JP2020001341A - 記録装置およびその制御方法 - Google Patents

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Kanto Kurasawa
歓土 倉澤
浅野 晋也
Shinya Asano
晋也 浅野
内田 幸太
Kota Uchida
幸太 内田
健吾 仁戸田
Kengo Nitoda
健吾 仁戸田
友佑 中屋
Yusuke Nakaya
友佑 中屋
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Ryosuke Araki
良亮 荒木
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雄一郎 柳
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Abstract

【課題】転写胴やその他ユニットの破損を抑制する記録装置を提供する。【解決手段】回転する転写胴41と、転写胴41の画像形成領域にインクを吐出して画像を形成する記録ユニット3と、画像形成領域に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段と、を備え、記録ユニット3は画像を形成するための第1位置と、第1位置より転写胴41との距離が大きい第2位置とに移動可能である記録装置であって、画像形成領域の表面状態を検知する検知手段SENと、検知手段SENの検知結果に基づいて記録ユニット3を第2位置から第1位置へ移動させるか否かを制御する制御手段を備える。【選択図】図8

Description

本発明は、記録ヘッドを用いて画像を記録する記録装置に関する。
特許文献1には、画像を転写体へ形成し、形成した画像を記録媒体に転写することで画像を記録する記録装置について記載されている。転写体は弾性部材によって形成されることが多く、経年劣化による摩耗や破損が生じるため、交換可能に構成されている。
特開2003−182064号公報
しかしながら特許文献1の構成では、転写体に不良がある場合や作業者による取付不良がある場合に不良を検知することができず、装置を破損させる虞がある。
上記課題に鑑みて本発明は、転写胴やその他ユニットの破損を抑制することができる記録装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、回転する転写胴と、前記転写胴の画像形成領域にインクを吐出して画像を形成する記録ユニットと、前記画像形成領域に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段と、を備え、前記記録ユニットは画像を形成するための第1位置と、前記第1位置より前記転写胴との距離が大きい第2位置とに移動可能である記録装置であって、前記画像形成領域の表面状態を検知する検知手段と、前記検知手段の検知結果に基づいて前記記録ユニットを前記第2位置から前記第1位置へ移動させるか否かを制御する制御手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、転写胴やその他ユニットの破損を抑制することができる記録装置が提供される。
第1実施形態に係る記録装置における記録システムの概略図である。 第1実施形態に係る記録装置における記録ユニットの斜視図である。 図2に示す記録ユニットの変位態様の説明図である。 図1に示す記録システムの制御系のブロック図である。 図1に示す記録システムの制御系のブロック図である。 図1に示す記録システムの動作例の説明図である。 図1に示す記録システムの動作例の説明図である。 第1実施形態に係る記録装置における転写体の不良検知動作の説明図である。 第1実施形態に係る記録装置における転写体の交換動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る記録装置における転写体の不良検知動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る記録装置における検知手段の別実施例を示すフローチャートである。
〔第1実施形態〕
<記録システム>
図1は、記録システム1を概略的に示した正面図である。記録システム1は、転写体2を介して記録媒体Pにインク像を転写することで記録物P’を製造する、枚葉式のインクジェットプリンタである。記録システム1は、記録装置1Aと、搬送装置1Bとを含む。本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、記録システム1の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体PはX方向に搬送される。
なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本実施形態では「記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。インクの成分については、特に限定はないが、本実施形態では、色材である顔料、水、樹脂を含む水性顔料インクを用いる場合を想定する。
<記録装置>
記録装置1Aは、記録ユニット3、転写ユニット4および周辺ユニット5A〜5D、および、供給ユニット6を含む。
<記録ユニット>
記録ユニット3は、複数の記録ヘッド30とキャリッジ31とを含む。図1と図2を参照する。図2は記録ユニット3の斜視図である。記録ヘッド30は、転写体2に液体インクを吐出し、転写体2上に記録画像のインク像を形成する。すなわち転写体2は、インク像(画像)が形成される画像形成領域を有する。
本実施形態の場合、各記録ヘッド30は、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの記録媒体の画像記録領域の幅に相当する範囲にノズルが配列されている。記録ヘッド30は、その下面に、ノズルが開口したインク吐出面を有しており、インク吐出面は、微小隙間(例えば数mm)を介して転写体2の表面と対向している。本実施形態の場合、転写体2は円軌道上を循環的に移動する構成であり、複数の記録ヘッド30は転写体2の外周面に沿って放射状に配置されている。
各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気−機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。高速で高密度の記録の観点からは電気−熱変換体を利用した吐出素子を用いることができる。
