JP2020023117A - 液吸収装置、記録装置、及び記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は形成画像の液体成分を吸収する液吸収部材の増粘を防ぎ、液吸収部材の液吸収性能の低下をより効果的に防ぐことである。【解決手段】液吸収装置は、液体成分を吸収する液吸収部材と、液吸収部材を循環的に移動可能に支持する支持手段と、液吸収部材に含まれる余剰の液体を除去する液除去手段と、を備え、被吐出媒体上に形成されたインク像から液体成分を吸収する。液除去手段は、液吸収部材に含まれる余剰の液体を除去する除去部と、除去部による除去前に液吸収部材に液体を付与する付与部と、を含み、除去部が付与された液体を含んだ液吸収部材から液体を除去する。【選択図】図8
Description
本発明は液吸収装置、記録装置、及び記録方法に関する。
転写体にインク像を形成し、紙等の記録媒体に転写する技術が提案されている。特許文献1には、転写体上に形成されたインク像に含まれる液体成分を吸収する液吸収部材が開示されている。また、特許文献1には、液吸収部材の表面が増粘することにより液吸収部材の液吸収性能が低下することを防ぐため、液吸収部材を適度に保湿する技術が開示されている。
しかしながら、液吸収部材を繰り返し利用する度合によっては、特許文献1の方法を用いたとしても液吸収性能を維持することができない場合が想定される。
本発明は、液吸収部材の液吸収性能の低下を液体をより効果的に防ぐ技術を提供するものである。
本発明によれば、前記液体成分を吸収する液吸収部材と、前記液吸収部材を循環的に移動可能に支持する支持手段と、前記液吸収部材に含まれる余剰の液体を除去する液除去手段と、を備え、被吐出媒体上に形成されたインク像から液体成分を吸収する液吸収装置であって、前記液除去手段は、前記液吸収部材に含まれる余剰の液体を除去する除去部と、前記除去部による除去前に前記液吸収部材に液体を付与する付与部と、を含み、前記除去部が前記付与された液体を含んだ前記液吸収部材から液体を除去する、
ことを特徴とする液吸収装置が提供される。
ことを特徴とする液吸収装置が提供される。
本発明によれば、液吸収部材の液吸収性能の低下を液体をより効果的に防ぐ技術を提供することができる。
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。各図において、矢印XおよびYは水平方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
<第一実施形態>
<記録システム>
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム1を概略的に示した正面図である。記録システム1は、転写体2を介して記録媒体Pにインク像を転写することで記録物P’を製造する、枚葉式のインクジェットプリンタである。記録システム1は、記録装置1Aと、搬送装置1Bとを含む。本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、記録システム1の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体PはX方向に搬送される。
<記録システム>
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム1を概略的に示した正面図である。記録システム1は、転写体2を介して記録媒体Pにインク像を転写することで記録物P’を製造する、枚葉式のインクジェットプリンタである。記録システム1は、記録装置1Aと、搬送装置1Bとを含む。本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、記録システム1の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体PはX方向に搬送される。
なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本実施形態では「記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。
インクの成分については、特に限定はないが、本実施形態では、色材である顔料、水、樹脂を含む水性顔料インクを用いる場合を想定する。
<記録装置>
記録装置1Aは、記録ユニット3、転写ユニット4および周辺ユニット5A〜5D、および、供給ユニット6を含む。
記録装置1Aは、記録ユニット3、転写ユニット4および周辺ユニット5A〜5D、および、供給ユニット6を含む。
<記録ユニット>
記録ユニット3は、複数の記録ヘッド30と、キャリッジ31とを含む。図1と図2を参照する。図2は記録ユニット3の斜視図である。記録ヘッド30は、転写体2に液体インクを吐出し、転写体2上に記録画像のインク像を形成する。
記録ユニット3は、複数の記録ヘッド30と、キャリッジ31とを含む。図1と図2を参照する。図2は記録ユニット3の斜視図である。記録ヘッド30は、転写体2に液体インクを吐出し、転写体2上に記録画像のインク像を形成する。
本実施形態の場合、各記録ヘッド30は、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの記録媒体の画像記録領域の幅分をカバーする範囲にノズルが配列されている。記録ヘッド30は、その下面に、ノズルが開口したインク吐出面を有しており、インク吐出面は、微小隙間(例えば数mm)を介して転写体2の表面と対向している。本実施形態の場合、転写体2は円軌道上を循環的に移動する構成であるため、複数の記録ヘッド30は、放射状に配置されている。
各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気−機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。高速で高密度の記録の観点からは電気−熱変換体を利用した吐出素子を用いることができる。
本実施形態の場合、記録ヘッド30は、9つ設けられている。各記録ヘッド30は、互いに異なる種類のインクを吐出する。異なる種類のインクとは、例えば、色材が異なるインクであり、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク等のインクである。1つの記録ヘッド30は1種類のインクを吐出するが、1つの記録ヘッド30が複数種類のインクを吐出する構成であってもよい。このように複数の記録ヘッド30を設けた場合、そのうちの一部が色材を含まないインク(例えばクリアインク)を吐出してもよい。
キャリッジ31は、複数の記録ヘッド30を支持する。各記録ヘッド30は、インク吐出面側の端部がキャリッジ31に固定されている。これにより、インク吐出面と転写体2との表面の隙間をより精密に維持することができる。キャリッジ31は、案内部材RLの案内によって、記録ヘッド30を搭載しつつ変位可能に構成されている。本実施形態の場合、案内部材RLは、Y方向に延設されたレール部材であり、X方向に離間して一対設けられている。キャリッジ31のX方向の各側部にはスライド部32が設けられている。スライド部32は案内部材RLと係合し、案内部材RLに沿ってY方向にスライドする。
図3は記録ユニット3の変位態様を示しており、記録システム1の右側面を模式的に示した図である。記録システム1の後部には回復ユニット12が設けられている。回復ユニット12は記録ヘッド30の吐出性能を回復する機構を有する。そのような機構としては、例えば、記録ヘッド30のインク吐出面をキャッピングするキャップ機構、インク吐出面をワイピングするワイパ機構、インク吐出面から記録ヘッド30内のインクを負圧吸引する吸引機構を挙げることができる。
案内部材RLは、転写体2の側方から回復ユニット12に渡って延設されている。記録ユニット3は、案内部材RLの案内により、実線で記録ユニット3を示した吐出位置POS1と、破線で記録ユニット3を示した回復位置POS3との間で変位可能であり、不図示の駆動機構により移動される。
吐出位置POS1は、記録ユニット3が転写体2にインクを吐出する位置であり、記録ヘッド30のインク吐出面が転写体2の表面に対向する位置である。回復位置POS3は、吐出位置POS1から退避した位置であり、記録ユニット3が回復ユニット12上に位置する位置である。回復ユニット12は記録ユニット3が回復位置POS3に位置した場合に、記録ヘッド30に対する回復処理を実行可能である。本実施形態の場合、記録ユニット3が回復位置POS3に到達する前の移動途中においても回復処理を実行可能である。吐出位置POS1と回復位置POS3の間には予備回復位置POS2がある。回復ユニット12は記録ヘッド30が吐出位置POS1から回復位置POS3へ移動している間に、予備回復位置POS2において記録ヘッド30に対する予備的な回復処理を実行可能である。
<転写ユニット>
図1を参照して転写ユニット4について説明する。転写ユニット4は、転写胴41と圧胴42とを含む。これらの胴は、Y方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。図1において、転写胴41および圧胴42の各図形内に示した矢印は、これらの回転方向を示しており、転写胴41は時計回りに、圧胴42は反時計回りに回転する。
図1を参照して転写ユニット4について説明する。転写ユニット4は、転写胴41と圧胴42とを含む。これらの胴は、Y方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。図1において、転写胴41および圧胴42の各図形内に示した矢印は、これらの回転方向を示しており、転写胴41は時計回りに、圧胴42は反時計回りに回転する。
転写胴41は、その外周面に転写体2を支持する支持体である。転写体2は、転写胴41の外周面上に、周方向に連続的にあるいは間欠的に設けられる。連続的に設けられる場合、転写体2は無端の帯状に形成される。間欠的に設けられる場合、転写体2は、有端の帯状に複数のセグメントに分けて形成され、各セグメントは転写胴41の外周面に等ピッチで円弧状に配置することができる。
転写胴41の回転により、転写体2は円軌道上を循環的に移動する。転写胴41の回転位相により、転写体2の位置は、吐出前処理領域R1、吐出領域R2、吐出後処理領域R3およびR4、転写領域R5、転写後処理領域R6に区別することができる。転写体2はこれらの領域を循環的に通過する。
