JP2020023116A - 記録装置及び記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写式の記録装置においてインク像の乾燥を促進する技術を提供すること。【解決手段】転写体にインクを吐出し、インク像を形成する記録手段と、前記転写体上のインク像の乾燥を促進する乾燥促進手段と、乾燥促進後の前記インク像から液体成分を吸収する液吸収手段と、前記転写体上の前記インク像を記録媒体に転写する転写手段と、を備えた記録装置であって、前記乾燥促進手段は、前記転写体上の前記インク像へ輻射熱を放射する第一の加熱手段と、前記加熱手段によって加熱された前記転写体上のインク像の上に、前記転写体の幅方向へ流れる気流を生じさせる気流発生手段と、を備える。【選択図】図9

Description

本発明は転写式の記録技術に関する。
転写体にインク像を形成し、紙等の記録媒体に転写する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、中間部材にインク像を形成し当該インク像をシートに転写するための像形成装置が開示されている。この装置は、中間部材に一次像を形成するインクジェットデバイスを備える。また、この装置は、一次像において凝集体を形成するゾーン、凝集体から液体の一部を除去するゾーン、シートに像を転写するゾーンおよび新たな一次像を形成するに先立って中間部材の表面を再生するゾーンを備えている。また、特許文献2には、インク像を加熱乾燥し、その後、インク像の凝集体から液体の一部を除去する技術が開示されている。
特開2003−182064号公報 特開2009−226907号公報
特許文献2に開示されるように、インク像の凝集のため、加熱によりその乾燥を促進したとしても加熱によりインク像から蒸発した蒸気がインク像の周囲に滞留する場合には、インク像の乾燥が促進されないことが想定される。
本発明は、インク像の乾燥を促進する技術を提供するものである。
本発明によれば、
転写体にインクを吐出し、前記転写体上にインク像を形成する記録手段と、
前記転写体上のインク像の乾燥を促進する乾燥促進手段と、
前記乾燥促進手段による乾燥促進後の前記インク像から液体成分を吸収する液吸収手段と、
前記液吸収手段により液体成分が吸収された、前記転写体上の前記インク像を記録媒体に転写する転写手段と、
を備えた記録装置であって、
前記乾燥促進手段は、
前記転写体上の前記インク像へ輻射熱を放射する第一の加熱手段と、
前記第一の加熱手段によって加熱された前記転写体上のインク像の上に、前記転写体の幅方向へ流れる気流を生じさせる気流発生手段と、を備える、
ことを特徴とする記録装置が提供される。
本発明によれば、インク像の乾燥を促進する技術を提供することができる。
記録システムの概要図。 記録ユニットの斜視図。 図2の記録ユニットの変位態様の説明図。 図1の記録システムの制御系のブロック図。 図1の記録システムの制御系のブロック図。 図1の記録システムの動作例の説明図。 図1の記録システムの動作例の説明図。 周辺ユニットの説明図。 乾燥促進ユニットの説明図。 図9の矢印d4方向に見た乾燥促進ユニットの説明図。 転写体の層構造の例を示す図。 転写体の表面温度の制御上の上限値、下限値の例を示す図。 制御例を示すフローチャート。 制御例を示すフローチャート。 (A)及び(B)はそれぞれ別例の乾燥促進ユニットの説明図。 (A)及び(B)はそれぞれ別例の乾燥促進ユニットの説明図。
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。各図において、矢印XおよびYは水平方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
<記録システム>
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム(記録装置)1を概略的に示した正面図である。記録システム1は、転写体2を介して記録媒体Pにインク像を転写することで記録物P’を製造する、枚葉式のインクジェットプリンタである。記録システム1は、記録装置1Aと、搬送装置1Bとを含む。本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、記録システム1の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体PはX方向に搬送される。
なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本実施形態では「記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。
インクの成分については、特に限定はないが、本実施形態では、色材である顔料、水、樹脂を含む水性顔料インクを用いる場合を想定する。
<記録装置>
記録装置1Aは、記録ユニット3、転写ユニット4および周辺ユニット5A〜5E、および、供給ユニット6を含む。
<記録ユニット>
記録ユニット3は、複数の記録ヘッド30と、キャリッジ31とを含む。図1と図2を参照する。図2は記録ユニット3の斜視図である。記録ヘッド30は、転写体2に液体インクを吐出し、転写体2上に記録画像のインク像を形成する。
本実施形態の場合、各記録ヘッド30は、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの記録媒体の画像記録領域の幅分をカバーする範囲にノズルが配列されている。記録ヘッド30は、その下面に、ノズルが開口したインク吐出面を有しており、インク吐出面は、微小隙間(例えば数mm)を介して転写体2の表面と対向している。本実施形態の場合、転写体2は円軌道上を循環的に移動する構成であるため、複数の記録ヘッド30は、放射状に配置されている。
各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気−機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。高速で高密度の記録の観点からは電気−熱変換体を利用した吐出素子を用いることができる。
本実施形態の場合、記録ヘッド30は、9つ設けられている。各記録ヘッド30は、互いに異なる種類のインクを吐出する。異なる種類のインクとは、例えば、色材が異なるインクであり、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク等のインクである。1つの記録ヘッド30は1種類のインクを吐出するが、1つの記録ヘッド30が複数種類のインクを吐出する構成であってもよい。このように複数の記録ヘッド30を設けた場合、そのうちの一部が色材を含まないインク(例えばクリアインク)を吐出してもよい。
キャリッジ31は、複数の記録ヘッド30を支持する。各記録ヘッド30は、インク吐出面側の端部がキャリッジ31に固定されている。これにより、インク吐出面と転写体2との表面の隙間をより精密に維持することができる。キャリッジ31は、案内ユニットRLの案内によって、記録ヘッド30を搭載しつつ変位可能に構成されている。本実施形態の場合、案内ユニットRLは、Y方向に延設されたレール状の構造であり、X方向に離間して一対設けられている。キャリッジ31のX方向の各側部にはスライド部32が設けられている。スライド部32は案内ユニットRLと係合し、案内ユニットRLの案内によってY方向にスライドする。