本実施形態の場合、記録ヘッド30は9つ設けられている。各記録ヘッド30は、互いに異なる種類のインクを吐出する。異なる種類のインクとは、例えば色材が異なるインクであり、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク等のインクである。1つの記録ヘッド30は1種類のインクを吐出するが、1つの記録ヘッド30が複数種類のインクを吐出する構成であってもよい。このように複数の記録ヘッド30を設けた場合、そのうちの一部が色材を含まないインク(例えばクリアインク)を吐出してもよい。
キャリッジ31は、複数の記録ヘッド30を支持する。各記録ヘッド30は、インク吐出面が設けられた端部がキャリッジ31に固定されている。これにより、インク吐出面と転写体2の表面との間隔をより精密に制御することができる。キャリッジ31は、案内部材RLの案内によって、記録ヘッド30を搭載しつつ変位可能に構成されている。本実施形態の場合、案内部材RLはY方向に延設されたレール部材であり、X方向に離間して一対設けられている。キャリッジ31のX方向の両端部にはスライド部32が設けられている。スライド部32は案内部材RLと係合し、案内部材RLに沿ってY方向にスライドする。すなわち、スライド部32が案内部材RLに案内されることで、キャリッジ31はY方向に移動可能に構成されている。
キャリッジ31にはさらに、転写体2の表面状態(凹凸)を検知するための凹凸検知手段SENが固定されている。そのため、凹凸検知手段SENは転写体2に対して相対移動可能である。また、キャリッジ31には、凹凸検知手段SENのセンサ部が記録動作等の際にインクで汚れることを抑制するための開閉可能なセンサカバー(不図示)が設けられている。
図3は記録ユニット3の変位態様を示しており、図1に示す記録システム1の右側面を模式的に示した図である。記録システム1の後部(Y方向下流側)には回復ユニット12が設けられている。回復ユニット12は記録ヘッド30の吐出性能を回復する機構を有する。回復ユニット12としては、例えば、記録ヘッド30のインク吐出面をキャッピングするキャップ機構、インク吐出面をワイピングするワイパ機構、インク吐出面から記録ヘッド30内のインクを負圧吸引する吸引機構が挙げられる。
案内部材RLは、転写体2の側方(図1に示す前面側)から回復ユニット12に渡って延設されている。記録ユニット3は、案内部材RLの案内により、実線で記録ユニット3を示した吐出位置POS1と、破線で記録ユニット3を示した回復位置POS3との間で変位可能であり、不図示の駆動機構により移動される。
吐出位置POS1は、記録ユニット3が転写体2にインクを吐出する位置であり、記録ヘッド30のインク吐出面が転写体2の表面に対向する位置である。回復位置POS3は、吐出位置POS1から退避した位置であり、記録ユニット3が回復ユニット12上に位置する位置である。回復ユニット12は記録ユニット3が回復位置POS3に位置する場合に、記録ヘッド30に対する回復処理を実行可能である。本実施形態の場合、記録ユニット3が回復位置POS3に到達する前の移動途中においても回復処理を実行可能である。吐出位置POS1と回復位置POS3の間には予備回復位置POS2がある。つまり、回復ユニット12は記録ヘッド30が吐出位置POS1から回復位置POS3へ移動している間に、予備回復位置POS2において記録ヘッド30に対する予備的な回復処理を実行可能である。
<転写ユニット>
図1を参照して転写ユニット4について説明する。転写ユニット4は、転写胴41と圧胴42とを含む。これらの胴はY方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。図1において、転写胴41および圧胴42の各図形内に示した矢印はこれらの回転方向を示しており、転写胴41は時計回りに、圧胴42は反時計回りに回転する。
転写胴41は、その外周面に転写体2を支持する支持体である。転写体2は、転写胴41の外周面上に、周方向に連続的にあるいは間欠的に設けられる。連続的に設けられる場合、転写体2は無端の帯状に形成される。間欠的に設けられる場合、転写体2は、有端の帯状に複数のセグメントに分けて形成され、各セグメントは転写胴41の外周面に等ピッチで円弧状に配置することができる。また、転写体2は作業者等のユーザによって交換可能となっている。
転写胴41の回転により、転写体2は円軌道上を循環的に移動する。転写胴41の回転位相により、転写体2の位置は、吐出前処理領域R1、吐出領域R2、吐出後処理領域R3およびR4、転写領域R5、転写後処理領域R6に区別することができる。転写体2はこれらの領域を循環的に通過する。
吐出前処理領域R1は、記録ユニット3によるインクの吐出前に転写体2に対する前処理を行う領域であり、周辺ユニット5Aによる処理が行われる領域である。本実施形態の場合、吐出前処理領域R1にて転写体2に反応液が付与される。吐出領域R2は記録ユニット3が転写体2にインクを吐出してインク像を形成する領域である。吐出後処理領域R3およびR4はインクの吐出後にインク像に対する処理を行う処理領域である。具体的には、吐出後処理領域R3は周辺ユニット5Bによる処理が行われる領域であり、吐出後処理領域R4は周辺ユニット5Cによる処理が行われる領域である。転写領域R5は転写ユニット4により転写体2上のインク像が記録媒体Pに転写される領域である。転写後処理領域R6は、転写後に転写体2に対する後処理を行う領域であり、周辺ユニット5Dによる処理が行われる領域である。
転写体2は、単層から構成してもよいが、複数層の積層体としてもよい。転写体2を複数層で構成する場合、例えば、表面層、弾性層、圧縮層の三層を含んでもよい。表面層は記録ユニット3によりインク像が形成される画像形成面を有する最外層である。圧縮層は、局所的な圧力変動に対してその変動を分散するように力を吸収し、高速記録時においても転写性を維持することができる層である。弾性層は、表面層と圧縮層との間に設けられる層である。
表面層の材料としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。表面層には、反応液の濡れ性、画像の転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。また、これらの表面処理を複数組み合わせてもよい。或いは、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
