JP2019043067A - 転写シート、転写シートの製造方法、及び加飾成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】位置合わせの精度が良好であり、箔チリを抑制するとともに、製造時や巻き取り時に転写層や突出部が変形することを抑制できる転写シートを提供する。
【解決手段】転写シート100は、表面に第1領域R1及び第2領域R2を有する離型シート10と、離型シート10の第1領域R1上に形成された転写層20とを有してなり、離型シート10の第2領域R2は突出部3を有し、第1領域R1を有する箇所の総厚みをT1、前記第2領域R2を有する箇所の総厚みをT2とした際に、下記式(1)を満たす。|T1−T2|≦15μm(1)
【選択図】図1
【解決手段】転写シート100は、表面に第1領域R1及び第2領域R2を有する離型シート10と、離型シート10の第1領域R1上に形成された転写層20とを有してなり、離型シート10の第2領域R2は突出部3を有し、第1領域R1を有する箇所の総厚みをT1、前記第2領域R2を有する箇所の総厚みをT2とした際に、下記式(1)を満たす。|T1−T2|≦15μm(1)
【選択図】図1
Description
本発明は、転写シート、転写シートの製造方法、及び加飾成形品の製造方法に関する。
家庭用電化製品、自動車内装品、及び雑貨品等の分野において、転写法により物品の表面を装飾する場合がある。
転写法は、基材上に、剥離層、図柄層、接着剤層などからなる転写層を形成した転写シートを、被着体である物品に密着させた後、基材を剥離して、被着体表面に転写層のみを転写して装飾を行う方法である。
転写法は、基材上に、剥離層、図柄層、接着剤層などからなる転写層を形成した転写シートを、被着体である物品に密着させた後、基材を剥離して、被着体表面に転写層のみを転写して装飾を行う方法である。
転写法では、転写層の構成を調整することにより、被着体である物品に光沢感を付与したり、あるいは、逆に、光沢感を減らしてマット感を付与したりすることができる。
例えば、特許文献1には、基体シート上に全面的にマット剤を含有する離型層と、部分的に活性エネルギー線硬化性樹脂を含有するマスク層と、転写層として剥離層と図柄層とが形成されたことを特徴とする部分マット転写シートが開示されている。
例えば、特許文献1には、基体シート上に全面的にマット剤を含有する離型層と、部分的に活性エネルギー線硬化性樹脂を含有するマスク層と、転写層として剥離層と図柄層とが形成されたことを特徴とする部分マット転写シートが開示されている。
被着体である物品の表面に転写層を転写する場合、特許文献1の段落0034に記載されているように、位置合わせが極めて重要となる。
従来から印刷分野等において、トンボと呼ばれる位置合わせ用のパターンを印刷し、該パターンをセンサーで読み取ることによって、位置合わせが行われている。転写法においても、このように位置合わせ用のパターンを印刷して、位置合わせすることが考えられる。
従来から印刷分野等において、トンボと呼ばれる位置合わせ用のパターンを印刷し、該パターンをセンサーで読み取ることによって、位置合わせが行われている。転写法においても、このように位置合わせ用のパターンを印刷して、位置合わせすることが考えられる。
しかし、位置合わせ用のパターンを転写シートの正確な場所に印刷することが困難であり、被着体の正確な位置に転写層を転写することが困難であるという問題があった。また、そもそも転写シートが完成した後に位置合わせ用のパターンを印刷する場合、工程が増えて煩雑であるという問題もある。
かかる問題を解決すべく、本発明者らは、特願2016−155289号において、離型シートに位置合わせ用の突出部を形成し、該突出部を含む離型シートの全域に転写層を形成した転写シートを提案している。
しかし、特願2016−155289号の転写シートは、転写シートをスリットする際に、転写層の断片が周囲に飛び散るという問題が生じた(以下、この問題のことを「箔チリ」と称する場合がある)。また、特願2016−155289号の転写シートは、位置合わせ用の突出部上に転写層を形成するため、転写シートの表面では突出部の形状が緩和されてしまい、位置合わせの精度に支障を来たす場合があった。
特願2016−155289号の転写シートの上記問題を解消するためには、位置合わせ用の突出部上に、転写層を形成しない手段が考えられる。しかし、この場合、転写シートの製造時や巻き取り時に、転写層や突出部が変形する場合があった。
本発明は、位置合わせの精度が良好であり、箔チリを抑制するとともに、製造時や巻き取り時に転写層や突出部が変形することを抑制できる転写シート、該転写シートの製造方法、及び該転写シートを用いた加飾成形品の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3]を提供する。
[1]転写シートであって、前記転写シートは、表面に第1領域及び第2領域を有する離型シートと、前記離型シートの前記第1領域上に形成された転写層とを有し、前記離型シートの前記第2領域の一部に突出部を有し、前記転写シートの前記第1領域を有する箇所の総厚みをT1、前記転写シートの前記第2領域を有する箇所であって前記突出部を有する箇所の総厚みをT2とした際に、下記式(1)を満たす、転写シート。
|T1−T2| ≦ 15μm (1)
[2]下記(A1)〜(A3)工程を有する、上記[1]に記載の転写シートの製造方法。
(A1)支持体上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、電離放射線を照射して、賦形した樹脂層を硬化させ、支持体上に樹脂層が形成された離型シートを得る工程。
(A3)離型シートの第1領域上に転写層を形成する工程。
[3]下記(B1)〜(B2)工程を順に行う、加飾成形品の製造方法。
(B1)上記[1]に記載の転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(B2)前記積層体から前記転写シートの前記離型シートを分離する工程。
[1]転写シートであって、前記転写シートは、表面に第1領域及び第2領域を有する離型シートと、前記離型シートの前記第1領域上に形成された転写層とを有し、前記離型シートの前記第2領域の一部に突出部を有し、前記転写シートの前記第1領域を有する箇所の総厚みをT1、前記転写シートの前記第2領域を有する箇所であって前記突出部を有する箇所の総厚みをT2とした際に、下記式(1)を満たす、転写シート。
|T1−T2| ≦ 15μm (1)
[2]下記(A1)〜(A3)工程を有する、上記[1]に記載の転写シートの製造方法。
(A1)支持体上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、電離放射線を照射して、賦形した樹脂層を硬化させ、支持体上に樹脂層が形成された離型シートを得る工程。
(A3)離型シートの第1領域上に転写層を形成する工程。
[3]下記(B1)〜(B2)工程を順に行う、加飾成形品の製造方法。
(B1)上記[1]に記載の転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(B2)前記積層体から前記転写シートの前記離型シートを分離する工程。
本発明によれば、位置合わせの精度が良好であり、箔チリを抑制するとともに、製造時や巻き取り時に転写層や突出部が変形することを抑制できる転写シート、該転写シートの製造方法、及び該転写シートを用いた加飾成形品の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
なお、本明細書において「AA〜BB」とは、「AA以上BB以下」のことをいう。
また、本明細書において、幅方向とは、転写シートのTD方向(Transverse Direction)のことを意味し、流れ方向とは、転写シートのMD方向(Machine Direction)のことを意味する。
なお、本明細書において「AA〜BB」とは、「AA以上BB以下」のことをいう。
また、本明細書において、幅方向とは、転写シートのTD方向(Transverse Direction)のことを意味し、流れ方向とは、転写シートのMD方向(Machine Direction)のことを意味する。
[転写シート]
本発明の転写シートは、表面に第1領域及び第2領域を有する離型シートと、前記離型シートの前記第1領域上に形成された転写層とを有し、前記離型シートの前記第2領域の一部に突出部を有し、前記転写シートの前記第1領域を有する箇所の総厚みをT1、前記転写シートの前記第2領域を有する箇所であって前記突出部を有する箇所の総厚みをT2とした際に、下記式(1)を満たすものである。
|T1−T2| ≦ 15μm (1)
本発明の転写シートは、表面に第1領域及び第2領域を有する離型シートと、前記離型シートの前記第1領域上に形成された転写層とを有し、前記離型シートの前記第2領域の一部に突出部を有し、前記転写シートの前記第1領域を有する箇所の総厚みをT1、前記転写シートの前記第2領域を有する箇所であって前記突出部を有する箇所の総厚みをT2とした際に、下記式(1)を満たすものである。
|T1−T2| ≦ 15μm (1)
図1は、本発明の転写シートの実施の形態を示すTD方向の断面図である。
図1において、転写シート100は、表面に第1領域R1及び第2領域R2を有する離型シート10と、離型シートの第1領域R1上に形成された転写層20とを有している。また、離型シート10は、第2領域R2に突出部3を有し、第1領域の一部に凹凸部4を有している。突出部3及び凹凸部4は樹脂層2によって形成されている。また、離型シート10は、支持体1、樹脂層2及び着色層5から形成されており、第1領域R1と第2領域R2との間に第3領域R3を有している。また、転写層20は、保護層21及び接着剤層22から構成されている。
図1の転写シート100は、第1領域及び前記第2領域を含む構成単位を1つ有している。
図1において、転写シート100は、表面に第1領域R1及び第2領域R2を有する離型シート10と、離型シートの第1領域R1上に形成された転写層20とを有している。また、離型シート10は、第2領域R2に突出部3を有し、第1領域の一部に凹凸部4を有している。突出部3及び凹凸部4は樹脂層2によって形成されている。また、離型シート10は、支持体1、樹脂層2及び着色層5から形成されており、第1領域R1と第2領域R2との間に第3領域R3を有している。また、転写層20は、保護層21及び接着剤層22から構成されている。
図1の転写シート100は、第1領域及び前記第2領域を含む構成単位を1つ有している。
また、図2〜図6は、本発明の転写シート100の実施の形態を示す平面図である。図2〜6の左右の方向がTD方向を示している。図2〜図5の転写シート100は、第1領域及び前記第2領域を含む構成単位を2つ有し、図6の転写シート100は、第1領域及び前記第2領域を含む構成単位を3つ有している。図2〜図6の一点鎖線で囲まれた範囲が1つの構成単位である。
なお、図1〜図6等の各図は本発明の転写シートの実施の形態であり、本発明の転写シートは各図の構成に限定されない。
なお、図1〜図6等の各図は本発明の転写シートの実施の形態であり、本発明の転写シートは各図の構成に限定されない。
<離型シート>
離型シートは、転写層側の表面に第1領域及び第2領域を有するものである。また、離型シートは第2領域に突出部を有する。離型シートは、樹脂成形体等の被着体に転写層を密着した後に分離される。