図3は記録ユニット3の変位態様を示しており、記録システム1の右側面を模式的に示した図である。記録システム1の後部には回復ユニット12が設けられている。回復ユニット12は記録ヘッド30の吐出性能を回復する機構を有する。そのような機構としては、例えば、記録ヘッド30のインク吐出面をキャッピングするキャップ機構、インク吐出面をワイピングするワイパ機構、インク吐出面から記録ヘッド30内のインクを負圧吸引する吸引機構を挙げることができる。
案内ユニットRLは、転写体2の側方から回復ユニット12に渡って延設されている。記録ユニット3は、案内ユニットRLの案内により、実線で記録ユニット3を示した吐出位置POS1と、破線で記録ユニット3を示した回復位置POS3との間で変位可能であり、不図示の駆動機構により移動される。
吐出位置POS1は、記録ユニット3が転写体2にインクを吐出する位置であり、記録ヘッド30のインク吐出面が転写体2の表面に対向する位置である。回復位置POS3は、吐出位置POS1から退避した位置であり、記録ユニット3が回復ユニット12上に位置する位置である。回復ユニット12は記録ユニット3が回復位置POS3に位置した場合に、記録ヘッド30に対する性能回復処理を実行可能である。本実施形態の場合、記録ユニット3が回復位置POS3に到達する前の移動途中においても回復処理を実行可能である。吐出位置POS1と回復位置POS3の間には予備回復位置POS2がある。回復ユニット12は記録ヘッド30が吐出位置POS1から回復位置POS3へ移動している間に、予備回復位置POS2において記録ヘッド30に対する予備的な回復処理を実行可能である。
<転写ユニット>
図1を参照して転写ユニット4について説明する。転写ユニット4は、転写ドラム(転写胴)41と圧胴42とを含む。これらの胴は、Y方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。図1において、転写ドラム41および圧胴42の各図形内に示した矢印は、これらの回転方向を示しており、転写ドラム41は時計回りに、圧胴42は反時計回りに回転する。
転写ドラム41は、その外周面に転写体2を支持する支持体である。転写体2は、転写ドラム41の外周面上に、周方向に連続的にあるいは間欠的に設けられる。連続的に設けられる場合、転写体2は無端の帯状に形成される。間欠的に設けられる場合、転写体2は、有端の帯状に複数のセグメントに分けて形成され、各セグメントは転写ドラム41の外周面に等ピッチで円弧状に配置することができる。
転写ドラム41の回転により、転写体2は円軌道上を循環的に移動する。転写ドラム41の回転位相により、転写体2の位置は、吐出前処理領域R1、吐出領域R2、吐出後処理領域R3〜R5、転写領域R6、転写後処理領域R7に区別することができる。転写体2はこれらの領域を循環的に通過する。
吐出前処理領域R1は、記録ユニット3によるインクの吐出前に転写体2に対する前処理を行う領域であり、周辺ユニット5Aによる処理が行われる領域である。本実施形態の場合、反応液が付与される。吐出領域R2は記録ユニット3が転写体2にインクを吐出してインク像を形成する形成領域である。吐出後処理領域R3〜R5はインクの吐出後にインク像に対する処理を行う処理領域である。吐出後処理領域R3は周辺ユニット5Bによる処理が行われる領域であり、吐出後処理領域R4は周辺ユニット5Cによる処理が行われる領域であり、吐出後処理領域R5は周辺ユニット5Dによる処理が行われる領域である。転写領域R6は転写ユニット4により転写体上のインク像が記録媒体Pに転写される領域である。転写後処理領域R7は、転写後に転写体2に対する後処理を行う領域であり、周辺ユニット5Eによる処理が行われる領域である。
本実施形態の場合、吐出領域R2は、一定の区間を有する領域である。他の領域R1、R3〜R7は、吐出領域R2に比べるとその区間は狭い。時計の文字盤に喩えると、本実施形態の場合、吐出前処理領域R1は概ね10時の位置であり、吐出領域R2は概ね11時から1時の範囲であり、吐出後処理領域R3及びR4は概ね2時の位置であり、吐出後処理領域R5は概ね4時の位置である。転写領域R6は概ね6時の位置であり、転写後処理領域R7は概ね8時の領域である。
転写体2は、単層から構成してもよいが、複数層の積層体としてもよい。複数層で構成する場合、例えば、表面層、弾性層、圧縮層の三層を含んでもよい。表面層はインク像が形成される画像形成面を有する最外層である。圧縮層を設けることで、圧縮層が変形を吸収し、局所的な圧力変動に対してその変動を分散し、高速記録時においても転写性を維持することができる。弾性層は表面層と圧縮層との間の層である。
表面層の材料としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。表面層には、反応液の濡れ性、画像の転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせてもよい。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
圧縮層の材料としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。このようなゴム材料の成形時には、所定量の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに発泡剤、中空微粒子或いは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し、多孔質のゴム材料としてもよい。これにより、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものがあるが、いずれの構造であってもよく、これらの構造を併用してもよい。
弾性層の部材としては、樹脂、セラミック等、各種材料を適宜用いることができる。加工特性等の点で、各種エラストマー材料、ゴム材料を用いることができる。具体的には、例えばフルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。また、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムは、圧縮永久ひずみが小さいため、寸法安定性、耐久性の面で有利である。また、温度による弾性率の変化が小さく、転写性の点でも有利である。
表面層と弾性層の間、弾性層と圧縮層の間には、これらを固定するために各種接着剤や両面テープを用いることもできる。また、転写体2は、転写ドラム41に装着する際の横伸びの抑制や、コシを保つために圧縮弾性率が高い補強層を含んでもよい。また、織布を補強層としてもよい。転写体2は前記材質による各層を任意に組み合わせて作製することができる。
圧胴42は、その外周面が転写体2に圧接される。圧胴42の外周面には、記録媒体Pの先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。グリップ機構は圧胴42の周方向に離間して複数設けてもよい。記録媒体Pは圧胴42の外周面に密接して搬送されつつ、圧胴42と転写体2とのニップ部を通過するときに、転写体2上のインク像が転写される。
転写ドラム41と圧胴42とを駆動するモータ等の駆動源は、これらに共通とし、歯車機構等の伝達機構により、駆動力を分配することができる。
