JP2020023132A - 離型シート、転写シート、離型シートの製造方法、転写シートの製造方法及び加飾成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】位置合わせ用のパターンの読み取り性を向上させ、作業性を向上させる離型シート、転写シート、離型シートの製造方法、転写シートの製造方法及び加飾成形品の製造方法を提供する。【解決手段】支持体1と、樹脂層2とを有する離型シート10であって、離型シート10は、被転写物への転写領域である第1領域R1及び転写の調整領域である第2領域R2を有し、樹脂層2は、第2領域R2における支持体1と反対側に突出した凸部4を有し、下記式(1)より得られるΔ吸収量が3.0%以上である。Δ吸収量=[(100%−第1領域の全光線透過率−8%)/t1]×t2(1)(式中、t1は樹脂層の第1領域の平均厚さであり、t2は凸部の厚さである。)【選択図】図1
Description
本発明は、離型シート、転写シート、離型シートの製造方法、転写シートの製造方法及び加飾成形品の製造方法に関する。
家庭用電化製品、自動車内装品及び雑貨品等の分野において、転写法により物品の表面を装飾する場合がある。
転写法は、基材上に、剥離層、図柄層、接着剤層等からなる転写層を形成した転写シートを、被転写物である物品に密着させた後、基材を剥離して、被転写物表面に転写層のみを転写して装飾を行う方法である。
転写法は、基材上に、剥離層、図柄層、接着剤層等からなる転写層を形成した転写シートを、被転写物である物品に密着させた後、基材を剥離して、被転写物表面に転写層のみを転写して装飾を行う方法である。
転写法では、転写層の構成を調整することにより、被転写物である物品に光沢感を付与したり、あるいは、逆に、光沢感を減らしてマット感を付与したりすることができる。
例えば、特許文献1には、基体シート上に全面的にマット剤を含有する離型層と、部分的に活性エネルギー線硬化性樹脂を含有するマスク層と、転写層として剥離層と図柄層とが形成されたことを特徴とする部分マット転写シートが開示されている。
例えば、特許文献1には、基体シート上に全面的にマット剤を含有する離型層と、部分的に活性エネルギー線硬化性樹脂を含有するマスク層と、転写層として剥離層と図柄層とが形成されたことを特徴とする部分マット転写シートが開示されている。
被転写物である物品の表面に転写層を転写する場合、特許文献1の段落0034に記載されているように、位置合わせが極めて重要となる。
従来から印刷分野等において、トンボと呼ばれる位置合わせ用のパターンを印刷し、該パターンをセンサーで読み取ることによって、位置合わせが行われている。転写法においても、このように位置合わせ用のパターンを印刷して、位置合わせすることが考えられる。
従来から印刷分野等において、トンボと呼ばれる位置合わせ用のパターンを印刷し、該パターンをセンサーで読み取ることによって、位置合わせが行われている。転写法においても、このように位置合わせ用のパターンを印刷して、位置合わせすることが考えられる。
しかし、位置合わせ用のパターンを転写シートの正確な場所に印刷することが困難であり、被転写物の正確な位置に転写層を転写することが困難であるという問題があった。また、そもそも転写シートが完成した後に位置合わせ用のパターンを印刷する場合、工程が増えて煩雑であるという問題もある。
上記問題を解決するために、本発明者らは、位置合わせ用のパターンを離型シート上に配置する構成とすることを、特願2016−168148号で提案した。そして、本発明者らが更に検討したところ、当該構成では、位置合わせ用のパターンを読み取る際に、位置合わせ用のパターン上に積層する層によって、パターンを認識することが困難となってしまうことがあり、改善する余地があることがわかった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、位置合わせ用のパターンの読み取り性を向上させ、作業性を向上させる離型シート、転写シート、離型シートの製造方法、転写シートの製造方法及び加飾成形品の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供する。
[1]支持体と、樹脂層とを有する離型シートであって、前記離型シートは、被転写物への転写領域である第1領域及び転写の調整領域である第2領域を有し、前記樹脂層は、前記第2領域における前記支持体と反対側に突出した凸部を有し、下記式(1)より得られるΔ吸収量が3.0%以上である、離型シート。
Δ吸収量=[(100%−第1領域の全光線透過率−8%)/t1]×t2 (1)
(式中、t1は樹脂層の第1領域の平均厚さであり、t2は凸部の厚さである。)
[2][1]に記載の離型シート上に転写層を有する、転写シート。
[3]下記(A1)及び(A2)工程を含む、[1]に記載の離型シートの製造方法。
(A1)支持体上に、電離放射線硬化性樹脂組成物及び着色成分を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、電離放射線を照射して、賦形した樹脂層を硬化させる工程。
[4]下記(B1)及び(B2)工程を含む、[2]に記載の転写シートの製造方法。
(B1)[1]に記載の離型シート上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を含む保護層形成用インキを塗布し、電離放射線を照射して、保護層を形成する工程。
(B2)前記保護層上に、接着剤層形成用インキを塗布し、接着剤層を形成する工程。
[5]下記(C1)〜(C3)工程を含む、加飾成形品の製造方法。
(C1)[2]に記載の転写シートを第2領域でスリットする工程。
(C2)スリットした転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(C3)前記積層体から前記転写シートの前記離型シートを分離する工程。
[1]支持体と、樹脂層とを有する離型シートであって、前記離型シートは、被転写物への転写領域である第1領域及び転写の調整領域である第2領域を有し、前記樹脂層は、前記第2領域における前記支持体と反対側に突出した凸部を有し、下記式(1)より得られるΔ吸収量が3.0%以上である、離型シート。
Δ吸収量=[(100%−第1領域の全光線透過率−8%)/t1]×t2 (1)
(式中、t1は樹脂層の第1領域の平均厚さであり、t2は凸部の厚さである。)
[2][1]に記載の離型シート上に転写層を有する、転写シート。
[3]下記(A1)及び(A2)工程を含む、[1]に記載の離型シートの製造方法。
(A1)支持体上に、電離放射線硬化性樹脂組成物及び着色成分を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、電離放射線を照射して、賦形した樹脂層を硬化させる工程。
[4]下記(B1)及び(B2)工程を含む、[2]に記載の転写シートの製造方法。
(B1)[1]に記載の離型シート上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を含む保護層形成用インキを塗布し、電離放射線を照射して、保護層を形成する工程。
(B2)前記保護層上に、接着剤層形成用インキを塗布し、接着剤層を形成する工程。
[5]下記(C1)〜(C3)工程を含む、加飾成形品の製造方法。
(C1)[2]に記載の転写シートを第2領域でスリットする工程。
(C2)スリットした転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(C3)前記積層体から前記転写シートの前記離型シートを分離する工程。
本発明によれば、位置合わせ用のパターンの読み取り性を向上させ、作業性を向上させる離型シート、転写シート、離型シートの製造方法、転写シートの製造方法及び加飾成形品の製造方法を提供することができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。但し、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚さや寸法は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[離型シート]
本発明の実施の形態に係る離型シート10は、図1に示すように、支持体1と、樹脂層2とを有する離型シートであって、離型シート10は、被転写物への転写領域である第1領域R1及び転写の調整領域である第2領域R2を有し、樹脂層2は、第2領域R2における支持体1と反対側に突出した凸部4を有する。離型シート10は、樹脂成形体等の被転写物に転写層を転写した後に剥離される。
本発明の実施の形態に係る離型シート10は、図1に示すように、支持体1と、樹脂層2とを有する離型シートであって、離型シート10は、被転写物への転写領域である第1領域R1及び転写の調整領域である第2領域R2を有し、樹脂層2は、第2領域R2における支持体1と反対側に突出した凸部4を有する。離型シート10は、樹脂成形体等の被転写物に転写層を転写した後に剥離される。
離型シート10は、光を樹脂層2側から入射させて、JIS K7361−1:1997に規定する第1領域の全光線透過率を測定し、下記式(A)より得られる吸収量を算出する。本明細書において、全光線透過率の測定値、厚さに関する数値は、特に断りのない限り、10箇所測定した値の平均値とする。
吸収量=(100%−第1領域の全光線透過率−Rs)/t1 (A)
(式中、t1は樹脂層の第1領域の平均厚さであり、Rsは表裏反射率合計である。)
なお、本明細書において、表裏反射率合計であるRsは、支持体1として用いるプラスチックフィルムの平均的な屈折率(1.5)の表裏の反射率の合計値である「8%」を用いる。