第1領域及び第2領域は、図1〜図6に示すように、離型シートのTD方向に並んで配置されることが好ましい。
離型シートは、転写層側の表面に第1領域及び第2領域を有するものである。また、離型シートは第2領域に突出部を有する。離型シートは、樹脂成形体等の被着体に転写層を密着した後に分離される。
第1領域及び第2領域は、図1〜図6に示すように、離型シートのTD方向に並んで配置されることが好ましい。
離型シートは、例えば、支持体及び樹脂層から形成される。なお、離型シートは、支持体又は樹脂層の単層であってもよいし、転写層の剥離性を良好にするための離型層を有するものであってもよい。
<<支持体>>
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチルなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ナイロン6又はナイロン66などで代表されるポリアミド系樹脂などの樹脂からなるプラスチックフィルムが挙げられる。
これらのプラスチックフィルムの中では、耐熱性、寸法安定性に優れ、位置合わせの適性に優れる2軸延伸ポリエステルフィルムが好適である。
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチルなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ナイロン6又はナイロン66などで代表されるポリアミド系樹脂などの樹脂からなるプラスチックフィルムが挙げられる。
これらのプラスチックフィルムの中では、耐熱性、寸法安定性に優れ、位置合わせの適性に優れる2軸延伸ポリエステルフィルムが好適である。
支持体の厚みは、成形性、形状追従性、取り扱いの観点から、12〜150μmであることが好ましく、25〜100μmであることがより好ましい。
また、支持体の表面には、樹脂層等との接着性を高めるために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理や、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
また、支持体の表面には、樹脂層等との接着性を高めるために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理や、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
<<樹脂層>>
樹脂層は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物等の樹脂成分を主成分として含むことが好ましい。なお、主成分とは、樹脂層を構成する全固形分の50質量%以上を意味し、該割合は70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
上記の樹脂成分の中でも、強度に優れるとともに、瞬時に硬化するため正確かつ精密な形状を付与できる電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が好適である。また、電離放射線硬化性樹脂組成物による効果を得やすくする観点から、樹脂層を構成する全樹脂成分のうち、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を70質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましく、100質量%含むことがよりさらに好ましい。
樹脂層は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物等の樹脂成分を主成分として含むことが好ましい。なお、主成分とは、樹脂層を構成する全固形分の50質量%以上を意味し、該割合は70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
上記の樹脂成分の中でも、強度に優れるとともに、瞬時に硬化するため正確かつ精密な形状を付与できる電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が好適である。また、電離放射線硬化性樹脂組成物による効果を得やすくする観点から、樹脂層を構成する全樹脂成分のうち、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を70質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましく、100質量%含むことがよりさらに好ましい。
樹脂層は、コーティングにより形成してもよいが、正確にかつ精密な形状を形成する観点から、第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いた印刷により形成することが好ましい。樹脂層がその他の領域を有する場合、該版は、さらに、その他の領域と相補的な形状を有することが好ましい。版を用いた樹脂層の形成方法の詳細は後述する。
熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ナイロン、ポリスチレン及びABS樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましい。また、転写シートを製造する過程で樹脂層が傷つくことを抑制する観点からは、電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましい。また、転写シートを製造する過程で樹脂層が傷つくことを抑制する観点からは、電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
また、多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂である場合には、樹脂層形成用インキは、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
樹脂層の厚みは特に限定されないが、1〜15μmであることが好ましく、2〜12μmであることがより好ましい。
<<第1領域>>
離型シート10の第1領域R1上には転写層20が形成される。すなわち、第1領域R1は、被着体に転写するための転写層20を形成するための領域である。
離型シート10の第1領域R1上には転写層20が形成される。すなわち、第1領域R1は、被着体に転写するための転写層20を形成するための領域である。
第1領域の表面形状は、加飾成形品に付与する表面形状に応じて適宜選択するため、特に限定されない。例えば、離型シート10の第1領域R1は、図1のように少なくとも一部に凹凸部4を有していてもよいし、全面が略平滑であってもよい。
図1のように、第1領域R1内に凹凸部4を有する場合、被着体には、該凹凸部の相補的形状を有する転写層20が転写され、得られる加飾成形品の表面に凹凸形状を付与することができる。転写シート100が、第1領域R1及び前記第2領域R2を含む構成単位を複数有する場合、図2〜図6に示すように、凹凸部4は、構成単位ごとに独立して存在することが好ましい。
一方、第1領域R1の表面形状が略平滑である場合、被着体に転写した転写層20の表面形状を略平滑にすることができ、得られる加飾成形品の光沢を高くすることができる。
図1のように、第1領域R1内に凹凸部4を有する場合、被着体には、該凹凸部の相補的形状を有する転写層20が転写され、得られる加飾成形品の表面に凹凸形状を付与することができる。転写シート100が、第1領域R1及び前記第2領域R2を含む構成単位を複数有する場合、図2〜図6に示すように、凹凸部4は、構成単位ごとに独立して存在することが好ましい。
一方、第1領域R1の表面形状が略平滑である場合、被着体に転写した転写層20の表面形状を略平滑にすることができ、得られる加飾成形品の光沢を高くすることができる。
第1領域に凹凸部を有する場合、その凹凸の程度の絶対値は特に限定されないが、最大高さ粗さRzは0.2〜4.0μm程度とすることが好ましい。同様に、算術平均粗さRaは0.05〜2.0μm程度とすることが好ましい。
なお、本明細書において、最大高さは、カットオフ値0.8mmにおけるJIS B0601:2001の最大高さ粗さRzを意味し、平均粗さは、カットオフ値0.8mmにおけるJIS B0601:2001の算術平均粗さRaを意味する。Rz及びRaは10回測定した値の平均値とする。
なお、本明細書において、最大高さは、カットオフ値0.8mmにおけるJIS B0601:2001の最大高さ粗さRzを意味し、平均粗さは、カットオフ値0.8mmにおけるJIS B0601:2001の算術平均粗さRaを意味する。Rz及びRaは10回測定した値の平均値とする。
第1領域は、転写シートのMD方向に途切れることなく連続していることが好ましい。第1領域がMD方向で連続していること(言い換えると、転写層がMD方向に連続していること)により、図7に示すように、第1領域を有する箇所において、転写シートの高さを略均一にすることができ、製造時や巻き取り時に転写層や突出部が変形することをより抑制することができる。
また、図示しないが、第1領域及び前記第2領域を含む1つの構成単位内において、第1領域を2箇所以上に分割して形成してもよい。その場合、それぞれの第1領域の表面形状を異なるものとしてもよい。第1領域を2箇所以上に分割して形成し、さらに、それぞれの第1領域の表面形状を異なるものとすることにより、加飾成形品の意匠性を高めることができる。
<<第2領域>>
第2領域R2の一部には突出部3が形成される。第2領域の一部に突出部を有することにより、第2領域の突出部を有する箇所と、第2領域の突出部を有さない箇所との間、あるいは、第2領域と、第2領域に隣接する領域(第1領域又は後述の第3領域)との間の光学特性(光透過率、光反射率等)に差が生じ、位置合わせすることができる。すなわち、第2領域は、被着体に転写する際の位置合わせ用パターン(アライメントマーク)として機能する。
位置合わせを行う任意の工程としては、例えば、転写シートを長尺にスリットする工程、転写シートを枚葉に型抜きする工程、転写シートを被着体に転写する工程が挙げられる。位置合わせの具体的手法については後述する。
第2領域R2の一部には突出部3が形成される。第2領域の一部に突出部を有することにより、第2領域の突出部を有する箇所と、第2領域の突出部を有さない箇所との間、あるいは、第2領域と、第2領域に隣接する領域(第1領域又は後述の第3領域)との間の光学特性(光透過率、光反射率等)に差が生じ、位置合わせすることができる。すなわち、第2領域は、被着体に転写する際の位置合わせ用パターン(アライメントマーク)として機能する。
位置合わせを行う任意の工程としては、例えば、転写シートを長尺にスリットする工程、転写シートを枚葉に型抜きする工程、転写シートを被着体に転写する工程が挙げられる。位置合わせの具体的手法については後述する。
第2領域R2は、離型シート10のMD方向に途切れることなく連続して形成されていることが好ましいが、位置合わせに支障を来たさない限り、図5に示すように、部分的に途切れるものであってもよい。
転写シートの第2領域上には、図1に示すように、転写層を有さないことが好ましい。