<周辺ユニット>
周辺ユニット5A〜5Eは転写ドラム412の周囲に配置されている。本実施形態の場合、周辺ユニット5A〜5Eは、順に、付与ユニット、乾燥促進ユニット、吸収ユニット、加熱ユニット、清掃ユニットである。
付与ユニット5Aは、記録ユニット3によるインクの吐出前に、転写体2上に反応液を付与する機構である。反応液は、インクを高粘度化する成分を含有する液体である。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している色材や樹脂等がインクを高粘度化する成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインクの粘度の上昇が認められることである。このインクの高粘度化には、インク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂等のインクを構成する成分の一部が凝集することにより局所的に粘度の上昇が生じる場合も含まれる。
インクを高粘度化する成分は、金属イオン、高分子凝集剤など、特に制限はないが、インクのpH変化を引き起こして、インク中の色材を凝集させる物質を用いることができ、有機酸を用いることができる。反応液の付与機構としては、例えば、ローラ、記録ヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。転写体2に対するインクの吐出前に反応液を転写体2に付与しておくと、転写体2に達したインクを直ちに定着させることができる。これにより、隣接するインク同士が混ざり合うブリーディングを抑制することができる。
乾燥促進ユニット5Bは、加熱により転写体2上のインク像の乾燥を促進する機構である。インク像の乾燥を促進することでその凝集化が促進される。これにより、例えば、後段の吸収ユニット5Bによるインク像の液体成分の吸収の際に、転写体2上でインク像のずれが生じることを防止できる。
吸収ユニット5Cは、乾燥促進ユニット5Bによるインク像の乾燥促進後、転写前に、転写体2上のインク像から液体成分を吸収する機構である。インク像の液体成分を減少させることで、記録媒体Pに記録される画像のにじみ等を抑制することができる。液体成分の減少を異なる視点で説明すれば、転写体2上のインク像を構成するインクを濃縮すると表現することもできる。インクを濃縮するとは、インクに含まれる液体成分が減少することによって、インクに含まれる色材や樹脂といった固形分の液体成分に対する含有割合が増加することを意味する。
吸収ユニット5Cは、本実施形態の場合、インク像に接触してインク像の液体成分の量を減少させる液吸収部材を含む。液吸収部材はローラの外周面に形成されてもよいし、液吸収部材が無端のシート状に形成され、循環的に走行されるものでもよい。インク像の保護の点で、液吸収部材の移動速度を転写体2の周速度と同じにして液吸収部材を転写体2と同期して移動させてもよい。
液吸収部材は、インク像に接触する多孔質体を含んでもよい。液吸収部材へのインク固形分付着を抑制するため、インク像に接触する面の多孔質体の孔径は、10μm以下であってもよい。ここで、孔径とは平均直径のことを示し、公知の手段、例えば水銀圧入法や、窒素吸着法、SEM画像観察等で測定可能である。なお、液体成分は、一定の形を有さず、流動性があり、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられる。
加熱ユニット5Dは、転写前に、転写体2上のインク像を輻射熱の放射により加熱する機構である。インク像を加熱することで、インク像中の樹脂が溶融し、記録媒体Pへの転写性を向上する。加熱温度は、樹脂の最低造膜温度(MFT)以上とすることができる。MFTは一般的に知られている手法、例えばJIS K 6828−2:2003や、ISO2115:1996に準拠した各装置で測定することが可能である。転写性及び画像の堅牢性の観点から、MFTよりも10℃以上高い温度で加熱してもよく、更に、20℃以上高い温度で加熱してもよい。加熱ユニット5Dは、例えば、赤外線等の各種ランプ、温風ファン等、公知の加熱デバイスを用いることができる。加熱効率の点で、赤外線ヒータを用いることができる。
清掃ユニット5Eは、転写後に転写体2上を清掃する機構である。清掃ユニット5Dは、転写体2上に残留したインクや、転写体2上のごみ等を除去する。清掃ユニット5Dは、例えば、多孔質部材を転写体2に接触させる方式、ブラシで転写体2の表面を擦る方式、ブレードで転写体2の表面をかきとる方式等の公知の方式を適宜用いることができる。また、清掃に用いる清掃部材は、ローラ形状、ウェブ形状等、公知の形状を用いることができる。
以上の通り、本実施形態では、付与ユニット5A、乾燥促進ユニット5B、吸収ユニット5C、加熱ユニット5D、清掃ユニット5Eを周辺ユニットとして備えるが、これらの一部のユニットに転写体2の冷却機能を付与してもよい。あるいは、周辺ユニットに冷却ユニットを追加してもよい。本実施形態では、加熱ユニット5Dの熱により転写体2の温度が上昇する場合がある。記録ユニット3により転写体2にインクを吐出した後、インク像がインクの主溶剤である水の沸点を超えると、吸収ユニット5Cによる液体成分の吸収性能が低下する場合がある。吐出されたインクが水の沸点未満に維持されるように転写体2を冷却することで、液体成分の吸収性能を維持することができる。
冷却ユニットは、転写体2に送風する送風機構や、転写体2に部材(例えばローラ)を接触させ、この部材を空冷または水冷で冷却する機構であってもよい。また、清掃ユニット5Eの清掃部材を冷却する機構であってもよい。冷却タイミングは、転写後、反応液の付与前までの期間であってもよい。
<供給ユニット>
供給ユニット6は、記録ユニット3の各記録ヘッド30にインクを供給する機構である。供給ユニット6は記録システム1の後部側に設けられていてもよい。供給ユニット6は、インクの種類毎に、インクを貯留する貯留部TKを備える。貯留部TKは、メインタンクとサブタンクとによって構成されてもよい。各貯留部TKと各記録ヘッド30とは流路6aで連通し、貯留部TKから記録ヘッド30へインクが供給される。流路6aは、貯留部TKと記録ヘッド30との間でインクを循環させる流路であってもよく、供給ユニット6はインクを循環させるポンプ等を備えてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インク中の気泡を脱気する脱気機構を設けてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インクの液圧と大気圧との調整を行うバルブを設けてもよい。貯留部TK内のインク液面が、記録ヘッド30のインク吐出面よりも低い位置となるように、貯留部TKと記録ヘッド30のZ方向の高さが設計されてもよい。
<搬送装置>
搬送装置1Bは、記録媒体Pを転写ユニット4へ給送し、インク像が転写された記録物P’を転写ユニット4から排出する装置である。搬送装置1Bは、給送ユニット7、複数の搬送胴8、8a、二つのスプロケット8b、チェーン8cおよび回収ユニット8dを含む。図1において、搬送装置1Bの各構成の図形の内側の矢印はその構成の回転方向を示し、外側の矢印は記録媒体Pまたは記録物P’の搬送経路を示している。記録媒体Pは給送ユニット7から転写ユニット4へ搬送され、記録物P’は転写ユニット4から回収ユニット8dへ搬送される。給送ユニット7側を搬送方向で上流側と呼び、回収ユニット8d側を下流側と呼ぶ場合がある。
