JP2020024836A - 絶縁電線及びフッ素ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

絶縁電線及びフッ素ゴム組成物の製造方法 Download PDF

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誠 岡井
新太郎 武田
Shintaro Takeda
新太郎 武田
正信 中橋
Masanobu Nakabashi
正信 中橋
阿部 富也
Tomiya Abe
富也 阿部
百生 秀人
Hideto Momose
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Takashi Aoyama
貴 青山
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Hideki Yamaura
秀樹 山浦
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Abstract

【課題】電気絶縁性を維持しながら耐熱性に優れる絶縁電線を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、導体2と導体2の外周に設けられた被覆層3とを備える絶縁電線1であって、被覆層3は、テトラフルオロエチレン及びαオレフィンの共重合体を含むフッ素ゴムと、窒化硼素ナノチューブとを含有するフッ素ゴム組成物からなり、前記αオレフィンは、プロピレン単独、ブテン−1単独、又は、エチレン、プロピレン、ブテン−1及びイソブテンから選択される2種以上の組み合わせであることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁電線及びフッ素ゴム組成物の製造方法に関する。
従来、耐熱性、難燃性が要求される電線の被覆材料として、テトラフルオロエチレンと炭素数2〜4のαオレフィンとの共重合体からなるフッ素ゴムが用いられている。
絶縁体として、テトラフルオロエチレンと炭素数2〜4のαオレフィンとの共重合体、とりわけテトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体を主体とするものは、耐熱性、難燃性、耐油性、耐薬品性及び電気絶縁性に優れた材料として良く知られている。
上記フッ素ゴムは耐熱性に優れるが、電線の被覆材料としての用途を考慮して、さらに耐熱性を向上させる場合、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体等の酸化防止剤を添加することが考えられる。しかしながら、かかる酸化防止剤は、高温時に熱分解を起こし易く、さらなる耐熱性の向上には限界がある。
そこで本発明は、上記従来の状況に鑑み、電気絶縁性を維持しながら耐熱性に優れるフッ素ゴム組成物を用いた絶縁電線を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、分散性に優れたフッ素ゴム組成物の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の絶縁電線は、導体と前記導体の外周に設けられた被覆層とを備える絶縁電線であって、前記被覆層は、テトラフルオロエチレン及びαオレフィンの共重合体を含むフッ素ゴムと、窒化硼素ナノチューブとを含有するフッ素ゴム組成物からなり、前記αオレフィンは、プロピレン単独、ブテン−1単独、又は、エチレン、プロピレン、ブテン−1及びイソブテンから選択される2種以上の組み合わせであることを特徴とする。
また、本発明のフッ素ゴム組成物の製造方法は、テトラフルオロエチレン及びαオレフィンの共重合体を溶媒に溶解させた溶液(a)を作製する工程と、窒化硼素ナノチューブを溶媒に分散させた溶液(b)を作製する工程と、前記溶液(a)と前記溶液(b)とを混合した後、乾燥させてマスターバッチを作製する工程と、前記マスターバッチとテトラフルオロエチレン及びαオレフィンの共重合体とを混練する工程と、を含み、前記αオレフィンは、プロピレン単独、ブテン−1単独、又は、エチレン、プロピレン、ブテン−1及びイソブテンから選択される2種以上の組み合わせであることを特徴とする。
本発明によれば、電気絶縁性を維持しながら耐熱性に優れるフッ素ゴム組成物を用いた絶縁電線を得ることができる。
また、本発明のフッ素ゴム組成物の製造方法によれば、分散性に優れたフッ素ゴム組成物を製造することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の絶縁電線の一実施形態の断面を模式的に示す図である。 マスターバッチ1の断面を示す走査型電子顕微鏡像である。
以下、実施の形態に基づき本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の絶縁電線の一実施形態の断面を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る絶縁電線1は、導体2と、導体2の外周に設けられた被覆層3とを備える。そして、被覆層3は、テトラフルオロエチレン及びαオレフィンの共重合体を含むフッ素ゴムと、窒化硼素ナノチューブとを含有するフッ素ゴム組成物からなる。