吐出前処理領域R1は、記録ユニット3によるインクの吐出前に転写体2に対する前処理を行う領域であり、周辺ユニット5Aによる処理が行われる領域である。本実施形態の場合、反応液が付与される。吐出領域R2は記録ユニット3が転写体2にインクを吐出してインク像を形成する形成領域である。吐出後処理領域R3およびR4はインクの吐出後にインク像に対する処理を行う処理領域であり、吐出後処理領域R3は周辺ユニット5Bによる処理が行われる領域であり、吐出後処理領域R4は周辺ユニット5Cによる処理が行われる領域である。転写領域R5は転写ユニット4により転写体2上のインク像が記録媒体Pに転写される領域である。転写後処理領域R6は、転写後に転写体2に対する後処理を行う領域であり、周辺ユニット5Dによる処理が行われる領域である。
本実施形態の場合、吐出領域R2は、一定の区間を有する領域である。他の領域R1、R3〜R6は、吐出領域R2に比べるとその区間は狭い。時計の文字盤に喩えると、本実施形態の場合、吐出前処理領域R1は概ね10時の位置であり、吐出領域R2は概ね11時から1時の範囲であり、吐出後処理領域R3は概ね2時の位置であり、吐出後処理領域R4は概ね4時の位置である。転写領域R5は概ね6時の位置であり、転写後処理領域R6は概ね8時の領域である。
転写体2は、単層から構成してもよいが、複数層の積層体としてもよい。複数層で構成する場合、例えば、表面層、弾性層、圧縮層の三層を含んでもよい。表面層はインク像が形成される画像形成面を有する最外層である。圧縮層を設けることで、圧縮層が変形を吸収し、局所的な圧力変動に対してその変動を分散し、高速記録時においても転写性を維持することができる。弾性層は表面層と圧縮層との間の層である。
表面層の材料としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。表面層には、反応液の濡れ性、画像の転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせてもよい。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
圧縮層の材料としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。このようなゴム材料の成形時には、所定量の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに発泡剤、中空微粒子或いは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し、多孔質のゴム材料としてもよい。これにより、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものがあるが、いずれの構造であってもよく、これらの構造を併用してもよい。
弾性層の部材としては、樹脂、セラミック等、各種材料を適宜用いることができる。加工特性等の点で、各種エラストマー材料、ゴム材料を用いることができる。具体的には、例えばフルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。また、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムは、圧縮永久ひずみが小さいため、寸法安定性、耐久性の面で有利である。また、温度による弾性率の変化が小さく、転写性の点でも有利である。
表面層と弾性層の間、弾性層と圧縮層の間には、これらを固定するために各種接着剤や両面テープを用いることもできる。また、転写体2は、転写胴41に装着する際の横伸びの抑制や、コシを保つために圧縮弾性率が高い補強層を含んでもよい。また、織布を補強層としてもよい。転写体2は前記材質による各層を任意に組み合わせて作製することができる。
圧胴42は、その外周面が転写体2に圧接される。圧胴42の外周面には、記録媒体Pの先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。グリップ機構は圧胴42の周方向に離間して複数設けてもよい。記録媒体Pは圧胴42の外周面に密接して搬送されつつ、圧胴42と転写体2とのニップ部を通過するときに、転写体2上のインク像が転写される。
転写胴41と圧胴42とを駆動するモータ等の駆動源は、これらに共通とし、歯車機構等の伝達機構により、駆動力を分配することができる。
<周辺ユニット>
周辺ユニット5A〜5Dは転写胴41の周囲に配置されている。本実施形態の場合、周辺ユニット5A〜5Dは、順に、付与ユニット、吸収ユニット、加熱ユニット、清掃ユニットである。
周辺ユニット5A〜5Dは転写胴41の周囲に配置されている。本実施形態の場合、周辺ユニット5A〜5Dは、順に、付与ユニット、吸収ユニット、加熱ユニット、清掃ユニットである。
付与ユニット5Aは、記録ユニット3によるインクの吐出前に、転写体2上に反応液を付与する機構である。反応液は、インクを高粘度化する成分を含有する液体である。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している色材や樹脂等がインクを高粘度化する成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインクの粘度の上昇が認められることである。このインクの高粘度化には、インク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂等のインクを構成する成分の一部が凝集することにより局所的に粘度の上昇が生じる場合も含まれる。
インクを高粘度化する成分は、金属イオン、高分子凝集剤など、特に制限はないが、インクのpH変化を引き起こして、インク中の色材を凝集させる物質を用いることができ、有機酸を用いることができる。反応液の付与機構としては、例えば、ローラ、記録ヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。転写体2に対するインクの吐出前に反応液を転写体2に付与しておくと、転写体2に達したインクを直ちに定着させることができる。これにより、隣接するインク同士が混ざり合うブリーディングを抑制することができる。
吸収ユニット5Bは、転写前に、転写体2上のインク像から液体成分を吸収する機構である。インク像の液体成分を減少させることで、記録媒体Pに記録される画像のにじみ等を抑制することができる。液体成分の減少を異なる視点で説明すれば、転写体2上のインク像を構成するインクを濃縮すると表現することもできる。インクを濃縮するとは、インクに含まれる液体成分が減少することによって、インクに含まれる色材や樹脂といった固形分の液体成分に対する含有割合が増加することを意味する。
吸収ユニット5Bは、例えば、インク像に接触してインク像の液体成分の量を減少させる液吸収部材を含む。液吸収部材はローラの外周面に形成されてもよいし、液吸収部材が無端のシート状に形成され、循環的に走行されるものでもよい。インク像の保護の点で、液吸収部材の移動速度を転写体2の周速度と同じにして液吸収部材を転写体2と同期して移動させてもよい。
液吸収部材は、インク像に接触する多孔質体を含んでもよい。液吸収部材へのインク固形分付着を抑制するため、インク像に接触する面の多孔質体の孔径は、10μm以下であってもよい。ここで、孔径とは平均直径のことを示し、公知の手段、例えば水銀圧入法や、窒素吸着法、SEM画像観察等で測定可能である。なお、液体成分は、一定の形を有さず、流動性があり、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられる 。
加熱ユニット5Cは、転写前に、転写体2上のインク像を加熱する機構である。インク像を加熱することで、インク像中の樹脂が溶融し、記録媒体Pへの転写性を向上する。加熱温度は、樹脂の最低造膜温度(MFT)以上とすることができる。MFTは一般的に知られている手法、例えばJIS K 6828−2:2003や、ISO2115:1996に準拠した各装置で測定することが可能である。転写性及び画像の堅牢性の観点から、MFTよりも10℃以上高い温度で加熱してもよく、更に、20℃以上高い温度で加熱してもよい。加熱ユニット5Cは、例えば、赤外線等の各種ランプ、温風ファン等、公知の加熱デバイスを用いることができる。加熱効率の点で、赤外線ヒータを用いることができる。
清掃ユニット5Dは、転写後に転写体2上を清掃する機構である。清掃ユニット5Dは、転写体2上に残留したインクや、転写体2上のごみ等を除去する。清掃ユニット5Dは、例えば、多孔質部材を転写体2に接触させる方式、ブラシで転写体2の表面を擦る方式、ブレードで転写体2の表面をかきとる方式等の公知の方式を適宜用いることができる。また、清掃に用いる清掃部材は、ローラ形状、ウェブ形状等、公知の形状を用いることができる。
以上の通り、本実施形態では、付与ユニット5A、吸収ユニット5B、加熱ユニット5C、清掃ユニット5Dを周辺ユニットとして備えるが、これらの一部のユニットに転写体2の冷却機能を付与するか、あるいは、冷却ユニットを追加してもよい。本実施形態では、加熱ユニット5Cの熱により転写体2の温度が上昇する場合がある。記録ユニット3により転写体2にインクを吐出した後、インク像がインクの主溶剤である水の沸点を超えると、吸収ユニット5Bによる液体成分の吸収性能が低下する場合がある。吐出されたインクが水の沸点未満に維持されるように転写体2を冷却することで、液体成分の吸収性能を維持することができる。
冷却ユニットは、転写体2に送風する送風機構や、転写体2に部材(例えばローラ)を接触させ、この部材を空冷または水冷で冷却する機構であってもよい。また、清掃ユニット5Dの清掃部材を冷却する機構であってもよい。冷却タイミングは、転写後、反応液の付与前までの期間であってもよい。
<供給ユニット>
