙カセットから記録紙トレイを取り出す必要がなく、給紙カセットへの記録媒体の補給作業を容易に行うことができる画像形成装置の提供を目的とする。
上記目的は以下の手段によって達成される。
(1)画像形成装置本体と、画像形成手段と、前記画像形成装置本体に備えられ、前記画像形成手段により画像を形成される記録媒体を収容するとともに、画像形成時には収容された前記記録媒体を前記画像形成手段に給紙し、前記記録媒体の補給時には前記画像形成装置本体から引き出される方向に移動可能であり、補給後は前記画像形成装置本体への装着方向に移動可能な少なくとも1個の給紙カセットと、前記記録媒体の補給のために前記給紙カセットが前記画像形成装置本体から引き出される方向へ移動している途中または移動後に、前記画像形成装置本体での装着位置である第1の位置よりも高い第2の位置へと給紙カセットの高さ方向への変位を可能とする変位手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
(2)前記変位手段は、前記第1の位置の高さを維持しながら前記給紙カセットが引き出される方向に水平に第3の位置まで移動した後に、前記第2の位置への変位を可能とする前項1に記載の画像形成装置。
(3)前記給紙カセットが前記第1の位置に存在しない場合、給紙カセットからの記録媒体の給紙、全搬送経路における記録媒体の搬送及び前記画像形成手段による画像の形成を禁止する禁止手段を備えている前項1または2に記載の画像形成装置。
(4)前記給紙カセットへの記録媒体の補給に関して、前記第2の位置へ給紙カセットを変位させない通常モードである第1のモードと、前記変位手段を介して前記第2の位置へ給紙カセットを変位させる第2のモードが設定されると共に、第1のモードと第2のモードの何れかを選択するための選択手段を備えている前項1〜3の何れかに記載の画像形成装置。
(5)前記第2の位置へと変位する前記給紙カセットの可動領域に可動を妨げる障害物が存在するか否かを検知する検知手段と、前記検知手段により障害物の存在が検知されたときは、前記変位手段による給紙カセットの前記第2の位置への変位を阻止する阻止手段と、を備えている前項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
(6)記録媒体の補給操作の開始指示を受け付ける受付手段を備え、受け付けられた補給操作の開始指示に基づいて、前記変位手段による給紙カセットの高さ方向への変位が可能となる前項1〜5の何れかに記載の画像形成装置。
(7)前記変位手段は、前記給紙カセットに前記第2の位置への付勢力を付与する弾性体を備えている前項1〜6の何れかに記載の画像形成装置。
(8)前記弾性体によって給紙カセットに付与される上方への付勢力の大きさは、給紙カセットに補給された記録媒体の重さによって給紙カセットが下降する大きさに設定されている前項7に記載の画像形成装置。
(9)補給の途中で前記記録媒体の重さによって給紙カセットが下降しないようにロックするロック機構が備えられている前項8に記載の画像形成装置。
(10)前記弾性体によって給紙カセットに付与される上方への付勢力の大きさを、記録媒体のサイズに応じて調整可能な調整手段を備えている前項7〜9の何れかに記載の画像形成装置。
(11)前記弾性体によって給紙カセットに付与される上方への付勢力を無効にする無効手段を備えている前項7〜10の何れかに記載の画像形成装置。
(12)前記変位手段は、前記給紙カセットに前記第2の位置への駆動力を付与する駆動手段を備えている前項1〜6の何れかに記載の画像形成装置。
(13)画像形成装置本体と、画像形成手段と、前記画像形成装置本体に備えられ、前記画像形成手段により画像を形成される記録媒体を収容するとともに、画像形成時には収容された前記記録媒体を前記画像形成手段に給紙し、前記記録媒体の補給時には前記画像形成装置本体から引き出される方向に移動可能であり、補給後は前記画像形成装置本体への装着方向に移動可能な少なくとも1個の給紙カセットと、前記給紙カセット内に備えられ、積載状態で収容されている記録媒体を下方から支持する押し上げ部材と、前記押し上げ部材を、記録媒体が積載されている状態での第1の位置から、前記第1の位置よりも相対的に高い位置であって、記録媒体が積載されていない状態での第2の位置へと変位させる変位手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
(14)前記変位手段は少なくとも一つの弾性体を備え、前記弾性体の付勢力により、前記記録媒体が積載されていない状態で前記押し上げ部材を前記第2の位置へ上昇変位させ、積載されると前記弾性体が伸びることで前記押し上げ部材を前記第1の位置へ下降変位させる構成となされている前項13に記載の画像形成装置。
(15)前記変位手段は、少なくとも第1〜第3の3本のワイヤーと、少なくとも第1〜第3の3個の弾性体を備え、前記第1〜第3の3本のワイヤーの一端は、給紙カセットにそれぞれ一端が取り付けられた前記第1〜第3の3個の弾性体の各他端に取り付けられ、かつ第1のワイヤーの他端は前記押し上げ部材に連結されて第1の弾性体の付勢力を直接に前記押し上げ部材に伝達し、第2のワイヤーの他端は、押し上げ部材の上方に突出し接離方向に移動可能に設けられた、記録媒体の左右方向の位置を規制する一対の左右規制部材に連結されて、第2の弾性体により前記左右規制部材を接近する方向に付勢し、第3のワイヤーの他端は、押し上げ部材の上方に突出し押し上げ部材の前後方向に移動可能に設けられた、記録媒体の後端部の位置を規制する後端規制部材に連結されて、第3の弾性体により前記後端規制部材を前側に付勢する構成となされている請求項13または14に記載の画像形成装置。
(16)前記変位手段は前記押し上げ部材を昇降させるモータを備え、記録媒体の補給前後で給紙カセット内の最大高さが一定になるように、前記モータが駆動される前項13に記載の画像形成装置。
(17)前記変位手段による第2の位置への高さ方向の変位は、弾性体の付勢力によって行われる前項1〜12の何れかに記載の画像形成装置。
(18)前記変位手段による第2の位置への高さ方向の変位は、モータの駆動によって行われる前項1〜12、17の何れかに記載の画像形成装置。
前項(1)に記載の発明によれば、記録媒体の補給のために給紙カセットが画像形成装置本体から引き出される方向へ移動している途中または移動後に、画像形成装置本体での装着位置である第1の位置よりも高い第2の位置へと給紙カセットを高さ方向へ変位させることができるから、補給時に記録媒体を給紙カセット内に載置するときの載置面が高くなり、車椅子使用者等の着座した状態のユーザーは記録媒体の補給作業がしやすくなる。しかも、記録媒体は直接に給紙カセットに補給できるから、給紙カセットから記録紙トレイを取り出す必要はなくなり、益々補給作業が容易となる。
前項(2)に記載の発明によれば、給紙カセットは、第1の位置の高さを維持しながら引き出される方向に水平に第3の位置まで移動した後に、第2の位置への変位が可能であるから、第3の位置を経由することなく第1の位置から第2の位置へと変位する場合に較べて、変位手段の構成を簡素化できる。
前項(3)に記載の発明によれば、給紙カセットが第1の位置に存在しない場合、給紙カセットからの記録媒体の給紙、全搬送経路における記録媒体の搬送及び画像形成手段による画像形成が禁止されるから、補給作業時の紙詰まり等を防止することができる。
前項(4)に記載の発明によれば、車椅子使用者等の着座した状態のユーザーは、第2のモードを選択することによって、補給時に給紙カセットを第2の位置へと移動させ、記録媒体の補給を行うことができる。
前項(5)に記載の発明によれば、第2の位置へ変位する給紙カセットの可動領域に可動を妨げる障害物の存在が検知されたときは、変位手段による給紙カセットの第2の位置への変位は阻止されるから、障害物に衝突することによる給紙カセットの破損を防止できる。
前項(6)に記載の発明によれば、ユーザーが補給操作の開始指示を行うと、これが受け付けられ、給紙カセットの高さ方向への変位が可能となる。
前項(7)に記載の発明によれば、弾性体により給紙カセットに付与される上方への付勢力によって、給紙カセットの第2の位置への高さ方向の変位を行うことができる。
前項(8)に記載の発明によれば、給紙カセットに記録媒体を補給すると、その重さによって給紙カセットが下降するから、簡易な構成で給紙カセットを昇降移動させることができる。