吸収量=(100%−第1領域の全光線透過率−Rs)/t1 (A)
(式中、t1は樹脂層の第1領域の平均厚さであり、Rsは表裏反射率合計である。)
なお、本明細書において、表裏反射率合計であるRsは、支持体1として用いるプラスチックフィルムの平均的な屈折率(1.5)の表裏の反射率の合計値である「8%」を用いる。
離型シート10は、凸部4の厚さを考慮し、上述の式(A)で算出した吸収量に凸部4の厚さを乗算する、下記式(1)より得られるΔ吸収量が3.0%以上である。
Δ吸収量=[(100%−第1領域の全光線透過率−8%)/t1]×t2 (1)
(式中、t1は樹脂層の第1領域の平均厚さであり、t2は凸部の厚さである。)
Δ吸収量=[(100%−第1領域の全光線透過率−8%)/t1]×t2 (1)
(式中、t1は樹脂層の第1領域の平均厚さであり、t2は凸部の厚さである。)
式(1)により得られるΔ吸収量が3.0%未満である場合は、周りとの濃淡差を検出することが困難となり、凸部4により構成される位置合わせ用のパターンを読み取ることができなくなる。位置合わせ用のパターンを読み取ることができなくなることによって、被転写物である物品の表面に転写する工程において、位置合わせをすることができず、商品の品質を維持することが困難となる。
式(1)により得られるΔ吸収量は、凸部4により構成される位置合わせ用のパターンの読み取り性を向上させ、作業性を向上させる観点から、4.0%以上であることが好ましく、5.0%以上であることがより好ましく、6.0%以上であることがさらに好ましい。
式(1)により得られるΔ吸収量は、凸部4により構成される位置合わせ用のパターンの読み取り性を向上させ、作業性を向上させる観点から、4.0%以上であることが好ましく、5.0%以上であることがより好ましく、6.0%以上であることがさらに好ましい。
式(1)により得られるΔ吸収量が大きすぎる場合は、位置合わせ用パターン及びその周辺に色ムラが生じてしまい、凸部4により構成される位置合わせ用のパターンのエッジを認識することが困難になり、位置合わせ用のパターンの読み取り性が低下する。そこで、式(1)により得られるΔ吸収量は、位置合わせ用のパターンの読み取り性を向上させる観点から、25.0%以下であることが好ましく、24.0%以下であることがより好ましく、23.0%以下であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、「色ムラ」とは、凸部4等のように意図して形成した凸部によってΔ吸収量を調整した箇所以外で、吸収量が高くなることによる着色箇所が生じることをいう。
なお、本明細書において、「色ムラ」とは、凸部4等のように意図して形成した凸部によってΔ吸収量を調整した箇所以外で、吸収量が高くなることによる着色箇所が生じることをいう。
(支持体)
支持体1としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド系樹脂などの樹脂からなるプラスチックフィルムが挙げられる。
これらのプラスチックフィルムの中では、耐熱性、寸法安定性に優れ、位置合わせの適性に優れる2軸延伸ポリエステルフィルムが好適である。
支持体1としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド系樹脂などの樹脂からなるプラスチックフィルムが挙げられる。
これらのプラスチックフィルムの中では、耐熱性、寸法安定性に優れ、位置合わせの適性に優れる2軸延伸ポリエステルフィルムが好適である。
支持体1の厚さは、成形性、形状追従性、取り扱いの観点から、12〜150μmであることが好ましく、25〜100μmであることがより好ましい。
本明細書において、高さ、粗さ、幅、厚さに関する数値は、特に断りのない限り、10回測定した値の平均値とする。
本明細書において、高さ、粗さ、幅、厚さに関する数値は、特に断りのない限り、10回測定した値の平均値とする。
支持体1の表面には、樹脂層2等との接着性を高めるために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理や、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
(樹脂層)
樹脂層2は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物等の固形分を含む樹脂成分により形成されることが好ましい。樹脂層2の形成に用いられる樹脂成分は、固形分が20〜100質量%であることが好ましく、25〜95質量%であることがより好ましく、30〜90質量%であることがさらに好ましい。
上記の樹脂成分の中でも、強度に優れるとともに、瞬時に硬化するため正確かつ精密な形状を付与できる電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が好適である。また、電離放射線硬化性樹脂組成物による効果を得やすくする観点から、樹脂層2を構成する全樹脂成分のうち、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を70質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましく、100質量%含むことがよりさらに好ましい。
樹脂層2は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物等の固形分を含む樹脂成分により形成されることが好ましい。樹脂層2の形成に用いられる樹脂成分は、固形分が20〜100質量%であることが好ましく、25〜95質量%であることがより好ましく、30〜90質量%であることがさらに好ましい。
上記の樹脂成分の中でも、強度に優れるとともに、瞬時に硬化するため正確かつ精密な形状を付与できる電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が好適である。また、電離放射線硬化性樹脂組成物による効果を得やすくする観点から、樹脂層2を構成する全樹脂成分のうち、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を70質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましく、100質量%含むことがよりさらに好ましい。
樹脂層2は、上述したΔ吸収量を調整するための着色成分を含む。
着色成分としては、特に限定されず、顔料及び染料等の公知の着色剤を使用できる。例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄及び黄鉛等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮などの金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。なかでも、Δ吸収量の調整の容易性の観点から、カーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、ランプブラック及びアセチレンブラック等が挙げられる。カーボンブラックの平均一次粒径は、100nm以下であることが好ましく、5〜70nmであることがより好ましく、5〜60nmであることがさらに好ましく、5〜50nmであることがよりさらに好ましく、5〜30nmであることが特に好ましい。カーボンブラックの平均一次粒径が上記範囲内にあれば、位置合わせ用のパターンの解像度を低下させることなく、読み取り性を向上させることができる。
ここで、平均一次粒径は、カーボンブラックをクロロホルム等の溶媒で十分に希釈分散させた分散液を、コロジオン膜付メッシュ上に展開、乾燥させた後、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて撮影したTEM写真のコンピューター画像解析を行い、抽出された各凝集体の面積と等しい面積を有する円の直径(等面積円径)を粒径とし、得られた粒径分布より求めた算術平均径(数平均値)である。
着色成分としては、特に限定されず、顔料及び染料等の公知の着色剤を使用できる。例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄及び黄鉛等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮などの金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。なかでも、Δ吸収量の調整の容易性の観点から、カーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、ランプブラック及びアセチレンブラック等が挙げられる。カーボンブラックの平均一次粒径は、100nm以下であることが好ましく、5〜70nmであることがより好ましく、5〜60nmであることがさらに好ましく、5〜50nmであることがよりさらに好ましく、5〜30nmであることが特に好ましい。カーボンブラックの平均一次粒径が上記範囲内にあれば、位置合わせ用のパターンの解像度を低下させることなく、読み取り性を向上させることができる。
ここで、平均一次粒径は、カーボンブラックをクロロホルム等の溶媒で十分に希釈分散させた分散液を、コロジオン膜付メッシュ上に展開、乾燥させた後、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて撮影したTEM写真のコンピューター画像解析を行い、抽出された各凝集体の面積と等しい面積を有する円の直径(等面積円径)を粒径とし、得られた粒径分布より求めた算術平均径(数平均値)である。
