以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
なお、以下の図においては、同一または相当する部分に同一の符号を付すものとし、重複する説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1に示されるように、本実施の形態におけるレンジフード10は、たとえばコンロ(図示せず)の上方に配設されるものである。このレンジフード10は、本体ハウジング11、フードケース12、整流板13、内装パネル14などを有している。
本体ハウジング11は、箱形の形状を有している。本体ハウジング11の内部には、スピンナー1、ファン部材4などが配置されている。本体ハウジング11の下端には、フードケース12が接続されている。フードケース12の下端には開口が設けられている。
フードケース12の開口の内側には、整流板13と内装パネル14とが装着されている。整流板13と内装パネル14との間の隙間は、本体ハウジング11の内部空間11a(図2)に通じている。
図2に示されるように、本体ハウジング11の内部空間11aには、スピンナー1と、ファン部材4、モータ6、ファンケーシング8などが配置されている。
ファンケーシング8の底面には吸込口8aが設けられている。ファンケーシング8の内部空間8bは、吸込口8aを通じて、整流板13と内装パネル14との間の隙間15に通じている。またファンケーシング8は、本体ハウジング11の外方に延出された排気ダクト(図示せず)に接続されている。
ファン部材4は、ファンケーシング8の内部空間8b内であって吸込口8aの上方に配置されている。ファン部材4は、ベース部材2と、排気用ファン3とを有している。
排気用ファン3は、たとえばシロッコファンである。この排気用ファン3は、複数のファンブレード3aと、上部支持板3bと、下部支持板3cとを有している。複数のファンブレード3aは、周方向に一定のピッチで配置されている。上部支持板3bは、複数のファンブレード3aの各々の上端を支持している。下部支持板3cは、複数のファンブレード3aの各々の下端を支持している。上部支持板3bおよび下部支持板3cの各々は、円環形状を有している。
ベース部材2は、上部支持板3bにおける円環形状の中心に固定されている。ベース部材2は、たとえばボルトなどにより上部支持板3bに着脱可能に取り付けられている。
モータ6は、たとえばAC(Alternating Current)モータである。モータ6は、モータ本体6aと、回転軸6bと、突出部6cとを有している。モータ本体6aは、本体ハウジング11に固定されている。モータ本体6aの一部は、ファンケーシング8の内部空間8b内に配置されている。回転軸6bは、ファンケーシング8の内部空間8b内においてモータ本体6aの下端から下方に延びている。突出部6cは、回転軸6bの外周面から径方向外方に向かって突き出している。
モータ6の回転軸6bには、ファン部材4が取り付けられている。ファン部材4は、モータ6の回転軸6bに嵌合する嵌合部2dを有している。ファン部材4の嵌合部2dがモータ6の突出部6cに嵌合することにより、ファン部材4は回転軸6bに対して相対回転不能に取り付けられている。
スピンナー1は、モータ6の回転軸6bに螺合により取り付けられている。またスピンナー1は、モータ6の回転軸6bに対して螺合により着脱可能であるとともに、ワンタッチ操作により着脱可能でもある。スピンナー1は、ファン部材4に対して相対回転可能となるようにファン部材4に取り付けられている。
次に、上記スピンナー1、ファン部材4およびモータ6の詳細な構成について図3〜図7を用いて説明する。
図3に示されるように、スピンナー1は、排気用ファン3の上部支持板3bの下方に配置されている。スピンナー1は、図2に示されるファン部材4をモータ6の回転軸6bに着脱するためのものである。
図4および図5に示されるように、ファン部材4は、上記のとおりベース部材2と、排気用ファン3とを有している。ベース部材2は、ベース下部2Lと、ベース上部2Uとを有している。ベース下部2Lは、円環部2aaと、フランジ部2abとを有している。円環部2aaは、円環形状を有している。円環部2aaの中心には貫通孔2acが設けられている。円環部2aaの上面には、雌ネジ部2fが設けられている。
フランジ部2abは、円環部2aaの下端に配置されている。フランジ部2abは、円環部2aaの外周端よりも、回転軸6bを中心とした外周側へ張り出している。フランジ部2abは、円環部2aaの外周端の全周に沿って設けられていてもよく、またその外周端の一部に設けられていてもよい。
ベース上部2Uは、張り出し固定部2baと、上方突出部2cと、嵌合部2dとを有している。張り出し固定部2baは、たとえば円環形状を有しており、かつ貫通孔2bbを有している。
上方突出部2cは、張り出し固定部2baの上面から上方へ延びている。上方突出部2cは、たとえば円筒形状を有している。上方突出部2cの円筒形状の軸中心AXを中心とした径方向の寸法において、上方突出部2cの径方向寸法は張り出し固定部2baの径方向寸法よりも小さい。
嵌合部2dは、上方突出部2cの上端に位置している。嵌合部2dは、図5に示されるように、複数の凸部2daと、複数の凹部2dbとにより構成されている。複数の凸部2daおよび複数の凹部2dbは、凸部2daと凹部2dbとが回転軸6bの周方向に交互に並ぶように配置されている。本実施の形態では、凸部2daおよび凹部2dbは周方向にたとえば4つずつ配置されている。
ベース上部2Uには、貫通孔2eが設けられている。この貫通孔2eは、上方突出部2cの軸中心AXに沿って延びている。
スピンナー1は、スピンナー本体1aと、押え部材1bと、1対のレバー部材1d(係合部材)と、1対の付勢部材1e(第1付勢部材)と、作動部材1fと、付勢部材1g(第2付勢部材)とを有している。
スピンナー本体1aは、たとえば円形の縁部の全周が同一方向に折り曲げられた形状を有している。
押え部材1bは、押え部1bcと、円筒部1beとを有している。円筒部1beは、円筒形状を有している。押え部1bcは、円筒部1beの上端に接続されており、円筒部1beの上端から内周側に延びている。押え部1bcの中心には貫通孔1bdが設けられている。