前項(9)に記載の発明によれば、補給の途中で記録媒体の重さによって給紙カセットが下降しないようにロックできるから、記録媒体を複数の束に分けて補給する場合等に、給紙カセットが下降しすぎて補給しにくくなる不都合を解消できる。
前項(10)に記載の発明によれば、弾性体によって給紙カセットに付与される上方への付勢力の大きさを、記録媒体のサイズに応じて調整することができる。
前項(11)に記載の発明によれば、弾性体によって給紙カセットに付与される上方への付勢力を無効にすることができる。
前項(12)に記載の発明によれば、第2の位置への給紙カセットの高さ方向の変位は、回転駆動手段により給紙カセットに付与される上方への駆動力によって行われるから、給紙カセットの高さ方向の変位を確実にかつ安定的に行うことができる。
前項(13)に記載の発明によれば、給紙カセット内に、積載状態で収容されている記録媒体を下方から支持する押し上げ部材を備え、押し上げ部材は、記録媒体が積載されている状態での第1の位置から、第1の位置よりも相対的に高い位置であって、記録媒体が積載されていない状態での第2の位置へと変位するから、補給時に記録媒体を給紙カセット内に載置するときの載置面が高くなり、車椅子使用者等の着座した状態のユーザーは記録媒体の補給作業がしやすくなる。しかも、記録媒体は直接に給紙カセットに補給できるから、給紙カセットから記録紙トレイを取り出す必要はなくなり、益々補給作業が容易となる。
前項(14)に記載の発明によれば、弾性体の付勢力により、記録媒体が積載されていない状態で押し上げ部材を第2の位置へ上昇変位させ、積載されると弾性体が伸びることで押し上げ部材を下降させることができる。
前項(15)に記載の発明によれば、第1〜第3の3本のワイヤーと、少なくとも第1〜第3の3個の弾性体により、一対の左右規制部材を介して記録媒体の左右方向の位置を規制し、後端規制部材を介して記録媒体の後端部の位置を規制しながら、押し上げ部材を上昇させることができる。しかも、記録媒体の左右方向のサイズが大きいほど一対の左右規制部材の間隔は広くなるから、第2の弾性体は第2のワイヤーによって引っ張られて、押し上げ部材にはより大きな上昇力が作用する。また、記録媒体の前後方向のサイズが大きいほど、後端規制部材は後方に位置することになるから、第3の弾性体は第3のワイヤーによって引っ張られて、押し上げ部材にはより大きな上昇力が作用する。つまり、記録媒体のサイズの相違によって、押し上げ部材の上昇力を調整できることになり、記録媒体のサイズに応じた最適な上昇力を押し上げ部材に付与することができる。
前項(16)に記載の発明によれば、押し上げ部材を昇降させるモータを備え、記録媒体の補給前後で給紙カセット内の最大高さが一定になるように、モータが駆動される。
前項(17)に記載の発明によれば、第2の位置への高さ方向の変位は、弾性体の付勢力によって行われるから、比較的簡易な構成で変位手段を構成できる。
前項(18)に記載の発明によれば、第2の位置への高さ方向の変位は、モータの駆動によって行われるから、確実で安定した移動動作を実現できる。
この発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 給紙カセットを含む給紙部の構成を模式的に示す側面図である。 この発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセットを含む給紙部の構成を模式的に示す側面図である。 この発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセットを含む給紙部の構成を模式的に示す側面図である。 この発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセットを含む給紙部の構成を模式的に示す側面図である。 この発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセットを含む給紙部の構成を模式的に示す側面図である。 この発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセットを含む給紙部の構成を模式的に示す側面図である。 この発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセットを含む給紙部の構成を模式的に示す側面図である。 この発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセットを含む給紙部の構成を模式的に示す側面図である。 この発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセットを含む給紙部の構成を模式的に示す側面図である。 この発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセットを含む給紙部の構成を模式的に示す側面図である。 給紙カセットへの給紙の際の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。 補給モード選択画面を示す図である。 補給開始確認画面を示す図である。 この発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。 この発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセットを含む給紙部の構成を模式的に示す側面図である。 この発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセットを含む給紙部の構成を模式的に示す側面図である。 この発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセットを含む給紙部の構成を模式的に示す側面図である。 この発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセットを含む給紙部の構成を模式的に示す図である。 図19の実施形態の給紙カセットを含む給紙部の別の面から見た時の構成を模式的に示す図である。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置1の概略構成図である。この例では、画像形成装置1としてタンデム型のカラープリンタが用いられている。
図1において、この画像形成装置1は、装置本体1Aの下部に給紙カセット200を有する給紙部20が、中央部にカラー画像形成部10が、上部に排紙部100がそれぞれ配されて構成されている。給紙部20から排紙部100に渡っては給紙部20の給紙カセット200から繰り出されたシート(用紙)Sを上方へ搬送するシート搬送路21が設けられている。
カラー画像形成部10は、装置本体1Aの上下方向の略中央に配置された駆動ローラ51及び従動ローラ50と、これら駆動および従動ローラ51,50間に水平に掛設されて矢印方向へ走行する中間転写ベルト60と、この中間転写ベルト60の走行方向に沿って配置されたイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の作像ユニットである感光体ユニット62Y,62M,62C,62Kとを備えている。
各感光体ユニット62Y,62M,62C,62Kで作成されたトナー画像を重ね合わせて中間転写ベルト60に転写し、シート搬送路21を搬送されてくるシートSに対して中間転写ベルト60の搬送端(図中右端)で2次転写を行い、シートSを定着部30に送給してトナー画像の定着を行うようになっている。
各感光体ユニット62Y,62M,62C,62Kは、静電複写方式により作像するもので、それらの周囲に配設された帯電器と、現像器61Y,61M,61C,61Kと、感光体ドラム63Y,63M,63C,63Kと、転写器等とを備えている。また、4個のレーザーダイオード、ポリゴンミラー、および走査レンズ等を有するプリントヘッド41ならびに4つの反射ミラー42等を備えた露光部40により、帯電器により帯電された各感光体ドラム63Y,63M,63C,63Kの表面が露光され、該表面に静電潜像が形成されるようになっている。
