JP2019142030A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 記録ヘッドをより高精度に位置決めすることができる技術を提供する。【解決手段】 ドラムの外周面に対してインクを吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドと外周面との間の距離を検知する検知手段と、記録ヘッドを外周面の法線方向に昇降させることにより当該距離を調整する距離調整機構と、を備えるインクジェット記録装置であって、記録ヘッドを回転させることにより記録ヘッドの外周面の接線方向に対する角度を調整する角度調整機構と、検知手段による検知結果に基づいて距離調整機構と角度調整機構とを制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。【選択図】 図13
Description
本発明は、インクジェット記録装置に関する。
特許文献1には、ドラムの外周面に対して記録ヘッドを位置決めする技術が開示されている。当該技術では、台座にダミーヘッドを取り付け、ダミーヘッドに設けられた位置決めピンをドラムに形成された一対の位置決め穴に嵌入させる。これにより台座がドラムに対して位置決めされ、当該位置決めされた台座に記録ヘッドを取り付けることで、記録ヘッドがドラムに対して位置決めされる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、記録ヘッドをドラムに対して位置決めする際に、記録ヘッド、ダミーヘッド、台座、ドラムなど複数の部材を介在させる必要があるため、位置決め精度にばらつきが生じてしまうおそれがある。結果、記録ヘッドとドラムの間の距離が大きくなると、インク滴の着弾精度の低下やミストの発生を引き起こし、画像品質が低下してしまうおそれがある。一方、記録ヘッドとドラムの間の距離が小さくなると、ドラムの外周面と記録ヘッドの間で擦れが生じ、同様に画像品質が低下してしまうおそれがある。
また、特に複数の記録ヘッドを有する記録装置の場合、複数の記録ヘッドをドラムの外周面に対向して配置する必要があるため、ドラムが大径化し、より高い精度での位置決めが要求される。
本発明は上記課題に鑑み、記録ヘッドをより高精度に位置決めすることができる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、ドラムの外周面に対してインクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドと前記外周面との間の距離を検知する検知手段と、前記記録ヘッドを前記外周面の法線方向に昇降させることにより前記距離を調整する距離調整機構と、を備えるインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドを回転させることにより前記記録ヘッドの前記外周面の接線方向に対する角度を調整する角度調整機構と、前記検知手段による検知結果に基づいて、前記距離調整機構と前記角度調整機構とを制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッドをより高精度に位置決めすることができる。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。各図において、矢印XおよびYは水平方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。各図において、矢印XおよびYは水平方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
<記録システム>
図1は本発明の第1実施形態に係る記録システム1を概略的に示した正面図である。記録システム1は、転写体2を介して記録媒体Pにインク像を転写することで記録物P’を製造する、枚葉式のインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)である。記録システム1は、記録装置1Aと、搬送装置1Bとを含む。本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、記録システム1の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体PはX方向に搬送される。
図1は本発明の第1実施形態に係る記録システム1を概略的に示した正面図である。記録システム1は、転写体2を介して記録媒体Pにインク像を転写することで記録物P’を製造する、枚葉式のインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)である。記録システム1は、記録装置1Aと、搬送装置1Bとを含む。本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、記録システム1の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体PはX方向に搬送される。
なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本実施形態では「記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であっても良い。
インクの成分については、特に限定はないが、本実施形態では、色材である顔料、水、樹脂を含む水性顔料インクを用いる場合を想定する。
<記録装置>
記録装置1Aは、記録ユニット3、転写ユニット4、周辺ユニット5A〜5D、および、供給ユニット6を含む。
記録装置1Aは、記録ユニット3、転写ユニット4、周辺ユニット5A〜5D、および、供給ユニット6を含む。
<記録ユニット>
記録ユニット3は、複数の記録ヘッド30と、キャリッジ31とを含む。図1と図2を参照する。図2は記録ユニット3の斜視図である。記録ヘッド30は、転写体2に液体インクを吐出し、転写体2上に記録画像のインク像を形成する。
記録ユニット3は、複数の記録ヘッド30と、キャリッジ31とを含む。図1と図2を参照する。図2は記録ユニット3の斜視図である。記録ヘッド30は、転写体2に液体インクを吐出し、転写体2上に記録画像のインク像を形成する。
本実施形態の場合、各記録ヘッド30は、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの記録媒体の画像記録領域の幅分をカバーする範囲にノズル(吐出口)が配列されている。記録ヘッド30は、その下面に、ノズルが開口したインク吐出面(吐出口面)を有しており、インク吐出面は、微小隙間(例えば数mm)を介して転写体2の表面と対向している。本実施形態の場合、転写体2は円軌道上を循環的に移動する構成であるため、複数の記録ヘッド30は、放射状に配置されている。
各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気−機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。高速で高密度の記録の観点からは電気−熱変換体を利用した吐出素子を用いることができる。
本実施形態の場合、記録ヘッド30は、9つ設けられている。各記録ヘッド30は、互いに異なる種類のインクを吐出する。異なる種類のインクとは、例えば、色材が異なるインクであり、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク等のインクである。1つの記録ヘッド30は1種類のインクを吐出するが、1つの記録ヘッド30が複数種類のインクを吐出する構成であっても良い。このように複数の記録ヘッド30を設けた場合、そのうちの一部が色材を含まないインク(例えばクリアインク)を吐出しても良い。