スピンナー本体1aと押え部材1bとは、ボルトなどの固定部材(図示せず)によって互いに固定されている。スピンナー本体1aと押え部材1bとの間の空間には、ベース下部2L、レバー部材1d、作動部材1fおよび付勢部材1e、1gが配置されている。
1対のレバー部材1dの各々は、雌ネジ形成部1daと、操作部1dbと、接続部1dcとを有している。雌ネジ形成部1daの一方端部には雌ネジ部が形成されている。雌ネジ形成部1daの雌ネジ部は、回転軸6bの雄ネジ部と噛み合い螺合する部分である。
操作部1dbは、スピンナー本体1aと押え部材1bとの間の空間の外部に位置している。操作部1dbは、スピンナー1およびファン部材4をレンジフード10に着脱する作業者が、その着脱作業時に操作する部分である。
接続部1dcは、雌ネジ形成部1daと操作部1dbとを接続する部分である。接続部1dcの第1端部は雌ネジ形成部1daに接続されており、接続部1dcの第1端部の反対側の第2端部は操作部1dbに接続されている。雌ネジ形成部1daは、互いに対向する一方端部と他方端部とを有し、接続部1dcと接続される上記一方端部に雌ネジ部を有している。
図6に示されるように、1対のレバー部材1dは、第1レバー部材1d(第1係合部)および第2レバー部材1d(第2係合部)からなっている。第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの各々の接続部1dcには、貫通孔1deが設けられている。
第1レバー部材1dの貫通孔1de内に第2レバー部材1dの雌ネジ形成部1daが位置し、かつ第2レバー部材1dの貫通孔1de内に第1レバー部材1dの雌ネジ形成部1daが位置するように、第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dが組み合わせられている。
第1レバー部材1dの雌ネジ形成部1daは、第2レバー部材1dの貫通孔1de内にて図6の矢印で示す方向にスライド可能である。また第2レバー部材1dの雌ネジ形成部1daは、第1レバー部材1dの貫通孔1de内にて図6の矢印で示す方向にスライド可能である。これにより第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dは、互いに対して直線状にスライド移動するように構成されている。
1対の付勢部材1eは、第1付勢部1eおよび第2付勢部1eからなっている。第1付勢部1eは、第1レバー部材1dの雌ネジ形成部1daと第2レバー部材1dの接続部1dcとの間に配置されている。第1付勢部1eは、第2レバー部材1dの貫通孔1de内に配置されている。第1付勢部1eは、第1レバー部材1dの雌ネジ形成部1daを第2レバー部材1dの雌ネジ形成部1daに向けて付勢している。
また第2付勢部1eは、第2レバー部材1dの雌ネジ形成部1daと第1レバー部材1dの接続部1dcとの間に配置されている。第2付勢部1eは、第1レバー部材1dの貫通孔1de内に配置されている。第2付勢部1eは、第2レバー部材1dの雌ネジ形成部1daを第1レバー部材1dの雌ネジ形成部1daに向けて付勢している。
上記のように第1付勢部1eおよび第2付勢部1eの双方は第1レバー部材1dの雌ネジ形成部1daと第2レバー部材1dの雌ネジ形成部1daとが互いに近づくように第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dを付勢している。このため上記雌ネジ部の間に回転軸6bの雄ネジ部が挿入された場合、第1レバー部材1dの雌ネジ部と第2レバー部材1dの雌ネジ部との双方が回転軸6bの雄ネジ部に螺合する螺合状態となるように、第1付勢部1eおよび第2付勢部1eは第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dを付勢している。
また、この状態から、第1レバー部材1dの操作部1dbを第2レバー部材1d側に押し込み、かつ第2レバー部材1dの操作部1dbを第1レバー部材1d側に押し込むことができる。この押し込み操作により、第1レバー部材1dの雌ネジ部と第2レバー部材1dの雌ネジ部とが互いに離れるように移動する。これにより第1レバー部材1dの雌ネジ部と第2レバー部材1dの雌ネジ部との双方を、回転軸6bの雄ネジ部との螺合が解除された解除状態とすることができる。
第1付勢部1eおよび第2付勢部1eの各々が第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dを付勢する方向は、上記螺合状態と上記解除状態との間で第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dがスライド移動する方向と同じ方向である。
図4および図5に示されるように、第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの下方には作動部材1fが配置されている。作動部材1fは、上面に凸部1faを有している。凸部1faは、第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dに近づくにしたがって幅が小さくなるテーパ形状の断面形状を有している。凸部1faは、三角形または台形の断面形状を有している。
付勢部材1gは、作動部材1fの下方に配置されている。付勢部材1gは、作動部材1fを第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dに向けて付勢している。これにより作動部材1fの凸部1faは、第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dに当接可能である。
図7に示されるように、第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの各々において、雌ネジ形成部1daにはテーパ部1ddが配置されている。このテーパ部1ddは、雌ネジ形成部1daの雌ネジ部が形成された一方端部の下端に位置している。テーパ部1ddの断面形状は、作動部材1fの凸部1faの断面形状に整合している。
第1レバー部材1dのテーパ部1ddと第2レバー部材1dのテーパ部1ddとは互いに向かい合っている。第1レバー部材1dのテーパ部1ddと第2レバー部材1dのテーパ部1ddとは、下から上に向かうほど互いに近づくような傾斜を有している。
