JP2020021830A - コイル - Google Patents

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亮祐 田村
Ryosuke Tamura
亮祐 田村
広和 武脇
Hirokazu Takewaki
広和 武脇
和慶 羽田
Kazunori Haneda
和慶 羽田
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Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Automotive Systems Inc
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Furukawa Automotive Systems Inc
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Abstract

【課題】インダクタンスと温度仕様との間のトレードオフを改善し、小型なコイルを提供する。【解決手段】コイル10aは、巻線2と少なくとも1つの磁性体3a、3bとを備える。巻線2の内部の少なくとも一部には、空間Sが形成されており、磁性体3a、3bは、コイル10aによって形成される磁路の一部に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、コイルに関するものであり、特には、LLC共振コンバータに用いられる共振コイルに関するものである。
従来、高効率化、小型化および低ノイズ化を達成するための電源に用いられるコンバータとして、LLC共振コンバータが知られている。一般的なLLC共振コンバータは、トランスの漏れインダクタンス、励磁インダクタンスおよび共振コンデンサからなる共振回路を有し、トランスの漏れインダクタンスを共振用インダクタンスとして利用する。漏れインダクタンスを最適な値に調整するために、トランスの一次巻線および二次巻線の巻線比を変更する技術が提案されている(特許文献1)。
特開2006−286880号公報
しかしながら、トランスの漏れインダクタンスを利用する場合、トランスの温度仕様を満足できない問題が生じていた。そこで、本発明者らは、トランスの漏れインダクタンスを利用する代わりに、別部品の小型な共振コイルを利用することを検討してきた。
共振コイルの設計の流れとして、共振条件により所望のインダクタンスを決定した後、共振コイルの温度仕様を満足するように、共振コイルのコアサイズおよび巻き数を大きくし、鉄損を低減する。しかし、この場合、インダクタンスが大きくなりすぎて、所望のインダクタンスを達成できなかった。さらに、インダクタンスが大きいと、共振コイルは熱を発生するため、共振コイルの温度仕様を満足できず、設計が破綻してしまっていた。
そこで、本発明は、上述したインダクタンスと温度仕様との間のトレードオフを改善し、小型なコイルを提供することを目的とする。
本発明のコイルは、巻線と少なくとも1つの磁性体とを備え、
前記巻線の内部の少なくとも一部には、空間が形成されており、
前記磁性体は、前記コイルによって形成される磁路の一部に配置されている。
本発明のコイルでは、前記磁性体は、前記巻線の内部に配置されていることが好ましい。
本発明のコイルでは、前記巻線は、ボビンにソレノイド状に巻回されており、
前記磁性体は、前記ボビンの上側または下側を覆う平板状の磁性体部分と、前記磁性体部分から前記巻線の内部に延在するロッド状の磁性体部分と、からなることが好ましい。
本発明のコイルでは、前記巻線は、ボビンにソレノイド状に巻回されており、
前記磁性体は、第1の磁性体および第2の磁性体を備え、
前記第1の磁性体は、前記ボビンの上側を覆う平板状の磁性体部分と、前記磁性体部分から前記巻線の内部に延在するロッド状の磁性体部分と、からなり、
前記第2の磁性体は、前記ボビンの下側を覆う平板状の磁性体部分と、前記磁性体部分から前記巻線の内部に延在するロッド状の磁性体部分と、からなることが好ましい。
本発明のコイルでは、前記巻線の外部における前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間の距離は、前記巻線の内部における前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間の距離より大きいことが好ましい。
本発明のコイルは、前記巻線の内部に磁性シートをさらに備えることが好ましい。