キャリッジ31は、複数の記録ヘッド30を支持する。各記録ヘッド30は、インク吐出面側の端部がキャリッジ31に固定されている。これにより、インク吐出面と転写体2との表面の隙間をより精密に維持することができる。キャリッジ31は、案内部材RLの案内によって、記録ヘッド30を搭載しつつ変位可能に構成されている。本実施形態の場合、案内部材RLは、Y方向に延設されたレール部材であり、X方向に離間して一対設けられている。キャリッジ31のX方向の各側部にはスライド部32が設けられている。スライド部32は案内部材RLと係合し、案内部材RLに沿ってY方向にスライドする。
図3は記録ユニット3の変位態様を示しており、記録システム1の右側面を模式的に示した図である。記録システム1の後部には回復ユニット12が設けられている。回復ユニット12は記録ヘッド30の吐出性能を回復する機構を有する。そのような機構としては、例えば、記録ヘッド30のインク吐出面をキャッピングするキャップ機構、インク吐出面をワイピングするワイパ機構、インク吐出面から記録ヘッド30内のインクを負圧吸引する吸引機構を挙げることができる。
案内部材RLは、転写体2の側方から回復ユニット12に渡って延設されている。記録ユニット3は、案内部材RLの案内により、実線で記録ユニット3を示した吐出位置POS1と、破線で記録ユニット3を示した回復位置POS3との間で変位可能であり、不図示の駆動機構により移動される。
吐出位置POS1は、記録ユニット3が転写体2にインクを吐出する位置であり、記録ヘッド30のインク吐出面が転写体2の表面に対向する位置である。回復位置POS3は、吐出位置POS1から退避した位置であり、記録ユニット3が回復ユニット12上に位置する位置である。回復ユニット12は記録ユニット3が回復位置POS3に位置した場合に、記録ヘッド30に対する回復処理を実行可能である。本実施形態の場合、記録ユニット3が回復位置POS3に到達する前の移動途中においても回復処理を実行可能である。吐出位置POS1と回復位置POS3の間には予備回復位置POS2がある。回復ユニット12は記録ヘッド30が吐出位置POS1から回復位置POS3へ移動している間に、予備回復位置POS2において記録ヘッド30に対する予備的な回復処理を実行可能である。
<転写ユニット>
図1を参照して転写ユニット4について説明する。転写ユニット4は、転写ドラム(単にドラム、転写胴とも称する)41と圧胴42とを含む。これらの胴は、Y方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。図1において、転写ドラム41および圧胴42の各図形内に示した矢印は、これらの回転方向を示しており、転写ドラム41は時計回りに、圧胴42は反時計回りに回転する。
図1を参照して転写ユニット4について説明する。転写ユニット4は、転写ドラム(単にドラム、転写胴とも称する)41と圧胴42とを含む。これらの胴は、Y方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。図1において、転写ドラム41および圧胴42の各図形内に示した矢印は、これらの回転方向を示しており、転写ドラム41は時計回りに、圧胴42は反時計回りに回転する。
転写ドラム41は、その外周面に転写体2を支持する支持体である。転写体2は、転写ドラム41の外周面上に、周方向に連続的にあるいは間欠的に設けられる。連続的に設けられる場合、転写体2は無端の帯状に形成される。間欠的に設けられる場合、転写体2は、有端の帯状に複数のセグメントに分けて形成され、各セグメントは転写ドラム41の外周面に等ピッチで円弧状に配置することができる。
転写ドラム41の回転により、転写体2は円軌道上を循環的に移動する。転写ドラム41の回転位相により、転写体2の位置は、吐出前処理領域R1、吐出領域R2、吐出後処理領域R3およびR4、転写領域R5、転写後処理領域R6に区別することができる。転写体2はこれらの領域を循環的に通過する。
吐出前処理領域R1は、記録ユニット3によるインクの吐出前に転写体2に対する前処理を行う領域であり、周辺ユニット5Aによる処理が行われる領域である。本実施形態の場合、反応液が付与される。吐出領域R2は記録ユニット3が転写体2にインクを吐出してインク像を形成する形成領域である。吐出後処理領域R3およびR4はインクの吐出後にインク像に対する処理を行う処理領域であり、吐出後処理領域R3は周辺ユニット5Bによる処理が行われる領域であり、吐出後処理領域R4は周辺ユニット5Cによる処理が行われる領域である。転写領域R5は転写ユニット4により転写体2上のインク像が記録媒体Pに転写される領域である。転写後処理領域R6は、転写後に転写体2に対する後処理を行う領域であり、周辺ユニット5Dによる処理が行われる領域である。
本実施形態の場合、吐出領域R2は、一定の区間を有する領域である。他の領域R1、R3〜R6は、吐出領域R2に比べるとその区間は狭い。時計の文字盤に喩えると、本実施形態の場合、吐出前処理領域R1は概ね10時の位置であり、吐出領域R2は概ね11時から1時の範囲であり、吐出後処理領域R3は概ね2時の位置であり、吐出後処理領域R4は概ね4時の位置である。転写領域R5は概ね6時の位置であり、転写後処理領域R6は概ね8時の領域である。
転写体2は、単層から構成しても良いが、複数層の積層体としても良い。複数層で構成する場合、例えば、表面層、弾性層、圧縮層の三層を含んでも良い。表面層はインク像が形成される画像形成面を有する最外層である。圧縮層を設けることで、圧縮層が変形を吸収し、局所的な圧力変動に対してその変動を分散し、高速記録時においても転写性を維持することができる。弾性層は表面層と圧縮層との間の層である。
表面層の材料としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。表面層には、反応液の濡れ性、画像の転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いても良い。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせても良い。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
圧縮層の材料としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。このようなゴム材料の成形時には、所定量の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに発泡剤、中空微粒子或いは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し、多孔質のゴム材料としても良い。これにより、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものがあるが、いずれの構造であっても良く、これらの構造を併用しても良い。
弾性層の部材としては、樹脂、セラミック等、各種材料を適宜用いることができる。加工特性等の点で、各種エラストマー材料、ゴム材料を用いることができる。具体的には、例えばフルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。また、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムは、圧縮永久ひずみが小さいため、寸法安定性、耐久性の面で有利である。また、温度による弾性率の変化が小さく、転写性の点でも有利である。
表面層と弾性層の間、弾性層と圧縮層の間には、これらを固定するために各種接着剤や両面テープを用いることもできる。また、転写体2は、転写ドラム41に装着する際の横伸びの抑制や、コシを保つために圧縮弾性率が高い補強層を含んでも良い。また、織布を補強層としても良い。転写体2は前記材質による各層を任意に組み合わせて作製することができる。