給送ユニット7は、複数の記録媒体Pが積載される積載部を含むと共に、積載部から一枚ずつ記録媒体Pを、最上流の搬送胴8に給送する給送機構を含む。各搬送胴8、8aはY方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。各搬送胴8、8aの外周面には、記録媒体P(または記録物P’)の先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。各グリップ機構は、隣接する搬送胴間で記録媒体Pを受け渡されるように、その把持動作および解除動作が制御される。
二つの搬送胴8aは、記録媒体Pの反転用の搬送胴である。記録媒体Pを両面記録する場合、表面への転写後に、圧胴42から下流側に隣接する搬送胴8へ記録媒体Pを渡さずに、搬送胴8aに渡す。記録媒体Pは、二つの搬送胴8aを経由して表裏が反転され、圧胴42の上流側の搬送胴8を経由して再び圧胴42へ渡される。これにより、記録媒体Pの裏面が転写ドラム41に面することになり、裏面にインク像が転写される。
チェーン8cは、二つのスプロケット8b間に巻き回されている。二つのスプロケット8bの一方は駆動スプロケットであり他方は従動スプロケットである。駆動スプロケットの回転によりチェーン8cが循環的に走行する。チェーン8cには、その長手方向に離間して複数のグリップ機構が設けられている。グリップ機構は、記録物P’の端部を把持する。下流端に位置する搬送胴8からチェーン8cのグリップ機構に記録物P’が渡され、グリップ機構に把持された記録物P’はチェーン8cの走行により回収ユニット8dへ搬送され、把持が解除される。これにより記録物P’が回収ユニット8d内に積載される。
<後処理ユニット>
搬送装置1Bには、後処理ユニット10A、10Bが設けられている。後処理ユニット10A、10Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’に対して後処理を行う機構である。後処理ユニット10Aは、記録物P’の表面に対する処理を行い、後処理ユニット10Bは、記録物P’の裏面に対する処理を行う。処理の内容としては、例えば、記録物P’の画像記録面に、画像の保護や艶出し等を目的としたコーティングを挙げることができる。コーティングの内容としては、例えば、液体の塗布、シートの溶着、ラミネート等を挙げることができる。
<検査ユニット>
搬送装置1Bには、検査ユニット9A、9Bが設けられている。検査ユニット9A、9Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’の検査を行う機構である。
本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Aは、連続的に行われる記録動作中に、記録画像を撮影する。検査ユニット9Aが撮影した画像に基づいて、記録画像の色味などの経時変化を確認し、画像データあるいは記録データの補正の可否を判断することができる。本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、圧胴42の外周面に撮像範囲が設定されており、転写直後の記録画像を部分的に撮影可能に配置されている。検査ユニット9Aにより全ての記録画像の検査を行ってもよいし、所定数毎に検査を行ってもよい。
本実施形態の場合、検査ユニット9Bも、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Bは、テスト記録動作において記録画像を撮影する。検査ユニット9Bは、記録画像の全体を撮影し、検査ユニット9Bが撮影した画像に基づいて、記録データに関する各種の補正の基本設定を行うことができる。本実施形態の場合、チェーン8cで搬送される記録物P’を撮影する位置に配置されている。検査ユニット9Bにより記録画像を撮影する場合、チェーン8cの走行を一時的に停止して、その全体を撮影する。検査ユニット9Bは、記録物P’上を走査するスキャナであってもよい。
<制御ユニット>
次に、記録システム1の制御ユニットについて説明する。図4および図5は記録システム1の制御ユニット13のブロック図である。制御ユニット13は、上位装置(DFE)HC2に通信可能に接続され、また、上位装置HC2はホスト装置HC1に通信可能に接続される。
ホスト装置HC1では、記録画像の元になる原稿データが生成、あるいは保存される。ここでの原稿データは、例えば、文書ファイルや画像ファイル等の電子ファイルの形式で生成される。この原稿データは、上位装置HC2へ送信され、上位装置HC2では、受信した原稿データを制御ユニット13で利用可能なデータ形式(例えば、RGBで画像を表現するRGBデータ)に変換する。変換後のデータは、画像データとして上位装置HC2から制御ユニット13へ送信され、制御ユニット13は受信した画像データに基づき、記録動作を開始する。
本実施形態の場合、制御ユニット13は、メインコントローラ13Aと、エンジンコントローラ13Bとに大別される。メインコントローラ13Aは、処理部131、記憶部132、操作部133、画像処理部134、通信I/F(インタフェース)135、バッファ136および通信I/F137を含む。
処理部131は、CPU等のプロセッサであり、記憶部132に記憶されたプログラムを実行し、メインコントローラ13A全体の制御を行う。記憶部132は、RAM、ROM、ハードディスク、SSD等の記憶デバイスであり、CPU131が実行するプログラムや、データを格納し、また、CPU131にワークエリアを提供する。操作部133は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力デバイスであり、ユーザの指示を受け付ける。
画像処理部134は例えば画像処理プロセッサを有する電子回路である。バッファ136は、例えば、RAM、ハードディスクやSSDである。通信I/F135は上位装置HC2との通信を行い、通信I/F137はエンジンコントローラ13Bとの通信を行う。図4において破線矢印は、画像データの処理の流れを例示している。上位装置HC2から通信IF135を介して受信された画像データは、バッファ136に蓄積される。画像処理部134はバッファ136から画像データを読み出し、読み出した画像データに所定の画像処理を施して、再びバッファ136に格納する。バッファ136に格納された画像処理後の画像データは、プリントエンジンが用いる記録データとして、通信I/F137からエンジンコントローラ13Bへ送信される。
図5に示すように、エンジンコントローラ13Bは、制御部14、15A〜15Eを含み、記録システム1が備えるセンサ群およびアクチュエータ群16の検知結果の取得および駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。なお、制御部の区分けは一例であり、一部の制御を更に細分化した複数の制御部で実行してもよいし、逆に、複数の制御部を統合して、それらの制御内容を一つの制御部で行うように構成してもよい。
エンジン制御部14は、エンジンコントローラ13Bの全体の制御を行う。記録制御部15Aは、メインコントローラ13Aから受信した記録データをラスタデータ等、記録ヘッド30の駆動に適したデータ形式に変換する。記録制御部15Aは、各記録ヘッド30の吐出制御を行う。
