JP2003133137A - 巻線型コイル - Google Patents

巻線型コイル

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JP2003133137A
JP2003133137A JP2001322664A JP2001322664A JP2003133137A JP 2003133137 A JP2003133137 A JP 2003133137A JP 2001322664 A JP2001322664 A JP 2001322664A JP 2001322664 A JP2001322664 A JP 2001322664A JP 2003133137 A JP2003133137 A JP 2003133137A
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winding
tubular body
bobbin
wire
hole
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JP2001322664A
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English (en)
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Zenei Nishikawa
善栄 西川
Kiyoaki Igashira
清晃 井頭
Takaaki Oi
隆明 大井
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性体コアによる浮遊容量への影響を抑える
ことができる構造を有した巻線型コイルを提供する。 【解決方法】 巻線37,47の各々は、ボビン32,
42の筒状胴部33,43の外周に単層巻きされてい
る。ボビン32,42の筒状胴部33,43の穴33
a,43aの内壁面と、コア部材50a,50bの脚部
52a,52bの外周面52aa,52baとの間に所
定の寸法(0.3〜1.5mm)の空間ギャップG1が
形成されている。コア部材50a,50bの腕部51
a,51bの内側面51aa,51bbと、ボビン3
2,42の各々の鍔部34,35,44,45の外側主
面34a,35a,44a,45aとの間に所定の寸法
(0.7〜4.0mm)の空間ギャップG2が形成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、巻線型コイル、特
に、インダクタ、コモンモードチョークコイル、ノーマ
ルモードチョークコイル、トランスなどに使用される巻
線型コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、コモンモードチョークコイルの
挿入損失−周波数特性は、自己共振周波数より低い周波
数領域ではコモンモードインダクタンスLによる誘導性
特性を示し、自己共振周波数より高い周波数領域ではコ
モンモードチョークコイルに発生する浮遊容量Cによる
容量性特性を示す。自己共振周波数と、50Ω系で測定
する場合の誘導性特性および容量性特性とは、以下の式
によって表される。 自己共振周波数:fr=1/[2π(LC)1/2] 誘導性特性カーブ:挿入損失=10log[1+(ωL
/100)2] 容量性特性カーブ:挿入損失=10log[1+1/
(100ωC)2
【0003】コモンモードチョークコイルの高周波帯域
でのノイズ除去性能をアップさせるには、浮遊容量Cを
小さくする必要がある。浮遊容量発生の主な要因は、概
略、巻線の巻回構造による影響分と、ボビンによる影響
分と、磁性体コアによる影響分である。ここに、ボビン
による影響分を小さくするためには、誘電率の低いボビ
ン材質に変更したり、ボビンの肉厚を薄くしたりする必
要がある。しかし、コモンモードチョークコイルを交流
電源ライン用として使用する場合には、安全規格の難燃
性、相対温度指数および絶縁距離を確保しなければなら
ない。また、既存のコモンモードチョークコイルにおい
ては、誘電率ε=2〜4程度の材質で、0.5〜1.0
mm程度の肉厚のボビンが一般的に用いられているた
め、ボビン材質やボビンの肉厚を変更して、浮遊容量C
のうちボビンによる影響分を小さくすることは困難であ
る。
【0004】従って、コモンモードチョークコイルに発
生する浮遊容量Cを小さくするには、巻線の巻回構造に
よる影響分と磁性体コアによる影響分を軽減することが
重要になる。これら影響分の割合は巻線の巻回構造によ
り変わる。例えば、浮遊容量の発生が少ないとされてい
る巻線の巻回構造として、従来より巻線を分割して巻回
する、いわゆる分割巻きがある。
【0005】図11は、巻線7,17を分割巻きした従
来のコモンモードチョークコイル1の構成を示す。コモ
ンモードチョークコイル1はU字形状を有する二つのコ
ア部材20,21からなる磁性体コアと二つのボビン
2,12とを備えている。ボビン2,12はそれぞれ、
筒状胴部3,13と、該筒状胴部3,13に設けた鍔部