圧胴42は、その外周面が転写体2に圧接される。圧胴42の外周面には、記録媒体Pの先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。グリップ機構は圧胴42の周方向に離間して複数設けても良い。記録媒体Pは圧胴42の外周面に密接して搬送されつつ、圧胴42と転写体2とのニップ部を通過するときに、転写体2上のインク像が転写される。
転写ドラム41と圧胴42とを駆動するモータ等の駆動源は、これらに共通とし、歯車機構等の伝達機構により、駆動力を分配することができる。
<周辺ユニット>
周辺ユニット5A〜5Dは転写ドラム41の周囲に配置されている。本実施形態の場合、周辺ユニット5A〜5Dは、順に、付与ユニット、吸収ユニット、加熱ユニット、清掃ユニットである。
周辺ユニット5A〜5Dは転写ドラム41の周囲に配置されている。本実施形態の場合、周辺ユニット5A〜5Dは、順に、付与ユニット、吸収ユニット、加熱ユニット、清掃ユニットである。
付与ユニット5Aは、記録ユニット3によるインクの吐出前に、転写体2上に反応液を付与する機構である。反応液は、インクを高粘度化する成分を含有する液体である。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している色材や樹脂等がインクを高粘度化する成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインクの粘度の上昇が認められることである。このインクの高粘度化には、インク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂等のインクを構成する成分の一部が凝集することにより局所的に粘度の上昇が生じる場合も含まれる。
インクを高粘度化する成分は、金属イオン、高分子凝集剤など、特に制限はないが、インクのpH変化を引き起こして、インク中の色材を凝集させる物質を用いることができ、有機酸を用いることができる。反応液の付与機構としては、例えば、ローラ、記録ヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。転写体2に対するインクの吐出前に反応液を転写体2に付与しておくと、転写体2に達したインクを直ちに定着させることができる。これにより、隣接するインク同士が混ざり合うブリーディングを抑制することができる。
吸収ユニット5Bは、転写前に、転写体2上のインク像から液体成分を吸収する機構である。インク像の液体成分を減少させることで、記録媒体Pに記録される画像のにじみ等を抑制することができる。液体成分の減少を異なる視点で説明すれば、転写体2上のインク像を構成するインクを濃縮すると表現することもできる。インクを濃縮するとは、インクに含まれる液体成分が減少することによって、インクに含まれる色材や樹脂といった固形分の液体成分に対する含有割合が増加することを意味する。
吸収ユニット5Bは、例えば、インク像に接触してインク像の液体成分の量を減少させる液吸収部材を含む。液吸収部材はローラの外周面に形成されても良いし、液吸収部材が無端のシート状に形成され、循環的に走行されるものでも良い。インク像の保護の点で、液吸収部材の移動速度を転写体2の周速度と同じにして液吸収部材を転写体2と同期して移動させても良い。
液吸収部材は、インク像に接触する多孔質体を含んでも良い。液吸収部材へのインク固形分付着を抑制するため、インク像に接触する面の多孔質体の孔径は、10μm以下であっても良い。ここで、孔径とは平均直径のことを示し、公知の手段、例えば水銀圧入法や、窒素吸着法、SEM画像観察等で測定可能である。なお、液体成分は、一定の形を有さず、流動性があり、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられる。
加熱ユニット5Cは、転写前に、転写体2上のインク像を加熱する機構である。インク像を加熱することで、インク像中の樹脂が溶融し、記録媒体Pへの転写性を向上する。加熱温度は、樹脂の最低造膜温度(MFT)以上とすることができる。MFTは一般的に知られている手法、例えばJIS K 6828−2:2003や、ISO2115:1996に準拠した各装置で測定することが可能である。転写性及び画像の堅牢性の観点から、MFTよりも10℃以上高い温度で加熱しても良く、更に、20℃以上高い温度で加熱しても良い。加熱ユニット5Cは、例えば、赤外線等の各種ランプ、温風ファン等、公知の加熱デバイスを用いることができる。加熱効率の点で、赤外線ヒータを用いることができる。
清掃ユニット5Dは、転写後に転写体2上を清掃する機構である。清掃ユニット5Dは、転写体2上に残留したインクや、転写体2上のごみ等を除去する。清掃ユニット5Dは、例えば、多孔質部材を転写体2に接触させる方式、ブラシで転写体2の表面を擦る方式、ブレードで転写体2の表面をかきとる方式等の公知の方式を適宜用いることができる。また、清掃に用いる清掃部材は、ローラ形状、ウェブ形状等、公知の形状を用いることができる。
以上の通り、本実施形態では、付与ユニット5A、吸収ユニット5B、加熱ユニット5C、清掃ユニット5Dを周辺ユニットとして備えるが、これらの一部のユニットに転写体2の冷却機能を付与するか、あるいは、冷却ユニットを追加しても良い。本実施形態では、加熱ユニット5Cの熱により転写体2の温度が上昇する場合がある。記録ユニット3により転写体2にインクを吐出した後、インク像がインクの主溶剤である水の沸点を超えると、吸収ユニット5Bによる液体成分の吸収性能が低下する場合がある。吐出されたインクが水の沸点未満に維持されるように転写体2を冷却することで、液体成分の吸収性能を維持することができる。
冷却ユニットは、転写体2に送風する送風機構や、転写体2に部材(例えばローラ)を接触させ、この部材を空冷または水冷で冷却する機構であっても良い。また、清掃ユニット5Dの清掃部材を冷却する機構であっても良い。冷却タイミングは、転写後、反応液の付与前までの期間であっても良い。
<供給ユニット>
供給ユニット6は、記録ユニット3の各記録ヘッド30にインクを供給する機構である。供給ユニット6は記録システム1の後部側に設けられていても良い。供給ユニット6は、インクの種類毎に、インクを貯留する貯留部TKを備える。貯留部TKは、メインタンクとサブタンクとによって構成されても良い。各貯留部TKと各記録ヘッド30とは流路6aで連通し、貯留部TKから記録ヘッド30へインクが供給される。流路6aは、貯留部TKと記録ヘッド30との間でインクを循環させる流路であっても良く、供給ユニット6はインクを循環させるポンプ等を備えても良い。流路6aの途中または貯留部TKには、インク中の気泡を脱気する脱気機構を設けても良い。流路6aの途中または貯留部TKには、インクの液圧と大気圧との調整を行うバルブを設けても良い。貯留部TK内のインク液面が、記録ヘッド30のインク吐出面よりも低い位置となるように、貯留部TKと記録ヘッド30のZ方向の高さが設計されても良い。
供給ユニット6は、記録ユニット3の各記録ヘッド30にインクを供給する機構である。供給ユニット6は記録システム1の後部側に設けられていても良い。供給ユニット6は、インクの種類毎に、インクを貯留する貯留部TKを備える。貯留部TKは、メインタンクとサブタンクとによって構成されても良い。各貯留部TKと各記録ヘッド30とは流路6aで連通し、貯留部TKから記録ヘッド30へインクが供給される。流路6aは、貯留部TKと記録ヘッド30との間でインクを循環させる流路であっても良く、供給ユニット6はインクを循環させるポンプ等を備えても良い。流路6aの途中または貯留部TKには、インク中の気泡を脱気する脱気機構を設けても良い。流路6aの途中または貯留部TKには、インクの液圧と大気圧との調整を行うバルブを設けても良い。貯留部TK内のインク液面が、記録ヘッド30のインク吐出面よりも低い位置となるように、貯留部TKと記録ヘッド30のZ方向の高さが設計されても良い。
<搬送装置>
