JP2020022242A - ステータ、ステータを用いたモータ及び圧縮機 - Google Patents

Abstract

【課題】ステータの絶縁性を改善する。【解決手段】ティースとスロットを有するステータコアと、ステータコアの軸方向の端部から軸方向内側に向けて取り付けられるインシュレータと、を有するステータであって、インシュレータは、ステータコアの軸方向端部に位置する橋部と、ステータコアの軸方向に延在し、橋部に近い根元部と、橋部から離れる方向に延在する先端部と、を有し、先端部は、ステータコアとの間に隙間を有する。【選択図】 図５

Description

本発明は、ステータ、ステータを用いたモータ及び圧縮機に関する。

特許文献１は、歯部の角部のみを被う断面Ｌ字状の角被覆部を開示している。
また、特許文献２のように、２つのインシュレータを突き合わせる構成も知られている。

特開２００２−１１２４８７号公報 特開昭６１−２１８３３５号公報

金属で形成されるステータにコイル巻線を巻き回す場合、ステータと巻線との絶縁の確保が求められる。ステータコアのスロット内部の絶縁材としてポリエステルなどのフィルムで形成された絶縁紙を用いた場合、巻線作業時に絶縁紙の変形、やぶれ、ズレが発生してコアとコイル巻線（エナメル線）との絶縁が不十分になる虞がある。

特許文献１のように角部のみを被う構成では、モータの使用環境等によっては絶縁信頼性が不十分な虞がある。一方、特許文献２のように２つのインシュレータを突き合わせて全周を被ってしまうと、インシュレータによってコイル巻線の巻き回しスペースがとられてしまい、モータの大形化を招来する。

また、電動機のコイルは、磁場の中で電流を流すから導体に力が働く。このため、電動機運転時のコイルの転流によりコイルを振動させる力が発生している。このため、コイルとステータコアとの接触領域を低減することが好ましい。

上記事情に鑑みてなされた本発明は、
ティースとスロットを有するステータコアと、
前記ステータコアの軸方向の端部から軸方向内側に向けて取り付けられるインシュレータと、を有するステータであって、
前記インシュレータは、
前記ステータコアの軸方向端部に位置する橋部と、
前記ステータコアの軸方向に延在し、前記橋部に近い根元部と、
前記橋部から離れる方向に延在する先端部と、を有し、
前記先端部は、前記ステータコアとの間に隙間を有することを特徴とする。

実施例１の電動機のステータ（ａ）平面図および（ｂ）斜視図 図２のステータの絶縁構造を示すステータの展開図 実施例１のインシュレータの斜視図 図１のＡ−Ａ断面図 図４の拡大図 実施例１の電動機を搭載した密閉型圧縮機の縦断面図 図６の密閉型圧縮機を搭載した冷蔵庫の縦断面図

以下、この発明の実施例を添付の図面を参照しつつ説明する。本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、空気調和機やヒートポンプ式給湯機などの密閉形圧縮機を搭載する家電機器でもよく、任意である。なお、以下に説明する実施例では、家電機器として、冷蔵庫を一例として説明する。

図１は本実施例の電動機のステータ３の（ａ）平面図および（ｂ）斜視図、図２はステータコアと絶縁材の構成を示したステータ３の展開図である。図３はインシュレータ６の斜視図、図４は図１のＡ−Ａ断面図でありコイルが巻き回されるティース部周辺の絶縁材の構成を示している。図５は図４の拡大図である。

ステータコア４には複数のスロット４ａとティース４ｂが環状に配置され、コイル５はティース４ｂ部に巻きつけられる。このときコイル５とステータコア４を絶縁するために、スロット４ａにはスロット４ａの空隙側周に沿わせた形状のスロット絶縁紙７が設けられ、また、ステータコア４の軸方向両端部にはインシュレータ６が配置される。これにより、スロット絶縁紙７がティース側周を、インシュレータ６がティース４ｂ上を覆う構造となる。

インシュレータ６は、図４に例示するように、ティース４ｂの軸方向両端側それぞれに配された略コ字状である。スロット４ａに挿入される部分であるスロット絶縁壁６ａ、６ｂは、根元側（軸方向両端側）の根元部６ａの方が先端側の先端部６ｂよりも厚くなっている。また、ティース４ｂの軸方向端部に接する部分を橋部６ｃとする。ステータコア４に取り付けた際、根元部６ａや橋部６ｃはステータコア４（ティース４ｂ）に接触するのに対し、先端部６ｂは隙間を有している。この隙間には、スロット絶縁紙７の端側が挿入されており、スロット絶縁紙７はステータコア４とインシュレータ６との間で支持されている。