また、着色成分として、カーボンナノチューブを主成分とし、上述の顔料及び染料等を含む樹脂着色剤を使用できる。カーボンナノチューブを主成分とする樹脂着色剤を使用することで、導電性を付与することができる。
樹脂層2中の着色成分の含有量は、Δ吸収量を調整する観点から、樹脂層2の全固形分の0.01〜5.0質量%であることが好ましく、0.05〜4.0質量%であることがより好ましく、0.1〜1.0質量%であることがさらに好ましい。
樹脂層2は、コーティングにより形成してもよいが、正確にかつ精密な形状を形成する観点から、第1領域R1及び第2領域R2と相補的な形状を有する版を用いた印刷により形成することが好ましい。樹脂層2がその他の領域を有する場合、版は、さらに、その他の領域と相補的な形状を有することが好ましい。版を用いた樹脂層2の形成方法の詳細は後述する。
熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ナイロン、ポリスチレン及びABS樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましい。また、転写シートを製造する過程で樹脂層が傷つくことを抑制する観点からは、電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も使用可能である。
電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましい。また、転写シートを製造する過程で樹脂層が傷つくことを抑制する観点からは、電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も使用可能である。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
また、多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂である場合には、樹脂層形成用インキは、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
樹脂層2の第1領域R1の平均厚さt1は、特に限定されないが、1.0〜15.0μmであることが好ましく、2.0〜12.0μmであることがより好ましく、3.0〜10.0μmであることがさらに好ましい。
本明細書において、「平均厚さt1」は、樹脂層2の第1領域R1における略平滑部(凹凸部5を除く)の厚さを10回測定した値の平均値とする。
本明細書において、「平均厚さt1」は、樹脂層2の第1領域R1における略平滑部(凹凸部5を除く)の厚さを10回測定した値の平均値とする。
(離型層)
離型シート10は、図2に示すように、離型性を向上させるため、樹脂層2の表面の少なくとも一部に離型層3を有することが好ましい。また、離型シート10は、離型性の均一化の観点からは、図2に示したように、樹脂層2の表面の全面に離型層3を有することが好ましい。
離型シート10は、図2に示すように、離型性を向上させるため、樹脂層2の表面の少なくとも一部に離型層3を有することが好ましい。また、離型シート10は、離型性の均一化の観点からは、図2に示したように、樹脂層2の表面の全面に離型層3を有することが好ましい。
第1領域R1に凹凸部5を有する場合、該凹凸部5上に離型層3が形成されることで、凹凸が緩和され、加飾成形品の表面に高周波成分の少ない凹凸形状を形成することができ、加飾成形品の白化及びギラツキを抑制できる。
ここで、「ギラツキ」とは、表面の凹凸構造に起因して、映像光に微細な輝度のばらつきが見える現象のことをいう。つまり、凹凸部5上に離型層3を形成することで、加飾成形品を液晶表示素子等の表示素子の前面に用いる場合に、ギラツキを抑制できる。
ここで、「ギラツキ」とは、表面の凹凸構造に起因して、映像光に微細な輝度のばらつきが見える現象のことをいう。つまり、凹凸部5上に離型層3を形成することで、加飾成形品を液晶表示素子等の表示素子の前面に用いる場合に、ギラツキを抑制できる。
離型層3は、主として樹脂で構成することが好ましい。
離型層3の樹脂は、所定の被膜強度を有し、転写する転写層(図示せず)との接着力が低い材料であれば特に限定されず、汎用の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物等が挙げられる。具体的には、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、硝化綿等が挙げられる。
これらの中でも、熱硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましく、アクリルポリオール及びイソシアネートを含むポリウレタン系樹脂である熱硬化性樹脂組成物がより好ましい。
離型層3の樹脂は、所定の被膜強度を有し、転写する転写層(図示せず)との接着力が低い材料であれば特に限定されず、汎用の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物等が挙げられる。具体的には、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、硝化綿等が挙げられる。
これらの中でも、熱硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましく、アクリルポリオール及びイソシアネートを含むポリウレタン系樹脂である熱硬化性樹脂組成物がより好ましい。
離型層3は、離型性を向上させるために離型剤をさらに含んでもよい。離型剤としては、合成ワックス及び天然ワックス等のワックス類が挙げられる。合成ワックスとしては、ポリエチレンワックスやポリプピレンワックス等のポリオレフィンワックスが好ましい。
離型層3の厚さは、0.1〜5.0μmであることが好ましく、0.2〜3.0μmであることがより好ましく、0.3〜1.0μmであることがさらに好ましい。
(その他の層)
離型シート10は、その他の層を有していてもよい。
その他の層としては、帯電防止層が挙げられる。離型シート10は、帯電防止層を有することにより、離型シートを剥離する際の剥離帯電を抑制でき、転写の作業性を向上できる。
離型シート10は、その他の層を有していてもよい。
その他の層としては、帯電防止層が挙げられる。離型シート10は、帯電防止層を有することにより、離型シートを剥離する際の剥離帯電を抑制でき、転写の作業性を向上できる。
帯電防止層は、電子伝導型帯電防止剤、イオン伝導型帯電防止剤等の帯電防止剤、及びバインダー樹脂を含むことが好ましい。
帯電防止層は、離型シートの転写層と接する側の面とは反対側の表面に形成されていることが好ましい。
帯電防止層は、表面抵抗率を1.0×10−9Ω/□〜1.0×10−12Ω/□の範囲に調整することが好ましい。
なお、帯電防止剤を樹脂層等の他の層に含有させて帯電防止性を発揮させてもよい。
帯電防止層は、離型シートの転写層と接する側の面とは反対側の表面に形成されていることが好ましい。
帯電防止層は、表面抵抗率を1.0×10−9Ω/□〜1.0×10−12Ω/□の範囲に調整することが好ましい。
なお、帯電防止剤を樹脂層等の他の層に含有させて帯電防止性を発揮させてもよい。
(第1領域)
離型シート10の第1領域R1は、被転写物に転写するための転写層を設けるための領域、つまり被転写物への転写領域である。
第1領域R1の表面形状は、特に限定されない。第1領域R1の表面形状は、例えば、図1に示すように、凹凸形状を有していてもよいし、略平滑であってもよい。
図1に示すように、第1領域R1内に凹凸部5を有する場合、被転写物には、該凹凸部5の相補的形状を有する転写層が転写され、得られる加飾成形品の表面に凹凸形状を付与することができる。
また、第1領域R1の表面形状が略平滑である場合、被転写物に転写した転写層の表面形状を略平滑にすることができ、得られる加飾成形品の光沢を高くすることができる。
離型シート10の第1領域R1は、被転写物に転写するための転写層を設けるための領域、つまり被転写物への転写領域である。
第1領域R1の表面形状は、特に限定されない。第1領域R1の表面形状は、例えば、図1に示すように、凹凸形状を有していてもよいし、略平滑であってもよい。
図1に示すように、第1領域R1内に凹凸部5を有する場合、被転写物には、該凹凸部5の相補的形状を有する転写層が転写され、得られる加飾成形品の表面に凹凸形状を付与することができる。
また、第1領域R1の表面形状が略平滑である場合、被転写物に転写した転写層の表面形状を略平滑にすることができ、得られる加飾成形品の光沢を高くすることができる。
加飾成形品に付与する表面形状は目的に応じて異なるため、第1領域R1内の凹凸の程度の絶対値は特に限定されないが、最大高さ粗さRzは0.2〜4.0μm程度とすることが好ましい。同様に、算術平均粗さRaは0.05〜2.0μm程度とすることが好ましい。
なお、本明細書において、最大高さは、カットオフ値0.8mmにおけるJISB0601:2001の最大高さ粗さRzを意味し、平均粗さは、カットオフ値0.8mmにおけるJISB0601:2001の算術平均粗さRaを意味する。本明細書において、高さ、粗さに関する数値は、特に断りのない限り、10箇所測定した値の平均値とする。
なお、本明細書において、最大高さは、カットオフ値0.8mmにおけるJISB0601:2001の最大高さ粗さRzを意味し、平均粗さは、カットオフ値0.8mmにおけるJISB0601:2001の算術平均粗さRaを意味する。本明細書において、高さ、粗さに関する数値は、特に断りのない限り、10箇所測定した値の平均値とする。