圧縮層の材料としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。このようなゴム材料の成形時には、所定量の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに発泡剤、中空微粒子或いは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し、多孔質のゴム材料としてもよい。これにより、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものがあるが、いずれの構造であってもよく、これらの構造を併用してもよい。
弾性層の部材としては、樹脂、セラミック等、各種材料を適宜用いることができる。加工特性等の点で、各種エラストマー材料、ゴム材料を用いることができる。具体的には、例えばフルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。また、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムは、圧縮永久ひずみが小さいため、寸法安定性、耐久性の面で有利である。また、温度による弾性率の変化が小さく、転写性の点でも有利である。
表面層と弾性層の間、弾性層と圧縮層の間には、これらを固定するために各種接着剤や両面テープを用いることもできる。また、転写体2は、転写胴41に装着する際の横伸びの抑制や、コシを保つために圧縮弾性率が高い補強層を含んでもよい。また、織布を補強層としてもよい。転写体2は前記材質による各層を任意に組み合わせて作製することができる。
圧胴42は、その外周面が転写体2に圧接される。圧胴42の外周面には、記録媒体Pの先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。グリップ機構は圧胴42の周方向に離間して複数設けられていてもよい。記録媒体Pは圧胴42の外周面に密接して搬送されつつ、圧胴42と転写体2とのニップ部を通過するときに、転写体2上のインク像が転写される。
<周辺ユニット>
周辺ユニット5A〜5Dは転写胴41の周囲に配置されている。本実施形態の場合、周辺ユニット5A〜5Dは、順に、付与ユニット、吸収ユニット、加熱ユニット、清掃ユニットである。
付与ユニット5Aは、記録ユニット3によるインクの吐出前に、転写体2上に反応液を付与する機構である。反応液は、インクを高粘度化する成分を含有する液体である。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している色材や樹脂等がインクを高粘度化する成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインクの粘度の上昇が認められることである。このインクの高粘度化には、インク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂等のインクを構成する成分の一部が凝集することにより局所的に粘度の上昇が生じる場合も含まれる。
インクを高粘度化する成分は、金属イオン、高分子凝集剤など、特に制限はないが、インクのpH変化を引き起こして、インク中の色材を凝集させる物質を用いることができ、有機酸を用いることができる。反応液の付与機構としては、例えば、ローラ、記録ヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。転写体2に対するインクの吐出前に反応液を転写体2に付与しておくと、転写体2に達したインクを直ちに定着させることができる。これにより、隣接するインク同士が混ざり合うブリーディングを抑制することができる。
吸収ユニット5Bは、記録媒体Pへの転写前に、転写体2上のインク像から液体成分を吸収する機構である。インク像の液体成分を減少させることで、記録媒体Pに記録される画像のにじみ等を抑制することができる。液体成分の減少を異なる視点で説明すれば、転写体2上のインク像を構成するインクを濃縮すると表現することもできる。インクを濃縮するとは、インクに含まれる液体成分が減少することによって、インクに含まれる色材や樹脂といった固形分の液体成分に対する含有割合が増加することを意味する。
吸収ユニット5Bは、例えば、インク像に接触してインク像の液体成分の量を減少させる液吸収部材を含む。液吸収部材はローラの外周面に形成されてもよいし、液吸収部材が無端のシート状に形成され、循環的に走行されるものでもよい。インク像の保護の点で、液吸収部材の移動速度を転写体2の周速度と同じにして液吸収部材を転写体2と同期して移動させてもよい。
液吸収部材は、インク像に接触する多孔質体を含んでもよい。液吸収部材へのインク固形分付着を抑制するため、インク像に接触する面の多孔質体の孔径は10μm以下であってもよい。ここで、孔径とは平均直径のことを示し、公知の手段、例えば水銀圧入法や、窒素吸着法、SEM画像観察等で測定可能である。なお、液体成分は、一定の形を有さず流動性があり、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられる。
加熱ユニット5Cは、記録媒体Pへの転写前に、転写体2上のインク像を加熱する機構である。インク像を加熱することでインク中の樹脂が溶融し、記録媒体Pへの転写性を向上する。加熱温度は、樹脂の最低造膜温度(MFT)以上とすることができる。MFTは一般的に知られている手法、例えばJIS K 6828−2:2003や、ISO2115:1996に準拠した各装置で測定することが可能である。転写性及び画像の堅牢性の観点から、MFTよりも10℃以上高い温度で加熱してもよく、更に、20℃以上高い温度で加熱してもよい。加熱ユニット5Cは、例えば、赤外線等の各種ランプ、温風ファン等、公知の加熱デバイスを用いることができる。加熱効率の点で、赤外線ヒータを用いることもできる。
清掃ユニット5Dは、記録媒体Pへの転写後に転写体2上を清掃する機構である。清掃ユニット5Dは、転写体2上に残留したインクや転写体2上のごみ等を除去する。清掃ユニット5Dは、例えば、多孔質部材を転写体2に接触させる方式、ブラシで転写体2の表面を擦る方式、ブレードで転写体2の表面をかきとる方式等の公知の方式を適宜用いることができる。また、清掃に用いる清掃部材は、ローラ形状、ウェブ形状等、公知の形状を用いることができる。