供給ユニット6は、記録ユニット3の各記録ヘッド30にインクを供給する機構である。供給ユニット6は記録システム1の後部側に設けられていてもよい。供給ユニット6は、インクの種類毎に、インクを貯留する貯留部TKを備える。貯留部TKは、メインタンクとサブタンクとによって構成されてもよい。各貯留部TKと各記録ヘッド30とは流路6aで連通し、貯留部TKから記録ヘッド30へインクが供給される。流路6aは、貯留部TKと記録ヘッド30との間でインクを循環させる流路であってもよく、供給ユニット6はインクを循環させるポンプ等を備えてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インク中の気泡を脱気する脱気機構を設けてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インクの液圧と大気圧との調整を行うバルブを設けてもよい。貯留部TK内のインク液面が、記録ヘッド30のインク吐出面よりも低い位置となるように、貯留部TKと記録ヘッド30のZ方向の高さが設計されてもよい。
供給ユニット6は、記録ユニット3の各記録ヘッド30にインクを供給する機構である。供給ユニット6は記録システム1の後部側に設けられていてもよい。供給ユニット6は、インクの種類毎に、インクを貯留する貯留部TKを備える。貯留部TKは、メインタンクとサブタンクとによって構成されてもよい。各貯留部TKと各記録ヘッド30とは流路6aで連通し、貯留部TKから記録ヘッド30へインクが供給される。流路6aは、貯留部TKと記録ヘッド30との間でインクを循環させる流路であってもよく、供給ユニット6はインクを循環させるポンプ等を備えてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インク中の気泡を脱気する脱気機構を設けてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インクの液圧と大気圧との調整を行うバルブを設けてもよい。貯留部TK内のインク液面が、記録ヘッド30のインク吐出面よりも低い位置となるように、貯留部TKと記録ヘッド30のZ方向の高さが設計されてもよい。
<搬送装置>
搬送装置1Bは、記録媒体Pを転写ユニット4へ給送し、インク像が転写された記録物P’を転写ユニット4から排出する装置である。搬送装置1Bは、給送ユニット7、複数の搬送胴8、8a、二つのスプロケット8b、チェーン8cおよび回収ユニット8dを含む。図1において、搬送装置1Bの各構成の図形の内側の矢印はその構成の回転方向を示し、外側の矢印は記録媒体Pまたは記録物P’の搬送経路を示している。記録媒体Pは給送ユニット7から転写ユニット4へ搬送され、記録物P’は転写ユニット4から回収ユニット8dへ搬送される。給送ユニット7側を搬送方向で上流側と呼び、回収ユニット8d側を下流側と呼ぶ場合がある。
搬送装置1Bは、記録媒体Pを転写ユニット4へ給送し、インク像が転写された記録物P’を転写ユニット4から排出する装置である。搬送装置1Bは、給送ユニット7、複数の搬送胴8、8a、二つのスプロケット8b、チェーン8cおよび回収ユニット8dを含む。図1において、搬送装置1Bの各構成の図形の内側の矢印はその構成の回転方向を示し、外側の矢印は記録媒体Pまたは記録物P’の搬送経路を示している。記録媒体Pは給送ユニット7から転写ユニット4へ搬送され、記録物P’は転写ユニット4から回収ユニット8dへ搬送される。給送ユニット7側を搬送方向で上流側と呼び、回収ユニット8d側を下流側と呼ぶ場合がある。
給送ユニット7は、複数の記録媒体Pが積載される積載部を含むと共に、積載部から一枚ずつ記録媒体Pを、最上流の搬送胴8に給送する給送機構を含む。各搬送胴8、8aはY方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。各搬送胴8、8aの外周面には、記録媒体P(または記録物P’)の先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。各グリップ機構は、隣接する搬送胴間で記録媒体Pを受け渡されるように、その把持動作および解除動作が制御される。
二つの搬送胴8aは、記録媒体Pの反転用の搬送胴である。記録媒体Pを両面記録する場合、表面への転写後に、圧胴42から下流側に隣接する搬送胴8へ記録媒体Pを渡さずに、搬送胴8aに渡す。記録媒体Pは、二つの搬送胴8aを経由して表裏が反転され、圧胴42の上流側の搬送胴8を経由して再び圧胴42へ渡される。これにより、記録媒体Pの裏面が転写胴41に面することになり、裏面にインク像が転写される。
チェーン8cは、二つのスプロケット8b間に巻き回されている。二つのスプロケット8bの一方は駆動スプロケットであり他方は従動スプロケットである。駆動スプロケットの回転によりチェーン8cが循環的に走行する。チェーン8cには、その長手方向に離間して複数のグリップ機構が設けられている。グリップ機構は、記録物P’の端部を把持する。下流端に位置する搬送胴8からチェーン8cのグリップ機構に記録物P’が渡され、グリップ機構に把持された記録物P’はチェーン8cの走行により回収ユニット8dへ搬送され、把持が解除される。これにより記録物P’が回収ユニット8d内に積載される。
<後処理ユニット>
搬送装置1Bには、後処理ユニット10A、10Bが設けられている。後処理ユニット10A、10Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’に対して後処理を行う機構である。後処理ユニット10Aは、記録物P’の表面に対する処理を行い、後処理ユニット10Bは、記録物P’の裏面に対する処理を行う。処理の内容としては、例えば、記録物P’の画像記録面に、画像の保護や艶出し等を目的としたコーティングを挙げることができる。コーティングの内容としては、例えば、液体の塗布、シートの溶着、ラミネート等を挙げることができる。
搬送装置1Bには、後処理ユニット10A、10Bが設けられている。後処理ユニット10A、10Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’に対して後処理を行う機構である。後処理ユニット10Aは、記録物P’の表面に対する処理を行い、後処理ユニット10Bは、記録物P’の裏面に対する処理を行う。処理の内容としては、例えば、記録物P’の画像記録面に、画像の保護や艶出し等を目的としたコーティングを挙げることができる。コーティングの内容としては、例えば、液体の塗布、シートの溶着、ラミネート等を挙げることができる。
<検査ユニット>
搬送装置1Bには、検査ユニット9A、9Bが設けられている。検査ユニット9A、9Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’の検査を行う機構である。
搬送装置1Bには、検査ユニット9A、9Bが設けられている。検査ユニット9A、9Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’の検査を行う機構である。
本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Aは、連続的に行われる記録動作中に、記録画像を撮影する。検査ユニット9Aが撮影した画像に基づいて、記録画像の色味などの経時変化を確認し、画像データあるいは記録データの補正の可否を判断することができる。本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、圧胴42の外周面に撮像範囲が設定されており、転写直後の記録画像を部分的に撮影可能に配置されている。検査ユニット9Aにより全ての記録画像の検査を行ってもよいし、所定数毎に検査を行ってもよい。
本実施形態の場合、検査ユニット9Bも、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Bは、テスト記録動作において記録画像を撮影する。検査ユニット9Bは、記録画像の全体を撮影し、検査ユニット9Bが撮影した画像に基づいて、記録データに関する各種の補正の基本設定を行うことができる。本実施形態の場合、チェーン8cで搬送される記録物P’を撮影する位置に配置されている。検査ユニット9Bにより記録画像を撮影する場合、チェーン8cの走行を一時的に停止して、その全体を撮影する。検査ユニット9Bは、記録物P’上を走査するスキャナであってもよい。
<制御ユニット>
次に、記録システム1の制御ユニットについて説明する。図4および図5は記録システム1の制御ユニット13のブロック図である。制御ユニット13は、上位装置(DFE)HC2に通信可能に接続され、また、上位装置HC2はホスト装置HC1に通信可能に接続される。
次に、記録システム1の制御ユニットについて説明する。図4および図5は記録システム1の制御ユニット13のブロック図である。制御ユニット13は、上位装置(DFE)HC2に通信可能に接続され、また、上位装置HC2はホスト装置HC1に通信可能に接続される。
ホスト装置HC1では、記録画像の元になる原稿データが生成、あるいは保存される。ここでの原稿データは、例えば、文書ファイルや画像ファイル等の電子ファイルの形式で生成される。この原稿データは、上位装置HC2へ送信され、上位装置HC2では、受信した原稿データを制御ユニット13で利用可能なデータ形式(例えば、RGBで画像を表現するRGBデータ)に変換する。変換後のデータは、画像データとして上位装置HC2から制御ユニット13へ送信され、制御ユニット13は受信した画像データに基づき、記録動作を開始する。
本実施形態の場合、制御ユニット13は、メインコントローラ13Aと、エンジンコントローラ13Bとに大別される。メインコントローラ13Aは、処理部131、記憶部132、操作部133、画像処理部134、通信I/F(インタフェース)135、バッファ136および通信I/F137を含む。
処理部131は、CPU等のプロセッサであり、記憶部132に記憶されたプログラムを実行し、メインコントローラ13A全体の制御を行う。記憶部132は、RAM、ROM、ハードディスク、SSD等の記憶デバイスであり、CPU131が実行するプログラムや、データを格納し、また、CPU131にワークエリアを提供する。操作部133は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力デバイスであり、ユーザの指示を受け付ける。