転写制御部15Bは、付与ユニット5Aの制御、乾燥促進ユニット5B、吸収ユニット5Cの制御、加熱ユニット5Dの制御、および清掃ユニット5Eの制御を行う。
信頼性制御部15Cは、供給ユニット6の制御、回復ユニット12の制御、および記録ユニット3を吐出位置POS1と回復位置POS3との間で移動させる駆動機構の制御を行う。
搬送制御部15Dは、転写ユニット4の駆動制御や、搬送装置1Bの制御を行う。検査制御部15Eは、検査ユニット9Bの制御、および検査ユニット9Aの制御を行う。
センサ群およびアクチュエータ群16のうち、センサ群には、可動部の位置や速度を検知するセンサ、温度を検知するセンサ、撮像素子等が含まれる。アクチュエータ群にはモータ、電磁ソレノイド、電磁バルブ等が含まれる。
<動作例>
図6は記録動作の例を模式的に示す図である。転写ドラム41および圧胴42が回転されつつ、以下の各工程が循環的に行われる。状態ST1に示すように、始めに転写体2上に付与ユニット5Aから反応液Lが付与される。転写体2上の反応液Lが付与された部位は転写ドラム41の回転に伴って移動していく。反応液Lが付与された部位が記録ヘッド30の下に到達すると、状態ST2に示すように記録ヘッド30から転写体2にインクが吐出される。これによりインク像IMが形成される。その際、吐出されるインクが転写体2上の反応液Lと混ざりあうことで、色材の凝集が促進される。吐出されるインクは、供給ユニット6の貯留部TKから記録ヘッド30に供給される。
転写体2上のインク像IMは転写体2の回転に伴って移動していく。インク像IMが乾燥促進ユニット5Bに到達すると状態ST3に示すように乾燥吸収ユニット5Bによりインク像IMが加熱され、その乾燥が促進される。インク像IMが吸収ユニット5Cに到達すると状態ST4に示すように吸収ユニット5Cによりインク像IMから液体成分が吸収される。インク像IMが加熱ユニット5Dに到達すると状態ST5に示すように加熱ユニット5Dによりインク像IMが加熱され、インク像IM中の樹脂が溶融し、インク像IMが造膜される。このようなインク像IMの形成に同期して、搬送装置1Bにより記録媒体Pが搬送される。
状態ST6に示すように、インク像IMと記録媒体Pとが転写体2と圧胴42とのニップ部に到達し、記録媒体Pにインク像IMが転写され、記録物P’が製造される。ニップ部を通過すると、記録物P’に記録された画像が検査ユニット9Aにより撮影され、記録画像が検査される。記録物P’は搬送装置1Bにより回収ユニット8dへ搬送される。
転写体2上のインク像IMが形成されていた部分は、清掃ユニット5Eに到達すると状態ST7に示すように清掃ユニット5Eにより清掃される。清掃後、転写体2は一回転したことになり、同様の手順で記録媒体Pへのインク像の転写が繰り返し行われる。上記の説明では理解を容易にするために、転写体2の一回転で一枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が一回行われるように説明したが、転写体2の一回転で複数枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が連続的に行うことができる。
このような記録動作を継続していくと、各記録ヘッド30のメンテナンスが必要となる。図7は各記録ヘッド30のメンテナンスの際の動作例を示している。状態ST11は、吐出位置POS1に記録ユニット3が位置している状態を示す。状態ST12は、記録ユニット3が予備回復位置POS2を通過している状態を示し、通過中に回復ユニット12により記録ユニット3の各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。その後、状態ST13に示すように、記録ユニット3が回復位置POS3に位置した状態で、回復ユニット12により各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。
<周辺ユニットの詳細>
乾燥促進ユニット5B、吸収ユニット5C及び加熱ユニット5Dについて更に説明する。図8はこれらの説明図である。まず、これらの三つのユニットの中間に位置する吸収ユニット5Cについて説明する。
吸収ユニット5Cは転写体2上に形成されたインク像IMを記録媒体Pに転写する前にインク像IMから液体成分を吸収する液吸収装置である。本実施形態のように水性顔料インクを用いる場合、吸収ユニット5Cは主としてインク像の水分を吸収することを目的としている。これにより記録媒体Pにカールやコックリングが生じることを抑制することができる。
吸収ユニット5Cは、液吸収部材50と、液吸収部材50を循環的に移動可能に支持する支持ユニット51と、清掃ユニット52と、を含む。
液吸収部材50は液吸収位置Aにおいてインク像IMから液体成分を吸収する吸収体であり、図8の例では無端で帯状のシートの形態を有している。矢印d1は転写体2の移動方向を、矢印d2は液吸収部材50の移動方向をそれぞれ示している。転写体2上のインク像IMに液吸収部材50が接触してインク像IMの液体成分が吸収される。インク像IMは、液体成分が減少して加熱ユニット5Dへ向かうことになる。
支持ユニット51は、液吸収部材50を循環的に走行可能に支持する機構であり、駆動回転体510と、複数の従動回転体511と、位置調整機構512とを含む。駆動回転体510および従動回転体511は、帯状の液吸収部材50が巻き回されるローラまたはプーリであり、Y方向の軸周りに回転自在に支持される。
駆動回転体510はモータMの駆動力により回転し、液吸収部材50を走行させる。なお、本実施形態では、支持ユニット51が駆動回転体510を有する構成としたが、これを省略して従動回転体511のみの構成とすることも可能である。この構成の場合、液吸収部材50を転写体2に押圧し、転写体2の回転力を利用して液吸収部材50を走行させることができる。
従動回転体511は、自由回転自在に支持される。本実施形態の場合、4つの従動回転体511が設けられており、これら従動回転体511と駆動回転体510とにより液吸収部材50の移動経路(走行軌道)が画定される。液吸収部材50の移動経路は、走行方向(矢印d2)で見て上下に曲折したジグザグ状の経路とされている。これにより、より小さな空間で、より長い液吸収部材50を用いることができ、液吸収部材50の性能劣化に伴う交換頻度をより少なくすることができる。
複数の従動回転体511の中の一つには、張力調整機構513が設けられている。張力調整機構513は、液吸収部材50の張力を調整する機構であり、支持部材513aと、移動機構513bと、センサ513cを含む。支持部材513aは、従動回転体511をY方向の軸周りに回転自在に支持する。移動機構513bは支持部材513aを移動する機構であり、例えば、電動シリンダである。移動機構513bにより従動回転体511を変位することができ、これにより液吸収部材50の張力を調整する。センサ513cは、液吸収部材50の張力を検知するセンサである。本実施形態の場合、移動機構513bが受ける負荷を検知する。センサ513cの検知結果に基づいて移動機構513bを制御することで、液吸収部材50の張力を自動制御可能である。