また、図示しないが、第1領域R1を2箇所以上に分割して形成してもよい。その場合、それぞれの第1領域R1の表面形状を異なるものとしてもよい。第1領域R1を2箇所以上に分割して形成し、さらに、それぞれの第1領域R1の表面形状を異なるものとすることにより、加飾成形品の意匠性を高めることができる。
(第2領域)
離型シート10の第2領域R2は、被転写物に転写するために用いる位置合わせ用パターン(アライメントマーク)を設けるための領域、つまり転写の調整領域である。
第2領域R2は、位置合わせ用パターンの基礎とする部分的に配置された凸部4を有している。凸部4は、正確にかつ精密な形状を形成する観点から、第2領域R2と相補的な形状を有する版を用いた印刷により樹脂層2に形成することが好ましい。
離型シート10の第2領域R2は、被転写物に転写するために用いる位置合わせ用パターン(アライメントマーク)を設けるための領域、つまり転写の調整領域である。
第2領域R2は、位置合わせ用パターンの基礎とする部分的に配置された凸部4を有している。凸部4は、正確にかつ精密な形状を形成する観点から、第2領域R2と相補的な形状を有する版を用いた印刷により樹脂層2に形成することが好ましい。
凸部4は、任意の方向に延伸したライン状の構造体から形成されてなることが好ましい。該任意の方向は特に限定されず、斜め方向(例えば、転写シートの幅方向に対して45度)であってもよいが、後述する転写シートの任意の1辺に平行な方向であることが好ましく、転写シートの流れ方向であることがより好ましい。凸部4を該構成とすることにより、位置合わせをしやすくできる。
また、複数の凸部4は、それぞれの向きが平行であることが好ましい。
また、凸部4は、第2領域R2内で任意の方向に途切れることなく連続して形成されていてもよいが、任意の方向への延伸が部分的に途切れるものであってもよい。
また、複数の凸部4は、それぞれの向きが平行であることが好ましい。
また、凸部4は、第2領域R2内で任意の方向に途切れることなく連続して形成されていてもよいが、任意の方向への延伸が部分的に途切れるものであってもよい。
凸部4の厚さt2は、1.0〜10.0μmであることが好ましく、1.5〜9.0μmであることがより好ましく、2.0〜8.0μmであることがさらに好ましい。
凸部4の厚さt2を1.0μm以上とすることにより、上述のΔ吸収量を調整して位置合わせ用のパターンの読み取り性を向上させることができる。また、凸部4の厚さt2を10.0μm以下とすることにより、荷重により凸部4が変形しにくく、位置合わせの精度を維持しやすくできる。
凸部4の厚さt2は、全て同一としなくてもよい。しかしながら、凸部4により構成される位置合わせ用のパターンの読み取り性を向上させる観点から、凸部4の厚さt2を全て同一とすることが好ましい。
なお、本明細書において、凸部4の厚さt2とは、凸部4を形成する構造体を、構造体の延伸方向に直交する方向で切断した断面の中央部の高さのことをいう。
凸部4の厚さt2を1.0μm以上とすることにより、上述のΔ吸収量を調整して位置合わせ用のパターンの読み取り性を向上させることができる。また、凸部4の厚さt2を10.0μm以下とすることにより、荷重により凸部4が変形しにくく、位置合わせの精度を維持しやすくできる。
凸部4の厚さt2は、全て同一としなくてもよい。しかしながら、凸部4により構成される位置合わせ用のパターンの読み取り性を向上させる観点から、凸部4の厚さt2を全て同一とすることが好ましい。
なお、本明細書において、凸部4の厚さt2とは、凸部4を形成する構造体を、構造体の延伸方向に直交する方向で切断した断面の中央部の高さのことをいう。
凸部4の端部同士の間隔は、0.05〜2.0mmであることが好ましく、0.075〜1.0mmであることがより好ましく、0.10〜0.7mmであることがさらに好ましい。
凸部4の端部同士の間隔を0.01mm以上とすることにより、位置合わせ用のパターンの読み取り性を向上することができる。また、凸部4の端部同士の間隔を2.0mm以下とすることにより、第2領域R2の面積が必要以上に広くなることを抑制できる。
凸部4の端部同士の間隔を0.01mm以上とすることにより、位置合わせ用のパターンの読み取り性を向上することができる。また、凸部4の端部同士の間隔を2.0mm以下とすることにより、第2領域R2の面積が必要以上に広くなることを抑制できる。
凸部4の幅は、0.01〜2.0mmであることが好ましく、0.025〜1.0mmであることがより好ましく、0.05〜0.5mmであることがさらに好ましい。凸部4の幅を0.05mm以上とすることにより、凸部4の強度を維持することができるとともに、凸部4を均質に形成しやすくできる。また、凸部4の幅を3.0mm以下とすることにより、第2領域R2の面積が必要以上に広くなることを抑制できる。
凸部4を形成する構造体を、構造体の延伸方向に直交する方向で切断した断面は、略四角形状であることが好ましい。
離型シート10は、第2領域R2を2以上有していてもよい。第2領域R2を2以上有する場合、各領域の役割を変えることが好ましい。例えば、複数の第2領域R2を有する場合、いずれか一方で幅方向の位置合わせを行い、他方で流れ方向の位置合わせを行うように構成することが好ましい。第2領域R2を上述のように構成することにより、幅方向及び流れ方向の両方向の位置合わせが可能となり、位置合わせの精度を高めることができる。
[転写シート]
本発明の実施の形態に係る転写シート100は、図3に示すように、離型シート10上の少なくとも一部に転写層20を有する。
転写層20は、被転写物に転写される層であり、例えば、図3に示すように、離型シート10に近い側から順に、保護層21及び接着剤層22を有する。転写層20は、図3に示すように、離型シート10の全面に形成することが好ましい。
本発明の実施の形態に係る転写シート100は、図3に示すように、離型シート10上の少なくとも一部に転写層20を有する。
転写層20は、被転写物に転写される層であり、例えば、図3に示すように、離型シート10に近い側から順に、保護層21及び接着剤層22を有する。転写層20は、図3に示すように、離型シート10の全面に形成することが好ましい。
<転写層>
転写層20を構成する保護層21及び接着剤層22等の各層は、例えば、各層の構成成分を含むインキを調整し、離型シート10上に、グラビアコート法、ロールコート法等のコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法により塗布、乾燥し、必要に応じて電離放射線を照射して硬化することにより形成できる。
転写層20を構成する保護層21及び接着剤層22等の各層は、例えば、各層の構成成分を含むインキを調整し、離型シート10上に、グラビアコート法、ロールコート法等のコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法により塗布、乾燥し、必要に応じて電離放射線を照射して硬化することにより形成できる。
(保護層)
保護層21は、転写層20が転写シート100から被転写物へと転写された後は、摩耗、光、薬品等から加飾成形品を保護する役割を有する。
離型シート10の第1領域R1内に凹凸部5を有する場合、該凹凸形状と相補的な形状を有する保護層21が加飾成形品の表面に付与される。また、離型シート10の第1領域R1が略平滑な場合、表面が略平滑な保護層21が加飾成形品の表面に付与され、加飾成形品の光沢を高くすることができる。
保護層21は、転写層20が転写シート100から被転写物へと転写された後は、摩耗、光、薬品等から加飾成形品を保護する役割を有する。
離型シート10の第1領域R1内に凹凸部5を有する場合、該凹凸形状と相補的な形状を有する保護層21が加飾成形品の表面に付与される。また、離型シート10の第1領域R1が略平滑な場合、表面が略平滑な保護層21が加飾成形品の表面に付与され、加飾成形品の光沢を高くすることができる。
保護層21は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物等の樹脂成分を主成分として含むことが好ましい。なお、主成分とは、保護層を構成する全固形分の50質量%以上を意味し、該割合は70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
また、上記樹脂成分の中でも、強度に優れる電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が好適である。また、電離放射線硬化性樹脂組成物による効果を良好にする観点から、保護層を構成する全樹脂成分のうち、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を70質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましく、100質量%含むことがよりさらに好ましい。
保護層21を形成するための転写層形成用インキは、凸部4を基礎として追従する突出部23を形成しやすくする観点から、溶剤割合が60〜90質量%以下であることが好ましく、65〜90質量%であることがより好ましく、70〜90質量%であることがさらに好ましい。
また、上記樹脂成分の中でも、強度に優れる電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が好適である。また、電離放射線硬化性樹脂組成物による効果を良好にする観点から、保護層を構成する全樹脂成分のうち、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を70質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましく、100質量%含むことがよりさらに好ましい。