画像処理部134は例えば画像処理プロセッサを有する電子回路である。バッファ136は、例えば、RAM、ハードディスクやSSDである。通信I/F135は上位装置HC2との通信を行い、通信I/F137はエンジンコントローラ13Bとの通信を行う。図4において破線矢印は、画像データの処理の流れを例示している。上位装置HC2から通信IF135を介して受信された画像データは、バッファ136に蓄積される。画像処理部134はバッファ136から画像データを読み出し、読み出した画像データに所定の画像処理を施して、再びバッファ136に格納する。バッファ136に格納された画像処理後の画像データは、プリントエンジンが用いる記録データとして、通信I/F137からエンジンコントローラ13Bへ送信される。
図5に示すように、エンジンコントローラ13Bは、制御部14、15A〜15Eを含み、記録システム1が備えるセンサ群およびアクチュエータ群16の検知結果の取得および駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。なお、制御部の区分けは一例であり、一部の制御を更に細分化した複数の制御部で実行してもよいし、逆に、複数の制御部を統合して、それらの制御内容を一つの制御部で行うように構成してもよい。
エンジン制御部14は、エンジンコントローラ13Bの全体の制御を行う。記録制御部15Aは、メインコントローラ13Aから受信した記録データをラスタデータ等、記録ヘッド30の駆動に適したデータ形式に変換する。記録制御部15Aは、各記録ヘッド30の吐出制御を行う。
転写制御部15Bは、付与ユニット5Aの制御、吸収ユニット5Bの制御、加熱ユニット5Cの制御、および清掃ユニット5Dの制御を行う。
信頼性制御部15Cは、供給ユニット6の制御、回復ユニット12の制御、および記録ユニット3を吐出位置POS1と回復位置POS3との間で移動させる駆動機構の制御を行う。
搬送制御部15Dは、転写ユニット4の駆動制御や、搬送装置1Bの制御を行う。検査制御部15Eは、検査ユニット9Bの制御、および検査ユニット9Aの制御を行う。
センサ群およびアクチュエータ群16のうち、センサ群には、可動部の位置や速度を検知するセンサ、温度を検知するセンサ、撮像素子等が含まれる。アクチュエータ群にはモータ、電磁ソレノイド、電磁バルブ等が含まれる。
<動作例>
図6は記録動作の例を模式的に示す図である。転写胴41および圧胴42が回転されつつ、以下の各工程が循環的に行われる。状態ST1に示すように、始めに転写体2上に付与ユニット5Aから反応液Lが付与される。転写体2上の反応液Lが付与された部位は転写胴41の回転に伴って移動していく。反応液Lが付与された部位が記録ヘッド30の下に到達すると、状態ST2に示すように記録ヘッド30から転写体2にインクが吐出される。これによりインク像IMが形成される。その際、吐出されるインクが転写体2上の反応液Lと混ざりあうことで、色材の凝集が促進される。吐出されるインクは、供給ユニット6の貯留部TKから記録ヘッド30に供給される。
図6は記録動作の例を模式的に示す図である。転写胴41および圧胴42が回転されつつ、以下の各工程が循環的に行われる。状態ST1に示すように、始めに転写体2上に付与ユニット5Aから反応液Lが付与される。転写体2上の反応液Lが付与された部位は転写胴41の回転に伴って移動していく。反応液Lが付与された部位が記録ヘッド30の下に到達すると、状態ST2に示すように記録ヘッド30から転写体2にインクが吐出される。これによりインク像IMが形成される。その際、吐出されるインクが転写体2上の反応液Lと混ざりあうことで、色材の凝集が促進される。吐出されるインクは、供給ユニット6の貯留部TKから記録ヘッド30に供給される。
転写体2上のインク像IMは転写体2の回転に伴って移動していく。インク像IMが吸収ユニット5Bに到達すると状態ST3に示すように吸収ユニット5Bによりインク像IMから液体成分が吸収される。インク像IMが加熱ユニット5Cに到達すると状態ST4に示すように加熱ユニット5Cによりインク像IMが加熱され、インク像IM中の樹脂が溶融し、インク像IMが造膜される。このようなインク像IMの形成に同期して、搬送装置1Bにより記録媒体Pが搬送される。
状態ST5に示すように、インク像IMと記録媒体Pとが転写体2と圧胴42とのニップ部に到達し、記録媒体Pにインク像IMが転写され、記録物P’が製造される。ニップ部を通過すると、記録物P’に記録された画像が検査ユニット9Aにより撮影され、記録画像が検査される。記録物P’は搬送装置1Bにより回収ユニット8dへ搬送される。
転写体2上のインク像IMが形成されていた部分は、清掃ユニット5Dに到達すると状態ST6に示すように清掃ユニット5Dにより清掃される。清掃後、転写体2は一回転したことになり、同様の手順で記録媒体Pへのインク像の転写が繰り返し行われる。上記の説明では理解を容易にするために、転写体2の一回転で一枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が一回行われるように説明したが、転写体2の一回転で複数枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が連続的に行うことができる。
このような記録動作を継続していくと、各記録ヘッド30のメンテナンスが必要となる。図7は各記録ヘッド30のメンテナンスの際の動作例を示している。状態ST11は、吐出位置POS1に記録ユニット3が位置している状態を示す。状態ST12は、記録ユニット3が予備回復位置POS2を通過している状態を示し、通過中に回復ユニット12により記録ユニット3の各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。その後、状態ST13に示すように、記録ユニット3が回復位置POS3に位置した状態で、回復ユニット12により各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。
<吸収ユニット>
吸収ユニット5Bの具体例について図8を参照して説明する。図8は吸収ユニット5Bの例を示す概要図である。吸収ユニット5Bは、被吐出媒体上に形成されたインク像から液体成分を吸収する液吸収装置である。本実施形態の場合、吸収ユニット5Bは転写体2上に形成されたインク像IMを記録媒体Pに転写する前にインク像IMから液体成分を吸収する。本実施形態のように水性顔料インクを用いる場合、吸収ユニット5Bは主としてインク像の水分を吸収することを目的としている。これにより記録媒体Pにカールやコックリングが生じることを抑制することができる。
吸収ユニット5Bの具体例について図8を参照して説明する。図8は吸収ユニット5Bの例を示す概要図である。吸収ユニット5Bは、被吐出媒体上に形成されたインク像から液体成分を吸収する液吸収装置である。本実施形態の場合、吸収ユニット5Bは転写体2上に形成されたインク像IMを記録媒体Pに転写する前にインク像IMから液体成分を吸収する。本実施形態のように水性顔料インクを用いる場合、吸収ユニット5Bは主としてインク像の水分を吸収することを目的としている。これにより記録媒体Pにカールやコックリングが生じることを抑制することができる。
吸収ユニット5Bは、液吸収部材50と、液吸収部材50を循環的に移動させる駆動ユニット51と、変位ユニット512と、複数種類の回復ユニット52〜54と、前処理ユニット55と、検知ユニット56とを含む。
液吸収部材50はインク像IMから液体成分を吸収する吸収体であり、図8の例では無端ベルトの形態を有する液吸収シートである。液吸収位置Aは、転写体2上のインク像IMから液吸収部材50が液体成分を吸収する位置であり、液吸収部材50が転写体2に最も近接する部位を示している。矢印d1は転写体2の移動方向を、矢印d2は液吸収部材50の移動方向をそれぞれ示している。
液吸収部材50は、単層で構成されてもよいが、複数層で構成されてもよい。ここでは表層と裏層との二層構造を例示する。表層はインク像IMに接触する第1の面50aを構成し、裏層は反対側の第2の面50bを構成する。転写体2上のインク像IMは液吸収部材50により液体成分が吸収される。インク像IMの液体成分は表層から液吸収部材50に浸透し、更に、裏層へ浸透する。インク像IMは、液体成分が減少した状態となって加熱ユニット5Cへ向かうことになる。
表層および裏層は、いずれも多孔質材料から構成することができ、色材の付着を抑制しつつ液体成分の吸収性能を高めるために、裏層の平均孔径を表層の平均孔径よりも大きくすることで表層から裏層への液体成分の移動を促進することができる。
表層の材料は、例えば、水に対する接触角が90°未満の親水性材料であってもよいし、水に対する接触角が90°以上の撥水性材料であってもよい。親水性材料の場合、水に対する接触角が40°以下の材料であってもよい。接触角は例えばJIS R3257の「6.静的法」に記載の技法に準拠して測定されたものであってもよい。
親水性材料の場合、毛管力により液体を吸い上げる効果がある。親水性材料としては、セルロール、ポリアクリルアミドや、これらの複合材料を挙げることができる。撥水性材料を用いた場合、その表面に親水化処理を施してもよい。親水化処理としてはスパッタエッチング法等の方法を挙げることができる。
撥水性材料としては、例えば、フッ素樹脂を挙げることができる。フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等を挙げることができる。表層に撥水性材料を用いた場合、液体の吸い上げ効果が発揮されるまでに時間を要する場合があるため、表層との接触角が90°未満である液体を表層にしみ込ませておいてもよい。
裏層の材料としては、例えば、樹脂繊維の不織布や織布を挙げることができる。裏層から表層へ液体成分が逆流しない点で、裏層の材料は表層に対する水の接触角が同等かそれよりも大きいものであってもよい。例えば、ポリオレフィン、ポリウレタン、ナイロンなどのポリアミド、ポリエステル、ポリスルフォンや、これらの複合材料を挙げることができる。
表層と裏層との積層方法としては、例えば、接着剤ラミネートや熱ラミネート等を挙げることができる。
駆動ユニット51は、液吸収位置Aを通過するように液吸収部材50を循環的に回転移動可能に支持する機構であり、駆動回転体510と、複数の従動回転体511b〜511hとを含む。駆動回転体510および従動回転体511は、帯状の液吸収部材50が巻き回されるローラまたはプーリであり、Y方向の軸周りに回転自在に支持される。