転写シートは被着体の幅に合わせてスリットすることがあり、通常、スリットする箇所はアライメントマークを備えた第2領域である。したがって、第2領域に転写層を有さないことにより、スリット時に転写層の断片が周囲に飛び散る現象「箔チリ」を抑制し、転写シートの品質が損なわれることを抑制できる。
また、第2領域上に転写層を有さない場合、転写シートの表面において突出部の形状が緩和されることを抑制し、位置合わせの精度が低下することを抑制できる。
なお、第2領域上に転写層を有さないとは、第2領域上に転写層の構成成分が存在することを完全に排除する趣旨ではない。例えば、転写層を構成する各層をコーティングにより形成する場合、各層の構成成分が少なからず第2領域上に流入する場合があるが、少量の流入であれば本発明の効果は損なわれない。よって、本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲で、第2領域上に転写層の構成成分を有していてもよい。
なお、転写シートの第1領域と第2領域との間に後述する第3領域を有する場合、第3領域上にも転写層を有さないことが好ましい(但し、本発明の効果を阻害しない範囲において、第3領域上に転写層の構成成分を有していてもよい)。
転写シートは被着体の幅に合わせてスリットすることがあり、通常、スリットする箇所はアライメントマークを備えた第2領域である。したがって、第2領域に転写層を有さないことにより、スリット時に転写層の断片が周囲に飛び散る現象「箔チリ」を抑制し、転写シートの品質が損なわれることを抑制できる。
また、第2領域上に転写層を有さない場合、転写シートの表面において突出部の形状が緩和されることを抑制し、位置合わせの精度が低下することを抑制できる。
なお、第2領域上に転写層を有さないとは、第2領域上に転写層の構成成分が存在することを完全に排除する趣旨ではない。例えば、転写層を構成する各層をコーティングにより形成する場合、各層の構成成分が少なからず第2領域上に流入する場合があるが、少量の流入であれば本発明の効果は損なわれない。よって、本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲で、第2領域上に転写層の構成成分を有していてもよい。
なお、転写シートの第1領域と第2領域との間に後述する第3領域を有する場合、第3領域上にも転写層を有さないことが好ましい(但し、本発明の効果を阻害しない範囲において、第3領域上に転写層の構成成分を有していてもよい)。
本発明では、転写シートの第1領域を有する箇所の総厚みをT1、転写シートの第2領域を有する箇所であって突出部を有する箇所の総厚みをT2とした際に、下記式(1)を満たすことを要する。
|T1−T2| ≦ 15μm (1)
|T1−T2| ≦ 15μm (1)
本明細書において、T1は、転写シートの第1領域を有する箇所の総厚みの平均値を意味する。該平均値は、転写シートのTD方向の断面写真の第1領域の任意の10箇所の総厚みを平均することにより算出できる。
また、本明細書において、T2は、転写シートの第2領域を有する箇所であって突出部を有する箇所の総厚みを意味する。第2領域内に複数の突出部を有する場合、突出部を有する各箇所の総厚みの平均をT2とする。突出部を有する各箇所の総厚みは、転写シートのTD方向の断面写真を撮像し、各突出部の断面中央部の総厚みを読み取ればよい。
なお、本明細書において、上記式(1)のT1及びT2は、転写シートの同一箇所におけるTD方向の断面から算出するものとする。
また、本明細書において、T2は、転写シートの第2領域を有する箇所であって突出部を有する箇所の総厚みを意味する。第2領域内に複数の突出部を有する場合、突出部を有する各箇所の総厚みの平均をT2とする。突出部を有する各箇所の総厚みは、転写シートのTD方向の断面写真を撮像し、各突出部の断面中央部の総厚みを読み取ればよい。
なお、本明細書において、上記式(1)のT1及びT2は、転写シートの同一箇所におけるTD方向の断面から算出するものとする。
|T1−T2|は、第1領域を有する箇所と第2領域の突出部を有する箇所との高さの差を意味する。|T1−T2|が15μmを超える場合、転写シートの製造時や巻き取り時に、第1領域及び第2領域のうち厚みが大きい方に圧力が集中し、転写層や突出部が変形してしまう。また、|T1−T2|が15μmを超える場合、巻き取り時に巻きズレが生じやすくなる。
|T1−T2|は10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがより好ましい。
|T1−T2|は10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがより好ましい。
転写シートは、第1領域の幅をW1、第2領域の幅をW2とした際に、下記式(2−1)又は下記式(2−2)を満たすことが好ましい。
T1≧T2、かつ、W1≧W2 (2−1)
T1<T2、かつ、W1<W2 (2−2)
T1≧T2、かつ、W1≧W2 (2−1)
T1<T2、かつ、W1<W2 (2−2)
転写シートが、上記式(2−1)又は上記式(2−2)を満たすことにより、転写シートの製造時や巻き取り時に、第1領域及び第2領域のうち厚みが大きい方に圧力が集中することを抑制し、転写層や突出部が変形することをより抑制することができる。
なお、図6に示すように、転写シート100の幅方向において、複数の第1領域及び/又は第2領域を有する場合、上記式(2−1)及び上記式(2−2)のW1は複数の第1領域の幅の合計を示し、上記式(2−1)及び上記式(2−2)のW2は複数の第2領域の幅の合計を示すものとする。
W1及びW2は、転写シートのTD方向の断面写真から読み取ることができる。
なお、図6に示すように、転写シート100の幅方向において、複数の第1領域及び/又は第2領域を有する場合、上記式(2−1)及び上記式(2−2)のW1は複数の第1領域の幅の合計を示し、上記式(2−1)及び上記式(2−2)のW2は複数の第2領域の幅の合計を示すものとする。
W1及びW2は、転写シートのTD方向の断面写真から読み取ることができる。
図7は、図2の転写シート100のZ−Z線の断面図である。図7に示すように、転写シート100の第1領域R1を有する箇所のMD方向の断面は高さが変化していないものであることが好ましい。
突出部3は任意の構造体から形成され、該構造体の形状等は特に限定されないが、以下に例示する形状等が好ましい。
突出部3は、図2等に示すように任意の方向に延伸した複数のライン状の構造体3aや、図4に示すように複数のドット状の構造体3bを含むことが好ましい。これらの構造体は、後述する(ア)光電センサーを用いる位置合わせに好適である。中でも複数のライン状の構造体を含むことが好ましい。
任意の方向は特に限定されず、斜め方向(例えば、転写シートのTD方向に対して45度)であってもよいが、転写シート100の任意の1辺に平行な方向であることが好ましく、転写シート100のMD方向に平行であることがより好ましい。突出部を該構成とすることにより、位置合わせをしやすくできる。
任意の方向は特に限定されず、斜め方向(例えば、転写シートのTD方向に対して45度)であってもよいが、転写シート100の任意の1辺に平行な方向であることが好ましく、転写シート100のMD方向に平行であることがより好ましい。突出部を該構成とすることにより、位置合わせをしやすくできる。
突出部3の高さhは、1〜15μmであることが好ましく、2〜10μmであることが好ましく、3〜8μmであることがより好ましく、4〜6μmであることがさらに好ましい。
突出部の高さhを1μm以上とすることにより、位置合わせのための光学特性に差をつけやすくすることができる。また、突出部の高さhを15μm以下とすることにより、離型シートの製造時や巻き取り時等に、突出部が変形することを抑制できる。
突出部の高さhを1μm以上とすることにより、位置合わせのための光学特性に差をつけやすくすることができる。また、突出部の高さhを15μm以下とすることにより、離型シートの製造時や巻き取り時等に、突出部が変形することを抑制できる。
突出部の高さhは、全て同一でなくてもよい。しかしながら、転写層や突出部が変形することをより抑制する観点からは、突出部の高さhは、TD方向及びMD方向において実質的に同一であることが好ましい。
なお、本明細書において、突出部の高さhとは、転写シートをTD方向に垂直に切断した際に、突出部を形成する構造体の断面中央部の、離型シートの基準面からの高さのことをいう。本明細書では、第2領域の突出部を有さない箇所を基準面とすることができる。
なお、本明細書において、突出部の高さhとは、転写シートをTD方向に垂直に切断した際に、突出部を形成する構造体の断面中央部の、離型シートの基準面からの高さのことをいう。本明細書では、第2領域の突出部を有さない箇所を基準面とすることができる。
突出部3a、3cの幅bは、5〜200μmであることが好ましく、10〜150μmであることがより好ましく、15〜100μmであることがさらに好ましい。
突出部3a、3cの幅bを5μm以上とすることにより、突出部の強度を維持することができるとともに、突出部を均質に形成しやすくできる。また、突出部の幅bを200μm以下とすることにより、第2領域の面積が必要以上に広くなることを抑制できる。
なお、本明細書において、突出部の幅bとは、突出部を形成する構造体がライン状構造体である場合、構造体の延伸方向に直交する方向で切断した断面の幅のことをいい、突出部を形成する構造体がドット状構造体の場合、構造体の長軸方向で切断した断面の幅のことをいう。
突出部3a、3cの幅bを5μm以上とすることにより、突出部の強度を維持することができるとともに、突出部を均質に形成しやすくできる。また、突出部の幅bを200μm以下とすることにより、第2領域の面積が必要以上に広くなることを抑制できる。
なお、本明細書において、突出部の幅bとは、突出部を形成する構造体がライン状構造体である場合、構造体の延伸方向に直交する方向で切断した断面の幅のことをいい、突出部を形成する構造体がドット状構造体の場合、構造体の長軸方向で切断した断面の幅のことをいう。
突出部の高さhと突出部の幅bとの比率h/bは、0.010〜0.050であることが好ましく、0.015〜0.045であることがより好ましく、0.020〜0.040であることがさらに好ましい。
比率h/bを0.010以上とすることにより、第2領域の面積が必要以上に広くなることを抑制できる。また、比率h/bを0.050以下とすることにより、突出部の形状を維持しやすくできる。
比率h/bを0.010以上とすることにより、第2領域の面積が必要以上に広くなることを抑制できる。また、比率h/bを0.050以下とすることにより、突出部の形状を維持しやすくできる。
突出部の端部同士の間隔dは、アライメントマークの認識率を向上させ、第2領域の面積が必要以上に広くなることを抑制できる観点から、10〜500μmであることが好ましく、15〜450μmであることがより好ましく、20〜400μmであることがさらに好ましく、25〜350μmであることがよりさらに好ましい。なお、突出部上に着色層を形成する場合、間隔dを500μm以下とすることにより、着色層が突出部の間の溝に流入することを抑制できる。
本明細書において、突出部の端部同士の間隔dとは、突出部の裾の末端間距離をいう。
本明細書において、突出部の端部同士の間隔dとは、突出部の裾の末端間距離をいう。