以上の通り、本実施形態では、付与ユニット5A、吸収ユニット5B、加熱ユニット5C、清掃ユニット5Dを周辺ユニットとして備えるが、これらの一部のユニットに転写体2の冷却機能を付与するか、あるいは、冷却ユニットを別途追加してもよい。本実施形態では、加熱ユニット5Cの熱により転写体2の温度が上昇する場合がある。その場合、記録ユニット3により転写体2にインクを吐出した後、インク像がインクの主溶剤である水の沸点を超えると、吸収ユニット5Bによる液体成分の吸収性能が低下する場合がある。そのため、吐出されたインクが水の沸点未満に維持されるように転写体2を冷却することで、液体成分の吸収性能を維持することができる。
冷却ユニットは、転写体2に送風する送風機構や、転写体2に部材(例えばローラ)を接触させ、この部材を空冷または水冷で冷却する機構であってもよい。また、清掃ユニット5Dの清掃部材を冷却する機構であってもよい。冷却タイミングは、転写後、反応液の付与前までの期間であってもよい。
<供給ユニット>
供給ユニット6は、記録ユニット3の各記録ヘッド30にインクを供給する機構である。供給ユニット6は記録システム1の後部側に設けられていてもよい。供給ユニット6は、インクの種類毎にインクを貯留する貯留部TKを備える。貯留部TKは、メインタンクとサブタンクとによって構成されてもよい。各貯留部TKと各記録ヘッド30とは流路6aで連通し、貯留部TKから記録ヘッド30へインクが供給される。流路6aは、貯留部TKと記録ヘッド30との間でインクを循環させる流路であってもよく、供給ユニット6はインクを循環させるポンプ等を備えてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インク中の気泡を脱気する脱気機構を設けてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インクの液圧と大気圧との調整を行うバルブを設けてもよい。貯留部TK内のインク液面が、記録ヘッド30のインク吐出面よりも低い位置となるように、貯留部TKと記録ヘッド30のZ方向の高さが設計されてもよい。
<搬送装置>
搬送装置1Bは、記録媒体Pを転写ユニット4へ給送し、インク像が転写された記録物P’を転写ユニット4から排出する装置である。搬送装置1Bは、給送ユニット7、複数の搬送胴8および8a、二つのスプロケット8b、チェーン8cおよび回収ユニット8dを含む。図1において、搬送装置1Bの各構成の図形の内側の矢印はその構成の回転方向を示し、図形の外側の矢印は記録媒体Pまたは記録物P’の搬送経路を示している。記録媒体Pは給送ユニット7から転写ユニット4へ搬送され、記録物P’は転写ユニット4から回収ユニット8dへ搬送される。以下で、給送ユニット7側を搬送方向の上流側と呼び、回収ユニット8d側を搬送方向の下流側と呼ぶ場合がある。
給送ユニット7は、複数の記録媒体Pが積載される積載部を含むと共に、積載部から一枚ずつ記録媒体Pを搬送経路の最上流に位置する搬送胴8に給送する給送機構を含む。各搬送胴8、8aはY方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。各搬送胴8、8aの外周面には、記録媒体P(または記録物P’)の先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。各グリップ機構は、隣接する搬送胴間で記録媒体Pを受け渡すように、その把持動作および解除動作が制御される。
二つの搬送胴8aは、記録媒体Pの反転用の搬送胴である。記録媒体Pを両面記録する場合、表面への転写後に、圧胴42から下流側に隣接する搬送胴8へ記録媒体Pを渡さずに、搬送胴8aに渡す。記録媒体Pは、二つの搬送胴8aを経由して表裏が反転され、圧胴42の上流側の搬送胴8を経由して再び圧胴42へ渡される。これにより、記録媒体Pの裏面が転写胴41に面することになり、裏面にインク像が転写される。
チェーン8cは、二つのスプロケット8b間に巻き回されている。二つのスプロケット8bの一方は駆動スプロケットであり他方は従動スプロケットである。駆動スプロケットの回転によりチェーン8cが循環的に走行する。チェーン8cには、その長手方向に離間して複数のグリップ機構が設けられている。グリップ機構は、記録物P’の端部を把持する。搬送経路の最下流に位置する搬送胴8からチェーン8cのグリップ機構に記録物P’が渡され、グリップ機構に把持された記録物P’はチェーン8cの走行により回収ユニット8dへ搬送され、把持が解除される。これにより記録物P’が回収ユニット8d内に積載される。
<後処理ユニット>
搬送装置1Bには、後処理ユニット10A、10Bが設けられている。後処理ユニット10A、10Bは転写ユニット4よりも搬送方向の下流側に配置され、記録物P’に対して後処理を行う機構である。後処理ユニット10Aは、記録物P’の表面に対する処理を行い、後処理ユニット10Bは、記録物P’の裏面に対する処理を行う。処理の内容としては、例えば記録物P’の画像記録面に、画像の保護や艶出し等を目的としたコーティングを挙げることができる。コーティングの内容としては、例えば、液体の塗布、シートの溶着、ラミネート等を挙げることができる。
<検査ユニット>
搬送装置1Bには、検査ユニット9A、9Bが設けられている。検査ユニット9A、9Bは転写ユニット4よりも搬送方向の下流側に配置され、記録物P’の検査を行う機構である。
本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Aは、連続的に行われる記録動作中に記録画像を撮影する。検査ユニット9Aが撮影した画像に基づいて、記録画像の色味などの経時変化を確認し、画像データあるいは記録データの補正の可否を判断することができる。本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、圧胴42の外周面に撮像範囲が設定されており、転写直後の記録画像を部分的に撮影可能に配置されている。検査ユニット9Aにより全ての記録画像の検査を行ってもよいし、所定数毎に検査を行ってもよい。
本実施形態の場合、検査ユニット9Bも、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Bは、テスト記録動作において記録画像を撮影する。検査ユニット9Bは、記録画像の全体を撮影し、検査ユニット9Bが撮影した画像に基づいて、記録データに関する各種の補正の基本設定を行うことができる。本実施形態の場合、チェーン8cで搬送される記録物P’を撮影する位置に配置されている。検査ユニット9Bにより記録画像を撮影する場合、チェーン8cの走行を一時的に停止して、記録画像の全体を撮影する。検査ユニット9Bは、記録物P’上を走査するスキャナであってもよい。