駆動回転体510はモータMの駆動力により回転し、液吸収部材50を回転駆動させる搬送ローラ等の搬送回転体である。従動回転体511b〜511hは、自由回転自在に支持される。本実施形態の場合、これら駆動回転体510と従動回転体511b〜511hとにより液吸収部材50の回転移動経路が画定される。液吸収部材50の回転移動経路は、回転移動方向(矢印d2)で見て上下に曲折したジグザグ状の経路とされている。これにより、より小さな空間で、より長い液吸収部材50を用いることができ、液吸収部材50の性能劣化に伴う交換頻度をより少なくすることができる。
従動回転体511bには、張力調整機構513が設けられている。張力調整機構513は、液吸収部材50の張力を調整する機構であり、支持部材513aと、移動機構513bと、センサ513cを有する。支持部材513aは、従動回転体511bをY方向の軸周りに回転自在に支持する。移動機構513bは支持部材513aを移動する機構であり、例えば、電動シリンダである。移動機構513bにより従動回転体511bの位置を変位することができ、これにより液吸収部材50の張力を調整する。センサ513cは、液吸収部材50の張力を検知するセンサである。本実施形態の場合、移動機構513bが受ける負荷を検知する。センサ513cの検知結果に基づいて移動機構513bを制御することで、液吸収部材50の張力を自動制御可能である。
変位ユニット512は、液吸収部材50を転写体2と接触する接触状態と転写体2から離間した退避状態との間で変位させる機構である。本実施形態において変位ユニット512は液吸収部材50の一部に作用して、その部分が転写体と接触する状態と転写体から退避した状態との間で変位させる。しかし、液吸収部材50を一体として移動させるものであってもよい。
変位ユニット512は、可動部材512aと押圧機構512bとを有する。可動部材512aは転写体2に対向して配置されており、液吸収部材50が摺動する周面を有している。押圧機構512bは可動部材512aを転写体2に対して進退させる機構であり、例えば、電動シリンダである。押圧機構512bの駆動により可動部材512aを介して液吸収部材の一部が転写体2へ押圧される。
図9は変位ユニット512の動作説明図である。図9(A)は液吸収部材50が接触状態に変位された状態を示し、図9(B)は液吸収部材50が退避状態に変位された状態を示す。
液吸収部材50が接触状態に変位されたとき、液吸収部材50と転写体2とが液吸収位置Aにおいて接触する。液吸収位置Aにおいて、液吸収部材50は転写体2と可動部材512aとにニップされる。液吸収効率の点で、液吸収部材50は転写体2に圧接されることが有利である。記録動作中、液吸収部材50は駆動ユニット51により、液吸収部材50の回転移動速度が転写体2の周速度と等速になるように制御される。これにより、転写体2或いはインク像IMと液吸収部材50との擦れが防止される。
退避状態は、液吸収部材50が転写体2と離間できる位置であればよく、接触状態と退避状態との距離は小さくてよい。接触状態と退避状態との間で液吸収部材50の一部が移動する方向、つまり、押圧機構512bの押圧/解除方向は、液吸収位置Aにおける転写体2の接線方向に対して交差する方向であり、例えば、直交方向である。
変位ユニット512を設けて転写体2に対して液吸収部材50を接離自在に構成したことで、転写体2や液吸収部材50のメンテナンス作業やウォームアップを個別に行い易くなる。
図8に戻り、液吸収部材50の回転移動速度あるいは回転移動量は、センサSR1で検知される。センサSR1は例えばロータリエンコーダである。本実施形態の場合、センサSR1の回転体RLが液吸収部材50に接触して液吸収部材50の回転移動に従動して回転し、その回転量を検知する。回転体RLは従動回転体511eに対向して配置されている。液吸収部材50の回転移動速度あるいは回転移動量は、駆動回転体510または従動回転体511b〜511hの回転速度を検知して演算することでも特定可能である。しかしながら、これら回転体に対して液吸収部材50が滑る場合があるため、液吸収部材50の実際の移動速度と異なる値になってしまうおそれがある。
回復ユニット52〜54は、液吸収部材50の液吸収性能を回復する装置である。このような回復機構を設けることで、液吸収部材50の性能劣化を抑制し、液吸収性能を、より長期間維持することができる。これにより液吸収部材50の交換頻度をより少なくすることができる。また、本実施形態の場合、回復ユニット52〜54は、循環的に移動する液吸収部材50の移動方向でみると、液吸収位置Aを起点として、液吸収位置A、回復ユニット52、回復ユニット53、回復ユニット54、液吸収位置Aの順に配置されている。つまり、回復ユニット53は、回復ユニット54よりも上流に配置され、また、回復ユニット52は、回復ユニット53よりも上流に配置されている。本実施形態では、機能が異なる三種類の回復ユニット52〜54を液吸収部材50の移動経路の途中に配置している。しかし、回復ユニットは一つであってもよい。また、機能が共通する回復ユニットを複数設けてもよい。
回復ユニット52および回復ユニット53は第1の面50aに対する処理を行い、回復ユニット54は第2の面50bに対する処理を行う。第1の面50a、第2の面50bに異なる処理を施すことで、液吸収部材50の液吸収性能をより的確に回復することができる。
回復ユニット52は、液吸収部材50を清掃する装置である。回復ユニット52は、清掃ローラ521と、貯留槽522と、支持部材523と、移動機構524とを有する。支持部材523は、清掃ローラ521をY方向の軸周りに回転自在に支持するとともに、貯留槽522を支持する。貯留槽522には清掃液522aが貯留され、清掃ローラ521はその一部が清掃液522aに浸かっている。移動機構524は支持部材523を移動する機構であり、例えば、電動シリンダである。支持部材523が移動すると、清掃ローラ521および貯留槽522も移動する。これらは、清掃ローラ521が液吸収部材50に接触する清掃位置と、清掃ローラ521が液吸収部材50から離間した退避位置との間で矢印d3方向(ここでは上下方向)に移動する。図8は、清掃ローラ521が清掃位置に位置する状態(回復動作中の状態)を示す。清掃ローラ521は、記録システム1の運転中は清掃位置に位置する構成とし、メンテナンス時は退避位置に移動する構成としてもよい。
清掃ローラ521は従動回転体511cに対向して配置され、清掃ローラ521が清掃位置に移動すると液吸収部材50が清掃ローラ521と従動回転体511cとで挟持されるように構成される。清掃ローラ521は液吸収部材50の回転移動に従動して回転する。清掃ローラ521の周面は、例えば、粘着性を有する材料で形成され、液吸収部材50の第1の面50aに接触して第1の面50aに付着したごみ(紙粉等)を除去する。清掃ローラ521の周面の材料としては、例えばブチル、シリコーン、ウレタンなどのゴムを挙げることができる。清掃液522aは例えば界面活性剤であり清掃ローラ521に付着したゴミの分離を促進させる液体を用いることができる。貯留槽522には清掃ローラ521の表面に当接してゴミの分離を促進するワイパを設けてもよい。また、貯留槽522には、清掃ローラ521より粘着性の高く、清掃ローラ521からゴミを取り出すローラが配置されてもよい。
本実施形態では、清掃ローラ521によって液吸収部材50の第1の面50aに付着したゴミを除去する構成としたが、エアの吹付けによりゴミを除去する構成等、他の構成も採用可能である。
回復ユニット53は、液吸収部材50に液付与を行う装置である。回復ユニット53は、付与ローラ531と、貯留槽532と、支持部材533と、移動機構534とを有する。支持部材533は、付与ローラ531をY方向の軸周りに回転自在に支持するとともに、貯留槽532を支持する。貯留槽532には保湿液532aが貯留され、付与ローラ531はその一部が保湿液532aに浸かっている。移動機構534は支持部材533を移動する機構であり、例えば、電動シリンダである。支持部材533が移動すると、付与ローラ531および貯留槽532も移動する。これらは、付与ローラ531が液吸収部材50に接触する付与位置と、付与ローラ531が液吸収部材50から離間した退避位置との間で矢印d4方向(ここでは上下方向)に移動する。図8は、付与ローラ531が付与位置に位置する状態(回復動作中の状態)を示す。付与ローラ531は、記録システム1の運転中は付与位置に位置させる構成とし、メンテナンス時は退避位置に移動する構成としてもよい。
付与ローラ531は従動回転体511dに対向して配置され、付与ローラ531が付与位置に移動すると液吸収部材50が付与ローラ531と従動回転体511dとで挟持されるように構成される。付与ローラ531は液吸収部材50の回転移動に従動して回転する。付与ローラ531の周面は、例えば、ゴムで形成され、貯留槽533に貯留された保湿液532aを汲み上げるようにして液吸収部材50の第1の面50aに保湿液532aを供給する。保湿液532aは例えば水である。保湿液532aは水溶性有機溶剤や界面活性剤を含有していてもよい。
液吸収部材50は、その使用により、第1の面50aが増粘する場合があり、これはインク像IMからの液体成分の吸収性能を低下させる場合がある。第1の面50aに保湿液532aを付与することで、第1の面50aが増粘することを抑制し、液体成分の吸収性能を維持することができる。
本実施形態では、付与ローラ531によって液吸収部材50の第1の面50aに保湿液532aを汲み上げる構成としたが、保湿液532aをノズルによって第1の面50aに吹き付ける構成等、他の構成も採用可能である。
図8とともに図10を参照する。図10は、回復ユニット54の一例を示す概略図である。回復ユニット54は、液吸収部材50の液除去を行う装置である。回復ユニット54は、液吸収部材50に含まれる余剰の液体を除去する除去部540と、液吸収部材50に液体を付与する付与部542と、除去した液体成分を収容する貯留槽541とを有する。
除去部540は、液吸収部材50に含まれる余剰の液体を除去する。液吸収部材50に余剰の液体が含まれていると、インク像から吸収できる液体成分の量が低下し、液吸収性能が低下する場合がある。しかし、本実施形態の場合、除去部540が液吸収部材50に含まれる余剰の液体を除去するので、液吸収部材50の液吸収性能の低下を防ぐことができる。