突出部の高さhと、突出部の端部同士の間隔dとの比率h/dは、0.003〜0.100であることが好ましく、0.005〜0.080であることがより好ましく、0.007〜0.060であることがさらに好ましい。
h/dを上記範囲とすることにより、突出部の高さと間隔とのバランスが良好となり、突出部の端部の間に裾が形成されにくくなり、位置合わせ精度を良好にできる。
h/dを上記範囲とすることにより、突出部の高さと間隔とのバランスが良好となり、突出部の端部の間に裾が形成されにくくなり、位置合わせ精度を良好にできる。
また、突出部3は、図1、2、5及び6に示すように、転写シートの幅方向に平行な直線、及び、転写シートの流れ方向に平行な直線を有する、平面視した際に略四角形状の構造体3cを含むことが好ましい。
突出部3が略四角形状の構造体3cを有することにより、位置合わせ精度をより良好にすることができる。略四角形状の構造体3cは、後述する(イ)画像センサーを用いる位置合わせに好適である。
平面視した際に略四角形の構造体は、図3に示すように複数のラインから形成しても良い。また、図4に示すように、突出部を有さない箇所によって、平面視した際に略四角形となる構造体を形成してもよい。
略四角形状の構造体3cの一辺の長さは、1.0〜10.0mmであることが好ましく、1.0〜7.0mmであることがより好ましく、3.0〜6.0mmであることがさらに好ましい。
突出部3が略四角形状の構造体3cを有することにより、位置合わせ精度をより良好にすることができる。略四角形状の構造体3cは、後述する(イ)画像センサーを用いる位置合わせに好適である。
平面視した際に略四角形の構造体は、図3に示すように複数のラインから形成しても良い。また、図4に示すように、突出部を有さない箇所によって、平面視した際に略四角形となる構造体を形成してもよい。
略四角形状の構造体3cの一辺の長さは、1.0〜10.0mmであることが好ましく、1.0〜7.0mmであることがより好ましく、3.0〜6.0mmであることがさらに好ましい。
第2領域は下記式(3)を満たすことが好ましい。
0.08≦[突出部の幅の総和/第2領域の全幅] (3)
[突出部の幅の総和/第2領域の全幅]の比を0.08以上とすることにより、突出部が変形することを抑制しやすくできる。該比は0.15以上であることがより好ましい。
上記式(3)は、転写シートの実質的に全ての箇所で満たしていることが好ましい。
0.08≦[突出部の幅の総和/第2領域の全幅] (3)
[突出部の幅の総和/第2領域の全幅]の比を0.08以上とすることにより、突出部が変形することを抑制しやすくできる。該比は0.15以上であることがより好ましい。
上記式(3)は、転写シートの実質的に全ての箇所で満たしていることが好ましい。
突出部3上には、図1に示すように着色層5を有していてもよい。
着色層を有することにより、位置合わせのための光学特性の差を出しやすくすることができる。なお、本明細書の「着色層」には、光の拡散により白っぽく見える層(例えば、擦りガラスのように見える層)も含むものとする。
着色層を有することにより、位置合わせのための光学特性の差を出しやすくすることができる。なお、本明細書の「着色層」には、光の拡散により白っぽく見える層(例えば、擦りガラスのように見える層)も含むものとする。
着色層は、主として、バインダー樹脂と、顔料及び/又はマット剤とから構成することが好ましい。
着色層の顔料としては、隠蔽性の高い顔料、あるいは反射率の高い顔料を含むことが好ましい。隠蔽性の高い顔料としては、カーボンブラック等の黒色顔料が好ましい。反射率の高い顔料としては、硫酸バリウム、酸化チタン及びパール顔料等が挙げられる。
着色層のマット剤としては、着色層の表面に凹凸を付与し、外部ヘイズを生じさせるものであれば特に制限されることなく使用できる。具体的には、該マット剤としては、シリカ、アルミナ等の無機粒子、アクリル粒子、スチレン粒子等の有機粒子が挙げられる。
着色層のバインダー樹脂は特に限定されず、汎用の、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を用いることができる。
着色層の顔料としては、隠蔽性の高い顔料、あるいは反射率の高い顔料を含むことが好ましい。隠蔽性の高い顔料としては、カーボンブラック等の黒色顔料が好ましい。反射率の高い顔料としては、硫酸バリウム、酸化チタン及びパール顔料等が挙げられる。
着色層のマット剤としては、着色層の表面に凹凸を付与し、外部ヘイズを生じさせるものであれば特に制限されることなく使用できる。具体的には、該マット剤としては、シリカ、アルミナ等の無機粒子、アクリル粒子、スチレン粒子等の有機粒子が挙げられる。
着色層のバインダー樹脂は特に限定されず、汎用の、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を用いることができる。
着色層の厚みは、位置合わせのための光学特性の差を良好にできる範囲で調整すればよく、通常、0.3〜5.0μm程度である。
着色層は、離型シート上に転写層を形成する前に設けてもよいし、離型シート上に転写層を形成した後に設けてもよい。
着色層は、離型シート上に転写層を形成する前に設けてもよいし、離型シート上に転写層を形成した後に設けてもよい。
第2領域R2は、図3〜図5に示すように、第1領域R1の幅方向の一方の側のみに形成されていてもよいが、図1、図2及び図6に示すように、第1領域R1の幅方向の両方の側に形成されていることが好ましい。
第1領域の幅方向の両方の側に第2領域を有することにより、位置合わせ精度をより良好にすることができる。
第1領域の幅方向の両方の側に第2領域を有することにより、位置合わせ精度をより良好にすることができる。
<<第3領域>>
離型シート10は、第1領域R1と第2領域R2との間に、第3領域R3を有していてもよい。
第3領域R3は、該領域上に転写層20を有さず、第2領域のような突出部3を有さないという点で、第1領域R1及び第2領域R2と区別される領域である。
離型シートが第3領域を有することで、第2領域と第3領域との光学特性の差を出しやすくなり、位置合わせしやすくできる。また、離型シートが第3領域を有することで、第2領域に転写層の成分が流入することを抑制できる。
離型シート10は、第1領域R1と第2領域R2との間に、第3領域R3を有していてもよい。
第3領域R3は、該領域上に転写層20を有さず、第2領域のような突出部3を有さないという点で、第1領域R1及び第2領域R2と区別される領域である。
離型シートが第3領域を有することで、第2領域と第3領域との光学特性の差を出しやすくなり、位置合わせしやすくできる。また、離型シートが第3領域を有することで、第2領域に転写層の成分が流入することを抑制できる。
第3領域の幅W3は、位置合わせ及び第2領域への転写層成分の流入を抑制する観点から、5.0mm以上であることが好ましく、10.0mm以上であることがより好ましい。
また、第3領域の幅W3が広過ぎることによる技術的意味合いは少ないことから、第3領域の幅W3は20.0mm以下であることが好ましく、15.0mm以下であることがより好ましい。
また、第3領域の幅W3が広過ぎることによる技術的意味合いは少ないことから、第3領域の幅W3は20.0mm以下であることが好ましく、15.0mm以下であることがより好ましい。
<<離型層>>
離型シートは、転写シートを被着体に密着した際に、剥離するものである。このため、離型シートと転写層との界面は剥離可能に構成されている。
離型シートと転写層との界面の剥離性を向上させるため、離型シートは、転写層と接する側の面の少なくとも一部に離型層を有することが好ましく、第1領域の全部に離型層を有することがより好ましい。なお、本発明の効果を阻害しない範囲で、第2領域や第3領域上に離型層を形成してもよい。
離型シートは、転写シートを被着体に密着した際に、剥離するものである。このため、離型シートと転写層との界面は剥離可能に構成されている。
離型シートと転写層との界面の剥離性を向上させるため、離型シートは、転写層と接する側の面の少なくとも一部に離型層を有することが好ましく、第1領域の全部に離型層を有することがより好ましい。なお、本発明の効果を阻害しない範囲で、第2領域や第3領域上に離型層を形成してもよい。
第1領域に凹凸部を有する場合、該凹凸部上に離型層が形成されることで、凹凸が緩和され、加飾成形品の表面に高周波成分の少ない凹凸形状を形成することができ、加飾成形品の白化及びギラツキを抑制できる。
ここで、「ギラツキ」とは、表面の凹凸構造に起因して、映像光に微細な輝度のばらつきが見える現象のことをいう。つまり、凹凸部上に離型層を形成することで、加飾成形品を液晶表示素子等の表示素子の前面に用いる場合に、ギラツキを抑制できる。
ここで、「ギラツキ」とは、表面の凹凸構造に起因して、映像光に微細な輝度のばらつきが見える現象のことをいう。つまり、凹凸部上に離型層を形成することで、加飾成形品を液晶表示素子等の表示素子の前面に用いる場合に、ギラツキを抑制できる。
離型層は、主として樹脂で構成することが好ましい。
離型層の樹脂は、所定の被膜強度を有し、転写層との接着力が低い材料であれば特に限定されず、汎用の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物等が挙げられる。具体的には、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、硝化綿等が挙げられる。
これらの中でも、熱硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましく、アクリルポリオール及びイソシアネートを含むポリウレタン系樹脂である熱硬化性樹脂組成物がより好ましい。
離型層の樹脂は、所定の被膜強度を有し、転写層との接着力が低い材料であれば特に限定されず、汎用の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物等が挙げられる。具体的には、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、硝化綿等が挙げられる。
これらの中でも、熱硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましく、アクリルポリオール及びイソシアネートを含むポリウレタン系樹脂である熱硬化性樹脂組成物がより好ましい。
離型層は、離型性を向上させるために離型剤をさらに含んでもよい。離型剤としては、合成ワックス及び天然ワックス等のワックス類が挙げられる。合成ワックスとしては、ポリエチレンワックスやポリプピレンワックス等のポリオレフィンワックスが好ましい。
離型層の厚みは、0.1〜5.0μmであることが好ましく、0.2〜3.0μmであることがより好ましく、0.3〜1.0μmであることがさらに好ましい。
<<その他の層>>
離型シートは、その他の層を有していてもよい。
その他の層としては、帯電防止層が挙げられる。離型シートは、帯電防止層を有することにより、離型シートを剥離する際の剥離帯電を抑制でき、転写の作業性を向上できる。
離型シートは、その他の層を有していてもよい。
その他の層としては、帯電防止層が挙げられる。離型シートは、帯電防止層を有することにより、離型シートを剥離する際の剥離帯電を抑制でき、転写の作業性を向上できる。
帯電防止層は、電子伝導型帯電防止剤、イオン伝導型帯電防止剤等の帯電防止剤、及びバインダー樹脂を含むことが好ましい。