保護層21を形成するための転写層形成用インキは、凸部4を基礎として追従する突出部23を形成しやすくする観点から、溶剤割合が60〜90質量%以下であることが好ましく、65〜90質量%であることがより好ましく、70〜90質量%であることがさらに好ましい。
保護層21の電離放射線硬化性樹脂組成物等の樹脂成分の実施の形態は、上述した樹脂層2の樹脂成分の実施の形態と同様である。
なお、保護層21を形成する材料として、熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物を用いる場合、成形性の観点から、保護層21を形成する時点では、熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物を半硬化の状態にしておき、被転写物に転写した後に熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化を進行させ、完全硬化させることが好ましい。
なお、保護層21を形成する材料として、熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物を用いる場合、成形性の観点から、保護層21を形成する時点では、熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物を半硬化の状態にしておき、被転写物に転写した後に熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化を進行させ、完全硬化させることが好ましい。
保護層21中には、有機粒子及び無機粒子等の粒子を含有してもよい。保護層21中に粒子を含有することにより、樹脂成分との屈折率差による内部ヘイズの発現により、ギラツキ及び欠陥を目立ちにくくすることができる。これらの粒子は、同様の目的で、後述する接着剤層、アンカー層等に含有させてもよい。
有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル−スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、アンチモン、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、アンチモン、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。
粒子の平均粒子径は、0.05〜5.0μmが好ましく、0.5〜3.0μmがより好ましい。
本明細書において、平均粒子径は、溶液中の該粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を質量累積分布で表したときの50%粒子径(d50:メジアン径)である。50%粒子径は、例えば、Microtrac粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
本明細書において、平均粒子径は、溶液中の該粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を質量累積分布で表したときの50%粒子径(d50:メジアン径)である。50%粒子径は、例えば、Microtrac粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
粒子の含有量は、保護層21の樹脂成分100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
保護層21の厚さは、表面硬度及び成形性のバランスの観点から、0.5〜30μmであることが好ましく、1.0〜20μmであることがより好ましく、2.0〜10μmであることがさらに好ましい。
(接着剤層)
接着剤層22は、樹脂成形体等の被転写物と、転写層20との接着性を良好にして、転写作業を良好にする役割を有する。
接着剤層22は、樹脂成形体等の被転写物と、転写層20との接着性を良好にして、転写作業を良好にする役割を有する。
接着剤層22は、被転写物の素材に適した感熱性又は感圧性の樹脂を使用することが好ましい。例えば、被転写物の材質がアクリル系樹脂の場合は、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。また、被転写物の材質がポリフェニレンオキサイド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用することが好ましい。さらに、被転写物の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂を使用することが好ましい。
接着剤層22には、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等の添加剤を配合してもよい。紫外線吸収剤は、無機系であってもよく有機系であってもよいが、透明性に優れる点から有機系の紫外線吸収剤が好ましい。無機系の紫外線吸収剤としては、例えば、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等が挙げられる。有機系の紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ニッケルキレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。赤外線吸収剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)及び硫化亜鉛金属酸化物系赤外線吸収剤等が挙げられる。
接着剤層22を形成するための接着剤層形成用インキは、形成容易の観点から、溶剤割合が80〜90%以下であることが好ましく、85〜90質量%であることがより好ましい。
接着剤層22には、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等の添加剤を配合してもよい。紫外線吸収剤は、無機系であってもよく有機系であってもよいが、透明性に優れる点から有機系の紫外線吸収剤が好ましい。無機系の紫外線吸収剤としては、例えば、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等が挙げられる。有機系の紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ニッケルキレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。赤外線吸収剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)及び硫化亜鉛金属酸化物系赤外線吸収剤等が挙げられる。
接着剤層22を形成するための接着剤層形成用インキは、形成容易の観点から、溶剤割合が80〜90%以下であることが好ましく、85〜90質量%であることがより好ましい。
接着剤層22の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがより好ましく、1.0〜10μmであることがさらに好ましい。
接着剤層22は、アンカーコート層及び接着層の2種類の層を含む構成であってもよい。アンカーコート層及び接着層を含む場合において、アンカーコート層の厚さは、0.5〜10μmであることが好ましく、1.0〜8.0μmであることがより好ましく、2.0〜6.0μmであることがさらに好ましい。そして、接着層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜8.0μmであることがより好ましく、1.0〜5.0μmであることがさらに好ましい。
接着剤層22は、アンカーコート層及び接着層の2種類の層を含む構成であってもよい。アンカーコート層及び接着層を含む場合において、アンカーコート層の厚さは、0.5〜10μmであることが好ましく、1.0〜8.0μmであることがより好ましく、2.0〜6.0μmであることがさらに好ましい。そして、接着層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜8.0μmであることがより好ましく、1.0〜5.0μmであることがさらに好ましい。
(その他の層)
転写層20は、その他の層を有していてもよい。
その他の層としては、アンカー層及び印刷層が挙げられる。
転写層20は、その他の層を有していてもよい。
その他の層としては、アンカー層及び印刷層が挙げられる。
アンカー層は、インモールド成形等の高温環境に置かれる場合において、耐熱性を向上させるために必要に応じて設けられる層である。アンカー層は、保護層21と接着剤層22との間に形成することが好ましい。
アンカー層は、硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことが好ましい。
硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物が挙げられる。
アンカー層の熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物の実施の形態は、樹脂層の熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物の実施の形態と同様である。
アンカー層の厚さは、0.1〜6.0μmであることが好ましく、0.3〜5.0μmであることがより好ましく、0.5〜4.0μmであることがさらに好ましい。