作動部材1fの凸部1faは、第1レバー部材1dのテーパ部1ddと第2レバー部材1dのテーパ部1ddとの双方に当接可能に配置されている。
作動部材1fは、図8に示される第1状態と、図9に示される第2状態との間で移動可能である。
図8に示されるように、第1状態においては、第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの各々の雌ネジ部は、回転軸6bの雄ネジ部と螺合状態となっている。また第2状態においては、第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの各々の雌ネジ部は、回転軸6bの雄ネジ部との間で螺合状態が解除された解除状態となっている。
具体的には図8に示されるように、作動部材1fの第1状態とは、作動部材1fに下向きの外力が作用することにより、作動部材1fが付勢部材1gの付勢力に抗して下方向(矢印C方向)に移動した状態である。この第1状態では、作動部材1fは、第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの双方から離れている。この場合、第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの各々は付勢部材1eの付勢力により矢印A方向にスライド移動する。これにより第1レバー部材1dの雌ネジ部と第2レバー部材1dの雌ネジ部の間隔も狭くなり、上記雌ネジ部の各々と回転軸6bの雄ネジ部とが螺合可能な状態となる。
また図9に示されるように、作動部材1fの第2状態とは、作動部材1fが付勢部材1gの付勢力により上方向(矢印D方向)に移動した状態である。この第2状態では、作動部材1fの凸部1faは、付勢部材1gの付勢力により第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの各々のテーパ部1ddを押圧している。これにより第1レバー部材1dのテーパ部1ddと第2レバー部材1dのテーパ部1ddとの間の間隔が押し広げられる。つまり第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの各々は、矢印B方向にスライド移動する。これにより第1レバー部材1dの雌ネジ部と第2レバー部材1dの雌ネジ部の間隔も広がり、上記雌ネジ部と回転軸6bの雄ネジ部との螺合状態が解除可能な状態となる。
上記において付勢部材1e、1gの各々は、たとえばバネであるが、これに限定されるものではなく付勢力を付与できる部材であればよい。また付勢部材1gの付勢力は、凸部1faがテーパ部1ddに押圧されたときに、付勢部材1eの付勢力に抗して、第1および第2レバー部材1dが矢印B方向へスライド移動するように調整されている。
次に、上記スピンナー1およびファン部材4の組立方法について図5を用いて説明する。
図5に示されるように、ベース下部2Lの下方に、レバー部材1d、作動部材1f、付勢部材1e、1gおよびスピンナー本体1aが配置される。スピンナー本体1aとの間でベース下部2Lのフランジ部2abを挟み込むように、ベース下部2Lの上方に押え部材1bが配置される。
押え部材1bがスピンナー本体1aに固定部材(図示せず)で固定され、スピンナー本体1a、押え部材1b、レバー部材1d、作動部材1fおよび付勢部材1e、1gからスピンナー1が構成される。フランジ部2abがスピンナー本体1aと押え部1bcとの間で挟み込まれることにより、スピンナー1がベース下部2Lに対して相対回転可能に取り付けられる。
この後、スピンナー1およびベース下部2Lの組立体とベース上部2Uとが、排気用ファン3の上部支持板3bを挟み込むように配置される。ボルトなどの固定部材5が、ベース上部2Uの貫通孔2bbと上部支持板3bの貫通孔3bbとを貫通してベース下部2Lの雌ネジ部2fにねじ込まれる。これによりベース下部2L、ベース上部2Uおよび排気用ファン3の上部支持板3bは、固定部材5により互いに固定される。
これによりベース下部2Lおよびベース上部2Uからベース部材2が構成され、ベース部材2および排気用ファン3からファン部材4が構成される。スピンナー1は、このファン部材4に対して相対回転可能に取り付けられている。
上記のようにスピンナー1およびファン部材4が組み立てられる。
次に、上記のように組み立てられたスピンナー1およびファン部材4の組立体をレンジフード10に取り付ける方法について図9、図10、図4などを用いて説明する。
図9に示されるように、スピンナー1およびファン部材4の組立体が回転軸6bに取り付けられる前には、作動部材1fは付勢部材1gにより上方向(矢印D方向)に付勢されている。この作動部材1fの凸部1faが第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの各々のテーパ部1ddを押圧することにより、レバー部材1dは付勢部材1eによる付勢力に抗して矢印B方向にスライド移動している。
この状態においては第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの各々の雌ネジ部は互いに離れており、回転軸6bの雄ネジ部に噛み合わない位置にある。このため図10に示されるように、回転軸6bの雄ネジ部をレバー部材1dと干渉することなく、レバー部材1dの雌ネジ部と対向する位置まで挿入することができる。
この回転軸6bの挿入により、回転軸6bが作動部材1fを付勢部材1gの付勢力に抗して下方へ押し込む。作動部材1fが下方に押し込まれると、第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの各々が付勢部材1eの付勢力により矢印A方向にスライド移動する。
レバー部材1dが矢印A方向にスライド移動することにより、図4に示されるように、第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの各々の雌ネジ部が回転軸6bの雄ネジ部に噛み合う。また付勢部材1eの付勢力によりレバー部材1dの雌ネジ部と回転軸6bの雄ネジ部との噛み合い状態が維持される。これによりスピンナー1およびファン部材4は、ネジ部の締め上げ無しにワンタッチ操作でモータ6の回転軸6bに固定される。