搬送装置1Bは、記録媒体Pを転写ユニット4へ給送し、インク像が転写された記録物P’を転写ユニット4から排出する装置である。搬送装置1Bは、給送ユニット7、複数の搬送胴8、8a、二つのスプロケット8b、チェーン8cおよび回収ユニット8dを含む。図1において、搬送装置1Bの各構成の図形の内側の矢印はその構成の回転方向を示し、外側の矢印は記録媒体Pまたは記録物P’の搬送経路を示している。記録媒体Pは給送ユニット7から転写ユニット4へ搬送され、記録物P’は転写ユニット4から回収ユニット8dへ搬送される。給送ユニット7側を搬送方向で上流側と呼び、回収ユニット8d側を下流側と呼ぶ場合がある。
搬送装置1Bは、記録媒体Pを転写ユニット4へ給送し、インク像が転写された記録物P’を転写ユニット4から排出する装置である。搬送装置1Bは、給送ユニット7、複数の搬送胴8、8a、二つのスプロケット8b、チェーン8cおよび回収ユニット8dを含む。図1において、搬送装置1Bの各構成の図形の内側の矢印はその構成の回転方向を示し、外側の矢印は記録媒体Pまたは記録物P’の搬送経路を示している。記録媒体Pは給送ユニット7から転写ユニット4へ搬送され、記録物P’は転写ユニット4から回収ユニット8dへ搬送される。給送ユニット7側を搬送方向で上流側と呼び、回収ユニット8d側を下流側と呼ぶ場合がある。
給送ユニット7は、複数の記録媒体Pが積載される積載部を含むと共に、積載部から一枚ずつ記録媒体Pを、最上流の搬送胴8に給送する給送機構を含む。各搬送胴8、8aはY方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。各搬送胴8、8aの外周面には、記録媒体P(または記録物P’)の先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。各グリップ機構は、隣接する搬送胴間で記録媒体Pを受け渡されるように、その把持動作および解除動作が制御される。
二つの搬送胴8aは、記録媒体Pの反転用の搬送胴である。記録媒体Pを両面記録する場合、表面への転写後に、圧胴42から下流側に隣接する搬送胴8へ記録媒体Pを渡さずに、搬送胴8aに渡す。記録媒体Pは、二つの搬送胴8aを経由して表裏が反転され、圧胴42の上流側の搬送胴8を経由して再び圧胴42へ渡される。これにより、記録媒体Pの裏面が転写ドラム41に面することになり、裏面にインク像が転写される。
チェーン8cは、二つのスプロケット8b間に巻き回されている。二つのスプロケット8bの一方は駆動スプロケットであり他方は従動スプロケットである。駆動スプロケットの回転によりチェーン8cが循環的に走行する。チェーン8cには、その長手方向に離間して複数のグリップ機構が設けられている。グリップ機構は、記録物P’の端部を把持する。下流端に位置する搬送胴8からチェーン8cのグリップ機構に記録物P’が渡され、グリップ機構に把持された記録物P’はチェーン8cの走行により回収ユニット8dへ搬送され、把持が解除される。これにより記録物P’が回収ユニット8d内に積載される。
<後処理ユニット>
搬送装置1Bには、後処理ユニット10A、10Bが設けられている。後処理ユニット10A、10Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’に対して後処理を行う機構である。後処理ユニット10Aは、記録物P’の表面に対する処理を行い、後処理ユニット10Bは、記録物P’の裏面に対する処理を行う。処理の内容としては、例えば、記録物P’の画像記録面に、画像の保護や艶出し等を目的としたコーティングを挙げることができる。コーティングの内容としては、例えば、液体の塗布、シートの溶着、ラミネート等を挙げることができる。
搬送装置1Bには、後処理ユニット10A、10Bが設けられている。後処理ユニット10A、10Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’に対して後処理を行う機構である。後処理ユニット10Aは、記録物P’の表面に対する処理を行い、後処理ユニット10Bは、記録物P’の裏面に対する処理を行う。処理の内容としては、例えば、記録物P’の画像記録面に、画像の保護や艶出し等を目的としたコーティングを挙げることができる。コーティングの内容としては、例えば、液体の塗布、シートの溶着、ラミネート等を挙げることができる。
<検査ユニット>
搬送装置1Bには、検査ユニット9A、9Bが設けられている。検査ユニット9A、9Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’の検査を行う機構である。
搬送装置1Bには、検査ユニット9A、9Bが設けられている。検査ユニット9A、9Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’の検査を行う機構である。
本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Aは、連続的に行われる記録動作中に、記録画像を撮影する。検査ユニット9Aが撮影した画像に基づいて、記録画像の色味などの経時変化を確認し、画像データあるいは記録データの補正の可否を判断することができる。本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、圧胴42の外周面に撮像範囲が設定されており、転写直後の記録画像を部分的に撮影可能に配置されている。検査ユニット9Aにより全ての記録画像の検査を行っても良いし、所定数毎に検査を行っても良い。
本実施形態の場合、検査ユニット9Bも、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Bは、テスト記録動作において記録画像を撮影する。検査ユニット9Bは、記録画像の全体を撮影し、検査ユニット9Bが撮影した画像に基づいて、記録データに関する各種の補正の基本設定を行うことができる。本実施形態の場合、チェーン8cで搬送される記録物P’を撮影する位置に配置されている。検査ユニット9Bにより記録画像を撮影する場合、チェーン8cの走行を一時的に停止して、その全体を撮影する。検査ユニット9Bは、記録物P’上を走査するスキャナであっても良い。
<制御ユニット>
次に、記録システム1の制御ユニットについて説明する。図4および図5は記録システム1の制御ユニット13のブロック図である。制御ユニット13は、上位装置(DFE)HC2に通信可能に接続され、また、上位装置HC2はホスト装置HC1に通信可能に接続される。
次に、記録システム1の制御ユニットについて説明する。図4および図5は記録システム1の制御ユニット13のブロック図である。制御ユニット13は、上位装置(DFE)HC2に通信可能に接続され、また、上位装置HC2はホスト装置HC1に通信可能に接続される。
ホスト装置HC1では、記録画像の元になる原稿データが生成、あるいは保存される。ここでの原稿データは、例えば、文書ファイルや画像ファイル等の電子ファイルの形式で生成される。この原稿データは、上位装置HC2へ送信され、上位装置HC2では、受信した原稿データを制御ユニット13で利用可能なデータ形式(例えば、RGBで画像を表現するRGBデータ)に変換する。変換後のデータは、画像データとして上位装置HC2から制御ユニット13へ送信され、制御ユニット13は受信した画像データに基づき、記録動作を開始する。
本実施形態の場合、制御ユニット13は、メインコントローラ13Aと、エンジンコントローラ13Bとに大別される。メインコントローラ13Aは、処理部131、記憶部132、操作部133、画像処理部134、通信I/F(インタフェース)135、バッファ136および通信I/F137を含む。
処理部131は、CPU等のプロセッサであり、記憶部132に記憶されたプログラムを実行し、メインコントローラ13A全体の制御を行う。記憶部132は、RAM、ROM、ハードディスク、SSD等の記憶デバイスであり、CPU131が実行するプログラムや、データを格納し、また、CPU131にワークエリアを提供する。操作部133は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力デバイスであり、ユーザの指示を受け付ける。