4,5,6、14,15,16とを有している。
【0006】巻線7は、第1巻線部7aと第2巻線部7
bを電気的に直列接続して構成される。第1巻線部7a
はボビン2の鍔部4と6の間に巻回され、第2巻線部7
bは鍔部5と6の間に巻回されている。同様に、巻線1
7は第1巻線部17aと第2巻線部17bを電気的に直
列接続して構成される。第1巻線部17aはボビン12
の鍔部14と16の間に巻回され、第2巻線部17bは
鍔部15と16の間に巻回されている。
【0007】ボビン2,12は、その筒状胴部3,13
が互いに平行になるように配置される。そして、筒状胴
部3,13の穴3a,13aに、コア部材20,21の
脚部20b,21bがそれぞれ挿通される。これらコア
部材20,21は、その各々の両脚部20b,21bの
先端面が穴3a,13a内で互いに衝き合わされて一つ
の閉磁路を形成している。
【0008】以上の構成からなるコモンモードチョーク
コイル1において、浮遊容量は巻幅にほぼ比例している
ため、巻線7,17をそれぞれ二つの巻線部7a,7
b、17a,17bに分割した場合、一つの巻線部の浮
遊容量は分割前の巻線の浮遊容量の1/2になる。ま
た、各巻線部7aと7b、あるいは、17aと17bは
直列に接続されているため、2分割巻きコモンモードチ
ョークコイル1の巻線7,17の各々の浮遊容量は分割
前の巻線の浮遊容量の1/4(例えば、4.0pF程
度)になる。
【0009】また、巻線の別の巻回構造として、巻線を
1層のみ巻回する、いわゆる単層巻きがある。この巻回
構造は、隣接する巻回部分が左右方向だけであり、隣接
する巻回部分に発生する浮遊容量は、巻回数分だけ直列
に接続されるような構造であるため、浮遊容量を最も小
さくできる。例えば、分割巻きの場合には4.0pFで
あった浮遊容量を、単層巻きにすることにより0.5p
Fにすることができる。ただし、得られるインダクタン
ス値は小さくなる。
【0010】さらに、巻線の別の巻回構造として、単層
巻きされた巻線を並列に複数段重ねる、いわゆる単層並
列巻きがある。この巻回構造は、単層巻きのインダクタ
ンス値が小さいという不具合を解消するため、巻線の径
を細くして一段当たりの巻線のターン数を多くして大き
なインダクタンス値を得るものである。そして、それに
よって大きくなる巻線の直流抵抗値を低く抑えるため、
複数段に積み重ねられた巻線を並列接続している。つま
り、単層並列巻きは、単層巻きの特徴をもちながら、比
較的大きなインダクタンスを得ることができる。ただ
し、巻回構造による浮遊容量分は、単層巻きの場合より
大きくなる。
【0011】表1は、同じ巻線径で巻回したときの巻回
構造の違いによる浮遊容量分、巻線の直流抵抗値および
インダクタンス値のそれぞれの一般的な大小関係を表し
たものである。
【0012】
【表1】
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、コ
モンモードチョークコイル1の巻線7,17の巻回可能
領域は、閉磁路を構成しているコア部材20,21の窓
面積、ボビン2,12の肉厚、絶縁距離などにより制限
を受けている。従来のコモンモードチョークコイル1
は、その限られた巻回可能領域内で最大のインダクタン
ス値を得るため、無駄なスペースがないように設計され
ている。従って、コア部材20,21とボビン2,12
の間、あるいは、コア部材20,21と巻線7,17の
間には、組み立て作業上または安全規格上、最低限必要
な空間ギャップしか設けていなかった。従って、コア部
材20,21による浮遊容量分は比較的大きく、巻線
7,17を2分割する中央鍔部6,16がない多層巻き
のコモンモードチョークコイルと比較して浮遊容量の発
生が少ないとされている巻線7,17の巻回構造を採用
しているコモンモードチョークコイル1の場合には、そ
の影響は無視できないほどの値である。特に、浮遊容量
の発生が少ない単層巻きや単層並列巻きでは、コア部材
20,21による浮遊容量への影響は極めて大きい。
【0014】そこで、本発明の目的は、磁性体コアによ
る浮遊容量への影響を抑えることができる構造を有した
巻線型コイルを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段および作用】前記目的を達
成するため、本発明に係る巻線型コイルは、(a)筒状
胴部と該筒状胴部に設けられた鍔部とをそれぞれ有する
一つ以上のボビンと、(b)ボビンの各々の筒状胴部に
設けられた単層巻きの巻線および単層並列巻きの巻線の
いずれかの巻線と、(c)ボビンの各々の筒状胴部の穴
に脚部が挿通され、閉磁路を構成する磁性体コアとを備
え、(d)ボビンの各々の筒状胴部の穴の内周面と、該
筒状胴部の穴に挿通されている磁性体コアの脚部の外周
面との間に、第1の空間ギャップを設けたり、(e)ボ
ビンの各々の鍔部と該鍔部に並走している磁性体コアの
腕部との間に第2の空間ギャップを設けたりしている。
ここに、第1の空間ギャップの寸法を0.3〜1.5m
mに設定し、第2の空間ギャップの寸法を0.7〜4.