なおスピンナー1はベース下部2Lに対して相対回転可能に取り付けられている。このため上記のようにスピンナー1およびファン部材4の組立体が回転軸6bに取り付けられた状態において、スピンナー1をベース下部2Lおよび回転軸6bに対して相対的に回転させることができる。これにより、レバー部材1dの雌ネジ部と回転軸6bの雄ネジ部との噛み合いがさらに締め上げられてもよい。
また回転軸6bから突き出た突出部6cとファン部材4の嵌合部2dとが互いに嵌合することにより、ファン部材4は回転軸6bに対して相対回転不能に取り付けられている。このため回転軸6bがモータ本体6aから駆動力を受けて回転すると、ファン部材4は回転軸6bとともに回転する。
なおスピンナー1およびファン部材4を回転軸6bからワンタッチ操作で取り外す際には、図4に示される状態から、第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの各々がスピンナー本体1aの内部へ押し込まれるように操作される。この押し込み操作により、図10に示されるように、第1レバー部材1dおよび第2レバー部材1dの各々が矢印A方向にスライド移動する。これによりレバー部材1dの雌ネジ部と回転軸6bの雄ネジ部との噛み合い状態が解除される。このためスピンナー1をベース下部2Lおよび回転軸6bに対して相対的に回転させることなく、レバー部材1dを矢印A方向にスライド操作しながらスピンナー1およびファン部材4を回転軸6bから引き抜くというワンタッチ操作で、スピンナー1およびファン部材4を回転軸6bから取り外すことができる。
またスピンナー1およびファン部材4を回転軸6bから螺合により取り外す際には、図4に示される状態から、スピンナー1がベース下部2Lおよび回転軸6bに対して相対的に回転されてもよい。レバー部材1dの雌ネジ部と回転軸6bの雄ネジ部との螺合状態が解除されるまでスピンナー1が回転軸6bなどに対して回転されることにより、スピンナー1およびファン部材4を回転軸6bから取り外すこともできる。
次に、本実施の形態におけるレンジフード10の効果について説明する。
以上説明したように本実施の形態によれば、スピンナー1は、回転軸6bに対してワンタッチ操作(第1および第2レバー部材1dの螺合状態と解除状態との間での操作)により着脱可能であるとともに、螺合によっても着脱可能である。このため第1および第2レバー部材1dが油汚れ、錆などによりスピンナー本体1aなどと固着して操作できなくなった場合でも、スピンナー1を回転軸6bに対して螺合により着脱することができる。よって油汚れ、錆などによる固着が生じても排気用ファン3の着脱が容易である。
また本実施の形態によれば、図4に示されるように、レバー部材1dの雌ネジ部が回転軸6bの雄ネジ部と螺合状態となるように付勢部材1eによりレバー部材1dは付勢されている。これにより付勢部材1eの付勢力により、レバー部材1dと回転軸6bとの螺合状態を維持することが可能となる。
また本実施の形態によれば、図4に示されるように、レバー部材1dは、螺合状態と解除状態との間で直線状にスライド移動するように構成されている。これによりレバー部材1dを付勢部材1eの付勢力に抗してスライド移動させることにより、レバー部材1dと回転軸6bとの螺合状態を解除することが可能となる。
また本実施の形態によれば、図4に示されるように、作動部材1fは、レバー部材1dと回転軸6bとを螺合状態とする第1状態(図4参照)と、レバー部材1dと回転軸6bとを解除状態とする第2状態(図9参照)との間で移動可能である。また付勢部材1gは、作動部材1fを第2状態となるように付勢している。これにより作動部材1fに外力が作用しない状態においては、回転軸6bとレバー部材1dとの螺合状態が解除された解除状態とすることが可能となる。このため図10に示されるように、回転軸6bをレバー部材1dと干渉させることなく、レバー部材1dの雌ネジ部との螺合可能位置まで挿入することが可能となる。よってレバー部材1dの雌ネジ部と回転軸6bの雄ネジ部との螺合が解除された解除状態を継続する操作が不要となり、回転軸6bに対するスピンナー1の着脱の動作が容易となる。
また本実施の形態によれば、図10に示されるように、回転軸6bをレバー部材1dと螺合可能な位置へ挿入することにより作動部材1fが付勢部材1gの付勢力に抗して下方に押し下げられる。これにより図4に示されるように、レバー部材1dが付勢部材1eの付勢力により矢印A方向にスライド移動して、回転軸6bと螺合する螺合状態となる。つまり解除状態にあるレバー部材1dと螺合可能な位置に回転軸6bを挿入すると、作動部材1fが上記第1状態となる。このため回転軸6bを挿入するという操作だけで上記螺合状態を実現でき、回転軸6bへのスピンナー1の取り付け動作が容易となる。
なお上記の実施の形態においては、図4に示されるように1対のレバー部材1dに対して1対の付勢部材1eが設けられた構成について説明したが、図11に示されるように、1対のレバー部材1dに対して1つの付勢部材1eが設けられてもよい。この構成においても上記と同様の効果を得ることができる。
また図3に示されるように、スピンナー本体1aの下面には、六角形状の凸部1aaが設けられていてもよい。この六角形状の凸部1aaに六角レンチを嵌めてねじ回すことにより、スピンナー1およびファン部材4を回転軸6bに取り付け、取り外しが容易となる。
(実施の形態2)
本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成と比較して、ファン部材4を回転軸6bに着脱する機構において異なっている。
図12(A)に示されるように、本実施の形態におけるスピンナー1は、スピンナー本体1aと、第1係合部21daと、第2係合部21dbと、操作部材21fと、付勢部材21ea、21eb(第1付勢部材)と、付勢部材21g(第3付勢部材)と、軸21hとを有している。
第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各々は、回転軸6bの雄ネジ部に噛み合う雌ネジ部を有している。第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各々は、軸21hを中心に回転可能である。これにより第1係合部21daの雌ネジ部と第2係合部21dbの雌ネジ部との間隔が拡大・縮小可能である。