画像処理部134は例えば画像処理プロセッサを有する電子回路である。バッファ136は、例えば、RAM、ハードディスクやSSDである。通信I/F135は上位装置HC2との通信を行い、通信I/F137はエンジンコントローラ13Bとの通信を行う。図4において破線矢印は、画像データの処理の流れを例示している。上位装置HC2から通信I/F135を介して受信された画像データは、バッファ136に蓄積される。画像処理部134はバッファ136から画像データを読み出し、読み出した画像データに所定の画像処理を施して、再びバッファ136に格納する。バッファ136に格納された画像処理後の画像データは、プリントエンジンが用いる記録データとして、通信I/F137からエンジンコントローラ13Bへ送信される。
図5に示すように、エンジンコントローラ13Bは、制御部14、15A〜15Eを含み、記録システム1が備えるセンサ群およびアクチュエータ群16の検知結果の取得および駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。なお、制御部の区分けは一例であり、一部の制御を更に細分化した複数の制御部で実行しても良いし、逆に、複数の制御部を統合して、それらの制御内容を一つの制御部で行うように構成しても良い。
エンジン制御部14は、エンジンコントローラ13Bの全体の制御を行う。記録制御部15Aは、メインコントローラ13Aから受信した記録データをラスタデータ等、記録ヘッド30の駆動に適したデータ形式に変換する。記録制御部15Aは、各記録ヘッド30の吐出制御を行う。
転写制御部15Bは、付与ユニット5Aの制御、吸収ユニット5Bの制御、加熱ユニット5Cの制御、および清掃ユニット5Dの制御を行う。
信頼性制御部15Cは、供給ユニット6の制御、回復ユニット12の制御、および記録ユニット3を吐出位置POS1と回復位置POS3との間で移動させる駆動機構の制御を行う。
搬送制御部15Dは、転写ユニット4の駆動制御や、搬送装置1Bの制御を行う。検査制御部15Eは、検査ユニット9Bの制御、および検査ユニット9Aの制御を行う。
センサ群およびアクチュエータ群16のうち、センサ群には、可動部の位置や速度を検知するセンサ、温度を検知するセンサ、撮像素子等が含まれる。アクチュエータ群にはモータ、電磁ソレノイド、電磁バルブ等が含まれる。
<動作例>
図6は記録動作の例を模式的に示す図である。転写ドラム41および圧胴42が回転されつつ、以下の各工程が循環的に行われる。状態ST1に示すように、始めに転写体2上に付与ユニット5Aから反応液Lが付与される。転写体2上の反応液Lが付与された部位は転写ドラム41の回転に伴って移動していく。反応液Lが付与された部位が記録ヘッド30の下に到達すると、状態ST2に示すように記録ヘッド30から転写体2にインクが吐出される。これによりインク像IMが形成される。その際、吐出されるインクが転写体2上の反応液Lと混ざり合うことで、色材の凝集が促進される。吐出されるインクは、供給ユニット6の貯留部TKから記録ヘッド30に供給される。
図6は記録動作の例を模式的に示す図である。転写ドラム41および圧胴42が回転されつつ、以下の各工程が循環的に行われる。状態ST1に示すように、始めに転写体2上に付与ユニット5Aから反応液Lが付与される。転写体2上の反応液Lが付与された部位は転写ドラム41の回転に伴って移動していく。反応液Lが付与された部位が記録ヘッド30の下に到達すると、状態ST2に示すように記録ヘッド30から転写体2にインクが吐出される。これによりインク像IMが形成される。その際、吐出されるインクが転写体2上の反応液Lと混ざり合うことで、色材の凝集が促進される。吐出されるインクは、供給ユニット6の貯留部TKから記録ヘッド30に供給される。
転写体2上のインク像IMは転写体2の回転に伴って移動していく。インク像IMが吸収ユニット5Bに到達すると状態ST3に示すように吸収ユニット5Bによりインク像IMから液体成分が吸収される。インク像IMが加熱ユニット5Cに到達すると状態ST4に示すように加熱ユニット5Cによりインク像IMが加熱され、インク像IM中の樹脂が溶融し、インク像IMが造膜される。このようなインク像IMの形成に同期して、搬送装置1Bにより記録媒体Pが搬送される。
状態ST5に示すように、インク像IMと記録媒体Pとが転写体2と圧胴42とのニップ部に到達し、記録媒体Pにインク像IMが転写され、記録物P’が製造される。ニップ部を通過すると、記録物P’に記録された画像が検査ユニット9Aにより撮影され、記録画像が検査される。記録物P’は搬送装置1Bにより回収ユニット8dへ搬送される。
転写体2上のインク像IMが形成されていた部分は、清掃ユニット5Dに到達すると状態ST6に示すように清掃ユニット5Dにより清掃される。清掃後、転写体2は一回転したことになり、同様の手順で記録媒体Pへのインク像の転写が繰り返し行われる。上記の説明では理解を容易にするために、転写体2の一回転で一枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が一回行われるように説明したが、転写体2の一回転で複数枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が連続的に行うことができる。
このような記録動作を継続していくと、各記録ヘッド30のメンテナンスが必要となる。図7は各記録ヘッド30のメンテナンスの際の動作例を示している。状態ST11は、吐出位置POS1に記録ユニット3が位置している状態を示す。状態ST12は、記録ユニット3が予備回復位置POS2を通過している状態を示し、通過中に回復ユニット12により記録ユニット3の各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。その後、状態ST13に示すように、記録ユニット3が回復位置POS3に位置した状態で、回復ユニット12により各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。
<記録ヘッド位置調整機構>
次に、本発明の特徴的な構成である記録ヘッド位置調整機構(位置調整機構)について説明する。図8は、記録ヘッド位置調整機構を正面(Y方向)から見たときの模式図である。図9は、記録ヘッド位置調整機構を側面から見た断面(YZ断面)を示す断面図である。記録ヘッド位置調整は、図2で示した複数の記録ヘッド30にそれぞれ設けられている。ここでは説明の簡単のため、1つの記録ヘッドのみを例に挙げてその説明を行う。
次に、本発明の特徴的な構成である記録ヘッド位置調整機構(位置調整機構)について説明する。図8は、記録ヘッド位置調整機構を正面(Y方向)から見たときの模式図である。図9は、記録ヘッド位置調整機構を側面から見た断面(YZ断面)を示す断面図である。記録ヘッド位置調整は、図2で示した複数の記録ヘッド30にそれぞれ設けられている。ここでは説明の簡単のため、1つの記録ヘッドのみを例に挙げてその説明を行う。
図8(a),図9(a)に示すように、記録ヘッド30には、記録ヘッドから転写ドラムの外周面(転写体2)までの距離を検知する距離検知手段310である光学式センサが設けられている。距離検知手段は、光学式センサに限らず、接触式センサ等でも良い。なお、図8(b),図9(b)に示すように、距離検知手段310を、記録ヘッドを保持する記録ヘッド保持部材305に設ける構成としても良い。本実施形態では、距離検知手段はY方向に2つ設けられている。
記録ヘッド30は、記録ヘッド保持部材(保持部材)305に保持され固定されている。記録ヘッド保持部材305は、連結部材306と連結軸306a,306bを介して距離調整機構307により支持されている。距離調整機構307は、不図示の駆動源により記録ヘッド保持部材305を介して記録ヘッド30を転写ドラムの外周面に対して法線方向に昇降させ、記録ヘッド30と転写ドラムの外周面との間の距離(ギャップ)を調整可能である。