位置調整機構512は、可動部材512aと支持部材512cと押圧機構512bとを含む。可動部材512aは転写体2に対向して配置されており、本実施形態の場合、ローラ等の回転体である。可動部材512aは、支持部材512cに回転自在に支持されている。押圧機構512bは支持部材512cを介して可動部材512aを転写体2側へ進退させる機構であり、例えば、電動シリンダであるが、コイルスプリング等の弾性部材であってもよい。液吸収部材50は位置調整機構512により、液吸収位置Aにおいて転写体2に接触され、転写体2上に形成されたインク像IMから、その転写前に液体成分を吸収する。
転写制御部15CはモータMの駆動制御を行う。転写制御部15Cは、例えば、液吸収部材50が転写体2の移動に同期的に走行するようにモータMを駆動する。換言すると、転写体2の表面の周速度と、液吸収部材50の走行速度とが一致するようにモータMを制御する。これにより、液吸収部材50がインク像Mの色材を擦ることを抑制できる。
清掃ユニット52は、液吸収部材50からゴミを除去する装置であり、清掃ローラ521と、貯留槽522と、支持部材523と、移動機構524とを含む。支持部材523は、清掃ローラ521をY方向の軸周りに回転自在に支持し、また、貯留槽522を支持する。貯留槽522には清掃液522aが貯留され、清掃ローラ521はその一部が清掃液522aに浸かっている。移動機構524は支持部材523を移動する機構であり、例えば、電動シリンダである。支持部材523と共に清掃ローラ521および貯留槽522も移動する。これらは、清掃ローラ521が液吸収部材50に接する清掃位置と、清掃ローラ521が液吸収部材50から離間した退避位置との間で矢印方向(ここでは上下方向)に移動される。図8では清掃ローラ521が清掃位置に位置している状態を示している。清掃ローラ521は、記録システム1の運転中、常時清掃位置に位置させておいてもよく、メンテナンス時に退避位置に移動されてもよい。
清掃ローラ521は従動回転体511に対向して配置され、清掃位置においては液吸収部材50が清掃ローラ521と従動回転体511とでニップされる。清掃ローラ521は液吸収部材50の走行に従動して回転する。清掃ローラ521の周面は、例えば、粘着性を有する材料で形成され、液吸収部材50に付着したごみ(紙粉等)を除去する。清掃ローラ521の周面の材料としては、例えばブチル、シリコーン、ウレタンなどのゴムを挙げることができる。清掃液522aは例えば界面活性剤であり清掃ローラ521に付着したゴミの分離を促進させる液体を用いることができる。貯留槽522には清掃ローラ521の表面に当接してゴミの分離を促進するワイパを設けてもよい。
なお、吸収ユニット5Cは、この他に液吸収部材50に保湿液を付与する機構や、液吸収部材50から余剰の液体を除去する機構を設けてもよい。
次に、乾燥促進ユニット5Bの例について図8〜図10を参照して説明する。図9は液吸収位置Aの周囲における乾燥ユニット5B及び吸収ユニット5Cの一部を示す斜視図、図10は図9の矢印d4方向に見た乾燥ユニット5B及び吸収ユニット5Cの一部を示す説明図である。
乾燥促進ユニット5Bは、加熱ユニット100と、気流発生ユニット101とを含む。加熱ユニット100は、転写体2上のインク像IMへ輻射熱を放射する機構であり、転写体2の表面から離間して配置されている。加熱ユニット100が備える発熱素子100aは、転写体2の移動方向と直交する幅方向(Y方向)に延設されている。発熱素子100aは例えば棒状の赤外線ランプヒータであり、インク像IMのY方向の幅以上の全長を少なくとも有している。発熱素子100として赤外線ランプヒータを用いた場合、その赤外線は、例えば、900nm〜2500nmの波長域の近赤外線であると転写体2の表面温度の制御に比較的有利である。
このような近赤外線を受ける転写体2としては、表面が黒色系の色を有し、また、900nm〜2500nmの波長域の近赤外線の吸収率が60%以上の蓄熱層を有していてもよい。図11は転写体2の層構造の例を示し、転写面を構成する表面層21と、蓄熱層22と、断熱層23との3層構造の例を示す。
表面層の材料としては、上記の通り、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができ、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料を用いることができる。蓄熱層22は、上述した弾性層を兼用した層とすることができ、例えば、カーボンを含有した樹脂材料を用いることができる。この蓄熱層22によって加熱ユニット100からの輻射熱の蓄熱を促進することができる。断熱層23は、上述した圧縮層を兼用した層とすることができ、例えば、気泡を混入して空気による断熱性を高めた層であってもよい。転写体2がこうした層構造を有することで、加熱ユニット100による転写体2の加熱効率を高めることができ、つまり、インク像IMの加熱効率を高めることができる。
図8〜図10に戻り、気流発生ユニット101は、加熱ユニット100によって加熱された転写体2上のインク像の上に転写体2の幅方向(Y方向)へ流れる気流を生じさせる機構である。転写体2の幅方向へ流れる気流を生じさせることにより、インク像IMが加熱されることにより生じる蒸気をインク像IMの側方へ除去することができ、インク像IMの周囲に滞留することを抑制できる。これにより、インク像IMの乾燥が促進され、インク像IMの凝集化を図れる。
本実施形態の気流発生ユニット101は、気体を吹き付けるノズル101aと、ノズル101aに気体を供給する供給源101bとを含む。供給源101bは、例えばコンプレッサである。吹き付ける気体は、例えば、記録システム1の周囲雰囲気であり、常温の空気である。供給源101bとしてコンプレッサを用いる場合、アフタークーラを備えたコンプレッサを用いることができる。空気は圧縮されると温度が上昇し、その乾燥が促進され、アフタークーラにおいて水分を除去しつつ圧縮空気を冷却することで、より乾燥した空気をノズル101aから吹き付けることができる。これはインク像IMの周囲の蒸気の除去に有利である。
ノズル101aは、Y方向で転写体2の端部に配置されている。図10の例では、転写体2の径方向で見た場合にノズル101aの先端が転写体2と重なっている。しかし、ノズル101aが転写体2と重ならない構成も採用可能である。ノズル101aの吹き出し口は、転写体2の表面から、転写体2の径方向(転写ドラム41の径方向)で外側に離間している。これにより、ノズル101aから吹き出される気体がインク像IMに直接吹き付けられることを回避し、インク像IMの上方を気体が通るようにしている。
ノズル101aはY方向に指向しており、矢印d3で示されるように転写体2と液吸収部材50との谷を、吹き付ける気体が通過するよう配置されている。ノズル101aの指向方向(吹き出し方向)は本実施形態の場合、Y方向と平行であるが、Y方向に対して僅かに傾いていてもよい。例えば、転写体2の径方向で外側に傾いていてもよく、これにより、蒸気をインク像IMの上方で側方へ吹き飛ばすことができる。
ノズル101aは、転写体2の移動方向(転写ドラム41の周方向)で見ると、加熱ユニット100と液吸収部材50の液吸収位置Aとの間配置されている。これにより、加熱ユニット100の輻射熱により加熱されたインク像IMから生じる蒸気が、液吸収の前に、ノズル101aから吹き付けられる気体により、効率的に除去される。