<制御ユニット>
次に、記録システム1の制御ユニットについて説明する。図4および図5は記録システム1の制御ユニット13のブロック図である。制御ユニット13は、上位装置(DFE)HC2に通信可能に接続され、また、上位装置HC2はホスト装置HC1に通信可能に接続される。
ホスト装置HC1では、記録画像の元になる原稿データが生成、あるいは保存される。ここでの原稿データは、例えば、文書ファイルや画像ファイル等の電子ファイルの形式で生成される。この原稿データは、上位装置HC2へ送信され、上位装置HC2では、受信した原稿データを制御ユニット13で利用可能なデータ形式(例えば、RGBで画像を表現するRGBデータ)に変換する。変換後のデータは、画像データとして上位装置HC2から制御ユニット13へ送信され、制御ユニット13は受信した画像データに基づき、記録動作を開始する。
本実施形態の場合、制御ユニット13は、メインコントローラ13Aと、エンジンコントローラ13Bとに大別される。メインコントローラ13Aは、処理部131、記憶部132、操作部133、画像処理部134、通信I/F(インタフェース)135、バッファ136および通信I/F137を含む。
処理部131は、CPU等のプロセッサであり、記憶部132に記憶されたプログラムを実行し、メインコントローラ13A全体の制御を行う。記憶部132は、RAM、ROM、ハードディスク、SSD等の記憶デバイスであり、処理部(CPU)131が実行するプログラムや、データを格納し、また、処理部131にワークエリアを提供する。操作部133は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力デバイスであり、ユーザの指示を受け付ける。
画像処理部134は例えば画像処理プロセッサを有する電子回路である。バッファ136は、例えば、RAM、ハードディスクやSSDである。通信I/F135は上位装置HC2との通信を行い、通信I/F137はエンジンコントローラ13Bとの通信を行う。図4において破線矢印は、画像データの処理の流れを例示している。上位装置HC2から通信IF135を介して受信された画像データは、バッファ136に蓄積される。画像処理部134はバッファ136から画像データを読み出し、読み出した画像データに所定の画像処理を施して、再びバッファ136に格納する。バッファ136に格納された画像処理後の画像データは、プリントエンジンが用いる記録データとして、通信I/F137からエンジンコントローラ13Bへ送信される。
図5に示すように、エンジンコントローラ13Bは、エンジン制御部14、15A〜15Eを含み、記録システム1が備えるセンサ群およびアクチュエータ群16の検知結果の取得および駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。なお、制御部の区分けは一例であり、一部の制御を更に細分化した複数の制御部で実行してもよいし、逆に、複数の制御部を統合して、それらの制御内容を一つの制御部で行うように構成してもよい。
エンジン制御部14は、エンジンコントローラ13Bの全体の制御を行う。記録制御部15Aは、メインコントローラ13Aから受信した記録データをラスタデータ等、記録ヘッド30の駆動に適したデータ形式に変換する。記録制御部15Aは、各記録ヘッド30の吐出制御を行う。
転写制御部15Bは、付与ユニット5Aの制御、吸収ユニット5Bの制御、加熱ユニット5Cの制御、および清掃ユニット5Dの制御を行う。
信頼性制御部15Cは、供給ユニット6の制御、回復ユニット12の制御、および記録ユニット3を吐出位置POS1と回復位置POS3との間で移動させる駆動機構の制御を行う。
搬送制御部15Dは、搬送装置1Bの制御を行う。検査制御部15Eは、検査ユニット9Bの制御、および検査ユニット9Aの制御を行う。
センサ群およびアクチュエータ群16のうち、センサ群には、可動部の位置や速度を検知するセンサ、温度を検知するセンサ、撮像素子、凹凸検知手段SEN等が含まれる。アクチュエータ群にはモータ、電磁ソレノイド、電磁バルブ等が含まれる。
<動作例>
図6は記録動作の例を模式的に示す図である。転写胴41および圧胴42が回転されつつ、以下の各工程が循環的に行われる。状態ST1に示すように、始めに転写体2上に付与ユニット5Aから反応液Lが付与される。転写体2上の反応液Lが付与された部位は転写胴41の回転に伴って移動していく。反応液Lが付与された部位が記録ヘッド30の下に到達すると、状態ST2に示すように記録ヘッド30から転写体2にインクが吐出される。これによりインク像IMが形成される。その際、吐出されるインクが転写体2上の反応液Lと混ざりあうことで、色材の凝集が促進される。吐出されるインクは、供給ユニット6の貯留部TKから記録ヘッド30に供給される。
転写体2上のインク像IMは転写体2の回転に伴って移動していく。インク像IMが吸収ユニット5Bに到達すると状態ST3に示すように吸収ユニット5Bによりインク像IMから液体成分が吸収される。インク像IMが加熱ユニット5Cに到達すると状態ST4に示すように加熱ユニット5Cによりインク像IMが加熱され、インク像IM中の樹脂が溶融し、インク像IMが造膜される。このようなインク像IMの形成に同期して、搬送装置1Bにより記録媒体Pが搬送される。
状態ST5に示すように、インク像IMと記録媒体Pとが転写体2と圧胴42とのニップ部に到達し、記録媒体Pにインク像IMが転写され、記録物P’が製造される。ニップ部を通過すると、記録物P’に記録された画像が検査ユニット9Aにより撮影され、記録画像が検査される。記録物P’は搬送装置1Bにより回収ユニット8dへ搬送される。
転写体2上のインク像IMが形成されていた部分は、清掃ユニット5Dに到達すると状態ST6に示すように清掃ユニット5Dにより清掃される。清掃後、転写体2は一回転したことになり、同様の手順で記録媒体Pへのインク像の転写が繰り返し行われる。上記の説明では理解を容易にするために、転写体2の一回転で一枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が一回行われるように説明したが、転写体2の一回転で複数枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が連続的に行うことができる。