αオレフィンは、耐熱性を有するテトラフルオロエチレンと共重合してエラストマ性状を呈するものである。このようなαオレフィンとして、本実施形態では、プロピレン単独、ブテン−1単独、又は、エチレン、プロピレン、ブテン−1及びイソブテンから選択される2種以上の組み合わせを用いる。特に、プロピレン単独を用いることが好ましい。このようなαオレフィンを選定することにより、絶縁電線の可とう性を向上させることができる。
テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体としては、主成分のテトラフルオロエチレン及びプロピレンに加えて、これらと共重合可能な成分、例えば、エチレン、イソブチレン、アクリル酸及びそのアルキルエステル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、クロロエチルビニルエ−テル、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等を適当量含有させたものであっても良い。
テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体は、耐熱性、成形性等の観点から、テトラフルオロエチレン/プロピレンの含有モル比を95/5〜30/70の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは、90/10〜45/55の範囲である。また、適宜加えられる主成分以外の成分の含有量は、共重合体全体に対して50モル%以下、特に30モル%以下であることが好ましい。
テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体の数平均分子量は、2万以上20万以下であることが押出性及び機械的強度の点から好ましい。数平均分子量が大き過ぎると、成形体にクラックが発生し易くなり、一方小さ過ぎると、機械的強度が不十分となり易い。この場合、数平均分子量の調整は、単量体濃度、重合開始剤濃度、単量体対重合開始剤の量比、重合温度、連鎖移動剤の使用等の共重合反応条件の操作によって生成重合体の分子量を直接調整する方法、あるいは、共重合反応時には高分子量の共重合体を生成し、これを酸素存在下に加熱処理する等して低分子量化する方法等を用いて適宜行うことができる。
窒化硼素ナノチューブ(BNNT)は、カーボンナノチューブと類似した構造を有する高アスペクト比のナノチューブであり、カーボンナノチューブの炭素原子が窒素原子と硼素原子によって置換された材料である。本実施形態における窒化硼素ナノチューブとしては、ナノチューブ状であれば形状は特に限定されず、多層構造であっても単層構造であっても良い。また、長繊維状でも、短繊維状でも構わない。窒化硼素ナノチューブのサイズは特に限定されるものではないが、直径が数nm〜数十nm、長さがサブミクロン〜50μmの多層構造のナノチューブであることが好ましい。このような窒化硼素ナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、化学気相成長法、ボールミリング・アニーリング法、熱分解法、アークジェットプラズマ法、誘導結合プラズマ(ICP)法等を用いて適宜合成することができる。
窒化硼素ナノチューブは、耐熱性、成形性等の面から、添加量は樹脂成分100質量部に対して0.5質量部以上50質量部以下の範囲内であることが好ましく、特に好ましくは、1質量部以上20質量部以下の範囲内である。
次に、上記の絶縁電線の被覆層に用いるフッ素ゴム組成物の製造方法について説明する。本実施形態に係るフッ素ゴム組成物の製造方法は、テトラフルオロエチレン及びαオレフィンの共重合体を溶媒に溶解させた溶液(a)を作製する工程と、窒化硼素ナノチューブを溶媒に分散させた溶液(b)を作製する工程と、前記溶液(a)と前記溶液(b)とを混合した後、乾燥させてマスターバッチを作製する工程と、前記マスターバッチとテトラフルオロエチレン及びαオレフィンの共重合体とを混練する工程と、を含む。
具体的には、まず、窒化硼素ナノチューブの分散性を良くするため、テトラフルオロエチレンと、プロピレン単独、ブテン−1単独、又は、エチレン、プロピレン、ブテン−1及びイソブテンから選択される2種以上の組み合わせであるαオレフィンとの共重合体を溶媒に溶解させて溶液(a)を作製する。
また、窒化硼素ナノチューブの分散性を良くするため、上述の窒化硼素ナノチューブを溶媒に分散させて溶液(b)を作製する。溶液(a)を作製する工程と溶液(b)を作製する工程とは、どちらを先に行っても良く、同時に行っても良い。なお、上記の溶液(a)及び溶液(b)を作製する工程において用いる溶媒としては、一般的に使用されているものであれば適用でき、特に限定されるものではないが、例えばテトラヒドロフランを用いることができる。溶液(a)及び溶液(b)を作製する工程において同じ溶媒を用いることにより、混練する際の相溶性が良くなり、窒化硼素ナノチューブの分散性が向上する。
フッ素ゴム組成物中の窒化硼素ナノチューブは、凝集していない状態であることが好ましい。凝集していると、ロール、バンバリーミキサ、ニーダ等を用いた混練時にシェアを加える従来の混練手法では凝集をほどくことが困難になる。そのため、凝集しないように溶媒中に分散させ、その状態のまま混練する。