角度調整機構308は円盤形状の偏心カムから構成される。角度調整機構308の偏心カムは、回転中心が偏心されて回転シャフト309に取り付けられている。回転シャフト309はヘッド支持フレーム304に回転可能に支持されている。角度調整機構308の偏心カムは、不図示の駆動源により回転シャフト309を介して回転駆動される。角度調整機構308は、偏心カムが回転しながら記録ヘッド30と当接することで記録ヘッド30を回転移動させ、転写ドラムの外周面の接線方向に対する記録ヘッド30の角度を調整可能である。
以上が、本実施形態に係る記録ヘッド位置調整機構の構成である。
<記録ヘッド位置調整機構の制御方法>
次に、本実施形態に係る記録ヘッド位置調整機構の制御方法について説明する。
次に、本実施形態に係る記録ヘッド位置調整機構の制御方法について説明する。
まず、角度調整機構308により記録ヘッド30を転写ドラムの外周面に対して回転移動させる角度調整動作について説明を行う。図10(a)〜(d)は、角度調整動作における記録ヘッドの各状態を示す図である。図11は、角度調整動作において得られる距離検知手段による検知値Dを表すグラフである。
図10(a)は、記録ヘッド30の吐出方向が転写ドラムの回転軸中心に向かう方向よりも左側に傾いた状態を示している。この状態から、角度調整動作により偏心カムが回転していくと、図10(b)に示すように、記録ヘッド30の吐出方向が鉛直方向を向いた状態となる。さらに、偏心カムが回転していくと、図10(c)に示すように、記録ヘッド30の吐出方向が転写ドラムの回転軸中心に向かう方向を向いた状態となる。さらに、偏心カムが回転していくと、図10(d)に示すように、記録ヘッド30の吐出方向が転写ドラムの回転軸中心に向かう方向よりも右側に傾いた状態となる。
これら図10(a)〜(d)の各状態に対応する距離検出手段の検知結果である検知値Dを図11のa〜dにそれぞれ示す。角度調整機構308の回転角度に対応する検知値Dが最小値となる角度調整位置は回転角度cの角度、すなわち図10(c)の状態のときである。この状態は、上述したように記録ヘッド30の吐出方向が転写ドラムの回転軸中心を向いた状態である。このとき、記録ヘッドの吐出方向は転写ドラムの外周面の接線方向と直交しているため、角度調整動作によってこの位置となるように記録ヘッドの角度調整を行うことが望ましい。記録ヘッドが図10(c)の状態になったときに、角度調整機構308の偏心カムの回転を停止させ、記録ヘッドの角度調整動作を終了する。
次に、距離調整機構307により記録ヘッド30と転写ドラムの外周面との間の距離を調整する距離調整動作について説明を行う。図12は、距離調整動作における記録ヘッドの各状態を示す図である。
図12(a)は、記録ヘッド30のインク吐出面と転写ドラムの外周面との間の距離が距離Dのときの状態を示している。距離Dは、記録ヘッド30の吐出に最適な距離DMよりも大きい値である。この状態から、距離調整機構307は、記録ヘッド30を昇降移動させる。そして、距離調整機構307は、図12(b)に示すように、記録ヘッド30のインク吐出面と転写ドラムの外周面の間の距離が、記録ヘッド30の吐出に最適な距離DMになった位置で記録ヘッドの昇降を停止させる。
なお、この図12(b)の位置において、再度、距離検出手段により角度調整機構308の回転角度に対する検知値Dが最小値になるか否かを検知し、記録ヘッドの吐出方向がドラム軸中心に向いた状態であるかを確認することが望ましい。そして、検知値Dの最小値が記録ヘッドの吐出に最適な距離を示す最適値DMであった場合、記録ヘッドの位置調整動作を終了する。
次に、記録ヘッドの位置調整動作を行う位置調整制御についてフローチャートを用いて説明する。図13は、本実施形態における位置調整制御のフローチャートを示す図である。本制御は、装置本体の電源ON時、記録ヘッドの交換時、記録ジョブの受信時などに開始される。
本制御が開始されるとステップS101へ進む。ステップS101では、図10、図11を用いて説明したように、角度調整機構を動作させると同時に距離検知手段により記録ヘッドと転写ドラムの外周面の間の距離を示す検知値Dを取得する。角度調整機構の各回転角度に対応した検知値Dを取得したら、ステップS102では、検知値Dが最小となる角度調整位置になるように角度調整機構を動作させる。
次に、ステップS103では、図12を用いて説明したように、距離調整機構を動作させると同時に距離検知手段により検知値Dを取得する。ステップS104では、検知値Dが記録ヘッド30の吐出に最適な距離を示す最適値DMになったかを判定する。検知値Dが最適値DMでないと判定された場合、ステップS103へ戻る。ステップS104で検知値Dが最適値DMと判定されるまでステップS103を繰り返す。ステップS104で検知値Dが最適値DMと判定されたら、ステップS105へ進む。
ステップS105では、再度、角度調整機構を動作させると同時に距離検知手段により検知値Dを取得する。そして、ステップS106で、検知値Dの最小値が最適値DMであるかを確認する。検知値Dの最小値が最適値DMでない場合、ステップS102へ戻り、再度ステップS102〜ステップS106の動作を行う。検知値Dの最小値が最適値DMであった場合、本位置調整制御を終了する。
以上、本実施形態における位置調整制御は、記録ヘッドとドラムの外周面との間の距離を検知する距離検知手段の検知結果に基づいて、角度調整機構と距離調整機構とを制御し、記録ヘッドとドラムの外周面の間の距離を最適値となるように調整する。このように角度調整機構による記録ヘッドの角度調整を行いながら記録ヘッドとドラムの外周面との間の距離を調整することで、記録ヘッドをより高精度に位置決めすることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
第1実施形態では、記録ヘッドと転写ドラムの外周面との間の距離が予め定めた最適値になるように記録ヘッドを昇降移動させる構成について説明した。本実施形態では、転写ドラムの偏心を考慮して記録ヘッドと転写ドラムの外周面との間の距離を設定する構成について説明する。
<記録ヘッドと転写ドラムの外周面の間の距離の設定方法>
図14は、転写ドラムの回転移動によって得られる転写ドラムの回転角度に対する距離検知手段による検知値Dを表すグラフである。記録ヘッドと転写ドラムとの間の距離は、転写ドラム及び転写ドラムを保持する転写ドラム保持部材の加工、組立て寸法精度などに起因して周期的変動を示す。このように転写ドラムに偏心がある場合は、すべての転写体の回転角度に対して検知値Dを一律の最適値DMに設定することは困難である。そこで、転写ドラムの偏心量ΔDh(=最大値Dmax−最小値Dmin)に応じた最適値を設定することが望ましい。
図14は、転写ドラムの回転移動によって得られる転写ドラムの回転角度に対する距離検知手段による検知値Dを表すグラフである。記録ヘッドと転写ドラムとの間の距離は、転写ドラム及び転写ドラムを保持する転写ドラム保持部材の加工、組立て寸法精度などに起因して周期的変動を示す。このように転写ドラムに偏心がある場合は、すべての転写体の回転角度に対して検知値Dを一律の最適値DMに設定することは困難である。そこで、転写ドラムの偏心量ΔDh(=最大値Dmax−最小値Dmin)に応じた最適値を設定することが望ましい。
記録ヘッドと転写ドラムの外周面との間で擦れが生じないなど、画像品質維持のために最低限必要な記録ヘッドと転写ドラムの外周面との間の距離(最小限界距離)を示す検知値の最小限界値をDlimとする。図14(a)は、転写ドラムの偏心量ΔDhがΔDh≦DM−Dlimの条件を満たす場合を示している。このとき、検知値の最大値Dmaxが最適値DMとなるように、距離調整機構により記録ヘッドと転写体の外周面との間の距離を調整する。このように調整することで、すべての転写体の回転角度に対して記録ヘッドとの距離を最適値DM以下にすることができ、記録ヘッドから吐出されたインクの着弾精度および画像品質を維持することが可能となる。