付勢部材21eaは、第1係合部21daを軸21hを中心として回転方向に付勢している。また付勢部材21ebは、第2係合部21dbを軸21hを中心として回転方向に付勢している。これらの付勢部材21ea、21ebにより、第1係合部21daの雌ネジ部と第2係合部21dbの雌ネジ部との間隔が狭くなるように第1係合部21daおよび第2係合部21dbが付勢されている。
第1係合部21daはテーパ部21taを有している。また第2係合部21dbもテーパ部21tbを有している。第1係合部21daのテーパ部21taと第2係合部21dbのテーパ部21tbとは互いに向かい合っている。第1係合部21daのテーパ部21taと第2係合部21dbのテーパ部21tbとの各々は、軸21hに近づくほどに互いに近づくような傾斜を有している。
操作部材21fは、テーパ部21faと、テーパ部21fbとを有している。操作部材21fのテーパ部21faは第1係合部21daのテーパ部21taと当接可能である。また操作部材21fのテーパ部21fbは第2係合部21dbのテーパ部21tbと当接可能である。
付勢部材21gは、操作部材21fを第1係合部21daおよび第2係合部21dbから離れる方向(図中白矢印方向)に向けて付勢している。
操作部材21fは、スピンナー本体1aの内部空間から外部に突き出している。これにより操作部材21fを付勢部材21gの付勢力に抗してスピンナー本体1aの内部に押し込む操作が可能である。
操作部材21fは、操作部材21fが第1係合部21daおよび第2係合部21dbの双方から離れた第1状態(図12(A))と、操作部材21fが第1係合部21daおよび第2係合部21dbの双方に当接する第2状態(図12(B))との間で移動可能である。
操作部材21fが第1状態にあるときには、図12(A)に示されるように、第1係合部21daおよび第2係合部21dbの双方は、回転軸6bと螺合した螺合状態にある。また操作部材21fが第2状態にあるときには、図12(B)に示されるように、操作部材21fのテーパ部21fa、21fbが第1および第2係合部21da、21dbのテーパ部21ta、21tbを押圧することにより、第1係合部21daおよび第2係合部21dbの双方は回転軸6bとの螺合状態が解除された解除状態にある。
なお上記以外の本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、本実施の形態の要素のうち実施の形態1と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
次に、上記のスピンナー1を回転軸6bに螺合またはワンタッチ操作により取り付ける方法について図12(A)、(B)を用いて説明する。
図12(A)に示されるように、操作部材21fは付勢部材21gにより第1係合部21daおよび第2係合部21dbから離れる方向(図中白矢印方向)に向けて付勢されている。このため操作部材21fに外力が作用していない状態では、操作部材21fは第1係合部21daおよび第2係合部21dbの双方に当接していない。
またこの状態においては、付勢部材21ea、21ebのそれぞれは、第1係合部21da、第2係合部21dbを軸21hを中心として回転方向に付勢している。このため第1係合部21daの雌ネジ部と第2係合部21dbの雌ネジ部とは互いに最も近づいた状態にある。
第1係合部21daの雌ネジ部と第2係合部21dbの雌ネジ部とが互いに最も近づいた状態にあるとき、上記雌ネジ部の双方に回転軸6bの雄ネジ部は螺合可能である。このため回転軸6bの雄ネジ部に上記雌ネジ部の双方を螺合させることによりスピンナー1を回転軸6bに取り付けることが可能である。
また上記の状態からスピンナー1を回転軸6bに取り付ける前に、図12(B)に示されるように、操作部材21fをスピンナー本体1aの内部へ向かう方向(図中黒矢印方向)に押し込むこともできる。操作部材21fを押し込み操作することにより、操作部材21fのテーパ部21fa、21fbのそれぞれが第1係合部21daおよび第2係合部21dbのテーパ部21ta、21tbに当接する。これにより第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各々が、付勢部材21ea、21ebの付勢力に抗して軸21hを中心に回転する。この回転動作により第1係合部21daの雌ネジ部と第2係合部21dbの雌ネジ部とが互いに離れる。この状態では、第1係合部21daの雌ネジ部と第2係合部21dbの雌ネジ部との間の空間に、回転軸6bの雄ネジ部を上記雌ネジ部と螺合させることなく挿入することが可能となる。
第1係合部21daの雌ネジ部と第2係合部21dbの雌ネジ部との間に回転軸6bの雄ネジ部が挿入された後、操作部材21fをスピンナー本体1a内部へ押し込む操作が解除される。これにより図12(A)に示されるように、操作部材21fが付勢部材21gの付勢力により第1係合部21daおよび第2係合部21dbから離れる方向(図中白矢印方向)に移動する。これにより操作部材21fが第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各々から離れる。そして第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各々が付勢部材21ea、21ebの付勢力により第1係合部21daの雌ネジ部と第2係合部21dbの雌ネジ部とが互いに近付き、回転軸6bの雄ネジ部と噛み合う螺合状態となる。
上記のように操作部材21fを操作することにより、ワンタッチ操作でスピンナー1を回転軸6bの取り付けることも可能である。
またスピンナー1を回転軸6bから取り外す際には、スピンナー1が回転軸6bに対して相対的に回転されてもよい。つまりレバー部材1dの雌ネジ部と回転軸6bの雄ネジ部との螺合状態が解除されるまでスピンナー1が回転軸6bなどに対して回転される螺合操作により、スピンナー1およびファン部材4を回転軸6bから取り外すこともできる。
また図12(B)の黒矢印に示されるように、操作部材21fを黒矢印方向に押し込み操作しながらスピンナー1を回転軸6bから引き抜くというワンタッチ操作で、スピンナー1を回転軸6bから取り外すこともできる。
なお本実施の形態のスピンナー1は、実施の形態1の作動部材1fおよび付勢部材1gと同様、作動部材21iおよび付勢部材21j(第2付勢部材)をさらに有していてもよい。