図５に例示するように、寸法を次のように定義する。
根元部６ａの厚み ：＝ ｔ１
先端部６ｂの厚み ：＝ ｔ２
根元部６ａの長さ ：＝ Ｌ１
先端部６ｂの長さ ：＝ Ｌ２
絶縁紙７と先端部６ｂとの重なり長さ ：＝ Ｄ
また、図４に例示するように、ティース４ｂの軸方向長さをＬｓｔとする。

本実施例では、根元部６ａによってティース４ｂの角部を覆い、先端部６ｂによって角部より先を覆うとともに絶縁紙７を支持している。先端部６ｂは、ティース４ｂとの間に隙間を有しているので、コイル巻線からの振動は伝達しにくい。

また、たがいに対向する２つのインシュレータ６の先端部６ｂは、離間している。このため、先端部６ｂ同士で振動が伝達することが抑制されるとともに、インシュレータ６が占領する体積が低減されるのでコイル巻線の占積率を向上させやすい。先端部６ｂ同士の離間距離は、ティース４ｂの軸方向寸法の例えば１／３程度設けることができる。

本実施例では、１／２×Ｌｓｔ＞ Ｌ１＋Ｌ２ ＞ １／３×Ｌｓｔとなる寸法で構成している。なお、Ｄ寸法は、例えば密閉型圧縮機に搭載されるモータにおいては、２．４ｍｍ以上であると、本発明者らの検討によれば絶縁性の確保から好ましい。この寸法を公差最悪寸法の組合わせ時においても満足するようにＬ２寸法を決める。

本構造をとることで、ステータコア４のスロット内の２／３以上の長さは剛性および耐熱性の高いインシュレータ６の絶縁壁で覆うことになるので、スロット４ａ内の絶縁を絶縁紙７のみで絶縁したときに比べ大幅に絶縁性能を高めることができる。

また、ステータコア４とコイル巻線との間の絶縁距離を確保するために、絶縁材６，７の境界では、スロット絶縁紙７とインシュレータ６の板厚ｔ２部を必要沿面距離の分だけ重ね合わせている。スロット絶縁紙７の厚みは、インシュレータ６の厚みに比べて半分以下の薄さで形成することができるので、インシュレータ６の厚みを２枚重ねたときにくらべて、スロット面積への影響が低い。

図６は電動機を搭載した密閉形圧縮機の縦断面図、図７は密閉形圧縮機を搭載した冷蔵庫の縦断面図である。図６の密閉容器５０内に構成される密閉形圧縮機は、回転可能に設けられたロータ３２と、ロータの外周面に対向するステータ鉄心の円筒形内周面に沿って形成された複数のスロット内に電機子巻線なるコイルが施されたステータ３とから構成される電動機部１と、ロータに締結されたクランクシャフト３５とクランクシャフトの回転運動をピストン３７の往復運動に変換するコンロッド３６で構成される動力伝達部と、ピストン３７の往復運動によりシリンダ３８内で冷媒ガスを圧縮し冷媒ガスの吸込・吸込を制御するバルブプレート１９から構成される圧縮機機構部から構成される。

電動機１はコイルに電流を流してステータ３に発生する電磁力によって、ロータ３２をシャフト３５と共に回転させる。ステータ３は、電磁鋼板を積層して形成されたステータコアの各スロットに各相のコイルを各々巻き回され、ステータコアとコイルの間には絶縁材を介在させている。

１ 電動機
３ ステータ
４ ステータコア
４ａ スロット
４ｂ ティース
４ｃ ヨーク
５ コイル
６ インシュレータ
６ａ 根元部
６ｂ 先端部
６ｃ 橋部
７ スロット絶縁紙
３２ ロータ
５０ 密閉型圧縮機
１００ 冷蔵庫

Claims (5)

1. ティースとスロットを有するステータコアと、
   前記ステータコアの軸方向の端部から軸方向内側に向けて取り付けられるインシュレータと、を有するステータであって、
   前記インシュレータは、
   前記ステータコアの軸方向端部に位置する橋部と、
   前記ステータコアの軸方向に延在し、前記橋部に近い根元部と、
   前記橋部から離れる方向に延在する先端部と、を有し、
   前記先端部は、前記ステータコアとの間に隙間を有することを特徴とするステータ。
2. 前記スロット内に挿入され、前記隙間に端部が挿入されているスロット絶縁紙を有することを特徴とする請求項１に記載のステータ。
3. 前記根元部及び前記先端部の軸方向長さの和は、前記ステータコアの軸方向長さの１／３超１／２未満であることを特徴とする請求項１又は２に記載のステータ。
4. 前記隙間の軸方向寸法は、２．４ｍｍ以上である請求項２に記載のステータを有する密閉型圧縮機。
5. 請求項１乃至３何れか一項に記載のステータを有するモータ又は圧縮機。

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