このような記録動作を継続していくと、各記録ヘッド30のメンテナンスが必要となる。図7は各記録ヘッド30のメンテナンスの際の動作例を示している。状態ST11は、吐出位置POS1に記録ユニット3が位置している状態を示す。状態ST12は、記録ユニット3が予備回復位置POS2を通過している状態を示し、通過中に回復ユニット12により記録ユニット3の各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。その後、状態ST13に示すように、記録ユニット3が回復位置POS3に位置した状態で、回復ユニット12により各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。
<転写体の不良検知動作>
次に、本実施形態における転写体2の不良検知動作について図8を用いて説明する。記録ユニット3、転写ユニット4及び周辺ユニット5は、必要に応じて転写胴41との距離を変更可能な近接ユニットである。近接ユニットは例えば記録動作時は近接する第1位置に移動し、非記録動作時は離間する第2位置に移動することができる。
図8(a)において、凹凸検知手段SENは近接ユニットである記録ユニット3に設けられ、転写胴41および転写体2の回転軸方向に対して略平行に移動可能である。近接ユニットのうち、特に記録ユニット3は記録ヘッド30を搭載しており、記録ヘッド30の吐出口が設けられた吐出口面と転写体2との距離は、転写体2に対する画像形成の精度に影響する。そのため、凹凸検知手段SENを記録ユニット3に設けることで、記録ヘッド30と転写体2との距離を直接検知することができ、インク像IMの画質を向上させることができる。なお、本実施形態では、4枚の転写体2A〜2Dが転写胴41によって支持されている。
不良検知判定手段としての検査制御部15Eは、凹凸検知手段SENによって検知された凹凸検知手段SENと転写体2との距離Δが、公差を含めた所定範囲内か否かによって、転写体2の凹凸状態を判定する。例えば図8(a)に示す凸部21においては、凹凸検知手段SENによって検知される距離Δが所定範囲より小さい値となり、凹部22においては距離Δが所定範囲より大きい値となる。検査制御部15Eは、測定された距離Δが所定範囲より小さいまたは大きい場合、転写体2の表面状態が不良と判定し、距離Δが所定範囲内であれば表面状態が良好であると判定する。凹凸検知手段SENとしては、変位計(レーザ、超音波、静電容量)・カメラ・濃度センサなどの非接触式、圧力計・接触式変位計などの接触式のいずれを用いてもよい。
ここで、凹凸検知手段SENは転写胴41の回転軸方向(Y方向)の長さに対して短いため、記録ユニット3と共に回転軸方向に移動しながら複数回に分けて検知動作を行う。例えば図8(a)に示す例では、凹凸検知手段SENによる1回の検知動作で、所定領域yにおける記録ユニット3と転写体2の距離Δを検知することができる。転写体2のY方向における長さに対応するため、1回の検知動作が終わるとY方向に所定領域y分だけ移動して再び検知動作を行う。このように凹凸検知手段SENは、Y方向への移動と検知動作を複数回(図8(a)においてはy〜yに亘る6回)行うことで、転写体2の不良の有無を検知することができる。なお、検知動作のための記録ユニット3の移動速度は、一定でも可変としてもよい。
また図8(a)における右側には回復ユニット12が配されており(図7参照)、凹凸検知手段SENは記録ヘッド30の長手方向の端部のうち回復ユニット12から離れた側の端部に設けられている。これにより、凹凸検知手段SENを回復ユニット12に近い側の端部に設ける場合と比較して、検知動作のために記録ユニット3を走査する領域を小さくすることができる。
次に、図8(c)を用いて転写胴41(転写体2)の円周方向における、凹凸検知手段SENによる検知動作を説明する。転写胴41の円周方向においては、転写胴41を回転させることで凹凸検知手段SENによる検知対象を変更する。例えば図8(c)に示す転写体2Aに対する検知動作では、凹凸検知手段SENによる1回の検知動作で所定領域rにおける記録ユニット3と転写体2の距離Δを検知することができる。1回の検知動作が終わると、転写胴41を円周方向における転写体2Aの所定領域r分回転させて、再び凹凸検知手段SENによる検知動作を行う。このように凹凸検知手段SENは、転写胴41の所定領域r分の回転と検知動作を複数回(図8(c)においてはr〜rに亘る5回)行うことで、転写体2Aの不良の有無を検知することができる。
ここで、転写胴41の回転速度は検知動作に適した速度に制御してもよいし、記録動作時よりも遅い回転速度に制御してもよい。さらに、凹凸検知手段SENによって転写体2Aの次に転写体2Bを検知する場合は、転写体2Aと転写体2Bの間の取り付け部cにおいては検知動作を省略する。取り付け部cとは、転写胴41に対して転写体2を取り付けるためのものであり、本実施形態のように4枚の転写体2A〜2Dが転写胴41に取り付けられている場合は4つの取り付け部cがある。すなわち、転写体2Aと転写体2Bの間の取り付け部c、転写体2Bと転写体2Cの間の取り付け部c、転写体2Cと転写体2Dの間の取り付け部c、転写体2Dと転写体2Aの間の取り付け部cがある。複数の転写体2に対する検知動作を行う際は、このような取り付け部cにおいて検知動作を省略するように制御することで、スループットを向上することができる。
本実施形態の別の実施例として、図8(b)のように回転軸方向に凹凸検知手段SENを複数配置する形態であってもよい。これにより、凹凸検知手段SENをY方向に移動することなく、検知動作を実行することができる。さらに、転写体2のY方向における長さに対応可能な長さを有する凹凸検知手段SENを用いてもよい。
さらに、図8においては凹凸検知手段SENを記録ユニット3に設ける例を示したが、これに限らず、凹凸検知手段SEN及びその移動手段を記録装置1A内に個別に設ける形態であってもよい。なお、その際の凹凸検知手段SENの移動速度や所定距離は一定でもよいし可変としてもよい。
以上のように、凹凸検知手段SENのY方向への移動と、転写胴41の回転と、検知動作を組み合わせることにより、転写体2の全域における不良検知動作を行うことができる。
続いて図9を用いて、作業者が転写体2の交換動作を行うためのフローチャートを示す。以降では、転写体2Aを交換する場合を例に説明する。まず、ステップS11にて、エンジンコントローラ13Bは近接ユニットである記録ユニット3、転写ユニット4及び周辺ユニット5を転写胴41から離間させる。