図13(A)に示されるように、第1係合部21daおよび第2係合部21dbの下方には作動部材21iが配置されている。作動部材21iは、第1係合部21daおよび第2係合部21dbに近づくにしたがって幅が小さくなるテーパ形状の断面形状を有している。作動部材21iは、台形または三角形の断面形状を有している。
付勢部材21jは、作動部材21iの下方に配置されている。付勢部材21jは、作動部材21iを第1係合部21daおよび第2係合部21dbに向けて付勢している。これにより作動部材21iのテーパ形状をなす傾斜部は、第1係合部21daおよび第2係合部21dbに当接可能である。
作動部材21iは、図13(A)に示される第1状態と、図13(B)に示される第2状態との間で移動可能である。
図13(A)に示されるように、第1状態においては、第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各々の雌ネジ部は、回転軸6bの雄ネジ部と螺合状態となっている。また図13(B)に示されるように、第2状態においては、第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各々の雌ネジ部は、回転軸6bの雄ネジ部との間で螺合状態が解除された解除状態となっている。
具体的には図13(A)に示されるように、作動部材21iの第1状態とは、作動部材21iに下向きの外力が作用することにより、作動部材21iが付勢部材21jの付勢力に抗して下方向に移動した状態である。この第1状態では、作動部材21iは、第1係合部21daおよび第2係合部21dbの双方から離れている。この場合、第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各々は付勢部材21ea、21eb(図12(A)、(B))の付勢力により雌ネジ部同士が近づくように回転移動する。これにより第1係合部21daおよび第2係合部21dbの雌ネジ部の間隔も狭くなり、上記雌ネジ部の各々と回転軸6bの雄ネジ部とが螺合可能な状態となる。
また図13(B)に示されるように、作動部材21iの第2状態とは、作動部材21iが付勢部材21jの付勢力により上方向に移動した状態である。この第2状態では、作動部材21iは、付勢部材21jの付勢力により第1係合部21daおよび第2係合部21dbを押圧している。これにより第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各々は、雌ネジ同士が離れるように回転移動する。これにより第1係合部21daの雌ネジ部と第2係合部21dbの雌ネジ部との間隔も広がり、上記雌ネジ部と回転軸6bの雄ネジ部との螺合状態が解除可能な状態となる。
上記において付勢部材21ea、21eb、21jは、たとえばバネであるが、これに限定されるものではなく付勢力を付与できる部材であればよい。また付勢部材21jの付勢力は、作動部材21iが第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各々に押圧されたときに、付勢部材21ea、21ebの付勢力に抗して、第1係合部21daおよび第2係合部21dbが回転移動するように調整されている。
次に、本実施の形態におけるレンジフード10の効果について説明する。
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様、ワンタッチ操作と螺合操作との双方にてスピンナー1を回転軸6bに着脱することができる。このため操作部材21fが油汚れ、錆などによりスピンナー本体1aなどと固着して操作できなくなった場合でも、スピンナー1を螺合により回転軸6bに対して着脱することができる。よって油汚れ、錆などによる固着が生じても排気用ファン3の着脱が容易である。
また本実施の形態によれば、図12(A)、(B)に示されるように、第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各々の雌ネジ部が回転軸6bの雄ネジ部と螺合状態となるように付勢部材21ea、21ebにより第1係合部21daおよび第2係合部21dbは付勢されている。これにより付勢部材21ea、21ebの付勢力により、第1係合部21daおよび第2係合部21dbと回転軸6bとの螺合状態を維持することが可能となる。
また本実施の形態によれば、図12(A)に示されるように、付勢部材21ea、21ebが第1係合部21daおよび第2係合部21dbを付勢する方向は、操作部材21fを操作する方向とは異なる方向である。これにより付勢部材21ea、21ebの付勢力を強くして螺合状態を強く維持するとともに、螺合状態を解除するために必要な操作力を小さくすることが可能となる。
また本実施の形態によれば、図12(A)に示されるように、第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各々は、螺合状態と解除状態との間で回転移動するように構成されている。これにより付勢部材21ea、21ebが第1係合部21daおよび第2係合部21dbを付勢する方向を、操作部材21fを操作する方向と異なる方向にすることが可能となる。
また本実施の形態によれば、操作部材21fは、図12(A)に示す第1状態と、図12(B)に示す第2状態との間で移動可能である。図12(A)に示す第1状態は、第1係合部21daおよび第2係合部21dbの双方の雌ネジ部が回転軸6bの雄ネジ部と螺合状態となる状態である。また図12(B)に示す第2状態は、第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各々の雌ネジ部が回転軸6bの雄ネジ部と螺合した状態が解除された解除状態となる状態である。また付勢部材21gは、操作部材21fを第1状態となるように付勢している。これにより付勢部材21gの付勢力により操作部材21fが第1状態に付勢され、第1係合部21daおよび第2係合部21dbの双方の雌ネジ部と回転軸6bの雄ネジ部との螺合状態が維持される。また付勢部材21gの付勢力に抗して操作部材21fを第2状態へ移動させることができる。これにより第1係合部21daおよび第2係合部21dbの双方の雌ネジ部と回転軸6bの雄ネジ部との螺合状態が解除された解除状態とすることができ、回転軸6bに対してスピンナー1を脱着することが可能となる。