本発明は、インダクタンスと温度仕様との間のトレードオフを改善し、小型なコイルを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るコイルの断面図である。 本発明の第2実施形態に係るコイルの断面図である。 本発明の第3実施形態に係るコイルの断面図である。 本発明の第4実施形態に係るコイルの断面図である。 本発明の第5実施形態に係るコイルの断面図である。 本発明の第6実施形態に係るコイルの断面図である。 コイルのインピーダンスと体積との関係を示したグラフである。 コアの付与によるインダクタンスの変化を示したグラフである。
図1は、本発明の第1実施形態に係るコイルの断面図である。
コイル10aは、ボビン1にソレノイド状に巻回された巻線2と、巻線2の内部の上側に配置されたロッド状の第1の磁性体3aと、巻線2の内部の下側に配置されたロッド状の第2の磁性体3bと、を備える。巻線2の内部の、第1の磁性体3aと第2の磁性体3bとの間には空間Sが形成されている。
コイル10aにより破線矢印で示すような磁路が形成され、この磁路の一部に第1の磁性体3aおよび第2の磁性体3bは配置されている。すなわち、コイル10aは開磁路構造を有する。
後述する図5の実施形態のように、磁性体を巻線2の外部のみに配置することも可能であるが、本実施形態のように、第1の磁性体3aおよび第2の磁性体3bを巻線2の内部に配置することにより、巻線2と直交する経路の磁束の漏れを防ぐことができる。また、巻線2の内部の、第1の磁性体3aと第2の磁性体3bとの間の空間Sにより、インダクタンスを調整することができるとともに、共振条件と温度仕様とのトレードオフを解消することができる。なお、空間Sの磁路に沿った長さを長くするほど、巻線2が漏れ磁束に晒されやすくなるため、空間Sの長さは、極力短いことが好ましい。
一実施形態では、ボビン1がPQ26/20サイズ、巻線2がエナメル線Φ0.8mmを12T、第1の磁性体3aと第2の磁性体3bがPQ26/20をロッド状に加工したもの、空間Sの長さが2mmの場合、インダクタンスは所望の範囲内の4.8μHであった。
このように、空間Sの長さを調整するとともに、第1の磁性体3aおよび第2の磁性体3bの構成を変更することにより、コイルを小型化しながら所望のインダクタンスを達成することができる。
以下、磁性体の構成を変更した各種実施形態を説明する。
図2は、本発明の第2実施形態に係るコイルの断面図である。
コイル10bは、ボビン1にソレノイド状に巻回された巻線2と、巻線2の内部の中央に配置されたロッド状の磁性体3mと、を備える。巻線2の内部の、磁性体3mの上下にはそれぞれ空間Sが形成されている。
図3は、本発明の第3実施形態に係るコイルの断面図である。
コイル10cは、ボビン1にソレノイド状に巻回された巻線2と、巻線2の内部に一部が配置された磁性体3cと、を備える。磁性体3cは、ボビン1の上側を覆う平板状の磁性体部分と、当該磁性体部分から巻線2の内部に延在するロッド状の磁性体部分と、からなる。巻線2の内部の、磁性体3cの下には空間Sが形成されている。
本実施形態のように、磁性体3cが、ボビン1の上側を覆う平板状の磁性体部分を有すると、当該磁性体部分がボビン1に引っ掛かるため、コイル10cの組み立て性を改善することができるので好ましい。
図4は、本発明の第4実施形態に係るコイルの断面図である。
コイル10dは、ボビン1にソレノイド状に巻回された巻線2と、巻線2の内部の上側に一部が配置された第1の磁性体3iと、巻線2の内部の下側に一部が配置された第2の磁性体3jと、を備える。第1の磁性体3iは、ボビン1の上側を覆う平板状の磁性体部分と、当該磁性体部分から巻線2の内部に延在するロッド状の磁性体部分と、からなり、第2の磁性体3jは、ボビン1の下側を覆う平板状の磁性体部分と、当該磁性体部分から巻線2の内部に延在するロッド状の磁性体部分と、からなる。巻線2の内部の、第1の磁性体3iと第2の磁性体3jとの間には空間Sが形成されている。
また、巻線2の外部における第1の磁性体3iと第2の磁性体3jとの間の距離l1は、巻線2の内部における第1の磁性体3iと第2の磁性体3jとの間の距離l2より大きいことが好ましい。
本実施形態のように、第1の磁性体3iおよび第2の磁性体3jを対称に配置することにより、ボビン1内部の磁場が均質化され、空間Sを短くすることにより、巻線が漏れ磁束に晒されるのを抑制できるので好ましい。
図5は、本発明の第5実施形態に係るコイルの断面図である。
コイル10eは、ボビン1にソレノイド状に巻回された巻線2と、ボビン1の上側を覆う平板状の第1の磁性体3pと、ボビン1の下側を覆う平板状の第2の磁性体3qと、を備える。巻線2の内部の全体に、空間Sが形成されている。