ステップS12にて、作業者によって転写体2Aの交換が行われる。転写体2Aの交換終了を不図示のセンサ等で検知すると、ステップS13にて検査制御部15Eは、凹凸検知手段SENを用いた転写体2Aの不良検知動作を行う。
転写体2Aの不良が検知されなかった場合は、ステップS15にてエンジンコントローラ13Bは近接ユニットである記録ユニット3、転写ユニット4及び周辺ユニット5を転写胴41に対して近接させて、画像形成プロセス(記録動作)が行える状態を形成する。
一方転写体2Aの不良が検知された場合は、ステップS16にて操作部133のタッチパネル等を介して不良が検知された旨を通知して、作業者に対して転写体2Aの取り付けを再度行うように促す。そのため、ステップS12に戻って、作業者により転写体2Aの取り付け作業が再度行われる。
このように、近接ユニット(特に記録ユニット3)を離間した状態で転写体2Aの交換が行われた後に、近接ユニットを再び転写胴41(転写体2A)に近接させる前に検知動作を行い、不良が検知された場合は近接ユニットを近接させないように制御する。これにより、特に記録ユニット3に搭載された記録ヘッド30と転写体2Aが接触することを抑制することができる。
図10は、図9のステップS13における不良検知動作の一例を示すフローチャートである。本例では、凹凸検知手段SENが記録ユニット3と一体的にY方向に移動可能である図8(a)及び図8(c)に示す構成の場合を説明する。
まずステップS100にて、エンジンコントローラ13Bは転写胴41を回転させる。ステップS110にて検査制御部15Eは、凹凸検知手段SENにより検知動作を行う対象となる転写体2Aの円周方向における所定領域(検知領域)を領域r1と設定する。
ステップS120にて検査制御部15Eは、凹凸検知手段SENが転写体2AのY方向における領域y1と対向するように、記録ユニット3をY方向に移動させる。また、ステップS130にて検査制御部15Eは、凹凸検知手段SENと領域r1が対向する位置において転写胴41を停止させる。すなわち、ステップS120では凹凸検知手段SENがY方向における検知領域と対向するように記録ユニット3を移動し、ステップS130では凹凸検知手段SENが回転軸方向における検知領域と対向するように転写胴41を移動する。
ステップS140にて検査制御部15Eは、凹凸検知手段SENによって測定された値を取得する。すなわちステップS140においては、転写胴41の円周方向において領域r1、回転軸方向において領域y1の検知領域における、凹凸検知手段SENと転写体2の距離Δが取得される。
ステップS150にて検査制御部15Eは、取得された測定値が所定の上限値未満であり、所定の下限値より大きいか否かを判定する。ここで下限値は、近接ユニットである記録ユニット3、転写ユニット4、周辺ユニット5のうち、最も転写胴41に近接しているユニットが接触しない状態を確保できる値である。また上限値は、近接ユニットである記録ユニット3、転写ユニット4、周辺ユニット5のそれぞれが、画像形成プロセスの際に転写体2に対して必要な距離のうち最も小さい値である。
測定値が条件を満たしていない場合は、ステップS160にて現在の検知領域(円周方向における領域r1でありY方向における領域y1)において、転写体2の不良が検知されたことを記憶部132に記憶する。
測定値が条件を満たしている場合は、ステップS170にて検査制御部15Eが、転写体2Aのうち円周方向の領域r5までの検知動作が終わっているか判定する。終わっていない場合はステップS180にて、検査制御部15Eが、円周方向における領域rを次の検知領域に変更する。例えば、領域r1の検知動作が終了している場合は、領域r2を次の測定領域として設定する。そして、ステップS130に戻って検知動作を繰り返す。これにより、Y方向の測定領域y1において、転写体2Aの円周方向における全ての領域r1〜r5の検知動作が完了する。
ステップS170にて領域r5までの検知動作が終わったと判定された場合は、ステップS190にて検査制御部15Eが、転写体2AのうちY方向の領域y6までの検知動作が終わっているか判定する。終わっていない場合はステップS200にて、検査制御部15Eが、記録ユニット3をY方向に移動させて、Y方向における測定領域を次の領域に変更する。例えば、領域y1の検知動作が終了している場合は、領域y2を次の測定領域として設定して、記録ユニット3を移動させる。そして、ステップS130に戻って検知動作を繰り返す。これにより、転写体2AのY方向における全ての領域y1〜y6の検知動作が完了する。
ステップS190にて領域y6までの検知動作が終わったと判定された場合は、ステップS210にて、エンジンコントローラ13Bが転写胴41の回転を停止する。ステップS220にて、検査制御部15Eによって不良が一つも検知されていないか判定する。記憶部132によって不良が一つも記憶されていない場合は、図9のステップS15に進む。
一方、記憶部132によって不良が記憶されている場合は、検査制御部15Eは転写体2の不良が検知されたと判定して図9のステップS16に進む。ステップS16にて作業者に不良があることを通知する際に、記憶部132によって記憶されている不良を検知した領域も通知することができる。すなわち、転写体2Aのどの領域において不良が検知されたかを作業者に報知することができ、これにより、作業者は転写体2Aの取り付け作業を効率よく行える。
以上説明した不良検知動作を行うことで、転写体2に不良がある場合、または作業者によって転写体2の交換が適切に行われていない場合に、検知手段によって適切に検知することができる。これにより、転写体2と近接する記録ユニット3、転写ユニット4及び周辺ユニット5が誤って転写体2と接触して破損することを抑制することができる。また、転写胴41に対して複数の転写体2が間欠的に取り付けられている構成の場合は、交換された転写体2のみを対象として検知動作を行うことができる。
なお、本実施形態では作業者による転写体2の交換動作が行われた後に不良検知動作を行う形態を示したが、これに限らず記録動作が行われる前に不良検知動作を行ってもよい。これにより、記録動作の際に記録ユニット3(記録ヘッド30)と転写体2が接触することを抑制し、印字精度を向上させることができる。
図11は、凹凸検知手段SENの別実施例を説明する図である。図11(a)に示す凹凸検知手段SENは、接触ローラRO、弾性部材SP及び不図示のセンサによって構成される。接触ローラROは、転写胴41の回転軸方向全域に亘る長さを有し、弾性部材SPにより転写体2に向かう方向に付勢されている。