次に、乾燥促進ユニット5B及び加熱ユニット5Dの制御例について説明する。本実施形態では、図8に示すように、転写体2上の温度変化を検知する温度センサSR1及びSR2が設けられている。温度センサSR1は、転写体2の移動方向で見ると吸収ユニット5Cよりも上流側で加熱ユニット100よりも下流側に配置され、転写体2の表面温度を検知するセンサである。温度センサSR1は、加熱ユニット100の加熱による転写体2上の温度変化を検知する。温度センサSR2は、転写体2の移動方向で見ると吸収ユニット5Cよりも下流側で加熱ユニット5Dよりも下流側に配置され、転写体2の表面温度を検知するセンサである。温度センサSR2は、加熱ユニット5Dの加熱による転写体2上の温度変化を検知する。
これらの温度センサSR1及びSR2の検知結果に基づいて加熱ユニット100及び5Dの駆動(発熱量)を制御することで、転写体2の表面温度を目的とする温度範囲内に維持する。図14は転写体2の表面温度のプロファイルを示しており、制御上の上限値UL及び下限値LLの例を示している。図示の例では、転写体2の回転位相に伴う転写体2の表面温度の許容範囲を示している。
転写体2の表面温度は、インク像IMの形成の段階(図6のST2の段階)を経て、乾燥促進ユニット5Bによる乾燥促進の段階(図6のST3の段階)に至ると、加熱ユニット100の加熱により上昇される。温度センサSR1の検知結果が上限値UL、下限値LLの範囲内に収まるように加熱ユニット100の駆動が制御される。
転写体2の表面温度は、インク像IMの形成の段階(図6のST2の段階)を経て、乾燥促進ユニット5Bによる乾燥促進の段階(図6のST3の段階)に至ると、加熱ユニット100の加熱により上昇される。温度センサSR1の検知結果が上限値UL、下限値LLの範囲内に収まるように加熱ユニット100の駆動が制御される。
インク像IMの凝集物が高温過ぎて過乾燥状態となると、後段の吸収ユニット5Cによる液体成分の吸収の際、液吸収部材50による液吸収効率が低下する。これは、インク像IMの粘度が上昇することに起因する。インクには水分と溶剤が含まれており、水分は加熱によって蒸気となるが、溶剤は加熱によって乾燥しない。このため、インク像IMが過乾燥状態になると、インク像IMの粘度が上昇し、液吸収部材50への吸収率が低下する。結果的に、記録媒体Pへの転写後のインク像IMの残溶剤量も多くなり、液分リッチな画像が形成されてしまう。よって、転写体2の表面温度を上限値UL以下に抑えることでインク像IMが過乾燥状態となることを回避できる。
また、インク像IMの凝集物が低温過ぎて過湿潤状態にあると、後段の吸収ユニット5Cによる液体成分の吸収の際、インク像IMのずれを生じる場合がある。よって、転写体2の表面温度を下限値LL以上に維持することでインク像IMが過湿潤状態となることも回避できる。
次に、転写体2の表面温度は、液吸収部材50によるインク像IMの液体成分の吸収の段階(図6のST4の段階)で降下するが、加熱ユニット5Dによる加熱(図6のST5の段階)で上昇させる。温度センサSR2の検知結果が上限値UL、下限値LLの範囲内に収まるように加熱ユニット5Dの駆動が制御される。これにより、記録媒体Pへのインク像IMの転写性を維持できる。
図13は加熱ユニット100の制御例を示すフローチャートであり、転写制御部15Cが実行する処理例である。S1では温度センサSR1の検知結果を取得する。S2では、S1で取得した検知結果に基づいて加熱ユニット100の駆動条件を演算する。例えば、上述した上限値ULと下限値LLの間の範囲内に転写体2の表面温度が収まるように、加熱ユニット100に供給する駆動電圧のデューティ比を設定する。S3ではS2で演算した駆動条件により加熱ユニット100を駆動する。S4では記録終了か否かを判定し、記録終了でなければS1に戻って同様の処理を繰り返す。なお、S4の記録終了とは、記録する画像と、記録する記録媒体Pの枚数とが規定された一単位のジョブの意味、或いは、システムの稼働開始から稼働終了の意味である。加熱ユニット100は、規定枚数の記録媒体Pの記録動作中、こうしたフィードバック制御により、加熱乾燥ユニット5Bの処理段階における転写体2の表面温度を、常時、上限値ULと下限値LLとの間の範囲内に維持する。
図14は加熱ユニット5Dの制御例を示すフローチャートであり、転写制御部15Cが実行する処理例である。加熱ユニット5Dの制御は2系統あり、S15〜S17はフィードバック制御であり、S12〜S14はフィードバック制御とフィードフォワード制御の要素を含む。
S11では2系統の制御のいずれかを選択する処理であり、ここでは所定の条件の成立を判定する。所定の条件が成立した場合はS12へ進み、成立しない場合はS15へ進む。所定の条件とは、例えば、加熱ユニット5Dの位置における転写体2の表面温度を、上限値ULと下限値LLとの間の範囲内に維持するために必要な推定熱量の条件である。具体的には、例えば、インク像IMのインク量の変化に関わる条件である。インク像IMのインク量(インクの打ち込み量)が多い場合、少ない場合に比べて、転写体2の表面温度の低下が大きくなり、インク像IMの形成部分と、その周囲部分とで転写体2の表面温度差が大きくなる。記録対象の画像の変化によりインク像IMのインク量が切り替わる場合には、転写体2の表面温度が急激に変化する場合があり、その対応としてフィードバック制御とフィードフォワード制御の要素を含むS12〜S14の制御を実行する。
まずS12では温度センサSR1と温度センサSR2の双方の検知結果を取得する。S13では、S12で取得した2つの温度センサSR1及びSR2の検知結果に基づいて加熱ユニット5Dの駆動条件を演算する。例えば、上述した上限値ULと下限値LLの間の範囲内に転写体2の表面温度が収まるように、加熱ユニット100に供給する駆動電圧のデューティ比を設定する。温度センサSR1の検知結果を参照することで、転写体2の表面温度変化を予測し、事前に対処することができる(フィードフォワード制御)。例えば、温度センサSR2の検知結果に基づく制御量に、温度センサSR1の検知結果に基づく制御量を足し込む(発熱増大)、或いは、減らす(発熱低下)。これにより、インク像IMのインク量の増減に起因する転写体2の表面温度の急激な変化に対応することが可能である。
S14ではS13で演算した駆動条件により加熱ユニット5Dを駆動する。S18では記録終了か否かを判定し、記録終了でなければS11に戻って同様の処理を繰り返す。
S15では、温度センサSR2の検知結果を取得する。S16では、S15で取得した検知結果に基づいて加熱ユニット5Dの駆動条件を演算する。ここでは温度センサSR2の検知結果のみを参照したフィードバック制御を行う。例えば、上述した上限値ULと下限値LLの間の範囲内に転写体2の表面温度が収まるように、加熱ユニット5Dに供給する駆動電圧のデューティ比を設定する。S17ではS16で演算した駆動条件により加熱ユニット5Dを駆動する。その後、S18の処理を実行する。
このように加熱ユニット5Dの制御においては、転写体2の移動方向で上流側に位置する温度センサSR1の検知結果を必要に応じて利用することで、転写体2の表面温度を適切な温度に維持することができる。
<乾燥促進ユニットの他の構成例>
乾燥促進ユニット5Bの他の構成例について図15(A)〜図16(B)を参照して説明する。
図15(A)の構成例は、乾燥促進ユニット5Bが複数のノズル101aを備えている。図示の例では3つのノズル101aが転写体2の移動方向に間隔をおいて配置されている。各ノズル101aの気体の吹き付け方向は平行であり、Y方向である。転写体2上の広範囲に渡ってインク像IMからの蒸気を吹き飛ばすことができる。