0mmに設定することが好ましい。
【0016】以上の構成により、磁性体コアと巻線の間
に所定の寸法の空間ギャップが確保され、磁性体コアと
巻線との間の距離が拡大される。このため、磁性体コア
による浮遊容量への影響が小さくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る巻線型コイル
の実施形態について添付の図面を参照して説明する。本
実施形態は、コモンモードチョークコイルを例にして説
明する。
【0018】コモンモードチョークコイルの外観を図1
に示し、その正面図を図2に示し、水平断面図および一
部垂直断面図をそれぞれ図3および図4に示し、電気等
価回路図を図5に示す。コモンモードチョークコイル3
1は、U字形状を有する二つのコア部材50a,50b
からなる磁性体コア50と、二つのボビン32,42
と、止め金具60とを備えている。
【0019】ボビン32,42の各々は、筒状胴部3
3,43と、該筒状胴部33,43の両端部に設けた鍔
部34,35、44,45とを有している。鍔部34,
35,44,45にはそれぞれリード端子54a,54
b,55a,55bが植設されている。ボビン32,4
2は、その筒状胴部33,43が互いに平行になるよう
に配置される。ボビン32,42は樹脂などで形成され
ている。
【0020】巻線37,47の各々は、ボビン32,4
2の筒状胴部33,43の外周に単層巻きされている。
巻線37,47は互いに等しい巻回数を有している。巻
線37の両終端は、ボビン32に設けられたリード端子
54a,54bにそれぞれ電気的に接続されている。同
様に、巻線47の両終端は、ボビン42に設けられたリ
ード端子55a,55bにそれぞれ電気的に接続されて
いる。
【0021】磁性体コア50を構成しているコア部材5
0a,50bの各々は、腕部51a,51bと、該腕部
51a,51bの両端から直角方向に延在した脚部52
a,52bとを有している。そして、ボビン32,42
の筒状胴部33,43の穴33a,43a(横断面形状
が矩形)には、コア部材50a,50bの脚部52a,
52b(横断面形状が矩形)がそれぞれ挿入されてい
る。これらコア部材50a,50bは、その各々の両脚
部52a,52bの先端面が穴33a,43a内で互い
に衝き合わされて一つの閉磁路を形成している。
【0022】ここで、図2〜図4に示すように、ボビン
32,42の筒状胴部33,43の穴33a,43aの
それぞれの四つの内壁面には、空間ギャップ形成のため
のレール状突起33b,43bが設けられている。各レ
ール状突起33b,43bの両端部には、コア部材50
a,50bの脚部52a,52bを挿入し易いようにテ
ーパが形成されている。このレール状突起33b,43
bによって、コア部材50a,50bの脚部52a,5
2bの外周面52aa,52baと、穴33a,43a
の内壁面との間に所定の寸法の空間ギャップG1が形成
されている。レール状突起33b,43bとコア部材5
0a,50bとの当接面は、コア部材50a、50bの
保持の面からは平坦面の方がよく、また、浮遊容量を極
力低減するという面からは当接面積が少ない方がよいの
で、当接面はR面状のようなものがよい。なお、水平方
向の空間ギャップG1の寸法と垂直方向の空間ギャップ
G1の寸法は、本実施形態のように等しくすることが好
ましいが、異ならせてもよいことは言うまでもない。
【0023】また、図3に示すように、コア部材50
a,50bの腕部51a,51bは、ボビン32,42
の各々の鍔部34,35,44,45に並走している。
鍔部34,35,44,45の外側主面34a,35
a,44a,45aには、それぞれ空間ギャップ形成の
ための凸状スペーサ36,46が設けられている。凸状
スペーサ36,46はテーパを有しており、コア部材5
0a,50bの脚部52a,52bが穴33a,43a
に挿入し易いようになっている。腕部51a,51bの
内側面51aa,51bbと、鍔部34,35,44,
45の外側主面34a,35a,44a,45aとの間
に所定の寸法の空間ギャップG2が形成されている。
【0024】コモンモードチョークコイル31は、空間
ギャップG1,G2の寸法を大きくすれば、浮遊容量C
が小さくなる。しかし、空間ギャップG1,G2を大き
くするにつれて、部品サイズも大きくなってしまう。そ