また本実施の形態によれば、図12(A)、(B)に示されるように、操作部材21fを1方向から操作するのみで足りるため、操作者が操作部材21fに力を加えることが容易となる。
また本実施の形態においては、図13(B)に示されるように、作動部材21iおよび付勢部材21jが設けられた場合、作動部材21iにより第2状態が維持される。このためファン部材4を回転軸6bに着脱する際に、第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各雌ネジ部と回転軸6bの雄ネジ部との螺合が解除された解除状態を継続する操作が不要となる。
また図13(B)に示された第2状態から第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各雌ネジ部の間に回転軸6bの雄ネジ部が挿入されると、図13(A)に示されるように作動部材21iが回転軸6bに押されて、付勢部材21jの付勢力に抗して下方に移動する。これにより作動部材21iが第1係合部21daおよび第2係合部21dbから離れ、第1係合部21daおよび第2係合部21dbの各雌ネジ部同士が近づいて回転軸6bの雄ネジ部に噛み合う。このため回転軸6bの雄ネジ部を雌ネジ部間に挿入する操作のみでスピンナー1およびファン部材4を回転軸6bに取り付けることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成と比較して、ファン部材4を回転軸6bに着脱する機構において異なっている。
図14(A)、(B)に示されるように、本実施の形態におけるスピンナー1は、スピンナー本体1aと、係合部材31dと、操作部材31fと、付勢部材31g(第3付勢部材)とを有している。
係合部材31dは、バネ部材よりなっている。係合部材31dは、係合部31daと、1対の延在部31db、31dcとを有している。係合部31daは、回転軸6bの雄ネジ部に噛み合う部分である。このため係合部31daは、回転軸6bの雄ネジ部のネジ溝に嵌まり込む形状を有している。また係合部31daは、略円弧形状を有している。係合部31daの略円弧形状の中心角θは、係合部31daが回転軸6bの雄ネジ部に噛み合った状態において上方突出部2cの軸中心AX(回転軸6bの軸中心AX)を中心として180°以上である。係合部31daは、単一の曲率半径よりなる円弧形状を有していてもよく、複数の円弧が組み合わされた形状を有していてもよく、また回転軸6bの雄ネジ部に噛み合う形状であれば上記以外の形状であってもよい。
係合部31daに外力が加わらない状態における係合部31daの内接円の径は、回転軸6bの雄ネジ部における外径よりも小さくなるように設定されている。このため係合部31daが回転軸6bの雄ネジ部に噛み合った状態においては、係合部31daは回転軸6bにおける雄ネジ部のネジ溝に嵌っている。
延在部31dbは、係合部31daの第1端部に接続され、かつ第1端部から略円弧形状の係合部31daの径方向外側に向かって延びている。また延在部31dcは、係合部31daの第2端部に接続され、かつ第2端部から略円弧形状の係合部31daの径方向外側に向かって延びている。延在部31dbと延在部31dcとの間隔L1は、径方向内側に向かうほど小さくなっている。
操作部材31fは、1対の延在部31db、31dcの間に配置された先端部31faを有している。先端部31faは、係合部31daに近づくにしたがって幅L2が小さくなる形状を有している。
付勢部材31gは、操作部材31fを係合部材31dから離れる方向に向けて付勢している。
操作部材31fは、スピンナー本体1aの内部空間から外部に突き出している。これにより操作部材31fを付勢部材31gの付勢力に抗してスピンナー本体1aの内部に押し込む操作が可能である。
操作部材31fは、操作部材31fが係合部材31dから離れた第1状態(図14(A))と、操作部材31fが係合部材31dに当接する第2状態(図14(B))との間で移動可能である。
操作部材31fが第1状態にあるときには、係合部材31dは、回転軸6bと螺合した螺合状態にある。また操作部材31fが第2状態にあるときには、操作部材31fの先端部31faが1対の延在部31db、31dcの間隔L1を拡げることにより、係合部材31dと回転軸6bとの螺合状態が解除された解除状態となる。
なお上記以外の本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、本実施の形態の要素のうち実施の形態1と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
次に、上記のスピンナー1を回転軸6bに螺合またはワンタッチ操作により取り付ける方法について図14(A)、(B)を用いて説明する。
図14(A)に示されるように、操作部材31fは付勢部材31gにより係合部材31dから離れる方向(図中白矢印方向)に向けて付勢されている。このため操作部材31fに外力が作用していない状態では、操作部材31fは係合部材31dに当接していない。
またこの状態においては、係合部材31dの係合部31daは、回転軸6bの雄ネジ部に螺合可能である。このため回転軸6bの雄ネジ部に上記係合部材31dの係合部31daを螺合させることによりスピンナー1を回転軸6bに取り付けることが可能である。
また上記の状態からスピンナー1を回転軸6bに取り付ける前に、図14(B)に示されるように、操作部材31fをスピンナー本体1aの内部へ向かう方向(図中黒矢印方向)に押し込むこともできる。操作部材31fを押し込み操作することにより、操作部材31fの先端部31faが係合部材31dの1対の延在部31db、31dcの各々を押圧する。これにより1対の延在部31db、31dcの間隔L1が拡がる。これにより係合部31daの内接円が拡径するように係合部材31dが変形する。この状態では、係合部31daに、回転軸6bの雄ネジ部を係合部31daと螺合させることなく挿入することが可能となる。
係合部31da内に回転軸6bの雄ネジ部が挿入された後、操作部材31fをスピンナー本体1a内部へ押し込む操作が解除される。これにより操作部材31fが付勢部材31gの付勢力により係合部材31dから離れる方向(図中白矢印方向)に移動する。これにより係合部材31dは元の形状に復帰し、係合部材31dの係合部31daが回転軸6bの雄ネジ部と噛み合う状態となる。