本実施形態の場合、除去部540は、互いに対向して配置される従動回転体511fおよび従動回転体540aを含む。本実施形態の場合、従動回転体511fおよび従動回転体540aは液吸収部材50の移動に従動して回転する従動ローラである。しかし、従動回転体511fおよび従動回転体540aのいずれか、もしくは両方をモータ等の駆動源により駆動してもよい。また、本実施形態の場合、従動回転体511fおよび従動回転体540aは、互いに対向して配置され、液吸収部材50をニップするように構成される。従動回転体540aと従動回転体511fとの間に液吸収部材50が挟まれることで、液吸収部材50が吸収した液体が絞り出される。その点で従動回転体511fは回復ユニット54の一部を兼用している。なお、従動回転体511fおよび従動回転体540aのいずれかもしくは両方が、これらによるニップを解除する方向に移動可能な構成も採用可能である。
付与部542は、除去部540が液吸収部材50に含まれる余剰の液体の除去する前に、液吸収部材50に液体を付与する。上述のように、除去部540が液吸収部材50に含まれる余剰の液体を除去することにより液吸収部材50の液吸収性能の低下を防いでいるが、液体を除去することで液吸収部材50が増粘してしまい、液吸収性能が低下してしまうことが考えられる。本実施形態の場合、除去部540による液吸収部材50に含まれる余剰の液体の除去前に、付与部542が液吸収部材50に液体の付与を行う。これにより、液吸収部材50に含まれる液体の粘度が下がった状態で、除去部540により余剰の液体が除去されるので、除去後の液吸収部材50の増粘を防ぐことができ、液吸収部材50から余剰の液体をより効果的に除去することができる。したがって、液吸収部材50の液吸収性能の低下をより効果的に防ぐことができる。
また、回復ユニット53によって液吸収部材50に保湿液を付与しても、液吸収部材50回復ユニット54に到達するまでの間に液吸収部材50の乾燥が進行してしまい、除去部540による液体の除去が効果的に行えない場合が想定される。しかし、本実施形態の場合、回復ユニット54に付与部542が設けられており、除去部540が液吸収部材50に含まれる液体を除去する前に付与部542が液吸収部材50に液体を付与する。したがって、液吸収部材50の乾燥を防ぎつつ、液吸収部材50に含まれる液体を効果的に除去することができる。特に、本実施形態の場合、付与部542は、除去部540による液吸収部材50に含まれる余剰の液体の除去直前に液体の付与を行う。これにより、液吸収部材50の乾燥をより防ぐことができるので、液吸収部材50から余剰の液体をより効果的に除去することができる。したがって、液吸収部材50の液吸収性能の低下をより効果的に防ぐことができる。液吸収部材50の液吸収性能の低下をより効果的に防ぐことができる。シャワー付与部54があることによって液吸収部材50の液吸収性を維持できるのであれば、回復ユニット53を設けず、装置構成を簡略するようにしてもよい。
また、上記構成により、除去部540により液体が除去された後の液吸収部材50に含まれる液体の粘度を、インク像IM中の液体成分の粘度よりも低くすることができる。したがって、液吸収部材50の液吸収性能を維持することができ、記録媒体Pに記録される画像の品位を維持することができる。
本実施形態の場合、付与部542は、液吸収部材50に液体を付与するノズルユニット542aと、ノズルユニット542aが付与する液体542cを貯留する貯留槽542bから液体542cを供給する供給部542dとを含む。貯留槽542bは装置内部に設けられていても良いし、外部の貯留槽542bから引き込んだ液体542cを供給部542dがノズルユニット542aに供給するようにしてもよい。ノズルユニット542aは、重力方向で従動回転体511fの上方に配置され、従動回転体511fに対して液体542cを滴下する。従動回転体511fに滴下された液体542cは、従動回転体511fの回転により、または重力により、図10の矢印A1で示すように従動回転体511fの外周に沿う経路を通過して下方にある液吸収部材50の第一の面50a上に付与される。言い換えると、ノズルユニット542aは、従動回転体511fを介して液吸収部材50の第1の面50aに液体542cを間接的に付与している。インク像IMと接する第1の面50aに液体542cが付与されることにより、第1の面50aの増粘を抑制することができ、液吸収部材50の液吸収性能を維持することができる。
また、ノズルユニット542aから滴下された液体542cは、従動回転体511fの外周に沿って進み、従動回転体511fと液吸収部材50とが接する位置およびその直前の領域において液吸収部材50に付与される。付与された液体542cの一部は除去部540搬送される前に液吸収部材50に含まれていた液体とともに従動回転体540aと従動回転体511fとによって絞り出される。このように、除去部540が液吸収部材50の液体を除去する直前に液吸収部材50に液体542cが付与されるので、付与後に除去部に供されるまでに液吸収部材50が乾燥しにくく、除去部540に至る前よりも液吸収部材50中の液体の粘度を下げた状態で液体の除去を行うことができる。
本実施形態の場合、液体542cは不図示の加圧機構により加圧されノズルユニット542aから滴下される。しかし、加圧機構等を設けずに液体542cを自然滴下する構成も採用可能である。
貯留槽542bは、ノズルユニット542aから滴下される液体542cを貯留する。本実施形態の場合、貯留槽542bは重力方向でノズルユニット542aよりも上方に設けられているが、ノズルユニット542aよりも下方に設けてもよい。この場合、例えばポンプ等により貯留している液体542cをノズルユニット542aに供給してもよい。
液体542cとしては、例えば水を用いてもよい。また、液体542cは水溶性有機溶剤や界面活性剤を含有していてもよい。また、回復ユニット53において液吸収部材50に付与される保湿液532aと同じものを使用してもよい。
貯留槽541は、除去部540が除去した液吸収部材50に含まれていた液体を捕捉する。本実施形態の場合、貯留槽541は、重力方向で従動回転体540aの下方に設けられている。また、本実施形態の場合、貯留槽541は、貯留槽541に捕捉された液体を外排出する排出通路541aを有する。本実施形態の場合、貯留槽541に捕捉された液体は排出通路541aから装置の外部へと排出される。排出通路541aから装置外へ液体を排出する場合には、例えばポンプ等を用いてもよい。
なお、排出通路541aを貯留槽542bに接続し、貯留槽541で捕捉された液体を再び付与部542から液吸収部材50に付与するように液体を循環させる構成も採用可能である。しかしながら、このような構成においては、液体が循環するうちに付与部542から液吸収部材50に付与される液体の粘度が増加することでと、回復ユニット54による液吸収部材50の増粘抑制の効果を得にくくなることが想定される。本実施形態の場合、貯留槽541に捕捉された液体は排出通路541aから装置の外部へと排出され、貯留槽542bには常に新液が供給される。したがって、より粘度の低い液体を付与部542から液吸収部材50に供給することができ、液吸収部材50の増粘抑制効果をより高めることができる。
図11は、液吸収部材50および回復ユニット54の各構成要素の幅方向(Y方向)の長さの関係を模式的に示した図である。なお、説明のため、一部の構成については省略し、X方向、Z方向の位置関係は概略的に示している。また、図中の矢印は液吸収部材50の移動方向を示す。
本実施形態の場合、貯留槽541のY方向の長さは、液吸収部材50のY方向の長さよりも長い。これにより、液吸収部材50から除去された液体を漏れなく捕捉することができる。また、本実施形態の場合、従動回転体511fおよび従動回転体540aのY方向の長さは、液吸収部材50のY方向の長さよりも長い。これにより、従動回転体511fおよび従動回転体540aにより液吸収部材50のY方向の全領域が挟持され、Y方向の全領域にわたって液吸収部材50に含まれる余剰の液体を除去することができる。
さらに、本実施形態の場合、ノズルユニット542aは全体としてY方向延びて配置されており、Y方向に所定の間隔で配列され液体を吐出可能な複数のノズルNZを有する。言い換えると、付与部542は、液吸収部材50のY方向(幅方向)に配列された複数の液吐出部を有している。これにより、付与部542は液吸収部材50に対してY方向に満遍なく液体542cを付与することができる。また、本実施形態の場合、複数並んで配置されているノズルNZのうち、Y方向で両外側にあるノズルNZは、液吸収部材50のY方向の幅内に配置されている。これにより、それぞれのノズルNZから滴下された液体542cを漏れなく液吸収部材50に付与することができる。
なお、本実施形態の場合、複数のノズルNZが液吸収部材の幅方向に並んで配列されているが、付与部542の構成として、例えばY方向(幅方向)に長いスロット形状の吐出口からカーテン状に液体を吐出してもよい。
図12は、液体542cが液吸収部材50に付与されるときの液体の広がりを示す模式図である。図12(a)は、ノズルユニット542aにより液体542cを従動回転体511fに滴下した場合の液体542cの広がりZ方向からみた図であり、図12(b)はY方向からみた図である。なお、説明のため、各構成要素の位置関係は概略的に示し、一部構成を省略している。また、図中のハッチングは液体を示す。
ノズルユニット542aのそれぞれのノズルNZから滴下された液体542cは、従動回転体511fを介して液吸収部材50の第1の面50aへ付与される。このとき、複数のノズルNZは所定の間隔でY方向に並んで配置されているので、例えばそれぞれのノズルNZの直下の部分の液体542cの量が多い等、液体542cがY方向に均一に滴下されない場合がある。しかし、液体542cが従動回転体511fと従動回転体540aとニップの手前でせき止められてY方向に広がるので、液体542cが液吸収部材50に満遍なく付与される。すなわち、従動回転体511fと従動回転体540aとにより、液体542cがY方向に広がるので、液体542cを液吸収部材50により満遍なく付与することができる。
また、本実施形態の場合、従動回転体511fに液体542cが滴下されるので、従動回転体511f自体も洗浄され、記録媒体に記録される画像の画像品位を維持することができる。