こで、浮遊容量を効率よく削減することができる空間ギ
ャップG1,G2の寸法範囲を決める必要がある。図6
は、空間ギャップG1と浮遊容量Cとの関係を示すグラ
フである。図7は、空間ギャップG2と浮遊容量Cとの
関係を示すグラフである。これらのグラフから、効率よ
く浮遊容量Cを削減できる空間ギャップG1,G2の寸
法範囲は、G1=0.3〜1.5mm、G2=0.7〜
4.0mmである。より好ましくは、G1=0.5〜
1.0mm、G2=1.0〜2.0mmである。空間ギ
ャップG1,G2の寸法範囲の下限は、コモンモードチ
ョークコイル31の電気特性上の理由から決定した。一
方、空間ギャップG1,G2の寸法範囲の上限は、部品
サイズの小型化や大きなインダクタンス値を得ることが
できる(部品サイズが決まっている場合、基本的には、
空間ギャップが小さい方が巻きスペースが増えるので、
インダクタンス値を大きくできる)などの理由から決定
した。
【0025】さらに、図1に示すように、ボビン32と
42の間には、コア部材50a,50bの衝き合わせ面
を堅固に密着させるためのコ字型止め金具60が嵌め込
まれている。
【0026】コア部材50a,50bの材料には、Mn
−Zn系フェライトやNi−Zn系フェライトが用いら
れる。特に、Mn−Zn系フェライトは高透磁率を有す
るため、巻線37,47の巻回数が比較的少なくても数
十〜数百mHの大きなインダクタンス値を得ることがで
きる。因みに、低周波数帯域(数KHz)からのノイズ
電圧を抑制するためには、数十〜数百mHのインダクタ
ンス値を必要とする。
【0027】以上の部品32,42,50a,50b,
60は、固定治具(図示せず)により固定したり、必要
最低限の量の接着剤(図示せず)をボビン32,42と
コア部材50a,50bとの間に塗布して固定したりす
る。なお、ワニスは、巻線37(又は47)の隣接する
巻回部分の隙間に入ると、大きな浮遊容量Cを生じさせ
るため、固定のために使用することは好ましくない。
【0028】以上の構成からなるコモンモードチョーク
コイル31は、巻線37,47にコモンモード(同相)
ノイズ電流が流れると、巻線37,47により磁性体コ
ア50内にそれぞれ同一方向に磁束が発生する。この磁
束は磁性体コア50内を周回しながら消費される。
【0029】このコモンモードチョークコイル31はコ
ア部材50a,50bの腕部51a,51bの内側面5
1aa,51bbと、ボビン32,42の鍔部34,3
5,44,45の外側主面34a,35a,44a,4
5aとの間に空間ギャップG2を形成している。さら
に、コア部材50a,50bの脚部52a,52bの外
周面(上側面、下側面、内側面および外側面の四つの面
を含んだもの)52aa,52baと、ボビン32,4
2の穴33a,43aの内壁面との間にそれぞれ空間ギ
ャップG1を形成している。従って、磁性体コア50に
よる浮遊容量Cへの影響を抑えることができる。例え
ば、従来の単層巻きコモンモードチョークコイルの場合
には0.5pFであった浮遊容量Cを、本実施形態の単
層巻きコモンモードチョークコイル31の場合には、
0.3pFにすることができた。つまり、40%の浮遊
容量の減少効果が得られた。この結果、高周波領域での
ノイズ除去性能の優れたコモンモードチョークコイルを
得ることができる。
【0030】因みに、従来の分割巻きコモンモードチョ
ークコイルに本発明を適用した場合には、2.0pFで
あった浮遊容量Cが1.8pFにしか減少せず、10%
の浮遊容量の減少効果しか得られなかった。
【0031】ところで、単層巻きは浮遊容量Cを最も抑
えることができる巻回構造であるが、大きなインダクタ
ンス値を得ることが困難であるため、低周波帯域のコモ
ンモードノイズを十分に抑えることが難しい。そこで、
図8に示すように、ボビン32,42の筒状胴部33,
43に、巻線37a,37b,37c並びに巻線47
a,47b,47cをそれぞれ順に単層巻きして複数段
に積み重ねた単層並列巻き構造としてもよい。図9は、
単層並列巻きコモンモードチョークコイル31Aの挿入
損失―周波数特性を示すグラフである(実線61参
照)。比較のため、図9には、従来の単層並列巻きコモ
ンモードチョークコイルの挿入損失―周波数特性(点線
62参照)も併せて記載している。
【0032】なお、本発明は前記実施形態に限定するも
のではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することが
できる。例えば、磁性体コアとしてロ字型の一体コアや
日字型の一体コアを使用し、ボビンとして2以上に分割
させた歯車構造のボビンを使用してもよい。また、前記
実施形態では、二つの巻線を有する二ラインのものにつ
いて説明したが、三つ以上の巻線を有する三ライン以上
のものであってもよい。
【0033】さらに、本発明は、コモンモードチョーク
コイル以外に、図1において、二つのボビン32,42
のうちいずれか一方のボビンを省略した構造のインダク
タであってもよい。また、ノーマルモードチョークコイ
ル、トランスなどのコイルにも適用できる。さらに、本
発明は、コアでコモンモードノイズ(ノーマルモードノ
イズ)を除去し、ボビンでノーマルモードノイズ(コモ
ンモードノイズ)を除去する、いわゆるハイブリッドチ
ョークコイルにも適用可能であり、コモンモードノイズ
に対してだけでなく、ノーマルモードノイズに対しても
本発明の効果を奏することができる。
【0034】さらに、図10に示すように、ボビン32
と42の軸を揃えて連接し、連通した穴33a,43a
に、コア部材50a,50bの一方の脚部52a,52
bを挿入した構造のコモンモードチョークコイル31B
であってもよい。このとき、ボビン32,42の穴33
a,43aの内壁面の一つにコア部材50a,50bの
脚部52a,52bの内側面が接触する構造、すなわ
ち、脚部52a,52bの外側面、上側面および下側面
と、穴33a,43aの内壁面との間に所定の寸法の空
間ギャップG1が形成されている構造であっても、浮遊
容量削減の効果がある。
【0035】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、磁性体コアと巻線の間に所定の寸法の空間
ギャップが確保され、磁性体コアと巻線との間の距離が
拡大される。このため、磁性体コアによる浮遊容量への
影響を小さくすることができる。この結果、高周波領域
の電気特性の優れた巻線型コイルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る巻線型コイルの一実施形態を示す
外観斜視図。
【図2】図1に示した巻線型コイルの正面図。
【図3】図1に示した巻線型コイルの水平断面図。
【図4】図1に示した巻線型コイルの一部垂直断面図。
【図5】図1に示した巻線型コイルの電気等価回路図。
【図6】図1に示した巻線型コイルの空間ギャップG1
と浮遊容量Cとの関係を示すグラフ。
【図7】図1に示した巻線型コイルの空間ギャップG2
と浮遊容量Cとの関係を示すグラフ。
【図8】本発明に係る巻線型コイルの別の実施形態を示
す水平断面図。
【図9】図8に示した巻線型コイルの挿入損失―周波数
特性を示すグラフ。
【図10】本発明に係る巻線型コイルのさらに別の実施
形態を示す水平断面図。
【図11】従来の巻線型コイルを示す水平断面図。
【符号の説明】
31,31A,31B…コモンモードチョークコイル 32,42…ボビン 33,43…筒状胴部 33a,43a…穴 34,35,44,45…鍔部 37,37a〜37c,47,47a〜47c…巻線 50…磁性体コア 51a,51b…腕部 52a,52b…脚部 G1,G2…空間ギャップ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 31/00 R (72)発明者 大井 隆明 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5E070 AB01 AB10 CA12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状胴部と該筒状胴部に設けられた鍔部
    とを有するボビンと、 前記筒状胴部に設けられた単層巻きの巻線および単層並
    列巻きの巻線のいずれかの巻線と、 前記筒状胴部の穴に脚部が挿通され、閉磁路を構成する
    磁性体コアとを備え、 前記筒状胴部の穴の内周面と、該筒状胴部の穴に挿通さ
    れている前記磁性体コアの脚部の外周面との間に、第1
    の空間ギャップを設けたこと、 を特徴とする巻線型コイル。
  2. 【請求項2】 筒状胴部と該筒状胴部に設けられた鍔部
    とをそれぞれ有する二つ以上のボビンと、 前記ボビンの各々の筒状胴部に設けられた単層巻きの巻