アンカー層を形成するためのアンカー層形成用インキは、形成容易の観点から、溶剤割合が70〜90質量%以下であることが好ましく、75〜90質量%であることがより好ましく、80〜90質量%であることがさらに好ましい。
硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物が挙げられる。
アンカー層の熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物の実施の形態は、樹脂層の熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物の実施の形態と同様である。
アンカー層の厚さは、0.1〜6.0μmであることが好ましく、0.3〜5.0μmであることがより好ましく、0.5〜4.0μmであることがさらに好ましい。
アンカー層を形成するためのアンカー層形成用インキは、形成容易の観点から、溶剤割合が70〜90質量%以下であることが好ましく、75〜90質量%であることがより好ましく、80〜90質量%であることがさらに好ましい。
転写層20は、さらに印刷層を有していてもよい。印刷層は、加飾成形品に所望の意匠性を付与する役割を有する。
印刷層は、転写シート100を平面方向から観察した際に、第1領域R1内の少なくとも一部に位置するように配置することが好ましい。
また、印刷層の厚さ方向の位置は、接着剤層22上に配置してもよいし、接着剤層22と保護層21との間に配置してもよいし、保護層21と離型シート10との間に配置してもよい。印刷層の保護と、被転写物への接着性の観点からは、接着剤層22と保護層21との間に印刷層を配置することが好ましい。また、小ロット品への対応の観点からは、接着剤層22上に印刷層を配置することが好ましい。なお、接着剤層22上に印刷層を配置する場合、被転写物との接着性の均一化の観点から、印刷層の樹脂成分は、接着剤層22の樹脂成分と同系統の樹脂とすることが好ましく、同一の樹脂とすることがより好ましい。
また、印刷層の厚さ方向の位置は、接着剤層22上に配置してもよいし、接着剤層22と保護層21との間に配置してもよいし、保護層21と離型シート10との間に配置してもよい。印刷層の保護と、被転写物への接着性の観点からは、接着剤層22と保護層21との間に印刷層を配置することが好ましい。また、小ロット品への対応の観点からは、接着剤層22上に印刷層を配置することが好ましい。なお、接着剤層22上に印刷層を配置する場合、被転写物との接着性の均一化の観点から、印刷層の樹脂成分は、接着剤層22の樹脂成分と同系統の樹脂とすることが好ましく、同一の樹脂とすることがより好ましい。
印刷層のパターンは任意であり、例えば、木目、石目、布目、砂目、円、四角形、多角形、幾何学模様、文字、ベタ印刷等が挙げられる。
印刷層は、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂等のバインダー樹脂と、顔料及び/又は染料とを含むことが好ましい。
印刷層の厚さは、意匠性の観点から0.25〜20μmが好ましく、0.5〜15μmがより好ましく、0.7〜10μmがさらに好ましい。
印刷層の厚さは、意匠性の観点から0.25〜20μmが好ましく、0.5〜15μmがより好ましく、0.7〜10μmがさらに好ましい。
なお、印刷層を形成する際、位置合わせが重要となるが、位置合わせ用パターンを利用して位置合わせを行うことによって、印刷層を正確な位置に形成することができる。
[離型シートの製造方法]
本発明の実施の形態に係る剥離シートの製造方法は、下記(A1)及び(A2)工程を含むものである。
(A1)支持体上に、電離放射線硬化性樹脂組成物及び着色成分を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、電離放射線を照射して、賦形した樹脂層を硬化させる工程。
本発明の実施の形態に係る剥離シートの製造方法は、下記(A1)及び(A2)工程を含むものである。
(A1)支持体上に、電離放射線硬化性樹脂組成物及び着色成分を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、電離放射線を照射して、賦形した樹脂層を硬化させる工程。
(A1)工程の樹脂層形成用インキが溶剤を含む場合、(A1)工程において溶剤を乾燥させることが好ましい。
(A2)工程は、第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、支持体側から電離放射線を照射して、賦形した樹脂層の硬化を進行させる工程とすることが好ましい。
(A2)工程を上述した工程とすることにより、第1領域及び第2領域の形状を正確かつ簡易に形成できる点で好ましい。
(A2)工程を上述した工程とすることにより、第1領域及び第2領域の形状を正確かつ簡易に形成できる点で好ましい。
上述した版は、例えば、エッチング、サンドブラスト、切削及びレーザー加工、あるいはこれらの組み合わせなどによって、シリンダーの表面を所望の形状に彫刻することにより得ることができる。あるいは、レーザー彫刻、光造形等によって長尺の雄型の版(第1領域及び第2領域と同一の形状を有する版)を作製し、これを反転したものをシリンダーの表面に巻き付けることによって得ることができる。これら版の表面は、クロム等で硬質メッキ処理することが好ましい。
離型シートが離型層を有する場合、(A2)工程の後に、下記(A3)工程をさらに含むことで製造できる。
(A3)硬化させた前記樹脂層上に、離型層形成用インキを塗布し、離型層を形成する工程。
(A3)硬化させた前記樹脂層上に、離型層形成用インキを塗布し、離型層を形成する工程。
[転写シートの製造方法]
本発明の実施の形態に係る転写シートの製造方法は、下記(B1)及び(B2)工程を含むものである。
(B1)上述の離型シート上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を含む保護層形成用インキを塗布し、電離放射線を照射して、保護層を形成する工程。
(B2)保護層上に、接着剤層形成用インキを塗布し、接着剤層を形成する工程。
本発明の実施の形態に係る転写シートの製造方法は、下記(B1)及び(B2)工程を含むものである。
(B1)上述の離型シート上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を含む保護層形成用インキを塗布し、電離放射線を照射して、保護層を形成する工程。
(B2)保護層上に、接着剤層形成用インキを塗布し、接着剤層を形成する工程。
(B1)工程の保護層形成用インキ中の電離放射線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤は、(A1)工程の樹脂層形成用インキ中の電離放射線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤と同一種を含むことが好ましい。
(B1)工程において、電離放射線は、支持体側から照射してもよいし、転写層側から照射してもよい。
(B1)工程において、電離放射線は、支持体側から照射してもよいし、転写層側から照射してもよい。
転写シートは、製造効率の観点から、多面付けで製造することが好ましい。このように多面付けで製造された転写シートは、長尺の転写シート、あるいは枚葉の転写シートとして転写工程が行われる。
[加飾成形品の製造方法]
本発明の実施の形態に係る加飾成形品の製造方法は、下記(C1)〜(C3)工程を含むものである。
(C1)上述の転写シートを第2領域でスリットする工程。
(C2)スリットした転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(C3)積層体から転写シートの前記離型シートを分離する工程。
被着体としては、樹脂成形体等が挙げられる。
本発明の実施の形態に係る加飾成形品の製造方法は、下記(C1)〜(C3)工程を含むものである。
(C1)上述の転写シートを第2領域でスリットする工程。
(C2)スリットした転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(C3)積層体から転写シートの前記離型シートを分離する工程。
被着体としては、樹脂成形体等が挙げられる。
図4は、上記工程(C1)〜(C3)工程の一実施形態を示す断面図である。
加飾成形品の具体的な製造方法には、公知の転写法を用いることができる。
例えば、(i)予め成形された被着体に転写シートの転写層側の面を密着させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法、(ii)平板状の被着体に転写シートの転写層側の面を密着させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法、(iii)被着体を射出成形する際に転写シートの転写層側の面と一体化(密着)させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法〔インモールド成形(射出成形同時転写加飾法)〕等が挙げられる。これらの中でも、インモールド成形(射出成形同時転写加飾法)によれば、三次元曲面などの複雑な表面形状を有する樹脂成形体に加飾成形することができる点で好ましい。
加飾成形品の具体的な製造方法には、公知の転写法を用いることができる。