次に、図14(b)は、転写ドラムの偏心量ΔDhがΔDh>DM−Dlimの条件を満たす場合を示している。このとき、最大値Dmaxが最適値DMとなるように調整すると、最小値Dminが最小限界値Dlim未満となり、記録ヘッドと転写ドラムの外周面との間で擦れが生じるなど、画像品質が低下するおそれがある。そこで、ΔDh>DM−Dlimの条件を満たす場合は、最小値Dminが最適値DMとなるように、距離調整機構により記録ヘッドと転写体の外周面との間の距離を調整する。検知値Dが最適値DMより大きくなる転写ドラムの回転角度では記録ヘッドからの吐出タイミングの補正を行う等することで、すべての転写ドラムの回転角度において記録ヘッドから吐出されたインクの着弾精度および画像品質を維持することが可能となる。
次に、上述した転写ドラムの偏心を考慮した場合の記録ヘッドの位置調整動作を行う位置調整制御についてフローチャートを用いて説明する。図15は、本実施形態における位置調整制御のフローチャートを示す図である。本制御は、第1実施形態と同様、装置本体の電源ON時、記録ヘッドの交換時、記録ジョブの受信時などに開始される。
本制御が開始されるとステップS201へ進む。ステップS201では、角度調整機構を動作させると同時に距離検知手段により検知値Dを取得する。角度調整機構の各回転角度に対応した検知値Dを取得したら、ステップS202では、検知値Dが最小となる角度調整位置になるように角度調整機構を動作させる。
次に、ステップS203では、転写ドラムに少なくとも1回転分の回転動作をさせながら、距離検知手段により検知値Dを取得する。これにより、図14に示したような、転写ドラムの回転角度に対する検知値Dを取得することができる。ステップS204では、回転ドラムの偏心量ΔDhを算出する。回転ドラムの偏心量ΔDhは、図14を用いて説明したように、転写ドラムの1回転における検知値Dの最大値Dmaxと最小値Dminとの差分(ΔDh=Dmax−Dmin)から算出することができる。
ステップS205では、転写ドラムの偏心量ΔDhがΔDh>DM−Dlimの条件を満たすか否かを判定する。上述したように、DMは予め定めた最適値を示し、Dlimは最小限界値を示す。ΔDh>DM−Dlimの条件を満たす場合、ステップS206へ進み、距離調整機構の動作量DzをDz=Dmax−DMに設定する。そして、ステップS207で、距離調整機構を動作させ、検知値の最大値Dmaxが最適値DMとなるように調整する。同時に距離検知手段により検知値Dを取得する。ステップS208では、検知値の最大値Dmaxが最適値DMになったかを確認する。検知値の最大値Dmaxが最適値DMでない場合は、ステップS207の動作を繰り返す。検知値の最大値Dmaxが最適値DMであった場合は、ステップS209へ進む。
一方、ステップS205で、ΔDh>DM−Dlimの条件を満たさない場合、すなわちΔDh>DM−Dlimであった場合、ステップS211へ進み、距離調整機構の動作量DzをDz=Dmin‐(Dmax−DM)に設定する。そして、ステップS212で、距離調整機構を動作させ、検知値の最小値Dminが最適値DMとなるように調整する。同時に距離検知手段により検知値Dを取得する。ステップS213では、検知値の最小値Dminが最小限界値Dlimになったかを確認する。検知値の最小値Dminが最小限界値Dlimでない場合は、ステップS212の動作を繰り返す。検知値の最小値Dminが最小限界値Dlimであった場合は、ステップS209へ進む。
ステップS209では、角度調整機構を動作させると同時に距離検知手段により検知値Dを取得する。ステップS210では、検知値の最小値Dminが最小限界値Dlim以上であるかを確認する。検知値の最小値Dminが最小限界値Dlim未満であった場合、ステップS202へ戻り、再度ステップS202〜ステップS209の動作を行う。検知値の最小値Dminが最小限界値Dlim以上であった場合、本位置調整制御を終了する。
以上、本実施形態における位置調整制御では、転写ドラムの偏心を考慮して記録ヘッドと外周面の間の距離を設定している。転写ドラムの偏心量ΔDhが所定量より小さい場合(ΔDh≦DM−Dlimの条件を満たす場合)は、検知値の最大値Dmaxが予め定めた最適値DMとなるように、距離調整機構により記録ヘッドと転写体の外周面の間の距離を調整する。このように調整することで、すべての転写体の回転角度に対して記録ヘッドとの距離を最適値DM以下にすることができ、記録ヘッドから吐出されたインクの着弾精度および画像品質を維持することができる。
また、転写ドラムの偏心量ΔDhが所定量より大きい場合(ΔDh>DM−Dlimの条件を満たす場合)は、検知値の最小値Dminが予め定めた最適値DMとなるように、距離調整機構により記録ヘッドと転写体の外周面の間の距離を調整する。この場合、検知値Dが最適値DMより大きくなる転写ドラムの回転角度では記録ヘッドからの吐出タイミングの補正を行う等することで、すべての転写ドラムの回転角度において記録ヘッドから吐出されたインクの着弾精度および画像品質を維持することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
上記実施形態では、記録ヘッドと転写ドラムの外周面との間の距離を検出する距離検知手段310を、記録ヘッド30または記録ヘッド保持部材305に設けた構成について説明した。本実施形態では、距離検知手段310を転写ドラムに設けた構成について説明する。
図16は、本実施形態における記録ヘッド位置調整機構を正面(Y方向)から見たときの模式図である。図17は、本実施形態における記録ヘッド位置調整機構を側面から見た断面(YZ断面)を示す断面図である。
本実施形態では、転写ドラムの外周面の近傍に距離検知手段310である光学式センサが設けられている。距離検知手段は、光学式センサに限らず、接触式センサ等を用いても良い。図17(a)は、距離検知手段310が記録ヘッド30のインク吐出面と対向する位置に設けられた構成を示している。図17(b)は、距離検知手段310が記録ヘッド保持部材305と対向する位置に設けられた構成を示している。本発明はいずれの構成であっても良い。また、本実施形態では、距離検知手段はY方向に2つ設けられている。
次に、本実施形態における記録ヘッドの位置調整動作を行う位置調整制御についてフローチャートを用いて説明する。図18は、本実施形態における位置調整制御のフローチャートを示す図である。本制御は、上記実施形態と同様に、装置本体の電源ON時、記録ヘッドの交換時、記録ジョブの受信時などに開始される。
本制御が開始されるとステップS301へ進む。ステップS301では、まず転写ドラムに回転動作を行わせる。そして、転写ドラムの外周面の近傍に設けられた距離検知手段310が記録ヘッド30または記録ヘッド保持部材305と対向した位置に来たときに転写ドラムの回転を停止させる。以降のステップS302〜ステップS307の処理は、第1実施形態で説明した図13のステップS101〜ステップS106の処理と同様であるため、その説明を省略する。
以上、本実施形態によれば、距離検出手段を転写ドラムに設けた場合でも、距離検知手段の検知結果に基づいて、角度調整機構と距離調整機構とを制御することで、記録ヘッドをより高精度に位置決めすることができる。
<その他の実施形態>
上記実施形態では、転写ドラムの外周面に設けられた転写体上にインク像を形成し、当該インク像を記録媒体に転写することで記録媒体上に画像を記録する転写型の記録装置について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、図19に示すように、搬送ドラムにより搬送される記録媒体Pに対して記録ヘッド30からインクを吐出して直接画像を記録する直描型の記録装置に対しても本発明を適用することができる。