また、各感光体ユニット62Y,62M,62C,62Kの現像器61Y,61M,61C,61Kにトナーを補給する補給機構として、トナーカートリッジ70Y,70M,70C,70Kおよびサブホッパ80Y,80M,80C,80Kが前記感光体ユニット62Y,62M,62C,62Kの上方位置に配置されている。
なお、図1中、符号90はキー部や表示部を備えた操作パネル部であり、符号110は画像形成装置1の全体を制御する制御部である。
図2は、給紙カセット200を含む給紙部20の構成を模式的に示す側面図である。給紙カセット200の幅方向(紙面厚さ方向)の手前側の側面の下部には、第1及び第2の2個の突軸201a、201bが水平方向に間隔を置いて紙面手前方向に突設されている。第1突軸201aは給紙カセット200の側面に固定され、第2突軸201bは図示しない給紙カセット200の水平方向のガイド溝に嵌まって水平方向に移動可能となされている。
第1突軸201a及び第2突軸201bには、それぞれ棒状の第1脚体202a及び第2脚体202bの上端部が回動可能に連結されている。第1脚体202a及び第2脚体202bはX形に交差するとともに、交差部を支軸203として相互に回動可能に連結されている。
第1脚体202a及び第2脚体202bの下端部は、給紙カセット200の引き出し方向に長い例えば断面上向きコ字形の第1ガイド部材204に嵌め込まれると共に、第2脚体202bの下端部は第1ガイド部材204の先端部に固定され、第1脚体202aの下端部は第1ガイド部材204の長さ方向に沿って移動可能となされている。
第1ガイド部材204は、画像形成装置本体1A内の下部に水平状態に配置された第2ガイド部材205に引き出し可能に収容されるようになっている。
また、画像形成装置本体1A内の第2ガイド部材205の上方位置には、第2突軸201bを水平方向に案内する第3ガイド部材206が水平配置状態で取り付けられている。第3ガイド部材206における給紙カセット200の引き出し方向の端部206aは、引き出し側に高くなる斜め上方に折曲げられている。
さらに、第1、第2脚体202a、202bにおける各下端部と支軸203との間の高さ位置において、弾性体としてのコイル状の引張ばね210の両端が第1、第2脚体202a、202bにそれぞれ連結されている。引張ばね210は、第1及び第2脚体202a、202bを垂直に閉じ合わせる方向、換言すれば給紙カセット200を上昇させる方向に付勢している。
なお、第1突軸201a及び第2突軸201b、第1脚体202a及び第2脚体202b、第1ガイド部材204、第2ガイド部材205、第3ガイド部材206及び引張ばね210は、給紙カセット200の幅方向(図2の紙面厚さ方向)の手前側の側面と逆の側面側においても、同様の構成で備えられている。
このような構成により、画像形成装置本体1Aへの給紙カセット200の装着状態では、図2(A)に示すように、給紙カセット200の第2突軸201bが第3ガイド部材206の下面に係止することで、引張ばね210の付勢力による給紙カセット200の上方変位を阻止された状態となっている。しかも、第1ガイド部材204は第2ガイド部材205の中に収められるとともに、第1脚体202aの下端部は、引張ばね210の付勢力に抗して第1ガイド部材204に沿って画像形成装置本体1Aの奥側(図2(A)の左側)に移動しており、給紙カセット200は、給紙カセット200内に収容された記録媒体をシート搬送路21を介して画像形成部10に給紙可能な装着位置である第1の位置に水平配置状態で存在している。
給紙カセット200への記録媒体の補給時には、同図(A)の状態から同図(B)に示すように、ユーザーによって給紙カセット200が引き出される。給紙カセット200が引き出されると、給紙カセット200の第2突軸201bが第3ガイド部材206の下面に案内されながら引き出し方向に移動するとともに、第1ガイド部材204が第2ガイド部材205に沿って長さ方向へと引き出される。これにより、給紙カセット200は第1の位置の高さを維持した状態で、引き出されていく。
第3ガイド部材206の下面に案内された第2突軸201bが、第3ガイド部材206の先端折り曲げ部206aに達するまで引き出されたのち更に引き出されると、第2突軸201bは第3ガイド部材206の先端折り曲げ部206aに沿って案内されながら、第1及び第2脚体202a、202bに連結されている引張ばね210による第1及び第2脚体202a、202bが閉じ合う方向の付勢力により、給紙カセット200は徐々に上昇する。第2突軸201bが第3ガイド部材206の先端折り曲げ部206aから逸脱して、図2(B)に示すように、最大引き出し位置まで引き出されると、給紙カセット200は水平状態のまま最大高さ位置(第2の位置)まで上昇変位する。
従って、車椅子使用者等の着座した状態のユーザー(以下、車椅子ユーザーともいう)Uは、給紙カセット200を正面側に引き出すと、給紙カセット200が自動的に上昇して、記録媒体を給紙カセット内に載置するときの載置面が高くなるから、記録媒体の補給作業がしやすくなる。しかも、記録媒体は直接に給紙カセット200に補給できるから、給紙カセット200から記録紙トレイを取り出す必要はなくなり、益々補給作業が容易となる。
さらにこの実施形態では、給紙カセット200は、画像形成装置本体1A内にあって画像形成部10に記録媒体を給紙可能な状態のときには図2(A)に示すような第1の位置にあり、画像形成装置本体1Aから引き出されると、給紙カセット200の高さ位置はそのままで引き出し側に移動した位置である第3の位置となり、この第3の位置を経由して第1の位置よりも相対的に高い位置である図2(B)に示すような記録媒体を補給可能な第2の位置に移動するから、第3の位置を経由することなく第2の位置へと高さ方向に変位する場合に較べて、変位手段の構成を簡素化できる。
記録媒体の補給後、車椅子ユーザーUが手で給紙カセット200を下方に下げ、画像形成装置本体1A側へと押し込むと、引張ばね210の付勢力に抗しながら給紙カセット200の第2突軸201bは第3ガイド部材206の先端折り曲げ部206aに沿って移動し、第2ガイド部材204は第3ガイド部材205に沿って押し込まれることで、給紙カセット200は画像形成装置本体1Aの内方へと移動しつつ下降し、第2突軸201bが第3ガイド部材206の水平部に達すると、給紙カセット200は最大下降状態となる。さらに給紙カセット200を画像形成装置本体1A側へと押し込むと、給紙カセット200は最大下降状態を保持しつつ画像形成装置本体1A内へと給紙可能な第1の位置まで移動する。
さらに、図2の実施形態では、第1ガイド部材204における画像形成装置本体1A寄りの基端部には、給紙カセット200の昇降を阻止するロック機構215が取り付けられている。このロック機構215は、例えば、第1ガイド部材204の長さ方向に沿って移動する第1脚体202aの下端部の移動通路に進退自在に駆動されるアクチュエータ(図示せず)を備え、アクチュエータが移動通路に進出駆動される時は、引張ばね204の付勢力による第1脚体202aの下端部の移動を阻止してロックし、ひいては給紙カセット200の上昇変位を阻止する。一方、アクチュエータが移動通路から退入駆動される時は、引張ばね210の付勢力による第1脚体202aの下端部の移動阻止(ロック)が解除され、ひいては給紙カセット200の上昇変位を可能とするものである。
このようなロック機構により、記録媒体の補給モードとして、通常モード(第1のモードに相当)と給紙カセット200を上昇させる車椅子モード(第2のモードに相当)を設定して使い分けることができる。即ち、通常モードでは、アクチュエータを移動通路に進出駆動させて給紙カセット200の上昇変位を阻止するロック状態とし、車椅子モードではアクチュエータを移動通路から退入駆動させてロックを解除し、給紙カセット200を上昇変位可能とする。このようにユーザーのモード選択に応じて使い分けることができる。
図2の実施形態では、第1及び第2脚体202a、202bに付与する給紙カセット200を上昇変位させる付勢力として、コイル状の引張ばね210を用いたが、図3に示すように、支軸203に挿通され、巻き始めと巻き終わりの各端部が第1脚体202aと第2脚体202bに固定され、第1脚体202aと第2脚体202bを垂直に閉じ合わせる方向の付勢力を付与するねじりコイルばね211を用いても良い。この場合も、給紙カセット200が画像形成装置本体1A内に収容されて画像形成部10に給紙可能な位置である第1の位置に存在している時は、図3(A)に示すように、ねじりコイルばね211の付勢力に抗して給紙カセット200は最大下降位置にあり、記録媒体の補給時に引き出されると、同図(B)に示すように、ねじりコイルばね211の付勢力によって第1及び第2の脚体202a、202bが垂直状に閉じ合う方向の力を受け、給紙カセット200が最大高さ位置まで上昇変位するようになっている。