例えば、(i)予め成形された被着体に転写シートの転写層側の面を密着させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法、(ii)平板状の被着体に転写シートの転写層側の面を密着させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法、(iii)被着体を射出成形する際に転写シートの転写層側の面と一体化(密着)させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法〔インモールド成形(射出成形同時転写加飾法)〕等が挙げられる。これらの中でも、インモールド成形(射出成形同時転写加飾法)によれば、三次元曲面などの複雑な表面形状を有する樹脂成形体に加飾成形することができる点で好ましい。
インモールド成形による本発明の転写シートを用いる加飾成形品の製造方法の一実施態様としては、
(a)上記の転写シートの転写層側の面をインモールド成形用金型の内側に向けて配置する工程と、
(b)上記インモールド成形用金型内に樹脂を射出注入する工程と、
(c)上記転写シートの転写層側の面と、上記樹脂とを一体化(密着)させた積層体を得る工程と、
(d)積層体を金型から取り出した後、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する工程と、を有するものが挙げられる。
このような製造工程により加飾成形品を製造することで、被着体の表面に複雑な意匠を表現することができる。
保護層が半硬化の状態の場合、(d)工程の終了後に紫外線を照射して保護層を完全に硬化させることが好ましい。
(a)上記の転写シートの転写層側の面をインモールド成形用金型の内側に向けて配置する工程と、
(b)上記インモールド成形用金型内に樹脂を射出注入する工程と、
(c)上記転写シートの転写層側の面と、上記樹脂とを一体化(密着)させた積層体を得る工程と、
(d)積層体を金型から取り出した後、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する工程と、を有するものが挙げられる。
このような製造工程により加飾成形品を製造することで、被着体の表面に複雑な意匠を表現することができる。
保護層が半硬化の状態の場合、(d)工程の終了後に紫外線を照射して保護層を完全に硬化させることが好ましい。
(樹脂成形体)
樹脂成形体としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、公知の様々な樹脂を用いることができる。
本発明による加飾成形品をインモールド成形により製造する場合には、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂(耐熱ABS樹脂を含む)、AS樹脂、AN樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、およびポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。
樹脂成形体としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、公知の様々な樹脂を用いることができる。
本発明による加飾成形品をインモールド成形により製造する場合には、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂(耐熱ABS樹脂を含む)、AS樹脂、AN樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、およびポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
[離型シートの作製]
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記処方の樹脂層形成用インキを塗布、乾燥し、厚さ8.0μmの未硬化の樹脂層を形成した。
<樹脂層形成用インキ>
・紫外線硬化性樹脂組成物 35質量部
(新中村化学工業社製、商品名:A−NOD−N)
・光重合開始剤1 4質量部
(BASF社製、商品名:Irgacure184)
・光重合開始材2 1質量部
(BASF社製、商品名:Lucirin TPO)
・メチルエチルケトン 60質量部
・黒顔料分散液(カーボンブラック含有量15%) 0.31質量部
(大日精化工業株式会社製、商品名:NCDカラー900ブラック(P2))
[離型シートの作製]
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記処方の樹脂層形成用インキを塗布、乾燥し、厚さ8.0μmの未硬化の樹脂層を形成した。
<樹脂層形成用インキ>
・紫外線硬化性樹脂組成物 35質量部
(新中村化学工業社製、商品名:A−NOD−N)
・光重合開始剤1 4質量部
(BASF社製、商品名:Irgacure184)
・光重合開始材2 1質量部
(BASF社製、商品名:Lucirin TPO)
・メチルエチルケトン 60質量部
・黒顔料分散液(カーボンブラック含有量15%) 0.31質量部
(大日精化工業株式会社製、商品名:NCDカラー900ブラック(P2))
次いで、以下の第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、ポリエチレンテレフタレートフィルム側から紫外線を照射して、賦形した樹脂層を硬化させた。
<賦形した樹脂層の第1領域の形状>
・凹凸部の周囲に略平滑部が配置
・凹凸部の最大高さ粗さRz:1.5μm
・凹凸部の算術平均粗さRa:0.5μm
・第1領域の略平滑部の平均厚さt1:4.0μm
<賦形した樹脂層の第2領域の形状>
・凸部の厚さt2:3.0μm
・凸部の幅:0.2mm
・凸部の端部同士の間隔:0.6mm
<賦形した樹脂層の第1領域の形状>
・凹凸部の周囲に略平滑部が配置
・凹凸部の最大高さ粗さRz:1.5μm
・凹凸部の算術平均粗さRa:0.5μm
・第1領域の略平滑部の平均厚さt1:4.0μm
<賦形した樹脂層の第2領域の形状>
・凸部の厚さt2:3.0μm
・凸部の幅:0.2mm
・凸部の端部同士の間隔:0.6mm
次いで、得られた樹脂層上に、下記処方の離型層形成用インキを全面に塗布した後、40℃で72時間乾燥し、厚さ0.5μmの離型層を形成し、離型シートを得た。
<離型層形成用インキ>
・アクリルポリオール 70質量部
(綜研化学社製、商品名:サーモラックSU100A)
・イソシアネート 25質量部
(三井化学社製、商品名:タケネートD−110N)
・酢酸エチル 161質量部
・メチルイソブチルケトン 56質量部
<離型層形成用インキ>
・アクリルポリオール 70質量部
(綜研化学社製、商品名:サーモラックSU100A)
・イソシアネート 25質量部
(三井化学社製、商品名:タケネートD−110N)
・酢酸エチル 161質量部
・メチルイソブチルケトン 56質量部
(実施例2)
実施例1において、黒顔料分散液の含有量が0.63質量部である樹脂層形成用インキを用いた以外は同様とし、実施例2の離型シートを得た。
実施例1において、黒顔料分散液の含有量が0.63質量部である樹脂層形成用インキを用いた以外は同様とし、実施例2の離型シートを得た。
(実施例3)
実施例1において、黒顔料分散液の含有量が1.25質量部である樹脂層形成用インキを用いた以外は同様とし、実施例3の離型シートを得た。
実施例1において、黒顔料分散液の含有量が1.25質量部である樹脂層形成用インキを用いた以外は同様とし、実施例3の離型シートを得た。
(実施例4)
実施例1において、黒顔料分散液の含有量が2.5質量部である樹脂層形成用インキを用いた以外は同様とし、実施例4の離型シートを得た。
実施例1において、黒顔料分散液の含有量が2.5質量部である樹脂層形成用インキを用いた以外は同様とし、実施例4の離型シートを得た。
(比較例1)
実施例1において、黒顔料分散液を含有しない樹脂層形成用インキを用いた以外は同様とし、比較例1の離型シートを得た。
実施例1において、黒顔料分散液を含有しない樹脂層形成用インキを用いた以外は同様とし、比較例1の離型シートを得た。
(比較例2)
実施例1において、黒顔料分散液の含有量が3.0質量部である樹脂層形成用インキを用いた以外は同様とし、比較例2の離型シートを得た。
実施例1において、黒顔料分散液の含有量が3.0質量部である樹脂層形成用インキを用いた以外は同様とし、比較例2の離型シートを得た。
[測定及び評価]
実施例及び比較例で作製した剥離シートについて、以下の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で作製した剥離シートについて、以下の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
<全光線透過率の測定>
実施例及び比較例で作製した剥離シートの樹脂層の第1領域(略平滑部)について、光を樹脂層側から入射させて、JIS K7361−1:1997に規定する全光線透過率を測定した。全光線透過率は、10箇所測定した値の平均値とした。
実施例及び比較例で作製した剥離シートの樹脂層の第1領域(略平滑部)について、光を樹脂層側から入射させて、JIS K7361−1:1997に規定する全光線透過率を測定した。全光線透過率は、10箇所測定した値の平均値とした。
<マーク視認性>
実施例及び比較例で作製した剥離シートをライトテーブル(ハクバ写真産業株式会社製、商品名:ライトビュワー5700)の上に置き、位置合わせ用パターンのマーク視認性(鮮明性)の評価を行った。
A:すべてのマークエッジ部を視認することができる
B:一部のマークエッジ部を視認することができない
C: すべてのマークエッジ部を視認することができない
実施例及び比較例で作製した剥離シートをライトテーブル(ハクバ写真産業株式会社製、商品名:ライトビュワー5700)の上に置き、位置合わせ用パターンのマーク視認性(鮮明性)の評価を行った。
A:すべてのマークエッジ部を視認することができる