帯電防止層は、離型シートの転写層と接する側の面とは反対側の表面に形成されていることが好ましい。
帯電防止層は、表面抵抗率を1.0×10−9Ω/□〜1.0×10−12Ω/□の範囲に調整することが好ましい。
なお、帯電防止剤を樹脂層等の他の層に含有させて帯電防止性を発揮させてもよい。
帯電防止層は、離型シートの転写層と接する側の面とは反対側の表面に形成されていることが好ましい。
帯電防止層は、表面抵抗率を1.0×10−9Ω/□〜1.0×10−12Ω/□の範囲に調整することが好ましい。
なお、帯電防止剤を樹脂層等の他の層に含有させて帯電防止性を発揮させてもよい。
<離型シートの製造方法>
離型シートは、例えば、以下の(x1)〜(x2)工程により製造できる。
(x1)支持体上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(x2)第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、電離放射線を照射して、賦形した樹脂層を硬化する工程。
離型シートは、例えば、以下の(x1)〜(x2)工程により製造できる。
(x1)支持体上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(x2)第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、電離放射線を照射して、賦形した樹脂層を硬化する工程。
電離放射線硬化性樹脂組成物が溶剤を含む場合、(x1)工程で溶剤を乾燥させることが好ましい。
離型シートが着色層や離型層を有する場合、(x2)工程の後に、(x3)着色層及び/又は離型層を形成する工程、を行えばよい。
離型シートが着色層や離型層を有する場合、(x2)工程の後に、(x3)着色層及び/又は離型層を形成する工程、を行えばよい。
離型シートが第3領域を有する場合、(x2)工程の版として、第1領域、第2領域及び第3領域と相補的な形状を有する版を用いればよい。
(x2)工程で使用する版は、例えば、エッチング、サンドブラスト、切削及びレーザー加工、あるいはこれらの組み合わせなどによって、シリンダーの表面を所望の形状に彫刻することにより得ることができる。あるいは、レーザー彫刻、光造形等によって長尺の雄型の版(第1領域及び第2領域と同一の形状を有する版)を作製し、これを反転したものをシリンダーの表面に巻き付けることによって得ることができる。これら版の表面は、クロム等で硬質メッキ処理することが好ましい。
また、離型シートは、例えば、以下の(y1)〜(y2)工程によっても製造できる。
(y1)第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版に、樹脂層形成用インキを充填する工程。
(y2)版に充填した樹脂層形成用インキを支持体上に転写し、必要に応じて乾燥及び硬化して、支持体上に樹脂層を形成する工程。
(y1)第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版に、樹脂層形成用インキを充填する工程。
(y2)版に充填した樹脂層形成用インキを支持体上に転写し、必要に応じて乾燥及び硬化して、支持体上に樹脂層を形成する工程。
離型シートが着色層や離型層を有する場合、(y2)工程の後に、(y3)着色層及び/又は離型層を形成する工程、を行えばよい。
離型シートが第3領域を有する場合、(y1)工程の版として、第1領域、第2領域及び第3領域と相補的な形状を有する版を用いればよい。
離型シートが第3領域を有する場合、(y1)工程の版として、第1領域、第2領域及び第3領域と相補的な形状を有する版を用いればよい。
正確かつ精密な形状を形成する観点からは、上述した(x1)〜(x2)工程が好適である。
転写シートは、製造効率の観点から、図6のように多面付けで製造することが好ましい。同様に、離型シートも多面付けで製造することが好ましい。このため、上記(x2)工程や(y1)工程で使用する版は、多面付けに対応した版とすることが好ましい。
<転写層>
離型シート10の第1領域R1上には、転写層20が形成される。
転写層20は、被着体に転写される層であり、例えば、図1に示すように、離型シート10に近い側から順に、保護層21及び接着剤層22を有する。
なお、転写層20は全てが被着体200に転写されなくてもよい。例えば、図8に示すように、転写層20のうち、被着体200に密着した箇所の転写層20が被着体200に転写されればよい。
離型シート10の第1領域R1上には、転写層20が形成される。
転写層20は、被着体に転写される層であり、例えば、図1に示すように、離型シート10に近い側から順に、保護層21及び接着剤層22を有する。
なお、転写層20は全てが被着体200に転写されなくてもよい。例えば、図8に示すように、転写層20のうち、被着体200に密着した箇所の転写層20が被着体200に転写されればよい。
転写層を構成する保護層及び接着剤層等の各層は、例えば、各層の構成成分を含むインキを調製し、離型シート上に、グラビアコート法、ロールコート法等のコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法により塗布、乾燥し、必要に応じて電離放射線を照射して硬化することにより形成できる。
転写層を形成するための転写層を形成するためのインキは、第2領域や第3領域に転写層の構成成分が流入することを抑制する観点から、いずれも溶剤割合が90質量%以下であることが好ましい。
転写層を形成するための転写層を形成するためのインキは、第2領域や第3領域に転写層の構成成分が流入することを抑制する観点から、いずれも溶剤割合が90質量%以下であることが好ましい。
<<保護層>>
保護層21は、転写層20が転写シート100から被着体200へと転写された後は、摩耗、光、薬品等から加飾成形品300を保護する役割を有する。
離型シート10の第1領域R1内に凹凸部4を有する場合、該凹凸形状と相補的な形状を有する保護層21が加飾成形品の表面に付与される。また、離型シート10の第1領域R1が略平滑な場合、表面が略平滑な保護層21が加飾成形品の表面に付与され、加飾成形品の光沢を高くすることができる。
保護層21は、転写層20が転写シート100から被着体200へと転写された後は、摩耗、光、薬品等から加飾成形品300を保護する役割を有する。
離型シート10の第1領域R1内に凹凸部4を有する場合、該凹凸形状と相補的な形状を有する保護層21が加飾成形品の表面に付与される。また、離型シート10の第1領域R1が略平滑な場合、表面が略平滑な保護層21が加飾成形品の表面に付与され、加飾成形品の光沢を高くすることができる。
保護層は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物等の樹脂成分を主成分として含むことが好ましい。なお、主成分とは、保護層を構成する全固形分の50質量%以上を意味し、該割合は70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
また、上記樹脂成分の中でも、強度に優れる電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が好適である。また、電離放射線硬化性樹脂組成物による効果を良好にする観点から、保護層を構成する全樹脂成分のうち、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を70質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましく、100質量%含むことがよりさらに好ましい。
また、上記樹脂成分の中でも、強度に優れる電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が好適である。また、電離放射線硬化性樹脂組成物による効果を良好にする観点から、保護層を構成する全樹脂成分のうち、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を70質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましく、100質量%含むことがよりさらに好ましい。
保護層の電離放射線硬化性樹脂組成物等の樹脂成分の実施の形態は、上述した樹脂層の樹脂成分の実施の形態と同様である。
なお、保護層を形成する材料として、熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物を用いる場合、成形性の観点から、保護層を形成する時点では、熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物を半硬化の状態にしておき、被着体に転写した後に熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化を進行させ、完全硬化させることが好ましい。
なお、保護層を形成する材料として、熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物を用いる場合、成形性の観点から、保護層を形成する時点では、熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物を半硬化の状態にしておき、被着体に転写した後に熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化を進行させ、完全硬化させることが好ましい。
保護層中には、有機粒子及び無機粒子等の粒子を含有してもよい。保護層中に粒子を含有することにより、樹脂成分との屈折率差による内部ヘイズの発現により、ギラツキ及び欠陥を目立ちにくくすることができる。これらの粒子は、同様の目的で、後述する接着剤層、アンカー層等に含有させてもよい。
有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル−スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、アンチモン、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、アンチモン、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。
粒子の平均粒子径は、0.05〜5.0μmが好ましく、0.5〜3.0μmがより好ましい。
本明細書において、平均粒子径は、溶液中の該粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を質量累積分布で表したときの50%粒子径(d50:メジアン径)である。50%粒子径は、例えば、Microtrac粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
本明細書において、平均粒子径は、溶液中の該粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を質量累積分布で表したときの50%粒子径(d50:メジアン径)である。50%粒子径は、例えば、Microtrac粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