    線および単層並列巻きの巻線のいずれかの巻線と、 前記ボビンの各々の筒状胴部の穴に脚部が挿通され、閉
    磁路を構成する磁性体コアとを備え、 前記ボビンの各々の筒状胴部の穴の内周面と、該筒状胴
    部の穴に挿通されている前記磁性体コアの脚部の外周面
    との間に、第1の空間ギャップを設けたこと、 を特徴とする巻線型コイル。
  3. 【請求項3】 筒状胴部と該筒状胴部に設けられた鍔部
    とを有するボビンと、 前記筒状胴部に設けられた単層巻きの巻線および単層並
    列巻きの巻線のいずれかの巻線と、 前記筒状胴部の穴に脚部が挿通され、閉磁路を構成する
    磁性体コアとを備え、 前記鍔部と該鍔部に並走している前記磁性体コアの腕部
    との間に第2の空間ギャップを設けたこと、 を特徴とする巻線型コイル。
  4. 【請求項4】 筒状胴部と該筒状胴部に設けられた鍔部
    とをそれぞれ有する二つ以上のボビンと、 前記ボビンの各々の筒状胴部に設けられた単層巻きの巻
    線および単層並列巻きの巻線のいずれかの巻線と、 前記ボビンの各々の筒状胴部の穴に脚部が挿通され、閉
    磁路を構成する磁性体コアとを備え、 前記ボビンの各々の鍔部と該鍔部に並走している前記磁
    性体コアの腕部との間に第2の空間ギャップを設けたこ
    と、 を特徴とする巻線型コイル。
  5. 【請求項5】 筒状胴部と該筒状胴部に設けられた鍔部
    とを有するボビンと、 前記筒状胴部に設けられた単層巻きの巻線および単層並
    列巻きの巻線のいずれかの巻線と、 前記筒状胴部の穴に脚部が挿通され、閉磁路を構成する
    磁性体コアとを備え、 前記筒状胴部の穴の内周面と、該筒状胴部の穴に挿通さ
    れている前記磁性体コアの脚部の外周面との間に、第1
    の空間ギャップを設け、 前記鍔部と該鍔部に並走している前記磁性体コアの腕部
    との間に第2の空間ギャップを設けたこと、 を特徴とする巻線型コイル。
  6. 【請求項6】 筒状胴部と該筒状胴部に設けられた鍔部
    とをそれぞれ有する二つ以上のボビンと、 前記ボビンの各々の筒状胴部に設けられた単層巻きの巻
    線および単層並列巻きの巻線のいずれかの巻線と、 前記ボビンの各々の筒状胴部の穴に脚部が挿通され、閉
    磁路を構成する磁性体コアとを備え、 前記ボビンの各々の筒状胴部の穴の内周面と、該筒状胴
    部の穴に挿通されている前記磁性体コアの脚部の外周面
    との間に、第1の空間ギャップを設け、 前記ボビンの各々の鍔部と該鍔部に並走している前記磁
    性体コアの腕部との間に第2の空間ギャップを設けたこ
    と、 を特徴とする巻線型コイル。
  7. 【請求項7】 前記第1の空間ギャップの寸法が0.3
    〜1.5mmであることを特徴とする請求項1、請求項
    2、請求項5または請求項6のいずれかに記載された巻
    線型コイル。
  8. 【請求項8】 前記第2の空間ギャップの寸法が0.7
    〜4.0mmであることを特徴とする請求項3、請求項
    4、請求項5または請求項6のいずれかに記載された巻
    線型コイル。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009290163A (ja) * 2008-06-02 2009-12-10 Sumida Corporation トランス用ボビンおよびこれを備えた高圧トランス
KR101240854B1 (ko) 2011-11-11 2013-03-11 삼성전기주식회사 트랜스포머
CN103489567A (zh) * 2013-09-13 2014-01-01 华为技术有限公司 共模电感
US20150116068A1 (en) * 2013-10-31 2015-04-30 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Coil component
JP2018120995A (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 トヨタ自動車株式会社 リアクトル

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