図4はこの発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセット200を含む給紙部20の構成を模式的に示す側面図である。この実施形態は、給紙部200の構成は図2に示した給紙部200の構成と同じであるため、図2と同一構成部分については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図4の実施形態では、同図(B)に示すように、車椅子ユーザーUが給紙カセット200を引き出した状態で記録媒体Sを補給したときに、補給した記録媒体Sの重みによって給紙カセット200が自動的に下降するように、引張ばね210の付勢力が設定されている。給紙カセット200の下降の程度は、最大補給量の記録媒体Sを補給した時に、給紙カセット200が最大下降位置又はその近くまで下降するように設定されている。
このように、記録媒体Sを補給したときに、補給した記録媒体Sの重みによって給紙カセット200が自動的に下降するから、補給後に車椅子ユーザーUが給紙カセット200を下方へ押さえなくてもよく、補給作業がさらに楽になる。
但し、図4の実施形態では、一度に最大補給量を補給するのでは無く、少量ずつを補給した場合は、最大下降位置まで下降する途中の中途半端な高さで停止することになり、車椅子ユーザーUにとっては却って補給しにくくなる。
そこで、図5に示すように、補給途中での記録媒体Sの重さによる給紙カセット200の下降防止用のロック機構を設けてもよい。図5の例では、ロック機構として、第1脚体202aの上端部に第1係合突起221が形成されると共に、この第1係合突起221に係合して第1脚体202aの回動を阻止する第2係合突起222が給紙カセット200の手前側の側面に回動可能状態に連結されている。給紙部20の他の構成は図2に示した構成と同じであり、第2の脚体202b等は省略されている。
記録媒体Sの補給時に、車椅子ユーザーUは給紙カセット200を画像形成装置本体1Aから引き出すと、給紙カセット200は引張ばね210の付勢力により最大高さ位置まで上昇する。この状態で図5(A)に示すように、第2係合突起222を同図の時計方向に回動させて第1係合突起221に係合させることにより、給紙カセット200が下降しないようにロックし、この状態で記録媒体Sを給紙カセット200に補給する。
記録媒体Sの補給完了後、同図(A)の矢印X1で示す方向に第2係合突起222を押して反時計方向に回動させ、第1係合突起221との係合を解除すると、同図(B)の矢印X2で示すように、給紙カセット200は下降する。
図6は、給紙カセット200の下降防止用のロック機構の他の例を模式的に示す側面図である。図6の例では、ロック機構として、第1脚体202aと第2脚体202bを垂直方向に連結する直線状のアーム部231が取り付けられている。また、アーム部231の中間部は給紙カセット200の引き出し方向に折り曲げ可能となっている。また、第1脚体202aの長さ方向に移動可能で、先端にL形の引っ掛部232aを備えたロック解除棒232が備えられている。給紙部20の他の構成は図2に示した構成と同じである。
記録媒体Sの補給時に、車椅子ユーザーUは給紙カセット200を画像形成装置本体1Aから引き出すと、給紙カセット200は引張ばね210の付勢力により最大高さ位置まで上昇変位する。この状態では図6(A)に示すように、アーム部231は直線状に延びて、第1脚体202aと第2脚体202bが接近しないように、換言すれば記録媒体Sの補給によっても給紙カセット200が下降しないようにロックされており、この状態で記録媒体Sを給紙カセットに補給する。
記録媒体Sの補給完了後、同図(A)の矢印X3で示す斜め上方にロック解除棒232を引っ張り、その先端の引っ掛け部232aをアーム部231に引っ掛けて、同図(B)に示すようにアーム部231を折り曲げることによりロックを解除すると、給紙カセット200は下降する。
このように、補給の途中で記録媒体Sの重さによって給紙カセット200が下降しないようにロック機構によってロックできるから、記録媒体Sを複数の束に分けて補給する場合等に、給紙カセット200が下降しすぎて補給しにくくなる不都合を解消できる。
図7はこの発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセット200を含む給紙部20の構成を模式的に示す側面図である。この実施形態では、補給される記録媒体Sのサイズに応じて、給紙カセット200に対する引張ばね210の上方への付勢力を変更できるようにしたものである。
この例では給紙カセット200の内部に、記録媒体Sのサイズに応じて記録媒体Sの両サイドを規制するためのサイド規制板241a、241bが、相互に接離方向にかつ移動可能に設けられている。また、一方のサイド規制板241aには、この規制板241aの移動に連動して長さ方向の位置が移動する移動棒242の一端が連結され、移動棒242の他端は第1脚体202aに沿って延び、引張ばね210を第1脚体202aに固定するための取付部材243に連結されている。
また、取付部材243は、例えば第1脚体202aの表面に形成されたガイド溝に沿って第1脚体202aの長さ方向に移動可能に構成されている。一方、第2脚体202bと引張ばね210との連結部は移動すること無く一定位置に固定されている。なお、給紙部20の他の構成は図2に示した構成と同じである。
このような構成により、給紙カセット200にサイズの小さい記録媒体Sが補給された時は、図7(A)に示すように、両方のサイド規制板241a、241bを接近する方向に移動させて記録媒体Sの両サイドの端部を規制するが、両規制板241a、241bが接近する方向に移動すると、一方の規制板241aに連結された移動棒242が規制板241aに引っ張られるため、移動棒242の他端が第1脚体202aの長さ方向に沿って斜め上方に移動する。この移動に伴い、移動棒242の他端に連結された引張ばね210の取付部材243が斜め上方にスライド移動するため、図7(A)に示すように、引張ばね210の長さが短くなり、引張ばね210により第1,第2脚体202a、202bに付与される付勢力、換言すれば給紙カセット200に付与される上方への付勢力が弱くなる。
一方、給紙カセット200にサイズの大きい記録媒体Sが補給された時は、両規制板241a、241bを離間する方向に移動させて記録媒体Sの端部を規制するが、両規制板241a、241bが離間する方向に移動すると、一方の規制板241aに連結された移動棒242が押されるため、移動棒242の他端が第1脚体202aの長さ方向に沿って斜め下方に移動する。この移動に伴い、移動棒242の他端に連結された引張ばね210の取付部材243が斜め下方にスライド移動するため、図7(B)に示すように、引張ばね210の長さが長くなり、引張ばね210により第1,第2脚体202a、202bに付与される付勢力、換言すれば給紙カセット200に付与される上方への付勢力が強くなる。
このように、記録媒体Sのサイズに応じて、引張ばね210によって給紙カセット200に付与される上方への付勢力の大きさを調整することができる。
図7の例では、引張ばね210の長さを変更して付勢力の大きさを調整したが、図8に示すように、ねじりコイルばね211によっても実現可能である。なお、図8において図7と同一構成部分については同一の符号を付す。
即ち、第1脚体202aと第2脚体202bが交差する支軸203には、ねじりコイルばね211が挿通されるとともに、ねじりコイルばね211の一端部には移動棒242の他端が係合し、ねじりコイルばね211の他端部は第2脚体202bに固定されている。