上記実施形態では、転写ドラムの外周面に設けられた転写体上にインク像を形成し、当該インク像を記録媒体に転写することで記録媒体上に画像を記録する転写型の記録装置について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、図19に示すように、搬送ドラムにより搬送される記録媒体Pに対して記録ヘッド30からインクを吐出して直接画像を記録する直描型の記録装置に対しても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、記録ユニット3が複数の記録ヘッド30を有するが、1つの記録ヘッド30を有しても良い。記録ヘッド30はライン型の記録ヘッドでなくても良く、記録ヘッド30を着脱自在に搭載するキャリッジをY方向に移動させながら記録ヘッド30からインクを吐出してインク像を形成するシリアル型の記録ヘッドでも良い。
記録媒体Pの搬送機構は、ローラ対によって記録媒体Pを挟持して搬送する方式等、他の方式であっても良い。ローラ対によって記録媒体Pを搬送する方式等においては、記録媒体Pとしてロールシートを用いても良い、転写後にロールシートをカットして記録物P’を製造しても良い。
上記実施形態では、転写体2を転写ドラム41の外周面に設けたが、転写体2を無端の帯状に形成し、循環的に走行させる方式等、他の方式であっても良い。
また、本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
30 記録ヘッド
41 転写ドラム
307 距離調整機構
308 角度調整機構
310 距離検知手段
41 転写ドラム
307 距離調整機構
308 角度調整機構
310 距離検知手段
Claims (17)
- ドラムの外周面に対してインクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドと前記外周面との間の距離を検知する検知手段と、前記記録ヘッドを前記外周面の法線方向に昇降させることにより前記距離を調整する距離調整機構と、を備えるインクジェット記録装置であって、
前記記録ヘッドを回転させることにより前記記録ヘッドの前記外周面の接線方向に対する角度を調整する角度調整機構と、
前記検知手段による検知結果に基づいて、前記距離調整機構と前記角度調整機構とを制御する制御手段と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記記録ヘッドを保持する保持部材をさらに備え、
前記距離調整機構は、前記保持部材を介して前記記録ヘッドを昇降させる、ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - ドラムの外周面に対してインクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを保持する保持部材と、前記保持部材と前記外周面との間の距離を検知する検知手段と、前記保持部材を前記外周面の法線方向に昇降させることにより前記距離を調整する距離調整機構と、を備えるインクジェット記録装置であって、
前記記録ヘッドを回転させることにより前記記録ヘッドの前記外周面の接線方向に対する角度を調整する角度調整機構と、
前記検知手段による検知結果に基づいて、前記距離調整機構と前記角度調整機構とを制御する制御手段と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記検知手段は前記記録ヘッドに設けられている、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記検知手段は前記保持部材に設けられている、ことを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェット記録装置。
- 前記検知手段は前記ドラムに設けられている、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記検知手段は光学式センサを有する、ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記角度調整機構は回転可能に支持された偏心カムを有し、前記偏心カムが回転しながら前記記録ヘッドと当接することで前記記録ヘッドを回転させる、ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記制御手段は、前記角度調整機構により前記角度を調整した後、前記距離調整機構により前記距離を調整する、ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記制御手段は、前記距離調整機構により前記距離を調整した後、再び前記角度調整機構により前記角度を調整する、ことを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
- 前記制御手段は、前記記録ヘッドを回転させた際の前記検知手段により検知される前記距離が第1の所定の距離になるように前記角度調整機構により前記角度を調整する、ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記制御手段は、前記検知手段により検知される前記距離が第2の所定の距離になるように前記距離調整機構により前記距離を調整する、ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記制御手段は、前記ドラムの第1の回転角度において前記検知手段により検知される前記距離が前記第2の所定の距離になるように前記距離調整機構により前記距離を調整する、ことを特徴とする請求項12に記載のインクジェット記録装置。
- 前記制御手段は、前記ドラムの偏心量が所定量より小さい場合に前記ドラムの第1の回転角度において前記検知手段により検知される前記距離が前記第2の所定の距離になるように前記距離調整機構により前記距離を調整し、前記ドラムの偏心量が前記所定量より大きい場合に前記ドラムの第2の回転角度において前記検知手段により検知される前記距離が前記第2の所定の距離よりも小さい第3の所定の距離になるように前記距離調整機構により前記距離を調整する、ことを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッドは、インクを吐出するノズルが記録媒体の幅方向に配列されたライン型の記録ヘッドである、ことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクジェット記録装置は、前記記録ヘッドにより前記ドラムに形成されたインク像を記録媒体に転写することで当該記録媒体に画像を記録する転写型のインクジェット記録装置である、ことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクジェット記録装置は、前記ドラムにより搬送される記録媒体に対して前記記録ヘッドによりインクを吐出して画像を記録する直描型のインクジェット記録装置である、ことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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JP2018026328A JP2019142030A (ja) | 2018-02-16 | 2018-02-16 | インクジェット記録装置 |
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Cited By (3)
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- 2018-02-16 JP JP2018026328A patent/JP2019142030A/ja active Pending
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