次に、溶液(a)と溶液(b)とを混合した後、乾燥させてマスターバッチを作製する。溶液(a)と溶液(b)とが混ざり合えば良く、混合の具体的手法は特にこれを限定するものではないが、例えば、撹拌や超音波処理を採用することもできる。撹拌については、使用する溶液の濃度に応じて、撹拌羽根の種類、撹拌速度、撹拌温度、撹拌時間等の撹拌条件を適宜設定することができる。また、超音波処理については、使用する溶液の濃度に応じて、出力レベル、処理温度、処理時間等の超音波処理条件を適宜設定することができる。
また、乾燥は、常温乾燥、湯煎乾燥、真空乾燥等いずれの方式を用いても良く、これらの方式を適宜組み合わせて行っても良い。
乾燥させた組成物は、さらにロール等の装置を用いて機械的に混練することでより均一化を図ることができる。
乾燥させた組成物には、必要に応じて、架橋剤、架橋助剤、充填剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、粘着防止剤等の種々の添加剤を配合することができる。また、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体等の酸化防止剤は、高温時に熱分解を起こし易く、実質的に含有しないこととするのが望ましいが、本発明の効果を奏する限りにおいて、上述した酸化防止剤よりも分解温度の高い酸化防止剤であれば配合することができる。
架橋剤としては、架橋後のイオン性不純物の残留防止の観点から、有機過酸化物系の架橋剤が好ましく用いられる。有機過酸化物系の架橋剤の例として、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。これらの架橋剤は、いずれか一種を単独で、あるいは二種以上混合して使用することができる。特に、ジアルキルパーオキサイドが好ましく用いられる。また、有機過酸化物系以外であっても、液状化する架橋剤であれば適用可能である。
架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリルピロメリテート等のアリル型化合物が特に好ましく用いられる。
架橋方法としては、化学架橋、γ線や電子線等の電離性放射線の照射による照射架橋が採用可能であり、特に限定はされない。
充填剤としては、有機充填剤を用いても良いが、無機充填剤が好ましく用いられ、例として無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
難燃剤としては、臭素系難燃剤、特に、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)が好ましく用いられる。また、難燃助剤としては、三酸化アンチモン等が挙げられる。
作製したマスターバッチは、テトラフルオロエチレン及びαオレフィンの共重合体とさらに混練し、フッ素ゴム組成物を得ることができる。混練方法は、上記と同様に、ロール、バンバリーミキサ、ニーダ等を用いて適宜行うことができる。得られるフッ素ゴム組成物は、窒化硼素ナノチューブが均一に分散し、耐熱性に優れるため、絶縁電線の被覆層に用いる組成物として好適に利用することができる。
次に、実施例及び比較例を示して本発明をさらに詳細に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体の液状化に関する評価>
テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体(AFLAS(登録商標)150E、旭硝子社製、テトラフルオロエチレン/プロピレン=55/45(モル比))をテトラヒドロフランに投入し、撹拌して溶解させ、溶液(a)としての溶液1を作製した。
上記溶液1と同一のテトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体をエタノール(溶液2)又はトルエン(溶液3)に投入し、撹拌することにより、溶液2、3を作製した。
表1に、溶液1〜3におけるテトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体の液状化に関する評価結果を示す。表1に示すように、溶液1では、溶媒としてテトラヒドロフランを用いたことにより、共重合体は均一に溶解し、液状化していた。一方、溶媒としてエタノール又はトルエンを用いた溶液2、3では、液状化させることはできなかった。
<分散性の評価>
(マスターバッチ1の作製)
次に、窒化硼素ナノチューブをテトラヒドロフランに分散させ、溶液(b)を作製した。この溶液(b)を、上記液状化に関する評価において溶液(a)として作製した溶液1に投入し、撹拌した後、超音波処理を行い、乾燥させてマスターバッチ1を作製した。テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体と窒化硼素ナノチューブの割合は、9:1(質量比)になるように作製した。
(マスターバッチ2の作製)
上記マスターバッチ1と同一のテトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体、及び窒化硼素ナノチューブを、いずれも溶媒に投入せず固体のままロールにより混練し、マスターバッチ2を作製した。