また、本実施形態の場合、ノズルユニット542aが従動回転体511fに対して液体542cを滴下しているが、ノズルユニット542aが従動回転体540aに対して液体542cを付与する構成も採用可能である。540aに対して液体542cを付与する場合には、ローラ塗布方式を用いることができる。
なお、本実施形態により液吸収部材50の粘度上昇の抑制効果を実験したところ、抑制効果を確認した。この実験では回復ユニット54が付与部542を有する場合と有しない場合とにおいて、500枚後記録した後に除去部540で回収された回収液の粘度を比較した。
500枚記録後、付与部542を有しない場合では、回収液の粘度は開始時0.9から2.1cP(センチポアズ)まで増加した。一方、付与部542を有する場合では、初期の回収液粘度に比べて変化は少なく、開始時0.9cPから1.1cPまでしか粘度は増加しなかった。なお、実験では、液体(低粘度液体)として純水(0.9cP)を用いた。このように付与部542による液体付与の効果が実験で確認された。
画像品位を維持するためには、除去部540を経た液吸収部材50がインク像から液体を吸収するときの液吸収部材50のインク像と接する部分に含まれる液体成分の粘度が、吸収しようとするインク像中の液体成分の粘度よりも低いことが好ましい。そのために吸収するインク像中の液体成分よりも粘度が低い液体を付与するとよい。
次に、液吸収部材50の面と液体の付与と余剰液の除去との関係について説明する。回復ユニット54において、液吸収部材50の第2の面50bが重力方向の下側に位置し、第1の面50aが重力方向の上側に位置している。したがって、第1の面50a側よりも第2の面50b側から液体が絞り出されて重力で落下し易い。第2の面50bからの液体の除去が促進されることで、裏層に液体成分を吸収するための領域を確保し、液吸収部材50の液体吸収性能を回復することができる。また、回復ユニット53によって液体542cが付与された第1の面50aが乾燥されることを抑制することができる。
また、本実施形態の場合、回復ユニット53において液吸収部材50の第一の面50aに保湿液532aが付与された後に、回復ユニット54においてさらに第一の面50aに液体542cが付与される。したがって、液吸収部材50の増粘をより抑制でき、液吸収部材50の液吸収性能の回復をより効率的に行うことができる。
また、従動回転体511fと従動回転体540aの部材の材質は特に限定されない。絞り量の観点からは、液吸収部材50の第1の面50aに接触する従動回転体511fよりも液吸収部材50の第2の面50bに接触する従動回転体540aの方が柔らかい方が望ましい。また、液吸収部材50の搬送性の観点から液吸収部材50との摩擦を考慮して表面加工や表層に層を設けてもよい。
以上の通り、本実施形態では、回復ユニット52〜54により、液吸収部材50の回転移動方向で上流側から下流側へ向かって、ゴミの除去、保湿、液体成分の除去という処理順序で回復処理が行われる構成となっている。処理順序はこれに限られないが、本実施形態の処理順序によれば、回復ユニット52による第1の面50aの清掃後に回復ユニット53による第1の面50aの保湿が行われるので、ゴミの除去と保湿性向上とを促進することができる。また、回復ユニット54による液体成分の除去を相対的に下流側で行うことで、第2の面50bが重力方向で高い位置を移動している場所において液体成分の除去を行うことができる。これは、除去された液体成分を、重力を利用して回収し易いという利点がある。
次に、前処理ユニット55について説明する。前処理ユニット55は、主に、記録システム1の運転開始時等に、液吸収部材50に短時間で液吸収性能を発揮させるための前処理を行う装置である。本実施形態の場合、液吸収部材50の第1の面50aに前処理液を付与して、液吸収性能の立ち上がりを向上する。前処理液は、例えば、表層501を撥水性材料で構成した場合、界面活性剤を用いることができる。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤のF―444(商品名、DIC社製)、ZonylFS3100(商品名、デュポン社製)が挙げられる。さらに、CapstoneFS−3100(商品名、The Chemours CompanyLLC製)やシリコーン系界面活性剤のBYK349(商品名、BYK社製)等も挙げられる。
前処理ユニット55は、付与ローラ551と、貯留槽552と、支持部材553と、移動機構554とを有する。支持部材553は、付与ローラ551をY方向の軸周りに回転自在に支持するとともに、貯留槽552を支持する。貯留槽552には前処理液552aが貯留され、付与ローラ551はその一部が前処理液552aに浸かっている。移動機構554は支持部材553を移動する機構であり、例えば、電動シリンダである。支持部材553が移動すると付与ローラ551および貯留槽552も移動する。これらは、付与ローラ551が液吸収部材50に接触する付与位置と、付与ローラ551が液吸収部材50から離間した退避位置との間で矢印d5方向(ここでは横方向)に移動する。図8は、付与ローラ551が退避位置に位置する状態を示す。付与ローラ551は、記録システム1の運転開始時や、定期的に(例えば記録媒体Pの処理枚数単位で)付与位置に移動することができる。
付与ローラ551は従動回転体511eに対向して配置され、付与ローラ551が付与位置に移動すると液吸収部材50が付与ローラ551と従動回転体511eとで挟持されるように構成される。付与ローラ551は液吸収部材50の回転移動に従動して回転する。付与ローラ551の周面は、例えば、ゴムで形成され、貯留槽552に貯留された前処理液552aを汲み上げるようにして液吸収部材50の第1の面50aに供給する。
このような構成により、吸収ユニット5Bは、液吸収部材50により転写体2上のインク像IMから液体成分を吸収する。液吸収部材50の循環的な回転移動と並行して液体成分を吸収することで連続的にインク像IMから液体成分を吸収可能である。しかも、回復ユニット52、回復ユニット53、回復ユニット54を設けたことにより、液吸収部材50の液吸収性能をより長期間に渡って維持することができ、液吸収部材50の交換サイクルをより長くすることができる。
検知ユニット56は、液吸収部材50の移動経路上の所定の位置において液吸収部材50の所定の部位の通過を検知するセンサである。検知ユニット56は、本実施形態の場合、液吸収位置Aに比較的近い位置に配置されている。検知ユニット56の位置は、液吸収位置Aを始点および終点とした液吸収部材50の移動経路一周の中で、中間地点よりも終点側の位置、若しくは、中間地点と終点との間の中間地点よりも終点側の位置とすることができる。
また、従動回転体540aよりも液吸収部材50の移動方向の上流において、ノズルユニット542aが液吸収部材50の第1の面50aまたは第2の面50bに直接液体542cを吐出する構成も採用可能である。このような構成でも、従動回転体511fおよび従動回転体540aのニップにより液体542cがせき止められてY方向に広がるので、液吸収部材50に液体542cが満遍なく付与される。
<第二実施形態>
第一実施形態では、付与部542が従動回転体511fを介して液吸収部材50に液体を付与していたが、第二実施形態では、付与部542は液吸収部材50に対して直接液体を付与する。なお、以下の説明および図において、第一実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
第一実施形態では、付与部542が従動回転体511fを介して液吸収部材50に液体を付与していたが、第二実施形態では、付与部542は液吸収部材50に対して直接液体を付与する。なお、以下の説明および図において、第一実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
図13は、第二実施形態における吸収ユニット5Bの例を示す概略図である。また、図14は回復ユニット1354の一例を示す概略図である。回復ユニット1354は、液吸収部材50に含まれる余剰の液体を除去する除去部540と、液吸収部材50に液体を付与する付与部1342と、除去した液体成分を収容する貯留槽541とを有する。
付与部1342は、除去部540が液吸収部材50に含まれる余剰の液体の除去する前に、液吸収部材50に対して直接液体を付与する。本実施形態の場合、付与部1342は、液吸収部材50に液体を付与するノズルユニット1342aと、ノズルユニット1342aが付与する液体1342cを貯留する貯留槽1342bとを含む。ノズルユニット1342aは、重力方向で液吸収部材50の上方に配置され、液吸収部材50の移動方向で従動回転体511fよりも上流において、液吸収部材50の第1の面50aに対して液体1342cを滴下する。液体1342cは、図14の矢印A2で示すように、液吸収部材50に直接付与される。
このような構成により、液吸収部材50に含まれる液体の粘度が下がった状態で、除去部540により余剰の液体が除去されるので、除去後の液吸収部材50の増粘を防ぐことができ、液吸収部材50から余剰の液体をより効果的に除去することができる。したがって、液吸収部材50の液吸収性能をより効果的に回復することができる。
また、図15は、第二実施形態において液体1342cが液吸収部材50に付与されるときの液体1342cの広がりを示す模式図であって、図15(a)はZ方向からみた図であり、図15(b)はY方向からみた図である。なお、説明のため、各構成要素の位置関係は概略的に示し、一部構成を省略している。また、図中のハッチングは液体1342cを示す。
ノズルユニット1342aのそれぞれのノズルNZから滴下された液体1342cは、直接、液吸収部材50の第1の面50aへ付与される。このとき、複数のノズルNZは所定の間隔でY方向に並んで配置されているので、例えばそれぞれのノズルNZの直下の部分の液体1342cの量が多い等、液体1342cがY方向に均一に滴下されない場合がある。しかし、液吸収部材50に付与された液体1342cは、そのすべてが直ちには第1の面50aから吸収されず、一部が液吸収部材50上にある状態で液吸収部材50とともに下流側へ進む。下流側に進んだ液体1342cは、その後、従動回転体511fと従動回転体540aとニップの手前でせき止められてY方向に広がることにより、液体542cが液吸収部材50に満遍なく付与される。すなわち、従動回転体511fと従動回転体540aとにより、液体542cがY方向に広がるので、液体542cを液吸収部材50により満遍なく付与することができる。