図3〜図5では、ボビン1の幅とボビン1の上側および/または下側を覆う平板状の磁性体部分の幅とが同一であるが、両者は異なっていてもよい。
図6は、本発明の第6実施形態に係るコイルの断面図である。
コイル10fは、図1のコイル10aの構成に加えて、巻線2の内部、詳細には、ボビン1と第1および第2の磁性体3a、3bとの間にEMI対策用の磁性シート4を備える。
本実施形態のように、磁性シート4を設けることにより、漏れ磁束が遮蔽され、漏れ磁束による損失の増加を抑制できるので好ましい。
なお、磁性シート4は、図2〜図5のコイルの構成に追加することもできる。
以下、本発明の効果を説明するための実施例を示す。
図7は、縦軸にコイルのインピーダンス、横軸にコイルの体積を示したグラフである。発明例として図4のコイルを使用し、比較例1、2としてギャップ付きPQコアを有するコイルを使用し、従来例として巻線の内部全体にコアを有するコイルを使用した。なお、比較例1、2は等価なグラフになるため、1つの破線で表す。本実施例では、所望のインダクタンスの範囲は、2.0μH以上であった。
図7より、発明例では、約6000mmの体積で2.0μHのインダクタンスを達成できたのに対して、比較例1、2では、2.0μHのインダクタンスを達成できるのは約9000mmの体積であり、従来例では、2.0μHのインダクタンスを達成できるのは12000mmより大きい体積になると推測される。
このように、本発明では、コイルを小型化しながら所望のインダクタンスを達成できることが確認された。
図8は、コアの付与によるインダクタンスの変化を示したグラフである。
従来例として空芯のコイルを使用し、発明例1として図5のコイル(PQI26平板×2)を使用し、発明例2として上側にPQI26/12コア、下側にPQI26平板を用いたコイルを使用し、発明例3としてPQI26/12コア×2を用いたコイルを使用した。本実施例では、所望のインダクタンスの範囲は、2.0μH以上であった。
このように、本発明では、磁性体を、コイルによって形成される磁路の一部に配置することにより、所望のインダクタンスを達成できることが確認された。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、図1のコイル10aでは、第1の磁性体3aと第2の磁性体3bとの間の中央に空間Sが形成されているが、空間Sは、上下に偏っていてもよい。また、磁性体は、コイルによって形成される磁路の一部に配置されてさえいれば、ボビンに接触していなくてもよい。また、空間Sには、空気が充填されている以外に、樹脂またはその他の材料が充填されていてもよい。
1…ボビン、2…巻線、3…磁性体、4…磁性シート

Claims (6)

  1. 巻線と少なくとも1つの磁性体とを備えるコイルであって、
    前記巻線の内部の少なくとも一部には、空間が形成されており、
    前記磁性体は、前記コイルによって形成される磁路の一部に配置されている、
    コイル。
  2. 前記磁性体は、前記巻線の内部に配置されている、
    請求項1に記載のコイル。
  3. 前記巻線は、ボビンにソレノイド状に巻回されており、
    前記磁性体は、前記ボビンの上側または下側を覆う平板状の磁性体部分と、前記磁性体部分から前記巻線の内部に延在するロッド状の磁性体部分と、からなる、
    請求項1に記載のコイル。
  4. 前記巻線は、ボビンにソレノイド状に巻回されており、
    前記磁性体は、第1の磁性体および第2の磁性体を備え、
    前記第1の磁性体は、前記ボビンの上側を覆う平板状の磁性体部分と、前記磁性体部分から前記巻線の内部に延在するロッド状の磁性体部分と、からなり、
    前記第2の磁性体は、前記ボビンの下側を覆う平板状の磁性体部分と、前記磁性体部分から前記巻線の内部に延在するロッド状の磁性体部分と、からなる、
    請求項1に記載のコイル。
  5. 前記巻線の外部における前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間の距離は、前記巻線の内部における前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間の距離より大きい、
    請求項4に記載のコイル。
  6. 前記巻線の内部に磁性シートをさらに備える、
    請求項1から5のいずれかに記載のコイル。
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