給紙カセット200にサイズの小さい記録媒体Sが補給された時は、両サイド規制板241a、241bを接近する方向に移動させて記録媒体Sの両端部を規制するが、両規制板241a、241bが接近する方向に移動すると、一方の規制板241aに連結された移動棒242がこの規制板に引っ張られるため、移動棒242の他端が第1脚体202aの長さ方向に沿って斜め上方に移動する。この移動に伴い、移動棒242の他端は図8(A)に示すように、ねじりコイルばね211の一端部から離れるから、ねじりコイルばね211により第1、第2脚体202a、202bに付与される付勢力、換言すれば給紙カセット200に付与される上方への付勢力が弱くなる。
一方、給紙カセット200にサイズの大きい記録媒体Sが補給された時は、両サイド規制板241a、241bを離間する方向に移動させて記録媒体Sの両端部を規制するが、両規制板241a、241bが離間する方向に移動すると、一方の規制板241aに連結された移動棒242が押されるため、移動棒242の他端が第1脚体202aの長さ方向に沿って斜め下方に移動する。この移動に伴い、図8(B)に示すように、移動棒242の他端がねじりコイルばね211の一端部を斜め下方に強く押すため、ねじりコイルばね211による第1,第2脚体202a、202bに付与される付勢力、換言すれば給紙カセット200に付与される上方への付勢力が強くなる。
図9はこの発明のさらに他の実施形態を示すもので、給紙カセット200を含む給紙部20の構成を模式的に示す側面図である。この実施形態では、図7及び図8と同じく、補給される記録媒体Sのサイズに応じて、給紙カセット200に対する引張ばね210の上方への付勢力を変更できるようにしたものであり、図7と同一構成部分については同一の符号を付す。
この例では一方のサイド規制板241aの下端部に、サイド規制板241aと連動して幅方向(図9の左右方向)に移動する押し下げブロック247が設けられている。この押し下げブロック247の外側の側面及び下面は連続した傾斜面247aに形成されている。
一方、第1脚体202aの長さ方向には移動棒244が、第1脚体202aに設けられた長孔246に案内されながら、第1脚体202aの長さ方向に沿って移動可能に取り付けられると共に、移動棒244は図示しないばねによって第1脚体202aの第1突軸201a方向に付勢されている。このため、移動棒244の先端部245が押し下げブロック247の傾斜面247aに圧接係止された状態となっており、押し下げブロック247が幅方向外側(図9の右方向)に移動すると、移動棒244の先端部245が押し下げブロック247の傾斜面247aに押されて下方に移動し、移動棒244も第1脚体202aに沿って斜め下方に移動するようになっている。
また、移動棒244の下端は、引張ばね210を第1脚体202aに固定するための取付部材243に連結されている。一方、第2脚体202bと引張ばね210との連結部は移動すること無く一定位置に固定されている。
このような構成により、給紙カセット200にサイズの小さい記録媒体Sが補給された時は、図9(A)に示すように、両方のサイド規制板241a、241bを接近する方向に移動させて記録媒体Sの両サイドの端部を規制するが、両規制板241a、241bが接近する方向に移動すると、押し下げブロック247も図9の左方向に移動するから、押し下げブロック247の傾斜面247aに圧接係止している移動棒244の先端部245がばねの付勢力によって上方に移動し、移動棒244も上方に移動するため、図9(A)に示すように、引張ばね210の長さが短くなり、引張ばね210により第1,第2脚体202a、202bに付与される付勢力、換言すれば給紙カセット200に付与される上方への付勢力が弱くなる。
一方、給紙カセット200にサイズの大きい記録媒体Sが補給された時は、両規制板241a、241bを離間する方向に移動させて記録媒体Sの端部を規制するが、両規制板241a、241bが離間する方向に移動すると、一方の規制板241aに連結された押し下げブロック247が図9の右方向も移動し、移動棒244の先端部245が押し下げブロック247の傾斜面247aに押されて下方に移動し、移動棒244も第1脚体202aに沿って斜め下方に移動する。この移動に伴い、移動棒242の下端に連結された引張ばね210の取付部材243が斜め下方にスライド移動するため、図9(B)に示すように、引張ばね210の長さが長くなり、引張ばね210により第1,第2脚体202a、202bに付与される付勢力、換言すれば給紙カセット200に付与される上方への付勢力が強くなる。
このように、記録媒体Sのサイズに応じて、引張ばね210によって給紙カセット200に付与される上方への付勢力の大きさを調整することができる。
図10は、この発明のさらに他の実施形態を模式的に示す側面図である。この実施形態では、引張ばね210の付勢力により上昇変位した給紙カセット200に記録媒体を補給しない時は、引張ばね210の付勢力を無効にすることで、給紙カセット200を自重により下降させるものである。
図10(A)に示すように、第1脚体202aの長さ方向に沿って引張棒251が設けられると共に、引張棒251の先端は、引張ばね210を第1脚体202aに固定するための取付部材252に連結されている。
また、取付部材252は、例えば第1脚体202aの表面に形成されたガイド溝に沿って第1脚体202aの長さ方向に、同図(A)の常時の位置から同図(B)の支軸203の位置までの範囲で移動可能に構成されている。一方、第2脚体202bと引張ばね210との連結部は移動すること無く一定位置に固定されている。給紙部200の他の構成は図2に示した構成と同じである。
記録媒体の補給時には、給紙カセット200は引張ばね210の付勢力により上昇している。この状態で車椅子ユーザーUが、例えば補給対象の記録用紙が無いことに気付き、記録媒体を補給すること無く給紙カセット200を画像形成装置本体1Aに戻そうとする場合、車椅子ユーザーUは引張棒251の上端部を把持して図10(A)に示すように斜め上方X4方向に引っ張ると、引張棒251の先端に連結されている取付部材252が第1脚体202aに沿って斜め上方に支軸203の位置まで移動する結果、引張ばね210により第1及び第2脚体202a、202bを介して給紙カセット200に付与される上方への付勢力が解除される。つまり付勢力が無効となる。このため、給紙カセット200は自重により最大下降位置(第3の位置)まで下降するから、車椅子ユーザーUが引張ばね210の付勢力に抗して給紙カセット200を下降させる必要は無くなり、取り扱いが容易となる。なお、給紙カセット200の下降後、給紙カセット200を画像形成装置本体1A内へ移動させることで、給紙カセット200は動作時の正常装着位置(第1の位置)に装着された状態となる。
なお、引張ばね210の位置を元に戻すには、給紙カセット200が下降した状態で、ユーザーが引張棒251を斜め下方に押し込めば良い。押し込むことで、引張棒251の先端に連結されている取付部材252が支軸203の位置から付勢力が作用する通常時の位置まで第1脚体202aに沿って斜め下方に移動する。また、引張棒251の先端に連結されている取付部材252を斜め下方に付勢するばねを別途設け、ユーザーが引張棒251の把持を開放すると、このばねの付勢力により取付部材252が自動的に元の位置まで移動復帰する構成としても良い。
図11は、この発明のさらに他の実施形態を模式的に示す側面図である。この実施形態では、記録媒体の補給時に、給紙カセット200を高さ位置を保持して引き出した状態(第3の位置)から最大高さ位置(第2の位置)まで上昇変位させる機構を、ばねの付勢力ではなくモータにより実現したものである。
図11の実施形態において、給紙カセット200、第1突軸201a、第2突軸201b、第1脚体202a、第2脚体202b、第1ガイド部材204、第2ガイド部材205の構成は、図2に示した給紙部20における構成と同じである。
図11の実施形態では、第1ガイド部材204の画像形成装置本体1A側の端部には、アーム部材261の一端が回動可能に連結され、アーム部材261の他端は、画像形成装置本体1Aの下部奥所に回動可能に連結されている。アーム部材261は長さ方向の略中央部において折り畳み可能となっており、折り畳まれた状態では図11(A)に示すように、第1ガイド部材204を第2ガイド部材205内に案内収容して、第1ガイド部材204に第1脚体202a、第2脚体202bを介して取り付けられている給紙カセット200を、画像形成装置本体1A内の装着位置(第1の位置)に水平状態で配置させる。