粒子の含有量は、保護層の樹脂成分100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
保護層の厚みは、表面硬度及び成形性のバランスの観点から、0.5〜30μmであることが好ましく、1.0〜20μmであることがより好ましく、2.0〜10μmであることがさらに好ましい。
<<接着剤層>>
接着剤層22は、樹脂成形体等の被着体200と、転写層20との接着性を良好にして、転写作業を良好にする役割を有する。
接着剤層22は、樹脂成形体等の被着体200と、転写層20との接着性を良好にして、転写作業を良好にする役割を有する。
接着剤層は、被着体の素材に適した感熱性又は感圧性の樹脂を使用することが好ましい。例えば、被着体の材質がアクリル系樹脂の場合は、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。また、被着体の材質がポリフェニレンオキサイド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用することが好ましい。さらに、被着体の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂を使用することが好ましい。
接着剤層には、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等の添加剤を配合してもよい。
紫外線吸収剤は、無機系であってもよく有機系であってもよいが、透明性に優れる点から有機系の紫外線吸収剤が好ましい。無機系の紫外線吸収剤としては、例えば、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等が挙げられる。有機系の紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ニッケルキレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)及び硫化亜鉛金属酸化物系赤外線吸収剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、無機系であってもよく有機系であってもよいが、透明性に優れる点から有機系の紫外線吸収剤が好ましい。無機系の紫外線吸収剤としては、例えば、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等が挙げられる。有機系の紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ニッケルキレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)及び硫化亜鉛金属酸化物系赤外線吸収剤等が挙げられる。
接着剤層の厚みは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがより好ましく、1.0〜10μmであることがさらに好ましい。
<<アンカー層>>
アンカー層は、インモールド成形等の高温環境に置かれる場合において、耐熱性を向上させるために必要に応じて設けられる層である。アンカー層は、保護層と接着剤層との間に形成することが好ましい。
アンカー層は、インモールド成形等の高温環境に置かれる場合において、耐熱性を向上させるために必要に応じて設けられる層である。アンカー層は、保護層と接着剤層との間に形成することが好ましい。
アンカー層は、硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことが好ましい。
硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物が挙げられる。
アンカー層の熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物の実施の形態は、樹脂層の熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物の実施の形態と同様である。
アンカー層の厚みは、0.1〜6μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがより好ましい。
硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物が挙げられる。
アンカー層の熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物の実施の形態は、樹脂層の熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物の実施の形態と同様である。
アンカー層の厚みは、0.1〜6μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがより好ましい。
<<印刷層>>
転写層は、さらに印刷層を有していてもよい。印刷層は、加飾成形品に所望の意匠性を付与する役割を有する。
転写層は、さらに印刷層を有していてもよい。印刷層は、加飾成形品に所望の意匠性を付与する役割を有する。
印刷層は、転写シートを平面方向から観察した際に、第1領域内の少なくとも一部に位置するように配置することが好ましい。
また、印刷層の厚み方向の位置は、接着剤層上に配置してもよいし、接着剤層と保護層との間に配置してもよいし、保護層と離型シートとの間に配置してもよい。印刷層の保護と、被着体への接着性の観点からは、接着剤層と保護層との間に印刷層を配置することが好ましい。また、小ロット品への対応の観点からは、接着剤層上に印刷層を配置することが好ましい。なお、接着剤層上に印刷層を配置する場合、被着体との接着性の均一化の観点から、印刷層の樹脂成分は、接着剤層の樹脂成分と同系統の樹脂とすることが好ましく、同一の樹脂とすることがより好ましい。
また、印刷層の厚み方向の位置は、接着剤層上に配置してもよいし、接着剤層と保護層との間に配置してもよいし、保護層と離型シートとの間に配置してもよい。印刷層の保護と、被着体への接着性の観点からは、接着剤層と保護層との間に印刷層を配置することが好ましい。また、小ロット品への対応の観点からは、接着剤層上に印刷層を配置することが好ましい。なお、接着剤層上に印刷層を配置する場合、被着体との接着性の均一化の観点から、印刷層の樹脂成分は、接着剤層の樹脂成分と同系統の樹脂とすることが好ましく、同一の樹脂とすることがより好ましい。
印刷層のパターンは任意であり、例えば、木目、石目、布目、砂目、円、四角形、多角形、幾何学模様、文字、ベタ印刷等が挙げられる。
印刷層は、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂等のバインダー樹脂と、顔料及び/又は染料とを含むことが好ましい。
印刷層の厚みは、意匠性の観点から0.5〜40μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。
印刷層の厚みは、意匠性の観点から0.5〜40μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。
なお、印刷層を形成する際、位置合わせが重要となるが、第2領域により位置合わせを行うことによって、印刷層を正確な位置に形成することができる。
<転写シートの形状、大きさ>
転写シートは、枚葉状であってもよいしロール状であってもよい。枚葉の大きさは、通常は、幅20〜100cm、長さ20〜100cm程度である。ロールの大きさは、通常、幅20cm〜2m、長さ20cm〜2000m程度である。
転写シートは、枚葉状であってもよいしロール状であってもよい。枚葉の大きさは、通常は、幅20〜100cm、長さ20〜100cm程度である。ロールの大きさは、通常、幅20cm〜2m、長さ20cm〜2000m程度である。
[転写シートの製造方法]
本発明の転写シートの製造方法は、下記(A1)〜(A3)工程を有するものである。
(A1)支持体上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、電離放射線を照射して、賦形した樹脂層を硬化させ、支持体上に樹脂層が形成された離型シートを得る工程。
(A3)離型シートの第1領域上に転写層を形成する工程。
本発明の転写シートの製造方法は、下記(A1)〜(A3)工程を有するものである。
(A1)支持体上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、電離放射線を照射して、賦形した樹脂層を硬化させ、支持体上に樹脂層が形成された離型シートを得る工程。
(A3)離型シートの第1領域上に転写層を形成する工程。
電離放射線硬化性樹脂組成物が溶剤を含む場合、(A1)工程で溶剤を乾燥させることが好ましい。
転写シートは、製造効率の観点から、図6のように多面付けで製造することが好ましい。このように多面付けで製造された転写シートは、長尺の転写シート、あるいは枚葉の転写シートとして転写工程が行われる。
転写シートは、製造効率の観点から、図6のように多面付けで製造することが好ましい。このように多面付けで製造された転写シートは、長尺の転写シート、あるいは枚葉の転写シートとして転写工程が行われる。
上記工程により製造された転写シートは、第2領域上に転写層を有さず、かつ、第1領域と第2領域との高さの差が特定の範囲であることから、位置合わせの精度が良好であり、箔チリを抑制するとともに、製造時や巻き取り時に転写層や突出部が変形することを抑制できる。
位置合わせを行う任意の工程としては、例えば、転写シートを長尺にスリットする工程、転写シートを枚葉に型抜きする工程、転写シートを被着体に転写する工程が挙げられる。
位置合わせ用を行う手段としては、(ア)光電センサーを用いる手段、(イ)画像センサーを用いる手段、が挙げられる。
(ア)の手段では、例えば、回帰反射型の光電センサーの発光素子から転写シートに光を照射し、受光素子で受光した反射光を予め登録してある第2領域の突出部及び非突出部の反射光量と関連付けることにより、転写シートの位置を検知することができる。(ア)の手段は、転写シート100の搬送時でも行うことが可能であり、幅方向の簡易的な位置合わせに向いている。
(イ)の手段では、カメラ等の画像センサーで第2領域を撮像し、撮像した画像と予め登録してある画像とを対比することにより、転写シートが正しい場所に位置しているか否かを検知することができる。(イ)の手段は、転写シートを枚葉に型抜きする工程や転写シートを被着体に転写する工程等の転写シートが静止しているときに向いている。
(ア)の手段で用いる光電センサー、及び、(イ)の手段で用いる画像センサーは、汎用の装置を用いることができる。
(イ)の手段では、カメラ等の画像センサーで第2領域を撮像し、撮像した画像と予め登録してある画像とを対比することにより、転写シートが正しい場所に位置しているか否かを検知することができる。(イ)の手段は、転写シートを枚葉に型抜きする工程や転写シートを被着体に転写する工程等の転写シートが静止しているときに向いている。
(ア)の手段で用いる光電センサー、及び、(イ)の手段で用いる画像センサーは、汎用の装置を用いることができる。
[加飾成形品の製造方法]
本発明の加飾成形品の製造方法は、下記(B1)〜(B2)工程を順に行うものである。
(B1)本発明の転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(B2)前記積層体から前記転写シートの前記離型シートを分離する工程。