この状態で転写胴41を回転させると、転写体2に不良(凹凸)がある場合、例えば凸部によって接触ローラROが付勢方向に抗して押し上げられて移動する(図11(b)参照)。この接触ローラROの相対位置のズレをセンサによって検知することで、転写体2の不良を検知することが可能である。なお、センサとしては距離センサ・圧力センサ・角度センサなどを用いることができる。また接触ローラROは、従動ローラ・駆動ローラのいずれであってもよいし、転写体2と摺動する摺動部材によって構成してもよい。
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、記録ユニット3が複数の記録ヘッド30を有するが、一つの記録ヘッド30を有してもよい。また、記録ヘッド30はフルラインヘッドでなくてもよく、記録ヘッド30をY方向に走査させながらインク像を形成するシリアル方式であってもよい。
記録媒体Pの搬送機構は、ローラ対によって記録媒体Pを挟持して搬送する方式等、他の方式であってもよい。ローラ対によって記録媒体Pを搬送する方式等においては、記録媒体Pとしてロールシートを用いてもよく、転写後にロールシートをカットして記録物P’を製造してもよい。
上記実施形態では、転写体2を転写胴41の外周面に設けたが、転写体2を無端の帯状に形成し、循環的に走行させる方式等、他の方式であってもよい。
また、本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1A 記録装置
3 記録ユニット
41 転写胴
SEN 凹凸検知手段

Claims (15)

  1. 回転する転写胴と、
    前記転写胴の画像形成領域にインクを吐出して画像を形成する記録ユニットと、
    前記画像形成領域に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段と、を備え、
    前記記録ユニットは画像を形成するための第1位置と、前記第1位置より前記転写胴との距離が大きい第2位置とに移動可能な記録装置であって、
    前記画像形成領域の表面状態を検知する検知手段と、
    前記検知手段の検知結果に基づいて前記記録ユニットを前記第2位置から前記第1位置へ移動させるか否かを制御する制御手段と、を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御手段は、前記表面状態が良好の場合は前記記録ユニットを前記第1位置へ移動させ、前記表面状態が不良の場合は前記記録ユニットを前記第1位置へ移動させないことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記表面状態が不良の場合は、作業者に報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記検知手段は、前記検知手段と前記画像形成領域との距離を測定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 前記検知手段は、前記転写胴と接触して前記転写胴の表面に凸があるか否かを検知することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記転写胴は、前記画像形成領域を有する転写体が交換可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 前記検知手段による検知動作は、前記記録ユニットを前記第2位置に移動した状態で行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 前記検知手段は、前記転写胴の回転によって検知する検知領域を変更することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記検知手段は、前記転写胴の回転軸方向に沿って前記転写胴の長さに相当する領域に複数配置されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 前記検知手段は、前記転写胴の回転軸方向に移動することによって検知する検知領域を変更することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
  11. 前記検知手段は前記記録ユニットに設けられていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の記録装置。
  12. 前記記録ユニットは、前記転写胴の回転軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項11に記載の記録装置。
  13. 前記検知手段は、作業者によって前記転写体が交換された後に前記表面状態を検知することを特徴とする請求項6から12のいずれか1項に記載の記録装置。
  14. 回転する転写胴と、前記転写胴の画像形成領域にインクを吐出して画像を形成する記録ユニットと、前記画像形成領域に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段と、を備え、前記記録ユニットは画像を形成するための第1位置と、前記第1位置より前記転写胴との距離が大きい第2位置とに移動可能である記録装置の制御方法であって、
    前記画像形成領域の表面状態を検知する検知工程と、
    前記検知工程の検知結果に基づいて前記記録ユニットを前記第2位置から前記第1位置へ移動させるか否かを制御する制御工程と、を有することを特徴とする制御方法。
  15. 回転する転写胴と、
    前記転写胴の画像形成領域にインクを吐出して画像を形成する記録ユニットと、
    前記画像形成領域に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段と、を備え、
    前記転写胴との距離が近接する位置と離間する位置とになるように前記転写胴に対して相対移動可能なユニットと、を備える記録装置であって、
    前記画像形成領域の表面状態を検知する検知手段と、
    前記検知手段の検知結果に基づいて前記ユニットを前記離間する位置から前記近接する位置に相対移動させるか否かを制御する制御手段と、を備えることを特徴とする記録装置。
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