本実施形態の場合、液体1342cは不図示の加圧機構により加圧されノズルユニット1342aから滴下される。しかし、加圧機構等を設けずに液体1342cを自然滴下する構成も採用可能である。また、例えば、ローラ塗布方式の液体供給機構を液吸収部材50の移動方向で従動回転体540aよりも上流側に設けて液吸収部材50の表面上に液体1342cを直接塗布してもよい。
<第三実施形態>
第一及び第二実施形態では、除去部540は、従動回転体540aと従動回転体511fとで液吸収部材50を挟持することで、液吸収部材50が吸収した液体を絞りし出している。しかし、第3実施形態では、液吸収部材50に対してエアを吹きつけることで液吸収部材に含まれる液体の除去を行う。なお、以下の説明および図において、第一及び第二実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
第一及び第二実施形態では、除去部540は、従動回転体540aと従動回転体511fとで液吸収部材50を挟持することで、液吸収部材50が吸収した液体を絞りし出している。しかし、第3実施形態では、液吸収部材50に対してエアを吹きつけることで液吸収部材に含まれる液体の除去を行う。なお、以下の説明および図において、第一及び第二実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
図16は、第三実施形態における吸収ユニット5Bの例を示す概略図である。回復ユニット1654は、液吸収部材50に含まれる余剰の液体を除去する除去部1640と、液吸収部材50に液体を付与する付与部542と、除去した液体成分を収容する貯留槽541とを有する。
除去部1640は、液吸収部材50に含まれる余剰の液体を除去する。液吸収部材50に余剰の液体が含まれていると、インク像から吸収できる液体成分の量が低下し、液吸収性能が低下する場合がある。しかし、本実施形態の場合、除去部540が液吸収部材50に含まれる余剰の液体を除去するので、液吸収部材50の液吸収性能の低下を防ぐことができる。
本実施形態の場合、除去部1640は、エアを噴出するノズルである。除去部1640は液吸収部材50の第2の面50bにエアを吹き付け、その圧力により液吸収部材50の第2の面50b側に吸収されている液体を吹き飛ばすようにして除去する。第2の面50b側から液吸収部材50に含まれる余剰の液体を除去することで、第1の面50aの乾燥を抑制しつつ、液吸収部材50の液吸収性能を回復することができる。
なお、本実施形態の場合、除去部1640はエアを噴射するノズルのみで構成されている。しかし、第一及び第二実施形態に記載の従動回転体511fおよび従動回転体540aにより液吸収部材50に含まれる液体を除去する構成と、本実施形態のエアを噴射するノズルの構成とを組み合わせる構成も採用可能である。
<他の実施形態>
上記実施形態では、記録ユニット3が複数の記録ヘッド30を有するが、記録ヘッド30が1つの構成であってもよい。記録ヘッド30はフルラインヘッドでなくてもよく、記録ヘッド30を搭載したキャリッジがY方向に移動している間に記録ヘッド30からインクを吐出してインク像を形成するシリアル方式であってもよい。
上記実施形態では、記録ユニット3が複数の記録ヘッド30を有するが、記録ヘッド30が1つの構成であってもよい。記録ヘッド30はフルラインヘッドでなくてもよく、記録ヘッド30を搭載したキャリッジがY方向に移動している間に記録ヘッド30からインクを吐出してインク像を形成するシリアル方式であってもよい。
また、記録システム1は、転写体を被吐出媒体とし、転写体上に吐出されたインクによって形成されるインク像を記録媒体に転写する形態であった。しかし、記録媒体を被吐出媒体として記録ヘッドから記録媒体に向けてインク吐出して直接インクを付与し、吸収ユニット5Bが記録媒体上のインク像から液体成分を吸収する形態をとってもよい。
記録媒体Pの搬送機構は、ローラ対によって記録媒体Pを挟持して搬送する方式等、他の方式であってもよい。ローラ対によって記録媒体Pを搬送する方式等においては、記録媒体Pとしてロールシートを用いてもよく、転写後にロールシートをカットして記録物P’を製造してもよい。
上記実施形態では、転写体2を転写胴41の外周面に設けたが、転写体2を無端の帯状に形成し、循環的に回転移動させる方式等、他の方式であってもよい。
また、本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
2 転写体、5B 吸収ユニット、50 液吸収部材、54 回復ユニット、540 除去部、541 貯留槽、542 付与部
Claims (18)
- 液体成分を吸収する液吸収部材と、
前記液吸収部材を循環的に移動可能に支持する支持手段と、
前記液吸収部材に含まれる余剰の液体を除去する液除去手段と、を備え、被吐出媒体上に形成されたインク像から液体成分を吸収する液吸収装置であって、
前記液除去手段は、
前記液吸収部材に含まれる余剰の液体を除去する除去部と、
前記除去部による除去前に前記液吸収部材に液体を付与する付与部と、を含み、前記除去部が前記付与された液体を含んだ前記液吸収部材から液体を除去する、
ことを特徴とする液吸収装置。 - 前記液吸収部材は、前記被吐出媒体と接触し、前記インク像に含まれる前記液体成分を吸収する第1の面と、該第1の面と反対側の第2の面と、を有し、
前記付与部は、前記第1の面に対して前記液体を付与する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の液吸収装置。 - 前記液除去手段は、前記除去部により前記液吸収部材から除去された前記液体を受けて貯留する貯留部をさらに含むことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の液吸収装置。
- 前記貯留部は、該貯留部に貯留された液体を装置の外部に排出する排出通路を有し、
前記液除去手段は、前記付与部が前記液吸収部材に付与する前記液体を貯留する他の貯留部を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の液吸収装置。 - 前記除去部は、前記液吸収部材を挟む第1のローラと、第2のローラと、を有する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液吸収装置。 - 前記付与部は、前記第1のローラ又は前記第2のローラに対して前記液体を供給することにより、前記液吸収部材に前記液体を付与することを特徴とする請求項5に記載の液吸収装置。
- 前記貯留部は、幅方向の長さが、前記液吸収部材の幅方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項3または4のいずれか1項に記載の液吸収装置。
- 前記第1および第2のローラは、幅方向の長さが、前記液吸収部材の幅方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項5または6のいずれか1項に記載の液吸収装置。
- 前記付与部は、前記液吸収部材の幅方向に配列された複数の液吐出部を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の液吸収装置。
- 前記複数の液吐出部は、前記液吸収部材の幅内に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の液吸収装置。
- 前記付与部は、前記液吸収部材の表面上に液体を吐出することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の液吸収装置。
- 前記除去部により前記液体が除去された後の前記液吸収部材に含まれる液体の粘度は、前記インク像中の液体成分の粘度よりも低い、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の液吸収装置。
- 前記被吐出媒体はインク像を一時的に保持する転写体であり、前記インク像は前記転写体から記録媒体に転写されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の液吸収装置。
- 前記インク像から前記液体成分を吸収する位置と前記液除去手段との間の位置であって、前記液除去手段よりも前記液吸収部材の移動方向で上流側の位置に、前記液吸収部材に液体を付与する液付与手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の液吸収装置。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の液吸収装置と、
前記被吐出媒体上にインクを吐出して前記インク像を形成する記録手段と、を備える、
記録装置。 - インク像の形成領域および転写領域を循環的に通過する前記被吐出媒体としての転写体と、
前記形成領域において形成された前記インク像を、前記転写体から記録媒体に転写する転写手段と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項15に記載の記録装置。 - 被吐出媒体にインクを吐出し、前記被吐出媒体上にインク像を形成する形成工程と、
前記形成工程の後に、前記被吐出媒体上の前記インク像から液体成分を吸収する液吸収工程と、
を備え、
前記液吸収工程は、
前記インク像から液体成分を吸収する液吸収部材を循環的に移動させる移動工程と、
前記移動工程により移動する前記液吸収部材に液体を付与する付与工程と、
前記付与工程の後に、前記移動工程により移動する前記液吸収部材に含まれる余剰の液体を除去する液除去工程を含み、
前記液除去工程は、前記液吸収部材に液体を付与してから前記液吸収部材に含まれる余剰の液体を除去する
ことを特徴とする記録方法。 - 前記被吐出媒体は転写体であり、前記形成工程において前記転写体上に前記インク像を形成し、前記液吸収工程の後に、記録媒体に、前記被吐出媒体から前記インク像を転写する転写工程を更に有することを特徴とする請求項17に記載の記録方法。
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