また、アーム部材261における第1ガイド部材204との連結部の近傍には、図示しないモータが設けられると共に、モータで駆動される回転軸262にはワイヤー263の一端が取り付けられており、ワイヤー263の他端は、第2脚体202bの下端部付近で折り返されて、第1脚体202aの下端部に固定されている。従って、モータを駆動してワイヤー263がモータの回転軸262に巻き取られると、第1脚体202aの下端部が第2脚体202bの下端部側に引っ張られて移動する結果、第1脚体202aと第2脚体202bが垂直状の閉じ合わせ方向に変形し、このため給紙カセット200は上昇変位するようになっている。また、モータを逆回転で駆動すると、回転軸262に巻き取られたワイヤー263が巻き戻され、給紙カセット200の自重更には補給された記録媒体の重さにより、給紙カセット200は下降するようになっている。
図11に示す実施形態では、給紙カセット200が画像形成装置本体1A内に収容されて給紙可能な装着位置(第1の位置)にある時は、同図(A)のように、アーム部材261が垂直状に折り畳まれるとともにモータの駆動は停止され、第1ガイド部材204は第2ガイド部材205の内部に収容され、ワイヤー263は回転軸262から巻き戻されて第1脚体202aの下端部は第1ガイド部材204の最奥部に位置している。この状態で、車椅子ユーザーUが給紙カセット200を画像形成装置本体1Aから水平方向に引き出すと、給紙カセット200は下降した状態のまま、折り畳まれたアーム部材261が伸びつつ第1ガイド部材204が第2ガイド部材205から引き出される。給紙カセット200を最大引き出し位置(第3の位置)まで引き出した後、モータを駆動させて回転軸262を回転させると、ワイヤー263が回転軸262に巻き取られて、ワイヤー263の先端が連結されている第1脚体202aの下端部が、第2脚体202bの下端部に近付く方向に引っ張られ、同図(B)に示すように、給紙カセット200は上昇変位する。最大高さ位置(第2の位置)まで上昇するとモータを停止させる。
この状態で、車椅子ユーザーUが給紙カセット200に給紙媒体を補給した後、モータを逆回転させると、第1脚体202aの下端部に連結されたワイヤー263が巻き戻され、給紙カセット200は自身の自重と補給された記録媒体の重さによりスムーズに最大下降位置まで下降する。
給紙カセット200の下降後、モータを停止し、車椅子ユーザーUが給紙カセット200を画像形成装置本体1A側に押し込むと、第1ガイド部材204が第2ガイド部材205に案内されて画像形成装置本体1A側へと移動し、これにより給紙カセット200は元の給紙可能な位置に装着される。
このように、この実施形態では、第2の位置と第3の位置との間の給紙カセット200の昇降を、給紙カセット200に付与されるモータの駆動力によって行うから、第2の位置と第3の位置との間の給紙カセット200の移動を確実にかつ安定的に行うことができる。
なお、記録媒体の補給後の給紙カセット200の下降を、モータを駆動させることなくユーザーが給紙カセット200を手で下方に押さえて下降させても良い。
図12は、給紙カセットへの補給の際の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
ステップS01で、補給モードとして車椅子モードが選択されたかどうかを判断する。選択は、例えば図13に示すように、操作パネル部90の表示部91に、通常モードボタンと車椅子モードボタンの選択画面を表示し、いずれかのボタンをユーザーに選択させることにより行われる。なお、選択は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末装置から行われても良い。
通常モードが選択された場合は(ステップS01でNO)、ステップS10に進み、給紙カセット200の上昇をロックするロック機構215を解除することなく、通常の補給動作を受け付ける。従ってこの場合は、給紙カセット200を画像形成装置本体1Aから引き出しても、給紙カセット200は上昇変位せず、第1の位置と同じ高さ位置を保持する。
車椅子モードが選択された場合は(ステップS01でYES)、ステップS02で、開始指示を受け付けたかどうかを判断する。図14に示すように、表示部91に補給を開始する「はい」ボタンと、開始しない「いいえ」ボタンを表示し、「はい」ボタンが押された時に開始指示を受け付けたと判断すれば良い。なお、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末装置から開始の指示が行われても良いし、スタートボタン等のハードキーが押されることで、開始の指示が行われたと判断しても良い。
開始指示を受け付けた場合(ステップS02でYES)、ステップS03で、給紙カセット200の上昇をロックするロック機構215を解除する。なお、給紙カセット200の昇降をモータにより行う場合は、モータの駆動禁止がロックに相当し、駆動禁止の解除がロックの解除に相当する。
次いでステップS04で、給紙カセット204は第1の位置、つまり画像形成装置本体1Aに収容されて画像形成部10に記録媒体Sを給紙可能な装着位置に存在しているかどうかを判断する。ユーザーが給紙カセット200を引き出していなければ、給紙カセット200はまだ第1の位置に存在しているから、ステップS04に留まる。
ユーザーが給紙カセット200を引き出した結果、給紙カセット200が第1の位置に存在していなければ(ステップS04でNO)、ステップS05で、制御部110は、給紙カセット200からの記録媒体Sの給紙、全搬送経路における記録媒体Sの搬送及び画像形成部10による画像の形成を禁止する。これにより、補給作業時の紙詰まり等を防止することができる。
続いてステップS06で、給紙カセット200の上方可動領域に、給紙カセット200の上昇を妨げる障害物が存在するかどうかを、例えば給紙カセット200に設けた近接センサからの信号に基づい制御部110が判断する。障害物があれば(ステップS06でYES)、ステップS07で、給紙カセット200の高さ方向への変位を停止したのち、ステップS06に戻る。高さ方向への変位停止は、給紙カセット200をモータにより上昇変位させる場合はモータを停止させれば良い。ばねにより上昇変位させる場合は、例えば給紙カセット200を任意の高さ位置で停止させるストッパ機構等を設ければ良い。このように、給紙カセット200の高さ方向の可動領域に可動を妨げる障害物の存在が検知されたときは、給紙カセット200の高さ方向への変位は停止するから、障害物に衝突することによる給紙カセット200の破損を防止できる。
ステップS06において、障害物が存在しなければ(ステップS06でNO)、上昇変位を再開し、ステップS08で、給紙カセット200が第1の位置に復帰したかどうかを調べ、復帰しなければ(ステップS08でNO)、復帰するまで待つ。
記録媒体の補給が完了し、下降した給紙カセット200を車椅子ユーザーが画像形成装置本体A内に押し込むと、給紙カセット200が第1の位置に復帰するから(ステップS08でYES)、ステップS09では、給紙カセット200からの記録媒体Sの給紙、全搬送経路における記録媒体Sの搬送及び画像形成部10による画像の形成の禁止を解除する。
図15はこの発明のさらに他の実施形態を説明するための図であり、同図(A)(B)は画像形成装置1の側面から見た模式的な図、同図(C)は画像形成装置1の正面から見た模式的な図である。
この例では、同図(A)に示すように、複数の給紙カセット301(図では4個)が存在する場合、同図(B)に示すように下側に位置する2個以上の給紙カセット301を1個にまとめて大容量の給紙カセット300としている。なお、同図(C)に示すように、大容量の給紙カセット300を正面視で左右に複数個設けても良い。
大容量給紙カセット300内には、図16に示すように、水平状の押し上げ板310が備えられている。この押し上げ板310は、押し上げ板310上に載置された記録媒体Sを下方から支持して上方への付勢力を付与するものである。押し上げ板310への付勢力の付与は、図16に示すように、下端部が押し上げ板310へ取り付けられ上端部が給紙カセット200に取り付けられた弾性体としてのコイル状の引張ばね311によっても良い。この引張ばね311により、押し上げ板310は、図16(C)に示すように記録媒体Sが積載されている状態での第1の位置と、第1の位置よりも相対的に高い位置であって、図16(A)に示すような記録媒体Sが積載されていない状態での第2の位置との間で変位できるようになっている。このため、車椅子ユーザーUが押し上げ板310に記録媒体が載置されていない状態で画像形成装置本体1Aから給紙カセット300を引き出し、記録媒体Sを補給するときの載置面が高くなり、車椅子ユーザーUは記録媒体Sの補給作業がしやすくなる。