B:一部のマークエッジ部を視認することができない
C: すべてのマークエッジ部を視認することができない
<色ムラ>
実施例及び比較例で作製した剥離シートの位置合わせ用パターン及びその周辺を顕微鏡写真で撮影し、位置合わせ用パターン及びその周辺における色ムラの評価を行った。
A:色ムラなし
B:一部に色ムラあり
C:全体的に色ムラあり
実施例及び比較例で作製した剥離シートの位置合わせ用パターン及びその周辺を顕微鏡写真で撮影し、位置合わせ用パターン及びその周辺における色ムラの評価を行った。
A:色ムラなし
B:一部に色ムラあり
C:全体的に色ムラあり
表1より、実施例1〜4の剥離シートは、マーク視認性がよく、色ムラが抑制できていることが確認できた。
一方、比較例1の剥離シートは、位置合わせ用パターンを視認することができなかった。また、比較例2の剥離シートは、全体的に色ムラがあり、位置合わせ用パターンの視認性を低下させていた。
一方、比較例1の剥離シートは、位置合わせ用パターンを視認することができなかった。また、比較例2の剥離シートは、全体的に色ムラがあり、位置合わせ用パターンの視認性を低下させていた。
[転写シートの作製]
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた離型シートの全面に、下記処方の保護層形成用インキを乾燥後の付着量が6.5g/m2(6.0μm)となるように塗布、乾燥して塗膜を形成した後、保護層側から紫外線を照射し(ウレタンアクリレートの反応率が0.2となるような照射量で照射)、保護層を半硬化させた。
<保護層形成用インキ>
・光重合開始剤 4質量部
(BASF社製、商品名:Irgacure184)
・ウレタンアクリレート樹脂 26質量部
(日本合成化学製 商品名:UV−7630B)
・トルエン 35質量部
・MEK 35質量部
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた離型シートの全面に、下記処方の保護層形成用インキを乾燥後の付着量が6.5g/m2(6.0μm)となるように塗布、乾燥して塗膜を形成した後、保護層側から紫外線を照射し(ウレタンアクリレートの反応率が0.2となるような照射量で照射)、保護層を半硬化させた。
<保護層形成用インキ>
・光重合開始剤 4質量部
(BASF社製、商品名:Irgacure184)
・ウレタンアクリレート樹脂 26質量部
(日本合成化学製 商品名:UV−7630B)
・トルエン 35質量部
・MEK 35質量部
次いで、保護層上に下記処方のアンカー層形成用インキを乾燥後の付着量が3.0g/m2となるように塗布し、塗膜を形成した後、40℃で72時間乾燥し、硬化させ、厚み2μmのアンカー層を形成した。
<アンカー層用インキ>
・アクリルポリオール 100質量部
(大日精化工業社製、商品名:TM−VMAC、固形分25%)
(トルエン/酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶剤)
・キサンメチレンジイソシアネート 10質量部
(大日精化工業社製、商品名:PTC−RC3)
(固形分75%、溶剤:酢酸エチル)
<アンカー層用インキ>
・アクリルポリオール 100質量部
(大日精化工業社製、商品名:TM−VMAC、固形分25%)
(トルエン/酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶剤)
・キサンメチレンジイソシアネート 10質量部
(大日精化工業社製、商品名:PTC−RC3)
(固形分75%、溶剤:酢酸エチル)
次いで、アンカー層上に下記処方の接着剤層形成用インキを乾燥後の付着量が2.5g/m2となるように塗布し、塗膜を形成した。該塗膜を乾燥し、厚み2μmの接着剤層を形成し、転写シートを得た。
<接着剤層用塗工液>
・アクリル系樹脂 100質量部
(大日精化工業社製、商品名:TM−R600、固形分20%)
(酢酸エチル/酢酸−n−プロピル/メチルエチルケトン混合溶剤)
・メチルエチルケトン 40質量部
<接着剤層用塗工液>
・アクリル系樹脂 100質量部
(大日精化工業社製、商品名:TM−R600、固形分20%)
(酢酸エチル/酢酸−n−プロピル/メチルエチルケトン混合溶剤)
・メチルエチルケトン 40質量部
[加飾成形品の作製]
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた転写シートの接着剤層側の面を黒色板(クラレ社、商品名:コモグラス、品番:DFA502K、厚み2.0mm、全光線透過率:0%)の所定位置に重ね合わせ、転写シートの基材側から加熱し、被着体(黒色板)上に転写層を積層した。
次いで、転写シートの離型シートを剥離し、加飾成形品を得た。
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた転写シートの接着剤層側の面を黒色板(クラレ社、商品名:コモグラス、品番:DFA502K、厚み2.0mm、全光線透過率:0%)の所定位置に重ね合わせ、転写シートの基材側から加熱し、被着体(黒色板)上に転写層を積層した。
次いで、転写シートの離型シートを剥離し、加飾成形品を得た。
実施例1〜4で得られた転写シートは、加飾成形品の作製に当たり、マーク視認性が良好であり、色ムラがなかったため、被着体に対する転写シートの位置合わせをすることが容易であった。
一方、比較例1で得られた転写シートはマーク視認性が不良であり、比較例2で得られた転写シートは全体的に色ムラがあり、被着体に対する転写シートの位置合わせをすることが困難であった。
一方、比較例1で得られた転写シートはマーク視認性が不良であり、比較例2で得られた転写シートは全体的に色ムラがあり、被着体に対する転写シートの位置合わせをすることが困難であった。
本発明の転写シートは、携帯電話等の通信機器、自動車内部の情報機器、家電製品等の加飾成形品の製造に好適に用いることができる。
1:支持体
2:樹脂層
3:離型層
4:凸部
5:凹凸部
10:離型シート
20:転写層
21:保護層
22:接着剤層
100:転写シート
2:樹脂層
3:離型層
4:凸部
5:凹凸部
10:離型シート
20:転写層
21:保護層
22:接着剤層
100:転写シート
Claims (14)
- 支持体と、樹脂層とを有する離型シートであって、
前記離型シートは、被転写物への転写領域である第1領域及び転写の調整領域である第2領域を有し、
前記樹脂層は、前記第2領域における前記支持体と反対側に突出した凸部を有し、下記式(1)より得られるΔ吸収量が3.0%以上である、離型シート。
Δ吸収量=[(100%−第1領域の全光線透過率−8%)/t1]×t2 (1)
(式中、t1は樹脂層の第1領域の平均厚さであり、t2は凸部の厚さである。) - 前記Δ吸収量が25.0%以下である、請求項1に記載の離型シート。
- 前記樹脂層の第1領域の平均厚さt1は、1.0〜15.0μmである、請求項1又は2に記載の離型シート。
- 前記凸部の厚さt2は、1.0〜10.0μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の離型シート。
- 前記樹脂層は、カーボンブラックを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の離型シート。
- 前記カーボンブラックの平均一次粒径は、100nm以下である、請求項5に記載の離型シート。
- 前記樹脂層の表面の少なくとも一部に離型層を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の離型シート。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の離型シート上に転写層を有する、転写シート。
- 前記転写層は、前記離型シート側に、保護層を備える、請求項8に記載の転写シート。
- 前記保護層は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を備える、請求項9に記載の転写シート。
- 下記(A1)及び(A2)工程を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の離型シートの製造方法。
(A1)支持体上に、電離放射線硬化性樹脂組成物及び着色成分を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、電離放射線を照射して、賦形した樹脂層を硬化させる工程。 - 下記(A3)工程をさらに含む、請求項11に記載の離型シートの製造方法。
(A3)硬化させた前記樹脂層上に、離型層形成用インキを塗布し、離型層を形成する工程。 - 下記(B1)及び(B2)工程を含む、請求項8〜10に記載の転写シートの製造方法。
(B1)請求項1〜7のいずれか1項に記載の離型シート上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を含む保護層形成用インキを塗布し、電離放射線を照射して、保護層を形成する工程。
(B2)前記保護層上に、接着剤層形成用インキを塗布し、接着剤層を形成する工程。 - 下記(C1)〜(C3)工程を含む、加飾成形品の製造方法。
(C1)請求項8〜10に記載の転写シートを第2領域でスリットする工程。
(C2)スリットした転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(C3)前記積層体から前記転写シートの前記離型シートを分離する工程。
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