被着体としては、樹脂成形体等が挙げられる。
本発明の加飾成形品の製造方法は、下記(B1)〜(B2)工程を順に行うものである。
(B1)本発明の転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(B2)前記積層体から前記転写シートの前記離型シートを分離する工程。
被着体としては、樹脂成形体等が挙げられる。
図8は、上記工程(B1)〜(B2)工程の一実施形態を示す断面図である。
加飾成形品の具体的な製造方法には、公知の転写法を用いることができる。
例えば、(i)予め成形された被着体に転写シートの転写層側の面を密着させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法、(ii)平板状の被着体に転写シートの転写層側の面を密着させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法、(iii)被着体を射出成形する際に転写シートの転写層側の面と一体化(密着)させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法〔インモールド成形(射出成形同時転写加飾法)〕等が挙げられる。これらの中でも、インモールド成形(射出成形同時転写加飾法)によれば、三次元曲面などの複雑な表面形状を有する樹脂成形体に加飾成形することができる点で好ましい。
加飾成形品の具体的な製造方法には、公知の転写法を用いることができる。
例えば、(i)予め成形された被着体に転写シートの転写層側の面を密着させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法、(ii)平板状の被着体に転写シートの転写層側の面を密着させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法、(iii)被着体を射出成形する際に転写シートの転写層側の面と一体化(密着)させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法〔インモールド成形(射出成形同時転写加飾法)〕等が挙げられる。これらの中でも、インモールド成形(射出成形同時転写加飾法)によれば、三次元曲面などの複雑な表面形状を有する樹脂成形体に加飾成形することができる点で好ましい。
インモールド成形による本発明の転写シートを用いる加飾成形品の製造方法の一実施態様としては、
(a)上記の転写シートの転写層側の面をインモールド成形用金型の内側に向けて配置する工程と、
(b)上記インモールド成形用金型内に樹脂を射出注入する工程と、
(c)上記転写シートの転写層側の面と、上記樹脂とを一体化(密着)させた積層体を得る工程と、
(d)積層体を金型から取り出した後、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する工程と、を有するものが挙げられる。
このような製造工程により加飾成形品を製造することで、被着体の表面に複雑な意匠を表現することができる。
保護層が半硬化の状態の場合、(d)工程の終了後に紫外線を照射して保護層を完全に硬化させることが好ましい。
(a)上記の転写シートの転写層側の面をインモールド成形用金型の内側に向けて配置する工程と、
(b)上記インモールド成形用金型内に樹脂を射出注入する工程と、
(c)上記転写シートの転写層側の面と、上記樹脂とを一体化(密着)させた積層体を得る工程と、
(d)積層体を金型から取り出した後、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する工程と、を有するものが挙げられる。
このような製造工程により加飾成形品を製造することで、被着体の表面に複雑な意匠を表現することができる。
保護層が半硬化の状態の場合、(d)工程の終了後に紫外線を照射して保護層を完全に硬化させることが好ましい。
<樹脂成形体>
樹脂成形体としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、公知の様々な樹脂を用いることができる。
本発明による加飾成形品をインモールド成形により製造する場合には、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂(耐熱ABS樹脂を含む)、AS樹脂、AN樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、およびポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。
樹脂成形体としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、公知の様々な樹脂を用いることができる。
本発明による加飾成形品をインモールド成形により製造する場合には、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂(耐熱ABS樹脂を含む)、AS樹脂、AN樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、およびポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。
1.二面付けの版の作製
厚み200μmの銅メッキ層を有するシリンダーを準備した。該シリンダーの表面をエッチング処理して、第2領域R2と相補的な形状を形成した(図6参照)。
<第2領域R2と相補的な形状>
・TD方向に4つの第2領域R2
・各第2領域の幅:66.1mm
・突出部3cと相補的形状を有する正方形の溝部(1辺6.0mmの正方形。深さ:5.0μm。)
・突出部3aと相補的形状を有するライン状の溝部(幅:0.1mm。深さ:5.0μm。各溝部の間隔:0.5mm。各第2領域の溝の本数:111本)
厚み200μmの銅メッキ層を有するシリンダーを準備した。該シリンダーの表面をエッチング処理して、第2領域R2と相補的な形状を形成した(図6参照)。
<第2領域R2と相補的な形状>
・TD方向に4つの第2領域R2
・各第2領域の幅:66.1mm
・突出部3cと相補的形状を有する正方形の溝部(1辺6.0mmの正方形。深さ:5.0μm。)
・突出部3aと相補的形状を有するライン状の溝部(幅:0.1mm。深さ:5.0μm。各溝部の間隔:0.5mm。各第2領域の溝の本数:111本)
次いで、シリンダーの全面を、第1領域の凹凸部を形成する箇所が抜き加工されたマスクで覆った。
次いで、ガラスビーズを用いたブラスト加工により、マスクで覆われていない箇所に凹凸を形成した。該凹凸を反転して得られた凹凸の最大高さ粗さRzは1.5μm、算術平均粗さRaは0.5μmであった。
次いで、マスクを外し、シリンダーの表面を硬質メッキ処理(クロムメッキ)して、図6第2領域R2、図6の第1領域R1の凹凸部4、及び図6の第3領域R3と相補的な形状を備えた版を得た。
次いで、ガラスビーズを用いたブラスト加工により、マスクで覆われていない箇所に凹凸を形成した。該凹凸を反転して得られた凹凸の最大高さ粗さRzは1.5μm、算術平均粗さRaは0.5μmであった。
次いで、マスクを外し、シリンダーの表面を硬質メッキ処理(クロムメッキ)して、図6第2領域R2、図6の第1領域R1の凹凸部4、及び図6の第3領域R3と相補的な形状を備えた版を得た。
2.離型シートの作製
幅900mm、長さ1800mm、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記処方の樹脂層形成用インキを塗布、乾燥し、厚み8.0μmの未硬化の樹脂層を形成した。
<樹脂層形成用インキ>
・電離放射線硬化性樹脂組成物 60質量部
(共栄化学社製、ES105M)
・メチルエチルケトン 40質量部
・シリコーン系レベリング剤 0.5質量部
幅900mm、長さ1800mm、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記処方の樹脂層形成用インキを塗布、乾燥し、厚み8.0μmの未硬化の樹脂層を形成した。
<樹脂層形成用インキ>
・電離放射線硬化性樹脂組成物 60質量部
(共栄化学社製、ES105M)
・メチルエチルケトン 40質量部
・シリコーン系レベリング剤 0.5質量部
次いで、上記「1」で作製した版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、ポリエチレンテレフタレートフィルム側から電離放射線を照射して、賦形した樹脂層を硬化し、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に賦形された樹脂層を備えた積層体を得た。
次いで、下記処方の離型層形成用インキを第1領域となる箇所の全面に塗布、乾燥し、厚み0.5μmの離型層を形成し、離型シートを得た。離型シートは、直径15.24mm(6インチ)の円形のコアに巻き取った。
<離型層形成用インキ>
・アクリルポリオール 70質量部
(綜研化学社製、商品名:サーモラックSU100A)
・イソシアネート 25質量部
(三井化学社製、商品名:タケネートD−110N)
・酢酸エチル 161質量部
・メチルイソブチルケトン 56質量部
・アクリルポリオール 70質量部
(綜研化学社製、商品名:サーモラックSU100A)
・イソシアネート 25質量部
(三井化学社製、商品名:タケネートD−110N)
・酢酸エチル 161質量部
・メチルイソブチルケトン 56質量部
3.転写層の形成(転写シートの作製)
3−1.実施例1
上記「2」で得られたロール状の離型シートの第1領域R1上(離型シートの第2領域R2及び第3領域R3以外の領域)に、下記処方の保護層形成用インキを乾燥後の付着量が6.5g/m2(6.0μm)となるように塗布し、塗膜を形成した後、フュージョンUVランプシステムを用いて光源をHバルブ、搬送速度20m/min、出力40%の条件で照射し、保護層を半硬化させた。このときの積算光量を、アイグラフィックス社製の照度計(商品名:UVPF−A1)により測定したところ、15mJ/m2であった。
<保護層形成用インキ>
・ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂組成物 70質量部
(大日精化工業社製、商品名:セイカビームHT−X)
(固形分35%、トルエン/酢酸エチル混合溶剤)
・ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂組成物 30質量部
(大日精化工業社製、商品名:セイカビームEXF−HT−1)
(固形分40%、トルエン/メチルエチルケトン混合溶剤)
3−1.実施例1
上記「2」で得られたロール状の離型シートの第1領域R1上(離型シートの第2領域R2及び第3領域R3以外の領域)に、下記処方の保護層形成用インキを乾燥後の付着量が6.5g/m2(6.0μm)となるように塗布し、塗膜を形成した後、フュージョンUVランプシステムを用いて光源をHバルブ、搬送速度20m/min、出力40%の条件で照射し、保護層を半硬化させた。このときの積算光量を、アイグラフィックス社製の照度計(商品名:UVPF−A1)により測定したところ、15mJ/m2であった。
<保護層形成用インキ>
・ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂組成物 70質量部
(大日精化工業社製、商品名:セイカビームHT−X)
(固形分35%、トルエン/酢酸エチル混合溶剤)
・ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂組成物 30質量部
(大日精化工業社製、商品名:セイカビームEXF−HT−1)
(固形分40%、トルエン/メチルエチルケトン混合溶剤)
次いで、保護層上に下記処方のアンカー層形成用インキを乾燥後の付着量が3.0g/m2となるように塗布し、塗膜を形成した後、40℃で72時間乾燥し、硬化させ、厚み2μmのアンカー層を形成した。
<アンカー層用インキ>
・アクリルポリオール 100質量部
(大日精化工業社製、商品名:TM−VMAC、固形分25%)
(トルエン/酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶剤)
・キサンメチレンジイソシアネート 10質量部
(大日精化工業社製、商品名:PTC−RC3)
(固形分75%、溶剤:酢酸エチル)
<アンカー層用インキ>
・アクリルポリオール 100質量部
(大日精化工業社製、商品名:TM−VMAC、固形分25%)
(トルエン/酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶剤)
・キサンメチレンジイソシアネート 10質量部
(大日精化工業社製、商品名:PTC−RC3)
(固形分75%、溶剤:酢酸エチル)
次いで、アンカー層上に下記処方の接着剤層形成用インキを乾燥後の付着量が2.5g/m2となるように塗布し、塗膜を形成した。該塗膜を乾燥し、厚み2μmの接着剤層を形成した。
<接着剤層用塗工液>
・アクリル系樹脂 100質量部
(大日精化工業社製、商品名:TM−R600、固形分20%)
(酢酸エチル/酢酸−n−プロピル/メチルエチルケトン混合溶剤)
・メチルエチルケトン 40質量部
<接着剤層用塗工液>
・アクリル系樹脂 100質量部
(大日精化工業社製、商品名:TM−R600、固形分20%)
(酢酸エチル/酢酸−n−プロピル/メチルエチルケトン混合溶剤)
・メチルエチルケトン 40質量部
次いで、第2領域内の突出部上に、乾燥後の付着量が1g/m2(約1μm)となるように、黒色インキ(昭和インク社製、商品名:EIS(NT)黒)を溶剤で希釈した着色層形成用インキを塗布、乾燥して、着色層を形成し、転写シートを得た。転写シートは、直径15.24mm(6インチ)の円形のコアに巻き取った。
得られた転写シートは、第1領域R1の左右に第3領域R3及び第2領域R2を有する構成単位を2つ備えたものであった(TD方向に、第1領域R1が2つ、第2領域R2が4つ、第3領域R3が4つ)。また、第1領域R1の幅はそれぞれが270mm、第2領域R2の幅はそれぞれが66.1mm、第3領域R3の幅はそれぞれが9mmであった。なお、各第1領域R1の凹凸部4の幅は180mm、長さは100mmであった。また、転写シートのTD方向の左右の端部には、それぞれ29.8mmの余白を有していた。
得られた転写シートは、第1領域R1の左右に第3領域R3及び第2領域R2を有する構成単位を2つ備えたものであった(TD方向に、第1領域R1が2つ、第2領域R2が4つ、第3領域R3が4つ)。また、第1領域R1の幅はそれぞれが270mm、第2領域R2の幅はそれぞれが66.1mm、第3領域R3の幅はそれぞれが9mmであった。なお、各第1領域R1の凹凸部4の幅は180mm、長さは100mmであった。また、転写シートのTD方向の左右の端部には、それぞれ29.8mmの余白を有していた。
3−2.実施例2
接着剤層の厚みを5μmに変更した以外は、上記3−1(実施例1)と同様にして、転写シートを得た。
接着剤層の厚みを5μmに変更した以外は、上記3−1(実施例1)と同様にして、転写シートを得た。
3−3.実施例3
保護層の厚みを10μm、アンカー層の厚みを5μm、接着剤層の厚みを5μmに変更した以外は、上記3−1(実施例1)と同様にして、転写シートを得た。
保護層の厚みを10μm、アンカー層の厚みを5μm、接着剤層の厚みを5μmに変更した以外は、上記3−1(実施例1)と同様にして、転写シートを得た。
3−4.比較例1
保護層層の厚みを13μm、アンカー層の厚みを6μm、接着剤層の厚みを6μmに変更した以外は、上記3−1(実施例1)と同様にして、転写シートを得た。
保護層層の厚みを13μm、アンカー層の厚みを6μm、接着剤層の厚みを6μmに変更した以外は、上記3−1(実施例1)と同様にして、転写シートを得た。
3−5.比較例2
離型シートの全面に保護層、アンカー層及び接着剤層を形成した以外は、上記3−1(実施例1)と同様にして、転写シートを得た。なお、比較例2の転写シートは、第2領域の突出部の形状を反映して盛り上がった接着剤層(但し、接着剤層は突出部の形状を正確に反映してシャープに盛り上がっておらず、突出部の形状が大きく緩和され、なだらかに盛り上がっている状態である)上に、着色層を形成している。
離型シートの全面に保護層、アンカー層及び接着剤層を形成した以外は、上記3−1(実施例1)と同様にして、転写シートを得た。なお、比較例2の転写シートは、第2領域の突出部の形状を反映して盛り上がった接着剤層(但し、接着剤層は突出部の形状を正確に反映してシャープに盛り上がっておらず、突出部の形状が大きく緩和され、なだらかに盛り上がっている状態である)上に、着色層を形成している。
4.測定、評価
実施例及び比較例の転写シートに関して、下記の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
実施例及び比較例の転写シートに関して、下記の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
4−1.厚み及び幅
実施例及び比較例の転写シートをTD方向に切断した断面写真に基づき、転写シートの第1領域を有する箇所の総厚みT1、転写シートの第2領域を有する箇所であって突出部を有する箇所の総厚みT2、第1領域の幅W1、第2領域の幅W2、第3領域の幅W3を読み取った。
実施例及び比較例の転写シートをTD方向に切断した断面写真に基づき、転写シートの第1領域を有する箇所の総厚みT1、転写シートの第2領域を有する箇所であって突出部を有する箇所の総厚みT2、第1領域の幅W1、第2領域の幅W2、第3領域の幅W3を読み取った。
4−2.位置合わせ精度、箔チリ
実施例及び比較例の転写シートを、光電センサーを用いて第2領域内でスリット加工した。
スリット加工の位置合わせが極めて良好なものを「A」、スリット加工の位置合わせがずれることがあるものを「C」とした。
また、スリット加工の際に箔チリが生じないものを「A」、スリット加工の際に箔チリが生じたものを「C」とした。
実施例及び比較例の転写シートを、光電センサーを用いて第2領域内でスリット加工した。
スリット加工の位置合わせが極めて良好なものを「A」、スリット加工の位置合わせがずれることがあるものを「C」とした。
また、スリット加工の際に箔チリが生じないものを「A」、スリット加工の際に箔チリが生じたものを「C」とした。
4−3.巻きズレ、変形
実施例及び比較例のロール状の転写シートに関して、巻きズレ及び変形の評価を行った。
巻きズレに関しては、直径15.24mm(6インチ)の円形のコアに巻き取りロール状の転写シートを得る際に、巻きズレを生じなかったものを「A」、僅かに巻きズレを生じたが支障のないものを「B」、巻きズレがひどく製造上問題があるものを「C」とした。
また、巻き取った転写シートのコアに近い箇所の転写層及び/又は突出部の変形の有無を目視で評価し、変形がないものを「A」、僅かに変形が確認されるが品質上問題のないものを「B」、品質に問題があるほどの変形が確認されたものを「C」とした。
実施例及び比較例のロール状の転写シートに関して、巻きズレ及び変形の評価を行った。
巻きズレに関しては、直径15.24mm(6インチ)の円形のコアに巻き取りロール状の転写シートを得る際に、巻きズレを生じなかったものを「A」、僅かに巻きズレを生じたが支障のないものを「B」、巻きズレがひどく製造上問題があるものを「C」とした。
また、巻き取った転写シートのコアに近い箇所の転写層及び/又は突出部の変形の有無を目視で評価し、変形がないものを「A」、僅かに変形が確認されるが品質上問題のないものを「B」、品質に問題があるほどの変形が確認されたものを「C」とした。
表1の結果から明らかなように、実施例1〜3の転写シートは、位置合わせの精度が良好であり、箔チリを抑制するとともに、製造時や巻き取り時に転写層や突出部が変形することを抑制できることが確認できる。
本発明の転写シートは、携帯電話などの通信機器、自動車内部の情報機器、家電製品などの加飾成形品の製造に好適に用いることができる。
1:支持体
2:樹脂層
3:突出部
4:凹凸部
5:着色層
10:離型シート
21:保護層
22:接着剤層
20:転写層
100:転写シート
200:被着体
300:加飾成形品
2:樹脂層
3:突出部
4:凹凸部
5:着色層
10:離型シート
21:保護層
22:接着剤層
20:転写層
100:転写シート
200:被着体
300:加飾成形品
Claims (9)
- 転写シートであって、
前記転写シートは、表面に第1領域及び第2領域を有する離型シートと、前記離型シートの前記第1領域上に形成された転写層とを有し、
前記離型シートの前記第2領域の一部に突出部を有し、
前記転写シートの前記第1領域を有する箇所の総厚みをT1、前記転写シートの前記第2領域を有する箇所であって前記突出部を有する箇所の総厚みをT2とした際に、下記式(1)を満たす、転写シート。
|T1−T2| ≦ 15μm (1) - 前記第1領域の幅をW1、前記第2領域の幅をW2とした際に、下記式(2−1)又は下記式(2−2)を満たす、請求項1に記載の転写シート
T1≧T2、かつ、W1≧W2 (2−1)
T1<T2、かつ、W1<W2 (2−2) - 前記離型シートが、前記第1領域の少なくとも一部に凹凸部を有する、請求項1又は2に記載の転写シート。
- 前記突出部の高さが1〜15μmである、請求項1〜3の何れか1項に記載の転写シート。
- 前記離型シートの表面に、前記第1領域及び前記第2領域を含む構成単位を複数有してなる、請求項1〜4の何れか1項に記載の転写シート。
- 前記離型シートの前記第1領域と前記2領域との間に第3領域を有する、請求項1〜5の何れか1項に記載の転写シート。
- 前記第3領域の幅が5.0mm以上である、請求項6に記載の転写シート。
- 下記(A1)〜(A3)工程を有する、請求項1に記載の転写シートの製造方法。
(A1)支持体上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、電離放射線を照射して、賦形した樹脂層を硬化させ、支持体上に樹脂層が形成された離型シートを得る工程。
(A3)離型シートの第1領域上に転写層を形成する工程。 - 下記(B1)〜(B2)工程を順に行う、加飾成形品の製造方法。
(B1)請求項1〜7の何れか1項に記載の転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(B2)前記積層体から前記転写シートの前記離型シートを分離する工程。
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