なお、図16(A)に示す符号301は、大容量給紙カセット300の上方に配置されている通常の給紙カセットである。
また、引張ばね311の付勢力は、図16(A)のように、記録媒体Sが積載されていない状態であっても、同図(B)のように、少量の記録媒体Sが補給積載された状態であっても、同図(C)に示すように、大量の記録媒体Sが補給積載された状態であっても、押し上げ板310と補給された記録媒体Sを含む給紙カセット300内の上端面の高さが一定高さHとなるように、引張ばね311の付勢力が設定されている。このように、給紙カセット300内の上端面の高さが一定となるから、給紙カセット300内に記録媒体Sを少し残した状態で記録媒体Sを補給する時も、安定して補給作業を行うことができる。
引張ばね311による押し上げ板310への上方付勢力の付与の仕方は、図16の例に限定されることはなく、例えば、図17に示すように、ワイヤー312の一端を押し上げ板310に固定し、ワイヤー312の他端を定滑車機能のローラ313を介して逆U字状に導いて引張ばね314の一端に固定し、引張ばね314の他端を給紙カセット300の底部に固定する構成であっても良い。
この構成においても、同図(A)に示すように、記録媒体Sが積載されていない状態であっても、同図(B)のように、少量の記録媒体Sが補給積載された状態であっても、同時(C)に示すように、大量の記録媒体が補給積載された状態であっても、押し上げ板310と補給された記録媒体Sを含む給紙カセット310内の上端面の高さが一定高さHとなるように、引張ばね314の付勢力が設定されるのが望ましい。
また、押し上げ板310の昇降はばね等の弾性体ではなく、モータ駆動によって行われても良い。
即ち、図18に示すように、大容量給紙カセット300の画像形成装置本体1A側の下側端部には、アーム部材321の一端が回動可能に連結され、アーム部材321の他端は、画像形成装置本体1Aの下部奥所に回動可能に連結されている。アーム部材321は長さ方向の略中央部において折り畳み可能となっており、折り畳まれた状態では、給紙カセット300を画像形成装置本体1A内に装着し、記録媒体Sの補給時に給紙カセット300が引き出されると、図18(A)に示すように、給紙カセット300の移動に伴いアーム部材321が伸びた状態となる。
また、アーム部材321と給紙カセット300の連結部の近傍には、モータ322が設けられると共に、モータ322で回転駆動される回転軸323にはワイヤー324の一端が取り付けられており、ワイヤー324の他端は、給紙カセット300の上部に取り付けられた定滑車機能のローラ325を介して押し上げ板310に固定されている。従って、モータ322を駆動してワイヤ324をモータ322の回転軸323に巻き取ると、図18(A)に示すように、押し上げ板310が引っ張られて上昇変位し、モータ322を逆回転させると、回転軸323に巻き取られたワイヤー324が巻き戻され、図18(B)(C)に示すように、給紙カセット300更には補給された記録媒体Sの自重により、給紙カセット300は下降するようになっている。
なお、図18の例においても、同図(A)のように、記録媒体Sが積載されていない状態であっても、同図(B)のように、少量の記録媒体Sが補給積載された状態であっても、同時(C)に示すように、大量の記録媒体Sが補給積載された状態であっても、押し上げ板310と補給された記録媒体Sを含む給紙カセット300内の上端面の高さが一定高さHとなるように、モータ322の駆動力等が設定されている。
図19及び図20はこの発明のさらに他の実施形態を説明するための図であり、図19(A1)(A2)は給紙カセット300を側面から見た時の模式図、同図(B1)(B2)は給紙カセット300内の押し上げ板310を上面から見た時の模式図、図20(C1)(C2)は給紙カセット300を背面から見た時の模式図である。
この実施形態では、図15〜図18に示した実施形態と同じく、大容量の給紙カセット300と給紙カセット300内に配置された押し上げ板310を備えている。
さらに、図20(C1)(C2)に示すように、給紙カセット300には第1引張ばね331と、第1引張ばね331の左右両側に配置された第2引張ばね332及び第3引張ばね333の3個のばねを備えている。
第1引張ばね331は、上下移動可能な水平配置状態の押し上げ板310に、上方への付勢力を付与する役割を果たし、第1引張ばね331の下端は給紙カセット300の底部に固定され、上端は、定滑車機能のロール部材341で逆U字状に掛け渡された第1ワイヤー351の一端に連結され、第1ワイヤー351の他端は、押し上げ板310に直接に固定されている。これにより、第1引張ばね331が押し上げ板310に上方への付勢力を付与している。
第2引張ばね332は、記録媒体の両サイドを規制するために押し上げ板310の上方に突出した2枚のサイド規制板(左右規制部材)361、361であって、図19(B1)(B2)に示すように、押し上げ板310に形成された切り込み362、362を上下に貫通して対向配置され、接離方向に移動可能な2枚のサイド規制板361、361を、互いに接近する方向に付勢する役割を果たす。第2引張ばね332の下端は給紙カセット300の底部に固定され、上端は、定滑車機能のロール部材341で逆U字状に掛け渡された第2ワイヤー352の一端に連結されている。また、第2ワイヤー352の他端は、同図(A1)(A2)(B1)(B2)に示すように、サイド規制板361、361に突設された複数個の下向き突起363に交互かつ蛇腹状に掛け渡されて連結された状態で、押し上げ板310に固定されている。これにより、同図(A1)(B1)に矢印で示すように、2枚のサイド規制板361、361に接近方向の付勢力を付与している。
サイド規制板361、361の間隔は、記録媒体Sの左右方向のサイズが大きいほど間隔は広くなり、それに応じて第2引っ張りばね332は第2ワイヤー352によって引っ張られて、押し上げ板310にはより大きな上昇力が作用する。つまり、記録媒体Sの左右方向のサイズの相違によって、押し上げ板310の上昇力を調整できることになり、記録媒体Sの左右方向のサイズに応じた最適な上昇力を押し上げ板310に付与することができる。
第3引張ばね333は、記録媒体Sの後端を規制するために押し上げ板310の上方に突出した1枚の後端規制板371であって、図19(B1)(B2)に示すように、押し上げ板310に形成された切り込み372を上下に貫通してされ、前方(図19(B1)(B2)の上方)に移動可能な後端規制板を、前方に付勢する役割を果たす。第3引張ばね333の下端は給紙カセット300の底部に固定され、上端は、定滑車として機能するロール部材341で逆U字状に掛け渡された第3ワイヤー353の一端に連結されている。また、第3ワイヤー353の他端は、同図(B1)(B2)に示すように、後端規制板に突設された複数個の下向き突起373と、押し上げ板310に突設された複数の下向き突起381に交互かつ蛇腹状に掛け渡され連結された状態で、押し上げ板310に固定されている。これにより、同図(B1)に矢印で示すように、後端規制板に前方への付勢力を付与している。
後端規制板371は、記録媒体Sの前後方向のサイズが大きいほど後方に位置することになり、それに応じて第3引っ張りばね333は第3ワイヤー353によって引っ張られて、押し上げ板310にはより大きな上昇力が作用する。つまり、記録媒体Sの前後方向のサイズの相違によって、押し上げ板310の上昇力を調整できることになり、記録媒体Sの前後方向のサイズに応じた最適な上昇力を押し上げ板310に付与することができる。
図19の例では、記録媒体Sは押し上げ板310によって下方から支持されるとともに、記録媒体Sのサイズに応じて、サイド規制板361、361及び後端規制板371が第2引張ばね332及び第3引張ばね333の付勢力によって移動し、記録媒体Sの両サイド及び後端を適正に規制する。従って、各種サイズの記録媒体Sに対応可能な大容量給紙カセット300となる。図19(A1)(B1)及び図20(C1)は大きい記録媒体Sが補給されている状態を、図19(A2)(B2)及び図20(C2)は小さい記録媒体Sが補給されている状態を、それぞれ示している。