得られたマスターバッチ1及び2について分散性を評価した。分散性の評価は、マスターバッチを液体窒素で凍らせ、凍ったものを切断した断面を走査型電子顕微鏡により観察した。任意の100μm角の範囲を10箇所観察し、マスターバッチ中に分散している窒化硼素ナノチューブの短径の大きさの平均値が5μm以下である場合を良好、短径の大きさの平均値が5μmを超える場合を劣るとした。ここで、窒化硼素ナノチューブの短径とは、マスターバッチ中に存在する窒化硼素ナノチューブの塊(1本の窒化硼素ナノチューブで存在する場合はその1本、複数本の窒化硼素ナノチューブが集合して存在する場合はその集合体)の短径を意味する。分散性の評価結果を表2に示す。
表2に示すように、テトラヒドロフランを溶媒として、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体及び窒化硼素ナノチューブを液体状態で混練、乾燥させたマスターバッチ1は、分散性が良好であった。一方、固体同士を混練したマスターバッチ2では、分散性が劣っていた。
また、図2に、マスターバッチ1の断面を示す走査型電子顕微鏡像を示す。マスターバッチ1の切断面10において、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体20中の白い繊維状のものが窒化硼素ナノチューブ30であり、分散性が良好であることが示された。
(実施例1)
上記マスターバッチ1と、表3に示す各成分をロールを用いて混練し、フッ素ゴム組成物を製造した。表3中、受酸剤とは、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体から生成するフッ化水素をトラップするための添加剤である。得られたフッ素ゴム組成物の加工性を評価するため、ムーニー粘度計を用い、130℃での最低ムーニー粘度を測定した。数値が小さい方が押出機への負荷が小さくなり加工性は良い。また、フッ素ゴム組成物の電気絶縁性を評価するため、組成物を、圧力10MPa、温度180℃に設定したプレス機を用いて10分間プレスし、厚さ1mmのシートを作製し、このシートの体積抵抗率を500V、1分間の条件で測定した。数値が大きい方が電気絶縁性に優れている。
次に、上記フッ素ゴム組成物を、シリンダー1:80℃、シリンダー2:80℃、シリンダー3:80℃、ヘッド:90℃、ダイス:100℃の各温度に設定した40mm押出機を用い、外径0.9mmの錫めっき銅撚線導体上に厚さ0.4mmに押出被覆し、その後13気圧のスチームにて3分間架橋を行い絶縁電線を作製した。
製造した絶縁電線から錫めっき銅撚線を引き抜いてチューブ形状としたものについて、可とう性と耐熱性を評価した。
可とう性は100%モジュラスで評価した。数値が小さい方が柔らかく可とう性に優れる。耐熱性は、チューブ形状のものを250℃で4日間、熱老化試験機に入れた後に取り出し、引張特性を測定し、初期引張特性に対する熱老化後引張特性の比を、次式「残率(%)=(熱老化後引張特性/初期引張特性)×100」により算出し、残率で表して評価した。数値が大きい方が耐熱性に優れる。
(比較例1)
窒化硼素ナノチューブを含むマスターバッチを配合せず、表3に示す各成分を上記実施例1と同様にして混練、成形することにより、比較例1のフッ素ゴム組成物及び絶縁電線を製造した。得られたフッ素ゴム組成物及び絶縁電線について、加工性、可とう性、電気絶縁性及び耐熱性を上記実施例1と同様に評価した。実施例1及び比較例1の評価結果を表3に示す。
表3に示すように、窒化硼素ナノチューブを含むマスターバッチを配合した実施例1は、電気絶縁性を維持しながら比較例1と比べ耐熱性に優れる。また、実施例1は、優れた耐熱性を奏しながら、比較例1に比して可とう性及び加工性を維持している。これらのことから本発明におけるフッ素ゴム組成物は、絶縁電線の被覆層として有用であるといえる。
以下の説明は本発明の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更及び修正が可能である。
1 絶縁電線
2 導体
3 被覆層
10 マスターバッチ1の切断面
20 テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体
30 窒化硼素ナノチューブ

Claims (4)

  1. 導体と前記導体の外周に設けられた被覆層とを備える絶縁電線であって、
    前記被覆層は、テトラフルオロエチレン及びαオレフィンの共重合体を含むフッ素ゴムと、窒化硼素ナノチューブとを含有するフッ素ゴム組成物からなり、
    前記αオレフィンは、プロピレン単独、ブテン−1単独、又は、エチレン、プロピレン、ブテン−1及びイソブテンから選択される2種以上の組み合わせである絶縁電線。
  2. 前記αオレフィンが、プロピレン単独である請求項1に記載の絶縁電線。
  3. テトラフルオロエチレン及びαオレフィンの共重合体を溶媒に溶解させた溶液(a)を作製する工程と、
    窒化硼素ナノチューブを溶媒に分散させた溶液(b)を作製する工程と、
    前記溶液(a)と前記溶液(b)とを混合した後、乾燥させてマスターバッチを作製する工程と、
    前記マスターバッチとテトラフルオロエチレン及びαオレフィンの共重合体とを混練する工程と、
    を含み、
    前記αオレフィンは、プロピレン単独、ブテン−1単独、又は、エチレン、プロピレン、ブテン−1及びイソブテンから選択される2種以上の組み合わせである、フッ素ゴム組成物の製造方法。
  4. 前記αオレフィンが、プロピレン単独である請求項3に記載のフッ素ゴム組成物の製造方法。
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