また、図15(A)の例では、中央のノズル101aは、加熱ユニット100と転写体2の表面との間の空間に気体を吹き付けている。加熱ユニット100の輻射熱によりインク像IMから蒸発する蒸気を直ちに吹き飛ばすことが可能である。なお、全てのノズル101aが、加熱ユニット100と転写体2の表面との間の空間に気体を吹き付ける構成であってもよい。
図15(B)の構成例では、乾燥促進ユニット5Bが、Y方向で転写体2の一方端部に配置されたノズル101aと、Y方向で転写体2の他方端部に配置されたノズル101aとを備えている。図示の例では、これら2つのノズル101aが向かい合って配置されている。各ノズル101aの吹き出し方向は、すれ違っていてもよいが、図示の例では干渉するように設定されている。これにより、転写体2の幅方向の中央部において、気流同士が衝突して転写胴41の径方向外側に蒸気が上昇し易くなり、蒸気の除去効率を向上できる。
次に、気流発生ユニット101は、転写体2上の気体を幅方向(Y方向)に吸引するものであってもよい。図16(A)はその一例を示している。同図の例では、Y方向で転写体2の端部に配置された吸引用のノズル101cと、ノズル101cを介して気体を吸引するポンプ等の負圧源101dとを備える。ノズル101cは、Y方向に指向しており、矢印d5で示されるように、気体を吸引することでY方向の気流が生じる。このような構成でも、インク像IMの周囲の蒸気をノズル101cを介して側方へ吸い出すことができ、インク像IMの周囲に蒸気が滞留することを抑制できる。
図16(B)の構成例は、図10の例と図16(A)の例を組み合わせたものである。この構成例では、Y方向で転写体2の一方端部に吹き出し用のノズル101aが配置される一方、Y方向で転写体2の他方端部に吸引用のノズル101cが配置されている。図示の例では、これら2つのノズル101a、101cが向かい合って配置されている。各ノズル101aの吹き出し方向は、すれ違っていてもよいが、図示の例のように向かい合わせることで、転写体2の幅方向により強い気流を生じさせることができる。この結果、インク像IMの周囲の蒸気をより効率的に除去することができる。
<他の実施形態>
上記実施形態では、転写胴41に転写体2を支持する構成としたが他の構成も採用可能である。例えば、図8の液吸収部材50と支持ユニット51の構成のように、シート状で無端の転写体2を、複数の回転体で循環的に移動可能に支持する構成であってもよい。
また、本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1 記録システム、1A 記録装置、5B 乾燥促進ユニット

Claims (12)

  1. 転写体にインクを吐出し、前記転写体上にインク像を形成する記録手段と、
    前記転写体上のインク像の乾燥を促進する乾燥促進手段と、
    前記乾燥促進手段による乾燥促進後の前記インク像から液体成分を吸収する液吸収手段と、
    前記液吸収手段により液体成分が吸収された、前記転写体上の前記インク像を記録媒体に転写する転写手段と、
    を備えた記録装置であって、
    前記乾燥促進手段は、
    前記転写体上の前記インク像へ輻射熱を放射する第一の加熱手段と、
    前記第一の加熱手段によって加熱された前記転写体上のインク像の上に、前記転写体の幅方向へ流れる気流を生じさせる気流発生手段と、を備える、
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記気流発生手段は、気体を前記幅方向に吹き付けることで前記気流を生じさせる、
    ことを特徴とする記録装置。
  3. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記気流発生手段は、前記転写体上の気体を前記幅方向に吸引することで前記気流を生じさせる、
    ことを特徴とする記録装置。
  4. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記第一の加熱手段による前記転写体上の温度変化を検知する第一のセンサと、
    前記第一のセンサの検知結果に基づいて前記第一の加熱手段を制御する制御手段と、を備える、
    ことを特徴とする記録装置。
  5. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記第一の加熱手段は、前記輻射熱として、900nm〜2500nmの波長域の赤外線を放射し、
    前記転写体は、前記波長域の赤外線の吸収率が60%以上の蓄熱層を含む、
    ことを特徴とする記録装置。
  6. 請求項4に記載の記録装置であって、
    前記転写手段による転写前であって、前記液吸収手段により液体成分が吸収された前記転写体上の前記インク像へ輻射熱を放射する第二の加熱手段と、
    前記第二の加熱手段による前記転写体上の温度変化を検知する第二のセンサと、を備え、
    前記制御手段は、前記第一のセンサ及び前記第二のセンサの検知結果に基づいて、前記第二の加熱手段を制御する、
    ことを特徴とする記録装置。
  7. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記気流発生手段は、前記幅方向で前記転写体の端部に配置されたノズルを含む、
    ことを特徴とする記録装置。
  8. 請求項7に記載の記録装置であって、
    前記気流発生手段は、気体を吹き付けるノズルを備え、
    前記ノズルは、前記幅方向に指向している、
    ことを特徴とする記録装置。
  9. 請求項7に記載の記録装置であって、
    前記第一の加熱手段は、前記転写体と対向するように配置され、
    前記気流発生手段は、前記気流の少なくとも一部が前記第一の加熱手段と前記転写体との間を通過するように配置される、
    ことを特徴とする記録装置。
  10. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記転写手段は、前記転写体を支持する転写ドラムを備え、
    前記転写体の前記幅方向とは、前記転写ドラムの回転軸の方向と平行な方向である、
    ことを特徴とする記録装置。
  11. 請求項10に記載の記録装置であって、
    前記気流発生手段は、前記幅方向で前記転写体の端部に配置されたノズルを含み、
    前記ノズルは、前記転写ドラムの周方向で、前記第一の加熱手段と前記液吸収手段との間に位置している、
    ことを特徴とする記録装置。
  12. 転写体にインクを吐出し、前記転写体上にインク像を形成する記録工程と、
    前記転写体上のインク像の乾燥を促進する乾燥促進工程と、
    前記乾燥促進工程による乾燥促進後の前記インク像から液体成分を吸収する液吸収工程と、
    前記液吸収工程により液体成分が吸収された、前記転写体上の前記インク像を記録媒体に転写する転写工程と、
    を備えた記録方法であって、
    前記乾燥促進工程は、
    前記転写体上の前記インク像へ輻射熱を放射する加熱工程と、
    前記加熱工程によって加熱された前記転写体上のインク像の上に、前記転写体の幅方向へ流れる気流を生じさせる気流発生工程と、を備える、
    ことを特徴とする記録方法。
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