なお、給紙カセット300に収容可能な最小サイズの記録媒体Sが収容されている状態では、図20(C2)に示すように、第2引張ばね332及び第3引張ばね333の付勢力がほぼゼロになるように、第2引張ばね332及び第3引張ばね333のばね力が設定されている。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。例えば、給紙カセット200を画像形成装置本体1A内の第1の位置から、高さを維持しながら水平に画像形成装置本体1Aから第3の位置まで引き出された後に、給紙カセット200の上昇位置である第2の位置へと変位する構成を示したが、リンク機構などにより、引き出される途中で第1の位置から第2の位置へ変位する構成としても良い。
1 画像形成装置
1A 画像形成装置本体
10 画像形成部
20 給紙部
90 操作パネル部
91 表示部
110 制御部
200 給紙カセット
201a 第1突軸
201b 第2突軸
202a 第1脚体
202b 第2脚体
203 支軸
203 第1ガイド部材
204 第2ガイド部材
205 第3ガイド部材
210 引張ばね
211 ねじりコイルばね
215 ロック機構
242、244 移動棒
251 引張棒
262 モータの回転軸
300 大容量給紙カセット
310 押し上げ板
311 引張ばね
322 モータ
323 回転軸
331 第1引張ばね
332 第2引張ばね
333 第3引張ばね
361 サイド規制板
371 後端規制板
S 記録媒体
U 車椅子ユーザー

Claims (18)

  1. 画像形成装置本体と、
    画像形成手段と、
    前記画像形成装置本体に備えられ、前記画像形成手段により画像を形成される記録媒体を収容するとともに、画像形成時には収容された前記記録媒体を前記画像形成手段に給紙し、前記記録媒体の補給時には前記画像形成装置本体から引き出される方向に移動可能であり、補給後は前記画像形成装置本体への装着方向に移動可能な少なくとも1個の給紙カセットと、
    前記記録媒体の補給のために前記給紙カセットが前記画像形成装置本体から引き出される方向へ移動している途中または移動後に、前記画像形成装置本体での装着位置である第1の位置よりも高い第2の位置へと給紙カセットの高さ方向への変位を可能とする変位手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記変位手段は、前記第1の位置の高さを維持しながら前記給紙カセットが引き出される方向に水平に第3の位置まで移動した後に、前記第2の位置への変位を可能とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記給紙カセットが前記第1の位置に存在しない場合、給紙カセットからの記録媒体の給紙、全搬送経路における記録媒体の搬送及び前記画像形成手段による画像の形成を禁止する禁止手段を備えている請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記給紙カセットへの記録媒体の補給に関して、前記第2の位置へ給紙カセットを変位させない通常モードである第1のモードと、前記変位手段を介して前記第2の位置へ給紙カセットを変位させる第2のモードが設定されると共に、第1のモードと第2のモードの何れかを選択するための選択手段を備えている請求項1〜3の何れかに記載の画像形成装置。
  5. 前記第2の位置へと変位する前記給紙カセットの可動領域に可動を妨げる障害物が存在するか否かを検知する検知手段と、
    前記検知手段により障害物の存在が検知されたときは、前記変位手段による給紙カセットの前記第2の位置への変位を阻止する阻止手段と、
    を備えている請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 記録媒体の補給操作の開始指示を受け付ける受付手段を備え、受け付けられた補給操作の開始指示に基づいて、前記変位手段による給紙カセットの高さ方向への変位が可能となる請求項1〜5の何れかに記載の画像形成装置。
  7. 前記変位手段は、前記給紙カセットに前記第2の位置への付勢力を付与する弾性体を備えている請求項1〜6の何れかに記載の画像形成装置。
  8. 前記弾性体によって給紙カセットに付与される上方への付勢力の大きさは、給紙カセットに補給された記録媒体の重さによって給紙カセットが下降する大きさに設定されている請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 補給の途中で前記記録媒体の重さによって給紙カセットが下降しないようにロックするロック機構が備えられている請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記弾性体によって給紙カセットに付与される上方への付勢力の大きさを、記録媒体のサイズに応じて調整可能な調整手段を備えている請求項7〜9の何れかに記載の画像形成装置。
  11. 前記弾性体によって給紙カセットに付与される上方への付勢力を無効にする無効手段を備えている請求項7〜10の何れかに記載の画像形成装置。
  12. 前記変位手段は、前記給紙カセットに前記第2の位置への駆動力を付与する駆動手段を備えている請求項1〜6の何れかに記載の画像形成装置。
  13. 画像形成装置本体と、
    画像形成手段と、
    前記画像形成装置本体に備えられ、前記画像形成手段により画像を形成される記録媒体を収容するとともに、画像形成時には収容された前記記録媒体を前記画像形成手段に給紙し、前記記録媒体の補給時には前記画像形成装置本体から引き出される方向に移動可能であり、補給後は前記画像形成装置本体への装着方向に移動可能な少なくとも1個の給紙カセットと、
    前記給紙カセット内に備えられ、積載状態で収容されている記録媒体を下方から支持する押し上げ部材と、
    前記押し上げ部材を、記録媒体が積載されている状態での第1の位置から、前記第1の位置よりも相対的に高い位置であって、記録媒体が積載されていない状態での第2の位置へと変位させる変位手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  14. 前記変位手段は少なくとも一つの弾性体を備え、前記弾性体の付勢力により、前記記録媒体が積載されていない状態で前記押し上げ部材を前記第2の位置へ上昇変位させ、積載されると前記弾性体が伸びることで前記押し上げ部材を前記第1の位置へ下降変位させる構成となされている請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記変位手段は、少なくとも第1〜第3の3本のワイヤーと、少なくとも第1〜第3の3個の弾性体を備え、
    前記第1〜第3の3本のワイヤーの一端は、給紙カセットにそれぞれ一端が取り付けられた前記第1〜第3の3個の弾性体の各他端に取り付けられ、
    かつ第1のワイヤーの他端は前記押し上げ部材に連結されて第1の弾性体の付勢力を直接に前記押し上げ部材に伝達し、第2のワイヤーの他端は、押し上げ部材の上方に突出し接離方向に移動可能に設けられた、記録媒体の左右方向の位置を規制する一対の左右規制部材に連結されて、第2の弾性体により前記左右規制部材を接近する方向に付勢し、第3のワイヤーの他端は、押し上げ部材の上方に突出し押し上げ部材の前後方向に移動可能に設けられた、記録媒体の後端部の位置を規制する後端規制部材に連結されて、第3の弾性体により前記後端規制部材を前側に付勢する構成となされている請求項13または14に記載の画像形成装置。
  16. 前記変位手段は前記押し上げ部材を昇降させるモータを備え、記録媒体の補給前後で給紙カセット内の最大高さが一定になるように、前記モータが駆動される請求項13に記載の画像形成装置。
  17. 前記変位手段による第2の位置への高さ方向の変位は、弾性体の付勢力によって行われる請求項1〜12の何れかに記載の画像形成装置。
  18. 前記変位手段による第2の位置への高さ方向の変位は、モータの駆動によって行われる請求項1〜12、17の何れかに記載の画像形成装置。
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