上記のように操作部材31fを操作することにより、ワンタッチ操作でスピンナー1を回転軸6bの取り付けることも可能である。
またスピンナー1を回転軸6bから取り外す際には、スピンナー1が回転軸6bに対して相対的に回転されてもよい。つまり係合部材31dの係合部31daと回転軸6bの雄ネジ部との螺合状態が解除されるまでスピンナー1が回転軸6bなどに対して回転される螺合操作により、スピンナー1およびファン部材4を回転軸6bから取り外すこともできる。
また図14(B)の黒矢印に示されるように、操作部材31fを黒矢印方向に押し込み操作しながらスピンナー1を回転軸6bから引き抜くというワンタッチ操作で、スピンナー1およびファン部材4を回転軸6bから取り外すこともできる。
なお本実施の形態のスピンナー1は、実施の形態1の作動部材1fおよび付勢部材1gと同様、作動部材31iおよび付勢部材31j(第2付勢部材)をさらに有していてもよい。
図15(A)に示されるように、係合部材31dの係合部31daの下方には作動部材31iが配置されている。作動部材31iは、係合部材31dに近づくにしたがって幅が小さくなるテーパ形状の断面形状を有している。作動部材31iは、台形または三角形の断面形状を有している。
付勢部材31jは、作動部材31iの下方に配置されている。付勢部材31jは、作動部材31iを係合部31daに向けて付勢している。これにより作動部材31iのテーパ形状をなす傾斜部は、係合部31daの内周側に当接可能である。
作動部材31iは、図15(A)に示される第1状態と、図15(B)に示される第2状態との間で移動可能である。
図15(A)に示されるように、第1状態においては、係合部材31dの係合部31daは、回転軸6bの雄ネジ部と螺合状態となっている。また図15(B)に示されるように、第2状態においては、係合部材31dの係合部31daは、回転軸6bの雄ネジ部との間で螺合状態が解除された解除状態となっている。
具体的には図15(A)に示されるように、作動部材31iの第1状態とは、作動部材31iに下向きの外力が作用することにより、作動部材31iが付勢部材31jの付勢力に抗して下方向に移動した状態である。この第1状態では、作動部材31iは、係合部材31dの係合部31daから離れている。この場合、係合部材31dの係合部31daは元の形状を維持しているため、係合部31daと回転軸6bの雄ネジ部とが螺合可能な状態となる。
また図15(B)に示されるように、作動部材31iの第2状態とは、作動部材31iが付勢部材31jの付勢力により上方向に移動した状態である。この第2状態では、作動部材31iは、付勢部材31jの付勢力により係合部31daを拡径するように押圧している。これにより係合部31daが拡径されて、係合部31daと回転軸6bの雄ネジ部との螺合状態が解除可能な状態となる。
上記において付勢部材31g、31jは、たとえばバネであるが、これに限定されるものではなく付勢力を付与できる部材であればよい。また付勢部材31jの付勢力は、係合部31daを拡径できるように調整されている。
次に、本実施の形態におけるレンジフード10の効果について説明する。
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様、ワンタッチ操作と螺合操作との双方にてスピンナー1を回転軸6bに着脱することができる。このため操作部材31fが油汚れ、錆などによりスピンナー本体1aなどと固着して操作できなくなった場合でも、スピンナー1を螺合により回転軸6bに対して着脱することができる。よって油汚れ、錆などによる固着が生じても排気用ファン3の着脱が容易である。
また本実施の形態によれば、図14(A)、(B)に示されるように、係合部材31dは、係合部31daと、その係合部31daの両端から径方向外側に向かって延びる1対の延在部31db、31dcとを有するバネ部材である。これにより簡易な構成で回転軸6bとの螺合状態と解除状態とを実現することができる。
また本実施の形態によれば、図14(A)、(B)に示されるように、操作部材31fを1方向から操作するのみで足りるため、操作者が操作部材31fに力を加えることが容易となる。
また本実施の形態においては、図15(B)に示されるように、作動部材31iおよび付勢部材31jが設けられた場合、作動部材31iにより第2状態が維持される。このためファン部材4を回転軸6bに着脱する際に、係合部材31dの係合部31daと回転軸6bの雄ネジ部との螺合が解除された解除状態を継続する操作が不要となる。
また図15(B)に示された第2状態から係合部31da内に回転軸6bの雄ネジ部が挿入されると、図15(A)に示されるように作動部材31iが回転軸6bに押されて、付勢部材31jの付勢力に抗して下方に移動する。これにより作動部材31iが係合部31daから離れ、係合部材31dは元の形状に復帰して係合部31da内に挿入された回転軸の雄ネジ部に噛み合う。このため回転軸6bの雄ネジ部を係合部31da内に挿入する操作のみでスピンナー1およびファン部材4を回転軸6bに取り付けることができる。
なお上記実施の形態1〜3においては、ベース下部2Lおよびベース上部2Uが別部品である場合について説明したが、ベース下部2Lおよびベース上部2Uは一体化された1部品であってもよい。
また上記実施の形態1〜3においては回転軸6bに設けられた第1ネジ部が雄ネジ部であり、スピンナー1に設けられた第2ネジ部が雌ネジ部である場合について説明したが、第1ネジ部が雌ネジ部で、第2ネジ部が雄ネジ部であってもよい。
また上記実施の形態においては、排気用ファン3を回転させる駆動源としてモータ6について説明したが、駆動源はモータ6に限定されず、排気用ファン3を回転可能なものであればよい。
また上記実施の形態1〜3においては、図4に示されるように、回転軸6bとスピンナー1とは、回転軸6bの回転方向に対して回転軸6bとスピンナー1との螺合が締まるように構成されている。具体的には回転軸6bの雄ネジ部が回転軸6bの回転方向に対して逆ネジとなっている。これにより回転軸6bの回転により回転軸6bとスピンナー1とが強固に締結されることになる。
また上記実施の形態1〜3においては、スピンナー1がファン部材4に相対回転可能に取り付けられた構成について説明したが、スピンナー1はファン部材4と別体であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。